説明

サーバ装置、混雑回避処理プログラム

【課題】目的地における混雑をも回避するのに必要な情報をユーザに提供することを課題とする。
【解決手段】サーバ装置は、履歴情報記録手段と、受信手段と、最適出発時刻算出手段と、送信手段と、を備える。履歴情報記録手段は、複数の通信型ナビゲーション装置によって送信された実際に車両が移動した際における履歴情報を記録する。受信手段は、設定情報を受信する。最適出発時刻算出手段は、設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、目標到達時刻以前の到着時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める。これにより、ユーザは、目標到達時刻までに目的地に到着することのできる最適出発時刻を知ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信型ナビゲーション装置と通信可能なサーバ装置の技術分野に属し、特にルート案内に伴って行われる混雑情報の取得に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載用のナビゲーション装置において、道路交通情報通信システム(Vehicle Information Communication System:VICS)から交通事故や渋滞などの交通情報(VICSデータ)を取得し、地図情報に交通事故や渋滞などの交通情報を表す表示を重畳させて表示装置の表示画面に表示することで、利用者に報知する技術が知られている。この応用例として、特許文献1には、取得したVICSデータに基づいて渋滞予測を行い、ユーザが出発しなければならないタイミングを報知する技術が記載されている。また、特許文献2には、取得したVICSデータと、イベントカレンダーを元に、渋滞予測を行う技術が記載されている。
【0003】
なお、特許文献3には、VICSデータを基に出発地から目的地までの渋滞を考慮したルート探索を行う技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005−172560号公報
【特許文献2】特開2005−49997号公報
【特許文献3】特開2004−170377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の各特許文献に記載の技術では、目的地における混雑具合を知ることはできないため、ユーザは、経路上の道路の渋滞を回避して目的地に着いたとしても、当該目的地において混雑に遭遇する可能性がある。この場合、ユーザは、当該目的地において駐車をすることができない等、多くの不便がある。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、目的地までの経路の混雑だけでなく、目的地における混雑をも回避するのに必要な情報をユーザに提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、複数の通信型ナビゲーション装置及び情報端末装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置において、前記複数の通信型ナビゲーション装置によって送信された実際に車両が移動した際における目的地、出発地、出発日、出発時刻、到着時刻の各情報を受信して履歴情報として記録する履歴情報記録手段と、前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地、出発地、出発日、目標到達時刻の各情報を設定情報として受信する受信手段と、前記設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、前記設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、前記目標到達時刻以前の到着時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める最適出発時刻算出手段と、前記最適出発時刻を前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段と、を備える。
【0008】
請求項3に記載の発明は、複数の通信型ナビゲーション装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置において、前記複数の通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地の情報を受信してリアルタイム情報として記録するリアルタイム情報記録手段と、前記複数の通信型ナビゲーション装置のうち、所定の目的地が設定されている所定の通信型ナビゲーション装置より混雑具合を示す混雑情報の要求を受信する受信手段と、前記リアルタイム情報を基に、前記所定の目的地と同一の目的地に向かっている車両数の所定時間における変化量を求め、前記変化量を基に前記混雑情報を求める混雑情報算出手段と、求められた前記混雑情報を前記所定の通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段と、を備える。
【0009】
請求項5に記載の発明は、複数の通信型ナビゲーション装置及び情報端末装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置により実行される混雑回避処理プログラムであって、前記複数の通信型ナビゲーション装置によって送信された実際に車両が移動した際における目的地、出発地、出発日、出発時刻、到着時刻の各情報を受信して履歴情報として記録する履歴情報記録手段、前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地、出発地、出発日、目標到達時刻の各情報を設定情報として受信する受信手段、前記設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、前記設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、前記目標到達時刻以前の到着時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める最適出発時刻算出手段、前記最適出発時刻を前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段、として前記サーバ装置を機能させる。
【0010】
請求項6に記載の発明は、複数の通信型ナビゲーション装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置により実行される混雑回避処理プログラムであって、前記複数の通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地の情報を受信してリアルタイム情報として記録するリアルタイム情報記録手段、前記複数の通信型ナビゲーション装置のうち、所定の目的地が設定されている所定の通信型ナビゲーション装置より混雑具合を示す混雑情報の要求を受信する受信手段、前記リアルタイム情報を基に、前記所定の目的地と同一の目的地に向かっている車両数の所定時間における変化量を求め、前記変化量を基に前記混雑情報を求める混雑情報算出手段、求められた前記混雑情報を前記所定の通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段、として前記サーバ装置を機能させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の1つの観点では、複数の通信型ナビゲーション装置及び情報端末装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置は、前記複数の通信型ナビゲーション装置によって送信された実際に車両が移動した際における目的地、出発地、出発日、出発時刻、到着時刻の各情報を受信して履歴情報として記録する履歴情報記録手段と、前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地、出発地、出発日、目標到達時刻の各情報を設定情報として受信する受信手段と、前記設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、前記設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、前記目標到達時刻以前の到着時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める最適出発時刻算出手段と、前記最適出発時刻を前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段と、を備える。
【0012】
上記のサーバ装置は、複数の通信型ナビゲーション装置及び情報端末装置と通信手段を介して通信可能に構成され、履歴情報記録手段と、受信手段と、最適出発時刻算出手段と、送信手段と、を備える。サーバ装置のCPU(Central Processing Unit)が、これらの手段に該当する。前記履歴情報記録手段は、前記複数の通信型ナビゲーション装置によって送信された実際に車両が移動した際における目的地、出発地、出発日、出発時刻、到着時刻の各情報を受信して履歴情報として記録する。前記受信手段は、設定された目的地、出発地、出発日、目標到達時刻の各情報を設定情報として受信する。前記最適出発時刻算出手段は、前記設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、前記設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、前記目標到達時刻以前の到着時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める。前記送信手段は、前記最適出発時刻を前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置に送信する。これにより、ユーザは、目標到達時刻までに目的地に到着することのできる最適出発時刻を知ることができる。
【0013】
上記のサーバ装置の一態様は、前記履歴情報記録手段は、更に、前記車両の駐車時刻の情報を受信して履歴情報として記録し、前記最適出発時刻算出手段は、前記設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、前記設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、前記目標到達時刻以前の駐車時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める。これにより、ユーザは、目標到達時刻までに目的地において駐車することのできる最適出発時刻を知ることができる。
【0014】
本発明の他の観点では、複数の通信型ナビゲーション装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置は、前記複数の通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地の情報を受信してリアルタイム情報として記録するリアルタイム情報記録手段と、前記複数の通信型ナビゲーション装置のうち、所定の目的地が設定されている所定の通信型ナビゲーション装置より混雑具合を示す混雑情報の要求を受信する受信手段と、前記リアルタイム情報を基に、前記所定の目的地と同一の目的地に向かっている車両数の所定時間における変化量を求め、前記変化量を基に前記混雑情報を求める混雑情報算出手段と、求められた前記混雑情報を前記所定の通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段と、を備える。
【0015】
上記のサーバ装置は、複数の通信型ナビゲーション装置と通信手段を介して通信可能に構成され、リアルタイム情報記録手段と、受信手段と、混雑情報算出手段と、送信手段と、を備える。サーバ装置のCPU(Central Processing Unit)が、これらの手段に該当する。前記リアルタイム情報記録手段は、前記複数の通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地の情報を受信してリアルタイム情報として記録する。前記受信手段は、前記複数の通信型ナビゲーション装置のうち、所定の目的地が設定されている所定の通信型ナビゲーション装置より混雑具合を示す混雑情報の要求を受信する。前記混雑情報算出手段は、前記リアルタイム情報を基に、前記所定の目的地と同一の目的地に向かっている車両数の所定時間における変化量を求め、前記変化量を基に前記混雑情報を求める。前記送信手段は、求められた前記混雑情報を前記所定の通信型ナビゲーション装置に送信する。これにより、ユーザは、リアルタイムに目的地における予想される混雑状況を知ることができる。
【0016】
上記のサーバ装置の一態様は、前記リアルタイム情報記録手段は、更に、前記複数の通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された出発地の情報を受信して前記リアルタイム情報として記録し、前記混雑情報算出手段は、前記リアルタイム情報を基に、前記所定のナビゲーション装置に設定された出発地と同一の出発地から、前記所定のナビゲーション装置に設定された目的地と同一の目的地へ向かっている車両数の所定時間における変化量を求め、前記変化量を基に前記混雑情報を求める。これにより、ユーザは、リアルタイムに出発地から目的地へ向かう経路における混雑する可能性を知ることができる。
【0017】
本発明の更なる他の観点では、複数の通信型ナビゲーション装置及び情報端末装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置により実行される混雑回避処理プログラムは、前記複数の通信型ナビゲーション装置によって送信された実際に車両が移動した際における目的地、出発地、出発日、出発時刻、到着時刻の各情報を受信して履歴情報として記録する履歴情報記録手段、前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地、出発地、出発日、目標到達時刻の各情報を設定情報として受信する受信手段、前記設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、前記設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、前記目標到達時刻以前の到着時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める最適出発時刻算出手段、前記最適出発時刻を前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段、として前記サーバ装置を機能させる。このプログラムによっても、ユーザは、目標到達時刻までに目的地に到着することのできる最適出発時刻を知ることができる。
【0018】
本発明の更なる他の観点では、複数の通信型ナビゲーション装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置により実行される混雑回避処理プログラムは、前記複数の通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地の情報を受信してリアルタイム情報として記録するリアルタイム情報記録手段、前記複数の通信型ナビゲーション装置のうち、所定の目的地が設定されている所定の通信型ナビゲーション装置より混雑具合を示す混雑情報の要求を受信する受信手段、前記リアルタイム情報を基に、前記所定の目的地と同一の目的地に向かっている車両数の所定時間における変化量を求め、前記変化量を基に前記混雑情報を求める混雑情報算出手段、求められた前記混雑情報を前記所定の通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段、として前記サーバ装置を機能させる。このプログラムによっても、ユーザは、リアルタイムに目的地における予想される混雑状況を知ることができる。
【実施例】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。なお、以下の説明は、本発明を車両用の通信型ナビゲーション装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置に適用した例を示す。
【0020】
(ナビゲーション装置及びサーバ装置の全体構成)
図1に、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置及びサーバ装置の全体構成を模式的に示す。図1において、ナビゲーション装置7は、車両5に搭載されている通信型のナビゲーション装置である。ナビゲーション装置7は、複数のGPS衛星4からの電波を受信することにより、自車位置を測位する。また、各車両5に搭載されているナビゲーション装置7は夫々、通信機能を利用してサーバ装置6に接続する。
【0021】
サーバ装置6は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ、データベースなどから構成されている。後に述べる、履歴情報を利用した混雑回避処理、及びリアルタイム情報を利用した混雑回避処理は、サーバ装置6において、CPUがサーバ装置6のメモリに記録されている本発明の混雑回避処理プログラムを実行することにより実行される。
【0022】
情報端末装置8は、例えばPC(Personal Computer)であり、インターネットなどのネットワークを介して、サーバ装置6に接続することができる。
【0023】
(ナビゲーション装置の構成)
図2に、ナビゲーション装置7の構成を示す。図2に示すように、ナビゲーション装置7は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0024】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0025】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星4から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置を検出するために用いられる。
【0026】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置7全体の制御を行う。
【0027】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。
【0028】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0029】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
【0030】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データや施設データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。なお、地図データの詳細については後述する。
【0031】
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、通信用インタフェース37を介して、サーバ装置6やVICS(Vehicle Information Communication System)センタと情報の送受信を行う。
【0032】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データを、ディスプレイなどの表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM )等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0033】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0034】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコンから構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式である場合には、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0035】
(履歴情報を利用した混雑回避処理)
まず、履歴情報を利用した混雑回避処理の具体的な方法について述べる。ナビゲーション装置7は、当該ナビゲーション装置7が搭載された車両5がある出発地からある目的地へ移動し終えた際に、目的地、出発地、出発日、出発時刻、到着時刻の各情報をサーバ装置6に送信する。サーバ装置6は、複数のナビゲーション装置7より送信されたこれらの情報を履歴情報として記録する。
【0036】
図3は、履歴情報の一例を示す図表である。図3より分かるように、履歴情報は、目的地、出発地、出発日、出発時刻、寄道時間、案内終了時刻、駐車時刻の各項目についての過去数年間のデータである。ここで、寄道時間は、ユーザが目的地に向かう途中で寄り道した時間を示す。案内終了時刻は、ナビゲーション装置7が案内を終了した時刻である。駐車時刻は、駐車場に車両を止めてエンジンを切ったときの時刻である。以下の説明では、到着時刻とは、寄道時間がないときは、案内終了時刻を示し、寄道時間があるときは、案内終了時刻から寄道時間を差し引いた時刻を示す。
【0037】
以下、この履歴情報を利用して、混雑をなるべく避けることのできる最適な出発時刻を求める方法について図4のフローチャートを用いて述べる。図4は、履歴情報を利用した混雑回避処理方法のフローチャートである。
【0038】
ユーザは、所定の目的地へ向かう場合において、混雑をなるべく避けることのできる最適な出発時刻(以下、単に「最適出発時刻」と称す)を予め知りたい場合には、例えば出発日の前日などに、設定情報として、目的地、出発地、出発日、目標到達時刻を情報端末装置8に入力する。情報端末装置8は、これらの設定情報をサーバ装置6に送信する。
【0039】
サーバ装置6は、設定情報を受信すると(ステップS11)、設定された目的地と同一の目的地を有する履歴情報を検索する(ステップS12)。サーバ装置6は、設定された目的地と同一の目的地を有する履歴情報が一定数以上存在するか否かを判定し(ステップS13)、一定数以上存在しないと判定したならば(ステップS13:No)、ステップS16に進む。
【0040】
サーバ装置6は、設定された目的地と同一の目的地を有する履歴情報が一定数以上存在すると判定した場合には(ステップS13:Yes)、設定された出発日の当該目的地における混雑の有無を判定する(ステップS14)。
【0041】
具体的には、サーバ装置6は、設定された出発日の当該目的地における混雑の有無を、設定された目的地と同一の目的地を有する情報のうち、設定された出発日と同一の出発日を有する履歴情報が一定数以上存在するか否かを判定することによって行う。ここでいう同一の出発日を有する履歴情報とは、年とは関係なく、設定された出発日の月日と同一の月日の出発日を有する履歴情報を示す。
【0042】
例えば、ユーザが大晦日(12/31)に「AA神宮」に初詣のために向かう場合について考えてみる。この場合、ユーザは、設定情報として、目的地を「AA神宮」とし、出発日を「12/31」として、情報端末装置8に入力し、情報端末装置8がこれらの設定情報をサーバ装置6に送信する。サーバ装置6は、図3に示す履歴情報のデータの中から、出発日が「12/31」で目的地が「AA神宮」となっている履歴情報が一定数以上存在していると判定すれば、サーバ装置6は、今年の「12/31」にも「AA神宮」は混雑すると判定する。
【0043】
サーバ装置6は、設定された出発日において設定された目的地が混雑すると判定した場合には(ステップS14:Yes)、ステップS15に進む。一方、設定された出発日において当該目的地が混雑しないと判定した場合には(ステップS14:No)、ステップS17に進み、その旨を情報端末装置8に送信する。
【0044】
ステップS15では、サーバ装置6は、受信した設定情報に係る目的地と同一の目的地を有する履歴情報を基に、混雑を避けることのできる最適出発時刻を求める。
【0045】
例えば、ユーザが、設定情報として、目的地を「AA神宮」とし、出発地を「東京都目黒区」とし、出発日を「12/31」とし、目標到達時刻を「23:30」として、情報端末装置8に入力し、情報端末装置8がこれらの設定情報をサーバ装置6に送信した場合には、サーバ装置6は、図3に示す履歴情報の中から、目的地が「AA神宮」、出発地が「東京都目黒区」、出発日が「12/31」となっているデータ1及び2の出発時刻、寄道時間、案内終了時刻、駐車時刻より、混雑を避けることのできる最適出発時刻を求める。
【0046】
例えば、データ1では、出発時刻が「22:00」、案内終了時間が「23:30」、寄道時間が「00:20」となっている。つまり、このとき、車両は「東京都目黒区」を22:00に出発し、寄道時間を抜けば1時間10分で「AA神宮」に到着していたことが分かる。即ち、到着時刻は、「23:10」となる。また、駐車時刻は「23:50」となっているので、このとき、車両は「AA神宮」に到着してから20分後に駐車していたことが分かる。
【0047】
一方、データ2では、出発時刻が「23:00」、案内終了時刻が「2:00」となっている。つまり、このとき、車両は「東京都目黒区」を23:00に出発して、3時間で「AA神宮」に到着していたことが分かる。寄道時間はないので、到着時刻は、案内終了時刻たる「2:00」となる。また、駐車時刻は「3:16」となっているので、このとき、車両は「AA神宮」に到着してから1時間16分後に駐車していたことが分かる。
【0048】
以上のことから、ユーザは、出発地「東京都目黒区」を、出発時刻「23:00」に出発した場合には、出発時刻「22:00」に出発した場合と比較して、「AA神宮」に到着するのに倍以上の時間がかかることが分かる。つまり、データ1及び2より、ユーザは、出発時刻を「22:00」から「23:00」に変えただけで、「東京都目黒区」から「AA神宮」までの経路における渋滞、及び「AA神宮」における混雑に遭遇する可能性が急激に高くなるといえる。
【0049】
サーバ装置6は、目標到達時刻以前の到着時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める。例えば、サーバ装置6は、目標到達時刻が「23:30」に設定されている場合には、「23:30」以前の到着時刻「23:10」(案内終了時刻「23:30」)を有する履歴情報(データ1)の出発時刻「22:00」を、目標到達時刻までに到着することのできる最適出発時刻として求める。この時刻は、ユーザが渋滞や混雑に遭遇する可能性が高まる前の出発時刻となっている。
【0050】
ステップS16では、サーバ装置6は、例えば、特許文献3に記載の技術を用いて、VICSより供給されたデータを基に出発地から目的地までの経路の渋滞予測を行い、ルート探索を行う際にリンクを重み付けるためのパラメータとして当該渋滞予測の結果を反映したパラメータを求める。以下では、渋滞予測の結果が反映されたパラメータを渋滞予測パラメータと称することとする。
【0051】
サーバ装置6は、求められた最適出発時刻及び渋滞予測パラメータを情報端末装置8に送信する(ステップS17)。情報端末装置8は、渋滞予測パラメータによって重み付けられたリンクを基に出発地から目的地までのルート探索を行い、目的地までの最適なルートを表示すると共に、当該最適出発時刻も表示する。このようにすることで、ユーザは、目標到達時刻までに目的地に到着することのできる最適出発時刻を知ることができる。
【0052】
また、図3におけるデータ1及びデータ2より、案内終了時刻が「23:30」の場合には、案内終了時刻が「2:00」の場合と比較して、駐車するまでに時間がかかっていることから、この間の時間帯において、「AA神宮」における駐車場や道路が急激に混雑することが分かる。そこで、サーバ装置6は、目標到達時刻を、駐車を完了させることのできる時刻(以下、単に「駐車完了時刻」と称す)とみなして、最適出発時刻を求めることもできる。
【0053】
この場合、サーバ装置6は、目標到達時刻以前の駐車時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める。例えば、サーバ装置6は、目標到達時間が「0:00」に設定されている場合には、「0:00」以前の駐車時刻「23:50」を有する履歴情報(データ1)の出発時刻「22:00」を、目標到達時刻までに駐車を完了することのできる最適出発時刻として求める。このようにすることで、ユーザは、目標到達時刻までに目的地において駐車することのできる最適出発時刻を知ることができる。
【0054】
なお、上述した例では、サーバ装置6は、設定された出発日と同一の出発日を有する履歴情報より、最適出発時刻を求めるとしているが、これに限られない。上述した例では、大晦日たる「12/31」に「AA神宮」に初詣に行く場合を想定しているために、サーバ装置6は、過去数年間の「12/31」の出発日の履歴情報より、最適出発時刻を求めることができるに過ぎない。従って、例えば、お盆やゴールデンウィークなどの場合のように、所定の期間全体で混雑状況を見る必要がある場合には、サーバ装置6は、設定された出発日と同一の出発日を有する履歴情報より最適出発時刻を求める代わりに、設定された出発日を含む一定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報より最適出発時刻を求める。
【0055】
さらに、上述した例では、ユーザは、情報端末装置8より設定情報を入力し、情報端末装置8は、当該設定情報をサーバ装置6に送信することとし、サーバ装置6は、求められた最適出発時刻を情報端末装置8へ送信することとしている。しかしながら、これに限られるものではなく、代わりに、ユーザは、ナビゲーション装置7より設定情報を入力し、当該ナビゲーション装置7は、当該設定情報をサーバ装置6に送信することとし、サーバ装置6は、求められた最適出発時刻を当該ナビゲーション装置7へ送信することとしてもよい。
【0056】
以上述べたように、本実施例では、複数の通信型ナビゲーション装置及び情報端末装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置は、前記複数の通信型ナビゲーション装置によって送信された実際に車両が移動した際における目的地、出発地、出発日、出発時刻、到着時刻の各情報を受信して履歴情報として記録する履歴情報記録手段と、前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地、出発地、出発日、目標到達時刻の各情報を設定情報として受信する受信手段と、前記設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、前記設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、前記目標到達時刻以前の到着時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める最適出発時刻算出手段と、前記最適出発時刻を前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段と、を備える。これにより、ユーザは、ユーザは、目標到達時刻までに目的地に到着することのできる最適出発時刻を知ることができる。
【0057】
(リアルタイム情報を利用した混雑回避処理)
次に、リアルタイム情報を利用した混雑回避処理について述べる。ナビゲーション装置7は、当該ナビゲーション装置7が搭載された車両5が出発地から目的地へ移動する際、設定された目的地、出発地、出発日の各情報をサーバ装置6に送信する。サーバ装置6は、複数のナビゲーション装置7から送信されたこれらの情報をリアルタイム情報として記録する。
【0058】
図5は、リアルタイム情報のデータの一例を示す図表である。図5に示すように、リアルタイム情報の1つのデータは、目的地、出発地、出発日の各情報より構成されている。リアルタイム情報では、送信元のナビゲーション装置7毎にIDが割り振られている。
【0059】
以下、このリアルタイム情報を利用して、混雑をなるべく避けることのできる方法について図6のフローチャートを用いて述べる。図6は、リアルタイム情報を利用した混雑回避処理方法のフローチャートである。
【0060】
ユーザは、ある出発地からある目的地に向かう場合には、ナビゲーション装置7に当該目的地を設定する。当該ナビゲーション装置7は、ルート案内を開始すると、設定された目的地、出発地、出発日の設定情報をサーバ装置6に送信する。サーバ装置6は、設定情報を受信した後(ステップS21)、当該ユーザにより設定された目的地、出発地、出発日の設定情報をリアルタイム情報の1つのデータとしてIDを割り振って記録すると共に、設定された目的地と同一の目的地に向かう車両数をリアルタイム情報のID数より求める(ステップS22)。
【0061】
また、ナビゲーション装置7は、ユーザにより目的地の設定がキャンセルされた場合には、その旨をサーバ装置6に送信する。この場合、当該ユーザは当該目的地に向かうことを中止したと考えられるので、サーバ装置6は、当該ナビゲーション装置7が搭載された車両5に関するリアルタイム情報のデータを消去、即ち、当該ナビゲーション装置7に対応するIDを有するリアルタイム情報のデータを消去する。
【0062】
ナビゲーション装置7は、設定された目的地、出発地、出発日の各情報をサーバ装置6に送信した後、所定時間毎に、サーバ装置6に対して、当該目的地及びその周辺における混雑具合を示す混雑情報を要求する。サーバ装置6は、当該要求を受信する度(ステップS23)、再度、当該目的地と同一の目的地に向かう車両数をリアルタイム情報のID数より求め(ステップS24)、当該車両数とルート案内開始時に算出した車両数を比較して、車両数が増加しているか又は減少しているかのいずれの状態にあるかの判定をすることで混雑情報を決定する(ステップS25)。即ち、サーバ装置6は、ナビゲーション装置7からの混雑情報の要求を受信する度、車両数の変化量をリアルタイム情報のID数の変化量より求め、当該車両数の変化量を基に混雑情報を決定する。サーバ装置6は、決定された当該混雑情報をナビゲーション装置7へ送信する(ステップS26)。
【0063】
ナビゲーション装置7へ送信される混雑情報の具体的な例としては、サーバ装置6は、車両数が増加していると判定した場合には、目的地及びその周辺における道路が混雑する可能性が増加したと判定することができるので、ナビゲーション装置7に対し、混雑する可能性が増加した旨を示す混雑情報を送信する。このとき、ナビゲーション装置7は、当該混雑情報を受信すると、案内ルートの再探索をユーザに促したり、立寄地が設定されている場合には当該立寄地には寄らない方が良い旨をユーザに知らせたりする。
【0064】
一方、サーバ装置6は、車両数の変化量を基に、車両数が減少していると判定した場合には、目的地及びその周辺における道路が混雑する可能性が減少したと判定することができるので、ナビゲーション装置7に対し、混雑する可能性が減少した旨を示す混雑情報を送信する。このとき、ナビゲーション装置7は、当該混雑情報を受信すると、途中で休憩しても余裕がある旨をユーザに知らせる。
【0065】
以上のようにして、ユーザは、リアルタイムに目的地における予想される混雑状況を知ることができる。
【0066】
また、本実施例の変形例として、サーバ装置6は、目的地付近における複数の駐車場の駐車可能台数を基に閾値を決めておき、車両数が当該閾値を超えたと判定した場合には、ナビゲーション装置7に対し、混雑する可能性が増加した旨を示す混雑情報を送信し、車両数が当該閾値よりも下回ったと判定した場合には、ナビゲーション装置7に対し、混雑する可能性が減少した旨を示す混雑情報を送信するとしてもよい。
【0067】
なお、サーバ装置6は、ユーザからの混雑情報の要求を受信すると、設定された出発地と同一の出発地から設定された目的地と同一の目的地に向かう車両数の所定時間の変化量を、当該出発地及び当該目的地を有するリアルタイム情報のID数の所定時間の変化量より求めることもできる。ここで、サーバ装置6は、車両数が増加していると判定した場合には、出発地から目的地までの経路が混雑する可能性が増加したと判定することができるので、ナビゲーション装置7に対し、混雑する可能性が増加した旨を示す混雑情報を送信する。一方、サーバ装置6は、車両数が減少していると判定した場合には、出発地から目的地までの経路が混雑する可能性が減少したと判定することができるので、ナビゲーション装置7に対し、混雑する可能性が減少した旨を示す混雑情報を送信する。なお、ここでいう出発地から目的地までの経路が混雑する可能性とは、出発地から目的地までの複数の経路1つ1つが混雑する可能性を指すのではなく、出発地から目的地までの複数の経路全体で見た場合における混雑する可能性を指す。これにより、ユーザは、リアルタイムに出発地から目的地へ向かう経路における混雑する可能性を知ることができる。
【0068】
以上述べたように、本実施例では、複数の通信型ナビゲーション装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置は、前記複数の通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地の情報を受信してリアルタイム情報として記録するリアルタイム情報記録手段と、前記複数の通信型ナビゲーション装置のうち、所定の目的地が設定されている所定の通信型ナビゲーション装置より混雑具合を示す混雑情報の要求を受信する受信手段と、前記リアルタイム情報を基に、前記所定の目的地と同一の目的地に向かっている車両数の所定時間における変化量を求め、前記変化量を基に前記混雑情報を求める混雑情報算出手段と、求められた前記混雑情報を前記所定の通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段と、を備える。これにより、ユーザは、リアルタイムに目的地における予想される混雑状況を知ることができる。
【0069】
(情報収集処理)
ここで、履歴情報及びリアルタイム情報を収集する情報処理収集方法について図7を用いて述べる。情報収集処理は、ナビゲーション装置7により実行される。図7は、情報収集処理を示すフローチャートである。
【0070】
ユーザが、ナビゲーション装置7に目的地を設定してルート探索を行うと(ステップS31)、ナビゲーション装置7は、当該目的地を記録して設定すると共に、そのときの場所及び時刻を出発地及び出発時刻として夫々記録して設定する(ステップS32)。
【0071】
ナビゲーション装置7は、ルート案内を開始すると(ステップS33)、目的地へ移動を開始したことをサーバ装置6に通知する(ステップS34)。なお、このとき、目的地、出発地、出発日の情報がサーバ装置6に送信される。これらの情報が図5に示すリアルタイム情報として、サーバ装置6に記録される。
【0072】
ナビゲーション装置7は、車両が一定時間以上停車していること等により、ユーザが寄り道をしていると判定した場合には、その寄道時間を記録する(ステップS35)。
【0073】
ナビゲーション装置7は、車両が目的地に到着してルート案内を終了した場合には(ステップS36)、そのルート案内を終了した時刻を案内終了時刻として記録する(ステップS37)。更に、ナビゲーション装置7は、車両がユーザによってエンジンOFFにされて完全に駐車した場合には(ステップS38)、そのときの時刻を駐車時刻として記録する(ステップS39)。
【0074】
ナビゲーション装置7は、再び、車両がユーザによってエンジンONにされた場合には(ステップS40)、先に記録した目的地、出発地、出発日、出発時刻、寄道時間、案内終了時刻、駐車時刻の情報をサーバ装置6に送信する(ステップS41)。これらの情報が、図3に示す履歴情報としてサーバ装置6に記録される。
【0075】
サーバ装置6における履歴情報の記録は、年単位で蓄積するのが望ましく、特に、3〜5年間程度の履歴情報が、サーバ装置6に蓄積されるのが望ましい。また、図3に示すように、出発地の情報としては、データ量の削減のため、市区町村レベルまで丸めた情報としてサーバ装置6に記録されるのが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】実施例によるナビゲーション装置及びサーバ装置の全体構成を示す模式図。
【図2】実施例によるナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】履歴情報の一例である。
【図4】履歴情報を利用した混雑回避処理の方法を示すフローチャート。
【図5】リアルタイム情報の一例である。
【図6】リアルタイム情報を利用した混雑回避処理の方法を示すフローチャート。
【図7】情報収集処理の方法を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0077】
6・・・サーバ装置
7・・・ナビゲーション装置
8・・・情報端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信型ナビゲーション装置及び情報端末装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置において、
前記複数の通信型ナビゲーション装置によって送信された実際に車両が移動した際における目的地、出発地、出発日、出発時刻、到着時刻の各情報を受信して履歴情報として記録する履歴情報記録手段と、
前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地、出発地、出発日、目標到達時刻の各情報を設定情報として受信する受信手段と、
前記設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、前記設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、前記目標到達時刻以前の到着時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める最適出発時刻算出手段と、
前記最適出発時刻を前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記履歴情報記録手段は、更に、前記車両の駐車時刻の情報を受信して履歴情報として記録し、
前記最適出発時刻算出手段は、前記設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、前記設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、前記目標到達時刻以前の駐車時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求めることを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
複数の通信型ナビゲーション装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置において、
前記複数の通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地の情報を受信してリアルタイム情報として記録するリアルタイム情報記録手段と、
前記複数の通信型ナビゲーション装置のうち、所定の目的地が設定されている所定の通信型ナビゲーション装置より混雑具合を示す混雑情報の要求を受信する受信手段と、
前記リアルタイム情報を基に、前記所定の目的地と同一の目的地に向かっている車両数の所定時間における変化量を求め、前記変化量を基に前記混雑情報を求める混雑情報算出手段と、
求められた前記混雑情報を前記所定の通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項4】
前記リアルタイム情報記録手段は、更に、前記複数の通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された出発地の情報を受信して前記リアルタイム情報として記録し、
前記混雑情報算出手段は、前記リアルタイム情報を基に、前記所定のナビゲーション装置に設定された出発地と同一の出発地から、前記所定のナビゲーション装置に設定された目的地と同一の目的地へ向かっている車両数の所定時間における変化量を求め、前記変化量を基に前記混雑情報を求めることを特徴とする請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
複数の通信型ナビゲーション装置及び情報端末装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置により実行される混雑回避処理プログラムであって、
前記複数の通信型ナビゲーション装置によって送信された実際に車両が移動した際における目的地、出発地、出発日、出発時刻、到着時刻の各情報を受信して履歴情報として記録する履歴情報記録手段、前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地、出発地、出発日、目標到達時刻の各情報を設定情報として受信する受信手段、前記設定情報の目的地及び出発地と同一の目的地及び出発地を有する履歴情報のうち、前記設定情報の出発日を含む所定の期間内の日時を出発日として有する履歴情報を基に、前記目標到達時刻以前の到着時刻を有する履歴情報の出発時刻を最適出発時刻として求める最適出発時刻算出手段、前記最適出発時刻を前記情報端末装置又は前記通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段、として前記サーバ装置を機能させることを特徴とする混雑回避処理プログラム。
【請求項6】
複数の通信型ナビゲーション装置と通信手段を介して通信可能に構成されたサーバ装置により実行される混雑回避処理プログラムであって、
前記複数の通信型ナビゲーション装置より送信された、設定された目的地の情報を受信してリアルタイム情報として記録するリアルタイム情報記録手段、前記複数の通信型ナビゲーション装置のうち、所定の目的地が設定されている所定の通信型ナビゲーション装置より混雑具合を示す混雑情報の要求を受信する受信手段、前記リアルタイム情報を基に、前記所定の目的地と同一の目的地に向かっている車両数の所定時間における変化量を求め、前記変化量を基に前記混雑情報を求める混雑情報算出手段、求められた前記混雑情報を前記所定の通信型ナビゲーション装置に送信する送信手段、として前記サーバ装置を機能させることを特徴とする混雑回避処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−39399(P2008−39399A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−209639(P2006−209639)
【出願日】平成18年8月1日(2006.8.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】