説明

ナビゲーション装置およびこれを用いた会議システム

【課題】 複数の車両の複数の搭乗員の間で情報を相互に交換しながら会議を行うことのできる安価なナビゲーション装置およびこれを用いた会議システムを提供する。
【解決手段】 現在地から目的地までの案内機能、所望位置または所望施設の検索機能を含むナビゲーション機能を有するナビゲーション装置において、情報の入出力装置として接続された複数の外部情報端末を制御する外部端末制御部16と、外部との通信を制御する通信制御部11と、外部端末制御部によって制御される複数の外部情報端末と通信制御部を介して接続された外部装置との間のメッセージの交換を制御する中央制御部10とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数人が同時にメッセージを入力できるナビゲーション装置およびこれを用いた会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自車両と他車両との間で通信を行うことにより情報を交換できる車載ナビゲーション装置が知られている。例えば、特許文献1は、複数の車両でグループを形成し、グループ内の車両間でグループ内他車両の位置情報を共有する通信型ナビゲーションシシステムを開示している。この通信型ナビゲーションシシステムにおいては、ナビゲーション装置は、移動体電話機、通信アダプタ、通信制御部、コントロール装置、地図データ記憶装置、GPS装置、操作部材および表示装置を含む。
【0003】
また、ナビゲーション情報提供装置は、通信装置、サーバ、ネットワークアダプタおよび地図データベースを含む。通信装置は、例えば、公衆回線によって基地局に接続され、車両が近づいた基地局がその車両と通信を行う。サーバは、複数の車両から送信されるグループ情報を記憶し、複数の車両をグループ管理する。サーバは、グループに属する各車両の位置情報を記憶し、各車両から送信されるコマンドに応じて、コマンドを送信した車両にグループ内他車両の位置情報を配信する。
【0004】
【特許文献1】特開2003−141682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載のものは、複数の車載ナビゲーション装置の間でメッセージを相互に送受信する場合に、車載ナビゲーション装置に対するメッセージの入力は、その車載ナビゲーション装置に接続されたタッチパネル、リモートコントローラ、操作パネルといった入力装置を用いて行うようになっている。従って、各車両に搭乗している複数の乗員で会議を行う場合、各々の意見をメッセージとして同時に入力することは難しいので、各車両内の代表者が同乗者の意見をまとめてメッセージなどを入力する必要がある。その結果、各自の意見がある程度却下された状態で会議が行われたり、各車両内における意見をまとめるのに時間がかかり、会議がなかなか進行しないという問題点がある。この場合、1台の車載ナビゲーション装置に複数の入力装置を接続することも考えられるが、コストアップに繋がるという問題が生じる。
【0006】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その目的は、複数の車両の複数の搭乗員の間で情報を相互に交換しながら会議を行うことのできる安価なナビゲーション装置およびこれを用いた会議システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るナビゲーション装置は、上記課題を達成するために、現在地から目的地までの案内機能、所望位置または所望施設の検索機能を含むナビゲーション機能を有するナビゲーション装置において、情報の入出力装置として接続された複数の外部情報端末を制御する外部端末制御部と、外部との通信を制御する通信制御部と、外部端末制御部によって制御される複数の外部情報端末と通信制御部を介して接続された外部装置との間のメッセージの交換を制御する中央制御部とを備えている。
【0008】
この発明に係る会議システムは、複数のナビゲーション装置がネットワークで接続された会議システムであって、複数のナビゲーション装置の各々は、情報の入出力装置として接続された複数の外部情報端末を制御する外部端末制御部と、外部との通信を制御する通信制御部と、外部端末制御部によって制御される複数の外部情報端末と通信制御部を介して接続された外部装置との間のメッセージの交換を制御する中央制御部とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、例えば携帯電話などのような各個人で所有している外部情報端末を入出力装置としてナビゲーション装置に接続することができるので、各個人で独立したメッセージの入力が可能になる。従って、複数人が同時に外部との間でメッセージを送受することができる。
【0010】
この発明によれば、この発明に係る複数台のナビゲーション装置を、ネットワークを介して接続したので、各ナビゲーション装置では、各個人で独立したメッセージの入力が可能になる。従って、複数のナビゲーション装置の各々に接続された複数の外部情報端末でメッセージを相互に送受することができる。また、外部情報端末としては、各個人で所有している携帯電話などを用いることができるので、新たな入出力装置を用意する必要がなく、会議システムを安価に構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置およびそれが適用された会議システムの構成を示すブロック図である。この会議システムは、ナビゲーション装置1、1および1、通信装置2、2および2、外部情報端末311、312、313、321および321、公衆電話回線網4、インターネットプロバイダ5ならびにインターネット6から構成されている。公衆電話回線網4はインターネットプロバイダ5を経由してインターネット6に接続されている。
【0012】
ナビゲーション装置1には、通信装置2と外部情報端末311、312および313とが接続されており、これらは1台の車両に搭載されている。また、ナビゲーション装置1には、通信装置2と外部情報端末321および322とが接続されており、これらは他の車両に搭載されている。さらに、ナビゲーション装置1には、通信装置2が接続されており、これらはさらに他の車両に搭載されている。
【0013】
なお、この実施の形態1では、会議システムは、3台のナビゲーション装置1〜1から構成されている例を示しているが、ナビゲーション装置の数は3台に限らず任意である。また、ナビゲーション装置1には3台の外部情報端末311、312および313が接続され、ナビゲーション装置1には2台の外部情報端末321および322が接続され、ナビゲーション装置1には外部情報端末が接続されていない例を示しているが、各ナビゲーション装置に外部情報端末を接続するかどうか、また、外部情報端末を接続する場合の台数は任意である。
【0014】
ナビゲーション装置1〜1は、自車の周囲の地図上に自車位置マークを表示して現在地から目的地まで運転者を案内する案内機能、所望位置または所望施設の検索機能といったナビゲーション機能を有する。なお、以下では、ナビゲーション機能のうち、周知な機能に関する説明は省略する。このナビゲーション装置1〜1の詳細については後述する。
【0015】
通信装置2〜2は、ナビゲーション装置1〜1を公衆電話回線網4に接続するために使用され、例えば携帯電話機から構成することができる。通信装置2〜2は、ナビゲーション装置1〜1の筐体(図示しない)に設けられたホルダにそれぞれセットされることにより、ナビゲーション装置1〜1と電気的にそれぞれ接続される。
【0016】
ナビゲーション装置1に接続される外部情報端末311〜313およびナビゲーション装置1に接続される外部情報端末321〜322は、例えば、各個人が所有している携帯電話機、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)といった携帯情報端末から構成することができる。外部情報端末311〜313は、有線または無線によってナビゲーション装置1に接続または切り離しが可能になっている。同様に、外部情報端末321〜322は、有線または無線によってナビゲーション装置1に接続または切り離しが可能になっている。
【0017】
外部情報端末311〜322の各々は、自己を識別するための固有の端末IDを有する。端末IDとしては、外部情報端末がノート型パーソナルコンピュータやPDAといったIP機器であればMACアドレス(Media Access Control address)を用いることができ、携帯電話といった非IP機器であれば電話番号を用いることができる。
【0018】
次に、ナビゲーション装置1〜1の詳細を説明する。なお、ナビゲーション装置1〜1の構成は何れも同じであるので、以下ではナビゲーション装置1の構成についてのみ説明する。ナビゲーション装置1は、中央制御部10、通信制御部11、地図データ読出部12、地図データ蓄積部13、描画制御部14、ナビゲーションモニタ(以下、「ナビモニタ」と略する)15、外部端末制御部16、外部端末通信制御部17、外部端末情報蓄積部18、現在位置検出部19およびGPSアンテナ20から構成されている。
【0019】
中央制御部10は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、ナビゲーション装置1の全体を制御する。この中央制御部10で実行される処理の詳細は後述する。通信制御部11は、中央制御部10と通信装置2との間で行われる信号の送受を制御する。この通信制御部11の制御により、当該ナビゲーション装置1と公衆電話回線網4との間の通信が制御される。
【0020】
地図データ読出部12は、中央制御部10からの指示に応答して地図データ蓄積部13に格納されている地図データまたは施設データを読み出し、中央制御部10に送る。地図データ蓄積部13は、例えばハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)といった記憶媒体から構成されており、地図データおよび施設データを記憶している。なお、この実施の形態1では、地図データ蓄積部13は、ナビゲーション装置1の内部に設けられているが、地図データ蓄積部13をナビゲーション装置1の外部に設け、地図データ読出部12が通信によって地図データを読み出すように構成することもできる。
【0021】
描画制御部14は、地図データ蓄積部13から地図データ読出部12および中央制御部10を経由して送られてくる地図データに基づき描画データを生成し、ナビモニタ15に送る。ナビモニタ15は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)から構成されており、描画制御部14から送られてくる描画データに基づき、地図や車両位置マーク、他のナビゲーション装置1または1から受信したメッセージなどを表示する。
【0022】
外部端末制御部16は、中央制御部10、外部端末通信制御部17および外部端末情報蓄積部18の相互間のデータの送受を制御する。この外部端末制御部16の詳細については後述する。外部端末通信制御部17は、外部端末制御部16と外部情報端末311〜313との間で行われる通信を制御する。外部端末情報蓄積部18は、例えばハードディスク(HDD)やフラッシュROMといった記憶媒体から構成されており、ナビゲーション装置1に接続された外部情報端末311〜313に関する情報を端末情報リスト(詳細は後述する)として記憶している。この外部端末情報蓄積部18に対するアクセスは外部端末制御部16によって制御される。
【0023】
現在位置検出部19は、衛星軌道上に存在する複数のGPS衛星(図示しない)からの電波を受信したGPSアンテナ20からのGPS信号に基づいて所定の計算を行うことにより自車両の現在位置を検出する。この現在位置検出部19で検出された現在位置(緯度、経度および高度)を表す現在位置情報は、中央制御部10に送られる。
【0024】
次に、外部端末制御部16の詳細を説明する。図2は、外部端末制御部16の詳細な構成を示すブロック図である。この外部端末制御部16は、通信情報解析部161、端末情報制御部162、メッセージ制御部163、リンク情報制御部164および画像制御部165から構成されている。
【0025】
通信情報解析部161は、外部情報端末311〜313から外部端末通信制御部17を経由して送られてくる情報および中央制御部10から送られてくる情報(他のナビゲーション装置に接続された外部情報端末から送られてくる情報)を解析し、この解析結果に基づいて、端末情報制御部162、メッセージ制御部163、リンク情報制御部164および画像制御部165を制御する。端末情報制御部162は、通信情報解析部161からの指示に応じて、外部情報端末311〜313の認証を行い、この認証された外部情報端末に対する端末情報リストを作成して外部端末情報蓄積部18に格納する。
【0026】
メッセージ制御部163は、通信情報解析部161からの指示に応じて、会議システムにおいて送受される情報のうち、基本的なメッセージを管理する。リンク情報制御部164は、通信情報解析部161からの指示に応じて、メッセージ内に存在する地図の位置情報や施設情報などに対するリンク情報を管理する。画像制御部165は、通信情報解析部161からの指示に応じて、外部情報端末311〜313の各々に最適な表示画像に加工する処理を行う。
【0027】
次に、上述した端末情報リストの詳細を説明する。端末情報リストは、例えば図3に示すように、端末ID、ユーザ名、表示可能レベル、表示可能サイズなどの情報を含む。これらのうち、表示可能レベルおよび表示可能サイズは、表示能力情報と呼ばれる。端末IDは、上述したように、外部情報端末311〜322の各々を識別するための固有の情報である。ユーザ名は、外部情報端末311〜322の所有者を表す情報である。
【0028】
表示可能レベルは、外部情報端末311〜322が有する表示性能を表す情報である。この表示可能レベルは、3段階に分けられている。表示可能レベル「1」は、表示能力が低く画像を一切表示できないことを表す。この場合は、例えば図4(a)に示すように、ナビゲーション装置1は、テキスト情報のみを外部情報端末311〜322に提供する。表示可能レベル「2」は、数色による表示が可能な程度であることを表す。この場合は、ナビゲーション装置1は、例えば図4(b)に示すように、テキスト情報とアイコンや簡易地図程度の画像情報を外部情報端末311〜322に提供する。表示可能レベル「3」は、多くの色(例えば16色以上)による表示が可能であることを表す。この場合は、ナビゲーション装置1は、例えば図4(c)に示すように、テキスト情報、詳細な地図などに加え、写真などの画像情報をも外部情報端末311〜322に提供する。
【0029】
なお、この実施の形態1では、表示可能レベルを3段階に分けているが、表示可能レベルは任意の段階に分けることができる。また、表示可能レベルは、外部情報端末311〜322の能力を超えない範囲で、ユーザが任意に変更できるように構成することもできる。表示可能サイズは、当該外部情報端末311〜322で表示可能な画像の大きさを表す情報である。この表示可能サイズは、例えば、画面の縦および横のドット数で定義することができる。
【0030】
なお、端末情報リストには、さらにユーザ名に対応する画像IDを端末IDの属性として含むように構成できる。この場合、外部端末情報蓄積部18に画像データベースが設けられ、この画像データベースにユーザ名に対応する画像データが画像IDを付して登録される。画像データベースに登録された画像データは、画像IDによって読み出される。画像データとしては、ユーザ名によって示されるユーザを特定するための画像、例えばユーザに固有のアイコン、ユーザの顔写真を用いることができる。画像データベースに登録される画像データは、外部端末制御部16が、例えば、接続されている外部情報端末から画像ファイルとして取り込むように構成できる。この場合、外部情報端末がカメラ付携帯電話である場合は、カメラで撮影された画像を取り込むように構成できる。あるいは、ナビゲーション装置1にメモリカードスロットを設け、画像データが記憶されたメモリカードがメモリカードスロットに挿入された時に、そのメモリカードから画像データを取り込むように構成できる。なお、取り込んだ画像データが大きすぎる場合は、適宜縮小化処理が行われた後に、画像データベースに登録される。
【0031】
このように構成することにより、例えば会議システムにおいて誰が発言したのかを表示する際に、テキスト表示のみ可能な表示可能レベル「1」の外部情報端末では、端末情報リストに登録されているユーザ名をそのまま表示し、写真などの表示が可能な表示可能レベル「3」の外部情報端末ではユーザ名の代わりに顔写真などを表示させることもできる。より具体的には、表示可能レベル「1」の画像表示が不可能な外部情報端末に対しては、「太郎:こんにちは」のようにHTMLで記述することによりユーザ名のみをテキストで表示させる。一方、表示可能レベル「3」の画像表示が可能な外部情報端末に対しては、ユーザ名の代わりに画像(例えば顔写真)を表示する場合は、「<IMG SRC=”image/(画像ID).jpg”>こんにちは」のように記述する。
【0032】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置が適用された会議システムにおいて、新たな外部情報端末がナビゲーション装置に接続された場合に、その外部情報端末の能力に応じた会議システムを構築する動作を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。以下では、外部情報端末311がナビゲーション装置1に接続された場合を例に挙げて説明する。なお、外部端末情報蓄積部18には、外部情報端末の機種毎の画像表示の可否や表示画面サイズ等といった性能情報が格納された機器データベースがあらかじめ形成されているものとする。
【0033】
外部情報端末311がナビゲーション装置1に接続されると、まず、端末情報リストの登録が行われる(ステップST10)。すなわち、中央制御部10は、外部端末通信制御部17から外部端末制御部16を介して外部情報端末311が接続された旨の信号を受け取ると、外部端末制御部16に対して端末情報リストの登録を指示する。外部端末制御部16は、この指示に応答して、外部情報端末311から外部端末通信制御部17を介して端末IDを受け取って認証を行い、この認証された端末IDを含む端末情報リストを生成して外部端末情報蓄積部18に格納する。
【0034】
次いで、ユーザ名の登録が行われる(ステップST11)。ユーザ名の登録は、ユーザがナビゲーション装置1に備えられているタッチパネルやリモートコントローラといった操作部(図示は省略している)を操作して直接入力する。外部端末制御部16は、操作部の操作によって入力されたユーザ名を受け取って外部端末情報蓄積部18の端末情報リストに格納する。
【0035】
次いで、画像表示が可能であるかどうかが調べられる(ステップST12)。具体的には、中央制御部10は、外部端末制御部16に対し、性能情報の取得を指示する。この指示を受け取った外部端末制御部16は、上記端末IDと同様の方法によって外部情報端末311から取得した機種コードに基づき機種データベースを検索し、この検索により取得した性能情報を中央制御部10に送る。中央制御部10は、外部端末制御部16から受け取った性能情報に画像表示が可能である旨の情報が含まれるかどうかを調べる。なお、中央制御部10は、インターネット6上のデータベースから外部情報端末311の性能情報を取得するように構成することもできる。この場合、外部端末情報蓄積部18に機器データベースを設ける必要がないので、ナビゲーション装置1の構成が簡単になる。
【0036】
このステップST12で、画像表示が不可能であることが判断されると、その外部情報端末の表示可能レベルが「1」に設定される(ステップST13)。すなわち、中央制御部10は、表示可能レベルを「1」に設定すべき旨を外部端末制御部16に指示する。これにより、外部端末制御部16は、外部端末情報蓄積部18に格納されている端末情報リストの画像表示レベルを「1」に設定する。以上により、会議システムの構築処理は終了する。
【0037】
上記ステップST12において、画像表示が可能であることが判断されると、次いで、16色以上の表示が可能であるかどうかが調べられる(ステップST14)。すなわち、中央制御部10は、ステップST12で取得した性能情報に16色以上の表示が可能である旨の情報が含まれるかどうかを調べる。このステップST14で、16色以上の表示が可能でないことが判断されると、その外部情報端末の表示可能レベルが「2」に設定される(ステップST15)。すなわち、中央制御部10は、表示可能レベルを「2」に設定すべき旨を外部端末制御部16に指示する。これにより、外部端末制御部16は、外部端末情報蓄積部18に格納されている端末情報リストの画像表示レベルを「2」に設定する。以上により、会議システムの構築処理は終了する。
【0038】
上記ステップST14において、16色以上の表示が可能であることが判断されると、その外部情報端末の表示可能レベルが「3」に設定される(ステップST15)。すなわち、中央制御部10は、表示可能レベルを「3」に設定すべき旨を外部端末制御部16に指示する。これにより、外部端末制御部16は、外部端末情報蓄積部18に格納されている端末情報リストの画像表示レベルを「3」に設定する。
【0039】
次いで、最大画像表示サイズの登録が行われる(ステップST16)。すなわち、中央制御部10は、ステップST12で取得した性能情報に含まれる表示画面サイズを取得する。そして、取得した表示画面サイズを外部端末制御部16に送る。外部端末制御部16は、受け取った表示画面サイズを、外部端末情報蓄積部18内の端末情報リストに表示可能サイズとして設定する。その後、会議システムの構築処理は終了する。
【0040】
なお、上記ステップST13、ST15およびST16で行われる表示可能レベルの端末情報リストへの登録は、ユーザがナビゲーション装置1の操作部を操作して直接入力することによって行うように構成することもできる。この場合、機器データベースの用意やインターネットへのアクセス処理などが不要になるので、ナビゲーション装置1の構成が簡単になる。
【0041】
以上の会議システムの構築処理によって端末情報リストが作成されることにより、外部情報端末311に提供できる会議システムの形態が決定される。図6は、上述した処理によって構築された会議システムを概念的に示す図である。各外部情報端末に提供する情報は、共通情報と各外部情報端末用情報とに分けて管理される。各外部情報端末用情報は、各外部情報端末に最適化またはフィルタリングすべき情報として別個に作成される。そして、各外部情報端末からのアクセスがなされたときに、ナビゲーション装置1は、その外部情報端末の端末IDに基づいて対応する外部情報端末用情報を用いてHTML文章などを生成し、その外部情報端末に送って表示させる。
【0042】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係る会議システムにおいて、メッセージを送受する場合の動作を説明する。ここでは、ナビゲーション装置1は、その内部にWebサーバ機能を有し、外部情報端末311はWebブラウザを動作させることにより会議システムが実現されるものとする。
【0043】
ナビゲーション装置1の本体によって構築された会議システムとは異なり、外部情報端末が携帯電話などのような処理や表示能力の低い端末であれば、リアルタイムに地図を表示しながら会議も行うことは現実的でない。したがって、このような処理能力の低い端末に対して会議システムを提供する場合は、基本的なメッセージ交換はテキストベースとし、必要な場合のみ地図データや施設情報を参照できるように構成する。
【0044】
各発言者は、通常はテキスト文のみによる発言を行うが、移動中における会議では目的地や現在地、検索した施設の位置や施設情報などの内容を相手に伝えたい場合がある。これを実現するために、ナビゲーション装置1が外部情報端末に対して会議システムを提供する際には、現在地や目的地、検索施設の位置情報などをメッセージ中に容易に挿入できるようなボタンが設けられている。ボタンは、HTMLの記述によってWeb文章内に設けられる。なお、ボタンとしては、外部情報端末に設けられている物理的なボタンを使用するように構成することもできる。この場合、外部情報端末の規格に沿って作成されたボタン操作用の専用プログラムをナビゲーション装置1から外部情報端末にダウンロードして使用することになる。
【0045】
外部情報端末に表示されたメッセージ中のボタンが押されると、そのイベントがナビゲーション装置1に通知され、現在地、目的地、検索施設などの位置情報が端末IDを付されて内部メモリに形成されたデータベース(図示しない)に保存される。例えば、「ID=00001,緯度=yyy,経度=xxx」のような情報がデータベースに保存される。次に、ユーザは、その位置情報にタイトル(例えば××駅)を付けてナビゲーション装置1に通知し、同様に、ナビゲーション装置1は、その位置情報を内部メモリに保存する。ナビゲーション装置1は、各外部情報端末に対し表示画面ではタイトル名で表示し、その文字列に対して対応する位置情報に対するリンクを貼って提示を行う。これにより、例えば「12時に××駅で待ち合わせにしませんか?」のような表示がなされる。
【0046】
また、目的地や現在地、検索した施設の位置や施設情報などの内容を相手に伝えたい場合、特殊変換文字列による自動変換を行うように構成することもできる。この特殊変換文字列による自動変換は、特例の文字列を特殊変換文字と判断させて、文章入力以外の機能を実現するものである。すなわち、ある規則に従ってメッセージを入力するとナビゲーション装置1が自動的に自分の管理する情報に変換する。例えば、「%%現在地」と入力するとナビゲーション装置1が持っている現在位置情報に変換する。そして、ナビゲーション装置1は文字情報に位置情報を付加して会議の相手に情報を送信する。
【0047】
さらに詳細に説明すれば、外部情報端末から「今%%現在地○○%$にいます」というテキスト文章を入力してメッセージを送信したとする。この文章内で%%は直後に特殊変換文字列が来ることを示し、%$はタイトル名の終端を示すものとする。ナビゲーション装置1内部では、「%%現在地」を見つけた時点で現在位置情報をIDとともに保存し、次に続く文字列をそれに関連付けられた文字列として扱う。この場合は、直後に「○○%$・・・」という文字列があるが、「%$」をタイトル名の終端文字列として定義しているので、「○○」がタイトルになる。この結果、ナビゲーション装置1において、「今、○○にいます」という表示に変換され、○○という文字列にナビゲーション装置1に記録されている位置情報がリンクされる。この特殊変換文字列による自動変換を行う構成によれば、ボタンによる入力では専用の設計が必要になり、また、文章の入力を一旦止める必要があるという問題を回避できる。
【0048】
次に、ナビゲーション装置1から外部情報端末311へのメッセージおよび地図・施設情報などを送信する場合の動作を、図7に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
【0049】
まず、ナビゲーション装置1は、他のナビゲーション装置から位置情報付きのメッセージを受信する(ステップST20)。このメッセージは、中央制御部10に設けられたメッセージデータベース(図示しない)に、図8に示すように、発信時刻の順番にIDが付されて順次格納される。このメッセージは、例えば『[str=”××駅”,locate=(緯度,経度),info=nnn]で待ち合わせよう。』というようなものである。次いで、この受信されたメッセージのキーワードとなる文字列に対してIDが付され、位置情報(および施設を示すIDがあればその情報も)がリンクデータベースに登録される(ステップST21)。図9は、リンクデータベースの一例を示す図である。
【0050】
次いで、メッセージがWebのHTML形式の文章に変換され、キーワードの部分がリンクとして記述され(図7に示す例では「××駅」)、外部情報端末311に対して公開される(ステップST22)。例えば、『<A HREF=”cgi−bin/idx?0001”>××駅</A>で待ち合わせよう。』というHTML形式の文章が外部情報端末311に対して公開される。
【0051】
外部情報端末311は、Webブラウザにより公開されたWebページを閲覧する(ステップST30)。これにより、『××駅で待ち合わせよう。』というメッセージが画面表示される。この画面において「××駅」というリンクが選択されると、その旨がナビゲーション装置1に伝えられる。ナビゲーション装置1では、登録されているリンクデータベースから、××駅に対応した位置情報や施設IDなどが登録されているかを確認する。位置情報が登録されている場合は「地図」表示のメニューを、施設IDも登録されている場合は「施設情報」もあわせて新たなWebページにメニュー作成が行われる(ステップST23)。これにより、図7に示すように、外部情報端末に『××駅 ・地図 ・施設情報』というメッセージが画面表示される(ステップST31)。
【0052】
この例では「地図」と「施設情報」が選択可能になっているので、見たい情報の方を選択する。仮に「地図」が選択された場合はナビゲーション装置内の地図データに対し、リンクデータベースに登録されている位置情報を基に付近の地図情報を検索し、送信先情報端末の表示能力やサイズに合わせた地図の画像データを作成する(ステップST24)。次いで、送信先端末の能力に適合するように画像情報が加工される(ステップST25)。すなわち、中央制御部10は、外部端末情報蓄積部18に格納されている端末情報リストから外部情報端末の表示能力などを読み出し、それを引数として、外部情報端末に送信するためのデータを生成し、端末用送信フォルダに格納する。
【0053】
例えば、あるユーザが、240×320の大きさの画像を送ってきたとしても、送信先の外部情報端末が120×160の大きさの画像を表示する能力しか有しない場合は、その大きさにリサイズして端末用送信フォルダに格納する。データの変換が全て完了した段階で、ナビゲーション装置1は、各外部情報端末に表示データを更新させ、画像ファイルの閲覧などを可能にさせる。なお、画像自体をナビゲーション装置1が保存している地図データから生成する場合は、ナビゲーション装置1は、単純にサイズの縮尺を変えるだけでなく、地図上の文字などが見やすくなるような最適サイズに調整するように構成できる外部情報端末は、このようにして作成された画像情報にアクセスすることにより、地図を閲覧することができる。
【0054】
図10は、図8に示すようなメッセージがA君の外部情報端末(端末A)、Bさんの外部情報端末(端末B)およびC君の外部情報端末(端末C)の間で送受された場合に、各外部情報端末に表示される例であり、図10(a)はA君の端末画面、図10(b)はBさんの端末画面、図10(c)はC君の端末画面をそれぞれ示している。外部情報端末の画面ではなく、ナビゲーション装置のナビモニタの画面に表示させる場合は、「全員宛てのメッセージのみを表示させる」または同乗者がいない場合やプライベートメッセージを見られてもよい場合は、「自分(運転手)宛てのプライベートメッセージも表示する」ように切り替えて使用される。ナビモニタの画面上に会議システムの会話を表示する場合は、手動で会話表示/地図表示の切り替えを行ったり、画面の一部のみに会話を表示させる。あるいは、運転中などにおいては、音声合成による読みあげなどで会話を認識できるように構成することもできる。
【0055】
上述した例は、画像表示が可能な外部情報端末を想定した場合の例であるが、もし画像表示ができない外部情報端末の場合は画像が表示できないので、選択メニュー作成の際に「地図表示」は含めないようにし、代わりに住所や付近の主要施設からの相対位置情報などを提供するように構成できる。また、施設情報は発言者が施設を検索した際のID情報をそのまま送信する場合もあるが、特に施設のIDが付加されていない場合は、受信したナビゲーション装置内の地図データを用いて、指定位置にある施設を自ら検索して表示するなどの機能を実装することもできる。
【0056】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置によれば、携帯電話などのような、各個人で所有している情報端末をナビゲーション装置に接続することにより、各個人で独立したメッセージの入力が可能である。従って、複数人が同時に外部との間でメッセージを送受することができる。
【0057】
また、外部情報端末毎に設定されている端末IDを基に、ユーザ情報を認証・登録を行うように構成したので、会議に参加しているグループ全員による会話から、発言先を限定したプライベートメッセージなどの機能も実現できる。また、外部情報端末を最初にナビゲーション装置に接続した際に、外部情報端末に対する認証を行うと共に、その外部情報端末を使用するユーザ情報および外部情報端末の表示能力などを一括して登録しておくように構成したので、接続されている外部情報端末に適した形で会議システムを提供することができる。
【0058】
なお、上述した実施の形態1では、ナビゲーション装置およびそれを用いた会議システムについて説明したが、ナビゲーション装置の代わりに、GPS機能付きの携帯電話、PDA、パーソナルコンピュータといった情報処理装置を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置およびそれが適用された会議システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した外部端末制御部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した外部端末情報蓄積部に格納される端末情報リストの例を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置に接続される外部情報端末の表示可能レベル毎の表示例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置に外部情報端末が接続された場合に会議システムを構築する動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置を用いて構築された会議システムの形態を概念的に示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置から外部情報端末へメッセージおよび地図・施設情報などを送信する場合の動作を示すシーケンス図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置が適用された会議システムで使用されるメッセージデータベースの例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置が適用された会議システムで使用されるリンクデータベースの例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置が適用された会議システムにおいて、各外部情報端末で表示されるメッセージの例を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
〜1 ナビゲーション装置、2〜2 通信装置、311〜322 外部情報端末、4 公衆電話回線網、5 インターネットプロバイダ、6 インターネット、10 中央制御部、11 通信制御部、12 地図データ読出部、13 地図データ蓄積部、14 描画制御部、15 ナビモニタ、16 外部端末制御部、17 外部端末通信制御部、18 外部端末情報蓄積部、161 通信情報解析部、162 端末情報制御部、163 メッセージ制御部、164 リンク情報制御部、165 画像制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地から目的地までの案内機能、所望位置または所望施設の検索機能を含むナビゲーション機能を有するナビゲーション装置において、
情報の入出力装置として接続された複数の外部情報端末を制御する外部端末制御部と、
外部との通信を制御する通信制御部と、
前記外部端末制御部によって制御される複数の外部情報端末と前記通信制御部を介して接続された外部装置との間のメッセージの交換を制御する中央制御部
とを備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
中央制御部は、
複数の外部情報端末の各々から外部端末制御部を経由して取得した各外部情報端末に固有の端末IDに基づきユーザを判別し、該判別されたユーザを特定するための情報と、通信制御部によって送受されるメッセージとを対応付けて管理することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
端末IDには、ユーザを特定するための情報として、ユーザの名前、アイコンまたは画像が属性として付されていることを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
端末IDに属性として付されている画像は、ユーザの写真であることを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
複数の外部情報端末の各々の表示能力を規定する表示能力情報を格納する外部端末情報蓄積部を備え、
中央制御部は、
前記複数の外部情報端末の各々から外部端末制御部を経由してなされるアクセスに応答して、通信制御部によって外部から受信されたメッセージを、前記外部端末情報蓄積部に格納された表示能力情報で規定された表示能力に適合する表示形式に変換したメッセージを、外部端末制御部を介してアクセス元の外部情報端末に送る
ことを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
通信制御部によって外部から受信されたメッセージに含まれる地図上の位置情報および施設情報に対するリンク情報を管理するリンク情報制御部を備え、
中央制御部は、
複数の外部情報端末の各々から外部端末制御部を経由してなされるアクセスに応答して、通信制御部によって受信されたメッセージを、テキスト情報と前記リンク情報制御部によって管理されているリンク情報とを含むメッセージに変換して外部端末制御部を介してアクセス元の外部情報端末に送る
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
地図データおよび施設データを記憶する地図データ蓄積部を備え、
中央制御部は、
複数の外部情報端末の各々から外部端末制御部を経由してリンク情報が選択された旨が通知された場合に、選択されたリンク情報に対応する地図データまたは施設データを、外部端末制御部を介してアクセス元の外部情報端末に送る
ことを特徴とする請求項6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
中央制御部は、
複数の外部情報端末の各々から外部端末制御部を経由して場所または施設の検索の指示に応答して地図データ蓄積部を検索し、検索結果を外部端末制御部を介してアクセス元の外部情報端末に送る
ことを特徴とする請求項7記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
中央制御部は、
複数の外部情報端末の各々から外部端末制御部を経由して特定の規則に従って記述されたテキストが入力された場合に、該特定の規則に従って記述された部分に所定情報を対応させたメッセージを生成し、通信制御部を介して外部に送る
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
中央制御部は、
複数の外部情報端末の各々から外部端末制御部を経由して入力されたメッセージに、ナビゲーション機能によって得られる現在地、目的地、検索した位置または検索した施設の情報を挿入したメッセージを生成する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
複数のナビゲーション装置がネットワークで接続された会議システムであって、
前記複数のナビゲーション装置の各々は、
情報の入出力装置として接続された複数の外部情報端末を制御する外部端末制御部と、
外部との通信を制御する通信制御部と、
前記外部端末制御部によって制御される複数の外部情報端末と前記通信制御部を介して接続された外部装置との間のメッセージの交換を制御する中央制御部
とを備えた会議システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−202044(P2006−202044A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−12987(P2005−12987)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】