説明

テーパ縁を実現するために、MEMSデバイス内に層を形成するための方法

【課題】テーパ縁を実現するために、MEMSデバイス内に層を形成するための方法が提供される。
【解決手段】特定のMEMSデバイスは、テーパ縁を有するようにパターン形成された層を含む。テーパ縁を有する層を形成するための1つの方法は、エッチング誘導層を使用することを含む。テーパ縁を有する層を形成するための別の一方法は、上方部分が下方部分よりも速い速度でエッチング可能な層を堆積することを含む。テーパ縁を有する層を形成するための別の一方法は、複数の反復エッチングを使用することを含む。テーパ縁を有する層を形成するための別の一方法は、リフトオフマスクの上に層が堆積され、そのマスク層が除去された後、テーパ縁を有する構造が残されるように、負の角度を含む開口を有するリフトオフマスクを使用することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づいて、2005年8月19日出願の米国仮出願第60/710,019号の優先権を主張する。この出願は、参照により全体を本明細書に組み込まれるものとする。
【背景技術】
【0002】
微小電気機械システム(MEMS)は、微小機械要素、アクチュエータ、および電子機器を含む。微小機械要素は、堆積プロセス、エッチングプロセス、ならびに/あるいは基板および/もしくは堆積された材料層を部分的にエッチング除去するかまたは層を追加するかによって電気デバイスおよび電気機械デバイスを形成するその他のマイクロマシニングプロセスを使用して作成することができる。MEMSデバイスの1つのタイプは、インターフェロメトリックモジュレータと称される。本明細書において使用されるインターフェロメトリックモジュレータまたはインターフェロメトリック光モジュレータという用語は、光干渉の原理を使用して光を選択的に吸収するおよび/または反射させるデバイスを意味する。特定の実施形態において、インターフェロメトリックモジュレータは、一対の伝導板を備えてよく、それらの板の一方または両方は、全体もしくは一部が透明および/もしくは反射性であってよくかつ適切な電気信号の印加によって相対運動することができる。具体的な一実施形態において、一方の板は、基板上に堆積された静止層を備えてよく、他方の板は、エアギャップによって静止層から分離された金属膜を備えてよい。本明細書において更に詳述されるように、他方の板に対する一方の板の位置は、インターフェロメトリックモジュレータに入射する光の光干渉を変化させることができる。このようなデバイスは、非常に広範な用途を有しており、当該分野においては、これらのタイプのデバイスの特徴を既存製品の改良およびまだ開発されていない新製品の製造に生かせるように、これらのタイプのデバイスの特性を利用および/または変更すると有益だと考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの実施形態において、MEMSデバイスを製造する方法が提供される。該方法は、電極層を形成することと、電極層の上にマスクを形成することと、隔離電極部材を形成するために、マスクを使用して電極層をパターン形成することと、外向きのテーパ縁部分を形成するために、電極部材をテーパリングすることと、を含み、マスクの少なくとも一部は、テーパリングの間その場所にとどまる。
【0004】
別の一実施形態において、MEMSデバイスを製造する方法が提供される。該方法は、基板の上に犠牲層を形成することと、開口を形成するために、犠牲層をパターン形成することと、パターン形成された犠牲層の上に支持層を形成することと、支持層の上にマスクを形成することと、犠牲層内の開口内に少なくとも部分的に位置する少なくとも1つの支持構造を形成するために、マスクを使用して支持層をパターン形成することと、テーパ縁を形成するために、支持構造をテーパリングすることと、を含み、マスクの少なくとも一部は、テーパリングの間その場所にとどまる。
【0005】
別の一実施形態において、MEMSデバイスを製造する方法が提供される。該方法は、基板の上に電極層を形成することと、電極層の上に犠牲層を形成することと、犠牲層を通って伸びる少なくとも1つのテーパ開口を形成するために、犠牲層をパターン形成することと、犠牲層を通って伸びるテーパ開口の上位の(上にある、上に位置する)開口を含むマスク層を形成することであって、マスク層は、マスク層内の開口の周囲に広がるオーバーハング部分を含み、マスク層の上に支持層を堆積することと、リフトオフプロセスを通じてマスク層を除去することによって、犠牲層を通って伸びるテーパ開口内に少なくとも部分的に位置する支持構造を形成することと、支持構造に隣接して移動可能層を形成することと、を含む。
【0006】
別の一実施形態において、MEMSデバイスを製造する方法が提供される。該方法は、基板の上に電極層を形成することと、外周付近に広がる負の角度を含むマスクを電極層の上に形成することと、マスクの上に犠牲材料の層を堆積することと、リフトオフプロセスを通じてマスクを除去し、テーパ開口を含む犠牲層を形成することと、テーパ開口内に少なくとも部分的に位置する支持構造を形成することと、支持構造に隣接して移動可能層を形成することと、を含む。
【0007】
別の一実施形態において、MEMSデバイスを製造する方法が提供される。該方法は、基板の上に下部電極層を形成することと、電極層の上に犠牲層を形成することと、犠牲層の上位にマスク層を形成することであって、マスク層は、縁の周囲に広がるオーバーハング部分を有する開口を含み、マスク層の上に電極材料の層を堆積することと、リフトオフプロセスを通じてマスク層を除去することによって、外向きのテーパ縁を有する少なくとも1つの隔離電極部材を形成することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイの1つの実施形態の一部分を描いた等角図であり、第1のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能反射層が解放位置にあり、第2のインターフェロメトリックモジュレータの移動可能反射層が作動位置にある。
【図2】3x3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを組み込んだ電子デバイスの1つの実施形態を示したシステムブロック図である。
【図3】図1のインターフェロメトリックモジュレータの1つの代表的実施形態について、移動可能なミラーの位置と印加される電圧との関係を示した図である。
【図4】インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを駆動するために使用することができる行電圧および列電圧のセットを示した説明図である。
【図5A】図2の3x3インターフェロメトリックモジュレータディスプレイにおけるディスプレイデータの、1つの代表的なフレームを示した図である。
【図5B】図5Aのフレームの書き込みに使用することができる行信号および列信号に関する1つの代表的なタイミング図である。
【図6A】複数のインターフェロメトリックモジュレータを含むビジュアルディスプレイデバイスの一実施形態を示したシステムブロック図である
【図6B】複数のインターフェロメトリックモジュレータを含むビジュアルディスプレイデバイスの一実施形態を示したシステムブロック図である
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】インターフェロメトリックモジュレータの代替の一実施形態の断面図である。
【図7C】インターフェロメトリックモジュレータの別の代替の一実施形態の断面図である。
【図7D】インターフェロメトリックモジュレータの更に別の代替の一実施形態の断面図である。
【図7E】インターフェロメトリックモジュレータの更なる代替の一実施形態の断面図である。
【図8】個々の素子が支持構造を有しているインターフェロメトリックモジュレータ素子の配列の平面図である。
【図9A】移動可能層の上に位置する支持構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図9B】移動可能層の上に位置する支持構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図9C】移動可能層の上に位置する支持構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図9D】移動可能層の上に位置する支持構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図9E】移動可能層の上に位置する支持構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図9F】移動可能層の上に位置する支持構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図9G】移動可能層の上に位置する支持構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図9H】移動可能層の上に位置する支持構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図9I】移動可能層の上に位置する支持構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図9J】移動可能層の上に位置する支持構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図10A】機械層から部分的に分離された反射層を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図10B】機械層から部分的に分離された反射層を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図10C】機械層から部分的に分離された反射層を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図10D】機械層から部分的に分離された反射層を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図10E】機械層から部分的に分離された反射層を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図10F】機械層から部分的に分離された反射層を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を製造するための方法を示した概略断面図である。
【図11A】エッチング誘導層の使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図11B】エッチング誘導層の使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図12A】エッチング誘導層の使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための代替の方法を示した概略断面図である。
【図12B】エッチング誘導層の使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための代替の方法を示した概略断面図である。
【図13】MEMS構造層の形成中に支持構造層の特性を変化させることによって、テーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法の、一工程を示した概略断面図である。
【図14】MEMS構造層を形成するために、特性の異なる一連の副層を形成することによって、テーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法の、一工程を示した概略断面図である。
【図15】MEMS構造層に対する接着に乏しい上位のマスク層を形成することによって、テーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法の、一工程を示した概略断面図である。
【図16A】反復アッシング&エッチングプロセスの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図16B】反復アッシング&エッチングプロセスの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図16C】反復アッシング&エッチングプロセスの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図16D】反復アッシング&エッチングプロセスの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図17A】複数のエッチングの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図17B】複数のエッチングの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図17C】複数のエッチングの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図17D】複数のエッチングの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図17E】複数のエッチングの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図18A】リフトオフプロセスの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図18B】リフトオフプロセスの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図18C】リフトオフプロセスの使用を通じてテーパ縁を有するMEMS構造を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図19A】リフトオフプロセスにおける使用のために負のテーパ形状を有するマスク層を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図19B】リフトオフプロセスにおける使用のために負のテーパ形状を有するマスク層を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図19C】リフトオフプロセスにおける使用のために負のテーパ形状を有するマスク層を形成するための方法を示した概略断面図である。
【図20】テーパ開口を有する犠牲層を形成するための方法の、一工程を示した概略断面図である。
【図21】テーパ縁を有する隔離電極部材を形成するための方法の、一工程を示した概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は、本発明の特定の具体的実施形態に関する。しかしながら、本発明は、多くの異なるかたちで実現することができる。この説明では、図面が参照にされ、図中、類似の構成要素は一貫して類似の符号を使用して示される。以下の説明から明らかなように、これらの実施形態は、動いているもの(例:ビデオ)であれ静止しているもの(例:静止画像)であれ、テキスト形式であれ映像形式であれ、画像を表示するように構成された任意のデバイスにおいて実現可能である。より具体的に言うと、これらの実施形態は、携帯電話、ワイヤレス機器、携帯情報端末(PDA)、手持ちサイズの、すなわち携帯用のコンピュータ、GPSレシーバ/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビ用モニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータ用モニタ、自動車用ディスプレイ(例:走行距離計等など)、コックピットのコントロールパネルおよび/もしくはディスプレイ、カメラ視野のディスプレイ(例:車の後方確認用カメラのディスプレイ)、電子写真、電光の掲示板もしくはサイン、プロジェクタ、建造物、パッケージング、ならびに美的構造物(例:宝石の画像のディスプレイ)を非限定的に含む、様々な電子デバイスにおいて実現可能である、またはそのような電子デバイスに関連付けることが可能であると考えられる。また、本明細書において説明されるものと類似の構造のMEMSデバイスを、電子的切り替えデバイスなどの非ディスプレイ用途に使用することも可能である。
【0010】
順次堆積された一連の層を含むMEMSデバイスの製造では、裂け目または薄めの弱い部分を生じることなく上位の層を形状適合式に堆積することを容易にするために、テーパ縁を有する下位の(underlying:下にある、下に位置するという意味。以下では「下位の」または「下位にある」と称する)層または構造などの、テーパ構造すなわち角度の付いた構造を提供することがしばしば有利である。特定の実施形態では、このようなテーパ縁を例えばミラー/電極または支持構造に提供するために、エッチング方法を使用することができる。具体的な実施形態では、これらのエッチング方法は、エッチングされる層の上位でのエッチング誘導層の使用を含むことができる。他の具体的な実施形態では、これらのエッチング方法は、反復エッチングプロセスおよび/または反復アッシングプロセスを含むことができる。他の実施形態では、テーパ縁を有する構造を形成するために、リフトオフプロセスを使用することができる。
【0011】
インターフェロメトリックMEMSディスプレイ素子を含むインターフェロメトリックモジュレータディスプレイの1つの実施形態が、図1に示されている。これらのデバイスにおいて、ピクセルは、明るい状態または暗い状態のいずれかにある。明るい(「オン」または「開」)状態では、ディスプレイ素子は、入射する可視光の大半をユーザへと反射させる。暗い(「オフ」または「閉」)状態では、ディスプレイ素子は、入射する可視光をほとんどユーザへと反射させない。「オン」状態および「オフ」状態における光反射特性は、実施形態に応じて逆転可能である。MEMSピクセルは、主に選択された色で反射するように構成することができる。これは、白黒に加えてカラーの表示を可能にする。
【0012】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連のピクセルのなかの2つの隣接するピクセルを示した等角図である。図中、各ピクセルは、MEMSインターフェロメトリックモジュレータを含む。実施形態によっては、インターフェロメトリックモジュレータディスプレイは、これらのインターフェロメトリックモジュレータの行列からなる配列を含む。各インターフェロメトリックモジュレータは、少なくとも1つの可変次元をともなう共振光キャビティを形成するために、互いから可変でかつ制御可能な距離に配置された一対の反射層を含む。1つの実施形態において、反射層の一方は、2つの位置の間で移動可能である。本明細書において解放位置と称される第1の位置では、この移動可能層は、固定の部分反射層から比較的大きな距離を隔てて配置されている。本明細書において作動位置と称される第2の位置では、この移動可能層は、部分反射層に対してより近くに隣接して配置されている。これらの2層から反射される入射光は、移動可能な反射層の位置に応じて建設的または相殺的に干渉することによって、ピクセル毎に全反射または非反射のいずれかの状態を生じる。
【0013】
図1に示された部分のピクセル配列は、2つの隣接するインターフェロメトリックモジュレータ12a,12bを含む。左側のインターフェロメトリックモジュレータ12aでは、移動可能な反射層14aは、部分反射層を含む光学スタック16aから所定の距離にある解放位置で示されている。右側のインターフェロメトリックモジュレータ12bでは、移動可能な反射層14bは、光学スタック16bに隣接する作動位置で示されている。
【0014】
本明細書において言及される光学スタック16a,16b(光学スタック16として総称される)は、通常、インジウムスズ酸化物(ITO)などの電極層と、クロムなどの部分反射層と、透明な誘電体と、を含むことができる何枚かの溶融層を含む。光学スタック16は、したがって、導電性であり、部分的に透明であり、かつ部分的に反射性であり、例えば、上記の層の1枚または2枚以上を透明基板20上に堆積することによって作成することができる。部分反射層は、各種の金属、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料で形成することができる。部分反射層は、1枚または2枚以上の材料層で形成することができ、これらの各層は、単一の材料または複数の材料の組み合わせで形成することができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、光学スタック16のこれらの層は、平行な帯状片となるようにパターン形成され、後ほど詳述されるように、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成することができる。移動可能な反射層14a,14bは、支柱18の上、および支柱18間に堆積された介在犠牲材料の上に堆積された、1枚または2枚以上の金属層からなる一連の平行な帯状片(行電極16a,16bに直交する)となるように、形成することができる。犠牲材料がエッチング除去されると、移動可能な反射層14a,14bは、定められたエアギャップ19によって光学スタック16a,16bから分離される。反射層14としては、アルミニウムなどの高伝導性でかつ反射性の材料が使用されてよく、これらの帯状片は、ディスプレイデバイスにおける列電極を形成することができる。
【0016】
電圧を印加されていないとき、キャビティ19は、移動可能な反射層14aと光学スタック16aとの間に維持され、移動可能な反射層14aは、図1のピクセル12aによって示されるように、機械的に解放された状態にある。しかしながら、選択された行および列に電位差が印加されると、対応するピクセルにおいて行電極と列電極との交差位置に形成されたコンデンサは、帯電状態となり、静電力が、これらの電極を引き合わせる。もし電圧が十分に高いと、移動可能な反射層14は、変形され、光学スタック16に押し付けられる。図1の右側のピクセル12bによって示されるように、光学スタック16内の誘電層(不図示)が、短絡を阻止し、層14と層16との間の分離距離を制御することができる。この挙動は、印加された電位差の極性にかかわらず同じである。このように、反射と非反射との間でピクセルの状態を制御する行/列作動は、従来のLCD技術およびその他のディスプレイ技術で使用されるものと、多くの意味で類似している。
【0017】
図2〜図5Bは、ディスプレイの用途においてインターフェロメトリックモジュレータの配列を使用するための、代表的なプロセスおよびシステムの1つを示している。
【0018】
図2は、本発明の態様を組み込むことができる電子デバイスの1つの実施形態を示したシステムブロック図である。この代表的な実施形態において、電子デバイスは、ARM、Pentium(登録商標)、Pentium II(登録商標)、Pentium III(登録商標)、Pentium IV(登録商標)、Pentium(登録商標) Pro、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、ALPHA(登録商標)などの任意の汎用のシングルチップマイクロプロセッサもしくはマルチチップマイクロプロセッサ、またはデジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、もしくはプログラマブルゲートアレイなどの任意の専用マイクロプロセッサでありうるプロセッサ21を含む。当該分野において常であるように、プロセッサ21は、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成することができる。オペレーティングシステムの実行に加えて、プロセッサは、Webブラウザ、テレフォンアプリケーション、電子メールプログラム、もしくはその他の任意のアプリケーションソフトを含む、1つまたは複数のアプリケーションソフトを実行するように構成することができる。
【0019】
1つの実施形態において、プロセッサ21は、また、配列ドライバ22と通信するようにも構成される。1つの実施形態において、配列ドライバ22は、ディスプレイ配列すなわちパネル30に信号を提供する行ドライバ回路24および列ドライバ回路26を含む。図1に示された配列の断面は、図2において線1−1で示されている。MEMSインターフェロメトリックモジュレータについて、行/列作動プロトコルは、図3に示された、これらのデバイスのヒステリシス特性を上手く活用することができる。例えば、移動可能層を解放状態から作動状態へと変形させるために、10ボルトの電位差が必要とされる。しかしながら、この値から電圧が減少する際に、移動可能層は、自身の状態を、電圧が10ボルト未満に降下するあいだ維持する。図3の代表的な実施形態において、移動可能層は、電圧が2ボルト未満に降下するまで完全には解放されない。したがって、デバイスが解放状態または作動状態のいずれかで安定する印加電圧のウィンドウが存在し、これは、図3に示された例では、例えば約3〜7ボルトの範囲である。これは、本明細書において、「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と称される。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイ配列に対しては、行/列作動プロトコルは、行ストローブ中、ストローブされた行にある作動対象のピクセルは約10ボルトの電圧差をかけられ、解放対象のピクセルは0ボルトに近い電圧差をかけられるように設計することができる。ストローブ後、ピクセルは、その行ストローブによって置かれた状態に留まるように、約5ボルトの定常状態電圧差をかけられる。書き込み後の各ピクセルは、この例では3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差をかけられている。この特徴は、図1に示されたピクセル設計を、既存の作動状態または解放状態のいずれでも、同じ印加電圧条件下で安定させる。インターフェロメトリックモジュレータの各ピクセルは、作動状態であれ解放状態であれ、本質的に、固定の反射層と移動可能な反射層とによって形成されるコンデンサであるので、この安定状態は、ほとんど電力損失を生じることなく、ヒステリシスウィンドウ内の電圧で維持することができる。印加電圧が固定されている間は、基本的に、ピクセルに電流は流れない。
【0020】
代表的な用途では、第1の行における所望の作動ピクセルセットに応じて列電極セットをアサートすることによって、表示フレームを作成することができる。次いで、行1の電極に行パルスが印加され、アサートされた列ラインに対応するピクセルが作動される。アサートされた列電極セットは、次いで、第2の行における所望の作動ピクセルセットに対応するように変化される。次いで、行2電極にパルスが印加され、アサートされた列電極に応じて行2における適切なピクセルが作動される。行1のピクセルは、行2パルスによって影響されず、行1パルス中に設定された状態に留まる。これは、フレームを生成するために、一連の全ての行に対して順次繰り返すことができる。概して、フレームは、このプロセスをいくらかの所望の毎秒フレーム数で絶えず繰り返すことによって、リフレッシュされる、かつ/または新しい表示データに更新される。この他にも、ピクセル配列の行電極および列電極を駆動して表示フレームを生成するための様々なプロトコルがよく知られており、これらもまた、本発明に関連して使用することができる。
【0021】
図4、図5A、および図5Bは、図2の3×3配列上に表示フレームを作成するための、考えられる1つの作動プロトコルを示している。図4は、図3のヒステリシス曲線を呈しているピクセルに対して使用可能な列電圧レベルおよび行電圧レベルとして考えられるセットを示している。図4の実施形態において、ピクセルの作動は、適切な列を−Vバイアスに設定するとともに適切な行を+ΔVに設定することをともない、これらは、−5ボルトおよび+5ボルトにそれぞれ対応することができる。ピクセルの解放は、適切な列を+Vバイアスに設定するとともに適切な行を+ΔVに設定することによって達成され、これは、そのピクセルの両端に0ボルトの電位差を生成する。行電圧を0ボルトに保持されている行では、ピクセルは、その列が+Vバイアスまた−Vバイアスはのいずれであるかにかかわらず、もとからの状態に安定して維持される。やはり図4に示されるように、上述された場合と逆の極性の電圧も使用可能であることが理解される。例えば、ピクセルの作動は、適切な列を+Vバイアスに設定するとともに適切な行を−ΔVに設定することをともなうことができる。この実施形態では、ピクセルの解放は、適切な列を−Vバイアスに設定するとともに適切な行を−ΔVに設定することによって達成され、これは、そのピクセルの両端に0ボルトの電位差を生成する。
【0022】
図5Bは、図2の3×3配列に印加される一連の行信号および列信号を示したタイミング図であり、その結果、作動ピクセルが非反射となる図5Aに示されたディスプレイ構成が得られる。図5Aに示されたフレームの書き込みに先立って、ピクセルは、任意の状態にあることが可能である。この例では、全ての行は0ボルトに、そして全ての列は+5ボルトにある。これらの信号を印加された状態で、全てのピクセルは、自身の既存の作動状態または解放状態で安定している。
【0023】
図5Aのフレームでは、ピクセル(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)、および(3,3)が作動されている。これを達成するため、行1用の「ライン時間」中、列1および列2が−5ボルトに設定され、列3が+5ボルトに設定される。これは、いずれのピクセルの状態も変化させない。なぜならば、全てのピクセルは、3〜7ボルトの安定性ウィンドウ内に留まるからである。次いで、0から5ボルトに上昇して再び0に戻るパルスによって、行1がストローブされる。これは、(1,1)ピクセルおよび(1,2)ピクセルを作動させ、(1,3)ピクセルを解放させる。配列内の他のピクセルは、いずれも影響されない。行2を望むとおりに設定するため、列2は−5ボルトに設定され、列1および列3は+5ボルトに設定される。次いで、行2に対しても同じストローブを印加すると、ピクセル(2,2)が作動され、ピクセル(2,1)およびピクセル(2,3)が解放される。やはり、配列内の他のピクセルは影響されない。行3も、列2および列3を−5ボルトに、そして列1を+5ボルトに設定することによって、同様に設定される。行3ストローブは、行3のピクセルを、図5Aに示されるように設定する。フレームの書き込み後、行の電位はゼロであり、列の電位は+5ボルトまたは−5ボルトのいずれかに留まることができる。そして、ディスプレイは、図5Aの構成で安定する。数十または数百もの行および列を有する配列にも、同様の手続きが利用可能であることが理解される。また、行および列の作動を実施するために使用されるタイミング、順序、および電圧レベルは、上記に概略を記された一般的原理の範囲内で様々に可変であること、上記の実施例は、例示を目的としたものに過ぎないこと、そして、任意の作動電圧方法が、本明細書において説明されるシステムおよび方法とともに使用可能であることが理解される。
【0024】
図6Aおよび図6Bは、ディスプレイデバイス40の1つの実施形態を示したシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、例えば、セルラー式電話、すなわち携帯電話であることが可能である。しかしながら、ディスプレイデバイス40と同じ構成要素、またはそれらを僅かに変更した形態は、テレビおよびポータブルメディアプレーヤなどの様々なタイプのディスプレイデバイスを示することもできる。
【0025】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力デバイス48、およびマイクロフォン46を含む。ハウジング41は、概して、射出成形および真空成形を含む、当該分野の当業者にとって周知の様々な製造プロセスのうちの任意のプロセスによって形成される。また、ハウジング41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組み合わせを非限定的に含む、様々な材料のうちの任意の材料で作成することができる。1つの実施形態において、ハウジング41は、取り外し可能部分(不図示)を含み、これらの部分は、異なる色の、または異なるロゴ、絵、もしくはマークを含む、他の取り外し可能部分と交換することができる。
【0026】
代表的ディスプレイデバイス40のディスプレイ30は、本明細書において説明されるように、双安定ディスプレイを含む様々なディスプレイのうちの任意のディスプレイであることが可能である。その他の実施形態では、ディスプレイ30は、上述のような、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、もしくはTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、または当業者に良く知られているような、CRTもしくは他の管デバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含む。ただし、本実施形態の説明のため、ディスプレイ30は、本明細書において説明されるように、インターフェロメトリックモジュレータディスプレイを含むものとする。
【0027】
代表的ディスプレイデバイス40の1つの実施形態の構成要素が、図6Bに概略を示されている。図示されている代表的ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、更に、ハウジング41に少なくとも部分的に囲まれた追加の構成要素を含むことができる。例えば、1つの実施形態において、代表的ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続され、プロセッサ21は、調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(例:信号をフィルタリングする)ように構成することができる。調整ハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、また、入力デバイス48およびドライバコントローラ29に接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28および配列ドライバ22に結合され、配列ドライバ22は、更に、ディスプレイ配列30に結合される。電源50は、特定の代表的ディスプレイデバイス40の設計要件に応じて全ての構成要素に電力を供給する。
【0028】
ネットワークインターフェース27は、代表的ディスプレイデバイス40がネットワークを通じて1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43およびトランシーバ47を含む。1つの実施形態において、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21の要件を軽減するために、いくらかの処理能力を有することもできる。アンテナ43は、当業者に知られている任意の信号送受信用アンテナである。1つの実施形態において、アンテナは、IEEE 802.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE 802.11標準にしたがってRF信号の送受信を行う。別の一実施形態では、アンテナは、Bluetooth標準にしたがってRF信号の送受信を行う。セルラー式電話の場合、アンテナは、CDMA信号、GSM信号、AMPS信号、またはワイヤレスセルフォンネットワーク内における通信に使用されるその他の既知の信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信される信号に前処理を施すことによって、それらをプロセッサ21によって受信して更なる操作を行うことを可能にする。トランシーバ47は、また、プロセッサ21から受信される信号を処理することによって、それらをアンテナ43を介して代表的ディスプレイデバイス40から送出することを可能にする。
【0029】
代替の一実施形態において、トランシーバ47は、レシーバで置き換えることができる。更に別の代替の一実施形態において、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを格納または生成することができる画像ソースで置き換えることができる。例えば、画像ソースは、画像データを含むデジタルビデオディスク(DVD)もしくはハードディスクドライブなどのメモリデバイス、または画像データを生成するソフトウェアモジュールであることが可能である。
【0030】
プロセッサ21は、概して、代表的ディスプレイデバイス40の全体の動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースからの圧縮画像データなどのデータを受信し、そのデータを処理することによって、生画像データ、または処理によって容易に生画像データにすることができるフォーマットにする。プロセッサ21は、次いで、処理されたデータを、ドライバコントローラ29に送信する、または格納のためにフレームバッファ28に送信する。生データは、通常、画像内の各位置における画像特性を識別する情報を表している。例えば、このような画像特性は、色、彩度、およびグレースケールレベルを含むことができる。
【0031】
1つの実施形態において、プロセッサ21は、代表的ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含む。調整ハードウェア52は、概して、スピーカ45に信号を伝送するための、およびマイクロフォン46からの信号を受信するための、増幅器とフィルタとを含む。調整ハードウェア52は、代表的ディスプレイデバイス40内における個別の構成要素であってもよいし、またはプロセッサ21もしくはその他の構成要素の中に組み込まれてもよい。
【0032】
ドラバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データを、プロセッサ21から直接取得し、またはフレームバッファ28から取得し、その生画像データを、配列ドライバ22への高速伝送に適するように再フォーマットする。具体的に言うと、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ状のフォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることによって、データに、ディスプレイ配列30の走査に適した時間順序を付与する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報を配列ドライバ22に送信する。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、独立型の集積回路(IC)の形でシステムプロセッサ21と関連付けられることが多いが、このようなコントローラは、様々な形で実現することができる。例えば、ハードウェアの形でプロセッサ21に埋め込まれてもよいし、ソフトウェアの形でプロセッサ21に埋め込まれてもよいし、または配列ドライバ22をともなう形でハードウェアにまるごと組み込まれてもよい。
【0033】
通常、配列ドライバ22は、フォーマットされた情報をドライバコントローラ29から受信し、そのビデオデータを平行波長のセットに再フォーマットする。これらの平行波長のセットは、ディスプレイのx−yピクセル行列から引かれる何百本もの、ときには何千本ものリードに1秒当たり多数回印加される。
【0034】
1つの実施形態において、ドライバコントローラ29、配列ドライバ22、およびディスプレイ配列30は、本明細書において説明される任意のタイプのディスプレイに適している。例えば、1つの実施形態において、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(例:インターフェロメトリックモジュレータコントローラ)である。別の一実施形態において、配列ドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(例:インターフェロメトリックモジュレータディスプレイ)である。1つの実施形態では、ドライバコントローラ29が、配列ドライバ22に統合されている。このような一実施形態は、セルラー式電話、腕時計、およびその他の小面積型ディスプレイなどの高度に集積されたシステムでよく見られる。更に別の一実施形態では、ディスプレイ配列30は、通常のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(例:インターフェロメトリックモジュレータの配列を含むディスプレイ)である。
【0035】
入力デバイス48は、ユーザが、代表的ディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にする。1つの実施形態において、入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、タッチセンサ式画面、感圧式または感熱式の膜などを含む。1つの実施形態において、マイクロフォン46は、代表的ディスプレイデバイス40のための入力デバイスである。デバイスに対するデータの入力にマイクロフォン46が使用される場合は、代表的ディスプレイデバイス40の動作を制御するためにユーザによって音声命令を提供することができる。
【0036】
電源50は、当該分野において周知であるように、様々なエネルギ蓄積デバイスを含むことができる。例えば、1つの実施形態において、電源50は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池などの充電式電池である。別の一実施形態において、電源50は、再生可能なエネルギ源、コンデンサ、またはプラスチック太陽電池および太陽電池塗装を含む太陽電池である。別の一実施形態において、電源50は、壁コンセントから電力を受け取るように構成される。
【0037】
いくつかの実施形態では、上述のとおり、電子ディスプレイシステム内の複数個所に配置可能なドライバコントローラ内に、制御のプログラム可能性が備わっている。いくつかの実施形態では、配列ドライバ22内に、制御のプログラム可能性が備わっている。当業者ならば、上述された最適化が、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェアコンポーネント、ならびに様々な構成において実装可能であることを認識できる。
【0038】
上記の原理にしたがって動作するインターフェロメトリックモジュレータの構造の詳細は、様々に可変である。例えば、図7A〜7Eは、移動可能な反射層14およびその支持構造の、5つの異なる実施形態を示している。図7Aは、図1の実施形態の断面図であり、帯状の金属材料14が、直交する支持18上に堆積されている。図7Bにおいて、移動可能な反射層14は、その角部のみを、接続線32を介して支持18に取り付けられている。図7Cにおいて、移動可能な反射層14は、可撓性材料を含むことができる変形可能層34から吊り下げられている。変形可能層34は、その外周付近において、基板20に直接的にまたは間接的に接続している。これらの接続は、本明細書において支持構造と称され、隔離された支えもしくは柱、および/または連続した壁もしくはレールの形態をとることができる。図7Dに図示された実施形態は、変形可能な層34を上に載せた支持プラグ42を有する。移動可能な反射層14は、図7A〜7Cの場合と同様に、キャビティの上に吊り下げられた状態にとどまるが、変形可能層34は、自身と光学スタック16との間のホールを埋めることによる支柱の形成は行わず、その代わり、支柱18は、支柱プラグ42の形成に使用される平坦化材料で形成される。図7Eに示された実施形態は、図7Dに示された実施形態に基づくが、図7A〜7Cの任意の図に示された実施形態はもちろん図示されていないその他の実施形態でも機能するように適合させることができる。図7Eに示された実施形態では、バス構造44を形成するために、金属またはその他の導電性材料の追加層が使用されている。これは、インターフェロメトリックモジュレータの背後に沿った信号のルーティングを可能にする。これは、そうでない場合に基板20上に形成されなければならないはずの多くの電極を排除することができる。
【0039】
図7に示されたような実施形態では、インターフェロメトリックモジュレータは、モジュレータを配置される側と反対の側である透明基板20の前面から画像を見る直視型デバイスとして機能する。これらの実施形態では、反射層14は、自身を挟んで基板20と反対の側にある、変形可能層34を含む部分のインターフェロメトリックモジュレータを光学的に遮蔽する。これは、遮蔽された領域を、画質に悪影響を及ぼすことなく構成すること、および動作させることを可能にする。このような遮蔽は、アドレッシングおよびアドレッシングの結果として生じる移動などのモジュレータの電気機械的特性からモジュレータの光学特性を分離する能力を提供する図7Eのバス構造44を可能にする。この可分離式のモジュレータアーキテクチャは、モジュレータの電気機械的側面および光学的側面に使用される構造設計と構造材料とを、互いに独立に選択することおよび機能させることを可能にする。更に、図7C〜図7Eに示された実施形態は、変形可能層34によって反射層14の機械的特性から反射層14の光学的特性が切り離されることによる更なるメリットを有する。これは、反射層14に使用される構造設計および構造材料を、光学的特性に関して最適化することを可能にするとともに、変形可能層34に使用される構造設計および構造材料を、所望の機械的特性に関して最適化することを可能にする。
【0040】
特定の実施形態では、図7Aに示された移動可能な反射層14、または図7C〜7Eに示された機械層34と移動可能な反射層14との組み合わせなどの移動可能層に対し、追加の支持を提供すると望ましい場合がある。インターフェロメトリックモジュレータなどの光学的MEMSデバイスでは、移動可能層は、後ほど更に詳述されるように、反射性副層および機械的副層を含むことができる。このような支持は、個々のモジュレータ素子の縁に沿ってかつ/またはこのようなモジュレータ素子の内部に位置しうる一連の支持構造によって提供することができる。様々な実施形態において、これらの支持構造は、移動可能層の上または下のいずれかに位置することができる。代替の実施形態では、支持構造は、機械層の上方および下方の両方から支持を提供できるように、機械層内に形成された開口を通って伸びることができる。本明細書において使用される「リベット」という用語は、一般に、機械層に対して機械的支持を付与するために、通常は柱すなわち支持の領域の凹所内すなわちくぼみ内において、MEMSデバイスの機械層の上位にくるような、パターン形成された層を意味する。機械層の動きに安定性および予測可能性を加えるため、リベットは、常ではないものの、機械層の上位の羽を含むことが好ましい。同様に、機械層に対して機械的支持を付与するために、MEMSデバイス内の機械層の下位にくる支持構造は、本明細書において、通常、支「柱」と称される。本明細書の多くの実施形態において、好ましい材料は、有機レジスト材料に対する安定性のため、無機質である。
【0041】
このような支持構造の代表的な配置が、図8に示されている。図8は、MEMS素子の配列を図示したものである。特定の実施形態では、MEMS素子の配列は、インターフェロメトリックモジュレータの配列であってよいが、代替の実施形態では、MEMS素子は、移動可能層を有する任意のMEMSデバイスであることが可能である。図示された実施形態では下位の柱構造であるが他の実施形態では上位のリベット構造を含むことが可能である支持構造62は、移動可能層66の縁に沿ってと、この実施例ではインターフェロメトリックモジュレータ素子60であるMEMS素子の内部と、の両方に位置することがわかる。特定の支持構造は、隣り合う2枚の移動可能層66間のギャップ65にまたがるレール構造64を含むことができる。移動可能層66は、同じ列内の隣り合う複数の素子60を通って伸びる帯状の変形可能材料を含むことがわかる。レール構造64は、帯状の移動可能層66によって定められた上部電極に交差する行を定める下部電極と平行に走ることができる。支持構造62は、素子内すなわちピクセル60内の移動可能層66を補強する働きをし、レール構造64とあいまって上部電極と下部電極とを分離させ、上部電極が中で垂直に移動することができるキャビティを定める。
【0042】
これらの支持構造62は、モジュレータ素子60の周辺領域と比べて小さく作成されると有利である。支柱は、移動可能層66のたわみを抑制し、なおかつ一般に不透明であってよいので、支持構造62の下にあるとともに支持構造62を直に取り囲む領域は、ディスプレイのアクティブ領域として使用するのに不適切である。なぜならば、これらの領域内の移動可能層は、完全に作動された位置(例えば、図7Aの移動可能層14の下面の一部が光学スタック16の上面と接触する位置)へと移動することができないからである。これは、柱を取り囲む領域において望ましくない光学的効果を生じる可能性があるので、意図する色を褪せさせる可能性があるこれらの領域で過剰な反射を回避するためには、支持構造と視聴者との間に暗いすなわち「黒い」マスク層を提供すると有利である。
【0043】
特定の実施形態では、これらの支持構造は、移動可能層の上方および/または下方にある形状維持に有用な実質的に剛性の構造とともに、移動可能層内のくぼみを含むことができる。このような支持構造は、高分子材料で形成されてよいが、好ましくは、より剛性の大きい無機材料を使用することによって、高分子材料を含む類似の構造に勝る利点を提供することができる。
【0044】
例えば、高分子支持構造は、広い範囲の動作温度にわたって所望レベルの剛性を維持することができず、デバイスの寿命期間中に徐々に変形または機械的障害を生じる可能性がある。このような障害は、移動可能層と光学スタックとの間の距離に影響を及ぼす可能性があり、この距離は、インターフェロメトリックモジュレータ素子によって反射される波長を少なくとも部分的に決定するので、このような障害は、時間の経過または作動温度の変化とともに、反射される色のズレを生じる可能性がある。高分子材料で支持が形成される場合は、その他のMEMSデバイスも、時間の経過とともに類似の劣化を経験する。
【0045】
下位の支柱構造を含むインターフェロメトリックモジュレータ素子を形成するための1つのプロセスが、図9A〜9Jに関連して説明される。図9Aでは、透明なすなわち光透過性の基板70が提供されることがわかる。これは、例えば、ガラスまたは透明な高分子材料を含むことができる。次いで、透明な基板の上に、インジウムスズ酸化物(ITO)を含みうる導電層72が堆積され、導電層72の上に、クロムを含みうる部分反射層74が堆積される。1つの実施形態では、導電層72は、ITOを含んでよく、本明細書の以下の様々な箇所でそのように言及されるが、導電層72は、任意の適切な導電性材料を含んでよいこと、そして非光学的MEMS構造の場合は透明である必要はないことが理解される。同様に、部分反射層74は、ときにクロム層として言及されるが、任意の適切な部分反射層を含んでよく、非光学的MEMS構造の場合は省くことが可能である。
【0046】
導電層72および部分反射層74は、次いで、底部電極を形成するためにパターン形成およびエッチングを施される。底部電極は、行電極とも称され、図8の移動可能層66に交差するように(例えば垂直に)走るとともに、MEMS素子の行をアドレス指定するために使用される。導電層72および部分反射層74は、また、特定の実施形態では、支柱構造を配置される領域の下位のITOおよびクロムを除去するためにパターン形成およびエッチングを施され、図9Bに示されるように、開口76を形成することもできる。このパターン形成およびエッチングは、行電極を形成する場合と同じプロセスによってなされることが好ましい。支持構造の下位のITOおよびクロム(またはその他の導電性材料)の除去は、移動可能層などの上位の導電層と、底部電極との間における短絡のリスクを最小限に抑えるのに有用である。このため、図9Bおよび後続の図は、層72および層74によって形成されかつ隔離開口76をエッチングされた連続的な行電極を、これらの開口を通る線に沿って図示した断面図である。開口76を形成するための導電層72および部分反射層74のエッチングを施されなかったその他の実施形態では、後ほど説明される誘電層によって、底部電極と移動可能層との間の短絡に対抗する十分な保護を提供することができる。
【0047】
導電層72および部分反射層74は、フォトリソグラフィを通じてパターン形成するとともに、例えば市販のウェットエッチングを通じてエッチングすることができる。クロムのウェットエッチングは、酢酸(C2H4O2)の溶液および硝酸アンモニウムセリウム[Ce(NH4)2(NO3)6]の溶液を含む。ITOのウェットエッチングは、HCl、HClとHNO3との混合、または75%/3%/22%の割合のFeCl3/HCl/DIとH2Oとの混合を含む。開口76が形成されると、図9Cに見られるように、導電層72および部分反射層74の上に誘電層78が堆積され、光学スタック16が形成される。誘電層としては、多岐にわたる様々な適切な材料が使用されてよいものの、特定の実施形態では、誘電層は、SiO2またはSiNxを含むことができる。
【0048】
光学スタック16を形成する層の厚さおよび配置は、インターフェロメトリックモジュレータ素子が作動され(潰され)、移動可能層66を光学スタックと接触させたときに、該素子によって反射される色を決定する。特定の実施形態では、光学スタックは、移動可能層が作動位置にあるときに、インターフェロメトリックモジュレータ素子がほとんど可視光を反射させない(暗く見える)ように構成される。誘電層78の所望の厚さは、材料の屈折率と、潰された状態下でインターフェロメトリックモジュレータによって反射される所望の色と、の両方に基づいて可変であることが理解されるが、通常、誘電層78の厚さは、約450Åである。簡単のため、図中では平面的(誘電層78がスピンオンガラスである場合に実現可能である)なものとして描かれているが、誘電層78は、通常、層72,74で形成されたパターン形成された下部電極の上に形状的に合致する。
【0049】
図9Dに見られるように、次いで、誘電層78の上に、犠牲材料の層82が堆積される。特定の実施形態では、この犠牲層82は、具体的にはXeF2などフッ素をベースにしたエッチャントよってエッチング可能な材料で形成される。例えば、犠牲層82は、モリブデンまたは非晶質シリコン(a−Si)で形成することができる。他の実施形態では、犠牲層は、タンタルまたはタングステンを含むことができる。犠牲材料として有用なその他の材料には、シリコン窒化物、特定の酸化物、および有機材料が含まれる。堆積される犠牲層82の厚さは、光学スタック16と移動可能層66との間の距離を決定し、したがって、インターフェロメトリックギャップ19(図7Aを参照せよ)のサイズを定める。ギャップ19の高さは、非作動位置にあるときのインターフェロメトリックモジュレータ素子によって反射される色を決定するので、犠牲層82の厚さは、インターフェロメトリックモジュレータの所望の特性に依存して異なる。例えば、非作動位置にあるときに緑を反射するモジュレータ素子が形成される一実施形態では、犠牲層82の厚さは、およそ2000Åである。更なる実施形態では、異なる色を生成するために異なるサイズのインターフェロメトリックギャップが使用されるマルチカラーディスプレイシステムなどのように、MEMSデバイスの配列上の場所によって犠牲層の厚さが異なることが可能である。
【0050】
図9Eでは、テーパ開口86を形成するために、犠牲層82がパターン形成されエッチングされたことがわかる。開口86は、ITOの層72およびクロムの層74の中に切り込まれた開口76の上位に位置する。これらの開口86は、フォトリソグラフィを使用してマスクで犠牲層を覆い、次いで、ウェットエッチングまたはドライエッチングのいずれかを実施して犠牲材料の一部を除去することによって形成することができる。適切なドライエッチングは、SF6、CF4、およびCl2、あるいはこれらのガスと、O2、またはHeもしくはArなどの希ガスとの任意の混合を含むが、これらに限定されない。Moのエッチングに適したウェットエッチングは、リン酸、酢酸、硝酸、および脱イオン水の16:1:1:2の割合での混合であるPANエッチングを含む。非晶質シリコンは、KOHおよびHF硝酸塩を含むウェットエッチングによってエッチングすることができる。しかしながら、ドライエッチングは、テーパ開口86の形状をより良く制御することを可能にするので、犠牲層82のエッチングには、ドライエッチングが使用されることが好ましい。
【0051】
図9Fでは、無機柱層84がテーパ開口86の側壁および基底も覆うように、パターン形成された犠牲層82の上に、無機柱材料の層84が堆積される。特定の実施形態では、無機柱層84は、犠牲層82より薄く、犠牲層82の上に形状的に合致する。特定の実施形態では、無機柱層84は、シリコン窒化物(SiNx)またはSiO2を含むことができるが、多岐にわたる他の様々な材料も使用することができ、その一部は後ほど詳述される。
【0052】
図9Gにおいて、無機柱層84は、無機柱88を形成するために、パターン形成されエッチングされる。したがって、無機柱層84は、、犠牲層82を影響を受けない状態にとどめたまま無機柱層84のエッチングを可能にするように、下位の犠牲層82に対して選択的にエッチング可能であることが好ましい。しかしながら、もし、無機柱層84が犠牲層82に対して選択的にエッチング可能でない場合は、無機柱層84と犠牲層82との間にエッチング停止層(不図示)を提供することができる。
【0053】
図9Gでは、無機柱88の縁が、好ましくは、開口86のテーパ側壁、すなわち傾斜した側壁と同様にテーパ形状になることによって、上位の層の連続式でかつ形状合致式の堆積を容易にすることがわかる。図示された実施形態の柱構造88は、犠牲層82より薄い厚さを有しており、実質的に平坦な基底部分89と、傾斜した側壁部分87と、犠牲材料の一部の上に広がる実質的に水平な羽部分85とを含むことがわかる。このため、柱88は、上位の移動可能層66(図9Hを参照せよ)を支持するために、実質的に平坦な表面を柱の縁に提供することによって、もし移動可能層66がより平坦でない縁の上に堆積された場合に生じるであろう応力、およびその結果としての望ましくないたわみを、有利に最小限に抑えることができる。図9Hの柱88のような構造をどのようにしてテーパ状にするかに関する詳細は、図11A〜21に関連して後ほど述べられる。
【0054】
1つの実施形態では、無機柱層84およびその結果としての柱88は、ダイヤモンド状炭素(DLC)を含む。DLCの無機柱層84は、極めて硬質で堅い(SiO2のおよそ10倍の硬さである)だけでなく、O2ドライエッチングでエッチングすることができる。O2ドライエッチングは、Moおよびa−Siの犠牲材料ならびに上述されたその他の犠牲材料を含むがこれらに限定されない多岐にわたる様々な犠牲材料に対して高選択性である点で有利である。このため、DLCを含む無機柱は、多岐にわたる様々な材料に対して比較的害のないエッチングの使用を可能にする一方で、非常に堅い柱を提供することによって、上位の移動層または機械層がMEMS動作中に下方に引っ張られた際に支柱88の縁が下方にたわむ可能性および量を低減させる。
【0055】
図9Hでは、エッチングされた犠牲層82の上に、移動可能層66(例えば、図7Aの移動可能な反射層14を参照せよ)を形成する構成要素が堆積され、テーパ開口86を縁取りすることがわかる。図9Hの実施形態では、先ず、ミラーまたはミラー層とも称される高反射性の層90が堆積され、次いで、機械層92が堆積される。高反射性の層90は、広い波長スペクトル領域において高い反射性を有するというその特性ゆえに、アルミニウムまたはアルミニウム合金などの鏡面反射性の金属で形成することができる。機械層92は、NiおよびCrなどの金属を含んでよく、残留引っ張り応力を含有するように形成されることが好ましい。残留引っ張り応力は、モジュレータが非作動状態にある、すなわち「解放されている」ときに移動可能層66を光学スタック16から引き離す傾向がある、機械的な力を提供する。便宜のため、高反射性の層90と機械層92との組み合わせは、移動可能層66として総称される。ただし、本明細書において使用される移動可能層という用語は、図7Cの機械層34および移動可能な反射層14など、部分的に分離された機械層および反射層をも範囲に含むことが理解される。
【0056】
犠牲層をXeF2エッチングによって「リリース」エッチングする一実施形態では、反射層90および機械層92の両方がXeF2エッチングに対して耐性を持つことが好ましい。もし、これらの層のいずれかが耐性を持たない場合は、リリースエッチングに暴露されるその非耐性の層の表面を保護するために、エッチング停止層を使用することができる。同様に、柱88は、リリースエッチングに対して耐性を持つことが好ましいか、あるいはエッチング停止層によって保護される。また、柱88の縁のテーパ形状は、反射層90および機械層92の形状合致式の堆積を容易にすることがわかる。このテーパ形状がないと、開口86の外の表面上および開口86の内部において実質的に均一の厚さを有するようにこれらの層を堆積することは困難であろう。
【0057】
代替の一実施形態では、移動可能層66は、高反射性であるとともに所望の機械的特性を有する単一の層を含むことができる。しかしながら、2枚の別々の層を堆積すれば、移動可能層66内の唯一の材料としての使用には不適切であるかもしれないが反射性は高いような材料を選択することが可能になり、同様に、反射特性にこだわることなく(いくらかの可撓性および固有張力を有する)適切な機械層を選択することも可能になる。更なる実施形態では、移動可能層は、曲がらずに垂直に平行移動可能であるように電気層および機械層から大きく切り離された反射性副層であることが可能である(例えば、図10A〜10F、およびそれらの付随の説明を参照せよ)。
【0058】
形成されるMEMSデバイスが非光学的MEMSデバイス(例えばMEMSスイッチ)を含むような他の実施形態では、移動可能層66は、反射性材料を含む必要がないことが理解される。例えば、本明細書で説明された支持構造を含むMEMSスイッチなどのMEMSデバイスが形成される実施形態では、移動可能層66の下面は、反射性である必要がなく、機械的特性またはその他の所望の特性のみに基づいて選択された単一の層を有利に含むことができる。
【0059】
次に、図9Iでは、犠牲層の「リリース」エッチングを容易にするために、フォトリソグラフィを使用することによって、犠牲層82の一部を露出させるエッチングホール100を形成するための機械層92のパターン形成ならびに移動可能層66(すなわち機械層92および反射層90)のエッチングを行う。特定の実施形態では、犠牲層を露出させるために、複数のエッチングが用いられる。例えば、もし機械層92がニッケルを含み、反射層90がアルミニウムを含む場合は、機械層92をエッチングするためにHNO3を使用し、反射層90をエッチングするためにリン酸、またはNH4OH、KOH、THAM、もしくはNaOHなどの塩基を使用することができる。このパターン形成およびエッチングは、また、帯状の移動可能層66の間にギャップ65(図8を参照せよ)をエッチングし、MEMSデバイスの列どうしを互いに分離することによって、図8に見られるような帯状電極を定めるためにも使用することができる。
【0060】
最後に、図9Jでは、犠牲層を除去し、移動可能層66が中で移動することができるインターフェロメトリックギャップ19を形成するために、リリースエッチングが実施されることがわかる。特定の実施形態では、犠牲層82を除去するために、XeF2エッチングが使用される。XeF2は、好ましい犠牲材料をよくエッチングし、上述されたプロセスで使用されるその他の材料に対して極めて選択性であるので、XeF2エッチングの使用は、周囲の構造にほとんど影響を及ぼすことなく有利に犠牲材料の除去を可能にする。
【0061】
上述されたように、MEMSデバイスの特定の実施形態は、より具体的にはインターフェロメトリックモジュレータは、機械層から部分的に切り離された反射層を含む移動可能層を含む。図10A〜10Fは、このようなMEMSデバイス内において、移動可能層の下位に別個のミラー構造を形成するための、代表的なプロセスを示している。図示された実施形態において、MEMSデバイスは、インターフェロメトリックモジュレータである。このプロセスは、例えば、光学スタックが堆積され、更にその上に犠牲層が堆積される、図9A〜9Dに関連して説明されたステップを含むことができる。
【0062】
図10Aでは、犠牲層82の上に、反射層90が堆積されることがわかる。特定の実施形態では、反射層90は、反射性材料の単一の層を含むことができる。他の実施形態では、反射層90は、反射性材料の薄層と、犠牲材料の薄層の上位にあるより剛性の材料の層(不図示)と、を含むことができる。この実施形態の反射層は、上位の機械層から部分的に切り離されるので、反射層90は、たとえ部分的に切り離された場合でも光学スタック16に対して実質的に平坦な姿勢を維持できるように、十分な剛性を有することが好ましく、このような所望の剛性は、光学スタックから遠い側の反射層上に補強層を含ませる手法を使用して提供することができる。
【0063】
図10Bにおいて、図10Aの反射層90は、パターン形成されたミラー層200を形成するために、パターン形成される。1つの実施形態では、パターン形成されたミラー層200は、支持構造の位置に相当する(が支持構造より広いまたは狭い)開口を中に形成された連続した層を含む。別の一実施形態では、パターン形成されたミラー層200は、互いに切り離された複数の反射区域を含むことができる。
【0064】
図10Cでは、パターン形成されたミラー層200の上に、第2の犠牲層196が堆積される。好ましくは、第2の犠牲層196は、第1の犠牲層82と同じ材料で形成される、または第1の犠牲層82と同じエッチングによって周囲の材料に対して選択的にエッチング可能である。
【0065】
図10Dでは、第2の犠牲層196および第1の犠牲層82の両方を通って伸びるテーパ開口86が形成される。また、図35Dでは、パターン形成されたミラー層200の上位にある第2の犠牲層196の一部の中に、パターン形成されたミラー層200の少なくとも一部を露出させる開口208が形成されることもわかる。
【0066】
図10Eでは、パターン形成された犠牲層196,82、およびパターン形成されたミラー層200の露出部分の上に、機械層92が堆積される。具体的に言うと、機械層92は、機械層92と、パターン形成されたミラー層220と、を接続するコネクタ部分222が形成されるように、開口208(図10Dを参照せよ)を、少なくとも部分的に満たすことがわかる。
【0067】
図10Fでは、第1の犠牲層82および第2の犠牲層196の両方を除去するリリースエッチングが実施されることによって、パターン形成されたミラー層200と光学スタックとの間にインターフェロメトリックギャップ19が形成される。したがって、パターン形成されたミラー層200をぶら下げた機械層92を含む移動可能層66を含む光学的MEMSデバイスであって、パターン形成されたミラー層200を機械層92から部分的に切り離された光学的MEMSデバイスが形成される。この光学MEMSデバイスは、図7Cに関連して説明されたような、または本出願全体を通して他の箇所で説明されたような、インターフェロメトリックモジュレータであることが可能である。非光学的MEMSの場合、ぶら下げられた上部電極は、反射性である必要がない。
【0068】
図10Fの実施形態において、パターン形成されたミラー層200は、内曲した縁表面を有すると望ましくない。なぜならば、もし、内曲した縁表面で入射光が反射され、視聴者へと返されると、ミラー層のアンダカットによって、望ましくない光学効果がもたらされる可能性があるからである。パターン形成されたミラー層200は、パターン形成されたミラー層200によって反射されるあらゆる光が均一な方向に反射されるように、平坦な下面を含むことが望ましい。パターン形成されたミラー層200に、アンダカットがほとんどない実質的に平坦な表面を確実に持たせるための、1つの方法は、ミラー層を、パターン形成されたミラー層がテーパ縁を含むようにエッチングすることである。また、もし、パターン形成されたミラー層200がテーパ縁を含むならば、第2の犠牲層およびその他の上位層(例えば機械層)を、パターン形成されたミラー層200の上に形状的に合致するように、より高い信頼度で堆積することが可能になり、より尖った90度の角部において、厚さの不均一および応力が形成されるリスクが低減される。
【0069】
したがって、パターン形成された層の上に形状的に合致するように上位の層を堆積したい場合、または内曲したプロファイルを回避することが望ましい場合を含む、MEMSデバイス全体を通した様々な位置でテーパ縁を形成することが、しばしば望まれている。以下では、このようなテーパ縁を形成するための、いくつかの方法が述べられる。これらの方法は、主に、図9A〜9Jに関連して上述された柱の実施形態に関して説明されているものの、(図10A〜10Fのミラー層200のパターン形成などで)その他の構造および方法の使用も考えられ、以下の構造および方法の変更を通じて実現することができる。特定の実施形態において、これらのプロセスは、所望の構造を形成するために層をパターン形成することと、その構造の縁をテーパリングすることとを含む。これらは、ときに、2つの別個の工程として説明されるが、パターン形成およびテーパリングは、しばしば単一の工程を構成することが理解され、そして、更なる実施形態では、必要とされるパターン形成およびテーパリングを同時に行えるように、構造のパターン形成中に部分的なテーパリングが生じることが理解される。
【0070】
図11A〜図11Bに関連して説明される1つの実施形態では、所望のテーパ形状を有するエッチングを実現するために、エッチング誘導層が使用される。図11Aでは、犠牲層82の上に、無機柱材料の層84が堆積されたことがわかる。柱層84の上に、エッチング誘導層270が堆積され、無機柱を形成される予定の領域の上に、マスク272が形成される。この実施形態では、エッチング誘導層は、特定のエッチングについて、下位の材料と比べて、すなわち例示された実施形態では柱材料84と比べて速いエッチング速度を有する材料であるように選択される。特定の実施形態では、柱層84は、SiO2またはSiNxを含むことができる。エッチング誘導層は、低温で堆積された、下位の層より大幅に多孔性にされた、SiNx層内の窒素の組成を異ならせて堆積された、およびとりわけ酸素または窒素に富むように形成された、SiO2層またはSiNx層を含む、多岐にわたる様々な材料を含むことができる。同様に、水素に富むSiNx層が使用されてもよいし、あるいは低温でSiNxの層が堆積されてもよい。HF/HNO3エッチングが使用される場合は、SiがSiO2より速くエッチングされ、HF+H3PO4エッチングが使用される場合は、AlがSiO2より速くエッチングされる。また、HF/HNO3エッチングまたはHF/HNO3/H3PO4エッチングが使用される場合は、MoがSiO2より速くエッチングされる。SiNxのエッチングでは、通常、BHFが使用されるが、その他の適切なエッチャントを使用することもできる。無機柱層84の組成に応じて、多岐にわたる他の様々なエッチングおよびエッチング誘導層を使用することができる。使用されるエッチャントに応じて、マスク272は、例えば、Niなどのハードマスク、またはフォトレジストマスクとして形成することができる。具体的に言うと、ウェットエッチングが使用される場合は、マスク272は、ハードマスクを含むことができる。
【0071】
図11Bは、好ましくは等方性エッチャントであるエッチャントに暴露された後の、図11Aの実施形態を図示している。図からわかるように、エッチング誘導層270は、柱層84と比べて速くエッチングされ、柱層84の上部および側部の両方をエッチャントに暴露させている。柱層84は、上方および側方の両方からエッチングされるので、このエッチングによって、テーパ側面が形成されている。続いて、マスク272および残留エッチング誘導層270の一方または両方を、除去することができる(不図示)。
【0072】
図11A〜図11Bの構造および方法は、テーパ縁を有するパターン形成されたミラー層を形成する場合における使用に適用することができる。1つの実施形態では、図11A〜11Bの無機柱層84を、アルミニウムの層で置き換え、エッチング誘導層270を、例えば、より高い速度でエッチングされるように堆積されたアルミニウムの層にすることが可能である。これは、エッチング誘導層の堆積を、下のアルミニウム層の堆積より高い圧力で行うことを通じて実現することができる。代替の一実施形態では、エッチング誘導層は、アルミニウムより速いエッチング速度を有するアルミニウム合金を含むことができる。更に他の実施形態では、所望の機械的特性と、アルミニウムより高いエッチング速度と、を有する任意の適切な材料を使用することができる。
【0073】
上記の実施形態の一変更形態が、図12A〜図12Bに関連して説明される。該変更形態は、図11Aの工程を含む。この実施形態において、エッチング誘導層270および下位の層(図示された実施形態では、無機柱材料84である)は、互いに対して選択的にエッチング可能である。図12Aでは、エッチング誘導層270が、第1の(好ましくは等方性)エッチングを通じて柱層84に対して選択的にエッチングされ、柱層84の上部を露出させたことがわかる。図12Bでは、柱層84を上方および側方の両方からエッチングするために、第2の(好ましくは等方性)エッチングが使用され、その結果、図に見られるテーパ縁が得られた。テーパ形状の角度は、第1のエッチングがエッチング誘導層270をどの程度除去可能であるか、および第2のエッチングがどれくらいの速度でマスク272と柱層84との間の空間内へと拡散するか、の両方によって制御することができる。もし、第2のエッチングがエッチング誘導層270をアンダカットするような形で柱層84をエッチングするならば、望ましくないオーバーハング部分をともなわないテーパ縁が形成されるように、エッチング誘導層270のオーバーハング部分を除去するための第3のエッチングを実施することができる。第3のエッチングは、第1のエッチングと同じエッチングを使用可能である。
【0074】
図12A〜図12Bの構造および方法も、テーパ縁を有するパターン形成されたミラー層を形成する場合における使用に適用することができる。1つの実施形態では、図12A〜12Bの無機柱層84を、アルミニウムの層で置き換え、エッチング誘導層270に、例えば、アルミニウムに対して選択的にエッチング可能なニッケルの層を含ませることが可能である。先ずは、アルミニウム層に対して選択性のHNO3ウェットエッチングを介するなどして、ニッケルのエッチング誘導層をエッチングすることができる。次いで、ニッケル層に対して選択性のH3PO4ウェットエッチングを介して、アルミニウム層をエッチングすることができる。もし必要であれば、テーパアルミニウム層の上に張り出したあらゆるニッケル層部分を除去するために、続いて、HNO3エッチングが実施される。
【0075】
上述されたように、無機柱層をエッチングした後は、エッチング誘導層およびマスクの一方または両方を除去することができる。更なる一実施形態では、エッチング誘導層を単一のプロセス内でエッチングまたはその他の手法によって除去することができるように、エッチング誘導層として、本明細書で説明された任意の実施形態のエッチング誘導層を選択することができる。具体的な一実施形態では、エッチング誘導層は、PMGIまたはPMMAなどの高分子材料であり、マスクは、フォトレジストマスクである。アンダカットは、フォトリソグラフィプロセス中に実現可能であり、余分なエッチング工程は不要である。この実施形態では、PRマスクおよび高分子エッチング誘導層の両方を(第1のエッチングと異なる)単一のエッチングによって除去することができ、これは、製造プロセスを簡略化する。
【0076】
別の一実施形態では、エッチング誘導層を別途用いるのではなく、層84の上部が層84の下部よりも高速でエッチングされるように、層84内の高さに応じて特性が異なるような柱層84を堆積することによって、所望のテーパ形状を実現することができる。図13は、このような一実施形態を図示している。ここで、層84の特性は、層84がテーパ形状にエッチングされるように、層の形成(例えば堆積)の最中に変化されている。このような変化する特性は、複数の方法で実現することができる。例えば、後に堆積される材料ほど、特定のエッチングによってより高速でエッチング可能な組成を有するように、プラズマCVDの最中に、ガス、電力、および/または圧力などのプロセス条件を変化させる(厚さとともに段階的に変化させる)ことができる。この変更は、スパッタエッチングプロセスの使用中にも実現することができる。
【0077】
同様に、図14からわかるように、特性が僅かずつ異なる複数の層の堆積によって、特性が変化する単一の無機柱材料の層84を近似することができる。この実施形態では、3枚の別々の層84a,84b,84cが製造される。これらは、特定のエッチャントに暴露された際に、層84b,84cが層84aより速いエッチング速度を有し、層84cが層84bより速いエッチング速度を有するように製造される。様々な実施形態では、このような階層化された柱層を形成するために、厚さが変化するまたは厚さが均一の、4枚以上または2枚以下の層を堆積することができる。上述されたように、各層の所望の相対エッチング速度を実現するため、様々な柱層の堆積間で、CVDまたはスパッタエッチングプロセスの様々な特性を変更することができる。このプロセスは、また、ミラー層またはその他の任意の層の堆積にも適用することができる。
【0078】
別の一実施形態では、図15に示されるように、柱層84の上に、柱層84との間の接着を意図的に弱くする形でマスク層272を堆積することができる。柱層84のエッチング中、マスク272は、柱層84から引き離され、柱層84を側方はもちろん上方からもエッチング可能にして所望のテーパ形状を形成する。柱層84をエッチングするために使用されるエッチングは、好ましくは、ウェットエッチングまたは等方性ドライエッチングである。レジストの接着は、例えば、マスク272のベーキング温度を下げることによって、あるいはレジスト272またはその他のマスク材料との接着を低減させるように柱層84の上面を化学的に処理することによって、製造プロセス中に変更することができる。このプロセスは、また、ミラー層またはその他の任意の層のエッチングにも適用することができる。
【0079】
更に別の一実施形態では、無機柱層の上にフォトレジストマスクを堆積すること、および連続するエッチングプロセスおよびアッシングプロセスを使用してフォトレジストマスクの一部を徐々に除去して階段状の構造を形成することを通じて、テーパ縁を近似することができる。図16A〜16Dは、図9Jの柱などの無機構造の縁にこのような階段パターンを形成する一方法を示している。図16Aでは、柱材料の層84と犠牲層82との間にエッチング障壁層280が形成されたことがわかる。次いで、柱層84の上に、マスク層282が堆積される。
【0080】
図16Bでは、柱層84の露出部分を除去するために、エッチングが実施される。図示された実施形態に示されるように、このエッチングは、露出した柱層84の一部のみを除去してよいが、その他の実施形態では、第1のエッチングは、柱層の露出部分全体をエッチングしてエッチング停止層280で停止することができる。
【0081】
図16Cでは、アッシングプロセスなどによってマスク282の一部が除去され、新たに露出された柱層84の別の部分を除去するために別のエッチングが実施される。このプロセスは、次いで、図36Dに示されるように、柱層84が特定の場所でエッチング障壁層282に達するまでエッチングされるまで繰り返される。こうして、テーパ縁を近似した階段状のプロファイルの縁を有する無機柱290を製造することができる。連続するエッチングおよびアッシング(またはその他のマスク減少もしくはマスク縮小)の工程は、任意の適切な数だけ使用できるものの、1つの実施形態では、このような工程の三度の反復によって、テーパ縁を許容レベルで近似することができる。
【0082】
この反復するエッチングおよびアッシング(またはその他のマスク減少もしくはマスク縮小)のプロセスは、また、ミラー層のエッチングにも適用することができる。1つの実施形態では、ミラー層がマスクで覆われ、ミラー層の露出部分をエッチングするために第1のエッチングが使用される。ここで、第1のエッチングは、H3PO4エッチングであってよい。マスクは、次いで、部分的にアッシングされ、先立ってエッチングされなかった部分のミラー層を露出させる。ミラー層は、次いで、第2のエッチングを通じてエッチングされる。第2のエッチングは、特定の実施形態では、第1のエッチングを同じであってよく、その他の実施形態では、TMAHエッチングなど、下位の犠牲層またはエッチング停止層に対してより選択性であることが可能な異なるエッチングであってよい。
【0083】
別の一実施形態では、テーパ縁を有するパターン形成されたミラー層を形成するために、代替の一反復エッチングプロセスを使用することができる。図17Aでは、第1の犠牲層82の上に反射層90が堆積されたこと、そして反射層90の上にエッチング誘導層290、次いでフォトレジストマスク292が堆積されたことがわかる。この例示された実施形態において、エッチング誘導層290は、犠牲層82もエッチングするエッチング(例えばフッ素を含有するものなど)によってエッチング可能であり、より具体的には、例えばモリブデンなど、犠牲層と同じ材料を含むことができる。
【0084】
図17Bでは、アルミニウムおよびモリブデンの両方をエッチングするPANエッチングの使用などによって、反射層90が部分的にエッチングされている。ただし、下位の犠牲層82は、このエッチングでは露出されなかったことがわかる。図17Cでは、H3PO4エッチングなど、犠牲材料に対して選択性のエッチングを使用して、露出した残りの反射層90がエッチングされている。犠牲材料を大幅にエッチングするエッチングに下位の犠牲材料を暴露しないことによって、反射層90のアンダカットが回避され、所望のテーパ形状が得られる。
【0085】
図17Dでは、マスク292が剥離されている。図17Eでは、SF6/O2エッチングなど、反射層90に対して選択性のエッチングによって、エッチング誘導層290が除去されている。このエッチングによって、下位の犠牲材料92の一部が除去される可能性があるが、これは、パターン形成された反射層90のテーパ形状に影響しない。なぜならば、このエッチングは、反射層90に対して選択性であり、反射層90を下からエッチングすることはないからである。
【0086】
テーパ縁を形成するための上記の方法は、主に、柱の縁の成形に関連して述べられてきたが、これらの方法は、具体的には支持領域内にテーパ開口を開ける場合などのように、電極層または犠牲層など開示されたMEMSデバイス内のその他の層の縁をテーパ状に形成するように変更し、適用することが可能である。また、本明細書で開示され説明されたプロセスは、テーパ縁を含むように層をエッチングすることによってメリットを得られる限り、いつでも、これらの工程を組み込むように変更することが可能である。これらのプロセスは、また、開示されたインターフェロメトリックモジュレータなどのMEMSデバイスを形成するためのその他の方法とあわせて利用することも可能である。
【0087】
層上にテーパ縁を形成するのにあわせ、またはそれに代わり、層の縁におけるステップ・カバレージ(回り込み率段、差部における膜の被着状態)を向上させるいくつかの代替の方法によって、上位の層の堆積を促進することも可能である。特定の実施形態では、堆積される材料の一部または全部が斜めに堆積されるように、スパッタ堆積にバイアスをかけ、角部におけるカバレージをより良くすることによって、段差をテーパリングする必要を減らすことができる。別の一実施形態では、これらの層を上に堆積される基板を、ターゲット構造に対して斜めに傾けることができ、更なる実施形態では、堆積の最中に回転させることができる。別の一実施形態では、スパッタ堆積において使用されるターゲット構造の特定の部分が、材料を上にスパッタリングされる基板に対して所望の角度となるように、そのターゲット構造のプロファイルを最適化することができる。更に別の一実施形態では、層を上に堆積される基板を、前後に揺らすことができる。
【0088】
本明細書で説明されるプロセスでは、スパッタエッチングを有利に用いることもできる。上述されたように、別の層を上に堆積される表面を粗面化および洗浄するのに加えて、スパッタ堆積にあわせてスパッタエッチングを使用することもできる。1つの実施形態では、必要より厚い層を堆積し、次いで、所望の厚さまでスパッタエッチングすることによって、(例えば角部を丸めるなどによる)より滑らかな層を提供する。更なる一実施形態では、スパッタエッチングと堆積とを入れ替えることができる。また、導電基板上、導電層上、または導電サポート(例えばチャック)上の基板上におけるステップ・カバレージを向上させるために、バイアススパッタリングを使用することもできる。また、原子層成長(ALD)、大気圧化学気相成長(AP−CVD)、低圧化学気相成長(LP−CVP)、高密度プラズマ化学気相成長(HDP−CVD)などのその他の堆積プロセスが使用されても良く、これらの堆積プロセスは、更なる実施形態では、バイアスを含むように変更することができる。これらの方法のいずれも、ステップ・カバレージを向上させるために、本明細書で説明された任意のプロセスとあわせて使用することができる。更に、特定の実施形態では、これらの方法の使用は、層上にテーパ縁を形成する必要を低減させるもしくは排除する、またはテーパ縁による利点を増補することができる。
【0089】
その他の実施形態では、インターフェロメトリックモジュレータの製造中に所望の層を形成するために、リフトオフプロセスを用いることができる。図18A〜18Cに関連して説明される1つの実施形態では、移動可能層に隣接して所望の支持構造を形成するために、より具体的には移動可能層の下位に支柱構造を形成するために、リフトオフプロセスを用いることができる。このリフトオフプロセスは、所望のテーパ形状を有する無機柱などの層の堆積を可能にし、これは、上位の層の堆積を容易にする。また、このプロセスは、下位の材料に対して柱材料を選択的にエッチングする必要を排除することができる。図18Aでは、テーパ開口86を形成するために、犠牲材料の層82がパターン形成されエッチングされたこと、および開口86の縁まで達しないように負の角度の縁を有するようなマスク222が、犠牲層82の上に堆積されたことがわかる。特定の実施形態では、このマスク222は、フォトレジスト材料を含む(そして、具体的な一実施形態では、負の角度の形成を容易にするために、二層フォトレジストであることが可能である)が、これは、ハードマスクであってもよい。具体的な一実施形態では、マスク222は、犠牲層82のパターン形成に使用されるフォトレジストを含むことができる。
【0090】
図18Bでは、マスク222の上に、柱材料の層84が堆積されたことがわかる。マスク222の負の角度は、柱材料84を、堆積に対する影効果ゆえにテーパ縁を有する所望の無機柱188の形状に堆積する結果となる。マスク222の厚さ、および負の角度の大きさに応じて、マスク222の形状は、マスク222の上方の柱材料84と、無機柱を形成する柱材料84との間に、有利にギャップを生じる結果となる。この実施形態では、マスク222は、堆積される材料より有利に厚く、これは、エッチャントまたはアッシング化学剤によるマスク222へのアクセスを可能にしている。柱材料は、マスク222上位の望ましくない材料部分のリフトオフを阻むような、マスク222の下側における材料の堆積を回避できるように、物理的気相成長(例えば蒸発またはスパッタリングのプロセス)を通じて堆積されることが好ましい。しかしながら、もし、このような接続部分が形成され、例えば、柱層84の堆積にCVDプロセスが使用された場合は、これらの接続部分を壊すために、超音波エネルギを使用することができる。なぜならば、マスクのオーバーハングの下の影領域における厚さは、一般に、柱層84の厚さと比べて薄い傾向があるからである。
【0091】
図18Cでは、マスク222を除去するために、リフトオフプロセスが使用され、これは、マスク222の上位の柱材料84も同時に除去したことがわかる。このリフトオフプロセスは、ウェットエッチング、またはガス性もしくは蒸気性のエッチングなど、マスク222を除去するためのエッチングを含むことができる。リフトオフプロセスは、また、既に付着していない材料を除去するために、リンクルベイキングおよびすすぎのプロセスを含むこともできる。製造プロセスは、上記のように、後続する移動可能層の堆積、パターン形成、およびMEMSデバイスのリリースを更に含む。
【0092】
移動可能層の上位にリベット構造を形成するためにも、類似のリフトオフプロセスを用いることができる。具体的に言うと、図18A〜18Cのプロセスは、マスクの堆積に先立って、パターン形成された犠牲層の上に移動可能層(移動可能層66など)を堆積するように、変更することができる。次いで、マスクの上に、所望のリベット材料が堆積され、マスクは、次いで除去され、余分なリベット層をリフトオフしてリベットを形成する。上記のように、これは、リベット層を下位の機械層に対して選択的にエッチングする必要を排除できる点で有利である。したがって、リベット層と機械層との間にエッチング障壁層を設ける必要がなく、機械層と同じ材料でリベットを形成することができる。
【0093】
1つの実施形態では、下位のリフトオフ材料層とあわせてフォトレジストマスクを使用することによって、負の角度を有するマスク222を形成することができる。図19A〜19Cは、このようなマスクを形成するためのプロセスを示している。図19Aでは、下位の層226(例えば犠牲層であってよい)の上に、リフトオフ材料の層224が堆積され、該リフトオフ層224の上に、フォトレジスト材料の層228が堆積されたことがわかる。図19Bでは、下位のリフトオフ層224のエッチングを可能にする開口229を形成するために、フォトレジスト材料228がパターン形成され、選択的に除去されている。
【0094】
図19Cでは、上記のように、フォトレジスト228の下で側方にくぼませ、負の角度を有する縁、すなわちオーバーハングをともなう空洞230を形成するために、いくらかの等方性をもって、リフトオフ層224が選択的にエッチングされたことがわかる。この負の角度は、例えば、リフトオフ層224を選択的にオーバーエッチングすることによって実現することができる。1つの実施形態では、リフトオフ層224は、ポリイミドリリース層を含む。1つの実施形態では、リフトオフ層224は、それ自体がフォトパターン形成可能であることができる。1つの実施形態では、リフトオフ層224は、現像によってアンダーカットを形成される二層フォトレジストであることができる。先立って図18に示された1つの実施形態では、マスク222は、フォトレジストマスクとあわせたリフトオフ層ではなく単一のリフトオフ層で形成することができる。
【0095】
リフトオフプロセスは、図示されたインターフェロメトリックモジュレータなどのMEMSデバイスのための支持を製造する最中に、その他の所望の形状を形成するために用いることができる。図20に関連して説明される別の一実施形態では、犠牲層82内にテーパ開口を形成するために、リフトオフプロセスが用いられる。この実施形態では、犠牲層82の堆積に先立って、先ず、光学スタック16の上にマスク222が形成される。図からわかるように、このマスク222は、堆積される犠牲層82の形状を制御する負の角度を含む。やはり図20に関連して、犠牲材料の層82は、基板上に位置する犠牲材料が、マスク222およびその上位の犠牲材料のリフトオフ時に所望のテーパ開口をともなう形状を呈するように、堆積されたことがわかる。
【0096】
図21に関連して説明される別の一実施形態では、隔離電極部材を形成するために、リフトオフプロセスが使用される。ここで、隔離電極部材は、光学的MEMSを含む一実施形態ではミラーであってよい。この実施形態は、図9A〜9Dの工程を含む。図21では、犠牲層82の上に、マスク222が堆積されること、マスク層222が、その側辺に沿って内曲プロファイルを有すること、およびマスク層222の上に、次いで、反射材料の層90が堆積されることがわかる。マスク222は、後の工程で、その上位の部分の反射層90とともにリフトオフプロセスによって除去され、この実施形態ではミラーである隔離電極部材を形成する。製造プロセスは、図10C〜10Fに関連して述べられたように続行することができる。
【0097】
上記の実施形態は、様々に組み合わせ可能であることが理解される。上述された方法は、その他に様々な組み合わせが考えられ、発明の範囲内に含まれる。また、上記のどの方法によって形成された構造も、MEMSデバイス内に構造を形成するその他の方法と組み合わせて用いられてよいことが理解される。
【0098】
また、上記の実施形態において、層の順番およびこれらの層を形成する材料は、例示的なものに過ぎないことが認識される。更に、いくつかの実施形態では、MEMSデバイスの部分を形成するために、または基板上のその他の構造を形成するために、図示されていない他の層の堆積および処理を行うことが可能である。当業者には知られているように、他の実施形態では、これらの層は、堆積、パターン形成、およびエッチングに関して代替の材料およびプロセスを使用して形成したり、異なる順序で堆積したり、または異なる材料で構成したりすることが可能である。
【0099】
また、文言によって具体的に明記されていない限り、本明細書に記載されたどの方法の行為または実施も、実施形態に応じて、他の順序で実施したり、追加したり、まとめたり、または完全に省略したりすることが可能である(例えば、必ずしも全ての行為または実施が方法の実施に必要であるとは限らない)。
【0100】
上記の詳細な説明は、本発明の新規の特徴を、様々な実施形態に照らして図示、説明、および指摘してきたが、当業者ならば、例示されたデバイスまたはプロセスの形態および詳細について、本発明の趣旨から逸脱することなく様々な省略、置換、および変更をなせることが、理解されるであろう。特徴のいくつかは、他の特徴と別個に使用または実施することができるので、本発明は、本明細書に明記された特徴およびメリットの全てを提供するのではない形態の範囲内で実現可能であることがわかる。
【符号の説明】
【0101】
16 光学スタック
70 基板
82 犠牲層
84 柱層
86 開口
188 無機柱
222 マスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MEMSデバイスを製造する方法であって、
基板の上に電極層を形成する段階と、
前記電極層の上に犠牲層を形成する段階と、
前記犠牲層を通って伸びる少なくとも1つのテーパ開口を形成するために、前記犠牲層をパターン形成する段階と、
前記犠牲層を通って伸びる前記テーパ開口の上位の開口を含むマスク層を形成する段階であって、前記マスク層は、前記マスク層内の前記開口の周囲に広がるオーバーハング部分を含む、段階と、
前記マスク層の上に支持層を堆積する段階と、
リフトオフプロセスを通じて前記マスク層を除去することによって、前記犠牲層を通って伸びる前記テーパ開口内に少なくとも部分的に位置する支持構造を形成する段階と、
前記支持構造に隣接して移動可能層を形成する段階と、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記支持構造は、テーパ縁を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記支持層は、前記犠牲層を通って伸びる前記テーパ開口の側壁の上に直接堆積される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、更に、
前記犠牲層を除去するためにリリースエッチングを実施し、前記電極層と前記移動可能層との間に位置するエアギャップを形成する段階を備える方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記移動可能層を形成する段階は、
前記犠牲層の上に反射性副層を形成することと、
前記反射性副層の上に機械的副層を形成することと、
を含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記MEMSデバイスは、インターフェロメトリックモジュレータを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記移動可能層は、前記支持構造を形成した後に形成される、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記マスク層は、フォトレジスト材料を含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記マスク層は、二層フォトレジストを含む、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法であって、
前記マスク層を形成する段階は、
リフトオフ材料の層を堆積することと、
フォトレジスト材料の層を堆積することと、
前記フォトレジスト材料を通って伸びる上部開口を形成するために、前記フォトレジスト材料をパターン形成することと、
前記フォトレジスト材料を通って伸びる前記上部開口の下位の前記リフトオフ材料をエッチングすることと、
を含み、前記エッチングは、前記マスク層の前記オーバーハング部分を形成するために、前記フォトレジスト材料の層をアンダカットすることによって、前記マスク層を通って伸びる前記開口を形成することを含む、方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法であって、
テーパ開口を形成するために、前記犠牲層をパターン形成する段階は、更に、前記犠牲層をパターン形成してテーパ開口を形成するために、前記マスク層を使用することを含む、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記支持層は、蒸発またはスパッタリングのプロセスを通じて堆積される、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、更に、
リフトオフプロセスを通じて前記マスク層を除去することに先立って、前記支持層を超音波エネルギに暴露する段階を備える方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法によって形成されたMEMSデバイス。
【請求項15】
MEMSデバイスを製造する方法であって、
基板の上に電極層を形成する段階と、
外周付近に広がる負の角度を有するマスクを前記電極層の上に形成する段階と、
前記マスクの上に犠牲材料の層を堆積する段階と、
リフトオフプロセスを通じて前記マスクを除去し、テーパ開口を含む犠牲層を形成する段階と、
前記テーパ開口内に少なくとも部分的に位置する支持構造を形成する段階と、
前記支持構造に隣接して移動可能層を形成する段階と、
を備える方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、更に、
前記犠牲層を除去するためにリリースエッチングを実施し、前記移動可能層と前記電極層との間に位置するエアギャップを形成する段階を備える方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
前記支持構造を形成する段階は、
前記パターン形成された犠牲層の上に支持材料の層を堆積することと、
前記開口内に少なくとも部分的に位置する支持構造を形成するために、前記支持材料の層をパターン形成することと、
を含み、前記移動可能層は、前記支持構造の上に堆積される、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記マスクは、フォトレジスト材料を含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記マスクは、二層フォトレジストを含む、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、
前記マスクを形成する段階は、
リフトオフ材料の層を堆積することと、
フォトレジスト材料の層を堆積することと、
前記フォトレジスト材料を通って伸びる開口を形成するために、前記フォトレジスト材料をパターン形成することと、
前記フォトレジスト材料を通って伸びる前記開口の下位の前記リフトオフ材料をエッチングすることと、
を含み、前記エッチングは、前記マスク層の前記オーバーハング部分を形成するために、前記フォトレジスト材料の層をアンダカットすることを含む、方法。
【請求項21】
請求項15に記載の方法であって、
前記犠牲材料の層は、物理的気相成長プロセスを通じて堆積される、方法。
【請求項22】
請求項15に記載の方法によって形成されたMEMSデバイス。
【請求項23】
MEMSデバイスを製造する方法であって、
基板の上に下部電極層を形成する段階と、
前記電極層の上に犠牲層を形成する段階と、
前記犠牲層の上位にマスク層を形成する段階であって、前記マスク層は、縁の周囲に広がるオーバーハング部分を有する開口を含む、段階と、
前記マスク層の上に電極材料の層を堆積する段階と、
リフトオフプロセスを通じて前記マスク層を除去する段階によって、外向きのテーパ縁を有する少なくとも1つの隔離電極部材を形成する段階と、を含む。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、更に、
前記隔離電極部材の上位に第2の犠牲層を形成する段階と、
前記隔離電極部材の少なくとも一部を露出させる開口を形成するために、前記第2の犠牲層をパターン形成する段階と、
前記第2の犠牲層の上に機械層を堆積する段階と、
を備える方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、更に、
リリースエッチングを通じて前記犠牲層を除去することによって、前記隔離電極部材と前記下部電極層との間に位置するエアギャップを形成する段階を備える方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法であって、
前記マスク層は、フォトレジスト材料を含む、方法。
【請求項27】
請求項23に記載の方法であって、
前記電極材料の層は、蒸発またはスパッタリングのプロセスを通じて堆積される、方法。
【請求項28】
請求項23に記載の方法によって形成されたMEMSデバイス。
【請求項29】
微小電気機械システム(MEMS)デバイスであって、
基板の上に位置する電極層と、
導電層の上に位置する導電性移動可能層であって、前記導電性移動可能層の少なくとも一部が、エアギャップによって前記電極層から隔てられた、導電性移動可能層と、
前記導電性移動可能層と隣接して位置する少なくとも1つの支持構造と、
を備え、
前記支持構造の外周が、外向きのテーパ縁を有する、デバイス。
【請求項30】
請求項29に記載のデバイスであって、
前記電極層の上に位置する誘電層をさらに備える、デバイス。
【請求項31】
請求項29に記載のデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造が、前記導電性移動可能層の少なくとも一部の下位に位置する、デバイス。
【請求項32】
請求項29に記載のデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造が、前記導電性移動可能層の少なくとも一部の上位に位置する、デバイス。
【請求項33】
請求項29に記載のデバイスであって、
前記少なくとも1つの支持構造が、リフトオフプロセスを通じて形成された、デバイス。
【請求項34】
請求項29に記載のデバイスであって、
前記MEMSデバイスが、インターフェロメトリックモジュレータを含む、デバイス。
【請求項35】
請求項29に記載のデバイスであって、更に、
前記導電性移動可能層と通信するように構成されたプロセッサであって、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスと、
を備える、デバイス。
【請求項36】
請求項35に記載のデバイスであって、更に、
少なくとも一つの信号を、前記導電性移動可能層に送信するように構成されたドライバ回路を備える、デバイス。
【請求項37】
請求項36に記載のデバイスであって、更に、
前記画像データの少なくとも一部を、前記ドライバ回路に送信するように構成されたコントローラを備える、デバイス。
【請求項38】
請求項35に記載のデバイスであって、更に、
前記画像データを、前記プロセッサに送信するように構成された画像ソースモジュールを備える、デバイス。
【請求項39】
請求項38に記載のデバイスであって、
前記画像ソースモジュールが、レシーバ、トランシーバ及びトランスミッタの少なくとも一つを備える、デバイス。
【請求項40】
請求項35に記載のデバイスであって、更に、
入力データを受信し、該入力データを、前記プロセッサに通信するように構成された入力デバイスを備える、デバイス。
【請求項41】
微小電気機械システム(MEMS)デバイスであって、
基板の上に位置する電極層と、
前記電極層の上に位置する導電性移動可能層であって、前記導電性移動可能層の少なくとも一部が、エアギャップによって前記電極層から隔てられた、導電性移動可能層と、
前記導電性移動可能層と隣接して位置する少なくとも1つの支持構造であって、上位の層を形状適合式に堆積することを容易にするための手段を有する支持構造と、
を備える、デバイス。
【請求項42】
請求項41に記載のデバイスであって、
前記容易にするための手段が、前記支持構造の外周に外向きのテーパ縁を有する、デバイス。
【請求項43】
請求項41に記載のデバイスであって、
前記少なくとも一つの支持構造が、前記導電性移動可能層の少なくとも一部の下位に位置する、デバイス。
【請求項44】
請求項41に記載のデバイスであって、
前記少なくとも一つの支持構造が、前記導電性移動可能層の少なくとも一部の上位に位置する、デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図9I】
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【図9J】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【図21】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−161913(P2012−161913A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−31420(P2012−31420)
【出願日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【分割の表示】特願2008−527198(P2008−527198)の分割
【原出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.BLUETOOTH
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】