説明

アングルセンサ及び電動パワーステアリング装置

【課題】消費電力を節減しながら必要なタイミングで作動してシャフトの回転角度を検出することができるアングルセンサ及びこれを備えた電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】ステアリングシャフト2の回転角度に関連する情報を取得する角度情報取得手段(モータ回転角度センサ11)を備え、外部から指令が送出された場合に角度情報取得手段で情報を取得するアングルセンサ10である。角度情報取得手段は、外部から間欠的に供給される電力により作動するとともに、ステアリングシャフト2の回転角速度に応じて作動時間が変化するように構成される。電動パワーステアリング装置1は、アングルセンサ10で取得した情報に基づいてステアリングホイール3の操舵角度を算出するコントロールユニット20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アングルセンサ及び電動パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両のステアリングホイールに印加された操舵トルクをトルクセンサで検出し、この操舵力に対応する補助操舵トルクを電動モータで発生させて車輪の操舵を行う電動パワーステアリング装置が実用化されている。
【0003】
このような電動パワーステアリング装置には、ステアリングホイールの操舵角度(ステアリングシャフトの回転角度)を検出するためのアングルセンサや電動モータの駆動軸の回転角度を検出するためのモータ回転角度センサが設けられている。近年においては、レゾルバからの出力信号に基づいてモータの回転角度を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−55695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたような従来の回転角度検出技術においては、レゾルバの励磁を開始してから励磁信号の発振状態を安定させる必要があり、さらに、励磁信号の振幅成分を正しくサンプリングできるようになるまでサンプリングタイミングを調整する必要がある。このため、回転角度に関する情報を取得するまでには一定の待機時間や調整作業を要することとなり、待機中や調整作業中に相当の電力を消費してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、消費電力を節減しながら必要なタイミングで作動してシャフトの回転角度を検出することができるアングルセンサ及びこれを備えた電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明に係るアングルセンサは、所定軸周りに回転するシャフトの回転角度に関連する情報を取得する角度情報取得手段を備え、外部から指令が送出された場合に角度情報取得手段で前記情報を取得するアングルセンサであって、角度情報取得手段は、外部から間欠的に供給される電力により作動するとともに、シャフトの回転角速度に応じて作動時間が変化するように構成されるものである。
【0008】
かかる構成を採用すると、シャフトの回転角速度に応じて、角度情報取得手段の作動時間を変化させることができる。例えば、シャフトの回転角速度が速い場合には、外部から電力を比較的長い時間(比較的短い周期で)供給して角度情報取得手段を比較的長い時間(比較的短い周期で)作動させることにより、シャフトの回転角度に関連する情報を確実に取得することができる。一方、シャフトの回転角速度が遅い場合には、外部から電力を比較的短い時間(比較的長い周期で)供給して角度情報取得手段を比較的短い時間(比較的長い周期で)作動させることにより、情報取得に要する電力を節減することが可能となる。従って、消費電力を節減しながら必要なタイミングで作動してシャフトの回転角度に関連する情報を確実に取得することが可能となる。
【0009】
本発明に係るアングルセンサにおいて、角度情報取得手段の作動周期を、シャフトの回転角度の想定最短周期よりも短く設定することが好ましい。
【0010】
かかる構成を採用すると、角度情報取得手段の作動周期がシャフトの回転角度の想定最短周期よりも短く設定されるので、想定される最大回転角速度(想定最短周期)でシャフトが回転した場合においても、シャフトの回転角度に関連する情報を確実に取得することができる。
【0011】
本発明に係るアングルセンサにおいて、外部から送出される指令が解除された場合に角度情報取得手段で取得した情報を記憶する記憶手段をさらに備えることができる。
【0012】
かかる構成を採用すると、外部から送出される指令が解除された場合に、シャフトの回転角度に関連する情報を記憶手段に記憶することができる。従って、指令解除時(例えばイグニション・オフ時)にシャフトの回転角度に関連する情報が検出された場合においても、その情報を保存することができ、その保存した情報を後に利用することが可能となる。
【0013】
本発明に係るアングルセンサは、角度情報取得手段で取得した情報を記憶手段に記憶した後に指令が送出された場合に、記憶手段に記憶した情報を外部に出力するように構成されることが好ましい。
【0014】
かかる構成を採用すると、指令解除時に記憶手段に記憶したシャフトの回転角度に関連する情報を、指令再送出時に外部に出力することができるので、この情報を利用して指令解除時におけるシャフトの回転角度を算出することが可能となる。
【0015】
本発明に係るアングルセンサにおいて、シャフトの回転角度に対応するモータの回転角度を検出するモータ回転角度センサを角度情報取得手段として採用することができる。かかる場合には、モータの駆動軸に取り付けられた回転部材と、この回転部材に固定された着磁部の磁界変化を検出する磁気抵抗素子部と、を有するモータ回転角度センサを採用することができる。また、回転部材の回転角度に応じて90°位相がずれるように配置された少なくとも一組の磁気検出素子からなるブリッジ回路で磁気抵抗素子部を構成することができる。磁気検出素子としてはMR素子やHall素子を採用することができる。
【0016】
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフトの回転角度に関連する情報を取得するアングルセンサと、ステアリングシャフトに取り付けられたステアリングホイールの操舵角度をアングルセンサで取得した情報に基づいて算出するコントロールユニットと、を備え、アングルセンサとして、本発明に係るアングルセンサを採用したものである。コントロールユニットは、アングルセンサに対してイグニション・オン時に指令を送出する一方イグニション・オフ時に指令を解除するとともに、指令解除後のイグニション・オン時に指令を再送出しアングルセンサの記憶手段に記憶した情報を受信して指令解除時におけるステアリングシャフトの回転角度を算出するものを採用することができる。
【0017】
本発明に係る電動パワーステアリング装置は、イグニション・オフ時に蓄電池からアングルセンサのみに間欠的に電力を供給して、アングルセンサの角度情報取得手段で取得した情報をアングルセンサの記憶手段に記憶するように構成されることが好ましい。
【0018】
かかる構成を採用すると、イグニション・オフ時に蓄電池からアングルセンサに間欠的に電力を供給するだけで、ステアリングシャフトの回転角度に関連する情報をアングルセンサの角度情報取得手段で取得して記憶手段に記憶することができる。従って、ステアリングシャフトの回転角度に関連する情報を取得するために常時電力を供給する必要がないので、情報取得に要する電力を節減することが可能となる。また、アングルセンサの角度情報取得手段は、ステアリングシャフトの回転角速度(ステアリングホイールの操舵速度)に応じて作動時間が変化するように構成されているので、消費電力を節減しながら必要なタイミングで作動してステアリングシャフトの回転角度に関連する情報を確実に取得することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、消費電力を節減しながら必要なタイミングで作動してシャフトの回転角度を検出することができるアングルセンサ及びこれを備えた電動パワーステアリング装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の全体構成を示す構成図である。
【図2】図1に示す電動パワーステアリング装置に搭載されるアングルセンサ及びコントロールユニットの機能的構成を示すブロック図である。
【図3】(A)はアングルセンサの作動周期を示すグラフであり、(B)は電動モータの回転角度の想定最短周期を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0022】
まず、図1を用いて、本実施形態に係る電動パワーステアリング装置1の構成の概要について説明する。電動パワーステアリング装置1は、所定軸周りに回転するステアリングシャフト2の回転角度に関連する情報を取得するアングルセンサ10と、ステアリングシャフト2に取り付けられたステアリングホイール3の操舵角度をアングルセンサ10で取得した情報に基づいて算出するコントロールユニット20と、を備えている。
【0023】
ステアリングシャフト2は、減速ギア4、ユニバーサルジョイント5A・5B、ピニオンラック機構6を介して車輪のタイロッド7に連結されている。ステアリングシャフト2には、ステアリングホイール3の操舵トルクTを検出するトルクセンサ8が設けられており、ステアリングホイール3の操舵力Tによってトーションバー8aが捩れると、トルクセンサ8は操舵トルクTに応じた電気信号をコントロールユニット20に出力するようになっている。ステアリングシャフト2には、ステアリングホイール3の操舵トルクを補助する電動モータ9が減速ギア4を介して連結されており、電動モータ9にはアングルセンサ10が設けられている。アングルセンサ10の構成については後に詳述する。
【0024】
コントロールユニット20には、バッテリ(蓄電池)31から電力が供給されるとともに、イグニションキー32を介してイグニション信号が入力される。コントロールユニット20は、トルクセンサ8で検出された操舵トルクT及び車速センサ33で検出された車速Vに基づいて操舵補助指令の電流指令値Iを算出し、算出した電流指令値Iに基づいて電動モータ9に供給する電流を制御する。コントロールユニット20の構成については後に詳述する。
【0025】
次に、図2及び図3を用いて、本実施形態に係るアングルセンサ10及びコントロールユニット20の機能的構成について説明する。
【0026】
アングルセンサ10は、図2に示すように、バッテリ31から供給される電力により作動するものであり、電動モータ9の駆動軸の回転角度を検出するモータ回転角度センサ11を有している。モータ回転角度センサ11は、ステアリングシャフト2の回転角度に関連する情報(ステアリングシャフト2の回転角度に一対一対応する電動モータ9の回転角度)を取得するものであり、本発明における角度情報取得手段として機能する。アングルセンサ10は、コントロールユニット20から制御指令が送出された場合に、モータ回転角度センサ11で検出した回転角度の情報(角度信号)をコントロールユニット20に出力する。
【0027】
本実施形態におけるモータ回転角度センサ11は、電動モータ9の駆動軸に取り付けられた回転部材と、この回転部材に固定された着磁部(S極磁石及びN極磁石)の磁界変化を検出する磁気抵抗素子部と、を有する非接触式センサである。回転部材は、電動モータ9の駆動軸の回転と同期しつつ一定の周期で回転するようになっている。磁気抵抗素子部は、回転部材の回転角度に応じて90°位相がずれるように配置した少なくとも一組の磁気検出素子からなるブリッジ回路で構成されている。本実施形態においては、磁気検出素子として、MR素子又はHall素子を採用している。このように構成したモータ回転角度センサ11により、電動モータ9の回転角度θに対応する正弦波(sinθ)及び余弦波(cosθ)の信号がコントロールユニット20に出力される。
【0028】
また、アングルセンサ10は、コントロールユニット20から送出される制御指令が解除された場合に、モータ回転角度センサ11で検出した情報を記憶する集積回路(ASIC)12を有している。集積回路12は、本発明における記憶手段として機能するものである。集積回路12は、モータ回転角度センサ11で検出した電動モータ9の回転角度θの情報(正弦波及び余弦波の信号)に基づいてステアリングシャフト2の回転角度を算出する機能をも有しており、このように算出したステアリングシャフト2の回転角度を記憶することもできる。また、集積回路12は、モータ回転角度センサ11で検出した情報を記憶した後にコントロールユニット20から制御指令が送出された場合に、記憶した情報をコントロールユニット20に出力する通信機能を有している。
【0029】
アングルセンサ10の集積回路12は、モータ回転角度センサ11を構成するMR素子又はHall素子への通電を制御する機能を有しており、コントロールユニット20から送出される制御指令が解除された場合に、回転角度の検出精度を維持しつつMR素子やHall素子への通電を周期的に遮断する。この結果、モータ回転角度センサ11は、制御指令解除時において、間欠的に供給される電力により作動して回転角度を検出することになる。これにより、回転角度検出に要する消費出力を節減することができる。
【0030】
また、アングルセンサ10の集積回路12は、ステアリングシャフト2の回転角速度(ステアリングホイール3の操舵速度)に対応する電動モータ9の回転角速度に応じて、MR素子やHall素子への通電時間(間欠時間)を変化させる機能を有する。この結果、ステアリングシャフト2の回転角速度に応じてモータ回転角度センサ11の作動時間を変化させることができる。例えば、集積回路12は、回転角速度が速い場合に通電時間を比較的長く(通電周期を比較的短く)してモータ回転角度センサ11を比較的長い時間(比較的短い周期で)作動させることができる。一方、回転角速度が遅い場合に通電時間を比較的短く(通電周期を比較的長く)してモータ回転角度センサ11を比較的短い時間(比較的長い周期で)作動させることができる。なお、本実施形態においては、図3に示すように、モータ回転角度センサ11の作動周期T0を、電動モータ9の回転角度の想定最短周期T1よりも短く設定している。電動モータ9の回転速度の想定最短周期T1は、ステアリングホイール3の操舵角度(ステアリングシャフト2の回転角度)の想定最短周期とほぼ一致するものとする。
【0031】
コントロールユニット20は、図2に示すように、バッテリ31から供給される電力により作動するものであり、各種演算処理を行うMCU21等を有している。MCU21は、イグニションキー32を介してイグニション・オン信号が送出された場合に、アングルセンサ10に対して制御指令を送出するとともにアングルセンサ10から出力された回転角度の情報(角度信号)を受信し、受信した情報に基づいて逆正接関数(arctanθ)の演算処理を実行することによりステアリングシャフト2の回転角度を算出する。
【0032】
また、MCU21は、イグニション・オン信号が解除された場合に、スイッチ22の接続を遮断してバッテリ31からMCU21への通電を停止させるとともに、イグニション・オン時にアングルセンサ10へと送出していた制御指令を解除する。これにより、イグニション・オフ時には、MCU21による各種演算処理が停止させられる。一方、イグニション・オフ時(制御指令解除時)においても、アングルセンサ10にはバッテリ31から電力が供給される。このため、アングルセンサ10は、前述のようにイグニション・オフ時にモータ回転角度センサ11で検出した情報を集積回路12に記憶する。なお、イグニション・オフ時(制御指令解除時)においては、アングルセンサ10の集積回路12がMR素子又はHall素子への通電を周期的に遮断しながら回転角度の検出を行うため、消費出力を節減することができる。
【0033】
このようなイグニション・オフ期間を経た後、イグニション・オン信号が再送出された場合に、MCU21は、アングルセンサ10に対して制御指令を再送出し、アングルセンサ10の集積回路12に記憶されていた情報を受信し、受信した情報に基づいて演算処理を実行する。これにより、MCU21は、イグニション・オフ期間におけるステアリングシャフト2の回転角度(ステアリングホイール3の操舵角度)を算出することができる。
【0034】
以上の実施形態に係るアングルセンサ10においては、電動モータ9の回転角速度に応じてモータ回転角度センサ11の作動時間を変化させることができる。すなわち、電動モータ9の回転角速度が速い場合には、外部(バッテリ31)から電力を比較的長い時間(比較的短い周期で)供給してモータ回転角度センサ11を比較的長い時間(比較的短い周期で)作動させることにより、電動モータ9の回転角度に関連する情報を確実に取得することができる。一方、電動モータ9の回転角速度が遅い場合には、外部から電力を比較的短い時間(比較的長い周期で)供給してモータ回転角度センサ11を比較的短い時間(比較的長い周期で)作動させることにより、情報取得に要する電力を節減することが可能となる。従って、消費電力を節減しながら必要なタイミングで作動して回転角度に関連する情報を確実に取得することが可能となる。
【0035】
また、以上の実施形態に係るアングルセンサ10においては、モータ回転角度センサ11の作動周期T0が電動モータ9の回転角度の想定最短周期T1よりも短く設定されるので、想定される最大回転角速度(想定最短周期)で電動モータ9が回転した場合においても、回転角度に関連する情報を確実に取得することができる。
【0036】
また、以上の実施形態に係るアングルセンサ10においては、外部(コントロールユニット20)から制御指令が送出された場合に、ステアリングシャフト2の回転角度に関連する情報を外部に出力することができる一方、制御指令が解除された場合に、ステアリングシャフト2の回転角度に関連する情報を集積回路12に記憶することができる。従って、制御指令解除時(イグニション・オフ時)にステアリングシャフト2の回転角度に関連する情報が検出された場合においても、その情報を保存することができ、その保存した情報を後に利用することが可能となる。
【0037】
また、以上の実施形態に係るアングルセンサ10においては、制御指令解除時に集積回路12に記憶したステアリングシャフト2の回転角度に関連する情報を、制御指令再送出時に外部(コントロールユニット20)に出力することができるので、この情報を利用して制御指令解除時におけるステアリングシャフト2の回転角度を算出することが可能となる。
【0038】
また、以上の実施形態に係る電動パワーステアリング装置1においては、イグニション・オフ時にバッテリ31からアングルセンサ10に間欠的に電力を供給するだけで、ステアリングシャフト2の回転角度に関連する情報(電動モータ9の駆動軸の回転角度)をアングルセンサ10のモータ回転角度センサ11で取得して集積回路12に記憶することができる。従って、ステアリングシャフト2の回転角度に関連する情報を取得するために常時電力を供給する必要がないので、情報取得に要する電力を節減することが可能となる。また、アングルセンサ10のモータ回転角度センサ11は、ステアリングシャフト2の回転角速度(ステアリングホイール3の操舵速度)に応じて作動時間が変化するように構成されているので、消費電力を節減しながら必要なタイミングで作動してステアリングシャフト2の回転角度に関連する情報を確実に取得することが可能となる。
【0039】
なお、以上の実施形態においては、アングルセンサの角度情報取得手段として、電動モータ9の回転角度の情報を検出するモータ回転角度センサ11を採用した例を示したが、角度情報取得手段の構成はこれに限られるものではない。例えば、ステアリングシャフト2自体に取り付けられてステアリングシャフト2と同期回転する回転部材と、この回転部材に固定された着磁部の磁界変化を検出する磁気抵抗素子部と、を有し、ステアリングシャフト2の回転角度に対応する正弦波及び余弦波の信号を出力する回転角度センサを角度情報取得手段として採用することもできる。
【0040】
また、以上の実施形態においては、車両のステアリングシャフトの回転角度に関連する情報を取得する電動パワーステアリング装置用のアングルセンサに本発明を適用した例を示したが、本発明の適用範囲はこれに限られるものではなく、シャフトの回転角度に関連する情報を取得する種々のアングルセンサに本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1…電動パワーステアリング装置
2…ステアリングシャフト
3…ステアリングホイール
10…アングルセンサ
11…モータ回転角度センサ(角度情報取得手段)
12…集積回路(記憶手段)
20…コントロールユニット
31…バッテリ(蓄電池)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定軸周りに回転するシャフトの回転角度に関連する情報を取得する角度情報取得手段を備え、外部から指令が送出された場合に前記角度情報取得手段で前記情報を取得するアングルセンサであって、
前記角度情報取得手段は、外部から間欠的に供給される電力により作動するとともに、前記シャフトの回転角速度に応じて作動時間が変化するように構成される、
アングルセンサ。
【請求項2】
前記角度情報取得手段の作動周期は、前記シャフトの回転角度の想定最短周期よりも短く設定される、
請求項1に記載のアングルセンサ。
【請求項3】
前記指令が解除された場合に、前記角度情報取得手段で取得した情報を記憶する記憶手段をさらに備える、
請求項1又は2に記載のアングルセンサ。
【請求項4】
前記角度情報取得手段で取得した情報を前記記憶手段に記憶した後に前記指令が送出された場合に、前記記憶手段に記憶した情報を外部に出力するように構成される、
請求項3に記載のアングルセンサ。
【請求項5】
前記角度情報取得手段は、前記シャフトの回転角度に対応するモータの回転角度を検出するモータ回転角度センサである、
請求項1から4の何れか一項に記載のアングルセンサ。
【請求項6】
前記モータ回転角度センサは、前記モータの駆動軸に取り付けられた回転部材と、前記回転部材に固定された着磁部の磁界変化を検出する磁気抵抗素子部と、を有し、前記磁気抵抗素子部は、前記回転部材の回転角度に応じて90°位相がずれるように配置された少なくとも一組の磁気検出素子からなるブリッジ回路で構成される、
請求項5に記載のアングルセンサ。
【請求項7】
前記磁気検出素子は、MR素子又はHall素子である、
請求項6に記載のアングルセンサ。
【請求項8】
ステアリングシャフトの回転角度に関連する情報を取得するアングルセンサと、前記ステアリングシャフトに取り付けられたステアリングホイールの操舵角度を前記アングルセンサで取得した情報に基づいて算出するコントロールユニットと、を備える電動パワーステアリング装置であって、
前記アングルセンサは、請求項1から7の何れか一項に記載のアングルセンサである、
電動パワーステアリング装置。
【請求項9】
前記コントロールユニットは、前記アングルセンサに対してイグニション・オン時に指令を送出する一方イグニション・オフ時に前記指令を解除するとともに、指令解除後のイグニション・オン時に前記指令を再送出し前記アングルセンサの記憶手段に記憶した情報を受信して指令解除時における前記ステアリングシャフトの回転角度を算出する、
請求項8に記載の電動パワーステアリング装置。
【請求項10】
イグニション・オフ時に蓄電池から前記アングルセンサのみに間欠的に電力を供給して、前記アングルセンサの角度情報取得手段で取得した情報を前記アングルセンサの記憶手段に記憶するように構成される、
請求項9に記載の電動パワーステアリング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−103089(P2012−103089A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251491(P2010−251491)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】