説明

スロットマシン

【課題】遊技の進行を遅延させるための遅延制御が行われたときに付与される特典に対する遊技者の興味の範囲を拡げ、遊技の興趣を向上させる。
【解決手段】ボーナス終了時に行われるAT抽選の当選確率は、当該ボーナス終了時点までに累積付与されていたポイントに応じて異なるものとなる。ボーナス中は、ゲーム毎にフリーズ抽選が行われ、これに当選したゲームでフリーズ制御が行われることとなるが、フリーズ制御が行われたときに行われるポイント付与抽選の結果により付与されたポイントが累積される。フリーズ制御を行うか否か、及び如何なる種類のフリーズ制御を行うか否かは、当該ボーナスに当選した時点で準備モードに制御されていたか否か、イチゴ(1)に同時当選したか否か、イチゴ(2)に同時当選したか否か、前回ボーナスからの所要ゲーム数が所定ゲーム数以上であるか否かの遊技履歴の違いによって決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットマシンに関し、特に遊技の進行を遅延させるための遅延制御が行われたときに、遊技者にとって有利となる特典を付与するスロットマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンは、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、各リールは、遊技者がスタートレバーを操作することにより回転を開始し、また、遊技者が各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより、その操作タイミングから予め定められた最大遅延時間の範囲内で回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに導出された表示態様に従って入賞が発生する。
【0003】
また、リールを回転させてゲームを開始するためには、遊技者は、前回のゲームでリプレイ入賞した場合を除いて、メダルの投入やBETボタンの操作によってゲームを行うための賭け数を設定する必要がある。このようにスロットマシンにおける遊技を進行させるためには、遊技者が一定の操作手段の操作を行うことが必須となっているが、この操作手段の操作の有効化を一定期間だけ遅延させて、遊技の進行を遅らせるフリーズ演出を行うものがある。
【0004】
ここで、ボーナス遊技状態に制御されている間にフリーズ演出が行われると、当該ボーナスの終了後にATに遊技状態を制御するものがあった(例えば、特許文献1参照)。また、ボーナスやRTなどの遊技者に有利な遊技状態において遊技者に払い出された(或いは遊技者が獲得した)メダルの枚数や、有利な遊技状態の消化ゲーム数が所定数に達したときに、フリーズ演出を行うものがあった(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−50419号公報(段落0131)
【特許文献2】特開2009−66279号公報(段落0024、0075等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のスロットマシンでは、ボーナスの終了後にATに遊技状態が制御されるか否かは、ボーナス中にフリーズ演出が生じるか否かということしか関わらないため、遊技者がATの発生に対する興味をボーナス中の遊技以外に向けることはなかった。また、特許文献2のスロットマシンでも、遊技者に有利な遊技状態に制御された後の遊技しかフリーズ演出の発生に関わらないため、有利な遊技状態に制御されていないときの遊技にまで遊技者が興味を向けることはなかった。
【0007】
本発明は、遊技の進行を遅延させるための遅延制御が行われたときに付与される特典に対する遊技者の興味の範囲を拡げ、遊技の興趣を向上させるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明にかかる手段1の遊技機は、
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシン(スロットマシン1)において、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるよりも前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態(ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナス)への移行を伴う特別表示結果(ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナス)を含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定する事前決定手段(メイン制御部41:抽選処理(図9))と、
前記事前決定手段の決定結果に応じて前記可変表示装置に表示結果を導出させる導出制御手段(メイン制御部41:リール2L、2C、2Rの停止制御)と、
前記可変表示装置に前記特別表示結果が導出されたときに、前記特別遊技状態に遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段(メイン制御部41:ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスへの制御)と、
遅延条件を成立させるか否かを決定する遅延決定手段(メイン制御部41:フリーズ抽選(図9)、フリーズ抽選用テーブル(図10(b)、(c)))と、
前記遅延決定手段により前記遅延条件を成立させると決定したときに、所定の遅延タイミングから遊技の進行を遅延させるための遅延制御を行う遅延手段(フリーズの実行:図13〜15((e)フリーズ))と、
前記特別遊技状態に制御されているときに前記遅延条件が成立したときに、該遅延条件が成立しなかったときに比べて遊技者にとって有利となる特典(AT抽選確率を決めるポイント)を付与する特典付与手段(サブ制御部91:BB用テーブル(図16(a))、RB用テーブル(図16(b))と、
前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定された以後から前記特別遊技状態に制御される以前に生じる所定の契機において、遊技者の遊技履歴を判定する遊技履歴判定手段(サブ制御部91:ボーナス当選時の遊技履歴を判定してRAM91cに保存)とを備え、
前記遅延決定手段は、前記特別遊技状態に制御されているときに、前記遊技履歴判定手段の判定結果に応じて異なる確率で、前記遅延条件を成立させる旨を決定する(準備モード、イチゴ(1)との同時当選、イチゴ(2)との同時当選、ハマリの別でフリーズ抽選確率が異なる(図10(b)、(c)))
ことを特徴とする。
【0009】
なお、前記遊技履歴判定手段が遊技履歴を判定する所定の契機は、前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたとき、或いは前記特別遊技状態に制御されたときに生じるものとしてもよい。また、前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定された以後から前記特別遊技状態に制御される以前で複数回生じることがあってもよい。また、所定の契機の種類数は、1種類であっても複数種類であってもよい。また、前記遊技履歴判定手段が判定する遊技履歴は、前記所定の契機が生じたタイミングにおける遊技の進行状況としても、該所定の契機が生じるまでの所定期間における遊技履歴や、該所定の契機が生じるまでの所定タイミングにおける遊技の進行状況としてもよい。
【0010】
さらに、特別表示結果の導出を許容する旨が決定された以後から該特別遊技状態に制御される以前に生じる所定の契機において、当該タイミングで判定される遊技履歴が確定されてしまっている(所定の契機より後に生じた遊技履歴は判定対象とならない)のであれば、実際に遊技履歴判定手段が遊技履歴の判定の処理を行うのは、該所定の契機が生じたタイミングよりも後のタイミング(特別遊技状態に制御された後のタイミングでも可)としてもよい。
【0011】
なお、上記スロットマシンが、該スロットマシンにおける遊技を進行させるために遊技者により操作される進行操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、遊技の進行状況に応じて、前記進行操作手段の操作を有効化する進行操作有効化手段(ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作有効化:図13〜15((d)ストップスイッチ))とをさらに備える場合において、前記遅延制御は、前記進行操作有効化手段による前記進行操作手段の操作の有効化を遅延させる制御とすることができる。
【0012】
上記スロットマシンでは、遅延決定手段により遅延条件を成立させる旨が決定されると、遅延制御が行われることにより所定の遅延タイミングから遊技の進行が遅延されるが、この遊技の進行の遅延が特別遊技状態において生じた場合、該特別遊技状態において操作の有効化の遅延が生じなかった場合に比べて遊技者にとって有利となる特典が付与されることとなる。
【0013】
また、上記スロットマシンでは、遊技の進行の遅延が生じたときに特典の付与が行われる特別遊技状態に制御させる特別表示結果の導出を許容する旨が決定された以後から該特別遊技状態に制御される以前に生じる所定の契機において、遊技者の遊技履歴を判定するものとなっている。この所定の契機は、特別表示結果の導出を許容する旨が決定された以後から該特別遊技状態に制御される以前に生じるものであるので、当然に特別遊技状態に制御される以前の遊技履歴が判定されることとなる。
【0014】
このため、特別遊技状態において遊技の進行が遅延されるか否か、すなわち特典が付与されるか否かだけではなく、遊技の進行の遅延に対する遊技者の興味を特別遊技状態に制御される以前の遊技においても持たせることができるので、これに対して遊技者が興味を持つ範囲に拡がりが生じることとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0015】
本発明の手段2は、手段1の遊技機において、
前記特別遊技状態は、複数種類あり(ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナス)、
前記特典付与手段は、前記特別遊技状態の種類に応じて、遊技者にとっての有利度が異なる特典を付与する(サブ制御部91:BB用テーブル(図16(a))とRB用テーブル(図16(b))とで付与ポイント数が異なる)
ことを特徴とする。
【0016】
この場合、単に特別遊技状態において遊技の進行が遅延されるか否か、すなわち特典が付与されるか否かだけではなく、遊技の進行の遅延が如何なる種類の特別遊技状態で生じるかにまで遊技者に興味を持たせることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0017】
本発明の手段3は、手段1または2の遊技機において、
前記特別遊技状態は、複数種類あり(ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナス)、
前記遊技履歴判定手段の判定対象となる遊技履歴は、複数種類あり(準備モード、イチゴ(1)との同時当選、イチゴ(2)との同時当選、ハマリ)、
前記遅延決定手段は、前記特別遊技状態の種類に応じて、前記遅延条件を成立させる旨を決定する確率を高くする遊技履歴の種類を異ならせる(BB用フリーズ抽選用テーブルとRB用フリーズ抽選用テーブルで遊技履歴の種類が異なる(図10(b)、(c)))
ことを特徴とする。
【0018】
この場合、特別遊技状態に制御される前の遊技が全て同じように行われていたとしても、遊技の進行が遅延されるか否か、すなわち特典が付与されるか否かの判定対象となる遊技履歴の種類が、制御されている特別遊技状態の種類によって異なることになる。これにより、遊技の進行の遅延が如何なる種類の特別遊技状態で生じるかにまで遊技者に興味を持たせることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0019】
本発明の手段4は、手段1乃至3の何れかの遊技機において、
前記事前決定手段は、前記特別表示結果とは異なる入賞表示結果である非特別表示結果のうちの第1非特別表示結果(イチゴ(1))の導出を許容する旨と前記特別表示結果の導出を許容する旨とを同時に決定する第1同時決定手段(BB(1)+イチゴ(1)、BB(2)+イチゴ(1)、RB+イチゴ(1)(図7(a)))と、前記非特別表示結果のうちの第2非特別表示結果(イチゴ(2))の導出を許容する旨と前記特別表示結果の導出を許容する旨とを同時に決定する第2同時決定手段(BB(1)+イチゴ(2)、BB(2)+イチゴ(2)、RB+イチゴ(2)(図7(a)))とを含み、
前記遊技履歴判定手段は、前記特別表示結果の導出を許容する旨が前記第1同時決定手段と前記第2同時決定手段の何れにより決定されたかを、遊技者の遊技履歴として判定する(イチゴ(1)との同時当選とイチゴ(2)との同時当選とでフリーズ抽選確率が異なる(図10(b)、(c)))
ことを特徴とする。
【0020】
この場合、特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、同じように特別遊技状態が制御されていたとしても、特別表示結果と同時に導出の許容が決定された非特別表示結果の種類に応じて、遊技の進行が遅延されるか否か、すなわち特典が付与されるか否かが判定されることとなる。これにより、遊技の進行の遅延に対する遊技者の興味を特別表示結果の導出を許容する旨が決定された時点にまでも持たせることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0021】
本発明の手段5は、手段1乃至4の何れかの遊技機において、
前記遊技履歴判定手段は、前回の特別遊技状態が終了してから前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されるまでに要したゲーム数または前記特別表示結果が導出されるまでに要したゲーム数、若しくは前記所定の契機が生じるまでに要したゲーム数を、遊技者の遊技履歴として判定する(ハマリをフリーズ抽選の遊技履歴として判定(図10(b)、(c)))
ことを特徴とする。
【0022】
この場合、特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、同じように特別遊技状態が制御されていたとしても、前回の特別遊技状態が終了してから特別表示結果の導出を許容する旨が決定されるまでに要したゲーム数または特別表示結果が導出されるまでに要したゲーム数、若しくは遊技履歴の判定を行う所定の契機が生じるまでに要したゲーム数に応じて、遊技の進行が遅延されるか否か、すなわち特典が付与されるか否かが判定されることとなる。これにより、前回の特別遊技状態の終了にまで遡って遊技の進行の遅延に対する遊技者の興味を持たせることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0023】
本発明の手段6は、手段1乃至5の何れかの遊技機において、
前記特別遊技状態に移行させることが可能な該特別遊技状態以外の非特別遊技状態には、複数種類の非特別遊技状態があり(準備モード、RT、通常(図6(a)))、
前記遊技履歴判定手段は、前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたときに制御されていた非特別遊技状態の種類または前記特別表示結果が導出されたときに制御されていた非特別遊技状態の種類、若しくは前記所定の契機が生じたときに制御されていた非特別遊技状態の種類を、遊技者の遊技履歴として判定する(準備モードをフリーズ抽選の遊技履歴として判定(図10(b)、(c)))
ことを特徴とする。
【0024】
この場合、特別表示結果の導出を許容する旨が決定され、同じように特別遊技状態に制御されていたとしても、特別表示結果の導出を許容する旨が決定されたときに制御されていた非特別遊技状態の種類または特別表示結果が導出されたときに制御されていた非特別遊技状態の種類、若しくは所定の契機が生じたときに制御されていた非特別遊技状態の種類に応じて、遊技の進行が遅延されるか否か、すなわち特典が付与されるか否かが判定されることとなる。これにより、特別遊技状態に制御される前の遊技状態にまで遊技の進行の遅延に対する遊技者の興味を持たせることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】スロットマシンの全体構造を示す正面図である。
【図2】スロットマシンの内部構造を示す図である。
【図3】可変表示装置を構成する各リール上における図柄の配列を示す図である。
【図4】スロットマシンの制御回路の全体構成を示すブロック図である。
【図5】(a)は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図であり、(b)は、予め定められた特殊出目の図柄組合せおよび特殊出目に関連する技術事項について説明するための図である。
【図6】(a)は、遊技状態の遷移を説明するための図であり、(b)は、確率状態の遷移を説明するための図である。
【図7】遊技状態および設定値に基づいて取得される各抽選対象役および判定値数を示す図である。
【図8】転落リプレイに当選したときのリール制御を説明するための図である。
【図9】抽選処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】(a)は、フリーズの種類を説明するための図であり、(b)は、BB用フリーズ抽選用テーブルを説明するための図であり、(c)は、RB用フリーズ抽選用テーブルを説明するための図である。
【図11】リール回転処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】フリーズが発生しない場合のタイミングチャートを説明するための図である。
【図13】第1フリーズが発生した場合のタイミングチャートを説明するための図である。
【図14】第2フリーズが発生した場合のタイミングチャートを説明するための図である。
【図15】第3フリーズが発生した場合のタイミングチャートを説明するための図である。
【図16】付与ポイントを決定するためのテーブルを説明するための図であり、(a)は、BB用テーブルを、(b)は、RB用テーブルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この実施の形態にかかるスロットマシンの全体構造を示す正面図であり、図2は、スロットマシンの内部構造を示す図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
【0027】
本実施の形態のスロットマシン1の筐体1a内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
【0028】
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ、「メロン」、「バナナ」、「黒イチゴ」、「白イチゴ」、「ブランク(1)(斜線無しの星)」、「ブランク(2)(斜線有りの星)」、「デカ(1)(斜線無しの星の上半分)」、「デカ(2)(斜線無しの星の下半分)」、「赤7(黒塗りの7)」、「白7(白抜きの7)」、「BAR」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。また、リール2L、2C、2Rの図柄が描かれた部分以外は白色であり、高い透過率で光を透過するようになっており、図柄が描かれた部分についても、その図柄の色彩に応じて光を透過するようになっている。
【0029】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図2、図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0030】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から白色光で照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する9つのLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0031】
また、前面扉1bの各リール2L、2C、2Rの手前側(遊技者側)の位置には、液晶表示器51(図4参照)の表示領域51aが配置されている。液晶表示器51は、液晶素子に対して電圧が印加されていない状態で、透過性を有するノーマリーホワイトタイプの液晶パネルを有しており、表示領域51aの透視窓3に対応する透過領域51bおよび透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。また、液晶表示器には、液晶パネルの表面にノングレア加工を施したノングレアタイプの液晶表示器と、グレア加工(光沢加工)を施したグレアタイプの液晶表示器と、があるが、本実施の形態では、表示領域51aの表面にグレア加工が施されたグレアタイプの液晶表示器を用いている。また、表示領域51aの透過領域51bを除く領域の裏面には、背後から表示領域51aを照射するバックライト(図示略)が設けられているとともに、更にその裏面には、内部を隠蔽する隠蔽部材(図示略)が設けられている。
【0032】
液晶表示器51の前面側(図1においては手前側)には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネルを構成する発光装置56a、56bと、受光装置57a、57bと、が設置されている。発光装置56a、56bは、赤外線の発光素子(たとえば、LED)を複数備えている。受光装置57a、57bは、赤外線の受光素子(たとえば、フォトトランジスター)を複数備えている。
【0033】
発光装置56aと受光装置57aとは、液晶表示器51の表示面を挟んで、水平方向に対に設置されている。発光装置56aと受光装置57aとは、発光装置56aが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57aが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。同様に、発光装置56bと受光装置57bとは、液晶表示器51の表示領域を挟んで、垂直方向に対に設置されている。発光装置56bと受光装置57bとは、発光装置56bが備える複数の発光素子から放射される赤外線を、受光装置57bが備える複数の受光素子により受光可能に設置されている。
【0034】
本実施例では、発光装置56a、56bから赤外線を放射することにより、液晶表示器51の表示面に沿って赤外線のグリッドが形成される。そして、表示面に対して遊技者によりタッチ操作が行なわれると、受光装置57a、57bは、赤外線の遮光を検出し、この検出された受光素子が配置されている位置を特定するための信号を、後述するタッチパネルコントローラ99に出力する。タッチパネルコントローラ99は、受光装置57a、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定することができるようになっており、これらによってタッチパネルが形成されている。
【0035】
タッチパネルを構成する発光装置56a、56bは、液晶表示器51の表示面の左辺および下辺に設置され、受光装置57a、57bは、液晶表示器51の表示面の右辺および上辺に設置されている。タッチパネルは、発光装置56a、56bおよび受光装置57a、57bにより囲まれた領域内のタッチ操作を検出し、タッチ操作された位置を特定することができるようになっている。
【0036】
また、前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施の形態では後述の通常遊技状態、準備モード、およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては3、ボーナスにおいては2)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
【0037】
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中、レギュラーボーナス中、および後述するRT中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
【0038】
また、前面扉1bには、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
【0039】
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5およびMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
【0040】
また、前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
【0041】
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)、リールLED55からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
【0042】
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
【0043】
電源ボックス100の前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
【0044】
本実施の形態のスロットマシン1においてゲームを行なう場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L6(図1参照)のうち遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
【0045】
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわちV字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち逆V字型に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL6、の6種類が入賞ラインとして定められており、通常遊技状態、準備モード、RT、ビッグボーナス、レギュラーボーナスにおいては規定数の賭数が設定されると入賞ラインL1〜L6の全てが有効となる。なお、入賞ラインは、L1〜L6に示すラインに限らず、たとえば各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨るラインを含むものであってもよい。
【0046】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
【0047】
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L6上に予め定められた図柄の組合せ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施の形態では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。なお、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組合せが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組合せそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施の形態では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L6上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組合せに応じた遊技状態に移行するようになっている。
【0048】
また、本実施の形態におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0049】
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
【0050】
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
【0051】
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。
【0052】
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
【0053】
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
【0054】
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0055】
遊技制御基板40には、メインCPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行なうメイン制御部41、所定範囲(本実施の形態では0〜65535)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行なうモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行なうソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行なうLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはメインCPU41aからの初期化命令が入力されないときにメインCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、遊技制御基板40と投入メダルセンサ31との間の電気的な接続状態及び遊技制御基板40と演出制御基板90との間の電気的な接続状態を監視する断線監視IC50、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
【0056】
メインCPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行なうととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、メインCPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、メインCPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0057】
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、メインCPU41aによりリフレッシュ動作が行なわれてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0058】
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施の形態では、その範囲として0〜65535が定められている。メインCPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用する。また、メインCPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
【0059】
電断割込処理においては、当該処理の開始にともなってその他の割込処理の実行を禁止する。そして、使用している可能性がある全てのレジスタをRAMに退避させる処理が行なわれる。これにより、電断復旧時に、元の処理に復帰できるようにする。
【0060】
次いで、全出力ポートを初期化した後、RAMに記憶されている全てのデータに基づいてRAMパリティを計算して所定のパリティ格納領域にセットし、RAMアクセスを禁止する。そして何らの処理も行なわないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にメイン制御部41は動作停止する。
【0061】
このように電断割込処理においては、その時点のRAMパリティを計算してパリティ格納領域に格納されるようになっており、次回起動時において計算したRAMパリティと比較することで、RAMに格納されているデータが正常か否かを確認できるようになっている。
【0062】
次に、リセット回路49は、電源投入時においてメイン制御部41が起動可能なレベルまで電圧が上昇したときにメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を起動させるとともに、メイン制御部41から定期的に出力される信号に基づいてリセットカウンタの値がクリアされずにカウントアップした場合、すなわちメイン制御部41が一定時間動作を行なわなかった場合にメイン制御部41に対してリセット信号を出力し、メイン制御部41を再起動させる回路である。
【0063】
メインCPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されている。
【0064】
演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する受光装置57a、57bが接続されており、これら接続された受光装置57a、57bの検出信号がタッチパネルコントローラ99に入力されるようになっている。
【0065】
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。また、演出制御基板90には、前述したタッチパネルを構成する発光装置56a、56bが接続されており、発光装置56a、56bは、演出制御基板90に搭載された後述のタッチパネルコントローラ99による制御に基づいて駆動されるようになっている。
【0066】
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行なうサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行なう表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行なうLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行なう音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブ制御部91に対して出力する電断検出回路98、受光装置56b、57bからの信号に基づき、液晶表示器51の表示面に対してタッチ操作された位置を特定する処理などを行なうタッチパネルコントローラ99、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンド、タッチパネルコントローラ99からの出力情報を受けて、演出を行なうための各種の制御を行なうとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
【0067】
サブCPU91aは、メインCPU41aと同様に、割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブCPU91aは、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号の入力に基づいてメイン制御部41からのコマンドを取得し、受信用バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、一定間隔毎に割込を発生させてタイマ割込処理を実行する。また、サブCPU91aは、電断検出回路98から出力された電圧低下信号の入力に応じて電断割込処理を実行する。
【0068】
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
【0069】
本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に有利度が段階的に低くなる。
【0070】
設定値を変更するためには、スロットマシン1の電源がON状態である場合には一旦OFF状態にし、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、賭数を設定することによりゲームが開始可能となる状態に移行する。なお、スロットマシン1の電源がON状態である場合に一旦OFF状態にする操作、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をON状態にする操作、リセット/設定スイッチ38の操作、および設定値を確定させるためのスタートスイッチ7の操作など、設定値を設定するために必要な操作を設定変更操作という。なお、設定変更操作は、このような操作に限るものではなく、設定値を設定するための操作であればどのようなものであってもよい。
【0071】
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、停止相ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
【0072】
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、BB終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータ、各ゲームの終了時において初期化される当選フラグ(小役、リプレイ)および入賞フラグが格納されるワークである。
【0073】
特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータ、各ゲームの終了時においてクリアされることはなく入賞時および設定変更時(設定変更モードへの移行時)に初期化される当選フラグ(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグ、消化したゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する遊技状態(たとえば、後述する通常遊技状態など)中であるときには当該RTに制御される残りゲーム数が格納されるワークである。なお、特別ワークにおいては、残りゲーム数が格納される例について説明するが、これに限らず、当該遊技状態に制御されてから消化したゲーム数が格納されるものであってもよい。
【0074】
設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行なう際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。
【0075】
なお、設定変更モードに移行させた場合でも、原則として、設定変更モード移行前の遊技状態(遊技状態の種類および通常遊技状態であるときには残りゲーム数)に関する情報が維持される。これにより、たとえば、RT中に設定変更モードに移行させた場合には、設定変更モードに移行された後においても当該RTのリプレイ当選確率が維持される遊技状態に制御される。また、ゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより終了する通常遊技状態中に設定変更モードに移行させた場合には、残りゲーム数についても維持管理される。また、特別ワークにボーナスの当選フラグが設定されているときに設定変更モードに移行させた場合には、当該当選フラグが初期化される。たとえば、ボーナス当選中に設定変更モードに移行させた場合には、ボーナスの当選フラグが初期化されボーナス抽選で当選すると再度当選フラグを設定可能であって当該RTのリプレイ当選確率が維持される遊技状態に制御される。このため、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域は、原則として、設定変更に関連して初期化されることはない。例外として、たとえば、設定変更モード移行前の遊技状態がボーナスであるときには、設定変更に関連してたとえば準備モードを示す遊技状態フラグが格納される。
【0076】
停止相ワークは、リールモータ32L、32C、32Rの停止相を示すデータが格納されるワークであり、リールモータ32L、32C、32Rが停止状態となった際にその停止相を示すデータが格納されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。
【0077】
スタック領域は、メインCPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
【0078】
本実施の形態においてメインCPU41aは、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、設定キースイッチ37のみがONの状態での起動時、BB終了時、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態での起動時においてRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の6つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる5種類の初期化を行なう。
【0079】
初期化0は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化、またはRAM異常エラー発生時に行なう初期化であり、初期化0では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域および次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化され、初期遊技状態に制御される。
【0080】
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37のみがONの状態であり、設定変更モードへ移行される場合に行なう初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域、次のゲームの遊技状態を特定するための遊技状態フラグが格納される領域、および停止相ワークを除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)が初期化される。
【0081】
初期化2は、BB終了時に行なう初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38の双方がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行なう初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行なう初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
【0082】
なお、本実施の形態では、初期化0、初期化1は設定変更モードの終了時に行なう例について説明するが、設定変更モードへ移行される前、設定変更モード中、あるいは設定変更後最初のゲームが開始されるまで(スタートスイッチ7が操作されるまで)に行なうようにしてもよい。この場合、設定値ワークを初期化してしまうと確定した設定値が失われてしまうこととなるので、設定値ワークの初期化は行なわれない。
【0083】
本実施の形態のスロットマシン1においては、可変表示装置2のいずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。なお、ビッグボーナスをBBと示し、ビッグボーナス中に提供されるレギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
【0084】
図5(a)は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図であり、図5(b)は、予め定められた特殊出目の図柄組合せおよび特殊出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図6(a)は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図6(b)は、サブ制御部91により制御される確率状態の遷移を説明するための図である。
【0085】
本実施の形態におけるスロットマシンは、図6(a)に示すように、メイン制御部41により、ボーナス終了後に制御される準備モード、準備モードにおいて所定の有利条件(後述する特殊出目停止)が成立することにより制御されるRT、準備モードおよびRTにおいて所定の終了条件(後述する転落リプレイ入賞)が成立することにより制御される通常遊技状態、ボーナス内部当選したときに制御される内部中RT、およびボーナス入賞により制御されるボーナスのうち、いずれかに制御される。RTは、再遊技役のうち遊技状態の移行を伴わないリプレイの当選率が極めて高確率となる点において、準備モードおよび通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
【0086】
また、本実施の形態におけるスロットマシンは、上記のように、メイン制御部41により、遊技状態を準備モード、RT、通常遊技状態、内部中RT、ボーナスに制御可能としつつ、遊技状態が準備モードやRTであるときには、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。遊技状態が準備モードであって演出状態がATに制御されている状態をAT準備モードともいい、遊技状態が準備モードであるが演出状態がATに制御されていない状態を非AT準備モードともいう。また、遊技状態がRTであって演出状態がATに制御されている状態をARTともいい、遊技状態がRTであるが演出状態がATに制御されていない状態を非ARTともいう。
【0087】
また、本実施の形態におけるスロットマシンは、図6(b)に示すように、サブ制御部91により、ボーナス終了あるいは後述するメロン当選を条件として高確率状態に制御され、当該高確率状態において所定ゲーム数消化するかボーナス当選することを条件として低確率状態に制御される。確率状態が高確率状態であるとき、あるいは遊技状態がボーナス中であるときには、後述するように所定のポイント付与条件が成立することにより、ATに制御される確率に関与するポイントが付与される。
【0088】
図5(a)を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、およびレギュラーボーナスが含まれる。
【0089】
ビッグボーナス(1)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(2)は、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス(1)または(2)のいずれかに入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。
【0090】
ビッグボーナスに制御されているときには、当該ビッグボーナスが終了するまで、レギュラーボーナスに繰り返し制御される。遊技状態がビッグボーナスにある間は、入賞したビッグボーナスの種類に対応するビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。また、レギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。すなわち、ビッグボーナス中フラグがON状態に設定されている間は、ゲームが開始されるときにレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定されていないときに、繰り返しレギュラーボーナス中フラグがON状態に設定される。
【0091】
ビッグボーナス(1)および(2)は、270枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
【0092】
図6(a)に示すように、ビッグボーナス(1)、(2)、およびレギュラーボーナスのいずれかに内部当選してから入賞するまでは、内部中RTに遊技状態が制御される。内部中RTでは、リプレイに当選する確率が通常遊技状態であるときよりも高確率となる。
【0093】
また、ビッグボーナスが入賞したとき、ビッグボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にビッグボーナスが終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。また、図6(a)に示すように、ビッグボーナスが終了した後は、準備モードに遊技状態が制御される。
【0094】
レギュラーボーナスは、入賞ラインのいずれかに「白7−白7−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナスが入賞すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。
【0095】
レギュラーボーナス入賞した場合には、12ゲーム消化するかまたは8回入賞するまでレギュラーボーナスに制御される。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
【0096】
図6(a)に示すように、レギュラーボーナスに内部当選してから、該当選したレギュラーボーナスが入賞するまでは、前述した内部中RTに遊技状態が制御される。
【0097】
また、レギュラーボーナスが入賞したとき、レギュラーボーナスが終了した後には、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となるフリーズ状態に一定期間制御される。また、打止機能が有効に設定されている場合にレギュラーボーナスが終了したときには、クレジットの精算を除いて、遊技者のいずれの操作も無効となり、遊技の進行が不能となる打止状態にリセット/設定スイッチ38が操作されるまで制御される。また、図6(a)に示すように、レギュラーボーナスが終了した後は、ビッグボーナスが終了したときと同様に、準備モードに遊技状態が制御される。
【0098】
また、図6(b)に示すように、サブ制御部91により制御される確率状態が、高確率状態であるときにビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選したときには低確率状態に制御され、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが終了した後は低確率状態から高確率状態に制御される。ビッグボーナスやレギュラーボーナスが終了したことにより制御される高確率状態については、50ゲーム消化するか、ボーナス当選するまで継続して制御される。
【0099】
本実施の形態においては、ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスのいずれかが終了したときに、サブ制御部91により、演出状態をATに制御するか否かを決定するAT抽選が行なわれる。AT抽選は、付与されたポイントの総数に応じた確率にしたがって、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスが終了した時点で行われる。
【0100】
AT抽選は、たとえばランダムカウンタから抽出された乱数を用いて、ATに制御するか否か、およびATに制御可能となる期間などをサブ制御部91が決定するための抽選をいう。非AT準備モードや非ARTにおいて所定数ゲーム消化することによっても実行される。サブ制御部91は、ボーナス終了によるAT抽選において当選したときには当該ボーナス終了後に演出状態をATに制御する。
【0101】
後述する内部抽選においてビッグボーナスおよびレギュラーボーナスのうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。ビッグボーナスやレギュラーボーナスを構成する図柄(「赤7」、「白7」)は、各々、リール2L、2C、2R各々において7コマ以内に配置されていないためである。
【0102】
次に、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、イチゴ(1)、イチゴ(2)、メロン、9枚役(1)〜9枚役(9)が含まれる。小役のうちメロンは、入賞ラインのいずれかに「メロン−メロン−メロン」の組合せが揃ったときに入賞となる。メロンが入賞すると9枚メダルが払い出される。メロンは、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に関わらず、入賞可能なものとなっている。メロンを構成する図柄(「メロン」)が、各々、リール2L、2C、2R各々において7コマ以内に配置されているためである。
【0103】
また、図6(b)に示すように、サブ制御部91により制御される確率状態が低確率状態であるときにメロン当選したときには、サブ制御部91により高確率状態に制御するか否かの高確率状態抽選が行なわれる。また、当該高確率状態抽選により当選したときには、サブ制御部91により確率状態が高確率状態に制御される。高確率状態抽選により当選する確率は、たとえば、50%に設定されている。高確率状態抽選により当選したことにより制御される高確率状態については、30ゲーム消化するか、ボーナス当選するまで継続して制御される。
【0104】
次に、小役のうちイチゴ(1)は、リール2Lについて入賞ラインのいずれかに「黒イチゴ」の図柄が導出されることにより入賞となり、2枚のメダルが払い出される。小役のうちイチゴ(2)は、リール2Lについて入賞ラインのいずれかに「白イチゴ」の図柄が導出されることにより入賞となり、2枚のメダルが払い出される。なお、「黒イチゴ」あるいは「白イチゴ」の図柄が左リール2Lの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL1、L3、L5または入賞ラインL2、L4、L6の3本の入賞ライン上でイチゴ(1)あるいはイチゴ(2)に入賞したこととなるので、6枚のメダルが払い出される。
【0105】
次に、9枚役(1)〜(9)について説明する。9枚役(1)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−ブランク(1)−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(2)は、入賞ラインのいずれかに「白7−ブランク(1)−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(3)は、入賞ラインのいずれかに「BAR−ブランク(1)−赤7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(4)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−ブランク(1)−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(5)は、入賞ラインのいずれかに「白7−ブランク(1)−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(6)は、入賞ラインのいずれかに「BAR−ブランク(1)−白7」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(7)は、入賞ラインのいずれかに「赤7−ブランク(1)−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(8)は、入賞ラインのいずれかに「白7−ブランク(1)−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。9枚役(9)は、入賞ラインのいずれかに「BAR−ブランク(1)−BAR」の組合せが揃ったときに入賞となる。
【0106】
ここで、図3を参照すると、9枚役(1)〜(9)各々を構成する図柄は、リール2L、2Rにおいて7コマ以内に配置されておらず、リール2Cにおいて7コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選していても、ストップスイッチ8Lおよび8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、当選している9枚役に入賞することはない。
【0107】
また、9枚役(1)〜(9)各々を構成する左図柄および右図柄は、リール2L、2R各々において、7コマずつ離れて配置されている。このため、9枚役(1)〜(9)各々を導出させるためのストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングの組合せ(「操作手順」)を、9枚役(1)〜(9)各々で異ならせることができる。たとえば、9枚役(1)を導出させるための操作手順は、左リール2Lの「赤7」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lを操作し、かつ右リール2Rの「赤7」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Rを操作する手順をいう。また、9枚役(9)を導出させるための操作手順は、左リール2Lの「BAR」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Lを操作し、かつ右リール2Rの「BAR」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングでストップスイッチ8Rを操作する手順をいう。
【0108】
9枚役(1)〜(9)のうちいずれに当選しているか認識していない状態においては、ストップスイッチ8Lおよび8Rを操作した場合、当選している9枚役を構成する左図柄および右図柄が1/3×1/3=1/9の確率で引き込まれ入賞となり、それ以外の8/9の確率で引き込むことができず入賞不能となる。
【0109】
一方、9枚役(1)〜(9)は、前述したARTであることを条件として、当選した種類に対応するナビ演出が実行されるナビ対象役である。このため、ARTであるときには、当選した9枚役に応じた情報が報知される。当選した役の種類に応じた情報とは、たとえば、当選した9枚役の種類を特定可能な情報であってもよく、また、当選した9枚役を入賞させるための操作手順を特定可能な情報であってもよい。これにより、ARTにおいて、遊技者は当選した9枚役の種類を認識することができ、報知された9枚役を入賞させるための適正なタイミングでストップスイッチ8Lおよび8Rを操作することができる。その結果、9枚役の取りこぼしの発生を低減させることができる。
【0110】
次に、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、リプレイ、転落リプレイ、BARリプレイが含まれる。再遊技役のいずれかに入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数に対応した枚数分のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
【0111】
リプレイは、入賞ラインのいずれかに「バナナ−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。リプレイを構成する図柄(「バナナ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されている。よって、リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
【0112】
転落リプレイは、入賞ラインのいずれかに「メロン−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。転落リプレイを構成する図柄(左リール2Lの「メロン」、中リール2C、右リール2Rの「バナナ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されている。よって、転落リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。図6(a)に示すように、準備モードあるいはRTにおいて転落リプレイに入賞した後は、通常遊技状態に制御される。また、AT準備モードやARTにおいて転落リプレイに入賞したときには、遊技状態が通常遊技状態に制御されるとともに、ATが終了する。
【0113】
転落リプレイは、前述したAT準備モードやARTであることを条件として、当選したリプレイの種類に対応するナビ演出が実行されるナビ対象役である。このため、AT準備モードやARTであるときには、転落リプレイに当選したときに、当該転落リプレイと同時当選したリプレイの種類に応じた情報が報知される。転落リプレイと同時当選したリプレイの種類に応じた情報とは、たとえば、同時当選したリプレイの種類を特定可能な情報であってもよく、また、同時当選したリプレイの種類に応じて転落リプレイの入賞を回避させるための操作手順を特定可能な情報であってもよい。これにより、AT準備モードやARTである場合、転落リプレイ入賞を回避でき、その結果通常遊技状態に制御されることを意図的に回避することができる。
【0114】
一方、非AT準備モードや非ARTである場合、転落リプレイが当選したときであっても、ナビ演出が実行されないため、転落リプレイ入賞を意図的に回避することができず、通常遊技状態に制御される可能性が高まるといえる。このように、準備モードやRTに制御されているときにおいては、演出状態がATであるか否かによって、遊技者の有利度合いの差を大きくすることによりメリハリをつけて、AT抽選においてATに当選することに対する期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0115】
BARリプレイは、入賞ラインのいずれかに「BAR−バナナ−バナナ」の組合せが揃ったときに入賞となる。BARリプレイを構成する図柄のうち中リール2C、右リール2Rの図柄(「バナナ」)は、各リールにおいて7コマ以内に配置されている。一方、BARリプレイを構成する図柄のうち左リール2Lの図柄(「BAR」)は、左リール2Lにおいて7コマ以内に配置されていない。このため、内部抽選においてBARリプレイに当選していても、ストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、BARリプレイに入賞しない。
【0116】
次に、図5(b)を参照して、特殊出目について説明する。特殊出目は、入賞ラインのいずれかに、9枚役(1)〜(9)の図柄組合せのうち、左リール2Lの図柄である「赤7/白7/BAR(「/」は「または」を意味する)」を「ブランク(2)」に置き換えた3種類の組合せ(ブランク(2)−ブランク(1)−赤7/白7/BAR)、右リール2Rの図柄である「赤7/白7/BAR」を「ブランク(1)」に置き換えた3種類の組合せ(赤7/白7/BAR−ブランク(1)−ブランク(1))、左リール2Lの図柄を「ブランク(2)」に置き換えかつ右リール2Rの図柄を「ブランク(1)」に置き換えた組合せ(ブランク(2)−ブランク(1)−ブランク(1))を含む。このように、特殊出目を構成する図柄は、リール2L、2C、2R各々において7コマ以内に配置されている。このため、特殊出目は、原則として、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に関わらず、入賞ラインL1〜L6のいずれかに停止可能なものとなっている。
【0117】
本実施の形態において特殊出目を入賞ラインL1〜L6のいずれかに停止させるリール制御は、いずれの遊技状態においても、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選しているときであって当該当選している9枚役を取りこぼしたときにのみ行なわれる。一方、特殊出目は、前述したように、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作手順に関わらず、入賞ラインL1〜L6のいずれかに停止可能となっている。このため、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選しているときであって、当該当選している9枚役を構成する図柄を入賞ラインL1〜L6のいずれにも停止させることができない場合には、必ず特殊出目を入賞ラインL1〜L6のいずれかに停止させることができる。
【0118】
図6(a)に示すように、準備モードにおいて特殊出目が停止した後は、RTに制御される。RTは、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選するか、転落リプレイ入賞するまで継続して制御される。なお、準備モード以外の通常遊技状態、ボーナス、内部中RTなどにおいて特殊出目が停止されたとしても、RTに制御されない。また、RTにおいて特殊出目が停止されたとしても、当該RTへの制御が維持される。
【0119】
次に、内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各入賞役の発生を許容するか否か、すなわち入賞役を発生させる図柄組合せがいずれかの入賞ラインに揃える制御を行なうことを許容するか否かを、可変表示装置2の表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7操作時に)、決定するものである。内部抽選では、乱数発生回路42から内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態と、リセット/設定スイッチ38により設定された設定値に応じて定められた各入賞役の判定値数に応じて行なわれる。
【0120】
ここで、内部抽選の対象として遊技状態毎に定められている抽選対象役と、該抽選対象役の判定値数とを説明する。図7は、遊技状態および設定値に基づいて取得される各抽選対象役および判定値数を示す図である。なお、図7で示す抽選対象役および判定値数は、たとえば、ROM41bに割り当てられた所定の記憶領域に記憶されている。内部抽選では、遊技状態に応じた抽選対象役について定められた判定値数を、ゲーム開始時に抽出される内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果が所定値(たとえば65536)をオーバーフローしたときに、当該抽選対象となっている役に当選したものと判定される。当選と判定されると、当該入賞役の当選フラグがRAM41cに設定される。
【0121】
図7(a)は、遊技状態が通常遊技状態であるときに内部抽選される抽選対象役および判定値数を示す図である。通常遊技状態であるときの抽選対象役は、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナス、リプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ、BB(1)+イチゴ(1)、BB(1)+イチゴ(2)、BB(2)+イチゴ(1)、BB(2)+イチゴ(2)、RB+イチゴ(1)、RB+イチゴ(2)、メロン、9枚役(1)、9枚役(2)、9枚役(3)、9枚役(4)、9枚役(5)、9枚役(6)、9枚役(7)、9枚役(8)、9枚役(9)が順番に抽選対象として読み出されるように構成されている。なお、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。たとえば、リプレイ+転落リプレイと表記されている場合は、内部抽選においてリプレイと転落リプレイとが同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
【0122】
そして、設定値が1のときに、内部抽選の対象役がビッグボーナス(1)であるときに「80」が、ビッグボーナス(2)であるときに「80」が、レギュラーボーナスであるときに「100」が、リプレイであるときに「3860」が、リプレイ+転落リプレイであるときに「2560」が、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイであるときに「2560」が、BB(1)+イチゴ(1)、BB(1)+イチゴ(2)、BB(2)+イチゴ(1)、BB(2)+イチゴ(2)のいずれかであるときに「40」が、RB+イチゴ(1)、RB+イチゴ(2)のいずれかであるときに「50」が、メロンであるときに「7000」が、9枚役(1)〜(9)のいずれかであるときに「1000」が、判定値数として取得される。図7(a)には、設定値が2〜4のときについても同様に、内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数が示されている。
【0123】
図7(a)に示すように、設定値として設定されている値が大きいほど、ビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスの内部抽選において取得される判定値数が大きくなっている。これにより、設定値が大きいほど、内部抽選において特別役に当選する確率を高くすることができる。
【0124】
図7(b)〜(d)は、各々、遊技状態が準備モード、RT、内部中RTであるときであって、内部抽選においてリプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ各々が抽選対象役として読み出されたときに取得される判定値数を示す図である。なお、遊技状態が準備モード、RT、内部中RTであるときの、リプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ各々の抽選以外において取得される判定値数は、図7(a)で示した判定値数と同様である。すなわち、遊技状態が準備モード、RT、内部中RTであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数は、図7(a)で示したリプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ各々の内部抽選において取得される判定値数を、図7(b)〜(d)で示すリプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ各々の内部抽選において取得される判定値数に置き換えたものとなる。なお、内部中RTであるときには、すでにビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)、レギュラーボーナスなどいずれかのボーナス当選フラグがすでに設定されているため、抽選対象役としてボーナスが読み出されて当選した場合であっても、すでに設定されているボーナス当選フラグが維持されて、当選したボーナス当選フラグが再設定されることや更新されることがない。これにより、すでにボーナスに当選している内部中RTにおいて、再度ボーナスについて抽選され当選することを防止することができる。
【0125】
図7(b)は、遊技状態がボーナス終了後に制御される準備モードであるときであって、リプレイ、転落リプレイ、BARリプレイ各々の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイであるときに「105」が、リプレイ+転落リプレイであるときに「16450」が、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイであるときに「16450」が、判定値数として取得される。
【0126】
図7(c)は、遊技状態が準備モードであるときに特殊出目が停止することにより制御されるRTであるときであって、リプレイ、転落リプレイ、BARリプレイ各々の内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイであるときに「30000」が、リプレイ+転落リプレイであるときに「8880」が、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイであるときに「8880」が、判定値数として取得される。
【0127】
図7(d)は、遊技状態がボーナスに内部当選してから入賞するまで制御される内部中RTであるときであって、リプレイ、転落リプレイ、BARリプレイの内部抽選において取得される判定値数を示す図である。たとえば、設定値が1〜4のときに、内部抽選の対象役が、リプレイであるときに「10000」が、リプレイ+転落リプレイであるときに「5000」が、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイであるときに「5000」が、判定値数として取得される。
【0128】
ここで、各遊技状態における、転落リプレイの当選率について説明する。1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、転落リプレイの判定値数の合計数から、通常遊技状態であるときに5120/65536≒8%であり、準備モードであるときに32900/65536≒50%であり、RTであるときに17760/65536≒27%であり、内部中RTであるときに10000/65536≒15%である。これより、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、転落リプレイが入賞したとしても遊技状態が維持される通常遊技状態や内部中RTであるときよりも、転落リプレイが入賞することにより通常遊技状態に制御されるという不利益を被る準備モードおよびRTであるときの方が、高くなるように設定されている。
【0129】
また、準備モードであるときには、前述した特殊出目が停止した場合にRTに制御される。準備モードにおける1ゲーム当りの特殊出目の出現率は、9枚役(1)〜(9)の判定値数および取りこぼし率から、(9000/65536)×(8/9)≒12%となる。すなわち、準備モードにおいては、特殊出目の出現率よりも、転落リプレイの当選率が高くなるように設定されている。よって、準備モードにおいては、特殊出目が停止されるよりも先に転落リプレイに当選する可能性が高いといえる。
【0130】
また、本実施の形態においては、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率に着目し対比すると、RTであるときよりも準備モードであるときの方が、1ゲーム当りの転落リプレイの当選率が高くなるように設定されている。これにより、準備モードにおいては、RTであるときよりも、転落リプレイに当選して入賞する可能性をより一層高めることができる。よって、たとえば非AT準備モードである場合、非ARTよりも、転落リプレイ入賞して、通常遊技状態に制御され易いといえる。
【0131】
一方、非AT準備モードである場合で、転落リプレイ入賞せずに先に特殊出目が停止して運良くRTに制御された場合には、準備モードであるときよりも転落リプレイの当選率が低くなり入賞する可能性が低くなる。このため、運良くRTに制御された場合には、準備モード中であるときよりも、転落リプレイに当選せずに当該RTが維持されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0132】
図7(e)は、遊技状態がボーナスであるときの内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数を示す図である。遊技状態がボーナスであるときの抽選対象役は、9枚役(1)〜(9)すべて((1)〜(9)の9種類の9枚役すべて)、イチゴ(1)、イチゴ(1)+イチゴ(2)、メロン、9枚役(1)、9枚役(2)、9枚役(3)、9枚役(4)、9枚役(5)、9枚役(6)、9枚役(7)、9枚役(8)、9枚役(9)が順番に抽選対象として読み出されるように構成されている。
【0133】
そして、設定値が1のときに、内部抽選の対象役が9枚役(1)〜(9)すべてであるときに「55935」が、イチゴ(1)であるときに「200」が、イチゴ(1)+イチゴ(2)であるときに「100」が、メロンであるときに「3000」が、9枚役(1)〜(9)のいずれかであるときに「700」が、判定値数として取得される。図7(e)には、設定値が2〜4のときについても同様に、内部抽選において取得される各抽選対象役の判定値数が示されている。図7(e)に示す判定値数から、遊技状態がボーナス中であるときには、高確率で9枚役(1)〜(9)すべてに当選する。
【0134】
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メインCPU41aは、リールの回転が開始したときおよび、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM41bに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの引込コマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行なう。
【0135】
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
【0136】
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた引込コマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
【0137】
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
【0138】
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の引込コマ数を特定可能なデータである。本実施の形態では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20(図3参照)の領域番号が割り当てられている。
【0139】
一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の引込コマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の引込コマ数を取得できるようになっている。
【0140】
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の引込コマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
【0141】
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0142】
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
【0143】
次に、メインCPU41aがストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明する。
【0144】
ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する引込コマ数を取得する。そして、取得した引込コマ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した引込コマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行なう。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から引込コマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施の形態では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
【0145】
本実施の形態のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
【0146】
また、本実施の形態では、引込コマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
【0147】
本実施の形態では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
【0148】
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で、小役(イチゴ(1)、メロン、9枚役(1)など)に当選した場合などでは、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、通常小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。その結果、小役を優先的に入賞させた後に特別役を入賞させることにより、小役よりも特別役を優先的に入賞させるものと比較して、小役を入賞させてメダルを獲得した後に特別役を入賞させることができるため、特別役入賞前に遊技者のメダルを極力増加させるようにすることができ、遊技者にとって有利なリール制御が行なわれる。
【0149】
たとえば、特別役と払出枚数が賭数3より多いメロンとが当選しているときには、特別役入賞前にメロン入賞により6枚純増するリール制御が優先的に行なわれるため、遊技者にとって有利といえる。なお、特別役と小役とを同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、小役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
【0150】
なお、リール制御において特別役よりも小役を優先的に入賞ライン上に揃えるリール制御が行なわれる例について説明したが、すべての小役について特別役よりも優先的に揃えるものに限らず、たとえば小役のうち賭数以上のメダルが払い出される小役(賭数が3の場合、3以上メダルが払い出される小役、たとえば入賞によりメダルを9枚払い出すメロン、9枚役(1)〜(9)など、以下、通常小役ともいう)のみについて優先的に揃えるリール制御を行ない、賭数よりも少ないメダルが払い出される小役(賭数が3の場合、3未満のメダルが払い出される小役、たとえば入賞によりメダルを1枚払い出す1枚役が入賞役として設定されている場合には当該1枚役、以下、特定小役ともいう)については、特別役を優先的に入賞ライン上に揃えるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、入賞させたとしても賭数よりも少ない払出しか得られず遊技者にとって不利益となる小役についてまで優先的に揃えるリール制御が行なわれることを防止することができる。
【0151】
次に、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合(ビッグボーナス(1)+リプレイなど)には、当選した再遊技役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように引込コマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行なう。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。
【0152】
複数種類の再遊技役が同時に当選している場合(リプレイ+転落リプレイ(特別役と同時当選している場合も同じ)など)には、図8に示すように、同時当選した再遊技役の種類および最初に停止操作がなされたリール(第1停止されたリール)が左リール、中リール、右リールのいずれであるか、に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。図8は、転落リプレイに当選したときのリール制御を説明するための図である。
【0153】
たとえば、リプレイ+転落リプレイが当選し、右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、転落リプレイを構成する図柄は、各リールにおいて7コマ以内の間隔で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L6が設定されているため、リプレイ+転落リプレイに当選している場合で右リール2Rを第1停止させた場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
【0154】
一方、リプレイ+転落リプレイが当選し、左リール2Lまたは中リール2Cを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプレイの組合せをいずれかの入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。図3に示すように、リプレイを構成する図柄は、各リールにおいて7コマ以内の間隔で配置されており、かつ入賞ラインとしてL1〜L6が設定されているため、リプレイ+転落リプレイに当選している場合で左リール2Lまたは中リール2Cを第1停止させた場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
【0155】
また、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイが当選し、左リール2Lまたは中リール2Cを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうち転落リプレイの組合せをいずれかの入賞ラインに揃えて停止させる制御を行なう。このため、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイに当選している場合で左リール2Lまたは中リール2Cを第1停止させた場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
【0156】
一方、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイが当選し、右リール2Rを第1停止させた場合には、当選した再遊技役のうちリプレイの組合せをいずれかの入賞ライン上に揃えて停止させる制御を行なう。このため、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイに当選している場合で右リール2Rを第1停止させた場合には、ストップスイッチ8L、8C、8Rの停止操作タイミングに関わらず、リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
【0157】
このように本実施の形態では、リプレイ+転落リプレイが当選したか、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイが当選したかによって、転落リプレイ入賞を回避してリプレイ入賞させるための第1停止リールを異ならせることにより操作手順(回避手順)を異ならせることができる。
【0158】
また、演出状態がATでない場合において転落リプレイに当選したときには、転落リプレイと同時に当選したリプレイの種類を特定することができない。このため、1/2の確率で転落リプレイ入賞を回避してリプレイ入賞するが、残りの1/2の確率で転落リプレイに入賞してしまう。
【0159】
これに対し、演出状態がATである場合において転落リプレイに当選したときには、転落リプレイと同時に当選したリプレイの種類を特定することができる。このため、操作を誤らない限り、必ず転落リプレイ入賞を回避してリプレイ入賞させるように第1停止させることができる。
【0160】
前述したように、準備モード中であるときの1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、50%であるため、上記リール制御を考慮すると転落リプレイの入賞率は25%となる。よって、転落リプレイを入賞させることなく消化可能となる非AT準備モード中の平均ゲーム数は、転落リプレイの入賞率から、約4ゲームとなる。これより、演出状態がATに制御されていないにも関わらず、準備モードが長期間にわたり継続して制御されることを未然に防止することができる。
【0161】
また、特に準備モード中であるときの転落リプレイの入賞率は、依然として、RT制御への契機となる特殊出目の出現率の12%よりも高い。このため、準備モードにおいては、転落リプレイを偶然取りこぼす確率を加味しても、特殊出目が停止されるよりも先に転落リプレイに当選する可能性が高いといえる。このため、非AT準備モードであるときには、内部当選状況を把握することができず、転落リプレイの入賞率と特殊出目の出現率とから、特殊出目が停止されるよりも先に転落リプレイに当選して入賞する可能性が高まるため、通常遊技状態に制御され易くRTに制御され難くすることができる。
【0162】
一方、AT準備モードであるときには、内部当選状況を把握することができ、転落リプレイの当選率が高確率であるとしても意図的に転落リプレイ入賞を回避することができる。このため、AT準備モードであるときには、通常遊技状態に制御されることを回避でき、特殊出目を停止させることにより結果的にRTに制御させることができる。
【0163】
すなわち、遊技者にとって有利なRTに制御される前段階の遊技状態として準備モードを設け、当該準備モードにおける演出状態がATに制御されていないときには、準備モードから通常遊技状態に制御され易くすることによりRTに制御され難くし、当該準備モードにおける演出状態がATに制御されているときには、確実にRTに制御させることができる。このため、準備モードにおける演出状態がATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いの差が大きくなりメリハリをつけることができるため、演出状態がATに制御されることに対する期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0164】
また、RT中であるときの1ゲーム当りの転落リプレイの当選率は、27%であるため、上記リール制御を考慮すると転落リプレイの入賞率は13.5%となる。
【0165】
よって、転落リプレイを入賞させることなく消化可能となる非ART中の平均ゲーム数は、転落リプレイの入賞率から、約7.4ゲームとなる。これより、演出状態がATに制御されていないにも関わらず、RTが長期間にわたり継続して制御されることを未然に防止することができ、RTが維持され難く通常遊技状態に制御され易くすることができる。
【0166】
一方、ARTであるときには、内部当選状況を把握することができ、転落リプレイの当選率が高確率であるとしても意図的に転落リプレイ入賞を回避することができる。このため、ARTであるときには、通常遊技状態に制御されることを回避でき、結果的にRTを維持させることができる。
【0167】
すなわち、非AT準備モードから運良く非ARTに制御されたとしても、通常遊技状態に制御され易くすることによりRTを維持し難くし、ARTであるときには確実にRTを継続させることができる。このため、RTにおける演出状態がATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いの差が大きくなりメリハリをつけることができるため、演出状態がATに制御されることに対する期待感を効果的に高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0168】
複数種類の小役が同時に当選している場合(イチゴ(1)+イチゴ(2)、9枚役(1)〜(9)すべてなど)には、停止操作されたタイミングに応じて入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で引き込み可能な当選している小役を構成する図柄を揃えて停止させる制御が行なわれる。9枚役(1)〜(9)すべてに当選しているときには、図5で示した9枚役(1)〜(9)各々の図柄組合せから、停止操作されたタイミングに関わらずいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれる。イチゴ(1)+イチゴ(2)に当選しているときには、図5で示したイチゴ(1)とイチゴ(2)との図柄組合せから、停止操作されたタイミングに関わらずいずれかを入賞させるようにリール制御が行なわれる。
【0169】
次に、本実施の形態にかかるスロットマシン1におけるメイン制御部41により実行される処理について説明する。スロットマシン1においては、ゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることで遊技が進行されるものであるが、そのためには、まず、遊技の進行が可能な状態となっていなければならない。遊技の進行が可能な状態であるためには、たとえば、メインCPU41aを含むメイン制御部41が起動された状態で正常範囲の設定値が設定値ワークに格納されており、RAM41cに格納されたデータに異常がないことが条件となる。そして、遊技の進行が可能な状態となると、スロットマシン1においてゲームの処理が1ゲームずつ繰り返して行なわれることとなる。以下、スロットマシン1における各ゲームについて説明する。なお、スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでをいうものであるが、ゲームを行なう際には、スタートスイッチ7の操作前の賭数の設定や、リール2L、2C、2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行なわれるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれるものとする。
【0170】
ゲーム制御処理は、電源を投入し、所定のブート処理を行なった後、またはリセット/設定スイッチ38の操作により設定変更を行なった直後にも実行される。1ゲームの処理が開始すると、まず、1枚BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することにより、あるいはメダル投入口4からメダルを投入することにより賭数が規定枚数設定されることにより、スタートスイッチ7への操作を有効に受付可能にするとともに、スタートスイッチ7への操作を有効に受付けたことにより当該ゲームの実質的な開始を指示するBET処理を行なう。前のゲームでリプレイ入賞していた場合には、リプレイゲーム中フラグにより前のゲームと同じ賭数(この実施の形態では3)が自動設定され、スタートスイッチ7への操作が有効に受付可能にされる(この段階でリプレイゲーム中フラグが消去される)。BET処理では、賭数が設定される毎に、賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なBETコマンドが演出制御基板90に送信される。
【0171】
BET処理により賭数が規定枚数設定されてスタートスイッチ7が有効化された後に、スタートスイッチ7への操作が受付けられると、内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて遊技状態に応じて定められた各役への入賞を許容するかどうかを決定する抽選処理を行なう。
【0172】
ここで、抽選処理について詳しく説明する。図9は、メイン制御部41により実行される抽選処理を詳細に示すフローチャートである。抽選処理では、まず、S01において、今回のゲームで設定されたBET数(賭数)が読み出される。次に、読み出した賭数が規定枚数(たとえば3、ボーナス中は2)であるかどうかが、S02において判定される。読み出した賭数が規定枚数でないときには、RAM異常エラーとなり、所定のRAM異常エラー処理が行なわれる。
【0173】
読み出した賭数が規定枚数であるときには、S03において、RAM41cの設定値ワークに記憶されている設定値を読み出し、S04において、読み出した設定値が本来とり得るべき値である1以上4以下の範囲にあるかどうかを判定する。読み出した設定値が1以上4以下の範囲になければ、RAM異常エラーとなり、所定のRAM異常エラー処理が行なわれる。
【0174】
読み出した設定値が1以上4以下の範囲にあれば、S05において、内部抽選用の乱数(乱数発生回路42から抽出された乱数、乱数発生回路42から抽出された乱数をソフトウェアにより所定の手順で加工された乱数等を含む)を抽出して、RAM41cの内部抽選用判定領域に格納する。
【0175】
S06においては、図7で説明したように、遊技状態および設定値に基づき、特定される抽選対象役の判定値数を取得する。たとえば、設定値が「1」で通常遊技状態であるときの抽選対象役がビッグボーナス(1)であるときには、図7(a)に示されるように、判定値数として「80」が取得される。
【0176】
S07においては、取得した判定値数をRAM41cの内部抽選用判定領域に記憶された乱数の値に加算し、加算の結果を新たな内部抽選用の乱数の値とする。S08においては、判定値数を内部抽選用の乱数の値に加算したときに所定値(たとえば65536)をオーバーフローしたかどうかを判定する。
【0177】
オーバーフローが生じていない場合には、S09において、抽選対象となる役あるいは役の組合せのうちで未だ処理対象としていない次の役あるいは役の組合せがあるかどうかを判定する。未だ処理対象としていない役あるいは役の組合せがあれば、ステップS06の処理に戻り、当該次の役あるいは役の組合せを抽選対象役とし処理対象として抽選が行なわれる。処理対象としていない役あるいは役の組合せがなければ、S11の処理に進む。本実施の形態における内部抽選では、遊技状態から特定される図7で示す役あるいは役の組合せが順番に抽選される。たとえば、遊技状態が通常遊技状態であるときには、ビッグボーナス(1)が最初に抽選対象役として抽選され、S09でYESと判定されたときには、次にビッグボーナス(2)が抽選され、その後、S09でYESと判定される毎に、レギュラーボーナス、リプレイ、リプレイ+転落リプレイ、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイ、イチゴ(1)+(2)、メロン、9枚役(1)、9枚役(2)、・・・9枚役(9)の順番で抽選される。その他の遊技状態であるときも同様に、図7で示す役各々について順番に抽選される。
【0178】
オーバーフローが生じた場合には、S10に移行し、S06で読出した判定値数に対応
する抽選対象役の当選フラグをON状態に設定する。S11では、RAM41cにおける当選フラグの設定状況を特定するための内部当選コマンドを生成し、これを演出制御基板90に送信する。
【0179】
また、本実施の形態における抽選処理では、抽選対象役の抽選の結果に応じて所定のフリーズを発生させるか否かを、乱数などを用いてランダムに抽選するフリーズ抽選が行なわれる。フリーズとは、各リール2L、2C、2Rの回転開始タイミングを遅延させることや、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作を有効化するタイミングを遅延させることなどをいう。
【0180】
まず、S12において、ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスのいずれかの当選フラグが設定されている(且つボーナス持越フラグが設定されていない)か否かが判定される。S12において、いずれかのボーナスの当選フラグが設定されていると判定されたときには、S13において、ボーナス持越フラグをONに設定する。また、S13では、ボーナス当選フラグが今回の抽選処理で設定されたものであるため、当選したボーナスに対応する内部中RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に内部中RTフラグの値を設定など)が行なわれ、抽選処理を終了する。なお、前述したように、ボーナス持越フラグは、ボーナス入賞により、OFFに設定される。
【0181】
S12において、いずれのボーナスの当選フラグも設定されていないと判定されたときには、S14において、ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスのいずれかのボーナス中フラグが設定されているか否かが判定される。S14において、いずれのボーナス中フラグも設定されていないと判定されたときには、そのまま抽選処理を終了する。いずれかのボーナス中フラグが設定されていると判定されたときには、S15〜S18に示す処理が行なわれる。
【0182】
S15においては、フリーズ抽選用の乱数(たとえば、乱数発生回路42から抽出された乱数、乱数発生回路42から抽出された乱数をソフトウェアにより所定の手順で加工された乱数等を含む)を抽出して、RAM41cのフリーズ用判定領域に格納する。S16では、S15で格納されたフリーズ抽選用の乱数、およびフリーズ抽選用テーブルにしたがって、フリーズ抽選が行なわれる。フリーズ抽選用テーブルとは、フリーズを実行するか否か、フリーズを実行する場合にはその種類を決定するために用いるテーブルをいう。
【0183】
ここで、図10を参照して、フリーズの種類およびフリーズ抽選用テーブルの一例を説明する。図10(a)は、フリーズの種類を説明するための図であり、図10(b)は、フリーズ抽選用テーブルを説明するための図である。
【0184】
フリーズには、各リール2L、2C、2Rの回転開始前に発生する回転前フリーズと、各リール2L、2C、2Rの回転開始後に発生する回転後フリーズとを含む。
【0185】
回転前フリーズとは、スタートスイッチ7の操作を有効に受付けたとき、あるいは、1ゲーム消化時間を所定時間以上に保つために前回のゲームでのリール2L、2C、2Rの回転開始から計時が開始される1ゲームタイマにより所定時間(たとえば、4.1秒)計時される前にスタートスイッチ7の操作を有効に受付けたときには、当該所定時間計時されたとき、のいずれか遅い方から、所定の遅延時間が経過するまで、各リール2L、2C、2Rの回転開始タイミングを遅延させるフリーズをいう。
【0186】
また、回転後フリーズとは、各リール2L、2C、2Rの回転が開始されて回転速度が一定速度に達してから所定の遅延時間が経過するまで、ストップスイッチ8L、8C、8Rを有効化するタイミングを遅延させるフリーズをいう。
【0187】
本実施の形態では、フリーズの種類として、図10(a)に示すように、回転前フリーズのみを遅延時間T1に亘り実行する第1フリーズと、回転前フリーズのみを遅延時間T1よりも長いT2に亘り実行する第2フリーズと、第1フリーズと同じT1に亘り回転前フリーズを実行しさらに回転後フリーズを遅延時間T3に亘り実行する第3フリーズとが設けられている。
【0188】
なお、第1フリーズと第3フリーズとにおける回転前フリーズが実行される期間について、互いに同じ期間が設定されている例について説明するが、互いに近似する期間であってもよい。第1フリーズと第3フリーズとにおける回転前フリーズが実行される期間は、回転前フリーズが実行される期間の長さから、当該回転前フリーズが第1フリーズにより実行されているのかあるいは第3フリーズにより実行されているのかを遊技者が明確に特定することができない程度の差異を有する期間に設定されているものであればよい。たとえば、第1フリーズおよび第3フリーズ各々における回転前フリーズが実行される期間の差異Xが、たとえば、0<X<1の範囲内となるように、第1フリーズおよび第3フリーズ各々の回転前フリーズが実行される期間が設定されているものであればよい。
【0189】
フリーズ抽選は、ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスに制御されている間の各ゲームで行われるが、フリーズを実行するか否か、および実行する場合にどの種類のフリーズを実行するかは、当該ボーナスに遊技状態を制御させる契機となったビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスに当選したゲームにおける遊技履歴に応じて決定される。また、ビッグボーナス(1)、(2)に制御されているゲームでは、図10(b)に示すBB用フリーズ抽選用テーブルが参照されて決定される。レギュラーボーナスに制御されているゲームでは、図10(c)に示すRB用フリーズ抽選用テーブルが参照されて決定される。
【0190】
なお、遊技履歴として用いられるのは、ボーナス当選ゲームが準備モードであったか否か、ボーナス当選ゲームでイチゴ(1)と同時当選していたか否か、ボーナス当選ゲームでイチゴ(2)と同時当選していたか否か、前回のボーナス終了からボーナス当選ゲームまでの所要ゲーム数が所定ゲーム数(例えば、700ゲーム)以上(所謂ハマリ)であったかが用いられる。イチゴ(1)またはイチゴ(2)との同時当選と準備モードまたはハマリは同時に成立し得るものであるが、この場合は、イチゴ(1)またはイチゴ(2)との同時当選が遊技履歴として優先して適用される。
【0191】
図10(b)に示すように、ビッグボーナス(1)、(2)に制御されているゲームでは、当選時が準備モードであった場合は、97%の割合でフリーズなしに決定され、0.4%の割合で第1フリーズに決定され、2.0%の割合で第2フリーズに決定され、0.6%の割合で第3フリーズに決定される。当選時がイチゴ(1)との同時当選であった場合は、98%の割合でフリーズなしに決定され、0.1%の割合で第1フリーズに決定され、0.4%の割合で第2フリーズに決定され、1.5%の割合で第3フリーズに決定される。
【0192】
当選時がイチゴ(2)との同時当選であった場合は、98.5%の割合でフリーズなしに決定され、0.3%の割合で第1フリーズに決定され、0.7%の割合で第2フリーズに決定され、0.5%の割合で第3フリーズに決定される。当選時がハマリであった場合は、99%の割合でフリーズなしに決定され、0.6%の割合で第1フリーズに決定され、0.3%の割合で第2フリーズに決定され、0.1%の割合で第3フリーズに決定される。当選時の遊技履歴がその他であった場合は、100%の割合でフリーズなしに決定され、第1フリーズ、第2フリーズ、第3フリーズに決定されることはない。
【0193】
図10(c)に示すように、レギュラーボーナスに制御されているゲームでは、当選時がハマリであった場合は、97%の割合でフリーズなしに決定され、0.4%の割合で第1フリーズに決定され、2.0%の割合で第2フリーズに決定され、0.6%の割合で第3フリーズに決定される。当選時がイチゴ(2)との同時当選であった場合は、98%の割合でフリーズなしに決定され、0.1%の割合で第1フリーズに決定され、0.4%の割合で第2フリーズに決定され、1.5%の割合で第3フリーズに決定される。
【0194】
当選時がイチゴ(1)との同時当選であった場合は、98.5%の割合でフリーズなしに決定され、0.3%の割合で第1フリーズに決定され、0.7%の割合で第2フリーズに決定され、0.5%の割合で第3フリーズに決定される。当選時が準備モードであった場合は、99%の割合でフリーズなしに決定され、0.6%の割合で第1フリーズに決定され、0.3%の割合で第2フリーズに決定され、0.1%の割合で第3フリーズに決定される。当選時の遊技履歴がその他であった場合は、100%の割合でフリーズなしに決定され、第1フリーズ、第2フリーズ、第3フリーズに決定されることはない。
【0195】
図9に戻り、S17では、フリーズ抽選の結果に応じて、回転前フリーズを発生させる期間を特定するための回転前フリーズカウンタ、および回転後フリーズを発生させる期間を特定するための回転後フリーズカウンタをRAM41cの所定領域に設定する。たとえば、フリーズ抽選により、第1フリーズを実行すると決定されたときには回転前フリーズカウンタに遅延時間T1に相当する値をセットする処理が行なわれ、第2フリーズを実行すると決定されたときには回転前フリーズカウンタに遅延時間T2に相当する値をセットする処理が行なわれ、第3フリーズを実行すると決定されたときには回転前フリーズカウンタに遅延時間T1に相当する値をセットするとともに、回転後フリーズカウンタに遅延時間T3に相当する値をセットする処理が行なわれる。なお、フリーズ抽選により、フリーズを実行すると決定されなかったときには、回転前フリーズカウンタ、および回転後フリーズカウンタが0に維持される。メイン制御部41は、後述するように、回転前フリーズカウンタおよび回転後フリーズカウンタに基づき、フリーズの有無および種類を特定し、フリーズを実行する場合にはカウンタから特定される期間に亘りフリーズを発生させるための処理を行なう。
【0196】
S18では、フリーズ抽選の結果を特定するためのフリーズ関連コマンドを生成し、これを演出制御基板90に送信する。演出制御基板90では、後述するように、フリーズ関連コマンドに基づき、フリーズの有無を特定し、フリーズを実行する場合にはその種類を特定し、対応する演出を実行するための処理を行なう。そして、抽選処理を終了する。
【0197】
抽選処理が終了すると、次にリール回転処理が行なわれる。ここで、リール回転処理について詳しく説明する。図11は、メイン制御部41により実行されるリール回転処理を詳細に示すフローチャートである。
【0198】
リール回転処理では、まず、S30において、1ゲームタイマにより所定時間(たとえば、4.1秒)計時されたか否かが判定される。1ゲームタイマは、一定時間間隔(たとえばタイマ割込)毎に加算更新されるタイマをいう。
【0199】
S30において、1ゲームタイマにより所定時間以上計時されたと判定されたときには、S31において、回転前フリーズカウンタが0であるか否か、すなわち回転前フリーズを実行するか否かが判定される。
【0200】
S31において、回転前フリーズカウンタが0であると判定されたときには、S34に移行されて後述するようにリール回転が開始されるが、回転前フリーズカウンタが0でなく、回転前フリーズを実行すると判定されたときには、回転前フリーズカウンタが0となるまで、S32およびS33に繰り返し移行されて、回転前フリーズカウンタから特定される期間に亘り回転前フリーズが実行される。
【0201】
S32においては、所定の減算条件(一定時間経過、より具体的にはタイマ割込実行)が成立したか否かが判定される。S32において減算条件が成立したと判定されたときには、S33において、回転前フリーズカウンタの値を1減算し、再びS31に移行する。このように、回転前フリーズカウンタは、1ゲームカウンタにより所定時間以上計時されていると判定されてから減算が開始される。
【0202】
S31において回転前フリーズカウンタが0であると判定されたときには、S34において、リールモータ32L、32C、32Rを駆動させ、左、中、右の全てのリール2L、2C、2Rを回転開始させる。
【0203】
リール回転が開始されたときには、S35において、リールの回転開始を通知するリール回転コマンドが生成されて演出制御基板90に送信され、S36において、1ゲームタイマにより新たな計時が開始される。なお、1ゲームタイマによる新たな計時を開始するタイミングは、リール回転が開始されたときに限らず、S30でYESと判定されたときや、後述するS37でYESと判定されたときであってもよい。
【0204】
S37においては、リール2L、2C、2Rの回転開始から所定の回転条件(回転速度が一定速度に到達)が成立したか否かが判定される。なお、回転条件は、回転速度が一定速度に到達することに加えて、さらにリールセンサ33SL、33SC、33SRにより基準位置が検出されることにより成立するようにしてもよい。
【0205】
S37において回転条件が成立したと判定されたときには、S38へ移行されて、回転後フリーズカウンタが0であるか否か、すなわち回転後フリーズを実行するか否かが判定される。
【0206】
S38において、回転後フリーズカウンタが0であると判定されたときには、S41に移行されて後述するようにストップスイッチが有効化されるが、回転後フリーズカウンタが0でなく、回転後フリーズを実行すると判定されたときには、回転後フリーズカウンタが0となるまで、S39およびS40に繰り返し移行されて、回転後フリーズカウンタから特定される期間に亘り回転後フリーズが実行される。
【0207】
S39においては、所定の減算条件(一定時間経過、より具体的にはタイマ割込実行)が成立したか否かが判定される。S39において減算条件が成立したと判定されたときには、S40において、回転後フリーズカウンタの値を1減算し、再びS38に移行する。このように、回転後フリーズカウンタは、リール回転が開始されかつ回転条件が成立してから減算が開始される。
【0208】
S38において回転後フリーズカウンタが0であると判定されたときには、S41において、ストップスイッチ8L、8C、8Rを有効化して操作を有効に受付可能にするとともに、左・中・右停止有効LED22L〜22Rを点灯させる。
【0209】
その後、S42においては、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが遊技者によって操作されることにより、該ストップスイッチに対応するリールモータを駆動停止させ、回転を停止させる。S43においては、リール2L、2C、2Rのうちいずれかの回転が停止する毎に、当該停止したリールがいずれであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号を特定可能なリール停止コマンドが生成されて演出制御基板90に送信される。
【0210】
S44においては、リール2L〜2Rすべてが停止したか否かが判定され、すべてが停止していないと判定されたときにはS42に移行され、すべてが停止していると判定されたときにはリール回転処理を終了する。
【0211】
次に、図12〜図15を参照して、フリーズが発生しない場合、および第1〜第3フリーズが発生する場合各々のタイミングチャートを説明する。図12は、フリーズが発生しない場合のタイミングチャートを説明するための図である。図13は、第1フリーズが発生した場合のタイミングチャートを説明するための図である。図14は、第2フリーズが発生した場合のタイミングチャートを説明するための図である。図15は、第3フリーズが発生した場合のタイミングチャートを説明するための図である。
【0212】
図12〜図15各々では、(a)欄にスタートスイッチ7への操作状態(ON、OFF)が、(b)欄に1ゲームタイマの計時状態(所定時間以上計時、所定時間以上未計時)が、(c)欄にリール2L、2C、2Rの回転状態(停止、一定速で回転)が、(d)欄にストップスイッチ8L、8C、8Rの受付状態(有効、無効)が、(e)欄にフリーズの発生状態(発生中、非発生中)が示されている。また、図13〜図15では、さらに、(f)欄において、後述するフリーズ発生に起因して実行されるフリーズ演出の実行状態(実行中、非実行中)が示されている。なお、図12〜図15各々の下欄に示す丸付き数字は、(a)〜(f)各々におけるタイミングを示している。以下、単に数字で、タイミング1などと記載する。
【0213】
まず、図12を参照して、フリーズが発生しない場合、すなわち回転前フリーズカウンタおよび回転後フリーズカウンタが0である場合について説明する。タイミング1は、BET処理により賭数が規定枚数設定されて、スタートスイッチ7が有効化された後に、スタートスイッチ7が操作されたときを示している。スタートスイッチ7への操作が受付けられると、前述したように、1ゲームタイマにより所定時間以上計時されているか否か(S30)、および回転前フリーズカウンタが0であるか否か(S31)に応じて、図12の(c)欄に示すようにリール回転が開始される。なお、リール2L、2C、2Rの回転状態が斜めの部分は、一定速に到達するまでの回転期間中を示している。
【0214】
図12では、タイミング1において(b)欄に示すように1ゲームタイマによりすでに所定時間以上計時されているため、スタートスイッチ7への操作が受付けられた直後にリール回転が開始されている。なお、タイミング1において1ゲームタイマにより所定時間以上未計時のときには、図11のS30に示されるように、所定時間以上計時されるまでリール回転が開始されない。
【0215】
タイミング2は、リール回転が開始された後、回転速度が一定速度に到達して有効化条件が成立したときを示している。これにより、(d)欄に示すように、ストップスイッチ8L、8C、8Rの受付状態が有効となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作が有効に受付けられて対応するリールを停止させることが可能となる。
【0216】
次に、図13を参照して、第1フリーズが発生する場合、すなわち回転前フリーズカウンタにT1に相当する値がセットされている場合について説明する。
【0217】
タイミング1は、スタートスイッチ7が操作され、第1フリーズが発生したときを示している。スタートスイッチ7への操作が受付けられると、前述したように、1ゲームタイマにより所定時間以上計時されているか否かが判定され、所定時間以上計時されていると判定された後に、さらに回転前フリーズカウンタの値に基づき、回転前フリーズを実行するか否かが判定される。
【0218】
図13では、タイミング1において(b)欄に示すように1ゲームタイマによりすでに所定時間計時されているため、スタートスイッチ7への操作が受付けられた直後から、(e)欄に示すように遅延時間T1に亘りフリーズが発生する。なお、タイミング1において1ゲームタイマにより所定時間が未だ計時されていないときには、所定時間計時した後からフリーズが発生する。
【0219】
タイミング3は、フリーズが発生してから遅延時間T1が経過しフリーズが終了したときを示している。(c)欄に示すように、遅延時間T1が経過しフリーズが終了してから、リール回転が開始される。
【0220】
タイミング4は、リール回転が開始された後、回転速度が一定速度に到達して回転条件が成立したときを示している。なお、図13は第1フリーズが発生する場合であるため、回転条件が成立することにより、(d)欄に示すように、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効化されて受付状態が有効となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作に対応するリールを停止させることが可能となる。
【0221】
次に、図14を参照して、第2フリーズが発生する場合、すなわち回転前フリーズカウンタにT2に相当する値がセットされている場合について説明する。図14では、タイミング1において(b)欄に示すように1ゲームタイマによりすでに所定時間計時されているため、スタートスイッチ7への操作が受付けられた直後から、(e)欄に示すように遅延時間T2に亘りフリーズが発生する。なお、タイミング1において1ゲームタイマにより所定時間が未だ計時されていないときには、所定時間計時してからフリーズが発生する。
【0222】
タイミング3’は、フリーズが発生してから遅延時間T2が経過しフリーズが終了したときを示している。(c)欄に示すように、遅延時間T2が経過しフリーズが終了してから、リール回転が開始される。
【0223】
タイミング4’は、リール回転が開始された後、回転速度が一定速度に到達して有効化条件が成立したときを示している。なお、図14は第2フリーズが発生する場合であるため、回転条件が成立することにより、(d)欄に示すように、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効化されて受付状態が有効となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作が有効に受付けられて対応するリールを停止させることが可能となる。
【0224】
図13および図14で示したように、回転前フリーズを実行するものとして、遅延時間T1に亘り回転前フリーズを実行する第1フリーズと、T1よりも長い遅延時間T2に亘り回転前フリーズを実行する第2フリーズとが設けられている。このため、回転前フリーズが実行されたときには、第1フリーズであるか第2フリーズであるかにより、各リール2L、2C、2Rの回転開始タイミングを異ならせることができるため、回転前フリーズのバリエーションを豊富にすることができる。また、第2フリーズが実行されたときには、回転前フリーズが実行されてからT1が経過したにも関わらず未だ各リール2L、2C、2Rの回転が開始されないといった意外性を遊技者に与えることができる。
【0225】
次に、図15を参照して、第3フリーズが発生する場合、すなわち回転前フリーズカウンタにT1に相当する値がセットされており、回転後フリーズカウンタにT3に相当する値がセットされている場合について説明する。
【0226】
タイミング1は、スタートスイッチ7が操作され、第1フリーズが発生したときを示している。スタートスイッチ7への操作が受付けられると、前述したように、1ゲームタイマにより所定時間以上計時されているか否かが判定され、所定時間以上計時されていると判定された後に、さらに回転前フリーズカウンタの値に基づき、回転前フリーズを実行するか否かが判定される。
【0227】
図15では、タイミング1において(b)欄に示すように1ゲームタイマによりすでに所定時間計時されているため、スタートスイッチ7への操作が受付けられた直後から、(e)欄に示すように遅延時間T1に亘りフリーズが発生する。なお、タイミング1において1ゲームタイマにより所定時間が未だ計時されていないときには、所定時間計時した後からフリーズが発生する。
【0228】
タイミング3は、フリーズが発生してから遅延時間T1が経過しフリーズが終了したときを示している。(c)欄に示すように、遅延時間T1が経過しフリーズが終了してから、リール回転が開始される。
【0229】
タイミング4は、リール回転が開始された後、回転速度が一定速度に到達して回転条件が成立した後に、さらに回転後フリーズカウンタに基づき、回転後フリーズを実行するか否かが判定される。
【0230】
図15では、タイミング4において(c)欄に示すようにリールの回転速度が一定速度に到達して所定の回転条件が成立した直後から、(e)欄に示すように遅延時間T3に亘りフリーズが発生する。
【0231】
タイミング5は、タイミング4においてフリーズが発生してから遅延時間T3が経過しフリーズが終了したときを示している。(d)欄に示すように、遅延時間T3が経過しフリーズが終了してから、ストップスイッチ8L、8C、8Rが有効化されて受付状態が有効となり、ストップスイッチ8L、8C、8Rへの操作に対応するリールを停止させることが可能となる。
【0232】
このように、本実施の形態では、フリーズの種類として、回転前フリーズのみを実行するフリーズに加えて、回転前フリーズを実行しさらに回転後フリーズを実行する第3フリーズが設けられている。このため、第3フリーズが実行されたときには、回転前フリーズが実行された後、各リール2L、2C、2Rの回転が開始されて遊技の進行が再開されたと認識した遊技者に対して、さらに回転後フリーズが実行されることにより、フリーズの発生に意外性を与えることができる。
【0233】
また、第3フリーズは、回転前フリーズが実行される時間として、第1フリーズと同じT1が設定されている。また、図10(b)で説明するように、第3フリーズが実行されたときの方がビッグボーナス当選に対する期待感を向上させることができる。その結果、第1フリーズと同じ態様で回転前フリーズが発生したときに、第3フリーズが実行されたことにより回転前フリーズが発生していることに対する期待感を遊技者に抱かせることができ、その後、回転後フリーズが発生することに対する期待感を向上させることができる。
【0234】
ゲーム制御処理に戻り、リール2L、2C、2Rの駆動がそれぞれ停止すると、その停止時における表示結果において、入賞ライン上に図5(a)で示したいずれかの役図柄が導出表示されたかどうかを判定する入賞判定処理が行なわれる。この入賞判定処理でいずれかの役に入賞したと判定されると、遊技制御基板40において発生した入賞に応じた各種の処理が行なわれる。入賞判定処理においては、入賞判定が行なわれた後に、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能な入賞判定コマンドが演出制御基板90に送られる。なお、入賞判定処理において、ビッグボーナス(1)、(2)、レギュラーボーナスのうちいずれかに入賞したと判断されたときには、対応するボーナスに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に対応するボーナスの値を設定など)が行なわれる。
【0235】
また、入賞判定処理において、準備モード中あるいはRT中であるときに転落リプレイに入賞したと判断されたときには、通常遊技状態に制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値に通常遊技状態の値を設定など)が行なわれる。また、準備モード中であるときにいずれの入賞も発生しておらずかつ特殊出目が入賞ラインL1〜L6のいずれかに停止していると判断されたときには、RTに制御するための処理(たとえば、遊技状態フラグの値にRTの値を設定など)が行なわれる。
【0236】
なお、本実施の形態においては、特殊出目停止の契機となる9枚役(1)〜(9)が他の入賞役と同時に抽選対象役として読み出されることなく単独で読み出されて内部当選が行なわれる。このため、特殊出目が停止したときには、いずれの入賞も発生し得ないことになる。しかし、特殊出目停止の契機となる9枚役(1)〜(9)が他の入賞役と同時に抽選対象役として読み出されて内部当選が行なわれるように構成してもよい。この場合には、特殊出目が停止したときであっても同時に当選した他の入賞役の入賞が発生する可能性がある。特殊出目が停止されるとともに他の入賞役の入賞が発生した場合には、当該他の入賞役の入賞の発生に伴う利益を付与するとともに、準備モード中においてはさらに特殊出目停止によりRTに制御するものであってもよい。
【0237】
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行なわれる。払出処理では、入賞判定処理において設定した払い出し予定数だけメダルの払出しまたはクレジット加算させる。ただし、データとして蓄積されているクレジットの数が50に達した場合は、ホッパーモータ34bを駆動させることにより、超過した枚数のメダルをメダル払出口9から払い出させる。また、払出処理では、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに、メダルの払出開始を通知する払出開始コマンドが演出制御基板90に送信され、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに、メダルの払出終了を通知する払出終了コマンドが演出制御基板90に送信される。また、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナスの終了制御(ボーナス終了条件の成立判定を含む)に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役等の当選フラグ)の消去など)も行なわれる。
【0238】
なお、払出処理では、特別ワークに格納されるビッグボーナスやレギュラーボーナスの当選フラグが消去されない。これにより、ビッグボーナスやレギュラーボーナスの当選フラグは、当選しているボーナスに入賞するまで次のゲームに持ち越される。払出処理では、次のゲームの遊技状態を特定可能な遊技状態コマンドが演出制御基板90に送られる。そして、1ゲーム分の処理が終了し、次の1ゲーム分の処理が開始する。
【0239】
以上のようなゲームの繰り返しにおいて、遊技制御基板40のメイン制御部41は、準備モード、RT、通常遊技状態、内部中RT、ボーナスの間で遊技状態の移行を行なっており、遊技の進行状況に応じてコマンドを演出制御基板90に送信している。これに対して、演出制御基板90のサブ制御部91は、遊技制御基板40から受信したコマンドに基づいて、各種処理を行なう。
【0240】
次に、サブ制御部91により実行される処理について説明する。サブ制御部91は、まず、所定の演出初期設定処理を実行し、演出制御基板90における制御状態を電力供給停止時の状態に復旧させるための演出制御復旧処理を実行した後、演出側乱数値更新処理を繰り返して実行する。
【0241】
また、サブ制御部91では、所定の時間間隔(たとえば、2ミリ秒)で演出の進行を制御するための割り込みが発生し、リセット/割込コントローラによりRAM91cのタイマ割込フラグがON状態にセットされ、演出制御割り込み処理が実行される。演出制御割り込み処理では、内部レジスタの内容を退避し、演出バックアップ処理を実行して、サブ制御部91が再起動された場合に再起動の以前における制御状態を復旧させるために必要なデータのバックアップが行なわれる。また、遊技制御基板40から送信された各種コマンドを解析するためのコマンド解析処理を実行し、所定の演出制御処理を実行する。この演出制御処理により、スロットマシン1における遊技の進行状況に応じて、液晶表示器51に画像を表示させるとともに、スピーカ53、54から音を発生させるなどによる各種の遊技演出が行なわれる。
【0242】
遊技演出は、遊技状態および演出状態に応じた遊技状態演出、フリーズが発生したことに起因して実行されるフリーズ演出、演出状態がATに制御されているときなどに実行されるナビ演出を含む。なお、遊技演出を行なうための画像の要素データや動画像データは、所定のROMに記憶されている。
【0243】
遊技演出を行なうために、サブ制御部91のRAM91cには、各種カウンタと、各種フラグを設定する領域と、遊技状態コマンド、リール停止コマンド、入賞判定コマンド、および内部当選コマンドに基づいて、各役の当選状況、リール2L、2C、2Rに導出された表示結果の組合せ、入賞の発生の有無を示す情報、遊技制御基板40の側で進行しているゲームにおいて適用される遊技状態を保存する領域(当選状況および遊技状態については、2回分)もRAM91cに設けられている。
【0244】
また、演出制御基板90においては、リール停止コマンドに基づいて可変表示装置2の表示結果を判断するための停止図柄テーブルがRAM91cに設けられている。もっとも、リール停止コマンドは、停止したリールの種類と中段に停止した図柄の番号しか情報として含んでいないので、これだけではどのような図柄が停止しているかどうかが判断できない。このため、ROM91bには、リール2L、2C、2Rに配置された全ての図柄を示すテーブルが予め記憶されており、このテーブルを参照して停止図柄テーブルにリール2L、2C、2Rに停止されている図柄が登録される。サブ制御部91は、停止図柄テーブルの登録情報に基づき、演出を行なう。
【0245】
また、演出制御基板90の側にて乱数回路(図示略)等によりカウントされる各種の乱数値が更新され、その後、退避したレジスタの内容を復帰させてから、演出制御割り込み処理を終了する。
【0246】
前述した演出制御割り込み処理において実行される演出制御処理では、サブ制御部91により、図6(b)で示したように確率状態を制御するための確率状態制御処理、ポイントを付与・管理するとともに報知するためのポイント関連処理、遊技状態等に応じて演出状態をATに制御するためのAT制御処理、遊技状態等に応じて前述した遊技演出を実行するための遊技演出実行処理が行なわれる。
【0247】
本実施の形態におけるサブ制御部91は、遊技演出実行処理を実行することにより、フリーズ演出を行なう。遊技演出実行処理では、以下に説明するように、メイン制御部41からのフリーズ関連コマンド、およびリール回転コマンドに基づき、フリーズ演出を実行する。
【0248】
たとえば、メイン制御部41からのフリーズ関連コマンドに基づき第1フリーズを実行することが特定されたときには、当該フリーズ関連コマンドを受信してから、図13(f)欄に示されるように、第1フリーズが実行されるT1に亘り、回転前フリーズが発生している旨を特定するためのフリーズ演出が行なわれる。
【0249】
また、メイン制御部41からのフリーズ関連コマンドに基づき第2フリーズを実行することが特定されたときには、当該フリーズ関連コマンドを受信してから、図14(f)欄に示されるように、第2フリーズが実行されるT2に亘り、回転前フリーズが発生している旨を特定するためのフリーズ演出が行なわれる。
【0250】
また、メイン制御部41からのフリーズ関連コマンドに基づき第3フリーズを実行することが特定されたときには、当該フリーズ関連コマンドを受信してから、図15(f)欄に示されるように、T1に亘り、回転前フリーズが発生している旨を特定するためのフリーズ演出が行なわれる。
【0251】
さらに、メイン制御部41からのフリーズ関連コマンドに基づき第3フリーズを実行することが特定されたときには、図11のS35で送信されるリール回転コマンドを受信してストップスイッチ8L〜8R各々が有効化された後、図15(f)欄に示されるように、T3よりも短い予め定められた時間(たとえば、1秒など)が経過したタイミング4aに到達してから、所定時間経過後のタイミング5aまで、回転後フリーズが発生している旨を特定するためのフリーズ演出が行なわれる。一方、図15(f)欄のタイミング4〜タイミング4aの間は、フリーズが発生していなければ、ストップスイッチ8L〜8R各々が有効化されているタイミングであるため、ストップスイッチ8L〜8Rのいずれかを操作することにより対応するリールを停止させることができるタイミングである。しかしながら、図15(f)欄のタイミング4〜タイミング4aの間を含むタイミング4〜タイミング5の間においては、回転後フリーズが発生している。このため、図15(f)欄のタイミング4〜タイミング4aの間において、たとえば、リールが停止されるだろうと思ってストップスイッチ8L〜8Rを停止操作したが、対応するリールが停止されないことにより、意外性を遊技者に抱かせることが可能となる。また、その後のタイミング4a以降からは、フリーズ演出が実行されるため、前述した意外性を遊技者に抱かせた後、回転後フリーズが発生していることを遊技者にわかり易くすることができる。
【0252】
なお、フリーズ演出は、たとえば、液晶表示器51において特定キャラクタを表示させる演出、特定音をスピーカ53、54から発生させる演出、および演出効果LED51を所定の態様で点灯させる演出のうち、いずれか、あるいは選択に組合せてなる演出であってもよい。
【0253】
また、回転前フリーズに起因して実行されるフリーズ演出は、第1フリーズ・第3フリーズであるか、あるいは第2フリーズであるかに関わらず、すなわちフリーズの種類に関わらず、同じ態様の演出を、同じ期間(たとえば、T1、あるいはT1よりも短い所定時間)に亘り実行するように構成してもよい。これにより、発生しているフリーズの種類がフリーズ演出から特定不能となるため、回転前フリーズがより長く発生していたこと、および回転後フリーズが発生することに対する期待感を遊技者に抱かせやすくすることができる。
【0254】
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、AT抽選処理では、メイン制御部41からの遊技状態コマンドに基づきボーナス終了したと判定されたときに、当該ボーナス中に付与されたポイントの総数に応じた確率にしたがってAT抽選が実行される。AT抽選の当選確率を決めるポイントは、ボーナス中においてフリーズが発生したゲームで行われるポイント付与抽選の決定結果により付与され、ボーナス終了までに付与されたポイントが累積される。
【0255】
もっとも、ポイント付与抽選を行うためには、ボーナス当選したゲーム時における遊技履歴が参照されなければならない。サブ制御部91は、メイン制御部41から送られた内部当選コマンドや遊技状態コマンドに基づいて(ボーナス当選ゲームだけのものに限られない)、ボーナス当選ゲームが準備モードであったか否か、ボーナス当選ゲームでイチゴ(1)と同時当選していたか否か、ボーナス当選ゲームでイチゴ(2)と同時当選していたか否か、前回のボーナス終了からボーナス当選ゲームまでの所要ゲーム数が所定ゲーム数以上(所謂ハマリ)であったか否かを判定し、その判定結果に応じてRAM91cにボーナス当選時の遊技履歴を保存しておく。
【0256】
次に、ポイント付与抽選について説明する。ポイント付与抽選は、ボーナス中においてフリーズが発生したゲームで行われるが、その抽選条件は、当該ボーナスがビッグボーナス(1)、(2)であるかレギュラーボーナスであるかに応じて異なっており、それぞれの遊技状態におけるポイント付与抽選で別々のテーブルが用いられる。また、フリーズの種類に応じても、付与されるポイント毎の当選率が異なっている。図16は、付与ポイントを決定するためのテーブルを説明するための図であり、(a)は、BB用テーブルを、(b)は、RB用テーブルを示す。
【0257】
ビッグボーナス(1)、(2)に制御されているゲームで行われるポイント付与抽選では、図16(a)のBB用テーブルに示すように、付与ポイント数として2、5、8、10の何れかが決定されるが、第1フリーズが発生したゲームではそれぞれ90、10、0、0%の確率で、第2フリーズが発生したゲームではそれぞれ5、25、70、0%の確率で、第3フリーズが発生したゲームではそれぞれ2、5、13、70%の確率で決定される。
【0258】
レギュラーボーナスに制御されているゲームで行われるポイント付与抽選では、図16(b)のRB用テーブルに示すように、付与ポイント数として1、3、4、5の何れかが決定されるが、第1フリーズが発生したゲームではそれぞれ95、5、0、0%の確率で、第2フリーズが発生したゲームではそれぞれ0、15、85、0%の確率で、第3フリーズが発生したゲームではそれぞれ2、8、20、70%の確率で決定される。
【0259】
こうしてビッグボーナス(1)、(2)またはレギュラーボーナスに制御されている間のフリーズが発生したゲームで付与されたポイントは、当該ビッグボーナス(1)、(2)またはレギュラーボーナスまで累積され、累積されたポイントに基づく抽選確率で、ビッグボーナス(1)、(2)またはレギュラーボーナスの終了時においてAT抽選が行われるものとなる。
【0260】
より具体的には、ビッグボーナス(1)、(2)の終了時には、累積ポイントが0ポイントであればAT抽選が行われず、1〜9ポイントであれば(ポイント数×10)%の当選確率でAT抽選が行われ、10ポイント以上であれば当選確率95%でAT抽選が行われる。レギュラーボーナスの終了時には、累積ポイントが0ポイントであっても10%の当選確率でAT抽選が行われ、1〜4ポイントであれば(ポイント数×20)%の当選確率でAT抽選が行われ、5ポイント以上であれば当選確率100%でAT抽選が行われる(必ずATが付与される)。
【0261】
また、本実施の形態におけるサブ制御部91は、AT準備モードあるいはARTであるときに、遊技演出実行処理に含まれるナビ演出実行処理を行なうことにより、内部当選の結果に応じたナビ演出が実行される。内部当選の結果は、メイン制御部41からの内部当選コマンドから特定される。
【0262】
たとえば、AT準備モードにおいては、転落リプレイに当選したときに、転落リプレイと同時当選しているリプレイの種類に応じたナビ演出が実行される。また、ARTにおいては、転落リプレイに当選したときに、転落リプレイと同時当選しているリプレイの種類に応じたナビ演出が実行され、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときに当選している9枚役の種類に応じたナビ演出が実行される。
【0263】
ナビ演出としては、リプレイ+転落リプレイに当選したときには、左リール2Lまたは中リール2Cを第1停止させるための情報を報知するナビ演出として、たとえば「左あるいは中から押せ!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行され、リプレイ+転落リプレイ+BARリプレイに当選したときには、「右から押せ!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行される。なお、転落リプレイのナビ演出は、上記態様で実行されるものに限らず、内部当選結果に応じた態様で実行される演出であれば、どのような態様で実行されるものであってもよい。
【0264】
また、9枚役(1)〜(9)のいずれかに当選したときには、当選した9枚役の種類を特定可能な情報を報知するナビ演出として、たとえば、9枚役(1)に当選したときには、「左の赤7、右の赤7を狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行され、9枚役(9)に当選したときには、「左のBAR、右のBARを狙え!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出が実行される。
【0265】
以上説明したように、この実施の形態にかかるスロットマシン1では、ボーナス中のゲームにおいてフリーズ抽選が行われ、これに当選すると、ゲーム中にストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化が遅延されてフリーズ制御が行われる。フリーズ制御が行われたゲームでは、ボーナス終了時に行われるAT抽選の当選確率を定めるポイントが付与されるポイント付与抽選が行われる(必ず何らかのポイントが付与される)ので、フリーズ制御が行われなかったゲームに比べて遊技者にとって有利なものとなる。
【0266】
また、ボーナス中のゲームにおけるフリーズ抽選において、フリーズさせるか否か、及びフリーズの種類を決定するために、当該ボーナスに制御させる契機となったボーナス当選時における遊技履歴を判定するものとしている。ボーナス当選時は、ボーナス入賞するよりも前に生じる事象であるので、遊技履歴が判定されるのは、遊技状態がボーナスに制御されるよりも前である。これにより、ボーナス中においてフリーズ制御が行われるか否か、言い換えればAT抽選のためのポイントが付与されるか否かに対してだけではなく、実際に遊技状態がボーナスに制御される前の遊技に対してもフリーズ制御に対する遊技者の興味を持たせることができるので、遊技者が興味を持つ範囲に拡がりが生じることとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0267】
また、ボーナスの種類には、ビッグボーナス(1)、(2)とレギュラーボーナスとがあるが、ポイント付与抽選において用いられるテーブルは、ビッグボーナス(1)、(2)の場合とレギュラーボーナスの場合とで異なっている。このため、単にボーナス中においてフリーズ制御が行われるか否か、言い換えればAT抽選のためのポイントが付与されるか否かに対してだけではなく、如何なる種類のボーナスでフリーズ制御が行われるか否かにまで遊技者に興味を持たせることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。さらに、ポイント毎の当選確率もフリーズの種類によって異なっているため、如何なる種類のフリーズが発生するかにまで遊技者の興味を持たせることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0268】
また、ボーナスの種類には、ビッグボーナス(1)、(2)とレギュラーボーナスとがあり、判定される遊技履歴にも準備モード、イチゴ(1)との同時当選、イチゴ(2)との同時当選、ハマリという4種類があるが、ビッグボーナス(1)、(2)の場合とレギュラーボーナスの場合とでフリーズ抽選の当選確率が高くなる遊技履歴の種類が異なっている。このため、ボーナスに制御されるまでの遊技履歴が同じであったとしてもボーナスの種類毎に遊技履歴に応じて異なる判定を行っているので、如何なる種類のボーナスでフリーズが発生するかにまで遊技者に興味を持たせることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0269】
また、フリーズ抽選において参照される遊技履歴には、イチゴ(1)との同時当選とイチゴ(2)との同時当選が含まれている。つまり、同じ種類のボーナスに当選し、同じ種類のボーナスに制御されたとしても、当選時において同時当選していた小役の種類に応じてフリーズが行われるか否か、如何なる種類のフリーズが行われるか否かが異なることとなる。さらにフリーズ抽選において参照される遊技履歴には、ボーナス当選時に準備モードであったか否かが含まれている。つまり、同じ種類のボーナスに当選し、同じ種類のボーナスに制御されたとしても、当選時において制御されていた遊技状態に応じてフリーズが行われるか否か、如何なる種類のフリーズが行われるか否かが異なることとなる。これにより、遊技者のフリーズの発生に対する興味をボーナス当選時にまで持たせることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0270】
さらに、フリーズ抽選において参照される遊技履歴には、前回のボーナス終了からボーナス当選までの所要ゲーム数が所定ゲーム数以上となるハマリであるか否かが含まれている。同じ種類のボーナスに当選し、同じ種類のボーナスに制御されたとしても、前回のボーナス終了から新たなボーナス当選までに要したゲーム数に応じてフリーズが行われるか否か、如何なる種類のフリーズが行われるか否かが異なることとなる。これにより、遊技者のフリーズの発生に対する興味を前回のボーナス終了にまで遡って持たせることができるので、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
【0271】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0272】
上記の実施の形態では、ゲーム中にストップスイッチ8L、8C、8Rの操作の有効化が遅延されてフリーズ制御が行われる例について説明した。もっとも、フリーズ制御は、ゲーム中において行われるものだけではなく、1ゲームが終了した後に次のゲームのためのBET操作を行うための1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6の操作の有効化を遅延させるものや、賭け数の設定をした後に1ゲームを開始させるためのスタートスイッチ7の操作の有効化を遅延させるものであってもよい。また、フリーズ制御は、必ずしも遊技者による操作手段の操作の有効化を遅延させるものに限られず、例えば、スタートレバー11を操作した後にリール2L、2C、2Rの回転が開始されるのを遅延させる制御(1ゲームタイマによる遅延とは別の制御)としたり、1ゲームが終了した後にメダル投入部4からのメダルの投入を受け付けるのを遅延させる制御としてもよい。
【0273】
上記の実施の形態では、ポイント付与抽選において参照される遊技履歴は、当該ポイント付与抽選が行われるボーナスに移行させる契機となったビッグボーナス(1)、ビッグボーナス(2)またはレギュラーボーナスの当選時において判定されたものであった。もっとも、ここで参照される遊技履歴は、ボーナス当選以後、ボーナス入賞により遊技状態がボーナス移行される以前の所定の契機における遊技履歴としてもよい。この遊技履歴は、ボーナス入賞時(ボーナス移行時)において判定されるものとしても、ボーナス当選した後の所定の契機(例えば、所定役の当選、所定ゲーム数の消化など)が発生した時点で判定されるものとしてもよい。例えば、ボーナス入賞時や所定の契機が生じた時点で準備モードなどの遊技状態を遊技履歴として判定したり、前回のボーナス終了からボーナス入賞や所定の契機が生じるまでに要したゲーム数を遊技履歴として判定するものとしてもよい。
【0274】
また、一時点の遊技履歴ではなく、ボーナス当選の後、ボーナス入賞により遊技状態がボーナス移行される以前の期間中の所定の期間(ボーナス当選からボーナス移行までの全期間としてもよい)における遊技履歴を判定するものとしてもよい。遊技履歴の種類毎に、異なる判定タイミングが混在していてもよく、複数のタイミングで遊技履歴の判定契機が生じるものとしてもよい。例えば、ボーナス当選からボーナス移行までに要したゲーム数を遊技履歴として判定してもよく、ボーナス当選からボーナス移行までに特定の役に当選した(入賞した)こと、或いはその回数を遊技履歴として判定してもよい。また、ボーナス当選からボーナス移行までの間で特定の役に当選する(入賞する)度に、遊技履歴の判定契機が生じるものとしてもよい。
【0275】
上記の実施の形態では、ビッグボーナス(1)、(2)或いはレギュラーボーナスの終了時における累積ポイントに応じてAT抽選を行い、このAT抽選に当選することで当該ボーナスの終了後にATに制御するものとしていた。これに対して、ボーナス中においてフリーズが発生したゲームで付与ポイントを決定するのではなく、その都度AT抽選を行い、AT抽選に当選する度に、AT権利を1つずつ付与するものとしてもよい。そして、ボーナス終了時においてAT権利が1つ以上あれば(前回以前のボーナスで付与されたAT権利でも可)、ボーナスの終了後にATに制御するものとしてもよい。このような場合のAT抽選の当選確率は、例えば、図16(a)、(b)のテーブルで示したポイント数に比例した当選確率(1ポイントが10%に対応など)で選択することができる。
【0276】
また、AT抽選の当選確率は同じとするが、図16(a)、(b)のテーブルで示したポイント数の違いと同様に、AT抽選に当選したときに付与されるAT権利数を異ならせるものとしてもよい。さらに、AT抽選の当選確率を異ならせることと、AT抽選に当選したときに付与されるAT権利数を異ならせることとを、併用するものとしてもよい。
【0277】
上記の実施の形態では、準備モードやRTを終了させる契機となる転落リプレイについては、図8で示したように、停止順が所定の停止順であるときに入賞を回避できる例について説明した。また、非ARTであっても所定の割合でナビ演出が実行される9枚役(1)〜(9)については、停止操作タイミングが所定の停止操作タイミングであるときに入賞させることができる例について説明した。
【0278】
しかし、転落リプレイについては、9枚役(1)〜(9)と同様に、当選した役の種類に応じた所定の停止操作タイミングであることを条件として、入賞回避させることができるものであってもよい。
【0279】
たとえば、非ARTであっても所定の割合でナビ演出が実行される入賞役として、9枚役(1)(構成図柄:「赤7−ANY−ANY」)、9枚役(2)(構成図柄:「白7−ANY−ANY」)、9枚役(3)(構成図柄:「BAR−ANY−ANY」)を設定し、準備モードやRTを終了させる契機となる入賞役として、転落リプレイ(1)(構成図柄:「白イチゴ/黒イチゴ−ANY−赤7)、転落リプレイ(2)(構成図柄:「白イチゴ/黒イチゴ−ANY−白7)、転落リプレイ(3)(構成図柄:「白イチゴ/黒イチゴ−ANY−BAR)を設定してもよい。
【0280】
この場合、9枚役(1)〜(3)については、当選している役の種類に応じた所定の停止操作タイミングで、左リール2Lを停止させる操作がなされたことを条件として入賞させることができる。たとえば、9枚役(1)に当選しているときには、左リール2Lについて、「赤7」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングで停止操作されたことを条件として、当該9枚役(1)を入賞させることができる。
【0281】
また、転落リプレイ(1)〜(3)についても、当選している役の種類に応じた所定の停止操作タイミングで、右リール2Rを停止させる操作がなされたことを条件として入賞回避させることができる。たとえば、転落リプレイ(1)に当選しているときには、右リール2Rについて、「赤7」を入賞ラインに引き込み不可能なタイミングで停止操作されたことを条件として、当該転落リプレイ(1)の入賞を回避させることができる。
【0282】
これにより、転落リプレイの入賞を回避させる場合において、誤って左リール2Lを停止操作した場合であっても、右リール2Rについて当選している役の種類に応じた所定の
停止操作タイミングで停止させる操作を行なうことにより転落リプレイの入賞を回避させることができる。また、9枚役を入賞させる場合において、誤って右リール2Rを停止操作した場合であっても、左リール2Lについて当選している役の種類に応じた所定の停止操作タイミングで停止させる操作を行なうことにより9枚役を入賞させることができる。
【0283】
また、上記のように、転落リプレイ入賞の回避および9枚役(1)〜(9)入賞のための操作手順を当選した役の種類に応じた所定の停止操作タイミングとした場合、転落リプレイに関するナビ演出および9枚役に関するナビ演出は、ともに、たとえば、「赤7」図柄に対応する「赤」を想起させる赤情報と、「白7」図柄に対応する「白」を想起させる白情報と、「BAR」図柄に対応する「黒」を想起させる黒情報とを特定可能に報知する情報報知手段(たとえば、液晶表示器51、所定のランプ、所定の7セグメント表示器など)を用いて、赤情報、白情報、黒情報のいずれかを報知することによる共通の報知態様で実行されるように構成してもよい。
【0284】
赤情報は、たとえば、液晶表示器51に主に赤色が用いられた赤キャラクタを表示させる演出や、赤色を特定可能なランプを点灯させる演出(たとえば、赤色に対応して設けられたランプを点灯、あるいは点灯色を赤色とする)などであってもよい。同様に、白情報とは、主に白色が用いられた白キャラクタを表示させる演出や白色を特定可能なランプを点灯させる演出(たとえば、白色に対応して設けられたランプを点灯、あるいは点灯色を白色とする)であってもよく、黒情報とは、主に黒色が用いられた黒キャラクタを表示させる演出や黒色を特定可能なランプを点灯させる演出(たとえば、黒色に対応して設けられたランプを点灯、あるいは点灯色を黒色とする)であってもよい。
【0285】
具体的に、たとえば、転落リプレイ(1)に当選しているときには、右リール2Rについて「赤7」を入賞ラインに引き込み不可能なタイミングで停止操作されたことを条件として当該転落リプレイ(1)の入賞を回避させることができるため、当該「赤7」を入賞ラインに引き込み不可能なタイミングとなる位置に配列されている「BAR」図柄に対応する「黒」を想起させる黒情報を情報報知手段により報知することによりナビ演出を実行してもよい。同様に、転落リプレイ(2)に当選しているときには「赤7」図柄に対応する「赤」を想起させる赤情報を、転落リプレイ(3)に当選しているときには「白7」図柄に対応する「白」を想起させる白情報を、情報報知手段により報知することによりナビ演出を実行してもよい。また、9枚役(1)に当選しているときには、左リール2Lについて「赤7」を入賞ラインに引き込み可能なタイミングで停止操作されたことを条件として当該9枚役(1)を入賞させることができるため、当該「赤7」図柄に対応する「赤」を想起させる赤情報を報知手段により報知することによりナビ演出を実行してもよい。同様に、9枚役(2)に当選しているときには「白7」図柄に対応する「白」を想起させる白情報を、9枚役(3)に当選しているときには「BAR」図柄に対応する「黒」を想起させる黒情報を、情報報知手段により報知することによりナビ演出を実行してもよい。
【0286】
これにより、ナビ演出により報知される色に関する情報が、転落リプレイを回避するための情報であるか9枚役(1)〜(9)を入賞させるための情報であるかを特定する必要がなく、情報報知手段により共通の報知態様で報知される色に関する情報にしたがってリール2L〜2Rについて停止操作することにより、転落リプレイ入賞を回避できまた当選している9枚役を入賞させることができる。
【0287】
また、9枚役(1)〜(9)については、転落リプレイと同様に、当選した役の組合せの種類に応じた所定の停止順であることを条件として、入賞させることができるものであってもよい。たとえば、当選した役の組合せに応じた所定の停止順で停止操作されたときに、対応する9枚役を入賞させることができ、当該所定の停止順以外で停止操作されたときに、対応する9枚役を入賞させることができないようにリール制御が行なわれるように
構成してもよい。
【0288】
これにより、転落リプレイの入賞を回避させる場合、および9枚役を入賞させる場合のいずれにおいても、いわゆる目押しを行なう必要がなくなるため、停止操作に伴う遊技者の負担を軽減することができる。
【0289】
また、上記のように、転落リプレイ入賞の回避および9枚役(1)〜(9)入賞のための操作手順を当選した役の種類に応じた所定の停止順とした場合、転落リプレイに関するナビ演出および9枚役に関するナビ演出は、ともに、たとえば、停止順を想起させる停止順情報を特定可能に報知する情報報知手段(たとえば、液晶表示器51、所定のランプ、所定の7セグメント表示器など)を用いて、停止順を報知することによる共通の報知態様で実行されるように構成してもよい。
【0290】
停止順情報は、たとえば、液晶表示器51に停止順を表示させる演出(たとえば、第1停止させるリールが左リール2Lであるときには「左」といったメッセージを表示)や、リール2L〜2R各々に対応して設けられたランプのうち停止順を特定可能に点灯させる演出(たとえば、第1停止させるリールが左リール2Lであるときには左リール2Lに対応するランプを点灯)であってもよい。
【0291】
これにより、ナビ演出により報知される停止順情報が、転落リプレイを回避するための情報であるか9枚役(1)〜(9)を入賞させるための情報であるかを特定する必要がなく、情報報知手段により共通の報知態様で報知される停止順情報にしたがってリール2L〜2Rについて停止操作することにより、転落リプレイ入賞を回避できまた当選している9枚役を入賞させることができる。
【0292】
上記の実施の形態では、準備モードは転落リプレイに入賞することにより終了して通常遊技状態に制御される例について説明したが、転落リプレイに入賞したとしても通常遊技状態に制御されずに準備モードに継続して制御するものであってもよい。すなわち、準備モードは、特殊出目が停止されるか、ボーナス当選あるいは入賞するまで継続して制御するものであってもよい。この場合、たとえば、準備モードにおいて当選した9枚役の種類毎に対応する特定の操作手順でストップスイッチ8L〜8Rが操作されたときにだけ特殊出目を停止させるリール制御が行なわれるようにするとともに、AT準備モードにおいてのみ9枚役に当選したときに当該9枚役の種類あるいは当該9枚役の種類に対応する特定の操作手順を特定可能な情報を報知するナビ演出を行なうように構成してもよい。これにより、前述した実施の形態と同様に、準備モードにおいてATに制御されるか否かに応じて特殊出目の出現率が異なり、たとえばATに制御されているときには特殊出目を停止させることができRTに制御され易くなるが、ATに制御されていないときには特殊出目を停止させることが困難となりRTに制御され難くすることができる。その結果、準備モードにおいてATに制御されるか否かにより遊技者にとっての有利度合いにメリハリをつけることができ、AT準備モードに制御されることに対する期待感を効果的に高め、遊技の興趣を向上させることができる。
【0293】
上記の実施の形態では、RTは規定ゲーム(たとえば100ゲーム)消化することにより終了するものであってもよい。また、特殊出目の種類によって有利度合い(リプレイ当選率、規定ゲーム数)が異なるRTに制御するようにしてもよい。これにより、RTのバリエーションを豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0294】
上記の実施の形態では、特殊出目を入賞ラインに停止させるリール制御は、遊技状態に関わらず、9枚役当選時において当該9枚役を取りこぼしたときにのみ行なわれる例について説明した。しかし、特殊出目を入賞ラインに停止させるリール制御は、9枚役当選時において当該9枚役を取りこぼしたときで、かつ遊技状態が準備モードであるときにのみ行なわれるように構成してもよい。これにより、通常遊技状態において特殊出目が停止されたにも関わらずRTに制御されないことにより、遊技者の混乱を招く不都合の発生を未然に防止することができる。
【0295】
また、上記の実施の形態においては、通常遊技状態であるときに特殊出目が停止されたときであっても、RTに制御されない例について説明したが、これに限らず、通常遊技状態においても低確率でRTに制御されるように構成してもよい。また、通常遊技状態において特殊出目のうち特別出目(たとえば、図5(b)に示す特殊出目のうち赤7−ブランク(1)−ブランク(1))が停止されたときにのみRTに制御されるように構成してもよい。これにより、通常遊技状態から直接RTに制御されることに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0296】
上記の実施の形態では、特別役に当選しているときであってさらに払出枚数が賭数3以上の小役(以下、通常小役という)に当選しているゲームにおいては、当該通常小役に対応する図柄組合せを優先して導出させ、特別役に当選しているときであってさらに払出枚数が賭数3よりも少ない小役(以下、特定小役という)が設けられている場合であって、当該特定小役が当選しているゲームにおいては、特定小役に対応する図柄組合せよりもビッグボーナスやレギュラーボーナスに対応する図柄組合せを優先して導出させるリール制御を行なう例について説明した。このようなリール制御に加えて、以下のリール制御を行なうように構成してもよい。
【0297】
メダルの払出枚数が賭数と同じ同等小役と、特別役が当選しているときには、たとえば、特別役よりも同等小役を優先的に入賞させるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、同等小役に入賞させて払い出されたメダルで次のゲームを開始でき当該ゲームにおいて通常小役に当選することに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。また、同等小役と特別役とが当選しているときには、同等小役よりも特別役を優先的に入賞させるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、特別役を入賞させるまでに要するゲーム数およびメダル数を低減させることができる。
【0298】
また、イチゴのように入賞ライン数に応じてメダルの払出枚数が変化し、たとえば、賭数以下となるときと賭数よりも多くなるときとがあり得る特殊小役について、当該特殊小役と、特別役とが当選しているときには、払出枚数が賭数より多くなるように特殊小役を入賞させることが可能な操作手順で操作されたときに、特別役よりも特殊小役を優先的に入賞させるようにリール制御を行ない、払出枚数が賭数以下となるようにしか特殊小役を入賞させることができない操作手順で操作されたときに、特殊小役よりも特別役を優先的に入賞させるようにリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、操作手順をも考慮して、遊技者にとって不利なゲーム結果となる表示結果が導出されることを極力低減することができ、遊技者にとって有利なゲーム結果となる表示結果を優先的に導出させることができる。
【0299】
なお、特別役に当選しているときであってさらに小役に当選しているゲームにおいては、当選している小役の払出枚数に関わらず、特別役よりも小役に対応する図柄組合せを優先して導出させるリール制御を行なうものであってもよい。
【0300】
また、通常小役と特定小役とを抽選対象役として同時に読出して抽選するように構成してもよい。このように構成した場合には、たとえば、特別役の当選が持ち越されている状態で、通常小役と特定小役とが当選した場合には、特別役、通常小役、および特定小役に同時に当選している状況になる。この場合には、特別役および特定小役よりも通常小役を優先的に入賞させるリール制御を行ない、通常小役を入賞させることができないときに特定小役よりも特別役を優先的に入賞させるリール制御を行ない、通常小役および特別役を入賞させることができないときに特定小役を入賞させるリール制御を行なうように構成してもよい。これにより、通常小役と特定小役とが同時に当選した場合であっても、遊技者にとって不利なゲーム結果となる表示結果が導出されることを極力低減することができ、遊技者にとって有利なゲーム結果となる表示結果を優先的に導出させることができる。
【0301】
上記の実施の形態では、ビッグボーナスであるかレギュラーボーナスであるかに応じた準備モードやRTに制御されるように構成してもよい。たとえば、ビッグボーナス(1)が終了したときには、ビッグボーナス(2)が終了したときに制御される準備モードよりも有利な状態(たとえば、転落リプレイの当選率が低いなど)に制御されるように構成してもよい。また、ビッグボーナス(1)が終了したとき制御される準備モードから制御されるRTは、ビッグボーナス(2)が終了したとき制御される準備モードから制御されるRTよりも有利な状態(たとえば、リプレイの当選率が高いなど)に制御されるように構成してもよい。この場合、準備モードやRTへの制御の契機となるボーナスの組合せは、左リール・中リール・右リール毎に異なる図柄から構成されるものであってもよい。たとえば、ビッグボーナス(1)が「赤7−ブドウ−メロン」、ビッグボーナス(2)が「ブドウ−白7−BAR」、レギュラーボーナスが「メロン−イチゴ−スイカ」等であってもよい。これにより、ボーナス入賞したときに、いずれのボーナスに入賞したのかを分かりにくくすることができる。その結果、どの種類のRTに制御されるのかを分かりにくくすることができる。
【0302】
また、このように構成した場合、ボーナス演出は、ボーナスの種類に関わらず同一内容の演出を行なうことにより、制御されているボーナスの種類を遊技者が特定できないようにしてもよい。これにより、ゲーム終了時の図柄の組合せから、ボーナスの種類が遊技者にとって識別しづらくなり、どの種類のボーナスに制御されているか遊技者に気付かせにくくすることができる。このため、ボーナス終了後に制御される準備モードやRTの種類を特定困難にすることができる。
【0303】
また、このように構成した場合、液晶表示器51の表示画面を、可変表示装置2の透視窓3の領域よりも大きく、かつ遊技者の目線の高さに近くして可変表示装置2の透視窓3よりも視認しやすい位置に設置してもよい。そして、液晶表示器51の表示画面において、可変表示装置2の表示状態に対応させて図柄をスクロール表示させる仮想リールを表示させ、かつ可変表示装置2の表示結果に対応する演出用図柄を変動表示させる仮想リールの入賞ライン上に表示させるように構成してもよい。具体的に、可変表示装置2においてブドウの組合せが導出されたときには、液晶表示器51の表示画面における入賞ライン上に「ブドウ−ブドウ−ブドウ」が停止表示されるように構成してもよい。これにより、遊技者は、仮想リールの表示によって可変表示装置2をほとんど見なくてもゲームを進められるようになる。このようなスロットマシンにおいて、上記の準備モードやRTへの制御の契機となるボーナスのいずれかが入賞したときには、入賞したボーナスの種類に関わらず、液晶表示器51の表示画面における入賞ライン上に共通の「7−7−7」が停止表示されるように構成してもよい。これにより、液晶表示器51を視認してゲームを進行する遊技者にとっては、どの種類のボーナスに入賞したのか特定困難となる。その結果、どの種類の準備モードやRTに制御されるかを分かりにくくすることができる。
【0304】
上記の実施の形態では、遊技者にとって有利なRTは、予め定められたゲーム数消化するか、あるいはビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに入賞することにより終了する(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選することにより終了しない)ように構成してもよい。これにより、予め定められたゲーム数消化するまでにビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選してしまったためRTが終了してしまうことにより遊技者に対して損失感を与えてしまうことを回避することができる。また、ボーナスの当選フラグは、入賞するまで次ゲーム以降に持ち越されるため、予め定められたゲーム数に到達することによってRTが終了した後に、その間に当選したボーナスを入賞させることが可能となるので、RTの終了時にボーナスの当選に対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0305】
前述したRTのリプレイ当選確率は、獲得するメダルが少なくなる可能性が高いRT、すなわち1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値が賭数の設定に用いたメダル数よりも小さくなるRTとなるように設定されているものであってもよい。1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値とは、たとえば、ある遊技状態において所定回数(たとえば、1万回、10万回)ゲームを行なったときに獲得するメダル枚数を、前記所定回数からリプレイ入賞する回数を差引いた回数で除した値(理論値)をいう。このように構成した場合であって、さらにATに制御されてARTとなった場合には、ナビ演出にしたがって当選した小役を取りこぼさずに入賞させることにより、1ゲームあたりに獲得するメダル数の期待値を賭数設定に用いるメダル数よりも大きくして、遊技者所有のメダル数が増加するように構成してもよい。
【0306】
上記の実施の形態では、RTの終了条件としては、ボーナスに当選すること、転落リプレイに入賞することにより成立する例について説明した。しかし、RTの終了条件としては、これに限らず、さらに、規定ゲーム数消化すること、所定の終了抽選において当選することにより成立するように構成してもよい。また、準備モードの終了条件としては、ボーナス当選、転落リプレイ入賞、特殊出目停止などにより成立する例について説明した。しかし、準備モードの終了条件としては、これに限らず、さらに、規定ゲーム数消化、所定の終了抽選において当選することにより成立するように構成してもよい。これにより、RTや準備モードが終了するタイミングの種類を豊富にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0307】
上記の実施の形態では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
【0308】
上記の実施の形態では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
【0309】
さらに、メダルおよび遊技球の何れか一方を用いて賭数を設定してゲームを行なうことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球の何れか一方が払い出されるスロットマシンに適用してもよい。
【0310】
上記の実施の形態では、回転前フリーズは、図11のS30において1ゲームタイマにより所定時間以上計時された後に、フリーズの種類に応じた時間に亘り発生させる例について説明した。これにより、1ゲームタイマによるウェイトと、フリーズとを同時に発生させることを防止することができる。
【0311】
なお、回転前フリーズは、スタートスイッチ7への操作が有効に受付けられてから、フリーズの種類に応じた時間に亘り発生させるように構成してもよい。たとえば、図11のS30においてNOと判断された場合においても、S31〜S33と同様の処理を行ない、回転前フリーズカウンタを減算するように構成してもよい。これにより、スタートスイッチ7が操作された後にフリーズが発生した場合に、回転前フリーズであるのか、1ゲームタイマによるフリーズであるのかを不明にすることができ、遊技者に期待感を抱かせる機会を増大させることができる。
【0312】
上記の実施の形態では、回転後フリーズの一例として、ストップスイッチ8L〜8R各々が有効化されるタイミングを遅延させる例を示した。しかし、回転後フリーズは、リール回転開始後において、ストップスイッチが有効化されるタイミングを遅延させるものであればよく、たとえば、所定の停止操作(たとえば、第1停止操作、第2停止操作など)が行なわれたときに、未だ回転中のリールに対応するストップスイッチをフリーズの種類に対応する時間に亘り無効化した後、再び有効化するものであってもよい。
【0313】
また、回転後フリーズとしては、フリーズが発生するタイミングが異なるように複数種類設けられているものであってもよい。たとえば、第3フリーズとしては、回転前フリーズを発生させるとともに、リール回転開始後に回転後フリーズを発生させる第3aフリーズと、第1停止操作後に回転後フリーズを発生させる第3bフリーズと、第2停止操作後に回転後フリーズを発生させる第3cフリーズとが設けられているものであってもよい。この場合、フリーズ抽選により、フリーズを実行するか否か、およびフリーズを実行する場合の種類を第1、第2、第3a、第3b、第3cのいずれにするかを決定するように構成してもよい。これにより、回転後フリーズが発生するタイミングがランダムになるため、より一層遊技者に対し意外性を抱かせることができる。
【0314】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0315】
1 スロットマシン、2L,2C,2R リール、8L,8C,8R ストップスイッチ、40 遊技制御基板、41 メイン制御部、41a メインCPU、41b ROM、41c RAM、42 乱数発生回路、43 サンプリング回路、51 液晶表示器、90 演出制御基板、91 サブ制御部、91a サブCPU、91b ROM、91c RAM、92 表示制御回路、141 VDP、142 CGROM、155 一時記憶メモリ、156 フレームバッファメモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、
ゲーム毎に前記可変表示装置の表示結果が導出されるよりも前に、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う特別表示結果を含む複数種類の入賞表示結果の導出を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
前記事前決定手段の決定結果に応じて前記可変表示装置に表示結果を導出させる導出制御手段と、
前記可変表示装置に前記特別表示結果が導出されたときに、前記特別遊技状態に遊技状態を制御する特別遊技状態制御手段と、
遅延条件を成立させるか否かを決定する遅延決定手段と、
前記遅延決定手段により前記遅延条件を成立させると決定したときに、所定の遅延タイミングから遊技の進行を遅延させるための遅延制御を行う遅延手段と、
前記特別遊技状態に制御されているときに前記遅延条件が成立したときに、該遅延条件が成立しなかったときに比べて遊技者にとって有利となる特典を付与する特典付与手段と、
前記特別表示結果の導出を許容する旨が決定された以後から前記特別遊技状態に制御される以前に生じる所定の契機において、遊技者の遊技履歴を判定する遊技履歴判定手段とを備え、
前記遅延決定手段は、前記特別遊技状態に制御されているときに、前記遊技履歴判定手段の判定結果に応じて異なる確率で、前記遅延条件を成立させる旨を決定する
ことを特徴とするスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−31557(P2013−31557A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169311(P2011−169311)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】