ナビゲーション装置
【課題】 専用の盗難防止装置を付加することなく、既存のナビゲーション装置を利用して盗難防止を実現することにより、盗難防止装置として使用できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 車両の車体に取り付けられるベースユニット10と、このベースユニットに着脱自在に取り付けられてベースユニット10に接続され、フロントパネルに地図データを表示すると共に地図データ上に当該車両の位置を表示するナビゲーション機能を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置であって、ベースユニット10とフロントパネルユニット14が接続されたことを確認する認証を行い、確認されたときに車両の電気制御装置の作動を許容する認証ユニット30を備える。
【解決手段】 車両の車体に取り付けられるベースユニット10と、このベースユニットに着脱自在に取り付けられてベースユニット10に接続され、フロントパネルに地図データを表示すると共に地図データ上に当該車両の位置を表示するナビゲーション機能を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置であって、ベースユニット10とフロントパネルユニット14が接続されたことを確認する認証を行い、確認されたときに車両の電気制御装置の作動を許容する認証ユニット30を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて目的地に到達するための情報(方向、地図、経路など)を運転者に伝達するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなナビゲーション装置は、当初、車両に一体的に固定されるタイプに限られていたが、近時は持ち運びできる携帯型も提案されている。また、ナビゲーション機能の部分のみを着脱可能にして、使い勝手の良さを一層向上させた分離型のナビゲーション装置も提案されている。このタイプのナビゲーション装置は、車両の運転席の前方に設置される機器、例えばオーディオ装置と一体型の本体(ベースユニット)と、この本体から着脱可能に構成された部分(フロントパネルユニット)とを備える。この着脱可能な部分は、本体から取り外してもナビゲーション機能を有するため、本体を装着している車両以外での利用や自宅での目的地探索なども可能である。
【0003】
一方、自動車を初めとする車両は、盗難防止を図ることが不可欠である。その盗難防止機能を向上させる手段として、例えば、専用のIDカード(特許文献1参照)或いは免許証カード(特許文献2参照)を所定のカード受入装置に挿入すると、盗難防止のためのロック機能が解除されて、イグニッションキーの操作が有効になり、エンジンの始動を可能にするものが提案されている。
【特許文献1】特開2004−114890公報
【特許文献2】特開2006−273301公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、最近の車両においては、運転席の前方にオーディオ装置等の機器に加えて上記のナビゲーション装置も設けられるため、盗難防止用のカード受入装置を取り付けるためのスペースを確保することが困難で、その取付けに当っては、操作性や運転席の周辺のデザイン性を犠牲にせざるを得なかった。
【0005】
そこで、本発明者らは、盗難防止機能を実現する機器として、近年多くの自動車が搭載しているナビゲーション装置を利用することに着目した。従って、本発明は、専用の盗難防止装置を付加することなく、既存のナビゲーション装置を利用して盗難防止を実現すること、それによって盗難防止装置として使用できるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、車両の車体に取り付けられるベース部と、該ベース部に対して着脱自在に取り付けられて該ベース部に接続され、フロントパネルに地図データを表示すると共に該地図データ上に当該車両の位置を表示するナビゲーション機能を有する表示部とを備えたナビゲーション装置において、
前記ベース部と前記表示部が接続されたことを確認する認証を行い、確認されたときに当該車両の電気制御装置の作動を許容する認証装置を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、分離型のナビゲーション装置のベース部に表示部が接続されたことが確認されたときに、車両の電気制御装置の作動を許容するので、従来のキーによるセキュリティ機能を大きく向上させることとなる。そのための構成として、既存のナビゲーション装置を利用して盗難防止を図ることができるので、盗難防止装置のために新たに設置スペースをとる必要が無い。
【0008】
(2)本発明において、認証ユニットは、例えば、前記表示部と前記ベース部を電気的に接続するコネクタで構成することができる。その場合、認証は、該コネクタによる接続が確認されることである。
【0009】
(3)或いは、認証ユニットは、認証コードに基づいて認証を行うものとすることができる。
【0010】
(4)認証コードは、前記ベース部と前記表示部にそれぞれ記憶されるコードからなり、認証コードによる認証は、前記表示部が前記ベース部に接続されたときに、前記ベース部に記憶された認証コードと前記表示部に記憶された認証コードとが予め定めた関係にあることを確認することで行われる。
【0011】
認証コードとしては、例えば、前記ベース部が備えるメモリに記憶される車両固有コード、又は前記表示部が備えるメモリに記憶されるキーコードを用いることができる。
【0012】
(5)認証ユニットは、表示部がベース部から取り外されているときに、表示部に現在の認証コードを入力することで認証コードの変更(削除又は追加)を可能とすることが好ましい。このように複数の条件を設けることで、認証コードが安易に変更されるのを防止できる。
【0013】
また、上記の認識コードに加えて、前記表示部を外したときの車両の位置情報をベース部と表示部に記憶させ、認証を行うときにその位置情報を照合することが好ましい。これにより、車両が牽引等によって盗難された場合、盗難された位置に車両を戻さなければ認証コード変更ができないので、極めて高い盗難防止が可能となる。
【0014】
(6)認証コードは、予め設定された位置情報の位置でのみ認証コードの変更が可能な設定とすることが好ましい。
【0015】
例えば、車両が試乗車又はレンタカーの場合は、不特定人が利用するので、イグニッションキー等は簡単に複製される。そのため、車両は盗難されやすいが、上記の予め設定された位置でのみ認証コードの変更が可能とすることにより、予め設定したエリア以外では認証コードを変更できない。これにより、同様のナビゲーション装置を持っていても、店が設定したエリアでしか認証コードの変更ができない。このため、セキュリティ効果をより高くすることができる。
【0016】
加えて、エリア設定により、複数の車両や系列店の車両についても複数のエリアコードを事前に登録しておくことで、特にレンタカーの乗り捨てサービスを行う店で、認証コードの変更が可能となり、盗難防止管理が容易になる。
【0017】
(7)本発明のナビゲーション装置においては、車両に取り付けられた撮像装置と、その画像信号を送信する送信機とを備え、該画像信号に認証コードを付加して、取り外された表示部に送信するように構成できる。
【0018】
この構成によれば、車両に取り付けられた撮像装置からの信号を、取り外されたフロントパネルユニットに送信することで、住居内に持ち込んだ表示部を使って車両近辺を監視できる。新たに監視カメラやモニタを設ける必要が無く、盗難の防止や抑止効果が期待でき、しかもその情報の秘匿性も簡単に確保できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、表示部が取り外し自在なナビゲーション装置を、車両のイグニッションキーとするようなものであり、従来の機械式イグニッションキーとナビゲーション装置の暗号キーとを組み合わせることで、盗難防止性能を向上させることができる。
【0020】
例えば、他人に利用させる自動車を保有する自動車ディーラーの試乗車やレンタカー事業者の車両のイグニッションキーが模写されても、ナビゲーション装置の暗号キーを適宜変更することによって盗難防止を図ることができる。
【0021】
また、ナビゲーション装置の地図情報と現在位置(自動車販売店やレンタカー店)を比較することで始動の可否を判断することができる。
【0022】
盗難された場合でも、通信機能を備えたナビゲーション装置であれば、車両の現在位置を容易に把握できるので、盗難を抑止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態について説明する。
【0024】
図1は、第1の実施形態に係るナビゲーション装置のベース部を構成するベースユニットと、これに着脱自在な表示部を構成するフロントパネルユニットとを備えた正面側の斜視図、図2は、フロントパネルユニットの背面側の斜視図、図3は、フロントパネルユニット(背面側)とクレードルユニットとクレードルユニット取付用アームの斜視図である。図4は、それを搭載した状態を示す説明図であり、図5は、車両の運転席付近の説明図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態のナビゲーション装置は、車両Aのダッシュボードに固定或いは内蔵される(固定自在)と共に、車両Aの電源(バッテリ)から動作電源を供給されるベースユニット10と、車両Bのダッシュボードに固定される(固定自在)と共に、車両Bの電源(バッテリ)から動作電源を供給されるクレードルユニット12と、ベースユニット10或いはクレードルユニット12に着脱自在なフロントパネルユニット14とを備える。この場合、車両Aと車両Bは共に自動車である。
【0026】
ベースユニット10とクレードルユニット12は、それぞれ本発明におけるベース部を構成する。後述のように、各ユニット10,12は、EEPROM、AM・FM・TVチューナ、DVD録再生装置等の電子回路を備えると共に、車両に設けられたGPS装置、車速検出装置、トランスミッションスイッチ、チューナ用外部アンテナ、ETC装置等の電気機器に接続されている。
【0027】
フロントパネルユニット14は、後述のように、液晶パネルの他、ナビマイコン、RAM、FLASH、Bluetoothモジュール、メモリカード、無線モジュール等を備えており、本発明における表示部を構成する。
【0028】
本実施形態のナビゲーション装置においては、ベースユニット10とフロントパネルユニット14の組み合わせを基本とする。ただし、応用例として、フロントパネルユニット14をクレードルユニット12に組み付けるようにしてもよい。図4に示すように、ベースユニット10−1,10−2,10−3,...、或いはクレードルユニット12−1,12−2,12−3,...を、対応する車両A1,A2,A3,...或いは車両B1,B2,B3,...に着脱自在とし、更に、ユーザは、フロントパネルユニット14の画面設定を自分専用に前もって設定し、車両ごとのベースユニット10又はクレードルユニット12のID番号に合わせて切り替えて使用することで、本装置の利便性を向上させることができる。
【0029】
ベースユニット10は、全体としてボックス状のケース10aを備え、その内部には、車両Aのオーディオ機器を操作自在なマイクロコンピュータなどを戴置する基板などが収容される。ケース10aの前面は、2DIN(ドイツ工業規格)サイズに形成され、そこには凹部10bが形成される。
【0030】
フロントパネルユニット14は、ベースユニット10の前面とほぼ同じサイズか又は若干大きいプレート状のケース14aを備えると共に、ケース14aの前面には、地図データを表示する液晶パネル(ディスプレイ)14bのほか、ユーザ(操作者)の操作自在に設けられたスイッチ類、例えば目的地入力スイッチ14c、現在地入力スイッチ14d等と、“i−pod”(登録商標)及びオーディオ機器に接続するためのジャック14e及び14fとを備える。液晶パネル14bには、ユーザ(操作者)がタッチした位置を検出できるタッチパネルが設けられるが、これについては後述する。
【0031】
フロントパネルユニット14は、ベースユニット10の凹部10bに着脱自在に構成される。以下、その着脱動作について説明する。
【0032】
先ず、装着のために、フロントパネルユニット14の背面には、図2に示すように、左側に固定爪14gが形成されると共に、右側に可動のキャッチレバー14hが配置される。ベースユニット10の凹部10bには、右側に可動のロックレバー10cが配置されると共に、左側には固定爪10dが形成され、フロントパネルユニット14が装着されるとき、それぞれフロントパネルユニット14のキャッチレバー14hと固定爪14gと嵌合する。
【0033】
図1に示すように、ベースユニット10の凹部10bにはコネクタ10eが設けられ、フロトパネルユニット14は、ベースユニット10に装着されると、コネクタ10eを通じて車両Aの電源(バッテリ)から動作電源を供給されると共に、GPS信号受信装置20などの各種センサ及びAV機器のデータと制御信号などが送受される。コネクタ10eの電気接点のうち左右の電気接点は、グラウンド接点となっている。
【0034】
次に、取外しについて説明する。フロントパネルユニット14には、ジャック14e,14fの下部にデタッチボタン14iが設けられる。ベースユニット10に装着された状態で、ユーザによってデタッチボタン14iが押されると、その動きは、ベースユニット10に配置されたデタッチノブ10fを介して、ロックレバー10cに伝えられ、ロックレバー10cが外方に移動されて、固定爪との嵌合が解かれる。
【0035】
フロントパネルユニット14の左側のキャッチレバー14hは、スプリング力で外方(図2で右側)に付勢されてベースユニット10の固定爪10dと嵌合されているに過ぎないので、左側が開放されて、ユーザによってフロントパネルユニット14が(図1で)右方向に少し移動させられると、ベースユニット10との嵌合が解かれる。よって、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外すことができる。
【0036】
図1に示すように、ベースユニット10の前面の凹部10bには、リリースレバー10gが配置される。リリースレバー10gは、スプリングを弾装されたキックレバー(共に図示せず)を介してフロントパネルユニット14が装着されるとき、それを押し出す方向に付勢される。リリースレバー10gには、パネルユニット検出スイッチ(図示せず)が取り付けられ、リリースレバー10gの位置(すなわち、フロントパネルユニット14の着脱)に応じた出力として、例えば、フロントパネルユニット14が装着されるときオン信号、取り外されるときオフ信号を生じる。
【0037】
図2及び図3に示すように、フロントパネルユニット14の背面には、クレードルユニット12が着脱自在に取り付けられる。フロントパネルユニット14とクレードルユニット12の着脱機構(図示省略)は、図1を参照して説明したフロントパネルユニット14とベースキャッチレバーなどを介して、クレードルユニット12に取り外し自在に装着される。クレードルユニット12にも、パネルユニット検出スイッチが配置される。
【0038】
クレードルユニット12は、クレードルユニット取付用アーム16を介して車両Bのダッシュボードに固定される。クレードルユニット12はフロントパネルユニット14のケース14aより高さにおいて小さく、奥行きにおいて大きいケース12aを備え、その内部にはマイクロコンピュータなどを戴置する基板などが収容される。
【0039】
図5に示すように、フロントパネルユニット14は、車両A又はBの運転席付近、例えば、ダッシュボードに内蔵されるベースユニット10に装着されるか或いはクレードルユニット12を介してダッシュボードに配置されるが、いずれの場合であっても、フロントウインドウ18に近い高さに配置される。
【0040】
より具体的には、フロントパネルユニット14は、ベースユニット10に装着されるとき、フロントパネルユニット14の液晶パネルの長手方向中心線14bcが、(平均的な座高を有する)ユーザから見て、ステアリングホイールSWの回転中心SWcより僅かに、また、ステアリングシャフトのダッシュボード面位置(ほぼフロントパネルユニット14の前面位置)での回転中心SHcよりかなり高い位置に配置される。つまり、回転中心SHcは、フロントパネルユニット14の下面寄りに配置される。尚、符号SLは、変速機のシフトレバーを示す。
【0041】
本実施形態のナビゲーション装置においては、上記のように、フロントパネルユニット14がベースユニット10又はクレードルユニット12と着脱自在に構成されると共に、後述のコネクタの接続或いは認証コードにより、フロントパネルユニット14がベースユニット10又はクレードルユニット12と接続されたことを確認する認証を行い、その接続が確認されると車両の電気制御装置の作動を許容する認証ユニット30(図6A)が設けられる。
【0042】
図6Aは、フロントパネルユニット14とベースユニット10の内部構成を示し、図6Bは、フロントパネルユニット14とクレードルユニット12の内部構成を示すブロック図である。
【0043】
図6Aに示すように、フロントパネルユニット14は、マイクロコンピュータ(「ナビマイコン」という)14mを備え、ベースユニット10は、マイクロコンピュータ(「システムマイコン」という)10iを備える。また、図6Bに示すように、クレードルユニット12は、マイクロコンピュータ(「クレードルマイコン」という)12bを備える。フロントパネル側のナビマイコン14mは、システムマイコン10i又はクレードルマイコン12bの数倍の処理能力を備える。
【0044】
図6Aにおいて、ベースユニット10は、システムマイコン10iに加えて、車両Aに取り付けられたアンテナ10jを介して交通情報を受信する交通情報モジュール(VICS)10kと、車両Aの車載オーディオ機器(AM/FMラジオなど。図示せず)への放送電波を受信するチューナ10lと、車載オーディオ機器の動作を制御するオーディオ(Audio)回路ブロック10mと、DVDなどの映像をフロントパネルユニット14の液晶ディスプレイ14bに表示させるためのビデオ(Video)回路ブロック10nと、システムマイコン10iと相互通信して動作し、ディスクから映像信号を読み取り、映像信号を復調してビデオ回路ブロック10nにアナログ信号としてオクルDVDモジュール10oと、図示しないアンテナを介して地上デジタル放送を受信するワンセグ(1SEG)TVチューナ10pと,不揮発性メモリからなるEEPROM10qと、フロントパネルユニット14(具体的には、フロントパネル側のコネクタ)と電気的に接続するためのコネクタ10zとを備える。
【0045】
更にベースユニット10は、ジャイロセンサ(以下、単に「ジャイロ」という)24を備え、これと、車体側に設けた、GPS(Global Positioning System)信号を受信するGPS信号受信装置(以下、単に「GPS」という)20、車輪速センサ(「SPEED PLS」という)22、及びリバースギヤスイッチ(「REVERSE」という)26とが、システムマイコン10i接続されている。リバースギヤスイッチ26は、変速機或いは変速機のシフトレバー30(図5)に接続される。
【0046】
GPS信号受信装置20は、アンテナ20aを備え、アンテナは、ベースユニット10のケース10a或いはダッシュボードやメータバイサなどの適宜位置に取り付けられる。
【0047】
尚、フロントパネルユニット14がベースユニット10から取り外されてクレードルユニット12に装着されるとき、クレードルユニット12のケース12a或いはクレードルユニット取付用アーム16の適宜位置などに取り付けられたものを利用する。
【0048】
車輪速センサ22は、車両Aのドライブシャフト(図示せず)付近に配置され、ドライブシャフト、すなわち車輪(タイヤ)の所定回転角度ごとにパルス信号を出力する(すなわち、車両Aの車輪の回転速度を検出する)。
【0049】
ジャイロセンサ24は、ベースユニット10のケース10aの内部に配置され、車両Aの重心位置における鉛直軸回りの角速度(ヨーレート)に応じて電圧が変化する出力を生じる。すなわち、車両Aの鉛直軸(具体的には、X,Y,Zの3軸)回りの角速度(ヨーレート)を検出する。
【0050】
また、ジャイロセンサ24は、車両Aと同様な振動を受けるようにケース10aの内部の適宜な基板上に縁部に近接して配置されると共に、取付け角度によっても感度が変化するため、車両Aに取り付けた後に取付け角度が計測されてEEPROM10qに格納される。
【0051】
リバースギヤスイッチ26は、車両Aの変速機(図示せず)又はシフトレバー30(図5)の適宜位置に配置され、車両Aを後進させるリバースギヤが係合(オン)するか、或いはシフトレバー30がR位置にあるとき、すなわち、車両Aが後進走行しようとするとき、オン信号を出力する。
【0052】
フロントパネルユニット14は、ナビマイコン14mに加え、RAM14nと、ナビゲーション用の地図データなどを格納するFLASHメモリ14oと、ケース14aに取り付けられたアンテナ14pを介して携帯電話ハンズフリーマイクとの間で2.45GHzの電波を送受信するBT(Bluetooth)モジュール14qと、メモリカード14rと、液晶パネル14bの上に配置されたタッチパネル14sと、その動作を制御するタッチパネルマイコン14tと、液晶表示のための各種同期信号を生成するタイミングコントローラ14uと、ベースユニット10のビデオ回路ブロック10nなどの入出力を行うビデオスイッチ14vと、ケース14aに取り付けられたアンテナ14wを介してリアカメラとからの画像データを同様の周波数帯域の電波で受信する無線モジュール14xと、ベースユニット10(具体的には、ベースユニット側のコネクタ10z)と電気的に接続するためのコネクタ14zとを備える。
【0053】
BTモジュール(近距離送受信モジュール)14qと、無線モジュール(画像データの受信専用モジュール)14xは、例えばケース14aの背面に配置される。
【0054】
図6Aに示す構成において、車両側でGPS信号を受信する受信装置20は、ベースユニット10の側に設置され、GPS信号から得られる位置情報を、車輪速センサ22とジャイロセンサ24とリバースギヤスイッチ26の出力と共に、システムマイコン10iで並べ替え統合して、ナビマイコン14mに送出する。
【0055】
ナビマイコン14mは、GPS信号に基づいて車両Aの位置を最初に取得した後、車輪速センサ22とジャイロセンサ24の出力で補正する。このように、ナビマイコン14mは自律航法に従って車両Aの位置を測位する。自律航法に従って測位された自車位置は所定時間ごとにFLASHメモリ14o及び/又はEEPROM10qに保存され、車両Aのエンジンが始動されて電源が投入された後、直ちに現在位置を推定できるようにする。
【0056】
システムマイコン10iとナビマイコン14mとの間では、信号線(シリアルデータライン)を介して低速デジタル信号が送受される一方、ワンセグTVチューナ10pを介して入力された映像信号は、別のデータ線を介して、高速デジタル信号としてフロントパネルユニット14に送出される。
【0057】
これに対し、DVDモジュールや外部から入力される映像信号は、ベースユニット10のビデオ回路ブロック10nに入力された後、信号線を介してアナログ信号としてフロントパネルユニット14のビデオスイッチ14vに送られる。ビデオスイッチ14vの出力は、デジタル信号としてナビマイコン14mに送出されると共に、ナビマイコン14mからの制御信号も入力される。更に、無線モジュール14xの画像信号を、ビデオスイッチ14vを介してビデオ回路ブロック10nに送り、外部端子から他の映像装置に送って見せたり記録させたりしてもよい。
【0058】
次に、図6Bを参照して、クレードルユニット12の内部構成を説明する。
【0059】
クレードルユニット12は、クレードルマイコン12bに加え、クレードルユニット12に内蔵されるスピーカへの音声入出力を制御するオーディオ(Audio)回路ブロック12cと、アンテナ12dを介してオーディオモジュールの出力を電波で送信するFMトランスミッタ12eと、不揮発性メモリからなるEEPROM12fと、アンテナ12gを介して地上デジタル放送を受信するワンセグ(1SEG)TVチューナ12hと、フロントパネルユニット14(具体的には、フロントパネル側のコネクタ14z)と電気的に接続するためのコネクタ12zとを備える。
【0060】
尚、前述のように、フロントパネルユニット14がベースユニット10から取り外されてクレードルユニット12に装着されるとき、GPS信号受信装置20のアンテナ20aは、車両Bのものを利用する。
【0061】
クレードルマイコン12bは、GPS信号から得られる位置情報をフロントパネルユニット14のナビマイコン14mに送出し、ナビマイコン14mは、GPS信号のみに基づいて、車両Bの位置を測位する。
【0062】
本発明によれば、ナビゲーション装置は、次のような認証ユニットを備える。
【0063】
図6Aに示す実施形態では、ベースユニット10のコネクタ10zとフロントパネルユニット14のコネクタ14zとの接続及び/又はベースユニット10からのフロントパネルユニット14の取外しを検知するために、認証ユニット30が、ベースユニット10のコネクタ10zに電気的に接続されると共に、システムマイコン10iにも接続されている。
【0064】
この認証ユニット30は、ベースユニット10とフロントパネルユニット14が接続されたときに、コネクタ10zからの電気信号に応じて認証を行い、ベースユニット10とフロントパネルユニット14との接続が確認されると、車両の電気制御装置40の作動を許容する信号を出力する。この信号は、電気制御装置40に供給されると共に、BT(Bluetooth)モジュール31とアンテナ32を含む通信装置を介して、携帯電話などの外部機器に送信される。
【0065】
車両の電気制御装置40は、例えばイグニッション回路、イモビライザ装置、燃料噴射装置等、所定の対象を制御する電気回路や、車載機器の動作プログラムを格納した処理装置その他のハードウェアを含む。
【0066】
認証ユニット30は、前述のようにベース部を構成するベースユニット10又はクレードルユニット12と、表示部を構成するフロントパネルユニット14とを電気的に接続するコネクタ10z、12z、14zのほか、グランド接点に接続してもよく、それらコネクタの接続やフロントパネルユニット14の取外しを検知するスイッチの状態を検出して、簡易に認証を行うことができる。
【0067】
更に認証の精度を高めるために、フロントパネルユニット14に内蔵したメモリ(FLASHメモリ14o)に記述された認証コードと、ベースユニット10、クレードルユニット12又は車両に設けられたメモリ(EEPROM10q、12fなど)に記述された認証コードとを用いて、認証ユニット30が内蔵した認証プログラムに従って認証するように構成される。
【0068】
この場合、ベースユニット10、クレードルユニット12、フロントパネルユニット14にそれぞれ認証コードが設けられ、その認証コードの送受信は、前述のようにフロントパネルユニット14とベースユニット10又はクレードルユニット12とを電気的に接続するコネクタ14zと10z又は12zの接続、或いはBTモジュール31等の通信装置を介して行うことができる。
【0069】
認証コードとしては、例えば、車両に設けられたメモリに記憶される車両固有コード、或いはフロントパネルユニット14が備えるメモリに記憶されるキーコードを用いることができる。
【0070】
ここで、認証コードによる認証には、例えば、特開2001−65209公報に開示された認証装置で実行される方法を用いることができる。
【0071】
それは、送信機が送信ボタンの押し下げに応答して可変コードを送信し、送信ボタンが所定数のサイクルにわたって連続して押し下げられることに応答して、可変コードとともに送信機に固有の識別コードを送信する一方、受信機が送信機から可変コードを受信するとき、記憶手段に記憶されている可変コードと比較し、両者が予め定めた関係にあるかどうかの第1判定を行い、送信機から可変コードとともに識別コードが受信されるならば、受信した識別コードを記憶手段に記憶されている識別コードと比較し、両者が一致するかどうかの第2判定を行う。そして、第1判定が肯定であるときに、受信した可変コードで記憶装置の可変コードを上書きし、第1判定が否定で第2判定が肯定であるときに所定の処理を行う、というものである。
【0072】
上記の認証方法を用いる場合、認証ユニット30は、フロントパネルユニット14がベースユニット10又はクレードルユニット12と接続されたことを、送信ボタンの押し下げ動作又は日付の変化に読み替えて確認する認証を行い、確認されたときに車両の電気制御装置の作動を可能にする。
【0073】
このような認証コードを用いて認証を行う場合には、認証ユニット30は、以下のような認証処理に加えて、認証コードを変更(削除、追加)する処理、及び認証コードを付加して送信する処理を行う機能を備える。
【0074】
その場合、認証ユニット30は、それらの処理を行う認証プログラム(ソフトウェア)、又はそれを格納した処理装置(CPU)のようなハードウェアのいずれでもよい。また、そのいずれも、ベースユニット10のシステムマイコン10iとクレードルユニット12のクレードルマイコン12bの一方又は両方に組み込まれるか、或いは別途設けられる専用の電子回路でもよい。更に、認証コードの変更処理は、販売店や自宅に設置したクレードルユニットの機能を備えたコンピュータで実行してもよい。
【0075】
認証ユニット30の処理がコンピュータで実行される場合、以下で説明する図6C〜6Fのフローチャートで示される処理は、後述の割り込み処理(図25)によって行われる。
【0076】
以下、認証ユニット30によって実行される処理について説明する。
【0077】
図6Cは、認証処理を示すフローチャートである。
【0078】
初めに、S40において「認証モード」か否かを判断し、肯定されるときはS41に進み、表示部(本実施形態の場合、フロントパネルユニット14)が装着済みか否かを判断し、肯定されるときはS42に進み、GPSによる位置情報が予め設定したエリア内か否かを判断し、肯定されるときはS43に進み、認証コードが正しいか否かを判断し、肯定されるときはS44に進み、車両コードが正しいか否かを判断し、肯定されるときはS45に進み、車両の電気的装置の動作許可信号を送信(動作許可フラグをセット)して、この処理を終了する。
【0079】
一方、S40〜44の各判断で否定のとき、この処理を終了する。
【0080】
図6Dは、認証コード削除処理を示すフローチャートである。
【0081】
初めに、S50において「認証コード削除」モードか否かを判断し、肯定されるときはS51に進み、表示部(本実施形態の場合、フロントパネルユニット14)が装着済みか否かを判断し、肯定されるときはS52に進み、GPSによる位置情報が予め設定したエリア内か否かを判断し、肯定されるときはS53に進み、パスワード(暗証番号)が正しいか否かを判断し、肯定されるときはS54に進み、削除する認証コードが登録されているか否かを判断し、肯定されるときはS55に進み、削除する認証コードとエリアコードを認証用メモリから削除して、この処理を終了する。
【0082】
一方、S50〜54の各判断で否定のとき、この処理を終了する。
【0083】
図6Eは、認証コード追加処理を示すフローチャートである。
【0084】
初めに、S60において「認証コード追加」モードか否かを判断し、肯定されるときはS61に進み、表示部(本実施形態の場合、フロントパネルユニット14)が装着済みか否かを判断し、肯定されるときはS62に進み、GPSによる位置情報が予め設定したエリア内か否かを判断し、肯定されるときはS63に進み、パスワード(暗証番号)が正しいか否かを判断し、肯定されるときはS64に進み、新たな認証コードが既に登録されているか否かを判断し、否定されるときS65に進み、新認証コードとエリアコードを併せて認証用メモリに追加して、この処理を終了する。
【0085】
一方、S60〜63の各判断で否定、又はS64の判断で肯定のとき、この処理を終了する。
【0086】
図6Fは、フロントパネルユニット14がベースユニット10から取り外されているとき、後述の撮像装置51(図7)からの画像信号に認証コードを付加して送信する処理を示すフローチャートである。
【0087】
初めに、S70においてフロントパネルユニット14が取り外されたか否かを判断する。これは、前記したパネル検出スイッチの出力から判断する。S70で肯定されるときはS71に進んで、車両のバッテリー充電容量が規定値以上か否かを判断し、否定されるときはS72に進み、バッテリー容量信号を送信(バッテリー容量フラグをセット)して、この処理を終了する。
【0088】
S71で肯定されるときはS73に進み、GPSによる位置情報が予め設定したエリア内か否かを判断し、肯定されるときはS74に進み、認証コードが設定されているか否かを判断し、肯定されるときはS75に進み、「送信禁止状態」か否かを判断し、否定されるときはS76に進み、後述の撮像装置51からのデータ信号を送信(送信許可フラグをセット)して、この処理を終了する。
【0089】
一方、S70で否定、S73で否定、S74で否定、又はS75で肯定のとき、この処理を終了する。
【0090】
この実施形態では、上記のように認証コードによる認証を行うことで、高いセキュリティ効果が得られるようにしているが、上記のコネクタの接続のみで認証を行うようにしてもよい。
【0091】
次に図7に示すように、本実施形態のナビゲーション装置を搭載する車両は、車両の内外を監視するためのモニタ用のデジタルカメラのような撮像装置51と、その撮影画像や事故の状況等を記録するためのドライブレコーダ52とを備える。そして、撮像装置51の画像をドライブレコーダ52に記録すると共に、これに接続した無線モジュール53とアンテナ54からなる送信機から、その画像信号に前述(図6F)のように認証コードを付加して、車両側のベースユニット10から取り外されたフロントパネルユニット14に送信することができる。
【0092】
このように、車両に設置された撮像装置からの画像信号を、ベース部から取り外された表示部(フロントパネルユニット)に送信するように構成することで、例えば、住居内に持ち込んだフロントパネルユニットを使って車両の内外近辺を監視できる。特に、車両に既に搭載されているカメラやドライブレコーダを用いるので、新たに監視カメラやモニタを備える必要が無く、盗難の防止や抑止効果が期待されると共に、認証コードを付加することで監視情報の秘匿性も簡単に確保できる。
【0093】
この実施形態において、撮像装置51としては、CCD、CMOS等のデジタル撮像素子を用いた事故記録用カメラ、サイドビューカメラ、バックモニタカメラ、360度カメラが用いられる。
【0094】
また、デジタル撮像素子とその画像を処理する処理装置(CPU)を備えた撮像装置(デジタルカメラ)には、公知の顔認識機能(ソフトウェア)が組み込まれ、フロントパネルユニット14が外されている場合に、その撮像装置で人間の顔画像を認識したときは、その画像をより精細に記録し且つ送信する。
【0095】
このような撮像装置によれば、これを搭載した車両から送られる画像信号により、車や人等の大型の物の接近や通過を判断できる。更に、その判断前後の画像を含めて画像の変化を送信する送信モードと、撮像した画像を常時送信するモードの選択ができるようにしてもよい。
【0096】
また、フロントパネルユニット14に対する認証コードの設定及び変更は、図7に示すように、店に設置されたクレードルユニット12sにフロントパネルユニット14を装着した状態で行われる。すなわち、クレードルユニット12sにフロントパネルユニット14に装着すると、フロントパネルユニット14に電源が供給されると共に、パソコン15と電気的に接続されるので、パソコン15を操作することで、認証コードの設定及び変更を行うことができる。
【0097】
次に、図6Aに示すナビマイコン14mとシステムマイコン10iにおいて、ナビマイコン14mのソフトウエア構成を図8に、システムマイコン10iのソフトウエア構成を図9に示す。
【0098】
上記ナビゲーション装置のように多くの機能を持ち、設定項目が多い機器を操作する場合、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(Graphical User Interface:以下「GUI」という)を用いると、ユーザは視覚的に操作方法を理解することができる。
【0099】
この点に鑑み、本実施形態のナビゲーション装置においては、図6Aに示すフロントパネルユニット14のナビマイコン14mに、GUIをカスタマイズできる構成を組み入れ、ユーザがタッチパネル14sで操作することによって機能を実行させるようにした。
【0100】
すなわち、図8に示すように、フロントパネルユニット14のナビマイコン14mは、液晶パネル14bにメニューを表示し、ユーザにタッチパネル14sを押させることによって指定された機能を実行するGUI機能と、GUI機能で選択された動作を実行する機能(アプリケーション機能)と、各機能に対する処理時間を規定したりメモリ空間を管理したりする機能(プラットフォーム機能)と、周辺デバイス(ハードウエア)のそれぞれをアクセスする機能(ドライバ)とを備える。GUI機能は、XMLパーサと、VIEWコントローラと、MODELコントローラとで構成される。
【0101】
ナビマイコン14mは、前記したように、信号線(シリアルデータライン)を介して、ベースユニット10のシステムマイコン10iに、チューナやディスクドライブの制御コマンドを供給する。
【0102】
一方、ベースユニット10の側では、図9のS1〜S8に示すように、システムマイコン10iがナビマイコン14mからのコマンドを受けて周辺デバイスの制御を行い、そのデバイスから得られる情報やセンサデータを、シリアルデータラインを介してナビマイコン14mに伝える。図示は省略するが、クレードルユニット12において、クレードルマイコン12bも、システムマイコン10iと同様な処理を行う。
【0103】
更に、フロントパネルユニット14において、ナビマイコン14mは、システムマイコン10i或いはクレードルマイコン12bからの情報により、どちらが装着されたのかを認識して、自車位置測位を3個のセンサ出力とGPS信号のみの1個のセンサ出力で行うべきかを決定する。ベースユニット10とクレードルユニット12は、それぞれID番号(識別番号)を付与され、不揮発性メモリEEPROM10q,12fに保存される。
【0104】
図10は、ナビマイコン14mでの処理を示すフローチャートである。
【0105】
S10において、自らが格納されているフロントパネルユニット14の装着が検出されたか否かを判断する。装着されると、信号線を通じてシステムマイコン10i或いはクレードルマイコン12bと通信自在となるので、ナビマイコン14mは、それによって自らの装着を検出できる。
【0106】
S10で肯定されるときはS12に進み、取付け先(装着先)のID番号(識別番号)を読み出し、S14に進み、装着されたのがベースユニット10か否かを判断し、肯定されるときはS16に進み、自車位置(車両A)を3個のセンサ(すなわち、GPS信号受信装置20、車輪速センサ22、ジャイロセンサ)の出力で測位する。
【0107】
S14で否定されるときは、装着されたのがクレードルユニット12となるので、S18に進み、自車位置(車両B)をシングルセンサ(すなわち、GPS信号受信装置20)の出力(GPS信号)で測位する。
【0108】
例えば、渋滞路を走行する場合、車輪速センサ22の出力が生じなかったり、疎らになったりすることがあるが、センサの出力状態に応じて決定することで、測位に使用するセンサを最適に選択して車両位置の測位精度を上げることができる。また、測位が3個のセンサの使用に必ずしも限定されない点で、測位における検出器の使用の柔軟性を向上させることができる。
【0109】
図10の処理では、車輪速センサ22の出力をX秒間入力することで判断したが、それ以外にも車輪速センサ22の出力が所定の閾値を超えているか否かを判断し、超えていない場合には、シングルセンサモードと決定するようにしてもよい。
【0110】
また、フロントパネルユニット14において、ナビマイコン14mは、図10の処理に加え、システムマイコン10i或いはクレードルマイコン12bからの情報により、どちらが装着されたのかを認識して、自車位置測位を3個のセンサ出力とGPS信号のみの1個のセンサ出力で行うべきか決定する。すなわち、フロントパネルユニット14のナビマイコン14mは、フロントパネルユニット14の装着状態に応じて、車両の位置の測位に使用すべきセンサ(検出器)を決定する。ベースユニット10とクレードルユニット12は、それぞれID番号(識別番号)を付与され、不揮発性メモリ(EEPROM)10r、12fに保存される。
【0111】
図11は、その処理を示すフローチャートであり、この処理も、図10と同様にナビマイコン14mで実行される。
【0112】
初めにS20において、自らが格納されているフロントパネルユニット14の装着が検出されたか否かを判断する。装着されると、信号線を通じてシステムマイコン10i或いはクレードルマイコン12bと通信自在になることから、ナビマイコン14mは、それによって自らの装着が検出されたか否かを判断する。
【0113】
S20で肯定されるときはS22に進み、取付け先(装着先)のID番号(識別番号)を読み出して、S24に進み、装着されたのがベースユニット10か否かを判断し、肯定されるときはS26に進み、自車位置推定を3センサモードで、すなわち自車位置(車両A)を3個のセンサ(GPS信号受信装置20、車輪速センサ22、ジャイロセンサ)の出力で、測位する。
【0114】
S24で否定されるときは、装着されたものはクレードルユニット12になるので、S28に進み、自車位置推定をシングルセンサで、すなわち自車位置(車両B)をGPS信号受信装置20)の出力(GPS信号)で、測位する。
【0115】
このように、フロントパネルユニット14の装着状態に応じて、車両A或いはBの位置の測位に使用すべきセンサを決定するように構成したので、測位におけるセンサの使用の柔軟性を向上させることができる。
【0116】
次に、上記した自車位置の保存について説明する。
【0117】
前述のように、ベースユニット10は複数個、例えばベースユニット10−1,10−2,10−3,...を設けることもあるが、そのような場合、フロントパネルユニット14内の不揮発性メモリ(FLASHメモリ14o)に保存された車両Aの位置データが別の車両、すなわち、車両A2,A3などのデータである可能性もある。よって、装着された後、GPS信号を受信して測位して確認せざるを得ないという場合が生じる。
【0118】
従って、本実施形態のナビゲーション装置において、ベースユニット10が複数個設けられる場合、図12に示すように、取り外される直前の車両の位置情報がID番号と共にフロントパネルユニット14のFLASHメモリ14oに記憶される。フロントパネルユニット14は、ベースユニット10から取り外されたとき、そのベースユニットのID番号と位置情報をペアで保存しておき、再び同一のベースユニットに装着されたとき、そのID番号から取り外されたときの位置情報を読み出して位置情報として使用する。これにより、誤った位置情報が使用されるのを防止することができる。
【0119】
また、ベースユニット10が1個であると複数個であるとに拘らず、フロントパネルユニット14が外されている間に車両Aが移動して再び装着された場合、現在位置とフロントパネルユニット14に保存されている位置情報とが相違する場合も生じ得る。
【0120】
従って、本実施形態のナビゲーション装置においては、フロントパネルユニット14が外されている間に車両Aが移動したことを示すフラグFLVをベースユニット10のEEPROM10qに設けて処理するようにした。この処理は、ベースユニット10のシステムマイコンによって実行される。
【0121】
図13は、システムマイコン10iによって実行される判定処理を示すフローチャートである。
【0122】
初めにS100において、フロントパネルユニット14が取り外されたか否かを判断する。これは前記したパネル検出スイッチの出力から判断する。S100で肯定されるときはS102に進み、フラグFLVのビットを1にセットし、S104に進み、車両が移動したか否かを判断する。これは前記した車輪速センサ22の出力から判断する。
【0123】
S104で否定されるときはS106に進み、フロントパネルユニット14が再び装着されたか否かを判断し、否定されるときはS104に戻ると共に、肯定されるときはS108に進み、フラグFLVのビットを0にリセットする。S104で否定されてS106に進み、そこで肯定されたときは、いずれにしても車両が移動していないことから、S108をスキップする。
【0124】
図14は、システムマイコン10iでの処理に応じて、ナビマイコン14mで実行される処理を示すフローチャートである。
【0125】
初めにS200において、ベースユニット10に装着されたか否かを前記パネル検出スイッチの出力から判断し続け、肯定されるときはS202に進み、ベースユニット10のEEPROM10qに格納されているフラグFLVを読み出し、S204に進み、フラグFLVのビットが1にセットされているか否かを判断する。
【0126】
S204で肯定されるときは車両が移動されていないことからS206に進み、履歴テーブル(図12)の中に該当するベースユニット10のID番号があるか否かを判断し、肯定されるときはS208に進み、該当するID番号の位置情報を自車位置とする。
【0127】
他方、S204で否定されるときはS210に進み、ベースユニット10に保存されている位置情報を読み出す。S206で否定されたときも同様である。次にS212に進み、それが0データではないか否かを判断し、肯定されるときはS214に進み、それを自車位置とする一方、否定されるときはS216に進み、現在地設定処理を行う(後述)。
【0128】
すなわち、ベースユニット10のシステムマイコン10iは、フロントパネルユニット14が取り外された後、電源がオフされる度にGPS信号の中の位置情報と搭載車両の向き情報をEEPROM10qに書き込む。このとき、もしGPSが測位できていない場合、0データを書き込む。
【0129】
フロントパネルユニット14において、ナビマイコン14mは、ベースユニット10に装着された後、フラグFLVを参照して保存していた位置情報が使用できないと判断された場合、ベースユニット10の内部に保存されていた位置情報を読み込み、それが0データでなければ、それを自車位置として使用する(S204,S210,S212,S214)。それにより、フロントパネルユニット14が一旦取り外されて車両が移動した後に再度装着されたとしても、自車位置を表示できるナビゲーション装置として機能することができる。
【0130】
ただし、その場合においても、地下駐車場のような場所であると、フロントパネルユニット14を装着してもGPS信号を取得することができず、従って自車位置は0データとせざるを得ない。自車位置がロストしていると、目的地までの経路を計算することができず、到着時間なども予測することができない。
【0131】
そこで、本実施形態に係るナビゲーション装置においては、自車位置がロストされていた場合に限り、自車位置を目的地設定と同じ要領で設定できるようにした(S216)。具体的には、ユーザは自車位置を住所検索か周辺施設情報から選択することによって自車位置を確定させ、目的地設定と経路計算などを可能とする。
【0132】
その後、道路上を走行している間はGPS信号を入力して測位するまでユーザを誘導はできないが、GPS信号を入力すればその位置を自車位置として自律航法に従ってユーザを誘導することができる。
【0133】
次に、ナビゲーション情報の保存或いはベースユニット間の情報の共有について説明する。
【0134】
ナビゲーション装置では、自車位置を測位するに当たり、車両ごとに固有のパラメータを用いることになる。すなわち、ジャイロセンサ24は取り付け状態によって感度が異なるため、取り付けるときの角度を計測して記憶しておき、ナビゲーションにおいては記憶値でセンサ出力を補正することになる。
【0135】
自律航法において、移動距離を算出するに当たり、車輪速センサ22が出力する1パルス当たりの移動距離(Distance Per Pulse)が用いられる。そのDPPはGPS信号から導かれた移動軌跡と車輪速センサ22のパルス数から算出され、常に更新している。
【0136】
これらジャイロセンサ24の取り付け角度或いは移動距離DPPは、ナビゲーション装置が搭載される車両に固有のパラメータであるので、この実施形態においては、それらのパラメータをベースユニット10のEEPROM10qに保存しておくこととする。その場合、ユーザがベースユニット10のみを買い換えるとき、それらの情報をメモリカードなどに一旦退避させて、新しいベースユニット10に入れ直すこととなる。
【0137】
この点に鑑み、本実施形態のナビゲーション装置においては、ベースユニット10のEEPROM10rに保存されている情報(パラメータ)をフロントパネルユニット14の側に一旦退避させ、ナビマイコン14mの指示に従って新しいベースユニット10に入れ直す(コピーする)こととする。それにより、ベースユニットが交換されるときも情報を共有することができる。
【0138】
次に、無線モジュールの干渉について説明する。
【0139】
本実施形態のナビゲーション装置においては、フロントパネルユニット14にBTモジュール14qと無線モジュール14xからなる2つの無線モジュールを備えることから、両者の間で干渉が生じる恐れがある。例えば、車両の後進中(リアカメラ映像表示中)にDVDの再生要求がなされる、或いはハンズフリーマイク付きの携帯電話の呼び出しがなされる等、機器の操作が干渉することがある。
【0140】
そこで、優先順位を定め、それに従って機器を操作するようにした。図15は、その処理の説明図である。同図において、横軸はイベント、すなわち、リバースギヤスイッチ26、ハンドフリーマイク付き携帯電話、及びDVDの動作を示し、縦軸はそれに応じた状態、すなわち、車両が後進中、着信中、DVD再生中を示す。
【0141】
図16は、図15に基づいて実行される処理を示すフローチャートである。
【0142】
先ずS300において、リバースギヤスイッチ26がオン信号を出力、すなわち車両が後進しようとしているか否かを判断し、否定されるときはS302に進み、リアカメラ(この場合、ワイヤレスカメラWLC)の動作を停止し、WLC無線機能をオフとし、リアカメラの映像を停止する。
【0143】
次にS304に進み、携帯電話が着信中(呼び出し中)か否かを判断し、否定されるときはS306に進み、ハンズフリー機構の着信音機能をオフすると共に、BTモジュール14qの機能をオフする(すなわち、待機状態にする)。
【0144】
次にS308に進み、DVD再生中か否かを判断し、否定されるときはS310に進み、再生ボタン(タッチパネル14sの)が押されているか否かを判断し、肯定されるときはS312に進み、DVD再生を開始すると共に、液晶パネル14bにDVD映像を表示する。この場合、車両が後進しようとしていないので、リアカメラの映像を使用する必要がないからである。
【0145】
他方、S300で肯定されるときはS314に進み、携帯電話への着呼(呼び出し)を切断すると共に、BTモジュール14qも不要となることからその機能をオフする。次にS316に進み、DVD再生を停止すると共に、DVD表示をオフし、S318に進み、リアカメラを起動、WLC機能をオン、リアカメラの映像を表示して、S300の処理に戻る。
【0146】
また、S304で肯定されるときはS320に進み、着信音を車載スピーカから送出すると共に、音声を送受信するためにBTモジュール14qをオンする(すなわち、アクティブ状態にする)。次にS322に進み、切断ボタン(タッチパネル14sの)が押されているか否かを判断し、肯定されるときはS324に進み、着信音をオフすると共に、BTモジュール14qは不要であることからオフにする。S322で否定されるときは、S324をスキップする。
【0147】
また、S308で肯定されるときはS326に進んで、タッチパネル14sの停止ボタンが押されているか否かを判断し、肯定されるときはS328に進み、DVD再生を停止すると共にDVD表示をオフにする。S326で否定されるときは、S328をスキップする。
【0148】
図15及び図16に示す処理により、車両Aの後方を撮影したリアカメラの映像の表示をユーザに対して確保することができ、ユーザはそれを参考としながら、後進させることができる。また、機器の操作が干渉することもない。
【0149】
次に、クレードルユニット12のFMトランスミッタ12eについて説明する。
【0150】
図7に示すクレードルユニット12において、FMトランスミッタ12eは、メモリカード12c内の音楽コンテンツや音声ガイダンスを車両Bの車載スピーカから送出させる手段である。しかしながら、電波を送出する機器を当該国の電波法令によって出力レベルが規制されており、微弱な電波で出力せざるを得ない。そのため、走行地の付近にラジオ局がある場合、その電波の影響でノイズが発生する。
【0151】
従って、本実施形態のナビゲーション装置においては、クレードルユニット12のE
EPROM12fに各地区のラジオ局の周波数データベースを格納しておき、クレードルマイコン12bは、走行する地域に応じて空いている周波数を探索し、その周波数をフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示させることとする。
【0152】
ユーザは、それにカーレシーバ(カーオーディオ)の周波数を合わせれば、音楽コンテンツや音声ガイダンスを車載スピーカから出力させて聴取することができる。これにより、ノイズの少ない状態で音楽コンテンツや音声ガイダンスをユーザに提供することができる。クレードルマイコン12bは、FMトランスミッタ12cを介して、音楽コンテンツや音声ガイダンスを車載スピーカから出力させる。
【0153】
尚、本実施形態では、FMトランスミッタを、クレードルユニット12に配置しているが、ベースユニット10に設けてもよい。
【0154】
次に、図8に示すGUIについて更に説明する。
【0155】
前述のナビゲーション装置のように多くの機能を持ち、設定項目が多い機器を操作する場合、GUIを用いると、ユーザは視覚的に操作方法を理解することができることから、本実施形態のナビゲーション装置においては、図6に示すフロントパネルユニット14のナビマイコン14mに、GUIをカスタマイズできる構成を組み入れ、ユーザがタッチパネル14sを操作することによって機能を実行させるようにした。
【0156】
図17は、図8のGUI(機能)の構成を示す。GUIについて改めて説明すると、XMLパーサは、画面構成を定義、具体的にはボタン位置、ボタンファイル名、ボタン名などを定義すると共に、ボタンタッチを検出する。VIEWコントローラは、メニュー構造を定義、すなわち、ボタンが押されると、どのスキンが表示されるかを決定する。MODELコントローラは、選ばれた機能メッセージをアプリケーションレイヤ(APPLICATION LAYER)に送出する。アプリケーションレイヤは、GUIから送られてきたコマンドを実行する。
【0157】
図17に示すように構成することで、ユーザは、視覚的に操作方法を理解することができる反面、機能数が増えるに伴ってメニュー数も増え、その結果メニューの階層が深くなる。その結果、ユーザは、機能を実行させるために何回もメニューボタンを選択して目的の機能を選ぶことになり、却って煩雑となる恐れがある。ユーザからみると、機能が絞られている方が使い易い場合もある。
【0158】
メニュー画面は、画面ごとに用意された画面構成定義(背景ファイル名、ボタン表示位置、ボタンファイル名、ボタン名など)及び各ボタンが選択されたときに送出するメッセージを定義したスキンファイルと、そのファイルから呼び出されるメニュー画面構成要素(メニューボタン)ごとに用意されたビットマップファイルとで構成される。このスキンファイルとビットマップファイルは、不揮発性メモリ(FLASHメモリ)14o内に格納され、ナビマイコン14mは、それらを、XMLパーサ機能を用いて液晶パネル14bに表示する。
【0159】
ユーザ操作に応じて、GUIコントローラは、メッセージをVIEWコントローラに送出する。VIEWコントローラはメッセージの内容を見て表示するスキンファイルを切り替え、必要に応じてMODELコントローラに対してコマンド要求を行う。MODELコントローラは要求されたコマンド種を確認し、アプリケーションレイヤに対して動作コマンドを送出する。この構造においてスキンファイルを入れ替えると、メニュー画面は変更される。スキンファイルはxmlなどの言語で表現される。
【0160】
GUIをカスタマイズするとき、フル機能のメニュー構成でスキンやコントローラを作成し、次にメニュー画面の中から削除したいキーを抜いたスキンファイルを作成し、該当するスキンファイルを差し替えることになる。これで、削除されたボタン以下のメニュー表示とアプリケーションのコマンド送出はなくなり、機能を削減することができる。図18は、その例を(削除された部分を破線で)示す。
【0161】
また、スキンファイルをXMLのような言語で記述する場合、ボタンのレイアウトやボタン形状の変更は、スキンファイルの記述を変えるだけで可能になる。このような手法を採ることにより、ソフト本体を書き換えることなく、スキンファイルのみを差し替えるだけでカスタマイズすることができる。
【0162】
本体のオリジナルスキンファイルを不揮発性メモリに格納すると共に、変更したいスキンファイルをメモリカード14rなどに入れる。ユーザは好みのスキンファイルをメモリカード14rに入れ、電源投入後、初期設定スキン選択メニューでメモリカード14r内のファイルを選ぶことによってスキンを切り替える。しかしながら、この場合、ユーザは電源を投入するたびに好みのスキンを選択しなければならず、その結果、車両のエンジンを切るたびに設定が必要になる。逆に、スキンを固定してしまうと、特定のユーザのみがスキン変更の恩恵を得ることとなる。
【0163】
本実施形態のナビゲーション装置において、フロントパネルユニット14、ベースユニット10、及びクレードルユニット12はそれぞれ不揮発性メモリとマイクロコンピュータを内蔵し、メモリには固有のID番号が格納されていて装着時に相互に認証するように構成される。すなわち、それぞれのマイクロコンピュータは装着時に相手を特定することができる。また、ベースユニット10やクレードルユニット12は車両に固定されるため、フロントパネルユニット14は、そのID番号を元に搭載された車両も特定することができる。
【0164】
昨今、車両は一人一台保有する状況になり、車両ごとにユーザが決まっているような状況になっている。そこでフロントパネルユニット14に予め装着が予定されるユニットのID番号に応じたスキンファイル名を定義しておき、装着された相手のID番号を読み取り、メモリカード14r内のスキンファイルを自動的に切り替えることとする。これにより、ユーザは装着時、車両に応じて自動的にスキンファイルを切り替えることができる。
【0165】
ただし、車両ごとにユーザが決まっていない場合も当然ながら想定できるので、メニューの中に常時オリジナルメニューへの切り替えボタンを用意することとする。
【0166】
図19及び図20は、その処理を示すフローチャートである。この処理は、ナビマイコン14mによって実行される。
【0167】
図19に示す処理は、フロントパネルユニット14のナビマイコン14mのメモリカード14rにスキンファイルが複数種類格納されていることを前提とし、フロントパネルユニット14がベースユニット10或いはクレードルユニット12に装着されているとき、複数台の車両の各々のユーザの操作に応じて実行される。
【0168】
初めにS400において、上記のメモリカード14r内に格納されている複数種のスキンファイルのいずれかをユーザに選択させて、S402に進み、選択されたスキンファイルを読み出して液晶パネル14bに表示する。次いでS404に進み、ユーザによってスキンファイル設定OKボタンが押されたか否かを判別して、ユーザが設定に同意したか否かを判断し、否定されるときはS400に戻る。
【0169】
他方、S404で肯定されたときはS406に進み、相手、すなわち操作したユーザが保有する車両のベースユニット10或いはクレードルユニット12のID番号を入力させ、入力されたID番号と選択されたスキンファイルの名称を、フロントパネルユニット14の不揮発性メモリ(FLASHメモリ)14oに登録(格納)する。
【0170】
この場合、ベースユニット10又はクレードルユニット12に設けられているEEPROM10r、EEPROM12fに登録(格納)してもよく、或いは別途不揮発性メモリを設けて、そこに登録(格納)するようにしてもよい。
【0171】
更に、フロントパネルユニット14に別途不揮発性メモリを設けることに加えて、ベースユニット10或いはクレードルユニット12にも不揮発性メモリを設け、両方の不揮発性メモリに、相手方のID番号と選択されたスキンファイルやその名称等を登録(格納)することにより、一方のデータが使えないか或いは正しくない場合、異常のない側のデータを用いる。また、両方ともデータに異常はないが、互いのデータが異なる場合には、フロントパネルユニット14の不揮発性メモリのデータを優先的に使うようにして、本装置の信頼性を高めてもよい。
【0172】
図20に示す処理は、図19に示す処理が完了した後、取り外されていたフロントパネルユニット14がベースユニット10或いはクレードルユニット12に装着されるとき、実行される。
【0173】
初めにS410で、フロントパネルユニット14がベースユニット10或いはクレードルユニット12に装着されたことを確認して、S412に進み、装着された相手(ベースユニット10又はクレードルユニット12)のID番号を読み出して、S414に進み、読み出したID番号に対応した名称のスキンファイルが登録されているか否かを判断する。S414で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS416に進み、メモリカード14rに格納されている中の選択された名称のスキンファイルを、表示用のスキンファイルとして設定する、より具体的には自動的に選択する。
【0174】
これにより、ユーザは装着時、車両に応じて自動的にスキンファイルを切り替えることができる。ただし、車両ごとにユーザが決まっていない場合も当然ながら想定できるので、メニューの中に常時オリジナルメニューへの切り替えボタンを用意することとする。
【0175】
上記したGUIの変更手順は、予め用意された複数のGUIの中からユーザが選ぶ場合を想定していたが、それとは別に、ユーザ自身がGUIをカスタマイズすることも考えられる。その場合、メニュー整理手順の中で使用されないボタンを選ぶことになるが、誤って必要なボタンを消去してしまう恐れもある。
【0176】
従って、この実施形態においては、ボタン消去手順の中で、各ボタンに対して消去不可能な属性を割り振り、消去ボタン選択処理において必ずその属性を確認し、消去してはいけないボタンを消去できないように構成する。また、消去不可であることが最初から明らかなボタンについては、ハードキーを割り当て、メニュー編集表示の中で表示しないこととする。
【0177】
図21は、消去してはいけない(消去不可)ボタンの例を示す。図22は、その消去不可ボタンについての処理を示すフローチャートである。
【0178】
初めにS400において、全てのメニューボタンを表示して、S402に進み、ユーザに消去したいボタンの選択を促す。次にS404に進み、選択されたボタンが消去可能か否かを判断し、肯定されるときはS406に進み、選択されたボタンを消去する。S404で否定されるときは、S406の処理をスキップする。
【0179】
次にS408に進み、ボタン編集が終了したか否かを判断し、否定されるときはS402に戻ると共に、肯定されるときはプログラムを終了する。
【0180】
上記した構成により、GUIを用いることでユーザに視覚的に操作方法を理解させることができてユーザにとって操作が容易となると共に、メニューボタンを必要に応じて絞ることができるようにしたことでユーザの操作を一層容易にすることができる。またユーザ自身がGUIをカスタマイズするときも、誤って必要なボタンを消去してしまうことがない。
【0181】
次に、ワンセグチューナ10pの設置箇所について説明する。
【0182】
ナビゲーション装置においてTV視聴機能を組み込んだ場合、運転中は安全確保のため、使用を制限する必要がある。TV視聴機能を全てフロントパネルユニット14に集中させた場合、車両が実際に走行しているか否かを判断するための車輪速センサ22の出力をベースユニット10からナビマイコン14mに送出し、ナビマイコン14mはそれを用いてTV視聴機能をオン・オフすることになる。
【0183】
しかしながら、その構成において、ベースユニット10とフロントパネルユニット14を結ぶ信号線(シリアルデータライン)がハッキングされ、疑似信号をフロントパネルユニット14に送信された場合、オフされていたTV視聴機能はオンされてしまう。
【0184】
本実施形態のナビゲーション装置において、もしワンセグTVチューナ10pをフロントパネルユニット14に設置したとすると、車外アンテナで受信された映像信号はベースユニット10を経由してフロントパネルユニット14に伝送される。その場合、アンテナから取得できる放送電波は高周波で微弱であるため、経路のインピーダンスや周囲のノイズの影響を受け易く、品質のよい映像信号を得ることができない。特にフロントパネルユニット14とベースユニット10はコネクタ10eを介して接続されるため、接触による損失も発生して映像信号に影響を与える。
【0185】
また、ベースユニット10に装着した状態のフロントパネルユニット14に直接TVアンテナを設けると、外に出ている部品にアンテナを付けることになり、その結果、液晶パネル(ディスプレイ)14bを小さくしなければならない。
【0186】
この点に鑑み、図6に示すように、本実施形態のナビゲーション装置においては、ワンセグTVチューナ10pをベースユニット10に設置した。すなわち、ベースユニット10のシステムマイコン10iは車輪速センサ22の出力を入力されているので、車両が走行しているか否かを容易に判定することができ、走行中であると判定するときは、ワンセグTVチューナ10pの動作を制限することができる。
【0187】
換言すれば、車両が走行しているか否かの判定とワンセグTVチューナ10pの動作制限とがベースユニット10の内部で完結しているため、外部からハッキングによってTV視聴制限を解除することが困難となる。
【0188】
また、映像信号をワンセグTVチューナ10pでデジタル信号に変換してフロントパネルユニット14に伝送することにより、経路上のインピーダンスやノイズの影響を低減することができ、映像の品質を向上させることができる。
【0189】
次に、フロントパネルユニット14の盗難対策について説明する。
【0190】
フロントパネルユニット14は、ベースユニット10に着脱自在であることから、盗難にあう恐れがある。そこで、本実施形態では、ベースユニット10のEEPROM10r或いはクレードルユニット12のEEPROM12fに、それらのID番号を登録しておき、それと一致するか否かを判断することで、盗難の抑止を図るようにした。
【0191】
図23は、ナビマイコン14mによる盗難防止のための処理を示すフローチャートである。
【0192】
初めに、S600において、自らが格納されているフロントパネルユニット14の装着が検出されたか否かを判断する。これは、前記図10のS10と同様である。装着と判断されると、信号線を通じてシステムマイコン10i或いはクレードルマイコン12bと通信自在となるので、ナビマイコン14mは、それによって自らの装着を検出できる。
【0193】
次いで、S602に進んで、装着先(ベースユニット或いはクレードルユニット)のID番号(識別番号)を読み出して、S604に進み、装着されたのが対応する取付け先(ベースユニット10或いはクレードルユニット12)か否かを判断し、肯定されるときはそのままこの処理を終了する。一方、否定されるときはS606に進み、警告音を発生する。また、これと同時に、或いは警告音の発生に代えて、BTモジュール14qを経由して現在位置情報を予め設定された電話番号先に自動通知することも可能である。
【0194】
上記処理により、フロントパネルユニット14が盗難にあって他のベースユニット或いはクレードルユニット12に装着された場合には、当該フロントパネルユニット14から警告音が発生し、及び/又は当該フロントパネルユニット14の所有者その他事前登録者に連絡があるので、フロントパネルユニット14を盗んだ者に対して警告し或いは返還させる対応をとることができる。
【0195】
上記の図23に示された処理は、マイクロコンピュータ(ナビマイコン)14mにて実行されるが、ナビマイコン14mは、これ以外にも、図10に示す処理その他種々の処理を実行する。また、ベースユニット10のシステムマイコン10iも、図13に示す処理などを実行する。クレードルユニット12のクレードルマイコン12bも、同様である。
【0196】
以下、図24〜図26を参照して、マイクロコンピュータによるこれらの処理を説明する。
【0197】
図24は、ナビマイコン14m、システムマイコン10i、クレードルマイコン12bが上記の処理を行う、例えば、ナビマイコン14mが図10などに示す処理(以下「タスク処理」という)を行うためのメインルーチンを示すフローチャートである。
【0198】
このルーチンは、イグニションキーがオンされて、車両A(あるいはB)の電源(バッテリ)から動作電源を供給されることで、実行開始する。
【0199】
初めに、イニシャライズ処理を実行し(S700)、1からnまでのタスク処理の優先順付けを所定のRAMエリアにセットする(S702)。
【0200】
次いで、OS(オペレーティング・システム)を起動し(S704)、全てのタスク処理のイニシャライズ(S706)実行し、タスク選択処理(S708)で待機状態となる。この待機状態にあっては、下記の割り込み処理によりイベントフラグがセットされると、セットされたイベントフラグに対応するイベント(S710〜S71nのいずれか)を実行する。そして、対応するイベントの処理が終了すると、タスク選択処理(S708)に戻り、次の割り込み処理によりイベントフラグがセットされるまで、待機状態が保たれる。
【0201】
上記タスク選択処理(S708)では、具体的には、下記の割り込み処理を通じてイベントフラグがセットされたか否か監視し、セットが検出されたとき、セットされたイベントフラグに対応するタスク処理を実行する。尚、割り込み処理が重複したときは、S702でセットされた優先順に従ってタスク処理を実行する。このイニシャライズ(S706)からイベント(S710〜S71nのいずれか)までの処理が、OS処理に相当する。
【0202】
図25は、割り込み処理ルーチンを示すフローチャート、図26は、割り込み処理で使用されるマイクロコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0203】
割り込み処理は、大きく分けて、マイクロコンピュータに後でセットされるソフトウエアとは関わりなく、独立して処理を実行するハード処理部分と、マイクロコンピュータ毎にセットされるソフトウエアである割り込み処理ルーチン部分とからなる。そこで、図26の割り込み端子(A〜n)に、データ又はトリガ信号が入力されるか、或いは所定時間毎に割り込みを指示するカウンタにトリガ信号が生じると、マイクロコンピュータ内で上記のハード処理が開始され、そのときのOS処理で使用中のデータ或いは処理されたデータが記録されている各種レジスタの記録内容を、各スタックエリア(1〜n)に移動する。
【0204】
次いで、プログラムカウンタの現在の値をスタックエリアに移動させた後、データなどが入力された割り込み端子に対応する割り込みアドレス(Aからn)に書かれている値をプログラムカウンタに書き込む。このプログラムカウンタの値が書き換えられたことにより、現在処理中のプログラムは中断(保留)され、図25の割り込み処理ルーチンが開始される。
【0205】
この割り込み処理ルーチンにおいては、先ず、割り込み処理ルーチン(S800)が起動され、次いで、割り込みのあった端子などに対応するイベントフラグのフラグをセットし(S802)、最後に、割り込み処理ルーチン終了コマンドの発行(S804)が実行されて、処理終了となる。
【0206】
この割り込み処理ルーチン終了コマンドの発行が実行されると、再度、マイクロコンピュータ内のハード処理が開始され、中断されたときに各スタックエリア(1〜n)に転記された値を元の各種レジスタに書き戻し、次いで、中断されたときに一時的に退避させられたプログラムカウンタの値をスタックエリアからプログラムカウンタに書き戻すことで、一連の割り込み処理が終了し、割り込み直前の状態に戻される。その時点から、割り込み直前まで実行されていた中断(保留)中のプログラムが再び実行される。
【0207】
次に、アンテナについて説明する。
【0208】
図6及び図7から明らかなように、本実施形態のナビゲーション装置は、多くのアンテナを有する。また、ナビゲーション装置の他にも、車両にはFM/AMラジオが搭載されるため、それのアンテナもある。これらについて個別に配置することも可能であるが、実施例においては、図27に示すように、一体型のフィルムアンテナ200を使用している。
【0209】
このフィルムアンテナ200の出力は、広帯域の高周波アンプ202で増幅された後、分配器204で分配され、コネクタ206を介してベースユニット10(或いは、フロントパネルユニット14又はクレードルユニット12)に入力される。符号208は、電源ラインを示す。フィルムアンテナ200は、例えば、車両のフロントウインドウ18、リアウインドウ、ルーフの外壁面、リアミラー等のいずれかに貼り付ける。
【0210】
或いは、図28に示すように、フィルムアンテナ200にそれぞれのアンテナ用の高周波アンプ202を内蔵させ、その出力をコネクタ206と分配器204を介してベースユニット10に入力させても良い。その場合、FM/AMラジオアンテナは比較的波長が長いことから、高周波アンプ202に接続しなくても良い。
【0211】
或いは、図29に示すように、フィルムアンテナ200を複数個用意し、フロントウインドウ18、リアウインドウ、ルーフの外壁面、リアミラー等に別々に貼り付けると共に、ベースユニット10等の分配器204で、電界強度の高いものを選択するようにしてもよい。
【0212】
上記の実施形態においては、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニット10に着脱自在であると共に、液晶パネル(ディスプレイ)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)とを備え、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータは、前記センサの出力状態に応じて前記車両の位置の測位に使用すべきセンサを決定する(S10〜S18)ように構成したので、センサの出力状態に応じて決定することで、測位に使用するセンサを最適に選択して車両位置の測位精度を上げることができると共に、測位が3個のセンサの使用に必ずしも限定されない点で測位におけるセンサの使用の柔軟性を向上させることができる。
【0213】
また、同様に、分離型としたことで、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外し、他の車両に搭載する、或いは自宅で目的地や経路などを入力することが可能となり、ナビゲーション装置として使い勝手の良さを上げることができる。
【0214】
また、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、液晶パネル(ディスプレイ)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)とを備え、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータは、前記フロントパネルユニット14の装着状態に応じて前記車両の位置の測位に使用すべきセンサを決定する(S20〜S28)ように構成したので、測位におけるセンサの使用の柔軟性を向上させることができる。
【0215】
また、同様に分離型としたことで、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外して、他の車両に搭載したり自宅で目的地や経路などを入力したりすることができ、ナビゲーション装置として使い勝手を向上させることができる。
【0216】
また、車両に固定自在であって、少なくともマイクロコンピュータ(クレードルマイコン12b)とGPS信号を受信する受信装置20を有するクレードルユニット12を備え、このクレードルユニット12にフロントパネルユニット14が着脱自在に構成すると共に、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)は、前記フロントパネルユニット14が前記ベースユニット10に装着されるときは、前記3個のセンサ(検出器)の出力を使用して前記車両の位置を測位し(S24,S26)、前記フロントパネルユニット14が前記クレードルユニット12に装着されるときは、前記GPS信号のみを使用して前記車両の位置を測位する(S24,S28)ように構成したので、上記した効果に加えて、フロントパネルユニット14が着脱自在であると共に、GPS信号で測位するクレードルユニット12を設けることで、ナビゲーション装置として使い勝手の良さを一層上げることができる。
【0217】
また、3センサモードで測位させるためには、ジャイロセンサ24を必要とする。そのジャイロセンサ24をフロントパネルユニット14内に内蔵した場合、フロントパネルユニットの取付けガタやフロントパネルユニット14のチルト調整による傾斜により、感度が変化して精度が低下する場合もある。また、フロントパネルユニット14自身の小型化にも影響を与える。更に、車輪速センサの出力をフロントパネルユニット14に伝送する場合、フロントパネルユニット14とベースユニット10との間の接合端子が増えてしまう。
【0218】
その対策として、ジャイロセンサ24をベースユニット10内に組み込み、ジャイロデータや車輪速センサ22の出力をベースユニット10内のシステムマイコン10iで取り込んでから、シリアル通信ラインを経由してナビマイコン14mに伝達することもできる。しかし、その場合システムマイコン10iを経由することによってナビマイコン14mへの情報伝達遅延が発生し、GPSデータ取得タイミングとずれてしまうことがある。
【0219】
本来3つのセンサデータは、それぞれのタイミングにおける位置情報、移動距離情報、方向情報であり、同時に取得して処理する必要がある。取得タイミングがずれると、位置精度に影響を及ぼす。
【0220】
しかしながら、この実施例に係るナビゲーション装置においては、GPS信号受信装置20もベースユニット10側に設置し、GPSから得られる位置情報も、ジャイロデータや車輪速センサ22の出力と共にシステムマイコン10iで並べ替え、統合してからナビマイコン14mに送付するように構成したので、システムマイコン10iを介することで、データ転送による遅れは3つのセンサデータとも同じ値となり、それ故に上記のような不都合を生じることはない。
【0221】
その構成の場合、システムマイコン10iのCPU処理能力が高ければ、自車位置の推定やナビゲーション機能も、システムマイコン10i側で行うことができる。しかしながら、システムマイコン10iで作成した表示用地図データをフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示するためには、システムマイコン10iで作成した画像データを、そのままナビマイコン14mに送付してナビマイコン14mで表示用イメージ信号に変換するか、或いはシステムマイコン10iでアナログイメージ信号に変換してフロントパネルユニット10に伝送し、液晶パネル14bに表示させることになる。
【0222】
しかしながら、地図データは1秒間に1枚から5枚程のカラー画像データとして送付するため、データ伝送量は多い。このようなデータを並列バスで伝送しようとすると、フロントパネルユニット14とベースユニット10との間のデータライン(信号線)が相当数増えてしまう。
【0223】
また、シリアルデータラインで伝送する場合には、地図データ伝送量が大きいため、映像データ伝送によりシリアルデータラインが占有されてしまい、システムマイコン10iからナビマイコン14mに伝送すべき他の情報の伝送が遅くなる。
【0224】
また、ナビマイコン14mからシステムマイコン10iにナビ機能を移動した場合、ナビマイコン10iのCPU能力は下げられるが、システムマイコン10iとクレードルマイコン12bにナビゲーションが可能な程度の処理能力を持つマイクロコンピュータを組み込む必要があり、システムアップコストは高くなってしまう。ユーザによっては、クレードル12を複数個購入することも想定され、フロントパネルユニット14にインテリジェンスの高い機能を集中させた方がトータルコストは安くなる。
【0225】
そこで、この実施形態においては、上記を勘案して、フロントパネルユニット14のナビマイコン14mでナビゲーション機能を完結させ、ベースユニット10のシステムマイコン10iでは周辺機器の制御を行う構成としている。
【0226】
また、フロントパネルユニット14にGPS信号受信装置20を接続し、ジャイロセンサ24をベースユニット10に配置すると共に、車輪速センサ22をベースユニット10に接続する場合においても、下記の手法で、各信号データの同期をとることは可能である。
【0227】
(1)システムマイコン10iがジャイロセンサ24と車輪速センサ22の出力を統合し、タイムスタンプデータと組み合わせてナビマイコン14mに伝送する。ナビマイコン14mでも、GPSデータとGPSデータ取得時のタイムスタンプデータをペアでメモリ上に保存しておき、システムマイコン10iから受け取ったタイムスタンプと同じ時間のデータを組み合わせて、自車位置推定処理を行う。
【0228】
(2)システムマイコン10iが車輪速センサ22とジャイロセンサ24の出力を取得するタイミング、それらのデータをナビマイコン14mに伝送するタイミング、及びGPS信号受信装置20からナビマイコン14mにGPSデータが伝送されるタイミングが、一定間隔で保たれるようなシステム設計を行い、ナビマイコン14mで各センサ信号取得時間を管理して同期させる。
【0229】
また、この実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、このベースユニット10に着脱自在であると共に、ディスプレイ(液晶パネル)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、前記フロントパネルユニット14(具体的には、その背面)に、アンテナ14pを含む近距離送受信モジュール(BTモジュール)14qと、画像データの受信専用モジュール(無線モジュール)14xとを配置するように構成している。
【0230】
すなわち、液晶パネル14bを駆動するナビマイコン14mと同じフロントパネルユニット14に画像データの受信専用モジュール(無線モジュール)14xを配置したので、タイムラグなく画像を表示することができる。
【0231】
尚、受信専用モジュール14xなどの無線モジュールの周波数帯は2.4Gである。また、許容された帯域幅の約1/3の帯域を使用し、3分割した帯域のうち最も通信状態が良好な周波数帯域を通信時に選択して、その帯域を変更せずに通信するので、高速通信が安定して可能となる。もし、同じ帯域を使用するBT(Bluetooth)通信を同時に行うとすると、通信速度が遅くなったりノイズとなったりする場合もあるので、図16の処理に関して前述したように、リアカメラを使用するときはBT通信を使用しないようにしてもよい。
【0232】
更に、フロントカメラの画像を同無線モジュールを使って受信するようにした場合でも、未だ2/3の帯域が残っているので、残りの帯域のうち、フロントカメラの画像についても1/3の帯域を使えば、高速通信が安定して可能であり、BT通信についても残りの1/3の帯域が確保されているので、BT通信も安定した使用が可能である。
【0233】
更に、アンテナ14pを含む近距離受信専用モジュール(BTモジュール)14qをフロントパネルユニット14(具体的には、その背面)に配置したので、車内の携帯電話ハンズフリーマイクとの送受信が容易である。
【0234】
また、この実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、ディスプレイ(液晶パネル)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と、車輪速を検出する車輪速センサ22と、重力軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個の検出器(センサ)とを備え、前記少なくとも3個の検出器の出力に基づいて前記車両Aの位置を測位すると共に、前記ベースユニット10のマイクロコンピュータ(システムマイコン10i)は、フロントパネルユニット14が取り外された後も前記車両Aの位置を保持し、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)は、前記車両の走行状態に基づいて前記車両の位置を決定する(図13のS200〜S216)ように構成している。
【0235】
これにより、上記した効果に加え、取り外されても車両が走行していない限り、保持されたデータを使用して直ちに測位することが可能となると共に、車両が移動した場合などは保持されたデータを使用しないことも可能となり、不正確な位置データを使用することを防止することができる。
【0236】
また、この実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、ディスプレイ(液晶パネル)14bに表示された地図データ上に車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、フロントパネルユニットのマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)の制御プログラムを、前記ディスプレイにメニューを表示する液晶パネルとそれに重ねたタッチパネルを設けて、ユーザに押させることで指定機能を実行するグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)機能と、前記グラフィカル・ユーザ・インターフェース機能で選択された動作を実行するアプリケーション機能と、前記機能に対する処理時間を少なくとも規定するプラットフォーム機能とで構成すると共に、前記タッチパネルに消去不可の機能ボタンを表示させるように構成している。
【0237】
すなわち、GUIを用いることで、ユーザに視覚的に操作方法を理解させることができ、ユーザにとって操作が容易となると共に、メニューボタンを必要に応じて絞ることができるようにしたことで、ユーザの操作を一層容易にすることができる。また、ユーザ自身がGUIをカスタマイズするときも、誤って必要なボタンを消去してしまうことがない。更に、車種に応じた変更も容易となる。
【0238】
また、この実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、ディスプレイ(液晶パネル)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、TV画像を受信するチューナ(ワンセグTVチューナ)10pをベースユニット10に配置し、前記チューナの出力(TV画像信号)をベースユニット10のマイクロコンピュータ(システムマイコン10i)からフロントパネルユニット14に伝送するように構成している。
【0239】
このように、ベースユニット10のシステムマイコン10iは、車輪速センサ22の出力を入力されているので、車両が走行しているか否かを容易に判定することができ、走行中であると判定するときは、ワンセグTVチューナ10pの動作を制限することができる。また、車両が走行しているか否かの判定と、ワンセグTVチューナ10pの動作制限とが、ベースユニット10の内部で完結しているため、外部からハッキングによってTV視聴制限を解除することが困難となる。
【0240】
また、映像信号をワンセグTVチューナ10pでデジタル信号に変換して、フロントパネルユニット14に伝送することにより、経路上のインピーダンスやノイズの影響を低減することができ、映像の品質を向上させることができる。
【0241】
また、この実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、ディスプレイ(液晶パネル)1に表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、フロントパネルユニットに着脱自在であると共に、マイクロコンピュータ(クレードルマイコン12b)を有するクレードルユニット12と、前記クレードルユニット12に配置されたFMトランスミッタ12eと、前記車両が走行する地域のラジオ局の周波数データベースを格納する手段(EEPROM12f)とを備え、前記クレードルユニット12のマイクロコンピュータ(クレードルマイコン12b)は、前記車両が走行する地域に応じて空いている周波数を探索し、その周波数をフロントパネルユニット10のディスプレイ(液晶パネル14b)に表示させるように構成している。
【0242】
より具体的には、前記フロントパネルユニット14が着脱自在な、マイクロコンピュータ(クレードルマイコン12b)を有するクレードルユニット12を備え、FMトランスミッタ12eがクレードルユニット12に配置され、前記クレードルユニット12のマイクロコンピュータ(クレードルマイコン12b)は、車両が走行する地域に応じて空いている周波数を探索し、その周波数をフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示させるように構成している。
【0243】
これにより、ユーザは、レシーバの周波数を合わせれば、音楽コンテンツや音声ガイダンスを車載スピーカから出力させて聴取することができると共に、ノイズの少ない状態で音楽コンテンツや音声ガイダンスを聴取することができる。
【0244】
図30は、本発明の第2の実施形態に係るナビゲーション装置の動作を示す、図10と同様のフローチャートである。この処理も、図10のフローチャートと同様に、ナビマイコン14mで実行される。
【0245】
図示の処理は、液晶パネル14bに配置されたタッチパネル14sに適宜表示されるセンサモード切替画面が、ユーザによって操作される、すなわちタッチパネル14sが押されることで、開始される。
【0246】
初めにS900において、そのタッチパネル操作に応じてセンサモード切替画面を表示してユーザの選択を促す。次いでS902に進み、ユーザによってシングルセンサモードが選択されたか、換言すれば、車両Aの位置の測位に使用すべき検出器に関する外部からの指示がなされたか否かを判断する。
【0247】
これが肯定されるときはS904に進み、自車位置推定をシングルセンサモード、すなわち、自車位置(車両A)をGPS信号受信装置20の出力(GPS信号)で測位するモードに決定する。
【0248】
一方、否定されるときはS906に進み、自車位置推定を3センサモード、すなわち、自車位置(車両A)を3個のセンサ(GPS信号受信装置20、車輪速センサ22、ジャイロセンサ)の出力で測位すると決定する。換言すれば、外部からの指示に従って車両Aの位置の測位に使用すべき検出器を決定する。
【0249】
ナビマイコン14mでは、図10又は図11に示されたフローチャートの処理において、3センサモード又はシングルセンサモードと決定されているとき、図30の処理を優先させることとする。
【0250】
これについて説明すると、例えば、車両のタイヤがスノータイヤなど径の違うタイヤに交換された場合や、通常の路面からスリップの起こり易い凍結路面に変化した場合など、路面状況が大きく変化するようなユーザが良く知り得る、或いはユーザしか検知し得ない状況が生じ得る。車両そのものが新車で、車輪速センサ22の出力をナビマイコン14m(又はシステムマイコン10i)が十分に学習し終わっていない場合も、同様である。
【0251】
このような場合、車輪速センサ22の出力を用いて3センサモードとして自車位置を測位すると誤差が生じることから、ユーザが外部から指示することで、その状況に応じてセンサを選択可能、より具体的にはシングルセンサモードを選択可能とした。尚、外部からの指示としては、ユーザの他、ディーラー、作業員など人からの指示に限られるものではなく、他の装置からの入力信号等であってもよい。
【0252】
また、ナビマイコン14mは、S904の処理においてシングルセンサモードと決定された後、新しい環境での学習期間が終了して、車輪速センサ22を用いた測位精度が確保されるようになった場合、強制的に3センサモードに切り換えるようにしてもよい。
【0253】
この第2実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニット10に着脱自在であると共に、液晶パネル(ディスプレイ)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と、前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と、前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)とを備え、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータは、前記車両の位置の測位に使用すべき検出器に関する外部からの指示がなされた場合(S900,S902)、その指示に従って、前記車両の位置の測位に使用すべきセンサを決定(S904,S906)するように構成されている。
【0254】
これにより、ユーザなどが良く知り得る状況、例えば、車両のタイヤがスノータイヤなど径の違うタイヤに交換された場合や、通常の路面からスリップの起こり易い凍結路面に変化した場合など、路面状況が大きく変化した状況が生じた場合には、それに応じてセンサを選択可能にすることで、車両位置の測位精度を一層上げることができる。
【0255】
以上の実施形態において、ベースユニット10又はクレードルユニット12が複数個ある場合を説明したが、ベースユニット10又はクレードルユニット12は1個であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0256】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の内のベースユニットとフロントパネルユニットの正面側の斜視図である。
【図2】図1に示すフロントパネルユニットの背面側の斜視図である。
【図3】図1に示すフロントパネルユニット(背面側)、クレードルユニット及びクレードルユニット取付用アームの斜視図である。
【図4】図1に示すベースユニットを車両に搭載した状態を示す説明図である。
【図5】図4の車両の運転席の説明図である。
【図6A】フロントパネルユニットとベースユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図6B】フロントパネルユニットとクレードルユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図6C】認証ユニットによる認証処理を示すフローチャートである。
【図6D】認証コード削除処理を示すフローチャートである。
【図6E】認証コード追加処理を示すフローチャートである。
【図6F】取り外されているフロントパネルユニットに、撮像装置からの画像信号に認証コードを付加して送信する処理を示すフローチャートである。
【図7】撮像装置から画像信号をフロントパネルユニットに送信するための構成を示す図である。
【図8】ナビマイコンのソフトウエア構成を示すブロック図である。
【図9】システムマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図10】ナビマイコンが実行する、フロントパネルユニットがベースユニットとクレードルユニットのどちらに装着されたかを検出する処理のフローチャートである。
【図11】図10の処理に続いて、ナビマイコンが実行する、車両の位置の測位に使用すべきセンサ出力を決定する処理を示すフローチャートである。
【図12】フロントパネルユニットの不揮発性メモリにベースユニットのID番号と共に記憶される、取外し直前の位置情報を示す説明図である。
【図13】フロントパネルユニットが外されている間に車両が移動したか否かの判定処理を示すフローチャートである。
【図14】図13の処理に応じてフロントパネルユニットのナビマイコンによって実行される処理を示すフローチャートである。
【図15】図6などに示す機器の干渉を防止するための優先順位に従った処理の説明図である。
【図16】図15に基づいて実行される処理を示すフローチャートである。
【図17】図8に示すGUI(機能)の構成を示すブロック図である。
【図18】図17の構成における機能削除処理の説明図である。
【図19】複数車両のユーザ達が1個のフロントパネルユニットを共通して使用する場合のスキンファイルの設定処理を示すフローチャートである。
【図20】図19の処理の後に実行される、スキンファイルの自動選択処理を示すフローチャートである。
【図21】図18の機能削除において消去してはいけないボタンの例を示す説明図である。
【図22】図21に従って実行される処理を示すフローチャートである。
【図23】フロントパネルユニットのナビマイコンによって実行される、フロントパネルユニットの盗難判定処理を示すフローチャートである。
【図24】フロントパネルユニットのナビマイコンなどのマイクロコンピュータの図10などに示す処理を行うためのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図25】図24の処理で述べた割り込み処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図26】図25の割り込み処理で使用されるマイクロコンピュータのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図27】図6などに示すアンテナの構成を示す説明図である。
【図28】同様に図6などに示すアンテナの構成の別の例を示す説明図である。
【図29】同様に図6などに示すアンテナ構成の更に別の例を示す説明図である。
【図30】第2の実施形態に係るナビゲーション装置の動作を示す、図10と同様のフローチャートである。
【符号の説明】
【0257】
10・・・ベースユニット、10a・・・ケース、10i・・・システムマイコン(マイクロコンピュータ)、10p・・・ワンセツTVチューナ、10r・・・EEPROM(不揮発性メモリ)、12・・・クレードルユニット、12a・・・ケース、12b・・・クレードルマイコン(マイクロコンピュータ)、12e・・・FMトランスミッタ、12f・・・EEPROM(不揮発性メモリ)、14・・・フロントパネルユニット、14a・・・ケース、14b・・・液晶パネル、14m・・・ナビマイコン(マイクロコンピュータ)、14q・・・BT(Bluetooth)モジュール、14x・・・無線モジュール、20・・・GPS信号受信装置、22・・・車輪速センサ、24・・・ジャイロセンサ、26・・・リバースギヤスイッチ、30・・・認証装置(ユニット)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されて目的地に到達するための情報(方向、地図、経路など)を運転者に伝達するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなナビゲーション装置は、当初、車両に一体的に固定されるタイプに限られていたが、近時は持ち運びできる携帯型も提案されている。また、ナビゲーション機能の部分のみを着脱可能にして、使い勝手の良さを一層向上させた分離型のナビゲーション装置も提案されている。このタイプのナビゲーション装置は、車両の運転席の前方に設置される機器、例えばオーディオ装置と一体型の本体(ベースユニット)と、この本体から着脱可能に構成された部分(フロントパネルユニット)とを備える。この着脱可能な部分は、本体から取り外してもナビゲーション機能を有するため、本体を装着している車両以外での利用や自宅での目的地探索なども可能である。
【0003】
一方、自動車を初めとする車両は、盗難防止を図ることが不可欠である。その盗難防止機能を向上させる手段として、例えば、専用のIDカード(特許文献1参照)或いは免許証カード(特許文献2参照)を所定のカード受入装置に挿入すると、盗難防止のためのロック機能が解除されて、イグニッションキーの操作が有効になり、エンジンの始動を可能にするものが提案されている。
【特許文献1】特開2004−114890公報
【特許文献2】特開2006−273301公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、最近の車両においては、運転席の前方にオーディオ装置等の機器に加えて上記のナビゲーション装置も設けられるため、盗難防止用のカード受入装置を取り付けるためのスペースを確保することが困難で、その取付けに当っては、操作性や運転席の周辺のデザイン性を犠牲にせざるを得なかった。
【0005】
そこで、本発明者らは、盗難防止機能を実現する機器として、近年多くの自動車が搭載しているナビゲーション装置を利用することに着目した。従って、本発明は、専用の盗難防止装置を付加することなく、既存のナビゲーション装置を利用して盗難防止を実現すること、それによって盗難防止装置として使用できるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、車両の車体に取り付けられるベース部と、該ベース部に対して着脱自在に取り付けられて該ベース部に接続され、フロントパネルに地図データを表示すると共に該地図データ上に当該車両の位置を表示するナビゲーション機能を有する表示部とを備えたナビゲーション装置において、
前記ベース部と前記表示部が接続されたことを確認する認証を行い、確認されたときに当該車両の電気制御装置の作動を許容する認証装置を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、分離型のナビゲーション装置のベース部に表示部が接続されたことが確認されたときに、車両の電気制御装置の作動を許容するので、従来のキーによるセキュリティ機能を大きく向上させることとなる。そのための構成として、既存のナビゲーション装置を利用して盗難防止を図ることができるので、盗難防止装置のために新たに設置スペースをとる必要が無い。
【0008】
(2)本発明において、認証ユニットは、例えば、前記表示部と前記ベース部を電気的に接続するコネクタで構成することができる。その場合、認証は、該コネクタによる接続が確認されることである。
【0009】
(3)或いは、認証ユニットは、認証コードに基づいて認証を行うものとすることができる。
【0010】
(4)認証コードは、前記ベース部と前記表示部にそれぞれ記憶されるコードからなり、認証コードによる認証は、前記表示部が前記ベース部に接続されたときに、前記ベース部に記憶された認証コードと前記表示部に記憶された認証コードとが予め定めた関係にあることを確認することで行われる。
【0011】
認証コードとしては、例えば、前記ベース部が備えるメモリに記憶される車両固有コード、又は前記表示部が備えるメモリに記憶されるキーコードを用いることができる。
【0012】
(5)認証ユニットは、表示部がベース部から取り外されているときに、表示部に現在の認証コードを入力することで認証コードの変更(削除又は追加)を可能とすることが好ましい。このように複数の条件を設けることで、認証コードが安易に変更されるのを防止できる。
【0013】
また、上記の認識コードに加えて、前記表示部を外したときの車両の位置情報をベース部と表示部に記憶させ、認証を行うときにその位置情報を照合することが好ましい。これにより、車両が牽引等によって盗難された場合、盗難された位置に車両を戻さなければ認証コード変更ができないので、極めて高い盗難防止が可能となる。
【0014】
(6)認証コードは、予め設定された位置情報の位置でのみ認証コードの変更が可能な設定とすることが好ましい。
【0015】
例えば、車両が試乗車又はレンタカーの場合は、不特定人が利用するので、イグニッションキー等は簡単に複製される。そのため、車両は盗難されやすいが、上記の予め設定された位置でのみ認証コードの変更が可能とすることにより、予め設定したエリア以外では認証コードを変更できない。これにより、同様のナビゲーション装置を持っていても、店が設定したエリアでしか認証コードの変更ができない。このため、セキュリティ効果をより高くすることができる。
【0016】
加えて、エリア設定により、複数の車両や系列店の車両についても複数のエリアコードを事前に登録しておくことで、特にレンタカーの乗り捨てサービスを行う店で、認証コードの変更が可能となり、盗難防止管理が容易になる。
【0017】
(7)本発明のナビゲーション装置においては、車両に取り付けられた撮像装置と、その画像信号を送信する送信機とを備え、該画像信号に認証コードを付加して、取り外された表示部に送信するように構成できる。
【0018】
この構成によれば、車両に取り付けられた撮像装置からの信号を、取り外されたフロントパネルユニットに送信することで、住居内に持ち込んだ表示部を使って車両近辺を監視できる。新たに監視カメラやモニタを設ける必要が無く、盗難の防止や抑止効果が期待でき、しかもその情報の秘匿性も簡単に確保できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、表示部が取り外し自在なナビゲーション装置を、車両のイグニッションキーとするようなものであり、従来の機械式イグニッションキーとナビゲーション装置の暗号キーとを組み合わせることで、盗難防止性能を向上させることができる。
【0020】
例えば、他人に利用させる自動車を保有する自動車ディーラーの試乗車やレンタカー事業者の車両のイグニッションキーが模写されても、ナビゲーション装置の暗号キーを適宜変更することによって盗難防止を図ることができる。
【0021】
また、ナビゲーション装置の地図情報と現在位置(自動車販売店やレンタカー店)を比較することで始動の可否を判断することができる。
【0022】
盗難された場合でも、通信機能を備えたナビゲーション装置であれば、車両の現在位置を容易に把握できるので、盗難を抑止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態について説明する。
【0024】
図1は、第1の実施形態に係るナビゲーション装置のベース部を構成するベースユニットと、これに着脱自在な表示部を構成するフロントパネルユニットとを備えた正面側の斜視図、図2は、フロントパネルユニットの背面側の斜視図、図3は、フロントパネルユニット(背面側)とクレードルユニットとクレードルユニット取付用アームの斜視図である。図4は、それを搭載した状態を示す説明図であり、図5は、車両の運転席付近の説明図である。
【0025】
図1に示すように、本実施形態のナビゲーション装置は、車両Aのダッシュボードに固定或いは内蔵される(固定自在)と共に、車両Aの電源(バッテリ)から動作電源を供給されるベースユニット10と、車両Bのダッシュボードに固定される(固定自在)と共に、車両Bの電源(バッテリ)から動作電源を供給されるクレードルユニット12と、ベースユニット10或いはクレードルユニット12に着脱自在なフロントパネルユニット14とを備える。この場合、車両Aと車両Bは共に自動車である。
【0026】
ベースユニット10とクレードルユニット12は、それぞれ本発明におけるベース部を構成する。後述のように、各ユニット10,12は、EEPROM、AM・FM・TVチューナ、DVD録再生装置等の電子回路を備えると共に、車両に設けられたGPS装置、車速検出装置、トランスミッションスイッチ、チューナ用外部アンテナ、ETC装置等の電気機器に接続されている。
【0027】
フロントパネルユニット14は、後述のように、液晶パネルの他、ナビマイコン、RAM、FLASH、Bluetoothモジュール、メモリカード、無線モジュール等を備えており、本発明における表示部を構成する。
【0028】
本実施形態のナビゲーション装置においては、ベースユニット10とフロントパネルユニット14の組み合わせを基本とする。ただし、応用例として、フロントパネルユニット14をクレードルユニット12に組み付けるようにしてもよい。図4に示すように、ベースユニット10−1,10−2,10−3,...、或いはクレードルユニット12−1,12−2,12−3,...を、対応する車両A1,A2,A3,...或いは車両B1,B2,B3,...に着脱自在とし、更に、ユーザは、フロントパネルユニット14の画面設定を自分専用に前もって設定し、車両ごとのベースユニット10又はクレードルユニット12のID番号に合わせて切り替えて使用することで、本装置の利便性を向上させることができる。
【0029】
ベースユニット10は、全体としてボックス状のケース10aを備え、その内部には、車両Aのオーディオ機器を操作自在なマイクロコンピュータなどを戴置する基板などが収容される。ケース10aの前面は、2DIN(ドイツ工業規格)サイズに形成され、そこには凹部10bが形成される。
【0030】
フロントパネルユニット14は、ベースユニット10の前面とほぼ同じサイズか又は若干大きいプレート状のケース14aを備えると共に、ケース14aの前面には、地図データを表示する液晶パネル(ディスプレイ)14bのほか、ユーザ(操作者)の操作自在に設けられたスイッチ類、例えば目的地入力スイッチ14c、現在地入力スイッチ14d等と、“i−pod”(登録商標)及びオーディオ機器に接続するためのジャック14e及び14fとを備える。液晶パネル14bには、ユーザ(操作者)がタッチした位置を検出できるタッチパネルが設けられるが、これについては後述する。
【0031】
フロントパネルユニット14は、ベースユニット10の凹部10bに着脱自在に構成される。以下、その着脱動作について説明する。
【0032】
先ず、装着のために、フロントパネルユニット14の背面には、図2に示すように、左側に固定爪14gが形成されると共に、右側に可動のキャッチレバー14hが配置される。ベースユニット10の凹部10bには、右側に可動のロックレバー10cが配置されると共に、左側には固定爪10dが形成され、フロントパネルユニット14が装着されるとき、それぞれフロントパネルユニット14のキャッチレバー14hと固定爪14gと嵌合する。
【0033】
図1に示すように、ベースユニット10の凹部10bにはコネクタ10eが設けられ、フロトパネルユニット14は、ベースユニット10に装着されると、コネクタ10eを通じて車両Aの電源(バッテリ)から動作電源を供給されると共に、GPS信号受信装置20などの各種センサ及びAV機器のデータと制御信号などが送受される。コネクタ10eの電気接点のうち左右の電気接点は、グラウンド接点となっている。
【0034】
次に、取外しについて説明する。フロントパネルユニット14には、ジャック14e,14fの下部にデタッチボタン14iが設けられる。ベースユニット10に装着された状態で、ユーザによってデタッチボタン14iが押されると、その動きは、ベースユニット10に配置されたデタッチノブ10fを介して、ロックレバー10cに伝えられ、ロックレバー10cが外方に移動されて、固定爪との嵌合が解かれる。
【0035】
フロントパネルユニット14の左側のキャッチレバー14hは、スプリング力で外方(図2で右側)に付勢されてベースユニット10の固定爪10dと嵌合されているに過ぎないので、左側が開放されて、ユーザによってフロントパネルユニット14が(図1で)右方向に少し移動させられると、ベースユニット10との嵌合が解かれる。よって、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外すことができる。
【0036】
図1に示すように、ベースユニット10の前面の凹部10bには、リリースレバー10gが配置される。リリースレバー10gは、スプリングを弾装されたキックレバー(共に図示せず)を介してフロントパネルユニット14が装着されるとき、それを押し出す方向に付勢される。リリースレバー10gには、パネルユニット検出スイッチ(図示せず)が取り付けられ、リリースレバー10gの位置(すなわち、フロントパネルユニット14の着脱)に応じた出力として、例えば、フロントパネルユニット14が装着されるときオン信号、取り外されるときオフ信号を生じる。
【0037】
図2及び図3に示すように、フロントパネルユニット14の背面には、クレードルユニット12が着脱自在に取り付けられる。フロントパネルユニット14とクレードルユニット12の着脱機構(図示省略)は、図1を参照して説明したフロントパネルユニット14とベースキャッチレバーなどを介して、クレードルユニット12に取り外し自在に装着される。クレードルユニット12にも、パネルユニット検出スイッチが配置される。
【0038】
クレードルユニット12は、クレードルユニット取付用アーム16を介して車両Bのダッシュボードに固定される。クレードルユニット12はフロントパネルユニット14のケース14aより高さにおいて小さく、奥行きにおいて大きいケース12aを備え、その内部にはマイクロコンピュータなどを戴置する基板などが収容される。
【0039】
図5に示すように、フロントパネルユニット14は、車両A又はBの運転席付近、例えば、ダッシュボードに内蔵されるベースユニット10に装着されるか或いはクレードルユニット12を介してダッシュボードに配置されるが、いずれの場合であっても、フロントウインドウ18に近い高さに配置される。
【0040】
より具体的には、フロントパネルユニット14は、ベースユニット10に装着されるとき、フロントパネルユニット14の液晶パネルの長手方向中心線14bcが、(平均的な座高を有する)ユーザから見て、ステアリングホイールSWの回転中心SWcより僅かに、また、ステアリングシャフトのダッシュボード面位置(ほぼフロントパネルユニット14の前面位置)での回転中心SHcよりかなり高い位置に配置される。つまり、回転中心SHcは、フロントパネルユニット14の下面寄りに配置される。尚、符号SLは、変速機のシフトレバーを示す。
【0041】
本実施形態のナビゲーション装置においては、上記のように、フロントパネルユニット14がベースユニット10又はクレードルユニット12と着脱自在に構成されると共に、後述のコネクタの接続或いは認証コードにより、フロントパネルユニット14がベースユニット10又はクレードルユニット12と接続されたことを確認する認証を行い、その接続が確認されると車両の電気制御装置の作動を許容する認証ユニット30(図6A)が設けられる。
【0042】
図6Aは、フロントパネルユニット14とベースユニット10の内部構成を示し、図6Bは、フロントパネルユニット14とクレードルユニット12の内部構成を示すブロック図である。
【0043】
図6Aに示すように、フロントパネルユニット14は、マイクロコンピュータ(「ナビマイコン」という)14mを備え、ベースユニット10は、マイクロコンピュータ(「システムマイコン」という)10iを備える。また、図6Bに示すように、クレードルユニット12は、マイクロコンピュータ(「クレードルマイコン」という)12bを備える。フロントパネル側のナビマイコン14mは、システムマイコン10i又はクレードルマイコン12bの数倍の処理能力を備える。
【0044】
図6Aにおいて、ベースユニット10は、システムマイコン10iに加えて、車両Aに取り付けられたアンテナ10jを介して交通情報を受信する交通情報モジュール(VICS)10kと、車両Aの車載オーディオ機器(AM/FMラジオなど。図示せず)への放送電波を受信するチューナ10lと、車載オーディオ機器の動作を制御するオーディオ(Audio)回路ブロック10mと、DVDなどの映像をフロントパネルユニット14の液晶ディスプレイ14bに表示させるためのビデオ(Video)回路ブロック10nと、システムマイコン10iと相互通信して動作し、ディスクから映像信号を読み取り、映像信号を復調してビデオ回路ブロック10nにアナログ信号としてオクルDVDモジュール10oと、図示しないアンテナを介して地上デジタル放送を受信するワンセグ(1SEG)TVチューナ10pと,不揮発性メモリからなるEEPROM10qと、フロントパネルユニット14(具体的には、フロントパネル側のコネクタ)と電気的に接続するためのコネクタ10zとを備える。
【0045】
更にベースユニット10は、ジャイロセンサ(以下、単に「ジャイロ」という)24を備え、これと、車体側に設けた、GPS(Global Positioning System)信号を受信するGPS信号受信装置(以下、単に「GPS」という)20、車輪速センサ(「SPEED PLS」という)22、及びリバースギヤスイッチ(「REVERSE」という)26とが、システムマイコン10i接続されている。リバースギヤスイッチ26は、変速機或いは変速機のシフトレバー30(図5)に接続される。
【0046】
GPS信号受信装置20は、アンテナ20aを備え、アンテナは、ベースユニット10のケース10a或いはダッシュボードやメータバイサなどの適宜位置に取り付けられる。
【0047】
尚、フロントパネルユニット14がベースユニット10から取り外されてクレードルユニット12に装着されるとき、クレードルユニット12のケース12a或いはクレードルユニット取付用アーム16の適宜位置などに取り付けられたものを利用する。
【0048】
車輪速センサ22は、車両Aのドライブシャフト(図示せず)付近に配置され、ドライブシャフト、すなわち車輪(タイヤ)の所定回転角度ごとにパルス信号を出力する(すなわち、車両Aの車輪の回転速度を検出する)。
【0049】
ジャイロセンサ24は、ベースユニット10のケース10aの内部に配置され、車両Aの重心位置における鉛直軸回りの角速度(ヨーレート)に応じて電圧が変化する出力を生じる。すなわち、車両Aの鉛直軸(具体的には、X,Y,Zの3軸)回りの角速度(ヨーレート)を検出する。
【0050】
また、ジャイロセンサ24は、車両Aと同様な振動を受けるようにケース10aの内部の適宜な基板上に縁部に近接して配置されると共に、取付け角度によっても感度が変化するため、車両Aに取り付けた後に取付け角度が計測されてEEPROM10qに格納される。
【0051】
リバースギヤスイッチ26は、車両Aの変速機(図示せず)又はシフトレバー30(図5)の適宜位置に配置され、車両Aを後進させるリバースギヤが係合(オン)するか、或いはシフトレバー30がR位置にあるとき、すなわち、車両Aが後進走行しようとするとき、オン信号を出力する。
【0052】
フロントパネルユニット14は、ナビマイコン14mに加え、RAM14nと、ナビゲーション用の地図データなどを格納するFLASHメモリ14oと、ケース14aに取り付けられたアンテナ14pを介して携帯電話ハンズフリーマイクとの間で2.45GHzの電波を送受信するBT(Bluetooth)モジュール14qと、メモリカード14rと、液晶パネル14bの上に配置されたタッチパネル14sと、その動作を制御するタッチパネルマイコン14tと、液晶表示のための各種同期信号を生成するタイミングコントローラ14uと、ベースユニット10のビデオ回路ブロック10nなどの入出力を行うビデオスイッチ14vと、ケース14aに取り付けられたアンテナ14wを介してリアカメラとからの画像データを同様の周波数帯域の電波で受信する無線モジュール14xと、ベースユニット10(具体的には、ベースユニット側のコネクタ10z)と電気的に接続するためのコネクタ14zとを備える。
【0053】
BTモジュール(近距離送受信モジュール)14qと、無線モジュール(画像データの受信専用モジュール)14xは、例えばケース14aの背面に配置される。
【0054】
図6Aに示す構成において、車両側でGPS信号を受信する受信装置20は、ベースユニット10の側に設置され、GPS信号から得られる位置情報を、車輪速センサ22とジャイロセンサ24とリバースギヤスイッチ26の出力と共に、システムマイコン10iで並べ替え統合して、ナビマイコン14mに送出する。
【0055】
ナビマイコン14mは、GPS信号に基づいて車両Aの位置を最初に取得した後、車輪速センサ22とジャイロセンサ24の出力で補正する。このように、ナビマイコン14mは自律航法に従って車両Aの位置を測位する。自律航法に従って測位された自車位置は所定時間ごとにFLASHメモリ14o及び/又はEEPROM10qに保存され、車両Aのエンジンが始動されて電源が投入された後、直ちに現在位置を推定できるようにする。
【0056】
システムマイコン10iとナビマイコン14mとの間では、信号線(シリアルデータライン)を介して低速デジタル信号が送受される一方、ワンセグTVチューナ10pを介して入力された映像信号は、別のデータ線を介して、高速デジタル信号としてフロントパネルユニット14に送出される。
【0057】
これに対し、DVDモジュールや外部から入力される映像信号は、ベースユニット10のビデオ回路ブロック10nに入力された後、信号線を介してアナログ信号としてフロントパネルユニット14のビデオスイッチ14vに送られる。ビデオスイッチ14vの出力は、デジタル信号としてナビマイコン14mに送出されると共に、ナビマイコン14mからの制御信号も入力される。更に、無線モジュール14xの画像信号を、ビデオスイッチ14vを介してビデオ回路ブロック10nに送り、外部端子から他の映像装置に送って見せたり記録させたりしてもよい。
【0058】
次に、図6Bを参照して、クレードルユニット12の内部構成を説明する。
【0059】
クレードルユニット12は、クレードルマイコン12bに加え、クレードルユニット12に内蔵されるスピーカへの音声入出力を制御するオーディオ(Audio)回路ブロック12cと、アンテナ12dを介してオーディオモジュールの出力を電波で送信するFMトランスミッタ12eと、不揮発性メモリからなるEEPROM12fと、アンテナ12gを介して地上デジタル放送を受信するワンセグ(1SEG)TVチューナ12hと、フロントパネルユニット14(具体的には、フロントパネル側のコネクタ14z)と電気的に接続するためのコネクタ12zとを備える。
【0060】
尚、前述のように、フロントパネルユニット14がベースユニット10から取り外されてクレードルユニット12に装着されるとき、GPS信号受信装置20のアンテナ20aは、車両Bのものを利用する。
【0061】
クレードルマイコン12bは、GPS信号から得られる位置情報をフロントパネルユニット14のナビマイコン14mに送出し、ナビマイコン14mは、GPS信号のみに基づいて、車両Bの位置を測位する。
【0062】
本発明によれば、ナビゲーション装置は、次のような認証ユニットを備える。
【0063】
図6Aに示す実施形態では、ベースユニット10のコネクタ10zとフロントパネルユニット14のコネクタ14zとの接続及び/又はベースユニット10からのフロントパネルユニット14の取外しを検知するために、認証ユニット30が、ベースユニット10のコネクタ10zに電気的に接続されると共に、システムマイコン10iにも接続されている。
【0064】
この認証ユニット30は、ベースユニット10とフロントパネルユニット14が接続されたときに、コネクタ10zからの電気信号に応じて認証を行い、ベースユニット10とフロントパネルユニット14との接続が確認されると、車両の電気制御装置40の作動を許容する信号を出力する。この信号は、電気制御装置40に供給されると共に、BT(Bluetooth)モジュール31とアンテナ32を含む通信装置を介して、携帯電話などの外部機器に送信される。
【0065】
車両の電気制御装置40は、例えばイグニッション回路、イモビライザ装置、燃料噴射装置等、所定の対象を制御する電気回路や、車載機器の動作プログラムを格納した処理装置その他のハードウェアを含む。
【0066】
認証ユニット30は、前述のようにベース部を構成するベースユニット10又はクレードルユニット12と、表示部を構成するフロントパネルユニット14とを電気的に接続するコネクタ10z、12z、14zのほか、グランド接点に接続してもよく、それらコネクタの接続やフロントパネルユニット14の取外しを検知するスイッチの状態を検出して、簡易に認証を行うことができる。
【0067】
更に認証の精度を高めるために、フロントパネルユニット14に内蔵したメモリ(FLASHメモリ14o)に記述された認証コードと、ベースユニット10、クレードルユニット12又は車両に設けられたメモリ(EEPROM10q、12fなど)に記述された認証コードとを用いて、認証ユニット30が内蔵した認証プログラムに従って認証するように構成される。
【0068】
この場合、ベースユニット10、クレードルユニット12、フロントパネルユニット14にそれぞれ認証コードが設けられ、その認証コードの送受信は、前述のようにフロントパネルユニット14とベースユニット10又はクレードルユニット12とを電気的に接続するコネクタ14zと10z又は12zの接続、或いはBTモジュール31等の通信装置を介して行うことができる。
【0069】
認証コードとしては、例えば、車両に設けられたメモリに記憶される車両固有コード、或いはフロントパネルユニット14が備えるメモリに記憶されるキーコードを用いることができる。
【0070】
ここで、認証コードによる認証には、例えば、特開2001−65209公報に開示された認証装置で実行される方法を用いることができる。
【0071】
それは、送信機が送信ボタンの押し下げに応答して可変コードを送信し、送信ボタンが所定数のサイクルにわたって連続して押し下げられることに応答して、可変コードとともに送信機に固有の識別コードを送信する一方、受信機が送信機から可変コードを受信するとき、記憶手段に記憶されている可変コードと比較し、両者が予め定めた関係にあるかどうかの第1判定を行い、送信機から可変コードとともに識別コードが受信されるならば、受信した識別コードを記憶手段に記憶されている識別コードと比較し、両者が一致するかどうかの第2判定を行う。そして、第1判定が肯定であるときに、受信した可変コードで記憶装置の可変コードを上書きし、第1判定が否定で第2判定が肯定であるときに所定の処理を行う、というものである。
【0072】
上記の認証方法を用いる場合、認証ユニット30は、フロントパネルユニット14がベースユニット10又はクレードルユニット12と接続されたことを、送信ボタンの押し下げ動作又は日付の変化に読み替えて確認する認証を行い、確認されたときに車両の電気制御装置の作動を可能にする。
【0073】
このような認証コードを用いて認証を行う場合には、認証ユニット30は、以下のような認証処理に加えて、認証コードを変更(削除、追加)する処理、及び認証コードを付加して送信する処理を行う機能を備える。
【0074】
その場合、認証ユニット30は、それらの処理を行う認証プログラム(ソフトウェア)、又はそれを格納した処理装置(CPU)のようなハードウェアのいずれでもよい。また、そのいずれも、ベースユニット10のシステムマイコン10iとクレードルユニット12のクレードルマイコン12bの一方又は両方に組み込まれるか、或いは別途設けられる専用の電子回路でもよい。更に、認証コードの変更処理は、販売店や自宅に設置したクレードルユニットの機能を備えたコンピュータで実行してもよい。
【0075】
認証ユニット30の処理がコンピュータで実行される場合、以下で説明する図6C〜6Fのフローチャートで示される処理は、後述の割り込み処理(図25)によって行われる。
【0076】
以下、認証ユニット30によって実行される処理について説明する。
【0077】
図6Cは、認証処理を示すフローチャートである。
【0078】
初めに、S40において「認証モード」か否かを判断し、肯定されるときはS41に進み、表示部(本実施形態の場合、フロントパネルユニット14)が装着済みか否かを判断し、肯定されるときはS42に進み、GPSによる位置情報が予め設定したエリア内か否かを判断し、肯定されるときはS43に進み、認証コードが正しいか否かを判断し、肯定されるときはS44に進み、車両コードが正しいか否かを判断し、肯定されるときはS45に進み、車両の電気的装置の動作許可信号を送信(動作許可フラグをセット)して、この処理を終了する。
【0079】
一方、S40〜44の各判断で否定のとき、この処理を終了する。
【0080】
図6Dは、認証コード削除処理を示すフローチャートである。
【0081】
初めに、S50において「認証コード削除」モードか否かを判断し、肯定されるときはS51に進み、表示部(本実施形態の場合、フロントパネルユニット14)が装着済みか否かを判断し、肯定されるときはS52に進み、GPSによる位置情報が予め設定したエリア内か否かを判断し、肯定されるときはS53に進み、パスワード(暗証番号)が正しいか否かを判断し、肯定されるときはS54に進み、削除する認証コードが登録されているか否かを判断し、肯定されるときはS55に進み、削除する認証コードとエリアコードを認証用メモリから削除して、この処理を終了する。
【0082】
一方、S50〜54の各判断で否定のとき、この処理を終了する。
【0083】
図6Eは、認証コード追加処理を示すフローチャートである。
【0084】
初めに、S60において「認証コード追加」モードか否かを判断し、肯定されるときはS61に進み、表示部(本実施形態の場合、フロントパネルユニット14)が装着済みか否かを判断し、肯定されるときはS62に進み、GPSによる位置情報が予め設定したエリア内か否かを判断し、肯定されるときはS63に進み、パスワード(暗証番号)が正しいか否かを判断し、肯定されるときはS64に進み、新たな認証コードが既に登録されているか否かを判断し、否定されるときS65に進み、新認証コードとエリアコードを併せて認証用メモリに追加して、この処理を終了する。
【0085】
一方、S60〜63の各判断で否定、又はS64の判断で肯定のとき、この処理を終了する。
【0086】
図6Fは、フロントパネルユニット14がベースユニット10から取り外されているとき、後述の撮像装置51(図7)からの画像信号に認証コードを付加して送信する処理を示すフローチャートである。
【0087】
初めに、S70においてフロントパネルユニット14が取り外されたか否かを判断する。これは、前記したパネル検出スイッチの出力から判断する。S70で肯定されるときはS71に進んで、車両のバッテリー充電容量が規定値以上か否かを判断し、否定されるときはS72に進み、バッテリー容量信号を送信(バッテリー容量フラグをセット)して、この処理を終了する。
【0088】
S71で肯定されるときはS73に進み、GPSによる位置情報が予め設定したエリア内か否かを判断し、肯定されるときはS74に進み、認証コードが設定されているか否かを判断し、肯定されるときはS75に進み、「送信禁止状態」か否かを判断し、否定されるときはS76に進み、後述の撮像装置51からのデータ信号を送信(送信許可フラグをセット)して、この処理を終了する。
【0089】
一方、S70で否定、S73で否定、S74で否定、又はS75で肯定のとき、この処理を終了する。
【0090】
この実施形態では、上記のように認証コードによる認証を行うことで、高いセキュリティ効果が得られるようにしているが、上記のコネクタの接続のみで認証を行うようにしてもよい。
【0091】
次に図7に示すように、本実施形態のナビゲーション装置を搭載する車両は、車両の内外を監視するためのモニタ用のデジタルカメラのような撮像装置51と、その撮影画像や事故の状況等を記録するためのドライブレコーダ52とを備える。そして、撮像装置51の画像をドライブレコーダ52に記録すると共に、これに接続した無線モジュール53とアンテナ54からなる送信機から、その画像信号に前述(図6F)のように認証コードを付加して、車両側のベースユニット10から取り外されたフロントパネルユニット14に送信することができる。
【0092】
このように、車両に設置された撮像装置からの画像信号を、ベース部から取り外された表示部(フロントパネルユニット)に送信するように構成することで、例えば、住居内に持ち込んだフロントパネルユニットを使って車両の内外近辺を監視できる。特に、車両に既に搭載されているカメラやドライブレコーダを用いるので、新たに監視カメラやモニタを備える必要が無く、盗難の防止や抑止効果が期待されると共に、認証コードを付加することで監視情報の秘匿性も簡単に確保できる。
【0093】
この実施形態において、撮像装置51としては、CCD、CMOS等のデジタル撮像素子を用いた事故記録用カメラ、サイドビューカメラ、バックモニタカメラ、360度カメラが用いられる。
【0094】
また、デジタル撮像素子とその画像を処理する処理装置(CPU)を備えた撮像装置(デジタルカメラ)には、公知の顔認識機能(ソフトウェア)が組み込まれ、フロントパネルユニット14が外されている場合に、その撮像装置で人間の顔画像を認識したときは、その画像をより精細に記録し且つ送信する。
【0095】
このような撮像装置によれば、これを搭載した車両から送られる画像信号により、車や人等の大型の物の接近や通過を判断できる。更に、その判断前後の画像を含めて画像の変化を送信する送信モードと、撮像した画像を常時送信するモードの選択ができるようにしてもよい。
【0096】
また、フロントパネルユニット14に対する認証コードの設定及び変更は、図7に示すように、店に設置されたクレードルユニット12sにフロントパネルユニット14を装着した状態で行われる。すなわち、クレードルユニット12sにフロントパネルユニット14に装着すると、フロントパネルユニット14に電源が供給されると共に、パソコン15と電気的に接続されるので、パソコン15を操作することで、認証コードの設定及び変更を行うことができる。
【0097】
次に、図6Aに示すナビマイコン14mとシステムマイコン10iにおいて、ナビマイコン14mのソフトウエア構成を図8に、システムマイコン10iのソフトウエア構成を図9に示す。
【0098】
上記ナビゲーション装置のように多くの機能を持ち、設定項目が多い機器を操作する場合、グラフィカル・ユーザ・インタフェース(Graphical User Interface:以下「GUI」という)を用いると、ユーザは視覚的に操作方法を理解することができる。
【0099】
この点に鑑み、本実施形態のナビゲーション装置においては、図6Aに示すフロントパネルユニット14のナビマイコン14mに、GUIをカスタマイズできる構成を組み入れ、ユーザがタッチパネル14sで操作することによって機能を実行させるようにした。
【0100】
すなわち、図8に示すように、フロントパネルユニット14のナビマイコン14mは、液晶パネル14bにメニューを表示し、ユーザにタッチパネル14sを押させることによって指定された機能を実行するGUI機能と、GUI機能で選択された動作を実行する機能(アプリケーション機能)と、各機能に対する処理時間を規定したりメモリ空間を管理したりする機能(プラットフォーム機能)と、周辺デバイス(ハードウエア)のそれぞれをアクセスする機能(ドライバ)とを備える。GUI機能は、XMLパーサと、VIEWコントローラと、MODELコントローラとで構成される。
【0101】
ナビマイコン14mは、前記したように、信号線(シリアルデータライン)を介して、ベースユニット10のシステムマイコン10iに、チューナやディスクドライブの制御コマンドを供給する。
【0102】
一方、ベースユニット10の側では、図9のS1〜S8に示すように、システムマイコン10iがナビマイコン14mからのコマンドを受けて周辺デバイスの制御を行い、そのデバイスから得られる情報やセンサデータを、シリアルデータラインを介してナビマイコン14mに伝える。図示は省略するが、クレードルユニット12において、クレードルマイコン12bも、システムマイコン10iと同様な処理を行う。
【0103】
更に、フロントパネルユニット14において、ナビマイコン14mは、システムマイコン10i或いはクレードルマイコン12bからの情報により、どちらが装着されたのかを認識して、自車位置測位を3個のセンサ出力とGPS信号のみの1個のセンサ出力で行うべきかを決定する。ベースユニット10とクレードルユニット12は、それぞれID番号(識別番号)を付与され、不揮発性メモリEEPROM10q,12fに保存される。
【0104】
図10は、ナビマイコン14mでの処理を示すフローチャートである。
【0105】
S10において、自らが格納されているフロントパネルユニット14の装着が検出されたか否かを判断する。装着されると、信号線を通じてシステムマイコン10i或いはクレードルマイコン12bと通信自在となるので、ナビマイコン14mは、それによって自らの装着を検出できる。
【0106】
S10で肯定されるときはS12に進み、取付け先(装着先)のID番号(識別番号)を読み出し、S14に進み、装着されたのがベースユニット10か否かを判断し、肯定されるときはS16に進み、自車位置(車両A)を3個のセンサ(すなわち、GPS信号受信装置20、車輪速センサ22、ジャイロセンサ)の出力で測位する。
【0107】
S14で否定されるときは、装着されたのがクレードルユニット12となるので、S18に進み、自車位置(車両B)をシングルセンサ(すなわち、GPS信号受信装置20)の出力(GPS信号)で測位する。
【0108】
例えば、渋滞路を走行する場合、車輪速センサ22の出力が生じなかったり、疎らになったりすることがあるが、センサの出力状態に応じて決定することで、測位に使用するセンサを最適に選択して車両位置の測位精度を上げることができる。また、測位が3個のセンサの使用に必ずしも限定されない点で、測位における検出器の使用の柔軟性を向上させることができる。
【0109】
図10の処理では、車輪速センサ22の出力をX秒間入力することで判断したが、それ以外にも車輪速センサ22の出力が所定の閾値を超えているか否かを判断し、超えていない場合には、シングルセンサモードと決定するようにしてもよい。
【0110】
また、フロントパネルユニット14において、ナビマイコン14mは、図10の処理に加え、システムマイコン10i或いはクレードルマイコン12bからの情報により、どちらが装着されたのかを認識して、自車位置測位を3個のセンサ出力とGPS信号のみの1個のセンサ出力で行うべきか決定する。すなわち、フロントパネルユニット14のナビマイコン14mは、フロントパネルユニット14の装着状態に応じて、車両の位置の測位に使用すべきセンサ(検出器)を決定する。ベースユニット10とクレードルユニット12は、それぞれID番号(識別番号)を付与され、不揮発性メモリ(EEPROM)10r、12fに保存される。
【0111】
図11は、その処理を示すフローチャートであり、この処理も、図10と同様にナビマイコン14mで実行される。
【0112】
初めにS20において、自らが格納されているフロントパネルユニット14の装着が検出されたか否かを判断する。装着されると、信号線を通じてシステムマイコン10i或いはクレードルマイコン12bと通信自在になることから、ナビマイコン14mは、それによって自らの装着が検出されたか否かを判断する。
【0113】
S20で肯定されるときはS22に進み、取付け先(装着先)のID番号(識別番号)を読み出して、S24に進み、装着されたのがベースユニット10か否かを判断し、肯定されるときはS26に進み、自車位置推定を3センサモードで、すなわち自車位置(車両A)を3個のセンサ(GPS信号受信装置20、車輪速センサ22、ジャイロセンサ)の出力で、測位する。
【0114】
S24で否定されるときは、装着されたものはクレードルユニット12になるので、S28に進み、自車位置推定をシングルセンサで、すなわち自車位置(車両B)をGPS信号受信装置20)の出力(GPS信号)で、測位する。
【0115】
このように、フロントパネルユニット14の装着状態に応じて、車両A或いはBの位置の測位に使用すべきセンサを決定するように構成したので、測位におけるセンサの使用の柔軟性を向上させることができる。
【0116】
次に、上記した自車位置の保存について説明する。
【0117】
前述のように、ベースユニット10は複数個、例えばベースユニット10−1,10−2,10−3,...を設けることもあるが、そのような場合、フロントパネルユニット14内の不揮発性メモリ(FLASHメモリ14o)に保存された車両Aの位置データが別の車両、すなわち、車両A2,A3などのデータである可能性もある。よって、装着された後、GPS信号を受信して測位して確認せざるを得ないという場合が生じる。
【0118】
従って、本実施形態のナビゲーション装置において、ベースユニット10が複数個設けられる場合、図12に示すように、取り外される直前の車両の位置情報がID番号と共にフロントパネルユニット14のFLASHメモリ14oに記憶される。フロントパネルユニット14は、ベースユニット10から取り外されたとき、そのベースユニットのID番号と位置情報をペアで保存しておき、再び同一のベースユニットに装着されたとき、そのID番号から取り外されたときの位置情報を読み出して位置情報として使用する。これにより、誤った位置情報が使用されるのを防止することができる。
【0119】
また、ベースユニット10が1個であると複数個であるとに拘らず、フロントパネルユニット14が外されている間に車両Aが移動して再び装着された場合、現在位置とフロントパネルユニット14に保存されている位置情報とが相違する場合も生じ得る。
【0120】
従って、本実施形態のナビゲーション装置においては、フロントパネルユニット14が外されている間に車両Aが移動したことを示すフラグFLVをベースユニット10のEEPROM10qに設けて処理するようにした。この処理は、ベースユニット10のシステムマイコンによって実行される。
【0121】
図13は、システムマイコン10iによって実行される判定処理を示すフローチャートである。
【0122】
初めにS100において、フロントパネルユニット14が取り外されたか否かを判断する。これは前記したパネル検出スイッチの出力から判断する。S100で肯定されるときはS102に進み、フラグFLVのビットを1にセットし、S104に進み、車両が移動したか否かを判断する。これは前記した車輪速センサ22の出力から判断する。
【0123】
S104で否定されるときはS106に進み、フロントパネルユニット14が再び装着されたか否かを判断し、否定されるときはS104に戻ると共に、肯定されるときはS108に進み、フラグFLVのビットを0にリセットする。S104で否定されてS106に進み、そこで肯定されたときは、いずれにしても車両が移動していないことから、S108をスキップする。
【0124】
図14は、システムマイコン10iでの処理に応じて、ナビマイコン14mで実行される処理を示すフローチャートである。
【0125】
初めにS200において、ベースユニット10に装着されたか否かを前記パネル検出スイッチの出力から判断し続け、肯定されるときはS202に進み、ベースユニット10のEEPROM10qに格納されているフラグFLVを読み出し、S204に進み、フラグFLVのビットが1にセットされているか否かを判断する。
【0126】
S204で肯定されるときは車両が移動されていないことからS206に進み、履歴テーブル(図12)の中に該当するベースユニット10のID番号があるか否かを判断し、肯定されるときはS208に進み、該当するID番号の位置情報を自車位置とする。
【0127】
他方、S204で否定されるときはS210に進み、ベースユニット10に保存されている位置情報を読み出す。S206で否定されたときも同様である。次にS212に進み、それが0データではないか否かを判断し、肯定されるときはS214に進み、それを自車位置とする一方、否定されるときはS216に進み、現在地設定処理を行う(後述)。
【0128】
すなわち、ベースユニット10のシステムマイコン10iは、フロントパネルユニット14が取り外された後、電源がオフされる度にGPS信号の中の位置情報と搭載車両の向き情報をEEPROM10qに書き込む。このとき、もしGPSが測位できていない場合、0データを書き込む。
【0129】
フロントパネルユニット14において、ナビマイコン14mは、ベースユニット10に装着された後、フラグFLVを参照して保存していた位置情報が使用できないと判断された場合、ベースユニット10の内部に保存されていた位置情報を読み込み、それが0データでなければ、それを自車位置として使用する(S204,S210,S212,S214)。それにより、フロントパネルユニット14が一旦取り外されて車両が移動した後に再度装着されたとしても、自車位置を表示できるナビゲーション装置として機能することができる。
【0130】
ただし、その場合においても、地下駐車場のような場所であると、フロントパネルユニット14を装着してもGPS信号を取得することができず、従って自車位置は0データとせざるを得ない。自車位置がロストしていると、目的地までの経路を計算することができず、到着時間なども予測することができない。
【0131】
そこで、本実施形態に係るナビゲーション装置においては、自車位置がロストされていた場合に限り、自車位置を目的地設定と同じ要領で設定できるようにした(S216)。具体的には、ユーザは自車位置を住所検索か周辺施設情報から選択することによって自車位置を確定させ、目的地設定と経路計算などを可能とする。
【0132】
その後、道路上を走行している間はGPS信号を入力して測位するまでユーザを誘導はできないが、GPS信号を入力すればその位置を自車位置として自律航法に従ってユーザを誘導することができる。
【0133】
次に、ナビゲーション情報の保存或いはベースユニット間の情報の共有について説明する。
【0134】
ナビゲーション装置では、自車位置を測位するに当たり、車両ごとに固有のパラメータを用いることになる。すなわち、ジャイロセンサ24は取り付け状態によって感度が異なるため、取り付けるときの角度を計測して記憶しておき、ナビゲーションにおいては記憶値でセンサ出力を補正することになる。
【0135】
自律航法において、移動距離を算出するに当たり、車輪速センサ22が出力する1パルス当たりの移動距離(Distance Per Pulse)が用いられる。そのDPPはGPS信号から導かれた移動軌跡と車輪速センサ22のパルス数から算出され、常に更新している。
【0136】
これらジャイロセンサ24の取り付け角度或いは移動距離DPPは、ナビゲーション装置が搭載される車両に固有のパラメータであるので、この実施形態においては、それらのパラメータをベースユニット10のEEPROM10qに保存しておくこととする。その場合、ユーザがベースユニット10のみを買い換えるとき、それらの情報をメモリカードなどに一旦退避させて、新しいベースユニット10に入れ直すこととなる。
【0137】
この点に鑑み、本実施形態のナビゲーション装置においては、ベースユニット10のEEPROM10rに保存されている情報(パラメータ)をフロントパネルユニット14の側に一旦退避させ、ナビマイコン14mの指示に従って新しいベースユニット10に入れ直す(コピーする)こととする。それにより、ベースユニットが交換されるときも情報を共有することができる。
【0138】
次に、無線モジュールの干渉について説明する。
【0139】
本実施形態のナビゲーション装置においては、フロントパネルユニット14にBTモジュール14qと無線モジュール14xからなる2つの無線モジュールを備えることから、両者の間で干渉が生じる恐れがある。例えば、車両の後進中(リアカメラ映像表示中)にDVDの再生要求がなされる、或いはハンズフリーマイク付きの携帯電話の呼び出しがなされる等、機器の操作が干渉することがある。
【0140】
そこで、優先順位を定め、それに従って機器を操作するようにした。図15は、その処理の説明図である。同図において、横軸はイベント、すなわち、リバースギヤスイッチ26、ハンドフリーマイク付き携帯電話、及びDVDの動作を示し、縦軸はそれに応じた状態、すなわち、車両が後進中、着信中、DVD再生中を示す。
【0141】
図16は、図15に基づいて実行される処理を示すフローチャートである。
【0142】
先ずS300において、リバースギヤスイッチ26がオン信号を出力、すなわち車両が後進しようとしているか否かを判断し、否定されるときはS302に進み、リアカメラ(この場合、ワイヤレスカメラWLC)の動作を停止し、WLC無線機能をオフとし、リアカメラの映像を停止する。
【0143】
次にS304に進み、携帯電話が着信中(呼び出し中)か否かを判断し、否定されるときはS306に進み、ハンズフリー機構の着信音機能をオフすると共に、BTモジュール14qの機能をオフする(すなわち、待機状態にする)。
【0144】
次にS308に進み、DVD再生中か否かを判断し、否定されるときはS310に進み、再生ボタン(タッチパネル14sの)が押されているか否かを判断し、肯定されるときはS312に進み、DVD再生を開始すると共に、液晶パネル14bにDVD映像を表示する。この場合、車両が後進しようとしていないので、リアカメラの映像を使用する必要がないからである。
【0145】
他方、S300で肯定されるときはS314に進み、携帯電話への着呼(呼び出し)を切断すると共に、BTモジュール14qも不要となることからその機能をオフする。次にS316に進み、DVD再生を停止すると共に、DVD表示をオフし、S318に進み、リアカメラを起動、WLC機能をオン、リアカメラの映像を表示して、S300の処理に戻る。
【0146】
また、S304で肯定されるときはS320に進み、着信音を車載スピーカから送出すると共に、音声を送受信するためにBTモジュール14qをオンする(すなわち、アクティブ状態にする)。次にS322に進み、切断ボタン(タッチパネル14sの)が押されているか否かを判断し、肯定されるときはS324に進み、着信音をオフすると共に、BTモジュール14qは不要であることからオフにする。S322で否定されるときは、S324をスキップする。
【0147】
また、S308で肯定されるときはS326に進んで、タッチパネル14sの停止ボタンが押されているか否かを判断し、肯定されるときはS328に進み、DVD再生を停止すると共にDVD表示をオフにする。S326で否定されるときは、S328をスキップする。
【0148】
図15及び図16に示す処理により、車両Aの後方を撮影したリアカメラの映像の表示をユーザに対して確保することができ、ユーザはそれを参考としながら、後進させることができる。また、機器の操作が干渉することもない。
【0149】
次に、クレードルユニット12のFMトランスミッタ12eについて説明する。
【0150】
図7に示すクレードルユニット12において、FMトランスミッタ12eは、メモリカード12c内の音楽コンテンツや音声ガイダンスを車両Bの車載スピーカから送出させる手段である。しかしながら、電波を送出する機器を当該国の電波法令によって出力レベルが規制されており、微弱な電波で出力せざるを得ない。そのため、走行地の付近にラジオ局がある場合、その電波の影響でノイズが発生する。
【0151】
従って、本実施形態のナビゲーション装置においては、クレードルユニット12のE
EPROM12fに各地区のラジオ局の周波数データベースを格納しておき、クレードルマイコン12bは、走行する地域に応じて空いている周波数を探索し、その周波数をフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示させることとする。
【0152】
ユーザは、それにカーレシーバ(カーオーディオ)の周波数を合わせれば、音楽コンテンツや音声ガイダンスを車載スピーカから出力させて聴取することができる。これにより、ノイズの少ない状態で音楽コンテンツや音声ガイダンスをユーザに提供することができる。クレードルマイコン12bは、FMトランスミッタ12cを介して、音楽コンテンツや音声ガイダンスを車載スピーカから出力させる。
【0153】
尚、本実施形態では、FMトランスミッタを、クレードルユニット12に配置しているが、ベースユニット10に設けてもよい。
【0154】
次に、図8に示すGUIについて更に説明する。
【0155】
前述のナビゲーション装置のように多くの機能を持ち、設定項目が多い機器を操作する場合、GUIを用いると、ユーザは視覚的に操作方法を理解することができることから、本実施形態のナビゲーション装置においては、図6に示すフロントパネルユニット14のナビマイコン14mに、GUIをカスタマイズできる構成を組み入れ、ユーザがタッチパネル14sを操作することによって機能を実行させるようにした。
【0156】
図17は、図8のGUI(機能)の構成を示す。GUIについて改めて説明すると、XMLパーサは、画面構成を定義、具体的にはボタン位置、ボタンファイル名、ボタン名などを定義すると共に、ボタンタッチを検出する。VIEWコントローラは、メニュー構造を定義、すなわち、ボタンが押されると、どのスキンが表示されるかを決定する。MODELコントローラは、選ばれた機能メッセージをアプリケーションレイヤ(APPLICATION LAYER)に送出する。アプリケーションレイヤは、GUIから送られてきたコマンドを実行する。
【0157】
図17に示すように構成することで、ユーザは、視覚的に操作方法を理解することができる反面、機能数が増えるに伴ってメニュー数も増え、その結果メニューの階層が深くなる。その結果、ユーザは、機能を実行させるために何回もメニューボタンを選択して目的の機能を選ぶことになり、却って煩雑となる恐れがある。ユーザからみると、機能が絞られている方が使い易い場合もある。
【0158】
メニュー画面は、画面ごとに用意された画面構成定義(背景ファイル名、ボタン表示位置、ボタンファイル名、ボタン名など)及び各ボタンが選択されたときに送出するメッセージを定義したスキンファイルと、そのファイルから呼び出されるメニュー画面構成要素(メニューボタン)ごとに用意されたビットマップファイルとで構成される。このスキンファイルとビットマップファイルは、不揮発性メモリ(FLASHメモリ)14o内に格納され、ナビマイコン14mは、それらを、XMLパーサ機能を用いて液晶パネル14bに表示する。
【0159】
ユーザ操作に応じて、GUIコントローラは、メッセージをVIEWコントローラに送出する。VIEWコントローラはメッセージの内容を見て表示するスキンファイルを切り替え、必要に応じてMODELコントローラに対してコマンド要求を行う。MODELコントローラは要求されたコマンド種を確認し、アプリケーションレイヤに対して動作コマンドを送出する。この構造においてスキンファイルを入れ替えると、メニュー画面は変更される。スキンファイルはxmlなどの言語で表現される。
【0160】
GUIをカスタマイズするとき、フル機能のメニュー構成でスキンやコントローラを作成し、次にメニュー画面の中から削除したいキーを抜いたスキンファイルを作成し、該当するスキンファイルを差し替えることになる。これで、削除されたボタン以下のメニュー表示とアプリケーションのコマンド送出はなくなり、機能を削減することができる。図18は、その例を(削除された部分を破線で)示す。
【0161】
また、スキンファイルをXMLのような言語で記述する場合、ボタンのレイアウトやボタン形状の変更は、スキンファイルの記述を変えるだけで可能になる。このような手法を採ることにより、ソフト本体を書き換えることなく、スキンファイルのみを差し替えるだけでカスタマイズすることができる。
【0162】
本体のオリジナルスキンファイルを不揮発性メモリに格納すると共に、変更したいスキンファイルをメモリカード14rなどに入れる。ユーザは好みのスキンファイルをメモリカード14rに入れ、電源投入後、初期設定スキン選択メニューでメモリカード14r内のファイルを選ぶことによってスキンを切り替える。しかしながら、この場合、ユーザは電源を投入するたびに好みのスキンを選択しなければならず、その結果、車両のエンジンを切るたびに設定が必要になる。逆に、スキンを固定してしまうと、特定のユーザのみがスキン変更の恩恵を得ることとなる。
【0163】
本実施形態のナビゲーション装置において、フロントパネルユニット14、ベースユニット10、及びクレードルユニット12はそれぞれ不揮発性メモリとマイクロコンピュータを内蔵し、メモリには固有のID番号が格納されていて装着時に相互に認証するように構成される。すなわち、それぞれのマイクロコンピュータは装着時に相手を特定することができる。また、ベースユニット10やクレードルユニット12は車両に固定されるため、フロントパネルユニット14は、そのID番号を元に搭載された車両も特定することができる。
【0164】
昨今、車両は一人一台保有する状況になり、車両ごとにユーザが決まっているような状況になっている。そこでフロントパネルユニット14に予め装着が予定されるユニットのID番号に応じたスキンファイル名を定義しておき、装着された相手のID番号を読み取り、メモリカード14r内のスキンファイルを自動的に切り替えることとする。これにより、ユーザは装着時、車両に応じて自動的にスキンファイルを切り替えることができる。
【0165】
ただし、車両ごとにユーザが決まっていない場合も当然ながら想定できるので、メニューの中に常時オリジナルメニューへの切り替えボタンを用意することとする。
【0166】
図19及び図20は、その処理を示すフローチャートである。この処理は、ナビマイコン14mによって実行される。
【0167】
図19に示す処理は、フロントパネルユニット14のナビマイコン14mのメモリカード14rにスキンファイルが複数種類格納されていることを前提とし、フロントパネルユニット14がベースユニット10或いはクレードルユニット12に装着されているとき、複数台の車両の各々のユーザの操作に応じて実行される。
【0168】
初めにS400において、上記のメモリカード14r内に格納されている複数種のスキンファイルのいずれかをユーザに選択させて、S402に進み、選択されたスキンファイルを読み出して液晶パネル14bに表示する。次いでS404に進み、ユーザによってスキンファイル設定OKボタンが押されたか否かを判別して、ユーザが設定に同意したか否かを判断し、否定されるときはS400に戻る。
【0169】
他方、S404で肯定されたときはS406に進み、相手、すなわち操作したユーザが保有する車両のベースユニット10或いはクレードルユニット12のID番号を入力させ、入力されたID番号と選択されたスキンファイルの名称を、フロントパネルユニット14の不揮発性メモリ(FLASHメモリ)14oに登録(格納)する。
【0170】
この場合、ベースユニット10又はクレードルユニット12に設けられているEEPROM10r、EEPROM12fに登録(格納)してもよく、或いは別途不揮発性メモリを設けて、そこに登録(格納)するようにしてもよい。
【0171】
更に、フロントパネルユニット14に別途不揮発性メモリを設けることに加えて、ベースユニット10或いはクレードルユニット12にも不揮発性メモリを設け、両方の不揮発性メモリに、相手方のID番号と選択されたスキンファイルやその名称等を登録(格納)することにより、一方のデータが使えないか或いは正しくない場合、異常のない側のデータを用いる。また、両方ともデータに異常はないが、互いのデータが異なる場合には、フロントパネルユニット14の不揮発性メモリのデータを優先的に使うようにして、本装置の信頼性を高めてもよい。
【0172】
図20に示す処理は、図19に示す処理が完了した後、取り外されていたフロントパネルユニット14がベースユニット10或いはクレードルユニット12に装着されるとき、実行される。
【0173】
初めにS410で、フロントパネルユニット14がベースユニット10或いはクレードルユニット12に装着されたことを確認して、S412に進み、装着された相手(ベースユニット10又はクレードルユニット12)のID番号を読み出して、S414に進み、読み出したID番号に対応した名称のスキンファイルが登録されているか否かを判断する。S414で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS416に進み、メモリカード14rに格納されている中の選択された名称のスキンファイルを、表示用のスキンファイルとして設定する、より具体的には自動的に選択する。
【0174】
これにより、ユーザは装着時、車両に応じて自動的にスキンファイルを切り替えることができる。ただし、車両ごとにユーザが決まっていない場合も当然ながら想定できるので、メニューの中に常時オリジナルメニューへの切り替えボタンを用意することとする。
【0175】
上記したGUIの変更手順は、予め用意された複数のGUIの中からユーザが選ぶ場合を想定していたが、それとは別に、ユーザ自身がGUIをカスタマイズすることも考えられる。その場合、メニュー整理手順の中で使用されないボタンを選ぶことになるが、誤って必要なボタンを消去してしまう恐れもある。
【0176】
従って、この実施形態においては、ボタン消去手順の中で、各ボタンに対して消去不可能な属性を割り振り、消去ボタン選択処理において必ずその属性を確認し、消去してはいけないボタンを消去できないように構成する。また、消去不可であることが最初から明らかなボタンについては、ハードキーを割り当て、メニュー編集表示の中で表示しないこととする。
【0177】
図21は、消去してはいけない(消去不可)ボタンの例を示す。図22は、その消去不可ボタンについての処理を示すフローチャートである。
【0178】
初めにS400において、全てのメニューボタンを表示して、S402に進み、ユーザに消去したいボタンの選択を促す。次にS404に進み、選択されたボタンが消去可能か否かを判断し、肯定されるときはS406に進み、選択されたボタンを消去する。S404で否定されるときは、S406の処理をスキップする。
【0179】
次にS408に進み、ボタン編集が終了したか否かを判断し、否定されるときはS402に戻ると共に、肯定されるときはプログラムを終了する。
【0180】
上記した構成により、GUIを用いることでユーザに視覚的に操作方法を理解させることができてユーザにとって操作が容易となると共に、メニューボタンを必要に応じて絞ることができるようにしたことでユーザの操作を一層容易にすることができる。またユーザ自身がGUIをカスタマイズするときも、誤って必要なボタンを消去してしまうことがない。
【0181】
次に、ワンセグチューナ10pの設置箇所について説明する。
【0182】
ナビゲーション装置においてTV視聴機能を組み込んだ場合、運転中は安全確保のため、使用を制限する必要がある。TV視聴機能を全てフロントパネルユニット14に集中させた場合、車両が実際に走行しているか否かを判断するための車輪速センサ22の出力をベースユニット10からナビマイコン14mに送出し、ナビマイコン14mはそれを用いてTV視聴機能をオン・オフすることになる。
【0183】
しかしながら、その構成において、ベースユニット10とフロントパネルユニット14を結ぶ信号線(シリアルデータライン)がハッキングされ、疑似信号をフロントパネルユニット14に送信された場合、オフされていたTV視聴機能はオンされてしまう。
【0184】
本実施形態のナビゲーション装置において、もしワンセグTVチューナ10pをフロントパネルユニット14に設置したとすると、車外アンテナで受信された映像信号はベースユニット10を経由してフロントパネルユニット14に伝送される。その場合、アンテナから取得できる放送電波は高周波で微弱であるため、経路のインピーダンスや周囲のノイズの影響を受け易く、品質のよい映像信号を得ることができない。特にフロントパネルユニット14とベースユニット10はコネクタ10eを介して接続されるため、接触による損失も発生して映像信号に影響を与える。
【0185】
また、ベースユニット10に装着した状態のフロントパネルユニット14に直接TVアンテナを設けると、外に出ている部品にアンテナを付けることになり、その結果、液晶パネル(ディスプレイ)14bを小さくしなければならない。
【0186】
この点に鑑み、図6に示すように、本実施形態のナビゲーション装置においては、ワンセグTVチューナ10pをベースユニット10に設置した。すなわち、ベースユニット10のシステムマイコン10iは車輪速センサ22の出力を入力されているので、車両が走行しているか否かを容易に判定することができ、走行中であると判定するときは、ワンセグTVチューナ10pの動作を制限することができる。
【0187】
換言すれば、車両が走行しているか否かの判定とワンセグTVチューナ10pの動作制限とがベースユニット10の内部で完結しているため、外部からハッキングによってTV視聴制限を解除することが困難となる。
【0188】
また、映像信号をワンセグTVチューナ10pでデジタル信号に変換してフロントパネルユニット14に伝送することにより、経路上のインピーダンスやノイズの影響を低減することができ、映像の品質を向上させることができる。
【0189】
次に、フロントパネルユニット14の盗難対策について説明する。
【0190】
フロントパネルユニット14は、ベースユニット10に着脱自在であることから、盗難にあう恐れがある。そこで、本実施形態では、ベースユニット10のEEPROM10r或いはクレードルユニット12のEEPROM12fに、それらのID番号を登録しておき、それと一致するか否かを判断することで、盗難の抑止を図るようにした。
【0191】
図23は、ナビマイコン14mによる盗難防止のための処理を示すフローチャートである。
【0192】
初めに、S600において、自らが格納されているフロントパネルユニット14の装着が検出されたか否かを判断する。これは、前記図10のS10と同様である。装着と判断されると、信号線を通じてシステムマイコン10i或いはクレードルマイコン12bと通信自在となるので、ナビマイコン14mは、それによって自らの装着を検出できる。
【0193】
次いで、S602に進んで、装着先(ベースユニット或いはクレードルユニット)のID番号(識別番号)を読み出して、S604に進み、装着されたのが対応する取付け先(ベースユニット10或いはクレードルユニット12)か否かを判断し、肯定されるときはそのままこの処理を終了する。一方、否定されるときはS606に進み、警告音を発生する。また、これと同時に、或いは警告音の発生に代えて、BTモジュール14qを経由して現在位置情報を予め設定された電話番号先に自動通知することも可能である。
【0194】
上記処理により、フロントパネルユニット14が盗難にあって他のベースユニット或いはクレードルユニット12に装着された場合には、当該フロントパネルユニット14から警告音が発生し、及び/又は当該フロントパネルユニット14の所有者その他事前登録者に連絡があるので、フロントパネルユニット14を盗んだ者に対して警告し或いは返還させる対応をとることができる。
【0195】
上記の図23に示された処理は、マイクロコンピュータ(ナビマイコン)14mにて実行されるが、ナビマイコン14mは、これ以外にも、図10に示す処理その他種々の処理を実行する。また、ベースユニット10のシステムマイコン10iも、図13に示す処理などを実行する。クレードルユニット12のクレードルマイコン12bも、同様である。
【0196】
以下、図24〜図26を参照して、マイクロコンピュータによるこれらの処理を説明する。
【0197】
図24は、ナビマイコン14m、システムマイコン10i、クレードルマイコン12bが上記の処理を行う、例えば、ナビマイコン14mが図10などに示す処理(以下「タスク処理」という)を行うためのメインルーチンを示すフローチャートである。
【0198】
このルーチンは、イグニションキーがオンされて、車両A(あるいはB)の電源(バッテリ)から動作電源を供給されることで、実行開始する。
【0199】
初めに、イニシャライズ処理を実行し(S700)、1からnまでのタスク処理の優先順付けを所定のRAMエリアにセットする(S702)。
【0200】
次いで、OS(オペレーティング・システム)を起動し(S704)、全てのタスク処理のイニシャライズ(S706)実行し、タスク選択処理(S708)で待機状態となる。この待機状態にあっては、下記の割り込み処理によりイベントフラグがセットされると、セットされたイベントフラグに対応するイベント(S710〜S71nのいずれか)を実行する。そして、対応するイベントの処理が終了すると、タスク選択処理(S708)に戻り、次の割り込み処理によりイベントフラグがセットされるまで、待機状態が保たれる。
【0201】
上記タスク選択処理(S708)では、具体的には、下記の割り込み処理を通じてイベントフラグがセットされたか否か監視し、セットが検出されたとき、セットされたイベントフラグに対応するタスク処理を実行する。尚、割り込み処理が重複したときは、S702でセットされた優先順に従ってタスク処理を実行する。このイニシャライズ(S706)からイベント(S710〜S71nのいずれか)までの処理が、OS処理に相当する。
【0202】
図25は、割り込み処理ルーチンを示すフローチャート、図26は、割り込み処理で使用されるマイクロコンピュータのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0203】
割り込み処理は、大きく分けて、マイクロコンピュータに後でセットされるソフトウエアとは関わりなく、独立して処理を実行するハード処理部分と、マイクロコンピュータ毎にセットされるソフトウエアである割り込み処理ルーチン部分とからなる。そこで、図26の割り込み端子(A〜n)に、データ又はトリガ信号が入力されるか、或いは所定時間毎に割り込みを指示するカウンタにトリガ信号が生じると、マイクロコンピュータ内で上記のハード処理が開始され、そのときのOS処理で使用中のデータ或いは処理されたデータが記録されている各種レジスタの記録内容を、各スタックエリア(1〜n)に移動する。
【0204】
次いで、プログラムカウンタの現在の値をスタックエリアに移動させた後、データなどが入力された割り込み端子に対応する割り込みアドレス(Aからn)に書かれている値をプログラムカウンタに書き込む。このプログラムカウンタの値が書き換えられたことにより、現在処理中のプログラムは中断(保留)され、図25の割り込み処理ルーチンが開始される。
【0205】
この割り込み処理ルーチンにおいては、先ず、割り込み処理ルーチン(S800)が起動され、次いで、割り込みのあった端子などに対応するイベントフラグのフラグをセットし(S802)、最後に、割り込み処理ルーチン終了コマンドの発行(S804)が実行されて、処理終了となる。
【0206】
この割り込み処理ルーチン終了コマンドの発行が実行されると、再度、マイクロコンピュータ内のハード処理が開始され、中断されたときに各スタックエリア(1〜n)に転記された値を元の各種レジスタに書き戻し、次いで、中断されたときに一時的に退避させられたプログラムカウンタの値をスタックエリアからプログラムカウンタに書き戻すことで、一連の割り込み処理が終了し、割り込み直前の状態に戻される。その時点から、割り込み直前まで実行されていた中断(保留)中のプログラムが再び実行される。
【0207】
次に、アンテナについて説明する。
【0208】
図6及び図7から明らかなように、本実施形態のナビゲーション装置は、多くのアンテナを有する。また、ナビゲーション装置の他にも、車両にはFM/AMラジオが搭載されるため、それのアンテナもある。これらについて個別に配置することも可能であるが、実施例においては、図27に示すように、一体型のフィルムアンテナ200を使用している。
【0209】
このフィルムアンテナ200の出力は、広帯域の高周波アンプ202で増幅された後、分配器204で分配され、コネクタ206を介してベースユニット10(或いは、フロントパネルユニット14又はクレードルユニット12)に入力される。符号208は、電源ラインを示す。フィルムアンテナ200は、例えば、車両のフロントウインドウ18、リアウインドウ、ルーフの外壁面、リアミラー等のいずれかに貼り付ける。
【0210】
或いは、図28に示すように、フィルムアンテナ200にそれぞれのアンテナ用の高周波アンプ202を内蔵させ、その出力をコネクタ206と分配器204を介してベースユニット10に入力させても良い。その場合、FM/AMラジオアンテナは比較的波長が長いことから、高周波アンプ202に接続しなくても良い。
【0211】
或いは、図29に示すように、フィルムアンテナ200を複数個用意し、フロントウインドウ18、リアウインドウ、ルーフの外壁面、リアミラー等に別々に貼り付けると共に、ベースユニット10等の分配器204で、電界強度の高いものを選択するようにしてもよい。
【0212】
上記の実施形態においては、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニット10に着脱自在であると共に、液晶パネル(ディスプレイ)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)とを備え、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータは、前記センサの出力状態に応じて前記車両の位置の測位に使用すべきセンサを決定する(S10〜S18)ように構成したので、センサの出力状態に応じて決定することで、測位に使用するセンサを最適に選択して車両位置の測位精度を上げることができると共に、測位が3個のセンサの使用に必ずしも限定されない点で測位におけるセンサの使用の柔軟性を向上させることができる。
【0213】
また、同様に、分離型としたことで、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外し、他の車両に搭載する、或いは自宅で目的地や経路などを入力することが可能となり、ナビゲーション装置として使い勝手の良さを上げることができる。
【0214】
また、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、液晶パネル(ディスプレイ)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)とを備え、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータは、前記フロントパネルユニット14の装着状態に応じて前記車両の位置の測位に使用すべきセンサを決定する(S20〜S28)ように構成したので、測位におけるセンサの使用の柔軟性を向上させることができる。
【0215】
また、同様に分離型としたことで、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外して、他の車両に搭載したり自宅で目的地や経路などを入力したりすることができ、ナビゲーション装置として使い勝手を向上させることができる。
【0216】
また、車両に固定自在であって、少なくともマイクロコンピュータ(クレードルマイコン12b)とGPS信号を受信する受信装置20を有するクレードルユニット12を備え、このクレードルユニット12にフロントパネルユニット14が着脱自在に構成すると共に、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)は、前記フロントパネルユニット14が前記ベースユニット10に装着されるときは、前記3個のセンサ(検出器)の出力を使用して前記車両の位置を測位し(S24,S26)、前記フロントパネルユニット14が前記クレードルユニット12に装着されるときは、前記GPS信号のみを使用して前記車両の位置を測位する(S24,S28)ように構成したので、上記した効果に加えて、フロントパネルユニット14が着脱自在であると共に、GPS信号で測位するクレードルユニット12を設けることで、ナビゲーション装置として使い勝手の良さを一層上げることができる。
【0217】
また、3センサモードで測位させるためには、ジャイロセンサ24を必要とする。そのジャイロセンサ24をフロントパネルユニット14内に内蔵した場合、フロントパネルユニットの取付けガタやフロントパネルユニット14のチルト調整による傾斜により、感度が変化して精度が低下する場合もある。また、フロントパネルユニット14自身の小型化にも影響を与える。更に、車輪速センサの出力をフロントパネルユニット14に伝送する場合、フロントパネルユニット14とベースユニット10との間の接合端子が増えてしまう。
【0218】
その対策として、ジャイロセンサ24をベースユニット10内に組み込み、ジャイロデータや車輪速センサ22の出力をベースユニット10内のシステムマイコン10iで取り込んでから、シリアル通信ラインを経由してナビマイコン14mに伝達することもできる。しかし、その場合システムマイコン10iを経由することによってナビマイコン14mへの情報伝達遅延が発生し、GPSデータ取得タイミングとずれてしまうことがある。
【0219】
本来3つのセンサデータは、それぞれのタイミングにおける位置情報、移動距離情報、方向情報であり、同時に取得して処理する必要がある。取得タイミングがずれると、位置精度に影響を及ぼす。
【0220】
しかしながら、この実施例に係るナビゲーション装置においては、GPS信号受信装置20もベースユニット10側に設置し、GPSから得られる位置情報も、ジャイロデータや車輪速センサ22の出力と共にシステムマイコン10iで並べ替え、統合してからナビマイコン14mに送付するように構成したので、システムマイコン10iを介することで、データ転送による遅れは3つのセンサデータとも同じ値となり、それ故に上記のような不都合を生じることはない。
【0221】
その構成の場合、システムマイコン10iのCPU処理能力が高ければ、自車位置の推定やナビゲーション機能も、システムマイコン10i側で行うことができる。しかしながら、システムマイコン10iで作成した表示用地図データをフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示するためには、システムマイコン10iで作成した画像データを、そのままナビマイコン14mに送付してナビマイコン14mで表示用イメージ信号に変換するか、或いはシステムマイコン10iでアナログイメージ信号に変換してフロントパネルユニット10に伝送し、液晶パネル14bに表示させることになる。
【0222】
しかしながら、地図データは1秒間に1枚から5枚程のカラー画像データとして送付するため、データ伝送量は多い。このようなデータを並列バスで伝送しようとすると、フロントパネルユニット14とベースユニット10との間のデータライン(信号線)が相当数増えてしまう。
【0223】
また、シリアルデータラインで伝送する場合には、地図データ伝送量が大きいため、映像データ伝送によりシリアルデータラインが占有されてしまい、システムマイコン10iからナビマイコン14mに伝送すべき他の情報の伝送が遅くなる。
【0224】
また、ナビマイコン14mからシステムマイコン10iにナビ機能を移動した場合、ナビマイコン10iのCPU能力は下げられるが、システムマイコン10iとクレードルマイコン12bにナビゲーションが可能な程度の処理能力を持つマイクロコンピュータを組み込む必要があり、システムアップコストは高くなってしまう。ユーザによっては、クレードル12を複数個購入することも想定され、フロントパネルユニット14にインテリジェンスの高い機能を集中させた方がトータルコストは安くなる。
【0225】
そこで、この実施形態においては、上記を勘案して、フロントパネルユニット14のナビマイコン14mでナビゲーション機能を完結させ、ベースユニット10のシステムマイコン10iでは周辺機器の制御を行う構成としている。
【0226】
また、フロントパネルユニット14にGPS信号受信装置20を接続し、ジャイロセンサ24をベースユニット10に配置すると共に、車輪速センサ22をベースユニット10に接続する場合においても、下記の手法で、各信号データの同期をとることは可能である。
【0227】
(1)システムマイコン10iがジャイロセンサ24と車輪速センサ22の出力を統合し、タイムスタンプデータと組み合わせてナビマイコン14mに伝送する。ナビマイコン14mでも、GPSデータとGPSデータ取得時のタイムスタンプデータをペアでメモリ上に保存しておき、システムマイコン10iから受け取ったタイムスタンプと同じ時間のデータを組み合わせて、自車位置推定処理を行う。
【0228】
(2)システムマイコン10iが車輪速センサ22とジャイロセンサ24の出力を取得するタイミング、それらのデータをナビマイコン14mに伝送するタイミング、及びGPS信号受信装置20からナビマイコン14mにGPSデータが伝送されるタイミングが、一定間隔で保たれるようなシステム設計を行い、ナビマイコン14mで各センサ信号取得時間を管理して同期させる。
【0229】
また、この実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、このベースユニット10に着脱自在であると共に、ディスプレイ(液晶パネル)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、前記フロントパネルユニット14(具体的には、その背面)に、アンテナ14pを含む近距離送受信モジュール(BTモジュール)14qと、画像データの受信専用モジュール(無線モジュール)14xとを配置するように構成している。
【0230】
すなわち、液晶パネル14bを駆動するナビマイコン14mと同じフロントパネルユニット14に画像データの受信専用モジュール(無線モジュール)14xを配置したので、タイムラグなく画像を表示することができる。
【0231】
尚、受信専用モジュール14xなどの無線モジュールの周波数帯は2.4Gである。また、許容された帯域幅の約1/3の帯域を使用し、3分割した帯域のうち最も通信状態が良好な周波数帯域を通信時に選択して、その帯域を変更せずに通信するので、高速通信が安定して可能となる。もし、同じ帯域を使用するBT(Bluetooth)通信を同時に行うとすると、通信速度が遅くなったりノイズとなったりする場合もあるので、図16の処理に関して前述したように、リアカメラを使用するときはBT通信を使用しないようにしてもよい。
【0232】
更に、フロントカメラの画像を同無線モジュールを使って受信するようにした場合でも、未だ2/3の帯域が残っているので、残りの帯域のうち、フロントカメラの画像についても1/3の帯域を使えば、高速通信が安定して可能であり、BT通信についても残りの1/3の帯域が確保されているので、BT通信も安定した使用が可能である。
【0233】
更に、アンテナ14pを含む近距離受信専用モジュール(BTモジュール)14qをフロントパネルユニット14(具体的には、その背面)に配置したので、車内の携帯電話ハンズフリーマイクとの送受信が容易である。
【0234】
また、この実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、ディスプレイ(液晶パネル)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と、車輪速を検出する車輪速センサ22と、重力軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個の検出器(センサ)とを備え、前記少なくとも3個の検出器の出力に基づいて前記車両Aの位置を測位すると共に、前記ベースユニット10のマイクロコンピュータ(システムマイコン10i)は、フロントパネルユニット14が取り外された後も前記車両Aの位置を保持し、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)は、前記車両の走行状態に基づいて前記車両の位置を決定する(図13のS200〜S216)ように構成している。
【0235】
これにより、上記した効果に加え、取り外されても車両が走行していない限り、保持されたデータを使用して直ちに測位することが可能となると共に、車両が移動した場合などは保持されたデータを使用しないことも可能となり、不正確な位置データを使用することを防止することができる。
【0236】
また、この実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、ディスプレイ(液晶パネル)14bに表示された地図データ上に車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、フロントパネルユニットのマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)の制御プログラムを、前記ディスプレイにメニューを表示する液晶パネルとそれに重ねたタッチパネルを設けて、ユーザに押させることで指定機能を実行するグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)機能と、前記グラフィカル・ユーザ・インターフェース機能で選択された動作を実行するアプリケーション機能と、前記機能に対する処理時間を少なくとも規定するプラットフォーム機能とで構成すると共に、前記タッチパネルに消去不可の機能ボタンを表示させるように構成している。
【0237】
すなわち、GUIを用いることで、ユーザに視覚的に操作方法を理解させることができ、ユーザにとって操作が容易となると共に、メニューボタンを必要に応じて絞ることができるようにしたことで、ユーザの操作を一層容易にすることができる。また、ユーザ自身がGUIをカスタマイズするときも、誤って必要なボタンを消去してしまうことがない。更に、車種に応じた変更も容易となる。
【0238】
また、この実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、ディスプレイ(液晶パネル)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、TV画像を受信するチューナ(ワンセグTVチューナ)10pをベースユニット10に配置し、前記チューナの出力(TV画像信号)をベースユニット10のマイクロコンピュータ(システムマイコン10i)からフロントパネルユニット14に伝送するように構成している。
【0239】
このように、ベースユニット10のシステムマイコン10iは、車輪速センサ22の出力を入力されているので、車両が走行しているか否かを容易に判定することができ、走行中であると判定するときは、ワンセグTVチューナ10pの動作を制限することができる。また、車両が走行しているか否かの判定と、ワンセグTVチューナ10pの動作制限とが、ベースユニット10の内部で完結しているため、外部からハッキングによってTV視聴制限を解除することが困難となる。
【0240】
また、映像信号をワンセグTVチューナ10pでデジタル信号に変換して、フロントパネルユニット14に伝送することにより、経路上のインピーダンスやノイズの影響を低減することができ、映像の品質を向上させることができる。
【0241】
また、この実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、ディスプレイ(液晶パネル)1に表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、フロントパネルユニットに着脱自在であると共に、マイクロコンピュータ(クレードルマイコン12b)を有するクレードルユニット12と、前記クレードルユニット12に配置されたFMトランスミッタ12eと、前記車両が走行する地域のラジオ局の周波数データベースを格納する手段(EEPROM12f)とを備え、前記クレードルユニット12のマイクロコンピュータ(クレードルマイコン12b)は、前記車両が走行する地域に応じて空いている周波数を探索し、その周波数をフロントパネルユニット10のディスプレイ(液晶パネル14b)に表示させるように構成している。
【0242】
より具体的には、前記フロントパネルユニット14が着脱自在な、マイクロコンピュータ(クレードルマイコン12b)を有するクレードルユニット12を備え、FMトランスミッタ12eがクレードルユニット12に配置され、前記クレードルユニット12のマイクロコンピュータ(クレードルマイコン12b)は、車両が走行する地域に応じて空いている周波数を探索し、その周波数をフロントパネルユニット14の液晶パネル14bに表示させるように構成している。
【0243】
これにより、ユーザは、レシーバの周波数を合わせれば、音楽コンテンツや音声ガイダンスを車載スピーカから出力させて聴取することができると共に、ノイズの少ない状態で音楽コンテンツや音声ガイダンスを聴取することができる。
【0244】
図30は、本発明の第2の実施形態に係るナビゲーション装置の動作を示す、図10と同様のフローチャートである。この処理も、図10のフローチャートと同様に、ナビマイコン14mで実行される。
【0245】
図示の処理は、液晶パネル14bに配置されたタッチパネル14sに適宜表示されるセンサモード切替画面が、ユーザによって操作される、すなわちタッチパネル14sが押されることで、開始される。
【0246】
初めにS900において、そのタッチパネル操作に応じてセンサモード切替画面を表示してユーザの選択を促す。次いでS902に進み、ユーザによってシングルセンサモードが選択されたか、換言すれば、車両Aの位置の測位に使用すべき検出器に関する外部からの指示がなされたか否かを判断する。
【0247】
これが肯定されるときはS904に進み、自車位置推定をシングルセンサモード、すなわち、自車位置(車両A)をGPS信号受信装置20の出力(GPS信号)で測位するモードに決定する。
【0248】
一方、否定されるときはS906に進み、自車位置推定を3センサモード、すなわち、自車位置(車両A)を3個のセンサ(GPS信号受信装置20、車輪速センサ22、ジャイロセンサ)の出力で測位すると決定する。換言すれば、外部からの指示に従って車両Aの位置の測位に使用すべき検出器を決定する。
【0249】
ナビマイコン14mでは、図10又は図11に示されたフローチャートの処理において、3センサモード又はシングルセンサモードと決定されているとき、図30の処理を優先させることとする。
【0250】
これについて説明すると、例えば、車両のタイヤがスノータイヤなど径の違うタイヤに交換された場合や、通常の路面からスリップの起こり易い凍結路面に変化した場合など、路面状況が大きく変化するようなユーザが良く知り得る、或いはユーザしか検知し得ない状況が生じ得る。車両そのものが新車で、車輪速センサ22の出力をナビマイコン14m(又はシステムマイコン10i)が十分に学習し終わっていない場合も、同様である。
【0251】
このような場合、車輪速センサ22の出力を用いて3センサモードとして自車位置を測位すると誤差が生じることから、ユーザが外部から指示することで、その状況に応じてセンサを選択可能、より具体的にはシングルセンサモードを選択可能とした。尚、外部からの指示としては、ユーザの他、ディーラー、作業員など人からの指示に限られるものではなく、他の装置からの入力信号等であってもよい。
【0252】
また、ナビマイコン14mは、S904の処理においてシングルセンサモードと決定された後、新しい環境での学習期間が終了して、車輪速センサ22を用いた測位精度が確保されるようになった場合、強制的に3センサモードに切り換えるようにしてもよい。
【0253】
この第2実施形態においては、上記のように、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータ(システムマイコン10i)を有するベースユニット10と、前記ベースユニット10に着脱自在であると共に、液晶パネル(ディスプレイ)14bに表示された地図データ上に前記車両の測位された位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン14m)を有するフロントパネルユニット14とを備えたナビゲーション装置において、GPS信号を受信する受信装置20と、前記車両の車輪の回転速度を検出する車輪速センサ22と、前記車両の鉛直軸回りの角速度を検出するジャイロセンサ24からなる3個のセンサ(検出器)とを備え、前記フロントパネルユニット14のマイクロコンピュータは、前記車両の位置の測位に使用すべき検出器に関する外部からの指示がなされた場合(S900,S902)、その指示に従って、前記車両の位置の測位に使用すべきセンサを決定(S904,S906)するように構成されている。
【0254】
これにより、ユーザなどが良く知り得る状況、例えば、車両のタイヤがスノータイヤなど径の違うタイヤに交換された場合や、通常の路面からスリップの起こり易い凍結路面に変化した場合など、路面状況が大きく変化した状況が生じた場合には、それに応じてセンサを選択可能にすることで、車両位置の測位精度を一層上げることができる。
【0255】
以上の実施形態において、ベースユニット10又はクレードルユニット12が複数個ある場合を説明したが、ベースユニット10又はクレードルユニット12は1個であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0256】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の内のベースユニットとフロントパネルユニットの正面側の斜視図である。
【図2】図1に示すフロントパネルユニットの背面側の斜視図である。
【図3】図1に示すフロントパネルユニット(背面側)、クレードルユニット及びクレードルユニット取付用アームの斜視図である。
【図4】図1に示すベースユニットを車両に搭載した状態を示す説明図である。
【図5】図4の車両の運転席の説明図である。
【図6A】フロントパネルユニットとベースユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図6B】フロントパネルユニットとクレードルユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図6C】認証ユニットによる認証処理を示すフローチャートである。
【図6D】認証コード削除処理を示すフローチャートである。
【図6E】認証コード追加処理を示すフローチャートである。
【図6F】取り外されているフロントパネルユニットに、撮像装置からの画像信号に認証コードを付加して送信する処理を示すフローチャートである。
【図7】撮像装置から画像信号をフロントパネルユニットに送信するための構成を示す図である。
【図8】ナビマイコンのソフトウエア構成を示すブロック図である。
【図9】システムマイコンの処理動作を示すフローチャートである。
【図10】ナビマイコンが実行する、フロントパネルユニットがベースユニットとクレードルユニットのどちらに装着されたかを検出する処理のフローチャートである。
【図11】図10の処理に続いて、ナビマイコンが実行する、車両の位置の測位に使用すべきセンサ出力を決定する処理を示すフローチャートである。
【図12】フロントパネルユニットの不揮発性メモリにベースユニットのID番号と共に記憶される、取外し直前の位置情報を示す説明図である。
【図13】フロントパネルユニットが外されている間に車両が移動したか否かの判定処理を示すフローチャートである。
【図14】図13の処理に応じてフロントパネルユニットのナビマイコンによって実行される処理を示すフローチャートである。
【図15】図6などに示す機器の干渉を防止するための優先順位に従った処理の説明図である。
【図16】図15に基づいて実行される処理を示すフローチャートである。
【図17】図8に示すGUI(機能)の構成を示すブロック図である。
【図18】図17の構成における機能削除処理の説明図である。
【図19】複数車両のユーザ達が1個のフロントパネルユニットを共通して使用する場合のスキンファイルの設定処理を示すフローチャートである。
【図20】図19の処理の後に実行される、スキンファイルの自動選択処理を示すフローチャートである。
【図21】図18の機能削除において消去してはいけないボタンの例を示す説明図である。
【図22】図21に従って実行される処理を示すフローチャートである。
【図23】フロントパネルユニットのナビマイコンによって実行される、フロントパネルユニットの盗難判定処理を示すフローチャートである。
【図24】フロントパネルユニットのナビマイコンなどのマイクロコンピュータの図10などに示す処理を行うためのメインルーチンを示すフローチャートである。
【図25】図24の処理で述べた割り込み処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図26】図25の割り込み処理で使用されるマイクロコンピュータのハードウエア構成を示すブロック図である。
【図27】図6などに示すアンテナの構成を示す説明図である。
【図28】同様に図6などに示すアンテナの構成の別の例を示す説明図である。
【図29】同様に図6などに示すアンテナ構成の更に別の例を示す説明図である。
【図30】第2の実施形態に係るナビゲーション装置の動作を示す、図10と同様のフローチャートである。
【符号の説明】
【0257】
10・・・ベースユニット、10a・・・ケース、10i・・・システムマイコン(マイクロコンピュータ)、10p・・・ワンセツTVチューナ、10r・・・EEPROM(不揮発性メモリ)、12・・・クレードルユニット、12a・・・ケース、12b・・・クレードルマイコン(マイクロコンピュータ)、12e・・・FMトランスミッタ、12f・・・EEPROM(不揮発性メモリ)、14・・・フロントパネルユニット、14a・・・ケース、14b・・・液晶パネル、14m・・・ナビマイコン(マイクロコンピュータ)、14q・・・BT(Bluetooth)モジュール、14x・・・無線モジュール、20・・・GPS信号受信装置、22・・・車輪速センサ、24・・・ジャイロセンサ、26・・・リバースギヤスイッチ、30・・・認証装置(ユニット)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車体に取り付けられるベース部と、該ベース部に対して着脱自在に取り付けられて該ベース部に接続され、フロントパネルに地図データを表示すると共に該地図データ上に当該車両の位置を表示するナビゲーション機能を有する表示部とを備えたナビゲーション装置において、
前記表示部が前記ベース部に接続されたことを確認する認証を行い、確認されたときに該車両の電気制御装置の作動を可能にする認証ユニットを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーション装置において、
前記認証ユニットは、前記表示部と前記ベース部を電気的に接続するコネクタを備え、前記認証は、該コネクタによる接続が確認されることであるナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1記載のナビゲーション装置において、
前記認証ユニットは、前記認証を認証コードに基づいて行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3記載のナビゲーション装置において、
前記認証コードは、前記ベース部と前記表示部にそれぞれ記憶されるコードからなり、前記認証コードによる認証は、前記表示部が前記ベース部に接続されたときに、前記ベース部に記憶された認証コードと前記表示部に記憶された認証コードとが予め定めた関係にあることを確認することであるナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3記載のナビゲーション装置において、
前記認証コードは、前記表示部が前記ベース部から取り外されているときに、前記表示部の現在の認証コードを入力することで変更可能としたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5記載のナビゲーション装置において、
前記認証コードは、予め設定された位置情報の位置でのみ変更可能な設定としたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1記載のナビゲーション装置において、
前記車両に取り付けられた撮像装置と、その画像信号を送信する送信機とを備え、該画像信号に認証コードを付加して、取り外された表示部に送信することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項1】
車両の車体に取り付けられるベース部と、該ベース部に対して着脱自在に取り付けられて該ベース部に接続され、フロントパネルに地図データを表示すると共に該地図データ上に当該車両の位置を表示するナビゲーション機能を有する表示部とを備えたナビゲーション装置において、
前記表示部が前記ベース部に接続されたことを確認する認証を行い、確認されたときに該車両の電気制御装置の作動を可能にする認証ユニットを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーション装置において、
前記認証ユニットは、前記表示部と前記ベース部を電気的に接続するコネクタを備え、前記認証は、該コネクタによる接続が確認されることであるナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1記載のナビゲーション装置において、
前記認証ユニットは、前記認証を認証コードに基づいて行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3記載のナビゲーション装置において、
前記認証コードは、前記ベース部と前記表示部にそれぞれ記憶されるコードからなり、前記認証コードによる認証は、前記表示部が前記ベース部に接続されたときに、前記ベース部に記憶された認証コードと前記表示部に記憶された認証コードとが予め定めた関係にあることを確認することであるナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3記載のナビゲーション装置において、
前記認証コードは、前記表示部が前記ベース部から取り外されているときに、前記表示部の現在の認証コードを入力することで変更可能としたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5記載のナビゲーション装置において、
前記認証コードは、予め設定された位置情報の位置でのみ変更可能な設定としたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1記載のナビゲーション装置において、
前記車両に取り付けられた撮像装置と、その画像信号を送信する送信機とを備え、該画像信号に認証コードを付加して、取り外された表示部に送信することを特徴とするナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図6F】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2010−107424(P2010−107424A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−281089(P2008−281089)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【特許番号】特許第4376294号(P4376294)
【特許公報発行日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
2.Bluetooth
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【特許番号】特許第4376294号(P4376294)
【特許公報発行日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
2.Bluetooth
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]