説明

アライメントマーク検査方法およびプログラム

【課題】 基板に形成されるアライメントマークに欠損、不良等が生じているか否かを検査可能なように基板をアライメントする。
【解決手段】 基板1の外形を基準として粗位置決めを行い、基板1に形成されるアライメントマークA1乃至A4のうち、A1およびA2が観察手段C1およびC2に検出できたときには、アライメントマークA1およびA2を基準として、基板1の回転方向のずれを調整し、各アライメントマークA1乃至A4が対応する撮影手段C1乃至C4の有効視野の中心に位置するように移動する。この状態において、全てのアライメントマークA1乃至A4が検出できるか否かを判定し、アライメントマークに欠損又は不良等が生じているかの検査を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶のパネル、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro Luminescence)等の基板に形成されるアライメントマークが欠損しているか否かを検査するアライメントマーク検査方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶パネルは、2枚のガラス基板が重ね合わされて構成されるが、例えばTFT(Thin Film Transistor)形の液晶パネルは、一方の基板にはTFT回路パターンが形成され、他方の基板にはカラーフィルタが形成され、これら両基板の間に液晶が封入される。これらTFT基板およびフィルタ基板には、夫々回路パターンやカラーフィルタ等が形成されるが、例えば回路パターンを形成するときには、フォトマスクを使用してパターンの形成が行われるため、基板とフォトマスクとを厳格にアライメントした状態で回路パターンの形成が行われる。また、TFT基板とフィルタ基板とを重ね合わせるときにおいても、厳格にアライメントした状態で重ね合わせが行われる。
【0003】
以上のように、液晶ディスプレイの製造工程においては、アライメントという作業が極めて重要なものになり、その精度は極めて高いものが要求されるため、高精度なアライメントを実現するために基板上に幾つかのアライメントマークを形成しておき、このアライメントマークを基準として、位置合わせが行われる。かかるアライメントマークは、上述したように、基板間の重ね合わせや回路パターンの形成以外にも、カラーフィルタやIC(Integrated Circuit)回路の接合のためにも使用されるが、各種のアライメントマークは共用されるものもあれば、専用に用いられるものもある。
【0004】
従って、各種アライメントマークは極めて重要なものであるが、アライメントマークそのものに不良又は欠損が生じると、アライメント自体を行うことができなくなるため、全てのアライメントマークが正確な位置に形成されている必要がある。そこで、液晶パネルの製造工程に入る前段階で、全てのアライメントマークが正確な位置に形成されているかを検査し、必要に応じてアライメントマークのパターン認識を行う必要がある。このため、アライメントマーク検出ステージを設けて、ステージ上に基板を設置した状態で、アライメントマークの検出を行うことが望ましい。ここで、アライメントマークはテレビカメラやCCDカメラ等の撮影手段により検出されるため、各アライメントマークが撮影手段に検出されるように、基板の姿勢を制御しなければならない。しかし、検出ステージ上での基板の姿勢制御は、基板の外形を基準として行われるため、基板の外形寸法にばらつき等があるときには、微細な位置決めをすることができず、粗位置決め状態となる。
【0005】
ところで、液晶パネルの製造工程においては、高精度なアライメントが行われるため、アライメントマークの認識精度を高めるために、高い拡大率を有する撮影手段を使用してアライメントが行われる。従って、かかる撮影手段を使用してアライメントマーク検出ステージでアライメントマークの検出を行う場合、撮影手段の拡大率が高いため、必然的に観察できる視野が狭くなり、粗位置決めの状態では、基板が撮影手段に対して僅かにずれた場合でも、アライメントマークが撮影手段の視野内に入らないことがある。このため、各アライメントマークが基板に正確に形成されていたとしても、基板の姿勢がずれているためにアライメントマークを検出できないことがある。すなわち、撮影手段がアライメントマークを検出できない要因は、基板の姿勢が撮影手段に対してずれている場合と、アライメントマークそのものが不良又は欠損している場合とが考えられるため、各アライメントマークが基板に正確に形成されていたとしても、基板の姿勢がずれていると、アライメントマークを検出することができないということがある。
【0006】
従って、検査工程において、基板を撮影手段に対して正しい姿勢に制御した後に、アライメントマークを検出する必要があるが、かかるアライメントマークの検出方法として、基板上に形成されている2つ以上のアライメントマークのうち1つのアライメントマークが検出できているときは、検出されているアライメントマークが撮影手段の視野から外れない範囲内で、基板全体の回転を繰り返し行い、他のアライメントマークを検出するサーチ方法は従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開7−108421号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1の発明では、基板上に形成されているアライメントマークのうち、1つのアライメントマークを基準として、他のアライメントマークをサーチしているために、回転および移動を繰り返し行わなくてはならない。特に、上述したように撮影手段は高い拡大率で拡大されるため、非常に狭い範囲内を撮影することになる。従って、上述した特許文献1における1回あたりの回転角は極めて小さいものになり、アライメントマークが撮影手段から離れていた場合、アライメントマークが検出できる位置にまで姿勢を制御するために基板の回転および移動を繰り返して行わなければならず、タイムロスの問題が依然として大きい。
【0008】
そこで、本発明は、基板に形成された複数のアライメントマークのうち検出されている2つのアライメントマークの位置を基準として全てのアライメントマークが検査できる最適な位置に基板の姿勢を制御し、アライメントマークに欠損・欠陥が発生しているか否かについて検査を行うことができるアライメントマーク検査方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のアライメントマーク検査方法は、基板上には3つ以上のアライメントマークが形成され、これらアライメントマークのうち、少なくとも2つのアライメントマークを夫々個別の撮影手段が検出することが可能な位置にまで粗位置決めをする粗位置決めステップと、前記撮影手段に検出されたアライメントマークを基準として、前記基板の前記撮影手段に対するずれ量を算出して、前記撮影手段に検出されたアライメントマークの位置が前記撮影手段の視野の中心位置と一致するように調整する位置調整ステップと、からなり、前記位置調整ステップによる位置調整後に前記全てのアライメントマークが前記撮影手段の視野内に入っているか否かを検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のアライメントマーク検査方法およびプログラムは、基板上に形成された複数のアライメントマークのうち2つのアライメントマークを基準として、これら2つのアライメントマークが撮影手段の視野の中心となるように基板を正しい姿勢に制御することにより、基板の回転等を繰り返し行うことなく、全てのアライメントマークを検出できる最適な位置に基板を自動的にアライメントして検査を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明に係る実施形態を、図1のフローチャートを用いて説明する。本発明に適用される基板1は、TFT(Thin Film Transistor)基板やフィルタ基板等の形状が四角形の基板である。その他にも、半導体ウェハ等の形状が円形の基板にも適用することができるが、何れの形状の基板であっても、基板上には、ずれ量を算出するときに基準とされる2つのアライメントマークが形成されており、その他に1または複数のアライメントマークが形成されているものとする。以下、基板1の形状は四角形であり、その四隅にアライメントマークA1乃至A4が形成されているものについて説明する。ただし、全てのアライメントマークA1乃至A4は適正な位置に形成されているが、その一部、すなわちアライメントマークA3には許容誤差の範囲内ではあるが、多少の形成位置の誤差が生じているものとする。
【0012】
液晶パネルは、基板に対するTFT回路やカラーフィルタ等の形成、基板の重ね合わせ、ドライバICの接合等の製造工程の段階の前に、基板上にアライメントマークが適正に形成されているか否かが検査される。かかる検査はアライメントマーク検査ステージにおいて行われるが、検査を行うために基板の姿勢を制御する必要がある。図2は、アライメントマーク検査ステージの一例を示す図であるが、このアライメントマーク検査ステージは、X方向(基板の縦方向又は横方向の何れか一方の方向)、Y方向(X方向に直交する方向)およびθ方向(回転方向)に調整可能な3つのテーブルTX、TYおよびTθを有して構成される。これら3つのテーブルにより、基板の姿勢が制御される。そして、これら各テーブルの上部には、基板1を載置可能なテーブルがさらに用意され、さらにその上部には、4台の撮影手段C1乃至C4が設けられている。また、このアライメントマーク検出ステージは、実際の製造工程の前段階におけるステージであるため、アライメントマークの検査が終了した後に、次の製造ステージに搬送するために、送りねじ10およびガイド部材12が設けられ、送りねじ10によりガイド部材12がガイドレール11を走行することにより、基板1が次の製造ステージに搬送される。また、図示はしていないが、テーブルTX上にはテーブルTYをY方向に移動させるモータ、送りねじ、ガイドレールが設けられており、テーブルTXと同様に送りねじによりテーブルTYのガイド部材がガイドレールを走行することより、テーブルTX及びその上のテーブルTθが搬送される。かかるアライメントマーク検査ステージに、基板1を載置して、アライメントマークの検出を行うが、このとき、基板1の外形を基準として基板1の粗位置決めが行われる(ステップS1)。従って、この位置決めは粗位置決めとなる。このため、アライメントマーク検出ステージで、テーブルを所定の位置に配置しても、撮影手段C1乃至C4の全ての撮影手段の有効視野の範囲内にアライメントマークA1乃至A4が入ってくることは難しい。
【0013】
図3は、アライメントマーク検出ステージでテーブル上に基板1が載置され、基板1の四隅に形成されたアライメントマークA1乃至A4のうち、2つのアライメントマークA1およびA2が撮影手段C1およびC2の有効視野の範囲内に入ったものの一例を示す図である。ここで、アライメントマーク検出ステージのテーブル上のX方向をX座標として、Y方向をY座標として、XY座標系を設け、撮影手段C1乃至C4の夫々の中心座標を(C1X、C1Y)、(C2X、C2Y)、(C3X、C3Y)、(C4X、C4Y)とし、アライメントマークA1乃至A4の座標を(A1X、A1Y)、(A2X、A2Y)、(A3X、A3Y)、(A4X、A4Y)とする。なお、撮影手段C1乃至C4の中心位置を結んで形成される四角形を基準四角形2という。また、各撮影手段C1乃至C4は、夫々の中心座標を中心として、一定の有効視野を撮影できるものであればよく、図3に示されるように、正方形の領域を映し出すものに限られず、円形等のものであってもよい。
【0014】
図3に示されるように、アライメントマークA1およびA2のみが撮影手段に検出されている場合、他のアライメントマークが適正に形成されているか否かの検査を行うために、全てのアライメントマークが検出可能なように基板1を正しい姿勢に制御しなくてはならない。すなわち、検出されていないアライメントマークA3およびA4は、適正に形成されているが、基板1の姿勢がずれているために検出できないのか、そもそもアライメントマークA3およびA4が適正に形成されていないことにより検出することができないのかを判定する必要がある。従って、各アライメントマークが本来であれば、撮影手段の視野の中心に位置するように調整して、基板1を正しい姿勢に制御する必要がある。
【0015】
そこで、アライメントマークA1およびA2は、撮影手段C1およびC2に検出されているため、これらアライメントマークA1およびA2の座標から、基板1のずれ量を算出する。最初に、基板1のXY座標系に対するθ方向のずれ量を算出する(ステップS2)。このずれ量は、アライメントマークA1とA2とのX座標の差分およびY座標の差分の正接により算出することができる。具体的には、基板1のXY座標系に対するθ方向のずれ量である角度θgは、θg=tan−1(A2Y−A1Y)/(A2X−A1X)の式より求めることができる。次に、撮影手段C1乃至C4が形成する基準四角形2のXY座標系に対するθ方向のずれ量を算出する(ステップS3)。このずれ量である角度θpは、θp=tan−1(C2Y−C1Y)/(C2X−C1X)の式により求めることができる。従って、基板1は、撮影手段C1乃至C4が形成する基準四角形2に対して相対角度θr=θg−θpの角度だけ傾いていることになる。この算出された相対角度θrのずれ量を、テーブルTθが回転することにより、図4に示されるように、基板1のθ方向のずれが調整されることになる(ステップS4)。
【0016】
ただし、図4に示されるように、θ方向のずれを調整できたとしても、アライメントマークA3の形成位置が許容誤差の範囲内ではあるが、多少の位置ずれが生じているために、アライメントマークA3は依然として撮影手段C3の有効視野内には入らない。すなわち、基板1のθ方向のずれは調整されたが、依然として、X方向およびY方向のずれは調整されていない。そこで、かかるずれを調整することにより、各アライメントマークA1乃至A4は各撮影手段C1乃至C4の視野の中心に位置するはずであり、アライメントマークA3が撮影手段C3の有効視野内に入る可能性もある。そこで、回転後のアライメントマークA1およびA2の位置を算出し(ステップS5)、アライメントマークA1およびA2を撮影手段C1およびC2の視野の中心位置に移動されるように調整する(ステップS6)。すなわち、2つのアライメントマークA1およびA2のθ方向のずれを調整した後に、これらアライメントマークA1およびA2が撮影手段C1およびC2の中心位置と一致するように調整すれば、基板を最も正しい姿勢に導くことができるため、かかる状態において、なお基板上に形成されたアライメントマークA1乃至A4のうち何れかを検出できないときには、明らかにアライメントマークに不良又は欠損が生じているものと判定することができる。そこで、アライメントマークA1のXY座標系における座標位置と、撮影手段C1の中心位置のXY座標系における座標位置とが一致するように基板をXY方向に調整する。
【0017】
ここで、上述したようにθ方向のずれを調整したときには、アライメントマークA1を中心に回転しているため、アライメントマークA2乃至A4の位置が移動している。回転前の各アライメントマークA1乃至A4の座標を夫々(A1X、A1Y)、(A2X、A2Y)、(A3X、A3Y)、(A4X、A4Y)とし、回転後の各アライメントマークA1乃至A4の座標を夫々(A1X'、A1Y')、(A2X'、A2Y')、(A3X'、A3Y')、(A4X'、A4Y')とすると、各アライメントマークA1乃至A4の回転後のX座標およびY座標は次のようになる。
A1X'=(AX1−AX1)×cos(−θr)−(AY1―AY1)×sin(−θr)+A1X(=A1X)
A1Y'=(AX1−AX1)×sin(−θr)+(AY1―AY1)×cos(−θr)+A1Y(=A1Y)
A2X'=(AX2−AX1)×cos(−θr)−(AY2―AY1)×sin(−θr)+A1X
A2Y'=(AX2−AX1)×sin(−θr)+(AY2―AY1)×cos(−θr)+A1Y
A3X'=(AX3−AX1)×cos(−θr)−(AY3―AY1)×sin(−θr)+A1X
A3Y'=(AX3−AX1)×sin(−θr)+(AY3―AY1)×cos(−θr)+A1Y
A4X'=(AX4−AX1)×cos(−θr)−(AY4―AY1)×sin(−θr)+A1X
A4Y'=(AX4−AX1)×sin(−θr)+(AY4―AY1)×cos(−θr)+A1Y
【0018】
従って、回転後におけるアライメントマークA1乃至A4の位置と、撮影手段C1乃至C4とのX方向のずれXrは、Xr=−(A1X'―C1X)であり、Y方向のずれYrは、Yr=−(A1Y'―C1Y)である。かかるXrおよびYrのずれ量を、テーブルTXおよびTYが移動することにより調整される。これにより、図5に示されるように、全てのアライメントマークA1乃至A4は、本来的には撮影手段C1乃至C4の視野の中心になるように調整されることになる。かかる調整が行われると、基板1に形成された各アライメントマークA1乃至A4が適正に形成されているか否かを検査するために最も理想的な姿勢、すなわち各アライメントマークA1乃至A4が各撮影手段C1乃至C4の視野の中心位置に位置するように制御されているため、この調整後に全てのアライメントマークA1乃至A4を検出できるか否かの検査を行う(ステップS7)。
【0019】
図5に示されるように、上記調整が行われると、基板1のθ方向の調整が行われただけでは検出できなかったアライメントマークA3が撮影手段C3により検出可能な位置に入ってくるようになる。すなわち、アライメントマークA3は、多少の形成位置の誤差があったものの、許容誤差の範囲内であったため、各アライメントマークが各撮影手段の中心位置となるように調整することにより、調整前は検出できなかったアライメントマークA3を検出できるようになり、欠損又は不良が生じていないと判定することができる。
【0020】
一方、上記調整が行われて、各アライメントマークA1乃至A4が各撮影手段C1乃至C4の中心となるように調整されても、なお何れかのアライメントマークを検出できないときは、明らかに欠損又は不良が生じていると確定的に判定することができる。
【0021】
ところで、アライメントマークの形成位置の誤差の他に、例えば撮影手段に組付け誤差が生じていた場合においても、これら誤差が累積したとしても、各アライメントマークA1乃至A4が撮影手段C1乃至C4の視野の中心位置と一致するようにアライメントすることにより、ある程度までの累積誤差は吸収でき、全てのアライメントマークを検出することが可能になる。
【0022】
以上のように、基板1上に形成されたアライメントマークA1乃至A4のうち、2つのアライメントマークA1およびA2が撮影手段C1およびC2の有効視野内にあるときには、これらアライメントマークA1およびA2の位置から、基板1のθ方向、X方向およびY方向のずれ量を算出して、各アライメントマークA1乃至A4が対応する撮影手段C1乃至C4の視野の中心位置となるように調整を行うことにより、基板の回転等を繰り返し行わなくても、全てのアライメントマークを検出可能な位置に基板1をアライメントすることができ、全てのアライメントマークにつき、欠損・欠陥が発生しているか否かを検査することができる。
【0023】
次に、図6に示されるように、粗位置決めの段階で、アライメントマークA1乃至A4のうちA1、A2およびA4が撮影手段C1、C2およびC4の有効視野内に入っており、アライメントマークA3のみが有効視野内に入っていない場合について説明する。
【0024】
この場合、アライメントマークA1、A2およびA4のうち、何れか2つのアライメントマークを基準として、基板1のアライメントを行う。このとき、A1、A2またはA1、A4の隣接する2つのアライメントマークを選択することも考えられるが、対角の2つのアライメントマークが検出されているときは、A2、A4の対角に位置するアライメントマークを選択する。すなわち、対角に位置するアライメントマークA2、A4を基準とすると、基板1のXY座標系に対するθ方向のずれ量である角度θgは、θg=tan−1(A4Y−A2Y)/(A4X−A2X)の式より求めることができる。また、撮影手段C1乃至C4のXY座標系に対するθ方向のずれ量である角度θpは、θp=tan−1(C4Y−C2Y)/(C4X−C2X)の式より求めることができる。
【0025】
ここで、θgおよびθpは、隣接するアライメントマークを選択したときよりも、対角に位置するアライメントマークを選択したときの方が、正接の分母および分子の値を大きくすることができる。従って、アライメントマークA2、A4および撮影手段C2、C4に多少の誤差が発生したとしても、値の大きいY座標の差分と値の大きいX座標の差分との商により正接を求めているため、誤差を低減させることができる。従って、アライメントマークA1乃至A4のうち3つのアライメントマークが検出されていたときは、対角に位置するアライメントマークを選択して、基板1のアライメントを行う。これにより、さらにアライメントマークの検査精度を高めることができる。
【0026】
なお、本実施形態では、四角形の形状をした基板の四隅にアライメントマークが形成されたものを例示したが、これに限られず、基板の形状は任意の形状を採ることができる。例えば、半導体ウェハのように円形の基板を採ることもできる。ただし、いかなる基板を採用したとしても、基板上には基準となる2つのアライメントマークと、その他に1または複数のアライメントマークが形成されていなければならない。
【0027】
また、本実施形態では、テーブルにX、Y、θ調整機構を設けているが、カメラ側において、各カメラが相対位置を確保しつつ、X、Y、θ方向に移動する調整機構を設けて、カメラ側を移動させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の処理を説明するフローチャートである。
【図2】基板、回転テーブル、撮影手段の概略構成図である。
【図3】2つのアライメントマークが検出可能な位置に粗位置決めされた状態を示す説明図である。
【図4】基板のθ方向のずれを調整したときの例を示す説明図である。
【図5】基板のXY方向のずれを調整したときの例を示す説明図である。
【図6】3つのアライメントマークが検出可能な位置に粗位置決めされた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0029】
1 基板 2 基準四角形
A1乃至A4 アライメントマーク C1乃至C4 撮影手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上には3つ以上のアライメントマークが形成され、これらアライメントマークのうち、少なくとも2つのアライメントマークを夫々個別の撮影手段が検出することが可能な位置にまで粗位置決めをする粗位置決めステップと、
前記撮影手段に検出されたアライメントマークを基準として、前記基板の前記撮影手段に対するずれ量を算出して、前記撮影手段に検出されたアライメントマークの位置が前記撮影手段の視野の中心位置と一致するように調整する位置調整ステップと、からなり、
前記位置調整ステップによる位置調整後に前記全てのアライメントマークが前記撮影手段の視野内に入っているか否かを検出することを特徴とするアライメントマーク検査方法。
【請求項2】
前記撮影手段が検出したアライメントマークが3つ以上であったときには、これらアライメントマークのうち最も遠い距離関係にある2つのアライメントマークを基準とすることを特徴とする請求項1記載のアライメントマーク検査方法。
【請求項3】
前記基板の前記撮影手段に対してのずれ量は、前記基準とされた2つのアライメントマークと、これら2つのアライメントマークに対応する2台の撮影手段の視野の中心位置とがなす、X方向、Y方向およびθ方向の相対位置に基づいて算出されることを特徴とする請求項1記載のアライメントマーク検査方法。
【請求項4】
前記位置調整ステップにおいて、前記基板のθ方向のずれを補正した後に、Y方向またはX方向の何れかの方向のずれを補正し、さらに残りの方向のずれを補正することを特徴とする請求項3記載のアライメントマーク検査方法。
【請求項5】
前記基板を載置して、前記基板をX方向、Y方向およびθ方向に移動することが可能なテーブルにより前記各方向のずれが補正されることを特徴とする請求項4記載のアライメントマーク検査方法。
【請求項6】
前記各撮影手段が、相対位置を確保しつつX方向、Y方向およびθ方向に移動することにより前記各方向のずれが補正されることを特徴とする請求項4記載のアライメントマーク検査方法。
【請求項7】
請求項1乃至6記載の何れか1項に記載のアライメントマーク検査方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−112933(P2006−112933A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300977(P2004−300977)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(000233480)日立ハイテク電子エンジニアリング株式会社 (34)
【Fターム(参考)】