説明

スチルベンポリフェノール誘導体を含む組成物、並びに生体の老化及び老化に影響を及ぼす疾患に対抗するためのそれらの使用

本発明は、ポリフェノール誘導体を含む組成物であって、前記ポリフェノールは、式(I)を有する構成単位を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーを含み特徴とし、前記構成単位は、レゾルシノール核(核A)およびパラ−フェノール核(核B)の同時存在によって特徴付けられ、これらの核は、炭素結合Cによって相互接続され、前記誘導体は、各構成モノマー単位の少なくとも1つのフェノール基のアルキル化によって、その求核力に関して過剰活性化され、かつ、主として不飽和脂肪酸によって形成された植物油の割合を反映した割合の脂肪酸の混合物による、他のフェノール基の全てのエステル化によって安定化されている、組成物に関する。本発明は、化粧品、栄養学および治療における使用に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体及び組織の大部分の病状及び老化を予防及び制御するための、フラボノイドポリフェノール誘導体の組成物に関する。本発明はまた、これらの組成物の調製方法、特に美容術、栄養及び治療におけるそれらの適用に関する。
【背景技術】
【0002】
50年以上前、人体の老化は、フリーラジカル種又は酸化化学反応性により組織に引き起こされる複合的な損傷の蓄積の結果であるという理論が展開された。
【0003】
1950年代の半ば、ゴム製品についての多くの研究の後、化学者であるHarmanは、フリーラジカルの生成の防止が、その分解(degradation、cracking)を防止するための最も確実な方法であることに気づいた。類推により、彼は、ヒトの組織の老化(例えば、皮膚内のしわの出現)が、細胞内における高度に反応性の化学種、特にフリーラジカルの「異常な」生成、並びにそれが誘発する逐次反応により引き起こされ得ることを示唆した。
【0004】
活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)は、1個以上の電子の酸素への制御されない「伝達」によりミトコンドリアレベルで形成される(ROS:スーパーオキシドアニオン、過酸化物、ペルオキシ亜硝酸、フリーラジカル等)。
【0005】
次いで、これらのROSは、水/脂溶解度に応じて、他の細胞内コンパートメント又は細胞質に拡散し、そこで、それらは相当の損傷を生じさせる。
【0006】
この種の関連において、連鎖酸化反応を阻害する能力、言い換えれば、酸化的ストレスを防止する能力に基づいて、老化を制御するための活性物質の探索が最近数十年にわたり実施された。実際には、ROSと相互作用し得る任意の物質は、有害作用を減少させ、長期間にわたって健康に対して良い影響を与え、同じ理由により老化及び主要な病状の発現を減速するであろう。このような物質は、フリーラジカルスカベンジャー(同時に1個の電子を送達し得る)及び/又はビタミン類(E及びC)及びポリフェノール類のような抗酸化物質(同時に2個の電子を移動させる)である。
【0007】
しかし、身体の老化により引き起こされる損傷又は付随する主要な病状は、単に、ミトコンドリア代謝及び細胞内ROSの「漏れ」による電子の流れの不十分な制御の結果でありそうになく、メイラード反応及びカルボニルストレスを含む潜在的な有害作用の他の源に関与すると思われる。
【0008】
カルボニルストレスにおいて、グルコースのカルボニル(アルデヒド)基は、タンパク質の求核残基(アミン、チオール等)に関して、その求電子的性質を発揮し:これは、カルボニルストレスについての開始点であり、プロパゲータの生成により増幅させられる。
【0009】
生成する化学種又はグリコシル化生成物は最終生成物であると考えられ:これらは、AGEs(Advanced Glycated End-Products:後生的糖化最終産物)であり、グルコース又はその断片がアミノ酸残基と不可逆的に結合する。
【0010】
メイラード反応の発生が増えると、それと同時に、糖類及びその誘導体の容量が低減する。生じたジカルボニル化合物は、酸化能力を獲得し、この酸化能力は、例えば、それらの前駆体よりはるかに大きく、それらの電子を酸素に容易に移動させる。最初に生じるスーパーオキシドアニオンから開始し、細胞内ストレスの場合と同じROSの順番が生じる。従って、カルボニルストレスは、第二の型の酸化的ストレスと連動している。
【0011】
ミトコンドリアの起源のROSについて前述したメカニズムと対比して、この新規な酸化的ストレスは、細胞の外部において細胞内基質内で発生する。従って、それは、この基質のアミノ酸又はタンパク質残基、特に、コラーゲン及びエラスチンの繊維に作用する。この酸化的ストレスは、酵素防御システムは細胞内に位置しているものほどには効果的ではないという事実を考慮して特に重要であり、酸化的ストレスは、カルボニルストレスに起因する糖化及び糖酸化生成物に付加するアルキル化現象の増加をもたらす。
【0012】
従って、細胞外酸化的ストレスと連動するカルボニルストレスは、老化の進行およびに主要な病状に附随する組織変化の確立における細胞内酸化的ストレスと少なくとも同じくらい重要である。
【0013】
従って、本発明者らによる組織老化をもたらす現象の研究は、このような老化に関与する生化学的メカニズムの評価の拡大、並びにそれらの更に有効な制御のための補助作用の新規な生物学的標的の定義を可能にする新規な概念の発展をもたらした。
【0014】
従って、それらの研究は、植物抽出物を作り上げるもののような、抗酸化剤及びフリーラジカルスカベンジャーの特性を有するポリフェノール類の構造に対する改変をもたらし、カルボニルストレスを同様に取り除くより優れた能力をそれらに提供した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明の目的は、多くの生物学的標的(酸化的ストレスおよびカルボニルストレス)に関して非常に効果的に作用することができ、かつ安定化された過剰活性化されたポリフェノール類を構成するポリフェノール誘導体の新規組成物を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、このようなポリフェノール誘導体を、植物抽出ポリフェノール類から得る方法を提供することである。
【0017】
更なる態様によれば、本発明は、美容術、栄養及び治療において、フロロググルシノールタイプのこれらのポリフェノール組成物の特性を有効に利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明のポリフェノール誘導体組成物は、前記ポリフェノールが式(I):
【化1】

【0019】
に一致する構成単位のモノマー、オリゴマー又はポリマーを含むことにより特徴づけられる。
【0020】
これらの構成単位は、レゾルシノール核(核A)及びパラ−フェノール核(核B)の同時存在により特徴づけられ、これらの核は、Cのような3個の炭素の連結により互いに結合している。最も簡単な場合において、2個の核A及びBが結合し、セグメントCは存在せず、これは、式(II):
【化2】

【0021】
のフロログルシノールの場合に相当する。
【0022】
これらの構成単位の核A及びBは、ほとんどの場合に別個であり、セグメントCは2個の炭素からなっており、一つの選択肢はsp2混成されてビニルを形成しており、これは、式(III):
【化3】

【0023】
のレスベラトロールについての場合である。
【0024】
セグメントCはまた、sp3混成された炭素からなっていてもよく、特に、ポリマーを形成するためのモノマー間の連結点として機能することができる。
【0025】
前記誘導体は、各構成単位の少なくとも1個のフェノール性基をアルキル化することにより求核力に関して過剰活性化され、大部分が不飽和脂肪酸(unsaturated fatty acid:UFA)であり、他の全てがフリーなままである混合物を用いたエステル化により安定化されている。
【0026】
一般的に言えば、本発明の組成物における誘導体の特定の置換は、その活性の調節をもたらし、同時にかつ具体的に、前述したような主要な病状及び老化に関与する主要なメカニズムの阻害を可能にする。
【0027】
有利には、分子あたりの−O−アルキル基の数は、構成単位あたりに平均して存在するヒドロキシルの数と等しくなく、好ましくは1又は2個である。
【0028】
1種以上のアルキル基は、より特定的には、芳香族核の求核性、その結果として、カルボニルストレス因子を捕捉するそれらの能力を最大にするために電子供与効果を有する基:メチル、イソプロピルまたはtert−ブチルである。
【0029】
有効な安定化は、フリーで残っているフェノール基と主に不飽和脂肪酸(unsaturated fatty acid:UFA)を含有する植物油からの脂肪酸との間のUFAエステルの形成によって得られる。油は、健康上、有利な効果のために選択される。有利には、得られた活性物質は、それらが由来するオイルの割合と同じ割合の不飽和脂肪酸を含んでいる。
【0030】
前記エステルは、好ましくは、オリーブ油(Olea europea)又はブドウ種子油(Vitis vinifera)の脂肪酸からのアシル基Rの混合物を含む。
【0031】
問題の置換基は、より特定的には、飽和脂肪酸(saturated fatty acid:SFA=ステアリン酸;7〜8%)、一不飽和脂肪酸(monounsaturated fatty acid:MUFA=オレイン酸;55〜75%)、必須ポリ不飽和脂肪酸(polyunsaturated fatty acid:PUFA;15〜18%):ω−6及びω−3シリーズの二不飽和(リノール酸)及び三不飽和(リノレン酸)の置換基Rであり、これらは、本発明の誘導体中に、伝染病学から得られるデータに従って健康のために最大の利益を引き出す油の割合と同じ割合で存在する。
【0032】
更に、この安定化は、早期破壊(空気中または暗所中の酸化)から過剰活性化スチルベンポリフェノールを保護することを可能にする一方で、親油性を与えて、吸着されるそれらの機会を増大させる。
【0033】
しかし、有利には、この安定化は一時的であり、誘導体がそれらの全ての抗酸化力をそれらに対して回復させるように作用する場に置かれた場合にはもはや効果的ではない。従って、安定化は、安定化した置換基が露出されている生物学的システム、特に、リパーゼ、エステラーゼ又はプロテアーゼのような酵素の簡単な作用により可逆的でなければならない。
【0034】
より具体的には、本発明は、前記単一の誘導体が、式(IV):
【化4】

【0035】
(式中、
− Rは、アルキル基、又は前記で定義されたようなRにより表される、植物油の脂肪酸のアシル基であり、
− Rは、水素、又はR”におけるまたは別の構成単位のRへの連結点であり、
− Rは、水素、又はR”におけるまたは別の構成単位のRにおける連結点であり、
− Rは、アルキル基、又は前記で定義されたようなRにより表される、植物油の脂肪酸のアシル基、又は別の構成単位のRにおける連結点であり、
− R”は、H又は別の構成単位のR若しくはRにおける連結点を表し、
− R’は、水素、又は、前記で定義されたようなRによって表される植物油の脂肪酸のO−アシル基である)
の化合物およびこれらの部分のジアステレオマー及び位置異性体であることを特徴とする組成物に関する。
【0036】
例として、式(V)及び(VI):
【化5】

【0037】
のダイマー(エプシロン−ビニフェリン)及びトリマー(ミヤベノールC)を付与することが可能である。
【0038】
本発明の好ましい一実施態様よれば、前記で定義された誘導体は、アルキル化され、次いで安定化された植物抽出物誘導体に相当する。従って、それらは、これらの植物抽出物中で混合物として存在するポリフェノールの構造を有する。
【0039】
従って、前記植物抽出物は、基本的に、レスベラトロールの誘導体からなっており、このものは、式(III):
【化6】

【0040】
と一致している。
【0041】
このクラスの第一の群において、抽出物は、より特定的には、ブドウ木抽出物である。
【0042】
本発明は、特に、ブドウの木(Vitis vinifera)の新芽及び/又は茎の抽出物の誘導体に関する。
【0043】
従って、本発明は、ブドウの木の新芽の抽出物からのポリフェノール誘導体の組成物に関し、これらの抽出物は、前記に示されたように、フロログルシノールのビニローグ等価物を構成する、大量のポリフェノール誘導体を含む。これらは、特に、以下の式III、VII、VIII、IX及びXのポリフェノールであり、それぞれ、レスベラトロール、ピセアタンノール、エプシロン−ビニフェリン、パリドール、ミヤベノールCに対応している。
【化7】

【0044】
前記第一のクラスの第二の群において、誘導体は、タデ属(Polygonum cuspidatum)抽出物の誘導体である。
【0045】
第三の群において、誘導体は、桑(Morus sp)等からの果実抽出物の誘導体である。
【0046】
本発明のポリフェノール誘導体の組成物は、有利には、前記植物抽出ポリフェノール組成物を、
− 第1工程において、分子あたり少なくとも1個、好ましくは1〜2個のフェノール性OH基の水素に対するアルキル基の置換を許容する条件下にアルキル化剤と、
− 第2工程において、アルキル化後に依然としてフリーである−OH基の水素に対する、アシル化剤により遊離されるアシル基−COR(Rは前記で定義された通りである)の混合物による置換を許容する条件下に、アシル化剤、特に酸無水物又は酸塩化物と、反応させることを含む方法により得られる。
【0047】
アルキル化反応は、ハロゲン化物(ヨウ化物、臭化物等)又は硫酸エステルのような、市販されている試薬を1.5倍の化学当量の割合で使用する。無機塩基(炭酸カリウム等)の存在下、非プロトン性溶媒(例えば、無水アセトン)中のポリフェノール抽出物溶液に、それらはゆっくりと加えられ、不活性雰囲気下(理想的には窒素、アルゴン)、撹拌しながら還流下に加熱される。
【0048】
冷却後、希酸(例えば、塩酸)を、酸性pHが得られるまで加えることにより、アルキル化反応は停止させられる。撹拌は、更に約45分間にわたって続けられる。反応混合物は減圧下に濃縮される(溶媒の蒸発)。水相は、等量の混合しない溶媒(例えば、酢酸エチル、ジクロロメタン等)を用いて抽出され、2倍量の蒸留水により洗浄される(中性になるまで)。この有機相は、無水硫酸ナトリウムで乾燥させられ、次いでろ過され、減圧下に蒸発させられ、アルキル化ポリフェノールの残渣が残る。
【0049】
アシル化剤は、
− 植物油のグリセリドをけん化し、次いで酸性化し、
− 脱水(アシル化剤は酸無水物である)又は塩素化(アシル化剤は酸塩化物である)により活性化することを含む方法により植物油から調製されるが、同一の活性化効果を付与する他の誘導体が用いられてもよい(必要に応じて、エステル交換、酵素的アシル化)。
【0050】
けん化反応は、水相中、少なくとも化学量論量の水酸化カリウムのようなアルカリ剤の存在下、好ましくは還流温度で実施される。次いで、無機酸を加えることにより溶液は酸性pHにされ、次いで、有機溶媒で抽出され、反応の際に生じたフリーな酸の混合物が分離される。
【0051】
水との共沸混合物を生じさせ得る溶媒の存在下に還流しながら脱水反応が行われ、その形成と一致してそれが除去されることが可能にされる。例えば、トルエンが用いられ、水はディーン・スタークシステムにより捕捉される。
【0052】
塩素化反応は、フリーな脂肪酸を溶解させ得る溶媒の存在下に実施される。塩素化反応はルイス塩基により触媒され、ほぼ0℃に制御された温度で塩素化剤をゆっくりと加えることにより実施される。添加を終了した時、周囲温度で撹拌が続けられ、次いで、減圧下の蒸発により反応混合物は濃縮され、塩化物は蒸留により精製される。
【0053】
有利には:
− 塩素化に用いられる溶媒は、アルコールにより安定化されないという条件で、例えば、ジクロロメタン又はクロロホルムであり、
− 塩素化剤は、例えば、塩化チオニル又は塩化オキサリルであり、
− 触媒はジメチルホルムアミドであってよく、
− 塩化アシルは、「ボールオーブン」(クーゲルロール)中、高真空下の蒸留により精製される。
【0054】
アシル化反応は、通常、前記アルキル化反応から得られるアルキル化ポリフェノール化合物の可溶化(部分的な可溶化であっても)を許容する溶媒の存在下に実施される。
【0055】
適切な溶媒は、溶解させられるべきアルキル化化合物に応じて、ジクロロメタン、クロロホルム又は1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン誘導体、若しくはピリジンのような窒素誘導体、さらにはヘキサンから選択される。
【0056】
選択された反応溶媒中の溶液中の、有利には塩基性触媒物質(例えば、トリエチルアミン又はピリジン)と混合されたアルキル化ポリフェノール誘導体は、撹拌下、不活性雰囲気(アルゴン、窒素)中に置かれる。
【0057】
前記で調製されたような、4価のFA無水物又は塩化物はアシル化剤として用いられる。それらは、反応のための溶媒がピリジン単独でなければ、その溶媒中の溶液に滴下される。ピリジンが溶媒及び塩基性触媒の両方である場合、「逆の」添加が行われる。これは、予め形成されたアシルピリジニウム化合物に滴下されるポリフェノール誘導体の溶液を含む。
【0058】
用いられ得る1つの代替は、激しく撹拌しながら塩基性水相(NaPO、KPO)を、アルキル化ポリフェノール誘導体及びアシル化剤の有機溶液(CHCl、CHCl)に加えること、従って、ショッテン−バウマン条件を生じさせることを含む。
【0059】
適用される手順が何であれ、反応は、好ましくは、周囲温度で約7〜8時間の時間にわたって実施される。
【0060】
このようにして形成されたエステル化誘導体は、酸性水(HCl、適量、酸性pH)を加え、次いで有機層を蒸留水で何度も洗浄することにより精製される。硫酸ナトリウムで乾燥させた後、溶液はろ過され、次いで乾燥するまで蒸発させられ、安定化され、かつアルキル化された活性フラボノイド物質が得られる。
【0061】
細胞内又は細胞外の起源に関係なく、ROSを捕捉することができるだけでなく、ジカルボニル化合物(抗糖化及び抗−AGEs)を捕捉することもできる本発明の二重効果活性物質は、皮膚老化に対抗するために今までに最も広範囲で最も効果的な手段として非常に興味のあるものである。
【0062】
従って、本発明の組成物は、化粧品製剤の製造のために特に適している。
【0063】
これらの製剤において、組成物は外用に適切である賦形剤と併用される。有利には、それらの脂溶性は、化粧品に通常に用いられる剤形への取り込みに有利に働く。
【0064】
従って、本発明は、皮膚老化を制御するのに有効な量の前記で定義されたスチルベンポリフェノール誘導体の組成物の1種以上を、外用に適した不活性な賦形剤と組み合わせて含むことを特徴とする化粧品組成物に関する。
【0065】
これらの組成物は、クリーム、軟膏、乳剤、ゲル、リポソーム、ローションのような局所投与に適切な形態をとる。
【0066】
それらは、0.5〜5%、好ましくは2〜3%の活性生成物を含む。
【0067】
本発明はまた、前記で定義された1種以上の化粧品組成物の皮膚への塗布又は摂取により特徴づけられる、皮膚老化の予防方法に関する。
【0068】
非常に興味のある別の態様によれば、本発明の組成物は栄養学において用いられ得る。特に、その抗フリーラジカル及びカルボニル化合物スカベンジング特性のため、それらは食物のより良好な保存を確実にする。更に、それらは、一般にビタミン因子の供給剤を構成する。従って、それらは、有利に、飲料、例えば、果汁、強壮飲料、バターのような乳製品及びその派生物に加えられる。
【0069】
それらはまた、液状又は顆粒等にある時、ゲル又はペースト状で、フルーツガム、キャンディ、チューインガムのような菓子類に組み込まれて用いられ得る。
【0070】
本発明の組成物の特性はまた、有利には、医薬としての使用のために開発される。
【0071】
従って、本発明はまた、上記定義の少なくとも1種の組成物の治療的有効量を、医薬的に許容される賦形剤と組み合わせて含む点で特徴付けられる医薬組成物に関する。
【0072】
これらの組成物は、有利には、適切な形態、特に、経口、局所又は非経口投与に適切な形態をとる。
【0073】
従って、経口投与のために、組成物は、特に、溶液、錠剤、ゲルカプセル又はシロップの形態をとる。
【0074】
局所投与のために、組成物は、クリーム、軟膏、ゲル、パッチまたはローションの形態をとる。
【0075】
非経口投与のために、組成物は、無菌又は滅菌可能な注射溶液の形態をとる。
【0076】
本発明の他の特徴及び利点は、例証の目的で、以下の実施例において与えられ、図1〜11が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】ヨウ化メチルによってモノアルキル化(メチル化)されたレスベラトロールの、ATRモードにおけるFT−IRスペクトル。
【図2】ヨウ化メチルによってモノアルキル化(メチル化)されたレスベラトロールのH−13C HMBC 2D NMRスペクトル(500MHz)。
【図3】DMSによってモノアルキル化(メチル化)されたレスベラトロールのFT−IRスペクトル。
【図4】ヨウ化メチルによってモノアルキル化(メチル化)されたレスベラトロールのH−13C HMBC 2D NMRスペクトル(500MHz)。
【図5】「バージン」オリーブ油のけん化から得られた脂肪酸の、ATRモードにおけるFT−IRスペクトル。
【図6】オリーブFA塩化物から調製されたメチルエステルの質量分光法(GC−DSQ2)により検出されたガスクロマトグラム。
【図7】オリーブFA塩化物のFT−IRスペクトル(ATRモードにおける)
【図8】オリーブFA塩化物の500MHzにおけるプロトンNMRスペクトル(CDCl)。
【図9】オリーブ油FAsでアルキル化及び安定化されたブドウの木の新芽からのスチルベノイドポリフェノールのFT−IRスペクトル。
【図10】オリーブ油FAsでアルキル化及び安定化されたブドウの木の新芽からのスチルベノイドポリフェノールのH−13C HMBC 2D NMRスペクトル(500MHz、CDCl)。
【発明を実施するための形態】
【0078】
(実施例1:フロログルシノールのO−アルキル化)
フロログルシノール1.560g(12.3ミリモル)を、上端に冷却器を備え付けた二口フラスコ中の無水アセトン20mLに溶解させる。アルゴン雰囲気下に撹拌しながら、炭酸カリウム(KCO)1.685g(12.3ミリモル、2化学当量)の存在下、ヨウ化メチル766μL(=1.746g;25℃においてd=2.28g/mL、すなわち、12.3ミリモル=レスベラトロールに対して1モル当量)を加える。反応物を3時間にわたって還流加熱する。
【0079】
反応混合物をNo.4のフリットでろ過してKCOを除去し、減圧下にアセトンを蒸発させる。残渣を酢酸エチル15mLに溶解する。有機相を蒸留水15mLで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して乾燥させ、1357mgの残渣を得、これは、そのスペクトル定数;H NMR,アセトン−d6,500MHz,δ ppm:5.95(1H,d);5.90(2H,d);3.65(3H,s,CH).13C NMR,アセトン−d6,125MHz,δ ppm:167.2(s);164.22(2s);100.61(d);98.26(2d);59.6(quad.)により5−メトキシレゾルシノールであると同定される(粗収率=89%;Mw=124)。
【0080】
(実施例2:レスベラトロールのO−アルキル化)
レスベラトロール450mg(1.97ミリモル)を、上端に冷却器を備え付けた二口フラスコ中の無水アセトン10mLに溶解させる。アルゴン雰囲気下に撹拌しながら、炭酸カリウム(KCO)270mg(1.97ミリモル、2化学当量)の存在下、ヨウ化メチル123μL(=280mg;25℃においてd=2.28g/mL、すなわち、1.97ミリモル=レスベラトロールに対して1モル当量)を加える。反応物を3時間にわたり還流加熱する。
【0081】
反応混合物をNo.4のフリットでろ過してKCOを除去し、減圧下にアセトンを蒸発させる。残渣を酢酸エチル15mLに溶解させる。有機相を蒸留水15mLで2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、濃縮して乾燥させ、548mgの残渣を得る(粗収率=モノメチル化レスベラトロールを基準にして91.6%、mw=304)。
【0082】
このO−メチル化レスベラトロールの抽出物のFT=IR分光学的研究は、植物スチルベノイドポリフェノール抽出物のほとんどの複合体を含む、これらの全てのメチル化誘導体に共通している特徴を証明し、スペクトル(図1)において矢印により標識される:2838(CH)、1251、1143および1058(エーテル)のバンド(cm−1)。
【0083】
このモノメチル化レスベラトロールの混合物は、NMRにおいて、レスベラトロールにおける芳香族酸素含有炭素(δ=160ppm)とメチルエーテルのプロトン(δ=3.8ppm)との間の相関(これはアルキル化を示す)により特徴付けられる。HMBC 2D NMRスペクトル(図2)は、酸素含有芳香族炭素(155〜162ppm)とメチルエーテルのプロトンとの間の相関を示し、3.8ppmを中心とする周波数で共鳴する。
【0084】
(実施例3:スチルベンポリフェノールのO−アルキル化工程)
特許FR 2 766 176の方法により得られるようなスチルベノイドポリフェノール抽出物10.08g(44ミリモル)について操作が行われ、アセトン50mLに溶解させられる。活性化KCO12.25g(88ミリモル=4化学当量)、次いでアルキル化剤、この場合は硫酸ジメチル(dimethyl sulfate :DMS)3.15mL(33ミリモル、1.5化学当量)を、アルゴン雰囲気下、撹拌しながら加える。
【0085】
化学当量の計算は、レスベラトロールの構成単位あたりの3個のヒドロキシル基の「平均」を基準にして実施される。従って、抽出物228gの各部分は「レスベラトロール1モル」に相当し、3個のフェノール性基を有し、そのうちの1個のみがアルキルエーテルに変換されると考えられる。従って、アルキル化試薬の化学当量は、分子量が228であることを基準として、使用されるレスベラトロール抽出物のモル数の3分の1に等しい。
【0086】
得られる透明な溶液を7時間にわたって還流加熱し、反応物を冷却する。酸性pHが得られるまで希塩酸溶液(220mL)を加えた後、撹拌を更に45分間にわたって続ける。反応混合物を減圧下に濃縮する(アセトンの蒸発)。残渣の水相を等量の酢酸エチルで抽出し、蒸留水200mLで2回洗浄する(洗浄水が中性になるまで)。次いで、この有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下に濃縮して、アルキル化スチルベノイドポリフェノールの残渣を得る(9.923g;粗収率=93.2%、平均mw=242)。
【0087】
最初の抽出物の各分子がスチルベノイド単位(レスベラトロール)あたり単一のメチル化を受ける、好ましい場合において、以下に特徴づけられるモノマー及びダイマーのような、種々の可能な位置異性体及び立体異性体の混合物が得られる。
【化8】

【0088】
しかし、一般的に言えば、各分子の種々のフェノール性基は種々の反応速度で反応する。例えば、レスベラトロールについては、種々の位置異性体の割合は以下の通りである:
【表1】

【0089】
この結果は、上記図のモノメチル化誘導体からなる過剰活性化された活性スチルベノイド物質の大きな多様性であるが、それらは、それにもかかわらず、可能なジ−及びトリ−メチル化異性体を少量の程度で伴う。
【0090】
前記実施例に関して、これらのスチルベノイド化合物のアルキル化(メチル化)された構造は、それらの種々のスペクトル分析から推定される。
【0091】
− フェノール性メチルエーテルの存在は、IR(図3)において、特に、メチルC−H(伸長)の特徴である、2974〜2836cm−1の吸収バンド、並びにエーテル(C−O)基の特徴である1040〜1235cm−1の吸収バンドの出現により明らかにされる。
【0092】
− HMBC 2D NMRスペクトル(図4)により、酸素含有芳香族炭素(155〜160ppm)及び3.8ppmを中心とする周波数で共鳴するメチルエーテルのプロトンの間の相関関係が示される。
【0093】
(実施例4:アシル化剤の調製)
(工程1:オリーブ油のけん化)
冷却器を備えた丸底フラスコ内に収容された「バージン」オリーブ油50.46g(57ミリモル=171当量)を、エタノール2.5mL及び水50mL中の水酸化カリウム16.08g(285ミリモル、1.67当量)の溶液と混合する。反応物を5時間にわたって還流する。反応物を、周囲温度で更に14時間にわたって撹拌する。
【0094】
得られた溶液を水300mLで希釈した後、10分の1濃度の塩酸(3.7%;w/v)を、酸性pHが得られるまで水相に加える(約250mL)。次いで、丸底フラスコの内容物(表面にペースト状「不溶」生成物を含む)を別個のフラスコに移し、ヘキサン700mLで抽出する。有機相を分離し、次いで、蒸留水300mLで2回洗浄する(この水相のpHを中性にするため)。
【0095】
有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、No.4のフリットでろ過し、次いで濃縮して42.9gの残渣を得る(粗収率=88.8%)。
【0096】
フーリエ変換によりATRモードにおいて記録された赤外スペクトル(図5)により、出発材料の油のエステルバンドの消失とともに、1709cm−1においてフリーの有機酸の特徴であるバンドが示される。
【0097】
(工程2:塩化物の形成による、オリーブ油のけん化から得られた脂肪酸の活性化)
工程1から得られたフリーな酸41.5g(147.1ミリモル)のクロロホルム溶液232mL(アミレン上で安定化される)を、アルゴン雰囲気中、丸底フラスコ内で攪拌し、これを、氷浴によって冷却する。滴下漏斗を用い、塩化オキサリル13.8mL(162mM=1.1当量)を30分間かけて滴下して導入する。ジメチルホルムアミド(DMF)1mLを導入し、氷浴上で5分間にわたり撹拌を続ける。次いで、減圧下における反応混合物の濃縮により(過剰量のクロロホルム及び塩化オキサリル)、わずかに黄色の着色のある油状残渣44.3gを得る(粗収率=100%)。
【0098】
ボールオーブン(クーゲルロール)中での高真空下(2mmHg)における蒸留により、178〜195℃で蒸留するフラクションを集めることにより、この残渣を脱色する(無色の液体)。
【0099】
得られた脂肪酸塩化物の混合物の組成を分析するために、数マイクロリットルの蒸留物をメタノールに暴露する。次いで、全混合物を、「FAME」(fatty acid methyl ester:脂肪酸メチルエステル)カラム及びオンライン質量検出器(DSQ-II)を備えたガスクロマトグラフに注入する。図6に示されるクロマトグラムにおいて、17.8分におけるピークはスレアラートに(M+・=298)、18.07分におけるピークはオレアートに(M+・=296)、18.08分におけるピークはリノレアートに(M+・=294)、19.38分におけるピークはリノレナートに(M+・=292)に相当する。それらの相対的な強度は、それぞれの各割合に適切に適合する:
FT−IR(図7)及びプロトンNMR(図8)のスペクトルは、これらの塩化物の排他的形成と完全に一致する:塩化アシルの特徴である1798cm1におけるバンド。
【0100】
カルボニルに対するプロトンアルファ(t,J=7.5Hz)は、2.9ppmにおける化学シフトを示し、これは、カルボキシルの酸塩化物への変換の特徴である。
【0101】
(実施例5:O−アルキル化レスベラトロールオリゴマーのエステル化)
実施例3によるO−アルキル化レスベラトロールオリゴマー8.4g(35ミリモル)を、トリエチルアミン9.3mL(70ミリモル)と混合したヘキサン106mLに懸濁させ、アルゴン雰囲気下に撹拌する。実施例4において調製された塩化物10.65gをヘキサン45mLで希釈したもの(35.1ミリモル、1当量)を滴下して加える。
【0102】
反応物を室温で撹拌しながら、更に6時間にわたって放置した後に、分液漏斗に入れ、10分の1濃度の塩酸100mL、次いで、10%(w/v)NaHCO水溶液90mL、最後に蒸留水で中性になるまで(90mLで2回)洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、次いで減圧下に濃縮して乾燥させる。安定化され、かつアルキル化された、ブドウの木の新芽の活性スチルベノイド物質19.21gの残渣を得る(=24.64ミリモル;粗収率=70.6%、平均mw=774)。
【0103】
次いで、これらの活性物質を同定する手段を得るために、全ての生成物をスペクトル測定に供する:
− ATRモード(図9)で得られるフーリエ変換赤外スペクトルにより、フェノールエステルのカルボキシの特徴である1764cm−1における強いバンドの出現と、これと同時に、フリーなフェノールヒドロキシに相当する3350cm−1を中心とする広いバンドの消失が示される。
【0104】
− 逆モード得られる500MHzにおける長距離H−13C異種核二次元NMRスペクトル(HMBC)(図10)により、アルキル化され(芳香族酸素のメチルエーテル)、かつエステル化されている(主に、アシル化剤を調製するために用いられるオリーブ油に由来するような統計的混合物における不飽和脂肪酸エステル)、スチルベノイドポリフェノールの多様な構造と完全に一致する相関が明らかに示される。
【0105】
最初の抽出物の各分子が、スチルベノイド単位(「レスベラトール」)あたり1個のみのメチル化を受け、残りのフェノール性基が、全てオリーブ油FA混合物により全てアシル化されている場合における好ましい場合において、下記において特徴付けられるモノマーおよびダイマーの種々の可能な位置異性体および立体異性体の混合物が得られる。
【化9】

【0106】
(実施例5:化粧品製剤)
− 調合A
【表2】

【0107】
− 調合B
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリフェノール誘導体の組成物であって、前記ポリフェノール誘導体は、式(I):
【化1】

と一致する構成単位のモノマー、オリゴマー又はポリマーを含み、前記構成単位は、レゾルシノール核(核A)及びパラ−フェノール核(核B)の同時存在により特徴づけられ、これらの核は、炭素連結Cにより互いに結合しており、前記誘導体は、各構成単位の少なくとも1個のフェノール性基のアルキル化によりそれらの求核力に関して過剰活性化され、大部分が不飽和脂肪酸(UFA)である混合物により、他の全てのフェノールのエステル化により安定化されている組成物。
【請求項2】
前記構成単位において、式(II):
【化2】

のフロログルシノールのように、核A及びBは融合しており、セグメントCは存在しないことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(III):
【化3】

のレスベラトロールのように、前記構成単位において核A及びBは別個であり、セグメントCは、sp2混成されている2個の炭素からなり、ビニルを形成しているか、または、
セグメントCは、sp3混成された炭素からなり、オリゴマーおよびポリマーを形成するためのモノマー間の連結点として機能することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
構成単位あたりの−O−アルキル基の数は、構成単位あたりに平均して存在するヒドロキシルの数と等しくないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項5】
構成単位あたりに平均して存在するヒドロキシルの数は、1又は2個であることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
1種以上のアルキル基は、メチル、イソプロピル又はtert−ブチル基であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項7】
前記エステルは、植物油の脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項8】
前記エステルは、ステアリン酸のような飽和脂肪酸、オレイン酸のような一不飽和脂肪酸、リノール酸及びリノレン酸のような必須多不飽和脂肪酸に相当するアシル基Rを含むことを特徴とする請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記植物油は、オリーブ油又はブドウ種子油から選択されることを特徴とする請求項7又は8に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1、2及び4〜9のいずれか1つに記載の組成物であって、前記誘導体は、式(IV):
【化4】

(式中、
− Rは、アルキル基、又は請求項8において定義されたようなRにより表される、植物油の脂肪酸のアシル基であり、
− Rは、水素、又はR”における若しくは他の構成単位のRへの連結点であり、
− Rは、水素、又はR”における若しくは他の構成単位のRにおける連結点であり、
− Rは、アルキル基、又は請求項8において定義されたようなRにより表される、植物油の脂肪酸のアシル基、又は他の構成単位のRにおける連結点であり、
− R”は、H又はRにおける若しくは他の構成単位のRにおける連結点を表し、
− R’は、水素、又は前記で定義されたようなRにより表される、植物油の脂肪酸のO−アシル基である)
およびこれらの部分のジアステレオマーおよび位置異性体と一致することを特徴とする組成物。
【請求項11】
前記誘導体は、それぞれ式(V)及び(VI):
【化5】

のダイマー及びトリマーに相当することを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記誘導体は、植物抽出物の、安定化され、かつアルキル化された誘導体に相当することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項13】
前記植物抽出物が、ブドウの木の抽出物であることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記ブドウの木の抽出物は、ブドウの木の新芽及び/又は茎から得られることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
問題の構成要素は、ブドウの新芽の抽出物の誘導体であり、これら抽出物は、フロログルシノールのビニローグ、特に、それぞれ、以下の式III、VII、VIII、IX及びX
【化6】

に相当するレスベラトロール、ピセアタンノール、エプシロン−ビニフェリン、パリドール、ミヤベノールCを構成するポリフェノール誘導体を含むことを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記植物抽出物は、タデ抽出物であることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
前記植物抽出物は、例えば、桑からの果実抽出物であることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1つに記載の組成物の調製方法であって、
前記で定義された植物抽出物ポリフェノール組成物は、
− 第1工程において、各分子の構成モノマー単位あたり少なくとも1個、好ましくは1〜2個のフェノール性OH基の水素に対してアルキル基の置換を許容する条件下にアルキル化剤と、
− 第2工程において、アルキル化後に依然としてフリーである−OH基の水素に対して、アシル化剤により遊離させられるアシル基−COR(Rは請求項8において定義された通りである)の混合物による置換を許容する条件下に、アシル化剤、特に酸無水物又は酸塩化物と、反応させられることを特徴とする方法。
【請求項19】
前記アシル化剤は、
− 植物油のグリセリドをけん化し、次いで酸性化し、
− 脱水(アシル化剤が酸無水物である場合)又は塩素化(アシル化剤が酸塩化物である場合)により活性化することを含む方法により植物油から得られることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
皮膚老化に対抗するために有効な量の、請求項1〜19のいずれか1つに記載のポリフェノール誘導体の1つ以上の組成物を、外用に適した不活性な賦形剤と組み合わせて含むことを特徴とする化粧品組成物。
【請求項21】
クリーム、軟膏、乳剤、ゲル、リポソーム、ローションのような局所投与に適切な形態をとることを特徴とする請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
0.5〜5%、好ましくは2〜3%の活性生成物を含むことを特徴とする請求項20又は21に記載の組成物。
【請求項23】
栄養学における、請求項1〜16のいずれか1つに記載の組成物の適用。
【請求項24】
前記組成物は、液状又は顆粒等、ゲル又はペースト状で、例えば果汁、強壮飲料のような飲料、バターのような乳製品及びその派生物に加えられ、例えば、フルーツガム、キャンディ、チューインガムのような菓子類に組み込まれていることを特徴とする請求項23に記載の適用。
【請求項25】
医薬としての使用のための、請求項1〜16のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項26】
請求項1〜16のいずれか1つに記載の少なくとも1つの組成物の治療的有効量を、薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項27】
経口、局所又は非経口投与に適切な形態をとることを特徴とする請求項25又は26に記載の組成物。
【請求項28】
溶液、シロップ、錠剤、ゲルカプセルのような、経口投与のための形態をとることを特徴とする請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
クリーム、軟膏、ゲル、ローション又はパッチのような、局所投与のための形態をとることを特徴とする請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
無菌又は滅菌可能な注射溶液のような、非経口投与のための形態をとることを特徴とする請求項27に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−504467(P2011−504467A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−533714(P2010−533714)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054818
【国際公開番号】WO2009/063440
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(510134156)
【Fターム(参考)】