説明

アリール及びヘテロアリールピペリジンカルボン酸誘導体、その製造並びにFAAH酵素阻害剤としてのその使用

本発明は一般式(I):


(式中、m、n=1〜3且つm+n=2〜5、p=1〜7;A=単結合又はX、Y及び/又はZ;X=場合により置換されたメチレン;Y=場合により置換されたC−アルケニレン又はC−アルキニレン;Z=C3−7−シクロアルキル;Rはアリール又はヘテロアリール基てあり;Rは水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル、C1−6−アルコキシ又はNR基であり;Rは水素原子又はC1−6−アルキル基であり;Rは水素原子又はC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキル基である)の化合物に関する。前記化合物は塩基、酸付加塩、水和物又は溶媒和物の形態とすることができ、FAAH酵素阻害剤として使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアリール及びヘテロアリールピペリジンカルボン酸誘導体、その製造並びに治療におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
酵素FAAH(脂肪酸アミドヒドロラーゼ)の阻害剤としてFR2850377A、WO2004/020430A2及びPCT/FR2005/00028に夫々開示されているフェニルアルキルカルバミン酸誘導体、ジオキサニル−2−アルキルカルバミン酸誘導体及びアリールオキシアルキルカルバミン酸型誘導体は既に公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
酵素FAAHの阻害剤である物質を発見及び開発することが依然として必要とされている。本発明の化合物はこの目的に満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の化合物は一般式(I):
【0005】
【化5】

[式中、mとnはm+nが2〜5の整数となるような1〜3の整数を表し;
pは1〜7の整数を表し;
Aは単結合を表すか、又は1個以上のX、Y及び/又はZ基から選択され;
Xは場合により1又は2個のC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル又はC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン基で置換されたメチレン基を表し;
Yは場合により1又は2個のC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン基で置換されたC−アルケニレン基;又はC−アルキニレン基を表し;
Zは式:
【0006】
【化6】

の基を表し;
oは1〜5の整数を表し;
rとsは整数を表し、r+sが1〜5となるように定義され;
は場合により1個以上のR及び/又はR基で置換されたR基を表し;
は水素もしくはフッ素原子又はヒドロキシル、C1−6−アルコキシもしくはNR基を表し;
は水素原子又はC1−6−アルキル基を表し;
は水素原子又はC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキル基を表し;
はフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ナフチル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリル、インドリニル、インダゾリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、チエノピリジル、イミダゾピリジル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、ピラゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル又はイソチアゾロピリジルから選択される基を表し;
はハロゲン原子又はシアノ、ニトロ、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C1−6−アルコキシ、ヒドロキシル、C1−6−チオアルキル、C1−6−フルオロアルキル、C1−6−フルオロアルコキシ、C1−6−フルオロチオアルキル、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、COR、CO、CONR、SO、SONRもしくは−O−(C1−3−アルキレン)−O基、又はアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼピンもしくはピペラジン環から選択される環を表し、前記環は場合によりC1−6−アルキル又はベンジル基で置換されており;
はフェニル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニル基を表し;前記Rは相互に同一又は異なる1個以上のR基で置換されていてもよく;
とRは相互に独立して水素原子又はC1−6−アルキル基を表す]で表される。
【0007】
従って、本発明の範囲では、一般式(I)の化合物は相互に同一又は異なる数個のA基を含むことができる。
【0008】
一般式(I)の化合物のうちで、第1のサブグループの化合物は、
mとnはm+nが2〜4の整数となるような1又は2の整数を表し;
pが1〜3の整数を表し;
Aが単結合又はメチレンもしくはC−アルキニレン基を表し;
が場合により1個以上のR及び/又はR基で置換されたR基を表し;
が水素原子又はヒドロキシル基を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル基を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキル基を表し;
がフェニル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ナフチル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリル、インドリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル又はピロロピリジルから選択される基を表し;
がハロゲン原子(より特定的には臭素、塩素又はフッ素)、又はシアノ、C1−6−アルキル(より特定的にはメチル、ブチル又はイソブチル)、C3−7−シクロアルキル(より特定的にはシクロペンチル)、C1−6−アルコキシ(より特定的にはメトキシ又はエトキシ)もしくはC1−6−フルオロアルキル(より特定的にはトリフルオロメチル)基、又はピロリジンもしくはピペリジン環を表し、前記環は場合によりC1−6−アルキル基(より特定的にはイソプロピル)で置換されており;
が相互に同一又は異なる1個以上のR基で置換されていてもよいフェニル基を表す化合物から構成される。
【0009】
一般式(I)の化合物のうちで、第2のサブグループの化合物は、
mとnはm+nが2〜4の整数となるような1又は2の整数を表し;
pは1〜3の整数を表し;
pが1〜3の整数を表し;
Aが単結合又はメチレンもしくはC−アルキニレン基を表し;
が場合により1個以上のR及び/又はR基で置換されたR基を表し;
が水素原子又はヒドロキシル基を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル基を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキル基を表し;
がフェニル、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチル又はイソキノリニルから選択される基を表し;
がハロゲン原子(より特定的には臭素、塩素又はフッ素)、又はシアノ、C1−6−アルキル(より特定的にはメチル、ブチル又はイソブチル)、C3−7−シクロアルキル(より特定的にはシクロペンチル)、C1−6−アルコキシ(より特定的にはメトキシ又はエトキシ)もしくはC1−6−フルオロアルキル(より特定的にはトリフルオロメチル)基、又はピロリジンもしくはピペリジン環を表し、前記環は場合によりC1−6−アルキル基(より特定的にはイソプロピル)で置換されており;
が相互に同一又は異なる1個以上のR基で置換されていてもよいフェニル基を表す化合物から構成される。
【0010】
一般式(I)の化合物のうちで、第3のサブグループの化合物は、
m、n、p、A及びRが上記第1のサブグループに定義した通りであり;
が水素原子を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル基、より特定的にはメチルを表す化合物から構成される。
【0011】
上記サブグループの化合物としては以下の化合物を挙げることができる:
−4−{5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリド−2−イル}ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(4’−クロロビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(4’−エトキシビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(3’,4’−ジクロロビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(3’−クロロ−4’−フルオロビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[(6−シクロペンチルピリド−2−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[2−(3−クロロフェニル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[2−(4−クロロフェニル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−{2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−{2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(2−(ビフェニル−3−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[2−(1−ナフチル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[2−(2−ナフチル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[2−(シクロペンチルピリド−2−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[2−(6−ピロリジン−1−イルピリド−2−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(2−(イソキノリン−1−イル)エチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[3−(3−クロロフェニル)プロピル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[3−(4−クロロフェニル)プロピル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−{3−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−{3−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[3−(3−シアノフェニル)プロピル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(3−(ビフェニル−2−イル)プロピル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(3−(ビフェニル−3−イル)プロピル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[3−(1−ナフチル)プロピル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[3−(2−ナフチル)プロピル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[3−(1,3−チアゾール−2−イル)プロピル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[(3−クロロフェニル)エチニル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[(4−クロロフェニル)エチニル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(ビフェニル−3−イルエチニル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(1−ナフチルエチニル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(2−ナフチルエチニル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−(3−(ビフェニル−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
−4−[(6−ピロリジン−1−イルピリド−2−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル。
【0012】
一般式(I)の化合物のうちで、1サブファミリーの化合物は一般式(I’):
【0013】
【化7】

[式中、mとnはm+nが2〜5の整数となるような1〜3の整数を表し;
pは1〜7の整数を表し;
Aは単結合を表すか、又は1個以上のX、Y及び/又はZ基から選択され;
Xは場合により1又は2個のC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル又はC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン基で置換されたメチレン基を表し;
Yは場合により1又は2個のC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン基で置換されたC−アルケニレン基;又はC−アルキニレン基を表し;
Zは式:
【0014】
【化8】

の基を表し;
oは1〜5の整数を表し;
rとsは整数を表し、r+sが1〜5となるように定義され;
は場合により1個以上のR及び/又はR基で置換されたR基を表し;
は水素もしくはフッ素原子又はヒドロキシル、C1−6−アルコキシもしくはNR基を表し;
は水素原子又はC1−6−アルキル基を表し;
は水素原子又はC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキル基を表し;
はフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ナフチル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリル、インドリニル、インダゾリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、チエノピリジル、イミダゾピリジル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、ピラゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル又はイソチアゾロピリジルから選択される基を表し;
はハロゲン原子又はシアノ、ニトロ、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ヒドロキシル、C1−6−チオアルキル、C1−6−フルオロアルキル、C1−6−フルオロアルコキシ、C1−6−フルオロチオアルキル、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、COR、CO、CONR、SO、SONRもしくは−O−(C1−3−アルキレン)−O基を表し;
はフェニル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニル基を表し;前記Rは相互に同一又は異なる1個以上のR基で置換されていてもよく;
とRは相互に独立して水素原子又はC1−6−アルキル基を表すか、あるいはそれらがもつ原子を介して場合によりC1−6−アルキル又はベンジル基で置換されたアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼピン又はピペラジン環から選択される環を形成する]の化合物から構成される。
【0015】
一般式(I’)の化合物のうちで、第1のサブグループの化合物は、
mとnはm+nが2〜4の整数となるような1又は2の整数を表し;
pが1又は2の整数を表し;
Aが単結合又はメチレン基を表し;
が場合により1個以上のR及び/又はR基で置換されたR基を表し;
が水素もしくはフッ素原子又はヒドロキシル、C1−6−アルコキシもしくはNR基を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル基を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキル基を表し;
がフェニル、イミダゾリル、ナフチル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリル、インドリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル又はピロロピリジルから選択される基を表し;
がハロゲン原子(より特定的には臭素、塩素もしくはフッ素)、又はC1−6−アルキル(より特定的にはメチル又はブチル)、C1−6−アルコキシ(より特定的にはメトキシ又はエトキシ)、C1−6−フルオロアルキル(より特定的にはトリフルオロメチル)基を表し;
が相互に同一又は異なる1個以上のR基で置換されていてもよいフェニル基を表す化合物から構成される。
【0016】
一般式(I’)の化合物のうちで、第2のサブグループの化合物は、
m、n、p、A及びRが上記第1のサブグループに定義した通りであり;
が水素原子を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル基、より特定的にはメチルを表す化合物から構成される。
【0017】
一般式(I’)の化合物としては以下の化合物を挙げることができる:
−4−フェニルピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−フェニルピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(4−ブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(4’−フルオロビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(4’−クロロビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−ヒドロキシ−4−(4’−メチルビフェニル−4−イル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(4’−ブチルビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−ヒドロキシ−4−[4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−4−イル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−ヒドロキシ−4−[4’−(メチルオキシ)ビフェニル−4−イル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−[4’−(エチルオキシ)ビフェニル−4−イル]4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(3’,4’−ジクロロビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−[3’−フルオロ−4’−(メチルオキシ)ビフェニル−4−イル]−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(3’−クロロ−4’−フルオロビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(ナフト−2−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(ビフェニル−4−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル;
−4−(1H−インドール−1−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリド−1−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−(1H−ベンゾイミダゾール−1−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−[(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)メチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−3−(2−フェニルエチル)ピロリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−[2−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−[2−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−[2−(1H−インドール−1−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−[2−(2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−[2−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリド−1−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−[2−(1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル;
−4−[2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボン酸2−アミノ−2−オキソエチル。
【0018】
一般式(I)の化合物は1個以上の不斉炭素を含むことができる。前記化合物はエナンチオマー又はジアステレオマーとして存在することができる。これらのエナンチオマー及びジアステレオマーとその混合物(ラセミ混合物を含む)も本発明の一部である。
【0019】
式(I)の化合物は塩基又は酸付加塩として存在することができる。このような付加塩も本発明の一部である。
【0020】
これらの塩は医薬的に許容可能な酸から製造すると有利であるが、例えば、式(I)の化合物の精製又は単離に有用な他の酸の塩も本発明の一部である。一般式(I)の化合物は水和物又は溶媒和物、即ち1個以上の水分子又は溶媒と結合又は会合した形態で存在することができる。このような水和物と溶媒和物も本発明の一部である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の範囲では、以下の用語は以下の意味をもつ。
−Ct−z(式中、tとzは1〜7の値をとることができる)とは炭素原子数t〜zの炭素鎖を意味し、例えばC1−3とは炭素原子数1〜3の炭素鎖を意味する;
−アルキルとは直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族基を意味し;例えばC1−6アルキル基とは炭素原子数1〜6の直鎖又は分岐鎖の炭素鎖、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル又はヘキシルを意味する;
−アルキレンとは直鎖又は分岐鎖の飽和2価アルキル基を意味し、例えばC1−3アルキレンとは炭素原子数1〜3の直鎖又は分岐鎖の2価炭素鎖、特にメチレン、エチレン、1−メチルエチレン又はプロピレンを意味する;
−シクロアルキルとは環状アルキル基を意味し、例えばC3−7−シクロアルキルとは炭素原子数3〜7の環状炭素基、特にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロヘプチルを意味する;
−アルケニレンとは炭素数2の2価不飽和脂肪族基、特にエチレンを意味する;
−C−アルキニレンとは−C≡C−を意味する;
−アルコキシとは直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族鎖を含む−O−アルキル基を意味する;
−チオアルキルとは直鎖又は分岐鎖の飽和脂肪族鎖を含む−S−アルキル基を意味する;
−フルオロアルキルとは1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を意味する;
−フルオロアルコキシとは1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルコキシ基を意味する;
−フルオロチオアルキルとは1個以上の水素原子がフッ素原子で置換されたチオアルキル基を意味する;
−ハロゲン原子とはフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
【0022】
本発明の化合物は下記スキームに示す方法に従って製造することができる。
【0023】
【化9】

【0024】
本発明の化合物はR、A、R、p、m及びnが一般式(I)に定義した通りである一般式(II)の化合物をトルエン、ジクロロエタン、アセトニトリル、又はこれらの溶媒の混合物等の溶媒中でZが水素原子又はニトロ基を表し、Rが一般式(I)に定義した通りであり、Rがメチル又はエチル基を表す一般式(III)の炭酸塩と0℃〜80℃の温度で反応させることにより製造することができる。こうして得られた一般式(IV)のカルバミン酸エステルを次に一般式RNH(式中、Rは一般式(I)に定義した通りである)のアミンによるアミノ分解により一般式(I)の化合物に変換する。アミノ分解反応はメタノールもしくはエタノール等の溶媒又はメタノールとテトラヒドロフラン等の溶媒混合物中で実施することができる。
【0025】
がアリール−アリール、アリール−ヘテロアリール、ヘテロアリール−アリール又はヘテロアリール−ヘテロアリール型の基を表す一般式(I)又は(IV)の化合物も、R基を導入すべき位置でRを塩素、臭素もしくはヨウ素原子又はトリフラート基で置換した対応する一般式(I)又は(IV)の化合物をSuzuki(Chem.Rev.1995.95.2457−2483)の反応条件に従ってアリール又はヘテロアリールボロン酸誘導体と反応させるか、あるいはStille(Angew.Chem.Int.Ed.1986.25.504−524)の反応条件に従ってアリール又はヘテロアリールトリアルキル錫誘導体と反応させることにより製造することができる。
【0026】
一般式(III)の炭酸塩は文献に記載されている任意方法、例えばトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミン等の塩基の存在下で一般式HOCHRCOOR(式中、Rはメチル又はエチル基を表す)のアルコールをクロロギ酸フェニル又は4−ニトロフェニルと反応させることにより製造することができる。
【0027】
一般式(II)の化合物と一般式RNHのアミンはその製造方法を記載しない場合には市販されているが又は文献に記載されており、あるいは文献に記載されているか又は当業者に公知の各種方法により製造することができる。
【0028】
、A、R、R、p、m及びnが一般式(I)に定義した通りであり、Rがメチル又はエチル基を表す一般式(IV)の化合物は新規であり、同様に本発明の一部である。これらの化合物は一般式(I)の化合物の製造における合成中間体として有用である。
【0029】
以下、実施例により本発明の数種の化合物の製造を例証する。これらの実施例は限定的ではなく、本発明を例証するものに過ぎない。得られた化合物の構造と純度は顕微鏡分析、IR及びNRMスペクトル及び/又はLC−MS(液体クロマトグラフィー−質量分析)により確認した。m.p.(℃)は融点(摂氏)を表す。各実施例の標題として括弧内に示す番号は後記表の1列目の番号に対応する。
【0030】
以下の実施例における化合物の呼称にはIUPAC命名法を使用した。例えば、ビフェニル基は以下の表記に従った。
【0031】
【化10】

【実施例1】
【0032】
(化合物番号14)
4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
【0033】
【化11】

【0034】
1.1. 4−[(メチルスルホニル)オキシ]ピペリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル
氷浴で冷却した4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル3.0g(14.9mmol)とトリエチルアミン2.2ml(17.9mmol)のジクロロメタン(60ml)溶液に撹拌下にメタンスルホニルクロリド1.4ml(17.9mmol)を加えた。0℃で1時間、次いで周囲温度で4時間撹拌を続けた。反応混合物をジクロロメタン100mlで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾涸した。次に残渣にシクロヘキサンとジエチルエーテルの50/50混合物を加えて摩砕抽出すると、生成物3.7gが白色固体として得られた。
【0035】
1.2. 4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル
氷浴で冷却した水素化ナトリウム1.1g(27.9mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)懸濁液(油中60%懸濁液)に4−フェニルイミダゾール4.0g(27.9mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(40ml)溶液を滴下した。次に混合物を1時間周囲温度で撹拌した後、0℃まで冷却し、段階1.1.で得られた4−[(メチルスルホニル)オキシ]ピペリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル2.6g(9.3mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(20ml)溶液を滴下した。次に反応混合物を80℃に2時間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、水150mlと酢酸エチル150mlで希釈した。沈降分離し、水相を酢酸エチル100mlで2回抽出した。有機相を水100mlで2回洗浄した後、飽和塩化ナトリウム水溶液100mlで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾涸した。ジクロロメタンとメタノールの98/2混合物を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、生成物1.0gが黄色油状物として得られた。
【0036】
1.3. 4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン
段階1.2.で得られた4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル1.0g(3.05mmol)のジクロロメタン(60ml)溶液を氷浴で冷却し、トリフルオロ酢酸5.6ml(76.3mmol)を滴下した。次に混合物を1時間周囲温度で撹拌し、蒸発乾涸した。残渣を水25mlに取り、30%水酸化ナトリウム水溶液2mlを加えた。混合物を30分間撹拌した後、ジクロロメタン80mlで4回抽出した。次に有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾涸すると、生成物0.7gが黄色油状物として得られ、次段階でそのまま使用した。
【0037】
1.4. 4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(エチルオキシ)−2−オキソエチル
段階1.3.に従って製造した4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン1.0g(4.4mmol)と[(フェニルオキシカルボニル)オキシ]酢酸エチル(J.Med.Chem.1999.42.277−290)1.18g(5.2mmol)のトルエン(50ml)溶液を60℃に一晩加熱した。次に混合物を蒸発乾涸し、残渣を酢酸エチル80mlと水80mlに取った。沈降分離し、水相を酢酸エチル80mlで3回抽出した。次に有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液80mlで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾涸した。ジクロロメタンとメタノールの98/2混合物を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、生成物0.35gが得られた。
【0038】
1.5. 4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
段階1.4.で得られた4−(4−フェニル−1H−イミダゾール−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(エチルオキシ)−2−オキソエチル0.35g(0.98mmol)をメタノール7mlに溶かした。テトラヒドロフラン中2Mメチルアミン溶液1.5ml(3mmol)を加えた。周囲温度で16時間後、テトラヒドロフラン中2Mメチルアミン溶液1ml(2mmol)を更に加え、更に6時間反応させた。混合物を蒸発乾涸し、ジクロロメタンとメタノールの98/2→97/3→96/4→95/5混合物を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。次にジエチルエーテルを加えて摩砕抽出すると、生成物0.20gが白色固体として得られた。
融点(℃):192−194。
LC−MS:M+H=343。
H NMR(CDCl)δ(ppm):7.75(d,2H),7.60(s,1H),7.40(m,2H),7.25(m,2H),6.05(広幅s,1H),4.65(s,2H),4.35(m,2H),4.15(m,1H),3.05(m,2H),2.90(d,3H),2.20(m,2H),2.05−1.85(m,2H)。
【実施例2】
【0039】
(化合物番号32)
4−(4−ブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
【0040】
【化12】

【0041】
2.1. 4−(4−ブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(エチルオキシ)−2−オキソエチル
[(フェニルオキシカルボニル)オキシ]酢酸エチル2.24g(10mmol)と4−(4−ブロモフェニル)−4−ピペリジノール2.56g(10mmol)の混合物をトルエン40mlに溶かし、50℃に20時間加熱した。溶液を水浴で減圧蒸発乾涸した。油状物が得られ、次段階でそのまま使用した。
【0042】
2.2. 4−(4−ブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
段階2.1.で得られた4−(4−ブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(エチルオキシ)−2−オキソエチルをメタノール中33%メチルアミン溶液中で3時間撹拌した。溶液を水浴で減圧濃縮した。酢酸エチルを溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物2.6gが油状物として得られ、徐々に凝固した。
融点(℃):57−60。
LC−MS:M+H=371。
H NMR(d−DMSO)δ(ppm):7.55(広幅s,1H),7.50(d,2H),7.40(d,2H),5.20(s,1H),4.40(s,2H),3.80(m,2H),3.20(m,2H),2.60(d,3H),1.90−1.50(m,4H)。
【実施例3】
【0043】
(化合物番号40)
4−(3’,4’−ジクロロビフェニル−4−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
【0044】
【化13】

【0045】
実施例2に従って得られた4−(4−ブロモフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル0.1g(0.27mmol)、3,4−ジクロロフェニルボロン酸0.077g(0.4mmol)、テトラキス−(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)10mg、2M炭酸ナトリウム水溶液2ml、エタノール0.5ml及び予め窒素で脱気しておいたトルエン4mlを混合した。混合物を80℃で20時間加熱撹拌した。高温条件下に疎水性カートリッジで濾過し、テトラヒドロフラン(THF)でリンスし、蒸発乾涸した。シクロヘキサン/酢酸エチル/メタノール勾配を溶離液として残渣をシリカ相でLC−MSクロマトグラフィーにより精製すると、結晶物0.069gが得られた。
融点(℃):156−158。
LC−MS:M+H=438。
H NMR(d−DMSO)δ(ppm):7.95(s,1H),7.80(m,1H),7.70(m,4H),7.60(m,2H),5.20(s,1H),4.45(s,2H),4.00(m,2H),3.25(m,2H),2.60(d,3H),1.95(m,2H),1.65(m,2H)。
【実施例4】
【0046】
(化合物番号43)
4−(ナフト−2−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
【0047】
【化14】

【0048】
4.1. 4−(ナフト−2−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸1,1ジメチルエチル
アルゴン雰囲気下でテトラヒドロフラン中0.5N(4mmol)9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン溶液8.0mlを4−メチリデンピペリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル(Tetrahedron Letters,1996,37(30),5233−5234)0.789g(4mmol)のテトラヒドロフラン(5ml)溶液に加えた。混合物を3時間加熱還流した。周囲温度まで冷却し、2−ブロモナフタレン0.787g(3.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(9ml)溶液、炭酸カリウム0.829g(6.0mmol)の水(1ml)溶液及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)−ジクロロメタン錯体0.16g(0.20mmol)を加えた。混合物を一晩加熱還流した。反応混合物を酢酸エチル150mlと水50mlで抽出した。有機相を沈降分離し、水25ml、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液25mlで洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸発させた。シクロヘキサンと酢酸エチルの99/1→95/5→90/10混合物を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、生成物0.79gが無色粘性液体として得られた。
【0049】
4.2. 4−(ナフト−2−イルメチル)ピペリジン
段階4.1.で得られた4−(ナフト−2−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸1,1−ジメチルエチル0.79g(2.43mmol)をジクロロメタン10mlに溶かし、トリフルオロ酢酸2ml(25mmol)を加えた。混合物を3時間周囲温度で撹拌した。減圧蒸発させた後、1,2−ジクロロエタン4mlを加え、混合物を更に蒸発させた。残渣をジクロロメタン50mlと10%水酸化ナトリウム水溶液15mlの混合物に取った。有機相を沈降分離し、水相をジクロロメタン25mlで2回抽出した。有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液15mlで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧蒸発させると、生成物0.52gがオレンジ色油状物として得られ、次段階でそのまま使用した。
【0050】
4.3. 4−(ナフト−2−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(エトキシ)−2−オキソエチル
トルエン10mlとアセトニトリル5ml中の段階4.2.で得られた4−(ナフト−2−イルメチル)ピペリジン0.52g(2.3mmol)と[(フェニルオキシカルボニル)オキシ]酢酸エチル0.69g(3.11mmol)の混合物を60℃に一晩加熱した。混合物を減圧蒸発させた。シクロヘキサンと酢酸エチルの90/10→85/15→80/20混合物を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、生成物0.56gが無色粘性液体として得られた。
【0051】
4.4. 4−(ナフト−2−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
段階4.3.で得られた4−(ナフト−2−イルメチル)ピペリジン−1−カルボン酸2−(エトキシ)−2−オキソエチル0.54g(1.52mmol)をメタノール3mlに溶かし、テトラヒドロフラン中2Mメチルアミン溶液3ml(6.0mmol)を加えた。一晩周囲温度で反応させた後、シリカ1.5gを加え、混合物を蒸発させた。ジクロロメタンとメタノールの98.5/1.5→97/3混合物を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。次に酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混合物から再結晶させると、生成物0.43gが白色固体として得られた。
融点(℃):150−152。
LC−MS:M+H=341。
H NMR(CDCl)δ(ppm):7.80(m,3H),7.60(s,1H)7.45(m,2H),7.30(d,1H),6.10(m,1H),4.60(s,2H),4.15(m,2H),2.85(d,3H),2.85−2.75(m+d,4H),1.90−1.70(m,3H),1.35−1.15(m,2H)。
【実施例5】
【0052】
(化合物番号107)
4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イン−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
【0053】
【化15】

【0054】
5.1. 4−(2−オキソエチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
0℃まで冷却した4−(2ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル30.4g(132mmol)のジクロロメタン(150ml)溶液に1,1,1−トリス(アセチルオキシ)−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3−(1H)−オン(デス・マーチン試薬)70.9g(167mmol)を少量ずつ加えた。混合物を2時間周囲温度で撹拌した後、10%チオ硫酸ナトリウム(Na)水溶液150mlを加え、撹拌を更に30分間続けた。有機相を沈降分離し、飽和炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾涸すると、生成物30.1g(132mmol)が無色油状物として得られ、次段階でそのまま使用した。
【0055】
5.2. 4−(3,3−ジブロモプロプ−2−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
−20℃まで冷却したトリフェニルホスフィン139.4g(531mmol)のトルエン(440ml)溶液にトリブロモエタン47.6ml(531mmol)と次いでカリウムtert−ブトキシド59.6g(531mmol)を加えた。−20℃で15分間撹拌を続けた後、段階5.1.で製造した4−(2−オキソエチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル30.1g(131mmol)のトルエン(240ml)溶液を加えた。周囲温度で3時間撹拌を続けた。ジエチルエーテル300mlを加え、形成された固体を濾別し、濾液を蒸発させた。ジクロロメタンを溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、生成物32.6g(85mmol)が黄色油状物として得られた。
【0056】
5.3. 4−(プロプ−2−イン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
段階5.2.で製造した4−(3,3−ジブロモプロプ−2−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル32.6g(85mmol)を無水テトラヒドロフラン420mlに溶かした。溶液を−78℃まで冷却し、無水テトラヒドロフラン100mlに溶かしたヘキサン中1.6M n−ブチルリチウム(170mmol)溶液106mlを撹拌下に滴下した。−78℃で3時間、次いで−20℃で1時間撹拌を続けた。混合物を−78℃まで冷却し、エタノール中1.25M塩酸溶液130mlを加えた。次に混合物を1時間かけて周囲温度まで再加熱した。水と酢酸エチルを加えた。有機相を沈降分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾涸した。ジクロロメタン→ジクロロメタンとメタノールの98/2混合物を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、生成物32.4g(85.2mmol)が無色油状物として得られた。
【0057】
5.4. 4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イン−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
1−クロロ−4−ヨードベンゼン2.29g(9.6mmol)とトリエチルアミン1.7ml(12mmol)をテトラヒドロフラン5mlに溶かした。アルゴン下にヨウ化第一銅0.076g(0.40mmol)とビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロリド錯体0.168g(0.24mmol)を加えた後、段階5.3.で製造した4−(プロプ−2−イン−1−イル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル1.78g(8mmol)のテトラヒドロフラン(3ml)溶液を滴下した。撹拌を一晩続けた。水25mlと酢酸エチル100mlを加えた。有機相を沈降分離し、10%アンモニア水25ml、水25ml及び飽和塩化ナトリウム水溶液25mlで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾涸した。シクロヘキサンと酢酸エチルの95/5→90/10混合物を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、生成物2.15g(6.44mmol)が黄色油状物として得られた。
【0058】
5.5. 4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イン−1−イル]ピペリジン
段階5.4.で得られた4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イン−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル2.13g(6.38mmol)をジクロロメタン15mlに溶かした。トリフルオロ酢酸4.9ml(63.8mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液を滴下した。周囲温度で一晩反応させた後、混合物を蒸発乾涸した。ジクロロエタン25mlを加え、混合物を再び蒸発乾涸した。次に、残渣を酢酸エチル70mlと1N水酸化ナトリウム水溶液10mlと30%アンモニア水10mlの混合物に取った。有機相を沈降分離し、水10mlで2回洗浄した後、飽和塩化ナトリウム水溶液10mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発乾涸すると、生成物1.39g(5.94mmol)が茶色油状物として得られ、次段階でそのまま使用した。
【0059】
5.6. 4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イン−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸2−エトキシ−2−オキソエチル
段階5.5.で製造した4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イン−1−イル]ピペリジン1.39g(5.94mmol)と[(フェニルオキシカルボニル)オキシ]酢酸エチル1.86g(8.33mmol)のトルエン(12ml)溶液を70℃に5時間加熱した。混合物を蒸発乾涸し、シクロヘキサンと酢酸エチルの90/10→80/20混合物を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、生成物1.89g(5.19mmol)が粘性油状物として得られた。
【0060】
5.7. 4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イン−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
段階5.6.で製造した4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イン−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸2−エトキシ−2−オキソエチル0.91g(2.51mmol)をメタノール4mlに溶かした。エタノール中33%メチルアミン溶液2.5ml(25mmol)を加え、混合物を周囲温度で一晩放置した。蒸発乾涸し、ジクロロメタンとメタノールの99.5/0.5→98/2→96/4混合物を溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物をヘキサンから結晶させた後に、減圧乾燥すると、生成物0.50g(1.43mmol)が白色粉末として得られた。
融点(℃):101−103。
LC−MS:M+H=349。
H NMR(CDCl)δ(ppm):7.20(m,4H),6.30(m,1H),4.50(広幅s,2H),4.10(広幅d,2H),2.75(m+d,5H).2.30(d,2H),1.85−1.60(m,3H),1.35−1.15(m,2H)。
【実施例6】
【0061】
(化合物番号83)
4−[3−(4−クロロフェニル)プロピル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
【0062】
【化16】

【0063】
実施例5に従って製造した4−[3−(4−クロロフェニル)プロプ−2−イン−1−イル]ピペリジン−1−カルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル0.156g(0.448mmol)をエタノール2mlに溶かした。二酸化白金16mgを加えた。混合物を周囲圧及び周囲温度で水素雰囲気下に2時間撹拌し、次いで40℃で更に2時間撹拌した。混合物をセライトで濾過し、濾液を蒸発させた。ヘキサンと酢酸エチルとメタノールの70/30/0→0/80/20勾配を溶離液として残渣をNucleosilゲルでHPLCクロマトグラフィーにより精製すると、生成物0.108mg(0.306mmol)が白色固体として得られた。
融点(℃):118−120。
LC−MS:M+H=353。
H NMR(CDCl)δ(ppm):7.25(d,2H),7.10(d,2H),6.05(m,1H),4.60(s,2H),4.10(広幅d,2H),2.90(d,3H),2.80(広幅t,2H),2.60(t,2H),1.75−1.55(m,4H),1.45(m,1H),1.35−1.05(m,4H)。
【実施例7】
【0064】
(化合物番号74)
4−(2−(イソキノリン−1−イル)エチル)−1−ピペリジンカルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
【0065】
【化17】

【0066】
7.1. 4−(ヨードメチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
約0℃まで冷却した4−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル10g(46.45mmol)、トリフェニルホスフィン15.84g(60.38mmol)及びイミダゾール4.74g(69.67mmol)のジクロロメタン(200ml)溶液に反応媒体の温度を0℃〜5℃に維持しながらヨウ素(I)14.15g(55.74mmol)を少量ずつ加えた。0℃で1時間、次いで周囲温度で4時間撹拌を続けた。
【0067】
水100mlと酢酸エチル300mlを加えた。有機相を沈降分離し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で順次洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シクロヘキサンと酢酸エチルの90/10混合物を溶離液として、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物13.70g(42.13mmol)が無色油状物として得られた。
【0068】
7.2. 4−(2−(イソキノリン−1−イル)エチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル
約−70℃まで冷却した1−メチルイソキノリン2.202g(15.38mmol)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液にテトラヒドロフランとn−ヘキサンの混合物中のリチウムジイソプロピルアミド(LDA)の溶液(2M)10ml(20mmol)を滴下した。−70℃で10分間撹拌を続けた後、段階7.1.で得られた4−(ヨードメチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル5g(15.38mmol)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液をゆっくりと加えた。30分間−70℃で撹拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液100mlを加えた。
【0069】
混合物を周囲温度に戻し、水相を分離した後、酢酸エチルで3回抽出した。有機相を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。ジクロロメタンとメタノールの99/1→98/2混合物を溶離液として、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物1.80g(5.29mmol)が黄色油状物として得られた。
【0070】
7.3. 1−(2−(ピペリジン−4−イル)エチル)−イソキノリン
段階7.2.で得られた4−(2−(イソキノリン−1−イル)エチル)−1−ピペリジンカルボン酸tert−ブチル1.60g(4.70mmol)の1,4−ジオキサン(15ml)溶液に周囲温度で塩酸(6N)のイソプロパノール溶液3.90ml(23.50mmol)を加えた。次に反応混合物を12時間かけて約60℃まで昇温させた。
【0071】
混合物を減圧濃縮乾涸した。得られた塩酸塩を水5mlに取った後、pH9になるまで20%水酸化ナトリウム水溶液を撹拌下にゆっくりと加えた。水相をクロロホルムで2回抽出し、有機相を合わせて飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。生成物0.400g(1.66mmol)が茶色油状物として得られた。
【0072】
7.4. 4−(2−(イソキノリン−1−イル)エチル)−1−ピペリジンカルボン酸2−エトキシ−2−オキソエチル
段階7.3.で得られた1−(2−(ピペリジン−4−イル)エチル)−イソキノリン0.320g(1.33mmol)と[(フェニルオキシカルボニル)オキシ]酢酸エチル0.388g(1.73mmol)のトルエン(10ml)溶液を70℃に18時間加熱した。
【0073】
混合物を周囲温度に戻し、減圧濃縮した後、酢酸エチルとシクロヘキサンの40/60混合物を溶離液として、こうして得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。こうして生成物0.390g(1.05mmol)が粘性油状物として得られた。
【0074】
7.5. 4−(2−(イソキノリン−1−イル)エチル)−1−ピペリジンカルボン酸2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル
段階7.4.で得られた4−(2−(イソキノリン−1−イル)エチル)−1−ピペリジンカルボン酸2−エトキシ−2−オキソエチル0.380g(1.03mmol)のメタノール(10ml)溶液にメチルアミン(2M)のテトラヒドロフラン溶液2.60ml(5.13mmol)を加えた。周囲温度で12時間撹拌を続けた。
【0075】
減圧濃縮後にジクロロメタンとメタノールの95/5混合物を溶離液として、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。固体が得られ、酢酸エチルとジイソプロピルエーテルの混合物から再結晶させた。こうして生成物0.315g(0.88mmol)が白色固体として得られた。
LC−MS:M+H=356。
融点(℃):126−128。
H NMR(CDCl)δ(ppm):8.50(d,1H),8.15(d,1H),7.90(d,1H),7.70(m,2H),7.55(d,1H),6.10(広幅s,1H),4.60(広幅s,2H),4.20(m,2H),3.35(dd,2H),2.90(m+d.5H),1.90(m,4H),1.65(m,1H),1.30(m,2H)。
【0076】
本発明の数種の化合物の化学構造と物性を下表に示す。なお、表中、
−全化合物は遊離塩基形態であり、
−n−ブチルは直鎖ブチル基を表す。
【0077】
【表1】





【0078】
本発明の化合物について酵素FAAH(脂肪酸アミドヒドロラーゼ)に対する阻害活性を測定する薬理試験を実施した。
【0079】
FAAHによる((1−H)エタノールアミン)−アナンダミドの水解物((1−H)エタノールアミン)の測定に基づく放射酵素試験で阻害活性を立証した(Life Sciences(1995),56,1999−2005及びJournal of Pharmacology and Experimental Therapeutics(1997),283,729−734)。即ち、マウス脳(小脳を除く)を摘出し、−80℃で保存した。150mM NaClと1mM EDTAを加えた10mM Tris−HCl緩衝液(pH8.0)中で組織をPolytronで均質化することにより膜ホモジネートを即時調製した。次に脂肪酸フリーウシ血清アルブミン(1mg/ml)を加えた緩衝液70μl中で酵素反応を実施した。各種濃度の試験化合物、冷アナンダミドで10μMに希釈した((1−H)エタノールアミン)−アナンダミド(特異活性15−20Ci/mmol)及び膜調製物(1試験当たり冷凍組織400μg)を順次加えた。25℃で15分後にクロロホルム/メタノール(2:1)140μlを加えて酵素反応を停止した。混合物を10分間撹拌した後に15分間3500gで遠心した。(1−H)エタノールアミンを含む水相のアリコート(30μl)を液体シンチレーションにより計数した。
【0080】
これらの条件下で、本発明の最高活性化合物は0.001〜1μMのIC50値(FAAHの対照酵素活性を50%阻害する濃度)を示す。
【0081】
例えば、表の化合物番号39及び40は夫々0.095及び0.098μMのIC50値を示す。
【0082】
従って、本発明の化合物は酵素FAAHに対する阻害活性をもつと思われる。
【0083】
本発明の化合物のin vivo活性を鎮痛試験で評価した。
【0084】
即ち、体重25〜30gのOF1雄マウスにPBQ(5%エタノールを含有する0.9%塩化ナトリウム溶液中フェニルベンゾキノン2mg/kg)を腹腔内(i.p.)投与し、注射後5〜15分間よじれ又はひきつり平均30回の腹部牽引を誘発した。試験化合物はPBQ投与の60分又は120分前にTween 80の0.5%懸濁液として経口(p.o.)又は腹腔内(i.p.)投与した。これらの条件下で、本発明の最も強力な化合物は1〜30mg/kgの用量範囲でPBQにより誘発した牽引数を35〜70%減少させた。
【0085】
例えば、表の化合物番号57は用量3mg/kgをp.o.投与した場合に夫々60分及び120分後にPBQにより誘発した牽引数を37%及び74%減少させた。
【0086】
酵素FAAH(Chemistry and Physics of Lipids,(2000),108,107−121)はN−アラキドノイルエタノールアミン(アナンダミド)、N−パルミトイルエタノールアミン、N−オレオイルエタノールアミン、オレアミド又は2−アラキドノイルグリセノール等の各種脂肪酸の内因性アミド及びエステル誘導体の加水分解を触媒する。これらの誘導体は特にカンナビノイド及びバニロイド受容体と相互作用することにより各種薬理活性を発揮する。
【0087】
本発明の化合物はこの分解経路を遮断し、これらの内因性物質の組織含有率を増加させる。従って、前記化合物は内因性カンナビノイド及び/又は酵素FAAHにより代謝される他の任意基質が関与する疾患の予防と治療に使用することができる。
【0088】
例えば、以下の疾患を挙げることができる:
疼痛、特に神経型急性又は慢性疼痛:偏頭痛、神経因性疼痛(ヘルペスウイルス及び糖尿病に関連するものを含む);
炎症性疾患に伴う急性又は慢性疼痛:関節炎、慢性関節リウマチ、変形性関節症、脊椎炎、通風、血管炎、クローン病、過敏性大腸症候群;
急性又は慢性末梢疼痛;
目眩、嘔吐、悪心、特に化学療法に伴うもの;
摂食障害、特に拒食症及び各種悪液質;
神経精神疾患:振戦、ジスキネジア、ジストニー、痙縮、強迫行為、トゥーレット症候群、全種及び原因の鬱病及び不安症の全形態、気分障害、精神病;
急性及び慢性神経変性疾患:パーキンソン病、アルツハイマー病、老人性痴呆症、ハンチントン舞踏病、脳虚血及び脳髄外傷に関連する病変;
癲癇;
睡眠時無呼吸を含む睡眠障害;
心臓血管疾患、特に高血圧、心臓不整脈、動脈硬化症、心臓発作、心虚血;
腎虚血;
癌:良性皮膚腫瘍、脳腫瘍及び乳頭腫、前立腺腫瘍、脳腫瘍(グリア芽腫、髄様上皮腫、髄芽細胞腫、神経芽細胞腫、胚由来腫瘍、星状細胞腫、星状芽細胞腫、上衣細胞腫、乏突起膠腫、叢腫瘍、神経上皮腫、骨端部腫瘍、上衣芽細胞腫、悪性髄膜腫、肉芽腫、悪性黒肉腫、シュワン細胞腫瘍);
免疫系疾患、特に自己免疫疾患:乾癬、紅斑性狼瘡、結合組織疾患、シェーグレン症候群、強直性脊椎炎、未分化脊椎炎、ベーチェット病、自己免疫性溶血性貧血、多発性硬化症、筋委縮性測索硬化症、穀粉症、移植拒絶反応、形質細胞系疾患;
アレルギー性疾患:即時型又は遅延型過敏症、アレルギー性鼻炎又は結膜炎、接触皮膚炎;
寄生虫、ウイルス又は細菌感染症:エイズ、歯肉炎;
炎症性疾患、特に関節疾患:関節炎、慢性関節リウマチ、変形関節症、脊椎炎、通風、血管炎、クローン病、過敏性大腸症候群;骨粗鬆症;
眼疾患:高眼圧症、緑内障;
肺疾患:気道疾患、気管支痙攣、咳、喘息、慢性気管支炎、慢性気道閉塞、気腫;
胃腸疾患:過敏性大腸症候群、炎症性腸疾患、潰瘍、下痢;
尿失禁及び膀胱炎症。
【0089】
上記疾患の治療用医薬の製造における塩基又は医薬的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物形態の式(I)の化合物の使用も本発明の一部である。
【0090】
本発明は式(I)の化合物又は式(I)の化合物の医薬的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物を含有する医薬にも関する。これらの医薬は治療、特に上記疾患の治療に利用される。
【0091】
別の側面によると、本発明は本発明の少なくとも1種の化合物を活性成分として含有する医薬組成物に関する。これらの医薬組成物は有効量の本発明の化合物又は前記化合物の医薬的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物と、場合により1種以上の医薬的に許容可能な賦形剤を含有する。
【0092】
前記賦形剤は剤形と所望投与方法に応じて当業者に公知の慣用賦形剤から選択される。
【0093】
本発明の経口、舌下、皮下、筋肉内、静脈内、局所、局部、髄腔内、鼻腔内、経皮、肺、眼内又は直腸投与用医薬組成物では、上記式(I)の活性成分、又は場合によりその塩、溶媒和物もしくは水和物を単剤又は慣用医薬賦形剤との混合物として上記障害又は疾患の予防又は治療用として動物又はヒトに投与することができる。
【0094】
適切な単剤投与形態としては、錠剤、ソフト又はハードゼラチンカプセル、散剤、顆粒剤、チューインガム及び経口溶液又は懸濁液等の経口形態に加え、舌下、口腔、気管内、眼内、鼻腔内、吸入、皮下、筋肉内又は静脈内、及び直腸又は膣投与が挙げられる。局所投与には、クリーム、軟膏又はローションで本発明の化合物を使用することができる。
【0095】
例えば、錠剤形態の本発明の化合物の単剤投与形態は以下の成分を含有することができる:
本発明の化合物 50.0mg
マンニトール 223.75mg
クロスカルメロースナトリウム 6.0mg
コーンスターチ 15.0mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.25mg
ステアリン酸マグネシウム 3.0mg。
【0096】
前記単剤形態は剤形に応じて体重1kg当たり活性成分0.01〜20mgを毎日投与するように製剤化される。
【0097】
特殊な場合には上記の用量よりも多くても少なくてもよく、このような用量も本発明に属する。通常実地に従い、各患者に適した用量は投与方法、前記患者の体重及び応答に従って医師により決定される。
【0098】
別の側面によると、本発明は有効量の本発明の化合物、その医薬的に許容可能な塩の1種、又は前記化合物の溶媒和物もしくは水和物を投与することを含む上記疾患の治療方法に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩基形態又は酸付加塩、水和物もしくは溶媒和物形態の式(I):
【化1】

[式中、mとnはm+nが2〜5の整数となるような1〜3の整数を表し;
pは1〜7の整数を表し;
Aは単結合を表すか、又は1個以上のX、Y及び/又はZ基から選択され;
Xは場合により1又は2個のC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル又はC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン基で置換されたメチレン基を表し;
Yは場合により1又は2個のC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキレン基で置換されたC−アルケニレン基;又はC−アルキニレン基を表し;
Zは式:
【化2】

の基を表し;
oは1〜5の整数を表し;
rとsは整数を表し、r+sが1〜5となるように定義され;
は場合により1個以上のR及び/又はR基で置換されたR基を表し;
は水素もしくはフッ素原子又はヒドロキシル、C1−6−アルコキシもしくはNR基を表し;
は水素原子又はC1−6−アルキル基を表し;
は水素原子又はC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキル基を表し;
はフェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ナフチル、キノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、シンノリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニル、ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチエニル、インドリル、インドリニル、インダゾリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、チエノピリジル、イミダゾピリジル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、ピラゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル又はイソチアゾロピリジルから選択される基を表し;
はハロゲン原子又はシアノ、ニトロ、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C1−6−アルコキシ、ヒドロキシル、C1−6−チオアルキル、C1−6−フルオロアルキル、C1−6−フルオロアルコキシ、C1−6−フルオロチオアルキル、NR、NRCOR、NRCO、NRSO、COR、CO、CONR、SO、SONRもしくは−O−(C1−3−アルキレン)−O基、又はアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、アゼピンもしくはピペラジン環から選択される環を表し、前記環は場合によりC1−6−アルキル又はベンジル基で置換されており;
はフェニル、フェニルオキシ、ベンジルオキシ、ナフチル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニル基を表し;前記Rは相互に同一又は異なる1個以上のR基で置換されていてもよく;
とRは相互に独立して水素原子又はC1−6−アルキル基を表す]の化合物。
【請求項2】
mとnはm+nが2〜4の整数となるような1又は2の整数を表し;
pが1〜3の整数を表し;
Aが単結合又はメチレンもしくはC−アルキニレン基を表し;
が場合により1個以上のR及び/又はR基で置換されたR基を表し;
が水素原子又はヒドロキシル基を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル基を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキル基を表し;
がフェニル、ピリジル、ピリミジニル、イミダゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ナフチル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリル、インドリニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル又はピロロピリジルから選択される基を表し;
がハロゲン原子又はシアノ、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C1−6−アルコキシもしくはC1−6−フルオロアルキル基、又はピロリジンもしくはピペリジン環を表し、前記環は場合によりC1−6−アルキル基で置換されており;
が相互に同一又は異なる1個以上のR基で置換されていてもよいフェニル基を表すことを特徴とする請求項1に記載の塩基形態又は酸付加塩、水和物もしくは溶媒和物形態の式(I)の化合物。
【請求項3】
mとnはm+nが2〜4の整数となるような1又は2の整数を表し;
pが1〜3の整数を表し;
Aが単結合又はメチレンもしくはC−アルキニレン基を表し;
が場合により1個以上のR及び/又はR基で置換されたR基を表し;
が水素原子又はヒドロキシル基を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル基を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキルもしくはC3−7−シクロアルキル−C1−3−アルキル基を表し;
がフェニル、ピリジル、ピリミジニル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチル又はイソキノリニルから選択される基を表し;
がハロゲン原子又はシアノ、C1−6−アルキル、C3−7−シクロアルキル、C1−6−アルコキシもしくはC1−6−フルオロアルキル基、又はピロリジンもしくはピペリジン環を表し、前記環は場合によりC1−6−アルキル基で置換されており;
が相互に同一又は異なる1個以上のR基で置換されていてもよいフェニル基を表すことを特徴とする請求項1又は2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
が水素原子を表し;
が水素原子又はC1−6−アルキル基を表すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の塩基形態又は酸付加塩、水和物もしくは溶媒和物形態の式(I)の化合物。
【請求項5】
一般式RNH[式中、Rは請求項1の式(I)に定義した通りである]のアミンを使用するアミノ分解により一般式(IV):
【化3】

[式中、R、A、R、R、p、m及びnは請求項1の式(I)に定義した通りであり、Rはメチル又はエチル基を表す]のカルバミン酸エステルを変換する段階を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項6】
一般式(IV):
【化4】

[式中、R、A、R、R、p、m及びnは請求項1の式(I)に定義した通りであり、Rはメチル又はエチル基を表す]の化合物。
【請求項7】
塩基又は医薬的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物形態の請求項1から4のいずれか一項に記載の少なくとも1種の式(I)の化合物と、場合により1種以上の医薬的に許容可能な賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項8】
医薬として使用するための塩基又は医薬的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物形態の請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
内因性カンナビノイド及び/又は酵素FAAHにより代謝される他の任意基質が関与する疾患の予防又は治療用医薬の製造における塩基又は医薬的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物形態の請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項10】
急性もしくは慢性疼痛、目眩、嘔吐、悪心、摂食障害、神経精神疾患、急性もしくは慢性神経変性疾患、癲癇、睡眠障害、心臓血管疾患、腎虚血、癌、免疫系疾患、アレルギー性疾患、寄生虫、ウイルスもしくは細菌感染症、炎症性疾患、骨粗鬆症、眼疾患、肺疾患、胃腸疾患又は尿失禁の予防又は治療用医薬の製造における塩基又は医薬的に許容可能な塩、水和物もしくは溶媒和物形態の請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の使用。

【公表番号】特表2007−524707(P2007−524707A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500262(P2007−500262)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【国際出願番号】PCT/FR2005/000453
【国際公開番号】WO2005/090347
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】