説明

コンバイン

【課題】排出オーガの位置の影響を受けることなく精度良く排出重量を算出するコンバインを提供する。
【解決手段】穀物タンク7の重量を一定間隔t1で計測する重量センサ(計測手段)73と、排出オーガ8を操作するオーガコントローラ(操作部)と、排出オーガ8が一定量(360度)旋回したこと検出するオーガ旋回角センサ(検出手段)93とを備え、排出作業前の穀物タンク7の重量は、オーガコントローラ(操作部)が操作される一定時間t2前に重量センサ73にて計測した第1計測値であり、排出作業後の穀物タンク7の重量は、オーガコントローラ(操作部)が操作された後、オーガ旋回角センサ93によって排出オーガ8が一定量(360度)旋回したことを検出した一定時間t3後に重量センサ73にて計測した第2計測値であり、第1計測値及び第2計測値を用いて穀物の排出重量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫した穀物を貯留する穀物タンクと、その穀物タンクに貯留された穀物を外部へ排出する排出オーガと、穀物を排出する排出作業位置と非排出作業時の収納位置との間で排出オーガを旋回させる旋回手段とを備えるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収穫した穀物を貯留する穀物タンクと穀物タンク内の穀物を外部へ排出する排出オーガとを備えたコンバインにおいて、穀物タンク内に貯留された穀物の重量、及び穀物の排出重量を計測する機能を備えたコンバインが知られている。このようなコンバインは、穀物タンクの空状態を検出する零設定センサと、穀物排出装置のオン・オフを検出する穀物排出センサと、穀物タンク重量を検出する重量センサとが備えられ、これらのセンサの測定値に基づいて穀物重量又は排出重量を算出していた。
【特許文献1】特開平10−229740号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の技術では、零設定センサの検出結果に基づいて、空状態での穀物タンク重量を基準重量として重量センサにより測定するとともに、穀物排出装置により穀物を排出する直前の時点又は排出した直後の時点で穀物タンク重量を測定し、この測定結果から基準重量を差し引くことにより、穀物重量又は排出重量を算出するようにしていた。この場合、正確な重量を算出するためには、基準重量を高精度に測定しておく必要があるが、重量の計測に関しては機体の姿勢が安定しない収穫作業中又は排出作業中に自動で行われることから、測定誤差が生じやすくなっていた。
例えば、コンバインに搭載されている排出オーガを用いて穀物の排出作業を行う場合、排出オーガの先端部に設けられた排出口がコンテナ、籾袋等の真上に位置するように排出オーガを旋回移動させる必要が生じる。このとき、排出オーガの重心の移動に伴って機体自体の重心も移動することとなるため、穀物タンクの重量を計測している重量センサに加えられる荷重の大きさが変動する。すなわち、排出オーガが収納位置にある場合と作業位置にある場合とでは大きな計測誤差が生じることとなり、これらの計測値を用いて算出した穀物重量及び排出重量にも計測誤差が含まれるという問題点を有していた。
【0004】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、排出オーガの位置の影響を受けることなく精度良く排出重量を算出することができるコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため請求項1に記載の発明は、収穫した穀物を貯留する穀物タンクと、該穀物タンクに貯留された穀物を外部へ排出する排出オーガと、前記穀物を排出する排出作業位置と非排出作業時の収納位置との間で前記排出オーガを旋回させる旋回手段とを備えるコンバインにおいて、
前記穀物タンクの重量を一定間隔t1で計測する計測手段と、
前記排出オーガを操作する操作部と、
前記排出オーガが一定量旋回したこと検出する検出手段とを備え、
排出作業前の穀物タンクの重量は、前記操作部が操作される一定時間t2前に前記計測手段にて計測した第1計測値であり、
排出作業後の穀物タンクの重量は、前記操作部が操作された後、前記検出手段によって前記排出オーガが一定量旋回したことを検出した一定時間t3後に前記計測手段にて計測した第2計測値であり、
前記第1計測値及び前記第2計測値を用いて前記穀物の排出重量を算出することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記計測手段にて計測された前記穀物タンクの重量を保持するとともに、前記第1計測値及び前記第2計測値を用いて算出された前記穀物の排出重量を保持する保持手段と、
前記保持手段にて保持された前記穀物の排出重量を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記計測手段にて計測された前記穀物タンクの重量を保持するとともに、前記第1計測値及び前記第2計測値を用いて算出された前記穀物の排出重量を保持する保持手段と、
前記保持手段にて保持された前記穀物の排出重量を印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記操作部がさらに、
前記排出オーガを前記排出作業位置または前記収納位置まで自動で操作する自動操作部と、
前記排出オーガを前記排出作業位置または前記収納位置まで手動で操作する手動操作部とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記検出手段がレゾルバ、回転式ポテンショメータまたはロータリエンコーダのいずれかであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、穀物タンクの重量を一定間隔t1で計測する計測手段と、排出オーガを操作する操作部と、排出オーガが一定量旋回したこと検出する検出手段とを備え、排出作業前の穀物タンクの重量は、操作部が操作される一定時間t2前に計測手段にて計測した第1計測値であり、排出作業後の穀物タンクの重量は、操作部が操作された後、検出手段によって排出オーガが一定量旋回したことを検出した一定時間t3後に計測手段にて計測した第2計測値であり、第1計測値及び第2計測値を用いて穀物の排出重量を算出するので、第1計測値、第2計測値を非作業位置において測定した計測値とすることができ、排出オーガの位置に起因する計測誤差を取り除いて、精度良く穀物の排出重量を算出するコンバインを提供することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、計測手段にて計測された穀物タンクの重量を保持するとともに、第1計測値及び第2計測値を用いて算出された穀物の排出重量を保持する保持手段と、保持手段にて保持された穀物の排出重量を表示する表示手段とを備えるので、穀物を排出した際に排出重量を作業者が確認することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、計測手段にて計測された穀物タンクの重量を保持するとともに、第1計測値及び第2計測値を用いて算出された穀物の排出重量を保持する保持手段と、保持手段にて保持された穀物の排出重量を印刷する印刷手段とを備えるので、穀物を排出した際に排出重量を作業者が確認することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、操作部がさらに、排出オーガを排出作業位置または収納位置まで自動で操作する自動操作部と、排出オーガを排出作業位置または収納位置まで手動で操作する手動操作部とを備えるので、排出オーガを自動操作するか手動操作するかを選択することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、検出手段がレゾルバ、回転式ポテンショメータまたはロータリエンコーダのいずれかであるので、簡単な構成で排出オーガの旋回を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、この発明を実施するための最良の形態について詳述する。
図1はコンバインの平面図であり、図2は同じく左側面図、図3は同じく右側面図、図4は同じく正面図である。図中1は左右一対の走行クローラ2,2にて支持された走行機体であり、走行機体1の進行方向右側には、操縦座席、走行機体1を操向操作するための操向ハンドル、走行速度等を変更するための各種レバー、刈取作業、脱穀作業、排出作業等を指示するための各種コントローラを備える操縦室3が設けられている。また、その後方には収穫した穀物を貯留するための穀物タンク7が設けられている。更に、操縦室3の下部にはエンジン6が設けられており、該エンジンの動力を走行用ミッションケース61(図6参照)を介して走行クローラ2,2に伝達させることにより、走行機体1を走行させるように構成されている。
【0016】
走行機体1の前部には、分草体41,…,41、穀稈引起装置42,…,42、刈刃43,…,43、及び穀稈搬送装置44を備えた刈取前処理装置4が油圧シリンダ45を介して昇降可能に装着されている。また、走行機体1の左側には、フィードチェーン51が装備された脱穀装置5が配設されており、刈取前処理装置4から搬送された穀稈の根元部をフィードチェーン51にて受け継いで挟持搬送すると共に、その穀稈の穂先部を脱穀装置5内の扱胴52及び処理胴53にて脱穀するようにしている。なお、排藁は、フィードチェーン51の後端で排藁チェーン55に受け継がれ、走行機体1の後端から圃場に排出される。
【0017】
扱胴52の下方には、チャフシーブ等による搖動選別と唐箕ファンの風による風選別とを行うための選別装置56が設けられている。選別装置56にて選別されて集積された穀粒は、図示しない揚穀コンベアによって穀物タンク7内に集められる。穀物タンク7の内側上部には、穀粒の水分量を計測するための水分センサ74が設置されており(図5参照)、穀物タンク7内に貯留された穀粒の水分量を計測できるようにしている。水分センサ74が計測した水分量の値は後述する制御装置100(図9参照)へ出力される。また、穀物タンク7の外側下部には、ロードセル型の重量センサ(計測手段)73が設置されており(図5参照)、穀物タンク7の重量を計測できるようにしている。重量センサ73が計測した重量の値は後述する制御装置へ出力される。
穀物タンク7内に集められた穀粒は、エンジン6の動力にて回転するスクリューコンベアを装備した底コンベア71から、排出オーガ8を介して、穀物搬送用のトラックの荷台等に排出される。
【0018】
排出オーガ8は、縦スクリューコンベア81aを内蔵しており、上下長手で縦軸線回りに旋回可能に立設された縦オーガ筒81と、その上端に連設されていて、横方向軸線の引継ぎスクリュー(図示せず)を内蔵した引継ぎ部ケース80と、この引継ぎ部ケース80の一側に設けた継手部箇所に俯仰回動可能に連結した横オーガ筒82とからなる。縦オーガ筒81はオーガ旋回モータ(旋回手段)91により縦軸線回りに旋回すると共に、横オーガ筒82はオーガ昇降シリンダ97にて俯仰回動するようになっている(図5参照)。なお、横オーガ筒82の内側には横スクリューコンベア82a(図6参照)が内蔵されており、縦スクリューコンベア81aを通じて搬送される穀粒を横オーガ筒82の先端へ向けて搬送するように構成されている。
【0019】
横オーガ筒82の先端部には下向きに開口した排出筒83が設けられている。排出筒83の先端部には合成樹脂製の透明カバー83aが取り付けられている。この透明カバー83aの内側には、穀粒の排出箇所(蓄積箇所)で満杯になった場合、それを検知する光学式又は超音波式の詰まり検知センサが設けられている(不図示)。
【0020】
図5は排出オーガ8の駆動機構を説明する模式的構成図である。走行機体1の後端に立設された支柱部材11の上端に、縦オーガ筒81をその軸線回りに左右に旋回させるためのオーガ旋回モータ91が設けられている。オーガ旋回モータ91は、ギヤボックス92を介して駆動ギヤ94を回転駆動させる。駆動ギヤ94には、縦オーガ筒81の中途部に外嵌固定された従動ギヤ95が噛合しており、駆動ギヤ94の駆動力を従動ギヤ95に伝達させることによって縦オーガ筒81をその軸線回りに旋回移動させるようにしている。なお、ギヤボックス92の内部には、オーガ旋回モータ91の回転軸に取付けられたオーガ旋回角センサ(検出手段)93が設けられており、縦オーガ筒81の旋回角を検出できるようにしている。オーガ旋回角センサ93としては、レゾルバ、回転式ポテンショメータ、ロータリエンコーダ等を用いることができる。また、ギヤボックス92の内部には、縦オーガ筒81の旋回移動を停止させて位置決めするための電磁ブレーキ(不図示)が設けられている。
【0021】
また、縦オーガ筒81の上端部近傍には横オーガ筒82を俯仰回動させるためにオーガ昇降シリンダ97が設けられている。オーガ昇降シリンダ97は、例えば、単動型の油圧シリンダである。オーガ昇降シリンダ97の一端側は縦オーガ筒81の外面に固定した支持ブラケット95に回動可能に枢着されており、その他端側は横オーガ筒82の外面に固定した支持ブラケット96a及びこの支持ブラケット96aに対して回動可能に枢着された支持ブラケット96bによって支持されている。そして、ロータリポテンショメータ等のオーガ昇降角センサ98が支持ブラケット95に対するオーガ昇降シリンダ97の回動軸と同軸に設けられており、水平面に対する横オーガ筒82の俯仰角度(昇降角)を検出できるようにしている。なお、本実施の形態では、オーガ昇降シリンダ97として油圧シリンダを用いる構成としたが、電動モータ又は油圧モータを用いる構成であってもよい。
【0022】
図4に示すように、排出オーガ8が使用されていない状態では、排出オーガ8の横オーガ筒82が走行機体1の上面に設けた上向き開放状のオーガレスト85に載置(収納)される。オーガレスト85は、支柱部85aとレスト部85bとにより構成されている。レスト部85bは正面視略U字型に形成されており、不使用時の横オーガ筒82が載置される。支柱部85aは正面視で上半分がコンバインの左側方にやや屈曲した形状をした角パイプ製であり、その下端部が操縦室3の筐体を構成するフレームに固設されている。レスト部85bの上面にはゴム又は樹脂等の弾性部材が取り付けられており、走行中に横オーガ筒82が載置されている場合であっても振動音が発生しないように構成されている。
なお、オーガレスト85に載置されたときの横オーガ筒82の位置を収納位置と呼び、排出作業を行う際に旋回移動させたときの横オーガ筒82の位置を排出作業位置と呼ぶ。
【0023】
図6はコンバインの動力伝達経路を示すスケルトン図である。エンジン6の前方出力軸には走行クローラ2を駆動するための走行用ミッションケース61の入力軸が連結され、走行クローラ2にエンジンの駆動力が伝達されるようになっている。一方、エンジン6の後方出力軸121には、刈取前処理装置4、脱穀装置5、選別装置56へ駆動力を伝達するためのプーリ122,122,122と、穀物タンク7及び排出オーガ8へ駆動力を伝達するためのプーリ123とがそれぞれ嵌設されている。
【0024】
また、エンジン6の後方であって穀物タンク7の下部前面には駆動ケース128が配設されている。この駆動ケース128からは駆動ケース入力軸127が機体前方へ突出されている。そして、駆動ケース入力軸127の前端にプーリ126が嵌設されている。このプーリ126と後方出力軸121の後端に嵌設されたプーリ123とにVベルト124が巻回されており、これによってエンジン6の駆動力の一部が駆動ケース128の駆動ケース入力軸127へ伝達されるように構成されている。Vベルト124にはVベルト124自身のテンションプーリを兼ねるオーガクラッチ125が設けられている。このオーガクラッチ125によりエンジン6の駆動力を駆動ケース128を介して下流側へ伝達又は遮断できるようになっている。
【0025】
駆動ケース128内には互いに噛合するギヤ128a,128bが収納されている。2つのギヤ128a,128bのうち、一方のギヤ128aは駆動ケース128に軸支された駆動ケース入力軸127の後端に、他方のギヤ128bは底コンベア71の前端に嵌設された回転軸にそれぞれ外嵌固定されている。
【0026】
底コンベア71の後端にはベベルギヤ131aが嵌設され、当該ベベルギヤ131aに縦オーガ筒81内の縦スクリューコンベア81aの下端に嵌設されたベベルギヤ131bが噛合されている。一方、縦スクリューコンベア81aの上端にはベベルギヤ132aが嵌設されており、このベベルギヤ132aには、横オーガ筒82内の横スクリューコンベア82aの後端に嵌設されたベベルギヤ132bが噛合されている。
【0027】
このようにエンジン6の動力伝達経路を構成することにより、穀物タンク7内の底コンベア71から排出オーガ8に設けられた縦スクリューコンベア81a及び横スクリューコンベア82aに動力が伝達される。すなわち、穀物タンク7内の穀粒は底コンベア71によって後方に搬送され、穀物タンク7の後方に位置する縦オーガ筒81を経て、横オーガ筒82の先端から排出されるように構成されている。
コンバインの穀物タンク7に貯留された穀粒の排出作業を行う場合、作業者は操縦室3の運転席近傍に設けられた排出作業用のオーガコントローラ(操作部)150を操作して排出作業を実行する。
【0028】
図7は排出作業を指示するためのオーガコントローラ150を示す平面図である。オーガコントローラ150の操作面には、作業状況等を報知するための表示ランプ151及び表示装置157、並びに押しボタン方式のスイッチ類(152〜156)が配置されている。オーガコントローラ150の操作面に設けられているスイッチ類(152〜156)としては、作業位置に停止している排出オーガ8を収納位置へ戻すための復帰スイッチ152、逆に排出オーガ8を作業位置にセットするための自動旋回スイッチ153、エンジン6の動力を排出オーガ8へ伝達させるために前述したオーガクラッチ125を接続又は遮断する制御を受付けるオーガクラッチスイッチ155、及び排出オーガ8の昇降位置(俯仰角)と旋回位置(旋回角)とを手動により制御するための手動旋回制御スイッチ群156が挙げられる。
【0029】
この手動旋回制御スイッチ群156として、オーガ昇降シリンダ97を作動させて横オーガ筒82を上昇移動させるオーガ上昇スイッチ156a、同じく横オーガ筒82を下降移動させるオーガ下降スイッチ156b、オーガ旋回モータ91を作動させて横オーガ筒82を右旋回させるオーガ右旋回スイッチ156c、同じく横オーガ筒82を左旋回させるオーガ左旋回スイッチ156dが配置されている。
これらのスイッチ類152〜156から出力される操作信号は、オーガコントローラ150の下端から延設されたケーブル158を介して制御装置100(図9参照)へ入力される。
なお、ここでは、上記復帰スイッチ152、自動旋回スイッチ153、オーガ上昇スイッチ156a、オーガ下降スイッチ156bを操作部と称す。
【0030】
次に、オーガコントローラ150を用いて排出オーガ8を旋回移動させる際の操作について説明する。
図8は排出作業時の横オーガ筒82の位置を説明する模式的平面図である。
自動旋回作業では、オーガコントローラ150の復帰スイッチ152が押下操作された場合の横オーガ筒82の旋回方向は左回り(反時計回り)に定められており、自動旋回スイッチ153が押下操作されたときの横オーガ筒82の旋回方向は右回り(時計回り)にそれぞれ定められている。
図8に示した如く、収納位置に横オーガ筒82が位置しているときに、自動旋回スイッチ153が1回押下操作された場合、横オーガ筒82は旋回時にオーガレスト85と干渉しない位置まで上昇移動した後、右回りに旋回する。そして、収納位置から最も近い作業位置(右側略90度の位置)まで旋回した後、所定位置まで下降移動して停止する。この収納位置から最も近い作業位置を右側方作業位置と称する。
【0031】
次に、横オーガ筒82が右側方作業位置に停止しているときに自動旋回スイッチ153が1回押下操作された場合、横オーガ筒82は所定位置まで上昇移動した後、右回りに旋回する。そして、右側方作業位置から最も近い作業位置である後方作業位置(略真後ろのの位置)まで旋回した後、所定位置まで下降して停止する。
同様に、横オーガ筒82が後方作業位置に停止しているときに自動旋回スイッチ153が押下操作された場合、横オーガ筒82は所定位置まで上昇移動した後、右回りに旋回する。そして、後方作業位置から最も近い作業位置である左側方作業位置(左側略90度位置)まで旋回した後、所定位置まで下降して停止する。
【0032】
また、横オーガ筒82が収納位置にあるときに自動旋回スイッチ153が1回押下操作され、収納位置から右側方作業位置に向かって横オーガ筒82が旋回している間に更に自動旋回スイッチ153が1回押下された場合、横オーガ筒82は右側方作業位置では停止せずに旋回移動を続け、後方作業位置まで旋回した後、所定位置まで下降して停止する。
同様に、横オーガ筒82が収納位置にあるときに自動旋回スイッチ153が1回押下操作され、収納位置から右側方作業位置に向かって横オーガ筒82が旋回している間に更に自動旋回スイッチ153が2回押下された場合、横オーガ筒82は右側方作業位置及び後方作業位置では停止せずに旋回移動を続け、左側方作業位置まで旋回した後、所定位置まで下降して停止する。
【0033】
一方、いずれかの作業位置に横オーガ筒82が停止している場合に復帰スイッチ152が押下操作されたとき、横オーガ筒82は所定位置まで上昇した後、収納位置に向かって左回りに旋回し、収納位置にて停止する。なお、横オーガ筒82が旋回中に復帰スイッチ152が押下操作された場合、その操作については受付けないように構成されている。そのため、作業者による誤操作を防止し、操作性の向上を図ることができる。
なお、収納位置から各作業位置へ横オーガ筒82が旋回移動する際、又は各作業位置から収納位置へ横オーガ筒82が旋回移動する際、表示ランプ151を所定の周期にて点滅させることにより、旋回移動中である旨を作業者に対して報知するように構成されている。
【0034】
以下、本実施の形態に係るコンバインの制御系の構成について説明する。
図9は本実施の形態に係るコンバインの制御系の構成を示すブロック図である。コンバインは、前述したオーガ昇降シリンダ97、オーガ旋回モータ91、オーガクラッチ125、表示装置157、プリンタ装置158等のハードウェアの動作を制御する制御装置100を備えている。
制御装置100は、各種センサ、スイッチ等から入力される信号に基づいて演算処理を実行する中央処理装置101(算出手段:以下、「CPU」と称す。)、前述したハードウェアを制御するための制御プログラムを格納したROM102、及びCPU101の演算中に生成されるデータを一時的に保持するRAM103により構成される。
CPU101は、ROM102に格納された制御プログラムを必要に応じてRAM103にロードして実行し、制御装置100に接続された各種ハードウェアの動作を制御することにより、全体として本発明に係るコンバインとして動作させるように構成されている。なお、CPU101は計時用のタイマを内蔵している。
【0035】
制御装置100に接続されるセンサ、スイッチ等としては、縦オーガ筒81の昇降角を検出するオーガ昇降角センサ98、横オーガ筒82の旋回角を検出するオーガ旋回角センサ93、オーガコントローラ150に設けられた復帰スイッチ152、自動旋回スイッチ153、オーガクラッチスイッチ155、手動旋回制御スイッチ群(手動操作部)156、穀物タンク7の重量を検出する重量センサ73、穀物タンク7に取り込まれた穀粒の水分量を検出する水分センサ74等が挙げられる。制御装置100のCPU101には、前述のセンサから出力される信号及び各種スイッチから出力される操作信号が入力される。
なお、復帰スイッチ152、自動旋回スイッチ153を自動操作部という。
【0036】
また、制御装置100が制御する各種ハードウェアとしては、横オーガ筒82を昇降移動させるためのオーガ昇降シリンダ97、縦オーガ筒81をその軸線回りに回転駆動させるためのオーガ旋回モータ91、オーガコントローラ150に設けられた表示ランプ151及び表示装置157、エンジン6の動力を排出オーガ8へ伝達させるためのオーガクラッチ125等が挙げられる。制御装置100のCPU101はこれらのハードウェアに対して制御信号を出力して制御を行うように構成されている。なお、オーガ昇降シリンダ97は、電磁制御弁97aを介してCPU101に接続されており、CPU101が電磁制御弁97aを制御することによりオーガ昇降シリンダ97を伸長又は短縮させるように構成されている。
【0037】
図10は作業時における重量センサ73の出力の経時変化とオーガクラッチスイッチ155の状態の経時変化との対応関係を説明する説明図である。(a)は重量センサ73の出力の経時変化を示している。横軸には時間をとり、縦軸には重量センサ73の出力(穀物タンク7の重量)をとっている。なお、ここでは重力の計測開始時において零点補正を行っている。また、(b)は自動旋回スイッチ153の出力経時変化、(c)は復帰スイッチ152の出力経時変化、(d)はオーガクラッチスイッチ155の出力の経時変化をそれぞれ示している。なお、(b)〜(d)はそれぞれ横軸を(a)のグラフに対応させた時間、縦軸には復帰スイッチ152,自動旋回スイッチ153,オーガクラッチスイッチ155の出力をとっている。また、重量センサ73は一定間隔t1で絶えず穀物タンク7の重量を計測し、RAM(保持手段)103にその値を保持しているものとする。
【0038】
刈取作業及び脱穀作業を実行して収穫作業を開始した場合、(a)に示されているように、選別装置56によって選別された穀粒が穀物タンク7の内部に集められるため、収穫作業開始時刻T1以降の収穫作業終了時刻T2までの間は、穀物タンク7の重量が単調に増加してゆき、収穫作業終了時刻T2以降は一定値を維持する。この間、(d)に示されているように、オーガクラッチスイッチ155はオフのままに維持される。
【0039】
その後、穀物タンク7に集められた穀粒の排出作業を行う場合には、作業者は、オーガコントローラ150の自動旋回スイッチ153を押下操作して(図中(b))排出オーガ8の横オーガ筒82を収納位置からいずれかの作業位置へ旋回移動させた後、オーガクラッチスイッチ155を押下操作して排出作業を開始させる(図中(c))。
したがって、オーガクラッチスイッチ155がオフからオンに転じる時刻T4に排出作業が開始され、これ以降は穀物タンク7の重量が単調減少してゆくこととなるが、時刻T4よりも以前の時刻(時刻T3)において横オーガ筒82がオーガレスト85のレスト部85bから離隔する。
【0040】
排出作業が開始された後、穀物タンク7の重量は単調に減少してゆき、時刻T5において排出作業が終了する。このとき、オーガクラッチスイッチ155はオフに転じる。排出作業が終了した後、作業者は、オーガコントローラ150の復帰スイッチ152を押下操作して排出オーガ8の横オーガ筒82を収納位置へ戻す操作を行う(図中(d))。
【0041】
本実施の形態では、作業位置の相異による排出オーガ8の横オーガ筒82の位置の違いに起因して穀物タンク7の重量の計測値に誤差が生じることを排除するために、横オーガ筒82が収納位置に停止している場合のみの計測値を用いて排出重量を算出するようにしている。
したがって、穀物タンク7に穀粒が貯留されている状態の重量としては、自動旋回スイッチ153を押下する時刻T3の直前の重量センサ73の計測値、具体的には時刻T3からΔt(一定時間t2)だけ遡った時刻の重量センサ73の計測値(第1計測値)Aを採用する。
【0042】
また、排出作業終了後の重量としては、オーガ旋回角度センサがオーガの旋回角度が一定値以上であることを検知した時刻T6の直後の重量センサ73の計測値、具体的には時刻T6からΔt(一定時間t3)だけ経過した時刻の重量センサ73の計測値(第2計測値)Bを採用する。
そして、両計測値の差分(計測値A−計測値B)を算出して、穀粒の排出重量、すなわち穀物タンク7から排出された穀粒の重量を取得するようにしている。なお、計測値AおよびBはRAM103に保持されている値である。
なお、本実施の形態では、排出作業前の計測値Aを取得するために時刻T3から遡る時間t2と、排出作業後の計測値Bを取得するために時刻T6から待機する時間t3とを同一としたが、両者を異なる時間に設定する構成であってもよい。
【0043】
次に、穀粒の排出重量を算出する手順について説明する。
図11は排出重量の検出手順を説明するフローチャートである。
なお、以下の処理は制御装置100のCPU101がROM102に格納されているプログラムに従って実行する。また、本実施の形態では、重量センサ73が所定のサンプリングレート(t1=20msec)にて穀物タンク7の重量を常時計測しており、計測して得られた計測値をCPU101へ出力するようにしている。CPU101は、重量センサ73が出力する計測値を基に例えば100点の移動平均を算出し、算出した平均値を穀物タンク7の重量としてRAM103上に保持する。なお、RAM103には、穀物タンク7の重量計測時にCPU101が算出した値を所定数だけ保持する記憶領域が確保されており、一定時間内に算出された複数の値が保持されるように構成されている。
【0044】
まず、自動旋回スイッチ153がONとなったかどうかを判定する(S1)。自動旋回スイッチ153がオンとなったときは、S2に進む。一方、自動旋回スイッチ153がオンとなっていないときは、S9に進む。
S2では、自動旋回スイッチ153がONとなった時刻から一定時間t2だけ前の重量センサ73の計測値(移動平均)を排出作業前の穀物タンク73の重量(第1計測値)として保持する。
その後、CPU101は電磁制御弁97aを制御してオーガ昇降シリンダ97を伸長させ、排出オーガ8の横オーガ筒82の上昇移動を開始させる。
【0045】
次いで、横オーガ筒82が所定の高さに達するように電磁制御弁97aを制御してオーガ昇降シリンダ97を伸長させた後、オーガ旋回モータ91を駆動して、オーガコントローラ150により指定された作業位置へ横オーガ筒82を旋回移動させる。横オーガ筒82が指定された作業位置へ到達した時点でCPU101はオーガ旋回モータ91を停止させ、オーガ昇降シリンダ97を短縮させて横オーガ筒82を所定位置まで下降させる。
【0046】
次いで、オーガクラッチスイッチ155をオンとし、オーガクラッチ125を作動させて排出作業を行う。この間、CPU101はオーガクラッチスイッチ155から出力される操作信号に基づいてオーガクラッチスイッチ155がオフとなったか否かを判断しており、オーガクラッチスイッチ155がオフとなっていないと判断した場合は、排出作業を続行する。
一方、オーガクラッチスイッチ155がオフとなったと判断した場合、CPU101はオーガクラッチ125を遮断して排出作業を終了する。
【0047】
そして、S3にて、復帰スイッチ152がオンとなったかを判定する。復帰スイッチ152がオンとなったときはS4に進む。一方、復帰スイッチ152がオンとなっていないときはS10に進む。
復帰スイッチ152がオンとなったときは、CPU101は、オーガ昇降シリンダ97に接続された電磁制御弁97a、及びオーガ旋回モータ91を制御することにより、排出オーガ8を収納位置へ旋回移動させる。
そして、S4にて、オーガ旋回角センサ93が縦オーガ筒81が一定角度旋回したことを検出したかを判定する。具体的には、縦オーガ筒81が収納位置にあるときを旋回開始ポジションとして360度の監視をしており、反時計回りに例えば90度以上連続して回転し、旋回開始ポジションとなったとき検出するようになっている。
オーガ旋回角センサ93が縦オーガ筒81が一定角度旋回したことを検出したときは、S5に進む。一方、オーガ旋回角センサ93が縦オーガ筒81が一定角度旋回したことを検出しないときは、S3に戻る。
【0048】
S5にて、オーガ旋回角センサ93が縦オーガ筒81が一定角度旋回したことを検出したときから一定時間t3が経過したかを判定する。一定時間t3が経過したときは、S6に進む。また、一定時間t3が経過していないときはS5に戻る。
なお、この時間測定は、オーガ旋回角センサ93が縦オーガ筒81が一定角度旋回したことを検出したときからCPU101に内蔵するタイマにより計時を開始することにより測定されるものとする。
そしてS6にて、CPU101は重量センサ(計測手段)73より取込んだ計測値(移動平均)を排出作業後の穀物タンク7の重量(第2計測値)としてRAM103に保持する。
【0049】
次いで、CPU101は、S2にて保持した作業前重量とS6にて保持した作業後重量との差分をとることにより穀粒の排出重量を算出し、算出した排出重量を表示する(S7)。排出重量の出力は、図12(a),(b)に示すように例えばオーガコントローラ150の表示装置157に排出重量の値を表示することによって行う。
さらに、穀粒の排出重量を印刷出力する(S8)。排出重量の出力は、例えば操縦室3内にプリンタ装置158を搭載し、このプリンタ装置158を用いて図12(c)に示すように用紙上に排出重量の値を記録する。
【0050】
なお、自動旋回スイッチ153がオンとなっていないときは、S9にてオーガ上昇スイッチ(手動操作部)156aがオンとなったかを判定する。オーガ上昇スイッチ156aがオンとなったときは、S2に進む。オーガ上昇スイッチ156aがオンとなっていないときは、S1に戻る。
また、復帰スイッチ152がオンとなっていないときは、S10にて、オーガ下降スイッチ(手動操作部)156bがオンとなったかを判定する。オーガ下降スイッチ156bがオンとなったときは、S4に進む。オーガ下降スイッチ156bがオンとなっていないときは、S1に戻る。
なお、図12(a)〜(c)に示すように、水分センサ74にて計測した穀物の水分量を同時に表示したり印刷したりするようにしてもよい。
【0051】
以上のように、この発明のコンバインは、収穫した穀物を貯留する穀物タンク7と、その穀物タンク7に貯留された穀物を外部へ排出する排出オーガ8と、穀物を排出する排出右側方作業位置・後方作業位置・左側方作業位置(作業位置)と非排出作業時の収納位置との間で排出オーガ8を旋回させるオーガ旋回モータ(旋回手段)91とを備えるコンバインにおいて、穀物タンク7の重量を一定間隔t1で計測する重量センサ(計測手段)73と、排出オーガ8を操作するオーガコントローラ(操作部)150と、排出オーガ8が一定量(360度)旋回したこと検出するオーガ旋回角センサ(検出手段)93とを備え、排出作業前の穀物タンク7の重量は、オーガコントローラ(操作部)150が操作される一定時間t2前に重量センサ73にて計測した第1計測値であり、排出作業後の穀物タンク7の重量は、オーガコントローラ(操作部)150が操作された後、オーガ旋回角センサ93によって排出オーガ8が一定量(360度)旋回したことを検出した一定時間t3後に重量センサ73にて計測した第2計測値であり、第1計測値及び第2計測値を用いて穀物の排出重量を算出するものである。
【0052】
また、重量センサ73にて計測された穀物タンク7の重量を保持するとともに、第1計測値及び第2計測値を用いて算出された穀物の排出重量を保持するRAM(保持手段)103と、RAM103にて保持された穀物の排出重量を表示する表示装置(表示手段)157およびRAM103にて保持された穀物の排出重量を印刷するプリンタ装置(印刷手段)158ととを備えるものである。
さらに、オーガコントローラ150がさらに、排出オーガ8を排出作業位置または収納位置まで自動で操作する復帰スイッチ152・自動旋回スイッチ153(自動操作部)と、排出オーガ8を排出作業位置または収納位置まで手動で操作するオーガ上昇スイッチ156a・オーガ下降スイッチ156b(手動操作部)とを備える。
【0053】
なお、上述の例では、手動操作部の例として、オーガ上昇スイッチ156aおよびオーガ下降スイッチ156bを用いたが、この発明はこれに限定されるものではなく、オーガ右旋回スイッチ156c、オーガ左旋回スイッチ156dを用いて、図11のフローチャートを構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本実施の形態に係るコンバインの平面図である。
【図2】本実施の形態に係るコンバインの左側面図である。
【図3】本実施の形態に係るコンバインの右側面図である。
【図4】本実施の形態に係るコンバインの正面図である。
【図5】排出オーガの駆動機構を説明する模式的構成図である。
【図6】コンバインの動力伝達経路を示すスケルトン図である。
【図7】排出作業を指示するためのオーガコントローラを示す平面図である。
【図8】排出作業時の横オーガ筒の位置を説明する模式的平面図である。
【図9】本実施の形態に係るコンバインの制御系の構成を示すブロック図である。
【図10】作業時における重量センサの出力の経時変化と、自動旋回スイッチ、復帰スイッチ及びオーガクラッチスイッチの状態の経時変化との対応関係を説明する説明図である。
【図11】排出重量の検出手順を説明するフローチャートである。
【図12】(a),(b)は重量センサおよび水分センサでの計測値を表示装置に表示した例を示した図、(c)は重量センサおよび水分センサでの計測値を印刷装置にて印刷したときの例を示した図である。
【符号の説明】
【0055】
1 走行機体
2 走行クローラ
3 操縦室
4 刈取前処理装置
5 脱穀装置
6 エンジン
7 穀物タンク
8 排出オーガ
73 重量センサ(計測手段)
81 縦オーガ筒
82 横オーガ筒
85 オーガレスト
91 オーガ旋回モータ(旋回手段)
93 オーガ旋回角センサ(検出手段)
101 CPU
103 RAM(保持手段)
150 オーガコントローラ(操作部)
152 復帰スイッチ(自動操作部)
153 自動旋回スイッチ(自動操作部)
156a オーガ上昇スイッチ(手動操作部)
156b オーガ下降スイッチ(手動操作部)
157 表示装置(表示手段)
158 プリンタ装置(印刷手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫した穀物を貯留する穀物タンクと、該穀物タンクに貯留された穀物を外部へ排出する排出オーガと、前記穀物を排出する排出作業位置と非排出作業時の収納位置との間で前記排出オーガを旋回させる旋回手段とを備えるコンバインにおいて、
前記穀物タンクの重量を一定間隔t1で計測する計測手段と、
前記排出オーガを操作する操作部と、
前記排出オーガが一定量旋回したこと検出する検出手段とを備え、
排出作業前の穀物タンクの重量は、前記操作部が操作される一定時間t2前に前記計測手段にて計測した第1計測値であり、
排出作業後の穀物タンクの重量は、前記操作部が操作された後、前記検出手段によって前記排出オーガが一定量旋回したことを検出した一定時間t3後に前記計測手段にて計測した第2計測値であり、
前記第1計測値及び前記第2計測値を用いて前記穀物の排出重量を算出することを特徴とする、コンバイン。
【請求項2】
前記計測手段にて計測された前記穀物タンクの重量を保持するとともに、前記第1計測値及び前記第2計測値を用いて算出された前記穀物の排出重量を保持する保持手段と、
前記保持手段にて保持された前記穀物の排出重量を表示する表示手段とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記計測手段にて計測された前記穀物タンクの重量を保持するとともに、前記第1計測値及び前記第2計測値を用いて算出された前記穀物の排出重量を保持する保持手段と、
前記保持手段にて保持された前記穀物の排出重量を印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記操作部がさらに、
前記排出オーガを前記排出作業位置または前記収納位置まで自動で操作する自動操作部と、
前記排出オーガを前記排出作業位置または前記収納位置まで手動で操作する手動操作部とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記検出手段がレゾルバ、回転式ポテンショメータまたはロータリエンコーダのいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載のコンバイン。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−81478(P2006−81478A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−270500(P2004−270500)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】