説明

カーファインダー、カーファインダー操作端末、カーファインダー制御システムおよびカーファインダー制御方法

【課題】報知手段の作動時期を制御し、電力の浪費を防止するカーファインダー制御システムを提供すること。
【解決手段】カーファインダー制御システム100は、車両の存在を報知する報知手段を搭載した車両Vの位置に関する情報を取得する車両位置情報取得手段C10と、報知手段を遠隔操作するカーファインダー操作端末Mの位置に関する情報を取得する端末位置情報取得手段C11と、カーファインダー操作端末Mおよび車両Vの位置に基づいて報知手段の作動を制御する報知手段作動制御手段C13とを備え、特に、報知手段作動制御手段C13は、カーファインダー操作端末Mが車両Vの位置から所定範囲内にないと判定した場合や、カーファインダー操作端末Mおよび車両Vの間の道のりの移動に要する時間から報知手段を作動させる時期を決定し、その時期に達しない場合には報知手段を作動させないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の駐車位置を効率的に報知するカーファインダー、その操作端末、制御システムおよび制御方法に関し、特に、報知手段を作動させる時期を適切に制御して消費電力を抑制するカーファインダー、その操作端末、制御システムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信により車載装置を制御する方法が広く利用されており、そのような利用態様には、遠隔操作により、ドアを解錠または施錠するもの、暖機運転のためにエンジンを作動させるもの等がある。
【0003】
また、広い駐車場で自車を見つけ出したり、多数の駐車車両から自車を識別したりするために、遠隔操作によりホーン等の音響発生装置を作動させたり駐車灯等の発光装置を点滅させたりする車両探索システムも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−328461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の車両探索システムは、その操作端末を携帯する所有者等の位置を考慮しないので、車両の駐車位置と所有者等との相対位置からして、所有者等が駐車灯の点滅を視認することが困難、或いは、ホーンの発する音を確認することが困難な場合であっても、駐車灯の点滅またはホーンの吹鳴等(以下、「報知手段」という。)を実行してしまい、無駄に電力を消費してしまう。また、操作端末からの指示を受けた後、どのような条件で駐車灯の点滅またはホーンの吹鳴を停止させるかについての言及もなく、消費電力を抑制する上で問題がある。
【0005】
係る問題に鑑み、本発明は、報知手段の作動時期を制御し、電力の浪費を防止するカーファインダー、その操作端末、制御システムおよび制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、第1の発明に係るカーファインダー制御システムは、車両の存在を報知する報知手段を搭載した車両の位置に関する情報を取得する車両位置情報取得手段と、前記報知手段を遠隔操作するカーファインダー操作端末の位置に関する情報を取得する端末位置情報取得手段と、前記カーファインダー操作端末および前記車両の位置に基づいて、前記報知手段の作動を制御する報知手段作動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、第2の発明は、第1の発明に係るカーファインダー制御システムにおいて、前記報知手段作動制御手段は、前記カーファインダー操作端末の位置が前記車両の位置から所定の範囲内にないと判定した場合に、前記報知手段を作動させないことを特徴とする。
【0008】
また、第3の発明は、第1の発明に係るカーファインダー制御システムにおいて、前記報知手段作動制御手段は、前記カーファインダー操作端末および前記車両の間の道のりの移動に要する時間から報知手段を作動させる時期を決定し、該時期まで前記報知手段を作動させないことを特徴とする。
【0009】
また、第4の発明に係る、車両の存在を報知する報知手段を遠隔操作するカーファインダー操作端末は、前記報知手段を搭載した車両の位置に関する情報を取得する車両位置情報取得手段と、当該カーファインダー操作端末の位置に関する情報を取得する端末位置情報取得手段と、当該カーファインダー操作端末および前記車両の位置に基づいて、前記報知手段を作動させる時期を制御する報知手段作動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、第5の発明は、第4の発明に係るカーファインダー操作端末において、当該カーファインダー操作端末および前記車両の位置に基づいて、車両位置までのルート案内を行うルート案内手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、第6の発明に係る、車両の存在を報知する報知手段を制御するカーファインダーは、前記報知手段を搭載した車両の位置に関する情報を取得する車両位置情報取得手段と、カーファインダー操作端末の位置に関する情報を取得する端末位置情報取得手段と、前記カーファインダー操作端末および前記車両の位置に基づいて、前記報知手段を作動させる時期を制御する報知手段作動制御手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、第7の発明に係るカーファインダー制御方法は、車両の存在を報知する報知手段が搭載された車両の車両位置に関する情報を取得する車両位置情報取得ステップと、前記報知手段を作動させるよう報知要求を送信するカーファインダー操作端末の端末位置情報を取得する端末位置情報取得ステップと、前記車両位置情報と前記端末位置情報とに基づいて前記報知手段を作動させない時期を制御する報知手段作動制御ステップと、を備えることを特徴とする。
【0013】
また、第8の発明に係る携帯端末は、車両の存在を報知する報知手段を作動させるよう報知要求を送信する手段と、前記報知手段を搭載した車両の位置と当該携帯端末の位置とに基づいて当該携帯端末の位置から前記車両の位置までのルート案内を行う手段と、当該携帯端末から物理的に離れた位置に設置され、当該携帯端末の位置と前記車両の位置とに基づいて前記報知手段を制御する報知手段作動制御手段に対し、当該携帯端末の位置に関する情報を定期的に通知する手段と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、第9の発明に係る車両は、当該車両の存在を報知する報知手段と、当該車両の位置に関する情報を取得する車両位置情報取得手段と、前記報知手段を遠隔操作する携帯端末の位置に関する情報を取得する端末位置情報取得手段と、前記携帯端末の位置が当該車両の位置から所定の範囲内にない場合に、前記報知手段を作動させないよう制御する報知手段作動制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
上述の手段により、本発明は、報知手段の作動時期を制御し、電力の浪費を防止するカーファインダー、その操作端末、制御システムおよび制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ、いくつかの実施例に分けて、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明に係るカーファインダー制御システムの構成例を示す図である。カーファインダー制御システム100は、カーファインダーD、操作端末Mおよび通信センタCから構成される。
【0018】
カーファインダーDは、駐車した車両Vの探索を支援するための車載装置であり、制御部D1を有し、送受信機V1、発光装置V2、音響発生装置V3、測位装置V4に接続される。
【0019】
カーファインダーDは、例えば、広い駐車場のどこに車両Vを駐車したかを忘れてしまった場合や、他人の駐車した車両Vを見つけ出したりする場合に利用され、遠隔操作によりハザードランプ、ブレーキランプ、ヘッドライト、駐車灯、室内灯等の発光装置V2を点灯または点滅させたり、遠隔操作によりホーンやブザー等の音響発生装置V3で音を発生させたり、電波発信機から車両Vの位置を伝える信号を発信することで操作端末を携帯する所有者等を誘導したり、車体を振動させたりする等して、周辺で車両Vを探索する所有者等に車両Vの位置を報知する。
【0020】
制御部D1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non−Volatile RAM)等を備えたコンピュータである。
【0021】
送受信機V1は、車両Vおよび通信センタC、または、車両Vおよび操作端末Mの間の通信に使用される車載装置であり、携帯電話用周波数による通信センタCを介した操作端末Mとの通信、または、数十から数百メートルの操作範囲を有する特定省電力無線による操作端末Mとの直接通信を可能にする。
【0022】
測位装置V4は、車両Vの位置(緯度、経度、高度)を測定するための車載装置であり、例えば、GPS(Global Positioning System)アンテナを介してGPS衛星が出力するGPS信号に基づいて車両Vの位置を測位・演算する。
【0023】
操作端末Mは、カーファインダーDを遠隔操作するための装置であり、例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、ノートブックパソコン、トランシーバ等の通信端末であって、好適には所有者等が携帯可能な携帯端末であるが、デスクトップコンピュータや専用コンソール等の通信センタCに有線接続された通信端末であってもよい。また、操作端末Mは、別の車両に搭載されるカーナビゲーションシステムであってもよい。
【0024】
操作端末Mは、カーファインダーDを遠隔操作するための装置であり、制御部M1、送受信機M2、測位装置M3および表示装置M4を有する。制御部M1は、カーファインダーDの制御部D1と同様、CPU、RAM、ROM、NVRAM等を備えたコンピュータであり、ルート案内手段M10に対応するプログラムをROMに記憶し、該プログラムをRAMに展開してコンピュータに実行させることでルート案内手段M10による処理を行う。送受信機M2および測位装置M3は、車両Vに搭載される送受信機V1および測位装置V4と同様の機能を有する。
【0025】
また、表示装置M4は、地図情報やカーファインダーDからの情報を表示するための装置であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイがある。
【0026】
通信センタCは、車両Vと操作端末Mとの間の通信を中継するための設備であり、例えば、車両Vからの情報または操作端末Mからの情報に基づいて所定の演算処理を実行することが可能なコンピュータサーバである。なお、通信センタCもカーファインダーDおよび操作端末Mと同様に、制御部C1および送受信機C2を有する。
【0027】
次に、図2を参照しながら通信センタCの制御部C1が有する車両位置情報取得手段C10、端末位置情報取得手段C11、ルート探索手段C12および報知手段作動制御手段C13について説明する。
【0028】
制御部C1は、カーファインダーDや操作端末Mが備えるものと同様、所定の処理を実行するコンピュータであり、車両位置情報取得手段C10、端末位置情報取得手段C11、ルート探索手段C12および報知手段作動制御手段C13は、記憶手段に記憶された対応するプログラムをRAMに展開してコンピュータに実行させることにより実現される。
【0029】
車両位置情報取得手段C10は、測位装置V4により測位された車両Vの位置(緯度、軽度、高度)に関する情報(以下、「車両位置情報」という。)を取得するための手段である。
【0030】
車両位置情報取得手段C10は、例えば、車両VのシフトレーバーをPレンジに設定した場合等、車両Vが駐車する際に、車両Vが送受信機V1を介して送信した車両位置情報を受信し制御部C1に備えられたNVRAMに記憶する。また、車両位置情報取得手段C10は、送受信機C2を介して操作端末Mから報知要求を受信した場合に、カーファインダーDに問い合わせて車両位置情報を取得するようにしてもよい。
【0031】
報知要求とは、操作端末Mから送信される信号であり、カーファインダーDをして報知手段を作動させるための信号である。
【0032】
報知手段とは、発光装置V2や音響発生装置V3等により、ハザードランプ等を点滅させ、或いは、ホーン等を吹鳴させたりして周囲に車両Vの存在を知らせるための手段である。
【0033】
端末位置情報取得手段C11は、送受信機C2を介して、操作端末Mの測位装置M3により測位された操作端末Mの位置(緯度、経度、高度)に関する情報(以下、「端末位置情報」という。)を受信するための手段である。
【0034】
ルート探索手段C12は、車両位置情報と端末位置情報と制御部C1のハードディスク等に記憶された周辺地図情報とに基づいて、操作端末Mが車両Vの位置に至るまでの最適な経路を導き出すための手段であり、例えば、最短経路探索アルゴリズムとしてダイクストラ法を用い最短経路を探索する。
【0035】
また、ルート探索手段C12は、探索結果を操作端末Mに送信し、操作端末Mに備えられた表示装置M4に地図情報、車両Vの位置、操作端末Mの位置、および、操作端末Mの位置から車両Vの位置に至る経路を表示させる。
【0036】
操作端末Mは、一旦、ルート探索結果を受信すると、その後操作端末Mが移動した場合であっても、測位装置M3により取得される端末位置情報の変化に基づいて車両Vの位置に至る経路に関する情報を更新することができる。なお、地図情報は、制御部M1に備えられたフラッシュメモリ等の記憶手段に用意されるが、通信センタCから必要な地図情報を逐次受信するようにしてもよい。地図情報を操作端末Mの記憶手段に用意した場合には、通信量を低減することができ、逐次通信センタCから取得するようにした場合には、記憶手段の容量を低減させることができる。
【0037】
報知手段作動制御手段C13は、報知手段を作動させる時期を制御するための手段であり、例えば、操作端末Mからの報知要求を受信した後、操作端末Mの位置が車両Vの位置から所定範囲内にあると判定した場合等、所定の条件を満たす場合に、報知手段を作動させ、所定の条件を満たさない場合には、報知手段を作動させないようにする。
【0038】
例えば、報知手段作動制御手段C13は、ルート探索手段C12により導き出された、端末位置情報が示す操作端末Mの位置と車両位置情報が示す車両Vの位置との2地点間の道のり(探索されたルートに沿った道程)から、操作端末Mの位置から車両Vの位置に至るまでに要する移動時間を算出して、その移動時間に応じて報知手段を作動させる時期を遅らせるようにする。車両Vを探索する所有者等と車両Vの位置との距離または道のりが大きい場合に報知手段を作動させても所有者等はその報知手段の出力を認識できないからである。
【0039】
移動時間は、例えば、制御部C1のNVRAM上に保管された平均移動速度と、操作端末Mの位置から車両Vの位置までの経路に沿った道のりとに基づいて算出される。
【0040】
なお、平均移動速度は、例えば、5km/hといった標準的な歩行速度に設定されるが、過去の歩行速度を所有者等毎に記憶したり、使用する移動手段(自転車等)を選択させ、選択された移動手段に応じてその都度変更できるようにしたりしてもよい。変更は、例えば、操作端末Mを介して通信センタCの制御部C1における記憶手段にアクセスすることにより行われる。
【0041】
また、報知手段作動制御手段C13は、車両Vの位置と操作端末Mの位置との間の距離または道のりを算出し、2地点間の距離が所定値(例えば、10m)未満となった場合や、2地点間の道のりが所定値(例えば、20m)未満となった場合に、報知手段を作動させ、それ以外では報知手段を作動させないようにしてもよい。
【0042】
また、報知手段作動制御手段C13は、車両Vの周辺の地図情報(例えば、隣接する建物の有無、建物の高さ等)に基づいて、発光装置V2が発した光が到達する範囲や音響発生装置V3が発した音響が到達する範囲を算出し、端末位置情報が示す操作端末Mの位置がその範囲に入った場合に報知手段を作動させるようにし、それ以外では報知手段を作動させないようにしてもよい。
【0043】
さらに、報知手段作動制御手段C13は、車両Vが複数階の駐車フロアを有する駐車場に駐車されているような場合であって、車両Vの高度と操作端末Mの高度との間に差があるときに、操作端末Mを携帯する所有者等がいるフロアと車両Vが駐車されたフロアが異なるとして報知手段を作動させないようにしてもよい。
【0044】
このように、報知手段作動制御手段C13は、報知手段が発生させる光や音等が所有者等に届かない場合には、報知手段により光や音を発生させないようにし、報知手段が消費する電力を低減させることができる。
【0045】
次に、図3を参照しながら、操作端末M、通信センタCおよびカーファインダーDの間の信号の送受信、並びに、操作端末M、通信センタCおよびカーファインダーDが実行する処理について説明する。
【0046】
図3は、図面上部から図面下部に向かって時間経過を示し、左端に操作端末M、中央に通信センタC、右端にカーファインダーDが実行する処理の内容を示し、その間の矢印が信号の送受信を示す。
【0047】
最初に、カーファインダーDは、例えば、車両VのシフトレーバーがPレンジに設定されたり、イグニッションキーがオフされたりした場合等、車両Vが駐車すると判断した場合に、車両位置情報取得手段C10により測位装置V4を利用して取得した車両位置情報を通信センタCに送信する(SG1)。
【0048】
車両位置情報を受信した通信センタCは、その車両位置情報を制御部C1の記憶手段に記憶しておき、操作端末Mから報知要求および端末位置情報を受信すると(SG2)、ルート探索を実行し、かつ、移動時間を算出して(P1)、ルート探索結果および移動時間算出結果を端末装置Mに送信する(SG3)。
【0049】
ルート探索結果および移動時間算出結果を受信した端末装置Mは、ルート探索結果および移動時間算出結果を表示装置M4に表示させる。
【0050】
図4は、端末装置Mが表示する表示画面の例であり、端末装置Mは、端末装置Mの位置から車両Vの位置までの経路、移動時間(例えば、10分)、および、報知手段であるハザードランプの点滅開始方法の選択肢、選択確定のためのボタンを表示する。
【0051】
点滅開始方法の選択肢は、例えば、「10分後」、「自動」、「なし」の3つであり、「10分後」は、現在時刻から10分経過後にハザードランプの点滅を開始させることを意味し、「自動」は、端末位置Mの位置が車両Vの位置から所定範囲内になった場合にハザードランプの点滅を開始させることを意味し、「なし」は、ハザードランプを点滅させないことを意味する。
【0052】
点滅開始方法が選択されると、操作端末Mは、選択結果を通信センタCに送信し(SG4)、例えば、「自動」が選択された場合(P2)、通信センタCは、操作端末Mが車両Vの位置から所定範囲内になったか否かの監視を開始する(P3)。
【0053】
操作端末Mは、ルート案内手段M10により測位装置M3から取得した端末位置情報に基づいてルート案内を実行する(P4)。この場合、操作端末Mは、通信センタCから情報を受信する必要はない。車両Vの位置を既に認識しているからである。
【0054】
また、操作端末Mは、定期的(例えば、1分毎)に端末位置情報を通信センタCに送信する(SG5−1乃至SG5−4)。操作端末Mが車両Vの位置から所定範囲内に入ったか否かを通信センタCが判定できるようにするためである。
【0055】
通信センタCは、操作端末Mからの端末位置情報を定期的に受信しながら監視を続け(P4)、操作端末Mが車両Vの位置から所定範囲内に入ったと判定すると、報知手段を作動させるようカーファインダーDに信号を送信する(SG6)。
【0056】
信号を受信したカーファインダーDは、発光装置V2または音響発生装置V3を作動させて車両Vの存在を周辺に報知する(P5)。なお、カーファインダーDは、発光装置V2および音響発生装置V3を同時に作動させてもよい。
【0057】
また、通信センタCは、カーファインダーDにより報知手段を作動させた後であっても、操作端末Mが車両Vの位置から所定範囲外になったと判定すると、報知手段を停止させるようカーファインダーDに信号を送信し(SG7)、信号を受信したカーファインダーDは、発光装置V2および音響発生装置V3の作動を停止させる。
【0058】
さらに、操作端末Mが車両Vの位置から所定範囲内に再度入ったと判定すると、通信センタCは、報知手段の作動を再開させるようカーファインダーDに信号を送信し(SG8)、信号を受信したカーファインダーDは、発光装置V2および音響発生装置V3の作動を再開させる(P6)。
【0059】
次に、図5を参照しながら、カーファインダー制御システム100が報知手段の作動を制御する処理について説明する。
【0060】
最初に、カーファインダー制御システム100は、車両位置情報取得手段C10により測位装置V4から得られる車両Vの位置に関する情報を取得し(ステップS1:車両位置情報取得ステップ)、かつ、端末位置情報取得手段C11により測位装置M3から得られる操作端末Mの位置に関する情報を取得する(ステップS2:端末位置情報取得ステップ)。
【0061】
次に、カーファインダー制御システム100は、ルート探索手段C12により、端末位置情報および車両位置情報並びに地図情報から、車両Vの位置と操作端末Mの位置との間の距離および操作端末Mの位置から車両Vの位置に至るルートを算出し、報知手段作動制御手段C13により、操作端末Mの位置と車両Vの位置との間の距離が所定値未満であるか否か、或いは、車両Vの位置と操作端末Mの位置との間の道のりが所定値未満であるか否かを判定して報知手段を作動させるか否かを決定する(ステップS3:報知手段作動制御ステップ)。
【0062】
車両Vの位置と操作端末Mの位置との間の距離が所定値未満であっても、車両Vと操作端末Mを携帯する所有者等の間に建造物等の障害物があり、所有者等が報知手段による光や音を確認できない場合も想定されるため、報知手段作動制御手段C13は、好適には、車両Vの位置と操作端末Mの位置との間の道のりが所定値未満であるか否かを判定して、報知手段を作動させるか否かを決定する。
【0063】
車両Vの位置と操作端末Mの位置との間の距離または道のりが所定値未満の場合には(ステップS3のYES)、報知手段作動制御手段C13は、報知手段を作動させ(ステップS5)、一方、距離または道のりが所定値以上の場合には(ステップS3のNO)、報知手段を作動させないようにする(ステップS4)。
【0064】
また、報知手段作動制御手段C13は、車両Vの位置と操作端末Mの位置との間の道のりから所有者が車両Vに至るのに要する時間を算出し、車両Vに到達する数分前に報知手段が作動するようこともできる。
【0065】
この構成により、カーファインダー制御システム100は、車両Vの所有者等が発光装置V2の発光を視認できる位置に存在する場合、或いは、音響発生装置V3の音響を確認できる位置に存在する場合に限り、報知手段を作動させるので、報知手段が消費する電力を必要最小限に抑制することができる。
【0066】
また、カーファインダー制御システム100は、一旦報知手段の作動を開始させた後であっても、操作端末Mの位置が車両Vの位置から所定範囲外となった場合には、報知手段の作動を中止させるので、道のりによっては、操作端末Mが車両Vに一旦接近するが、車両Vの位置に到達するには道を迂回しなければならないような場合にも報知手段を無駄なく作動させることができる。車両Vの所有者は、車両Vに一旦接近したときに報知手段により車両Vの位置を確認した場合、その後のルート案内および報知手段の作動を中止させるようにしてもよい。既に車両Vの位置が確認でき、さらなる案内を必要としないからである。
【実施例2】
【0067】
次に、カーファインダー制御システムの別の構成について説明する。
【0068】
図6は、図3と同様、図面上部から図面下部に向かって時間経過を示し、左端に操作端末M、中央に通信センタC、右端にカーファインダーDが実行する処理の内容を示し、その間の矢印が信号の送受信を示す。
【0069】
実施例2のカーファインダー制御システムは、報知手段の作動を開始させるための条件として所定時刻からの経過時間を利用する点で図3に示す実施例1のカーファインダー制御システム100と相違する。その他の処理(P11およびP12)および信号の送受信(SG11乃至SG13)については、実施例1のカーファインダー制御システム100と同じであるため、説明を省略する。
【0070】
図4に示す画面において、「10分後」が選択され(P12)、選択結果が操作端末Mから通信センタCに送信されると(SG14)、通信センタCは、移動時間を算出した時刻からの経過時間の計測を開始し、報知手段の作動を開始させる時期を監視する(P13)。なお、報知手段の作動を開始させる時期(この場合、10分後)は、操作端末Mを携帯する所有者等が車両Vの位置に到達する予定時間(例えば、13分後)に基づいて設定される(到着3分前に報知手段を作動させることを意味する)。
【0071】
操作端末Mは、その間もルート案内を継続するが(P14)、通信センタCとの間で信号の送受信を行わない。操作端末Mは、車両Vの位置を既に認識しているからであり、通信センタCが操作端末Mの位置を監視していないため、端末位置情報を送信する必要も無いからである。なお、通信センタCは、操作端末Mから端末位置情報を定期的に受信し、車両Vの位置までに要する移動時間を再度算出して報知手段の作動を開始させる時期を補正するようにしてもよい。より適切な時期に報知手段の作動を開始させることができるからである。
【0072】
通信センタCは、移動時間を算出した時刻からの経過時間が所定値(この場合、10分)に達すると、報知手段を開始させるための信号をカーファインダーDに送信し(SG15)。この信号を受信したカーファインダーDは、報知手段を作動させる(P15)。
【0073】
この構成により、実施例2のカーファインダー制御システムは、報知手段が消費する電力を必要最小限に抑制するという効果を維持しながらも、操作端末Mと通信センタCとの間の通信回数を低減させ、通信コストを低減させることができる。また、通信困難な場所に操作端末Mがある場合にも、一旦通信装置Cに選択結果を送信すれば、報知手段を適切に作動させることができる。
【実施例3】
【0074】
次に、カーファインダー制御システムのさらに別の構成について説明する。
【0075】
図7は、図3および図6と同様、図面上部から図面下部に向かって時間経過を示し、左端に操作端末M、中央に通信センタC、右端にカーファインダーDが実行する処理の内容を示し、その間の矢印が信号の送受信を示す。
【0076】
実施例3のカーファインダー制御システムは、車両位置情報取得手段C10、端末位置情報取得手段C11、ルート探索手段C12および報知手段作動制御手段C13を通信センタCではなく、操作端末Mの制御部M1に備える点で、実施例1または実施例2のカーファインダー制御システムと相違する。
【0077】
最初に、カーファインダーDは、例えば、車両Vが駐車すると判断した場合に、車両位置情報取得手段C10により測位装置V4が測位した車両位置情報を端末装置Mに送信する(SG21)。この場合、カーファインダーDからの信号は、通信センタCを介して操作端末Mに送信されるが、通信センタCを介さず、直接、操作端末Mに送信するようにしてもよい。
【0078】
車両位置情報を受信した操作端末Mは、その車両位置情報を制御部M1の記憶手段に記憶しておき、次回カーファインダーDを使用する際に備える。
【0079】
操作端末Mは、カーファインダーDを使用する際に、車両位置情報をカーファインダーDに問い合わせるようにしてもよい。どちらの時点でも車両Vの駐車位置は変わらないが、駐車の際に車両位置情報を取得しておくと、問い合わせのための通信が不要となる。
【0080】
操作端末Mは、測位装置M3が測位した端末位置情報と受信した車両位置情報と制御部M1の記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、ルート探索を実行し、かつ、移動時間を算出して(P21)、図4に示すように、表示装置M4に地図情報、車両Vの位置、操作端末Mの位置、操作端末Mの位置から車両Vの位置に至る経路および報知手段の開始方法の選択肢を表示させる(P22)。
【0081】
ここで、例えば、「10分後」が選択されると、操作端末Mは、ルート案内を実行しながら報知手段の作動を開始させる時刻の監視を行う(P23)。
【0082】
開始時刻に達すると、操作端末Mは、報知手段の作動を開始させるようカーファインダーDに信号を送信し(SG22)、信号を受信したカーファインダーDは、報知手段の作動を開始する(P24)。
【0083】
なお、カーファインダーDは、報知手段の作動を開始させ所定時間が経過した後に、報知手段の作動を中止させてもよい。車両Vが発見されないまま長時間にわたって報知手段を作動させておくと電力が無駄になるからであり、バッテリー上がりを引き起こしてしまう場合もあるからである。
【0084】
また、カーファインダーDは、車両Vのバッテリー残量に応じて報知手段の作動時間を制御するようにしてもよく、例えば、バッテリー残量が所定値未満となった場合に報知手段の作動を中止または拒否し、その旨を操作端末Mに送信するようにしてもよい。
【0085】
この構成により、実施例3のカーファインダー制御システムは、通信センタCを介さずとも、報知手段が消費する電力を必要最小限に抑制することができる。
【0086】
また、実施例3のカーファインダー制御システムは、バッテリー上がりを防止することもできる。
【実施例4】
【0087】
次に、カーファインダー制御システムのさらに別の構成について説明する。
【0088】
図8は、図3、図6および図7と同様、図面上部から図面下部に向かって時間経過を示し、左端に操作端末M、中央に通信センタC、右端にカーファインダーDが実行する処理の内容を示し、その間の矢印が信号の送受信を示す。
【0089】
実施例4のカーファインダー制御システムは、車両位置情報取得手段C10、端末位置情報取得手段C11、ルート探索手段C12をカーファインダーDの制御部D1に備え、報知手段作動制御手段C13を操作端末Mの制御部M1に備える点で、実施例1乃至実施例3のカーファインダー制御システムと相違する。
【0090】
最初に、操作端末Mは、測位装置M3が測位した端末位置情報および報知要求をカーファインダーDに送信する(SG31)。この場合、操作端末Mからの信号は、通信センタCを介してカーファインダーDに送信されるが、通信センタCを介さず、直接、カーファインダーDに送信するようにしてもよい。
【0091】
カーファインダーDは、制御部D1の車両位置情報取得手段C10により測位装置V4が測位した車両位置情報と制御部D1の端末位置情報取得手段C11により操作端末Mから受信して取得した端末位置情報と制御部D1の記憶手段に記憶された地図情報とに基づいて、制御部D1のルート探索手段C12によりルート探索を実行し(P31)、ルート探索結果を操作端末Mに送信する(SG32)。
【0092】
操作端末Mは、ルート案内手段M10によりカーファインダーDから受信したルート探索結果に基づいてルート案内を実行しながら、制御部M1の報知手段作動制御手段C13により操作端末Mの位置が車両Vの位置から所定範囲内になったか否かを監視する(P32)。
【0093】
操作端末Mの位置が車両Vの位置から所定範囲内になった場合、制御部M1の報知手段作動制御手段C13は、カーファインダーDに信号を送信し(SG33)、報知手段を作動させる(P32)。報知手段が作動された後であっても、操作端末Mの位置が車両Vの位置から所定範囲外になった場合、制御部M1の報知手段作動制御手段C13は、カーファインダーDに信号を送信し(SG34)、報知手段の作動を中止させる。
【0094】
その後、再度、操作端末Mの位置が車両Vの位置から所定範囲内になった場合、制御部M1の報知手段作動制御手段C13は、カーファインダーDに信号を送信し(SG33)、報知手段を再度作動させる(P33)。
【0095】
この構成により、実施例4のカーファインダー制御システムは、車両位置情報取得手段C10、端末位置情報取得手段C11、ルート探索手段C12および報知手段作動制御手段C13を操作端末MおよびカーファインダーDの各制御部に分散配置させながらも、報知手段が消費する電力を必要最小限に抑制することができ、各手段を実行させるための負荷が1の構成要素に集中するのを防止することができる。なお、カーファインダーDの制御部D1に上述の手段のすべてを配置させることも可能である。
【0096】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0097】
例えば、上述の実施例におけるカーファインダー制御システムは、操作端末Mを携帯する所有者等が車両Vを探索する際に利用されるが、1の車両を運転する運転者が他の車両を探索する際に利用されてもよい。
【0098】
また、上述の実施例における車両位置情報取得手段C10、端末位置情報取得手段C11、ルート探索手段C12、報知手段作動制御手段C13およびルート案内手段M10は、対応するプログラムにより実行されるが、各手段は、電子回路で構成されるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係るカーファインダー制御システムの構成例を示す図である。
【図2】通信センタにおける制御部の構成例を示す図である。
【図3】操作端末M、通信センタCおよびカーファインダーDが実行する処理の流れおよび信号の送受信を示す図(その1)である。
【図4】操作端末の表示装置における表示画面の例を示す図である。
【図5】カーファインダー制御システムが報知手段の作動を制御する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】操作端末M、通信センタCおよびカーファインダーDが実行する処理の流れおよび信号の送受信を示す図(その2)である。
【図7】操作端末M、通信センタCおよびカーファインダーDが実行する処理の流れおよび信号の送受信を示す図(その3)である。
【図8】操作端末M、通信センタCおよびカーファインダーDが実行する処理の流れおよび信号の送受信を示す図(その4)である。
【符号の説明】
【0100】
100 カーファインダー制御システム
C 通信センタ
C1 制御部
C2 送受信機
C10 車両位置情報取得手段
C11 端末位置情報取得手段
C12 ルート探索手段
C13 報知手段作動制御手段
D カーファインダー
D1 制御部
M 操作端末
M1 制御部
M2 送受信機
M3 測位装置
M4 表示装置
M10 ルート案内手段
V 車両
V1 送受信機
V2 発光装置
V3 音響発生装置
V4 測位装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の存在を報知する報知手段を搭載した車両の位置に関する情報を取得する車両位置情報取得手段と、
前記報知手段を遠隔操作するカーファインダー操作端末の位置に関する情報を取得する端末位置情報取得手段と、
前記カーファインダー操作端末および前記車両の位置に基づいて、前記報知手段の作動を制御する報知手段作動制御手段と、
を備えることを特徴とするカーファインダー制御システム。
【請求項2】
前記報知手段作動制御手段は、前記カーファインダー操作端末の位置が前記車両の位置から所定の範囲内にないと判定した場合に、前記報知手段を作動させない、
ことを特徴とする請求項1に記載のカーファインダー制御システム。
【請求項3】
前記報知手段作動制御手段は、前記カーファインダー操作端末および前記車両の間の道のりの移動に要する時間から報知手段を作動させる時期を決定し、該時期まで前記報知手段を作動させない、
ことを特徴とする請求項1に記載のカーファインダー制御システム。
【請求項4】
車両の存在を報知する報知手段を遠隔操作するカーファインダー操作端末であって、
前記報知手段を搭載した車両の位置に関する情報を取得する車両位置情報取得手段と、
当該カーファインダー操作端末の位置に関する情報を取得する端末位置情報取得手段と、
当該カーファインダー操作端末および前記車両の位置に基づいて、前記報知手段を作動させる時期を制御する報知手段作動制御手段と、
を備えることを特徴とするカーファインダー操作端末。
【請求項5】
当該カーファインダー操作端末および前記車両の位置に基づいて、車両位置までのルート案内を行うルート案内手段、
を備えることを特徴とする請求項4に記載のカーファインダー操作端末。
【請求項6】
車両の存在を報知する報知手段を制御するカーファインダーであって、
前記報知手段を搭載した車両の位置に関する情報を取得する車両位置情報取得手段と、
カーファインダー操作端末の位置に関する情報を取得する端末位置情報取得手段と、
前記カーファインダー操作端末および前記車両の位置に基づいて、前記報知手段を作動させる時期を制御する報知手段作動制御手段と、
を備えることを特徴とするカーファインダー。
【請求項7】
車両の存在を報知する報知手段が搭載された車両の車両位置に関する情報を取得する車両位置情報取得ステップと、
前記報知手段を作動させるよう報知要求を送信するカーファインダー操作端末の端末位置情報を取得する端末位置情報取得ステップと、
前記車両位置情報と前記端末位置情報とに基づいて前記報知手段を作動させない時期を制御する報知手段作動制御ステップと、
を備えることを特徴とするカーファインダー制御方法。
【請求項8】
車両の存在を報知する報知手段を作動させるよう報知要求を送信する手段と、
前記報知手段を搭載した車両の位置と当該携帯端末の位置とに基づいて当該携帯端末の位置から前記車両の位置までのルート案内を行う手段と、
当該携帯端末から物理的に離れた位置に設置され、当該携帯端末の位置と前記車両の位置とに基づいて前記報知手段を制御する報知手段作動制御手段に対し、当該携帯端末の位置に関する情報を定期的に通知する手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項9】
当該車両の存在を報知する報知手段と、
当該車両の位置に関する情報を取得する車両位置情報取得手段と、
前記報知手段を遠隔操作する携帯端末の位置に関する情報を取得する端末位置情報取得手段と、
前記携帯端末の位置が前記車両の位置から所定の範囲内にない場合に、前記報知手段を作動させないよう制御する報知手段作動制御手段と、
を備えることを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−241472(P2007−241472A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−60231(P2006−60231)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】