説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、サーバ装置

【課題】目的地までの経路に関連する道路について最新の地図データがナビゲーション装置において記憶されていなくても、最適な経路に従って車両を目的地まで誘導する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、ナビゲーション装置が記憶している地図データの更新状況に関する情報と、自車位置および目的地に関する情報をナビゲーションサーバに送信する。ナビゲーションサーバは、送信された自車位置を出発地として目的地までの推奨経路を最新の地図データを用いて探索する。そして、地図データの更新状況に関する情報に基づいて、推奨経路上にありナビゲーション装置に最新のデータが記憶されていないノードの情報を不足情報として抽出し、推奨経路とともにナビゲーション装置に送信する。ナビゲーション装置は、不足情報に含まれるノードが表す地点を通過する場合は、不足情報に基づいて簡易地図600を作成して車両を誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーションシステムと、ナビゲーションシステムにおいて用いられるナビゲーション装置およびサーバ装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置から目的地および経由地を、ナビゲーション装置の外部にある交通情報センタに送信し、交通情報センタが渋滞情報等を加味して探索した推奨経路を受信し、受信した推奨経路に基づいて車両を誘導するナビゲーション装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−101649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているナビゲーション装置と交通情報センタとからなるようなナビゲーションシステムでは、交通情報センタなどにあるナビゲーションサーバは、最新の地図データに基づいて推奨経路を探索する。しかし、ナビゲーション装置に記憶されている地図データは最新のものに更新されていない可能性がある。その場合、最新の地図データに基づいて探索された推奨経路に対応できず、車両を正確に目的地まで誘導できないことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるナビゲーションシステムは、第一の地図データを記憶したサーバ装置と、車両に搭載されており、第一の地図データと異なる第二の地図データを用いて車両を出発地から目的地まで誘導するナビゲーション装置とを有するナビゲーションシステムであって、サーバ装置は、第一の地図データに基づいて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段により探索された経路の情報をナビゲーション装置へ送信する経路情報送信手段と、経路のうち第一の地図データと第二の地図データとの間で情報に差異のある差異部分に関する情報を、第一の地図データから不足情報として抽出する不足情報抽出手段と、不足情報抽出手段により抽出された不足情報をナビゲーション装置に送信する不足情報送信手段とを備え、ナビゲーション装置は、サーバ装置から送信される経路の情報を受信する経路情報受信手段と、サーバ装置から送信される不足情報を受信する不足情報受信手段と、不足情報受信手段が受信した不足情報に基づいて、差異部分の簡易地図を作成する簡易地図作成手段と、経路のうち差異部分に対応する場所を車両が通過するときは、簡易地図を用いて車両を誘導し、経路のうち差異部分に対応しない場所を車両が通過するときは、簡易地図を用いずに経路の情報に基づいて車両を誘導する車両誘導手段とを備えるものである。
本発明によるナビゲーション装置は、第一の地図データを記憶したサーバ装置と通信可能であり、車両に搭載されており、第一の地図データと異なる第二の地図データを用いて車両を出発地から目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、出発地から目的地までの経路の情報をサーバ装置から受信する経路情報受信手段と、経路のうち第一の地図データと第二の地図データとの間で情報に差異のある差異部分に関する不足情報をサーバ装置から受信する不足情報受信手段と、不足情報受信手段が受信した不足情報に基づいて、差異部分の簡易地図を作成する簡易地図作成手段と、経路のうち差異部分に対応する地点を車両が通過するときは、簡易地図を用いて車両を誘導し、経路のうち差異部分に対応しない地点を車両が通過するときは、簡易地図を用いずに経路の情報に基づいて車両を誘導する車両誘導手段とを備えるものである。
本発明によるサーバ装置は、第一の地図データを記憶していて、車両に搭載されたナビゲーション装置と通信可能なサーバ装置であって、第一の地図データに基づいて車両の出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、経路探索手段により探索された経路の情報をナビゲーション装置へ送信する経路情報送信手段と、経路のうち第一の地図データとナビゲーション装置が記憶している第二の地図データとの間で情報に差異のある差異部分に関する情報を、第一の地図データから不足情報として抽出する不足情報抽出手段と、不足情報抽出手段により抽出された不足情報をナビゲーション装置に送信する不足情報送信手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、目的地までの経路に関連する道路について最新の地図データがナビゲーション装置において記憶されていなくても、推奨経路に従って車両を目的地まで誘導できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーションシステムの構成図である。
【図2】本発明の一実施形態であるナビゲーションシステムに用いられるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図3】地図データにおけるノードおよびリンクについて説明するための図である。
【図4】地図データに含まれるノードを表すデータの例である。
【図5】ナビゲーション装置1に記憶されている地図データが最新ではない場合の例である。
【図6】ナビゲーション装置が車両を誘導するときの出力例であり、簡易地図を用いるものである。
【図7】本発明の一実施形態によるナビゲーションシステムが車両を誘導するために実行する処理のフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置が車両を誘導するために実行する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施の形態によるナビゲーションシステムの構成を図1に示す。このシステムは、車両100に搭載されているナビゲーション装置1とナビゲーションサーバ4によって構成される。ナビゲーション装置1は、有線あるいは無線で通信端末2と接続されている。通信端末2およびナビゲーションサーバ4は、通信回線網3と接続されている。
【0009】
ナビゲーション装置1とナビゲーションサーバ4には、地図データが記憶されている。
ナビゲーション装置1の地図データは、ユーザの操作に応じて任意のタイミングで更新できるようになっているが、必ずしも最新ではない。ナビゲーションサーバ4は、最新の地図データと、最新の地図データに至るまでの旧版の地図データが全て記憶されている地図データベース41を有する。
【0010】
ナビゲーションサーバ4は、最新の地図データに基づいて経路探索を行い、探索した結果である推奨経路を後述する通信回線網3を介してナビゲーション装置1に送信することができる。ナビゲーション装置1は、受信した推奨経路に基づいて車両100を目的地まで誘導することができる。また、ナビゲーションサーバ4は、ナビゲーション装置1の地図データが最新でないときは、ナビゲーション装置1が推奨経路に基づいて案内するために不足している情報(以降、不足情報と記載する)をナビゲーション装置1に送信することができる。ナビゲーション装置1の地図データが最新かどうかを判定する方法と、不足情報の内容については後述する。
【0011】
通信端末2は、ナビゲーション装置1の制御により、必要に応じて通信回線網3と無線接続を行う。通信回線網3には、ナビゲーションサーバ4が接続されている。すなわちナビゲーション装置1は、通信端末2と通信回線網3を介してナビゲーションサーバ4に接続する。通信端末2と通信回線網3が無線接続する際には、通信回線網3が有する不図示の無線基地局が用いられる。この無線基地局は、その周囲の所定の通信エリア内にある通信端末2と無線通信することが可能であり、全国各地に散在している。なお、通信端末2は、たとえば携帯電話などである。また、通信回線網3は、たとえば携帯電話回線網やインターネットなどにより構築される。
【0012】
次にナビゲーション装置1の構成について説明する。図2は、ナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。図2のブロック図において、ナビゲーション装置1は、制御部10、ジャイロセンサ11、車速センサ12、ハードディスクドライブ(HDD)13、GPS(Global Positioning System)受信部14、表示モニタ15、入力装置16およびスピーカ17を備えている。
【0013】
制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD13に記録されている制御プログラムや地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御部10により、自車両すなわち車両100を目的地まで案内するための様々な処理が実行される。たとえば、目的地を設定する際の目的地の探索処理、自車位置すなわち車両100の現在位置の検出処理、各種の画像表示処理、ルート案内時の音声出力処理などが実行される。
【0014】
制御部10には通信端末2が接続されている。図1のナビゲーションサーバ4から送信された各種の情報は、通信端末2を経由して制御部10へ出力されることにより、ナビゲーション装置1において受信される。
【0015】
ジャイロセンサ11は、車両100の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、車両100の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて車両100の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、制御部10において車両100の移動方向および移動量が求められる。
【0016】
HDD13は不揮発性の記録媒体であり、制御部10において上記のような処理を実行するための制御プログラムや地図データ、音声データなどが記録されている。HDD13に記録されている従来の地図データは、ユーザが任意のタイミングで更新することができる。この地図データの更新は、たとえばナビゲーションサーバ4から最新の地図データに基づく更新地図データをダウンロードすることにより行うことができる。あるいは、更新地図データが記録されたメモリカードやDVD−ROMなどの記録媒体からその更新地図データを読み込むことにより、地図データの更新を行ってもよい。こうした地図データの更新は、所定の地域単位で部分的に行ってもよいし、あるいは全体的に行ってもよい。
【0017】
なお、上記ではナビゲーション装置1において地図データがHDD13に記録されている例を説明したが、これらをHDD以外の記録媒体に記録することとしてもよい。たとえば、CD−ROMやDVD−ROM、メモリカードなどに記録された地図データを用いることができる。すなわち、本実施の形態によるナビゲーション装置では、どのような記録媒体を用いてこれらのデータを記憶してもよい。
【0018】
GPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、車両100の位置を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻に関する情報が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて、自車位置を制御部10において算出することができる。このGPS信号に基づく自車位置の算出結果と、前述のジャイロセンサ11および車速センサ12の各検出結果に基づく移動方向および移動量の算出結果とにより、所定時間ごとに自車位置が検出される。
【0019】
表示モニタ15は、ナビゲーション装置1において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ15により、地図画面の表示などが行われる。表示モニタ15に表示される画面の内容は、制御部10が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ15は、たとえば車両100のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、ユーザが見やすいような位置に設置されている。
【0020】
入力装置16は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは入力装置16を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置16は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、表示モニタ15と一体化されたタッチパネルにより入力装置16を実現してもよい。
【0021】
スピーカ17は、制御部10から出力される音声信号に基づいて音声の出力を行うものである。制御部10は、車両100を音声により誘導するときは、HDD13から音声データを読み出し、音声データに対応した音声信号をスピーカ17に出力する。
【0022】
ナビゲーション装置1のHDD13およびナビゲーションサーバ4に記録されている地図データにおいて、各道路は所定の道路区間ごとに分割されて表される。この道路区間のそれぞれは、リンクと呼ばれる。すなわち、地図データにおいて、各道路は複数のリンクにより構成されている。図3(a)と図3(b)とを用いて道路地図とリンクの関係を説明する。図3(a)は、道路地図の例である。図3(b)は、図3(a)の道路を六つの道路区画に分割し、リンクL1〜L6としている。
【0023】
地図データにおいて、リンクの端にはノードと呼ばれる点がある。たとえば、図3(b)の例では、リンクL1の端にノードN1とノードN2とがある。また、リンクL2の端にはノードN2とノードN3とがある。リンクL3の端にはノードN3とノードN4とがある。リンクL4の端にはノードN4とノードN5とがある。リンクL5の端にはノードN2とノードN5とがある。リンクL6の端にはノードN5とノードN6とがある。
【0024】
ノードは道路地図上にある交差点などの地点を表す。ノードを共有する複数のリンクは、共有するノードにより当該複数のリンクが繋がっていることを表し、道路の繋がりを表す。たとえば、図3(b)のリンクL1とリンクL2とは、ノードN2を共有することにより繋がっている。
【0025】
制御部10により探索される推奨経路は、出発地から目的地までの間に存在するノードの列として表される。たとえば、ノードN1、ノードN2、ノードN5の順に通過する経路P1の場合、(N1,N2,N5)という列で表すことができる。
【0026】
地図データにおいて、ノードを表すデータ(以降ノードデータと記載する)には、図4(a)のように、ノードID400、地点名称401、地図上の座標であるノード点座標402、ノードに接続されている道路の本数である接続道路本数403、および当該道路がノードから延在する方位である接続道路方位404を含む情報が記憶されている。
【0027】
地図データにおいて、リンクを表すデータには、そのリンクが表す道路を通過するために必要な時間や道路の長さ、通行可能な方位などの情報が記憶されている。ナビゲーションサーバ4は、これらの情報や気象情報、交通情報などに基づいて、目的地まで最も速く到達できる推奨経路を探索する。
【0028】
本実施の形態における推奨経路を表すデータは、図4(a)に示されているノードデータのうち、出発地から目的地までの間に存在するノードのノードIDに関する情報400の列として表すことができる。たとえば、図3(b)の推奨経路P1は、図4(b)に示すようなノードID400の列として表すことができる。
【0029】
ナビゲーションサーバ4が探索した推奨経路を表すデータは、ノードやリンクのデータを参照するための情報の集まりであって、データを参照するための情報を出発地から目的地までに通過する順番に並べたものとする。ナビゲーション装置1は、推奨経路として送信された情報に基づいてHDD13に記憶された地図データからノードやリンクのデータを参照し、車両100の誘導に必要な情報を得る。
【0030】
地図データが更新されたとき、ノードデータが追加、変更、または削除されることがある。たとえば、新しい道路が開通した場合、その道路を表すリンクとノードが追加される。また、新しい道路と接続する従来からある道路についても、道路同士が接続する交差点のノードに対して接続道路本数のデータを増加したり、接続道路方位のデータを追加したりする変更が必要となる。
【0031】
ナビゲーション装置1に記憶されている地図データが最新のものに更新されていない場合、最新の地図データによって探索された推奨経路を表示できないことが起こりうる。たとえば、図5(a)が最新の地図データに基づいたものであって、リンクL5が過去の更新で追加されたものであるとする。このとき、ナビゲーション装置1に記憶されている地図データが最新でない場合は、図5(b)のようにリンクL5が存在しないことが起こりうる。このとき、ナビゲーションサーバ4が図5(a)の地図データを用いて経路探索を行い、探索した推奨経路P1をナビゲーション装置1に送信したとする。そのとき、ナビゲーション装置1は、リンクL5に対応する道路を表示することができない。そして、リンクL5が表す道路を車両が走行しているとき、車両が道路でない場所を走行しているように表示されたり、異なる道路を走行しているように表示されたりする問題が起こりうる。
【0032】
ナビゲーション装置1は、ナビゲーションサーバ4に対して推奨経路の情報を要求する際、ナビゲーション装置1が記憶する地図データの更新状況を表す情報を送信する。これにより、ナビゲーションサーバ4は、探索した推奨経路に従ってナビゲーション装置1が車両100を正確に誘導するために不足している情報(不足情報)を判別することができる。ナビゲーションサーバ4は、判別した不足情報をナビゲーション装置1に送信する。たとえば、前述した図5(a)と図5(b)の例では、推奨経路P1が通過するノードのうち、ナビゲーション装置1に記憶されている地図データと最新の地図データとの間で道路本数と道路方位の内容が異なるノードであるノードN2およびノードN5のノードデータなどを不足情報として送信する。なお、地図データの更新状況を表す情報とは、たとえば地図データのバージョン情報や最終更新日などでよい。以降の説明では、これらを地図更新状況情報とする。
【0033】
ナビゲーションサーバ4がナビゲーション装置1に対して送信する不足情報は、たとえば、図5(c)のようなデータ形式でよい。図5(c)は、推奨経路P1に関する不足情報を例として示している。不足情報のデータ形式は、ノードデータに含まれるデータをすべて含む必要は無く、道路を表示するのに必要な情報を含んでいればよい。図5(c)に例示したデータ形式では、ノードID400、地点名称401、地図上の座標であるノード点座標402、接続道路本数403、および接続道路方位404が含まれている。不足情報に含まれるノードに関する情報は、推奨経路において出発地から目的地までの間で通過するノードの順番に並んでいる。
【0034】
ナビゲーション装置1は、ナビゲーションサーバ4から不足情報を送信されたとき、その不足情報に基づいて簡易地図を作成する。そして、その作成した簡易地図を用いて車両100を誘導することにより、地図データが最新に更新されていないことを補完する。すなわち、ナビゲーションサーバ4により探索された推奨経路のうち、ナビゲーション装置1の地図データとナビゲーションサーバ4に記憶されている最新の地図データとの間で異なる差異部分に関する情報を不足情報としてナビゲーションサーバ4から受信する。この不足情報に基づいて簡易地図を作成して車両を誘導することで、目的地までの経路に関連する道路について最新の地図データがナビゲーション装置1において記憶されていなくても、推奨経路に従って車両100を目的地まで誘導できる。ナビゲーション装置1が作成する簡易地図の例を図6に示す。
【0035】
図6(a)は、ナビゲーション装置1が図5(b)の地図データを記憶しており、そのナビゲーション装置1を搭載した車両100がノードN2に相当する地点を通過するときに、表示モニタ15に表示する画面の一例である。図6(a)では、表示モニタ15の画面を三つに分割して、簡易地図600と、全体地図601と、地点名称表示602とを表示している。全体地図601は、ナビゲーション装置1に記憶されている地図データに基づいて北を画面の上方向にした表示(ノースアップ表示)を行ったもので、車両100の位置を表す車両マーク650が重ねて表示されている。
【0036】
全体地図601において、図5のリンクL1、L2、L3、L4、およびL6に対応する道路はナビゲーション装置1の地図データに基づいて表示される。一方、リンクL5に対応する道路652は、不足情報に含まれるノードデータと推奨経路を表すデータに基づいて表示される。
【0037】
道路652を表示する処理は、たとえば以下のようにして行う。まず、制御部10は、推奨経路を表すデータ(たとえば、図4(b))のうち、出発地を表すノード(たとえば、ノードN1)のノード番号をキーとして不足情報を検索する。このとき、出発地を表すノードが不足情報に含まれるノードであれば、そのノードから延びる道路の中にナビゲーション装置1に記憶されている地図データでは正しく表示できない可能性があると判断する。制御部10はこのような検索を、推奨経路を表すデータの並び順(推奨経路において通過するノードの順番)に従って繰り返す。そして、不足情報に含まれるノードであると連続して判断された場合に、その二つのノードのノード点座標間に直線を道路として描画する。たとえば、図4(b)の推奨経路の場合、ノードN2とN5のノードデータが連続して不足情報(図5(c))に含まれるため、図6(a)のようにその連続した二つのノードデータのノード点座標間に道路652が描画される。このような不足情報に基づいて表示される道路は、図6(a)に示すようにその表示色などの表示態様を他の道路と異なるものにし、識別できるようにすることが好ましい。
【0038】
図6(a)の地点名称表示602は、不足情報のうち、図4に示したノードデータが表すノードN2の地点名称401を「○△□交差点」のように表示している。
【0039】
図6(a)の簡易地図600は、車両100の進行方向を画面の上方向にした表示(ヘディングアップ表示)を行ったもので、ノードN2が表す場所を中心として、不足情報のうち図4に示したノードデータが表すノードN2の接続道路本数403と接続道路方位404に基づいて3本の道路を表示している。そして、図6(a)では、車両マーク650と経路を表す矢印651が簡易地図600に重ねて表示されている。
【0040】
前述したとおり、簡易地図600において表示される3本の道路の方向は、ノードデータに記憶されている接続道路方位404および車両100の進行方向に基づいて決定される。図6(a)における車両100の進行方向と接続道路方位404との関係は図6(b)のようになっている。図6(a)の全体地図601に示されているとおり、車両100は北東(315°)に向かって進行している。このとき、図6(b)における北(0°)は、矢印671の方向となる。ノードN2から道路が延びる方向は、図4の接続道路方位404に示されているように「0°」、「135°」、「270°」の方向である。矢印671の方向を北(0°)としてノードN2から「0°」、「135°」、「270°」の3方向に道路を延ばす場合、その方向はそれぞれ矢印671〜673に示す方向と一致する。そのため、図6(a)では、この矢印671〜673の方向に道路が表示されている。
【0041】
なお、ノードデータに道路幅や車線数などの情報が含まれる場合は、簡易地図において道路幅などを変更してもよい。また、簡易地図600においても全体地図601と同様に、不足情報に基づいて表示される道路の表示態様を他の道路と異なるようにしてもよい。
【0042】
上記の説明では、最新の地図データにおいてリンクが追加された場合の例について説明したが、たとえば、道路の廃止によってリンクが消去された場合や地点名称が変更になった場合などについても同様に、ナビゲーションサーバ4からナビゲーション装置1へ不足情報を通信し、簡易地図による車両の誘導を行うことにしてもよい。また、この場合においても前述のように全体地図や簡易地図において、不足情報に基づいて表示される道路、すなわちナビゲーションサーバ4に記憶された最新の地図データHDD13に記憶された地図データのいずれか一方にのみ含まれる道路について、その表示色などの表示態様を他の道路と異なるものにしてもよい。ナビゲーションサーバ4に記憶された最新の地図データHDD13に記憶された地図データのいずれか一方にのみ含まれる道路の判別は、ノードデータに含まれる接続道路本数や接続道路方位などの情報を比較することにより実行できる。
【0043】
次に、本実施形態のナビゲーションシステムにおける経路誘導の方法について説明する。ユーザが入力装置16を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、自車位置の情報、設定された目的地の情報、およびナビゲーション装置1に記憶されている地図データの地図更新状況情報をナビゲーションサーバ4へ送信する。ナビゲーションサーバ4は、これらの情報をナビゲーション装置1から受信したら、自車位置を出発地として最新の地図データを用いて出発地から目的地までの推奨経路の探索を行う。次にナビゲーションサーバ4は、探索された推奨経路および受信した地図更新状況情報に基づいて不足情報を抽出し、推奨経路と不足情報をナビゲーション装置1へ送信する。そして、ナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1に記憶されている地図データと、ナビゲーションサーバ4から送信されてきた推奨経路および不足情報とに基づいて車両100を誘導する。
【0044】
ナビゲーション装置1は、ナビゲーションサーバ4が探索した推奨経路に基づく車両100の誘導を、HDD13に記憶している地図データを参照しながら実行する。推奨経路上にあって、不足情報が表す差異部分に対応する場所を通過するときは、HDD13に記憶している地図データだけでは適切な誘導を行えない可能性があるため、不足情報に基づいて前述の簡易地図を作成する。差異部分に対応しない場所に関しては、HDD13に記憶している地図データを用いて適切に車両100の誘導を行うことができるため、簡易地図を用いた誘導を行わない。なお、簡易地図を用いない誘導を行う方法については、従来のナビゲーション装置と同様の方法でよい。
【0045】
上記の経路誘導を行う際にナビゲーションシステムにより実行されるフローチャートを図7および8に示す。図7は、車両100を誘導するためにナビゲーション装置1の制御部10で実行される処理と、ナビゲーションサーバ4で実行される処理とを並べて示したフローチャートである。ナビゲーション装置1の処理は、ユーザが目的地を設定したときに開始する。ナビゲーションサーバ4は、図7の処理を常時実行している。図8は、ナビゲーション装置1が推奨経路と不足情報とHDD13に記憶されている地図データとに基づいて車両100を誘導する処理の詳細を示すものである。
【0046】
図7のナビゲーション装置1の処理について説明する。ナビゲーション装置1は、ユーザが目的地を設定したとき図7の処理を開始し、ステップS701に進む。なお、目的地の設定方法は、たとえば手動でナビゲーション装置1に入力する方法でよい。
【0047】
ステップS701では、ナビゲーション装置1の制御部10は、地図データのバージョン情報などの地図更新状況情報、ユーザが設定した目的地の情報、および自車位置の情報を、通信端末2を介してナビゲーションサーバ4へ送信する。これらの情報をナビゲーションサーバ4へ送信したらナビゲーションサーバ4から推奨経路と不足情報とが返信されてくるまでステップS702で待機する。
【0048】
ステップS702では、ナビゲーション装置1の制御部10は、ナビゲーションサーバ4から推奨経路と不足情報とが送信されてきたかどうかを判定する。推奨経路と不足情報とが送信されてきた場合は肯定判定し、ステップS703に進む。
【0049】
ステップS703では、ナビゲーション装置1の制御部10は、送信されてきた推奨経路と不足情報とを受信する。受信が完了したらステップS704に進む。
【0050】
ステップS704では、ナビゲーション装置1の制御部10は、ステップS703で受信した推奨経路および不足情報と、ナビゲーション装置1に記憶されている地図データとを入力情報として図8に記載の処理を実行し、車両を誘導する。車両を目的地まで誘導し終わると図8の処理から図7の処理に戻り、図7の処理を完了する。
【0051】
次に、図7のナビゲーションサーバ4の処理について説明する。
【0052】
ナビゲーションサーバ4は、ナビゲーション装置1がステップS701において地図データのバージョン情報などの地図更新状況情報、目的地の情報、および自車位置の情報を送信するまでステップS751で待機する。ナビゲーションサーバ4は、ナビゲーション装置1からそれらの情報が送信されてきたとき、ステップS751の判定を肯定判定し、ステップS752に進む。
【0053】
ステップS752では、ナビゲーションサーバ4は、ナビゲーション装置1から送信されてきた地図更新状況情報、目的地の情報、および自車位置の情報とを受信し、ステップS753に進む。
【0054】
ステップS753では、ステップS752で受信した自車位置の情報および目的地の情報と最新の地図データとに基づいて、自車位置から目的地までの推奨経路を探索する。推奨経路の探索が完了したらステップS754に進む。
【0055】
ステップS754では、ステップS752で受信した地図更新状況情報に基づいて、ナビゲーション装置1に記憶されている地図データの更新状況を判断し、ナビゲーション装置1に記憶されている地図データと最新の地図データとの比較により、差異部分を判断する。この比較結果に基づいて、ナビゲーションサーバ4が記憶している最新の地図データから差異部分に対応するノードデータを不足情報として抽出する。
【0056】
ステップS755では、ステップS702で待機しているナビゲーション装置1に対して、ステップS753で探索した推奨経路と、ステップS754で判別した不足情報とを送信する。
【0057】
ステップS755では、推奨経路と不足情報とをナビゲーション装置1に送信したら、ナビゲーション装置1との通信を切断し、ステップS751に戻り、ナビゲーション装置1から目的地と自車位置と地図更新状況情報とが改めて送信されるまで待機する。
【0058】
次にナビゲーション装置1で実行される図8の処理について説明する。図8の処理は、推奨経路と不足情報とを入力として、ナビゲーション装置1の制御部10で処理される。
【0059】
ステップS801では、ナビゲーション装置1の制御部10は、不足情報を受信しているか否かを判定する。不足情報を受信している場合は、ステップS802に進む。不足情報を受信していない場合は、ステップS803に進む。
【0060】
ステップS802では、ナビゲーション装置1の制御部10は、スピーカ17または表示モニタ15を介して「ご利用のカーナビゲーションの地図データにない道路がルートに含まれています」などの報知を画像や音声により行う。報知の内容はこれに限定されず、ナビゲーション装置1の地図データが最新のものでないため推奨経路中にナビゲーション装置1の地図データにない道路があり、不足情報が受信されたことがわかればよい。報知が終わったあとは、ステップS803に進む。
【0061】
ステップS803では、不足情報に含まれるノードデータが表す場所を車両100が通過しようとしているか否かを判定する。たとえば、不足情報に含まれるノードデータが表す場所から所定の距離の範囲内に自車位置があるか否かを判定する。肯定判定された場合は、ステップS804に進み、否定判定された場合は、ステップS815に進む。
【0062】
ステップS804では、ステップS803で通過しようとしていると判定された場所について、不足情報に基づいて図6のような簡易地図を作成する。簡易地図の作成が完了したらステップS805に進む。
【0063】
ステップS805では、図5のように簡易地図を用いて車両100を誘導する。車両100が簡易地図の範囲外に到達したらステップS806に進む。
【0064】
ステップS806では、車両100が目的地に到達したか否かを判定する。車両100が目的地に到達していたら車両100の誘導を終了し、到達していない場合は、ステップS803に戻る。
【0065】
ステップS815では、簡易地図を用いない車両100の誘導を開始、続行、または再開し、ステップS806に進み、目的地に到達しているか否かを判定する。
【0066】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0067】
(1)本実施の形態のナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーションサーバ4は、地図データベース41に記憶されている最新の地図データに基づいて出発地から目的地までの経路を探索し(図7のステップS753)、その探索結果である推奨経路をナビゲーション装置1に送信し(図7のステップS755)、推奨経路に含まれるノードであって、ナビゲーション装置1に記憶されている地図データとナビゲーションサーバ4に記憶されている最新の地図データとの間で差異のある差異部分に関する情報を最新の地図データから不足情報として抽出し(図7のステップS754)、抽出した不足情報をナビゲーション装置1に送信する(図7のステップS755)。ナビゲーション装置1は、制御部10の処理によりナビゲーションサーバ4から送信される経路を受信し(図7のステップS703)、ナビゲーションサーバ4から送信される不足情報を受信し(図7のステップS703)、受信した不足情報に基づいて簡易地図を作成し(図8のステップS804)、差異部分に対応する地点を車両100が通過する場合は簡易地図を用いて車両100の誘導を行い(図8のステップS803、S805)、そうでない場合は簡易地図を用いないで車両100の誘導を行う(図8のステップS815)。これにより、目的地までの経路に関連する道路について最新の地図データがナビゲーション装置1において記憶されていなくても、最適な経路に従って車両100を目的地まで誘導することができる。
【0068】
(2)本実施の形態のナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーション装置1は、HDD13に記憶している地図データのバージョン情報などの地図更新状況情報をナビゲーションサーバ4へ送信する(図7のステップS701)。ナビゲーションサーバ4は、ナビゲーション装置1から送信された地図更新状況情報を受信し(図7のステップ752)、地図データのバージョン情報の比較結果に基づいて不足情報に含めるノードを抽出する(図7のステップS754)。これにより、ナビゲーション装置1に記憶されている地図データの更新状況をナビゲーションサーバ4が正確に把握でき、不足情報を適切に抽出することができる。
【0069】
(3)本実施の形態のナビゲーションシステムにおいて、不足情報に含まれるノードデータの接続道路本数と接続道路方位とに基づいて、簡易地図600を作成する(図6(a),(b)、図8のステップS804)。これにより、地図データを差分更新しなくても最新の地図データに基づいた車両の誘導を行うことができる。
【0070】
(4)本実施の形態のナビゲーションシステムにおいて、全体地図601では、不足情報に含まれるノードであり、推奨経路において通過する順番に示されている二つのノードのノード点座標間に直線を表示する(図6(a)の道路652)。そして、その直線の表示色を他の道路と異ならせる。これにより、ユーザは差異部分を視認できる。
【0071】
(5)本実施の形態のナビゲーションシステムにおいて、不足情報を受信しているときは、ナビゲーション装置1に記憶されている情報が最新ではないことを音声または画像により報知する(図8のステップ802)。これにより、ユーザにナビゲーション装置1に記憶されている地図データの更新を促すことができる。
【0072】
以上の実施の形態は、以下のように変形して実施できる。
【0073】
(1)本実施の形態では、不足情報として情報を抽出する差異部分の判別は、図7のステップS754にてナビゲーションサーバ4が行うものとしたが、ナビゲーション装置1が行うことにしてもよい。差異部分の判別をナビゲーション装置1が行う場合、ナビゲーション装置1とナビゲーションサーバ4との間で地図更新状況情報の送受信を行わなくてもよい。この場合、ナビゲーション装置1は、ステップS702で推奨経路を受信した後、ナビゲーション装置1に記憶している地図データと推奨経路とを比較し、車両100を誘導するために不足している情報を判別する。その後、ナビゲーション装置1は、簡易地図600を作成するために必要な不足情報を送信するようナビゲーションサーバ4に要求する信号を送信すればよい。そして、ナビゲーションサーバ4はその要求を受信し、ナビゲーション装置1が判別した差異部分に対応した不足情報を抽出し、送信すればよい。
【0074】
(2)本実施の形態では、ナビゲーションサーバ4が推奨経路の探索に用いる目的地は、ユーザがナビゲーション装置1に設定したものをナビゲーションサーバ4へ送信することとしたが、ナビゲーションサーバ4へ直接目的地を設定してもよい。たとえば、ユーザが自宅のパソコンや携帯端末2などから通信回線網3を介してナビゲーションサーバ4へ目的地の設定を送信し、登録してもよい。
【0075】
(3)本実施の形態では、目的地への経路探索をナビゲーションサーバ4だけが行ったが、ナビゲーション装置1で行ってもよい。この場合、ステップS701で送信するのは探索した経路だけでもよい。ナビゲーションサーバ4は、受信した経路から出発地と目的地を判別し、推奨経路を探索すればよく、推奨経路とナビゲーション装置1から送信された経路との比較を行い、差異部分を判別すればよい。
【0076】
(4)本実施の形態では、不足情報としてノードデータを送信したが、リンクデータを含めて送信してもよい。
【0077】
(5)ナビゲーション装置1は、不足情報を受信した場合、車両の誘導をしながら地図データの更新処理を並列に行ってもよい。
【0078】
(6)簡易地図600の表示方法は、図6(a)のものに限らない。たとえば、簡易地図600はノースアップ表示であってもよい。また、差異部分に対応する道路の表示色を異ならせてもよい。
【0079】
(7)図1および図2では、通信端末2をナビゲーション装置1の外部に接続したが、ナビゲーション装置1の内部に搭載してもよい。
【0080】
(8)車両100が推奨経路から逸脱したとき、ナビゲーション装置1は、自車位置をナビゲーションサーバ4へ送信し、ナビゲーションサーバ4に経路を再探索することを要求してもよい。また、再探索は、ナビゲーション装置1で行ってもよい。
【0081】
以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0082】
1:ナビゲーション装置、2:通信端末、3:通信回線網、4:ナビゲーションサーバ、
10:制御部、11:ジャイロセンサ、12:車速センサ、13:HDD、
14:GPS受信部、15:表示モニタ、16:入力装置、17:スピーカ、
100:車両、600:簡易地図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の地図データを記憶したサーバ装置と、車両に搭載されており、前記第一の地図データと異なる第二の地図データを用いて前記車両を出発地から目的地まで誘導するナビゲーション装置とを有するナビゲーションシステムであって、
前記サーバ装置は、
前記第一の地図データに基づいて前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路の情報を前記ナビゲーション装置へ送信する経路情報送信手段と、
前記経路のうち前記第一の地図データと前記第二の地図データとの間で情報に差異のある差異部分に関する情報を、前記第一の地図データから不足情報として抽出する不足情報抽出手段と、
前記不足情報抽出手段により抽出された前記不足情報を前記ナビゲーション装置に送信する不足情報送信手段とを備え、
前記ナビゲーション装置は、
前記サーバ装置から送信される前記経路の情報を受信する経路情報受信手段と、
前記サーバ装置から送信される前記不足情報を受信する不足情報受信手段と、
前記不足情報受信手段が受信した前記不足情報に基づいて、前記差異部分の簡易地図を作成する簡易地図作成手段と、
前記経路のうち前記差異部分に対応する地点を前記車両が通過するときは、前記簡易地図を用いて前記車両を誘導し、前記経路のうち前記差異部分に対応しない地点を前記車両が通過するときは、前記簡易地図を用いずに前記経路の情報に基づいて前記車両を誘導する車両誘導手段とを備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、
前記第二の地図データの更新状況を表す地図更新状況情報を前記サーバ装置に送信する地図更新状況情報送信手段をさらに備え、
前記サーバ装置は、
前記地図更新状況情報送信手段が送信した地図更新状況情報を受信する地図更新状況情報受信手段と、
前記地図更新状況情報受信手段により受信した前記地図更新状況情報に基づいて、前記差異部分を判別する第一の差異部分判別手段とをさらに備え、
前記不足情報抽出手段は、前記第一の差異部分判別手段が判別した差異部分に関する不足情報を前記第一の地図データから抽出することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーション装置は、
前記経路情報受信手段により受信した前記経路の情報と前記第二の地図データとに基づいて、前記差異部分を判別する第二の差異部分判別手段と、
前記第二の差異部分判別手段が判別した差異部分に関する不足情報の送信を前記サーバ装置に要求する不足情報要求手段とをさらに備え、
前記サーバ装置は、
前記不足情報要求手段による要求を受け付ける要求受付手段をさらに備え、
前記不足情報抽出手段は、前記要求受付手段が受け付けた要求に基づいて、前記第二の差異部分判別手段が判別した差異部分に関する不足情報を、前記第一の地図データから抽出することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記第一の地図データおよび前記第二の地図データは、道路地図上の複数の地点にそれぞれ対応する複数のノードを表すノードデータを含み、
前記不足情報抽出手段は、前記第一の地図データのうち前記差異部分に含まれるノードを表すノードデータを前記不足情報として抽出することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記ノードデータは、前記ノードが表す地点から延びる道路の本数を示す接続道路本数の情報と、当該道路がそれぞれ当該地点から延びる方位を示す接続道路方位の情報とを含むことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記簡易地図作成手段は、前記差異部分に含まれる前記ノードに対応する前記地点を中心として、前記接続道路方位に基づいた方向に前記道路を描画した簡易地図を作成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記簡易地図作成手段は、前記第一の地図データまたは前記第二の地図データのいずれか一方のみに含まれる道路の表示態様を他の道路の表示態様とは異ならせた簡易地図を作成することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項8】
請求項4から7のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記ノードデータは、前記ノードが表す地点の座標の情報をさらに含み、
前記ナビゲーション装置は、
前記第二の地図データに基づいて前記道路地図を表示し、前記不足情報が表すノードの座標間を直線で結ぶことにより前記差異部分に対応する道路を前記道路地図上に表示する地図表示手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記地図表示手段は、前記直線を前記道路地図上の道路とは異なる表示態様で表示することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のナビゲーションシステムにおいて、
前記不足情報受信手段が前記不足情報を受信したことを画像または音声により報知する報知手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項11】
第一の地図データを記憶したサーバ装置と通信可能であり、車両に搭載されており、前記第一の地図データと異なる第二の地図データを用いて前記車両を出発地から目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、
前記出発地から前記目的地までの経路の情報を前記サーバ装置から受信する経路情報受信手段と、
前記経路のうち前記第一の地図データと前記第二の地図データとの間で情報に差異のある差異部分に関する不足情報を前記サーバ装置から受信する不足情報受信手段と、
前記不足情報受信手段が受信した前記不足情報に基づいて、前記差異部分の簡易地図を作成する簡易地図作成手段と、
前記経路のうち前記差異部分に対応する地点を前記車両が通過するときは、前記簡易地図を用いて前記車両を誘導し、前記経路のうち前記差異部分に対応しない地点を前記車両が通過するときは、前記簡易地図を用いずに前記経路の情報に基づいて前記車両を誘導する車両誘導手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
第一の地図データを記憶していて、車両に搭載されたナビゲーション装置と通信可能なサーバ装置であって、
前記第一の地図データに基づいて前記車両の出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段により探索された経路の情報を前記ナビゲーション装置へ送信する経路情報送信手段と、
前記経路のうち前記第一の地図データと前記ナビゲーション装置が記憶している第二の地図データとの間で情報に差異のある差異部分に関する情報を、前記第一の地図データから不足情報として抽出する不足情報抽出手段と、
前記不足情報抽出手段により抽出された前記不足情報を前記ナビゲーション装置に送信する不足情報送信手段とを備えることを特徴とするサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−179844(P2011−179844A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−41796(P2010−41796)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】