説明

エンドエフェクタ及びこれを有する基板移送ロボット

【課題】エンドエフェクタを含む基板移送ロボットを提供すること。
【解決手段】前記エンドエフェクタは、リストプレートと、垂直方向に移動自在に前記リストプレートに連結され、第1基板を支持するための第1ブレードと、前記第1ブレードと隣接するように前記リストプレートに連結され、第2基板を支持するための第2ブレードと、を含む。昇降ユニットは、前記第1基板が前記第1ブレードによって支持されるように前記第1ブレードを上方に移動させ、前記第2基板が前記第2ブレードによって支持されるよう前記第1ブレードを下方に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンドエフェクタ及びこれを有する基板移送ロボットに係り、より詳細には基板を移送するために前記基板をピックアップしたり、装着させたりするエンドエフェクタ及び前記エンドエフェクタを用いて特定位置に基板を移送する基板移送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体素子の製造工程は、大きく半導体ウエハのような基板上に所定膜を蒸着する工程、前記蒸着された膜上にフォトレジストパターンを形成するための写真工程、前記フォトレジストパターンを用いて目的とする回路パターンを形成するエッチング工程、エッチング工程を行った後に前記基板を洗浄する工程、などを含むことができる。
【0003】
このような各工程を行う半導体製造装置の多くは高真空雰囲気下で特定の工程を行う密閉されたチャンバ設備を含む。チャンバ設備は、工程チャンバ、移送チャンバ、及びバッファチャンバを含む。前記工程チャンバとバッファチャンバは、前記移送チャンバの周囲に配置される。前記移送チャンバ内には、工程チャンバとバッファチャンバとの間で半導体基板を移送する基板移送ロボットが配置される。
【0004】
前記基板の移送ロボットの一例は、特許文献1に開示されている。
図1は、従来の基板移送ロボットを説明するための斜視図である。
図1を参照すると、従来の基板移送ロボットは、ハウジング10上に装着されたベースアーム20、ベースアーム20の先端部に締結された第1及び第2先端アーム(30、40)、及び第1及び第第2先端アーム(30、40)の先端部に回転自在にそれぞれ締結された第1及び第2ブレード(51、53)を含む。基板移送ロボットは、第1及び第2ブレード(51、53)を用いてバッファチャンバと工程チャンバとの間に半導体基板(W1、W2)を移送する。
【0005】
一般的に、半導体基板は工程チャンバ内でエッチング液またはエッチングガスを用いて処理することができる。前記半導体基板上に残留する反応副産物、エッチング液などのような汚染物質は洗浄工程を通じて除去することができ、その後前記半導体基板に対する乾燥工程を行うことができる。
【0006】
一方、前記汚染物質を除去するための洗浄工程を行うために前記半導体基板を移送する場合、前記第1及び第2ブレード(51、53)を前記半導体基板によって汚染されるおそれがある。また、前記洗浄工程を行った後、前記汚染された第1及び第2ブレード(51、53)を用いて前記洗浄された半導体基板を移送する場合、前記洗浄された半導体基板が前記汚染された第1及び第2ブレード(51、53)によって再汚染されるおそれがある。
【0007】
前記のような問題点を解決するために、前記汚染物質の残留する半導体基板は、前記第1及び第2ブレード(51、53)のいずれによって移送することができ、前記洗浄された半導体基板は、前記第1及び第2ブレード(51、53)の残りの一つによって移送することができる。例えば、前記第1ブレード51が前記汚染物質が残留する半導体基板を移送する場合、前記第2ブレード53は、前記洗浄された半導体基板を移送することができる。結果的に、前記第1及び第2ブレード(51,53)を含む基板移送装置のスループットが低下するおそれがある。即ち、前記半導体基板を移送するのに所要される時間が増加するおそれがある。
【特許文献1】特開2002−158272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の第一の目的は、複数の基板を同時にピックアップしうるエンドエフェクタを提供することにある。
本発明の他の目的は、複数の基板を同時にピックアップしうるエンドエフェクタを含む基板移送ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための本発明の一態様によるエンドエフェクタは、リストプレートと、垂直方向に移動自在に前記リストプレートに連結され、第1基板を支持するための第1ブレードと、前記第1ブレードと隣接するように前記リストプレートに連結され、第2基板を支持するための第2ブレードと、を含むことができる。
【0010】
本発明によると、前記エンドエフェクタは、前記第1ブレードが前記第1基板を支持するように前記第1ブレードを上方に移動させ、前記第2ブレードが前記第2基板を支持するように前記第1ブレードを下方に移動させる昇降ユニットを更に含むことができる。
【0011】
本発明の実施例によると、前記昇降ユニットは、前記第1ブレードを移動させるための駆動部及び前記駆動部を制御するための制御部を含むことができる。
本発明の実施例によると、前記第1基板は、処理される基板および処理された基板のいずれかであり、前記第2基板は、前記処理される基板および処理された基板の残りの一枚であってもよい。
【0012】
本発明の実施例によると、前記エンドエフェクタは、前記第1及び第2ブレードの端部上に配置され、前記第1及び第2基板が前記第1及び第2ブレードから落ちることを防止するためのストッパーを更に含むことができる。
【0013】
前記目的を達成するための本発明の他の態様による基板移送ロボットは、回転自在のハウジングと、前記ハウジングに回転自在に連結された下部アームと、前記下部アームの端部に回転自在に連結された上部アームと、前記上部アームの端部に回転自在に連結されたエンドエフェクタを含むことができる。前記エンドエフェクタは、リストプレート、前記リストプレートに垂直方向に移動自在に連結されて第1基板を支持するための第1ブレード、及び前記第1ブレードと隣接するように前記リストプレートに連結されて第2基板を支持するための第2ブレード、を含むことができる。
【0014】
本発明の実施例によると、前記エンドエフェクタは、前記第1ブレードが前記第1基板を支持するように前記第1ブレードを上方に移動させ、前記第2ブレードが前記第2基板を支持するように前記第1ブレードを下方に移動させる昇降ユニットを更に含むことができる。
【0015】
本発明の実施例によると、前記昇降ユニットは、前記第1ブレードを移動させるための駆動部及び前記駆動部を制御するための制御部を含むことができる。
本発明の実施例によると、前記エンドエフェクタは、前記第1及び第2ブレードの端部上に配置され、前記第1及び第2基板が前記第1及び第2ブレードから落ちることを防止するためのストッパーを更に含むことができる。
【0016】
本発明の実施例によると、前記基板移送ロボットは、前記上部アームの端部に回転自在に連結された第2リストプレート、前記第2リストプレートに垂直方向に移動自在に連結されて第3基板を支持するための第3ブレード、及び前記第3ブレードと隣接するように前記第2リストプレートに連結されて第4基板を支持するための第4ブレードを含む第2エンドエフェクタを更に含むことができる。
【0017】
本発明の実施例によると、前記第2エンドエフェクタは、前記第3ブレードが前記第3基板を支持するように前記第3ブレードを上方に移動させ、前記第4ブレードが前記第4基板を支持するように前記第3ブレードを下方に移動させる第2昇降ユニットを更に含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
前述したような本発明の実施例によると、エンドエフェクタは、処理される基板と処理された基板とをそれぞれピックアップするための第1ブレードと第2ブレードとを含むことができる。即ち、前記エンドエフェクタは、汚染された基板と洗浄された基板とのいずれをもピックアップすることができるので、前記エンドエフェクタを含む基板移送ロボットのスループットが向上する。
【0019】
また、前記基板移送ロボットが複数のエンドエフェクタを含む場合、複数の汚染された基板または複数の洗浄された基板を同時にピックアップすることができるので、前記基板を移送するのに所要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を添付する図面を参照して更に詳細に説明する。
図2は、本発明の一実施例によるエンドエフェクタを説明するための平面図であり、図3は、図2のI−I’線に沿って見た断面図である。
【0021】
図2及び図3を参照すると、本発明の一実施例によるエンドエフェクタ100は、シリコンウエハのような半導体基板をピックアップして移送するために用いることができる。前記エンドエフェクタ100は、リストプレート110、第1ブレード120及び第2ブレード130を含む。
【0022】
前記リストプレート110は、基板移送ロボットのフレーム(図示せず)に連結することができる。前記リストプレート110は、前記第1及び第2ブレード(120、130)と連結され、第1及び第2ブレード(120、130)を支持する役割を果たす。
【0023】
前記リストプレート110は、例えば、その内部に空く空間が形成された中空型プレートであってもよい。前記リストプレート110上には半導体基板をセンシングするセンサ部(図示せず)を配置してもよい。前記センサ部は、例えば、光を用いて前記半導体基板を感知する光センサであってもよい。
【0024】
前記第1ブレード120は、前記リストプレート110の先端部に連結される。前記第1ブレード120は、相互離隔して第1基板をピックアップする複数の第1フィンガ121を含む。
【0025】
前記第1ブレード120が第1基板を支持するとき、前記第1ブレード120の先端部、即ち、前記複数の第1フィンガ121の先端部は下方に撓るおそれがある。本発明の一実施例において、それぞれの第1フィンガ121は、リストプレート110の先端部から前記第1フィンガ121の先端部に向って次第に減少する厚さを有することができる。結果的に、前記第1フィンガ121の先端部に向って前記第1フィンガ121の荷重が次第に減少し、これによって前記第1フィンガ121の撓りを減少させることが可能である。
【0026】
一方、前記第1ブレード120は、前記第1基板が前記第1ブレード120から落ちることを防止するための複数の第1ストッパー125を有することができる。例えば、前記複数の第1ストッパー125は、前記複数の第1フィンガ121の先端部上に配置することができる。
【0027】
本発明の一実施例において、それぞれの第1フィンガ121は、複層構造を有することができる。例えば、それぞれの第1フィンガ121は、第1硬度を有する第1セラミック層126及び前記第1セラミック層126上に配置され、前記第1硬度より低い第2硬度を有する第2セラミック層128を含むことができる。例えば、第2セラミック層128はイットリウム酸化物(Y)で形成することができる。
【0028】
図示したように、前記第1ブレード120が一対の第1フィンガ121を含んでいるが、前記第1ブレード120は一つの内側フィンガを有することもできる。
前記第2ブレード130は、前記リストプレート110の先端部に連結される。前記第2ブレード130は、第1ブレード120の外側に配置してもよい。特に、前記第2ブレード130は、第2基板を支持するための複数の第2フィンガ131を含むことができ、前記複数の第2フィンガ131は前記第1フィンガ121の外側面と隣接するようにそれぞれ配置することができる。
【0029】
前記第2ブレード130が第2基板を支持するとき、第2ブレード130の先端部、即ち前記第2フィンガ131の先端部は下方に撓ることができる。本発明の一実施例において、それぞれの第2フィンガ131はリストプレート110の先端部から前記複数の第2フィンガ131の先端部に向って次第に減少する厚さを有することができる。結果的に、前記複数の第2フィンガ131の先端部に向って前記複数の第2フィンガ131の荷重が次第に減少し、これによって前記複数の第2フィンガ131の撓りを減少させることができる。
【0030】
一方、前記第2ブレード130は、前記第2基板が前記第2ブレード130から落ちることを防止するための複数の第2ストッパー135を有することができる。例えば、前記複数の第2ストッパー135は、前記複数の第2フィンガ131の先端部上に配置することができる。
【0031】
前記エンドエフェクタ100は、昇降ユニット140を更に含むことができる。前記リストプレート110が中空型プレートである場合、前記昇降ユニット140は、前記リストプレート110内に形成された中空を通じて前記第1ブレード120を垂直方向に移動させるための駆動力を伝達する。
【0032】
図示していないが、前記昇降ユニット140は、前記第1ブレード120を移動させるための駆動部と前記駆動部を制御するための制御部を含むことができる。前記駆動部としては油圧シリンダまたは空気圧シリンダ、及びソレノイドを用いることができる。
【0033】
例えば、前記昇降ユニット140は、前記第1ブレード120を前記リストプレート110を基準として垂直方向に移動させることができる。前記第1ブレード120が前記昇降ユニット140によって第2ブレード130より高く位置した場合、前記第1基板が前記第1ブレード120によって支持されることが可能である。これとは相違に、前記第1ブレード120が前記昇降ユニット140によって前記第2ブレード130より低く位置された場合、前記第2基板が前記第2ブレード130によって支持されることが可能である。
【0034】
例えば、前記第1基板は、エッチング工程の行われた基板であってもよく、前記第2基板は、エッチング工程が行われる基板または洗浄工程が行われた基板であってもよい。即ち、第1基板上には反応副産物及び/またはエッチング液のような汚染物質が残留するおそれがあり、前記第1ブレード120は、前記第1基板によって汚染されるおそれがある。しかし、前記第1基板は、前記第1ブレード120が前記昇降ユニット140によって前記第2ブレード130より高く位置した状態で前記第1ブレード120によって支持されるので、前記第2ブレード130は汚染されない。よって、前記第2基板の汚染を防止することができる。
【0035】
本発明の他の実施例によると、前記エンドエフェクタ100は、複数の第1ブレードと複数の第2ブレードとを含むことができ、前記第1ブレードは一つ以上の昇降ユニットによって垂直方向に移動することができる。この場合、前記エンドエフェクタ100は複数の基板を同時にピックアップすることができ、前記基板の汚染を防止することができる。
【0036】
図4は、本発明の他の実施例による基板移送ロボットを説明するための斜視図である。図5は、図4に示した基板移送ロボットを説明するための断面図である。図6は、図4に示した第1及び第2エンドエフェクタを説明するための平面図である。
【0037】
図4及び図5を参照すると、本発明の他の実施例による基板移送ロボット200は、回転自在のハウジング205、前記ハウジング205に回転自在に連結された下部アーム201、前記下部アーム201に回転自在に連結された上部アーム301、及び前記上部アーム301に回転自在に連結された第1エンドエフェクタ401を含む。前記ハウジング205、下部アーム201、上部アーム301、及びエンドエフェクタ401は、第1、第2、第3、及び第4駆動ユニット(260、250、350、450)によってそれぞれ回転することができる。
【0038】
前記ハウジング205は、円筒形状を有する。前記ハウジング205は、第1駆動ユニット260によって回転される。前記第1駆動ユニット260は、第1モーター261、前記第1モーター261の回転軸に連結された第1モータープーリー262、前記ハウジング205の中央下部に連結された回転軸265、前記回転軸265の下端に連結されたハウジングプーリー264、及び第1モータープーリー262とハウジングプーリー264とを連結する第1ベルト263を含む。これとは違って、前記第1モーター261をハウジング205の底面中央下部に直接連結することができる。前記ハウジング205の内部には駆動ボックス206が配置される。
【0039】
一方、下部回転軸210を前記下部アーム201の第1端部に連結することができる。前記下部回転軸210は、中空軸であってもよい。前記下部回転軸210は、前記下部アーム201の第1端部から下方に延長することができ、前記ハウジング205内で前記駆動ボックス206に連結することができる。また、前記下部アーム201は、前記駆動ボックス206によって回転することができる。
【0040】
前記上部アーム301は、下部アーム201と実質的に同一の幅を有することができ、前記上部アーム301は、前記下部アーム201の第2端部に連結することができる。また、前記上部アーム301は、前記駆動ボックス206によって回転することができる。上部アーム301の第1端部と下部アーム201の第2端部は、上部回転軸310によって連結されることが可能である。
【0041】
前記第1エンドエフェクタ401は、前記上部アーム301の第2端部に回転可能に連結することができる。
図6を参照すると、第1エンドエフェクタ401は、第1リストプレート410、第1ブレード420、及び第2ブレード430を含む。
【0042】
前記第1リストプレート410は、ハウジング205の上面と平行に配置される。第1リストプレート410は、回転軸463によって前記上部アーム301の第2端部に回転自在に連結するができる。第1リストプレート410は、前記第1及び第2ブレード(420、430)を支持する役割を果たす。
【0043】
前記第1リストプレート410は、例えば、それの内部に空く空間が形成された中空型プレートであってもよい。前記第1リストプレート410上には半導体基板をセンシングする第1センサ部(図示せず)を配置することができる。前記第1センサ部は、例えば、光を用いて前記半導体基板を感知する光センサであってもよい。
【0044】
前記第1ブレード420は、前記第1プレート410の先端部に連結される。前記第1ブレード420は、相互離隔されて第1基板をピックアップする複数の第1フィンガ421を含む。
【0045】
一方、前記第1ブレード420は、前記第1基板が前記第1ブレード420から落ちることを防止するための第1ストッパー425を有することができる。例えば、前記第1ストッパー425は、前記第1フィンガ421の先端部上に配置することができる。
【0046】
本発明の一実施例において、それぞれの第1フィンガ421は、複層構造を有することができる。例えば、それぞれの第1フィンガ421は、第1硬度を有する第1セラミック層、及び前記第1セラミック層上に配置され、前記第1硬度より低い第2硬度を有する第2セラミック層を含むことができる。
【0047】
前記第2ブレード430は、前記第1リストプレート410の先端部に連結される。前記第2ブレード430は、第1ブレード420の外側に配置することができる。特に、前記第2ブレード430は、第2基板を支持するための第2フィンガ431を含むことができ、前記第2フィンガ431は前記第1フィンガ421の外側面と隣接するように配置することができる。
【0048】
一方、前記第2ブレード430は、前記第2基板が前記第2ブレード430から落ちることを防止するための第2ストッパー435を有することができる。例えば、前記第2ストッパー435は、前記第2フィンガ431の先端部上に配置することができる。
【0049】
前記第1エンドエフェクタ401は、昇降ユニット440を更に含むことができる。前記第1リストプレート410が中空型プレートである場合、前記昇降ユニット440は、前記第1リストプレート410内に形成された中空を通じて前記第1ブレード420を垂直方向に移動させるための駆動力を伝達する。
【0050】
例えば、前記昇降ユニット440は、前記第1ブレード420を前記第1リストプレート410を基準として垂直方向に移動させることができる。前記第1ブレード420が前記昇降ユニット440によって第2ブレード430より高く位置した場合、前記第1基板が前記第1ブレード420によって支持されることが可能である。これとは違って、前記第1ブレード420が前記昇降ユニット440によって前記第2ブレード430より低く位置した場合、前記第2基板が前記第2ブレード430によって支持されることが可能である。
【0051】
例えば、前記第1基板は、エッチング工程の終わった基板であってもよく、前記第2基板は、エッチング工程の行われる基板または洗浄工程の終わった基板であってもよい。即ち、第1基板上には反応副産物及び/またはエッチング液のような汚染物質が残留するおそれがあり、前記第1ブレード420は前記第1基板によって汚染されるおそれがある。しかし、前記第1基板は前記第1ブレード420が前記昇降ユニット440によって前記第2ブレード430より高く位置された状態で前記第1ブレード420によって支持されるので、前記第2ブレード430が汚染されない。よって、前記第2基板の汚染を防止することができる。
【0052】
本発明の一実施例による基板移送ロボット200は、第2エンドエフェクタ501を更に含むことができる。第2エンドエフェクタ501は、第2リストプレート510、第3ブレード520及び第4ブレード530を含む。前記第3ブレード520は、複数の第3フィンガ521を含むことができ、前記第4ブレード530は複数の第4フィンガ531を含むことができる。また、前記第3フィンガ521と第4フィンガ531の端部上には、それぞれ複数の第3ストッパー525と第4ストッパー535を配置することができる。前記第2リストプレート510、第3ブレード520、及び第4ブレード530についての追加的な詳細説明は前記第1エンドエフェクタ401について既に説明したことと類似であるので、省略する。
【0053】
第3ブレード520は、前記昇降ユニット440によって垂直方向に移動することができる。即ち、前記第3ブレード520が前記昇降ユニット440によって上方に移動された場合、第3基板が前記第3ブレード520によって支持されることができ、前記第3ブレード520が前記昇降ユニット440によって下方に移動された場合、第4基板が前記第4ブレード530によって支持されることができる。
【0054】
本発明の他の実施例によると、前記第2エンドエフェクタ501は、前記第3ブレード520を垂直方向に移動させるための第2昇降ユニット(図示せず)を更に含むことができる。
【0055】
再度、図4及び図5を参照すると、第2駆動ユニット250は、前記駆動ボックス206内に配置された第2モーター251を含む。第2モータープーリー252が前記第2モーター251の回転軸に装着される。下部アームプーリー254が前記下部回転軸210の下端に連結される。第2ベルト253が前記第2モータープーリー252と前記下部アームプーリー254とを連結させる。
【0056】
第3駆動ユニット350は、前記駆動ボックス206内に配置された第3モーター351と、前記下部回転軸210内に配置された上部アームの回転軸355を含む。第3モータープーリー352が第3モーター351の回転軸に装着される。上部アーム駆動プーリー354が上部アーム回転軸355の下端に装着される。第3ベルト353が第3モータープーリー352と上部アーム駆動プーリー354とを連結させる。また、上部アーム従動プーリー356が上部アーム回転軸355の上端に装着される。上部アームメインプーリー358が上部回転軸310に連結される。
【0057】
第4駆動ユニット450は、駆動ボックス206内に配置された第4モーター451と、第1、第2、及び第3スピンドル(455、459、463)を含む。第1スピンドル455は、下部回転軸210内に配置される。第1スピンドル455は中空軸であり、上部アーム回転軸355が第1スピンドル455内に配置される。第2スピンドル459は、上部回転軸310内に配置される。第3スピンドル463は上部アーム301の第2端部内で回転自在に配置され、上方に延長することができる。
【0058】
第4モータープーリー452が前記第4モーター451の回転軸に装着される。第1スピンドル駆動プーリー454が第1スピンドル455の下端に連結される。第5ベルト453が第4モータープーリー452と第1スピンドル駆動プーリー454とを連結させる。第1スピンドル従動プーリー456が第1スピンドル455の上端に連結される。第2スピンドル駆動プーリー458が第2スピンドル459の下端に連結される。第6ベルト457が第1スピンドル従動プーリー456と第2スピンドル駆動プーリー458とを連結させる。第2スピンドル従動プーリー460が第2スピンドル459の上端に連結される。ブレードプーリー462が第3スピンドル463の下端に連結される。第7ベルト461が第2スピンドル従動プーリー460とブレードプーリー462とを連結させる。
【0059】
結果的に、前記ハウジング205、下部アーム201、上部アーム301、第1及び第2エンドエフェクタ(401、501)は、第1、第2、第3、及び第4駆動ユニット(260、250、350、450)によってそれぞれ回転することができる。
【0060】
以下、前記のように構成された本発明による基板移送ロボット200に基板を移送する方法を詳細に説明する。
図7及び図8は、図4に示した基板移送ロボットを用いて基板を移送する方法を説明するための平面図である。
【0061】
図7を参照すると、基板移送ロボット200は、バッファ部(B)と第1、第2、第3、及び第4工程チャンバ(P1、P2、P3、P4)の間に配置された移送チャンバ(T)内に配置される。即ち、移送チャンバ(T)の周囲には第1乃至第4工程チャンバ(P1、P2、P3、P4)及びバッファ部(B)が配置される。
【0062】
まず、昇降ユニット440は、第1エンドエフェクタ401の第1ブレード420及び第2エンドエフェクタ501の第3ブレード520を上昇させる。よって、第1及び第3ブレード(420、520)は第2及び第4ブレード(430、530)に対して高く位置することができる。その後、基板移送ロボット200は、バッファ部(B)に積載された複数の第1基板を第1ブレード420及び第3ブレード520を用いて同時にピックアップする。前記第1基板を前記下部アーム201と上部アーム301によって第1工程チャンバ(P1)の内部に移送することができ、前記第1ブレード420によって支持された第1基板を前記第1工程チャンバ(P1)内に配置されたサポート(図示せず)上にロードすることができる。
【0063】
図8を参照すると、前記基板移送ロボット200は、第2工程チャンバ(P2)に向って移動することができ、その後、前記第3ブレード520によって支持された第1基板を前記第2工程チャンバ(P2)内に配置されたサポート(図示せず)上にロードすることができる。結果的に、前記第1基板は前記基板移送ロボットによって同時にピックアップすることができ、前記第1及び第2工程チャンバ(P1、P2)内部に順次移送することができる。
【0064】
一方、前記第1及び第2工程チャンバ(P1、P2)で処理された基板(以下、第2基板と称する)は、前記基板移送ロボット200によって前記バッファ部(B)に移送することができる。例えば、前記第1及び第2工程チャンバ(P1、P2)では、前記第1基板に対するエッチング工程または洗浄工程をそれぞれ行うことができる。
【0065】
具体的に、前記昇降ユニット440によって前記第1ブレード420と第3ブレード520とが下方に移動することができ、これによって、前記第2ブレード430と第4ブレード530が前記第1ブレード420と第3ブレード520より高く位置することができる。
【0066】
前記第2基板は前記第2及び第4ブレード(430、450)によって順次にピックアップすることができ、前記第1及び第2工程チャンバ(P1、P2)からアンロードされることが可能である。前記アンロードされた第2基板は前記バッファ部(B)に移送することができ、前記バッファ(B)内のサポート(図示せず)上に同時に配設することができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
前述したような本発明の実施例によると、エンドエフェクタは処理される基板と処理された基板それぞれをピックアップするための第1ブレードと第2ブレードとを含むことができる。即ち、前記エンドエフェクタは、汚染された基板と洗浄された基板とのいずれをもピックアップすることができるので、前記エンドエフェクタを含む基板移送ロボットのスループットを向上させることができる。
【0068】
また、前記基板移送ロボットが複数のエンドエフェクタを含む場合、複数の汚染された基板または複数の洗浄された基板とを同時にピックアップすることができるので、前記基板を移送するのに所要する時間を短縮することができる。
【0069】
以上、本発明の実施例によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、当業者であれば本発明の思想と精神を離脱することなく、本発明を修正または変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】従来の基板移送ロボットを説明するための斜視図である。
【図2】本発明の一実施例によるエンドエフェクタを説明するための平面図である。
【図3】図2のI−I’線に沿って見た断面図である。
【図4】本発明の他の実施例による基板移送ロボットを説明するための斜視図である。
【図5】図4に示した基板移送ロボットを説明するための断面図である。
【図6】図4に示した基板移送ロボットを説明するための平面図である。
【図7】図4に示した基板移送ロボットを用いて基板を移送する方法を説明するための平面図である。
【図8】図4に示した基板移送ロボットを用いて基板を移送する方法を説明するための平面図である。
【符号の説明】
【0071】
110 リストプレート
120 第1ブレード
121 第1フィンガ
125 第1ストッパー
126 第1セラミック層
128 第2セラミック層
130 第2ブレード
131 第2フィンガ
135 第2ストッパー
140 昇降ユニット
200 基板移送ロボット
201 下部アーム
205 ハウジング
206 駆動ボックス
262 第1モータープーリー
263 第1ベルト
264 ハウジングプーリー
265 回転軸
301 上部アーム
310 回転軸
352 第3モータープーリー
353 第3ベルト
354 上部アームプーリー
355 上部アーム回転軸
357 第4ベルト
401 エンドエフェクタ
410 第1リストプレート
420 第1ブレード
421 第1フィンガ
425 第1ストッパー
430 第2ブレード
435 第2ストッパー
440 昇降ユニット
450 第4駆動ユニット
451 第4モーター
452 第4モータープーリー
455 第1スピンドル
456 第1スピンドル従動プーリー
457 第6ベルト
459 第2スピンドル
460 第2スピンドル従動プーリー
462 ブレードプーリー
463 第3スピンドル
501 第2エンドエフェクタ
510 第2リストプレート
520 第3ブレード
521 第3フィンガ
530 第4ブレード
531 第4フィンガ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リストプレートと、
垂直方向に移動自在に前記リストプレートに連結され、第1基板を支持するための第1ブレードと、
前記第1ブレードと隣接するように前記リストプレートに連結され、第2基板を支持するための第2ブレードと、を含むことを特徴とするエンドエフェクタ。
【請求項2】
前記第1ブレードが前記第1基板を支持するように前記第1ブレードを上方に移動させ、前記第2ブレードが前記第2基板を支持するように前記第1ブレードを下方に移動させる昇降ユニットを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記昇降ユニットは、前記第1ブレードを移動させるための駆動部及び前記駆動部を制御するための制御部を含むことを特徴とする請求項2に記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記第1基板は、処理される基板および処理された基板のいずれかであり、前記第2基板は、前記処理される基板および処理された基板の残りの一枚であることを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記第1及び第2ブレードの端部上に配置され、前記第1及び第2基板が前記第1及び第2ブレードから落ちることを防止するためのストッパーを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
回転自在のハウジングと、
前記ハウジングに回転自在に連結された下部アームと、
前記下部アームの端部に回転自在に連結された上部アームと、
前記上部アームの端部に回転自在に連結されたリストプレート、垂直方向に移動自在に前記リストプレートに連結されて第1基板を支持するための第1ブレード、及び前記第1ブレードと隣接するように前記リストプレートに連結されて第2基板を支持するための第2ブレード、を含むエンドエフェクタと、を含むことを特徴とする基板移送ロボット。
【請求項7】
前記エンドエフェクタは、前記第1ブレードが前記第1基板を支持するように前記第1ブレードを上方に移動させ、前記第2ブレードが前記第2基板を支持するように前記第1ブレードを下方に移動させる昇降ユニットを更に含むことを特徴とする請求項6に記載の基板移送ロボット。
【請求項8】
前記昇降ユニットは、前記第1ブレードを移動させるための駆動部および前記駆動部を制御するための制御部を含むことを特徴とする請求項7に記載の基板移送ロボット。
【請求項9】
前記エンドエフェクタは、前記第1及び第2ブレードの端部上に配置され、前記第1及び第2基板が前記第1及び第2ブレードから落ちることを防止するためのストッパーを更に含むことを特徴とする請求項6に記載の基板移送ロボット。
【請求項10】
前記上部アームの端部に回転自在に連結された第2リストプレート、垂直方向に移動自在に前記第2リストプレートに連結されて第3基板を支持するための第3ブレード、及び前記第3ブレードと隣接するように前記第2リストプレートに連結されて第4基板を支持するための第4ブレードを含む第2エンドエフェクタを更に含むことを特徴とする請求項6に記載の基板移送ロボット。
【請求項11】
前記第2エンドエフェクタは、前記第3ブレードが前記第3基板を支持するように前記第3ブレードを上方に移動させ、前記第4ブレードが前記第4基板を支持するように前記第3ブレードを下方に移動させる第2昇降ユニットを更に含むことを特徴とする請求項10に記載の基板移送ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−65165(P2009−65165A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228621(P2008−228621)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(598123150)セメス株式会社 (76)
【氏名又は名称原語表記】SEMES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】#278,Mosi−ri,Jiksan−eup,Seobuk−gu,Cheonan−si,Chungcheongnam−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】