ギヤ装置組立て方法
【課題】組立てコストを低減できるギヤ装置組立て方法を提供すること。
【解決手段】変速機の組立て方法は、変速機本体11と変速機ケース12とを備える変速機10を、力覚センサ49を有する双腕ロボット30で組み立てる。すなわち、変速機ケース12を双腕ロボット30で把持し、この把持した変速機ケース12を変速機本体11上に配置し、その後、双腕ロボット30の力覚センサ49でハンド42A、42Bに作用する力を監視しながら、変速機ケース12を変速機本体11に接近させ、力覚センサ49の検出値が所定値を超えることなく、変速機ケース12が所定高さh1まで接近した場合には、変速機ケース12をさらに接近させて、変速機本体11に取り付け、変速機ケース12が所定高さh1まで接近する前に、力覚センサ49の検出値が所定値を超えた場合には、変速機ケース12を変速機本体11から離して、再試行する。
【解決手段】変速機の組立て方法は、変速機本体11と変速機ケース12とを備える変速機10を、力覚センサ49を有する双腕ロボット30で組み立てる。すなわち、変速機ケース12を双腕ロボット30で把持し、この把持した変速機ケース12を変速機本体11上に配置し、その後、双腕ロボット30の力覚センサ49でハンド42A、42Bに作用する力を監視しながら、変速機ケース12を変速機本体11に接近させ、力覚センサ49の検出値が所定値を超えることなく、変速機ケース12が所定高さh1まで接近した場合には、変速機ケース12をさらに接近させて、変速機本体11に取り付け、変速機ケース12が所定高さh1まで接近する前に、力覚センサ49の検出値が所定値を超えた場合には、変速機ケース12を変速機本体11から離して、再試行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギヤ装置組立て方法に関する。詳しくは、自動車に搭載されるトランスミッションの組立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車には、エンジン出力の回転数やトルクを変えるため、トランスミッションが搭載される。このトランスミッションは、例えば、基部と、この基部上に設けられて複数のギヤやクラッチを有するメインシャフト、カウンタシャフト、およびセカンダリシャフトと、これらを収容するケースと、を有する。
【0003】
ここで、メインシャフトは、エンジンに接続され、カウンタシャフトは、デファレンシャルアッセンブリに接続される。また、ドライブシャフト、メインシャフト、およびカウンタシャフトのギヤやクラッチは、互いに噛合するか、あるいは、噛合可能な状態となっている。
これらのギヤの噛み合せを変えることで、エンジン出力の回転数やトルクを変えて、デファレンシャルアッセンブリに伝達する。
【0004】
以上のようなトランスミッションは、基部にシャフトを取り付けておき、この基部を覆うようにケースを取り付けることで、組み立てられる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−225833号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、以上のようなトランスミッションでは、ケースの内部に、シャフトのギヤに噛み合うギヤが設けられる場合がある。このようなトランスミッションを組み立てる場合、ケース側のギヤとシャフト側のギヤとの位相を合わせつつ、ケースを取り付ける必要がある。
しかしながら、特許文献1に示された方法では、ギヤの位相を合わせることは考慮しておらず、ケース側にギヤが設けられたトランスミッションを組み立てることはできない。その結果、人手で組み立てることとなるが、このトランスミッションは重量物であるため、組立てコストが増大する、という問題があった。
【0006】
本発明は、組立てコストを低減できるギヤ装置組立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1ギヤを有する装置本体と、当該装置本体を収容しかつ前記第1ギヤに噛合する第2ギヤを有するケースと、を備えるギヤ装置を、力覚センサを有するロボットで組み立てるギヤ装置組立て方法であって、前記ケースをロボットで把持し、この把持したケースを前記装置本体上に配置し、その後、前記ロボットの力覚センサでハンドに作用する力を監視しながら、前記ケースを前記装置本体に接近させ、前記力覚センサの検出値が所定値を超えることなく、前記ケースが所定距離まで接近した場合には、前記ケースをさらに接近させて、前記装置本体に取り付け、前記ケースが所定距離まで接近する前に、力覚センサの検出値が所定値を超えた場合には、前記ケースを前記装置本体から離して、再試行することを特徴とするギヤ装置組立て方法。
【0008】
この発明によれば、力覚センサの検出値が所定値を超えることなく、前記ケースが所定距離まで接近した場合には、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致していると判断できるから、ケースをさらに接近させて、装置本体に取り付ける。一方、ケースが所定距離まで接近する前に、力覚センサの検出値が所定値を超えた場合には、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致していないと判断できるから、ケースを装置本体から離して、再試行する。
つまり、ケースおよび装置本体の距離と、力覚センサの検出値とに基づいて、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致しているか否かを判定する。よって、装置本体側に第1ギヤがありケース側に第2ギヤがあっても、ロボットを用いてケースを装置本体に容易に取り付けることができ、サイクルタイムを短縮して、ギヤ装置の組立てコストを低減できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、力覚センサの検出値が所定値を超えることなく、前記ケースが所定距離まで接近した場合には、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致していると判断できるから、ケースをさらに接近させて、装置本体に取り付ける。一方、ケースが所定距離まで接近する前に、力覚センサの検出値が所定値を超えた場合には、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致していないと判断できるから、ケースを装置本体から離して、再試行する。
つまり、ケースおよび装置本体の距離と、力覚センサの検出値とに基づいて、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致しているか否かを判定する。よって、装置本体側に第1ギヤがありケース側に第2ギヤがあっても、ロボットを用いてケースを装置本体に容易に取り付けることができ、サイクルタイムを短縮して、ギヤ装置の組立てコストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のケース取付けシステム1により組み立てられるギヤ装置としての変速機10の分解斜視図である。
変速機10は、複数のシャフトが設けられた装置本体としての変速機本体11と、この変速機本体を覆うケースとしての変速機ケース12と、を備える。
変速機本体11は、平板状の基部20と、この基部20に対して略垂直に延びるメインシャフト21、カウンタシャフト22、セカンダリシャフト23、およびコントロールシャフト24と、を備える。
【0011】
基部20は、シャフト21〜24を支持するとともに、変速機10と図示しないエンジンのクランクシャフトとの間に設けられるトルクコンバータ(T/C)を覆うケースを兼ねる。基部20の周縁部には、孔201が複数設けられている。
【0012】
メインシャフト21、カウンタシャフト22、およびセカンダリシャフト23の下端は、図示しない軸受を介して基部20に回転可能に支持される。これらシャフト21〜23には、複数のクラッチやギヤが設けられるが、特に、メインシャフト21およびカウンタシャフト22には、それぞれ、第1ギヤとしてのリバースギヤ211、221が設けられている。
【0013】
変速機ケース12は、略箱状であり、この変速機ケース12の上面には、メインシャフト21、カウンタシャフト22、およびセカンダリシャフト23の上端が挿入される環状の軸受121、122、123が設けられている。さらに、変速機ケース12の上面には、コントロールシャフト24が挿通される挿通孔124や、開口125が形成されている。
【0014】
変速機ケース12の内側には、第2ギヤとしてのアイドルギヤ126が回転可能に支持されており、このアイドルギヤ126の周縁の一部は、開口125から露出している。
変速機ケース12の周縁部には、後述の双腕ロボット30のフィンガ451、461が挿入される挿入孔127が複数設けられている。
【0015】
この変速機ケース12を変速機本体11に取り付けることにより、図1中2点鎖線で示すように、変速機ケース12のアイドルギヤ126は、メインシャフト21のリバースギヤ211およびカウンタシャフト22のリバースギヤ221に噛合する。また、メインシャフト21、カウンタシャフト22、およびセカンダリシャフト23の上端は、変速機ケース12の軸受121、122、123に挿入されるとともに、コントロールシャフト24の上端は、挿通孔124に挿通される。また、変速機ケース12の挿入孔127は、それぞれ、基部20の孔201上に位置する。
【0016】
以上の変速機では、メインシャフト21は、図示しないトルクコンバータに接続され、カウンタシャフト22は、図示しないデファレンシャルアッセンブリに接続される。そして、メインシャフト21、カウンタシャフト22、およびセカンダリシャフト23のクラッチやギヤの組合せがコントロールシャフト24により適宜選択されて、これら選択されたギヤやクラッチが互いに噛み合うことにより、エンジンからメインシャフト21に伝達された動力の回転数やトルクを変えて、デファレンシャルアッセンブリに伝達する。
なお、アイドルギヤ126は、メインシャフト21のリバースギヤ211およびカウンタシャフト22のリバースギヤ221に常時噛み合っているが、リバース時にのみ、メインシャフト21からの動力をカウンタシャフト22に伝達する。
【0017】
図2は、ケース取付けシステム1の全体斜視図である。
ケース取付けシステム1は、変速機本体11を搬送するAGV(Automatic Guided Vehicle)2が走行するAGV通路3の途中に設けられており、このケース取付けシステム1には、フリーローラコンベア4により変速機ケース12が供給される。
【0018】
ケース取付けシステム1は、フリーローラコンベア4で供給された変速機ケース12を、AGV2上の変速機本体11に取り付ける。ケース取付けシステム1は、具体的には、AGV通路3の近傍に配置された双腕ロボット30と、この双腕ロボット30の作業エリア内に設けられた冶具ステーション31と、双腕ロボット30作業エリアを囲む壁部32と、双腕ロボット30を制御する制御システム33と、を備える。
【0019】
AGV2は、所定の経路を走行する無人走行台車であり、1台のAGVで1つの変速機本体11を運搬する。このAGV2は、双腕ロボット30近傍の所定の停止位置5で停止する。
【0020】
フリーローラコンベア4は、変速機ケース12を運搬するものであり、AGV通路3に略直交して設けられ、双腕ロボット30近傍の所定位置まで延びている。
【0021】
治具ステーション31には、双腕ロボット30のハンドで把持可能な位相合わせ治具60が載置される。位相合わせ治具60の構成については後に詳述するが、双腕ロボット30は、この位相合わせ治具60を適宜用いて、フリーローラコンベア4により供給された変速機ケース12を、AGV2で搬送される変速機本体11に取り付ける。
【0022】
壁部32は、AGV通路3およびフリーローラコンベア4の一部を囲っている。そのため、この壁部32には、AGV2が進入するAGV進入口321と、AGV2が退出するAGV退出口322と、フリーローラコンベア4が通るケース搬入口323が設けられている。これらAGV進入口321、AGV退出口322、およびケース搬入口323には、作業員の安全確保のためライトカーテン324が設けられている。
【0023】
また、壁部32のうち、フリーローラコンベア4の先端、治具ステーション31、およびAGV2の停止位置5の近傍には、メンテナンス用の扉325、326、327が設けられている。
【0024】
双腕ロボット30は、7軸であり、ロボット本体40と、このロボット本体40に設けられた2つのマニピュレータ41A、41Bと、を備える。
【0025】
2つのマニピュレータ41A、41Bは、制御システム33の制御により、協調して動作する。マニピュレータ41A、41Bは、それぞれ、ワークや治具を把持するためのハンド42A、42Bと、このハンド42A、42Bの姿勢や3次元空間の位置を変化させる複数のアーム43A、43Bと、を備える。
【0026】
図3は、ハンド42A、42Bの構造を示す斜視図である。
ハンド42Aは、平板状の基部44と、この基部44に設けられた第1フィンガユニット45および第2フィンガユニット46と、基部44に設けられたエア供給ユニット47と、を備える。
一方、ハンド42Bは、上述の基部44、第1フィンガユニット45、および第2フィンガユニット46と、基部44に設けられたキャップ把持ユニット48と、を備える。
【0027】
また、マニピュレータ41A、41Bのハンド42A、42Bとアーム43A、43Bとの間には、ハンド42A、42Bとアーム43A、43Bとの間に作用する力を検出する力覚センサ49が設けられている。よって、この力覚センサ49により、ハンド42A、42Bに作用する力を検出できることになる。
【0028】
第1フィンガユニット45は、基部44に略垂直(図3中上下方向)に延びる第1フィンガ451と、この第1フィンガ451を基部44に沿ってスライドさせる水平スライド機構452と、第1フィンガ451を水平スライド機構452に固定するスライドロック453と、を備える。
【0029】
第2フィンガユニット46は、基部44に略垂直(図3中上下方向)に延びる第2フィンガ461と、この第2フィンガ461を基部44に略垂直方向にスライドさせる垂直スライド機構462と、第2フィンガ461を垂直スライド機構462に固定するスライドロック463と、を備える。
以上の第1フィンガユニット45および第2フィンガユニット46によれば、第1フィンガ451と第2フィンガ461との相対位置を適宜調整して、ワークの形状に追従できるようになっている。
【0030】
図4は、フィンガ451、461の断面図である。
フィンガ451、461は、それぞれ、円筒状のシリンダ50と、このシリンダ50の先端に設けられた円筒状のチャック51と、シリンダ50の内部に設けられてチャック51の内部に挿抜されるロッド52と、を備える。
チャック51は、先端側が複数に分割されている。ロッド52は、先端が膨らんだ形状であり、チャック51に対して進退する。
【0031】
ロッド52を前進させて、ロッド52の先端をチャック51の内部に挿入することによって、図5に示すように、ロッド52の先端がチャック51の先端側を押し拡げて、チャック51が拡開し、チャック51先端の外径が大きくなる。一方、ロッド52を後退させて、ロッド52の先端をチャック51から抜くと、チャック51の復元力により、チャック51先端の外径は元の大きさに戻る。
【0032】
したがって、上述の変速機ケース12の挿入孔127にフィンガ451、461を挿入して、チャック51を拡開することにより、チャック51が挿入孔127の内面に係止して、変速機ケース12が把持される。
【0033】
図3に戻って、エア供給ユニット47は、後述の位相合わせ治具60に接続可能であり、2本のエア供給管471A、471B(図7参照)でエアを供給する。具体的には、エア供給管471Aからエアを供給するとともにエア供給管471Bからエアを吸引する動作と、エア供給管471Aからエアを吸引するとともにエア供給管471Bからエアを供給する動作と、を繰り返す。
【0034】
キャップ把持ユニット48は、上述のコントロールシャフト24の上端に被せるキャップ481を把持する。
【0035】
図6は、位相合わせ治具60の平面図である。図7は、図6のA−A断面図であり、図8は、図6のB−B断面図であり、図9は、図6のC−C断面図である。
位相合わせ冶具60は、平板状の基部61と、この基部61上に設けられてピン621を有する揺動機構62と、基部61上の一端側に設けられた接続部63と、を備える。この位相合わせ治具60は、図10に示すように、変速機ケース12の上面に載置されることにより、ピン621が変速機ケース12の開口125に挿通され、ピン621の先端がアイドルギヤ126の歯に係合する。
【0036】
基部61の周縁部の対角線上には、変速機ケース12の挿入孔127と同様の挿入孔611が設けられている。この挿入孔611も、双腕ロボット30のフィンガ451、461に設けられたチャック51が係止することで、双腕ロボット30に把持される。
また、基部61の略中央には、開口612が形成されている。
【0037】
接続部63は、図7に示すように、2本のエア供給管631A、631Bで揺動機構62に接続されており、双腕ロボット30のエア供給ユニット47に接続可能である。
このエア供給ユニット47の下面には、このエア供給ユニット47の下面に沿ってスライド可能な一対のスライド部472が設けられている。これらスライド部472には、それぞれ、エア供給管471A、471Bが設けられている。エア供給ユニット47は、下面略中央に図示しないセンサを有しており、このセンサが作動すると、これらスライド部472を、互いに接近する方向(図7中矢印方向)に移動させる。
【0038】
接続部63の上面には、突起632が設けられている。この接続部63をエア供給ユニット47のスライド部472で囲まれた空間に挿入すると、エア供給ユニット47のセンサが接続部63の突起632により作動して、スライド部472が移動し、エア供給管471A、471Bは、接続部63のエア供給管631A、631Bに接続される。
【0039】
接続部63は、エア供給ユニット47に接続されると、エア供給管471A、471Bからエアが供給されるため、この供給されるエアを、エア供給管631A、631Bを介して、揺動機構62に供給する。
【0040】
揺動機構62は、ピン621を支持するスライド部622と、このスライド部622を摺動自在に支持する揺動機構本体623と、を有する。
【0041】
ピン621は、円柱状であり、基部61の開口612を貫通して延びている。
スライド部622には、図8中上下方向に延びる挿通孔624が形成されており、ピン621は、この挿通孔624の内部を移動可能に保持されている。また、この挿通孔624の内部には、スプリング625が設けられており、このスプリング625は、ピン621を図8中下方に向かって常時付勢している。
【0042】
揺動機構本体623は、接続部63から供給されるエアを利用してスライド部622を基部61に略平行に揺動させる。
具体的には、揺動機構本体623は、エア供給管631A、631Bのうち一方からエアが供給され、他方からエアが吸引されることで、これらのエアの圧力差を利用して、スライド部622を一端側にスライドさせる。一方、エア供給管631A、631Bのうちの一方からエアが吸引され、他方からエアが供給されることで、エアの圧力差を利用して、今度は、スライド部622を他端側にスライドさせる。
【0043】
図2に戻って、制御システム33は、AGV通路3に設けられたAGV位置検出装置71と、フリーローラコンベア4の先端上方に設けられた第1カメラ72と、AGV2の停止位置5の上方に設けられた第2カメラ73と、AGV2の停止位置5に設けられた3つのレーザ照射装置76と、これらAGV位置検出装置71、第1カメラ72、第2カメラ73、およびレーザ照射装置76を制御する制御装置70と、この制御装置70に命令を入力するための操作パネル74およびティーチングペンダント75と、を備える。
【0044】
AGV位置検出装置71は、壁部32のAGV進入口321に設けられた第1センサ711と、AGV通路3のAGV2の停止位置5に設けられた第2センサ712と、壁部32のAGV退出口322に設けられた第3センサ713と、を備える。
これらセンサ711〜713は、それぞれ、AGV進入口321、AGV停止位置5、およびAGV退出口322におけるAGV2の存在を検知する。
【0045】
第1カメラ72は、フリーローラコンベア4の先端を上方から撮影する。第2カメラ73は、AGV停止位置5を上方から撮影する。
3つのレーザ照射装置76は、それぞれ、水平でも鉛直でもない所定の角度で、AGV2に載置された変速機本体11にレーザを照射する。各レーザ照射装置76は、変速機本体11表面上の互いに異なる位置に、レーザを照射するようになっている。なお、本実施形態では、AGV2に載置された変速機本体11にレーザを照射したが、これに限らず、AGV2の変速機本体11が載置された載置面にレーザを照射してもよい。
【0046】
操作パネル74は、壁部32の外側に設けられている。ティーチングペンダントは、双腕ロボット30にティーチングを行うためのものであり、所定の範囲内で作業員が自由に持ち運びできるようになっている。
【0047】
次に、以上のケース取付けシステム1の動作を図11のフローチャートを用いて説明する。
【0048】
(ST1)まず、図12に示すように、双腕ロボット30をフリーローラコンベア4上から退避させた状態で、第1カメラ72により、供給される変速機ケース12を撮影する。この第1カメラ72で撮影した画像より、変速機ケース12の水平方向の位置を計測する。
【0049】
また、フリーローラコンベア4によりケース取付けシステム1に変速機ケース12が供給される。すると、まず、図示しないバーコードリーダにより、変速機ケース12に貼付されたバーコードを読み取って、変速機ケース12の機種を識別する。
【0050】
(ST2)既に組み立てた変速機から、位相合わせ治具60およびキャップ481を取り外しておき、この双腕ロボット30を旋回させて、位相合わせ治具60を変速機ケース12上に位置させる。
【0051】
(ST3)変速機ケース12を下降させて、フリーローラコンベア4上の変速機ケース12に位相合わせ冶具60を載置して取り付ける。
【0052】
(ST4)ST1で算出した補正量に基づいて、図13に示すように、双腕ロボット30の動作を補正して、双腕ロボット30のハンド42A、42Bで変速機ケース12を把持した後、上昇させる。
【0053】
(ST5)AGV2によりケース取付けシステム1に変速機本体11が供給される。すると、AGV位置検出装置71により、AGV2の停止位置を検出し、図示しないIDタグ読取装置により、変速機本体11に付されたIDタグを読み取る。
【0054】
また、図14に示すように、第2カメラ73でAGV2上の変速機本体11を撮影して、この撮影画像より変速機本体11の水平方向の位置を計測する。また、レーザ照射装置76から変速機本体11にレーザを照射するとともに第2カメラ73で撮影して、この撮影画像より、変速機本体11の高さや傾きを計測する。
【0055】
(ST6)双腕ロボット30のキャップ把持ユニット48がコントロールシャフト24の軸線上に位置するまで、双腕ロボット30を旋回させる。
【0056】
(ST7)図15に示すように、変速機ケース12を把持した状態で、キャップ把持ユニット48を解放して、コントロールシャフト24の先端にキャップ481を被せる。
【0057】
(ST8)図16に示すように、変速機ケース12が変速機本体11上に位置するまで、双腕ロボット30をさらに旋回させる。
【0058】
(ST9)変速機ケース12の位置を確定する。すなわち、双腕ロボット30で変速機ケース12を把持した状態で、第2カメラ73で再び撮影する。すると、変速機本体11上には変速機ケース12が位置しているため、変速機ケース12が撮影される。第2カメラ73で撮影した変速機ケース12の撮影画像に基づいて、変速機ケース12の水平方向の位置を計測する。この変速機ケース12の位置に基づいて、双腕ロボット30の動作の補正量を算出し、この補正量に基づいて双腕ロボット30を制御して、変速機ケース12の位置を修正する。このようにして、変速機本体11との相対的なずれが所定値以下になるまで、変速機ケース12の位置を修正する。
【0059】
(ST10)続いて、位相合わせ治具60を駆動して、アイドルギヤ126を揺動させる。この状態で、力覚センサ49でハンド42A、42Bに作用する力を監視しながら、図17に示すように、変速機ケース12を下降させる。この変速機ケース12を下降させる動作を図18のフローチャートを用いて説明する。
【0060】
具体的には、まず、図19中2点鎖線で示す位置から、変速機ケース12をわずかに下降させて(ST11)、力覚センサ49の検出値fが所定値f1以上であるか否かを判定する(ST12)。この判定がNoである場合には、変速機ケース12の高さhが所定高さh1であるか否かを判定する(ST13)。この判定がNoの場合には、ST11に戻る。この手順を繰り返す。
【0061】
ここで、変速機ケース12の高さhとは、変速機ケース12の変速機本体11からの高さであり、変速機ケース12と変速機本体11との距離である。また、所定高さh1とは、例えば、変速機ケース12のアイドルギヤ126が、変速機本体11のリバースギヤ211、221に僅かに(ここでは、寸法dとする)干渉する高さである。
【0062】
ST13の判定がYesの場合には、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えることなく、変速機ケース12が所定高さh1まで下降しているため、変速機ケース12に設けられたアイドルギヤ126が変速機本体11に設けられたリバースギヤ211、221に噛み合っていると考えられる。よって、変速機ケース12をさらに下降させて、変速機ケース12を変速機本体11に取り付ける(ST14)。
【0063】
ST12における判定がYesの場合には、変速機ケース12が所定高さh1まで下降する前に、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えており、変速機ケース12に設けられたアイドルギヤ126が変速機本体11に設けられたリバースギヤ211、221に噛み合っていないと考えられる。よって、変速機ケース12を再上昇させて(ST15)、ST1に戻り、再試行する。
【0064】
図20は、変速機ケース12を下降させる動作のタイミングチャートである。
変速機ケース12を下降させていくと、時刻t1において、変速機ケース12の高さhが所定高さh1になる前に、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えている。そこで、変速機ケース12を再上昇させて、再試行する。
時刻t2、t3においても、変速機ケース12の高さhが所定高さh1になる前に、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えているため、再試行する。
時刻t4において、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えることなく、変速機ケース12が所定高さh1まで下降しているため、さらに、変速機ケース12を下降させる。
時刻t5において、変速機ケース12が変速機本体11に取り付けられると、変速機本体11の反力により、力覚センサ49の検出値fが上昇する。
【0065】
なお、変速機ケース12を変速機本体11に組み付けると、コントロールシャフト24の先端は、キャップ481が被せられた状態で、変速機ケース12の挿通孔124に挿通される。
【0066】
(ST11)変速機ケース12の把持状態を解除して、ハンド42A、42Bを上昇させる。
(ST12)第2カメラ73により、変速機ケース12上の位相合わせ治具60を撮影する。この撮影画像に基づいて、位相合わせ治具60の水平方向の位置を計測し、双腕ロボット30を制御して、図21に示すように、ハンド42A、42Bで位相合わせ冶具30を把持する。
【0067】
(ST13)双腕ロボット30のキャップ把持ユニット48がコントロールシャフト24の軸線上に位置するまで、双腕ロボット30を旋回させる。
(ST14)第2カメラ73により、変速機ケース12から露出したコントロールシャフト24を撮影する。この撮影画像に基づいて、コントロールシャフト24の水平方向の位置を計測し、双腕ロボット30のキャップ把持ユニット48を制御して、図22に示すように、コントロールシャフト24先端のキャップ481を把持する。
【0068】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えることなく、変速機ケース12が所定高さh1まで変速機本体11に接近した場合には、アイドルギヤ126とリバースギヤ211、221との位相が一致していると判断できるから、変速機ケース12をさらに変速機本体11に接近させて、変速機本体11に取り付ける。一方、変速機ケース12が所定高さh1まで接近する前に、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えた場合には、アイドルギヤ126とリバースギヤ211、221との位相が一致していないと判断できるから、変速機ケース12を変速機本体11から離して、再試行する。
つまり、変速機ケース12の変速機本体11からの高さhと、力覚センサ49の検出値fとに基づいて、アイドルギヤ126とリバースギヤ211、221との位相が一致しているか否かを判定する。よって、変速機本体11側にリバースギヤ211、221があり変速機ケース12側にアイドルギヤ126があっても、双腕ロボット30を用いて変速機ケース12を変速機本体11に容易に取り付けることができ、サイクルタイムを短縮して、変速機10の組立てコストを低減できる。
【0069】
(2)キャップ把持ユニット48でコントロールシャフト24の先端にキャップを被せておき、この状態で、変速機ケース12を変速機本体11に組み付けて、コントロールシャフト24を変速機ケース12の挿通孔124に挿通した。よって、コントロールシャフトの先端や変速機ケース12の挿通孔124が損傷するのを防止できる。
【0070】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態に係るワーク取り付けシステムにより組み立てられるワークの分解斜視図である。
【図2】前記実施形態に係るワーク取り付けシステムの全体斜視図である。
【図3】前記実施形態に係るワーク取り付けシステムを構成するロボットのハンドの斜視図である。
【図4】前記実施形態に係るハンドのフィンガの断面図である。
【図5】前記実施形態に係るフィンガの動作を説明するための図である。
【図6】前記実施形態に係るワーク取り付けシステムを構成する位相合わせ治具の平面図である。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】図6のB−B断面図である。
【図9】図6のC−C断面図である。
【図10】前記実施形態に係る位相合わせ治具を第1ワークに取り付けた状態の平面図である。
【図11】前記実施形態に係るワーク取り付けシステムのフローチャートである。
【図12】前記実施形態に係わるワーク取り付けシステムで第1ワークを計測した状態を示す断面図である。
【図13】前記実施形態に係わるロボットで第1ワークを把持した状態を示す断面図である。
【図14】前記実施形態に係わるワーク取り付けシステムで第2ワークを計測した状態を示す断面図である。
【図15】前記実施形態に係わるロボットで第2ワークにキャップを取り付けた状態を示す断面図である。
【図16】前記実施形態に係わるロボットで第1ワークを第2ワーク上に位置させた状態を示す断面図である。
【図17】前記実施形態に係わるロボットで第1ワークを第2ワークに組み付けた状態を示す断面図である。
【図18】前記実施形態に係る第1ワークを下降させる動作のフローチャートである。
【図19】前記実施形態に係わるロボットで第1ワークを第2ワークに組み付ける動作を説明するための断面図である。
【図20】前記実施形態に係る第1ワークを下降させる動作のタイミングチャートである。
【図21】前記実施形態に係わるロボットで位相合わせ治具を取り外した状態を示す断面図である。
【図22】前記実施形態に係わるロボットでキャップを取り外した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0072】
10 変速機(ギヤ装置)
11 変速機本体(装置本体)
211、221 リバースギヤ(第1ギヤ)
12 変速機ケース(ケース)
126 アイドルギヤ(第2ギヤ)
30 双腕ロボット(ロボット)
42A、42B ハンド
49 力覚センサ
60 位相合わせ冶具
61 基部
62 揺動機構
621 ピン
63 接続部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ギヤ装置組立て方法に関する。詳しくは、自動車に搭載されるトランスミッションの組立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車には、エンジン出力の回転数やトルクを変えるため、トランスミッションが搭載される。このトランスミッションは、例えば、基部と、この基部上に設けられて複数のギヤやクラッチを有するメインシャフト、カウンタシャフト、およびセカンダリシャフトと、これらを収容するケースと、を有する。
【0003】
ここで、メインシャフトは、エンジンに接続され、カウンタシャフトは、デファレンシャルアッセンブリに接続される。また、ドライブシャフト、メインシャフト、およびカウンタシャフトのギヤやクラッチは、互いに噛合するか、あるいは、噛合可能な状態となっている。
これらのギヤの噛み合せを変えることで、エンジン出力の回転数やトルクを変えて、デファレンシャルアッセンブリに伝達する。
【0004】
以上のようなトランスミッションは、基部にシャフトを取り付けておき、この基部を覆うようにケースを取り付けることで、組み立てられる(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−225833号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、以上のようなトランスミッションでは、ケースの内部に、シャフトのギヤに噛み合うギヤが設けられる場合がある。このようなトランスミッションを組み立てる場合、ケース側のギヤとシャフト側のギヤとの位相を合わせつつ、ケースを取り付ける必要がある。
しかしながら、特許文献1に示された方法では、ギヤの位相を合わせることは考慮しておらず、ケース側にギヤが設けられたトランスミッションを組み立てることはできない。その結果、人手で組み立てることとなるが、このトランスミッションは重量物であるため、組立てコストが増大する、という問題があった。
【0006】
本発明は、組立てコストを低減できるギヤ装置組立て方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1ギヤを有する装置本体と、当該装置本体を収容しかつ前記第1ギヤに噛合する第2ギヤを有するケースと、を備えるギヤ装置を、力覚センサを有するロボットで組み立てるギヤ装置組立て方法であって、前記ケースをロボットで把持し、この把持したケースを前記装置本体上に配置し、その後、前記ロボットの力覚センサでハンドに作用する力を監視しながら、前記ケースを前記装置本体に接近させ、前記力覚センサの検出値が所定値を超えることなく、前記ケースが所定距離まで接近した場合には、前記ケースをさらに接近させて、前記装置本体に取り付け、前記ケースが所定距離まで接近する前に、力覚センサの検出値が所定値を超えた場合には、前記ケースを前記装置本体から離して、再試行することを特徴とするギヤ装置組立て方法。
【0008】
この発明によれば、力覚センサの検出値が所定値を超えることなく、前記ケースが所定距離まで接近した場合には、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致していると判断できるから、ケースをさらに接近させて、装置本体に取り付ける。一方、ケースが所定距離まで接近する前に、力覚センサの検出値が所定値を超えた場合には、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致していないと判断できるから、ケースを装置本体から離して、再試行する。
つまり、ケースおよび装置本体の距離と、力覚センサの検出値とに基づいて、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致しているか否かを判定する。よって、装置本体側に第1ギヤがありケース側に第2ギヤがあっても、ロボットを用いてケースを装置本体に容易に取り付けることができ、サイクルタイムを短縮して、ギヤ装置の組立てコストを低減できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、力覚センサの検出値が所定値を超えることなく、前記ケースが所定距離まで接近した場合には、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致していると判断できるから、ケースをさらに接近させて、装置本体に取り付ける。一方、ケースが所定距離まで接近する前に、力覚センサの検出値が所定値を超えた場合には、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致していないと判断できるから、ケースを装置本体から離して、再試行する。
つまり、ケースおよび装置本体の距離と、力覚センサの検出値とに基づいて、第1ギヤと第2ギヤとの位相が一致しているか否かを判定する。よって、装置本体側に第1ギヤがありケース側に第2ギヤがあっても、ロボットを用いてケースを装置本体に容易に取り付けることができ、サイクルタイムを短縮して、ギヤ装置の組立てコストを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のケース取付けシステム1により組み立てられるギヤ装置としての変速機10の分解斜視図である。
変速機10は、複数のシャフトが設けられた装置本体としての変速機本体11と、この変速機本体を覆うケースとしての変速機ケース12と、を備える。
変速機本体11は、平板状の基部20と、この基部20に対して略垂直に延びるメインシャフト21、カウンタシャフト22、セカンダリシャフト23、およびコントロールシャフト24と、を備える。
【0011】
基部20は、シャフト21〜24を支持するとともに、変速機10と図示しないエンジンのクランクシャフトとの間に設けられるトルクコンバータ(T/C)を覆うケースを兼ねる。基部20の周縁部には、孔201が複数設けられている。
【0012】
メインシャフト21、カウンタシャフト22、およびセカンダリシャフト23の下端は、図示しない軸受を介して基部20に回転可能に支持される。これらシャフト21〜23には、複数のクラッチやギヤが設けられるが、特に、メインシャフト21およびカウンタシャフト22には、それぞれ、第1ギヤとしてのリバースギヤ211、221が設けられている。
【0013】
変速機ケース12は、略箱状であり、この変速機ケース12の上面には、メインシャフト21、カウンタシャフト22、およびセカンダリシャフト23の上端が挿入される環状の軸受121、122、123が設けられている。さらに、変速機ケース12の上面には、コントロールシャフト24が挿通される挿通孔124や、開口125が形成されている。
【0014】
変速機ケース12の内側には、第2ギヤとしてのアイドルギヤ126が回転可能に支持されており、このアイドルギヤ126の周縁の一部は、開口125から露出している。
変速機ケース12の周縁部には、後述の双腕ロボット30のフィンガ451、461が挿入される挿入孔127が複数設けられている。
【0015】
この変速機ケース12を変速機本体11に取り付けることにより、図1中2点鎖線で示すように、変速機ケース12のアイドルギヤ126は、メインシャフト21のリバースギヤ211およびカウンタシャフト22のリバースギヤ221に噛合する。また、メインシャフト21、カウンタシャフト22、およびセカンダリシャフト23の上端は、変速機ケース12の軸受121、122、123に挿入されるとともに、コントロールシャフト24の上端は、挿通孔124に挿通される。また、変速機ケース12の挿入孔127は、それぞれ、基部20の孔201上に位置する。
【0016】
以上の変速機では、メインシャフト21は、図示しないトルクコンバータに接続され、カウンタシャフト22は、図示しないデファレンシャルアッセンブリに接続される。そして、メインシャフト21、カウンタシャフト22、およびセカンダリシャフト23のクラッチやギヤの組合せがコントロールシャフト24により適宜選択されて、これら選択されたギヤやクラッチが互いに噛み合うことにより、エンジンからメインシャフト21に伝達された動力の回転数やトルクを変えて、デファレンシャルアッセンブリに伝達する。
なお、アイドルギヤ126は、メインシャフト21のリバースギヤ211およびカウンタシャフト22のリバースギヤ221に常時噛み合っているが、リバース時にのみ、メインシャフト21からの動力をカウンタシャフト22に伝達する。
【0017】
図2は、ケース取付けシステム1の全体斜視図である。
ケース取付けシステム1は、変速機本体11を搬送するAGV(Automatic Guided Vehicle)2が走行するAGV通路3の途中に設けられており、このケース取付けシステム1には、フリーローラコンベア4により変速機ケース12が供給される。
【0018】
ケース取付けシステム1は、フリーローラコンベア4で供給された変速機ケース12を、AGV2上の変速機本体11に取り付ける。ケース取付けシステム1は、具体的には、AGV通路3の近傍に配置された双腕ロボット30と、この双腕ロボット30の作業エリア内に設けられた冶具ステーション31と、双腕ロボット30作業エリアを囲む壁部32と、双腕ロボット30を制御する制御システム33と、を備える。
【0019】
AGV2は、所定の経路を走行する無人走行台車であり、1台のAGVで1つの変速機本体11を運搬する。このAGV2は、双腕ロボット30近傍の所定の停止位置5で停止する。
【0020】
フリーローラコンベア4は、変速機ケース12を運搬するものであり、AGV通路3に略直交して設けられ、双腕ロボット30近傍の所定位置まで延びている。
【0021】
治具ステーション31には、双腕ロボット30のハンドで把持可能な位相合わせ治具60が載置される。位相合わせ治具60の構成については後に詳述するが、双腕ロボット30は、この位相合わせ治具60を適宜用いて、フリーローラコンベア4により供給された変速機ケース12を、AGV2で搬送される変速機本体11に取り付ける。
【0022】
壁部32は、AGV通路3およびフリーローラコンベア4の一部を囲っている。そのため、この壁部32には、AGV2が進入するAGV進入口321と、AGV2が退出するAGV退出口322と、フリーローラコンベア4が通るケース搬入口323が設けられている。これらAGV進入口321、AGV退出口322、およびケース搬入口323には、作業員の安全確保のためライトカーテン324が設けられている。
【0023】
また、壁部32のうち、フリーローラコンベア4の先端、治具ステーション31、およびAGV2の停止位置5の近傍には、メンテナンス用の扉325、326、327が設けられている。
【0024】
双腕ロボット30は、7軸であり、ロボット本体40と、このロボット本体40に設けられた2つのマニピュレータ41A、41Bと、を備える。
【0025】
2つのマニピュレータ41A、41Bは、制御システム33の制御により、協調して動作する。マニピュレータ41A、41Bは、それぞれ、ワークや治具を把持するためのハンド42A、42Bと、このハンド42A、42Bの姿勢や3次元空間の位置を変化させる複数のアーム43A、43Bと、を備える。
【0026】
図3は、ハンド42A、42Bの構造を示す斜視図である。
ハンド42Aは、平板状の基部44と、この基部44に設けられた第1フィンガユニット45および第2フィンガユニット46と、基部44に設けられたエア供給ユニット47と、を備える。
一方、ハンド42Bは、上述の基部44、第1フィンガユニット45、および第2フィンガユニット46と、基部44に設けられたキャップ把持ユニット48と、を備える。
【0027】
また、マニピュレータ41A、41Bのハンド42A、42Bとアーム43A、43Bとの間には、ハンド42A、42Bとアーム43A、43Bとの間に作用する力を検出する力覚センサ49が設けられている。よって、この力覚センサ49により、ハンド42A、42Bに作用する力を検出できることになる。
【0028】
第1フィンガユニット45は、基部44に略垂直(図3中上下方向)に延びる第1フィンガ451と、この第1フィンガ451を基部44に沿ってスライドさせる水平スライド機構452と、第1フィンガ451を水平スライド機構452に固定するスライドロック453と、を備える。
【0029】
第2フィンガユニット46は、基部44に略垂直(図3中上下方向)に延びる第2フィンガ461と、この第2フィンガ461を基部44に略垂直方向にスライドさせる垂直スライド機構462と、第2フィンガ461を垂直スライド機構462に固定するスライドロック463と、を備える。
以上の第1フィンガユニット45および第2フィンガユニット46によれば、第1フィンガ451と第2フィンガ461との相対位置を適宜調整して、ワークの形状に追従できるようになっている。
【0030】
図4は、フィンガ451、461の断面図である。
フィンガ451、461は、それぞれ、円筒状のシリンダ50と、このシリンダ50の先端に設けられた円筒状のチャック51と、シリンダ50の内部に設けられてチャック51の内部に挿抜されるロッド52と、を備える。
チャック51は、先端側が複数に分割されている。ロッド52は、先端が膨らんだ形状であり、チャック51に対して進退する。
【0031】
ロッド52を前進させて、ロッド52の先端をチャック51の内部に挿入することによって、図5に示すように、ロッド52の先端がチャック51の先端側を押し拡げて、チャック51が拡開し、チャック51先端の外径が大きくなる。一方、ロッド52を後退させて、ロッド52の先端をチャック51から抜くと、チャック51の復元力により、チャック51先端の外径は元の大きさに戻る。
【0032】
したがって、上述の変速機ケース12の挿入孔127にフィンガ451、461を挿入して、チャック51を拡開することにより、チャック51が挿入孔127の内面に係止して、変速機ケース12が把持される。
【0033】
図3に戻って、エア供給ユニット47は、後述の位相合わせ治具60に接続可能であり、2本のエア供給管471A、471B(図7参照)でエアを供給する。具体的には、エア供給管471Aからエアを供給するとともにエア供給管471Bからエアを吸引する動作と、エア供給管471Aからエアを吸引するとともにエア供給管471Bからエアを供給する動作と、を繰り返す。
【0034】
キャップ把持ユニット48は、上述のコントロールシャフト24の上端に被せるキャップ481を把持する。
【0035】
図6は、位相合わせ治具60の平面図である。図7は、図6のA−A断面図であり、図8は、図6のB−B断面図であり、図9は、図6のC−C断面図である。
位相合わせ冶具60は、平板状の基部61と、この基部61上に設けられてピン621を有する揺動機構62と、基部61上の一端側に設けられた接続部63と、を備える。この位相合わせ治具60は、図10に示すように、変速機ケース12の上面に載置されることにより、ピン621が変速機ケース12の開口125に挿通され、ピン621の先端がアイドルギヤ126の歯に係合する。
【0036】
基部61の周縁部の対角線上には、変速機ケース12の挿入孔127と同様の挿入孔611が設けられている。この挿入孔611も、双腕ロボット30のフィンガ451、461に設けられたチャック51が係止することで、双腕ロボット30に把持される。
また、基部61の略中央には、開口612が形成されている。
【0037】
接続部63は、図7に示すように、2本のエア供給管631A、631Bで揺動機構62に接続されており、双腕ロボット30のエア供給ユニット47に接続可能である。
このエア供給ユニット47の下面には、このエア供給ユニット47の下面に沿ってスライド可能な一対のスライド部472が設けられている。これらスライド部472には、それぞれ、エア供給管471A、471Bが設けられている。エア供給ユニット47は、下面略中央に図示しないセンサを有しており、このセンサが作動すると、これらスライド部472を、互いに接近する方向(図7中矢印方向)に移動させる。
【0038】
接続部63の上面には、突起632が設けられている。この接続部63をエア供給ユニット47のスライド部472で囲まれた空間に挿入すると、エア供給ユニット47のセンサが接続部63の突起632により作動して、スライド部472が移動し、エア供給管471A、471Bは、接続部63のエア供給管631A、631Bに接続される。
【0039】
接続部63は、エア供給ユニット47に接続されると、エア供給管471A、471Bからエアが供給されるため、この供給されるエアを、エア供給管631A、631Bを介して、揺動機構62に供給する。
【0040】
揺動機構62は、ピン621を支持するスライド部622と、このスライド部622を摺動自在に支持する揺動機構本体623と、を有する。
【0041】
ピン621は、円柱状であり、基部61の開口612を貫通して延びている。
スライド部622には、図8中上下方向に延びる挿通孔624が形成されており、ピン621は、この挿通孔624の内部を移動可能に保持されている。また、この挿通孔624の内部には、スプリング625が設けられており、このスプリング625は、ピン621を図8中下方に向かって常時付勢している。
【0042】
揺動機構本体623は、接続部63から供給されるエアを利用してスライド部622を基部61に略平行に揺動させる。
具体的には、揺動機構本体623は、エア供給管631A、631Bのうち一方からエアが供給され、他方からエアが吸引されることで、これらのエアの圧力差を利用して、スライド部622を一端側にスライドさせる。一方、エア供給管631A、631Bのうちの一方からエアが吸引され、他方からエアが供給されることで、エアの圧力差を利用して、今度は、スライド部622を他端側にスライドさせる。
【0043】
図2に戻って、制御システム33は、AGV通路3に設けられたAGV位置検出装置71と、フリーローラコンベア4の先端上方に設けられた第1カメラ72と、AGV2の停止位置5の上方に設けられた第2カメラ73と、AGV2の停止位置5に設けられた3つのレーザ照射装置76と、これらAGV位置検出装置71、第1カメラ72、第2カメラ73、およびレーザ照射装置76を制御する制御装置70と、この制御装置70に命令を入力するための操作パネル74およびティーチングペンダント75と、を備える。
【0044】
AGV位置検出装置71は、壁部32のAGV進入口321に設けられた第1センサ711と、AGV通路3のAGV2の停止位置5に設けられた第2センサ712と、壁部32のAGV退出口322に設けられた第3センサ713と、を備える。
これらセンサ711〜713は、それぞれ、AGV進入口321、AGV停止位置5、およびAGV退出口322におけるAGV2の存在を検知する。
【0045】
第1カメラ72は、フリーローラコンベア4の先端を上方から撮影する。第2カメラ73は、AGV停止位置5を上方から撮影する。
3つのレーザ照射装置76は、それぞれ、水平でも鉛直でもない所定の角度で、AGV2に載置された変速機本体11にレーザを照射する。各レーザ照射装置76は、変速機本体11表面上の互いに異なる位置に、レーザを照射するようになっている。なお、本実施形態では、AGV2に載置された変速機本体11にレーザを照射したが、これに限らず、AGV2の変速機本体11が載置された載置面にレーザを照射してもよい。
【0046】
操作パネル74は、壁部32の外側に設けられている。ティーチングペンダントは、双腕ロボット30にティーチングを行うためのものであり、所定の範囲内で作業員が自由に持ち運びできるようになっている。
【0047】
次に、以上のケース取付けシステム1の動作を図11のフローチャートを用いて説明する。
【0048】
(ST1)まず、図12に示すように、双腕ロボット30をフリーローラコンベア4上から退避させた状態で、第1カメラ72により、供給される変速機ケース12を撮影する。この第1カメラ72で撮影した画像より、変速機ケース12の水平方向の位置を計測する。
【0049】
また、フリーローラコンベア4によりケース取付けシステム1に変速機ケース12が供給される。すると、まず、図示しないバーコードリーダにより、変速機ケース12に貼付されたバーコードを読み取って、変速機ケース12の機種を識別する。
【0050】
(ST2)既に組み立てた変速機から、位相合わせ治具60およびキャップ481を取り外しておき、この双腕ロボット30を旋回させて、位相合わせ治具60を変速機ケース12上に位置させる。
【0051】
(ST3)変速機ケース12を下降させて、フリーローラコンベア4上の変速機ケース12に位相合わせ冶具60を載置して取り付ける。
【0052】
(ST4)ST1で算出した補正量に基づいて、図13に示すように、双腕ロボット30の動作を補正して、双腕ロボット30のハンド42A、42Bで変速機ケース12を把持した後、上昇させる。
【0053】
(ST5)AGV2によりケース取付けシステム1に変速機本体11が供給される。すると、AGV位置検出装置71により、AGV2の停止位置を検出し、図示しないIDタグ読取装置により、変速機本体11に付されたIDタグを読み取る。
【0054】
また、図14に示すように、第2カメラ73でAGV2上の変速機本体11を撮影して、この撮影画像より変速機本体11の水平方向の位置を計測する。また、レーザ照射装置76から変速機本体11にレーザを照射するとともに第2カメラ73で撮影して、この撮影画像より、変速機本体11の高さや傾きを計測する。
【0055】
(ST6)双腕ロボット30のキャップ把持ユニット48がコントロールシャフト24の軸線上に位置するまで、双腕ロボット30を旋回させる。
【0056】
(ST7)図15に示すように、変速機ケース12を把持した状態で、キャップ把持ユニット48を解放して、コントロールシャフト24の先端にキャップ481を被せる。
【0057】
(ST8)図16に示すように、変速機ケース12が変速機本体11上に位置するまで、双腕ロボット30をさらに旋回させる。
【0058】
(ST9)変速機ケース12の位置を確定する。すなわち、双腕ロボット30で変速機ケース12を把持した状態で、第2カメラ73で再び撮影する。すると、変速機本体11上には変速機ケース12が位置しているため、変速機ケース12が撮影される。第2カメラ73で撮影した変速機ケース12の撮影画像に基づいて、変速機ケース12の水平方向の位置を計測する。この変速機ケース12の位置に基づいて、双腕ロボット30の動作の補正量を算出し、この補正量に基づいて双腕ロボット30を制御して、変速機ケース12の位置を修正する。このようにして、変速機本体11との相対的なずれが所定値以下になるまで、変速機ケース12の位置を修正する。
【0059】
(ST10)続いて、位相合わせ治具60を駆動して、アイドルギヤ126を揺動させる。この状態で、力覚センサ49でハンド42A、42Bに作用する力を監視しながら、図17に示すように、変速機ケース12を下降させる。この変速機ケース12を下降させる動作を図18のフローチャートを用いて説明する。
【0060】
具体的には、まず、図19中2点鎖線で示す位置から、変速機ケース12をわずかに下降させて(ST11)、力覚センサ49の検出値fが所定値f1以上であるか否かを判定する(ST12)。この判定がNoである場合には、変速機ケース12の高さhが所定高さh1であるか否かを判定する(ST13)。この判定がNoの場合には、ST11に戻る。この手順を繰り返す。
【0061】
ここで、変速機ケース12の高さhとは、変速機ケース12の変速機本体11からの高さであり、変速機ケース12と変速機本体11との距離である。また、所定高さh1とは、例えば、変速機ケース12のアイドルギヤ126が、変速機本体11のリバースギヤ211、221に僅かに(ここでは、寸法dとする)干渉する高さである。
【0062】
ST13の判定がYesの場合には、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えることなく、変速機ケース12が所定高さh1まで下降しているため、変速機ケース12に設けられたアイドルギヤ126が変速機本体11に設けられたリバースギヤ211、221に噛み合っていると考えられる。よって、変速機ケース12をさらに下降させて、変速機ケース12を変速機本体11に取り付ける(ST14)。
【0063】
ST12における判定がYesの場合には、変速機ケース12が所定高さh1まで下降する前に、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えており、変速機ケース12に設けられたアイドルギヤ126が変速機本体11に設けられたリバースギヤ211、221に噛み合っていないと考えられる。よって、変速機ケース12を再上昇させて(ST15)、ST1に戻り、再試行する。
【0064】
図20は、変速機ケース12を下降させる動作のタイミングチャートである。
変速機ケース12を下降させていくと、時刻t1において、変速機ケース12の高さhが所定高さh1になる前に、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えている。そこで、変速機ケース12を再上昇させて、再試行する。
時刻t2、t3においても、変速機ケース12の高さhが所定高さh1になる前に、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えているため、再試行する。
時刻t4において、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えることなく、変速機ケース12が所定高さh1まで下降しているため、さらに、変速機ケース12を下降させる。
時刻t5において、変速機ケース12が変速機本体11に取り付けられると、変速機本体11の反力により、力覚センサ49の検出値fが上昇する。
【0065】
なお、変速機ケース12を変速機本体11に組み付けると、コントロールシャフト24の先端は、キャップ481が被せられた状態で、変速機ケース12の挿通孔124に挿通される。
【0066】
(ST11)変速機ケース12の把持状態を解除して、ハンド42A、42Bを上昇させる。
(ST12)第2カメラ73により、変速機ケース12上の位相合わせ治具60を撮影する。この撮影画像に基づいて、位相合わせ治具60の水平方向の位置を計測し、双腕ロボット30を制御して、図21に示すように、ハンド42A、42Bで位相合わせ冶具30を把持する。
【0067】
(ST13)双腕ロボット30のキャップ把持ユニット48がコントロールシャフト24の軸線上に位置するまで、双腕ロボット30を旋回させる。
(ST14)第2カメラ73により、変速機ケース12から露出したコントロールシャフト24を撮影する。この撮影画像に基づいて、コントロールシャフト24の水平方向の位置を計測し、双腕ロボット30のキャップ把持ユニット48を制御して、図22に示すように、コントロールシャフト24先端のキャップ481を把持する。
【0068】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えることなく、変速機ケース12が所定高さh1まで変速機本体11に接近した場合には、アイドルギヤ126とリバースギヤ211、221との位相が一致していると判断できるから、変速機ケース12をさらに変速機本体11に接近させて、変速機本体11に取り付ける。一方、変速機ケース12が所定高さh1まで接近する前に、力覚センサ49の検出値fが所定値f1を超えた場合には、アイドルギヤ126とリバースギヤ211、221との位相が一致していないと判断できるから、変速機ケース12を変速機本体11から離して、再試行する。
つまり、変速機ケース12の変速機本体11からの高さhと、力覚センサ49の検出値fとに基づいて、アイドルギヤ126とリバースギヤ211、221との位相が一致しているか否かを判定する。よって、変速機本体11側にリバースギヤ211、221があり変速機ケース12側にアイドルギヤ126があっても、双腕ロボット30を用いて変速機ケース12を変速機本体11に容易に取り付けることができ、サイクルタイムを短縮して、変速機10の組立てコストを低減できる。
【0069】
(2)キャップ把持ユニット48でコントロールシャフト24の先端にキャップを被せておき、この状態で、変速機ケース12を変速機本体11に組み付けて、コントロールシャフト24を変速機ケース12の挿通孔124に挿通した。よって、コントロールシャフトの先端や変速機ケース12の挿通孔124が損傷するのを防止できる。
【0070】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の一実施形態に係るワーク取り付けシステムにより組み立てられるワークの分解斜視図である。
【図2】前記実施形態に係るワーク取り付けシステムの全体斜視図である。
【図3】前記実施形態に係るワーク取り付けシステムを構成するロボットのハンドの斜視図である。
【図4】前記実施形態に係るハンドのフィンガの断面図である。
【図5】前記実施形態に係るフィンガの動作を説明するための図である。
【図6】前記実施形態に係るワーク取り付けシステムを構成する位相合わせ治具の平面図である。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】図6のB−B断面図である。
【図9】図6のC−C断面図である。
【図10】前記実施形態に係る位相合わせ治具を第1ワークに取り付けた状態の平面図である。
【図11】前記実施形態に係るワーク取り付けシステムのフローチャートである。
【図12】前記実施形態に係わるワーク取り付けシステムで第1ワークを計測した状態を示す断面図である。
【図13】前記実施形態に係わるロボットで第1ワークを把持した状態を示す断面図である。
【図14】前記実施形態に係わるワーク取り付けシステムで第2ワークを計測した状態を示す断面図である。
【図15】前記実施形態に係わるロボットで第2ワークにキャップを取り付けた状態を示す断面図である。
【図16】前記実施形態に係わるロボットで第1ワークを第2ワーク上に位置させた状態を示す断面図である。
【図17】前記実施形態に係わるロボットで第1ワークを第2ワークに組み付けた状態を示す断面図である。
【図18】前記実施形態に係る第1ワークを下降させる動作のフローチャートである。
【図19】前記実施形態に係わるロボットで第1ワークを第2ワークに組み付ける動作を説明するための断面図である。
【図20】前記実施形態に係る第1ワークを下降させる動作のタイミングチャートである。
【図21】前記実施形態に係わるロボットで位相合わせ治具を取り外した状態を示す断面図である。
【図22】前記実施形態に係わるロボットでキャップを取り外した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0072】
10 変速機(ギヤ装置)
11 変速機本体(装置本体)
211、221 リバースギヤ(第1ギヤ)
12 変速機ケース(ケース)
126 アイドルギヤ(第2ギヤ)
30 双腕ロボット(ロボット)
42A、42B ハンド
49 力覚センサ
60 位相合わせ冶具
61 基部
62 揺動機構
621 ピン
63 接続部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ギヤを有する装置本体と、当該装置本体を収容しかつ前記第1ギヤに噛合する第2ギヤを有するケースと、を備えるギヤ装置を、力覚センサを有するロボットで組み立てるギヤ装置組立て方法であって、
前記ケースをロボットで把持し、この把持したケースを前記装置本体上に配置し、その後、前記ロボットの力覚センサでハンドに作用する力を監視しながら、前記ケースを前記装置本体に接近させ、
前記力覚センサの検出値が所定値を超えることなく、前記ケースが所定距離まで接近した場合には、前記ケースをさらに接近させて、前記装置本体に取り付け、
前記ケースが所定距離まで接近する前に、力覚センサの検出値が所定値を超えた場合には、前記ケースを前記装置本体から離して、再試行することを特徴とするギヤ装置組立て方法。
【請求項1】
第1ギヤを有する装置本体と、当該装置本体を収容しかつ前記第1ギヤに噛合する第2ギヤを有するケースと、を備えるギヤ装置を、力覚センサを有するロボットで組み立てるギヤ装置組立て方法であって、
前記ケースをロボットで把持し、この把持したケースを前記装置本体上に配置し、その後、前記ロボットの力覚センサでハンドに作用する力を監視しながら、前記ケースを前記装置本体に接近させ、
前記力覚センサの検出値が所定値を超えることなく、前記ケースが所定距離まで接近した場合には、前記ケースをさらに接近させて、前記装置本体に取り付け、
前記ケースが所定距離まで接近する前に、力覚センサの検出値が所定値を超えた場合には、前記ケースを前記装置本体から離して、再試行することを特徴とするギヤ装置組立て方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−168407(P2008−168407A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−5193(P2007−5193)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]