ナビゲーション装置
【課題】回避対象車の後続位置から回避する回避経路を探索する。
【解決手段】ナビゲーション装置100が、カメラ23で撮影した前方視野画像31中で車高の高い大型車などを回避対象車MKとして検出するとともに前方視野画像31から当該回避対象車MKに関連する回避対象車関連情報を取得する。サーバSVがその回避対象車関連情報に基づいて当該回避対象車MKの目的地を予測する。そしてナビゲーション装置100が、この回避対象車MKの目的地までの到達経路をできるだけ通過しない回避経路を探索する。
【解決手段】ナビゲーション装置100が、カメラ23で撮影した前方視野画像31中で車高の高い大型車などを回避対象車MKとして検出するとともに前方視野画像31から当該回避対象車MKに関連する回避対象車関連情報を取得する。サーバSVがその回避対象車関連情報に基づいて当該回避対象車MKの目的地を予測する。そしてナビゲーション装置100が、この回避対象車MKの目的地までの到達経路をできるだけ通過しない回避経路を探索する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在地から目的地までの経路を探索するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の車両には、現在地から設定された目的地までの経路を誘導するナビゲーション装置が搭載されている。従来のナビゲーション装置には、渋滞を適切に回避するよう誘導する機能を有するものが存在している。具体的には、例えば道路交通センターから渋滞情報を取得して、車両位置、車両方位を用いて、車両が現在走行中の道路における進行方向前方に渋滞が発生しているか判別し、渋滞が発生している場合にその渋滞に到達すると予想される時刻における予想渋滞量を算出して、所定の基準値以上の渋滞量が予想される場合に渋滞に巻き込まれる可能性があることを表示する技術が存在している。
【特許文献1】特開平8−96294号公報(段落番号0053、図12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来のナビゲーション装置では、渋滞を回避させるための情報だけを表示する。しかし、実際の道路での運転では、自車の前方に車高や車幅の大きい車両が走行することで乗員の視野を狭められてしまったり、又は自車の前方に走行速度が特に遅い車両が走行しているなど、特定の1台の車両が原因で快適な運転が阻害される場合があり、従来のナビゲーション装置ではこのような1車両を回避するよう誘導する機能がなかった。
【0004】
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、現在地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、自車の前方を走行する前方車のうち、回避の対象とする車(以下、回避対象車と称する)を検出する回避対象車検出手段と、前記経路探索手段で探索した、前記自車が最終的に到達するべき目的地までの初期経路とは別に、前記回避対象車を回避するための回避経路を探索する回避探索制御手段と、前記経路探索手段及び前記回避探索制御手段により探索された前記初期経路及び前記回避経路に従って前記自車を誘導する誘導手段と、を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態としてのナビゲーション装置100を含むナビゲーションシステム1の構成例を示すシステム構成図である。
【0007】
ナビゲーションシステム1は、ナビゲーション装置100、ネットワークNW、基地局10及びサーバSVを有する。これらナビゲーション装置100、サーバSV及び基地局10は、それぞれネットワークNWによって接続されており、互いに予め定められたプロトコルに従ってデータ通信を行うことができる。
【0008】
ナビゲーション装置100は、例えば車両に取り付けられている。ナビゲーション装置100は、現在地から設定された目的地までの経路を探索し、その探索結果としての経路に沿って車両を誘導する機能を有する。以下の説明では、このような経路を「誘導経路」と呼ぶ。このナビゲーション装置100は少なくとも1台存在しており、存在する車両に応じて複数存在していても良い。
【0009】
ナビゲーション装置100は、後述する図6に示す地図データMDに基づく地図にこの誘導経路を重ねて表示したり音の出力によって車両の運転者に対し、進むべき方向を示唆する機能を有する。このナビゲーション装置100は、基地局10との間で無線によってデータ通信を行い、ネットワークNWを経由してサーバSVから地図上に関する各種の情報を受信する機能を有する。基地局10は、ネットワークNWに接続されており、いずれかのナビゲーション装置100との間で無線によりデータ通信を行う機能を有する。
【0010】
サーバSVは、ナビゲーション装置100とは別に外部に配置されたサーバコンピュータである。サーバSVは、地図上に多数存在する領域に実際に存在する施設や現在の状況を示す情報を管理しており、例えば領域や各種条件を指定した要求があると、この要求に含まれる領域内で条件に対応した施設や渋滞情報などを送信する。
【0011】
図2は、図1に示すナビゲーション装置100の電気的なハードウェア構成例を示すブロック図である。
このナビゲーション装置100は、記憶装置18、演算装置20、表示制御回路14及びインターフェイス6がバス12に接続されている。このナビゲーション装置100には、ディスプレイ15が接続されている。このナビゲーション装置100には、インターフェイス6を介して、各種センサ22、スピーカ19及びタッチパネル21が接続されている。これらディスプレイ15、スピーカ19及び各種センサ22は、ナビゲーション装置100の一部として構成されていてもよい。
【0012】
演算装置20は、所定のプログラムの動作によって、記憶装置18、インターフェイス6及び表示制御回路14との間でデータの交換が可能な構成となっている。
【0013】
各種センサ22としては、カメラ23、加速度センサ5、ジャイロセンサ2、車速パルス検出器3、GPS(Global Positioning System)4及び地磁気センサ11のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせを例示することができる。本実施形態では、各種センサ22の出力を総称する場合、これを「センサデータ」とも呼んでいる。
【0014】
カメラ23は撮影手段及び回避対象車検出手段に相当し、運転者の前方視野と略同等の前方視野画像を撮影しデータとして出力する機能を有する(後に詳述する)。
【0015】
加速度センサ5は、例えば車両の加速度及び傾斜角の少なくとも一方を検出する機能を有する。ジャイロセンサ2は、例えば車両の進行方向の検出を行う機能を有する。このジャイロセンサ2は、車両の方向変化に伴う角速度データを出力する角速度センサの一種である。このジャイロセンサ2は、上記加速度センサ5の代わりに、上記傾斜角を計測しても良い。
【0016】
車速パルス検出器3は、例えば車両の移動量や加速度を検出する機能を有する。この車速パルス検出器3は、車両が移動中であるかあるいは停止中であるかを検出し、その検出状態を出力する。この車速パルス検出器3は、車両が移動中である場合にはこの車両の走行速度及び移動距離に関する走行状態データを出力する機能を有する。
【0017】
GPS4は、複数のGPS衛星からの電波を受信して演算を行い、測位を行う機能を有する。このGPS4は、例えば緯度、経度、高度及び進行方位のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせの測位データを生成する。
【0018】
具体的には、このGPS4は、例えば同時に観測した4機の衛星までの疑似距離を測定し、これら4機の衛星までの疑似距離の差に基づいて、現在地の測位を行う機能を有する。地磁気センサ11は、地磁気に基づいて車両の絶対方位を表す角度を検出する方位検出装置の一種である。このような角度としては、例えば方位角を挙げることができる。
【0019】
記憶装置18は、ROM8、RAM9及び記録媒体16を有する。ROM8は、後述する各種の処理プログラムやその他必要な情報が予め書き込まれた情報記憶媒体である。RAM9は、上記各種のプログラムを実行する上で必要な情報の書き込み及び読み出しが行われる情報記憶媒体である。記憶媒体16は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスクなどの情報記憶媒体である。この記憶媒体16は、地図データを不揮発的に記憶可能である。
【0020】
演算装置20は、CPU7及びグラフィックコントローラ13を有する。CPU7は、上記各種のプログラムにしたがって各種の演算、制御を行う機能を有する。グラフィックコントローラ13は、CPU7の制御によってビデオRAM(図示せず)などから画像データを取得し、この画像データに基づく画像を表示制御回路14によってディスプレイ15に表示させる機能を有する。このグラフィックコントローラ13はまた、CPU7の制御によって、例えば上記地図データに基づく電子地図をディスプレイ15に表示させたり、その電子地図上に自らの車両の位置(現在地)を表すマークを重ね合わせて表示させる機能を有する。
【0021】
またスピーカ19は、音出力手段の一例であり、CPU7の制御によって音を出力する機能を有する。
【0022】
タッチパネル21は、例えばディスプレイ15の表示領域の表面に沿って設けられた透明なスイッチである。このタッチパネル21は、例えばディスプレイ15の表示領域の表示物に応じて運転者や同乗者などによる接触があった場合、その接触箇所のスイッチがオンされたことを認識することができる構成となっている。
【0023】
図3は、ナビゲーション装置100を搭載する車両の構成例を示す斜視図である。
カメラ23は、例えば自車Mの車内におけるバックミラー(ルームミラー)の裏面に設けられている。カメラ23は、バックミラー25の裏面から自車Mの前方の映像を恒常的に撮影する。
【0024】
図4は、図3に示すカメラ23の構成例を示す図である。
カメラ23は、バックミラー25の裏面に装着されて自車Mの前方に向けて露出している。このカメラ23は、乗員である運転者(特に図示せず)がフロントガラス26(図3参照)を介して視認できる前方視野と同等の広さで前方視野画像を恒常的に撮影する機能を有する。
【0025】
図5は、図4に示すカメラ23をA−A′面における構成例を示す断面図である。なお図5においては、バックミラー25の構成の図示を省略している。
カメラ23は、筺体23a、レンズ23b、CCD23c(Charge Coupled Device)、駆動部27及び周面23d,23eを有する。筐体23aは、カメラ23における外装部材である。この筐体23aは、レンズ保持体23f及び駆動部27を内蔵している。この筐体23aには開口部が形成されており、この開口部からレンズ保持体23fの一部を構成するレンズ23bが露出している。
【0026】
筐体23aの内部の上部及び下部には駆動部27が設けられている。この駆動部27は、レンズ保持体23fを上下方向に移動させてカメラが撮影する前方視野画像の配置を調整する機能を有する。レンズ保持体23fの裏面には、例えば凹曲面の周面23eが形成されている。筐体23aの底部(上記周面23eと対面する部分)には、凸形状の曲面の周面23dが形成されている。
【0027】
これら曲面23e,23dは、例えば潤滑材を介して密着しつつ互いに相対的に移動可能である。このため駆動部27が駆動すると、レンズ保持体23fがこれら周面23e,23dに沿って曲面上に移動する。このレンズ保持体23fには、レンズ23bの奥にCCD23cが設けられており、このレンズ23bによって集光された光がCCD23cに収束する。上述のようにレンズ保持体23fが移動することによって、レンズ23bが集光する方向が変化する構成となっている。
【0028】
図6は、図2に示すナビゲーション装置100において動作するナビゲーションプログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
ナビゲーションプログラムは、その機能として経路探索部41、誘導部42及び制御部44を有し、上述した各機能や後述する各機能をナビゲーション装置100において発揮させる。
【0029】
経路探索部41は経路探索手段に相当し、現在地から目的地までの経路を探索する機能を有する。この経路の探索は、設定された探索基準としてのコストを用いた演算により行われる。コストは道路リンク毎に走行のし易さを数値的に表したものであり、経路の探索は、目的地までの道路リンクの総コストが最小となる経路を推奨経路として演算する。つまり、コストが数値的に高い道路リンクは、経路として採用される可能性が低く、逆にコストが数値的に低い道路リンクは、経路として採用される可能性が高い。
【0030】
制御部44は回避探索制御手段に相当し、カメラ23の撮影によって回避対象車が検出されたことを契機に、回避対象車を回避するための回避経路を再探索するよう上記経路探索部41を制御する。
【0031】
誘導部42は誘導手段に相当し、地図データMDに基づく地図上に、自分の車両(以下、自車Mと称する)の現在地から目的地までの初期の誘導経路と上記の回避経路を重ねてディスプレイ15に表示させつつ誘導する。
【0032】
図7は、自車Mの上記カメラ23によって、その直前を走行する回避対象車MKを撮影する様子を表す側面図である。
【0033】
この図7において、自車Mが備えるカメラ23は、上述したように、運転者の前方視野と同等の広さの前方視野画像31を恒常的に撮影しており、自車Mの前方に車両が走行している場合、その後方面を撮影する。
【0034】
図7に示すように、自車Mより車高の高いトラックなどの大型の車両MKが直前に走行している場合、自車Mの運転者の視界が狭められて威圧感を感じたり、また信号の視認が遅れてしまうなど運転の快適性や安全性が阻害されてしまう。本実施形態においては、前方を走行する車両のうちこのように運転者の視界を一定以上の大きさで遮る車両を回避対象の車両(以下、回避対象車MKと称する)として検出し、この回避対象車MKを回避するための回避経路を探索し、案内する。
【0035】
図8は、カメラ23によって撮影された前方視野画像31から、回避対象車MKを検出する方法について説明する図である。
【0036】
この図8において、カメラ23から撮影された前方視野画像31は運転者の前方視野と同等の画像であり、つまりカメラ23が撮影した前方視野画像31中において車両32の投影像Mx(以下単に、投影像Mxと称する)の大きさが占める割合が、運転者の前方視野中において同投影像Mxの大きさが占める割合とほぼ同じことになる。これを利用して、投影像Mxの上端部から前方視野画像31の上方枠線までの長さaが所定値ka以下である場合に、車両32が相対的に自車Mより車高の高い大型車であると判定され、この車両32を回避対象車MKとして検出する。
【0037】
なお、この回避対象車MKの判定基準としては、上記のように投影像Mxの上端部から前方視野画像31の上方枠線までの長さaが所定値ka以下であるか否かだけに着目する基準以外にも他の要素に着目した基準で判定してもよい。例えば、図8に示すような、投影像Mxの左端部から前方視野画像31の左方枠線までの長さbと、投影像Mxの右端部から前方視野画像31の右方枠線までの長さcについて、所定値ka,kb,kcに対し、長さa≦ka、長さb≦kb、長さc≦kcの各条件のいずれか一つでも満たすか否かで判定してもよいし、又は全ての条件を同時に満たすか否かで判定してもよい。
【0038】
ナビゲーション装置100は以上のような一構成例であり、次に図1〜図8を参照しつつ当該一構成例によるナビゲーション方法の一例について説明する。このナビゲーション方法は、ナビゲーションプログラムがCPU7において実行させる各ステップによって構成されている。
【0039】
図9は、回避経路探索処理の手順例を示すフローチャートである。この回避経路探索処理は、上記ナビゲーションプログラムがCPU7の制御によって動作することにより実現される手順を含んでいる。なお、このフローは、上記図8で説明した判定により、回避対象車MKが検出された際に開始される。
図10は、回避経路の一例を観念的に示した図である。図11は、ディスプレイ15上における回避経路と案内の問い合わせの表示の一例を示した図である。
【0040】
まず図9に示すステップS5では、例えばいわゆるVICSデータなどの渋滞情報を取得して、自車Mの進行方向に渋滞が発生しているか否かを判定する。これは特に図示しないVICS受信機によって道路交通情報センターから最新の渋滞情報を受信し、それに基づいて渋滞の発生を判定する。自車Mが走行している現在の誘導経路上に渋滞が発生しているとの情報を受信した場合には、このフローを終了する。一方、渋滞が発生していないとの情報を受信した場合、次のステップS40へ移る。
【0041】
次にステップS40では、自車Mの現在の誘導経路を再探索する形で回避経路を得る。この回避経路は、図10に示すように、自車Mの現在の誘導経路を途中から外れて、回避対象車MKを迂回して追い越すような配置で設定され、最終的には自車Mの本来の目的地に到達できる経路となっている。
【0042】
次に図9に示すステップS45へ移り、自車Mの現在の誘導経路を進行する場合と回避経路を進行する場合との間で、自車Mが目的地へ到達するまでの所要時間差が所定時間内に収まるか否かを判定する。この所要時間の算出は、予め固定的に定めた車両走行速度、例えば法定速度によって自車Mが誘導経路又は回避経路を走行したとみなして算出すればよい。なお、後述する変形例で説明する図18のステップS135のように、車速パルス検出器3やカメラ23等を用いて自車Mの走行速度や回避対象車MKの走行速度を検出するようにしてもよい。所定時間内に収まる場合、すなわち回避経路に進路変更しても比較的影響が少ないものとみなされ、次のステップS50で回避経路をディスプレイ15に表示し、つまり回避経路での案内を開始し、このフローを終了する。
【0043】
一方、所定時間内に収まらない場合、すなわち回避経路に進路変更すると目的地に到着する時刻が大幅に遅れるものとみなされ、ステップS55で再探索経路で案内すべきか否かを運転者に問い合わせる。この問い合わせは、例えば図11に示すように、ディスプレイ15上に自車Mの回避経路を表示するとともに、回避経路を案内した場合の目的地への到着時間がどのくらい遅れるかの説明を表示して、回避経路の案内をするか否かを問い合わせる。
【0044】
次に図9に示すステップS60では、タッチパネル21を介した運転者からの操作入力に基づいて回避経路で案内すべきか否かを判定する。回避経路での案内を希望する操作入力があった場合、ステップS50で回避経路での案内を開始し、このフローを終了する。一方、回避経路での案内を希望しないとの操作入力があった場合、このフローを終了する。
【0045】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、現在地から目的地までの経路を探索する経路探索手段41(経路探索部に相当)と、自車Mの前方を走行する前方車のうち、回避の対象とする回避対象車MKを検出する回避対象車検出手段23(カメラに相当)と、前記経路探索手段41に対し、前記自車Mが最終的に到達するべき目的地までの初期経路(現在の誘導経路に相当)とは別の、前記回避対象車MKを回避するための回避経路の探索を行うように制御する回避探索制御手段44(制御部に相当)と、前記経路探索手段41により探索された前記初期経路及び前記回避経路にしたがって前記自車Mを誘導する誘導手段42(誘導部に相当)と、を有する。
【0046】
このようにすると、自車Mの運転の快適性を阻害する可能性のある車両が前方を走行している場合には、自動的に当該車両を回避対象車MKとして検出し、経路探索部41を利用して回避対象車MKを回避するための回避経路を現在の誘導経路とは別に再探索することができる。そして、誘導部42がこの回避経路を表示して案内することで、回避対象車MKの後続位置から回避し、快適な運転性を確保することができる。
【0047】
なお、上記図9のフローにおけるステップS45,S55,S60では、所要時間の変化が少ないといった所定の条件を満たす場合や、運転者が回避経路の案内を希望する場合にだけ回避経路の案内を行うようにしていたが、これに限られずに、回避経路を探索した場合には自動的に回避経路での案内を開始するようにしてもよい。
【0048】
また、回避対象車MKを検出してもさらに所定時間以上で継続して同一の車両が検出する場合にだけ回避経路を探索するようにしてもよい。
【0049】
また、現在の誘導経路が片側複車線の道路である場合には、車線変更や回避対象車MKの追い越しが可能であると判断して回避経路の探索を行わないようにしてもよい。
【0050】
また、回避経路の探索は、大型車である回避対象車MKが進入する可能性が低いと思われるような狭い道などを優先的に選択して回避経路を探索するようにしてもよい。しかし、運転者や自車Mの属性(運転初心者、自車Mの大きさなど)、又は道路の状況に応じてその優先度を制限してもよい。
【0051】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避対象車検出手段23は、乗員の前方視野中における前記前方車の投影像Mxの大きさに基づいて前記回避対象車MKを検出する。
【0052】
このようにすると、運転者の前方視野を狭める大型車を回避対象車MKとして検出することができ、回避経路を案内することで運転者の前方視野を広く確保した快適な運転を確保することができる。
【0053】
なお、各種のセンサを用いて測定した前方車の大きさの絶対値で回避対象車MKの検出判定を行ってもよいし、又は自車Mに対して前方車が相対的にどの程度大きいかで検出判定を行ってもよい。
【0054】
また、回避対象車MKとして検出する車両は、自車Mの直前を走行する車両に限らずに、所定の車間距離を隔てて前方を走行している車両でもよいし、又は何台かの車両を挟んだ前方を走行している車両でもよい。
【0055】
また、回避対象車MKを検出する判定基準としては、上記のように乗員の前方視野中における前方車の投影像の大きさに基づく以外にも、前方車の車高を視認する視線の角度に基づいて判定してもよい。つまり、前記回避対象車検出手段は、図12に示すように、乗員の前方視野中において最も上方で視認可能な視線である上方視認限界線33と、前記前方車Mx1,Mx2の上方端部を視認する視線である前方車上端視認線34との間の視認線偏差角θ1,θ2に基づいて前記回避対象車MKを検出する。
【0056】
具体的には、図12(a)に示すように、車高が相対的に高い前方車Mx1に対しては視認線偏差角θ1が小さくなるため、所定値未満となった場合にはこの前方車Mx1を回避対象車として検出することができる。また、図12(b)に示すように、車高が相対的に低い前方車Mx2に対しては視認線偏差角θ2が大きくなるため、所定値以上となった場合にはこの前方車Mx2を回避対象車MKとして検出しないようにすることができる。
【0057】
このようにすると、車高の高い大型車を回避対象車MKとして検出することが容易となり、回避経路を案内することで運転者の前方視野を広く確保した快適な運転を確保することができる。
【0058】
なお、特に図示しないが、自車Mとその前方を走行する車高の高い車両との間の車間距離が大きい場合でも、例えばレーダーなどの測定手段で自車Mとその車両との間の車間距離を測定できれば、この車間距離と上記視認線偏差角に基づいて相手の車両の車高をおよそ正確に測定することができ、回避対象車MKの検出判定基準として利用することもできる。
【0059】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避対象車検出手段は、前記乗員の前方視野と略同等の前方視野画像31を撮影する撮影手段23(カメラに相当)を有する。
【0060】
このようにすると、カメラ23で撮影した前方視野画像31中においてその投影像が占める割合の大きい車両を、運転者の前方視野を大きく遮る回避対象車MKとして検出することができる。
【0061】
なお、本実施形態は、上記に限られず、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0062】
(1)回避対象車MKの目的地を予測して回避する場合
上記実施形態では、単に回避対象車MKを検出したら回避ルートを探索して受信したが、これに限られず、回避対象車MKを検出して当該回避対象車MKの予測目的地を受信して回避するようにしてもよい。
【0063】
図13は、この変形例のナビゲーション装置100において動作するナビゲーションプログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
ナビゲーションプログラムは、その機能として、経路探索部41、誘導部42、制御部44に加え、データ受信部43をさらに有している。
【0064】
データ受信部43は、サーバSVが予測した後述の回避対象車MKの予測目的地を受信する。制御部44は、カメラ23の撮影によって回避対象車MKが検出されたことを契機に、データ受信部43に、サーバSVが予測した回避対象車MKの予測目的地を受信させ、この予測目的地に到達するまでの到達経路をできるだけ通過せずに回避対象車MKを回避するための回避経路を再探索するよう上記経路探索部41を制御する。
【0065】
誘導部42は、地図データMDに基づく地図上に、自車Mの現在地から目的地までの初期の誘導経路と上記の回避対象車MKを回避するための回避経路を重ねてディスプレイ15に表示させつつ誘導するとともに、状況によっては上記の回避対象車MKの予測目的地に到達するまでの到達経路も重ねて表示させる。
【0066】
また、この変形例では、上記の図7に示したカメラ23による撮影においては、公知の画像認識の手法により、前方視野画像31中における回避対象車MKの投影像の形状、大きさ、及び車種などの識別を行う処理や、その回避対象車MKに取り付けられているナンバープレート32や車体の後面に記載されている文字を識別して文字列データとして取り込む処理も行われる。
【0067】
本変形例のナビゲーション装置100によるナビゲーション方法の一例について図14〜図17を用いて説明する。このナビゲーション方法は、ナビゲーションプログラムがCPU7において実行させる各ステップによって構成されており、次のような回避経路予測探索処理を含んでいる。
【0068】
図14は、回避経路予測探索処理の手順例を示すフローチャートである。この回避経路予測探索処理は、上記ナビゲーションプログラムがCPU7の制御によって動作することにより実現される手順を含んでいる。なお、このフローは、上記図8で説明した判定により、回避対象車MKが検出された際に開始される。
図15は、サーバSVが回避対象車MKの目的地を予測する手順を視覚的に表した様子の一例を示す図である。図16は、回避経路の一例を観念的に示した図である。図17は、ディスプレイ15上における回避経路と案内の問い合わせの表示の一例を示した図である。
【0069】
図14において、図9と同様のステップS5で、渋滞の発生を判定する。渋滞が発生していないとの情報を受信した場合、次のステップS10へ移る。
【0070】
ステップS10では、カメラ23が撮影した前方視野画像31から回避対象車MKから読みとれる文字を識別して文字列データとして取り込み、当該回避対象車MKに関連する回避対象車関連情報として取得する。これは、ナンバープレート32に記載されている所属地域名及び車両の属性や、車体の後面に記載されている所有団体名などの情報が取得される。
【0071】
次にステップS15では、上記回避対象車関連情報をサーバSVに送信して回避対象車MKの目的地を予測させる。これによりサーバSVは、図15に示すように、この例の「川越」、「○△株式会社」(上記図7参照)を回避対象車関連情報として受信し、これらを所属地域名のキーワード、所有団体名のキーワードとして、川越地域に存在する○△株式会社に関連した施設を検索する。検索の結果、この例では、「○△所沢営業所」、「○△川越営業所」、「○△鶴ヶ島研究所」が関連施設として検索され、これらのうちで自車Mの目的地から所定距離内に位置する施設が存在するか否かを判定する。存在する場合、該当する施設が回避対象車MKの目的地として選択してナビゲーション装置100へ返信する。存在しない場合、目的地の予測を断念して、その旨をナビゲーション装置100へ返信する。
【0072】
次に図14に示すステップS20では、サーバSVからの返信内容に基づいて回避対象車MKの目的地を予測できたか否かを判定する。目的地の予測ができなかった場合、このフローを終了する。目的地の予測ができた場合、次のステップS25へ移る。
【0073】
ステップS25では、上記ステップS15でサーバSVが予測した回避対象車MKの目的地までの到達経路を探索する。この到達経路を探索する処理については、公知の経路探索の手法によって行えばよい。
【0074】
次のステップS30では、現在の自車Mの目的地までの誘導経路(初期経路に相当)と上記の回避対象車MKの目的地までの到達経路との分岐が自車Mの現地点から所定距離内に存在するか否かを判定する。分岐が現地点から所定距離内に存在する場合、まもなく自車Mが回避対象車MKの後続位置から外れることが予想されるために回避経路を探索する必要がないものとみなされ、このフローを終了する。分岐が現地点から所定距離内に存在しない場合、次のステップS35へ移る。
【0075】
ステップS35では、上記ステップS25で探索した回避対象車MKの目的地までの到達経路におけるリンク、ノードのコストを高くする。コストを高くすることにより、この直後に行われる回避経路の探索演算において、回避対象車MKの目的地までの到達経路をできるだけ通過しないように回避経路を探索できるようになる。
【0076】
次に、図9と同様のステップS40に移る。本変形例では、このステップS40で、上記ステップS35でのコスト変更に伴い自車Mの現在の誘導経路を再探索する形で回避経路を得る。この回避経路は、図16に示すように、自車Mの現在の誘導経路を途中から外れて、回避対象車MKの到達経路を通過せずに迂回する配置で設定され、最終的には自車Mの本来の目的地に到達できる経路となっている。なお、回避対象車MKの到達経路と回避経路とは、単純に交差する配置となってもよいが、重複して通過する部分ができるだけないようにするのが望ましい。
【0077】
ステップS40以降のステップS45、ステップS50、ステップS55、ステップS60は図9と同様であるので説明を省略する。但し、ステップS55で再探索経路で案内すべきか否かの運転者への問い合わせは、例えば図17に示すように、ディスプレイ15上に回避対象車MKの到達経路及び自車Mの回避経路を表示するとともに、回避経路を案内した場合の目的地への到着時間がどのくらい遅れるかの説明を表示して、回避経路の案内をするか否かを問い合わせる。
【0078】
本変形例では、ナビゲーション装置100が、このように回避対象車MKを撮影した前方視野画像31から当該回避対象車MKに関連する回避対象車関連情報を取得し、この回避対象車関連情報に基づいて予測した到達経路をできるだけ通過しない回避経路を探索することができる。
【0079】
本変形例におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避探索制御手段44は、前記撮影手段23が撮影した前記前方視野画像31から前記回避対象車MKに関連する回避対象車関連情報を取得し、この回避対象車関連情報に基づいて当該回避対象車MKの目的地までの到達経路を予測する到達経路予測手段S35,S40を有し、この到達経路予測手段S35,S40により予測された前記到達経路をできるだけ通過せず前記回避経路を探索するように、前記経路探索手段41を制御する。
【0080】
このようにすると、回避対象車MKが通過する可能性の高い到達経路を予測することができ、この到達経路を迂回して回避対象車MKの後続位置から回避できる可能性の高い回避経路を探索することができる。
【0081】
本変形例におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避探索制御手段44は、前記自車Mの前記初期経路と、前記到達経路予測手段により予測された当該到達経路との分岐が、前記自車Mの現在地から所定距離以内にあると判定した場合には、前記回避経路の探索を中止するように、前記経路探索手段41を制御する。
【0082】
このようにすると、現在地から比較的近い分岐まで少しの間そのまま走行するだけで回避対象車MKの後続位置から離脱可能であることを知ることができるため、手間のかかる回避経路の探索処理を省略することができ、ナビゲーション装置の負荷を軽減することができる。
【0083】
なお、上記の分岐に限定せずに、回避対象車MKが現在の誘導経路から外れる可能性の高い他の主要道路との交差点までの距離で回避経路の探索の省略を判定してもよく、逆に現在の誘導経路と交差する他の主要道路が少なく回避対象車MKが外れる可能性が低い場合には自動的に回避経路の探索を行うようにしてもよい。
【0084】
(2)走行速度が特に遅い前方車両を回避対象車MKとして検出する場合
上記実施形態及び第1変形例では、前方車両のうちで運転者の前方視野を大きく遮る大型車を回避対象車MKとして検出していたが、これに限られずに、例えば前方車両のうちで走行速度が特に遅い車両を回避対象車MKとして検出してもよい。
【0085】
本変形例では、前方車両のうちで例えばトラクターなどの農作業車のような特殊車両などが特に遅く走行していることにより、自車Mの運転の快適性が阻害されたり目的地への到達が大幅に遅れることが予想される場合には、その遅い前方車両を回避対象車MKとして検出し、対応する回避経路を探索、案内するものである。
【0086】
図18は、本変形例において上記回避経路予測探索処理の代わりに実行する回避経路算出探索処理の手順例を示すフローチャートであり、上記図14に対応する図である。なお、このフローは、既に誘導経路が案内されている間に所定の時間間隔で割り込み処理により呼び出されて実行される。
【0087】
まず図18に示すステップS105では、上記図9や図14のフローにおけるステップS5と同様の処理により、自車Mの進行方向に渋滞が発生しているか否かを判定する。自車Mが走行している現在の誘導経路上に渋滞が発生しているとの情報を受信した場合には、すなわち1台の車両を回避対象車MKとして検出する意味がないものとみなされ、このフローを終了する。一方、渋滞が発生していないとの情報を受信した場合、次のステップS110へ移る。
【0088】
ステップS110では、自車Mが現在の誘導経路上を進行した場合に目的地へ到達するまでに必要と予測される到達予測時間の変化量を算出する。具体的には、所定時間間隔で算出され更新される到達予測時間について、更新後の到達予測時間Xから更新前の到達予測時間Yを引いた差分時間Zを算出する。なおこのときの到達予測時間の算出は、予め固定的に定めた車両走行速度、例えば法定速度によって自車Mが誘導経路を走行したとみなして算出すればよい。なお、後述するステップS135のように、車速パルス検出器3やカメラ23等を用いて自車Mの走行速度を検出するようにしてもよい。
【0089】
次のステップS115では、上記ステップS110で算出した差分時間Zが所定値Zaを超えたか否か、つまり自車Mの平均的な走行速度が急に遅くなって到達予測時間が所定幅以上に延長されたか否かを判定する。差分時間Zが所定値Zaを超えていない場合、ステップS110へ戻りループ待機する。一方、差分時間Zが所定値Zaを超えた場合、次のステップS120へ移る。
【0090】
ステップS120では、追い越しルートとしての回避経路を探索すべきか否かを運転者に問い合わせる。この問い合わせは、特に図示しないが、例えばディスプレイ15上にその旨の説明を表示して回避経路を探索するか否かを問い合わせる。
【0091】
次のステップS125では、タッチパネル21を介した運転者からの操作入力に基づいて回避経路を探索すべきか否かを判定する。回避経路の探索を希望しないとの操作入力があった場合、このフローを終了する。一方、回避経路の探索を希望する操作入力があった場合、次のステップS130へ移る。
【0092】
ステップS130では、運転者からの操作入力に基づいて前方車のうち1台の車両を回避対象車MKとして特定する。具体的には、例えばカメラ23で撮影された前方車を含む前方視野画像31をディスプレイ15上に表示して、タッチパネル21上の接触により1台の前方車を回避対象車MKとして指定するなどの方法がある。また、前方車(具体的には、例えば、自車両の直前を走行する他車両)の走行速度を推定し、所定の速度以下であった場合にこの前方車を回避対象車MKとして特定してもよい。例えば、前方車との車間距離を一定に維持したときの速度(前方車の推定速度)が、渋滞情報や周囲の他車両の推定車流速度を勘案して相対的に低い場合等にこの前方車を回避対象車MKとして特定してもよい。なお、この手順を省略し、ステップS120で回避経路の探索を希望する操作入力があった場合には、例えば直前車両を自動的に回避対象車MKとして特定するようにしてもよい。
【0093】
次のステップS135では、ステップS130で特定した回避対象車MKの走行速度を推定する。この回避対象車MKの走行速度を推定する方法としては、例えば回避対象車MKが自車Mの直前を走行している場合には一定の車間距離を維持して車速パルス検出器3のセンサデータに基づく自車Mの走行速度で推定する方法がある。この場合は、車速パルス検出器3が、回避対象車速度検出手段に相当するとともに、回避対象車検出手段にも相当する。また、車速パルス検出器3は、自車速度検出手段にも相当する。また、カメラ23で撮影した前方視野画像31から画像認識などによって回避対象車MKとその周囲の固定物(信号、標識、又は道路の車線など)との相対速度を推定して対地速度とする方法でもよい。この場合は、カメラ23が、回避対象車速度検出手段に相当する。
【0094】
次のステップS140では、自車Mの現在の誘導経路上で回避対象車MKの前方に出ることのできる交差点などのポイント地点の一つを、地図データの検索などにより取得する。
【0095】
次のステップS145では、上記ステップS135で推定した回避対象車MKの走行速度を参照し、上記ステップS140で取得したポイント地点(地点)に回避対象車MKが到達するまでの移動時間を算出する。
【0096】
次のステップS150では、現在の誘導経路とは別に、上記ステップS140で取得したポイント地点まで最短時間で到達できる回避経路を追い越しルートとして探索する。
【0097】
次のステップS155では、上記ステップS150で探索した回避経路で回避対象車MKを追い越せるか否かを判定する。つまり、自車Mが上記の回避経路を通常の走行速度で案内された場合の上記ポイント地点へ到達するまでの移動時間が、上記ステップS145で算出した移動時間よりも短いか否かを判定する。自車Mの移動時間が回避対象車MKの移動時間より短い場合、次のステップS160で回避経路をディスプレイ15上に表示し、つまり回避経路での案内を開始し、このフローを終了する。
【0098】
一方、自車Mの移動時間が回避対象車MKの移動時間より長い場合、ステップS165で回避対象車MKを追い越せる適切な回避経路を探索できなかった旨をディスプレイ15上に表示して報知し、次のステップS170へ移る。
【0099】
ステップS170では、次に回避経路の探索を行う場合、この例では2回目の探索であるか否かを判定する。2回目の探索である場合、ステップS120へ戻り、2回目の回避経路の探索を行うべきか否かの問い合わせから再度実行する。一方、次の探索が3回目である場合、これ以上探索を繰り返しても適切な回避経路を探索するのは難しいとみなされ、このフローを終了する。
【0100】
本変形例では、ナビゲーション装置100が、このように回避対象車MKの走行速度を推定し、現在の誘導経路上に存在する所定のポイント地点に到達するまでの自車Mと回避対象車MKそれぞれの移動時間の比較に基づいて、回避対象車MKを追い越し可能な回避経路を探索することができる。
【0101】
上記第2変形例におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避対象車検出手段3(車速パルス検出器に相当)は、前記前方車の走行速度に基づいて前記回避対象車MKを検出する。
【0102】
このようにすると、特に走行速度の遅い前方車を、自車Mの到達予測時間を遅らせる原因となる回避対象車MKとして検出することができる。
【0103】
上記第2変形例におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記自車Mの走行速度を検出する自車速度検出手段3(車速パルス検出器に相当)を有し、前記回避対象車検出手段は、前記回避対象車MKの走行速度を検出する回避対象車速度検出手段3(車速パルス検出器に相当)を有し、前記回避探索制御手段44は、前記自車速度検出手段3で検出された前記自車Mの走行速度と、前記回避対象車速度検出手段3で検出された前記回避対象車MKの走行速度とに基づいて、前記自車Mの前記初期経路上の所定の地点に前記回避対象車MKが到達するまでの移動時間と、前記自車Mが前記回避経路を走行した場合に前記所定の地点に到達するまでの移動時間との比較に基づいて、前記自車Mによる前記回避対象車MKの追い越しが可能であるか否かを判定する。
【0104】
このようにすると、自車Mが回避経路を案内された場合に所定の地点で回避対象車MKを追い越せるか否かを判定することができる。
【0105】
なお、本変形例においても、前述の第1変形例と同様に、回避対象車MKが通過する可能性のある到達経路を予測して、それを回避するように回避経路を探索してもよい。
【0106】
上記変形例におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避探索制御手段44は、前記自車Mの前記初期経路に関係する渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段S105と、この渋滞情報取得手段S105により取得した前記渋滞情報に基づいて、前記自車Mの前記初期経路が渋滞していると判定した場合には、前記回避経路の探索を中止するように、前記経路探索手段41を制御する。
【0107】
このようにすると、自車Mの到達予測時間が急に延長された原因が特定の1台の前方車両によるものではなく渋滞によるものであることが予想できるため、1台の回避対象車MKを回避するための回避経路の探索処理を省略することができ、ナビゲーション装置の負荷を軽減することができる。
【0108】
(3)運転者が任意に指定した前方車両を回避対象車MKとして検出する場合
上記実施形態、第1変形例及び第2変形例では、前方車両のうちでセンサデータに基づいて特定した車両を回避対象車MKとして検出していたが、これに限られずに、例えば前方車両のうちで運転者が任意に指定した車両を回避対象車MKとして検出してもよい。
【0109】
本変形例では、前方車両のうちで例えば無理な荷物の積載をしている小型トラックや、見るからに乱暴な運転の車などが走行していることにより運転者が不安を感じた場合には、運転者が任意にその車両を回避対象車MKとして検出し、対応する回避経路を探索、案内するものである。
【0110】
図19は、本変形例において上記回避経路予測探索処理の代わりに実行する回避経路入力探索処理の手順例を示すフローチャートであり、上記図14に対応する図である。なお、このフローは、既に誘導経路が案内されている間に所定の時間間隔で割り込み処理により呼び出されて実行される。
【0111】
この図19のフローは概略的に図14のフローとほぼ同じであり、基本的には図14のフローにおけるステップS5とステップS10の間に新たに設けたステップS7を行う点で異なっているのみである。そしてこのステップS7では、タッチパネル21などを介して運転者から任意に前方車のうちの1台を回避対象車MKとして指定する操作が行われたか否かを判定する。具体的には、例えばカメラ23で撮影された前方車を含む前方視野画像31をディスプレイ15上に表示して、タッチパネル21上の接触により1台の前方車を回避対象車MKとして指定する信号(回避対象車指定信号に相当)をCPU7に入力するなどの方法がある。この場合、タッチパネル21は回避対象車指定信号入力手段に相当する。運転者から任意に回避対象車MKを指定する操作が行われなかった場合、そのままこのフローを終了する。一方、運転者から任意に前方車のうちの1台を回避対象車MKとして指定する操作が行われた場合、次のステップS10へ移る。他の手順については、図14と同様であり、説明を省略する。
【0112】
本変形例では、ナビゲーション装置100が、このように運転者から任意に指定された前方車両を回避対象車MKとして検出し、この回避対象車MKの後続位置から回避するための回避経路を探索することができる。
【0113】
上記第3変形例におけるナビゲーション装置100においては、前記回避対象車検出手段21は、乗員からの指示操作により前記回避対象車MKを指定する回避対象車指定信号を入力する回避対象車指定信号入力手段21(タッチパネルに相当)を有する。
【0114】
このようにすると、センサデータに拘わらず運転者が任意に指定した前方車を回避対象車MKとして検出することができ、回避経路を案内することで快適な運転を確保することができる。
【0115】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】ナビゲーション装置を含むナビゲーションシステムの構成例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示すナビゲーション装置の電気的なハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】ナビゲーション装置を搭載する車両の構成例を示す斜視図である。
【図4】図3に示すカメラの構成例を示す図である。
【図5】図4に示すカメラをA−A′面における構成例を示す断面図である。
【図6】図2に示すナビゲーション装置において動作するナビゲーションプログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図7】自車のカメラによって、その直前を走行する回避対象車を撮影する様子を表す側面図である。
【図8】カメラによって撮影された前方視野画像から、回避対象車を検出する方法について説明する図である。
【図9】回避経路探索処理の手順例を示すフローチャートである。
【図10】回避経路の一例を観念的に示した図である。
【図11】ディスプレイ上における回避経路と案内の問い合わせの表示の一例を示した図である。
【図12】カメラによって撮影された前方視野画像から、回避対象車を検出する方法について説明する図である。
【図13】ナビゲーションプログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図14】回避経路予測探索処理の手順例を示すフローチャートである。
【図15】サーバが回避対象車の目的地を予測する手順を視覚的に表した様子の一例を示す図である。
【図16】回避経路の一例を観念的に示した図である。
【図17】ディスプレイ上における回避経路と案内の問い合わせの表示の一例を示した図である。
【図18】回避経路算出探索処理の手順例を示すフローチャートである。
【図19】回避経路入力探索処理の手順例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
1 ナビゲーションシステム
3 車速パルス検出器(自車速度検出手段、回避対象車速度検出手段、回避対象車検出手段に相当)
21 タッチパネル(回避対象車指定信号入力手段、回避対象車検出手段に相当)
23 カメラ(撮影手段、回避対象車検出手段に相当)
41 経路探索部(経路探索手段に相当)
42 誘導部(誘導手段に相当)
44 制御部(回避探索制御手段に相当)
100 ナビゲーション装置
M 自車
MK 回避対象車
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在地から目的地までの経路を探索するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の車両には、現在地から設定された目的地までの経路を誘導するナビゲーション装置が搭載されている。従来のナビゲーション装置には、渋滞を適切に回避するよう誘導する機能を有するものが存在している。具体的には、例えば道路交通センターから渋滞情報を取得して、車両位置、車両方位を用いて、車両が現在走行中の道路における進行方向前方に渋滞が発生しているか判別し、渋滞が発生している場合にその渋滞に到達すると予想される時刻における予想渋滞量を算出して、所定の基準値以上の渋滞量が予想される場合に渋滞に巻き込まれる可能性があることを表示する技術が存在している。
【特許文献1】特開平8−96294号公報(段落番号0053、図12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来のナビゲーション装置では、渋滞を回避させるための情報だけを表示する。しかし、実際の道路での運転では、自車の前方に車高や車幅の大きい車両が走行することで乗員の視野を狭められてしまったり、又は自車の前方に走行速度が特に遅い車両が走行しているなど、特定の1台の車両が原因で快適な運転が阻害される場合があり、従来のナビゲーション装置ではこのような1車両を回避するよう誘導する機能がなかった。
【0004】
本発明が解決しようとする課題には、上記した問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、現在地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、自車の前方を走行する前方車のうち、回避の対象とする車(以下、回避対象車と称する)を検出する回避対象車検出手段と、前記経路探索手段で探索した、前記自車が最終的に到達するべき目的地までの初期経路とは別に、前記回避対象車を回避するための回避経路を探索する回避探索制御手段と、前記経路探索手段及び前記回避探索制御手段により探索された前記初期経路及び前記回避経路に従って前記自車を誘導する誘導手段と、を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態としてのナビゲーション装置100を含むナビゲーションシステム1の構成例を示すシステム構成図である。
【0007】
ナビゲーションシステム1は、ナビゲーション装置100、ネットワークNW、基地局10及びサーバSVを有する。これらナビゲーション装置100、サーバSV及び基地局10は、それぞれネットワークNWによって接続されており、互いに予め定められたプロトコルに従ってデータ通信を行うことができる。
【0008】
ナビゲーション装置100は、例えば車両に取り付けられている。ナビゲーション装置100は、現在地から設定された目的地までの経路を探索し、その探索結果としての経路に沿って車両を誘導する機能を有する。以下の説明では、このような経路を「誘導経路」と呼ぶ。このナビゲーション装置100は少なくとも1台存在しており、存在する車両に応じて複数存在していても良い。
【0009】
ナビゲーション装置100は、後述する図6に示す地図データMDに基づく地図にこの誘導経路を重ねて表示したり音の出力によって車両の運転者に対し、進むべき方向を示唆する機能を有する。このナビゲーション装置100は、基地局10との間で無線によってデータ通信を行い、ネットワークNWを経由してサーバSVから地図上に関する各種の情報を受信する機能を有する。基地局10は、ネットワークNWに接続されており、いずれかのナビゲーション装置100との間で無線によりデータ通信を行う機能を有する。
【0010】
サーバSVは、ナビゲーション装置100とは別に外部に配置されたサーバコンピュータである。サーバSVは、地図上に多数存在する領域に実際に存在する施設や現在の状況を示す情報を管理しており、例えば領域や各種条件を指定した要求があると、この要求に含まれる領域内で条件に対応した施設や渋滞情報などを送信する。
【0011】
図2は、図1に示すナビゲーション装置100の電気的なハードウェア構成例を示すブロック図である。
このナビゲーション装置100は、記憶装置18、演算装置20、表示制御回路14及びインターフェイス6がバス12に接続されている。このナビゲーション装置100には、ディスプレイ15が接続されている。このナビゲーション装置100には、インターフェイス6を介して、各種センサ22、スピーカ19及びタッチパネル21が接続されている。これらディスプレイ15、スピーカ19及び各種センサ22は、ナビゲーション装置100の一部として構成されていてもよい。
【0012】
演算装置20は、所定のプログラムの動作によって、記憶装置18、インターフェイス6及び表示制御回路14との間でデータの交換が可能な構成となっている。
【0013】
各種センサ22としては、カメラ23、加速度センサ5、ジャイロセンサ2、車速パルス検出器3、GPS(Global Positioning System)4及び地磁気センサ11のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせを例示することができる。本実施形態では、各種センサ22の出力を総称する場合、これを「センサデータ」とも呼んでいる。
【0014】
カメラ23は撮影手段及び回避対象車検出手段に相当し、運転者の前方視野と略同等の前方視野画像を撮影しデータとして出力する機能を有する(後に詳述する)。
【0015】
加速度センサ5は、例えば車両の加速度及び傾斜角の少なくとも一方を検出する機能を有する。ジャイロセンサ2は、例えば車両の進行方向の検出を行う機能を有する。このジャイロセンサ2は、車両の方向変化に伴う角速度データを出力する角速度センサの一種である。このジャイロセンサ2は、上記加速度センサ5の代わりに、上記傾斜角を計測しても良い。
【0016】
車速パルス検出器3は、例えば車両の移動量や加速度を検出する機能を有する。この車速パルス検出器3は、車両が移動中であるかあるいは停止中であるかを検出し、その検出状態を出力する。この車速パルス検出器3は、車両が移動中である場合にはこの車両の走行速度及び移動距離に関する走行状態データを出力する機能を有する。
【0017】
GPS4は、複数のGPS衛星からの電波を受信して演算を行い、測位を行う機能を有する。このGPS4は、例えば緯度、経度、高度及び進行方位のいずれか又はこれらいずれかの組み合わせの測位データを生成する。
【0018】
具体的には、このGPS4は、例えば同時に観測した4機の衛星までの疑似距離を測定し、これら4機の衛星までの疑似距離の差に基づいて、現在地の測位を行う機能を有する。地磁気センサ11は、地磁気に基づいて車両の絶対方位を表す角度を検出する方位検出装置の一種である。このような角度としては、例えば方位角を挙げることができる。
【0019】
記憶装置18は、ROM8、RAM9及び記録媒体16を有する。ROM8は、後述する各種の処理プログラムやその他必要な情報が予め書き込まれた情報記憶媒体である。RAM9は、上記各種のプログラムを実行する上で必要な情報の書き込み及び読み出しが行われる情報記憶媒体である。記憶媒体16は、例えばフラッシュメモリ、ハードディスクなどの情報記憶媒体である。この記憶媒体16は、地図データを不揮発的に記憶可能である。
【0020】
演算装置20は、CPU7及びグラフィックコントローラ13を有する。CPU7は、上記各種のプログラムにしたがって各種の演算、制御を行う機能を有する。グラフィックコントローラ13は、CPU7の制御によってビデオRAM(図示せず)などから画像データを取得し、この画像データに基づく画像を表示制御回路14によってディスプレイ15に表示させる機能を有する。このグラフィックコントローラ13はまた、CPU7の制御によって、例えば上記地図データに基づく電子地図をディスプレイ15に表示させたり、その電子地図上に自らの車両の位置(現在地)を表すマークを重ね合わせて表示させる機能を有する。
【0021】
またスピーカ19は、音出力手段の一例であり、CPU7の制御によって音を出力する機能を有する。
【0022】
タッチパネル21は、例えばディスプレイ15の表示領域の表面に沿って設けられた透明なスイッチである。このタッチパネル21は、例えばディスプレイ15の表示領域の表示物に応じて運転者や同乗者などによる接触があった場合、その接触箇所のスイッチがオンされたことを認識することができる構成となっている。
【0023】
図3は、ナビゲーション装置100を搭載する車両の構成例を示す斜視図である。
カメラ23は、例えば自車Mの車内におけるバックミラー(ルームミラー)の裏面に設けられている。カメラ23は、バックミラー25の裏面から自車Mの前方の映像を恒常的に撮影する。
【0024】
図4は、図3に示すカメラ23の構成例を示す図である。
カメラ23は、バックミラー25の裏面に装着されて自車Mの前方に向けて露出している。このカメラ23は、乗員である運転者(特に図示せず)がフロントガラス26(図3参照)を介して視認できる前方視野と同等の広さで前方視野画像を恒常的に撮影する機能を有する。
【0025】
図5は、図4に示すカメラ23をA−A′面における構成例を示す断面図である。なお図5においては、バックミラー25の構成の図示を省略している。
カメラ23は、筺体23a、レンズ23b、CCD23c(Charge Coupled Device)、駆動部27及び周面23d,23eを有する。筐体23aは、カメラ23における外装部材である。この筐体23aは、レンズ保持体23f及び駆動部27を内蔵している。この筐体23aには開口部が形成されており、この開口部からレンズ保持体23fの一部を構成するレンズ23bが露出している。
【0026】
筐体23aの内部の上部及び下部には駆動部27が設けられている。この駆動部27は、レンズ保持体23fを上下方向に移動させてカメラが撮影する前方視野画像の配置を調整する機能を有する。レンズ保持体23fの裏面には、例えば凹曲面の周面23eが形成されている。筐体23aの底部(上記周面23eと対面する部分)には、凸形状の曲面の周面23dが形成されている。
【0027】
これら曲面23e,23dは、例えば潤滑材を介して密着しつつ互いに相対的に移動可能である。このため駆動部27が駆動すると、レンズ保持体23fがこれら周面23e,23dに沿って曲面上に移動する。このレンズ保持体23fには、レンズ23bの奥にCCD23cが設けられており、このレンズ23bによって集光された光がCCD23cに収束する。上述のようにレンズ保持体23fが移動することによって、レンズ23bが集光する方向が変化する構成となっている。
【0028】
図6は、図2に示すナビゲーション装置100において動作するナビゲーションプログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
ナビゲーションプログラムは、その機能として経路探索部41、誘導部42及び制御部44を有し、上述した各機能や後述する各機能をナビゲーション装置100において発揮させる。
【0029】
経路探索部41は経路探索手段に相当し、現在地から目的地までの経路を探索する機能を有する。この経路の探索は、設定された探索基準としてのコストを用いた演算により行われる。コストは道路リンク毎に走行のし易さを数値的に表したものであり、経路の探索は、目的地までの道路リンクの総コストが最小となる経路を推奨経路として演算する。つまり、コストが数値的に高い道路リンクは、経路として採用される可能性が低く、逆にコストが数値的に低い道路リンクは、経路として採用される可能性が高い。
【0030】
制御部44は回避探索制御手段に相当し、カメラ23の撮影によって回避対象車が検出されたことを契機に、回避対象車を回避するための回避経路を再探索するよう上記経路探索部41を制御する。
【0031】
誘導部42は誘導手段に相当し、地図データMDに基づく地図上に、自分の車両(以下、自車Mと称する)の現在地から目的地までの初期の誘導経路と上記の回避経路を重ねてディスプレイ15に表示させつつ誘導する。
【0032】
図7は、自車Mの上記カメラ23によって、その直前を走行する回避対象車MKを撮影する様子を表す側面図である。
【0033】
この図7において、自車Mが備えるカメラ23は、上述したように、運転者の前方視野と同等の広さの前方視野画像31を恒常的に撮影しており、自車Mの前方に車両が走行している場合、その後方面を撮影する。
【0034】
図7に示すように、自車Mより車高の高いトラックなどの大型の車両MKが直前に走行している場合、自車Mの運転者の視界が狭められて威圧感を感じたり、また信号の視認が遅れてしまうなど運転の快適性や安全性が阻害されてしまう。本実施形態においては、前方を走行する車両のうちこのように運転者の視界を一定以上の大きさで遮る車両を回避対象の車両(以下、回避対象車MKと称する)として検出し、この回避対象車MKを回避するための回避経路を探索し、案内する。
【0035】
図8は、カメラ23によって撮影された前方視野画像31から、回避対象車MKを検出する方法について説明する図である。
【0036】
この図8において、カメラ23から撮影された前方視野画像31は運転者の前方視野と同等の画像であり、つまりカメラ23が撮影した前方視野画像31中において車両32の投影像Mx(以下単に、投影像Mxと称する)の大きさが占める割合が、運転者の前方視野中において同投影像Mxの大きさが占める割合とほぼ同じことになる。これを利用して、投影像Mxの上端部から前方視野画像31の上方枠線までの長さaが所定値ka以下である場合に、車両32が相対的に自車Mより車高の高い大型車であると判定され、この車両32を回避対象車MKとして検出する。
【0037】
なお、この回避対象車MKの判定基準としては、上記のように投影像Mxの上端部から前方視野画像31の上方枠線までの長さaが所定値ka以下であるか否かだけに着目する基準以外にも他の要素に着目した基準で判定してもよい。例えば、図8に示すような、投影像Mxの左端部から前方視野画像31の左方枠線までの長さbと、投影像Mxの右端部から前方視野画像31の右方枠線までの長さcについて、所定値ka,kb,kcに対し、長さa≦ka、長さb≦kb、長さc≦kcの各条件のいずれか一つでも満たすか否かで判定してもよいし、又は全ての条件を同時に満たすか否かで判定してもよい。
【0038】
ナビゲーション装置100は以上のような一構成例であり、次に図1〜図8を参照しつつ当該一構成例によるナビゲーション方法の一例について説明する。このナビゲーション方法は、ナビゲーションプログラムがCPU7において実行させる各ステップによって構成されている。
【0039】
図9は、回避経路探索処理の手順例を示すフローチャートである。この回避経路探索処理は、上記ナビゲーションプログラムがCPU7の制御によって動作することにより実現される手順を含んでいる。なお、このフローは、上記図8で説明した判定により、回避対象車MKが検出された際に開始される。
図10は、回避経路の一例を観念的に示した図である。図11は、ディスプレイ15上における回避経路と案内の問い合わせの表示の一例を示した図である。
【0040】
まず図9に示すステップS5では、例えばいわゆるVICSデータなどの渋滞情報を取得して、自車Mの進行方向に渋滞が発生しているか否かを判定する。これは特に図示しないVICS受信機によって道路交通情報センターから最新の渋滞情報を受信し、それに基づいて渋滞の発生を判定する。自車Mが走行している現在の誘導経路上に渋滞が発生しているとの情報を受信した場合には、このフローを終了する。一方、渋滞が発生していないとの情報を受信した場合、次のステップS40へ移る。
【0041】
次にステップS40では、自車Mの現在の誘導経路を再探索する形で回避経路を得る。この回避経路は、図10に示すように、自車Mの現在の誘導経路を途中から外れて、回避対象車MKを迂回して追い越すような配置で設定され、最終的には自車Mの本来の目的地に到達できる経路となっている。
【0042】
次に図9に示すステップS45へ移り、自車Mの現在の誘導経路を進行する場合と回避経路を進行する場合との間で、自車Mが目的地へ到達するまでの所要時間差が所定時間内に収まるか否かを判定する。この所要時間の算出は、予め固定的に定めた車両走行速度、例えば法定速度によって自車Mが誘導経路又は回避経路を走行したとみなして算出すればよい。なお、後述する変形例で説明する図18のステップS135のように、車速パルス検出器3やカメラ23等を用いて自車Mの走行速度や回避対象車MKの走行速度を検出するようにしてもよい。所定時間内に収まる場合、すなわち回避経路に進路変更しても比較的影響が少ないものとみなされ、次のステップS50で回避経路をディスプレイ15に表示し、つまり回避経路での案内を開始し、このフローを終了する。
【0043】
一方、所定時間内に収まらない場合、すなわち回避経路に進路変更すると目的地に到着する時刻が大幅に遅れるものとみなされ、ステップS55で再探索経路で案内すべきか否かを運転者に問い合わせる。この問い合わせは、例えば図11に示すように、ディスプレイ15上に自車Mの回避経路を表示するとともに、回避経路を案内した場合の目的地への到着時間がどのくらい遅れるかの説明を表示して、回避経路の案内をするか否かを問い合わせる。
【0044】
次に図9に示すステップS60では、タッチパネル21を介した運転者からの操作入力に基づいて回避経路で案内すべきか否かを判定する。回避経路での案内を希望する操作入力があった場合、ステップS50で回避経路での案内を開始し、このフローを終了する。一方、回避経路での案内を希望しないとの操作入力があった場合、このフローを終了する。
【0045】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、現在地から目的地までの経路を探索する経路探索手段41(経路探索部に相当)と、自車Mの前方を走行する前方車のうち、回避の対象とする回避対象車MKを検出する回避対象車検出手段23(カメラに相当)と、前記経路探索手段41に対し、前記自車Mが最終的に到達するべき目的地までの初期経路(現在の誘導経路に相当)とは別の、前記回避対象車MKを回避するための回避経路の探索を行うように制御する回避探索制御手段44(制御部に相当)と、前記経路探索手段41により探索された前記初期経路及び前記回避経路にしたがって前記自車Mを誘導する誘導手段42(誘導部に相当)と、を有する。
【0046】
このようにすると、自車Mの運転の快適性を阻害する可能性のある車両が前方を走行している場合には、自動的に当該車両を回避対象車MKとして検出し、経路探索部41を利用して回避対象車MKを回避するための回避経路を現在の誘導経路とは別に再探索することができる。そして、誘導部42がこの回避経路を表示して案内することで、回避対象車MKの後続位置から回避し、快適な運転性を確保することができる。
【0047】
なお、上記図9のフローにおけるステップS45,S55,S60では、所要時間の変化が少ないといった所定の条件を満たす場合や、運転者が回避経路の案内を希望する場合にだけ回避経路の案内を行うようにしていたが、これに限られずに、回避経路を探索した場合には自動的に回避経路での案内を開始するようにしてもよい。
【0048】
また、回避対象車MKを検出してもさらに所定時間以上で継続して同一の車両が検出する場合にだけ回避経路を探索するようにしてもよい。
【0049】
また、現在の誘導経路が片側複車線の道路である場合には、車線変更や回避対象車MKの追い越しが可能であると判断して回避経路の探索を行わないようにしてもよい。
【0050】
また、回避経路の探索は、大型車である回避対象車MKが進入する可能性が低いと思われるような狭い道などを優先的に選択して回避経路を探索するようにしてもよい。しかし、運転者や自車Mの属性(運転初心者、自車Mの大きさなど)、又は道路の状況に応じてその優先度を制限してもよい。
【0051】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避対象車検出手段23は、乗員の前方視野中における前記前方車の投影像Mxの大きさに基づいて前記回避対象車MKを検出する。
【0052】
このようにすると、運転者の前方視野を狭める大型車を回避対象車MKとして検出することができ、回避経路を案内することで運転者の前方視野を広く確保した快適な運転を確保することができる。
【0053】
なお、各種のセンサを用いて測定した前方車の大きさの絶対値で回避対象車MKの検出判定を行ってもよいし、又は自車Mに対して前方車が相対的にどの程度大きいかで検出判定を行ってもよい。
【0054】
また、回避対象車MKとして検出する車両は、自車Mの直前を走行する車両に限らずに、所定の車間距離を隔てて前方を走行している車両でもよいし、又は何台かの車両を挟んだ前方を走行している車両でもよい。
【0055】
また、回避対象車MKを検出する判定基準としては、上記のように乗員の前方視野中における前方車の投影像の大きさに基づく以外にも、前方車の車高を視認する視線の角度に基づいて判定してもよい。つまり、前記回避対象車検出手段は、図12に示すように、乗員の前方視野中において最も上方で視認可能な視線である上方視認限界線33と、前記前方車Mx1,Mx2の上方端部を視認する視線である前方車上端視認線34との間の視認線偏差角θ1,θ2に基づいて前記回避対象車MKを検出する。
【0056】
具体的には、図12(a)に示すように、車高が相対的に高い前方車Mx1に対しては視認線偏差角θ1が小さくなるため、所定値未満となった場合にはこの前方車Mx1を回避対象車として検出することができる。また、図12(b)に示すように、車高が相対的に低い前方車Mx2に対しては視認線偏差角θ2が大きくなるため、所定値以上となった場合にはこの前方車Mx2を回避対象車MKとして検出しないようにすることができる。
【0057】
このようにすると、車高の高い大型車を回避対象車MKとして検出することが容易となり、回避経路を案内することで運転者の前方視野を広く確保した快適な運転を確保することができる。
【0058】
なお、特に図示しないが、自車Mとその前方を走行する車高の高い車両との間の車間距離が大きい場合でも、例えばレーダーなどの測定手段で自車Mとその車両との間の車間距離を測定できれば、この車間距離と上記視認線偏差角に基づいて相手の車両の車高をおよそ正確に測定することができ、回避対象車MKの検出判定基準として利用することもできる。
【0059】
上記実施形態におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避対象車検出手段は、前記乗員の前方視野と略同等の前方視野画像31を撮影する撮影手段23(カメラに相当)を有する。
【0060】
このようにすると、カメラ23で撮影した前方視野画像31中においてその投影像が占める割合の大きい車両を、運転者の前方視野を大きく遮る回避対象車MKとして検出することができる。
【0061】
なお、本実施形態は、上記に限られず、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を順を追って説明する。
【0062】
(1)回避対象車MKの目的地を予測して回避する場合
上記実施形態では、単に回避対象車MKを検出したら回避ルートを探索して受信したが、これに限られず、回避対象車MKを検出して当該回避対象車MKの予測目的地を受信して回避するようにしてもよい。
【0063】
図13は、この変形例のナビゲーション装置100において動作するナビゲーションプログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
ナビゲーションプログラムは、その機能として、経路探索部41、誘導部42、制御部44に加え、データ受信部43をさらに有している。
【0064】
データ受信部43は、サーバSVが予測した後述の回避対象車MKの予測目的地を受信する。制御部44は、カメラ23の撮影によって回避対象車MKが検出されたことを契機に、データ受信部43に、サーバSVが予測した回避対象車MKの予測目的地を受信させ、この予測目的地に到達するまでの到達経路をできるだけ通過せずに回避対象車MKを回避するための回避経路を再探索するよう上記経路探索部41を制御する。
【0065】
誘導部42は、地図データMDに基づく地図上に、自車Mの現在地から目的地までの初期の誘導経路と上記の回避対象車MKを回避するための回避経路を重ねてディスプレイ15に表示させつつ誘導するとともに、状況によっては上記の回避対象車MKの予測目的地に到達するまでの到達経路も重ねて表示させる。
【0066】
また、この変形例では、上記の図7に示したカメラ23による撮影においては、公知の画像認識の手法により、前方視野画像31中における回避対象車MKの投影像の形状、大きさ、及び車種などの識別を行う処理や、その回避対象車MKに取り付けられているナンバープレート32や車体の後面に記載されている文字を識別して文字列データとして取り込む処理も行われる。
【0067】
本変形例のナビゲーション装置100によるナビゲーション方法の一例について図14〜図17を用いて説明する。このナビゲーション方法は、ナビゲーションプログラムがCPU7において実行させる各ステップによって構成されており、次のような回避経路予測探索処理を含んでいる。
【0068】
図14は、回避経路予測探索処理の手順例を示すフローチャートである。この回避経路予測探索処理は、上記ナビゲーションプログラムがCPU7の制御によって動作することにより実現される手順を含んでいる。なお、このフローは、上記図8で説明した判定により、回避対象車MKが検出された際に開始される。
図15は、サーバSVが回避対象車MKの目的地を予測する手順を視覚的に表した様子の一例を示す図である。図16は、回避経路の一例を観念的に示した図である。図17は、ディスプレイ15上における回避経路と案内の問い合わせの表示の一例を示した図である。
【0069】
図14において、図9と同様のステップS5で、渋滞の発生を判定する。渋滞が発生していないとの情報を受信した場合、次のステップS10へ移る。
【0070】
ステップS10では、カメラ23が撮影した前方視野画像31から回避対象車MKから読みとれる文字を識別して文字列データとして取り込み、当該回避対象車MKに関連する回避対象車関連情報として取得する。これは、ナンバープレート32に記載されている所属地域名及び車両の属性や、車体の後面に記載されている所有団体名などの情報が取得される。
【0071】
次にステップS15では、上記回避対象車関連情報をサーバSVに送信して回避対象車MKの目的地を予測させる。これによりサーバSVは、図15に示すように、この例の「川越」、「○△株式会社」(上記図7参照)を回避対象車関連情報として受信し、これらを所属地域名のキーワード、所有団体名のキーワードとして、川越地域に存在する○△株式会社に関連した施設を検索する。検索の結果、この例では、「○△所沢営業所」、「○△川越営業所」、「○△鶴ヶ島研究所」が関連施設として検索され、これらのうちで自車Mの目的地から所定距離内に位置する施設が存在するか否かを判定する。存在する場合、該当する施設が回避対象車MKの目的地として選択してナビゲーション装置100へ返信する。存在しない場合、目的地の予測を断念して、その旨をナビゲーション装置100へ返信する。
【0072】
次に図14に示すステップS20では、サーバSVからの返信内容に基づいて回避対象車MKの目的地を予測できたか否かを判定する。目的地の予測ができなかった場合、このフローを終了する。目的地の予測ができた場合、次のステップS25へ移る。
【0073】
ステップS25では、上記ステップS15でサーバSVが予測した回避対象車MKの目的地までの到達経路を探索する。この到達経路を探索する処理については、公知の経路探索の手法によって行えばよい。
【0074】
次のステップS30では、現在の自車Mの目的地までの誘導経路(初期経路に相当)と上記の回避対象車MKの目的地までの到達経路との分岐が自車Mの現地点から所定距離内に存在するか否かを判定する。分岐が現地点から所定距離内に存在する場合、まもなく自車Mが回避対象車MKの後続位置から外れることが予想されるために回避経路を探索する必要がないものとみなされ、このフローを終了する。分岐が現地点から所定距離内に存在しない場合、次のステップS35へ移る。
【0075】
ステップS35では、上記ステップS25で探索した回避対象車MKの目的地までの到達経路におけるリンク、ノードのコストを高くする。コストを高くすることにより、この直後に行われる回避経路の探索演算において、回避対象車MKの目的地までの到達経路をできるだけ通過しないように回避経路を探索できるようになる。
【0076】
次に、図9と同様のステップS40に移る。本変形例では、このステップS40で、上記ステップS35でのコスト変更に伴い自車Mの現在の誘導経路を再探索する形で回避経路を得る。この回避経路は、図16に示すように、自車Mの現在の誘導経路を途中から外れて、回避対象車MKの到達経路を通過せずに迂回する配置で設定され、最終的には自車Mの本来の目的地に到達できる経路となっている。なお、回避対象車MKの到達経路と回避経路とは、単純に交差する配置となってもよいが、重複して通過する部分ができるだけないようにするのが望ましい。
【0077】
ステップS40以降のステップS45、ステップS50、ステップS55、ステップS60は図9と同様であるので説明を省略する。但し、ステップS55で再探索経路で案内すべきか否かの運転者への問い合わせは、例えば図17に示すように、ディスプレイ15上に回避対象車MKの到達経路及び自車Mの回避経路を表示するとともに、回避経路を案内した場合の目的地への到着時間がどのくらい遅れるかの説明を表示して、回避経路の案内をするか否かを問い合わせる。
【0078】
本変形例では、ナビゲーション装置100が、このように回避対象車MKを撮影した前方視野画像31から当該回避対象車MKに関連する回避対象車関連情報を取得し、この回避対象車関連情報に基づいて予測した到達経路をできるだけ通過しない回避経路を探索することができる。
【0079】
本変形例におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避探索制御手段44は、前記撮影手段23が撮影した前記前方視野画像31から前記回避対象車MKに関連する回避対象車関連情報を取得し、この回避対象車関連情報に基づいて当該回避対象車MKの目的地までの到達経路を予測する到達経路予測手段S35,S40を有し、この到達経路予測手段S35,S40により予測された前記到達経路をできるだけ通過せず前記回避経路を探索するように、前記経路探索手段41を制御する。
【0080】
このようにすると、回避対象車MKが通過する可能性の高い到達経路を予測することができ、この到達経路を迂回して回避対象車MKの後続位置から回避できる可能性の高い回避経路を探索することができる。
【0081】
本変形例におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避探索制御手段44は、前記自車Mの前記初期経路と、前記到達経路予測手段により予測された当該到達経路との分岐が、前記自車Mの現在地から所定距離以内にあると判定した場合には、前記回避経路の探索を中止するように、前記経路探索手段41を制御する。
【0082】
このようにすると、現在地から比較的近い分岐まで少しの間そのまま走行するだけで回避対象車MKの後続位置から離脱可能であることを知ることができるため、手間のかかる回避経路の探索処理を省略することができ、ナビゲーション装置の負荷を軽減することができる。
【0083】
なお、上記の分岐に限定せずに、回避対象車MKが現在の誘導経路から外れる可能性の高い他の主要道路との交差点までの距離で回避経路の探索の省略を判定してもよく、逆に現在の誘導経路と交差する他の主要道路が少なく回避対象車MKが外れる可能性が低い場合には自動的に回避経路の探索を行うようにしてもよい。
【0084】
(2)走行速度が特に遅い前方車両を回避対象車MKとして検出する場合
上記実施形態及び第1変形例では、前方車両のうちで運転者の前方視野を大きく遮る大型車を回避対象車MKとして検出していたが、これに限られずに、例えば前方車両のうちで走行速度が特に遅い車両を回避対象車MKとして検出してもよい。
【0085】
本変形例では、前方車両のうちで例えばトラクターなどの農作業車のような特殊車両などが特に遅く走行していることにより、自車Mの運転の快適性が阻害されたり目的地への到達が大幅に遅れることが予想される場合には、その遅い前方車両を回避対象車MKとして検出し、対応する回避経路を探索、案内するものである。
【0086】
図18は、本変形例において上記回避経路予測探索処理の代わりに実行する回避経路算出探索処理の手順例を示すフローチャートであり、上記図14に対応する図である。なお、このフローは、既に誘導経路が案内されている間に所定の時間間隔で割り込み処理により呼び出されて実行される。
【0087】
まず図18に示すステップS105では、上記図9や図14のフローにおけるステップS5と同様の処理により、自車Mの進行方向に渋滞が発生しているか否かを判定する。自車Mが走行している現在の誘導経路上に渋滞が発生しているとの情報を受信した場合には、すなわち1台の車両を回避対象車MKとして検出する意味がないものとみなされ、このフローを終了する。一方、渋滞が発生していないとの情報を受信した場合、次のステップS110へ移る。
【0088】
ステップS110では、自車Mが現在の誘導経路上を進行した場合に目的地へ到達するまでに必要と予測される到達予測時間の変化量を算出する。具体的には、所定時間間隔で算出され更新される到達予測時間について、更新後の到達予測時間Xから更新前の到達予測時間Yを引いた差分時間Zを算出する。なおこのときの到達予測時間の算出は、予め固定的に定めた車両走行速度、例えば法定速度によって自車Mが誘導経路を走行したとみなして算出すればよい。なお、後述するステップS135のように、車速パルス検出器3やカメラ23等を用いて自車Mの走行速度を検出するようにしてもよい。
【0089】
次のステップS115では、上記ステップS110で算出した差分時間Zが所定値Zaを超えたか否か、つまり自車Mの平均的な走行速度が急に遅くなって到達予測時間が所定幅以上に延長されたか否かを判定する。差分時間Zが所定値Zaを超えていない場合、ステップS110へ戻りループ待機する。一方、差分時間Zが所定値Zaを超えた場合、次のステップS120へ移る。
【0090】
ステップS120では、追い越しルートとしての回避経路を探索すべきか否かを運転者に問い合わせる。この問い合わせは、特に図示しないが、例えばディスプレイ15上にその旨の説明を表示して回避経路を探索するか否かを問い合わせる。
【0091】
次のステップS125では、タッチパネル21を介した運転者からの操作入力に基づいて回避経路を探索すべきか否かを判定する。回避経路の探索を希望しないとの操作入力があった場合、このフローを終了する。一方、回避経路の探索を希望する操作入力があった場合、次のステップS130へ移る。
【0092】
ステップS130では、運転者からの操作入力に基づいて前方車のうち1台の車両を回避対象車MKとして特定する。具体的には、例えばカメラ23で撮影された前方車を含む前方視野画像31をディスプレイ15上に表示して、タッチパネル21上の接触により1台の前方車を回避対象車MKとして指定するなどの方法がある。また、前方車(具体的には、例えば、自車両の直前を走行する他車両)の走行速度を推定し、所定の速度以下であった場合にこの前方車を回避対象車MKとして特定してもよい。例えば、前方車との車間距離を一定に維持したときの速度(前方車の推定速度)が、渋滞情報や周囲の他車両の推定車流速度を勘案して相対的に低い場合等にこの前方車を回避対象車MKとして特定してもよい。なお、この手順を省略し、ステップS120で回避経路の探索を希望する操作入力があった場合には、例えば直前車両を自動的に回避対象車MKとして特定するようにしてもよい。
【0093】
次のステップS135では、ステップS130で特定した回避対象車MKの走行速度を推定する。この回避対象車MKの走行速度を推定する方法としては、例えば回避対象車MKが自車Mの直前を走行している場合には一定の車間距離を維持して車速パルス検出器3のセンサデータに基づく自車Mの走行速度で推定する方法がある。この場合は、車速パルス検出器3が、回避対象車速度検出手段に相当するとともに、回避対象車検出手段にも相当する。また、車速パルス検出器3は、自車速度検出手段にも相当する。また、カメラ23で撮影した前方視野画像31から画像認識などによって回避対象車MKとその周囲の固定物(信号、標識、又は道路の車線など)との相対速度を推定して対地速度とする方法でもよい。この場合は、カメラ23が、回避対象車速度検出手段に相当する。
【0094】
次のステップS140では、自車Mの現在の誘導経路上で回避対象車MKの前方に出ることのできる交差点などのポイント地点の一つを、地図データの検索などにより取得する。
【0095】
次のステップS145では、上記ステップS135で推定した回避対象車MKの走行速度を参照し、上記ステップS140で取得したポイント地点(地点)に回避対象車MKが到達するまでの移動時間を算出する。
【0096】
次のステップS150では、現在の誘導経路とは別に、上記ステップS140で取得したポイント地点まで最短時間で到達できる回避経路を追い越しルートとして探索する。
【0097】
次のステップS155では、上記ステップS150で探索した回避経路で回避対象車MKを追い越せるか否かを判定する。つまり、自車Mが上記の回避経路を通常の走行速度で案内された場合の上記ポイント地点へ到達するまでの移動時間が、上記ステップS145で算出した移動時間よりも短いか否かを判定する。自車Mの移動時間が回避対象車MKの移動時間より短い場合、次のステップS160で回避経路をディスプレイ15上に表示し、つまり回避経路での案内を開始し、このフローを終了する。
【0098】
一方、自車Mの移動時間が回避対象車MKの移動時間より長い場合、ステップS165で回避対象車MKを追い越せる適切な回避経路を探索できなかった旨をディスプレイ15上に表示して報知し、次のステップS170へ移る。
【0099】
ステップS170では、次に回避経路の探索を行う場合、この例では2回目の探索であるか否かを判定する。2回目の探索である場合、ステップS120へ戻り、2回目の回避経路の探索を行うべきか否かの問い合わせから再度実行する。一方、次の探索が3回目である場合、これ以上探索を繰り返しても適切な回避経路を探索するのは難しいとみなされ、このフローを終了する。
【0100】
本変形例では、ナビゲーション装置100が、このように回避対象車MKの走行速度を推定し、現在の誘導経路上に存在する所定のポイント地点に到達するまでの自車Mと回避対象車MKそれぞれの移動時間の比較に基づいて、回避対象車MKを追い越し可能な回避経路を探索することができる。
【0101】
上記第2変形例におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避対象車検出手段3(車速パルス検出器に相当)は、前記前方車の走行速度に基づいて前記回避対象車MKを検出する。
【0102】
このようにすると、特に走行速度の遅い前方車を、自車Mの到達予測時間を遅らせる原因となる回避対象車MKとして検出することができる。
【0103】
上記第2変形例におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記自車Mの走行速度を検出する自車速度検出手段3(車速パルス検出器に相当)を有し、前記回避対象車検出手段は、前記回避対象車MKの走行速度を検出する回避対象車速度検出手段3(車速パルス検出器に相当)を有し、前記回避探索制御手段44は、前記自車速度検出手段3で検出された前記自車Mの走行速度と、前記回避対象車速度検出手段3で検出された前記回避対象車MKの走行速度とに基づいて、前記自車Mの前記初期経路上の所定の地点に前記回避対象車MKが到達するまでの移動時間と、前記自車Mが前記回避経路を走行した場合に前記所定の地点に到達するまでの移動時間との比較に基づいて、前記自車Mによる前記回避対象車MKの追い越しが可能であるか否かを判定する。
【0104】
このようにすると、自車Mが回避経路を案内された場合に所定の地点で回避対象車MKを追い越せるか否かを判定することができる。
【0105】
なお、本変形例においても、前述の第1変形例と同様に、回避対象車MKが通過する可能性のある到達経路を予測して、それを回避するように回避経路を探索してもよい。
【0106】
上記変形例におけるナビゲーション装置100においては、上述した構成に加えてさらに、前記回避探索制御手段44は、前記自車Mの前記初期経路に関係する渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段S105と、この渋滞情報取得手段S105により取得した前記渋滞情報に基づいて、前記自車Mの前記初期経路が渋滞していると判定した場合には、前記回避経路の探索を中止するように、前記経路探索手段41を制御する。
【0107】
このようにすると、自車Mの到達予測時間が急に延長された原因が特定の1台の前方車両によるものではなく渋滞によるものであることが予想できるため、1台の回避対象車MKを回避するための回避経路の探索処理を省略することができ、ナビゲーション装置の負荷を軽減することができる。
【0108】
(3)運転者が任意に指定した前方車両を回避対象車MKとして検出する場合
上記実施形態、第1変形例及び第2変形例では、前方車両のうちでセンサデータに基づいて特定した車両を回避対象車MKとして検出していたが、これに限られずに、例えば前方車両のうちで運転者が任意に指定した車両を回避対象車MKとして検出してもよい。
【0109】
本変形例では、前方車両のうちで例えば無理な荷物の積載をしている小型トラックや、見るからに乱暴な運転の車などが走行していることにより運転者が不安を感じた場合には、運転者が任意にその車両を回避対象車MKとして検出し、対応する回避経路を探索、案内するものである。
【0110】
図19は、本変形例において上記回避経路予測探索処理の代わりに実行する回避経路入力探索処理の手順例を示すフローチャートであり、上記図14に対応する図である。なお、このフローは、既に誘導経路が案内されている間に所定の時間間隔で割り込み処理により呼び出されて実行される。
【0111】
この図19のフローは概略的に図14のフローとほぼ同じであり、基本的には図14のフローにおけるステップS5とステップS10の間に新たに設けたステップS7を行う点で異なっているのみである。そしてこのステップS7では、タッチパネル21などを介して運転者から任意に前方車のうちの1台を回避対象車MKとして指定する操作が行われたか否かを判定する。具体的には、例えばカメラ23で撮影された前方車を含む前方視野画像31をディスプレイ15上に表示して、タッチパネル21上の接触により1台の前方車を回避対象車MKとして指定する信号(回避対象車指定信号に相当)をCPU7に入力するなどの方法がある。この場合、タッチパネル21は回避対象車指定信号入力手段に相当する。運転者から任意に回避対象車MKを指定する操作が行われなかった場合、そのままこのフローを終了する。一方、運転者から任意に前方車のうちの1台を回避対象車MKとして指定する操作が行われた場合、次のステップS10へ移る。他の手順については、図14と同様であり、説明を省略する。
【0112】
本変形例では、ナビゲーション装置100が、このように運転者から任意に指定された前方車両を回避対象車MKとして検出し、この回避対象車MKの後続位置から回避するための回避経路を探索することができる。
【0113】
上記第3変形例におけるナビゲーション装置100においては、前記回避対象車検出手段21は、乗員からの指示操作により前記回避対象車MKを指定する回避対象車指定信号を入力する回避対象車指定信号入力手段21(タッチパネルに相当)を有する。
【0114】
このようにすると、センサデータに拘わらず運転者が任意に指定した前方車を回避対象車MKとして検出することができ、回避経路を案内することで快適な運転を確保することができる。
【0115】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】ナビゲーション装置を含むナビゲーションシステムの構成例を示すシステム構成図である。
【図2】図1に示すナビゲーション装置の電気的なハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】ナビゲーション装置を搭載する車両の構成例を示す斜視図である。
【図4】図3に示すカメラの構成例を示す図である。
【図5】図4に示すカメラをA−A′面における構成例を示す断面図である。
【図6】図2に示すナビゲーション装置において動作するナビゲーションプログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図7】自車のカメラによって、その直前を走行する回避対象車を撮影する様子を表す側面図である。
【図8】カメラによって撮影された前方視野画像から、回避対象車を検出する方法について説明する図である。
【図9】回避経路探索処理の手順例を示すフローチャートである。
【図10】回避経路の一例を観念的に示した図である。
【図11】ディスプレイ上における回避経路と案内の問い合わせの表示の一例を示した図である。
【図12】カメラによって撮影された前方視野画像から、回避対象車を検出する方法について説明する図である。
【図13】ナビゲーションプログラムのソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【図14】回避経路予測探索処理の手順例を示すフローチャートである。
【図15】サーバが回避対象車の目的地を予測する手順を視覚的に表した様子の一例を示す図である。
【図16】回避経路の一例を観念的に示した図である。
【図17】ディスプレイ上における回避経路と案内の問い合わせの表示の一例を示した図である。
【図18】回避経路算出探索処理の手順例を示すフローチャートである。
【図19】回避経路入力探索処理の手順例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
1 ナビゲーションシステム
3 車速パルス検出器(自車速度検出手段、回避対象車速度検出手段、回避対象車検出手段に相当)
21 タッチパネル(回避対象車指定信号入力手段、回避対象車検出手段に相当)
23 カメラ(撮影手段、回避対象車検出手段に相当)
41 経路探索部(経路探索手段に相当)
42 誘導部(誘導手段に相当)
44 制御部(回避探索制御手段に相当)
100 ナビゲーション装置
M 自車
MK 回避対象車
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
自車の前方を走行する前方車のうち、回避の対象とする車(以下、回避対象車と称する)を検出する回避対象車検出手段と、
前記経路探索手段に対し、前記自車が最終的に到達するべき目的地までの初期経路とは別の、前記回避対象車を回避するための回避経路の探索を行うように制御する回避探索制御手段と、
前記経路探索手段により探索された前記初期経路及び前記回避経路に従って前記自車を誘導する誘導手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記回避対象車検出手段は、
乗員の前方視野中における前記前方車の投影像の大きさに基づいて前記回避対象車を検出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記回避対象車検出手段は、
乗員の前方視野中において最も上方で視認可能な視線である上方視認限界線と、前記前方車の上方端部を視認する視線である前方車上端視認線との間の視認線偏差角に基づいて前記回避対象車を検出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記回避対象車検出手段は、
前記前方車の走行速度に基づいて前記回避対象車を検出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーション装置において、
前記自車の走行速度を検出する自車速度検出手段を有し、
前記回避対象車検出手段は、
前記回避対象車の走行速度を検出する回避対象車速度検出手段を有し、
前記回避探索制御手段は、
前記自車速度検出手段で検出された前記自車の走行速度と、前記回避対象車速度検出手段で検出された前記回避対象車の走行速度とに基づいて、前記自車の前記初期経路上の所定の地点に前記回避対象車が到達するまでの移動時間と、前記自車が前記回避経路を走行した場合に前記所定の地点に到達するまでの移動時間との比較に基づいて、前記自車による前記回避対象車の追い越しが可能であるか否かを判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5記載のナビゲーション装置において、
前記回避探索制御手段は、
前記自車の前記初期経路に関係する渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、
この渋滞情報取得手段により取得した前記渋滞情報に基づいて、前記自車の前記初期経路が渋滞していると判定した場合には、前記回避経路の探索を中止するように、前記経路探索手段を制御することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記回避対象車検出手段は、
乗員からの指示操作により前記回避対象車を指定する回避対象車指定信号を入力する回避対象車指定信号入力手段を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれかに記載のナビゲーション装置において、
前記回避対象車検出手段は、
前記乗員の前方視野と略同等の前方視野画像を撮影する撮影手段を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8に記載のナビゲーション装置において、
前記回避探索制御手段は、
前記撮影手段が撮影した前記前方視野画像から前記回避対象車に関連する回避対象車関連情報を取得し、この回避対象車関連情報に基づいて当該回避対象車の目的地までの到達経路を予測する到達経路予測手段を有し、この到達経路予測手段により予測された前記到達経路をできるだけ通過せず前記回避経路を探索するように、前記経路探索手段を制御することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーション装置において、
前記回避探索制御手段は、
前記自車の前記初期経路と、前記到達経路予測手段により予測された当該到達経路との分岐が、前記自車の現在地から所定距離以内にあると判定した場合には、前記回避経路の探索を中止するように、前記経路探索手段を制御することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項1】
現在地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
自車の前方を走行する前方車のうち、回避の対象とする車(以下、回避対象車と称する)を検出する回避対象車検出手段と、
前記経路探索手段に対し、前記自車が最終的に到達するべき目的地までの初期経路とは別の、前記回避対象車を回避するための回避経路の探索を行うように制御する回避探索制御手段と、
前記経路探索手段により探索された前記初期経路及び前記回避経路に従って前記自車を誘導する誘導手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記回避対象車検出手段は、
乗員の前方視野中における前記前方車の投影像の大きさに基づいて前記回避対象車を検出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記回避対象車検出手段は、
乗員の前方視野中において最も上方で視認可能な視線である上方視認限界線と、前記前方車の上方端部を視認する視線である前方車上端視認線との間の視認線偏差角に基づいて前記回避対象車を検出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記回避対象車検出手段は、
前記前方車の走行速度に基づいて前記回避対象車を検出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーション装置において、
前記自車の走行速度を検出する自車速度検出手段を有し、
前記回避対象車検出手段は、
前記回避対象車の走行速度を検出する回避対象車速度検出手段を有し、
前記回避探索制御手段は、
前記自車速度検出手段で検出された前記自車の走行速度と、前記回避対象車速度検出手段で検出された前記回避対象車の走行速度とに基づいて、前記自車の前記初期経路上の所定の地点に前記回避対象車が到達するまでの移動時間と、前記自車が前記回避経路を走行した場合に前記所定の地点に到達するまでの移動時間との比較に基づいて、前記自車による前記回避対象車の追い越しが可能であるか否かを判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5記載のナビゲーション装置において、
前記回避探索制御手段は、
前記自車の前記初期経路に関係する渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、
この渋滞情報取得手段により取得した前記渋滞情報に基づいて、前記自車の前記初期経路が渋滞していると判定した場合には、前記回避経路の探索を中止するように、前記経路探索手段を制御することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記回避対象車検出手段は、
乗員からの指示操作により前記回避対象車を指定する回避対象車指定信号を入力する回避対象車指定信号入力手段を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれかに記載のナビゲーション装置において、
前記回避対象車検出手段は、
前記乗員の前方視野と略同等の前方視野画像を撮影する撮影手段を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8に記載のナビゲーション装置において、
前記回避探索制御手段は、
前記撮影手段が撮影した前記前方視野画像から前記回避対象車に関連する回避対象車関連情報を取得し、この回避対象車関連情報に基づいて当該回避対象車の目的地までの到達経路を予測する到達経路予測手段を有し、この到達経路予測手段により予測された前記到達経路をできるだけ通過せず前記回避経路を探索するように、前記経路探索手段を制御することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項9に記載のナビゲーション装置において、
前記回避探索制御手段は、
前記自車の前記初期経路と、前記到達経路予測手段により予測された当該到達経路との分岐が、前記自車の現在地から所定距離以内にあると判定した場合には、前記回避経路の探索を中止するように、前記経路探索手段を制御することを特徴とするナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−107410(P2010−107410A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280831(P2008−280831)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】
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