説明

トリム材用の芯材及びその芯材の製造方法並びにその芯材の製造装置

【課題】芯材を埋設したウェザーストリップの表面に凹マークが発生することを防止できるようにする。
【解決手段】ウェザーストリップ13に埋設される芯材16は、複数の芯材片部22が所定間隔で連結され、各芯材片部22間に分離空間部24が形成されている。各分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を芯材片部22の厚さ寸法とほぼ同じ厚さ寸法で充填すると共に、芯材16の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆しておく。これにより、ウェザーストリップ13を成形する際に、トリム材成形用ポリマー材料P1のうちの芯材片部22を被覆する部分と充填用ポリマー材料P2が充填された分離空間部24を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法をほぼ同じにして、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ方向の成形収縮量の差をほぼ無くすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺なトリム材を成形する際に該トリム材を成形するトリム材成形用ポリマー材料で被覆されることで該トリム材に埋設されて一体化されるトリム材用の芯材及びその芯材の製造方法並びにその芯材の製造装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車両のドア開口縁や窓開口縁のフランジには、該フランジに沿って長尺なトリム材が装着される。このトリム材は、ゴムや熱可塑性合成樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)等のポリマー材料によって横断面が略U字形状の取付部を有する形状に押出成形され、その略U字形状の取付部で開口縁のフランジを挟むことでフランジに固定されるようになっている。このようなトリム材は、横断面が略U字形状の長尺な補強用の芯材(例えば冷間圧延鋼板等の金属板)を取付部に埋設して一体化することで、取付部を芯材で補強して開口縁のフランジに取付部を安定して固定できるようにしている。
【0003】
ところで、車両のドア開口縁や窓開口縁のフランジは、長手方向で二次元的又は三次元的に曲がっているため、トリム材は、押出成形で略直線状に成形されたものが開口縁のフランジの曲がり形状に合わせて曲げられて装着される。このため、トリム材に埋設される芯材は、トリム材の曲がりに追随して自在に曲げられるように、長手方向に所定間隔で空間部が形成された部分打ち抜き芯材(魚骨芯材や竜骨芯材ということもある)が用いられる。
【0004】
しかし、このような部分打ち抜き芯材をトリム材成形用のポリマー材料で被覆して、芯材が埋設されたトリム材を製造すると、トリム材の表面に長手方向に沿って所定間隔で凹マーク(竜骨マークということもある)が発生して、トリム材の外観性が悪くなることがある。この凹マークは、トリム材の保持強度を上げるために、芯材の板厚寸法を厚くして、芯材を被覆するトリム材成形用のポリマー材料の厚さ寸法に対する芯材の板厚寸法が大きくなるほど顕著に発生する。
【0005】
このような凹マークが発生する原因として、次のことが考えられる。部分打ち抜き芯材に所定間隔で形成された空間部の長手方向の幅は通常1mm程度と狭いため、空間部にトリム材成形用のポリマー材料を流入させる際の流動抵抗が大きく、空間部に十分な量のポリマー材料を流動させることが困難である。更に、芯材を被覆するトリム材成形用のポリマー材料のうちの芯材の空間部(芯材が存在しない部分)に相当する部分は、芯材が存在する部分に比べて、ポリマー材料の厚さ寸法が大きくなるため、その分、ポリマー材料の成形収縮量が大きくなる。このため、トリム材の表面のうちの芯材の空間部(芯材が存在しない部分)に相当する部分に凹マークが発生すると考えられる。
【0006】
このような凹マークの発生による外観性の低下の問題を解決するために、特許文献1(特開平9−76835号公報)に記載されているように、トリム材のうちの芯材のスリット(空間部)を被覆する部分に、長手方向に延びる複数の突条を形成すると共に、これらの突条をスポンジゴムで被覆することで、芯材を埋設したトリム材に発生する凹マークが目立たなくなるようにしたものがある。
【特許文献1】特開平9−76835号公報(第2頁等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1の技術は、芯材を埋設したトリム材に発生する凹マークを目立たなくする技術であり、凹マーク自体の発生を防止することができない。
また、凹マークの発生を抑制するために、芯材を被覆するトリム材成形用のポリマー材料の厚さ寸法を厚くすることで、芯材の空間部(芯材が存在しない部分)に相当する部分と芯材が存在する部分との間で、ポリマー材料の厚さ寸法の差を小さくしてポリマー材料の成形収縮量の差を小さくすることも考えられる。しかし、この方法では、芯材を被覆するトリム材成形用のポリマー材料の量が多くなるため、トリム材の重量が増加すると共にコストが高くなるという欠点がある。
【0008】
本発明は、これらの事情を考慮してなされたものであり、従って本発明の目的は、芯材を埋設したトリム材の表面に凹マークが発生することを防止しながら、トリム材が所定の機能を発揮し、トリム材の軽量化と低コスト化の要求を満たすことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、長尺な略帯板状の芯材素材で形成されて、長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部と、これら複数の芯材片部同士を長手方向に連結する連結部と、隣り合う芯材片部の間に設けられた分離空間部とを有し、長尺なトリム材を成形する際に該トリム材を成形するトリム材成形用ポリマー材料で被覆されることで該トリム材に埋設されて一体化されるトリム材用の芯材であって、分離空間部内に、隣り合う芯材片部の接近又は離反を阻止しない程度に芯材素材よりも硬度が小さくて柔軟性が高く且つトリム材成形用ポリマー材料と化学的に接合可能な充填用ポリマー材料を充填して隣り合う芯材片部の間に充填用ポリマー材料を保持することで、トリム材を成形する際にトリム材成形用ポリマー材料のうちの芯材片部及び連結部を被覆する部分と充填用ポリマー材料が充填された分離空間部を被覆する部分との間で該トリム材成形用ポリマー材料の厚さ方向の成形収縮量の差を小さくするか又は無くすようにしたものである。
【0010】
つまり、芯材の分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填しておくことで、トリム材を成形する際にトリム材成形用ポリマー材料のうちの芯材片部を被覆する部分と充填用ポリマー材料が充填された分離空間部を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料の厚さ寸法の差を小さくするか又は無くすことができて、トリム材成形用ポリマー材料の厚さ方向の成形収縮量の差を小さくするか又は無くすことができ、トリム材の表面に凹マークが発生することを防止することができる。
【0011】
しかも、芯材を被覆するトリム材成形用ポリマー材料の厚さ寸法を厚くする必要なく、芯材を被覆するトリム材成形用ポリマー材料の厚さ寸法を薄くしても、トリム材の表面に凹マークが発生することを防止することができるため、トリム材成形用ポリマー材料の使用量を少なくして、トリム材の軽量化と低コスト化の要求を満たすことができる。
【0012】
また、充填用ポリマー材料は、強度や性能面で新品材料(バージン材料)よりも劣るものの価格が安い材料(例えば、リサイクル材料や廃棄用材料等)を廉価で使用することができるため、使用材料の有効活用範囲が広くなると共にコスト低減が可能である。
【0013】
更に、分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填するため、芯材片部の間に空隙(微小な空間)が残存することが少なくなる。これにより、トリム材の製造過程における温度変化(例えば、トリム材成形用ポリマー材料の加熱硬化処理時や冷却固化処理時の温度変化等)や、トリム材の製造完了後の温度変化(例えば、車両に装着された後の温度変化等)による空隙の膨張や収縮に伴うトリム材の表面変形を防止することができる。
【0014】
この場合、請求項2のように、芯材素材のうちの芯材片部になる部分と連結部になる部分とを残して分離空間部に相当する部分を除去することで芯材片部と連結部と分離空間部とを形成するようにしても良い。或は、請求項3のように、芯材素材のうちの連結部になる部分を残すように幅方向に延びる複数本のスリットを長手方向に所定間隔で形成した状態で該連結部になる部分を長手方向に圧延して伸長させると共にスリットを長手方向に拡大することで芯材片部と連結部と分離空間部とを形成するようにしても良い。いずれの場合も、公知の製造方法や製造装置を用いて分離空間部が形成された芯材を容易に製造することができる。
【0015】
また、請求項4のように、隣り合う芯材片部の間には、それぞれほぼ同一形状の分離空間部を形成し、各分離空間部には、それぞれほぼ同一量の充填用ポリマー材料を充填するようにすると良い。このようにすれば、芯材の長手方向の全長に亘って安定した機能を確保することができる。
【0016】
また、請求項5のように、芯材素材は、冷間圧延鋼板、ばね鋼板、高張力鋼板、ステンレス鋼板、非鉄金属板のうちのいずれかの金属板を用いるようにすると良い。これらの金属板は、いずれも容易に入手することができる。
【0017】
この場合、請求項6のように、芯材素材は、厚さ寸法が0.15mm以上1.0mm以下にすると良い。このようにすれば、芯材を埋設して、トリム材を適度に補強しながらトリム材の曲げ性を阻害することなく良好に確保することができる。
【0018】
また、請求項7のように、芯材素材は、硬質の板状熱可塑性合成樹脂を用いるようにしても良い。金属製の芯材を埋設したトリム材は、使用後のリサイクル時に金属製の芯材を選別する処理が必要となるが、樹脂製の芯材を埋設したトリム材は、その必要がなく、使用後のリサイクルが容易である。
【0019】
また、請求項8のように、充填用ポリマー材料は、熱可塑性合成樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)又はゴムを用いるようにすると良い。このようにすれば、分離空間部内に充填用ポリマー材料を容易に充填することができる。
【0020】
更に、請求項9のように、分離空間部には、充填用ポリマー材料を芯材片部の厚さ寸法とほぼ同じ厚さ寸法となるように充填するようにすると良い。このようにすれば、トリム材成形用ポリマー材料のうちの芯材片部を被覆する部分と充填用ポリマー材料が充填された分離空間部を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料の厚さ寸法をほぼ同じにすることができて、トリム材成形用ポリマー材料の厚さ方向の成形収縮量の差をほとんど無くすことができ、トリム材の表面に凹マークが発生することを確実に防止することができる。
【0021】
また、請求項10のように、分離空間部には、充填用ポリマー材料を芯材片部及び連結部の端縁との間に空隙が生じないように充填するようにすると良い。このようにすれば、温度変化による空隙の膨張や収縮に伴うトリム材の表面変形を確実に防止することができる。
【0022】
また、請求項11のように、芯材片部及び連結部の表面全体を充填用ポリマー材料で被覆し、該芯材片部及び該連結部を被覆する充填用ポリマー材料が該芯材片部及び該連結部の厚さ寸法を上回らない厚さ寸法で且つ分離空間部内に充填された充填用ポリマー材料と連続しているようにしても良い。このようにすれば、芯材片部を被覆する充填用ポリマー材料で各分離空間部内に充填された充填用ポリマー材料同士を連結することができ、分離空間部内に充填された充填用ポリマー材料を芯材に安定して保持させることができる。
【0023】
また、請求項12のように、連結部になる部分が長手方向に圧延されている場合には、該圧延された部分が他の圧延されていない部分よりも薄肉になり、この部分が充填用ポリマー材料で被覆され、該圧延された部分を被覆する充填用ポリマー材料が分離空間部内に充填された充填用ポリマー材料と連続しているようにしても良い。このようにしても、圧延された部分を被覆する充填用ポリマー材料で各分離空間部内に充填された充填用ポリマー材料同士を連結することができ、分離空間部内に充填された充填用ポリマー材料を芯材に安定して保持させることができる。
【0024】
ところで、芯材片部と充填用ポリマー材料とが固着すると、芯材が曲げ難くなって、芯材を埋設したトリム材の曲げ性を確保できなくなる可能性がある。
そこで、請求項13のように、芯材片部と充填用ポリマー材料との間に非着剤層を介在させるようにしても良い。このようにすれば、非着剤層によって芯材片部と充填用ポリマー材料とが固着することを回避して、芯材が曲げ難くなることを防止することができ、芯材を埋設したトリム材の曲げ性を確保することができる。
【0025】
また、請求項14のように、芯材片部の幅方向の両端部を充填用ポリマー材料で被覆するようにしても良い。このようにすれば、芯材片部の幅方向の端部でトリム材が突き破られること防止することができる。
【0026】
尚、本発明は、必ずしも分離空間部の幅方向の全体に充填用ポリマー材料を充填する必要はなく、請求項15のように、分離空間部の幅方向の一部(例えば、トリム材のうちの外部から視認される部分に相当する部分)に充填用ポリマー材料を充填するようにしても良い。このようにすれば、充填用ポリマー材料の使用量を削減することができる。
【0027】
また、請求項16のように、充填用ポリマー材料は、トリム材成形用ポリマー材料よりも柔軟なものを用いるようにすると良い。このようにすれば、分離空間部内に充填した充填用ポリマー材料によって芯材が曲げ難くなることを防止して、芯材を埋設したトリム材の曲げ性を確保することができる。
【0028】
また、請求項17のように、該芯材の長手方向の始端部と終端部は、それぞれ所定範囲で充填用ポリマー材料を充填しないか又は充填用ポリマー材料を充填した後に除去するようにしても良い。このようにすれば、芯材を長手方向に連続的に送り出して該芯材を埋設したトリム材を製造する際に、芯材の長手方向の終端部と、次の芯材の始端部とを溶接等で容易に接続して連続させることができると共に、後で接続部を見つけ易いという利点もある。
【0029】
本発明のトリム材用の芯材を製造する場合には、請求項18のように、芯材片部と連結部と分離空間部とを有する芯材を入手して、分離空間部内に充填用ポリマー材料を流動可能な状態で充填するポリマー材料充填工程を実行するようにしても良い。或は、請求項19のように、芯材素材に芯材片部と連結部と分離空間部とを形成する分離空間部形成工程と、分離空間部内に充填用ポリマー材料を流動可能な状態で充填するポリマー材料充填工程とを実行するようにしても良い。いずれの方法でも、本発明のトリム材用の芯材を容易に製造することができる。
【0030】
この場合、請求項20のように、芯材素材の少なくとも片側の表面に充填用ポリマー材料がシート状で長手方向に連続的に積層された芯材素材を入手して、シート状の充填用ポリマー材料が積層された芯材素材に芯材片部と連結部と分離空間部とを形成した後、シート状の充填用ポリマー材料に厚さ方向の圧縮力を加えることで該シート状の充填用ポリマー材料を芯材片部の位置から流動させて分離空間部内に充填するようにしても良い。このようにしても、本発明のトリム材用の芯材を容易に製造することができる。
【0031】
或は、請求項21のように、芯材素材の少なくとも片側の表面に充填用ポリマー材料をシート状で長手方向に連続的に積層する積層工程を実行し、シート状の充填用ポリマー材料が積層された芯材素材に芯材片部と連結部と分離空間部とを形成した後、シート状の充填用ポリマー材料に厚さ方向の圧縮力を加えることで該シート状の充填用ポリマー材料を芯材片部の位置から流動させて分離空間部内に充填するようにしても良い。このようにしても、本発明のトリム材用の芯材を製造することができる。
【0032】
また、請求項22のように、充填用ポリマー材料を押し出す押出型内に分離空間部が形成された芯材を長手方向に連続して導入することで、押出型内で分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填するようにしても良い。このようにすれば、分離空間部内に充填用ポリマー材料を能率良く充填することができる。
【0033】
或は、請求項23のように、分離空間部が形成された芯材をゾル状の充填用ポリマー材料の中に浸漬させることで、分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填するようにしても良い。このようにしても、分離空間部内に充填用ポリマー材料を能率良く充填することができる。
【0034】
更に、請求項24のように、分離空間部が形成された芯材の長手方向に沿ってテープ状の充填用ポリマー材料を圧接させることで、分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填するようにしても良い。このようにしても、分離空間部内に充填用ポリマー材料を能率良く充填することができる。
【0035】
また、請求項25,35のように、分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填する前に、芯材片部の表面に非着剤層を形成するようにしても良い。このようにすれば、芯材片部と充填用ポリマー材料との間に非着剤層を介在させることができ、非着剤層によって芯材片部と充填用ポリマー材料とが固着することを回避して、芯材が曲げ難くなることを防止することができ、芯材を埋設したトリム材の曲げ性を確保することができる。
【0036】
また、請求項26のように、分離空間部が形成された芯材が略平板状のときに分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填するようにしても良い。このようにすれば、略U字形状に曲げ加工された後の芯材の分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填する場合に比べて、分離空間部内に充填用ポリマー材料を更に容易に充填することができる。
【0037】
また、請求項27,36のように、分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填する際に芯材片部及び連結部の表面を充填用ポリマー材料で被覆し、該充填用ポリマー材料が流動可能な状態のときに芯材片部及び連結部の表面の充填用ポリマー材料を長手方向及び幅方向に流動させて分離空間部内に充填する追加充填を行うようにしても良い。このようにすれば、仮に1回目の最初の充填の際に分離空間部内に充填用ポリマー材料を十分に充填できなくても、次の追加充填で分離空間部内に充填用ポリマー材料を十分に充填することができる。
【0038】
この場合、請求項28,37のように、充填用ポリマー材料を追加充填した後に芯材片部の幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料をトリミングして除去するようにすると良い。このようにすれば、芯材片部の幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料によるトリム材の成形不良を防止することができる。
【0039】
また、請求項29のように、ポリマー材料充填工程の後に、充填用ポリマー材料を硬化又は固化させるようにすると良い。このようにすれば、隣り合う芯材片部の間に充填用ポリマー材料を確実に保持することができる。
【0040】
本発明のトリム材用の芯材を製造する場合には、請求項30のように、芯材片部と連結部と分離空間部とを有する芯材を入手して、芯材送出手段で分離空間部が形成された芯材を長手方向に連続して送り出し、ポリマー材料充填手段で分離空間部内に充填用ポリマー材料を流動可能な状態で充填するようにしても良い。或は、請求項31のように、芯材素材送出手段で芯材素材を長手方向に連続して送り出し、分離空間部形成手段で芯材素材に芯材片部と連結部と分離空間部とを形成し、ポリマー材料充填手段で分離空間部内に充填用ポリマー材料を流動可能な状態で充填するようにしても良い。いずれの装置を用いても、本発明のトリム材用の芯材を安定して容易に製造することができる。
【0041】
この場合、請求項32のように、分離空間部形成手段は、芯材素材のうちの芯材片部になる部分と連結部になる部分とを残して分離空間部に相当する部分を除去する打ち抜き型を有するプレス装置を用いるようにしても良い。或は、請求項33のように、分離空間部形成手段は、芯材素材のうちの連結部になる部分を残すように幅方向に延びる複数本のスリットを長手方向に所定間隔で形成した状態で該連結部になる部分を長手方向に圧延して伸長させると共にスリットを長手方向に拡大する圧延ローラ装置を用いるようにしても良い。いずれの場合も、芯材素材に芯材片部と連結部と分離空間部とを能率良く形成することができる。
【0042】
また、請求項34のように、ポリマー材料充填手段は、充填用ポリマー材料を押し出す押出型を有する押出成形装置を用いるようにしても良い。充填用ポリマー材料を押し出す押出型内に分離空間部が形成された芯材を長手方向に連続して導入することで、押出型内で分離空間部内に充填用ポリマー材料を効率良く充填することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
【実施例1】
【0044】
本発明の実施例1を図1乃至図12に基づいて説明する。
図1に示すように、車体パネル11の側部や後部又はルーフのドア開口縁のフランジ12には、該フランジ12に沿って長尺なウェザーストリップ13(トリム材)が装着される。このウェザーストリップ13は、熱可塑性合成樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)又はゴム等のトリム材成形用ポリマー材料P1の押出成形により、横断面略U字形状の取付部14と、スポンジ材料製の中空シール部15とが一体的に形成され、取付部14には、後述する長尺な芯材16がインサート成形により埋設されている。このウェザーストリップ13を成形するトリム材成形用ポリマー材料P1は、例えば、JIS K7215によるデュロメータ硬さがHDA50〜80度(好ましくは60〜70度)の材料が用いられる。
【0045】
また、取付部14の車外側側壁17及び車内側側壁18の内周面には、それぞれ内側に向けて突出する保持リップ19が一体的に形成されている。車体パネル11のドア開口縁のフランジ12にウェザーストリップ13の取付部14を被せたときに、保持リップ19が弾性変形してフランジ12を車内側と車外側の両側から挟むことで、ウェザーストリップ13がフランジ12に装着される。更に、取付部14の車内側側壁18の外周面には、車内側に向けて突出する遮蔽リップ20が一体的に形成されている。ウェザーストリップ13がフランジ12に装着されたときに、遮蔽リップ20と取付部14(車内側側壁18)との間に、車内の内装部材(図示せず)の端末が差し込み状に覆われるようになっている。
【0046】
このウェザーストリップ13は、該ウェザーストリップ13を押出成形する際にトリム材成形用ポリマー材料P1で補強用の芯材16を被覆することで該芯材16を取付部14に埋設して一体化することによって、取付部14を芯材16で補強してフランジ12に取付部14を安定して固定できるようにしている。
【0047】
ところで、車体パネル11のドア開口縁のフランジ12は、長手方向で二次元的又は三次元的に曲がっている(ねじれを含む)ため、ウェザーストリップ13は、押出成形で略直線状に成形されたものがフランジ12の曲がり形状に合わせて曲げられて装着される。このため、ウェザーストリップ13に埋設される芯材16は、ウェザーストリップ13の曲がりに追随して自在に曲げられるように、長手方向に所定間隔で後述する分離空間部24(図2参照)が形成されている。
【0048】
次に、図2乃至図8を用いて、ウェザーストリップ13に埋設される芯材16の構成について説明する。尚、図4乃至図8では、説明の便宜上、芯材16や充填用ポリマー材料P2等の各部の厚さ方向を誇張して拡大して図示している。
【0049】
図2乃至図5に示すように、芯材16は、長尺な略帯板状の芯材素材21を打ち抜き加工することにより、長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部22と、これら複数の芯材片部22同士を長手方向に連結する連結部23とが一体的に形成されていると共に、隣り合う芯材片部22の間に分離空間部24が形成されている。本実施例1では、芯材片部22同士を連結する連結部23が2列で設けられ、隣り合う芯材片部22の間の分離空間部24が2列の連結部23によって3つの領域に分割されている。尚、連結部23を1列又は3列以上で設けるようにしても良い。
【0050】
この芯材16を形成する芯材素材21は、芯材16を埋設したウェザーストリップ13(取付部14)を適度に補強しながらウェザーストリップ13の曲げ性を確保するために、例えば、厚さ寸法(t)が0.15mm以上1.0mm以下(例えば、普通乗用車用ウェザーストリップとしては、好ましくは幅が20〜60mmで厚さが0.3〜0.6mm)の冷間圧延鋼板、ばね鋼板、高張力鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金等の非鉄金属板等の金属板が用いられる。これらの金属板は、いずれも容易に入手することができる。芯材16の長手方向に配列された各芯材片部22は、それぞれほぼ同一形状で芯材16の長手方向における寸法が例えば1〜5mmに形成され、芯材16の長手方向に配列された各分離空間部24は、それぞれほぼ同一形状で芯材16の長手方向における寸法が例えば0.5〜5mm(好ましくは1.0〜2mm)に形成されている。また、各芯材片部22は、それぞれ芯材16の幅方向における両端部が半円状に面取り又は両端部の角部が所定角度(例えば45°)で面取りされ、芯材片部22の端部がウェザーストリップ13を突き破って外部に露出することを防止するようにしている。
【0051】
また、図6及び図7に示すように、芯材16の各分離空間部24内には、それぞれ熱可塑性合成樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)又はゴム等の充填用ポリマー材料P2が芯材片部22の厚さ寸法とほぼ同じ厚さ寸法となるように充填され、隣り合う芯材片部22の間に充填用ポリマー材料P2が保持されている。更に、芯材片部22と連結部23を含む芯材16の表裏両側(ウェザーストリップ13の外表面側と内表面側)の表面全体が充填用ポリマー材料P2で被覆され、芯材片部22を被覆する充填用ポリマー材料P2の厚さ(P2t)が芯材片部22の厚さ寸法を上回らない厚さ寸法(P2t≦t)で且つ分離空間部24内に充填された充填用ポリマー材料P2と連続するようにしている。これにより、芯材片部22や連結部23を被覆する充填用ポリマー材料P2で各分離空間部24内に充填された充填用ポリマー材料P2同士を連結して、分離空間部24内に充填された充填用ポリマー材料P2を芯材16に安定して保持させるようにしている。
【0052】
更に、図2に示すように、分離空間部24のうちの幅方向外側に位置する部分の幅W2を内側に位置する部分の幅W1よりも小さくすることにより充填用ポリマー材料P2の幅方向外側への離脱を防止して充填用ポリマー材料P2を安定して保持させられる。
【0053】
また、図3に示すように、芯材片部22の幅方向の端部に、隣接する他の芯材片部22に向けて突出する突起22a,22aを形成しておくことでも上記と同様の効果を得ることができる。この場合も、分離空間部24のうちの幅方向外側に位置する部分の幅W4が内側に位置する部分の幅W3よりも小さくなる。
【0054】
このようにして、芯材16の分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填すると共に、芯材16の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆することで、図8に示すように、ウェザーストリップ13を成形する際に、トリム材成形用ポリマー材料P1のうちの芯材片部22を被覆する部分と充填用ポリマー材料P2が充填された分離空間部24を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法がほぼ同じになるようにしている。また、芯材16の厚さ寸法(t)がトリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法(P1t)の1/3以下(好ましくは1/4〜1/5以下)となるように設定されている。
【0055】
充填用ポリマー材料P2は、隣り合う芯材片部22の接近又は離反を阻止しない程度に芯材素材21よりも常温で硬度が小さくて柔軟性が高く且つトリム材成形用ポリマー材料P1と化学的に接合可能な材料であり、例えば、JIS K7215によるデュロメータ硬さがHDA5〜60度(好ましくは10〜50度)でトリム材成形用ポリマー材料P1よりも柔軟な材料が用いられる。これにより、分離空間部24内に充填した充填用ポリマー材料P2によって芯材16が曲げ難くなることを防止して、芯材16を埋設したウェザーストリップ13の曲げ性を確保するようにしている。
【0056】
また、各分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填するときに狭い空間にも少ない流動抵抗で入り込ませることができるため、充填用ポリマー材料P2が芯材片部22及び連結部23の端縁との間に空隙が生じないように充填され、温度変化による空隙の膨張や収縮に伴うウェザーストリップ13の表面変形(膨出や凹み)を防止するようにしている。
【0057】
更に、各分離空間部24内には、それぞれほぼ同一量の充填用ポリマー材料P2が充填され、芯材16の長手方向の全長に亘って安定した機能を確保できるようになっている。
【0058】
また、本実施例1では、図4及び図5に示すように、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する前に、芯材片部22及び連結部23の表面に非着剤層26を形成して、芯材片部22及び連結部23と充填用ポリマー材料P2との間に非着剤層26を介在させるようにしている。この非着剤層26によって芯材片部22及び連結部23と充填用ポリマー材料P2とが固着することを回避して、芯材16が曲げ難くなることを防止して、芯材16を埋設したウェザーストリップ13の曲げ性を確保するようにしている。この非着剤層26は、例えば、シリコーン樹脂、オイル、ワックス、パラフィン等により形成されている。尚、芯材素材21と充填用ポリマー材料P2とが非着性の場合には、非着剤層26を省略しても良い。
【0059】
次に、図9乃至図12を用いて、芯材16の製造装置及び製造方法を説明する。尚、図10乃至図12では、説明の便宜上、芯材16(16A〜16C)や充填用ポリマー材料P2等の各部の厚さ方向を誇張して拡大して図示している。
【0060】
図9に示すように、略帯板状の芯材素材21が巻き回されたアンコイラ27から供給される芯材素材21を送出ローラ28(芯材素材送出手段)で長手方向に連続して送り出してプレス装置29(分離空間部形成手段)に供給する。このプレス装置29は、芯材素材21のうちの芯材片部22になる部分と連結部23になる部分とを残して分離空間部24に相当する部分を除去する打ち抜き型30を有し、この打ち抜き型30で芯材素材21を打ち抜き加工して芯材片部22になる部分と連結部23になる部分とを残して分離空間部24に相当する部分を除去することにより、芯材素材21に芯材片部22と連結部23と分離空間部24とを形成する分離空間部形成工程を実行する。この分離空間部形成工程により、芯材片部22と連結部23と分離空間部24とを有するが該分離空間部24に充填用ポリマー材料P2が未だ充填されていない芯材16(以下「未充填芯材16A」と表記する)を製造する。
【0061】
この後、プレス装置29から未充填芯材16Aを引取ローラ31で引き取って貯溜部32に供給し、この貯溜部32に未充填芯材16Aが湾曲した状態で一時的に溜められる。貯溜部32には、溜められている未充填芯材16Aの長さ(貯溜量)が所定範囲内であることを確認するための位置センサ33(例えば、発光素子33aと受光素子33bとからなる光センサ)が配置され、この位置センサ33の出力に基づいて送出ローラ28、プレス装置29や引取ローラ31を駆動制御することで、貯溜部32に溜められている未充填芯材16Aの長さを所定範囲内に維持するようになっている。
【0062】
この貯溜部32に溜められた未充填芯材16Aを送出ローラ34(芯材送出手段)で長手方向に一定速度で連続して送り出して非着剤層形成装置35(非着剤層形成手段)に供給する。この非着剤層形成装置35は、非着剤塗布機36で未充填芯材16A(芯材片部22と連結部23)の表面に非着剤を塗布した後、乾燥機37で未充填芯材16Aの表面に塗布された非着剤を乾燥させて固化させることで、未充填芯材16Aの表面に非着剤層26(図4及び図5参照)を形成する非着剤層形成工程を実行する。
【0063】
尚、分離空間部形成工程の前に、非着剤層形成工程を実行して、芯材素材21の表面に非着剤層26を形成するようにしても良い。また、予め非着剤層26が形成された芯材素材21を入手して、非着剤層形成工程を省略するようにしても良い。
【0064】
この後、押出成形装置38(ポリマー材料充填手段)とレべリング装置40(追加充填手段)で、未充填芯材16Aが略平板状のときに未充填芯材16Aの分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填するポリマー材料充填工程を実行する。これにより、横断面を略U字形状に曲げ加工された後の芯材16の分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する場合に比べて、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を更に容易に充填できるようにしている。尚、充填用ポリマー材料P2としては、熱可塑性樹脂やゴムが挙げられる。
【0065】
押出成形装置38は、充填用ポリマー材料P2を押し出す押出型39を有し、この押出型39内に未充填芯材16Aを長手方向に連続して導入しながら、押出型39内に充填用ポリマー材料P2を供給して押出成形することで、未充填芯材16Aの分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する一次充填を行うと共に、芯材片部22と連結部23を含む未充填芯材16Aの表裏両側(ウェザーストリップ13の外表面側と内表面側)の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆する。
【0066】
これにより、図10に示すように、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を一次充填した芯材16(以下「一次充填芯材16B」と表記する)を製造する。この一次充填芯材16Bは、充填用ポリマー材料P2の成形収縮により分離空間部24に相当する部分の表面に凹状の“ひけ”が発生することがある。
【0067】
図10及び図11に示すように、レべリング装置40は、一対のレべリングローラ41,42が一次充填芯材16Bを上下方向に挟むように配置され、押出成形装置38から供給される一次充填芯材16Bを一次充填芯材16Bの充填用ポリマー材料P2が流動可能な状態のとき(熱可塑性樹脂の場合は軟化点以上の温度のとき、ゴムの場合は未加硫のとき又は加硫完了前)に一対のレべリングローラ41,42の間に挟んで加圧した状態で各ローラ41,42を回転駆動することで、各ローラ41,42で一次充填芯材16Bを引き取りながら、芯材片部22及び連結部23の表面の充填用ポリマー材料P2の厚さを前記加圧前の厚さよりも薄いフィルム状又はシート状にすると共に長手方向及び幅方向に強制的に流動させる。これにより、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を十分に充填する二次充填(追加充填)を行うと共に、芯材16の表裏両側(ウェザーストリップ13の外表面側と内表面側)の表面全体を被覆する充填用ポリマー材料P2の表面を平坦面にして、芯材片部22及び連結部23を被覆するフィルム状又はシート状の充填用ポリマー材料P2が芯材片部22及び連結部23の厚さ寸法を上回らない厚さ寸法(P2t)で且つ分離空間部24内に圧縮状態で充填された充填用ポリマー材料P2と連続するようにする。
【0068】
これにより、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を十分に充填すると共に、表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆した芯材16(以下「充填芯材16C」と表記する)を製造する。その際、図11に示すように、充填芯材16C(芯材片部22)の幅方向の両端部から余剰の充填用ポリマー材料P3が不規則形状にはみ出すことがある。
【0069】
この後、トリミング装置43(トリミング手段)で、充填芯材16C(芯材片部22)の幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料P3をトリミングするトリミング工程を実行する。図12に示すように、トリミング装置43は、一対のトリミングローラ44,45が充填芯材16Cを上下方向に挟むように配置され、上側のトリミングローラ44の外周面には、充填芯材16Cの幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料P3をトリミングするための切断刃46が設けられ、下側のトリミングローラ45の外周面には、切断刃46に対応した刃受け溝47が設けられている。
【0070】
このトリミング装置43は、レべリング装置40から送り出される充填芯材16Cを一対のトリミングローラ44,45の間に挟んだ状態で各ローラ44,45を回転駆動することで、各ローラ44,45で充填芯材16Cを送り出しながら、充填芯材16Cの幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料P3を切断刃46でトリミングして除去する。その際、本実施例1では、充填芯材16C(芯材片部22)の幅方向の寸法よりも少し大きい幅寸法で余剰の充填用ポリマー材料P3をトリミングすることで、芯材片部22の幅方向の両端部が充填用ポリマー材料P2で被覆されるようにしている。これにより、芯材片部22の端部がウェザーストリップ13を突き破って外部に露出することを防止するようにしている。但し、上記の芯材片部22の露出の心配がないときには、芯材片部22の幅方向の両端に一致させてトリミングしても良い。
【0071】
この後、図9に示すように、充填ポリマー材料P2が熱可塑性合成樹脂の場合には、トリミング装置43から送り出される充填芯材16Cを固化処理装置48に供給して、充填芯材16Cの充填ポリマー材料P2を冷却して固化させることで、隣り合う芯材片部22の間に充填用ポリマー材料P2を確実に保持させる。或は、充填ポリマー材料P2がゴムの場合には、トリミング装置43から送り出される充填芯材16Cを硬化処理装置48に供給して、充填芯材16Cの充填ポリマー材料P2を加硫させて硬化させることで、隣り合う芯材片部22の間に充填用ポリマー材料P2を確実に保持させる。これにより、充填用ポリマー材料P2が充填された芯材16の製造が完了する。
【0072】
この後、固化処理装置48(又は硬化処理装置48)から芯材16を引取ローラ49で引き取ってリコイラ50で巻き取る。尚、芯材16の長手方向の始端部と終端部は、それぞれ所定範囲で充填用ポリマー材料P2を充填しないか又は充填用ポリマー材料P2を充填した後に除去するようにする。これにより、芯材16を長手方向に連続的に送り出して該芯材16を埋設したウェザーストリップ13を製造する際に、芯材16の長手方向の終端部と、次の芯材16の始端部とを溶接等で容易に接続して連続させることができると共に、後で芯材16の接続部を見つけ易くなる。
【0073】
以上説明した本実施例1では、芯材16の分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填すると共に、芯材16の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしたので、ウェザーストリップ13を成形する際に、トリム材成形用ポリマー材料P1のうちの芯材片部22及び連結部23を被覆する部分と充填用ポリマー材料P2が充填された分離空間部24を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法(P1t)をほぼ同じにすることができて、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ方向の成形収縮量の差をほぼ無くすことができ、ウェザーストリップ13の取付部14の表面に凹マークが発生することを防止することができる。
【0074】
しかも、芯材16を被覆するトリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法(P1t)を厚くする必要なく、芯材16を被覆するトリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法を薄くしても、ウェザーストリップ13の取付部14の表面に凹マークが発生することを防止することができるため、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ(P1t)を従来よりも薄くして、これにより使用量を少なくして、ウェザーストリップ13の軽量化と低コスト化の要求を満たすことができる。
【0075】
また、充填用ポリマー材料P2は、強度や性能面で新品材料(バージン材料)よりも劣る材料(例えば、リサイクル材料や廃棄用材料等)を廉価で使用することができるため、使用材料の有効活用範囲が広くなる。
【0076】
更に、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を予め充填するため、芯材片部22の間に空隙(微小な空間)が残存することが少なくなる。これにより、ウェザーストリップ13の製造過程における温度変化(例えば、トリム材成形用ポリマー材料P1の加熱硬化処理時や冷却固化処理時の温度変化等)や、ウェザーストリップ13の製造完了後の温度変化(例えば、車両に装着された後の温度変化等)による空隙の膨張や収縮に伴うウェザーストリップ13の取付部14の表面変形を防止することができる。
【0077】
また、本実施例1では、押出成形装置38で、未充填芯材16Aの分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する一次充填を行うと共に、芯材片部22と連結部23を含む未充填芯材16Aの表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆した後、レべリング装置40で、充填用ポリマー材料P2が流動可能な状態のときに芯材片部22及び連結部23の表面の充填用ポリマー材料P2を長手方向及び幅方向に流動させて分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を十分に充填する二次充填(追加充填)を行うようにしたので、仮に一次充填の際に分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を十分に充填できなくても、次の二次充填で分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を十分に充填することができる。
【実施例2】
【0078】
次に、図13を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。尚、図13では、説明の便宜上、芯材16(16A〜16C)や充填用ポリマー材料P2等の各部の厚さ方向を誇張して拡大して図示している。
【0079】
前記実施例1では、押出成形装置38で、未充填芯材16Aの分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する一次充填を行うようにしたが、本実施例2では、図13に示すように、圧着ローラ装置51(ポリマー材料充填手段)で、未充填芯材16Aの長手方向に沿ってテープ状の充填用ポリマー材料P2を圧接させることで、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する一次充填を行うようにしている。
【0080】
図13に示すように、圧着ローラ装置51は、一対の圧着ローラ52,53が未充填芯材16Aを上下方向に挟むように配置され、この圧着ローラ装置51の上流側に、未充填芯材16Aを所定温度(充填用ポリマー材料P2が流動可能な状態になる温度)に加熱する加熱機54が配置されている。更に、圧着ローラ装置51の上方と下方には、それぞれテープ状の充填用ポリマー材料P2が巻き回されたアンコイラ55,56が配置されている。
【0081】
圧着ローラ装置51は、上側のアンコイラ55から供給されるテープ状の充填用ポリマー材料P2と、加熱機54から供給される加熱された未充填芯材16Aと、下側のアンコイラ56から供給されるテープ状の充填用ポリマー材料P2を、一対の圧着ローラ52,53の間に挟んで加圧した状態で各ローラ52,53を回転駆動することで、各ローラ52,53で未充填芯材16Aとテープ状の充填用ポリマー材料P2を引き取りながら、未充填芯材16Aの長手方向に沿ってテープ状の充填用ポリマー材料P2を圧接させる。これにより、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填する一次充填を行うと共に、芯材片部22と連結部23を含む未充填芯材16Aの表裏両側(ウェザーストリップ13の外表面側と内表面側)の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆する。
【0082】
以上説明した本実施例2においても、芯材16の分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を能率良く充填することができる。
【実施例3】
【0083】
次に、図14を用いて本発明の実施例3を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。尚、図14では、説明の便宜上、芯材16(16B,16C)や充填用ポリマー材料P2等の各部の厚さ方向を誇張して拡大して図示している。
【0084】
上記各実施例1,2では、芯材16の表裏両側(ウェザーストリップ13の外表面側と内表面側)の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしたが、本実施例3では、図14に示すように、レべリング装置57を用いることで、芯材16の主に片側(例えばウェザーストリップ13の外表面側)の表面を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしている。
【0085】
図14に示すように、レべリング装置57は、一対のレべリングローラ58,59が一次充填芯材16Bを上下方向に挟むように配置され、下側のレべリングローラ59の外周面には、一次充填芯材16Bが嵌まり込む芯材用凹溝60が設けられ、上側のレべリングローラ58の外周面には、一次充填芯材16Bの主に片側(例えばウェザーストリップ13の外表面側)の表面に充填用ポリマー材料P2を流れ込ませるためのポリマー材料用凹溝61が設けられている。また、ポリマー材料用凹溝61の両端部には、充填芯材16C(芯材片部22)の幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料P3が流れ込む余剰ポリマー材料用凹溝62が設けられている。
【0086】
レべリング装置57は、供給される一次充填芯材16Bを一対のレべリングローラ58,59の間に挟んで加圧した状態で各ローラ58,59を回転駆動することで、一次充填芯材16Bの充填用ポリマー材料P2が流動可能な状態のときに各ローラ58,59で一次充填芯材16Bを引き取りながら、芯材片部22及び連結部23の表面の充填用ポリマー材料P2を長手方向及び幅方向に流動させて、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を十分に充填する二次充填(追加充填)を行うと共に、一次充填芯材16Bの主に片側(例えばウェザーストリップ13の外表面側)の表面に充填用ポリマー材料P2を流れ込ませて、芯材16の主に片側(例えばウェザーストリップ13の外表面側)の表面を充填用ポリマー材料P2で被覆する。
【0087】
以上説明した本実施例3においても、ウェザーストリップ13の取付部14の表面に凹マークが発生することを防止することができる。
【実施例4】
【0088】
次に、図15乃至図18を用いて本発明の実施例4を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。尚、図17及び図18では、説明の便宜上、芯材素材63や芯材69等の各部の厚さ方向を誇張して拡大して図示している。
【0089】
前記実施例1では、略帯板状の芯材素材21を打ち抜き加工して分離空間部24に相当する部分を除去することで、芯材片部22と連結部23と分離空間部24とを有する芯材16(充填用ポリマー材料P2が未だ充填されていない芯材)を製造するようにしたが、本実施例4では、まず、図15に示すように、スリット形成装置(図示せず)により略帯板状の芯材素材63のうちの連結部67(図16参照)になる部分64を残すように幅方向に延びる複数本のスリット65を長手方向に所定間隔で形成した後、後述する圧延ローラ装置70(分離空間部形成手段)で、芯材素材63のうちの連結部67になる部分64を長手方向に圧延して伸長させると共にスリット65を長手方向に拡大することで、図16に示すように、芯材片部66と連結部67と分離空間部68とを有する芯材69(充填用ポリマー材料P2が未だ充填されていない芯材)を製造するようにしている。この実施例4では、実施例1のプレス装置29に代えてスリット形成装置(図示せず)を用いると共に、引取ローラ31に代えて圧延ローラ装置70を用いることになる。
【0090】
図17及び図18に示すように、圧延ローラ装置70は、一対の圧延ローラ71,72が芯材素材51を上下方向に挟むように配置され、各ローラ71,72の外周面には、それぞれ芯材素材63のうちの連結部67になる部分64を長手方向に圧延して伸長させるための環状凸部73,74が設けられている。本実施例4では、芯材素材63のうちの連結部67になる部分64を圧延前の厚さ寸法(芯材素材63の厚さ寸法t)の例えば90〜50%の厚さ寸法t1まで圧延して薄肉化するように各環状凸部73,74の間の隙間寸法が設定されている。
【0091】
この圧延ローラ装置70は、スリット65が形成された芯材素材63を一対の圧延ローラ71,72の間に挟んで加圧した状態で各ローラ71,72を回転駆動することで、各ローラ71,72で芯材素材63を送り出しながら、芯材素材63のうちの連結部67になる部分64を環状凸部73,74で長手方向に圧延して伸長させると共にスリット65を長手方向に拡大する。その際、連結部67になる部分64と芯材片部66になる部分の一部を幅方向に僅かに圧延する。これにより、図16に示すように、芯材片部66と連結部67と分離空間部68とを有する芯材69(充填用ポリマー材料P2が未だ充填されていない芯材)を製造する。
【0092】
以上説明した本実施例4においても、芯材片部66と連結部67と分離空間部68とを有する芯材69(充填用ポリマー材料P2が未だ充填されていない芯材)を能率良く製造することができる。
【0093】
本実施例4の芯材69を用いる場合、芯材69の表裏両側の表面全体を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしても良いし、芯材69の主に片側の表面を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしても良い。また、芯材69のうちの圧延された薄肉部分のみを充填用ポリマー材料P2で被覆して、この圧延された部分を被覆する充填用ポリマー材料P2が分離空間部68内に充填された充填用ポリマー材料P2と連続しているようにしても良い。このようにしても、圧延された部分を被覆する充填用ポリマー材料P2で各分離空間部68内に充填された充填用ポリマー材料P2を連結することができ、分離空間部68内に充填された充填用ポリマー材料P2を芯材69に安定して保持させることができる。
【0094】
尚、上記各実施例1〜4では、芯材16の両側又は片側の表面を充填用ポリマー材料P2で被覆するようにしたが、図19に示す他の実施例のように、芯材16の表面を充填用ポリマー材料P2で被覆せずに、分離空間部24内に充填用ポリマー材料P2を充填するようにしても良い。この場合、分離空間部24内に充填された充填用ポリマー材料P2が芯材片部22の厚さ寸法tとほぼ同じ厚さ寸法となるようにしても良いが、分離空間部24内に充填された充填用ポリマー材料P2が芯材片部22の厚さ寸法よりも少し薄くなっても良い。この場合でも、ウェザーストリップ13を成形する際にトリム材成形用ポリマー材料P1のうちの芯材片部22及び連結部23を被覆する部分と充填用ポリマー材料P2が充填された分離空間部24を被覆する部分との間で、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ寸法の差を小さくすることができて、トリム材成形用ポリマー材料P1の厚さ方向の成形収縮量の差を小さくすることができ、ウェザーストリップ13の表面に凹マークが発生することを防止することができる。
【0095】
また、上記各実施例1〜4では、分離空間部形成工程で、芯材片部と連結部と分離空間部とを有する芯材を製造するようにしたが、分離空間部形成工程を省略して、芯材片部と連結部と分離空間部とを有する芯材を入手して、ポリマー材料充填工程を実行するようにしても良い。この場合、芯材の製造装置は、プレス装置29や圧延ローラ装置70等の分離空間部形成手段を省略した構成にしても良い。
【0096】
また、芯材の分離空間部に充填用ポリマー材料を充填する方法は、適宜変更しても良く、例えば、芯材素材の少なくとも片側の表面に充填用ポリマー材料がシート状で長手方向に連続的に積層された芯材素材を入手して、或は、芯材素材の少なくとも片側の表面に充填用ポリマー材料をシート状で長手方向に連続的に積層する積層工程を実行し、シート状の充填用ポリマー材料が積層された芯材素材に芯材片部と連結部と分離空間部とを形成した後、シート状の充填用ポリマー材料に厚さ方向の圧縮力を加えることで該シート状の充填用ポリマー材料を芯材片部の位置から流動させて分離空間部内に充填するようにしても良い。このようにしても、本発明の芯材を容易に製造することができる。
【0097】
また、分離空間部が形成された芯材をゾル状の充填用ポリマー材料の中に浸漬させた後にドクターナイフで余剰部分を除去することで、分離空間部内に充填用ポリマー材料を充填するようにしても良い。このようにしても、分離空間部内に充填用ポリマー材料を能率良く充填することができる。
【0098】
また、芯材素材は、硬質の板状熱可塑性合成樹脂を用いるようにしても良い。樹脂製の芯材を埋設したトリム材は、使用後のリサイクル時に芯材を選別して処理する必要がなく、使用後のリサイクルが容易である。
【0099】
また、本発明は、必ずしも分離空間部の幅方向の全体に充填用ポリマー材料を充填する必要はなく、分離空間部の幅方向の一部(例えば、図1におけるウェザーストリップ13のうちの外部から視認される部分に相当する部分)に充填用ポリマー材料を充填するようにしても良い。このようにすれば、充填用ポリマー材料の使用量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の実施例1におけるウェザーストリップの断面図である。
【図2】実施例1のポリマー材料充填前の芯材の平面図である。
【図3】実施例1の変形例におけるポリマー材料充填前の芯材の拡大平面図である。
【図4】図2のA−A断面図である。
【図5】図2のB−B断面図である。
【図6】実施例1のポリマー材料充填後の芯材の幅方向の断面図である。
【図7】実施例1のポリマー材料充填後の芯材の長手方向の断面図である。
【図8】実施例1のウェザーストリップの一部を模式的に示す図である。
【図9】実施例1の芯材の製造装置全体の概略構成図である。
【図10】実施例1のレべリング装置の側面図である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】実施例1のトリミング装置の回転軸方向の断面図である。
【図13】実施例2の圧着ローラ装置及びその周辺部の側面図である。
【図14】実施例3のレべリング装置の回転軸方向の断面図である。
【図15】実施例4のスリット形成後の芯材素材の平面図である。
【図16】実施例4のポリマー材料充填前の芯材の平面図である。
【図17】実施例4の圧延ローラ装置の側面図である。
【図18】図17のD−D断面図である。
【図19】その他の実施例のウェザーストリップの一部を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0101】
13…ウェザーストリップ(トリム材)、16…芯材、21…芯材素材、22…芯材片部、23…連結部、24…分離空間部、26…非着剤層、28…送出ローラ(芯材素材送出手段)、29…プレス装置(分離空間部形成手段)、30…打ち抜き型、34…送出ローラ(芯材送出手段)、35…非着剤層形成装置(非着剤層形成手段)、38…押出成形装置(ポリマー材料充填手段)、39…押出型、40…レべリング装置(追加充填手段)、43…トリミング装置(トリミング手段)、51…圧着ローラ装置(ポリマー材料充填手段)、57…レべリング装置(追加充填手段)、63…芯材素材、65…スリット、66…芯材片部、67…連結部、68…分離空間部、69…芯材、70…圧延ローラ装置(分離空間部形成手段)、P1…トリム材成形用ポリマー材料、P2…充填用ポリマー材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺な略帯板状の芯材素材で形成されて、長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部と、これら複数の芯材片部同士を長手方向に連結する連結部と、隣り合う芯材片部の間に設けられた分離空間部とを有し、長尺なトリム材を成形する際に該トリム材を成形するトリム材成形用ポリマー材料で被覆されることで該トリム材に埋設されて一体化されるトリム材用の芯材であって、
前記分離空間部内に、前記隣り合う芯材片部の接近又は離反を阻止しない程度に前記芯材素材よりも硬度が小さくて柔軟性が高く且つ前記トリム材成形用ポリマー材料と化学的に接合可能な充填用ポリマー材料が充填されて前記隣り合う芯材片部の間に前記充填用ポリマー材料が保持されていることで、前記トリム材を成形する際に前記トリム材成形用ポリマー材料のうちの前記芯材片部及び前記連結部を被覆する部分と前記充填用ポリマー材料が充填された分離空間部を被覆する部分との間で該トリム材成形用ポリマー材料の厚さ方向の成形収縮量の差を小さくするか又は無くすようにしたことを特徴とするトリム材用の芯材。
【請求項2】
前記芯材素材のうちの前記芯材片部になる部分と前記連結部になる部分とを残して前記分離空間部に相当する部分を除去することで前記芯材片部と前記連結部と前記分離空間部とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトリム材用の芯材。
【請求項3】
前記芯材素材のうちの前記連結部になる部分を残すように幅方向に延びる複数本のスリットを長手方向に所定間隔で形成した状態で該連結部になる部分を長手方向に圧延して伸長させると共に前記スリットを長手方向に拡大することで前記芯材片部と前記連結部と前記分離空間部とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトリム材用の芯材。
【請求項4】
前記隣り合う芯材片部の間には、それぞれほぼ同一形状の分離空間部が形成され、各分離空間部には、それぞれほぼ同一量の充填用ポリマー材料が充填されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項5】
前記芯材素材は、冷間圧延鋼板、ばね鋼板、高張力鋼板、ステンレス鋼板、非鉄金属板のうちのいずれかの金属板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項6】
前記芯材素材は、厚さ寸法が0.15mm以上1.0mm以下であることを特徴とする請求項5に記載のトリム材用の芯材。
【請求項7】
前記芯材素材は、硬質の板状熱可塑性合成樹脂であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項8】
前記充填用ポリマー材料は、熱可塑性合成樹脂又はゴムであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項9】
前記分離空間部には、前記充填用ポリマー材料が前記芯材片部の厚さ寸法とほぼ同じ厚さ寸法となるように充填されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項10】
前記分離空間部には、前記充填用ポリマー材料が前記芯材片部及び前記連結部の端縁との間に空隙が生じないように充填されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項11】
前記芯材片部及び前記連結部の表面全体が前記充填用ポリマー材料で被覆され、該芯材片部及び該連結部を被覆する充填用ポリマー材料が該芯材片部及び該連結部の厚さ寸法を上回らない厚さ寸法で且つ前記分離空間部内に充填された充填用ポリマー材料と連続していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項12】
前記連結部になる部分が長手方向に圧延され、該圧延された部分が圧延されていない部分よりも薄肉になり、この部分が前記充填用ポリマー材料で被覆され、該圧延された部分を被覆する充填用ポリマー材料が前記分離空間部内に充填された充填用ポリマー材料と連続していることを特徴とする請求項3乃至10のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項13】
前記芯材片部と前記充填用ポリマー材料との間に非着剤層が介在されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項14】
前記芯材片部の幅方向の両端部が前記充填用ポリマー材料で被覆されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項15】
前記分離空間部の幅方向の一部に前記充填用ポリマー材料が充填されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項16】
前記充填用ポリマー材料は、前記トリム材成形用ポリマー材料よりも柔軟であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項17】
該芯材の長手方向の始端部と終端部は、それぞれ所定範囲で前記充填用ポリマー材料が充填されてないか又は前記充填用ポリマー材料が充填された後に除去されていることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトリム材用の芯材。
【請求項18】
長尺な略帯板状の芯材素材で形成されて、長尺なトリム材を成形する際に該トリム材を成形するトリム材成形用ポリマー材料で被覆されることで該トリム材に埋設されて一体化されるトリム材用の芯材を製造する方法であって、
前記芯材素材の長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部と、これら複数の芯材片部同士を長手方向に連結する連結部と、隣り合う芯材片部の間に設けられた分離空間部とを有する芯材を用い、
前記分離空間部内に、前記隣り合う芯材片部の接近又は離反を阻止しない程度に前記芯材素材よりも硬度が小さくて柔軟性が高く且つ前記トリム材成形用ポリマー材料と化学的に接合可能な充填用ポリマー材料を流動可能な状態で充填して前記隣り合う芯材片部の間に前記充填用ポリマー材料を保持させるポリマー材料充填工程を含むことを特徴とするトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項19】
長尺な略帯板状の芯材素材で形成されて、長尺なトリム材を成形する際に該トリム材を成形するトリム材成形用ポリマー材料で被覆されることで該トリム材に埋設されて一体化されるトリム材用の芯材を製造する方法であって、
前記芯材素材の長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部と、これら複数の芯材片部同士を長手方向に連結する連結部と、隣り合う芯材片部の間に設けられた分離空間部とを形成する分離空間部形成工程と、
前記分離空間部内に、前記隣り合う芯材片部の接近又は離反を阻止しない程度に前記芯材素材よりも硬度が小さくて柔軟性が高く且つ前記トリム材成形用ポリマー材料と化学的に接合可能な充填用ポリマー材料を流動可能な状態で充填して前記隣り合う芯材片部の間に前記充填用ポリマー材料を保持させるポリマー材料充填工程と
を含むことを特徴とするトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項20】
前記芯材素材の少なくとも片側の表面に前記充填用ポリマー材料がシート状で長手方向に連続的に積層された芯材素材を用い、
前記分離空間部形成工程において、前記シート状の充填用ポリマー材料が積層された芯材素材に前記芯材片部と前記連結部と前記分離空間部とを形成し、
前記ポリマー材料充填工程において、前記シート状の充填用ポリマー材料に厚さ方向の圧縮力を加えることで該シート状の充填用ポリマー材料を前記芯材片部の位置から流動させて前記分離空間部内に充填することを特徴とする請求項19に記載のトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項21】
前記芯材素材の少なくとも片側の表面に前記充填用ポリマー材料をシート状で長手方向に連続的に積層する積層工程を含み、
前記分離空間部形成工程において、前記シート状の充填用ポリマー材料が積層された芯材素材に前記芯材片部と前記連結部と前記分離空間部とを形成し、
前記ポリマー材料充填工程において、前記シート状の充填用ポリマー材料に厚さ方向の圧縮力を加えることで該シート状の充填用ポリマー材料を前記芯材片部の位置から流動させて前記分離空間部内に充填することを特徴とする請求項19に記載のトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項22】
前記ポリマー材料充填工程において、前記充填用ポリマー材料を押し出す押出型内に前記分離空間部が形成された芯材を長手方向に連続して導入することで、前記押出型内で前記分離空間部内に前記充填用ポリマー材料を充填することを特徴とする請求項18又は19に記載のトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項23】
前記ポリマー材料充填工程において、前記分離空間部が形成された芯材をゾル状の充填用ポリマー材料の中に浸漬させることで、前記分離空間部内に前記充填用ポリマー材料を充填することを特徴とする請求項18又は19に記載のトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項24】
前記ポリマー材料充填工程において、前記分離空間部が形成された芯材の長手方向に沿ってテープ状の充填用ポリマー材料を圧接させることで、前記分離空間部内に前記充填用ポリマー材料を充填することを特徴とする請求項18又は19に記載のトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項25】
前記ポリマー材料充填工程の前に、前記芯材片部の表面に非着剤層を形成することを特徴とする請求項18、19、21乃至24のいずれかに記載のトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項26】
前記ポリマー材料充填工程において、前記分離空間部が形成された芯材が略平板状のときに前記分離空間部内に前記充填用ポリマー材料を充填することを特徴とする請求項18乃至25のいずれかに記載のトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項27】
前記ポリマー材料充填工程において、前記分離空間部内に前記充填用ポリマー材料を充填する際に前記芯材片部及び前記連結部の表面を前記充填用ポリマー材料で被覆し、該充填用ポリマー材料が流動可能な状態のときに前記芯材片部及び前記連結部の表面の充填用ポリマー材料を長手方向及び幅方向に流動させて前記分離空間部内に充填する追加充填を行うことを特徴とする請求項18乃至26のいずれかに記載のトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項28】
前記充填用ポリマー材料を追加充填した後に前記芯材片部の幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料をトリミングして除去することを特徴とする請求項27に記載のトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項29】
前記ポリマー材料充填工程の後に、前記充填用ポリマー材料を硬化又は固化させることを特徴とする請求項18乃至28のいずれかに記載のトリム材用の芯材の製造方法。
【請求項30】
長尺な略帯板状の芯材素材で形成されて、長尺なトリム材を成形する際に該トリム材を成形するトリム材成形用ポリマー材料で被覆されることで該トリム材に埋設されて一体化されるトリム材用の芯材を製造する装置であって、
前記芯材素材の長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部と、これら複数の芯材片部同士を長手方向に連結する連結部と、隣り合う芯材片部の間に設けられた分離空間部とを有する芯材を用い、
前記分離空間部が形成された芯材を長手方向に連続して送り出す芯材送出手段と、
前記分離空間部内に、前記隣り合う芯材片部の接近又は離反を阻止しない程度に前記芯材素材よりも硬度が小さくて柔軟性が高く且つ前記トリム材成形用ポリマー材料と化学的に接合可能な充填用ポリマー材料を流動可能な状態で充填して前記隣り合う芯材片部の間に前記充填用ポリマー材料を保持させるポリマー材料充填手段と
を備えていることを特徴とするトリム材用の芯材の製造装置。
【請求項31】
長尺な略帯板状の芯材素材で形成されて、長尺なトリム材を成形する際に該トリム材を成形するトリム材成形用ポリマー材料で被覆されることで該トリム材に埋設されて一体化されるトリム材用の芯材を製造する装置であって、
前記芯材素材を長手方向に連続して送り出す芯材素材送出手段と、
前記芯材素材の長手方向に沿って所定間隔で配置された複数の芯材片部と、これら複数の芯材片部同士を長手方向に連結する連結部と、隣り合う芯材片部の間に設けられた分離空間部とを形成する分離空間部形成手段と、
前記分離空間部内に、前記隣り合う芯材片部の接近又は離反を阻止しない程度に前記芯材素材よりも硬度が小さくて柔軟性が高く且つ前記トリム材成形用ポリマー材料と化学的に接合可能な充填用ポリマー材料を流動可能な状態で充填して前記隣り合う芯材片部の間に前記充填用ポリマー材料を保持させるポリマー材料充填手段と
を備えていることを特徴とするトリム材用の芯材の製造装置。
【請求項32】
前記分離空間部形成手段は、前記芯材素材のうちの前記芯材片部になる部分と前記連結部になる部分とを残して前記分離空間部に相当する部分を除去する打ち抜き型を有するプレス装置であることを特徴とする請求項31に記載のトリム材用の芯材の製造装置。
【請求項33】
前記分離空間部形成手段は、前記芯材素材のうちの前記連結部になる部分を残すように幅方向に延びる複数本のスリットを長手方向に所定間隔で形成した状態で該連結部になる部分を長手方向に圧延して伸長させると共に前記スリットを長手方向に拡大する圧延ローラ装置であることを特徴とする請求項31に記載のトリム材用の芯材の製造装置。
【請求項34】
前記ポリマー材料充填手段は、前記充填用ポリマー材料を押し出す押出型を有する押出成形装置であることを特徴とする請求項30乃至33のいずれかに記載のトリム材用の芯材の製造装置。
【請求項35】
前記ポリマー材料充填手段で前記分離空間部内に前記充填用ポリマー材料を充填する前に前記芯材片部の表面に非着剤層を形成する非着剤層形成手段を備えていることを特徴とする請求項30乃至34のいずれかに記載のトリム材用の芯材の製造装置。
【請求項36】
前記ポリマー材料充填手段で前記分離空間部内に前記充填用ポリマー材料を充填した後に更に前記分離空間部内に前記充填用ポリマー材料を追加充填する追加充填手段を備えていることを特徴とする請求項30乃至35のいずれかに記載のトリム材用の芯材の製造装置。
【請求項37】
前記追加充填手段で前記充填用ポリマー材料を追加充填した後に前記芯材片部の幅方向の両端部からはみ出した余剰の充填用ポリマー材料をトリミングして除去するトリミング手段を備えていることを特徴とする請求項36に記載のトリム材用の芯材の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−221660(P2008−221660A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−64265(P2007−64265)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(000219705)東海興業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】