説明

キャップ付ボトル缶の測定方法及び測定装置

【課題】 測定対象を同一基準の下でより短時間で測定することができるキャップ付ボトル缶の測定方法及び測定装置を提供すること。
【解決手段】 金属製のボトル缶にキャップが被着、ネジ成形され、キャップが天面部の周縁に形成された段差部とキャップネジ部とを有するキャップ付ボトル缶2の測定方法において、缶軸Oと交差する平面内で、キャップネジ部の輪郭線を取得することで、キャップネジ部のネジ深さを測定し、段差部に脚部52の下端部内面を接触させると共に天面部に測定子53を接触させることで、段差部の天面部に対する深さを測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばキャップ付ボトル缶の段差深さやネジ深さなどを測定する、キャップ付ボトル缶の測定方法及び測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製のボトル缶は、アルミニウムやアルミニウム合金からなる金属板を絞加工(Drawing)と、続いて行われるしごき加工(Ironing)とによって形成されるため、一般にDI缶と呼ばれている。そして、このようなボトル缶の口金部にキャップが被着、ネジ成形されたキャップ付ボトル缶においては、内容物の密封性を実現するために、キャップを被着、ネジ成形する際に、天面部の周縁に絞り加工を施すことによって段差部を形成している。この段差部によって、キャップの天面部の内側に配設されたライナーとボトル缶の口金部の上端部とが密に接触される。
一般に、キャップによる密封性を検査するために、天面部に対する段差部の深さを測定することが行われている。ここで、段差部の深さは、接触基準部材をキャップの段差部に接触させると共に測定子の先端を天面部に接触させて、その距離を求めることで測定を行っている。
また、キャップのボトル缶に対する螺合状態を検査するために、キャップのキャップネジ部の深さを測定することが行われている。キャップネジ部の深さは、一般の形状測定器を用いた手動による方法や、キャップネジ部を撮像し、撮像した画像データからネジ深さを算出することによって測定されている。
【特許文献1】特許第3456684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の測定方法には以下の課題がある。すなわち、時間が経過すると測定状態に変化が生じるため、上記従来の測定方法においても、例えばキャップ付ボトル缶における段差部の深さやキャップネジ部の深さなどを、同一基準でより短時間で測定検査を行うことが望まれている。
【0004】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、測定対象を同一基準の下でより短時間で測定することができるキャップ付ボトル缶の測定方法及び測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかるキャップ付ボトル缶の測定方法は、金属製のボトル缶にキャップが被着、ネジ成形され、該キャップが天面部の周縁に形成された段差部とキャップネジ部とを有するキャップ付ボトル缶の測定方法において、前記ボトル缶の缶軸と交差する平面内で、前記キャップネジ部の輪郭線を取得することで、該キャップネジ部のネジ深さを測定し、前記段差部に測定基準部材を接触させると共に前記天面部に測定子を接触させることで、該段差部の前記天面部に対する深さを測定することを特徴とする。
【0006】
また、本発明にかかるキャップ付ボトル缶の測定装置は、金属製のボトル缶にキャップが被着、ネジ成形され、該キャップが天面部の周縁に形成された段差部とキャップネジ部とを有するキャップ付ボトル缶を測定、検査するキャップ付ボトル缶の測定装置において、前記缶軸と交差する平面内で、前記キャップネジ部の輪郭線を取得し、該キャップネジ部のネジ深さを測定する非接触測定部と、前記段差部に接触させる接触基準部材と、前記天面部の上面に接触させる測定子とを有し、前記接触基準部材と前記測定子との距離から前記段差部の深さを測定する接触測定部とを備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、ボトル缶に被着、ネジ成形されたキャップのキャップネジ深さを非接触で測定すると共に、段差部の段差深さを接触させながら測定することで、キャップ付ボトル缶の測定や合否判定を同時に同じ基準で効率よく行うことができる。すなわち、キャップ付ボトル缶に対して段差部の深さから密封性を、キャップネジ深さから螺着状態を、それぞれ同時に判断できるため、それぞれを別個に測定する場合と比較して測定状態の経時変化や個体差がなく、測定状態の差が生じにくくなる。
【0008】
また、本発明にかかるキャップ付ボトル缶の測定方法は、前記キャップ付ボトル缶を缶軸回りで回転させた複数の向きで、前記キャップネジ部のネジ深さと、前記天面部の深さとを複数回測定することが好ましい。
また、本発明にかかるキャップ付ボトル缶の測定装置は、前記キャップ付ボトル缶が載置されて該キャップ付ボトル缶を前記缶軸回りで回転させるステージを備えることが好ましい。
この発明によれば、測定箇所を変えて複数箇所の位置においてキャップネジ部及び天面部のそれぞれの深さ測定することで、キャップ付ボトル缶の測定や合否判定より効率よく行うことができ、測定状態の差が生じにくくなる。
【発明の効果】
【0009】
本発明のキャップ付ボトル缶の測定方法及び測定装置によれば、測定対象に対して非接触で行う測定と接触して行う測定とを同時に同一基準で行うことができ、測定対象の測定や合否判定を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明による測定方法及び測定装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態における測定装置1は、図1に示すようなキャップ付ボトル缶2を測定検査するものである。
【0011】
このキャップ付ボトル缶2は、ボトル缶3とこのボトル缶3に被着、ネジ成形されたキャップ4とによって構成されている。
ボトル缶3は、大径の胴部11と、この胴部11の上端から上方に向かうにしたがって漸次縮径する肩部12と、この肩部12の上端に形成されて胴部11よりも小径の口金部13とを備えている。
口金部13には、ボトル缶ネジ部14と、このボトル缶ネジ部14の缶軸方向下端に連設されて径方向外方に膨出した膨出部15と、ボトル缶ネジ部14の缶軸方向上端に連設されてボトル缶3の上端縁部を折り返したカール部16とが形成されている。
【0012】
キャップ4は、天面部21と、この天面部21の周縁から径方向外方かつ缶軸方向下方に延在した段差部22と、この段差部22の下端から缶軸方向下方に延在したキャップ本体部23と、天面部21の内面に貼着されたライナー24とを備えている。
キャップ本体部23は、ボトル缶ネジ部14と螺合するキャップネジ部25と、ボトル缶3の膨出部15と係合するピルファープルーフ部26と、キャップ4の開栓時に切断されるブリッジ部27とを備えている。
【0013】
このような構成において、ボトル缶3の口金部13にキャップ4を被着、ネジ成形することで、ボトル缶ネジ部14とキャップネジ部25とが螺合すると共に、膨出部15の下方にピルファープルーフ部26の下端部が巻き込まれる状態で、キャップ4がボトル缶3の口金部13を被覆するように被着される。また、カール部16とライナー24とが密着することで密封され、さらに、キャップ4の被着後の絞り加工によって成形された段差部22によりライナー24がカール部16に押し付けられることでキャップ付ボトル缶2となる。このように、ライナー24がカール部16に押し付けられることで、キャップ付ボトル缶2の高気密性が確保される。
なお、キャップ付ボトル缶2を開栓する場合には、ボトル缶3に対してキャップ4を回転させることで、キャップネジ部25をボトル缶ネジ部14に沿って案内させてキャップ4を上方に移動させると共に膨出部15とピルファープルーフ部26との係合によりブリッジ部27が切断され、カール部16とライナー24とが離間される。そして、さらにキャップ4を回転させることで、ボトル缶3からキャップ4が外れる。このようにして、キャップ付ボトル缶2を開栓する。
【0014】
測定装置1は、図2から図4に示すように、キャップ付ボトル缶2が載置されるステージ31と、非接触測定部32と、接触測定部33と、これらを制御する制御部34を備えている。
ステージ31は、載置されたキャップ付ボトル缶2の缶軸Oの軸回りでステージ31を回転させる駆動源であるモータ(図示略)に接続されている。そして、ステージ31は、前記モータによって、60°ずつ間欠的に回転するように構成されている。
【0015】
非接触測定部32は、ベース部41と、レーザ光を照射する照射部42と、レーザ光を受光する受光部43と、受光部43で受光した結果からキャップネジ部25のネジ深さを算出するネジ深さ算出部44によって構成されている。
ベース部41は、平面視でコ字形状を有しており、一対の腕部45、46の互いに対向する内側面45a、46aに照射部42及び受光部43が設けられている。この一対の腕部45、46の間には、ステージ31上に載置されたキャップ付ボトル缶2が配置される。
照射部42は、腕部45の内側面45aに配置された複数のレーザ光源を備えており、これら複数のレーザ光源からキャップ付ボトル缶2の缶軸Oに対して90°で交差する、垂直な面に沿ってレーザ光を照射する。
受光部43は、腕部46の内側面46aに配置された複数のフォトディテクタを備えており、これら複数のフォトディテクタによって照射部42から照射されたレーザ光を受光する。そして、受光した受光部43のフォトディテクタは、受光した旨を後述するネジ深さ算出部44に出力する。
【0016】
また、照射部42及び受光部43は、非接触測定部32をキャップ付ボトル缶2の缶軸Oに沿って上下に移動可能とする上下移動機構47に取り付けられている。この上下移動機構47は、例えばボールスクリュ構造を有しており、回転軸(図示略)が缶軸Oに沿って設けられたスライダベース部48と、前記回転軸を駆動源であるモータ(図示略)で回転駆動させることでスライダベース部48に沿って上下に移動するスライダ49とを備えている。ベース部41は、このスライダ49に取り付けられている。また、前記モータは、ステッピングモータであり、照射部42及び受光部43の缶軸Oに沿った位置情報をパルス信号として後述する上下移動制御部62に出力する。
【0017】
ここで、照射部42と受光部43との間にキャップ付ボトル缶2が配置されている場合には、キャップ付ボトル缶2によって遮光されたレーザ光が受光部43で受光することができなくなる。したがって、照射部42及び受光部43を缶軸Oに沿って上下に移動させることで、キャップ付ボトル缶2の投影図を取得することができる。
なお、非接触測定部32は、ステージ31上に載置されたキャップ付ボトル缶2の底面から天面部21まで走査可能なように構成されている。すなわち、一対の腕部45、46の間に配置されたキャップ付ボトル缶2に、一対の腕部45、46が接触しないように構成されている。
【0018】
接触測定部33は、板状の本体部51と、本体部51と一体的に形成されたキャップ4の段差部22に接触させる脚部(接触基準部材)52と、本体部51の下面から缶軸方向下方に向けて突出する測定子53と、脚部52及び測定子53の位置情報からキャップネジ部25のネジ深さを算出する段差深さ算出部54を備えている。
本体部51は、平面視でY字状を有しており、その外接円の径がキャップ4の外接円とほぼ同等となっている。そして、本体部51の3本の腕部51aのそれぞれから缶軸方向下方に突出するように脚部52が設けられている。
脚部52は、それぞれの下端部内面52aを通る円の中心がステージ31の缶軸Oと一致するように配置されており、それぞれ下端部内面52aがキャップ4の段差部22に沿う円弧面形状となっている。
また、測定子53は本体部51に対して、缶軸Oと平行な直線に沿って相対的に移動可能となっている。また、脚部52及び測定子53には、脚部52の下端部と測定子53の下端との缶軸Oと平行な直線に沿った位置情報を取得するリニアゲージ(図示略)が接続されている。
【0019】
また、本体部51及び測定子53は、接触測定部33をキャップ付ボトル缶2の缶軸方向に沿って上下に移動可能とする上下移動機構56に取り付けられている。この上下移動機構56は、本体部51の上面に接続されたセンターシャフト57と、このセンターシャフト57及びシャフト55を支持するプレート58と、センターシャフト57を缶軸Oに沿って上下に移動させる電動式シリンダ(図示略)とを備えている。
プレート58は、シャフト55を測定子53が本体部51に対して缶軸Oと平行な直線に沿って相対的に移動可能となるように支持する。
上下移動機構56によって本体部51及び測定子53を缶軸Oに沿って上下に移動させることで、脚部52の下端部内面52aをキャップ4の段差部22に接触させると共に、測定子53の下端を天面部21に接触させる。そして、脚部52及び測定子53がそれぞれ接触したときに、前記リニアゲージが脚部52の下端と測定子53との缶軸Oと平行な直線に沿った位置情報を取得し、この位置情報を段差深さ算出部54に出力する。
【0020】
制御部34は、上述したネジ深さ算出部44及び段差深さ算出部54と、ステージ31の回転を制御するステージ制御部61と、非接触測定部32の缶軸方向上下の移動を制御する上下移動制御部62と、接触測定部33の缶軸方向上下の移動を制御する上下移動制御部63とを備えている。
これらネジ深さ算出部44、段差深さ算出部54、ステージ制御部61及び上下移動制御部62、63との機能については、後述する。
【0021】
次に、以上のように構成された測定装置1を用いたキャップ付ボトル缶2の測定方法について説明する。
まず、ステージ31上にキャップ付ボトル缶2を載置する。このとき、キャップ付ボトル缶2を、キャップ付ボトル缶2の缶軸Oとステージ31の回転軸とが一致するように載置する(図5に示すステップST11)。
【0022】
次に、上下移動制御部62が非接触測定部32を照射部42からレーザ光を照射した状態でキャップ付ボトル缶2の底面から缶軸方向上方に向けて順に移動させる(図5に示すステップST12)。
照射部42から照射されたレーザ光を受光部43を構成する複数のフォトディテクタで受光するが、照射部42と受光部43との間にキャップ付ボトル缶2が存在している場合には、照射されたレーザ光の一部がキャップ付ボトル缶2によって遮光される。そこで、非接触測定部32をキャップ付ボトル缶2の缶軸方向に沿って上に移動させることで、キャップ付ボトル缶2のキャップネジ部25の投影図を取得する。ここで、キャップネジ部25の投影図は、例えば図7に示すようになる。そして、ネジ深さ算出部44は、取得したキャップネジ部25の投影図からネジ深さを算出する。
【0023】
ここで、照射部42及び受光部43によって取得されたキャップネジ部25の投影図からキャップネジ部25のネジ深さの算出方法について説明する。取得した投影図は、例えば、図6に示すようになる。ネジ深さ算出部44は、投影図の中でキャップネジ部25の突出部25aと谷部25bとの缶軸Oに対する突出量xを算出する。
【0024】
上下移動制御部62が照射部42及び受光部43を缶軸方向上方に移動させ、照射部42による照射位置がキャップ付ボトル缶2の天面部21よりも上方となると、受光部43のすべてのフォトディテクタで受光した旨をネジ深さ算出部44に出力する。そこで、ネジ深さ算出部44は、キャップ付ボトル缶2の高さを算出する。このように、キャップ付ボトル缶2の高さが算出されることで、キャップ付ボトル缶2の種別を判断することができる。そして、上下移動制御部62は、非接触測定部32の移動を停止する。
【0025】
次に、上下移動制御部63が脚部52及び測定子53を缶軸方向下方に向けて移動させる(図5に示すステップST13)。そして、脚部52の下端部内面52aをキャップ4の段差部22に、測定子53をキャップ4の天面部21にそれぞれ接触させる。そして、上述したリニアゲージが、脚部52の下端及び測定子53の下端の各位置情報を段差深さ算出部54に出力する。
段差深さ算出部54は、測定子53の下端と脚部52の下端との距離xを算出する。ここで、測定子53が3箇所に設けられているので、一度の測定で3箇所における距離xが測定され、平均値をキャップ4の段差深さとする。
【0026】
非接触測定部32及び接触測定部33による測定が終了したら、上下移動制御部62が照射部42及び受光部43を下方に移動させ、上下移動制御部63が脚部52及び測定子53を上方に移動させる。ここで、上下移動制御部62は、照射部42及び受光部43をキャップ付ボトル缶2の下方まで移動させずにキャップ4の下方まで移動させる。
次に、ステージ制御部61がステージ31を60°回転させる(図5に示すステップST14)。
そして、上下移動制御部62が照射部42及び受光部43をキャップ4の下方から上方に向けて移動させ、上述と同様の方法でキャップネジ部25の投影図を取得する。続いて、取得した投影図からキャップネジ部25のネジ深さを算出する(図5に示すステップST15)。
その後、上下移動制御部63が本体部51及び測定子53を下方に移動させ、上述と同様の方法でキャップ4の段差部22の段差深さを算出する(図5に示すステップST16)。
【0027】
ここで、ステージ制御部61は、ステージ制御部61によるステージ31の60°の回転が5回行われているか否かを判断する(図5に示すステップST17)。すなわち、ステップST17では、キャップ付ボトル缶2の周面全体で測定を行っているかを判断する。
ステップST17において、ステージ31の60°の回転が5回行われていないと判断した場合には、ステップST14に戻ってステージ31を60°回転させ、非接触測定部32及び接触測定部33による測定を行う。
また、ステップST17において、ステージ31の60°の回転が5回行われていると判断した場合には、非接触測定部32及び接触測定部33による測定がキャップ付ボトル缶2の周面全体で行ったこととなるので、ステージ31を60°回転させてキャップ付ボトル缶2を測定前の位置に戻した後、ステージ31からキャップ付ボトル缶2を搬出し(図5に示すステップST18)、測定を終了する。
【0028】
このように構成された測定装置1及び測定方法によれば、キャップ付ボトル缶2のキャップネジ部25のネジ深さを非接触で測定すると共に、段差部22の段差深さを脚部52及び測定子53を接触させることで測定するので、それぞれの測定を別個に行うことと比較して測定時間の短縮化を図ることができる。また、それぞれの測定を同時に行うので、各測定を同一基準で行うことができ、キャップ付ボトル缶2の合否判定を効率よく行うことができる。
【0029】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、非接触測定部32がレーザを用いて投影図を取得しているが、照射部42から受光部43に向けて直進性のよい光を照射可能な光であればよい。
また、照射部42がキャップ付ボトル缶2の缶軸Oに対して垂直な面内でレーザ光を照射しているが、缶軸Oと交差して投影像が取得できるような面内でレーザ光が照射されればよい。
また、非接触測定部32が投影図を取得することでキャップネジ部25のネジ深さを算出しているが、キャップネジ部25近傍をCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)などを用いて撮像し、撮像した画像データを基にキャップネジ部25のネジ深さを算出してもよい。
また、接触測定部33が測定基準部材として脚部52を適用しているが、キャップ4の段差部22に接触して位置情報を取得するような構成であればよく、段差部22に接触する測定子によって構成されてもよい。
また、測定子53は、本体部51の複数箇所から突出して設けられてもよい。
また、ステージ31を60°ずつ間欠的に回転させているが、間欠的に回転させる角度は設計に応じて適宜変更してもよく、手動で回転させるように構成してもよい。
また、ステージ31上にキャップ付ボトル缶2を手で載置しているが、ステージ31上にキャップ付ボトル缶2を載置、搬出する搬入搬出機構を設けてもよい。
【0030】
キャップ付ボトル缶2の測定を行っているが、キャップ4が被着、ネジ成形されていないボトル缶3の測定に適用してもよい。このとき、非接触測定部32は、ボトル缶3のボトル缶ネジ部14のネジ深さや膨出部15の突出量、カール部16の巻き半径などを測定する。
また、キャップ4のボトル缶3に被着、ネジ成形される前の状態である、キャッププリフォームの測定に適用してもよい。このとき、キャップ4が被着、ネジ成形されるボトル缶3の形状と近似するキャップ測定ベースにキャップ4を被着して、非接触測定部32による測定を行う。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明によれば、キャップ付ボトル缶の測定方法及び測定装置において、同一基準の下でより短時間で測定することができるので、産業上の利用可能性が認められる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態におけるキャップ付ボトル缶を示す部分断面図である。
【図2】一実施形態における測定装置を示す該略図である。
【図3】図2の非接触測定部を示す平面図である。
【図4】図2の接触測定部を示す裏面図である。
【図5】一実施形態における測定方法を示すフローチャートである。
【図6】非接触測定部によって取得される投影図である。
【図7】接触測定部による段差部の測定方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 測定装置
2 キャップ付ボトル缶
3 ボトル缶
4 キャップ
14 ボトル缶ネジ部(缶ネジ部)
21 天面部
22 段差部
25 キャップネジ部
31 ステージ
32 非接触測定部
33 接触測定部
52 脚部(接触基準部材)
53 測定子
O 缶軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製のボトル缶にキャップが被着、ネジ成形され、該キャップが天面部の周縁に形成された段差部とキャップネジ部とを有するキャップ付ボトル缶の測定方法において、
前記ボトル缶の缶軸と交差する平面内で、前記キャップネジ部の輪郭線を取得することで、該キャップネジ部のネジ深さを測定し、
前記段差部に測定基準部材を接触させると共に前記天面部に測定子を接触させることで、該段差部の前記天面部に対する深さを測定することを特徴とするキャップ付ボトル缶の測定方法。
【請求項2】
前記キャップ付ボトル缶を前記缶軸回りで回転させた複数の向きで、
前記キャップネジ部のネジ深さと、前記天面部の深さとを複数回測定することを特徴とする請求項1に記載のキャップ付ボトル缶の測定方法。
【請求項3】
金属製のボトル缶にキャップが被着、ネジ成形され、該キャップが天面部の周縁に形成された段差部とキャップネジ部とを有するキャップ付ボトル缶を測定、検査するキャップ付ボトル缶の測定装置において、
前記缶軸と交差する平面内で、前記キャップネジ部の輪郭線を取得し、該キャップネジ部のネジ深さを測定する非接触測定部と、
前記段差部に接触させる接触基準部材と、前記天面部の上面に接触させる測定子とを有し、前記接触基準部材と前記測定子との距離から前記段差部の深さを測定する接触測定部とを備えることを特徴とするキャップ付ボトル缶の測定装置。
【請求項4】
前記キャップ付ボトル缶が載置されて該キャップ付ボトル缶を前記缶軸回りで回転させるステージを備えることを特徴とする請求項3に記載のキャップ付ボトル缶の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−33174(P2007−33174A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−215535(P2005−215535)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(305060154)ユニバーサル製缶株式会社 (219)
【Fターム(参考)】