説明

ナノワイヤを含む電極を有するメモリデバイス、該メモリデバイスを含むシステムおよび該メモリデバイスの形成方法

可変抵抗材料を含むメモリセルを有するメモリデバイスは、単一のナノワイヤを含む電極を含む。各種方法は、そのようなメモリデバイスを形成するために使用し得、そのような方法は、メモリセルに、単一のナノワイヤの第1の端部と一定量の可変抵抗材料の間に接点を設置することを含む。電子システムは、そのようなメモリデバイスを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権主張]
本出願は、2007年4月5日に出願された米国特許出願第11/784,315号、“Memory Devices having Electrodes Comprising Nanowires, Systems Including Same and Methods for Forming Same”の出願日の利益を主張する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、例えば抵抗メモリデバイスや相変化メモリデバイスを含む、不揮発性メモリデバイスのメモリセルに使用する小電極を形成する方法に係り、そのような方法により形成されたメモリデバイス、およびそのようなメモリデバイスを含むシステムに係る。
【背景技術】
【0003】
各種の不揮発性メモリデバイスは、一つよりも多くの電気抵抗値を選択的に示させることが可能な材料を使用する。そのような一定量の材料は、単一のメモリセル(すなわち1ビット)を形成するために、2つの電極間に備えられることがある。電極間には選択された電圧(または電流)が加えられ、その間に生じた電流(または電圧)は、少なくとも部分的には、電極間の材料により示された特定の電気抵抗値に依存する。相対的に高い電気抵抗は、2進コードの「1」を表示するために使用され、相対的に低い電気抵抗は、2進コードの「0」を表示するために使用されてもよく、あるいはその逆もまた同様である。電極間の材料に相対的に高い電気抵抗値と低い電気抵抗値を選択的に示させることにより、メモリセルを「1」または「0」のいずれかの値を示すように選択的に特徴付けることが可能である。
【0004】
このような不揮発性メモリデバイスの一つの特殊のタイプは、相変化メモリデバイスである。相変化メモリデバイスでは、電極間に備わっている材料は、典型的には、異なる電気抵抗値を各々示す少なくとも2つの微細構造の相または状態を示すことができる。例えば、いわゆる「相変化材料」は、結晶相(すなわち、その材料の原子は、比較的に長距離秩序を示す)および非晶質相(すなわち、その材料の原子は、まったく長距離秩序を示さないか、あるいは比較的に少しの長距離秩序を示す)で存在することが可能である。典型的には、非晶質相は、少なくとも相変化材料の一部をその融点を超える温度に加熱し、その後、その原子が任意の長距離秩序をとり得る前にその材料を凝固させるために相変化材料を急冷(すなわち冷却)することにより形成される。相変化材料を非晶質相から結晶相に変化させるためには、典型的には、相変化材料をその融点より低いが結晶化温度よりも高い上昇温度まで、その材料の原子が結晶相と関連する比較的長距離秩序をとるようになるために十分な時間、加熱する。例えば、Ge2Sb2Te5(しばしば「GST」と称される)が相変化材料としてよく使用される。この材料の融点は約620℃であり、結晶状態および非晶質状態で存在することが可能である。非晶質(高抵抗)相を形成するためには、少なくともその材料の一部をわずか10から100ナノ秒間、電極間のその材料に比較的大電流(相変化材料の電気抵抗によって生成される熱)を加えることによりその融点を超える温度に加熱する。電流を遮断するとGST材料が急冷するので、GSTの原子には規則的な結晶状態を形成するための十分な時間がなく、GST材料の非晶質相が形成される。結晶(低抵抗)相を形成するためには、少なくともその材料の一部を、GST材料の原子が結晶相と関連する長距離秩序をとるようになるために十分な時間(例えば、わずか約30ナノ秒)、電極間のGST材料に比較的小電流を加えることにより、約550℃、すなわち結晶化温度を超え、かつGST材料の融点を下回るが融点付近の温度に加熱し、その後、その材料を流れる電流を遮断する。その中で相変化を生じさせるために相変化材料を通過する電流は、「プログラム電流」と呼ばれることがある。
【0005】
可変抵抗材料を含むメモリセルを有する各種メモリデバイスは、そのようなメモリデバイスの形成方法や利用方法と共に、当技術分野で周知である。例えば、可変抵抗材料を含むメモリセルおよびそのようなメモリセルの形成方法は、Doan他の米国特許第6,150,253号、米国特許第6,294,452、Lam他の米国特許出願公開番号2006/0034116 A1、Furkay他の米国特許第7,057,923号、Seo他の米国特許出願公開番号2006/0138393 A1、およびSuh他の米国特許出願公開番号2006/0152186 A1に開示されている。さらに、可変抵抗材料を有するメモリセルを含むメモリデバイスを形成するために使用され得るサポート回路は、そのようなメモリデバイスの操作方法と共に、例えば、Cho他の米国特許出願公開番号2005/0041464 A1、Khouri他の米国特許第7,050,328号、およびLeeの米国特許第7,130,214に開示されている。
【0006】
前述したように、プログラム電流が一定量の材料を通過する時に、その有限量の相変化材料に生じた熱は、その材料の電気抵抗に起因する。さらに、その有限量の相変化材料に生じた熱量は、少なくとも部分的にはその有限量の相変化材料の電流密度に依存する。2つの電極間の相変化材料を通過する所定の電流に対して、その相変化材料の電流密度は、少なくとも部分的にはその最小電極の大きさ(例えば、断面積)に依存する。結果として、相変化材料の電流密度が増加し、相変化材料の相変化を起こすために必要とされるプログラム電流が減少するように、電極の少なくとも一つの大きさを減らすことが要求される。必要とされるプログラム電流を減少させることにより、メモリデバイスを操作するために必要とされるエネルギーは減少する。それ故、当技術分野で現在知られている電極より比較的に小さい電極を有する可変抵抗メモリデバイスを形成するために使用可能な方法が必要である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】内在する3つのメモリセルを図示する本発明のメモリデバイスの実施形態の一部の断面概略図である。
【図1B】図1Aに示された1つのメモリセルの電極および可変抵抗材料を示し、その操作方法の一つを説明するために使用する。
【図1C】図1Aに示された1つのメモリセルの電極および可変抵抗材料を示し、その操作方法の一つを説明するために使用する。
【図2A】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよく、触媒構造体を形成するためのシャドーマスク堆積法の使用を含む、本発明の方法の第1の実施形態を図示する。
【図2B】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよく、触媒構造体を形成するためのシャドーマスク堆積法の使用を含む、本発明の方法の第1の実施形態を図示する。
【図2C】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよく、触媒構造体を形成するためのシャドーマスク堆積法の使用を含む、本発明の方法の第1の実施形態を図示する。
【図2D】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよく、触媒構造体を形成するためのシャドーマスク堆積法の使用を含む、本発明の方法の第1の実施形態を図示する。
【図2E】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよく、触媒構造体を形成するためのシャドーマスク堆積法の使用を含む、本発明の方法の第1の実施形態を図示する。
【図2F】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよく、触媒構造体を形成するためのシャドーマスク堆積法の使用を含む、本発明の方法の第1の実施形態を図示する。
【図2G】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよく、触媒構造体を形成するためのシャドーマスク堆積法の使用を含む、本発明の方法の第1の実施形態を図示する。
【図2H】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよく、触媒構造体を形成するためのシャドーマスク堆積法の使用を含む、本発明の方法の第1の実施形態を図示する。
【図2I】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよく、触媒構造体を形成するためのシャドーマスク堆積法の使用を含む、本発明の方法の第1の実施形態を図示する。
【図3A】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第2の実施形態を図示する。
【図3B】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第2の実施形態を図示する。
【図3C】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第2の実施形態を図示する。
【図3D】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第2の実施形態を図示する。
【図3E】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第2の実施形態を図示する。
【図3F】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第2の実施形態を図示する。
【図4A】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第3の実施形態を図示する。
【図4B】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第3の実施形態を図示する。
【図4C】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第3の実施形態を図示する。
【図4D】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第3の実施形態を図示する。
【図5A】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第4の実施形態を図示する。
【図5B】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第4の実施形態を図示する。
【図5C】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第4の実施形態を図示する。
【図5D】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第4の実施形態を図示する。
【図5E】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第4の実施形態を図示する。
【図5F】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第4の実施形態を図示する。
【図6A】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第5の実施形態を図示する。
【図6B】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第5の実施形態を図示する。
【図6C】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第5の実施形態を図示する。
【図6D】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第5の実施形態を図示する。
【図6E】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第5の実施形態を図示する。
【図6F】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第5の実施形態を図示する。
【図6G】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第5の実施形態を図示する。
【図6H】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第5の実施形態を図示する。
【図6I】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第5の実施形態を図示する。
【図7A】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第6の実施形態を図示する。
【図7B】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第6の実施形態を図示する。
【図7C】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第6の実施形態を図示する。
【図7D】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第6の実施形態を図示する。
【図7E】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第6の実施形態を図示する。
【図7F】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第6の実施形態を図示する。
【図7G】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第6の実施形態を図示する。
【図7H】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第6の実施形態を図示する。
【図7I】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第6の実施形態を図示する。
【図8A】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第7の実施形態を図示する。
【図8B】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第7の実施形態を図示する。
【図8C】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第7の実施形態を図示する。
【図8D】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第7の実施形態を図示する。
【図8E】ワークピースの一部の断面側面図であり、図1Aに示されたようなメモリデバイスを形成するために使用してよい本発明の方法の第7の実施形態を図示する。
【図9】図1Aに示されたようなメモリデバイスを含む本発明の電子システムの一実施形態を図示する略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下でさらに論じるように、いくつかの実施形態では、本発明は、2つの電極間に配置された一定量の可変抵抗材料を有するメモリデバイスを含む。それらの電極の少なくとも一つは、その一定量の可変抵抗材料と電気的に接触する第1の端部、およびメモリデバイスの他の導電性の機構もしくは素子と電気的に接触する第2の端部を有する単一のナノワイヤであるか、またはそれを含む。さらなる実施形態では、本発明は、一つ以上のそのようなメモリデバイスを含む電子システムを含む。一つ以上のそのようなメモリデバイスは、電子信号処理装置と電気的に通信してもよい。他の実施形態では、本発明は、そのようなメモリデバイスの形成方法を含む。そのような方法は、単一のナノワイヤの第1の端部と一定量の可変抵抗材料との間に接点を備えることを含んでもよい。
【0009】
本明細書では、用語「可変抵抗材料」とは、一つよりも多くの電気抵抗値、つまり導電率を示すことが可能な任意の材料を意味する。各種の抵抗材料は、例えば、相変化材料(例えば、Ge2Sb2Te5、Te81Ge15Sb2S2、およびSb2Te3などのカルコゲニド)、巨大磁気抵抗薄膜(例えば、Pr(1-x)CaxMnO3(PCMO)、La(1-x)CaxMnO3(LCMO)、およびBa(1-x)SrxTiO3)、酸化物材料(例えば、Al2O3、BaTiO3、SrTiO3、Nb2O5、SrZrO3、TiO2、Ta2O5、NiO、ZrOx、HfOx、およびCu2Oなどのドープまたは非ドープの2元または3元酸化物)を含んでよく、それらはペロブスカイト構造をとってもよく、また抵抗材料は一般式AxByを持つ材料を含んでもよく、Bは、硫黄(S)、セレ二ウム(Se)、テルリウム(Te)、およびそれらの混合物から選択され、Aは、例えばAu、Ag、Pt、Cu、Cd、In、Ru、Co、Cr、Ni、Mn、およびMoなどの貴金属および遷移金属元素から選択した一つ以上のドーパントを有する、III−B族(B、Al、Ga、In、Tl)、IV−B族(C、Si、Ge、Sn、Pb)、V−B族(N、P、As、Sb、Bi)、またはVII−B族(F、Cl、Br、I、At)から少なくとも一つの元素を含む。
【0010】
本明細書では、用語「ナノワイヤ」とは、平均して約50ナノメートルより小さい横断面寸法を有する任意の細長い構造体を意味する。
【0011】
本明細書では、用語「超格子構造」とは、主として異なる材料の周期的な交代層を含む構造を意味する。
【0012】
本明細書では、用語「III−VI型半導体材料」とは、周期表のIIIB族(B、Al、Ga、In、およびTi)からの一つ以上の元素、および周期表のVB族(N、P、As、Sb、およびTi)からの一つ以上の元素を主として含む任意の材料を意味する。
【0013】
本明細書では、用語「II−VI型半導体材料」とは、周期表のIIB族(Zn、Cd、およびHg)からの一つ以上の元素、および周期表のVIB族(O、S、Se、Te、およびPo)からの一つ以上の元素を主として含む任意の材料を意味する。
【0014】
本明細書では、用語「ウエハー」とは、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、および他のIII−V型またはII−VI型半導体材料を含む、半導体型材料層を含む任意の構造体を意味する。ウエハーは、例えば、従来型のウエハーだけではなく、非限定的な実施例として、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)型基板、シリコン・オン・サファイア(SOS)型基板、および基材層により支えられているシリコンエピタキシャル層といった、他のバルク半導体基板をも含む。半導体型材料は、ドープまたは非ドープの場合があってもよい。さらに、以下の説明において「ウエハー」について言及する場合、ウエハーの表面内または表面より上方の回路もしくはデバイスの素子または部品を少なくとも部分的に形成するために前工程が利用されていてもよい。
【0015】
本明細書に示した説明図は、いかなる特定のメモリデバイス、メモリセル、ワークピース、またはシステムの実際の図を意図するものではなく、本発明を記述するために用いた望ましい表現にすぎない。また、各図の間で共通する素子は、同じ数字表示を保持してよい。
【0016】
図1Aは、本発明のメモリデバイス10の実施形態の一部の断面概略図を示したものである。メモリデバイス10は、複数のメモリセル12を含む集積回路を含んでよく、メモリセル12を基板11上または内に配列してよい。限定ではなく例としては 、メモリセル12を複数の行および列に配置してよい。図1Aは、基板11を垂直に貫いた一部の断面図であり、メモリセル12の配列の共通の行あるいは列の中の3つのメモリセル12を図示する。
【0017】
図示を容易にするため、図1Aには、メモリセル12は基板11の主要な垂直部分を占めるように示されている。しかし、実際上は、基板11は図示したよりも相対的に厚くてよく、メモリセル12は基板11の相対的に薄い部分を占めてよいと解される。さらに、メモリセル12の能動素子(すなわち、電荷が移動するメモリセル12の素子)のみに、またはそのような能動素子を形成するために使用される材料には、本明細書でその断面図を簡略化するために、平行線の陰影がつけられている。
【0018】
基板11は、例えば、ガラスもしくはサファイアなどの材料を含んでよく、または、基板は、従来の半導体製造法を利用する処理を容易にしうるウエハーの全部または一部を含んでよい。
【0019】
図1Aに示すように、各メモリセル12は、第1の電極16、第2の電極18、および第1の電極16と第2の電極18の間に配置された一定量の可変抵抗材料20を含んでよい。
【0020】
実施形態によっては、可変抵抗材料20は、相変化材料を含んでよい。例えば、可変抵抗材料20は、カルコゲニド材料などの相変化材料を含んでよい。典型的なカルコゲニド材料は、主として、テルリウム(Te)、ゲルマニウム(Ge)、およびアンティモニー(Sb)を含む合金であり、例えば、Ge2Sb2Te5、Te81Ge15Sb2S2、およびSb2Te3を含む。カルコゲニド材料は、一般化学式TeaGebSb100-(a+b)を特徴としてよく、aはおよそ85未満であり、bはおよそ8より大きい。
【0021】
さらなる実施形態では、可変抵抗材料20は、例えば、Pr(1-x)CaxMnO3(PCMO)、La(1-X)CaxMnO3(LCMO)、およびBa(1-x)SrxTiO3などのいわゆる「巨大磁気抵抗薄膜」を形成するために使用される各種材料の一つを含んでよい。さらに他の実施形態では、可変抵抗材料20は、例えば、Al2O3、BaTiO3、SrTiO3、Nb2O5、SrZrO3、TiO2、Ta2O5、NiO、ZrOx、HfOx、およびCu2Oなどの2元または3元のドープまたは非ドープの酸化物材料を含んでよい。さらに、可変抵抗材料20は、ペロブスカイト構造を有してよい。可変抵抗材料のさらに別のタイプは、一般式AxByのドープしたカルコゲニドガラスを含み、Bは、硫黄(S)、セレニウム(Se)、テルリウム(Te)、およびそれらの混合物から選択され、Aは、例えばAu、Ag、Pt、Cu、Cd、In、Ru、Co、Cr、Ni、Mn、およびMoなどの貴金属および遷移金属元素から選択した一つ以上のドーパントを有する、III−B族(B、Al、Ga、In、Tl)、IV−B族(C、Si、Ge、Sn、Pb)、V−B族(N、P、As、Sb、Bi)、またはVII−B族(F、Cl、Br、I、At)から少なくとも一つの元素を含む。
【0022】
各メモリセル12の第1の電極16は、一定量の可変抵抗材料20の表面に最も近いかもしくは物理的に直接接する第1の端部24、およびメモリデバイス10の他の導電性機構と構造的電気的に結合する第2の端部26を有する、単一のナノワイヤ22を含んでもよい。例えば、各メモリセル12の第1の電極16は、さらに導電性パッド28を含んでよく、単一のナノワイヤ22の第2の端部26は、導電性パッド28と構造的電気的に結合してよい。実施形態によっては、各導電性パッド28は、図1Aに示すように、不連続に横方向に分離した一定量の導電性材料を含んでよい。他の実施形態では、各導電性パッド28は、単に、細長く横方向に伸びる導電線の場所または領域を含んでよい。
【0023】
限定ではなく例としては、各メモリセル12の単一のナノワイヤ22は、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)や多層カーボンナノチューブ(MWCNT)などのナノチューブを含んでよい。さらなる実施形態では、各ナノワイヤ22は、例えば、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム、III−V型半導体材料、またはII−VI型半導体材料などの半導体材料を実質的に含む、実質的に固形のナノワイヤを含んでもよい。そのようなナノワイヤ22は、集積したPN接合または超格子構造を任意に有してよい。さらに、各ナノワイヤ22は、単結晶を含んでよい。さらに他の実施形態では、各ナノワイヤ22は、例えば、コバルト、銅、金、ニッケル、プラチナ、または銀などの金属を実質的に含んだ、実質的に固形のナノワイヤを含んでよい。さらに以下で詳述するように、いかなるタイプのナノワイヤ22も、十分な導電率を示すナノワイヤである限り使用してよく、メモリセル12内に形成させ、成長させ、設置させ、または他の方法で 備えさせることができる。
【0024】
図1Aへの言及を続けると、各ナノワイヤ22の第2の端部26は、導電性触媒構造体30を経由して、導電性パッド28と間接的に構造的電気的に結合してよい。言い換えれば、導電性触媒構造体30は、各ナノワイヤ22の第2の端部26と導電性パッド28の間に配置されてよく、その導電性触媒構造体30は、ナノワイヤ22および導電性パッド28の両方と構造的電気的に結合してよい。さらに以下で詳述するように、各メモリセル12の単一のナノワイヤ22の形成を触媒するために、導電性触媒構造体30を使用してよい。
【0025】
さらに以下で詳述するように、実施形態によっては、各ナノワイヤ22は、本来の位置で成長させ、または別の方法で形成させてよく、さらに他の実施形態では、各ナノワイヤ22は、他の場所で成長または形成させ、続いてメモリセル12内に配置させてよい。
【0026】
実施形態によっては、各ナノワイヤ22は、約10ナノメートル(10nm)未満の平均直径を有してよい。より詳細には、実施形態によっては、各ナノワイヤは、約3ナノメートル(3nm)から約6ナノメートル(6nm)の平均直径を有してよい。さらにより詳細には、実施形態によっては、各ナノワイヤは、約4ナノメートル(4nm)から約5ナノメートル(5nm)の平均直径を有してよい。
【0027】
各ナノワイヤ22の第1の端部24と第2の電極18の間の、一定量の可変抵抗材料20の平均の厚さは、各ナノワイヤ22の平均直径の約1倍から約3倍の間であってよい。実施形態によっては、各ナノワイヤ22の第1の端部24と第2の電極18の間の、一定量の可変抵抗材料20の各々の平均の厚さは、各ナノワイヤ22の平均直径の約2倍であってよい。
【0028】
各メモリセル12の第2の電極18は、第1の電極16の導電性パッド28と実質的に同様であってよく、金属などの不連続に横方向に分離した一定量の導電性材料を含んでよい。他の実施形態では、各第2の電極18は、単に、細長く横方向に伸びる導電線の場所または領域を含んでよい。
【0029】
実施形態によっては、各第2の電極18は、電気接点 35を経由して導電線34と電気的に通じてよく、各第1の電極16もまた、電気接点37を経由して別の導電線36と電気的に通じてよい。さらなる実施形態では、第2の電極18は、単に、導電線の領域または部分を含んでよく、メモリセル12は、別々の導電線34と電気接点35を含まなくてもよい。同様に、さらなる実施形態では、第1の電極16の導電性パッド28もまた、導電線の領域または部分を含んでよく、メモリセル12は、別々の導電線36と電気接点37を含まなくてもよい。
【0030】
さらに、さらなる実施形態では、第1の電極16および第2の電極18は、導電線と各々電気的に通じなくてもよく、第1の電極16と第2の電極18の両方または一方は、単に、導電性パッドと通じてよい。
【0031】
図1Aに示されていないが、各メモリセル12はまた、当技術分野で周知のように、読み書き操作のために各メモリセルに選択的にアクセスする、アクセストランジスタを含んでよい。
【0032】
メモリセル12を2進コードの「0」または「1」のいずれかを示すように使用または特性化する方法を、図1Bから図1Cを参照して以下に簡潔に記述する。
【0033】
図1Bは、図1Aに示した一つのメモリセル12の第1の電極16、第2の電極18、および可変抵抗材料20の拡大図である。前述のように、可変抵抗材料20は、相変化材料を含んでよい。図1Bに示したメモリセル12の可変抵抗材料20は、第1の状態または相(すなわち、原子は特有の微細構造に配置される)で存在してよく、それは、第1の電極16と第2の電極18の間に相対的に低い電圧を与え、可変抵抗材料20を通って第1の電極16と第2の電極18の間に流れる、結果として生じる電流の大きさ(例えば、アンペア)を計ることにより検出できる。限定ではなく例としては、この第1の状態または相(したがって、その電流量)は、2進コードの「1」を示すために選択されてよい。
【0034】
可変抵抗材料20の状態または相を変化させるために、可変抵抗材料20に相対的に大きい電流を誘導するため、相対的に高い電圧を第1の電極16と第2の電極18の間に与えてもよい。可変抵抗材料20を流れるこの相対的に大きい電流 は、プログラム電流とみなされてよく、図1Cに示すように、可変抵抗材料20の部分21の状態または相に変化を起こすのに十分な温度まで、一定量の可変抵抗材料の少なくともほんの一部分21を加熱するために使用される。可変抵抗材料20の部分21は、その結果、第1の状態または相の電気抵抗率とは異なる、第2の状態または相の電気抵抗率(および逆に、導電率)を示してよい。結果として、第2の状態または相は、再度、第1の電極16と第2の電極18の間の相対的に低い電圧を加え、第1の電極16と第2の電極18の間を流れる、結果として生じる電流の大きさ(例えば、アンペア)を計ることにより検出することができ、それは、可変抵抗材料20が第1の状態または相にある場合に測定された電流の大きさとは異なり得る。限定ではなく例としては、この第2の状態または相(したがって、第2の電流量)は、2進コードの「0」を示すために選択されてよい。
【0035】
プログラム電流が流れる時に可変抵抗材料20の部分21に生じた熱は、可変抵抗材料20の電気抵抗に起因する。さらに、可変抵抗材料20の部分21で生じた熱量は、少なくとも部分的には、可変抵抗材料20の部分21の電流密度に依存する。第1の電極16と第2の電極18の間に可変抵抗材料20を通って流れる所定の電流に対して、可変抵抗材料20の電流密度は、少なくとも部分的には、電極16、18のうちの小さい方の寸法に依存する。単一のナノワイヤ22の第1の端部24を一定量の可変抵抗材料20に直接隣接した第1の電極16の部分として用いることにより、可変抵抗材料20の部分21の電流密度は増大し、可変抵抗材料20の部分21に相変化を生じさせるために必要とするプログラム電流は減少する。必要とするプログラム電流を減少させることにより、メモリデバイス10を操作するために必要とするエネルギーは減少しうる。結果として、本発明のメモリデバイス10は、現在当技術分野で周知なメモリデバイスと比較して小さい電力を用いて操作され、現在当技術分野で周知なメモリデバイスと比較して高速で操作され、あるいはそのような利点の両方を提供しうる。
【0036】
図1Aに示したメモリデバイス10などの、本発明によるメモリデバイスの実施形態を形成するための各種の方法を以下に記述する。記述を容易にするために、それらの方法は、単一のメモリセル12に関して記述される。実際には、しかしながら、複数のメモリセル12を、基板11上に実質的に同時に形成してよく、それらのメモリセル12は、一つまたは複数のメモリデバイス10のメモリセル12を含んでよい。
【0037】
図1Aに示したメモリデバイス10を形成するために使用しうる方法の第1の実施形態を、図2Aから図2Iに関連して記述する。図2Aを参照すると、基板11を備えてよく、それは、前述したように、半導体材料、または、ガラスもしくはサファイアなどの材料の、全部または一部のウエハーを含んでよい。複数の導電性パッド28を、図2Bに示すように、ワークピースを形成するために基板11の表面上または内に形成してよい。導電性パッド28は、例えば、タングステンまたは窒化チタンなどの導電性金属を含んでよく、集積回路製造の技術分野で周知である、例えば、金属層成長技術(例えば、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)、スパッタリング、熱蒸発、またはめっき)、およびパターニング技術(例えば、マスキングおよびエッチング)を使用して形成してよい。例えば、導電線36(それは、さらなる実施形態では導電性パッドを単に含んでよい)および電気接点37(図1A)などの、さらなる特徴もまた、同様の方法で、(導電性パッド28を形成する前および/または後に)基板11の表面上または内に形成してよいが、図を簡素化するために図2Aから図2Iにはそのようなさらなる特徴は図示されていない。
【0038】
図2Bに示すように、誘電性材料の層40を、ワークピース(すなわち、基板11および導電性パッド28の露出した主要な表面)より上方に備えてよく、マスク層42を、誘電性材料の層40より上方に備えてよい。限定ではなく例としては、誘電性材料の層40は、シリカ(SiO2)または窒化ケイ素(Si3N4)などの酸化物を含んでよく、化学気相成長、オルトケイ酸テトラエチル分解(decomposing TEOS)、または集積回路製造の技術分野で周知の何か他の工程により、形成してよい。マスク層42は、例えば、フォトレジスト材料層または金属材料層を含んでよい。開口部またはビア44は、その後、ビア44を形成することが望まれる場所の中に穴を形成するためにマスク層42をパターニングし、下層の導電性パッド28を露出させるために、例えば、異方性反応性イオン(すなわち、プラズマ)エッチング工程を使用して、マスク層42内の開口部を通して誘電性材料の層40をエッチングすることにより形成してよい。反応性イオンを生成するために使用されるガスの特有の組成およびエッチング工程の操作条件は、誘電性材料の層40、マスク層42、および導電性パッド28の組成に基づいて選択されてよい。
【0039】
図2Cを参照すると、下層の導電性パッド28より上方にビア44を形成した後に、マスク層42および導電性パッド28よりも速い速度で誘電性材料の層40を選択的にエッチング除去する別のエッチング液を、ビア44の下を切除するよう、ビア40内の誘電性材料の層40の露出した表面をエッチング除去するために使用してよい。限定ではなく例としては、等方性湿式化学エッチング工程を、ビア44の下を切除するために使用してよい。この場合も先と同様に、化学エッチング液の特有の組成は、誘電性材料の層40、マスク層42、および導電性パッド28の組成に基づいて選択してよい。
【0040】
さらなる実施形態では、ビア44を、等方性湿式化学エッチング工程が後に続く別の異方性反応性イオンエッチング工程に代わって、ただ一つの等方性湿式化学エッチング工程を使用して形成してよい。
【0041】
図2Dを参照すると、シャドウ堆積工程を、ビア44内の導電性パッド28上に触媒構造体30を形成するために使用してよい。そのような工程は、例えば、2006年6月22日に公開され、名称が“Small Electrode For Resistance Variable Devices”である、米国特許出願公開番号2006/0131556 A1に記述されている。例えば、基板11は、堆積室(図示せず)に備えられてよく、触媒材料の原子の略方向 の流れを、例えば蒸発工程または集束スパッタリング(collimated sputtering)工程を使用してそこに生成してよい。触媒材料の原子の略方向の流れは、方向を示す矢印48により図2Dに示されている。図のように、ワークピース(または基板11)を、堆積室内の触媒材料の原子の略方向の流れに対して90度(90°)より小さい鋭角に方向付けてよく、そのワークピースは、触媒材料の原子がその上に堆積される間、方向を示す矢印50のように、基板11の平面で回転させてよい。触媒材料がその上に堆積する時に、触媒材料の原子の略方向の流れに対する角度にワークピースを方向付け、基板11を回転させることにより、略 円錐形の触媒構造体30を、ビア内の導電性パッド28上に形成してよい。略円錐形の触媒構造体30の基底は、触媒構造体30がその上に形成されるときに導電性パッド28と構造的電気的に結合させてよく、略円錐形の触媒構造体30の先端は、その上に形成、成長、または他の方法で備えられるナノワイヤ22(図1A)の望ましい平均直径の断面積と同等またはそれよりも小さい断面積を有してよい。シャドウ堆積工程の間、触媒材料層52もまた、図2Dに示すように、マスク層42より上方に堆積させてよい。
【0042】
さらなる実施形態では、ワークピース(または基板11)を、堆積室内の触媒材料の原子の略方向の流れに対してほぼ垂直(すなわち、約90度(90°)の角度)に方向付けてよい。
【0043】
ビア44内の導電性パッド28上の触媒構造体30の形成後に、触媒材料層52およびマスク層42を、図2Eに示す構造を形成するために、例えば、化学機械研磨(CMP)工程、選択的なエッチング工程、またはリフトオフ工程を使用して除去してよい。例えば、リフトオフ層(図示せず)を誘電性材料の層40より上方に形成してよく、その後マスク層42をリフトオフ層より上方に堆積させてよい。前述したように、ビア44を、その後、マスク層42、リフトオフ層、および誘電性材料の層40を貫いて形成してよく、触媒構造体30を導電性パッド28上に形成してよく、それは触媒材料層52の形成をもたらしうる。リフトオフ層は、その後、ワークピースから剥がし取られ、覆っているマスク層42および導電性材料の層52は、下層のリフトオフ層と共にワークピースから除去されうる。さらなる実施形態では、マスク層42それ自身がリフト層としての機能を果たしてよい。
【0044】
図2Fを参照すると、触媒構造体30を囲むビア44の残存部分は、誘電性材料54で満たされてよく、それは、任意的に、誘電性材料40と実質的に等しくてよい。限定ではなく例としては、誘電性材料54の絶縁保護層(conformal layer、図示せず)を、触媒構造体30を囲むビア44の残存部分を満たすのに十分な厚さにまで、ワークピースより上方に 堆積させてよい。図2Fに示すように、さらなる化学機械研磨(CMP)工程を、その後、ワークピースの表面を平坦化し、誘電性材料54を通して 触媒構造体30の先端31を露出させるために使用してよい。化学機械研磨(CMP)工程は、その化学機械研磨(CMP)工程により誘電性材料54を通して露出した先端31の表面積が、選択された所定の大きさに及ぶ時に、選択的に終了してよい。限定ではなく例としては、化学機械研磨(CMP)工程は、露出した先端31の表面積が約300平方ナノメートル(300nm)より小さい断面積を有する時に、選択的に終了してよい。
【0045】
図2Gを参照すると、触媒構造体30の先端31を、その後、その上に単一のナノワイヤ22の形成または成長を触媒するために使用してよい。対応する触媒材料を使用するナノワイヤの形成および/または成長の各種の方法は、当技術分野で周知であり、単一のナノワイヤ22を形成するために使用されてよい。そのような方法のいくつかは、例えば、Younan Xia他の“One-Dimensional Nanostructures : Synthesis, Characterization and Applications”、15 Advanced Materials 353-389(2003年3月)に記述されている。限定ではなく例としては、当技術分野で周知であるように、化学気相成長工程を、それは任意にいわゆるvapor-liquid-solid (VLS)機構を用いてよいが、触媒構造体30の先端上にナノワイヤ22を成長させるために使用してよい。一つの非限定的な実施例としては、触媒構造体30は金を含んでよく、ナノワイヤ22はドープしたシリコン(Si)を含んでよい。そのようなドープしたシリコンナノワイヤは、当技術分野で周知であるように、化学気相成長工程およびVLS(vapor-liquid-solid)機構を使用して形成してよい。別の非限定的な実施例としては、Zhang他の米国特許公開番号2006/0086314 A1に記述されるように、触媒構造体30は、Ti、Co、Ni、Au、Ta、ポリシリコン、シリコンゲルマニウム、プラチナ、イリジウム、窒化チタン、または窒化タンタルの少なくとも一つを含んでよく、ナノワイヤ22は、酸化イリジウム(IrOx)を含んでよい。さらに、前述したように、ナノワイヤは、III−V型半導体材料またはII−V型半導体材料を含んでよい。ナノワイヤを形成するために使用されうる各種半導体材料は、そのようなナノワイヤの形成を触媒するために使用されうる反応前駆体材料および触媒材料と共に、Wessels他の米国特許公開番号2004/0028812 A1に開示されている。
【0046】
さらなる実施形態では、ナノワイヤ22を、本来の場所よりもむしろ他の場所で加工し、例えば、選択的に配向された電界を使用してメモリセル12内に配置してよい。そのような方法では、触媒構造体30を、触媒材料を含まないが触媒構造体30と同様の形状と配置を有する、導電性の構造体に置換してよい。
【0047】
図2Iを参照すると、いくつかの実施形態では、ナノワイヤ22を、基板11の平面にほぼ垂直に方向付けてよい。特定方向にナノワイヤ11を方向付ける各種技術は、当技術分野で周知であり、基板11の平面にほぼ垂直にナノワイヤ11を方向付けるために使用されてよい。例えば、Cheng他の“Role of Electric Field on Formation of Silicon Nanowires” J. Applied Physics、vol.94、No.2(2003年)に記述されているように、例えば、ナノワイヤ22を触媒構造体30上に形成または成長させる、あるいは別の方法でメモリセル12内に配置させるようにナノワイヤ22の方向を選択的に調整するため、電界を生成し選択的に方向付けてよい。
【0048】
図2Hを参照すると、触媒構造体30の先端31を、その上に単一のナノワイヤ22の形成または成長を触媒するために使用した後に、別の誘電性材料の層56を単一のナノワイヤ22の周りに備えてよい。限定ではなく例としては、誘電性材料の層56は、窒化ケイ素(Si3N4)などの窒化物材料を含んでよい。さらなる実施形態では、誘電性材料の層56は、誘電性材料の層40と実質的に同質であってよく、例えば、酸化物材料を含んでよい。誘電性材料の層56は、実質的にコンフォーマルであってよく、ナノワイヤ22を実質的に覆うのに十分な厚さにまで、ワークピースより上方に 堆積させてよい。誘電性材料の層56は、図2Hに示すように、誘電性材料56を通してナノワイヤ22の第1の端部24を露出させるために化学機械研磨(CMP)工程を使用して平坦化してよい。
【0049】
図2Iを参照すると、誘電性材料56を通してナノワイヤ22の第1の端部24を露出させた後、一定量の可変抵抗材料20を、誘電性材料の層56の露出した表面上およびナノワイヤ22の第1の端部24より上方に備えてよく、第2の電極18を一定量の可変抵抗材料20より上方に備えてよい。限定でなく例としては、可変抵抗材料20の層をワークピースより上方に堆積させてよく、第2の電極18を形成するための金属層を可変抵抗材料20の層上に堆積させてよい。マスキングおよびエッチングの工程は、その後、ナノワイヤ22より上方の一定量の可変抵抗材料20および一定量の可変抵抗材料20より上方の第2の電極18を残して、金属材料層および誘電性材料の層20の両方の領域または場所を選択的に除去するために使用されてよい。
【0050】
例えば、導電線34および電気接点35(図1A)などのさらなる機構および素子を、その後、必要に応じてまたは要望に応じて、可変抵抗材料20の層 および第2の電極18より上方に形成してよい。
【0051】
メモリデバイス10の実施形態を形成するために使用されうる方法の第2の実施形態を、図3Aから図3Fを参照して以下に記述する。図3Aを参照すると、図2Bに示したワークピースと実質的に同様のワークピースが備えられてよく、基板11、導電性パッド28、誘電性材料の層40、およびマスク層42を含む。図3Aに示すワークピースは、しかしながら、誘電性材料の層40とマスク層42の間に配置される研磨停止層58をも含む。非限定的な例としては、研磨停止層58は、窒化ケイ素(Si3N4)の層を含んでよい。図3Aに示すワークピースを形成するために、誘電性材料の層40を堆積させ、続いて研磨停止層58およびマスク層42を堆積させてよい。研磨停止層58は、例えば、化学気相成長(CVD)工程を使用して堆積させてよい。ビア44を、図2Bに関連して前述したものと同一または実質的に同様の方法を使用して、下層の導電性パッド28を露出させるために、誘電性材料の層40、研磨停止層58、およびマスク層42を貫いて形成してよい。
【0052】
図3Bを参照すると、ビア44を形成後、触媒構造体30を、図2Dに関連して前述したようなシャドウ堆積工程を使用して、導電性パッド28上に形成してよく、その後、触媒材料の層52およびマスク層42を、図2Eに関連して前述した方法で除去してよい。実質的にコンフォーマルな誘電性材料の層54を、その後、触媒構造体30の周りのビア44の領域を満たすために、図3Cに示すようにワークピースより上方に 備えてよい。図3Dに示すように、化学機械研磨(CMP)工程を、その後、研磨停止層58を覆う誘電性材料の層54の部分を除去するために使用してよい。化学機械研磨(CMP)工程を実施するために使用する装置のスラリーおよび研磨パッドを、その工程が下層の研磨停止層58を摩滅させる速度よりも速い速度で誘電性材料の層54を摩滅させるように選択的に調整してよい。この方法では、研磨停止層58を覆う実質的に全ての誘電性材料の層54は、研磨停止層58を完全に除去することなしにワークピースから除去されうる。研磨停止層58は、触媒構造体30の先端31の選択した量のみが(仮にあったとしたら)化学機械研磨(CMP)工程の間に触媒構造体30から除去されることを確保するために使用されうる。
【0053】
図3Eを参照すると、触媒構造体30の先端31を、その後、図2Gに関連して前述したように、その上に単一のナノワイヤ22の形成または成長を触媒するために使用してよく、その後、図3Fに示すように、誘電性材料の層56をナノワイヤ22の周りに備えてよい。前述したように、化学機械研磨(CMP)工程を、誘電性材料の層56を平坦化し、それを通してナノワイヤ22の第1の端部24を露出させるために使用してよい。図2Iに関連して前述した方法を使用して、一定量の可変抵抗材料20を、その後、ナノワイヤ22の第1の端部24より上方に備えてよく、第2の電極18を、一定量の可変抵抗材料20より上方に備えてよい。
【0054】
図1Aに示したようなメモリデバイス10の実施形態を形成するために使用しうる方法の第3の実施形態を、図4Aから図4Dを参照して以下に記述する。図4Aを参照すると、図2Eに示したワークピースと実質的に同様のワークピースが、(図2Aから図2Eに関連して前述した方法を使用して)備えられてよく、基板11、導電性パッド28、誘電性材料の層40、および導電性パッド28上の略円錐形の触媒構造体30を含む。図4Aに示すワークピースが備えられた後、誘電性材料の層40の残留部分は、図4Bに示すような構造体を形成させるために、例えば等方性湿式化学エッチング工程を使用して除去してよい。図4Cを参照すると、実質的にコンフォーマルな誘電性材料の層54を、その後ワークピースより上方に 堆積させてよい。実施形態によっては、実質的にコンフォーマルな誘電性材料の層54は、触媒構造体30が導電性パッド28および基板11の表面から伸びる距離よりも大きい平均の厚さを有してよい。化学機械研磨(CMP)工程を、その後、図4Dに示すように、誘電性材料の層54を平坦化し、誘電性材料54を通して触媒構造体30の先端31の選択した部分を露出させるために使用してよい。図4Dに示す構造体を形成した後、図2Gから図2Iに関連して前述したような方法を、メモリセル12(図1A)の形成を完成させるために使用してよい。
【0055】
図1Aに示したようなメモリデバイス10を形成するために使用しうる方法の第4の実施形態を、図5Aから図5Fを参照して以下に記述する。図5Aを参照すると、図4Bに示したワークピースと実質的に同様のワークピースが備えられてよく、基板11、導電性パッド28、および導電性パッド28上の略円錐形の触媒構造体30を含む。図5Bを参照すると、実質的にコンフォーマルな誘電性材料の層54を、その後、ワークピースより上方に 堆積させてよい。実質的にコンフォーマルな誘電性材料の層54は、触媒構造体30が導電性パッド28および基板11の表面から伸びる距離よりも小さい平均の厚さを有してよい。実施形態によっては、実質的にコンフォーマルな誘電性材料の層54は、約2ナノメートル(2nm)から約50ナノメートル(50nm)の平均の厚さを有してよい。
【0056】
図5Cを参照すると、異方性エッチング工程を、その後、基板11を覆う領域、および略円錐形の触媒構造体30の先端31上の誘電性材料の層54の部分を含む、誘電性材料の層54の概して横方向に広がった領域を除去するために使用してよい。そのような異方性エッチング工程の後、触媒構造体30の横方向の側面上の誘電性材料の層54の部分のみをその異方性エッチング工程後に残してよく、触媒構造体30の先端31を誘電性材料54を通して露出させてよい。異方性エッチング工程は、例えば、異方性反応性イオン(例えば、プラズマ)エッチング工程(RIE)を含んでよい。
【0057】
図5Dに示すように、誘電性材料54を通して触媒構造体30の先端31を露出させた後、図2Gに関連して前述したように、単一のナノワイヤ22の成長または形成を、触媒構造体30の先端31を使用して触媒してよい。誘電性材料の別の層56を、その後、ワークピースより上方で、かつ、ナノワイヤ22および触媒構造体30の周りに堆積させてよい。図5Eに示すように、化学機械研磨(CMP)工程を、誘電性材料の層56の表面を平坦化し、それを通してナノワイヤ22の第1の端部24の選択した部分を露出させるために使用してよい。図5Fに示すように、一定量の可変抵抗材料20および第2の電極18を、その後、図2Gから図2Iに関連して前述した方法で、ワークピース上でナノワイヤ22の第1の端部24より上方に形成してよい。
【0058】
図1Aに示したようなメモリデバイス10の実施形態を形成するために使用しうる方法の第5の実施形態を、図6Aから図6Iを参照して以下に記述する。図6Aを参照すると、基板11および導電性パッド28を含むワークピースが備えられてよい。触媒材料の層68を基板11より上方に堆積させてよい。限定ではなく例としては、触媒材料の層68を、物理気相成長(PVD)(例えば、スパッタリング、または熱蒸発)工程、化学気相成長工程、無電解析出工程、または電気めっき工程が後に続くシード層を形成するための無電解析出工程を使用して堆積させてよい。触媒材料の層68は、約50ナノメートル(50nm)から約500ナノメートル(500nm)の平均の厚さを有してよい。マスク層70を、その後、触媒材料の層68より上に備えてよい。マスク層70は、例えば、フォトレジスト層、窒化物材料(例えば、Si3N4)の層、または酸化物材料(例えばSiO2)の層を含んでよい。マスク層70は、その後、導電性パッド28を覆う触媒材料の層68の表面上のマスク材料の不連続領域72を形成するために、選択的にパターニングされてよい。限定ではなく例としては、マスク材料の不連続領域72は、略円形をしてよく、約20ナノメートル(20nm)から約100ナノメートル(100nm)の平均直径を有してよい。
【0059】
図6Cを参照すると、その後異方性乾式反応性イオン(すなわち、プラズマ)エッチング工程を、触媒構造体76を形成するように、マスク材料の不連続領域72により保護されていない触媒材料の層68の領域を除去するために使用してよい。言い換えれば、マスク材料の不連続領域72の垂直下の触媒材料の層68の部分のみが、異方性エッチング工程後に残されてよい。前述したように、マスク材料の不連続領域72は、例えば、略円形でよく、得られた触媒構造体76は、略円筒形状でよく、マスク材料の不連続領域72の平均直径と実質的に同様の平均直径を有してよい。触媒構造体76の端部上に残るマスク材料の不連続領域72は、例えば、湿式化学エッチング工程を使用して、触媒構造体76の端部から除去してよい。
【0060】
図6Dを参照すると、導電性パッド28の反対側の触媒構造体76の端部77を、その端部77に近い触媒構造体76の断面積を減らすように削ってよい。限定ではなく例としては、触媒構造体76の端部77は、異方性反応性イオン(すなわち、プラズマ)エッチング工程、スパッタリング工程、および酸化工程の少なくとも一つを使用して削ってよい。例えば、異方性反応性イオンエッチング工程は、触媒構造体76の端部77付近の相対的に鋭い端ではエッチング速度が増大することにより、触媒構造体76の端部77を削ってよい。別の実施例では、触媒構造体76を、イオンまたは他の粒子(例えば、アルゴン原子)と触媒構造体76の端部77を衝突させることによるスパッタリング工程を使用して削ってよい。さらに別の実施例では、触媒構造体76を、触媒構造体76の外面を酸化させ、続いて触媒構造体76の外面に形成した酸化層を除去することによる酸化工程を使用して削ってよい。
【0061】
図6Eを参照すると、実質的にコンフォーマルな誘電性材料の層54を、その後、ワークピースより上方で、かつ、触媒構造体76の周りに堆積させてよい。実質的にコンフォーマルな誘電性材料の層54は、触媒構造体76が導電性パッド28および基板11の表面から伸びる距離よりも大きい平均の厚さを有してよい。この構造では、触媒構造体76は、誘電性材料54内に実質的に埋め込まれてよい。
【0062】
図6Fに示すように、化学機械研磨(CMP)工程を、誘電性材料の層54の表面を平坦化し、それを通して触媒構造体76の端部77上の先端78の選択した部分を露出させるために使用してよい。図6Gに示すように、触媒構造体76の端部77上の露出した先端78を、図2Gに関連して前述したように、その上に単一のナノワイヤ22の形成または成長を触媒するために使用してよい。
【0063】
図6Hを参照すると、誘電性材料の別の層56を、その後、ワークピースより上方で、かつ、ナノワイヤ22の周りに堆積させてよく、化学機械研磨(CMP)工程を、誘電性材料の層56を平坦化し、それを通してナノワイヤ22の第1の端部24を露出させるために使用してよい。図6Iに示すように、一定量の可変抵抗材料20および第2の電極18を、その後、図2Gから図2Iに関連して前述した方法で、ワークピース上でナノワイヤ22の第1の端部24より上方に形成してよい。
【0064】
図1Aに示したようなメモリデバイス10を形成するために使用しうる方法の第6の実施形態を、図7Aから図7Iを参照して以下に記述する。図7Aを参照すると、基板11および導電性パッド28を含むワークピースが備えられてよい。触媒材料の層68を基板11より上方に堆積させてよい。限定ではなく例としては、触媒材料の層68を、物理気相成長(PVD)工程(例えば、スパッタリングまたは熱蒸発)、化学気相成長(CVD)工程、無電解析出工程、または電気めっき工程が後に続くシード層を形成するための無電解析出工程を使用して堆積させてよい。触媒材料の層68は、約30ナノメートル(30nm)から約200ナノメートル(200nm)の平均の厚さを有してよい。マスク層70を、その後、触媒材料の層68より上方に備えてよい。マスク層70は、例えば、窒化物材料(例えばSi3N4)の層、または酸化物材料(例えばSiO2)の層を含んでよい。マスク層70を、その後、導電性パッド28より上方の触媒材料の層68の表面上のマスク材料の不連続領域72を備えるために選択的にパターニングしてよい。限定ではなく例としては、マスク材料の不連続領域72は、略円形であってよく、約30ナノメートル(30nm)から約100ナノメートル(100nm)の平均直径を有してよい。
【0065】
図7Cを参照すると、部分的な等方性エッチング工程(例えば、湿式化学エッチングまたは部分的な等方性反応性イオンエッチング(RIE))を、その後、触媒構造体86を形成するように、マスク材料の不連続領域72により覆われていない、または別の方法で保護されていない、触媒材料の層68の領域を除去するために使用してよい。言い換えれば、マスク材料の不連続領域72の垂直下の触媒材料の層68の部分のみが、その部分的な等方性エッチング工程後も残されてよい。部分的な等方性エッチング工程は、マスク材料の不連続領域72より下の触媒材料の層の下を切除する結果をもたらしてよく、残っている触媒材料68の横方向の側壁は、図7Cに示すように、実質的に垂直であることとは対照的に、略曲面の截頭円錐状(frustoconical)を有してよい。前述したように、マスク材料の不連続領域72は略円形であってよく、得られた触媒構造体86は、円錐形の部分と類似する略截頭円錐形状を有してよい。触媒構造体86の上端部87は、マスク材料の不連続領域72の平均直径よりも小さい平均直径を有する略円形の断面形状を有してよい。
【0066】
図7Dに示すように、任意的に、触媒構造体86の外面を、その中に酸化層90を形成するために酸化させてよく、これは触媒構造体86の断面積を効果的に減らしうる。触媒構造体86の外面は、例えば、酸化雰囲気でワークピースを加熱することにより、酸化層90を形成するために酸化させてよい。触媒構造体86の外面を所定の深度まで酸化させ、そして酸化層90の所定の厚さをもたらすように、酸化工程を選択的に制御することにより、触媒構造体86の元の断面積よりも少ない触媒構造体86の選択された有効断面積をもたらしうる。さらに、触媒構造体86の有効断面積を、その上に単一のナノワイヤ22の成長を促進するように選択してよい。
【0067】
図7Eを参照すると、触媒構造体86の端部上に残るマスク材料の不連続領域72は、例えば、湿式化学エッチング工程を使用して、触媒構造体86の端部から除去してよい。実質的にコンフォーマルな誘電性材料の層54を、その後、ワークピースより上方で、かつ、触媒構造体86の周りに堆積させてよい。誘電性材料の層54は、図7Eに示すように、触媒構造体86が導電性パッド28および基板11の表面から伸びる距離よりも大きい平均の厚さを有してよい。
【0068】
図7Fに示すように、化学機械研磨(CMP)工程を、誘電性材料の層54の表面を平坦化し、それを通して触媒構造体86の端部87上の先端88の選択された部分を露出させるために使用してよい。図7Gに示すように、触媒構造体86の端部87上の露出した先端88は、図2Gに関連して前述したように、その上に単一のナノワイヤ22の形成または成長を触媒するために使用してよい。
【0069】
図7Hを参照すると、誘電性材料の別の層56を、ワークピースより上方で、かつ、ナノワイヤ22の周りに堆積させてよく、化学機械研磨(CMP)工程を、誘電性材料の層56を平坦化し、それを通してナノワイヤ22の第1の端部24を露出させるために使用してよい。図7Iに示すように、一定量の可変抵抗材料20および第2の電極18を、その後、図2Gから図2Iに関連して前述した方法で、ワークピース上でナノワイヤ22の第1の端部24より上方に形成してよい。
【0070】
図1Aに示したようなメモリデバイス10を形成するために使用しうる方法の第7の実施形態を、図8Aから図8Eを参照して以下に記述する。図8Aを参照すると、図7Dに示したものと実質的に同様のワークピースが備えられてよく、触媒構造体86の断面積を効果的に減らすための酸化層90を中に有する触媒構造体86を含む。マスク材料の不連続領域72を、前述したように触媒構造体86より上方に残してよい。
【0071】
図8Bを参照すると、触媒構造体86の端部上に残るマスク材料の不連続領域72は、例えば、湿式化学エッチング工程を使用して触媒構造体86の端部から除去してよい。図8Cに示すように、触媒構造体86の端部上の露出した先端88を、その後、図2Gに関連して前述したように、その上に単一のナノワイヤ22の形成または成長を触媒するために使用してよい。
【0072】
図8Dを参照すると、実質的にコンフォーマルな誘電性材料の層54を、その後、ワークピースより上方で、かつ、触媒構造体86およびナノワイヤ22の周りに堆積させてよい。誘電性材料の層54は、触媒構造体86およびナノワイヤ22が導電性パッド28および基板11の表面から伸びる距離よりも大きい平均の厚さを有してよい。化学機械研磨(CMP)工程を、誘電性材料の層54の表面を平坦化し、それを通してナノワイヤ22の第1の端部24を露出させるために使用してよい。
【0073】
図8Eに示すように、一定量の可変抵抗材料20および第2の電極18を、その後、図2Gから図2Iに関連して前述した方法で、ワークピース上でナノワイヤ22の第1の端部24(図8D)より上方に形成してよい。
【0074】
図1Aに示したようなメモリデバイスは、本発明の電子システムの実施形態で使用しうる。例えば、図9は、本発明に従った実例の電子システム100のブロック図である。電子システム100は、例えば、コンピュータまたはコンピュータのハードウェアコンポーネント、サーバまたはその他のネットワークハードウェアコンポーネント、携帯電話、デジタルカメラ、携帯端末(PDAs)、携帯型メディア(例えば、音楽)プレーヤーなどを含んでよい。電子システム100は、図1Aに示したメモリデバイス10の実施形態など、少なくとも一つの本発明のメモリデバイスを含む。システム100は、さらに、少なくとも一つの電子信号処理デバイス102(しばしば、「マイクロプロセッサー」と称される)を含んでよい。電子システム100は、任意に、例えばマウスもしくはその他のポインティングデバイス、キーボード、タッチパッド、ボタン、またはコントロールパネルといった、ユーザにより電子システム100に情報を入力するための一つ以上の入力デバイスをさらに含んでよい。電子システム100は、例えば、モニター、ディスプレイ、プリンタ、スピーカーなどの、ユーザに情報を出力(例えば、映像または音の出力)するための一つ以上の出力デバイス106をさらに含んでよい。一つ以上の入力デバイス104および出力デバイス106は、メモリデバイス10および電子信号処理デバイス102の少なくとも一つと電気的に通信してよい。
【0075】
本発明は、一部の図で示した実施形態およびそれらの変形に関して記述しているが、当業者であれば本発明を限定するものではないと理解および評価されよう。むしろ、図に示した実施形態への付加、削除、および変更は、次の特許請求の範囲で定める本発明の精神と範囲から逸脱することなくなされてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードの間に配置された一定量の可変抵抗材料とを有する、少なくとも一つのメモリセルを含み、
前記アノードおよび前記カソードの少なくとも一つは、前記可変抵抗材料と電気 的に接触する第1の端部を有する単一のナノワイヤを含む、
メモリデバイス。
【請求項2】
前記単一のナノワイヤを含む、前記アノードおよび前記カソードの前記少なくとも一つは、導電性パッドをさらに含み、
前記ナノワイヤは、前記一定量の可変抵抗材料と前記導電性パッドの間に電気接点を備える、
ことを特徴とする、請求項1のメモリデバイス。
【請求項3】
前記ナノワイヤは、少なくとも一重の壁を有するカーボンナノチューブを含むことを特徴とする、請求項1のメモリデバイス。
【請求項4】
前記ナノワイヤは、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム、III−V型半導体材料、II−VI型半導体材料、および金属の少なくとも一つを含むこと特徴とする、請求項1のメモリデバイス。
【請求項5】
前記ナノワイヤは、超格子構造およびPN接合の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1のメモリデバイス。
【請求項6】
前記可変抵抗材料は、相変化材料を含むことを特徴とする、請求項1のメモリデバイス。
【請求項7】
前記単一のナノワイヤを含む、前記アノードおよび前記カソードの前記少なくとも一つは、触媒材料を含む導電性触媒構造体をさらに含むことを特徴とする、請求項1のメモリデバイス。
【請求項8】
前記触媒材料は、アルミニウム、コバルト、ガリウム、金、インジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、パラジウム、プラチナ、銀、タンタル、および亜鉛の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項7のメモリデバイス。
【請求項9】
前記導電性触媒構造体は、略円錐形の構造体を含み、
前記略円錐形の構造体は、
導電性パッドと電気的に接触する基底と、
前記可変抵抗材料と電気的に接触する端部とは反対側の前記単一のナノワイヤの 第2の端部と電気的に接触する先端とを有する、
ことを特徴とする、請求項7のメモリデバイス。
【請求項10】
前記先端は、約300平方ナノメートルよりも小さい最小断面積を有することを特徴とする、請求項9のメモリデバイス。
【請求項11】
前記導電性触媒構造体の外面の少なくとも一部の上に誘電性材料の層をさらに含む、請求項7のメモリデバイス。
【請求項12】
アノードとカソードの間に配置された可変抵抗材料を含む、少なくとも一つのメモリセルを有し、
前記アノードおよび前記カソードの少なくとも一つは、導電性パッドと前記可変 抵抗材料の間に電気接点を備えるナノワイヤを含み、
前記メモリセルは、前記アノードと前記カソードの間の印加電圧に応じて、少な くとも主として前記ナノワイヤを通って前記アノードと前記カソードの間に電流フ ローを生じるように設定される、
ことを特徴とする、メモリデバイス。
【請求項13】
前記ナノワイヤは、前記メモリセル内に、前記可変抵抗材料と前記導電性パッドの間に唯一の低抵抗電気経路の少なくとも一部を備えることを特徴とする、請求項12のメモリデバイス。
【請求項14】
前記ナノワイヤは、少なくとも一重の壁を有するカーボンナノチューブを含むことを特徴とする、請求項12のメモリデバイス。
【請求項15】
前記可変抵抗材料は、相変化材料を含むことを特徴とする、請求項12のメモリデバイス。
【請求項16】
前記メモリデバイスは、前記導電性パッドと前記ナノワイヤの間に配置された導電性触媒構造体をさらに含み、
前記導電性触媒構造体は、前記ナノワイヤを形成するための触媒材料を含む、
ことを特徴とする、請求項12のメモリデバイス。
【請求項17】
前記導電性触媒構造体は、前記導電性パッドと電気的に結合した基底と、前記ナノワイヤと電気的に結合した先端とを有する、略円錐形の構造体を含むことを特徴とする、請求項16のメモリデバイス。
【請求項18】
前記導電性触媒構造体の外面の少なくとも一部の上に誘電性材料をさらに含む、請求項17のメモリデバイス。
【請求項19】
少なくとも一つの電子信号処理装置と、
前記少なくとも一つの電子信号処理装置と電気的に通信するように設定される、少なくとも一つのメモリデバイスであって、
アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードの間に配置された一定量 の可変抵抗材料とを有する、少なくとも一つのメモリセルを含み、
前記アノードおよび前記カソードの少なくとも一つは、前記可変抵抗材料 と電気的に接触する第1の端部を有する単一のナノワイヤを含む、
前記少なくとも一つのメモリデバイスと、
前記少なくとも一つの電子信号処理装置と電気的に通信するように設定される、入力デバイスおよび出力デバイスのうちの少なくとも一つと、
を含む電子システム。
【請求項20】
前記単一のナノワイヤを含む、前記アノードおよび前記カソードの前記少なくとも一つは、導電性パッドをさらに含み、
前記ナノワイヤは、前記一定量の可変抵抗材料と前記導電性パッドの間に電気接点を備える、
ことを特徴とする、請求項19の電子システム。
【請求項21】
前記可変抵抗材料は、相変化材料を含むことを特徴とする、請求項19の電子システム。
【請求項22】
前記メモリデバイスは、前記導電性パッドと前記単一のナノワイヤの間に配置された、触媒材料を含む導電性触媒構造体をさらに含むことを特徴とする、請求項19の電子システム。
【請求項23】
前記触媒材料は、アルミニウム、コバルト、ガリウム、金、インジウム、鉄、モリブデン、ニッケル、パラジウム、プラチナ、銀、タンタル、および亜鉛の少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項22のメモリデバイス。
【請求項24】
前記導電性触媒構造体は、前記導電性パッドと電気的に結合した基底と、前記可変抵抗材料とは反対側の前記単一のナノワイヤの端部と電気的に結合した先端とを有する、略円錐形の構造体を含むことを特徴とする、請求項22の電子システム。
【請求項25】
メモリデバイスを形成する方法であって、
基板上に少なくとも一つの導電性パッドを形成するステップと、
前記導電性パッドより上方に単一のナノワイヤを形成するステップと、前記単一 のナノワイヤを前記導電性パッドから略 外側へ伸長させるステップと、
を含む、第1の電極を形成するステップと、
前記導電性パッドから離れた前記単一のナノワイヤの端部と一定量の可変抵抗材料の間に電気接点を設置するステップと、
前記一定量の可変抵抗材料と電気的に接触する前記単一のナノワイヤの前記端部とは反対側の側面上に、前記一定量の可変抵抗材料と電気的に接触する第2の電極を形成するステップと、
を含む、方法。
【請求項26】
前記単一のナノワイヤを少なくとも主として通って、前記一定量の可変抵抗材料と前記導電性パッドの間に電気通信を可能にするステップをさらに含む、請求項25の方法。
【請求項27】
前記単一のナノワイヤを形成するステップは、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム、III−V型半導体材料、II−VI型半導体材料、および金属の少なくとも一つを含む単一のナノワイヤを形成するステップを含むことを特徴とする、請求項25の方法。
【請求項28】
前記単一のナノワイヤに超格子構造およびPN接合の少なくとも一つを形成するステップをさらに含む、請求項25の方法。
【請求項29】
前記導電性パッドから離れた前記単一のナノワイヤの端部と一定量の可変抵抗材料の間に電気接点を設置するステップは、前記導電性パッドから離れた前記単一のナノワイヤの端部と一定量の相変化材料の間に電気接点を設置するステップを含むこと特徴とする、請求項25の方法。
【請求項30】
前記第1の電極を形成するステップは、
前記導電性パッド上に導電性触媒構造体を形成するステップと、
前記導電性触媒構造体を用いて前記単一のナノワイヤの形成を触媒するステップと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項25の方法。
【請求項31】
前記導電性触媒構造体を形成するステップは、略円錐形の構造体を形成するステップと、前記導電性パッドに直接に前記略円錐形の構造体の基底を電気的に結合するステップとを含むことを特徴とする、請求項30の方法。
【請求項32】
前記略円錐形の構造体を形成するステップは、
マスクの開口部を通して前記導電性パッド上に触媒材料を堆積させるステップを含み、
前記触媒材料を堆積させるステップは、
前記触媒材料の流れの略方向に対してある角度に向けた平面に前記基板を向ける ステップと、
前記平面において前記基板を回転軸の周りに回転させるステップと、
を含む、
ことを特徴とする、請求項31の方法。
【請求項33】
前記略円錐形の構造体を形成するステップは、
略円筒形の構造体を形成するステップと、前記導電性パッドに前記略円筒形の構造体の基底を電気的に結合するステップと、
前記導電性パッドとは反対側の前記略円筒形の構造体の端部を研磨するステップと、
を含むことを特徴とする、請求項31の方法。
【請求項34】
前記略円筒形の構造体の端部を研磨するステップは、異方性エッチング工程、スパッタリング工程、酸化工程の少なくとも一つを用いることを含むことを特徴とする、請求項33の方法。
【請求項35】
前記導電性パッド上に導電性触媒構造体を形成するステップは、
前記導電性パッドより上方に触媒材料の層を形成するステップと、
前記導電性パッドより上方の前記触媒材料の層の露出した表面上に、不連続な一定量のマスク材料を形成するステップと、
前記一定量のマスク材料を横方向に包囲する触媒材料と、前記一定量のマスク材料に覆われた前記触媒材料の部分とを除去するために選択された時間の間、前記触媒材料の層をエッチング液にさらすステップと、
を含むことを特徴とする、請求項30の方法。
【請求項36】
メモリデバイスの形成方法であって、
基板上に少なくとも一つの導電性パッドを形成するステップと、
前記導電性パッドから離れた位置に単一のナノワイヤを加工するステップと、
前記導電性パッドより上方に前記単一のナノワイヤを配置するステップと、
前記単一のナノワイヤの第1の端部と前記導電性パッドの間に電気接点を備える ステップと、
前記単一のナノワイヤを前記導電性パッドから略 外側に伸張させるステップと 、
を含む、第1の電極を形成するステップと、
前記単一のナノワイヤの第2の端部と一定量の可変抵抗材料の間に電気接点を備えるステップと、
前記単一のナノワイヤの前記第2の端部とは反対側の側面上に、前記一定量の可変抵抗材料と電気的に接触する第2の電極を形成するステップと、
を含む、方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図6H】
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【図6I】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−524238(P2010−524238A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502207(P2010−502207)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/058485
【国際公開番号】WO2008/124328
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(595168543)マイクロン テクノロジー, インク. (444)
【Fターム(参考)】