インクジェット技術を利用した細線形成方法およびシステム
基板上に所望の寸法の形状(24、35)を形成する方法およびシステムにおいて、材料の一連の液滴(43)を基板上に滴下し、その境界内に前記形状がおさまるような十分な寸法のパターン(22、32)を形成し、前記形状を画定する前記パターンの内側部分を囲む、前記パターンの余剰領域を除去する。余剰材料の除去は、前記パターンを画定する前記パターンの部分を硬化し余剰を洗い流すことにより、または、余剰材料をアブレーションすることにより、行ってもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板、液晶表示装置用カラーフィルタ、および半導体など、電子基礎構造の製造において、通常使用される技術では、印刷版作成用のリソグラフィー印刷に使用されるパターン化マスクに基本的に類似したパターン化マスクを使用する。
【0003】
基板に感光性材料が塗布され、この感光性材料は光により硬化される。前記塗布は単純な浸漬により行われるか、または非常に薄い層が望ましい場合はスピンコーティングにより行われる。その後、前もって所定のパターンに形成されたマスクを介して前記感光性層に光が照射される。感光性層に照射された光は、それによる露光領域で前記感光性層を硬化させる。露光されず未硬化な部分は、その後洗い流され、所定のパターンの硬化層が残る。回路基板の微細化、またはカラーフィルタの要求される光学精度により、幅10マイクロメータ以下の線を形成することが求められている。これは、精密なマスクや光源、ならびに改良された硬化性材料により達成できる。
【0004】
リソグラフィー法は、
・感光性材料の大部分が硬化後に洗い流される、
・各パターンごとにマスクが必要であり、事前に準備しなければならない、
という二つの理由により高価である。
【0005】
印刷産業において、インクジェット技術はインク滴をマスク無しにディジタル制御で直接基板上に配置するため、インクジェット技術を使用すると印刷版が不要となる。このようにパターンを「オン・ザ・フライ(on the fly)」で形成、変更、または置換することができる。
【0006】
このように、電子産業で感光硬化性材料を印刷するためにマスクを使用する方法に代わる有用な方法として、かかる材料のパターンをインクジェット機構を使用して印刷する方法があり、この方法によりマスクが不要になり、さらにリソグラフィー法と比較して感光性材料の使用量が少なくなる。材料の使用量が少なくなるのは、必要な部分にのみ使用され、基板表面全体を被覆する必要が無いからである。大量生産を想定したときに硬化性材料にはかなり高価となるものがあるが、インクジェット印刷法を使用することにより相当な程度の節約が可能になると予測される。
【0007】
ただし、インクジェット技術により微細な直線を印刷することは困難な作業である。図1aはインクジェット印刷法を使用して、インク滴10を線に沿って順次並置することにより形成された線を示す。液滴10が基板上で円形となるため、乾燥させると図1bに示すようにギザギザの線11となり、所望の精度を達成せず不均一な縁を有するものとなる。
【0008】
この原因は複数ある。
【0009】
1.微小な液滴を使用しても、20(mより細い線を形成することは非常に困難である。
【0010】
2.インクジェットによりかかる線が得られたとしても、表面張力、基板の界面エネルギー、および局所的なよごれの影響により、液滴の拡張にむらができ、線の不均一性が増大する。
【0011】
3.液滴の配置の方向性においてわずかに位相ずれがある(インクジェット印刷機ではよくある現象で、方向が少なくとも数ミリラジアンずれる)と、その結果得られる線が曲がってしまう。これは図2aおよび図2bに示されており、X軸およびY軸に沿って液滴12の方向性に非常に小さな変異があるために、得られたパターン13の線の縁が不均一になる。
【0012】
さらに、従来のインクジェット技術を使用しようとすると、特に非常に細い線が求められるときに、線を機能しなくさせるピンホールなどの欠陥の、高価なオフライン補正を必要とする。当然ながらこれは、線がプリント回路基板の導電性の配線を形成するために使用される場合、かかるピンホールにより開回路となってしまうために、非常に重要である。
【0013】
インクジェット技術が簡易であり、普及し、低価格であるため、もしインクジェット技術が前述の問題を起こすことなく電子装置製造に必要とされる細線の形成に使用できるのであれば、その恩恵は相当なものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、前述の問題を起こすことの無いインクジェット技術を使用して電子装置の製造に必要とされる細線を形成する方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、本発明のひとつの様態に基づき、基板上に所望の寸法の形状を形成する方法により達成され、前記方法は、
材料の連続した液滴を前記基板上に滴下し、その境界内に前記形状がおさまるような十分な寸法のパターンを形成する工程と、
前記形状を画定する前記パターンの内側部分を囲む、前記パターンの余剰領域を除去する工程とを含む。
【0016】
前記形状は、単なる細線であってもよく、本発明は、感光硬化性材料の非常に細い線またはその他の形状の形成を可能にする2つの主要な方法を提案する。
【0017】
第一の方法は、インクジェット印刷システムとレーザーシステムを含む、ハイブリッドなシステムを使用する。前記インクジェット印刷システムは、所定の波長の光により硬化するインク(例えば、赤外線レーザーによる赤外線硬化性インクや、紫外線レーザーによる紫外線硬化性インク)を印刷する。本発明は、感光硬化性材料をインクジェットにより付着させてから光硬化させる3つの方法を提案する。
【0018】
第二の方法では、反応性材料の平行線を印刷し、線またはパターンが反応領域に形成される。
【0019】
さらに、本発明は、液滴の未形成または位置ずれによる線の欠陥を調べ、修復する手段を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を理解し、実際に本発明がどのように実施されるかを見るために、添付の図面を参照して、非制限的な例として、好適な実施の形態を説明する。
【0021】
<インクジェット印刷と集光レーザービームによる硬化との組み合わせの使用>
図3aおよび3bに示されるように、少なくとも一つのノズルを含むインクジェットヘッドにより感光硬化性材料を線状に付着させる。感光硬化性材料は、吐出しやすく十分に基板上に広がるように適当な粘度および表面張力を有するよう、事前に調製される。
【0022】
インクジェットは一連の並置されたインク滴15を印刷し、パターン16を形成する。パターン16は、図1、2を参照して記載された前記のようなゆがみを有していても、所望の幅を有する細線が前記インクのパターン内で硬化されるのに十分な余地を有している。図3bに示されるように、数ミクロン程度、またはナノメータ範囲にまで絞られた所望の焦点を有するレーザービームを液状インク上に移動させ、前記パターン16の前記ビームが照射された部分17においてのみ液状インクを硬化または乾燥させる。硬化または乾燥されなかった周囲のインク残液18は洗い流され、図3cに示されるように、印刷された基板上にはっきりした縁を有する細線19が残る。
【0023】
レーザービームはインク硬化用として公知の、特定の波長のものである。インクには、紫外線波長の光で硬化するものもあれば、赤外線波長の光で硬化するものもある。また、可視光線波長の光で硬化するインクを使用することも可能であるが、そのプロセスは暗闇で実施されなければならないため複雑になるであろう。
【0024】
かかる方法は、例えば、幅10(mという非常に細い直線が印刷されなければならない液晶表示装置用のブラックマトリクスを印刷するために使用できる。現在ほとんどの製造業者がリソグラフィーでこれを達成している。本発明の方法は、まず幅がわずか数十ミクロンのインクジェットによる線を印刷し、必要な10(mの幅の最終的な直線をレーザーで硬化して線の形状を整えて、必要とされる感光硬化性インクの量を削減している。未硬化の感光性材料は基板から洗い流される。
【0025】
別の方法では、導電性ポリマーを使用して非常に細い線を形成する。現在、日本のEpsonなど数社が、従来の導電性材料ではなく高導電率のポリマーを使用して電子導体を構成しようとしている。かかるポリマーはインクジェット機構による吐出が可能である。これらポリマーのうち、レーザーのような高精度の光源により硬化されるポリマーを、本発明の教示に基づき細く精度の高い線として印刷することができる。本発明は、このように、インクジェット技術による導体の印刷に道を開き、従来のリソグラフィー技術にとって代わるものである。
【0026】
本発明による提案の同技術、すなわち、あとでレーザー硬化を行うインクジェット技術は、平面パネル表示装置の製造や、さらに一般的には、電子機器製造の別の分野において使用される薄膜トランジスタ(TFT)電子素子の作製に適用できる。現在、TFT多層構造は、半導体製造産業で公知のリソグラフィー技術により作製されている。リソグラフィー法は、選択的エッチング、塗布または堆積による複合多層構造の形成を可能にするパターンを形成するために使用されている。これらの目的のために形成されたパターンは、線のみならず、他の形状であってもよい。本発明によると、かかる形状は、おおまかな外形をまずインクジェット法で形成し、集光レーザービームによる硬化によって所望の最終形状にすることにより形成できる。レーザービームの作動は、連続的でもパルス状でもよく、インクジェットにより配置された硬化性材料の領域上の動きはプログラムされていてもよい。加えてビームのプログラム可能な強度制御と組み合わせてもよく、それにより所望の線または形状の形成の自由度が増す。
【0027】
図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。かかる手段により、TFTの多層構造内の選択的な層をエッチングすることが可能になる。図はかかる構造の「活性」層のエッチングを示している。この活性層は導電性材料でもよく、導電性が層の一部のみに限定されるように形状形成されなければならない。この例は、一連の工程において活性層20が基板21に塗布され、その後、感光硬化性材料のインクジェットによるパターン22が前記活性層上に形成される(図4c)様子を示している。レーザー光が感光硬化性材料に集光され、その上の細線パターンを露光する。レーザー光が感光硬化性材料を照射した部分では、前記線が硬化され、所望のパターン23を形成する(図4d)。未硬化材料がその後洗い流され(図4e)、硬化された材料で覆われていない活性層の領域がエッチングされる(図4e)。エッチング終了後、硬化された材料で形成されたパターンが化学的に、または他の適切な方法で除去される。この方法により、図4gに示されるように、活性層が精密なパターン24となる。本発明の方法を使用することにより、従来のように活性層表面を感光硬化性材料で完全に被覆する必要がないため感光硬化性材料を節約できることを、当業者は理解できるであろう。本発明の方法はまた、未硬化の感光性材料がほとんど無いので、その除去や洗浄を簡便にし、従って欠陥も低減する。
【0028】
図5a〜図5gは、リソグラフィーを使用した同様の方法における一連の工程を示す実体図である。このように、一連の工程において、活性層30が基板31上に塗布され、感光硬化性材料32がインクジェット法により付与されその層が形成される(図5c)。線が形成される領域のみが被覆されていれば十分なので、基板の全領域を被覆する必要はない。このためインクジェット印刷を適用できる。これにより、浸漬またはスピニングにより基板の全領域を被覆していた従来のリソグラフィー工程と比較して、感光硬化性材料の使用量を著しく削減できる。マスク33を使用して感光硬化性材料上に細線のパターンを露光し、所望のパターンが硬化される(図5d)。前記感光硬化性材料32の未硬化領域は、その後洗い流されて、線34のパターンが現れる(図5e)。硬化された材料によって被覆されていない前記活性層のこれらの領域は、その後エッチングされる(図5f)。エッチング終了後、硬化された材料により形成されているパターンが化学的に、または他の適切な方法で除去される。この方法により、図5gに示されるように、精密なパターン35状に形成された活性層が得られる。
【0029】
精密な線の形成以外にも、これら方法のどちらも、まず非硬化性、非接着性の材料に溝で輪郭を描き、次いでその溝を硬化性材料で印刷して得られる他の形状に適用可能である。基板を洗浄すると、溝であった領域内の材料のみが基板上に残る。このように、本明細書および添付されたクレームの文脈において、「形状(geometry)」という用語はなんらかの中実形状を含意して使用され、前記中実形状は規則的であっても、不規則的であってもよい。また、「線(line)」という用語は、まっすぐである、折れている、または湾曲している、もしくはこれら特徴の組み合わせを有する、ある程度の長さを有するものを含意して使用される。
【0030】
<信頼性>
インクジェット印刷の主要な問題点の一つは、ノズルの信頼性である。ノズルの信頼性の問題はいくつかの形態がある。
【0031】
・軽度の故障(ノズルが作動しないが整備により回復できる)
・重度の故障(ノズルが恒常的に使用不可)
・誤った方向性
・過小な液滴量
非常に細い線に欠陥があると、その線が機能しなくなる可能性がある。オフセット印刷加工に使用される前述のカラーフィルタの場合、ブラックマトリクスセルに少しでも欠陥が有ると、隣接するセルの二つの異なる色が混ざり、それによってフィルタリングされる画素を不良にすることになる。
【0032】
本発明の第一の方法は、加工の信頼性を増し、前記問題をある程度解消しようとするものである。これは図6および図7にそれぞれ概略的に示されているシステム40および50により達成できる。これらの図では類似の部材は同じ参照符号により示されている。システム40、50はどちらも、印刷ノズル41(第一ノズル)を備え、その下流側に、印刷ノズル41が液滴を実際に吐出したかどうかを検出する光学検出器42が配置される。検出は、図6に示されるように印刷ノズル41またはそれにより形成される液滴43の経路で、実際の液滴を「オン・ザ・フライ(on the fly)」で監視するか、または、図7に示されるように基板に実際に印刷されたドットを監視することにより、行われる。もしドットが配置されていないか、または、正しい位置に配置されていなければ、光学検出器42に応答可能に接続され所定の制御アルゴリズムに従って作動する制御器45によって制御される補助ノズル44(第二ノズル)が第二の液滴46を吐出し、それが第一の液滴43の代わりとなるかまたはそれを補完する。所望のパターンに応じて印刷された像を、第二ノズル44の下流側のレーザー47が硬化または乾燥させる。この一連の工程は、第一ノズル41、検出器42、第二ノズル44、およびレーザー47の相対的な位置関係と、基板と印刷システムとの間の相対的な動きが正しく設定された構成により達成される。液滴は基板の上に配置された直後に硬化されてもよく、または、インクパターンが完全に形成された後に硬化されてもよい。
【0033】
別の方法としては、パターンを印刷するための一つ以上の余剰のノズルを使用して、所望のパターンの形状が完全となる可能性を上げ、それによりレーザー作業に十分なサイズのパターンを基板上に設ける方法がある。これは、インクジェットにより形成された線が連続的でさえあればその正確な形は重要ではないため、一層簡単に実施できる方法である。正確な形状形成はレーザー硬化により達成すればよい。
【0034】
<化学反応により硬化される2つの材料を使用することによる細線の形成>
図8a〜図8dは、第一の方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。この方法では、第一材料で第一の線50が印刷され、それに平行な第二の線51が第二材料で、第一の線と重複して重複領域52を形成するように印刷される。第一および第二の線は、互いに接触したときに化学的または物理的反応をおこして接触部分で線を硬化するが(エポキシ接着剤のように)、2つの線が重複しない領域では何も影響を及ぼさないような材料で形成される。前記反応は従って前記重複領域52のみに限定され、硬化されない残りの部分は一定の時間の後に洗い流される(過剰硬化を防止するため)。
【0035】
図9a〜図9dは、第二の方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。この方法では、第一および第二の線60および61が、公知の方法で洗い流すことができる第一材料で基板上に印刷される。それに平行な第三の線62が第二材料で、第一および第二の線60、61と重複してその2つの線のあいだの中間領域63を覆うように印刷される。第二材料は、通常の状態で公知の硬化時間(大気温度に左右されてもよい)後に空気中で硬化するような材料である。また、たとえば光、熱等の公知の方法で乾燥または硬化されうる材料であってもよい。それにより、前記2つの線60および61の間の領域63が第三の線62の硬化性の第二材料によって充填され、前記第二材料が硬化し基板に付着することが可能である。前記基板は洗浄され、前記第一および第二の線60および61は、これらと重複する第三の線62の残りの部分とともに洗い流される。第一および第二の線を完全に洗い流すことができれば、2つの線60および61と重複する第三の線63の部分もまた硬化したとしても、その第三の線の硬化した部分も洗浄の際に同様に除去されるので、問題ない。
【0036】
ただし、望ましくは、第二材料が、第一および第二の線60および61を形成する第一材料と接触したときに、第二材料の硬化を防ぐ化学的または物理化学的反応をおこす一方で、第一と第二の線に重複しない第三の線の領域、すなわち領域63には影響を及ぼさないような材料であればよい。これにより、より簡単に余剰の材料を洗い流すことができる。
【0037】
<別個の色インクを重ねることによるインクジェットでの細線形成>
この方法はカラーフィルタのみに適用され、多様な形状を形成するための前記の方法の一つと組み合わせて使用してもよい。この方法は三原色(RGB)インクを使用して、色と色とを分離するために使用されるブラックマトリクスを形成する。その作製方法は、図8を参照して記載された前述の方法と同様である。
【0038】
第一の工程では、第一のRGBインクが印刷される。第二の工程では、第一のRGBインクに重複するように第二のRGBインクが印刷される。2つのインクが重複部分間で、重複部分が黒に変わるような化学反応を起こす。このようにして色と色との間の境界ごとにブラックマトリクスが形成される。最終工程で、前記インクが硬化または乾燥される。かかる方法は、カラーオフセット印刷、たとえば液晶表示装置などのカラー表示装置の製造に使用され、これにより各画素の三つのRGB成分がインクジェットを使用して印刷でき、重複部分を黒にすることができる。
【0039】
<インクジェット印刷と集光レーザービームによる除去との組み合わせの使用>
まずおおまかな線または形状をインクジェット法で形成し、その後レーザーで精密な形状に調整するという、図3a〜図3bを参照して記載した前記の原理を、インクの一部を除去するためにレーザービームを使用する場合にも適用することができる。
【0040】
図10a〜図10dはかかる方法の一連の工程を示す実体図である。レーザービームで除去(ablate)可能な材料70の線を印刷する。レーザービームを使用して四辺すべてについてアブレーションをおこない、部分71、72、73、および74が取り除かれる。これにより、基板上に残留しているのは、はっきりした縁と所望の幅を有する細く精密な線75である。制御された高精度のアブレーションを行うためには、たとえばエキシマレーザーを使用できる。
【0041】
<本発明の原理が適用できるその他の分野>
本発明は特に細線形成に関して記載されているが、本発明の原理はいかなる幾何学的形状にも適用可能であると理解されるべきである。たとえば、回路パッドおよび導電性配線を画定するアートワーク(artwork)を使用してプリント回路基板を製造することが知られており、このアートワークは通常プリント回路基板の活性層を露光する際に使用されるマスクとして使用されるが、本発明はこのアートワークが直接プリント回路基板に描画されるようにし、マスクを不要とする。かかる方法において、活性層(通常は銅)にまず感光硬化性材料が塗布され、その露光部分が硬化する。未硬化材料が洗い流されて活性銅層の不要な領域がすべて露出されエッチングされるが、保全すべき活性銅層の領域は影響を受けない。かかる方法において、活性層の大部分が廃棄される。
【0042】
しかし、本発明の原理では、インクジェット技術を使用して塗布される導電性インクを使用して銅配線とパッド(すなわちアートワーク)を直接絶縁基板上に描画し、保全すべき部分を硬化しそれ以外を洗い流すことにより、余剰のインクを除去する。あるいは、余剰領域をアブレーションした後に、またはその前に、それ以外の材料を硬化する。かかる方法では、除去する余剰導電性材料がはるかに少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1a】図1aおよび図1bは、従来のインクジェット技術を使用して並置された一連のインク滴により形成された線の実体図である。
【図1b】図1aおよび図1bは、従来のインクジェット技術を使用して並置された一連のインク滴により形成された線の実体図である。
【図2a】図2aおよび図2bは、インクジェット技術にさらに内在的なゆがみがある場合の、一連の並置されたインク滴により形成された線の実体図である。
【図2b】図2aおよび図2bは、インクジェット技術にさらに内在的なゆがみがある場合の、一連の並置されたインク滴により形成された線の実体図である。
【図3a】図3a〜図3cは、あとでレーザー硬化を行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図3b】図3a〜図3cは、あとでレーザー硬化を行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図3c】図3a〜図3cは、あとでレーザー硬化を行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4a】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4b】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4c】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4d】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4e】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4f】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4g】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5a】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5b】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5c】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5d】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5e】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5f】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5g】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図6】図6および図7はそれぞれ、本発明のシステムの実体図である。
【図7】図6および図7はそれぞれ、本発明のシステムの実体図である。
【図8a】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図8b】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図8c】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図8d】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図9a】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図9b】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図9c】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図9d】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図10a】図10a〜10dは、並置されたインクジェット液滴の除去により形成される線の形成における一連の工程を示す実体図である。
【図10b】図10a〜10dは、並置されたインクジェット液滴の除去により形成される線の形成における一連の工程を示す実体図である。
【図10c】図10a〜10dは、並置されたインクジェット液滴の除去により形成される線の形成における一連の工程を示す実体図である。
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェット技術に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板、液晶表示装置用カラーフィルタ、および半導体など、電子基礎構造の製造において、通常使用される技術では、印刷版作成用のリソグラフィー印刷に使用されるパターン化マスクに基本的に類似したパターン化マスクを使用する。
【0003】
基板に感光性材料が塗布され、この感光性材料は光により硬化される。前記塗布は単純な浸漬により行われるか、または非常に薄い層が望ましい場合はスピンコーティングにより行われる。その後、前もって所定のパターンに形成されたマスクを介して前記感光性層に光が照射される。感光性層に照射された光は、それによる露光領域で前記感光性層を硬化させる。露光されず未硬化な部分は、その後洗い流され、所定のパターンの硬化層が残る。回路基板の微細化、またはカラーフィルタの要求される光学精度により、幅10マイクロメータ以下の線を形成することが求められている。これは、精密なマスクや光源、ならびに改良された硬化性材料により達成できる。
【0004】
リソグラフィー法は、
・感光性材料の大部分が硬化後に洗い流される、
・各パターンごとにマスクが必要であり、事前に準備しなければならない、
という二つの理由により高価である。
【0005】
印刷産業において、インクジェット技術はインク滴をマスク無しにディジタル制御で直接基板上に配置するため、インクジェット技術を使用すると印刷版が不要となる。このようにパターンを「オン・ザ・フライ(on the fly)」で形成、変更、または置換することができる。
【0006】
このように、電子産業で感光硬化性材料を印刷するためにマスクを使用する方法に代わる有用な方法として、かかる材料のパターンをインクジェット機構を使用して印刷する方法があり、この方法によりマスクが不要になり、さらにリソグラフィー法と比較して感光性材料の使用量が少なくなる。材料の使用量が少なくなるのは、必要な部分にのみ使用され、基板表面全体を被覆する必要が無いからである。大量生産を想定したときに硬化性材料にはかなり高価となるものがあるが、インクジェット印刷法を使用することにより相当な程度の節約が可能になると予測される。
【0007】
ただし、インクジェット技術により微細な直線を印刷することは困難な作業である。図1aはインクジェット印刷法を使用して、インク滴10を線に沿って順次並置することにより形成された線を示す。液滴10が基板上で円形となるため、乾燥させると図1bに示すようにギザギザの線11となり、所望の精度を達成せず不均一な縁を有するものとなる。
【0008】
この原因は複数ある。
【0009】
1.微小な液滴を使用しても、20(mより細い線を形成することは非常に困難である。
【0010】
2.インクジェットによりかかる線が得られたとしても、表面張力、基板の界面エネルギー、および局所的なよごれの影響により、液滴の拡張にむらができ、線の不均一性が増大する。
【0011】
3.液滴の配置の方向性においてわずかに位相ずれがある(インクジェット印刷機ではよくある現象で、方向が少なくとも数ミリラジアンずれる)と、その結果得られる線が曲がってしまう。これは図2aおよび図2bに示されており、X軸およびY軸に沿って液滴12の方向性に非常に小さな変異があるために、得られたパターン13の線の縁が不均一になる。
【0012】
さらに、従来のインクジェット技術を使用しようとすると、特に非常に細い線が求められるときに、線を機能しなくさせるピンホールなどの欠陥の、高価なオフライン補正を必要とする。当然ながらこれは、線がプリント回路基板の導電性の配線を形成するために使用される場合、かかるピンホールにより開回路となってしまうために、非常に重要である。
【0013】
インクジェット技術が簡易であり、普及し、低価格であるため、もしインクジェット技術が前述の問題を起こすことなく電子装置製造に必要とされる細線の形成に使用できるのであれば、その恩恵は相当なものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、前述の問題を起こすことの無いインクジェット技術を使用して電子装置の製造に必要とされる細線を形成する方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、本発明のひとつの様態に基づき、基板上に所望の寸法の形状を形成する方法により達成され、前記方法は、
材料の連続した液滴を前記基板上に滴下し、その境界内に前記形状がおさまるような十分な寸法のパターンを形成する工程と、
前記形状を画定する前記パターンの内側部分を囲む、前記パターンの余剰領域を除去する工程とを含む。
【0016】
前記形状は、単なる細線であってもよく、本発明は、感光硬化性材料の非常に細い線またはその他の形状の形成を可能にする2つの主要な方法を提案する。
【0017】
第一の方法は、インクジェット印刷システムとレーザーシステムを含む、ハイブリッドなシステムを使用する。前記インクジェット印刷システムは、所定の波長の光により硬化するインク(例えば、赤外線レーザーによる赤外線硬化性インクや、紫外線レーザーによる紫外線硬化性インク)を印刷する。本発明は、感光硬化性材料をインクジェットにより付着させてから光硬化させる3つの方法を提案する。
【0018】
第二の方法では、反応性材料の平行線を印刷し、線またはパターンが反応領域に形成される。
【0019】
さらに、本発明は、液滴の未形成または位置ずれによる線の欠陥を調べ、修復する手段を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を理解し、実際に本発明がどのように実施されるかを見るために、添付の図面を参照して、非制限的な例として、好適な実施の形態を説明する。
【0021】
<インクジェット印刷と集光レーザービームによる硬化との組み合わせの使用>
図3aおよび3bに示されるように、少なくとも一つのノズルを含むインクジェットヘッドにより感光硬化性材料を線状に付着させる。感光硬化性材料は、吐出しやすく十分に基板上に広がるように適当な粘度および表面張力を有するよう、事前に調製される。
【0022】
インクジェットは一連の並置されたインク滴15を印刷し、パターン16を形成する。パターン16は、図1、2を参照して記載された前記のようなゆがみを有していても、所望の幅を有する細線が前記インクのパターン内で硬化されるのに十分な余地を有している。図3bに示されるように、数ミクロン程度、またはナノメータ範囲にまで絞られた所望の焦点を有するレーザービームを液状インク上に移動させ、前記パターン16の前記ビームが照射された部分17においてのみ液状インクを硬化または乾燥させる。硬化または乾燥されなかった周囲のインク残液18は洗い流され、図3cに示されるように、印刷された基板上にはっきりした縁を有する細線19が残る。
【0023】
レーザービームはインク硬化用として公知の、特定の波長のものである。インクには、紫外線波長の光で硬化するものもあれば、赤外線波長の光で硬化するものもある。また、可視光線波長の光で硬化するインクを使用することも可能であるが、そのプロセスは暗闇で実施されなければならないため複雑になるであろう。
【0024】
かかる方法は、例えば、幅10(mという非常に細い直線が印刷されなければならない液晶表示装置用のブラックマトリクスを印刷するために使用できる。現在ほとんどの製造業者がリソグラフィーでこれを達成している。本発明の方法は、まず幅がわずか数十ミクロンのインクジェットによる線を印刷し、必要な10(mの幅の最終的な直線をレーザーで硬化して線の形状を整えて、必要とされる感光硬化性インクの量を削減している。未硬化の感光性材料は基板から洗い流される。
【0025】
別の方法では、導電性ポリマーを使用して非常に細い線を形成する。現在、日本のEpsonなど数社が、従来の導電性材料ではなく高導電率のポリマーを使用して電子導体を構成しようとしている。かかるポリマーはインクジェット機構による吐出が可能である。これらポリマーのうち、レーザーのような高精度の光源により硬化されるポリマーを、本発明の教示に基づき細く精度の高い線として印刷することができる。本発明は、このように、インクジェット技術による導体の印刷に道を開き、従来のリソグラフィー技術にとって代わるものである。
【0026】
本発明による提案の同技術、すなわち、あとでレーザー硬化を行うインクジェット技術は、平面パネル表示装置の製造や、さらに一般的には、電子機器製造の別の分野において使用される薄膜トランジスタ(TFT)電子素子の作製に適用できる。現在、TFT多層構造は、半導体製造産業で公知のリソグラフィー技術により作製されている。リソグラフィー法は、選択的エッチング、塗布または堆積による複合多層構造の形成を可能にするパターンを形成するために使用されている。これらの目的のために形成されたパターンは、線のみならず、他の形状であってもよい。本発明によると、かかる形状は、おおまかな外形をまずインクジェット法で形成し、集光レーザービームによる硬化によって所望の最終形状にすることにより形成できる。レーザービームの作動は、連続的でもパルス状でもよく、インクジェットにより配置された硬化性材料の領域上の動きはプログラムされていてもよい。加えてビームのプログラム可能な強度制御と組み合わせてもよく、それにより所望の線または形状の形成の自由度が増す。
【0027】
図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。かかる手段により、TFTの多層構造内の選択的な層をエッチングすることが可能になる。図はかかる構造の「活性」層のエッチングを示している。この活性層は導電性材料でもよく、導電性が層の一部のみに限定されるように形状形成されなければならない。この例は、一連の工程において活性層20が基板21に塗布され、その後、感光硬化性材料のインクジェットによるパターン22が前記活性層上に形成される(図4c)様子を示している。レーザー光が感光硬化性材料に集光され、その上の細線パターンを露光する。レーザー光が感光硬化性材料を照射した部分では、前記線が硬化され、所望のパターン23を形成する(図4d)。未硬化材料がその後洗い流され(図4e)、硬化された材料で覆われていない活性層の領域がエッチングされる(図4e)。エッチング終了後、硬化された材料で形成されたパターンが化学的に、または他の適切な方法で除去される。この方法により、図4gに示されるように、活性層が精密なパターン24となる。本発明の方法を使用することにより、従来のように活性層表面を感光硬化性材料で完全に被覆する必要がないため感光硬化性材料を節約できることを、当業者は理解できるであろう。本発明の方法はまた、未硬化の感光性材料がほとんど無いので、その除去や洗浄を簡便にし、従って欠陥も低減する。
【0028】
図5a〜図5gは、リソグラフィーを使用した同様の方法における一連の工程を示す実体図である。このように、一連の工程において、活性層30が基板31上に塗布され、感光硬化性材料32がインクジェット法により付与されその層が形成される(図5c)。線が形成される領域のみが被覆されていれば十分なので、基板の全領域を被覆する必要はない。このためインクジェット印刷を適用できる。これにより、浸漬またはスピニングにより基板の全領域を被覆していた従来のリソグラフィー工程と比較して、感光硬化性材料の使用量を著しく削減できる。マスク33を使用して感光硬化性材料上に細線のパターンを露光し、所望のパターンが硬化される(図5d)。前記感光硬化性材料32の未硬化領域は、その後洗い流されて、線34のパターンが現れる(図5e)。硬化された材料によって被覆されていない前記活性層のこれらの領域は、その後エッチングされる(図5f)。エッチング終了後、硬化された材料により形成されているパターンが化学的に、または他の適切な方法で除去される。この方法により、図5gに示されるように、精密なパターン35状に形成された活性層が得られる。
【0029】
精密な線の形成以外にも、これら方法のどちらも、まず非硬化性、非接着性の材料に溝で輪郭を描き、次いでその溝を硬化性材料で印刷して得られる他の形状に適用可能である。基板を洗浄すると、溝であった領域内の材料のみが基板上に残る。このように、本明細書および添付されたクレームの文脈において、「形状(geometry)」という用語はなんらかの中実形状を含意して使用され、前記中実形状は規則的であっても、不規則的であってもよい。また、「線(line)」という用語は、まっすぐである、折れている、または湾曲している、もしくはこれら特徴の組み合わせを有する、ある程度の長さを有するものを含意して使用される。
【0030】
<信頼性>
インクジェット印刷の主要な問題点の一つは、ノズルの信頼性である。ノズルの信頼性の問題はいくつかの形態がある。
【0031】
・軽度の故障(ノズルが作動しないが整備により回復できる)
・重度の故障(ノズルが恒常的に使用不可)
・誤った方向性
・過小な液滴量
非常に細い線に欠陥があると、その線が機能しなくなる可能性がある。オフセット印刷加工に使用される前述のカラーフィルタの場合、ブラックマトリクスセルに少しでも欠陥が有ると、隣接するセルの二つの異なる色が混ざり、それによってフィルタリングされる画素を不良にすることになる。
【0032】
本発明の第一の方法は、加工の信頼性を増し、前記問題をある程度解消しようとするものである。これは図6および図7にそれぞれ概略的に示されているシステム40および50により達成できる。これらの図では類似の部材は同じ参照符号により示されている。システム40、50はどちらも、印刷ノズル41(第一ノズル)を備え、その下流側に、印刷ノズル41が液滴を実際に吐出したかどうかを検出する光学検出器42が配置される。検出は、図6に示されるように印刷ノズル41またはそれにより形成される液滴43の経路で、実際の液滴を「オン・ザ・フライ(on the fly)」で監視するか、または、図7に示されるように基板に実際に印刷されたドットを監視することにより、行われる。もしドットが配置されていないか、または、正しい位置に配置されていなければ、光学検出器42に応答可能に接続され所定の制御アルゴリズムに従って作動する制御器45によって制御される補助ノズル44(第二ノズル)が第二の液滴46を吐出し、それが第一の液滴43の代わりとなるかまたはそれを補完する。所望のパターンに応じて印刷された像を、第二ノズル44の下流側のレーザー47が硬化または乾燥させる。この一連の工程は、第一ノズル41、検出器42、第二ノズル44、およびレーザー47の相対的な位置関係と、基板と印刷システムとの間の相対的な動きが正しく設定された構成により達成される。液滴は基板の上に配置された直後に硬化されてもよく、または、インクパターンが完全に形成された後に硬化されてもよい。
【0033】
別の方法としては、パターンを印刷するための一つ以上の余剰のノズルを使用して、所望のパターンの形状が完全となる可能性を上げ、それによりレーザー作業に十分なサイズのパターンを基板上に設ける方法がある。これは、インクジェットにより形成された線が連続的でさえあればその正確な形は重要ではないため、一層簡単に実施できる方法である。正確な形状形成はレーザー硬化により達成すればよい。
【0034】
<化学反応により硬化される2つの材料を使用することによる細線の形成>
図8a〜図8dは、第一の方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。この方法では、第一材料で第一の線50が印刷され、それに平行な第二の線51が第二材料で、第一の線と重複して重複領域52を形成するように印刷される。第一および第二の線は、互いに接触したときに化学的または物理的反応をおこして接触部分で線を硬化するが(エポキシ接着剤のように)、2つの線が重複しない領域では何も影響を及ぼさないような材料で形成される。前記反応は従って前記重複領域52のみに限定され、硬化されない残りの部分は一定の時間の後に洗い流される(過剰硬化を防止するため)。
【0035】
図9a〜図9dは、第二の方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。この方法では、第一および第二の線60および61が、公知の方法で洗い流すことができる第一材料で基板上に印刷される。それに平行な第三の線62が第二材料で、第一および第二の線60、61と重複してその2つの線のあいだの中間領域63を覆うように印刷される。第二材料は、通常の状態で公知の硬化時間(大気温度に左右されてもよい)後に空気中で硬化するような材料である。また、たとえば光、熱等の公知の方法で乾燥または硬化されうる材料であってもよい。それにより、前記2つの線60および61の間の領域63が第三の線62の硬化性の第二材料によって充填され、前記第二材料が硬化し基板に付着することが可能である。前記基板は洗浄され、前記第一および第二の線60および61は、これらと重複する第三の線62の残りの部分とともに洗い流される。第一および第二の線を完全に洗い流すことができれば、2つの線60および61と重複する第三の線63の部分もまた硬化したとしても、その第三の線の硬化した部分も洗浄の際に同様に除去されるので、問題ない。
【0036】
ただし、望ましくは、第二材料が、第一および第二の線60および61を形成する第一材料と接触したときに、第二材料の硬化を防ぐ化学的または物理化学的反応をおこす一方で、第一と第二の線に重複しない第三の線の領域、すなわち領域63には影響を及ぼさないような材料であればよい。これにより、より簡単に余剰の材料を洗い流すことができる。
【0037】
<別個の色インクを重ねることによるインクジェットでの細線形成>
この方法はカラーフィルタのみに適用され、多様な形状を形成するための前記の方法の一つと組み合わせて使用してもよい。この方法は三原色(RGB)インクを使用して、色と色とを分離するために使用されるブラックマトリクスを形成する。その作製方法は、図8を参照して記載された前述の方法と同様である。
【0038】
第一の工程では、第一のRGBインクが印刷される。第二の工程では、第一のRGBインクに重複するように第二のRGBインクが印刷される。2つのインクが重複部分間で、重複部分が黒に変わるような化学反応を起こす。このようにして色と色との間の境界ごとにブラックマトリクスが形成される。最終工程で、前記インクが硬化または乾燥される。かかる方法は、カラーオフセット印刷、たとえば液晶表示装置などのカラー表示装置の製造に使用され、これにより各画素の三つのRGB成分がインクジェットを使用して印刷でき、重複部分を黒にすることができる。
【0039】
<インクジェット印刷と集光レーザービームによる除去との組み合わせの使用>
まずおおまかな線または形状をインクジェット法で形成し、その後レーザーで精密な形状に調整するという、図3a〜図3bを参照して記載した前記の原理を、インクの一部を除去するためにレーザービームを使用する場合にも適用することができる。
【0040】
図10a〜図10dはかかる方法の一連の工程を示す実体図である。レーザービームで除去(ablate)可能な材料70の線を印刷する。レーザービームを使用して四辺すべてについてアブレーションをおこない、部分71、72、73、および74が取り除かれる。これにより、基板上に残留しているのは、はっきりした縁と所望の幅を有する細く精密な線75である。制御された高精度のアブレーションを行うためには、たとえばエキシマレーザーを使用できる。
【0041】
<本発明の原理が適用できるその他の分野>
本発明は特に細線形成に関して記載されているが、本発明の原理はいかなる幾何学的形状にも適用可能であると理解されるべきである。たとえば、回路パッドおよび導電性配線を画定するアートワーク(artwork)を使用してプリント回路基板を製造することが知られており、このアートワークは通常プリント回路基板の活性層を露光する際に使用されるマスクとして使用されるが、本発明はこのアートワークが直接プリント回路基板に描画されるようにし、マスクを不要とする。かかる方法において、活性層(通常は銅)にまず感光硬化性材料が塗布され、その露光部分が硬化する。未硬化材料が洗い流されて活性銅層の不要な領域がすべて露出されエッチングされるが、保全すべき活性銅層の領域は影響を受けない。かかる方法において、活性層の大部分が廃棄される。
【0042】
しかし、本発明の原理では、インクジェット技術を使用して塗布される導電性インクを使用して銅配線とパッド(すなわちアートワーク)を直接絶縁基板上に描画し、保全すべき部分を硬化しそれ以外を洗い流すことにより、余剰のインクを除去する。あるいは、余剰領域をアブレーションした後に、またはその前に、それ以外の材料を硬化する。かかる方法では、除去する余剰導電性材料がはるかに少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1a】図1aおよび図1bは、従来のインクジェット技術を使用して並置された一連のインク滴により形成された線の実体図である。
【図1b】図1aおよび図1bは、従来のインクジェット技術を使用して並置された一連のインク滴により形成された線の実体図である。
【図2a】図2aおよび図2bは、インクジェット技術にさらに内在的なゆがみがある場合の、一連の並置されたインク滴により形成された線の実体図である。
【図2b】図2aおよび図2bは、インクジェット技術にさらに内在的なゆがみがある場合の、一連の並置されたインク滴により形成された線の実体図である。
【図3a】図3a〜図3cは、あとでレーザー硬化を行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図3b】図3a〜図3cは、あとでレーザー硬化を行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図3c】図3a〜図3cは、あとでレーザー硬化を行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4a】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4b】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4c】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4d】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4e】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4f】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図4g】図4a〜図4gは、あとでエッチングを行うインクジェット援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5a】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5b】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5c】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5d】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5e】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5f】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図5g】図5a〜図5gは、あとでエッチングを行うリソグラフィー援用方法により形成される、線形成の一連の工程を示す実体図である。
【図6】図6および図7はそれぞれ、本発明のシステムの実体図である。
【図7】図6および図7はそれぞれ、本発明のシステムの実体図である。
【図8a】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図8b】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図8c】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図8d】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図9a】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図9b】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図9c】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図9d】図8a〜図8dおよび図9a〜図9dはそれぞれ、ある方法によって反応性材料の平行線間の反応領域に線を形成する一連の工程を示す実体図である。
【図10a】図10a〜10dは、並置されたインクジェット液滴の除去により形成される線の形成における一連の工程を示す実体図である。
【図10b】図10a〜10dは、並置されたインクジェット液滴の除去により形成される線の形成における一連の工程を示す実体図である。
【図10c】図10a〜10dは、並置されたインクジェット液滴の除去により形成される線の形成における一連の工程を示す実体図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に所望の寸法の形状(24、35)を形成する方法であって、
材料の一連の液滴(43)を前記基板上に滴下して、その境界内に前記形状がおさまるような十分な寸法のパターン(22、32)を形成する工程と、
前記形状を画定する前記パターンの内側部分を囲む、前記パターンの余剰領域を除去する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記パターンの前記余剰領域は、前記形状を画定する前記パターンの領域を硬化し、未硬化材料をすべて除去することにより除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記形状はレーザービームを使用して硬化される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記液滴は、基板上に配置された直後に硬化される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記液滴は、前記インクパターンが完全に形成された後に硬化される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記パターンの余剰領域は、前記形状(75)を囲む、前記パターンの少なくとも一つの余剰領域(71、72、73、74)をアブレーションすることにより除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
レーザーを使用して、制御された高精度のアブレーションを行う、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記形状を画定する前記パターンの領域を硬化する工程をさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記液滴を監視し、液滴の欠落または形成不良を補正する工程をさらに含む、前記の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記補正は一つ以上の補助インクジェットプリンターヘッドにより行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
液滴の欠落または形成不良の可能性を低減するために前記液滴のいくつかを重ね合わせて形成する工程をさらに含む、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記重ね合わせは一つ以上の補助インクジェットプリンターヘッドにより行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記材料はインクである、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記材料は、各々がその境界内に一つ以上の線をおさめるのに十分である前記基板の別個の領域のみに付与される、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記材料は感光硬化性材料である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
マスクを介して前記感光硬化性材料を露光し、前記形状に対応して前記材料を硬化する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記感光硬化性材料(32)が基板(31)上の活性層(30)に付与され、前記方法はさらに、
マスクを介して前記感光硬化性材料を露光し、前記形状に対応して前記材料を硬化する工程と、
前記感光硬化性材料(32)の未硬化領域を洗い流して前記形状(34)を現出させる工程と、
前記活性層の、硬化した材料で被覆されていない領域をエッチングする工程と、
前記硬化した材料で形成されたパターンを除去する工程とを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記感光硬化性材料は、各々がその境界内に一つ以上の形状をおさめるのに十分である前記基板上の前記活性層の別個の領域のみに付与される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
第一材料で第一形状(50)をインクジェット印刷する工程と、
前記第一材料と接触する部分では硬化し重複しない部分には影響がおよばないような、前記第一材料と接触による反応をおこす第二材料で、前記第一形状と重複して重複領域(52)を形成するように、ほぼ平行な第二形状(51)をインクジェット印刷する工程と、
硬化しなかった前記第一および第二材料を洗い流す工程とを含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
ほぼ平行で非接触な第一形状(60)および第二形状(61)を、前記基板から洗い流せる第一材料を使用してインクジェット印刷する工程と、
前記第一および第二の線(60、61)の間の隙間(63)を被覆し、前記第一および第二の線に重複し、ほぼ平行な第三形状(62)を、第二材料を使用してインクジェット印刷する工程と、
前記第一および第二形状(60、61)の間の前記隙間(63)で前記第二材料を硬化して前記基板に接着させる工程と、
前記基板を洗浄して、前記第一および第二形状(60、61)を、それらと重複する第三形状(62)の部分とともに洗い流す工程とを含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
第一材料を第一領域にインクジェット印刷して第一原色を形成する工程と、
前記第一原色に重複して重複領域を形成するように、第二材料を第二領域にインクジェット印刷して第二原色を形成する工程とを含む方法であって、
前記第一および第二材料は接触により反応し黒色を呈する、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
基板上に所望の幅の細線を形成する方法であって、
アブレーション可能な材料の一連の液滴を前記基板上に滴下して、その境界内に前記所望の幅の線(75)がおさまるような十分な寸法のパターン(70)を形成する工程と、
前記線を囲む、前記パターンの少なくとも一つの余剰領域(71、72、73、74)をアブレーションする工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
第一ノズル(41)と、
前記第一ノズル(41)の下流側に設置され、前記第一ノズルがインクジェット材料からなる第一液滴(43)を適切に配置したかどうかを検出する光学検出器(42)と、
前記光学検出器(42)の下流側に設置された補助ノズル(44)と、
前記光学検出器(42)と前記補助ノズル(44)とに接続され、前記第一ノズルがインクジェット材料からなる液滴を適切に配置しなかったことを検出した前記光学検出器(42)に応答して前記第二ノズルが前記第一液滴(43)の代わりとなるかまたはそれを補完する第二液滴(46)を吐出するよう制御する制御器(45)と、
前記第二ノズル(44)の下流側に設置され、一連の液滴の境界内に形成されるパターンを硬化または乾燥させるレーザー(47)とを備えたことを特徴とする、インクジェット印刷システム(40、50)。
【請求項24】
前記光学検出器(42)は、前記第一ノズル(41)またはそれにより形成される液滴(43)の経路を監視し、実際の液滴を「オン・ザ・フライ(on the fly)」で検出するように構成されている、請求項23に記載のインクジェット印刷システム。
【請求項25】
前記光学検出器(42)は前記基板に印刷されたドットを監視するように構成されている、請求項23に記載のインクジェット印刷システム。
【請求項1】
基板上に所望の寸法の形状(24、35)を形成する方法であって、
材料の一連の液滴(43)を前記基板上に滴下して、その境界内に前記形状がおさまるような十分な寸法のパターン(22、32)を形成する工程と、
前記形状を画定する前記パターンの内側部分を囲む、前記パターンの余剰領域を除去する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記パターンの前記余剰領域は、前記形状を画定する前記パターンの領域を硬化し、未硬化材料をすべて除去することにより除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記形状はレーザービームを使用して硬化される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記液滴は、基板上に配置された直後に硬化される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記液滴は、前記インクパターンが完全に形成された後に硬化される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記パターンの余剰領域は、前記形状(75)を囲む、前記パターンの少なくとも一つの余剰領域(71、72、73、74)をアブレーションすることにより除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
レーザーを使用して、制御された高精度のアブレーションを行う、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記形状を画定する前記パターンの領域を硬化する工程をさらに含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記液滴を監視し、液滴の欠落または形成不良を補正する工程をさらに含む、前記の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記補正は一つ以上の補助インクジェットプリンターヘッドにより行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
液滴の欠落または形成不良の可能性を低減するために前記液滴のいくつかを重ね合わせて形成する工程をさらに含む、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記重ね合わせは一つ以上の補助インクジェットプリンターヘッドにより行われる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記材料はインクである、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記材料は、各々がその境界内に一つ以上の線をおさめるのに十分である前記基板の別個の領域のみに付与される、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記材料は感光硬化性材料である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
マスクを介して前記感光硬化性材料を露光し、前記形状に対応して前記材料を硬化する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記感光硬化性材料(32)が基板(31)上の活性層(30)に付与され、前記方法はさらに、
マスクを介して前記感光硬化性材料を露光し、前記形状に対応して前記材料を硬化する工程と、
前記感光硬化性材料(32)の未硬化領域を洗い流して前記形状(34)を現出させる工程と、
前記活性層の、硬化した材料で被覆されていない領域をエッチングする工程と、
前記硬化した材料で形成されたパターンを除去する工程とを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記感光硬化性材料は、各々がその境界内に一つ以上の形状をおさめるのに十分である前記基板上の前記活性層の別個の領域のみに付与される、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
第一材料で第一形状(50)をインクジェット印刷する工程と、
前記第一材料と接触する部分では硬化し重複しない部分には影響がおよばないような、前記第一材料と接触による反応をおこす第二材料で、前記第一形状と重複して重複領域(52)を形成するように、ほぼ平行な第二形状(51)をインクジェット印刷する工程と、
硬化しなかった前記第一および第二材料を洗い流す工程とを含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
ほぼ平行で非接触な第一形状(60)および第二形状(61)を、前記基板から洗い流せる第一材料を使用してインクジェット印刷する工程と、
前記第一および第二の線(60、61)の間の隙間(63)を被覆し、前記第一および第二の線に重複し、ほぼ平行な第三形状(62)を、第二材料を使用してインクジェット印刷する工程と、
前記第一および第二形状(60、61)の間の前記隙間(63)で前記第二材料を硬化して前記基板に接着させる工程と、
前記基板を洗浄して、前記第一および第二形状(60、61)を、それらと重複する第三形状(62)の部分とともに洗い流す工程とを含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
第一材料を第一領域にインクジェット印刷して第一原色を形成する工程と、
前記第一原色に重複して重複領域を形成するように、第二材料を第二領域にインクジェット印刷して第二原色を形成する工程とを含む方法であって、
前記第一および第二材料は接触により反応し黒色を呈する、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
基板上に所望の幅の細線を形成する方法であって、
アブレーション可能な材料の一連の液滴を前記基板上に滴下して、その境界内に前記所望の幅の線(75)がおさまるような十分な寸法のパターン(70)を形成する工程と、
前記線を囲む、前記パターンの少なくとも一つの余剰領域(71、72、73、74)をアブレーションする工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
第一ノズル(41)と、
前記第一ノズル(41)の下流側に設置され、前記第一ノズルがインクジェット材料からなる第一液滴(43)を適切に配置したかどうかを検出する光学検出器(42)と、
前記光学検出器(42)の下流側に設置された補助ノズル(44)と、
前記光学検出器(42)と前記補助ノズル(44)とに接続され、前記第一ノズルがインクジェット材料からなる液滴を適切に配置しなかったことを検出した前記光学検出器(42)に応答して前記第二ノズルが前記第一液滴(43)の代わりとなるかまたはそれを補完する第二液滴(46)を吐出するよう制御する制御器(45)と、
前記第二ノズル(44)の下流側に設置され、一連の液滴の境界内に形成されるパターンを硬化または乾燥させるレーザー(47)とを備えたことを特徴とする、インクジェット印刷システム(40、50)。
【請求項24】
前記光学検出器(42)は、前記第一ノズル(41)またはそれにより形成される液滴(43)の経路を監視し、実際の液滴を「オン・ザ・フライ(on the fly)」で検出するように構成されている、請求項23に記載のインクジェット印刷システム。
【請求項25】
前記光学検出器(42)は前記基板に印刷されたドットを監視するように構成されている、請求項23に記載のインクジェット印刷システム。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図4g】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図5f】
【図5g】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図4f】
【図4g】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図5f】
【図5g】
【図6】
【図7】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図9d】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【公表番号】特表2007−504661(P2007−504661A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−525262(P2006−525262)
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000792
【国際公開番号】WO2005/022969
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(506072907)ピクスドロ エルティーディー. (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000792
【国際公開番号】WO2005/022969
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(506072907)ピクスドロ エルティーディー. (2)
【Fターム(参考)】
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