説明

ナビゲーション装置

【課題】 交通信号装置による時間的な通行規制が行われていても、適切に交通情報を案内することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置1では、道路に設けられて通行の時間的な規制を行う信号機10や踏切30などの交通信号装置の個別識別情報、設置位置、規制方向、および規制時間を含む信号関連情報を記憶手段6に記憶しておく。交通情報の案内時に、道路地図情報とともに、道路地図内に存在する信号機10や踏切30の信号関連情報も利用する。たとえば交差点などの複数の信号機10などの動作状態を、規制方向などとともに案内し、適切な交通情報の案内を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路地図情報などに基づいて、交通情報の案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、たとえば車両に搭載されて、車両の現在位置付近の交通情報や、走行経路の案内などの交通情報の案内を行うナビゲーション装置が用いられている。交通情報の案内は、ナビゲーション装置に備えられる道路地図データに基づいて作成される道路地図を表示して行われることが多い。一般的な道路地図の表示では、信号機のある交差点に信号マークが表示されるけれども、その作動する時間間隔などの情報までは表示されない。
【0003】
特許文献1には、信号機の状態を表示するナビゲーション装置が開示されている。この従来技術では、信号機の色変更パターンについてのデータを記憶しておき、該色変更パターンに基づいて生成する画像を、道路地図の画像に合成して表示を行う。各信号機は、信号機識別情報としての緯度経度データで識別され、色変更パターンとして、信号機の赤、青および黄の点灯時間が記憶され、たとえば赤になる基準の位相時刻も記憶される。
【0004】
特許文献2には、ナビゲーション装置と、交差点などの信号機に関連して設けられるビーコン装置とで、情報通信を行い、ナビゲーション装置では信号機の平均待ち時間についての情報を取得して、所要時間を算出し、目的地への最短経路を探索する交通管理システムが開示されている。
【0005】
特許文献3には、経路探索時に、信号機で停止する確率と信号機で停止した場合の停止時間とに応じた定数を乗算して重み付けを行う車載用ナビゲーション装置が開示されている。
【0006】
特許文献4には、交通信号機による停車時に、交通信号機の信号待ち時間の情報を取得して、エンジンの自動停止などの制御を行うシステムが開示されている。この従来技術では、交通信号機は、信号交差点に設置されるものだけでなく、踏み切りや横断歩道のために設置されるものも含め、車両の走行を規制する信号機を全てに適用されることが記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−161623号公報
【特許文献2】特許第2923880号公報
【特許文献3】特許第3429923号公報
【特許文献4】特開2001−207883号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のような信号機のある交差点に信号マークが表示されるだけのナビゲーション装置では、その信号がどのくらいの時間間隔で赤→青(または青→赤)に変わるのかを知ることができない。もし、特許文献1のように、信号が変わる時間が判れば、たとえば行きたい場所への進路が複数ある場合に、時間間隔の短い信号の進路を選ぶことで、所要時間を短縮することができると期待される。しかしながら、通常、交差点には複数の信号機が存在し、特許文献1の図3に開示されているような信号関連情報の内容では、色変更パターンがどの信号機に対応しているかが不明である。
【0009】
また、ナビゲーション装置の経路探索では、たとえば特許文献3の請求項2に記載されているように、通行道路の交差点の信号機数に、停車する確率と停止時間とに応じた定数を乗算して重み付けを行い、最短経路を探索することで、一般道路において、より所要時間の短いルートを探索することができると期待されるが、停車する確率や停止時間をどのようにして知るかなどは不明である。
【0010】
本発明の目的は、交通信号装置による時間的な通行規制が行われていても、適切に交通案内情報を出力することができるナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明(1)に従えば、道路地図情報などに基づいて、交通情報の案内を行うナビゲーション装置は、記憶手段と出力手段とを含む。記憶手段には、道路に設けられて通行の時間的な規制を行う信号機の通行規制方向を含む信号関連情報を記憶するので、たとえば交差点などの複数の信号機などが設置されているような場合、信号機毎の信号関連情報を記憶しておくことができる。出力手段は、交通情報の案内時に、地図情報とともに、道路に存在する信号機の信号関連情報を利用するので、たとえば交差点などの複数の信号機通行規制方向を地図情報とともに案内し、適切な交通案内情報を出力することができる。
【0012】
本発明(2)に従えば、出力手段によって信号機が設置された領域へ進入する方向に対向する信号機の通行規制方向が出力されるので、進行方向に対向する信号機だけの通行規制方向を地図上に重畳させて出力し、探索経路上に存在する信号機の通行規制方向を確認しながら、より規制の少ない経路を選択するための情報を提供することができる。
【0013】
本発明(3)に従えば、出力手段は、地図情報と自己位置と目的位置とに基づいて探索して抽出された経路上の信号機の通行規制方向を地図情報とともに表示するので、探索経路上に存在する信号機の通行規制方向の表示に基づいて、信号機による停止時間および停止回数などを容易に認識して、最適ルートの選択または変更するための情報を提供することができる。
【0014】
本発明(4)に従えば、信号関連情報に基づいて信号機による通行規制時間の間隔が短い経路が探索されるので、信号待ちによる停止時間が少なくなり、より適切な経路を選択することができる。
【0015】
本発明(5)に従えば、交通信号機を、交差点についての情報を含む個別識別情報で識別し、1つの交差点に複数設けられる交通信号機を、たとえば交差点毎にまとめて表示したり、進路に関するものだけを表示したりすることができ、表示形態の選択上の自由度を向上して、より最適な表示形態で交通案内情報を提供することができる。
【0016】
本発明(6)に従えば、前記信号機は踏切に設けられる遮断機および警報機の少なくとも1つを含み、このような信号機の位置と遮断時刻と遮断時間とを含む信号関連情報を記憶しておくので、踏切を通過する際に、遮断している可能性が高いか低いかを知ることができ、適切な交通情報の案内を行うことができる。
【0017】
本発明(7)に従えば、出力手段が車両が走行する経路の案内を行う際に、車両が遮断時刻付近に通過する踏切についての通知を行うので、たとえば遮断が開始された後で、どの程度の時間を待つ必要があるかを通知することができる。
【0018】
本発明(8)に従えば、踏切での待ち時間が長いような場合に、踏切を迂回する経路を案内し、待ち時間によって目的地などへの所要時間が増大するのを防ぐことができる。
【0019】
本発明(9)に従えば、道路地図で経路案内を行う際に、踏切の位置にはアイコンを表示する。ユーザが踏切のアイコンを指示するなどの操作を行えば、アイコンに対応する踏切についての信号関連情報を表示するので、踏切の位置、遮断時刻および遮断時間などについての詳しい情報を知ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明(1)によれば、道路に設けられて通行を規制する信号機の通行規制方向を含む信号関連情報を記憶しておき、交通案内情報の出力時に、地図情報とともに、地図内に存在する信号機の信号関連情報も利用し、交差点などの複数の信号機の動作状態を通行規制方向として地図情報とともに出力し、適切な交通案内情報の利用者に提供することができる。
【0021】
また本発明(2)によれば、信号機が設置された領域へ進入する方向に対向する信号機の通行規制方向が出力されるので、進入方向の前方に存在する信号機の通行規制方向を確認しながら、より規制の少ない経路を選択するための情報を提供することができる。
【0022】
また本発明(3)によれば、探索経路上の信号機の通行規制方向を地図情報とともに表示するので、探索経路上に存在する信号機の通行規制方向の表示に基づいて、信号機による停止時間および停止回数などを容易に認識して、最適ルートの選択または変更するための情報を提供することができる。
【0023】
また本発明(4)によれば、信号機による通行規制時間の間隔が短い経路が探索されるので、信号待ちによる停止時間が少なくなり、目的地までの所要時間が可及的に短いより適切な経路を選択することができる。
【0024】
また本発明(5)によれば、1つの交差点に複数設けられる交通信号機を、たとえば交差点毎にまとめ表示したり、進路に関するものだけを表示したりすることができる。
【0025】
また本発明(6)によれば、踏切に設けられる遮断機および警報機などを含む信号機の踏切情報によって、踏切を通過する際に、遮断している可能性などの情報を知ることができ、適切な交通案内情報の出力を行うことができる。
【0026】
また本発明(7)によれば、車両が走行する経路の案内を行う際に、遮断時刻付近で通過することが予想される踏切についての通知を行うので、たとえば踏切が遮断した後の待ち時間などを事前に知ることができる。
【0027】
また本発明(8)によれば、踏切での待ち時間が長いような場合には迂回する経路を案内し、目的地などへの所要時間が増大するのを防ぐことができる。
【0028】
また本発明(9)によれば、道路地図で経路案内を行う際に、踏切の位置にはアイコンを表示する。ユーザが踏切のアイコンを指示するなどの操作を行えば、アイコンに対応する踏切についての信号関連情報を表示するので、踏切の遮断時刻や遮断時間などについての詳しい情報を知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、本発明の実施の一形態であるナビゲーション装置1に関する概略的なシステム構成を示す。ナビゲーション装置1は、たとえば自動車の車両に搭載され、表示手段2に道路地図や走行経路などを表示して、交通情報を案内する。表示手段2は、たとえばタッチパネルとなっており、ナビゲーション装置1の動作や、走行経路に関する指示情報の入力操作のための操作手段3ともなっている。操作手段3としては、スイッチやボタン、さらにはリモコン装置なども設けられる。車両に搭載される場合には、位置検出手段4が検出する現在位置などに基づいて、交通情報の案内が行われる。位置検出手段4は、たとえばGPS(Global Positioning System )などによって現在位置を検出する。交通案内を行う道路地図を作成する元になるデータは、DVD(Digital Versatile Disk)などの大容量記憶媒体や、ハードディスクなどの大容量記憶装置などによって実現される地図記憶手段5に記憶されている。交通信号装置の信号関連情報は、ハードディスク装置などの大容量記憶装置などによって実現される記憶手段6に記憶される。なお、信号関連情報は、道路地図のデータとともに記憶しておくこともできる。記憶手段6の少なくとも一部は、更新手段7によって更新を可能にしておく。制御手段8は、ナビゲーション装置1の全体的な制御を行う。
【0030】
前記記憶手段6には、たとえば道路の交差点などに設けられる信号機10に関する情報として信号関連情報が記憶される。信号関連情報は、たとえば信号機10の近傍に設置される路側通信装置20とナビゲーション装置1の更新手段7とがDSRC(Dedicated
Short Range Communication)などと略称される狭域通信を行って、新たに取得したり、既存の信号関連情報の更新を行ったりすることができる。道路には、踏切30が設けられる場合もある。踏切30についての遮断時刻や遮断時間のデータは、たとえばインターネットなどに開設する管理センタ40のサイトで提供するようにしておく。更新手段7は、車両の走行中には無線で、管理センタ40にアクセスし、踏切30についての信号関連情報を取得したり更新したりすることができる。車両が本拠地の駐車場などに停止している際には、光ファイバやADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)などの有線での情報通信で、管理センタ40にアクセスすることもできる。
【0031】
たとえば、既存の信号機に関して、緯度経度情報が入っていないデータを受け取る場合、その信号機がなくなったものとして、当該データを削除したり、緯度経度を削除したりする。
【0032】
図2は、図1の記憶手段6に記憶される信号機の配置と信号関連情報のデータ構造との一例をそれぞれ示す。図2(a)に示すように、交差点50で南北方向の道路51および東西方向の道路52が交差している場合に、4機の信号機10a,10b,10c,10dが設けられている場合を想定する。第1の信号機10aは、南北の道路51を北に向かって走行する車両に正対するように設置されている。第2の信号機10bは、東西の道路52を東に向かって走行する車両に正対するように設置されている。第3の信号機10cは、南北の道路51を南に向かって走行する車両に正対するように設置されている。第4の信号機10dは、東西の道路52を西に向かって走行する車両に正対するように設置されている。
【0033】
図2(b)に示すように、交差点50に存在する信号機10a,10b,10c,10dについての信号関連情報は、まず交差点50を示す交差点識別情報A,B,C,Dと、各信号機10a,10b,10c,10dを個別に識別する信号機識別情報a,b,c,dとによって区分けされる。信号機識別情報a,b,c,dは、地図記憶手段5に記憶されている道路地図データで、道路をリンク、道路の端をノードとして表している場合、ノードに対応させることができる。各信号機10a,10b,10c,10dに個別の信号関連情報としては、緯度、経度、方向および青と赤との秒単位の点灯時間が含まれる。方向は、各信号機10a,10b,10c,10dが正対している方向を、北を0度として、時計回り方向の角度で表すものとする。たとえば信号機10aは、南の方向に向いているので、方向は180度となるけれども、この信号機10aによって規制される車両の走行方向は、北行きとなる。一般に信号機10では、青と赤との他に、黄も含めた三色の点灯が行われる。しかしながら、黄の時間は短いので、たとえば、赤の時間に含めれば信号関連情報を簡略化することができる。
【0034】
図3は、ナビゲーション装置1が信号機10の規制を加味した経路探索を行い、探索された経路に沿って経路案内を行っている道路地図画面の例を示す。たとえば、自車位置60に近い交差点50に設けられる右折、左折および直進の各信号について、青の点灯時間と赤の点灯時間とをまとめて表示する。この場合、目的地70には、右折して進行するものとする。他の方向に進行する場合は、表示の順序を変えるようにしてもよい。交差点50を過ぎれば、交差点50についての表示は終了し、次の交差点について同様に表示する。
【0035】
図4は、ナビゲーション装置1が交差点での信号関連情報を表示する他の例を示す。この例では、自車位置60から目的地70までの経路に存在する各交差点で、通過する方向だけの表示を行う。
【0036】
図5は、図1の制御手段8が図3および図4に示すような信号関連情報の表示を行う概略的な制御手順を示す。ナビゲーション装置1が動作中に、経路案内を行っているときに、ステップa0からの手順が実行される。図3と図4との表示の切換えは、たとえば経路案内に移行する前に、ナビゲーション装置1のユーザが操作手段3を介して指示しておく。ステップa1では、位置検出手段4によって自車位置60を検出し、ステップa2で自車位置60を含む道路地図を地図記憶手段5に記憶されている道路地図データを読出して、経路案内用の道路地図を作成し、表示手段2に表示する。ステップa3では、表示モードが図3のような自車位置60付近の交差点50での全方位表示か、図4のような通過する方向だけの表示かを判断する。全方位表示と判断するときは、ステップa4で、地図記憶手段5から自車位置60に近い交差点50についての情報を読出し、さらに交差点50についての全信号機の信号関連情報を記憶手段6から読出す。ステップa5で図3のような表示を表示手段2に行い、ステップa6で1回分の手順を終了する。ステップa3で、通過する方向だけの表示と判断するときには、ステップa7で、自車位置60から目的地70までの経路に存在して、通過する方向を規制する信号機についての信号関連情報を記憶手段6から取得し、ステップa8でそれぞれの交差点の位置に進路を示す矢印などとともに表示する。ステップa9で1回分の手順を終了する。このような表示手順は、たとえば、自車位置60に関して、表示を変更するタイミングに合わせて変更し、通過した交差点での表示は消去する。
【0037】
図6は、信号関連情報を参照して経路探索を行う例を示す。図1の制御手段8は、経路探索の途中で、地点Aから地点Bまでのルートとして複数が存在する場合に、各ルートで通過する信号機の(赤時間/青時間)の合計が少ない経路を採用する。赤時間の合計が少ない経路を採用することもできる。図6(a)は、経路と信号機の例を示す。図6(b)は、想定される3つの経路を示す。図6(c)は、3つの経路での計算結果を示す。赤/青の合計時間が最小となる経路は、第3経路である。赤時間の合計時間が最短となる経路は、第2経路である。2つの判断結果を総合して、経路を決めることもできる。
【0038】
図7は、図1の制御手段8で図6のような判断を行う概略的な制御手順を示す。ナビゲーション装置1が動作中に、経路探索を行っているときに、ステップb0からの手順が実行される。ステップb1では、図6(b)に示すようなルートの候補を選択する。ステップb2では、各ルートに存在する交差点を地図記憶手段5から抽出し、ステップb3では、各交差点に存在する信号機を記憶手段6から抽出する。ステップb4では、抽出した信号機についての青および赤の点灯時間のデータを読出し、ステップb5で、図6(c)に示すような評価を行う。ステップb6では、全ルート候補の評価が終了したか否かを判断し、全ルート候補の評価が終了していないと判断したときには、再び前記ステップb1に戻り、ステップb1〜b5を実行する。ステップb6で全ルート候補の評価が終了したと判断したときには、ステップb7に移り、ステップb5の評価結果に従って、全ルート候補の中から最適ルートの選択を行い、ステップb8で選択したルートに関する情報を表示手段2に表示させ、制御動作を終了する。
【0039】
図8は、図2の踏切30に関して、記憶手段6に記憶されているデータの例を示す。図8(a)に示すように、踏切識別情報(ID)で各踏切30は識別され、設置位置が緯度および経度の位置情報で示される。遮断情報は、図8(b)に示すように、遮断時刻と遮断時間との組合せからなり、各時刻の遮断時間が、たとえば1秒単位で記憶される。
【0040】
図9は、踏切30の位置を、道路地図上に、踏切アイコン80で表示している例を示す。地図上の踏切アイコン80にタッチすると、図8(b)に示すような遮断時刻と遮断時間との組合せを表示して、閲覧可能にする。経路案内時などでは、車両が通過予定時刻付近の情報を案内するようにしてもよい。さらに、道路地図上に、各踏切30の位置と、遮断時刻および遮断時間を表示するようにしてもよい。
【0041】
なお、ナビゲーション装置1は、必ずしも車両に搭載しておく必要はない。多くの車両の運行を管理するセンタなどで、各車両に経路を指示する際に、信号機10や踏切30による時間的な規制を反映させることもできる。この場合、各車両の自車位置60は、情報通信でセンタに通知すればよい。このようなナビゲーション装置1は、汎用のコンピュータ装置にプログラムを読込んで実現させることもでき、道路に設けられて通行の時間的な規制を行う交通信号装置の個別識別情報、設置位置、規制方向、および規制時間を含む信号関連情報を記憶しておき、交通情報の案内時に、道路地図情報とともに、道路地図内に存在する交通信号装置の信号関連情報も利用する。たとえば交差点などの複数の信号機10などの動作状態を、規制方向などとともに案内し、適切な交通情報の案内を行うことができる。
【0042】
図10は、本発明の実施の他の形態のナビゲーション装置1を説明するための表示画像を示す図である。なお、前述の実施形態に対応する部分には同一の参照符を付す。本実施形態のナビゲーション装置1は、信号機10が設置された領域である各交差点50への自己位置、すなわち自車位置60の進入方向に対向する信号機10の通行規制方向を矢印55によって信号機を表すアイコン10eとともに出力表示するように構成される。
【0043】
このような構成によれば、表示手段2によって信号機10が設置された交差点50へ進入する方向に対向する信号機の通行規制方向が前記信号機を表すアイコン10eとともに矢印55で表示されるので、進行方向に対向する信号機だけの通行規制方向を地図上に重畳させて出力し、太い実線Lで他の道路とは区別して表示される探索経路上に存在する信号機の通行規制方向を確認して、より規制の少ない経路を選択するための情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の一形態であるナビゲーション装置1の概略的なシステム構成を示すブロック図である。
【図2】図1の記憶手段6に記憶される信号機の配置と信号関連情報のデータ構造との一例をそれぞれ示す図である。
【図3】図1のナビゲーション装置1が信号機10の規制を加味した経路探索を行い、探索された経路に沿って経路案内を行っている道路地図画面の一例を示す図である。
【図4】図1のナビゲーション装置1が信号機10の規制を加味した経路探索を行い、探索された経路に沿って経路案内を行っている道路地図画面の他の例を示す図である。
【図5】図1の制御手段8が図3および図4に示すような信号関連情報の表示を行う概略的な制御手順を示すフローチャートである。
【図6】図1の制御手段が信号関連情報を参照して経路探索を行う例を示す、地図およびデータの図である。
【図7】図1の制御手段8で図6のような判断を行う概略的な制御手順を示すフローチャートである。
【図8】図2の踏切30に関して、記憶手段6に記憶されているデータの例を示す図である。
【図9】図8のデータに基づく表示を行うように、踏切30の位置を、道路地図上に、踏切アイコン80で表示している例を示す図である。
【図10】本発明の実施の他の形態のナビゲーション装置1を説明するための表示画像を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1 ナビゲーション装置
2 表示手段
3 操作手段
5 地図記憶手段
6 記憶手段
7 更新手段
8 制御手段
10,10a,10b,10c,10d,11,12,13,14 信号機
30 踏切
50 交差点
60 自車位置
70 目的地

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路情報を含む地図情報に自己位置を合成した交通案内情報を出力するナビゲーション装置であって、
前記道路情報が表す道路に設置された信号機による通行の規制状態を表す通行規制方向を含む信号関連情報を記憶する記憶手段と、
前記交通案内情報の出力時に、信号機の通行規制方向を、前記地図情報とともに出力する出力手段とを含むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記出力手段は、信号機が設置された領域への前記自己位置の進入方向に対向する信号機の通行規制方向を出力することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記地図情報と自己位置と目的位置とに基づく経路探索を行い、抽出した経路を含む地図情報とともに、前記抽出した経路に設けられる信号機の通行規制方向を表示することを特徴とする請求項1または2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記出力手段は、前記経路探索時に、前記記憶手段に記憶される信号関連情報を参照して、信号機が設けられる道路では、前記通行が規制される通行規制時間の間隔が短い経路を抽出することを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記信号機は、道路の交差点に複数設けられる交通信号機であり、
前記記憶手段に記憶される信号関連情報は、前記交差点についての交差点識別情報を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記信号機は、踏切に設けられる遮断機および警報機の少なくとも1つを含み、
前記記憶手段に記憶される信号関連情報は、前記踏切の位置と遮断時刻と遮断時間とを表す踏切情報を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記出力手段は、車両が走行する経路の案内を行い、前記車両が前記遮断時刻付近に通過する踏切についての通知を行う通知手段を含むことを特徴とする請求項6記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記踏切の遮断時刻での遮断時間が予め設定されている基準よりも長い場合に、前記踏切を迂回する経路を出力することを特徴とする請求項7記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記信号機は、踏切に設けられ、
前記記憶手段に記憶される信号関連情報は、前記踏切の位置と遮断時刻と遮断時間とを表す踏切情報を含み、
前記出力手段は、前記踏切の位置をアイコンとして道路地図とともに表示して前記経路案内を行い、
前記アイコンを指定する操作があれば、指定されたアイコンによって表示される踏切についての信号関連情報を表示することを特徴とする請求項4記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−218636(P2007−218636A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−37113(P2006−37113)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】