説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体

【課題】利用者に対して、立ち寄りたい施設を簡単に選択させること。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、格納部101と、目的地設定部102と、経路探索部103と、検索部104と、通知制御部105と、通知部106と、を備える。格納部101は、到達した施設の履歴情報を格納する。目的地設定部102には、目的地が設定される。経路探索部103は、設定された目的地までの経路を探索する。検索部104は、所定の条件に基づいて、経路探索部103によって探索された経路周辺の施設を検索する。通知制御部105は、検索部104によって検索された施設のうち、格納部101に格納された施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなう。通知部106は、通知制御部105の制御により施設を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両などの移動体に搭載されるナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両などの移動体には、ナビゲーション装置が搭載されている。このようなナビゲーション装置には、利用者におすすめ地点を表示したり、予め設定した条件に該当する施設を表示したり、経路案内中に広告情報を受信してその広告に掲載されている地点を表示したりするものが知られている。具体的には、たとえば、出発地点から目的地までの途中経路付近に存在する観光地等の施設をユーザに表示するようにした技術が提案されている。(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−148069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、利用者が以前に行ったことのある施設についても、毎回、同様の施設が表示されるため、利用者にとって不要な情報が表示されることになる。このように、不要な情報が通知されることにより、利用者は、立ち寄りたい施設を選ぶ際に、煩わしさを感じるといった問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるナビゲーション装置は、到達した施設の履歴情報を格納する格納手段と、目的地が設定される目的地設定手段と、前記目的地設定手段に設定される目的地までの経路を探索する経路探索手段と、所定の条件に基づいて、前記経路探索手段によって探索された前記経路周辺の施設を検索する検索手段と、前記検索手段によって検索された施設のうち、前記格納手段に格納された前記施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなう通知制御手段と、前記通知制御手段の制御により経路周辺の前記施設を通知する通知手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項9の発明にかかるナビゲーション方法は、到達した施設の履歴情報を格納する格納工程と、目的地が設定される目的地設定工程と、前記目的地設定工程にて設定される目的地までの経路を探索する経路探索工程と、所定の条件に基づいて、前記経路探索工程によって探索された前記経路周辺の施設を検索する検索工程と、前記検索工程によって検索された施設のうち、前記格納工程にて格納された前記施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなう通知制御工程と、前記通知制御工程の制御により経路周辺の前記施設を通知する通知工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項10の発明にかかるナビゲーションプログラムは、請求項9に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項11の発明にかかる記録媒体は、請求項10に記載のナビゲーションプログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態)
(ナビゲーション装置の機能的構成)
この発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置100の機能的構成について説明する。図1は、実施の形態にかかるナビゲーション装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。図1において、ナビゲーション装置100は、移動体に搭載され、格納部101と、目的地設定部102と、経路探索部103と、検索部104と、通知制御部105と、通知部106と、モード設定部107と、検出部108と、格納制御部109と、入力部110と、取得部111と、を備えている。
【0011】
格納部101は、到達した施設の履歴情報を格納する。履歴情報は、施設に到達したという情報であり、当該施設の名称や位置情報を含む情報である。格納部に格納される履歴情報は、移動体の走行履歴に基づくものであってもよいし、利用者からの操作入力に基づくものでもよい。
【0012】
目的地設定部102には、目的地が設定される。目的地としては、たとえば、道路沿線の施設が設定される。経路探索部103は、目的地設定部102に設定される目的地までの経路を探索する。
【0013】
検索部104は、所定の条件に基づいて、経路探索部103によって探索された経路周辺の施設を検索する。所定の条件は、具体的には、たとえば、利用者によって入力部110から入力される施設のジャンルの条件や、予め設定されるおすすめ施設を検索するための条件である。ジャンルは、施設を業種別などに束ねたものであり、具体的には、たとえば、ガソリンスタンド、銀行などが挙げられるが、代表的には、観光地など、利用者にとって、一度行ったら、しばらくは行かなくてもよいと感じるジャンルが挙げられる。なお、ジャンルは、観光地のほかにも、飲食店などであってもよい。この場合、検索部104は、具体的には、ジャンルとして観光地が入力された場合に、たとえば、経路周辺の遊園地、水族館、博物館などを検索する。
【0014】
通知制御部105は、検索部104によって検索された施設のうち、格納部101に格納された施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなう。具体的には、たとえば、通知制御部105は、検索部104によって観光地の検索がおこなわれ、格納部101にA遊園地の履歴情報が格納されている場合、検索結果のうち、A遊園地を除外して検索結果を通知させる。
【0015】
通知部106は、通知制御部105の制御により施設を通知する。通知部106は、具体的には、ディスプレイなどの表示画面によって施設を通知してもよいし、音声によって施設を通知してもよい。
【0016】
また、本実施の形態において、通知制御部105は、検索部104に検索された施設のうち、所定期間内に目的地として到達した履歴のある施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなってもよい。所定期間は、たとえば、利用者にとって、一度行ったら、しばらくは行かなくてもよいと感じる期間であり、利用者からの入力に基づいて設定されるものであってもよいし、ジャンルごとに予め設定されるものであってもよい。
【0017】
本構成は、所定期間内に目的地として到達した履歴のある施設を除外するとともに、所定期間よりも昔のものについては除外しないようにすることにより、利用者にとって必要となる可能性の高い情報を通知することを可能にしたものである。
【0018】
また、本実施の形態において、モード設定部107は、任意の構成要素である。モード設定部107は、到達した履歴のある施設を検索結果から除外して通知する除外モードと、到達した履歴のある施設を検索結果から除外せずに通知する通常モードのいずれか一方を設定する。この場合、通知制御部105は、モード設定部107に除外モードが設定されている場合に、検索部104によって検索された施設のうち、格納部101に格納された施設を除外して検索結果を通知させればよい。
【0019】
モード設定部107に設定されるモードは、具体的には、利用者からの入力によって設定される。モードの設定のタイミングは、経路周辺の施設の検索結果の通知前におこなうようにしてもよいし、検索結果の通知後におこなうようにしてもよい。なお、検索結果の通知後にモードの設定をおこなう場合は、たとえば、検索結果が表示された画面上に、モードの選択を受け付ける画面表示をおこない、モードの選択を受け付けた場合に、受け付けたモードの画面を表示すればよい。
【0020】
本構成は、モードを設定することにより、利用者が、到達した履歴のある施設を除外したいと思う場合、または、除外したくないと思う場合に、それぞれ対応する通知をおこなうことを可能にしたものである。
【0021】
また、本実施の形態において、経路探索部103は、検索部104によって検索された施設を立ち寄り地とした経路探索開始の入力を受け付ける制御をおこなうとともに、当該経路探索開始の入力を受け付けた際に、施設を立ち寄り地とした目的地までの経路を探索するようにしてもよい。本構成は、通知した施設のうち、利用者が所望する施設を、利用者自身で立ち寄り地として指定することにより、経路周辺の施設への立ち寄りを可能にする構成である。
【0022】
また、本実施の形態において、検出部108と、格納制御部109とは、任意の構成要素である。検出部108は、移動体の駐車を検出する。また、格納制御部109は、検出部108によって移動体の駐車が検出された際に、駐車位置周辺の施設を到達した施設として当該施設の履歴を格納部101に格納させる。検出部108は、移動体の駐車の検出として、たとえば、移動体が施設に関連付けられる駐車場に進入したことを検出してもよいし、当該施設周辺にて移動体のエンジンが停止したことを検出してもよいし、当該施設周辺にてギアの位置がパーキングギアに位置したことを検出してもよい。
【0023】
本構成は、到達した施設の具体的な格納について、明記したものであり、目的地を通過した場合や、目的地付近を通った場合に、目的地に到達したものと判断することなく、目的地に立ち寄った施設についてのみ、当該施設の履歴情報を格納するようにしたものである。
【0024】
また、本実施の形態において、通知制御部105は、検索部104によって検索された施設のうち、入力部110に入力された施設のジャンルに応じて、格納部101に格納された施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなってもよい。施設のジャンルは、上述したように、飲食店のジャンルであってもよいが、代表的には、観光地のジャンルが挙げられる。本構成は、具体的には、たとえば、観光地や飲食店のジャンル以外の検索の場合には、通常モードとして通知する。
【0025】
また、本実施の形態において、取得部111を設け、施設を検索するための優先度に関する情報を取得するようにしてもよい。この場合、検索部104は、取得部111によって取得された優先度に関する情報に基づいて、施設を検索する。
【0026】
優先度に関する情報は、施設を検索するための優先順位を示すものであり、具体的には、おすすめスポットの順位を示すものである。優先度に関する情報は、格納部101に予め格納されるものであってもよいし、情報を配信するサーバに蓄積されるものを受信してもよい。検索部104は、優先度に関する情報に基づき、たとえば、ある地域のおすすめスポットの5位までの施設を検索する構成としてもよい。
【0027】
(ナビゲーション装置のナビゲーション処理手順)
つぎに、図2を用いて、ナビゲーション装置100のナビゲーション処理手順について説明する。図2は、本実施の形態にかかるナビゲーション装置100のナビゲーション処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0028】
図2のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置100は、目的地設定部102に目的地が設定されたか否かを判断する(ステップS201)。ステップS201において、目的地が設定されるまで待機状態にあり(ステップS201:Noのループ)、目的地設定部102に目的地が設定されると(ステップS201:Yes)、目的地までの経路探索をおこなう(ステップS202)。
【0029】
そして、所定の条件に基づいて、探索された経路周辺の施設を検索する(ステップS203)。そして、検索された施設のうち、到達した履歴のある施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなう(ステップS204)。このあと、上記制御により施設を通知し(ステップS205)、一連の処理を終了する。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態にかかるナビゲーション装置100は、所定の条件に基づいて施設を検索するようにし、検索された施設のうち、到達した履歴のある施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなうようにした。したがって、利用者が所望する施設を通知することができるとともに、利用者にとって不要な情報が通知されず、利用者は、通知された情報を基に、立ち寄りたい施設を簡単に選ぶことができる。
【実施例】
【0031】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、車両に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明のナビゲーション装置100を実施した場合の一例について説明する。
【0032】
(ナビゲーション装置300のハードウェア構成)
図3を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3において、ナビゲーション装置300は、車両などの移動体に搭載されており、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、スピーカ309と、入力デバイス310と、映像I/F311と、ディスプレイ312と、通信I/F313と、GPSユニット314と、各種センサ315と、を備えている。また、各構成部301〜315はバス320によってそれぞれ接続されている。
【0033】
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、現在地点算出プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、地図データ表示プログラム、ナビゲーションプログラムなどの各種プログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
【0034】
現在地点算出プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット314および各種センサ315の出力情報に基づいて、車両の現在地点(ナビゲーション装置300の現在地点)を算出させる。
【0035】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク305に記録されている地図データなどを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点までの最短(または最速)経路やユーザが指定した条件に最も合致する経路などである。また、目的地点のみならず、立ち寄り地点や休憩地点までの経路を探索してもよい。探索された誘導経路は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0036】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在地点算出プログラムを実行することによって算出された車両の現在地点情報、磁気ディスク305から読み出された地図データに基づいて、リアルタイムな経路誘導情報を生成させる。生成された経路誘導情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0037】
地図データ表示プログラムは、磁気ディスク305や光ディスク307に記録されている地図データを映像I/F311によってディスプレイ312に表示させる。
【0038】
ナビゲーションプログラムは、経路探索時の通知において、モードに応じて、経路周辺の施設のうち、磁気ディスク305や光ディスク307に記録されている、過去に到達した施設を除外して検索結果を通知させる。検索結果は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。なお、モードは、具体的には、除外モードと通常モードのいずれかが設定され、除外モードが設定されている場合に、上述したプログラムが実行される。また、通常モードが設定されている際には、検索された全ての施設が通知される。
【0039】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0040】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0041】
磁気ディスク305や光ディスク307に記録される情報の一例としては、地図データや機能データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを有しており、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。この地図データは、ディスプレイ312の表示画面において2次元または3次元に描写される。ナビゲーション装置300が経路誘導中の場合は、地図データと後述するGPSユニット314によって取得された車両の現在地点を示す車両マークとが重ねて表示されることとなる。
【0042】
また、磁気ディスク305や光ディスク307には、目的地として到達した施設の履歴情報が記録されている。
【0043】
音声I/F308は、音声出力用のスピーカ309に接続される。スピーカ309は、音声を出力する。入力デバイス310は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス310は、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネルのうち、いずれか一つの形態によって実現されてもよいし、複数の形態によって実現されてもよい。
【0044】
映像I/F311は、ディスプレイ312と接続される。映像I/F311は、具体的には、たとえば、ディスプレイ312全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ312を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0045】
ディスプレイ312には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ312には、上述した地図データが
2次元または3次元に描画される。ディスプレイ312に表示された地図データには、ナビゲーション装置300を搭載した車両の現在地点をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在地点は、CPU301によって算出される。
【0046】
このディスプレイ312は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。ディスプレイ312は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ312は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両内に複数設置してもよい。
【0047】
通信I/F313は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F313は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0048】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F313は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0049】
また、通信I/F313は、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、交通情報や地図情報などの各種情報を取得する。なお、DSRCの具体例としては、ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が挙げられる。
【0050】
GPSユニット314は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示す情報を出力する。GPSユニット314の出力情報は、後述する各種センサ315の出力値とともに、CPU301による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0051】
各種センサ315は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ315の出力値は、CPU301による車両の現在地点の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0052】
図1に示したナビゲーション装置100が備える、格納部101と、目的地設定部102と、経路探索部103と、検索部104と、通知制御部105と、通知部106と、モード設定部107と、検出部108と、格納制御部109と、入力部110と、取得部111とは、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0053】
すなわち、本実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302に記録されているナビゲーションプログラムを実行することにより、図1に示したナビゲーション装置100が備える機能を、図2に示したナビゲーション処理手順で実行することができる。
【0054】
(ナビゲーション装置300がおこなうナビゲーション処理の一例)
つぎに、図4を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなうナビゲーション処理の一例について説明する。図4は、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなうナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【0055】
図4のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置300は、目的地が設定されたか否かを判断する(ステップS401)。ステップS401において、目的地が設定されるまで待機状態にあり(ステップS401:Noのループ)、目的地が設定されると(ステップS401:Yes)、目的地まで最短(または最速)となるルート(以下、「通常ルート」という)を探索する(ステップS402)。
【0056】
そして、優先度に関する情報を取得する(ステップS403)。優先度に関する情報は、施設を選出するための優先順位、具体的には、おすすめ順位を示した情報である。なお、優先度に関する情報は、通信I/F313を介してサーバから受信することによって取得される情報である。
【0057】
そして、優先度に関する情報に基づいて、施設を検索する(ステップS404)。このあと、除外モードに設定されているか否かを判断する(ステップS405)。ステップS405において、除外モードに設定されていると判断した場合(ステップS405:Yes)、所定期間内に到達した履歴を有する施設があるか否かを判断する(ステップS406)。
【0058】
ステップS406において、所定期間内に到達した履歴を有する施設があると判断した場合(ステップS406:Yes)、検索結果のうち、当該履歴のある施設を除外して表示させる制御をおこない(ステップS407)、制御された検索結果を表示する(ステップS408)。そして、検索した施設を立ち寄り地として経由するルート(以下、「立ち寄りルート」という)の探索の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS409)。ステップS409において、立ち寄りルートの探索の入力を受け付けた場合(ステップS409:Yes)、立ち寄りルートを探索する(ステップS410)。そして、立ち寄りルートの案内をおこない(ステップS411)、一連の処理を終了する。なお、ステップS408における表示画面の詳細、およびステップS409における立ち寄りルートの探索の入力を受け付ける際の表示画面については、図6を用いて後述する。
【0059】
一方、ステップS405において、除外モードが設定されていないと判断した場合(ステップS405:No)、通常モードとして判断する(ステップS412)。そして、検索結果を全て表示し(ステップS413)、ステップS409に移行する。また、ステップS406において、所定期間内に到達した履歴を有する施設がないと判断した場合(ステップS406:No)、ステップS413に移行する。
【0060】
また、ステップS409において、立ち寄りルートの探索の入力を受け付けない場合(ステップS409:No)、通常ルートを案内し(ステップS414)、一連の処理を終了する。
【0061】
なお、上述した処理のステップS405の除外モードの設定のタイミングは、任意であり、検索結果を表示させたあとでもよい。また、観光地や飲食店など、検索するジャンルの入力を受け付けるようにし、利用者にとって一度行ったらしばらくは行かなくてもよいと感じる施設を、除外モードにより表示させないようにしてもよい。また、上述した処理では、立ち寄りルートを探索して表示するようにしたが、到達した履歴のある施設を除外して表示するだけでもよい。
【0062】
また、上述した処理は、ナビゲーション装置300によって実現するようにしたが、通信ナビゲーションシステムに用いられる管理サーバによって実現することも可能である。具体的には、管理サーバが、利用者からの経路探索の要求を受けて、目的地までの経路を探索するとともに、所定の条件に基づいて、探索された経路周辺の施設の検索や、当該施設を立ち寄る立ち寄りルートの探索をおこない、当該検索結果や当該探索結果を移動体に送信すればよい。
【0063】
このように、上述した処理では、検索された施設のうち、到達した履歴のある施設を除外して表示させる制御をおこなうようにした。したがって、利用者に不要な情報を通知することがないので、利用者は、表示画面上の立ち寄りたい施設を簡単に選ぶことができる。
【0064】
また、上述した処理によれば、たとえば、立ち寄りルートを通った際の目的地の到着時刻がわかるので、目的地への到達時刻が予想外に遅れてしまうようなことを防止できる。さらに、所定の条件に基づいて施設が検索されるので、利用者が所望する施設を、利用者自らが選択するといった手間を省くことができる。このように、利用者に対して、到達した履歴のある施設を除外し、所定の条件に応じた施設を提示することができるとともに、当該施設を経由する立ち寄りルートを案内することができる。
【0065】
(ナビゲーション装置がおこなう施設の履歴情報の格納処理の一例)
つぎに、図5を用いて、ナビゲーション装置300がおこなう施設の履歴情報の格納処理の一例について説明する。図5は、ナビゲーション装置300がおこなう施設の履歴情報の格納処理の一例を示すフローチャートである。
【0066】
図5において、ナビゲーション装置300は、移動体が施設周辺に到達したか否かを判断する(ステップS501)。ステップS501において、移動体が施設周辺に到達するまで待機状態にあり(ステップS501:Noのループ)、移動体が施設周辺に到達したと判断すると(ステップS501:Yes)、エンジンが停止したか否かを判断する(ステップS502)。
【0067】
なお、ステップS502においては、エンジンが停止したか否かを判断するようにしているが、移動体が当該施設周辺にて駐車したことを判断できればよく、このほかにも、たとえば、施設に関連付けられる駐車場に進入したか否かを判断してもよいし、ギアの位置がパーキングギアに位置したか否かを判断してもよいし、パーキングブレーキが掛かったか否かを判断してもよい。
【0068】
ステップS502において、エンジンが停止したと判断した場合(ステップS502:Yes)、到達した施設として当該施設の履歴を格納し(ステップS503)、一連の処理を終了する。一方、ステップS502において、エンジンが停止していないと判断した場合(ステップS502:No)、一連の処理を終了する。
【0069】
なお、上述した処理において、施設は、たとえば、観光地のジャンルに属する施設が挙げられるが、観光地のジャンルに属する施設以外の施設であってもよい。
【0070】
このように、上述した処理によれば、施設を通過した場合や、施設付近を通った場合に、施設に到達したものと判断することなく、駐車した周辺の施設についてのみ、当該施設に到達したものとして履歴情報を格納することができる。
【0071】
(ナビゲーション装置のディスプレイに表示される表示画面の一例)
つぎに、図6を用いて、ナビゲーション装置300のディスプレイ312に表示される表示画面の一例について説明する。図6は、ナビゲーション装置300のディスプレイ312に表示される表示画面の一例を示す説明図である。なお、図6は、図4に示したステップS408における検索結果の表示を示す画面である。
【0072】
図6において、ディスプレイ312には、検索結果610と、コメント表示620とが表示されている。検索結果610は、除外モードにおける、観光地についての検索結果を示しており、A遊園地、B水族館、C博物館が、ぞれぞれ、所在地とともに表示されている。この表示画面は、除外モード時の画面であり、到達した履歴のある施設については、表示されていない。
【0073】
また、利用者からの入力により、この表示画面の検索結果610に表示される施設が選択されると、たとえば、「立ち寄り地に設定しますか。(Yes/No)」の受け付け画面が表示される。さらに、この受け付け画面にて、利用者からの入力により、「Yes」が選択されると、当該施設を立ち寄り地としたルート探索が実行される。
【0074】
コメント表示620には、除外モードにて表示している旨が表示されるとともに、選択ボタン621により通常モードへの切り替えが可能になっている。選択ボタン621の「はい」が選択されたとすると、通常モードが表示され、つまり、到達した履歴のある施設も含めて表示される。
【0075】
また、選択ボタン622の「地図画面を表示」が選択されると、検索結果を地図画面上に表示した画面が表示される。なお、地図画面を表示した場合においても、除外モード時には、到達した履歴のある施設については、表示されない。また、地図画面を表示した画面においても、上述した選択ボタン621と同様に、通常モードへの切り替えを受け付けるようにすることにより、適宜、通常モードを表示可能にし、つまり、到達した履歴のある施設も含めて地図画面上に表示することも可能である。
【0076】
上述した表示画面によれば、検索された施設のうち、到達した履歴のある施設を除外して検索結果が表示される。したがって、利用者に不要な情報を通知することがないので、利用者は、表示画面上に表示される立ち寄りたい施設を簡単に選ぶことができる。
【0077】
以上説明したように、本実施例にかかるナビゲーション装置300は、所定の条件に基づいて、施設を検索するようにし、検索された施設のうち、到達した履歴のある施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなうようにした。したがって、利用者が所望する施設を通知することができるとともに、利用者にとって不要な情報が通知されず、利用者は、通知された情報を基に、立ち寄りたい施設を簡単に選ぶことができる。
【0078】
また、本実施例において、所定期間内に到達した履歴のある施設を除外して検索結果を表示させる制御をおこなうようにしたので、利用者にとって必要となる可能性の高い情報のみを表示させることができる。
【0079】
また、本実施例では、施設を検索結果から除外して通知する除外モードと、施設を検索結果から除外せずに通知する通常モードのいずれか一方を設定するようにし、除外モードが設定されている場合に、検索された施設のうち、到達した履歴のある施設を除外して検索結果を表示させるようにした。したがって、利用者が、到達した履歴のある施設を表示画面から除外したいと思う場合、または、除外したくないと思う場合に、それぞれ対応する画面を表示することができる。
【0080】
また、本実施例において、検索された施設を立ち寄り地とした経路探索開始の入力を受け付ける制御をおこなうとともに、当該経路探索開始の入力を受け付けた際に、施設を立ち寄り地とした目的地までの経路を探索するようにしてもよい。これにより、通知した施設のうち、利用者が所望する施設を、利用者自身で立ち寄り地として指定することにより、経路周辺の施設への立ち寄りを可能にする構成である。
【0081】
また、本実施例では、車両の駐車を検出するようにし、具体的には、施設にてエンジンが停止したか否かを判断するようにし、エンジンが停止した場合に、駐車位置周辺の施設を到達した施設として当該施設の履歴を格納させるようにした。したがって、施設を通過した場合や、施設付近を通った場合に、施設に到達したものと判断することがなく、施設に駐車した場合にのみ、到達した施設として、当該施設の履歴情報を格納することができる。
【0082】
また、本実施例では、検索された施設のうち、利用者から施設のジャンルの入力を受け付けるようにし、当該ジャンルに応じて、具体的には、観光地のジャンルについて、到達した履歴のある施設を除外して検索結果を表示させるようにしてもよい。このような構成によれば、利用者にとって、一度行ったら、しばらくは行かなくてもよいと感じるジャンルのうち、到達した履歴のある施設を表示させないようにすることができる。
【0083】
また、本実施例において、優先度に関する情報に基づいて、施設を検索するようにし、検索された施設を立ち寄り地とする目的地までの経路を探索するようにしたので、おすすめスポットや、有名どころなど、優先度の高い施設を経由する経路を辿ることができる。
【0084】
以上説明したように、本発明のナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体は、所定の条件に基づいて、施設を検索するようにし、検索された施設のうち、到達した履歴のある施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなうようにしたので、利用者が所望する施設を通知することができるとともに、利用者にとって不要な情報が通知されず、利用者は、通知された検索結果を基に、立ち寄りたい施設を簡単に選ぶことができる。
【0085】
なお、本実施例で説明したナビゲーション方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかるナビゲーション装置のナビゲーション処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施例にかかるナビゲーション装置がおこなうナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】ナビゲーション装置がおこなう施設の履歴情報の格納処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】ナビゲーション装置のディスプレイに表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0087】
100 ナビゲーション装置
101 格納部
102 目的地設定部
103 経路探索部
104 検索部
105 通知制御部
106 通知部
107 モード設定部
108 検出部
109 格納制御部
110 入力部
111 取得部
300 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
到達した施設の履歴情報を格納する格納手段と、
目的地が設定される目的地設定手段と、
前記目的地設定手段に設定される目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
所定の条件に基づいて、前記経路探索手段によって探索された前記経路周辺の施設を検索する検索手段と、
前記検索手段によって検索された施設のうち、前記格納手段に格納された前記施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなう通知制御手段と、
前記通知制御手段の制御により経路周辺の前記施設を通知する通知手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記通知制御手段は、前記検索手段によって検索された前記施設のうち、所定期間内に到達した履歴のある施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなうことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
到達した履歴のある施設を検索結果から除外して通知する除外モードと、到達した履歴のある施設を検索結果から除外せずに通知する通常モードのいずれか一方が設定されるモード設定手段をさらに備え、
前記通知制御手段は、前記モード設定手段に前記除外モードが設定されている場合に、前記検索手段によって検索された施設のうち、前記格納手段に格納された前記施設を除外して検索結果を通知させることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記経路探索手段は、前記検索手段によって検索された施設を立ち寄り地とした経路探索開始の入力を受け付ける制御をおこなうとともに、当該経路探索開始の入力を受け付けた際に、前記施設を立ち寄り地とした前記目的地までの経路を探索することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記移動体の駐車を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記駐車が検出された際に、駐車位置周辺の施設を到達した施設として当該施設の履歴を前記格納手段に格納させる格納制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記施設を検索するための優先度に関する情報を取得する取得手段をさらに備え、
前記検索手段は、前記取得手段によって取得された前記優先度に関する情報に基づいて、前記施設を検索することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記通知制御手段は、前記検索手段によって検索された施設のうち、入力手段に入力された施設のジャンルに応じて、前記格納手段に格納された前記施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなうことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記施設のジャンルは、観光地のジャンルであることを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
到達した施設の履歴情報を格納する格納工程と、
目的地が設定される目的地設定工程と、
前記目的地設定工程にて設定される目的地までの経路を探索する経路探索工程と、
所定の条件に基づいて、前記経路探索工程によって探索された前記経路周辺の施設を検索する検索工程と、
前記検索工程によって検索された施設のうち、前記格納工程にて格納された前記施設を除外して検索結果を通知させる制御をおこなう通知制御工程と、
前記通知制御工程の制御により経路周辺の前記施設を通知する通知工程と、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とするナビゲーションプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のナビゲーションプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−115718(P2009−115718A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291281(P2007−291281)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】