説明

アルカノイルアミノベンズアミドアニリンHDACインヒビター化合物

本発明は、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害活性を有する一般式(I)の化合物、この化合物を含む医薬組成物、およびこの化合物を使用して疾患を治療するのに有用な方法を提供する。本発明は、式(I)の化合物および薬学的に許容されるその塩から選択される化合物であって、式中のCyは少なくとも1個の窒素環原子を含有するヘテロシクリルであり、化学的に実現可能である場合、Cyが1個または複数のRで任意選択で置換されており、mは0からCy上の置換可能な位置の最大数までの整数である、化合物を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、酵素阻害活性を有する化合物、この化合物を含む医薬組成物、および疾患を治療するのに有用な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒストンは、DNAと関連してクロマチンを構成するタンパク質成分である。ヒストンは、例えば、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)、ヒストンメチルトランスフェラーゼ(HMT)およびヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)などの様々な酵素の共有結合的修飾を受ける。コアヒストンの共有結合的修飾は、タンパク質間相互作用およびDNAへのタンパク質の接近に影響を与える。
【0003】
HDACは、ヒストンおよび他のタンパク質上のリシン残基の脱アセチル化を触媒する。低レベルのヒストンアセチル化は、遺伝子発現の抑制と関連していることは公知である。したがって、異常なHDAC活性は、細胞調節における繊細なバランスを壊し得る。HDACは、4つの構造的および機能的に異なる系統発生的クラスに属する。クラスI(HDAC−1、HDAC−2、HDAC−3、およびHDAC−8)化合物は、酵母RPD3と密接に関係する。クラスIIa(HDAC−4、HDAC−5、HDAC−7、およびHDAC−9)およびクラスIIb(HDAC−6および−10)は、酵母HDAC−1とドメインを共有する。最近記載されたクラスIV(HDAC−11を含めた)は、クラスIおよびクラスII両方のHDACの特性を示す。全ての上記のHDACは、亜鉛依存性プロテアーゼである。クラスIIIのHDACは、酵母転写リプレッサーであるSir2との配列類似性に基づいて同定されてきており、これらのデアセチラーゼ機能のために補助因子NADを必要とする。例えば、非特許文献1を参照されたい。
【0004】
HDAC活性は、種々のヒト病態において重要な役割を果たしていることが報告されてきた。したがって、HDACインヒビターは、広範囲の患者に治療上の利点を提供することができる。治療上の有意性によって、様々なタイプのHDACインヒビターが今日まで開発されてきた。例えば、非特許文献2を参照されたい。
【0005】
Suzukiへの特許文献1は、置換または非置換の窒素含有ヘテロアリール基を含有するベンズアミド誘導体を記載している。Suzukiは、ベンズアミド誘導体が悪性腫瘍、特に、血液悪性腫瘍または固形癌のための療法として有用であることを言及している。
【0006】
特許文献2は、ヒストンデアセチラーゼの阻害との関連で、ピリジン−3−イルメチル基に結合しているオキシカルバモイルメチレン基を含有する4−カルボキシベンジルアミノ化合物を記載している。
【0007】
特許文献3は、チアゾリルアミノリンカーを介してアニリドまたはヒドロキサマート部分にリンクしているイミダゾピリジニル化合物について言及している。これらの化合物は、ヒストンデアセチラーゼ阻害活性などの酵素阻害活性を有すると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国再発行特許発明第39,754号明細書
【特許文献2】国際公開第2009/002495号
【特許文献3】国際公開第2009/002534号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Marielle Parisら、Histone Deacetylase Inhibitors:From Bench to Clinic、JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY、2008年、第51巻、第11号、p.3330−3330
【非特許文献2】Moradeiら、Histone Deacetylase Inhibitors:Latest Developments、Trends, and Prospects、CURR.MED.CHEM.:ANTI−CANCER AGENTS、2005年、第5巻、第5号、p.529−560
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
HDAC活性に関わる種々の疾患状態のための適当な治療を提供する新規なインヒビターを開発することが依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(概要)
様々な実施形態において、HDAC阻害活性を有する化合物、この化合物を含む組成物、および異常な細胞増殖または分化から生じる疾患の治療に有用な方法を提供する。
【0012】
一実施形態において、式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩が提供され、
【0013】
【化1】

式中、
Cyは、少なくとも1個の窒素環原子を含有するヘテロシクリルであり、Cyは、化学的に実現可能である場合、1個または複数のRで任意選択で置換されており、
mは、0からCy上の置換可能な位置の最大数までの整数であり、
は、
(a)H、シアノ、オキソ、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、メルカプト、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキル;ならびに
(b)R−C(O)−X−、R−O−C(O)−X−およびR−S(O)−X
からなる群から独立に選択され、
は、結合、−NH−、−NH−C1〜6アルキレン、−O−C1〜6アルキレン、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン(akenylene)、C2〜6アルキニレン、C3〜6シクロアルキレン、アリーレン、およびヘテロシクリレンからなる群から選択され、
は、H、アミノ、ヒドロキシ、アルキル、アルキルアミノ、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびアリールからなる群から選択され、
aは、0、1または2であり、
は、このような任意選択の置換が化学的に実現可能である場合、1つまたは複数のAで任意選択で置換されているか、あるいは
mが2であるとき、2個のR基は、Cyの同じ炭素環原子上で置換され、Cyの炭素環原子と一緒になってCy上に位置する環をスピロ配置で形成することができ、スピロ環は、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり、
およびRは、
(a)H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、およびアリールアルキル;ならびに
(b)R−C(O)−X−、R−O−C(O)−X−およびR−S(O)−X
からなる群から独立に選択され、
は、結合、−NH−、−NH−C1〜6アルキレン、−O−C1〜6アルキレン、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン、C3〜6シクロアルキレン、アリーレン、およびヘテロシクリレンからなる群から選択され、
は、H、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、
aは、0、1または2であり、
およびRの少なくとも1つは、非水素置換基であり、RおよびRはそれぞれ、このような任意選択の置換が化学的に実現可能である場合、1つまたは複数のBで任意選択で置換されており、
は、−H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、およびアリールアミノからなる群から選択され、Rは、このような任意選択の置換が化学的に実現可能である場合、ハロ、オキソ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、カルバモイルオキシ、カルバモイル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクリル、およびアリールから選択される1つまたは複数で任意選択で置換されており、
は、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C1〜10アルコキシ、C1〜10アルカノイル、N−(C1〜10アルキル)アミノ、N,N−(C1〜10アルキル)アミノ、C1〜10アルカノイルアミノ、N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、N,N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、C1〜10アルキル−S(O)(aは、0、1または2である)、NH−S(O)NH−、N−(C1〜10アルキル)スルファモイル、N,N−(C1〜10アルキル)スルファモイル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールからなる群から独立に選択され、
nは、0、1、2、3または4であり、
は、−H、ハロ、ハロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、アリールまたはヘテロアリールは、アミノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される1個または複数の置換基で任意選択で置換されており、
は、NH−またはOH−であり、
oは、0、1、2、3または4であり、
Aは、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、N−(C1〜10アルキル)アミノ、N,N−(C1〜10ジアルキル)アミノ、N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、N,N−(C1〜10ジアルキル)カルバモイル、C1〜10ハロアルキル、C3〜10シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、(C1〜10アルキル)C3〜10シクロアルキル、およびR(R’)(R’’)シリルからなる群から独立に選択され、R、R’およびR’’は、独立に、アルキルまたはアリールであり、
Bは、オキソ、ハロ、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルバモイル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、C1〜10ハロアルキル、C1〜10アルカノイルアミノ、N−(C1〜10アルキル)アミノ、N,N−(C1〜10ジアルキル)アミノ、C1〜10アルカノイル、N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、N,N−(C1〜10ジアルキル)カルバモイル、C3〜10シクロアルキル、(C3〜10シクロアルキル)C1〜10アルキル、C3〜10シクロアルコキシ、C1〜10ハロアルコキシ、ヘテロシクリル、(ヘテロシクリル)C1〜10アルキル、アリール、(アリール)C1〜10アルキル、(ヘテロアリール)C1〜10アルキルおよびR(R’)(R’’)シリルからなる群から独立に選択され、R、R’およびR’’は、独立に、アルキルまたはアリールである。
【0014】
別の実施形態において、式(II)の化合物または薬学的に許容されるその塩が提供され、
【0015】
【化2】

式中、
は、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールアルキル、ハロアルキルヘテロアリール、およびシクロアルキルヘテロアリールからなる群から選択され、Rは、アルキルで任意選択で置換されており、ならびに
o、n、R、R、R、R、R、およびRは、上記定義の通りである。
【0016】
さらに別の実施形態において、HDAC阻害有効量の1種または複数の本明細書に記載されている化合物と薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0017】
さらに別の実施形態において、被験体に治療有効量の1種または複数の本明細書に記載されている化合物を投与することを含む、異常な細胞増殖および分化から生じる疾患を阻害または治療する方法を提供する。他の方法は、他の抗がん剤と一緒にこれらの化合物の1つまたは複数を投与することによる併用療法を伴う。
【0018】
上記の化合物を、以下の詳細な記載においてより完全に記載する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(詳細な説明)
以下の説明は、本質的に単に例示的なものであり、本開示、用途、または使用を制限することを意図しない。
【0020】
定義
「アルケニル」とは、少なくとも1つの不飽和の部位、すなわち、炭素−炭素のsp二重結合を有する直鎖状または分岐状のヒドロカルビル基を意味する。一実施形態において、アルケニルは、2〜12個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アルケニルは、C〜C10アルケニル基またはC〜Cアルケニル基である。アルケニル基の例には、これらに限定されないが、エチレンまたはビニル(−CH=CH)、アリル(−CHCH=CH)、シクロペンテニル(−C)、および5−ヘキセニル(−CHCHCHCHCH=CH)が含まれる。
【0021】
「アルカノイル」は、基RC(O)−であり、「アルカノイルオキシ」は、RC(O)O−であり、「アルカノイルアミノ」は、RC(O)NR’−であり、Rは、本明細書に定義されているようなアルキル基であり、R’は、水素またはアルキルである。様々な実施形態において、Rは、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。
【0022】
「アルカノイルアルキル」は、基RC(O)R’−であり、RおよびR’は、独立に選択されたアルキルである。
【0023】
「アルカノイルオキシアルキル」は、基RC(O)OR’−であり、RおよびR’は、独立に選択されたアルキルである。
【0024】
「アルコキシ」は、RO−であり、Rは、アルキルである。アルコキシ基の非限定的例には、メトキシ、エトキシおよびプロポキシが含まれる。
【0025】
「アルコキシアルキル」とは、アルコキシ基で置換されているアルキル部分を意味する。アルコキシアルキル基の例には、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピルおよびエトキシエチルが含まれる。
【0026】
「アルコキシカルボニル」は、ROC(O)−であり、Rは、本明細書に定義されているようなアルキル基である。様々な実施形態において、Rは、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。
【0027】
「アルコキシカルボニルアルキル」は、基ROC(O)R’−であり、RおよびR’は、独立に選択されたアルキルである。
【0028】
「アルキル」とは、直鎖または分岐鎖のヒドロカルビル基を意味する。一実施形態において、アルキルは、1〜12個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アルキルは、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。アルキル基の例には、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルが含まれる。
【0029】
「アルキルアミノ」とは、1つまたは複数のアルキル基で置換されているアミノ基を意味する。「N−(アルキル)アミノ」は、RHN−であり、「N,N−(アルキル)アミノ」は、RN−であり、R基は、本明細書に定義されているようなアルキルであり、同じであるかまたは異なる。様々な実施形態において、Rは、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。アルキルアミノ基の例には、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、およびメチルエチルアミノが含まれる。
【0030】
「アルキルアミノアルキル」とは、アルキルアミノ基で置換されているアルキル部分を意味し、アルキルアミノは、本明細書に定義されている通りである。アルキルアミノアルキル(alkylaminoakyl)基の例には、メチルアミノメチルおよびエチルアミノメチルが含まれる。
【0031】
「アルキルシクロアルキル」は、本明細書に定義されているようなアルキル基であって、本明細書に同様に定義されているようなシクロアルキル基で置換されている、アルキル基である。
【0032】
「N−(アルキル)カルバモイル」は、基R−NH−C(O)であり、Rは、本明細書に定義されているようなアルキルである。様々な実施形態において、Rは、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキルである。アルキルカルバモイルアルキル基の例には、これらに限定されないが、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイルおよびN−ブチルカルバモイルが含まれる。「N,N−(アルキル)−カルバモイル」および「N,N−ジアルキルカルバモイル」は、基(R)R’N−C(O)−であり、RおよびR’は、本明細書に定義されているような独立に選択されたアルキルである。様々な実施形態において、RおよびR’は、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。N,N−ジアルキルカルバモイル基の例には、これらに限定されないが、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−メチルエチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N,−ジプロピルカルバモイルおよびN,N−ジブチルカルバモイルが含まれる。
【0033】
「アルキルカルバモイルアルキル」は、基R−NH−C(O)−R’であり、RおよびR’は、本明細書に定義されているような独立に選択されたアルキルである。様々な実施形態において、RおよびR’は、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。アルキルカルバモイルアルキル基の例には、これらに限定されないが、N−メチルカルバモイルメチル、N−メチルカルバモイルエチル、N−エチルカルバモイルメチル、N−エチルカルバモイルエチル、N−プロピルカルバモイルエチルおよびN−ブチルカルバモイルエチルが含まれる。
【0034】
「アルキルスルフィニル」は、基RS(O)−であり、Rは、本明細書に定義されているようなアルキルである。様々な実施形態において、Rは、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。アルキルスルフィニル基の例には、これらに限定されないが、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニルおよびブチルスルフィニルが含まれる。
【0035】
「アルキルスルホニル」は、基RS(O)−であり、Rは、本明細書に定義されているようなアルキルである。様々な実施形態において、Rは、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。アルキルスルホニル基の例には、これらに限定されないが、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルおよびブチルスルホニルが含まれる。
【0036】
「アルキルチオ」は、基RS−であり、Rは、本明細書に定義されているようなアルキルである。様々な実施形態において、Rは、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。アルキルチオ基の例には、これらに限定されないが、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオおよびブチルチオが含まれる。
【0037】
「アルキニル」とは、少なくとも1個の不飽和の部位、すなわち、炭素−炭素のsp三重結合を有する直鎖状または分岐状の炭素鎖基を意味する。一実施形態において、アルキニルは、2〜12個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アルキニルは、C〜C10アルキニル基またはC〜Cアルキニル基である。アルキニル基の例には、アセチレン(−C≡CH)およびプロパルギル(−CHC≡CH)が含まれる。
【0038】
「アミノアルキル」は、基HNR−であり、Rは、本明細書に定義されているようなアルキルである。アミノアルキル基の例には、これらに限定されないが、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、1−アミノプロピル、2−アミノプロピルおよび3−アミノプロピルが含まれる。
【0039】
「アミノスルホニルアルキル」は、基HNS(O)R−であり、Rは、本明細書に定義されているようなアルキルである。アミノスルホニルアルキル基の例には、これらに限定されないが、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピルおよびアミノスルホニルブチルが含まれる。
【0040】
「アリール」とは、各環中に7個までの原子のある、任意の単環式または二環式の炭素環を意味し、少なくとも1個の環は、芳香族である。アリールは、5員または6員のシクロアルキル基に縮合している炭素環式芳香族基を含む、14個までの炭素原子の環系を包含する。アリール基の例には、これらに限定されないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチルおよびインダニルが含まれる。
【0041】
「アリールアルキル」および「アラルキル」とは、本明細書に定義されているような任意のアルキル基であって、本明細書に同様に定義されているような任意のアリール基で置換されている、アルキル基を意味する。アラルキル基の例には、これらに限定されないが、ベンジル、フェニルエチル、ナフチルメチル、テトラヒドロナフチルメチルおよびインダニルメチルが含まれる。
【0042】
「アリールアミノ」は、基RHN−であり、Rは、本明細書に定義されているようなアリールである。アリールアミノ基の例には、これらに限定されないが、フェニルアミノ、ナフチルアミノ、テトラヒドロナフチルアミノおよびインダニルアミノが含まれる。
【0043】
「アリールオキシ」は、RO−であり、Rは、アリールである。「アリールチオ」は、RS−であり、Rは、アリールである。
【0044】
「アリールスルホニル」は、基RS(O)−であり、Rは、本明細書に定義されているようなアリールである。アリールスルホニル基の例には、これらに限定されないが、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、テトラヒドロナフチルスルホニルおよびインダニルスルホニルが含まれる。
【0045】
「アリールチオ」は、基RS−であり、Rは、本明細書に定義されているようなアリールである。アリールチオ基の例には、これらに限定されないが、フェニルチオ、ナフチルチオ、テトラヒドロナフチルチオおよびインダニルチオが含まれる。
【0046】
「アリールチオアルキル」とは、本明細書に定義されているような任意のアルキル基であって、本明細書に同様に定義されているような任意のアリールチオ基で置換されている、アルキル基を意味する。アリールチオアルキル基の例には、これらに限定されないが、フェニルチオメチル、ナフチルチオメチル、テトラヒドロナフチルチオメチル、インダニルチオメチル、フェニルチオエチル、ナフチルチオエチル、テトラヒドロナフチルチオエチルおよびインダニルチオエチルが含まれる。
【0047】
「カルボニル」は、基−C(O)−であり、−(C=O)−ともまた記載することができる。カルボニル基は、酸、アルデヒド、アミド、カルバメート(cabamates)、カルボキシレート、エステル、およびケトンなどのいくつかの化学部分;ならびにカルバモイル、アルカノイル、シクロアルカノイル、およびヘテロシクロアルカノイルなどの官能基において見出すことができる。
【0048】
「カルバモイルオキシ」とは、基HNC(O)O−を意味する。
【0049】
「カルバモイル」は、基NH−C(O)−であり、窒素は、アルキル基で置換することができる。N−(アルキル)カルバモイルは、RNH−C(O)−であり、N,N−(アルキル)カルバモイルは、RN−C(O)−であり、R基は、本明細書に定義されているようなアルキルであり、同じであるかまたは異なる。様々な実施形態において、Rは、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。
【0050】
「カルバモイルアルキル」とは、基NHC(O)R−を意味し、Rは、本明細書に定義されているようなアルキルである。カルバモイルアルキル基の例には、これらに限定されないが、カルバモイルメチル、カルバモイルエチル、カルバモイルプロピルおよびカルバモイルブチルが含まれる。
【0051】
「カルボキシ」は、基HOC(O)−であり、カルボン酸ともまた称することができる。
【0052】
「シクロアルカノイル」は、基RC(O)−であり、Rは、本明細書に定義されているようなシクロアルキルである。その例には、これらに限定されないが、シクロプロパノイル、シクロブタノイル、シクロペンタノイルおよびシクロヘキサノイルが含まれる。
【0053】
「シクロアルキルアルカノイル」は、基RC(O)−であり、Rは、本明細書に定義されているようなシクロアルキルである。その例には、これらに限定されないが、シクロプロパノイル、シクロブタノイル、シクロペンタノイルおよびシクロヘキサノイルが含まれる。
【0054】
「シクロアルキルアミノスルホニル」は、基R−NH−S(O)−であり、Rは、本明細書に定義されているようなシクロアルキルである。シクロアルキルアミノスルホニル基の例には、これらに限定されないが、シクロプロピルアミノスルホニル、シクロブチルアミノスルホニル、シクロペンチルアミノスルホニルおよびシクロヘキシルアミノスルホニルが含まれる。
【0055】
「シクロアルキルアミノスルフィニル」は、基R−NH−S(O)−であり、Rは、本明細書に定義されているようなシクロアルキルである。シクロアルキルアミノスルフィニル基の例には、これらに限定されないが、シクロプロピルアミノスルフィニル、シクロブチルアミノスルフィニル、シクロペンチルアミノスルフィニルおよびシクロヘキシルアミノスルフィニルが含まれる。
【0056】
「シクロアルキルカルボニル」および「シクロアルカノイル」とは、基RC(O)−を意味し、Rは、本明細書に定義されているようなシクロアルキルである。シクロアルキルカルボニル基の例には、これらに限定されないが、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニルおよびシクロヘキシルカルボニルが含まれる。
【0057】
「シクロアルキル」は、飽和または部分不飽和の単環式、二環式または三環式の炭化水素基である。様々な実施形態において、これは、飽和または部分不飽和のC〜C12環状部分を意味し、その例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。
【0058】
様々な実施形態において、シクロアルキルという用語は架橋シクロアルキル基であり、その非限定的例には、
【0059】
【化3】

が含まれる。
【0060】
「シクロアルキルアミノ」は、基R−NH−であり、Rは、本明細書に定義されているようなシクロアルキルである。その例には、これらに限定されないが、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ(cyclopenylamino)およびシクロヘキシルアミノが含まれる。
【0061】
「シクロアルキルオキシ」はRO−であり、Rは、シクロアルキルである。
【0062】
「シクロアルキルオキシスルホニル」および「シクロアルコキシスルホニル」とは、基ROS(O)−を意味し、Rは、本明細書に定義されているようなシクロアルキルである。シクロアルキルオキシスルホニル基の例には、これらに限定されないが、シクロプロピルオキシスルホニル、シクロブチルオキシスルホニル、シクロペンチルオキシスルホニルおよびシクロヘキシルオキシスルホニルが含まれる。
【0063】
「シクロアルキルオキシスルフィニル」および「シクロアルコキシスルフィニル」とは、基ROS(O)−を意味し、Rは、本明細書に定義されているようなシクロアルキルである。シクロアルキルオキシスルフィニル基の例には、これらに限定されないが、シクロプロピルオキシスルフィニル、シクロブチルオキシスルフィニル、シクロペンチルオキシスルフィニルおよびシクロヘキシルオキシスルフィニルが含まれる。
【0064】
「シクロアルキルアルキル」とは、シクロアルキル基で置換されているアルキル部分を意味し、シクロアルキルは、本明細書に定義されている通りである。シクロアルキルアルキル基の例には、これらに限定されないが、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルエチルおよびシクロヘキシルメチルが含まれる。
【0065】
「シクロアルキルアルキル−S(O)−」および「シクロアルキルアルキルスルホニル」とは、基R−R’−S(O)を意味し、Rは、本明細書に定義されているようなシクロアルキルであり、R’は、本明細書でまた定義されているようなアルキルである。シクロアルキルアルキル−S(O)−の例には、これらに限定されないが、シクロプロピルメチル−S(O)−、シクロブチルメチル−S(O)−、シクロペンチルメチル−S(O)−、シクロペンチルエチル(cyclopenylethyl)−S(O)−およびシクロヘキシルメチル−S(O)−が含まれる。
【0066】
「シクロアルキルスルホニル」は、基RS(O)−であり、Rは、本明細書に定義されているようなシクロアルキルである。シクロアルキルスルホニル基の例には、これらに限定されないが、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル、シクロペンチルスルホニルおよびシクロヘキシルスルホニルが含まれる。
【0067】
「ジアルキルアミノ」とは、RR’N−基を意味し、RおよびR’は、独立に選択された本明細書に定義されているようなアルキルである。ジアルキルアミノ基の例には、これらに限定されないが、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、メチルエチルアミノおよびメチルプロピルアミノが含まれる。様々な実施形態において、RおよびR’は、独立に、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。
【0068】
「ジアルキルアミノアルキル」とは、ジアルキルアミノ基で置換されているアルキル部分を意味し、ジアルキルアミノは、本明細書に定義されている通りである。ジアルキルアミノアルキル基の例には、これらに限定されないが、N,N−ジメチルアミノメチルおよびN,N−ジエチルアミノメチルが含まれる。
【0069】
「ジアルキルカルバモイル」は、基RR’N−C(O)−であり、RおよびR’は、本明細書に定義されているような独立に選択されたアルキルである。様々な実施形態において、RおよびR’は、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。N,N−ジアルキルカルバモイル基の例には、これらに限定されないが、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−メチルエチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N,−ジプロピルカルバモイルおよびN,N−ジブチルカルバモイルが含まれる。
【0070】
「ジアルキルヘテロシクロアルキル−S(O)−」および「ジアルキルヘテロシクロアルキルスルホニル」とは、基RS(O)−を意味し、Rは、本明細書に定義されているようなヘテロシクロアルキル(hereocycloalkyl)であって、本明細書に同様に定義されているような2個の独立に選択されたアルキルで置換されている、ヘテロシクロアルキルである。
【0071】
化学部分の名称の接尾辞「−エン」とは、これらに限定されないが、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、シクリレン、およびヘテロシクリレンを含めた任意の二価の炭素含有種を意味する。二価部分への2個の結合は、化学的に実現可能なとき、同じ原子上または異なる原子上で起こり得る。
【0072】
様々な実施形態において、「アルキレン」の例には、これらに限定されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、およびtert−ブチレンが含まれる。1個を超える炭素の長さのアルキレンについて、結合は、同じ炭素上または異なる炭素上で生じ得る。例えば、ブチレンは、下記のように結合することができる。
【0073】
【化4】

様々な実施形態において、「アリーレン」とは、本明細書に定義されているような二価のアリール置換基を意味する。結合は、オルト、メタ、またはパラ配置でよい。
【0074】
「実現可能」とは、達成することができるか、可能であるか、適切であるか、または論理的な構造またはプロセスを意味する。構造またはプロセスが「化学的に実現可能」であるとき、その構造またはプロセスは、合成的に達成可能であり、典型的な周囲条件に対して化学的に安定的であり、かつ/あるいは使用目的について有効性、バイオアベイラビリティーおよび最小の毒性などの都合よい生物学的特性の一因となる。化学的に実現可能な構造は、電子結合の規則に制約され、結合は、互いに結合を形成することができる原子の間のみに形成することができる。同様に、化学的に実現可能なプロセスは、それ自体が化学的に実現可能な構造のみを生じさせることができる。発熱性単モル(unimolar)分解を高い割合で起こす爆発性、指に感応性、および自然発火性の物質(または物質(複数))は典型的には、化学的に実現可能であると考えられない。
【0075】
「ハロ」とは、クロロ(−Cl)、ブロモ(−Br)、フルオロ(−F)またはヨー
ド(−I)を意味する。
【0076】
「ハロアルコキシ」とは、1つまたは複数のハロ基で置換されているアルコキシ基を意味し、ハロアルコキシ基の例には、これらに限定されないが、−OCF、−OCHFおよび−OCHFが含まれる。
【0077】
「ハロアルコキシアルキル」とは、ハロアルコキシ基で置換されているアルキル部分を意味し、ハロアルコキシは、本明細書に定義されている通りである。ハロアルコキシアルキル基の例には、トリフルオロメトキシメチル、トリフルオロエトキシメチルおよびトリフルオロメトキシエチルが含まれる。
【0078】
「ハロアルキル」とは、1つまたは複数のハロ基で置換されているアルキル部分を意味する。ハロアルキル基の例には、−CFおよび−CHFが含まれる。
【0079】
「ハロアリール」とは、1つまたは複数の独立に選択されたハロ基で置換されている任意のアリール基を意味する。
【0080】
「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環が芳香族であるヘテロシクリルである。様々な実施形態において、ヘテロアリールとは、各環中に7個までの原子を有する単環式、二環式または三環式の環を意味し、少なくとも1個の環は芳香族であり、環中にN、OおよびSからなる群から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有する。ヘテロアリールの非限定的例には、ピリジル、チエニル、フラニル、ピリミジル、イミダゾリル、ピラニル、ピラゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル(isoxazoyl)、ピロリル、ピリダジニル、ピラジニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、イソインドリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、チアナフテニルおよびピラジニルが含まれる。ヘテロアリールの結合は、芳香環を介して起き得るか、あるいは、ヘテロアリールが二環式もしくは三環式であり、環の1つが芳香族でもなく、ヘテロ原子を含有もしない場合、非芳香環またはヘテロ原子を含有しない環を介して起き得る。「ヘテロアリール」にはまた、任意の窒素含有ヘテロアリールのN−オキシド誘導体が含まれることが理解される。
【0081】
「ヘテロアリールアルキル」とは、本明細書に定義されているようなアルキル基であって、本明細書に同様に定義されているようなヘテロアリール基で置換されている、アルキル基を意味する。ヘテロアリールアルキル基の例には、これらに限定されないが、ピリジルメチル、ピリジルエチル、チエニルプロピルおよびフラニルブチルが含まれる。
【0082】
「ヘテロアリールオキシ」は、RO−であり、Rは、ヘテロアリールである。
【0083】
「ヘテロアリールスルホニル」は、基RS(O)−であり、Rは、本明細書に定義されているようなヘテロアリールである。ヘテロアリールスルホニル基の例には、これらに限定されないが、ピリジルスルホニル、チエニルスルホニル、フラニルスルホニル、ピリミジルスルホニルおよびイミダゾリルスルホニルが含まれる。
【0084】
「ヘテロシクロアルキル」とは、環炭素原子に加えてP、N、OおよびSから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含有する、2〜14個の環炭素原子の飽和または部分不飽和の単環式、二環式または三環式基を意味する。様々な実施形態において、複素環基は、炭素を介してまたはヘテロ原子を介して別の部分に結合しており、炭素またはヘテロ原子上で任意選択で置換されている。ヘテロシクロアルキルの例には、モルホリニル、チオモルホリニル、および
【0085】
【化5】

が含まれる。
【0086】
様々な実施形態において、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、架橋シクロアルキル基であり、その例には、
【0087】
【化6】

が含まれる。
【0088】
「ヘテロシクロアルキルアルキル」とは、本明細書に定義されているような任意のアルキル基であって、本明細書に同様に定義されているような任意のヘテロシクロアルキル基で置換されている、アルキル基を意味する。
【0089】
「ヘテロシクロアルキルアミノ」は、基RHN−であり、Rは、本明細書に定義されているようなヘテロシクロアルキルである。ヘテロシクロアルキルアミノ基の例には、これらに限定されないが、アゼチジニルアミノ、ベンゾイミダゾリルアミノ、ベンゾフラニルアミノ、ベンキソピラゾリル(benxopyrazolyl)およびベンゾトリアゾイルアミノ(benzotriazoylamino)が含まれる。
【0090】
「ヘテロシクロアルキル−S(O)−」および「ヘテロシクロアルキルスルホニル」とは、基RS(O)を意味し、Rは、本明細書に定義されているようなヘテロシクロアルキルである。
【0091】
「ヘテロシクロアルキル(C=O)」、「ヘテロシクロアルキルカルボニル」および「ヘテロシクロアルカノイル」とは、基RC(O)−を意味し、Rは、本明細書に定義されているようなヘテロシクロアルキルである。
【0092】
「ヘテロシクロアルキルオキシ」は、RO−であり、Rは、ヘテロシクロアルキルである。「ヘテロシクロアルキルチオ」は、RS−であり、Rは、ヘテロシクロアルキルである。
【0093】
「ヘテロシクリル」には、本明細書において定義されるヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキル(heterocycloclkyls)が含まれ、2〜14個の環炭素原子、および環炭素原子に加えて、P、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ原子の、飽和または部分不飽和の単環式、二環式または三環式基を意味する。様々な実施形態において、複素環基は、炭素を介してまたはヘテロ原子を介して別の部分に結合しており、炭素またはヘテロ原子上で任意選択で置換されている。ヘテロシクリルの例には、アゼチジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル(indolazinyl)、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル(pyridin−2−onyl)、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル、およびテトラヒドロチエニル、およびこれらのN−オキシドが含まれる。
【0094】
「ヘテロシクリルアルキル」は、ヘテロシクリルで置換されているアルキル基である。
【0095】
「ヒドロキシアルコキシ」とは、ヒドロキシ基(−OH)で置換されているアルコキシ基を意味し、アルコキシは、本明細書に定義されている通りである。ヒドロキシアルコキシの一例は、ヒドロキシエトキシである。
【0096】
「ヒドロキシアルキル」とは、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されている直鎖状または分岐状の一価のC〜C10炭酸水素基を意味し、ヒドロキシアルキル基の例には、これらに限定されないが、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシブチルが含まれる。
【0097】
「メルカプト」とは、スルフヒドリル基HS−を意味する。
【0098】
「スルファモイル」は、NH−S(O)−であり、「N−(アルキル)スルファモイル」は、R−NH−S(O)−であり、「N,N−(アルキル)スルファモイル」は、RN−S(O)−であり、R基は、本明細書に定義されているようなアルキルであり、同じであるかまたは異なる。様々な実施形態において、Rは、C〜C10アルキル基またはC〜Cアルキル基である。
【0099】
「トリアルキルシリル」は、基R(R’)(R’’)Si−であり、R、R’およびR’’は、各々独立に選択されたアルキルである。その例には、これらに限定されないが、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、およびt−ブチルジメチルシリルが含まれる。
【0100】
「薬学的に許容される」とは、医薬調製物における使用に適しており、このような使用のために一般に安全であると考えられ、このような使用について中央政府もしくは州政府の規制当局によって正式に承認されているか、または動物、より特定するとヒトにおける使用のために米国薬局方もしくは他の一般に認められている薬局方において一覧表示されていることを意味する。
【0101】
「薬学的に許容される担体」とは、薬学的に許容され、かつこれと共に本発明の化合物が投与される、賦形剤、アジュバント、添加剤、または担体、または他の成分を意味する。
【0102】
「薬学的に許容される塩」とは、所望の薬理活性を増強し得る塩を意味する。薬学的に許容される塩の例には、無機酸または有機酸と形成される酸付加塩、金属塩およびアミン塩が含まれる。無機酸と形成される酸付加塩の例には、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸およびリン酸を有する塩が含まれる。有機酸と形成される酸付加塩の例には、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシ−ベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、4,4’−メチレン−ビス(3−ヒドロキシ−2−ナフトエ)酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸およびムコン酸などの有機酸と形成される酸付加塩が含まれる。金属塩の例には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、および亜鉛イオンを有する塩が含まれる。アミン塩の例には、カルボン酸と塩を形成するほど十分に強力なアンモニアおよび有機窒素含有塩基を有する塩が含まれる。
【0103】
「治療有効量」とは、疾患を治療するために被験体に投与するときに、疾患について治療を達成するのに十分な化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、治療される被験体の年齢、体重などによって変化し得る。
【0104】
本明細書において包含されるのは、適用可能な場合、互変異性体、ラセミ化合物、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体、二重結合の立体配置異性体(E−および/またはZ−)、環置換パターンにおけるcis−およびtrans−配置、ならびに同位体変異種などの許容できる異性体である。
【0105】
一実施形態において、式(I)の化合物および薬学的に許容されるその塩から選択される化合物が提供され、
【0106】
【化7】

式中、Cy、R、R、R、R、R、R、R、m、nおよびoは、上記定義の通りである。
【0107】
一実施形態において、Cyは、4個、5個または6個の環原子を含有するヘテロシクリルであり、これらの1個は、残りの分子に結合している窒素環原子であり、ヘテロシクリルは、1個または複数のRで任意選択で置換されている。このようなヘテロシクリルの非限定的例には、ピロリジニル、オキソピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピペリジニル、アゼチジニル、
【0108】
【化8】

が含まれる。
【0109】
特定の実施形態において、Cyは、ピロリジニル、または飽和もしくは不飽和環構造に縮合しているピロリジニルであり、Cyは、1個または複数のRで任意選択で置換されている。一実施形態において、Cyは、5または6環員を有する飽和または不飽和環構造に縮合しているピロリジニルであり、環状部分は、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含有することができる。このような縮合環の非限定的例には、
【0110】
【化9】

が含まれる。
【0111】
一実施形態において、本明細書に記載されている置換または非置換のピロリジニルは、2−オキソ、2−ヒドロキシ、2−メチル、2,5−ジオキソ、4−ヒドロキシ−2−オキソ、2−ジアルキルアミノ、2−カルボキシ、2−(N,N−ジアルキル)カルバモイル、5−オキソ−2−(N,N−ジアルキル)カルバモイル、2−ヒドロキシメチル、2−(1−ヒドロキシシクロプロピル)、3−フルオロ、2−メチル−2−カルボキシ、3−トリフルオロメチル、および4−トリフルオロメチル−2−カルボキシから選択されるRで任意選択で置換されている。
【0112】
他の特定の実施形態において、Cyは、ピペリジニル、または飽和もしくは不飽和環構造に縮合しているピペリジニルであり、Cyは、1個または複数のRで任意選択で置換されている。一実施形態において、Cyは、5または6環員を有する飽和または不飽和環構造に縮合しているピペリジニルであり、環状部分は、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含有することができる。このような縮合環の非限定的例には、
【0113】
【化10】

が含まれる。
【0114】
一実施形態において、本明細書に記載されている置換または非置換のピペリジニルは、4−ヒドロキシ−4−メチル、4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル、4−ヒドロキシ−4−シクロプロピル、4−(2,2,2−トリフルオロエチルアミノ)、4−(5−オキソ−1,4−ジアゼパン−1−イル)、4−アセトアミド、4−(1−メチルシクロプロピルアミノ)、4−シアノ、4−カルボキシ−4−メチル、N,N−ジメチルカルバモイルメチル、4−オキソ、4−フェニル、4−ピリジン−3−イル、4−(5−トリフルオロメチルピリジン−3−イル)、N,N−ジメチルカルバモイル、2−アミノメチル、3−ヒドロキシ、2−シクロブチル、2−カルボキシ、4−(1−アルキルピペリジン−4−イル)、および3−シクロブチルアミノから選択されるRで置換されている。
【0115】
また別の特定の実施形態において、Cyは、ピペラジニル、または飽和もしくは不飽和環構造に縮合しているピペラジニルであり、Cyは、1個または複数のRで任意選択で置換されている。一実施形態において、Cyは、5または6環員を有する飽和または不飽和環構造に縮合しているピペラジニルであり、環状部分は、N、OおよびSから選択される1個または複数のヘテロ原子を含有することができる。このような縮合環の非限定的例には、
【0116】
【化11】

が含まれる。
【0117】
一実施形態において、本明細書に記載されている置換または非置換のピペラジニルは、メチル、1−メチルシクロプロピル、トリフルオロエチル、メトキシプロピル、N,N−ジメチルアミノプロピル、1−カルボキシシクロプロピル、N,N−ジメチルカルバモイルシクロプロピル、ピリジン−2−イルメチル、5−トリフルオロメチルピリジン−2−イルメチル、N,N−ジメチルカルバモイル、モルホリニルカルボニル、t−ブチルカルバモイル、モルホリノエトキシカルボニル、ベンゾイル、ピコリノイル、キノキサ−6−リニルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、プロピオニル、メトキシプロパノイル、N,N−ジメチルアミノプロパノイル、5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、5−クロロピリジン−2−イル、5−シクロプロピルピリジン−2−イル、5−クロロピリミジン−2−イル、2−メトキシフェニル、4−カルボキシフェニル、N,N−ジメチルカルバモイルフェニル、2−クロロフェニル、1−メチルシクロプロポキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、2−トリフルオロメチルプロパ−2−オキシカルボニル、メチルスルホニル、トリフルオロエチルスルホニル、5−トリフルオロメチルピリジン−3−イルスルホニル、ピリジン−3−イルスルホニル、フェニルスルホニル、シクロプロピルスルホニル、ピリジン−2−イル、5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル、フェニル、シクロプロピル、エチル、および
【0118】
【化12】

から選択されるRで任意選択で置換されている。
【0119】
さらに別の実施形態において、Cyは、残りの分子に結合している窒素環原子およびさらなるヘテロ原子を含む、4個、5個または6個の環原子を含有するヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルは、1個または複数のRで任意選択で置換されている。このようなヘテロシクリルの非限定的例には、
【0120】
【化13】

が含まれる。
【0121】
別の実施形態において、Cyは、ヘテロシクリルの2個の炭素環原子を連結する架橋を含有するヘテロシクリルであり、架橋は、直接結合、あるいは1個もしくは複数の炭素、またはN、OおよびSから選択されるヘテロ原子を含有する二価の鎖であり、架橋を含有するヘテロシクリルは、1個または複数のRで任意選択で置換されている。このような架橋環部分の非限定的例には、
【0122】
【化14】

が含まれ、
式中、nは、0、1、2または3であり、Qは、−NH−、−CH−、または−O−である。
【0123】
様々な実施形態において、本明細書に記載されているような架橋環は、1つまたは複数のRで任意選択で置換されており、このような置換架橋環の非限定的例には、
【0124】
【化15】

が含まれ、式中、nおよびRは、上記定義の通りである。
【0125】
さらに別の実施形態において、2個の基Rは、Cyの同じ炭素環原子上で置換され、Cyの炭素環原子と一緒になってCy上に位置している環をスピロ配置で形成し、スピロ環は、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルである。このようなスピロ環の非限定的例には、
【0126】
【化16】

が含まれる。
【0127】
さらに別の実施形態において、Rは、シアノ、オキソ、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、アミノ、メルカプト、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、R−C(O)−X−、R−O−C(O)−X−およびR−S(O)−X−からなる群から選択され、Xは、結合、−NH−、−NH−C1〜6アルキレン、−O−C1〜6アルキレン、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン、C3〜6シクロアルキレン、アリーレン、およびヘテロシクリレンであり、Rは、H、アミノ、ヒドロキシ、アルキル、ハロアルキル、アルキルアミノ、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびアリールからなる群から選択され、aは、0、1または2であり、Rは、1個または複数のAで任意選択で置換されている。
【0128】
様々な実施形態において、RおよびRは、−H、シクロブチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、シクロペンチルメチル、トリフルオロメチル、メチルシクロペンチルメチル、メチルテトラヒドロフラニルメチル、メチルヒドロキシメチル、ヒドロキシメチル、メチルメトキシメチル、ピリジニルメチル、フェニル、ピリジニル、ベンジル、シクロペンテニルメチル、メチルアゼチジニル、イミダゾリルメチル、シクロプロピルメチルイミダゾリルメチル、トリフルオロエチルイミダゾリルメチル、トリフルオロメチルピリジニルメチル、フルオロフェニルメチル、メトキシフェニルメチル、ジフルオロメトキシフェニルメチル、カルボキシメチル、シアノエチル、アミノカルボニルメチル、N,N−メトキシエチルアミノカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメチル、ピロリジニルアミノカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、イソプロピルアミノカルボニルメチル、シクロプロピルメチルアミノカルボニルメチル、N,N−ジメチルカルバモイル、ピロリジニルカルボニル、フルオロメチルプロピル、ヒドロキシメチルプロピル、メトキシメチル、(シクロプロピルメトキシ)メチル、(トリメチルシリル)メチル、フェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、ピペリジニルカルボニルオキシメチル、ジメチルウレイドメチル、モルホリニルカルボニルアミノメチル、イソブチルアミドメチル、アセトアミドメチル、シクロプロピルアセトアミドメチル、エチルオキシカルボニルアミノメチル、シクロブチルカルボニルアミノメチル、メチルチオエチル、メチルスルホニルエチル、シクロプロピルメチルチオメチル、シクロプロピルメチルスルホニルメチル、フェニルチオエチル、フェニルスルホニルエチル、インドリルメチル、イソプロピルインドリルメチル、クロロフェニルチオエチル、オキソイミダゾリジニルメチル、N,S−ジメチルスルホニルアミノメチル、チオフェニル、アセトアミドピロリジニルメチル、アセチルピペラジニルメチル、オキソピペラジニルメチル、ブテニルメチル、メチルブテニル、シクロプロピルプロピニル、ヒドロキシメチルペンチニル、ピリジニルメチル、メトキシベンジル、ジフルオロベンジル、カルボキシピロリジニルエチル、シアノベンジル、アセトアミドベンジル、N,N−ジメチルアミノメチルベンジル、N,N−ジメチルアミノピリジニルメチル、カルバモイルベンジル、シクロプロピルスルファモイルメチル、ジメチルピペリジニルスルホンアミドメチル、ベンジルスルファモイルメチル、ピリジニルメチルスルファモイルメチル、クロロフェニルスルファモイルメチル、ピリミジニルベンジル、
【0129】
【化17】

からなる群から独立に選択される。
【0130】
様々な実施形態において、Rは、メチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル、ピロリジニルエチル、ベンジル、ピリジニルメチル、エチルピリジニルメチル、アセチルピペラジニルエチル、メチルスルホンアミドエチル、メトキシエチル、メトキシカルボニルアミノエチル、ピラジニルアミノエチル、クロロフルオロベンジル、トリフルオロメチルピリジニルメチル、イミダゾリルエチル、イミダゾリルメチル、メチルジオキソピペリジニルメチル、ジオキソピロリジニルエチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、モルホリノカルボニルエチル、ヒドロキシメチルプロピル、フルオロフェニル、およびテトラヒドロピラニルから選択される。
【0131】
様々な実施形態において、RおよびRは、−フェニル−C(O)−NH−リンカーに結合したフェニル環上の置換基であり、RおよびRは、下記の置換基:
【0132】
【化18】

のいずれかを作るように選択され、式中、波線は、−フェニル−C(O)−NH−リンカーへの結合位置を示す。
【0133】
特定の実施形態では、化合物は、式(I−a)および式(I−b)の化合物から選択され、置換基は、式(I)と同様に定義され、
【0134】
【化19】

式中、m、n、R、R、R、R、RおよびRは、上記定義の通りであり、Cyは、C、N、OおよびSから独立に選択される、Q、Q、QおよびQ環原子(すなわち、式(I−a))またはQ、Q、Q、QおよびQ環原子(すなわち、式(I−b))を含有する飽和、不飽和、または部分不飽和の環構造である。
【0135】
上記で定義した化合物は、HDACを阻害するのに有用である。したがって一実施形態において、本発明の化合物は、例えば、哺乳動物のHDACなどのHDAC酵素の阻害において使用される。さらに具体的には、本発明の化合物を使用して、HDACが媒介する疾患または異常を治療または阻害することができる。
【0136】
式(I)、(I−a)および(I−b)の化合物の一実施形態において、置換基R、R、R、R、RおよびRの1つまたは複数(全てを含む)を、下記のようにさらに限定する。
【0137】
mは、0、1、2、3または4であり、Rは、オキソ、ハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、アジド、カルボキシ、カルバモイル、メルカプト、スルファモイル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C1〜10アルコキシ、C1〜10アルカノイル、C3〜8シクロアルカノイル、C1〜10アルカノイルオキシ、N−(C1〜10アルキル)アミノ、N,N−(C1〜10アルキル)アミノ、C1〜10アルカノイルアミノ、N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、N,N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、C1〜10アルキル−S(O)(aは、0、1または2である)、C1〜10アルコキシカルボニル、NH−S(O)NH−、N−(C1〜10アルキル)スルファモイル、N,N−(C1〜10アルキル)スルファモイル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノおよびアリールアミノから選択され、Rは、このような任意選択の置換が化学的に実現可能である場合、1つまたは複数のAで任意選択で置換されており、
Aは、クロロ、ヒドロキシ、オキソ、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシ、メトキシメチル、エトキシエチル、プロポキシエチル、メトキシエトキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシエトキシ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジメチルアミノメチル、N,N−ジエチルアミノメチル、N,N−ジメチルアミノエトキシ、トリフルオロメトキシメチル、トリフルオロエトキシメチル、ベンジル、フェニルエチル、トリフルオロメチルフェニルエチル、フェノキシメチル、フルオロフェノキシメチル、フェニルエチルアミノメチル、ベンジルアミノメチル、トリアジニルメチル、ピペリジニルメチル、ピペリジニルオキシ、トリフルオロメチルピペリジニルメチル、ピリジニルオキシメチル、ピリジニルメトキシ、テトラヒドロピラジニルオキシ、メチルピペラジニルメチル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、ピロリジン−3−イル、ピロリジン−1−イルメチル、ピロリジン−2−イルメチル、ピロリジン−3−イルメチル、ピロリジン−1−イルエトキシ、ピロリジン−2−イルエトキシ、ピロリジン−3−イルエトキシ、イミダゾール−1−イルメチル、イミダゾール−2−イルメチル、イミダゾール−4−イルメチル、イミダゾリジン−1−イル、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−4−イル、イミダゾリジン−1−イルメチル、イミダゾリジン−2−イルメチル、イミダゾリジン−4−イルメチル、イミダゾリン−1−イル、イミダゾリン−2−イル、イミダゾリン−4−イル、ピラゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−3−イル、ピラゾリジン−4−イル、ピラゾリン−1−イル、ピラゾリン−3−イル、ピラゾリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペリジン−1−イルメチル、ピペリジン−2−イルメチル、ピペリジン−3−イルメチル、ピペリジン−4−イルメチル、ピペラジン−1−イル、ピペラジン−2−イル、ピペラジン−3−イル、モルホリン−2−イル、モルホリン−3−イル、モルホリン−4−イル、モルホリン−2−イルメチル、モルホリン−3−イルメチル、モルホリン−4−イルメチル、モルホリン−2−イルエトキシ、モルホリン−3−イルエトキシおよびモルホリン−4−イルエトキシから独立に選択され、
は、H、アルキル、またはアリールであり、Rは、シクロブチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、シクロペンチルメチル、トリフルオロメチル、メチルシクロペンチルメチル、メチルテトラヒドロフラニルメチル、メチルヒドロキシメチル、ヒドロキシメチル、メチルメトキシメチル、ピリジニルメチル、フェニル、ピリジニル、ベンジル、シクロペンテニルメチル、メチルアゼチジニル、イミダゾリルメチル、シクロプロピルメチルイミダゾリルメチル、トリフルオロエチルイミダゾリルメチル、トリフルオロメチルピリジニルメチル、フルオロベンジル、メトキシベンジル、ジフルオロメトキシベンジル、カルボキシメチル、シアノエチル、カルバモイルメチル、N−(メトキシエチル)カルバモイルメチル、カルボキシメチル、N−(ピロリジニル)カルバモイルメチル、t−ブタノイルメチル、N−イソプロピルカルバモイルメチル、N−シクロプロピルメチルカルバモイルメチル、N,N−ジメチルカルバモイル、ピロリジニルカルボニル、フルオロメチルプロピル、ヒドロキシメチルプロピル、メトキシメチル、シクロプロピルメトキシメチル、トリメチルシリルメチル、フェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、ピペリジニルカルボニルオキシメチル、N,N−ジメチルウレイドメチル、モルホリニルカルボニルアミノメチル、イソブチルアミドメチル、アセトアミドメチル、シクロプロピルアセトアミドメチル、エチルオキシカルボニルアミノメチル、シクロブチルカルボニルアミノメチル、メチルチオエチル、メチルスルホニルエチル、シクロプロピルメチルチオメチル、シクロプロピルメチルスルホニルメチル、フェニルチオエチル、フェニルスルホニルエチル、インドリルメチル、イソプロピルインドリルメチル、クロロフェニルチオエチル、オキソイミダゾリジニルメチル、N,S−ジメチルスルホニルアミノメチル、チオフェニル、アセトアミドピロリジニルメチル、アセチルピペラジニルメチル、オキソピペラジニルメチル、ブテニルメチル、メチルブテニル、シクロプロピルプロピニル、ヒドロキシメチルペンチニル、ピリジニルメチル、メトキシベンジル、ジフルオロベンジル、ヒドロキシオキソピロリジニルエチル、シアノベンジル、アセトアミドベンジル、N,N−ジメチルアミノメチルベンジル、N,N−ジメチルアミノピリジニルメチル、カルバモイルベンジル、シクロプロピルスルファモイルメチル、ジメチルピペリジンスルホンアミドメチル、ベンジルスルファモイルメチル、ピリジニルメチルスルファモイルメチル、クロロフェニルスルファモイルメチル、ピリミジニルベンジル、
【0138】
【化20】

から選択され、あるいは
は、メチル、メトキシメチル、およびベンジルから選択され、Rは、イソブチル、メトキシメチル、メトキシメチル、N,N−ジメチルアミノエトキシメチル、およびトリフルオロエチルから選択され、
は、メチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル、ピロリジニルエチル、ベンジル、ピリジニルメチル、エチルピリジニルメチル、アセチルピペラジニルエチル、メチルスルホンアミドエチル、メトキシエチル、メトキシカルボニルアミノエチル、ピラジニルアミノエチル、クロロフルオロベンジル、トリフルオロメチルピリジニルメチル、イミダゾリルエチル、イミダゾリルメチル、(1−メチル−2,6−ジオキソピペリジン−4−イル)メチル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルエチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、モルホリノカルボニルメチル、ヒドロキシブチル、フルオロフェニル、およびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルから選択され、
nは、0、1、2、3または4であり、Rは、フルオロまたはハロアルキルである。
【0139】
一実施形態において、この開示は、式(I−a)の化合物および薬学的に許容されるその塩を提供し、
【0140】
【化21】

式中、R、R、R、R、RおよびRは、式(I)の様々な態様について上記に定義された通りであり、Cyは、C、N、OおよびSから独立に選択される、Q、Q、QおよびQ環原子を含有する飽和、不飽和、または部分不飽和の環構造である。
【0141】
式(I−a)の一実施形態において、Q、Q、QおよびQの各々は、炭素環原子であり、その結果、1個または複数のRで任意選択で置換されているピロリジニルであるCyを有し、Rは、ヒドロキシ、メチル、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、N,N−ジアルキルカルバモイル、5−オキソ−2−(N,N−ジアルキル)カルバモイル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシシクロプロピル)、フルオロ、カルボキシ、およびトリフルオロメチルからなる群から選択され、Rは、H、メチル、メトキシメチル、およびベンジルから選択され、Rは、シクロブチル、メチル、プロピル、シクロペンチルメチル、トリフルオロメチル、(1−メチルシクロペンタ−1−イル)メチル、(3−メチルテトラヒドロフラン−3−イル)メチル、メチルヒドロキシメチル、ヒドロキシメチル、メチルメトキシメチル、ピリジン−2−イルメチル、フェニル、ピリジン−2−イル、ベンジル、シクロペンテニルメチル、1−メチルアゼチジン−3−イル、イミダゾリルメチル、シクロプロピルメチルイミダゾリルメチル、(2,2,2−トリフルオロエチル)イミダゾリルメチル、(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル、フルオロベンジル、メトキシベンジル、ジフルオロメトキシベンジル、カルボキシメチル、シアノエチル、カルバモイルメチル、N−(2−メトキシエチル)カルバモイルメチル、カルボキシメチル、N−(ピロリジン−3−イル)カルバモイルメチル、2−t−ブタノイルメチル、N−イソプロピルカルバモイルメチル、N−シクロプロピルメチルカルバモイルメチル、N,N−ジメチルカルバモイル、ピロリジニルカルボニル、2−フルオロ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、メトキシメチル、シクロプロピルメトキシメチル、トリメチルシリルメチル、フェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、ピペリジン−1−イルカルボニルオキシメチル、N,N−ジメチルウレイドメチル、モルホリニルカルボニルアミノメチル、イソブチルアミドメチル、アセトアミドメチル、(2−シクロプロピルアセトアミド)メチル、エトキシカルボニルアミノメチル、シクロブチルカルボニルアミノメチル、メチルチオエチル、メチルスルホニルエチル、シクロプロピルメチルチオメチル、シクロプロピルメチルスルホニルメチル、フェニルチオエチル、フェニルスルホニルエチル、インドール−3−イルメチル、イソプロピルインドリルメチル、2−クロロフェニルチオエチル、2−オキソイミダゾリジン−1−イルメチル、N,S−ジメチルスルホニルアミノメチル、チオフェン−2−イル、(3−アセトアミドピロリジン−1−イル)メチル、(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル、(3−オキソピペラジン−1−イル)メチル、ブタ−2−エニルメチル、2−メチルブタ−2−エニル、3−シクロプロピルプロパ−2−イニル、4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−イニル、ピリジン−2−イルメチル、4−メトキシベンジル、2,3−ジフルオロベンジル、1−ヒドロキシ−2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル、2−シアノベンジル、4−アセトアミドベンジル、4−((N,N−ジメチルアミノ)メチル)ベンジル、(6−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル)メチル、4−カルバモイルベンジル、シクロプロピルスルファモイルメチル、(4,4−ジメチルピペリジン−1−スルホンアミド)メチル、ベンジルスルファモイルメチル、((ピリジン−2−イルメチル)スルファモイル)メチル、((4−クロロフェニル)スルファモイル)メチル、および4−(ピリミジン−2−イル)ベンジルから選択され、Rは、メチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル、ピロリジン−1−イルエチル、ベンジル、ピリジン−2−イルメチル、(1−エチルピリジン−4−イル)メチル、(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル、メチルスルホンアミドエチル、メトキシエチル、メトキシカルボニルアミノエチル、(ピラジン−2−イルアミノ)エチル、2−クロロ−4−フルオロ−ベンジル、(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル、イミダゾリルエチル、イミダゾリルメチル、(1−メチル−2,6−ジオキソピペリジン−4−イル)メチル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルエチル、(N,N−ジメチルアミノ)カルボニルメチル、モルホリノカルボニルメチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、4−フルオロフェニル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル、
【0142】
【化22】

からなる群から独立に選択され、
nは、0、1または2であり、Rは、ハロ、ヒドロキシ、アルキルおよびハロアルキルから独立に選択され、Rは、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、チオフェニル、クロロチオフェニル、およびメチルチオフェニルから選択される。
【0143】
このような化合物の非限定的例には、式(I−a1)の化合物および薬学的に許容されるその塩が含まれる。
【0144】
【化23−1】

【0145】
【化23−2】

【0146】
【化23−3】

式(I−a)の一実施形態において、Q、QおよびQの各々は、炭素環原子であり、Qは、オキソで置換されている炭素環原子であり、その結果1個または複数のRで任意選択で置換されているオキソピロリジニルであるCyを有し、Rは、ヒドロキシ、メチル、オキソ、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、N,N−ジアルキルカルバモイル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシシクロプロピル、3−フルオロ、2−メチル−2−カルボキシ、トリフルオロメチル、およびカルボキシからなる群から選択され、R、R、R、RおよびRは、式(I−a)の様々な態様について上記に定義された通りである。
【0147】
このような化合物の非限定的例には、式(I−a2)の化合物および薬学的に許容されるその塩が含まれる。
【0148】
【化24−1】

【0149】
【化24−2】

【0150】
【化24−3】

一実施形態において、本発明は、式(I−b)の化合物および薬学的に許容されるその塩を提供し、
【0151】
【化25】

式中、m、n、R、R、R、R、RおよびRは、式(I)の様々な態様について上記に定義された通りであり、Cyは、C、N、OおよびSから独立に選択される、Q、Q、Q、QおよびQ環原子を含有する、飽和、不飽和、または部分不飽和の環構造である。
【0152】
式(I−b)の一実施形態において、Q、Q、QおよびQの各々は、炭素環原子であり、Qは、酸素環原子であり、その結果1個または複数のRで任意選択で置換されているモルホリニルであるCyを有し、Rは、メチル、メチルシクロプロピル、トリフルオロエチル、メトキシプロピル、N,N−ジメチルアミノプロピル、カルボキシシクロプロピル、N,N−ジメチルカルバモイルシクロプロピル、ピリジニルメチル、トリフルオロメチルピリジニルメチル、N,N−ジメチルカルバモイル、モルホリノカルボニル、t−ブチルカルバモイル、モルホリノエトキシカルボニル、ベンゾイル、ピコリノイル、キノキサリニルカルボニル、シクロプロピルカルボニル、プロピオニル、メトキシプロパノイル、N,N−ジメチルアミノプロパノイル、トリフルオロメチルピリジニル、クロロピリジニル、シクロプロピルピリジニル、クロロピリミジニル、メトキシフェニル、カルボキシフェニル、N,N−ジメチルカルバモイルフェニル、クロロフェニル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサノキシカルボニル、メチルシクロプロポキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、トリフルオロメチルプロポキシカルボニル、メチルスルホニル、トリフルオロエチルスルホニル、トリフルオロメチルピリジニルスルホニル、ピリジニルスルホニル、フェニルスルホニル、シクロプロピルスルホニル、ピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、フェニル、シクロプロピル、ヒドロキシプロピル、トリフルオロメチル、ヒドロキシシクロプロピル、トリフルオロエチルアミノ、オキソ、ジアゼパニル、アセトアミド、メチルシクロプロピルアミノ、シアノ、カルボキシメチル、N,N−ジメチルカルバモイルメチル、ピリジニル、トリフルオロメチルピリジニル、N,N−ジメチルカルバモイル、アミノメチル、ヒドロキシ、シクロブチル、カルボキシ、アルキルピペリジニル、およびシクロブチルアミノから選択され、R、R、R、RおよびRは、式(I−a)の様々な態様について上記に定義された通りである。
【0153】
このような化合物の非限定的例には、式(I−b1)の化合物および薬学的に許容されるその塩が含まれる。
【0154】
【化26−1】

【0155】
【化26−2】

【0156】
【化26−3】

式(I−b)の一実施形態において、Q、Q、Q、QおよびQの各々が炭素環原子であるか、またはQ、Q、QおよびQの各々が炭素環原子であり、Qは、窒素環原子であり、その結果1個または複数のRで任意選択で置換されているピペリジニルまたはピペラジニルであるCyを有し、R、R、R、R、RおよびRは、式(I−b)の様々な態様について上記に定義された通りである。
【0157】
このような化合物の非限定的例には、式(I−b2)および(I−b3)の化合物ならびに薬学的に許容されるその塩が含まれ、
【0158】
【化27】

式中、R、R、R、RおよびRは、化合物I−b1−01からI−b1−48について表において示した置換基の同じ組合せを有するように選択することができる。
【0159】
さらに別の実施形態において、式(II)の化合物および薬学的に許容されるその塩から選択される化合物が提供され、
【0160】
【化28】

式中、Rは、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールアルキル、ハロアルキルヘテロアリール、およびシクロアルキルヘテロアリールからなる群から選択され、Rは、アルキルで任意選択で置換されており、R、R、R、R、R、R、nおよびoは、式(I)の様々な態様について上記に定義された通りである。
【0161】
式(II)の特定の実施形態において、Rは、フェニルアルキル、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、1−メチルシクロプロピル、t−ブチル、1,1,1−トリフルオロ−2−メチルプロパ−2−オキシカルボニル、ベンゾキシカルボニル、ピリジン−3−イルメチル、5−トリフルオロメチルピリジン−3−イルメチル、5−シクロプロピルピリジン−3−イルメチル、1−フェニルエチル、キノリン−3−イルメチル、および2−モルホリノエチルからなる群から選択され、R、R、R、R、R、およびRは、式(I−a)の様々な態様について上記に定義された通りである。
【0162】
一実施形態において、Rはt−ブチルである。このような化合物の非限定的例には、式(II−c1)の化合物および薬学的に許容されるその塩が含まれる。
【0163】
【化29−1】

【0164】
【化29−2】

【0165】
【化29−3】

【0166】
【化29−4】

式(II)の一実施形態において、Rは、ベンジルおよびフェニルエチルなどのフェニルアルキルであり、R、R、R、RおよびRは、式(I−a)の様々な態様について上記に定義された通りである。
【0167】
このような化合物の非限定的例には、式(II−c2)の化合物および薬学的に許容されるその塩が含まれる。
【0168】
【化30−1】

【0169】
【化30−2】

【0170】
【化30−3】

【0171】
【化30−4】

化合物の調製
式(I)、(I−a)、および(I−b)の化合物などの本発明の化合物は、下記に記載のスキームによって調製することができるが、例示したプロセスまたは他のプロセスの変形形態もまた使用することができることが認識されるものとする。
【0172】
他に特定しない限り、化合物1、2および5などの本発明の出発物質および中間体は、市販であるか、または文献中で当業者には公知の方法を使用して、市販の化合物の合成的修飾によって容易に調製される。
【0173】
【化31】

式中、Cy、R、R、R、R、R、m、およびnは、上記定義の通りであり、Yは、アルキルまたはHである。
【0174】
ジメチルホルムアミド(DMF)中の化合物1に、2−(1H−7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、化合物2、およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を加える。反応混合物を撹拌し、水およびアセトニトリルで希釈し、分取高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)によって精製し、凍結乾燥し、化合物3を得る。
【0175】
エタノール(EtOH)中の化合物3に、水酸化ナトリウム(NaOH)を加える。反応混合物を撹拌し、濃縮し、塩酸(HCl)で中和し、酢酸エチル(EtOAc)で抽出する。次いで、合わせた有機画分をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥させる。濾過および濃縮によって化合物4を得て、これは次のステップで精製せずに使用することができる。
【0176】
【化32】

式中、RおよびRは、上記定義の通りである。
【0177】
DMF中の化合物4に、HATU、化合物5、およびDIPEAを加える。反応混合物を撹拌し、水およびアセトニトリルで希釈し、分取HPLCで直接精製し、凍結乾燥し、式(I)の化合物を得る。方法(および任意の必要な通常の適応)の適合性の決定または特定の中間体の作製は一般に、この特許を読んだ後の当技術分野の当業者の範囲内である。
【0178】
本発明の化合物はHDACを阻害し、HDACによって直接もしくは間接に媒介される疾患を治療または寛解するのに有用である。したがって、本発明の別の態様は、上記のような有効量の1種または複数の化合物を含む医薬組成物を提供する。
【0179】
本発明の一実施形態において、本明細書に記載されている1種または複数の化合物に加えて、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤、アジュバント、添加剤、または担体を含む医薬組成物を提供する。この組成物は、所望の投与経路のための任意の適切な形態を取ることができる。組成物が経口的に投与される場合、これらに限定されないが、錠剤、カプセル剤(固体または液体入り)、散剤、顆粒剤、シロップ剤および他の液剤、エリキシル剤、吸入剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、ならびに溶液剤を含めた任意の適切な経口的に送達可能な剤形を使用することができる。注射用組成物または静脈内注入はまた、溶液剤、懸濁剤、および乳剤の形態で提供される。
【0180】
本発明による医薬組成物は、例えば、効力を増加させるか、または副作用を減少させるために、1種または複数のさらなる治療剤を含有し得る。したがっていくつかの実施形態において、医薬組成物は、HDACによって直接もしくは間接に媒介される疾患を治療または阻害するのに有用な活性成分から選択される1種または複数のさらなる治療剤をさらに含有する。このような活性成分の例は、これらに限定されないが、がん、ハンチントン病、嚢胞性線維症、肝線維症、腎線維症、肺線維症、皮膚線維症、関節リウマチ、糖尿病、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症、心肥大、心不全またはアルツハイマー病を治療または阻害する剤である。
【0181】
一実施形態において、含まれるさらなる治療剤は、抗がん剤である。抗がん剤の例には、これらに限定されないが、アルキル化剤(シクロホスファミド、ダカルバジン、およびシスプラチンなど);代謝拮抗剤(メトトレキサート、メルカプトプリン、チオグアニン、フルオロウラシル、およびシタラビンなど);植物アルカロイド(ビンブラスチン、およびパクリタキセルなど);抗腫瘍抗生物質(ドキソルビシン、ブレオマイシン、およびマイトマイシンなど);ホルモン/抗ホルモン(プレドニゾン、タモキシフェン、およびフルタミドなど);他のタイプの抗がん剤、例えば、アスパラギナーゼ、リツキシマブ、トラスツズマブ、イマチニブ、レチノイン酸および誘導体、コロニー刺激因子、アミホスチン、カンプトテシン、トポテカン、サリドマイド類似体(レナリドミドなど)、CDKインヒビター、ならびに他のHDACインヒビター(ヒストンデアセチラーゼ1インヒビター、ヒストンデアセチラーゼ2インヒビター、ヒストンデアセチラーゼ3インヒビター、ヒストンデアセチラーゼ4インヒビター、ヒストンデアセチラーゼ5インヒビター、ヒストンデアセチラーゼ6インヒビター、ヒストンデアセチラーゼ7インヒビター、ヒストンデアセチラーゼ8インヒビター、ヒストンデアセチラーゼ9インヒビター、ヒストンデアセチラーゼ10インヒビター、およびヒストンデアセチラーゼ11インヒビターなど)が含まれる。
【0182】
本発明のまた別の態様は、前記動物に、治療有効量の1種または複数の本発明による化合物を投与することを含む、動物において異常な細胞増殖および/または分化から生じる疾患を阻害または治療する方法を提供する。一実施形態において、疾患を阻害または治療する方法は、動物に、有効量の1種または複数の本発明の化合物および薬学的に許容される担体を含む組成物を投与することを含む。投与される組成物は、抗がん剤などの治療剤をさらに含有し得る。
【0183】
本発明の方法はヒトへの使用に特に適しているが、他の動物、特に哺乳動物(例えば、ヒトではない霊長類、ペット動物、家畜、実験動物、野生動物および動物園の動物など)に使用し得る。
【0184】
本発明の方法は、HDACによって直接もしくは間接に媒介される疾患を治療するのに特に有用である。これは、本発明の化合物がこれらの分子に対する阻害活性を有するからである。いくつかの実施形態において、したがって、本発明の方法は、HDACが媒介する疾患の阻害または治療において使用される。このような疾患の例には、これらに限定されないが、細胞増殖性疾患(がんなど)、常染色体優性遺伝障害(ハンチントン病など)、遺伝子関連代謝性障害(嚢胞性線維症など)、線維症(肝線維症、腎線維症、肺線維症および皮膚線維症など)、自己免疫疾患(関節リウマチなど)、糖尿病、急性および慢性の神経系疾患(脳卒中など)、肥大(心肥大など)、心不全(うっ血性心不全を含めた)、筋萎縮性側索硬化症、ならびにアルツハイマー病が含まれる。
【0185】
一実施形態において、本発明による方法は、がん、嚢胞性線維症、腎線維症または肺線維症を有する患者に利用される。いくつかの実施形態において、本発明による化合物を使用した方法を使用して、膀胱がん、乳がん、結腸および直腸がん、子宮内膜がん、腎臓(腎細胞)がん、白血病、肺がん、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がん(非黒色腫)、ならびに甲状腺がんから選択されるがんを治療または阻害する。
【実施例】
【0186】
下記の実施例は、単に例示的なものであり、この開示を少しも制限しない。
【0187】
(実施例1)
N−(2−アミノ−フェニル)−4−(2−ピロリジン−1−イル−プロピオニルアミノ)−ベンズアミド
【0188】
【化33】

DMF(10mL)中の2−ピロリジン−1−イル−プロパン酸(200mg、1.4mmol)に、HATU(586mg、1.5mmol)、4−アミノ−安息香酸エチルエステル(231mg、1.4mmol)およびDIPEA(0.5mL、2.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌し、水およびアセトニトリルで希釈し、分取HPLCによって精製し、凍結乾燥し、4−(2−(ピロリジン−1−イル)プロパンアミド)安息香酸エチルを得た。
【0189】
エタノール(7mL)中の上記のエステル(207mg、0.713mmol)に、1NのNaOH(7mL)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1NのHClで中和し、酢酸エチルで3度で抽出した。次いで、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、酸を得て、これを次のステップで精製せずに使用した。
【0190】
DMF(3mL)中の上記の酸(71mg、0.27mmol)に、HATU(154mg、0.41mmol)、1,2−フェニレンジアミン(59mg、0.54mmol)およびDIPEA(0.15mL、2.8mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、1NのHClおよび水で洗浄した。次いで、有機層を濃縮し、水およびアセトニトリルで希釈し、分取HPLCによって直接精製し、凍結乾燥し、表題化合物を得た。C2024、352.9(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.12(s,1H);9.68(s,1H);8.08(d,J=8.4Hz,2H);7.91(d,J=8.4Hz,2H);7.29(d,J=7.6Hz,1H);7.09(t,J=7.2Hz,1H);6.91(d,J=7.2Hz,1H);6.74(t,J=8Hz,1H);5.00(brs,1H);3.45(m,1H);2.82(m,4H);1.87(m,4H);1.44(d,J=6.4Hz,3H).
(実施例2)
N−(2−アミノ−5−(4−フルオロフェニル)フェニル)−4−(2−(ピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0191】
【化34】

DMF(10mL)中の2−ピロリジン−1−イル−プロパン酸(508mg、3.55mmol)に、HATU(1.62g、4.26mmol)、4−アミノ−安息香酸エチルエステル(645mg、3.90mmol)およびNMM(1.2mL、10.65mmol)を加え、50℃で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、1NのHCl、飽和NaHCO、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および濃縮によって、4−(2−(ピロリジン−1−イル)プロパンアミド)安息香酸エチルを得た。
【0192】
エタノール(7mL)中の粗エステルに、1NのNaOH(7mL)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、1NのHClで中和し、酢酸エチルで3度で抽出した。次いで、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および濃縮によって酸を得て、これを次のステップで精製せずに使用した。
【0193】
DMF(5mL)中の酸(200mg、0.76mmol)に、HATU(433mg、1.52mmol)、(3−アミノ−4’−フルオロ−ビフェニル−4−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(459mg、1.52mmol)およびNMM(0.25mL、2.28mmol)を加え、室温で48時間撹拌した。反応混合物を水およびアセトニトリルで希釈し、分取HPLCによって直接精製し、凍結乾燥し、{4’−フルオロ−3−[4−(2−ピロリジン−1−イルプロピオニルアミノ)ベンゾイルアミノ]−ビフェニル−4−イル}カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。
【0194】
BOC保護された化合物に、4.0MのHClジオキサンを加え、室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、水およびアセトニトリルで希釈し、分取HPLCによって直接精製し、凍結乾燥し、表題化合物を得た。C2627F、447.1(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.27(s,1H);9.62(s,1H);7.97(d,J=8.8Hz,2H);7.75(d,J=8.8Hz,2H);7.56−7.45(m,3H);7.28−7.18(m,3H);6.84(d,J=8.4Hz,1H);5.05(brs,2H);3.30(m,1H);2.91−2.86(m,4H);1.79(m,4H);1.38(d,J=6.4Hz,3H).
(実施例3)
N−(2−アミノ−5−(チオフェン−2−イル)フェニル)−4−(2−(ピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0195】
【化35】

実施例2からの同様の手順に従って、(2−アミノ−4−チオフェン−2−イル−フェニル)カルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して表題化合物を得た。C2426S、435.1(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.93(s,1H);9.58(s,1H);7.91(d,J=8.8Hz,2H);7.73(d,J=8.8Hz,2H);7.40−7.17(m,4H);6.99−6.97(m,1H);6.75(d,J=8.4Hz,1H);5.05(brs,2H);3.09(q,J=6.4Hz,1H);2.57−2.43(m,4H);1.67(m,4H);1.24(d,J=6.4Hz,3H).
(実施例4)
N−(2−アミノフェニル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0196】
【化36】

実施例1からの同様の手順に従って、2−(2)−オキソピロリジン−1−イルプロパン酸および1,2−フェニレンジアミンを使用して表題化合物を得た。C2022、367.1(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.25(s,1H);9.54(s,1H);7.94(d,J=8.8Hz,2H);7.72(d,J=8.8Hz,2H);7.13(d,J=7.6Hz,1H);6.94(t,J=7.2Hz,1H);6.75(d,J=6.8Hz,1H);6.57(t,J=8Hz,1H);4.71(q,J=7.2Hz,1H);3.57−3.41(m,2H);2.26(m,2H);1.98−1.91(m,2H);1.36(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例5)
N−(2−アミノ−5−(チオフェン−2−イル)フェニル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0197】
【化37】

実施例2からの同様の手順に従って、2−(2)−オキソピロリジン−1−イルプロパン酸および(2−アミノ−4−チオフェン−2−イル−フェニル)カルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して表題化合物を得た。C2424S、448.8(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.21(s,1H);9.59(s,1H);7.92(d,J=8.8Hz,2H);7.67(d,J=8.8Hz,2H);7.40−7.17(m,4H);6.99(m,1H);6.75(d,J=8.4Hz,1H);5.07(brs,2H);4.68(q,J=7.2Hz,1H);3.54(m,1H);3.36(m,1H);2.23(m,2H);1.86(m,2H);1.33(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例6)
N−(2−アミノフェニル)−4−(2−モルホリノ−2−フェニルアセトアミド)ベンズアミド
【0198】
【化38】

実施例1からの同様の手順に従って、2−モルホリノ−2−フェニル酢酸および1,2−フェニレンジアミンを使用して表題化合物を得た。C2526、431.2(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.33(s,1H);9.53(s,1H);7.89(d,J=8.8Hz,2H);7.71(d,J=8.8Hz,2H);7.51(d,J=7.6Hz,1H);7.36−7.10(m,3H);7.12(d,J=7.2Hz,1H);6.94(t,J=7.2Hz,1H);6.75(d,J=6.8Hz,1H);6.55(t,J=8Hz,1H);4.02(s,1H);3.60(m,4H);2.37(m,4H).
(実施例7)
N−(2−アミノ−5−(4−フルオロフェニル)フェニル)−4−(2−(2−(オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0199】
【化39】

実施例2からの同様の手順に従って、2−(2)オキソピロリジン−1−イルプロパン酸および3−アミノ−4’−フルオロ−ビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して表題化合物を得た。C2625F、460.9(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.24(s,1H);9.60(s,1H);7.95(d,J=8.8Hz,2H);7.70(d,J=8.8Hz,2H);7.56−7.45(m,2H);7.27−7.15(m. 3H);6.83(d,J=8.4Hz,1H);5.04(brs,2H);4.72(q,J=7.2Hz,1H);3.57(m,1H);3.42(m,1H);2.26(m,2H);1.96(m,2H);1.36(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例8)
N−(2−アミノ−5−(チオフェン−2−イル)フェニル)−4−(2−モルホリノプロパンアミド)ベンズアミド
【0200】
【化40】

実施例2からの同様の手順に従って、2−モルホリノプロパン酸および2−アミノ−4−チオフェン−2−イル−フェニルカルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して表題化合物を得た。C2426S、450.8(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.63(s,1H);7.97(d,J=8.8Hz,2H);7.75(d,J=8.8Hz,2H);7.44−7.20(m,4H);7.02(m,1H);6.79(d,J=8.4Hz,1H);3.65(m,5H);2.75(m,4H);1.26(m,3H).
(実施例9)
N−(2−アミノ−5−(4−フルオロフェニル)フェニル)フェニル)−4−(2−モルホリノプロパンアミド)ベンズアミド
【0201】
【化41】

実施例2からの同様の手順に従って、2−モルホリノプロパン酸および(5)−p−フルオロフェニル−1,2−フェニレンジアミンを使用して表題化合物を得た。C2627F、450.8(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ11.29(s,1H);10.19(s,1H);8.09(d,J=8.4Hz,2H);7.79(d,J=8.4Hz,2H);7.66−7.61(m,3H);7.44(m,1H);7.26(m,3H);4.24−3.74(m,5H);3.35(m,4H);1.57(d,J=6.8Hz,3H).
(実施例10)
N−(2−アミノ−5−(4−フルオロフェニル)フェニル)−4−(2−メチル−2−モルホリノプロパンアミド)ベンズアミド
【0202】
【化42】

実施例2からの同様の手順に従って、2−メチル−2−モルホリノプロパン酸および(3−アミノ−4’−フルオロ−ビフェニル−4−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して表題化合物を得た。C2729F、476.9(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.67(s,1H);10.24(s,1H);8.09(d,J=8.4Hz,2H);7.85(d,J=8.4Hz,2H);7.68−7.62(m,3H);7.46(d,J=8.0Hz,1H);7.276(m,3H);3.96−3.42(m,8H);1.71(s,6H).
(実施例11)
N−(2−アミノ−5−(チオフェン−2−イル)フェニル)−3−フルオロ−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0203】
【化43】

実施例2からの同様の手順に従って、エチル−4−アミノ−3−フルオロベンゾエート、2−(2)−オキソピロリジン−1−イルプロパン酸および2−アミノ−4−チオフェン−2−イル−フェニルカルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して表題化合物を得た。C2423FNS、466.9(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.96(s,1H);9.70(s,1H);7.98−7.79(m,3H);7.41(s,1H);7.32−7.20(m,3H);7.01(m,1H);6.78(d,J=8.8Hz,1H);5.15(brs,2H);4.84(q,J=7.2Hz,1H);3.53−3.43(m,2H);2.26−2.22(m,2H);1.96−1.91(m,2H);1.36(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例12)
N−(2−アミノ−5−(5−クロロチオフェン−2−イル)フェニル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0204】
【化44】

実施例2からの同様の手順に従って、2−(2)−オキソピロリジン−1−イル−プロパン酸および2−アミノ−4−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)フェニル−カルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して表題化合物を得た。C2623ClNS、482.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.24(s,1H);9.61(s,1H);7.94(d,J=8.4Hz,2H);7.70(d,J=8.4Hz,2H);7.37(m,1H);7.21(m,1H);7.08(m,2H);6.78(d,J=8.4Hz,1H);5.18(brs,2H);4.70(q,J=7.2Hz,1H);3.55(m,1H);3.51(m,1H);2.24(m,2H);1.96(m,2H);1.36(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例13)
N−(2−アミノフェニル)−4−(2−(4−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0205】
【化45】

エタノール(25mL)中の1−[5−(トリフルオロメチル)ピリド−2−イル]ピペラジン(2.00g、8.65mmol)溶液、およびDIPEA(3.3mL、19.0mmol)に、2−ブロモプロピオン酸エチル(1.20mL、9.51mmol)を加えた。反応混合物を70℃に加熱した。14時間後、反応混合物を室温に冷却し、濃縮し、50%酢酸エチル/ヘキサンを使用した溶出によるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]プロピオン酸エチルエステルを得た。
【0206】
次いで、上記のエステル(416mg)を1NのHClで処理し、密封したチューブ中で100℃にて加熱した。48時間後、反応混合物を室温に冷却し、濃縮して、酸を得て、これを次のステップで精製せずに使用した。
【0207】
DMF(2mL)中の上記の酸(230mg、0.610mmol)に、HATU(232mg、0.610mmol)、2−(4−アミノ−ベンゾイルアミノ)−フェニルカルバミン酸tert−ブチルエステル(154mg、0.471mmol)およびNMM(0.300mL、2.36mmol)を加えた。反応混合物を50℃で16時間撹拌し、水およびアセトニトリルで希釈した。このように得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、[2−(4−{2−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ピペラジン−1−イル]−プロピオニルアミノ}−ベンゾイルアミノ)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステルを得た。
【0208】
このBOC保護された化合物に、4.0MのHClジオキサンを加え、このように得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮し、水およびアセトニトリルで希釈し、分取HPLCによって直接精製し、凍結乾燥し、表題化合物を得た。C2627、512.89(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.03(s,1H);9.50(s,1H);8.33(s,1H);7.90(d,J=8.4Hz,2H);7.72(m,3H);7.09(d,J=7.6Hz,1H);6.91(m,2H);6.72(d,J=7.2Hz,1H);6.54(m,1H);4.80(brs,2H);3.62(m,4H);3.35(q,J=6.8Hz,3H);2.62(m,4H);1.17(d,J=6.8Hz,3H).
(実施例14)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−(4−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0209】
【化46】

実施例13からの同様の手順に従って、(3−アミノ−4’−フルオロ−ビフェニル−4−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して表題化合物を得た。C3230、606.92(M+1)。H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.07(s,1H);9.61(s,1H);8.37(s,1H);7.96(d,J=8.8Hz,2H);7.77(m,3H);7.56(m,3H);7.27−7.15(m,3H);6.93−6.81(m,2H);5.04(brs,2H);3.67(m,4H);3.34(q,J=6.8Hz,3H);2.66(m,4H);1.21(d,J=6.8Hz,3H).
(実施例15)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−3−フルオロ−4−[2−(2−オキソ−ピロリジン−1−イル)−プロピオニルアミノ]−ベンズアミド
【0210】
【化47】

実施例2からの同様の手順に従って、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパン酸および3−(4−アミノ−3−フルオロベンズアミド)−4’−フルオロビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチルを使用して表題化合物を得た。C2624、478.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.32(s,1H);10.02(s,1H);8.03−7.87(m,3H);7.68−7.63(m,3H);7.51−7.49(m,1H);7.49−7.23(m,3H);4.86(q,J=7.6Hz,1H);3.54−3.42(m,2H);2.26−2.22(m,2H);1.97−1.92(m,2H);1.37(d,J=7.6Hz,3H).
(実施例16)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−メチル−2−(ピペラジン−1−イル)−プロパンアミド)ベンズアミド
【0211】
【化48】

実施例2からの同様の手順に従って、4−(1−カルボキシ−1−メチル−エチル)−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル[3−(4−アミノ−ベンゾイルアミノ)−4’−フルオロ−ビフェニル−4−イル]カルバミン酸tert−ブチルエステルを使用して表題化合物を得た。C2730FN、475.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.38(s,1H);9.90(brs,1H);9.09(brs,1H);8.10(d,J=8.4Hz,2H);7.85(d,J=8.8Hz,2H);7.76(s,1H);7.68−7.64(m,2H);7.54−−7.25(m,3H);3.70(m,4H);3.23(m,4H);1.23(s,6H).
(実施例17)
N−(4−アミノ−4’,6−ジフルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0212】
【化49】

DMF(5mL)中の2−(2)−オキソピロリジン−1−イルプロパン酸(0.95g、6.04mmol)に、HATU(3.2g、8.5mmol)、4−アミノ安息香酸tert−ブチル(1.2g、2.12mmol)およびNMM(1.4mL、13.30mmol)を加えた。反応混合物を55℃で2時間撹拌し、次いでアセトニトリル/水(2:1、30mL)で希釈し、このように得られた固体を撹拌し、濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)安息香酸tert−ブチルを得て、これを次のステップで精製せずに使用した。
【0213】
DCM(26mL)中の上記のエステルに、TFA(8.7mL)を加え、室温で撹拌した。3時間後、反応混合物を濃縮し、EtOで処理した。次いで、形成された固体を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させ、4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)安息香酸を得た。
【0214】
DMF(2mL)中の上記の酸(414mg、1.5mmol)に、HATU(495mg、1.53mmol)、5−アミノ−2,4’−ジフルオロビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチル(320mg、1.00mmol)およびNMM(0.2mL、2.0mmol)を加え、55℃で18時間撹拌した。次いで、反応混合物を水およびアセトニトリルで希釈し、次いで形成された沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。次いで、固体を、80%酢酸エチル/ヘキサンを使用した溶出によるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、2,4’−ジフルオロ−5−(4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド)ビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチルを得た。
【0215】
上記のビス−BOC保護された化合物に、4.0MのHClジオキサン(10mL)を加え、室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物をEtOで希釈し、撹拌した。このように得られた固体を濾過し、エーテルで洗浄し、水およびアセトニトリルで希釈し、分取HPLCによって精製し、凍結乾燥し、表題化合物を得た。C2624、479.0(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.19(s,1H);9.52(s,1H);7.91(d,J=8.4Hz,2H);7.66(d,J=8.4Hz,2H);7.43−7.40(m,2H);7.23−7.17(m,3H);6.59 (d,J=13.2Hz,1H);5.30(s,2H);4.68(q,J=7.2Hz,1H);3.54−3.37(m,2H);2.22−2.18(m,2H);1.94−1.87(m,2H);1.32(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例18)
N−(2−アミノ−5−フルオロフェニル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0216】
【化50】

DMF(2mL)中の4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)安息香酸(210mg、0.76mmol)に、HATU(375mg、0.99mmol)、2−アミノ−4−フルオロフェニルカルバミン酸tert−ブチル(172mg、0.76mmol)およびNMM(0.3mL、2.3mmol)を加え、55℃で40時間撹拌した。次いで、反応混合物を水およびアセトニトリルで希釈し、次いで形成された沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。次いで、固体を、80%酢酸エチル/ヘキサンを使用した溶出によるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、4−フルオロ−2−(4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド)フェニルカルバミン酸tert−ブチルを得た。
【0217】
上記のビス−BOC保護された化合物に、4.0MのHClジオキサン(7mL)を加え、室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物をエーテルで希釈し、撹拌した。このように得られた固体を濾過し、エーテルで洗浄し、1NのHClおよびアセトニトリルで希釈し、凍結乾燥し、表題化合物を得た。C2021FN、384.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.50(s,1H);10.39(s,1H);8.08(d,J=8.0Hz,2H);7.77−7.73(m,2H);7.50−7.47(m,2H);7.19−7.14(m,1H);4.68(q,J=7.2Hz,1H);3.57−3.52(m,1H);3.45−3.41(m,1H);2.25−2.21(m,2H);1.97−1.87(m,2H);1.37(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例19)
N−(2−アミノ−4,6−ジフルオロフェニル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0218】
【化51】

実施例2からの同様の手順に従って、2−アミノ−3,5−ジフルオロフェニルカルバミン酸tert−ブチルを使用して表題化合物を得た。C2020、402.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.30(s,1H);9.37(s,1H);7.94(d,J=8.4Hz,2H);7.70(d,J=8.4Hz,2H);6.37−6.32(m,2H);4.71(brs,NH);4.71(q,J=7.2Hz,1H);3.57−3.51(m,1H);3.44−3.39(m,1H);2.25−2.21(m,2H);1.97−1.89(m,2H);1.36(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例20)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)アセトアミド)ベンズアミド
【0219】
【化52】

DMF(3mL)中の2−(2−オキソピロリジン−1−イル)酢酸(186mg、1.3mmol)に、HATU(570mg、1.5mmol)、3−(4−アミノベンズアミド)−4’−フルオロビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチル(421mg、1.0mmol)およびNMM(0.3mL、3.0mmol)を加え、55℃で40時間撹拌した。反応混合物を次いで水およびアセトニトリルで希釈し、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、これを精製せずにさらに使用した。上記のBOC保護された化合物に、4.0MのHClジオキサン(7mL)を加え、室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物をエーテルで希釈し、撹拌した。このように得られた固体を濾過し、エーテルで洗浄し、乾燥させ、表題化合物を得た。C2523FN、446.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.60(s,2H);8.12(d,J=8.4Hz,2H);7.86(s,1H);7.75(d,J=8.4Hz,2H);7.73−7.68(m,2H);7.61−7.56(m,2H);7.31(m,2H);4.07(s,2H);3.43−3.40(m,2H);3.44−3.39(m,1H);2.24−2.22(m,2H);1.98−1.92(m,2H).
(実施例21)
N−(2−アミノフェニル)−4−(2−メチル−2−(4−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0220】
【化53】

CHCN(5mL)中の1−[5−(トリフルオロメチル)ピリド−2−イル]ピペラジン(554mg、2.4mmol)およびKCO(1.1g、8.0mmol)の溶液に、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸ベンジル(512mg、2.0mmol)を加えた。反応混合物を80℃に加熱した。14時間後、反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、撹拌し、濾過した。次いで、濾液を濃縮し、3%MeOH/CHClを使用した溶出によるシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、2−メチル−2−(4−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン酸ベンジルを得た。
【0221】
EtOAc(6mL)中の上記のベンジルエステル(381mg)に、1,4−シクロヘキサジエン(1.0mL)および10%Pd/C(100mg)を加え、反応混合物をマイクロ波(Biotage)にて100℃で30分間加熱した。次いで、反応混合物をEtOAcおよびMeOHで希釈し、濾過し、濃縮し、2−メチル−2−(4−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)プロパン酸を得て、これを精製せずにさらに使用した。
【0222】
DMF(2mL)中の上記の酸(220mg、0.69mmol)に、HATU(396mg、1.04mmol)、2−(4−アミノベンズアミド)フェニルカルバミン酸tert−ブチル(227mg、0.69mmol)およびNMM(0.23mL、2.08mmol)を加え、55℃で40時間撹拌した。次いで、反応混合物を水およびアセトニトリルで希釈し、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。次いで、固体を、60%酢酸エチル/ヘキサンを使用した溶出によるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、2−(4−(2−メチル−2−(4−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド)フェニルカルバミン酸tert−ブチルを得た。
【0223】
上記のBOC保護された化合物に、4.0MのHClジオキサン(5mL)を加え、室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物をエーテルで希釈し撹拌した。このように得られた固体を濾過し、エーテルで洗浄し、1NのHClおよびアセトニトリルで希釈し、凍結乾燥し、表題化合物を得た。C2729、527.1(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.85(brs,2H);10.54(s,1H);8.45(s,1H);8.14(d,J=8.4Hz,2H);7.90−7.86(m,3H);7.60−7.29(m,4H);7.05(d,J=8.8Hz,1H);4.58−4.55(m,4H);3.63−3.51(m,4H);1.74(s,6H).
(実施例22)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−2−メチルプロパンアミド)ベンズアミド
【0224】
【化54】

実施例21からの同様の手順に従って、1−[5−(トリフルオロメチル)ピリド−2−イル]ピペラジンおよび2−(4−アミノベンズアミド)フェニルカルバミン酸tert−ブチルの代わりに、1−シクロプロピルピペラジンおよび3−(4−アミノベンズアミド)−4’−フルオロビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチルを使用して表題化合物を得た。C3034FN、516.1(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.70(brs,1H);10.34(s,1H);9.89(brs,1H);8.45(s,1H);8.10(d,J=8.4Hz,2H);7.86(d,J=8.4Hz,2H);7.75−7.64(m,2H);7.51−7.26(m,5H);3.61(m,4H);2.77(m,4H);2.63(m,1H);1.23(s,6H);1.09(m,2H);0.76(m,2H).
(実施例23)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0225】
【化55】

DCM(10mL)中のα−アミノイソ酪酸メチル塩酸塩(1.25g、8.1mmol)およびピリジン(2.6mL、32.4mmol)溶液に、DCM(5mL)中の4−クロロブチリルクロリド(1.0mL、8.9mmol)を0℃でゆっくりと加えた。反応混合物を室温に徐々に温め、16時間撹拌した。反応混合物をDCM(30mL)で希釈し、飽和NaHCO(30mL)でクエンチした。有機層を分離し、水層をDCMで2度抽出した。次いで、合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、精製せずにさらに使用した。
【0226】
乾燥THF(15mL)中の上記からの中間体を、乾燥THF(5mL)中のNaH(454mg、11.34mmol)懸濁液に加え、室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を3NのNaOH(13.5mL)でクエンチし、室温で撹拌した。12時間後、反応混合物を濃縮し、水で希釈し、6NのHClで中和した。水層をEtOAcで2度抽出し、次いで合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、酸を得て、これはさらなる精製を必要としなかった。
【0227】
DMF(2mL)中の上記の酸(171mg、0.69mmol)に、HATU(468mg、1.23mmol)、3−(4−アミノベンズアミド)−4’−フルオロビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチル(324mg、0.77mmol)およびNMM(0.4mL、3.85mmol)を加え、55℃で40時間撹拌した。次いで、反応混合物を水およびアセトニトリルで希釈し、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。次いで、固体を、80%酢酸エチル/ヘキサンを使用した溶出によるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、tert−ブチル−4’−フルオロ−3−(4−(2−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド)ビフェニル−4−イルカルバメートを得た。
【0228】
上記のBOC保護された化合物に、4.0MのHClジオキサン(12mL)を加え、室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物をエーテルで希釈し、撹拌した。このように得られた固体を濾過し、エーテルで洗浄し、水およびアセトニトリルで希釈し、分取HPLCによって精製し、凍結乾燥し、表題化合物を得た。C2727FN、474.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.61(s,1H);9.43(s,1H);7.94(d,J=8.8Hz,2H);7.70(d,J=8.8Hz,2H);7.56−7.53(m,2H);7.46(s,1H);7.27−7.17(m,3H);6.84(d,J=8.0Hz,1H);5.04(brs,2H);3.49−3.44(m,2H);2.21−2.17(m,2H);1.99−1.97(m,2H);1.36(s,6H).
(実施例24)
N−(2−アミノ−5−(シクロプロピルエチニル)フェニル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0229】
【化56】

実施例2からの同様の手順に従って、2−アミノ−4−(シクロプロピルエチニル)フェニルカルバミン酸tert−ブチルを使用して表題化合物を得た。C2526、430.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.23(s,1H);9.46(s,1H);7.91(d,J=8.4Hz,2H);7.68(d,J=8.4Hz,2H);7.14(s,1H);6.93(d,J=8.0Hz,2H);6.65(d,J=8.0Hz,2H);5.18(s,2H);4.68(q,J=7.2Hz,1H);3.55−3.53(m,1H);3.43−3.41(m,1H);2.24−2.22(m,2H);1.92−1.90(m,2H);1.35(m,1H);1.33(d,J=7.2Hz,3H);0.79−0.76(m,2H);0.63−0.60(m,2H).
(実施例25)
N−(2−アミノ−5−(フェニルエチニル)フェニル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0230】
【化57】

実施例2からの同様の手順に従って、2−アミノ−4−(フェニルエチニル)フェニルカルバミン酸tert−ブチルを使用して表題化合物を得た。C2826、466.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.23(s,1H);9.50(s,1H);7.91(d,J=8.4Hz,2H);7.67(d,J=8.4Hz,2H);7.42−7.28(m,6H);7.10−7.08(m,1H);6.72(d,J=8.0Hz,2H);5.40(brs,2H);4.66(q,J=7.2Hz,1H);3.54−3.50(m,1H);3.42−3.37(m,1H);2.23−2.19(m,2H);1.95−1.87(m,2H);1.32(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例26)
(S)−N−(2−アミノフェニル)−4−(3,3−ジメチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)ブタンアミド)ベンズアミド
【0231】
【化58】

実施例23からの同様の手順に従って、α−アミノイソ酪酸メチル塩酸塩および3−(4−アミノベンズアミド)−4’−フルオロビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチルの代わりに、(S)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタン酸メチル塩酸塩および2−(4−アミノベンズアミド)フェニルカルバミン酸tert−ブチルを使用して表題化合物を得た。C2328、408.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.46(s,1H);9.54(s,1H);7.92(d,J=8.4Hz,2H);7.71(d,J=8.4Hz,2H);7.12(d,J=7.2Hz,1H);6.95−6.91(m,1H);6.75−6.73(m,1H);6.58−6.53(m,1H);4.84(brs,2H);4.64(s,1H);3.75−3.65(m,2H);2.27−2.22(m,2H);1.90−1.88(m,2H);1.00(s,9H).
(実施例27)
(S)−N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(3,3−ジメチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)ブタンアミド)ベンズアミド
【0232】
【化59】

実施例23からの同様の手順に従って、(S)−2−アミノ−3,3−ジメチルブタン酸メチル塩酸塩および3−(4−アミノベンズアミド)−4’−フルオロビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチルを使用して表題化合物を得た。C2931F、503.0(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.47(s,1H);9.62(s,1H);7.94(d,J=8.4Hz,2H);7.73(d,J=8.4Hz,2H);7.56−7.52(m,2H);7.45(s,1H);7.27−7.17(m,3H);6.83(d,J=8.0Hz,1H);5.05(brs,2H);4.65(s,1H);3.77−3.63(m,2H);2.27−2.22(m,2H);1.92−1.88(m,2H);1.00(s,9H).
(実施例28)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−モルホリノアセトアミド)ベンズアミド
【0233】
【化60】

実施例20からの同様の手順に従って、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)酢酸の代わりに、2−モルホリノ酢酸を使用して表題化合物を得た。C2525FN、449.1(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.97(s,1H);9.62(s,1H);7.93(d,J=8.4Hz,2H);7.75(d,J=8.4Hz,2H);7.56−7.52(m,2H);7.44(s,1H);7.27−7.17(m,3H);6.83(d,J=8.4Hz,1H);5.05(s,2H);3.62−3.60(m,4H);3.29(m,4H);3.14(s,2H).
(実施例29)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミド)ベンズアミド
【0234】
【化61】

実施例20からの同様の手順に従って、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)酢酸の代わりに、2−(4−エチルピペラジン−1−イル)酢酸を使用して表題化合物を得た。C2730FN、476.2(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.93(s,1H);9.62(s,1H);7.95(d,J=8.4Hz,2H);7.74(d,J=8.4Hz,2H);7.56−7.52(m,2H);7.45(s,1H);7.27−7.17(m,3H);6.83(d,J=8.4Hz,1H);5.05(s,2H);3.13(s,2H);2.52−2.36(m,10H);1.00(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例30)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−(2−オキソピペリジン−1−イル)アセトアミド)ベンズアミド
【0235】
【化62】

実施例20からの同様の手順に従って、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)酢酸の代わりに、2−(2−オキソピペリジン−1−イル)酢酸を使用して表題化合物を得た。C2625FN、461.0(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.27(s,1H);9.62(s,1H);7.95(d,J=8.4Hz,2H);7.68(d,J=8.4Hz,2H);7.56−7.52(m,2H);7.44(s,1H);7.27−7.17(m,3H);6.83(d,J=8.4Hz,1H);5.05(s,2H);4.09(s,2H);3.34(m,2H);2.29(m,2H);1.73(m,4H).
(実施例31)
N−(4’−フルオロ−4−(プロパ−2−イニルアミノ)ビフェニル−3−イル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0236】
【化63】

実施例2からの同様の手順に従って、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパン酸および3−(4−アミノベンズアミド)−4’−フルオロビフェニル−4−イル(プロパ−2−イニル)カルバミン酸tert−ブチルを使用して表題化合物を得た。C2927F、499.1(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.20(s,1H);9.57(s,1H);7.94(d,J=8.8Hz,2H);7.67(d,J=8.8Hz,2H);7.56−7.54(m,2H);7.42(s,1H);7.39−7.37(m,1H);7.17(m,2H);6.82(d,J=8.4Hz,1H);5.62 (d,J=5.6Hz,1H);4.68(q,J=7.2Hz,1H);3.91(dd,J=5.6Hz,2.0Hz,2H);3.54−3.52(m,1H);3.42−3.36(m,1H);3.04(t,J=2.0Hz,1H);2.23−2.19(m,2H);1.95−1.87(m,2H);1.33(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例32)
N−(4’−フルオロ−4−(2−メトキシエチルアミノ)ビフェニル−3−イル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0237】
【化64】

実施例2からの同様の手順に従って、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパン酸および3−(4−アミノベンズアミド)−4’−フルオロビフェニル−4−イル(2−メトキシエチル)カルバミン酸tert−ブチルを使用して表題化合物を得た。C2931F、519.0(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.32(s,1H);9.91(s,1H);7.99(d,J=8.8Hz,2H);7.73(d,J=8.8Hz,2H);7.62−7.58(m,2H);7.54(s,1H);7.47−7.44(m,1H);7.23(m,2H);7.01(d,J=8.4Hz,1H);5.01(brs,NH);4.72(q,J=7.2Hz,1H);3.55−3.28(m,6H);3.21(s,3H);2.26−2.22(m,2H);1.96−1.91(m,2H);1.36(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例33)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−3−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0238】
【化65】

実施例2からの同様の手順に従って、2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパン酸および3−(3−アミノベンズアミド)−4’−フルオロビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチルを使用して表題化合物を得た。C2625F、460.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.33(s,1H);10.22(s,1H);8.24(s,1H);7.80−7.77(m,2H);7.69−7.64(m,3H);7.53−7.43(m,2H);7.32−7.24(m,3H);4.69(q,J=7.2Hz,1H);3.55(m,1H);3.43(m,1H);2.25−2.23(m,2H);1.96−1.91(m,2H);1.36(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例34)
(R)−N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミドおよび(S)−N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0239】
【化66】

実施例7のエナンチオマーを、アセトニトリルを移動相としてChiralcel OD−Hを使用してキラル分取HPLCによって分離した。
Chiralcel OD−H、保持時間:11.72分:C2625F、460.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.23(s,1H);9.61(s,1H);7.95(d,J=8.4Hz,2H);7.70(d,J=8.4Hz,2H);7.56−7.52(m,2H);7.45(s,1H);7.27−7.17(m,3H);6.83(d,J=8.4Hz,1H);5.04(s,2H);4.70(q,J=7.2Hz,1H);3.55(m,1H);3.42(m,1H);2.26−2.22(m,2H);1.96−1.91(m,2H);1.36(d,J=7.2Hz,3H).
Chiralcel OD−H、保持時間:9.12分:C2625F、460.9(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.23(s,1H);9.61(s,1H);7.95(d,J=8.4Hz,2H);7.70(d,J=8.4Hz,2H);7.56−7.52(m,2H);7.45(s,1H);7.27−7.17(m,3H);6.83(d,J=8.4Hz,1H);5.04(s,2H);4.70(q,J=7.2Hz,1H);3.55(m,1H);3.42(m,1H);2.26−2.22(m,2H);1.96−1.91(m,2H);1.36(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例35)
N−(4−アミノ−4’−フルオロビフェニル−3−イル)−4−(N−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0240】
【化67】

DMF(8mL)中の2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパン酸(942mg、6.0mmol)に、HATU(2.4g、6.4mmol)、4−アミノ−安息香酸メチルエステル(660mg、4.0mmol)およびNMM(1.8mL、16.0mmol)を加え、55℃で16時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、1NのHCl、飽和NaHCO、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および濃縮によって、4−(N−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)安息香酸メチルを得た。
【0241】
メタノール(6mL)中の粗エステルに、3NのNaOH(6.5mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、水で希釈し、エーテルで2度洗浄し、水層を1NのHClで中和し、酢酸エチルで3度抽出した。次いで、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および濃縮によって酸を得て、これを次のステップで精製せずに使用した。
【0242】
DMF(3mL)中の上記の酸(325mg、1.12mmol)に、HATU(639mg、1.68mmol)、(3−アミノ−4’−フルオロ−ビフェニル−4−イル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(338mg、1.12mmol)およびNMM(0.6mL、5.6mmol)を加え、55℃で16時間撹拌した。次いで、反応混合物を水およびアセトニトリルで希釈し、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥させた。次いで、固体を、60%酢酸エチル/ヘキサンを使用した溶出によるシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、4’−フルオロ−3−(4−(N−メチル−2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド)ビフェニル−4−イルカルバミン酸tert−ブチルを得た。
【0243】
DCM(4mL)中の上記のBOC保護された化合物に、TFA(0.4mL)を加え、室温で16時間撹拌した。次いで、反応混合物をDCMで希釈し、飽和NaHCO、水、ブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させた。濾過および濃縮、続いて分取HPLCの精製によって、表題化合物を得た。C2727F、475.1(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.72(s,1H);8.01(d,J=8.0Hz,2H);7.53−7.43(m,5H);7.25−7.14(m,3H);6.81(d,J=8.4Hz,1H);5.05(brs,2H);4.61(m,1H);3.40(m,2H);3.13(s,3H);2.04(m,2H);1.84−1.79(m,2H);1.08(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例36)
N−(3−アミノ−6−フェニルピリジン−2−イル)−4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド
【0244】
【化68】

実施例2からの同様の手順に従って、4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)安息香酸および2−アミノ−6−フェニルピリジン−3−イルカルバミン酸ベンジルを使用して、2−(4−(2−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロパンアミド)ベンズアミド)−6−フェニルピリジン−3−イルカルバミン酸ベンジルを得た。次いで、Cbz基を標準的な水素化条件下で脱保護し、表題化合物を得た。C2525、444.0(M+1)。H NMR(400MHz,DMSO−d):δ10.29(s,1H);10.25(s,1H);8.01(d,J=8.8Hz,2H);7.92(d,J=8.8Hz,2H);7.71(d,J=8.4Hz,2H);7.65(d,J=8.4Hz,1H);7.38−7.35(m,2H);7.27−7.22(m,2H);5.11(s,2H);4.70(q,J=7.2Hz,1H);3.55(m,1H);3.44(m,1H);2.26−2.23(m,2H);1.97−1.91(m,2H);1.36(d,J=7.2Hz,3H).
(実施例37)
生物学的アッセイ
実施例1の化合物のHDAC阻害活性を、HDAC−1またはHDAC−3を標的分子として使用したアッセイによって測定した。試験化合物をDMSOに懸濁させ、滴定した。次いで、これを、384ウェル試験プレートに配置した。酵素であるHDAC−1またはHDAC−3を、25mMのTris−HCl(pH8.0)、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、および0.01%Tween−20を含有するアッセイ緩衝液にて希釈し、予め配置しておいた化合物に加えた。酵素/化合物ミックスを室温で2時間インキュベートした。フルオロフォア/クエンチャー対を含有するペプチド基質を同じアッセイ緩衝液にて希釈し、化合物/酵素ミックスに加え、反応を開始させた。反応物を室温で約45分間インキュベートした。濃縮した顕色剤溶液をアッセイ緩衝液に希釈し、反応物に加えた。反応物を室温で約15分間インキュベートし、相対的蛍光を機器読取装置で読み取った。
【0245】
下記の表は、上記のプロトコルによって試験した化合物についてのIC50データを示す。
【0246】
【表1】

HDAC−1およびHDAC−3基質によるアッセイの結果は、化合物がHDAC酵素に対して阻害活性を有し、したがってHDACの異常な活性によってもたらされる疾患を治療または阻害するのに有用であり得ることを示す。
【0247】
本明細書において引用した全ての特許および文献はその全体が参照により本出願中に組み込まれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物および薬学的に許容されるその塩から選択される化合物
【化69】

[式中、
Cyは、少なくとも1個の窒素環原子を含有するヘテロシクリルであり、Cyは、化学的に実現可能である場合、1個または複数のRで任意選択で置換されており、
mは、0からCy上の置換可能な位置の最大数までの整数であり、
は、
(a)H、シアノ、オキソ、ハロ、ニトロ、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、メルカプト、アルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアラルキル;ならびに
(b)R−C(O)−X−、R−O−C(O)−X−およびR−S(O)−X
からなる群から独立に選択され、
は、結合、−NH−、−NH−C1〜6アルキレン、−O−C1〜6アルキレン、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン、C3〜6シクロアルキレン、アリーレン、およびヘテロシクリレンからなる群から選択され、
は、H、アミノ、ヒドロキシ、アルキル、アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、およびアリールからなる群から選択され、
aは、0、1または2であり、
は、このような任意選択の置換が化学的に実現可能である場合、1つまたは複数のAで任意選択で置換されているか、あるいは
mが2であるとき、2個のR基は、Cyの同じ炭素環原子上で置換され、Cyの炭素環原子と一緒になってCy上に位置する環をスピロ配置で形成することができ、スピロ環は、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキルであり、
およびRは、
(a)H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、およびヘテロアラルキル;ならびに
(b)R−C(O)−X−、R−O−C(O)−X−およびR−S(O)−X
からなる群から独立に選択され、
は、結合、−CH−、−NH−C1〜6アルキレン、−O−C1〜6アルキレン、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン、C3〜6シクロアルキレン、アリーレン、およびヘテロシクリレンからなる群から選択され、
は、H、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、シクロアルキル、アリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、
aは、0、1または2であり、
およびRの少なくとも1つは、非水素置換基であり、RおよびRはそれぞれ、このような任意選択の置換が化学的に実現可能である場合、1つまたは複数のBで任意選択で置換されており、
は、−H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、およびアリールアミノからなる群から選択され、Rは、このような任意選択の置換が化学的に実現可能である場合、ハロ、オキソ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、カルバモイルオキシ、カルバモイル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される1つまたは複数で任意選択で置換されており、
は、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C1〜10アルコキシ、C1〜10アルカノイル、N−(C1〜10アルキル)アミノ、N,N−(C1〜10アルキル)アミノ、C1〜10アルカノイルアミノ、N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、N,N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、C1〜10アルキル−S(O)(aは、0、1または2である)、NH−S(O)NH−、N−(C1〜10アルキル)スルファモイル、N,N−(C1〜10アルキル)スルファモイル、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびアリールからなる群から独立に選択され、
nは、0、1、2、3または4であり、
は、−H、ハロ、ハロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、該アリールまたはヘテロアリールは、アミノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される1個または複数の置換基で任意選択で置換されており、
oは、0、1、2、3または4であり、
は、NH−またはOH−であり、
Aは、ハロ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、N−(C1〜10アルキル)アミノ、N,N−(C1〜10ジアルキル)アミノ、N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、N,N−(C1〜10ジアルキル)カルバモイル、C1〜10ハロアルキル、C3〜10シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、(C1〜10アルキル)C3〜10シクロアルキルおよびR(R’)(R’’)シリルからなる群から独立に選択され、R、R’およびR’’は、独立に、アルキルまたはアリールであり、
Bは、オキソ、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、C1〜10ハロアルキル、C1〜10アルカノイルアミノ、N−(C1〜10アルキル)アミノ、N,N−(C1〜10ジアルキル)アミノ、C1〜10アルカノイル、N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、N,N−(C1〜10ジアルキル)カルバモイル、C3〜10シクロアルキル、(C3〜10シクロアルキル)C1〜10アルキル、C3〜10シクロアルコキシ、C1〜10ハロアルコキシ、ヘテロシクリル、(ヘテロシクリル)C1〜10アルキル、アリール、(アリール)C1〜10アルキル、(ヘテロアリール)C1〜10アルキルおよびR(R’)(R’’)シリルからなる群から独立に選択され、R、R’およびR’’は、独立に、アルキルまたはアリールである]。
【請求項2】
Cyが、4員、5員または6員のヘテロシクロアルキルまたはヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Cyが、ピロリジニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリル、イミダゾリル、
【化70】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Cyが、
【化71】

からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
およびRが、−H、シクロブチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、シクロペンチルメチル、トリフルオロメチル、メチルシクロペンチルメチル、メチルテトラヒドロフラニルメチル、メチルヒドロキシメチル、ヒドロキシメチル、メチルメトキシメチル、ピリジニルメチル、フェニル、ピリジニル、ベンジル、シクロペンテニルメチル、メチルアゼチジニル、イミダゾリルメチル、シクロプロピルメチルイミダゾリルメチル、トリフルオロエチルイミダゾリルメチル、トリフルオロメチルピリジニルメチル、フルオロフェニルメチル、メトキシフェニルメチル、ジフルオロメトキシフェニルメチル、カルボキシメチル、シアノエチル、アミノカルボニルメチル、N,N−メトキシエチルアミノカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメチル、ピロリジニルアミノカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、イソプロピルアミノカルボニルメチル、シクロプロピルメチルアミノカルボニルメチル、N,N−ジメチルカルバモイル、ピロリジニルカルボニル、フルオロメチルプロピル、ヒドロキシメチルプロピル、メトキシメチル、(シクロプロピルメトキシ)メチル、(トリメチルシリル)メチル、フェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、ピペリジニルカルボニルオキシメチル、ジメチルウレイドメチル、モルホリニルカルボニルアミノメチル、イソブチルアミドメチル、アセトアミドメチル、シクロプロピルアセトアミドメチル、エチルオキシカルボニルアミノメチル、シクロブチルカルボニルアミノメチル、メチルチオエチル、メチルスルホニルエチル、シクロプロピルメチルチオメチル、シクロプロピルメチルスルホニルメチル、フェニルチオエチル、フェニルスルホニルエチル、インドリルメチル、イソプロピルインドリルメチル、クロロフェニルチオエチル、オキソイミダゾリジニルメチル、N,S−ジメチルスルホニルアミノメチル、チオフェニル、アセトアミドピロリジニルメチル、アセチルピペラジニルメチル、オキソピペラジニルメチル、ブテニルメチル、メチルブテニル、シクロプロピルプロピニル、ヒドロキシメチルペンチニル、ピリジニルメチル、メトキシベンジル、ジフルオロベンジル、ヒドロキシオキソピロリジニルエチル、シアノベンジル、アセトアミドベンジル、N,N−ジメチルアミノメチルベンジル、N,N−ジメチルアミノピリジニルメチル、カルバモイルベンジル、シクロプロピルスルファモイルメチル、ジメチルピペリジニルスルホンアミドメチル、ベンジルスルファモイルメチル、ピリジニルメチルスルファモイルメチル、クロロフェニルスルファモイルメチル、ピリミジニルベンジル、
【化72】

からなる群から独立に選択され、RおよびRの少なくとも1つが、非水素置換基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、メチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル、ピロリジニルエチル、ベンジル、ピリジニルメチル、エチルピリジニルメチル、アセチルピペラジニルエチル、メチルスルホンアミドエチル、メトキシエチル、メトキシカルボニルアミノエチル、ピラジニルアミノエチル、クロロフルオロベンジル、トリフルオロメチルピリジニルメチル、イミダゾリルエチル、イミダゾリルメチル、メチルジオキソピペリジニルメチル、ジオキソピロリジニルエチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルエチル、モルホリノカルボニルエチル、ヒドロキシメチルプロピル、フルオロフェニル、およびテトラヒドロピラニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
およびRは−フェニル−C(O)−NH−リンカーに結合したフェニル環上の下記の置換基:
【化73】

のいずれかを作るように選択され、
式中、波線は該−フェニル−C(O)−NH−リンカーへの結合位置である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
式(I−a)の化合物および薬学的に許容されるその塩から選択される、請求項1に記載の化合物
【化74】

[式中、mは、0、1、2、3または4であり、Q、Q、QおよびQは、C、N、OおよびS環原子からなる群から独立に選択される]。
【請求項9】
、Q、QおよびQの各々が、炭素環原子である、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
が、H、メチル、メトキシメチル、およびベンジルから選択され、Rが、シクロブチル、ジメチル、イソブチル、シクロペンチルメチル、トリフルオロメチル、(1−メチルシクロペンタ−1−イル)メチル、(3−メチルテトラヒドロフラン−3−イル)メチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシメチル、メチルメトキシメチル、ピリジン−2−イルメチル、フェニル、ピリジン−2−イル、ベンジル、シクロペンテニルメチル、1−メチルアゼチジン−3−イル、イミダゾリルメチル、シクロプロピルメチルイミダゾリルメチル、(2,2,2−トリフルオロエチル)イミダゾリルメチル、(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル、フルオロベンジル、メトキシベンジル、ジフルオロメトキシベンジル、カルボキシメチル、シアノエチル、カルバモイルメチル、N−(2−メトキシエチル)カルバモイルメチル、カルボキシメチル、N−(ピロリジン−3−イル)カルバモイルメチル、2−t−ブタノイルメチル、N−イソプロピルカルバモイルメチル、N−シクロプロピルメチルカルバモイルメチル、N,N−ジメチルカルバモイル、ピロリジニルカルボニル、2−フルオロ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、メトキシメチル、(シクロプロピルメトキシ)メチル、(トリメチルシリル)メチル、フェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、ピペリジン−1−イルカルボニルオキシメチル、N,N−ジメチルウレイドメチル、モルホリン−4−イルカルボニルアミノメチル、イソブチルアミドメチル、アセトアミドメチル、(2−シクロプロピルアセトアミド)メチル、エチルオキシカルボニルアミノメチル、シクロブチルカルボニルアミノメチル、メチルチオエチル、メチルスルホニルエチル、シクロプロピルメチルチオメチル、シクロプロピルメチルスルホニルメチル、フェニルチオエチル、フェニルスルホニルエチル、インドール−3−イルメチル、イソプロピルインドリルメチル、2−クロロフェニルチオエチル、2−オキソイミダゾリジン−1−イルメチル、N,S−ジメチルスルホニルアミノメチル、チオフェン−2−イル、(3−アセトアミドピロリジン−1−イル)メチル、(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル、(3−オキソピペラジン−1−イル)メチル、ブタ−2−エニルメチル、2−メチルブタ−2−エニル、3−シクロプロピルプロパ−2−イニル、4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−イニル、ピリジン−2−イルメチル、4−メトキシベンジル、2,3−ジフルオロベンジル、1−ヒドロキシ−2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル、2−シアノベンジル、4−アセトアミドベンジル、4−((N,N−ジメチルアミノ)メチル)ベンジル、(6−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル)メチル、4−カルバモイルベンジル、シクロプロピルスルファモイルメチル、(4,4−ジメチルピペリジン−1−スルホンアミド)メチル、ベンジルスルファモイルメチル、((ピリジン−2−イルメチル)スルファモイル)メチル、((4−クロロフェニル)スルファモイル)メチル、4−(ピリミジン−2−イル)ベンジル、
【化75】

から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
が、メチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル、ピロリジン−1−イルエチル、ベンジル、ピリジン−2−イルメチル、(1−エチルピリジン−4−イル)メチル、(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル、メチルスルホンアミドエチル、メトキシエチル、メトキシカルボニルアミノエチル、(ピラジン−2−イルアミノ)エチル、2−クロロ−4−フルオロベンジル、(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル、イミダゾリルエチル、イミダゾリルメチル、(1−メチル−2,6−ジオキソピペリジン−4−イル)メチル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルエチル、(N,N−ジメチルアミノ)カルボニルメチル、モルホリノカルボニルメチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、4−フルオロフェニル、およびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルから選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項12】
が、ハロ、ヒドロキシ、アルキルおよびハロアルキルから選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項13】
が、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、チオフェニル、クロロチオフェニルおよびメチルチオフェニルから選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項14】
【化76】

からなる群から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項15】
式(I−b)の化合物および薬学的に許容されるその塩から選択される、請求項1に記載の化合物
【化77】

[式中、mは、0、1、2、3、4または5であり、Q、Q、Q、QおよびQは、C、N、OおよびSからなる群から独立に選択される]。
【請求項16】
、Q、QおよびQの各々が、炭素環原子であり、Qが、炭素、窒素または酸素環原子である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
が、H、メチル、メトキシメチル、およびベンジルからなる群から選択され、Rが、シクロブチル、ジメチル、イソブチル、シクロペンチルメチル、トリフルオロメチル、(1−メチルシクロペンタ−1−イル)メチル、(3−メチルテトラヒドロフラン−3−イル)メチル、メチルヒドロキシメチル、ヒドロキシメチル、メチルメトキシメチル、ピリジン−2−イルメチル、フェニル、ピリジン−2−イル、ベンジル、シクロペンテニルメチル、1−メチルアゼチジン−3−イル、イミダゾリルメチル、シクロプロピルメチルイミダゾリルメチル、(2,2,2−トリフルオロエチル)イミダゾリルメチル、(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル、(2−フルオロフェニル)メチル、メトキシベンジル、ジフルオロメトキシベンジル、カルボキシメチル、シアノエチル、カルバモイルメチル、N−(2−メトキシエチル)カルバモイルメチル、カルボキシメチル、N−(ピロリジン−3−イル)カルバモイルメチル、2−t−ブタノイルメチル、N−イソプロピルカルバモイルメチル、N−シクロプロピルメチルカルバモイルメチル、N,N−ジメチルカルバモイル、ピロリジニルカルボニル、2−フルオロ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、メトキシメチル、(シクロプロピルメトキシ)メチル、(トリメチルシリル)メチル、フェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、ピペリジン−1−イルカルボニルオキシメチル、N,N−ジメチルウレイドメチル、モルホリン−4−イルカルボニルアミノメチル、イソブチルアミドメチル、アセトアミドメチル、(2−シクロプロピルアセトアミド)メチル、エチルオキシカルボニルアミノメチル、シクロブチルカルボニルアミノメチル、メチルチオエチル、メチルスルホニルエチル、シクロプロピルメチルチオメチル、シクロプロピルメチルスルホニルメチル、フェニルチオエチル、フェニルスルホニルエチル、インドール−3−イルメチル、イソプロピルインドリルメチル、2−クロロフェニルチオエチル、2−オキソイミダゾリジン−1−イルメチル、N,S−ジメチルスルホニルアミノメチル、チオフェン−2−イル、(3−アセトアミドピロリジン−1−イル)メチル、(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル、(3−オキソピペラジン−1−イル)メチル、ブタ−2−エニルメチル、2−メチルブタ−2−エニル、3−シクロプロピルプロパ−2−イニル、4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−イニル、ピリジン−2−イルメチル、4−メトキシベンジル、2,3−ジフルオロベンジル、1−ヒドロキシ−2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル、2−シアノベンジル、4−アセトアミドベンジル、4−((N,N−ジメチルアミノ)メチル)ベンジル、(6−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル)メチル、4−カルバモイルベンジル、シクロプロピルスルファモイルメチル、(4,4−ジメチルピペリジン−1−スルホンアミド)メチル、ベンジルスルファモイルメチル、((ピリジン−2−イルメチル)スルファモイル)メチル、((4−クロロフェニル)スルファモイル)メチル、4−(ピリミジン−2−イル)ベンジル
【化78】

からなる群から選択される、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
が、メチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル、ピロリジン−1−イルエチル、ベンジル、ピリジン−2−イルメチル、(1−エチルピリジン−4−イル)メチル、(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル、メチルスルホンアミドエチル、メトキシエチル、メトキシカルボニルアミノエチル、(ピラジン−2−イルアミノ)エチル、2−クロロ−4−フルオロ−ベンジル、(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル、イミダゾリルエチル、イミダゾリルメチル、(1−メチル−2,6−ジオキソピペリジン−4−イル)メチル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルエチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、モルホリノカルボニルメチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、4−フルオロフェニル、およびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルからなる群から選択される、請求項15に記載の化合物。
【請求項19】
が、ハロ、ヒドロキシ、アルキルまたはハロアルキルである、請求項15に記載の化合物。
【請求項20】
が、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、チオフェニル、クロロチオフェニルおよびメチルチオフェニルからなる群から選択される、請求項15に記載の化合物。
【請求項21】
【化79】

からなる群から選択される、請求項15に記載の化合物。
【請求項22】
式(II)の化合物および薬学的に許容されるその塩から選択される化合物
【化80】

[式中、
は、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキルシクロアルキル、ハロアルキル、ヘテロアリールアルキル、ハロアルキルヘテロアリール、シクロアルキルヘテロアリールからなる群から選択され、Rは、アルキルで任意選択で置換されており、
およびRは、
(a)H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、アリール、およびアリールアルキル;ならびに
(b)R−C(O)−X−、R−O−C(O)−X−およびR−S(O)−X
からなる群から独立に選択され、
は、結合、−CH−、−NH−C1〜6アルキレン、−O−C1〜6アルキレン、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン、C3〜6シクロアルキレン、アリーレン、およびヘテロシクリレンからなる群から選択され、
は、H、ヒドロキシ、アミノ、アルキル、ハロアルキル、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、シクロアルキル、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、
aは、0、1または2であり、
およびRの少なくとも1つは、非水素置換基であり、RおよびRのそれぞれは、このような任意選択の置換が化学的に実現可能である場合、1個または複数のBで任意選択で置換されており、
は、化学的に実現可能である場合、−H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、シクロアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキルアミノ、アリールアミノ、ハロアルキルからなる群から選択され、Rは、ハロ、オキソ、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、カルボニル、カルバモイルオキシ、カルバモイル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される1つまたは複数でさらに置換されており、
は、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、スルファモイル、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C1〜10アルコキシ、C1〜10アルカノイル、N−(C1〜10アルキル)アミノ、N,N−(C1〜10アルキル)アミノ、C1〜10アルカノイルアミノ、N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、N,N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、C1〜10アルキル−S(O)(aは、0、1または2である)、NH−S(O)NH−、N−(C1〜10アルキル)スルファモイル、N,N−(C1〜10アルキル)スルファモイル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から独立に選択され、
nは、0、1、2、3または4であり、
は、−H、ハロ、ハロアルキル、アリールまたはヘテロアリールからなる群から独立に選択され、該アリールまたはヘテロアリールは、アミノ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される1個または複数の置換基で任意選択で置換されており、
oは、0、1、2、3または4であり、
は、NH−またはOH−であり、
Bは、オキソ、ハロ、アミノ、ヒドロキシル、シアノ、カルバモイル、C1〜10アルキル、C1〜10アルコキシ、C1〜10ハロアルキル、C1〜10アルカノイルアミノ、N−(C1〜10アルキル)アミノ、N,N−(C1〜10ジアルキル)アミノ、C1〜10アルカノイル、N−(C1〜10アルキル)カルバモイル、N,N−(C1〜10ジアルキル)カルバモイル、C3〜10シクロアルキル、(C3〜10シクロアルキル)C1〜10アルキル、C3〜10シクロアルコキシ、C1〜10ハロアルコキシ、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)C1〜10アルキル、アリール、(アリール)C1〜10アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)C1〜10アルキルおよびR(R’)(R’’)シリルからなる群から独立に選択され、R、R’およびR’’は、独立に、アルキルまたはアリールである]。
【請求項23】
が、メチルシクロプロピル、t−ブチル、トリフルオロメチルプロポキシカルボニル、ベンゾキシカルボニル、ピリジニルメチル、トリフルオロメチルピリジニルメチル、シクロプロピルピリジニルメチル、フェニルエチル、キノリニルメチル、モルホリノエチル、および
【化81】

からなる群から選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
およびRが、−H、シクロブチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、シクロペンチルメチル、トリフルオロメチル、メチルシクロペンチルメチル、メチルテトラヒドロフラニルメチル、メチルヒドロキシメチル、ヒドロキシメチル、メチルメトキシメチル、ピリジニルメチル、フェニル、ピリジニル、ベンジル、シクロペンテニルメチル、メチルアゼチジニル、イミダゾリルメチル、シクロプロピルメチルイミダゾリルメチル、トリフルオロエチルイミダゾリルメチル、トリフルオロメチルピリジニルメチル、フルオロフェニルメチル、メトキシフェニルメチル、ジフルオロメトキシフェニルメチル、カルボキシメチル、シアノエチル、アミノカルボニルメチル、N,N−メトキシエチルアミノカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメチル、ピロリジニルアミノカルボニルメチル、tert−ブトキシカルボニルメチル、イソプロピルアミノカルボニルメチル、シクロプロピルメチルアミノカルボニルメチル、N,N−ジメチルカルバモイル、ピロリジニルカルボニル、フルオロメチルプロピル、ヒドロキシメチルプロピル、メトキシメチル、(シクロプロピルメトキシ)メチル、(トリメチルシリル)メチル、フェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、ピペリジニルカルボニルオキシメチル、ジメチルウレイドメチル、モルホリニルカルボニルアミノメチル、イソブチルアミドメチル、アセトアミドメチル、シクロプロピルアセトアミドメチル、エチルオキシカルボニルアミノメチル、シクロブチルカルボニルアミノメチル、メチルチオエチル、メチルスルホニルエチル、シクロプロピルメチルチオメチル、シクロプロピルメチルスルホニルメチル、フェニルチオエチル、フェニルスルホニルエチル、インドリルメチル、イソプロピルインドリルメチル、クロロフェニルチオエチル、オキソイミダゾリジニルメチル、N,S−ジメチルスルホニルアミノメチル、チオフェニル、アセトアミドピロリジニルメチル、アセチルピペラジニルメチル、オキソピペラジニルメチル、ブテニルメチル、メチルブテニル、シクロプロピルプロピニル、ヒドロキシメチルペンチニル、ピリジニルメチル、メトキシベンジル、ジフルオロベンジル、ヒドロキシオキソピロリジニルエチル、シアノベンジル、アセトアミドベンジル、N,N−ジメチルアミノメチルベンジル、N,N−ジメチルアミノピリジニルメチル、カルバモイルベンジル、シクロプロピルスルファモイルメチル、ジメチルピペリジニルスルホンアミドメチル、ベンジルスルファモイルメチル、ピリジニルメチルスルファモイルメチル、クロロフェニルスルファモイルメチル、ピリミジニルベンジル、
【化82】

からなる群から独立に選択され、RおよびRの少なくとも1つが、非水素置換基である、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
が、メチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル、ピロリジニルエチル、ベンジル、ピリジニルメチル、エチルピリジニルメチル、アセチルピペラジニルエチル、メチルスルホンアミドエチル、メトキシエチル、メトキシカルボニルアミノエチル、ピラジニルアミノエチル、クロロフルオロベンジル、トリフルオロメチルピリジニルメチル、イミダゾリルエチル、イミダゾリルメチル、メチルジオキソピペリジニルメチル、ジオキソピロリジニルエチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルエチル、モルホリノカルボニルエチル、ヒドロキシメチルプロピル、フルオロフェニル、およびテトラヒドロピラニルからなる群から選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項26】
が、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、チオフェニル、クロロチオフェニルおよびメチルチオフェニルからなる群から選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項27】
式(II−c1)および(II−c2)の化合物
【化83】

から選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項28】
が、H、メチル、メトキシメチル、およびベンジルからなる群から選択され、Rが、H、シクロブチル、メチル、イソブチル、シクロペンチルメチル、トリフルオロメチル、(1−メチルシクロペンタ−1−イル)メチル、(3−メチルテトラヒドロフラン−3−イル)メチル、メチルヒドロキシメチル、ヒドロキシメチル、メチルメトキシメチル、ピリジン−2−イルメチル、フェニル、ピリジン−2−イル、ベンジル、シクロペンテニルメチル、1−メチルアゼチジン−3−イル、イミダゾリルメチル、シクロプロピルメチルイミダゾリルメチル、(2,2,2−トリフルオロエチル)イミダゾリルメチル、(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル、フルオロベンジル、メトキシベンジル、ジフルオロメトキシベンジル、カルボキシメチル、シアノエチル、カルバモイルメチル、N−(2−メトキシエチル)カルバモイルメチル、カルボキシメチル、N−(ピロリジン−3−イル)カルバモイルメチル、2−t−ブタノイルメチル、N−イソプロピルカルバモイルメチル、N−シクロプロピルメチルカルバモイルメチル、N,N−ジメチルカルバモイル、ピロリジニルカルボニル、2−フルオロ−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、メトキシメチル、(シクロプロピルメトキシ)メチル、(トリメチルシリル)メチル、フェノキシメチル、ベンジルオキシメチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルオキシメチル、ピペリジン−1−イルカルボニルオキシメチル、N,N−ジメチルウレイドメチル、モルホリン−4−イルカルボニルアミノメチル、イソブチルアミドメチル、アセトアミドメチル、(2−シクロプロピルアセトアミド)メチル、エチルオキシカルボニルアミノメチル、シクロブチルカルボニルアミノメチル、メチルチオエチル、メチルスルホニルエチル、シクロプロピルメチルチオメチル、シクロプロピルメチルスルホニルメチル、フェニルチオエチル、フェニルスルホニルエチル、インドール−3−イルメチル、イソプロピルインドリルメチル、2−クロロフェニルチオエチル、2−オキソイミダゾリジン−1−イルメチル、N,S−ジメチルスルホニルアミノメチル、チオフェン−2−イル、(3−アセトアミドピロリジン−1−イル)メチル、(4−アセチルピペラジン−1−イル)メチル、(3−オキソピペラジン−1−イル)メチル、ブタ−2−エニルメチル、2−メチルブタ−2−エニル、3−シクロプロピルプロパ−2−イニル、4−ヒドロキシ−4−メチルペンタ−2−イニル、ピリジン−2−イルメチル、4−メトキシベンジル、2,3−ジフルオロベンジル、1−ヒドロキシ−2−オキソ−2−(ピロリジン−1−イル)エチル、2−シアノベンジル、4−アセトアミドベンジル、4−((N,N−ジメチルアミノ)メチル)ベンジル、(6−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン−3−イル)メチル、4−カルバモイルベンジル、シクロプロピルスルファモイルメチル、(4,4−ジメチルピペリジン−1−スルホンアミド)メチル、ベンジルスルファモイルメチル、((ピリジン−2−イルメチル)スルファモイル)メチル、((4−クロロフェニル)スルファモイル)メチル、4−(ピリミジン−2−イル)ベンジル、
【化84】

からなる群から選択される、請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
が、メチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、トリフルオロエチル、N,N−ジメチルアミノエチル、ピロリジン−1−イルエチル、ベンジル、ピリジン−2−イルメチル、(1−エチルピリジン−4−イル)メチル、(4−アセチルピペラジン−1−イル)エチル、メチルスルホンアミドエチル、メトキシエチル、メトキシカルボニルアミノエチル、(ピラジン−2−イルアミノ)エチル、2−クロロ−4−フルオロベンジル、(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル)メチル、イミダゾリルエチル、イミダゾリルメチル、(1−メチル−2,6−ジオキソピペリジン−4−イル)メチル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イルエチル、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル、モルホリノカルボニルメチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、4−フルオロフェニル、およびテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルからなる群から選択される、請求項27に記載の化合物。
【請求項30】
が、ハロ、ヒドロキシ、アルキルまたはハロアルキルである、請求項27に記載の化合物。
【請求項31】
が、フルオロ、トリフルオロメチル、フェニル、フルオロフェニル、チオフェニル、クロロチオフェニルおよびメチルチオフェニルからなる群から選択される、請求項27に記載の化合物。
【請求項32】
有効量の1種または複数の請求項1に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項33】
1種または複数の抗がん剤をさらに含む、請求項32に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記1種または複数の抗がん剤が、シクロホスファミド、ダカルバジン、シスプラチン、メトトレキサート、メルカプトプリン、チオグアニン、フルオロウラシル、シタラビン、ビンブラスチン、パクリタキセル、ドキソルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、プレドニゾン、タモキシフェン、フルタミド、アスパラギナーゼ、リツキシマブ、トラスツズマブ、イマチニブ、レチノイン酸、コロニー刺激因子、アミホスチン、レナリドミド、HDACインヒビター、CDKインヒビター、カンプトテシンおよびトポテカンからなる群から選択される、請求項33に記載の医薬組成物。
【請求項35】
動物に治療有効量の1種または複数の請求項1に記載の化合物を投与することを含む、該動物において異常な細胞増殖および/または分化から生じる疾患を阻害または治療する方法。
【請求項36】
前記動物が、ヒトである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記疾患が、ヒストンデアセチラーゼによって媒介される、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記疾患が、細胞増殖性疾患、常染色体優性遺伝障害、遺伝子関連代謝性障害、線維症、自己免疫疾患、糖尿病、神経系疾患、およびアルツハイマー病からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記疾患が、膀胱がん、乳がん、結腸がん、直腸がん、子宮内膜がん、腎臓がん、白血病、肺がん、黒色腫、非ホジキンリンパ腫、膵臓がん、前立腺がん、皮膚がんおよび甲状腺がんからなる群から選択されるがんである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記疾患が、肺線維症または腎線維症である、請求項35に記載の方法。

【公表番号】特表2012−529435(P2012−529435A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514227(P2012−514227)
【出願日】平成22年6月7日(2010.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/037647
【国際公開番号】WO2010/144371
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(500029420)ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】