説明

ハイブリッド車両の制御装置

【課題】エンジン始動時のショックの発生等を抑制可能なハイブリッド車両の制御装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッド車両の制御装置は、シリーズ式走行モードとシリーズパラレル式走行モードとの間で走行モードを切り替え可能なハイブリッド車両に搭載される。ハイブリッド車両の制御装置は、エンジンと、制御手段とを備える。制御手段は、冷間始動時では、シリーズ式走行モードによりエンジンを始動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車両に好適な制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内燃機関(エンジン)に加えて、電動機や発電機として機能する回転電機(モータジェネレータ)を備えるハイブリッド車両が知られている。例えば、特許文献1には、第1及び第2モータジェネレータと、エンジンと、差動装置とを備え、クラッチの状態を制御することで、複数の走行モードを切り替え可能なハイブリッド車両であって、エンジン油温が所定値以上の場合には、第1モータジェネレータによりエンジンを始動させ、エンジン油温が所定値より小さい場合には、第1又は/及び第2モータジェネレータにより差動装置を介してエンジンを始動させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−046577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、エンジンの冷間始動時には、エンジン油温の低下やバッテリ出力の低下が発生する。従って、この場合に、差動装置を介して第1モータジェネレータ又は/及び第2モータジェネレータによりエンジンを始動させた場合、始動負荷の増大によるショックやエンジンの始動性の低下が生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、エンジン始動時のショックの発生等を抑制可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの観点では、シリーズ式走行モードとシリーズパラレル式走行モードとの間で走行モードを切り替えるハイブリッド車両の制御装置であって、前記ハイブリッド車両の動力要素であるエンジンと、冷間始動時では、前記シリーズ式走行モードにより前記エンジンを始動させる制御手段と、を備える。
【0007】
上記のハイブリッド車両の制御装置は、シリーズ式走行モードとシリーズパラレル式走行モードとの間で走行モードを切り替え可能なハイブリッド車両に搭載される。ここで、「シリーズ式走行モード」とは、エンジンからの動力を回転電機により全て電力に変換し、当該電力に基づき、駆動軸に連結された回転電機を駆動する走行モードを指す。また、「シリーズパラレル式走行モード」とは、エンジンから出力された動力を2つに分配し、一部を機械的な動力のまま駆動軸に出力すると共に、残余を電力に変換して駆動軸に出力する走行モードを指す。ハイブリッド車両の制御装置は、エンジンと、制御手段とを備える。制御手段は、例えばECU(Electronic Control Unit)であり、冷間始動時では、シリーズ式走行モードによりエンジンを始動させる。
【0008】
一般に、シリーズ式走行モードでは、シリーズパラレル式走行モードに比べ、エンジン始動に直接関与しないギヤ及びベアリングの引き摺りによる損失(引き摺り損失)が少ない。従って、ハイブリッド車両の制御装置は、冷間始動時にはシリーズパラレル式走行モードを選択することで、引き摺り要素をエンジンから切り離し、引き摺り損失を低減させて、ショックの発生等を抑制することができる。
【0009】
上記のハイブリッド車両の制御装置の一態様では、前記制御手段は、前記エンジンの油温が第1所定値以下の場合、前記シリーズ式走行モードにより前記エンジンを始動させる。ここで、「第1所定値」とは、例えば、エンジン油温低下に起因した引き摺り損失が大きくなるか否か判断するためのエンジン油温の閾値であり、実験等に基づき予め定められる。
【0010】
一般に、エンジン油温が低い場合には、エンジンオイルの粘度が高くなり、引き摺り損失が大きくなる。従って、この態様では、ハイブリッド車両の制御装置は、引き摺り損失が大きくなる可能性がある場合に、シリーズ式走行モードを選択することで、引き摺り損失を抑制し、ショックの発生等を抑制することができる。
【0011】
上記のハイブリッド車両の制御装置の他の一態様では、前記ハイブリッド車両の動力要素である回転電機と電力の授受を行うバッテリをさらに備え、前記制御手段は、前記バッテリの温度が第2所定値以下の場合、前記シリーズ式走行モードにより前記エンジンを始動させる。ここで、「第2所定値」とは、例えば、バッテリ温度低下に起因したエンジンの始動性が低下するか否か判断するための閾値であり、実験等に基づき予め定められる。
【0012】
一般に、バッテリ温度が低い場合には、バッテリ出力が低下し、エンジンを始動させるために回転電機(モータ)が使用可能な電力量が不足する。従って、この場合には、結果として、エンジンの始動が遅くなる可能性がある。従って、この態様では、ハイブリッド車両の制御装置は、エンジン始動時にシリーズ式走行モードを選択して引き摺り損失を低減させることで、始動性の低下を抑制することができる。
【0013】
上記のハイブリッド車両の制御装置の他の一態様では、前記制御手段は、冷間始動時ではない場合、前記シリーズ式走行モードで前記エンジンを始動させる場合の要求電力と、前記シリーズパラレル式走行モードで前記エンジンを始動させる場合の要求電力とをそれぞれ算出し、前記要求電力が低い方の走行モードで前記エンジンを始動させる。ここで、「要求電力」とは、バッテリからハイブリッド車両へ供給する電力の要求値を指す。このようにすることで、ハイブリッド車両の制御装置は、冷間始動時ではないエンジン始動時の電力消費を低減することができる。
【0014】
上記のハイブリッド車両の制御装置の他の一態様では、第1回転電機と、第2回転電機と、前記第1回転電機に連結された第1回転要素と、前記第2回転電機と駆動軸とにクラッチを介して連結する第2回転要素と、前記エンジンと連結する第3回転要素と、を含む相互に差動回転可能な複数の回転要素を備えた動力伝達機構と、締結状態において、前記第1回転要素を固定可能なブレーキと、をさらに備え、前記制御手段は、前記クラッチを解放状態かつ前記ブレーキを締結状態にすることで、前記シリーズ式走行モードへ切り替え、前記クラッチを締結状態かつ前記ブレーキを解放状態にすることで、前記シリーズパラレル式走行モードへ切り替える。ここで、「連結」とは、動力(回転)の伝達を直接的に行う構造を含むほか、1又は2以上の部材を介して動力の伝達を間接的に行う構造も含む。この態様では、好適に、ハイブリッド車両の制御装置は、シリーズ式走行モードとシリーズパラレル式走行モードとを切り替えることができる。
【0015】
上記のハイブリッド車両の制御装置の他の一態様では、第1回転電機と、第2回転電機と、前記第1回転電機に連結された第1回転要素と、前記第2回転電機と駆動軸とに第1クラッチを介して連結する第2回転要素と、前記エンジンと連結する第3回転要素と、を含む相互に差動回転可能な複数の回転要素を備えた動力伝達機構と、締結状態において、前記第2回転要素の回転数と前記第3回転要素の回転数とが一対一に対応するように、前記第2回転要素及び前記第3回転要素の回転を規制可能な第2クラッチと、をさらに備え、前記制御手段は、前記第1クラッチを解放状態かつ前記第2クラッチを締結状態にすることで、前記シリーズ式走行モードへ切り替え、前記第1クラッチを締結状態かつ前記第2クラッチを解放状態とすることで、前記シリーズパラレル式走行モードへ切り替える。この態様によっても、好適に、ハイブリッド車両の制御装置は、シリーズ式走行モードとシリーズパラレル式走行モードとを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成図の一例を示す。
【図2】ハイブリッド駆動装置の概略構成図の一例である。
【図3】ハイブリッド駆動装置の一動作状態を例示する動作共線図である。
【図4】実施形態に係る処理手順を示すフローチャートの一例である。
【図5】他の構成例に係るハイブリッド駆動装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0018】
[構成]
始めに、図1を参照し、本発明に係るハイブリッド車両の制御装置を適用したハイブリッド車両1の構成の一例について説明する。図1は、ハイブリッド車両1の概略構成図である。ハイブリッド車両1は、ECU100、PCU(Power Control Unit)11、バッテリ12、アクセル開度センサ13、車速センサ14、温度センサ15、油温センサ16及びハイブリッド駆動装置10を備える。
【0019】
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)、A/D(Analog to Digital)変換器及び入出力インターフェイスなどを有し、ハイブリッド車両1の各部の動作を制御する電子制御ユニットである。ECU100は、ROMに格納された制御プログラムに従って、後述する制御を実行する。そして、ECU100は、本発明における制御手段として機能する。なお、本発明に係る制御手段の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えば制御手段は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等であってもよい。
【0020】
ハイブリッド駆動装置10は、ハイブリッド車両1の車軸たる左車軸SFL(左前輪FLに対応)及び右車軸SFR(右前輪FRに対応)に駆動力としての駆動トルクを供給することによりハイブリッド車両1を駆動するドライブユニットである。ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成については後述する。
【0021】
PCU11は、不図示のインバータを含み、バッテリ12と後述する各モータジェネレータとの間の電力の入出力を、或いはバッテリ12を介さない各モータジェネレータ相互間の電力の入出力を制御する制御ユニットである。具体的には、PCU11は、バッテリ12から取り出した直流電力を交流電力に変換して各モータジェネレータに供給すると共に、各モータジェネレータによって発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ12に供給する。PCU11は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100によってその動作が制御される。
【0022】
バッテリ12は、複数の単位電池セルを直列接続した構成を有し、各モータジェネレータを力行するための電力に係る電力供給源として機能する電池ユニットである。
【0023】
アクセル開度センサ13は、ハイブリッド車両1の図示せぬアクセルペダルの操作量たるアクセル開度「Ta」を検出することが可能に構成されたセンサである。アクセル開度センサ13は、ECU100と電気的に接続されており、検出されたアクセル開度Taは、ECU100によって一定又は不定の周期で参照される。
【0024】
車速センサ14は、ハイブリッド車両1の車速「V」を検出するセンサである。車速センサ14は、ECU100と電気的に接続されており、検出された車速Vは、ECU100によって一定又は不定の周期で参照される。
【0025】
温度センサ15は、バッテリ12を構成する電池セルなどに近接して配置され、バッテリ12の内部温度であるバッテリ温度「Tb」を検出し、その検出結果をECU100へ出力する。なお、温度センサ15は、バッテリ12を構成する複数の電池セルに対応付けて配置された複数の検出素子の検出結果に基づいて、平均化処理などにより代表値を出力するように構成してもよい。
【0026】
油温センサ16は、エンジンオイル(潤滑油)のエンジン油温「To」を検出することが可能に構成されたセンサである。油温センサ16は、その検出結果を一定又は不定の周期でECU100へ出力する。
【0027】
なお、図1に示すハイブリッド車両1の構成は一例であり、本発明が適用可能な構成は、これに限定されない。例えば、ECU100は、油温センサ16に代えて、例えば外気温又はエンジン水温等からエンジン油温Toを推定してもよい。
【0028】
ここで、図2を参照し、ハイブリッド駆動装置10の詳細な構成について説明する。図2は、ハイブリッド駆動装置10の概略構成図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0029】
図2において、ハイブリッド駆動装置10は、エンジン20、動力分割機構30、モータジェネレータMG1(以下、適宜「モータMG1」と略称する。)、モータジェネレータMG2(以下、適宜「モータMG2」と略称する。)、入力軸40、クラッチCL、ブレーキBR、減速機構60、及びオイルポンプ70を備える。
【0030】
エンジン20は、ハイブリッド車両1の主たる動力源として機能する。エンジン20の出力動力たるエンジントルク「Te」は、不図示のクランク軸を介してハイブリッド駆動装置10の入力軸40に連結されている。
【0031】
モータMG1は、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備えた、本発明に係る「第1回転電機」の一例たる電動発電機である。
【0032】
モータMG2は、モータMG1よりも体格の大きい本発明に係る「第2回転電機」の一例たる電動発電機であり、モータMG1と同様に、電気エネルギを運動エネルギに変換する力行機能と、運動エネルギを電気エネルギに変換する回生機能とを備える。モータMG2は、モータMG1及びエンジン20と異なり、ハイブリッド車両1の駆動軸(以後、「駆動軸OUT」と呼ぶ。)に対し、その出力トルク(以後、「MG2トルクTm」と呼ぶ。)を作用させることが可能である。従って、モータMG2は、駆動軸OUTにトルクを付加してハイブリッド車両1の走行をアシストすることも、駆動軸OUTからのトルクの入力により電力回生を行うことも可能である。MG2トルクTmは、モータMG1の入出力トルク(以後、「MG1トルクTg」と呼ぶ。)と共に、PCU11を介してECU100により制御される。
【0033】
尚、モータMG1及びモータMG2は、同期電動発電機として機能し、例えば外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備える。
【0034】
動力分割機構30は、本発明に係る「動力伝達機構」の一例たる複合型遊星歯車機構である。動力分割機構30は、中心部に設けられた、本発明に係る「第1回転要素」の一例たるサンギヤS1と、サンギヤS1の外周に同心円状に設けられた本発明に係る「第2回転要素」の一例たるリングギヤR1と、サンギヤS1とリングギヤR1との間に配置されてサンギヤS1の外周を自転しつつ公転する複数のピニオンギヤ(不図示)と、これら各ピニオンギヤの回転軸を軸支する本発明に係る「第3回転要素」の一例たるキャリアC1とを備える。
【0035】
ここで、サンギヤS1は、モータMG1のロータに、その回転軸を共有する形で連結されており、その回転数はモータMG1の回転数(以後、「MG1回転数Nmg1」と呼ぶ。)と等価である。リングギヤR1は、クラッチCLを介して減速機構60に連結されている。また、リングギヤR1の回転数は、クラッチCLが締結された場合、駆動軸OUTの回転数(以後、「出力回転数Nout」と呼ぶ。)と等価である。更に、リングギヤR1は、ブレーキBRと接続する。そして、リングギヤR1は、ブレーキBRが締結状態の場合、その回転が制止されて固定される。キャリアC1は、エンジン20のクランク軸に連結された入力軸40と連結されており、その回転数は、エンジン20の回転数(以後、「エンジン回転数Ne」と呼ぶ。)と等価である。
【0036】
動力分割機構30は、上述した構成の下で、エンジン20から入力軸40に供給されるエンジントルクTeを、キャリアC1によってサンギヤS1及びリングギヤR1に所定の比率、具体的には各ギヤ相互間のギヤ比に応じた比率で分配する。即ち、動力分割機構30は、エンジン20の動力を2系統に分割する。
【0037】
減速機構60は、モータMG2のロータと連結すると共に、クラッチCLを介してリングギヤR1と連結する。そして、減速機構60は、駆動軸OUTの回転を、減速機構60を構成する各ギヤのギヤ比に応じて定まる減速比に応じて減速された形でモータMG2に伝達する。よって、モータMG2の回転数(以後、「MG2回転数Nmg2」と呼ぶ。)は、車速Vに応じて一義的に定まる。また、減速機構60は、車軸と一義的な回転状態を呈する駆動軸OUTと、この駆動軸OUTに連結された減速ギヤと、デファレンシャルとを含む。そして、各車軸の回転数は、減速機構60により所定のギヤ比に従って減速された状態で駆動軸OUTに伝達される。
【0038】
オイルポンプ70は、ハイブリッド駆動装置10の各部に潤滑油を供給する。オイルポンプ70は、入力軸40にて伝達された動力にて駆動される。
【0039】
尚、本発明に係る「動力伝達機構」に係る実施形態上の構成は、動力分割機構30のものに限定されない。例えば、本発明に係る動力伝達機構は、複数の遊星歯車機構が組み合わされた複合型遊星歯車機構であってもよい。
【0040】
[制御方法]
以下では、ECU100が実行する制御方法について具体的に説明する。以後では、モータMG1とモータMG2とを特に区別しない場合、これらを「モータ」と総称する。
【0041】
(モード切替の基本制御)
まず、ECU100が実行するハイブリッド車両1の走行方式(以後、「走行モード」と呼ぶ。)の切り替え(以後、単に「モード切替」と呼ぶ。)の基本制御について説明する。概略的には、ECU100は、ブレーキBR及びクラッチCLのそれぞれの状態を制御することで、走行モードを切り替える。
【0042】
具体的には、ECU100は、ブレーキBRを締結状態とし、クラッチCLを解放状態とすることで、ハイブリッド車両1を、エンジン20からの動力をモータにより全て電力に変換し、そこで得られた電力に基づきモータにより駆動するハイブリッド車両(以後、「シリーズ式ハイブリッド車両」と呼ぶ。)として機能させる。これについて、図3(a)を用いてさらに詳しく説明する。
【0043】
図3(a)は、ブレーキBRが締結状態かつクラッチCLが解放状態でのハイブリッド駆動装置10の一動作状態を例示する動作共線図である。
【0044】
図3(a)において、縦軸は回転数を表しており、横軸は、左から順にモータMG1(一義的にサンギヤS1)、エンジン20(一義的にキャリアC1)、出力回転数Nout、モータMG2を表す。なお、図3(a)では、リングギヤR1の回転数が動作点「Pr1」に相当し、出力回転数Noutが動作点「Pr2」に相当する。
【0045】
ここで、動力分割機構30は、相互に差動関係にある複数の回転要素を備えた回転二自由度の遊星歯車機構であり、サンギヤS1、キャリアC1及びリングギヤR1のうち二要素の回転数が定まった場合に、残余の一回転要素の回転数が必然的に定まる。即ち、動作共線図上において、各回転要素の動作状態は、ハイブリッド駆動装置10の一動作状態に一対一に対応する一の動作共線によって表される。従って、図3(a)において、モータMG1の動作点が動作点「Ps1」であるとする。この場合、ブレーキBRにより制止されているリングギヤR1が動作点「Pr1」にあるため、残余の回転要素の一たるキャリアC1に連結されたエンジン20の動作点は、動作点「Pc1」となる。
【0046】
一方、クラッチCLが解放されていることにより、駆動軸OUTはリングギヤR1と独立して回転可能である。従って、モータMG2の出力に基づき駆動軸OUTが回転し、モータMG2の動作点が動作点「Pg1」の場合の駆動軸OUTの動作点は動作点「Pr2」となる。
【0047】
従って、ブレーキBRが締結状態かつクラッチCLが解放状態の場合、ハイブリッド車両1は、エンジン20が出力した動力に基づきモータMG1により発電すると共に、モータMG2を駆動源として走行を行う。即ち、この場合、ハイブリッド車両1は、シリーズ式ハイブリッド車両として機能する。以後では、ハイブリッド車両1がシリーズ式ハイブリッド車両として走行する走行モードを、「SHVモード」と呼ぶ。
【0048】
そして、SHVモードの場合、エンジン20は、駆動軸OUT及びモータMG2と切り離されている。従って、後述するように、ハイブリッド車両1は、SHVモードでは、エンジン20の始動時(クランキング時)に、エンジン20の始動に直接関与しないギヤ及びベアリングの引き摺りによる損失(「引き摺り損失」とも呼ぶ。)が低減される。
【0049】
一方、ECU100は、ブレーキBRを解放状態とし、かつ、クラッチCLを締結状態とすることで、ハイブリッド車両1を、所謂シリーズパラレル式ハイブリッド車両として機能させる。即ち、この場合、ハイブリッド車両1は、エンジン20からの動力を動力分割機構30により分割し、一方を機械的な動力のまま駆動軸OUTに出力すると共に、残余をモータにより電力に変換して駆動軸OUTに出力する。これについて、図3(b)を用いてさらに詳しく説明する。
【0050】
図3(b)は、ブレーキBRが解放状態かつクラッチCLが締結状態でのハイブリッド駆動装置10の一動作状態を例示する動作共線図である。この場合、クラッチCLによりリングギヤR1と駆動軸OUTとが連結されている。また、リングギヤR1は、ブレーキBRが解放状態にあるため、制止されていない。従って、図3(b)では、駆動軸OUTの回転数である出力回転数Noutは、リングギヤR1の回転数と一義的な関係になると共に、動作点Pr1と異なる動作点Pr2に位置する。
【0051】
また、図3(b)の場合、モータMG1の動作点とエンジン20の動作点と駆動軸OUTの動作点とが一直線上に位置する。従って、モータMG1の動作点が動作点「Ps2」、かつ、駆動軸OUTの動作点が動作点Pr2にある場合、エンジン20の動作点は、動作点「Pc2」となる。
【0052】
このように、ブレーキBRが解放状態かつクラッチCLが締結状態の場合、ハイブリッド車両1は、エンジン20の動力を分割し、一方を機械的な動力のまま駆動軸OUTに出力すると共に、残余をモータにより電力に変換する走行を行う。即ち、この場合、ハイブリッド車両1は、シリーズパラレル式ハイブリッド車両として機能する。以後では、ハイブリッド車両1がシリーズパラレル式ハイブリッド車両として走行する走行モードを、「SPHVモード」と呼ぶ。
【0053】
(エンジン始動時の走行モード決定方法)
次に、エンジン20の始動時(単に「エンジン始動時」とも呼ぶ。)にECU100が選択する走行モードの決定方法について説明する。概略的には、ECU100は、冷間時にエンジン20を始動させる場合、SHVモードを選択する。これにより、ECU100は、ハイブリッド車両1の引き摺り損失を低減させる。
【0054】
これについて具体的に説明する。まず、ECU100は、エンジン20を始動させる場合、冷間始動時であるか否か判定する。具体的には、ECU100は、バッテリ温度Tbが所定の閾値(以後、「閾値Tbth」と呼ぶ。)以下の場合、又は、エンジン油温Toが所定の閾値(以後、「閾値Toth」と呼ぶ。)以下の場合、冷間始動時であると判断する。ここで、閾値Tbthは、例えばバッテリ温度Tbの低下に起因してエンジン20の始動性が低下する可能性があるバッテリ温度Tbの上限値等に設定され、具体的には実験等に基づき予め定められる。また、閾値Tothは、例えばエンジンオイルの粘度が高いことに起因して引き摺り損失が大きくなるエンジン油温Toの上限値等に設定され、具体的には実験等に基づき予め定められる。ここで、閾値Tothは、本発明における「第1所定値」の一例であり、閾値Tbthは、本発明における「第2所定値」の一例である。
【0055】
そして、ECU100は、冷間始動時であると判断した場合、SHVモードによりエンジン20を始動させる。即ち、ECU100は、バッテリ温度Tbが閾値Tbth以下の場合、バッテリ12の出力が低く、エンジン20を始動させるためにモータが使用可能な電力量が不足し、エンジン20の始動が遅くなる虞があると判断する。また、ECU100は、エンジン油温Toが閾値Toth以下の場合、エンジン油温Toが低く、エンジンオイルの粘度が高いことから引き摺り損失が大きくなる虞があると判断する。
【0056】
従って、この場合、ECU100は、SHVモードと、SPHVモードのうち、引き摺り損失が少ないSHVモードを選択する。これにより、ECU100は、引き摺り損失を抑制してショックを抑制すると共に、バッテリ12の負担を低減し始動性を向上させることができる。即ち、ECU100は、バッテリ温度Tbが閾値Tbth以下であってモータが使用可能な電力量が不足している場合でも、引き摺り損失を低減させて、エンジン20を始動させるのに必要な電力を抑制し、エンジン20の始動性低下を抑制することができる。また、ECU100は、エンジン油温Toが閾値Toth以下の場合に、SHVモードを選択することで、引き摺り損失を抑制し、エンジン始動時の負荷を減らしてショックの発生を抑制することができる。
【0057】
一方、ECU100は、冷間始動時ではない場合、エンジン始動時にバッテリ12から出力すべき要求電力(以後、「要求始動電力W」と呼ぶ。)が低い走行モードを選択する。これにより、電力消費を抑制し、燃費を向上させる。
【0058】
具体的には、ECU100は、冷間時ではないときにエンジン20を始動させる場合、SPHVモードでエンジン20を始動させた場合の要求始動電力W(以後、「要求始動電力Wsp」と呼ぶ。)及びSHVモードでエンジン20を始動させた場合の要求始動電力W(以後、「要求始動電力Ws」と呼ぶ。)をそれぞれ推定する。例えば、ECU100は、実験等に基づき予め作成された各車速Vに対する要求始動電力Wsp、Wsのマップをメモリに予め記憶しておき、車速Vに基づきいずれの要求始動電力Wsp、Wsが低いか判断する。
【0059】
このように、ECU100は、エンジン油温Toが閾値Tothより大きく、かつ、バッテリ温度Tbが閾値Tbthより大きい場合、要求始動電力Wsが小さい走行モードを選択してエンジン20を始動させることで、電力消費を低減させることができる。
【0060】
(処理フロー)
次に、本実施形態の処理手順の一例について説明する。図4は、本実施形態においてECU100が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。ECU100は、図4に示すフローチャートの処理を、所定の周期に従い繰り返し実行する。
【0061】
まず、ECU100は、エンジン20の始動要求があるか否か判定する(ステップS100)。そして、ECU100は、エンジン20の始動要求があると判断した場合(ステップS100;Yes)、ステップS101へ処理を進める。一方、ECU100は、エンジン20の始動要求がないと判断した場合(ステップS100;No)、フローチャートの処理を終了する。
【0062】
次に、ECU100は、冷間始動時であるか否か判定する(ステップS101)。具体的には、ECU100は、エンジン油温Toが閾値Toth以下であるか否か、又は、バッテリ温度Tbが閾値Tbth以下であるか否か判定する。これにより、ECU100は、冷間始動時であるか否か判定する。
【0063】
そして、ECU100は、エンジン油温Toが閾値Toth以下、又は、バッテリ温度Tbが閾値Tbth以下であると判断した場合(ステップS101;Yes)、即ち、冷間始動時であると判断した場合、ステップS102へ処理を進める。
【0064】
具体的には、ECU100は、現在の走行モードがSPHVモードであるか否か判定する(ステップS102)。そして、ECU100は、現在の走行モードがSPHVモードであると判断した場合(ステップS102;Yes)、SHVモードへ走行モードを切り替える(ステップS103)。そして、ECU100は、エンジン始動制御を実施し(ステップS104)、エンジン20を始動させる。これにより、ECU100は、引き摺り損失を抑制してショックを抑制すると共に、バッテリ12の負担を低減し始動性を向上させることができる。一方、ECU100は、現在の走行モードがSPHVモードではないと判断した場合(ステップS102;No)、即ち、SHVモードであると判断した場合、走行モードを変更せずにエンジン始動制御を実施する(ステップS104)。
【0065】
一方、エンジン油温Toが閾値Tothより大きく、かつ、バッテリ温度Tbが閾値Tbthより大きいと判断した場合(ステップS101;No)、即ち、冷間始動時ではないと判断した場合、ステップS105へ処理を進める。
【0066】
具体的には、ECU100は、SHVモードでエンジン20を始動させた場合の要求始動電力Wsと、SPHVモードでエンジン20を始動させた場合の要求始動電力Wspとをそれぞれ推定する(ステップS105)。例えば、ECU100は、上述したように、車速Vに基づき、所定のマップを参照して、要求始動電力Ws、Wspを推定する。
【0067】
次に、ECU100は、要求始動電力Wspが要求始動電力Ws以下であるか否か判定する(ステップS106)。そして、ECU100は、要求始動電力Wspが要求始動電力Ws以下であると判断した場合(ステップS106;Yes)、現在の走行モードがSHVモードであるか否か判定する(ステップS107)。そして、ECU100は、現在の走行モードがSHVモードであると判断した場合(ステップS107;Yes)、SPHVモードへ走行モードを切り替える(ステップS108)。一方、ECU100は、現在の走行モードがSHVモードではないと判断した場合(ステップS107;No)、エンジン始動制御を実施する(ステップS104)。即ち、この場合、ECU100は、SPHVモードのままエンジン20を始動させる。このように、ECU100は、冷間始動時ではない場合には、要求始動電力Wが小さい走行モードを選択することで、エンジン始動時の消費電力を抑制することができる。
【0068】
一方、ECU100は、要求始動電力Wspが要求始動電力Wsより大きいと判断した場合(ステップS106;No)、現在の走行モードがSPHVモードであるか否か判定し(ステップS102)、SPHVモードであると判断した場合(ステップS102;Yes)、SHVモードへ走行モードを切り替える(ステップS103)。一方、ECU100は、現在の走行モードがSPHVモードではないと判断した場合(ステップS102;No)、エンジン始動制御を実施する(ステップS104)。即ち、この場合、ECU100は、SHVモードのままエンジン20を始動させる。このように、ECU100は、要求始動電力Wが小さいSHVモードを選択することで、エンジン始動時の消費電力を抑制することができる。
【0069】
[他の構成例]
本発明に係るハイブリッド駆動装置10の態様は、図2に例示するものに限定されない。ここで、図5を参照し、本発明に適用可能な他の構成例であるハイブリッド駆動装置10Aの構成について説明する。
【0070】
図5は、ハイブリッド駆動装置10Aの概略構成図である。尚、同図において、図2と重複する箇所には、同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。ハイブリッド駆動装置10Aは、主に、エンジン20と、動力分割機構30Aと、モータMG1、MG2と、入力軸40と、クラッチCL1、CL2と、減速機構60と、オイルポンプ70と、を備える。
【0071】
図5に示すように、動力分割機構30Aは、リングギヤR2と、キャリアC2と、サンギヤS2とを備える。リングギヤR2は、クラッチCL1を介して減速機構60に連結されている。リングギヤR2の回転数は、クラッチCL1が締結された場合、出力回転数Noutと等価である。キャリアC2は、エンジン20のクランク軸に連結された入力軸40と連結されている。サンギヤS2は、モータMG1のロータに、その回転軸を共有する形で連結されている。クラッチCL2は、締結状態において、キャリアC2の回転数とリングギヤR2の回転数とが一義的になるように、キャリアC2及びリングギヤC2の回転を規制する。
【0072】
ここで、クラッチCL1が解放状態、かつ、クラッチCL2が締結状態の場合、ハイブリッド駆動装置10Aを搭載したハイブリッド車両1は、シリーズ式ハイブリッド車両として機能する。具体的には、この場合、クラッチCL1が解放されていることにより、駆動軸OUTはリングギヤR2と独立して回転可能であり、モータMG2の出力に基づき駆動軸OUTが回転する。また、クラッチCL2が締結されていることにより、サンギヤS2の回転数がキャリアC2の回転数と一義的になり、エンジン20の動力がモータMG1に伝達される。
【0073】
また、クラッチCL1が締結状態、かつ、クラッチCL2が解放状態の場合、ハイブリッド駆動装置10Aを搭載したハイブリッド車両1は、シリーズパラレル式ハイブリッド車両として機能する。具体的には、この場合、ハイブリッド駆動装置10Aは、クラッチCLが締結状態、かつ、ブレーキBRが解放状態の場合のハイブリッド駆動装置10と同様の構成となる。即ち、ハイブリッド駆動装置10Aは、この場合、エンジン20からの動力を動力分割機構30Aにより分割し、駆動軸OUTに出力すると共に、残余をモータにより電力に変換して駆動軸OUTに出力する。
【0074】
従って、ハイブリッド車両1がハイブリッド駆動装置10Aを搭載した場合であっても、ECU100は、クラッチCL1、CL2の状態を変化させることで、SHVモードとSPHVモードとを切り替えることができる。そして、この場合、ECU100は、ハイブリッド車両1がハイブリッド駆動装置10を搭載した場合と同様、冷間始動時ではSHVモードで走行する。また、冷間始動時ではない場合には、ECU100は、要求始動電力Wが低い走行モードを選択してエンジン20を始動させる。従って、この構成によっても、好適に、ECU100は、エンジン始動時での引き摺り損失を低減させ、エンジン20の始動性低下及びショックの発生を抑制することができる。
【0075】
[変形例]
上述した(エンジン始動時の走行モード決定方法)の説明では、ECU100は、冷間始動時であるか否か判定するため、エンジン油温Toが閾値Toth以下であるか否か、及び、バッテリ温度Tbが閾値Tbth以下であるか否か判定した。しかし、本発明が適用可能な方法は、これに限定されない。
【0076】
これに代えて、ECU100は、エンジン油温Toが閾値Toth以下であるか否か、又は、バッテリ温度Tbが閾値Tbth以下であるか否かの一方のみに基づき冷間始動時か否か判断してもよい。
【0077】
また、他の例では、ECU100は、上述の実施形態に代えて、エンジン油温Toが閾値Toth以下、かつ、バッテリ温度Tbが閾値Tbth以下である場合に冷間始動時であると判断し、SHVモードを選択してエンジン20を始動させてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 ハイブリッド車両
10、10A ハイブリッド駆動装置
12 バッテリ
20 エンジン
30、30A 動力分割機構
40 入力軸
60 減速機構
100 ECU
MG1、MG2 モータジェネレータ
BR ブレーキ
CL、CL1、CL2 クラッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリーズ式走行モードとシリーズパラレル式走行モードとの間で走行モードを切り替えるハイブリッド車両の制御装置であって、
前記ハイブリッド車両の動力要素であるエンジンと、
冷間始動時では、前記シリーズ式走行モードにより前記エンジンを始動させる制御手段と、
を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記エンジンの油温が第1所定値以下の場合、前記シリーズ式走行モードにより前記エンジンを始動させる請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項3】
前記ハイブリッド車両の動力要素である回転電機と電力の授受を行うバッテリをさらに備え、
前記制御手段は、前記バッテリの温度が第2所定値以下の場合、前記シリーズ式走行モードにより前記エンジンを始動させる請求項1または2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、冷間始動時ではない場合、前記シリーズ式走行モードで前記エンジンを始動させる場合の要求電力と、前記シリーズパラレル式走行モードで前記エンジンを始動させる場合の要求電力とをそれぞれ算出し、前記要求電力が低い方の走行モードで前記エンジンを始動させる請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記油温が前記第1所定値より大きい場合、前記シリーズ式走行モードで前記エンジンを始動させる場合の要求電力と、前記シリーズパラレル式走行モードで前記エンジンを始動させる場合の要求電力とをそれぞれ算出し、前記要求電力が低い方の走行モードで前記エンジンを始動させる請求項2に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項6】
第1回転電機と、
第2回転電機と、
前記第1回転電機に連結された第1回転要素と、前記第2回転電機と駆動軸とにクラッチを介して連結する第2回転要素と、前記エンジンと連結する第3回転要素と、を含む相互に差動回転可能な複数の回転要素を備えた動力伝達機構と、
締結状態において、前記第1回転要素を固定可能なブレーキと、をさらに備え、
前記制御手段は、前記クラッチを解放状態かつ前記ブレーキを締結状態にすることで、前記シリーズ式走行モードへ切り替え、前記クラッチを締結状態かつ前記ブレーキを解放状態にすることで、前記シリーズパラレル式走行モードへ切り替える請求項1乃至5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。
【請求項7】
第1回転電機と、
第2回転電機と、
前記第1回転電機に連結された第1回転要素と、前記第2回転電機と駆動軸とに第1クラッチを介して連結する第2回転要素と、前記エンジンと連結する第3回転要素と、を含む相互に差動回転可能な複数の回転要素を備えた動力伝達機構と、
締結状態において、前記第2回転要素の回転数と前記第3回転要素の回転数とが一対一に対応するように、前記第2回転要素及び前記第3回転要素の回転を規制可能な第2クラッチと、をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1クラッチを解放状態かつ前記第2クラッチを締結状態にすることで、前記シリーズ式走行モードへ切り替え、前記第1クラッチを締結状態かつ前記第2クラッチを解放状態とすることで、前記シリーズパラレル式走行モードへ切り替える請求項1乃至5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両の制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−30762(P2012−30762A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−174226(P2010−174226)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】