説明

ハイブリッド車両

【課題】乗員の要求に応じて、省燃費及び快適性の確保を図ることができるようにする。
【解決手段】エアコンECUでは、運転スイッチがオンされた状態で、エコモードスイッチがオンされた否かを確認し、エコモードスイッチがオンされていないときには、快適優先モードに設定する(ステップ110〜ステップ114)。また、エコモードスイッチがオンされると、吹出しモード及び設定温度を確認し、デフロスタ吹出し口が選択されておらず、かつ、設定温度が最高温度又は最低温度に設定されていないときに、エコモードに設定する(ステップ116〜ステップ124)。また、エアコンECUでは、エコモードに設定されると、エコモードに対して設定されている閾値を選択して空調制御及びエンジン始動要求/解除を行うことにより、省燃費効果の向上が図られるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空調装置に係り、詳細には、アイドリングストップ制御などの走行状態に応じたエンジン停止制御が行われる車両に設けられる車両用空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に設けられる車両用空調装置(以下、エアコンとする)は、外気温度、室内温度等を検出し、吹出し風の温度、風量、吹出し口を制御することにより、車室内を設定温度に基づいた適切な空調状態に維持する所謂オートエアコンが一般的となっている。
【0003】
一方、エアコンが設けられる車両には、走行停止した時にエンジンを停止するアイドリングストップ制御を行うものがある。また、走行用の駆動源としてエンジンに加え、電気モータを用いた所謂ハイブリッド車が普及しており、これらの車両では、エンジンを停止することにより、省エネや環境保全が図られるようにしている。
【0004】
ところで、エンジンが停止することによりコンプレッサの駆動が停止されると冷房能力が低下する。ここから、省燃費モードが選択されたときにデフロスタ吹出し口以外の吹出し口が選択されていれば、少なくとも一部の空調風が、デフロスタ吹出し口から吹き出されるように吹出し口の切換補正及び吹出し風の風量補正を行うことにより、ウインドガラスの防曇を行うと共に、省燃費モードの設定が解除されたときや、乗員によって吹出し口としてデフロスタ吹出し口が選択されることにより、吹出し口の切換補正及び風量補正がリセットされるようにする提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、運転スイッチがオンされたエアコンは、車室内の冷房を開始する時に、コンプレッサの駆動を開始してクールダウンを行い、クールダウンが終了すると、車室内を設定された空調状態に維持するように空調運転を行う。これにより、エンジンの停止中に、エアコンの運転が開始されると、エンジンの運転が開始され、さらに、適正な空調状態を維持するようにエンジンが断続的に運転され、省燃費効果が得られなくなってしまうことがある。
【0006】
ここから、エアコンのクールダウンが終了すると、コンプレッサを駆動する基準としているエバポレータ後温度の設定温度を上げることにより、コンプレッサの駆動、すなわちエンジンの始動を抑え、省燃費効果を図るようにした提案がなされている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
一方、エンジン冷却水を用いて車室内の暖房を行うときに、エンジンを停止することにより、冷却水温度が低下すると、所望の暖房効果が得られなくなる。ここから、目標吹出し温度に対する冷却水の温度の下限値を設定し、冷却水温度が下限値を超える範囲に維持するようにエンジン停止/再始動を行う提案がなされている(例えば、特記文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−76729号公報
【特許文献2】特開平11−170856号公報
【特許文献3】特開2002−211238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、目標吹出し温度や、エンジン冷却水の温度のみに基づいてエンジン停止制御を行った場合、例えば、必要以上に空調能力が制限され、乗員が要求する空調状態が得られないという問題が生じる。
【0010】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、省燃費性が損なわれてしまうのを抑えながら、乗員の要求に応じた空調状態を得ることができる車両用空調装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、予め設定されたエンジン停止条件が成立したときにエンジンを停止するエンジン停止制御が行われる車両に設けられて、吹出し口から吹き出される空調風によって車室内を空調する車両用空調装置であって、エンジン冷却水を熱源として前記吹出し口から吹き出される前記空調風を加熱する暖房手段と、前記エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、前記冷却水温度検出手段によって検出する冷却水温度が予め設定している第1の閾値より低いときに前記エンジンの始動を要求する始動要求手段と、省燃費モード又は快適優先モードを選択可能とする選択手段と、前記選択手段の選択結果に基づいて前記冷却水温度の前記第1の閾値を切り換えて設定する設定手段と、を含むことを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、冷凍サイクルを用いた冷却ないしエンジン冷却水を用いた加熱を行って空調風を生成し、生成した空調風を吹出し口から吹き出すことにより車室内を空調する。
【0013】
また、空調能力を優先する快適優先モードと、エンジンの省燃費を図る省燃費モードが設けられ、快適優先モードが選択されたか省燃費モードが選択されたかによってエンジンの始動要求を行う閾値を切り換える。
【0014】
これにより、乗員が省燃費効果を優先したいときには、省燃費効果の向上を図ることができると共に、快適性を優先したいときに、車室内を快適な空調状態とすることができる。
【0015】
本発明の他の態様は、前記省燃費モードが選択されたときに、前記選択手段が、前記快適優先モードが選択された時よりも前記第1の閾値を低く設定することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、省燃費モードが選択されたときに、第1の閾値を低く設定する。これにより、エンジン停止状態であっても、エンジンの始動要求を抑えることができるので、より高い省燃費効果を得ることができる。
【0017】
本発明の他の態様は、前記設定手段が、前記エンジンの停止を許容する前記冷却水温度の第2の閾値を設定するとき、前記省燃費モードが選択されることにより、前記第2の閾値が前記第1の閾値より高くすることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、冷却水温度が第2の閾値に達しているときに、エンジン始動要求を停止する。この第2の閾値を第1の閾値より高く設定することにより、エンジンの始動要求と始動要求の解除が頻繁に繰り返されるのを抑えることができる。
【0019】
本発明の他の態様は、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段を含み、前記走行状態検出手段によって車両が停止状態であると判断されるときに、前記第1又は第2の閾値の何れか少なくとも一方を低くすることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、車両がほぼ停止状態であるときに、第1の閾値ないし第2の閾値を低く設定する。車両が停車状態であるときには、エンジンが停止されるが、この状態でエンジンが始動されると燃費を大きく低下させてしまう。
【0021】
このときに、第1ないし第2の閾値の少なくとも一方を低くすることにより、エンジンが再始動されるのを抑え、燃費向上を図ることができる。
【0022】
本発明の他の態様は、前記空調風の補助暖房手段として電気ヒータを備えたとき、前記省燃費モードが選択されることにより前記電気ヒータへの通電を停止することを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、省燃費モードが選択されたときに、電気ヒータの作動を停止する。電気ヒータは、エンジンの駆動力によって充電されるバッテリの電力を用いて暖房するものであり、この電気ヒータを用いることにより、バッテリへの充電のためのエンジン始動が必要となる。
【0024】
ここから、省燃費モードで電気ヒータの作動を停止することにより、バッテリの電力消費を抑え、バッテリへの充電のためのエンジン始動時間を短くして、省燃費を図ることができる。
【0025】
本発明の他の態様は、前記省燃費モードが選択されたときに、前記吹出し口として足元吹出し口を選択することを特徴とする。
【0026】
空調風の吹出しモードとしては、FOOTモード、FACEモード、BE−LEVELモードなどがあるが、エンジン停止によって冷却水温度が低くなっているときに、空調風の温度差が生じにくくなるのでBE−LEVELモードなどでは、暖房不足感を感じさせてしまう。
【0027】
ここから、本発明では、省燃費モードが選択されたときに、空調風の吹出し口を、足元吹出し口に設定し、空調風の温度が低下したときにも、乗員に不快感や暖房不足感を生じさせてしまうのを抑える。
【0028】
本発明の他の態様は、前記設定温度が予め設定されている上限温度を超えているか、又は、予め設定されている下限温度を下回っているときに、前記省燃費モードの選択を停止することを特徴とする。
【0029】
この発明によれば、設定温度が予め設定されている上限温度を超えるか、下限温度より低く設定されたときに、省燃費モードの選択を停止する。これにより、乗員が、急速な暖房や冷房を要求するために設定温度を変更したときに、省燃費モードを停止して、乗員の要求に応じた空調を実行することができる。
【0030】
本発明の他の態様は、前記上限温度及び前記下限温度が前記設定温度の設定可能範囲の最大値及び最低値であることを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、設定温度が設定可能範囲の最高温度(上限温度)又は最低温度(下限温度)となったときに、省燃費モードを停止し、要求に応じた空調運転を行うことができるようにしている。
【0032】
なお、ウインドガラスの防曇のために、デフロスタ吹出し口が選択されたときにも、省燃費モードを停止することが好ましい。
【0033】
また、本発明では、省燃費モードが選択されたときに第1の閾値として快適優先モードよりも低い閾値を設定するので、大きな省燃費効果を得ることが可能となる。
【0034】
さらに本発明では、上限温度又は下限温度が設定温度とされたときに省燃費モードを停止するので、乗員の要求に応じた空調が可能となる。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように本発明によれば、省燃費モードが選択されたときと快適優先モードが選択されたときとで、冷却水温度に基づいてエンジン始動要求を行う第1の閾値を切り換えるので、乗員の要求に応じた空調効果及び省燃費効果を得ることができるという優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施の形態に適用した車両の要部の概略構成図である。
【図2】本実施の形態に適用したエアコンの概略構成図である。
【図3】エアコンの制御部の概略構成図である。
【図4】(A)は操作パネルが設けられるインストルメントパネルを示す概略図、(B)は操作パネルの一例を示す概略図、(C)はエコモードスイッチの一例を示す概略図である。
【図5】エコモードと快適優先モードの設定の一例を示す流れ図である。
【図6】目標吹出し温度に対する冷却水温度の閾値の一例を示す線図である。
【図7】エコモードでのエンジン始動要求及び要求解除の一例を示す流れ図である。
【図8】速度に対する停止状態を判定するフラグの状態変化の一例を示す線図である。
【図9】(A)及び(B)は冷却水温度に対するブロワレベルの設定の一例を示す線図であり、(A)はエコモードを示し、(B)は快適優先モードを示している。
【図10】補助暖房の作動禁止/解除の一例を示す線図である。
【図11】エアミックスダンパの開度に対する最大開度の判定の一例を示す線図である。
【図12】図10の作動禁止/解除の設定に基づいたPCTヒータの作動処理の一例を示す流れ図である。
【図13】(A)は外気温荷対するPCTヒータの作動禁止/解除に適用するフラグの状態変化の一例を示す線図、(B)は外気温荷対するPCTオンマップの選択に適用するフラグの状態変化の一例を示す線図である。
【図14】(A)及び(B)は外気温に対するPCTヒータの作動本数の設定に用いる線図である。
【図15】室温に対するコンプレッサモータの消費電力の制限の一例を示す線図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図2及び図3には、本実施の形態に係る車両用空調装置(以下、「エアコン10」する)の概略構成を示している。また、図1には、エアコン10が設けられる車両12の要部の概略構成を示している。
【0038】
図1に示されるように、本実施の形態に適用した車両12には、走行用の駆動源としてエンジン14に加え電気モータ16が設けられている。この電気モータ16は、バッテリ(HVバッテリ18)からインバータ20を介して供給される電力によって駆動されるようになっている。
【0039】
これにより、車両12は、エンジン14ないし電気モータ20の駆動力によって走行する所謂ハイブリッド車となっている。また、本実施の形態に適用した車両12は、電気モータ16として発電機能を備えたモータジェネレータを用い、インバータ20にコンバータ機能を併せ持たせており、これにより、電気モータ16は、電力の供給が停止されている状態で回転駆動されることにより電力を発生し、発生された電力が、インバータ20を介してHVバッテリ18へ供給されることにより、HVバッテリ18の充電がなされる。
【0040】
車両12には、エンジン14の作動を制御するエンジンECU22及び、電気モータ16の作動制御、HVバッテリ18の充放電制御、インバータ20の作動制御等を行うハイブリッドECU24を備えている。
【0041】
これにより、車両12では、乗員の運転操作等に応じてエンジン14及び電気モータ16の作動が制御され、エンジン14ないし電気モータ16によって得られる駆動力による走行が可能となっている。このとき、エンジンECU22では、予め設定された条件(運転停止条件)が成立したときに、エンジン14の駆動を停止すると共に、運転開始条件が成立したときにエンジン14の再始動を行うエンジン停止制御を行う。
【0042】
これにより、車両12では、例えば、エンジン14の駆動負荷が大きい時に、エンジン14の駆動が停止されるか、エンジン14と電気モータ16の双方の駆動力が用いられて走行し、エンジン14の駆動力のみで走行するときと比較して、大きな省燃費効果が得られるようになっている。
【0043】
なお、このような車両10の走行制御等の基本的構成は、従来公知の構成を適用でき本実施の形態では、詳細な説明を省略する。また、本発明は、車両12に限らず、エンジン停止制御が行われる任意の構成の車両に適用することができる。
【0044】
一方、図2に示されるように、本実施の形態に適用したエアコン10は、コンプレッサ26、コンデンサ28、エキスパンションバルブ30及びエバポレータ32を含む冷媒の循環路(冷凍サイクル)が形成されている。また、コンプレッサ26には、コンプレッサモータ34が連結されており、コンプレッサモータ34の駆動力によってコンプレッサ26が回転駆動される。
【0045】
これにより、エアコン10では、エンジン12の運転/停止にかかわらず、コンプレッサ26が回転駆動されて冷媒が循環される。エアコン10では、コンプレッサ26の駆動によって冷凍サイクルを循環される冷媒がエバポレータ32を通過するときに、車室内へ吹き出す空調風を冷却する。
【0046】
エアコン10は、例えば、インストルメントパネル36(図4(A)参照)内に隠蔽されて配設された空調ダクト38を備え、この空調ダクト38内にエバポレータ32が配置されている。
【0047】
空調ダクト38は、一方の開口端に空気取入口40が形成されている。空気取入口40は、外気導入用の空気取入口40A及び、内気導入用の空気取入口40Bが形成されている。また、空調ダクト38には、空気取入口40A、40Bのそれぞれを開閉する内外気切換ダンパ42が設けられている。これにより、エアコン10は、車外の空気を導入する外気導入モードと、車室内の空気を循環する内気循環モードの切り換えが可能となっている。
【0048】
また、空調ダクト38内には、空気取入口40とエバポレータ32の間に、ブロワファン44が設けられている。このブロワファン44は、ブロワモータ46によって駆動され、これにより、空気取入口40から空調ダクト38内に外気ないし内気が空調風として吸引される。
【0049】
ブロワファン44によって吸引された空調風は、エバポレータ32へ送り込まれる。また、空調ダクト38内には、エバポレータ32の下流側にエアミックスダンパ48及びヒータコア50が設けられている。エアミックスダンパ48は、ヒータコア50へ送り込む空調風と、ヒータコア50をバイパスする空調風に分離する。また、エアミックスダンパ48は、閉じられる(図2に実線で示す)ことにより、エバポレータ18を通過した空調風がヒータコア50をバイパスさせ、最大開度(開度SWDD=SWDDmax、図2に破線で示す)となったときに、エバポレータ32を通過した空調風がヒータコア50へ送り込まれるようにしている。
【0050】
ヒータコア50は、ウォータポンプ52によって、エンジン14との間でエンジン冷却水が循環されるようになっている。エンジン冷却水は、エンジン14が始動されることにより加熱される。これにより、エンジン冷却水がヒータコア50へ供給されることにより、ヒータコア50を通過する空調風がエンジン冷却水によって加熱される。
【0051】
また、ヒータコア50の下流側には、補助暖房手段を形成するPCTヒータ54が設けられている。このPCTヒータ54は、通電されることにより発熱して、ヒータコア50を通過して送り込まれる冷却風を加熱する。
【0052】
これにより、エアコン10では、エンジン冷却水の温度(冷却水温度)が低いときに、PCTヒータ54を用いることにより、空調風の加熱が可能となっている。本実施の形態では、一例として、300wの2つのPCTヒータ54(PCTヒータ54A、54B)を用いて、個別にオン/オフ可能となるようにしており、これにより、段階的な加熱が可能となっている。
【0053】
なお、補助暖房手段として用いるPCTヒータ54の数及び容量はこれに限るものではない。また、補助暖房手段としては、PCTヒータ54に限らず、任意の構成の電気ヒータを用いることができる。
【0054】
空調ダクト38内では、ヒータコア50によって加熱された空調風と、ヒータコア50をバイパスした空調風(エバポレータ32によって冷却されたままの空調風)が混合されるようになっている。これにより、エアコン10では、所定温度の空調風が生成されるようになっている。また、エアコン10では、このときの空調風の温度を、目標吹出し温度として、所定の目標吹出し温度の空調風が得られるようにエアミックスダンパ48の開度SWDDが制御される。
【0055】
一方、空調ダクト38の他方(空気取入口40と反対側)の開口端には、それぞれが車室内の所定位置に向けて開口された複数の吹出し口が形成されている。本実施の形態では、一例として、デフロスタ吹出し口56(センタデフロスタ吹出し口56A及びサイドデフロスタ吹出し口56B)、レジスタ吹出し口58(センタレジスタ吹出し口58A、サイドレジスタ吹出し口58B)、足元吹出し口60(前席側の足元吹出し口60A及び、後席側の足元に開口された後席足元吹出し口60B)を設けている。
【0056】
また、空調ダクト38内には、吹出し口のそれぞれを開閉するモード切換ダンパ62が設けられている。エアコン10では、吹出しモードの設定に応じてモード切換ダンパ62を作動させて、吹出しモードに応じた吹出し口から空調風が吹き出されるようにしている。
【0057】
エアコン10では、空調風の吹出しモードとして、レジスタ吹出し口58(センタレジスタ吹出し口58A及びサイドレジスタ吹出し口58B)から空調風を吹き出すFACEモード、足元吹出し口60(足元吹出し口60A及び後席足元吹出し口60B)から空調風を吹き出すFOOTモード、デフロスタ吹出し口56(センタデフロスタ吹出し口56A及びサイドデフロスタ吹出し口56B)から空調風吹き出すDEFモードに加え、レジスタ吹出し口58と足元吹出し口60から空調風を吹き出すBI-LEVELモード及び、デフロスタ吹出し口56と足元吹出し口60から空調風を吹き出すFOOT/DEFモードが設定されている。
【0058】
一方、図3に示されるように、エアコン10は、エアコン10の作動を制御するエアコンECU64を備えている。このエアコンECU64には、コンプレッサモータ34、ブロワモータ46、ウォータポンプ52、PTCヒータ54(54A、54B)、内外気切換ダンパ42を駆動するサーボモータ66、エアミックスダンパ48を駆動するサーボモータ68、モード切換ダンパ62を駆動するサーボモータ70が接続されている。
【0059】
また、エアコンECU64には、車室内の温度を検出する室温センサ72、車外の温度を検出する外気温センサ74、日射量を検出する日射センサ76、エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ78、エバポレータ32を通過した空調風の温度(エバポレータ後温度)を検出するエバポレータ後温度センサ80などの各種センサが接続されている。
【0060】
さらに、エアコンECU64には、エアコン10の運転操作、各種の設定操作を行なう操作パネル82が接続されている。
【0061】
図4(A)に示されるように、操作パネル80は、インストルメントパネル36に設けられており、前席に着座した乗員が操作可能となっている。図4(B)に示されるように、この操作パネル82には、各種の表示がなされるディスプレイ84と共に、エアコン10の運転/停止操作を行う運転スイッチ(A/Cスイッチ)86、温度設定(設定温度のアップ/ダウン)を行う温度設定スイッチ88、内気循環モードを選択(内気循環モードと外気導入モードの切り換え)する内気循環スイッチ90、空調風の風量を設定(ブロワ風量のアップ/ダウン)するブロワスイッチ92及び、空調風を吹き出す吹出し口を選択するモード切換スイッチ94が設けられている。
【0062】
これにより、エアコン10では、ディスプレイ84等の表示を見ながら、空調運転の運転/停止、内気循環モードと外気導入モードの切換、温度設定、風量設定と共に、吹出しモードの設定が可能となっており、エアコンECU64は、操作パネル82上の設定に基づいた空調運転が可能となっている。
【0063】
また、操作パネル82には、オート(AUTO)スイッチ96が設けられている。エアコンECU64は、オートスイッチ96がオン操作されることにより、設定温度、室内温度、外気温度、日射量等に基づいて、車室内が設定温度となるように吹出し風の温度(目標吹出し温度)、風量及び吹出しモード等の設定を行い、設定に基づいた空調制御を行う。
【0064】
すなわち、エアコンECU64では、設定温度、環境条件等に基づいて目標吹出し温度を設定し、設定した目標吹出し温度が得られるようにコンプレッサ32の回転数(コンプレッサモータ34の回転数)、エアミックスダンパ48の開度等を設定すると共に、吹出し口の選択及び吹出し風量(ブロワ風量)の設定を行い、これらの設定に基づいて空調運転を行うことにより、車室内を設定温度とすると共に、車室内が設定温度に維持されるようにしている。
【0065】
また、操作パネル82には、外気温表示スイッチ98が設けられている。エアコンECU64(図3参照)では、外気温表示スイッチ98が操作されると、外気温センサ74(図3参照)によって検出する外気温をディスプレイ84に表示する。このとき、外気温センサ74の検出温度にゆれが生じ、ディスプレイ84に表示する外気温が不安定となるのを防止するために、エアコンECU64では、表示温度が所定時間保持されるようにしている。すなわち、ディスプレイ84に表示する外気温を所定時間間隔で更新するようにしている。
【0066】
図3に示されるように、エアコンECU64は、エンジンECU22及びハイブリッドECU24に接続しており、エアコンECU64では、例えば、冷却水温度が予め設定された温度に達していないときには、エンジン14の駆動要求を行う。これによりエンジン14が駆動されて冷却水温度が上昇することにより、所望の空調状態が得られるようにしている。
【0067】
ところで、車両12では、エンジン14の停止制御を行うことにより省燃費効果が得られるようにしており、この車両12に設けているエアコン10では、省燃費効果が損ねられるのを抑えるエコノミーモードが設定されている。すなわち、エアコン10では、省燃費効果を優先する省燃費モード(以下、エコモードとする)と、車室内の快適性を優先する快適優先モードの選択が可能となっている。
【0068】
図3に示されるように、エアコンECU64には、選択手段として、エコモードを選択するか否かを切り換えるエコモードスイッチ100が接続されている。図4(A)に示されるように、このエコモードスイッチ100は、主に運転者が操作可能となるインストルメントパネル36の所定位置に設けられている。また、図4(C)には、エコモードスイッチ100の概略を示しており、エコモードスイッチ100は、押下操作(タッチ操作)によって、オン/オフされ、これにより、エコモードと快適優先モードの切り換えが行われる。
【0069】
図3に示すエアコンECU64では、エコモードスイッチ100が操作されてエコモードが選択されると、エコモードに基づいた設定に切り換える。また、エアコンECU64では、エコモードで空調運転を行っているときに、再度、エコモードスイッチ100が操作されるか、操作パネル82上で、所定のマニュアル操作がなされると、エコモードを解除して、快適優先モード(通常モード)での空調運転を行うようにしている。
【0070】
ここで、図5から図15を参照しながら、本実施の形態の作用として、エコモード(エコノミーモード)が設定されているエアコン10の動作を説明する。
【0071】
図5には、空調運転開始時及び空調運転時に実行される処理の概略を示している。このフローチャートは、車両12の図示しないイグニッションスイッチがオンされてエアコン10の空調運転が可能となることにより実行され、最初のステップ110では、操作パネル82に設けている運転スイッチ86がオンしているか否かを確認する。なお、運転スイッチ86がオンされていないとき(オフされているとき)には、ステップ110で否定判定して、空調運転を停止する。
【0072】
ここで、運転スイッチ86がオンされているとステップ110で肯定判定してステップ112へ移行する。このステップ112では、エコモードスイッチ100がオンされているか否か、すなわち、エコモードが選択されているか否かを確認する。
【0073】
このときに、エコモードスイッチ100がオフされて、快適優先モードが選択されていると、ステップ112で否定判定してステップ114へ移行する。このステップ114では、快適優先モードで空調運転を行うように設定する。これにより、エコモードで運転された状態でエコモードスイッチ100が操作されたときには、エコモードが解除されて、快適優先モードに設定される。
【0074】
一方、エコモードスイッチ100がオンされてエコモードが選択されているときには、ステップ112で肯定判定してステップ116へ移行する。このステップ116では、吹出しモードの設定の確認を行い、ステップ118では、吹出しモードが、DEFモード又はFOOT/DEFモードの何れかに設定されているかを確認する。
【0075】
また、ステップ120では、設定温度の確認を行い、ステップ122では、設定温度が最高値(最高温度、MAX HEAT)又は最低値(最低温度、MAX COOL)に設定されている。
【0076】
ここで、乗員がフロントガラスの防曇を行うために、DEFモード又はFOOT/DEFモードを選択しているときには、ステップ118で肯定判定してステップ114へ移行する。
【0077】
また、乗員が急速暖房又は急速冷房を行うために、設定温度を最高温度又は最低温度に設定したときには、ステップ122で肯定判定してステップ114へ移行する。
【0078】
これにより、エコモードが選択された状態であっても、快適優先モードに設定されて、エコモードが解除される。
【0079】
これに対して、吹出しモードが、FACEモード、BE−LEVELモード又はAUTOモードなどのDEFモードを含まないモードであり、かつ、設定温度が最高温度又は最低温度に達していないときには、ステップ118及びステップ122のそれぞれで否定判定されてステップ124へ移行する。このステップ124では、エコモードスイッチ100の操作に基づいてエコモードに設定される。
【0080】
すなわち、エアコン10では、運転スイッチ86が操作されて運転されているときに、乗員がエコモードでの空調を希望することによりエコモードスイッチ100が操作される。このとき、吹出しモードがDEFモード又は、FOOT/DEFモードが選択されておらず、かつ、設定温度が最高温度(MAX HEAT)又は最低温度(MAX COOL)が選択されていないときには、エコモードに移行する。
【0081】
また、エアコン10では、エコモードでの空調運転中に、エコモードスイッチ100が操作されて、エコモードの解除が選択されたときのみでなく、乗員がマニュアル操作で、吹出しモードをDEFモード又はFOOT/DEFモードを選択するか、設定温度を最高温度(MAX HEAT)又は最低温度(MAX COOL)に設定することにより、エコモードを解除して、快適優先モードへ移行するようにしている。
【0082】
これにより、エアコン10では、乗員が、防曇を図りたいときや、急速な暖房又は冷房を図りたいときに、乗員の意図した空調が可能となるようにしている。
【0083】
なお、本実施の形態では、設定温度の最高温度又は最低温度であるときに、エコモードを解除するようにしているがこれに限らず、例えば、エコモードに設定する設定温度の温度範囲を設定しておき、設定温度がこの温度範囲を外れたときにエコモードが解除されるか快適優先モードに設定されるようにしても良い。
【0084】
一方、エアコンECU64では、空調運転を開始すると、設定温度と、車室温度、外気温、日射量等の環境条件に基づいて、車室内を設定温度とするための目標吹出し温度TAOを設定し、設定した目標吹出し温度TAOが得られるように、コンプレッサ26(コンプレッサモータ34)の駆動、エンジン冷却水の循環、エアミックスダンパ48の開閉(サーボモータ68の駆動)を行う。
【0085】
このときの目標吹出し温度TAOは、設定温度TSET、室温TR、外気温TAM、日射量TSとしたとき、以下に示す一般的演算式を用いて設定することができる。
【0086】
AO=KSET×TSET−KR×TR−KAM×TAMーKS×TS+C
(ただし、KSET、KR、KAM、KSはゲインで、Cは補正用の定数)
また、エアコン10では、空調運転を行うときの各種のパラメータに対する閾値が予め設定されており、エアコン10では、これらの閾値が、エコモードで空調運転するときの閾値と、快適優先モードで空調するときの閾値とが設定されている。また、エアコン10では、エコモードで空調運転を行うときの運転条件が設定されている。
【0087】
エアコンECU64では、エコモードが設定されると、エコモードに対して設定されている閾値及び運転条件に基づいた空調運転を行う。このときに、室温TRに対して設定温度TSETが高いときには、暖房運転を行う。
【0088】
エアコンECU64では、エコモードに設定して暖房運転を行うときに、バッテリ(例えば、HVバッテリ18)の電力消費を抑えるために、PCTヒータ54の作動を禁止し、HVバッテリ18を充電するためにエンジン14が駆動されるのを抑えるようにしている。
【0089】
また、エアコンECU64では、車室内を暖房するときに、エンジン冷却水を用いており、このエンジン冷却水の温度(冷却水温度TW)が低下すると、暖房効果も低下してしまう。ここから、エアコンECU64では、予め設定されている閾値よりも冷却水温度TWが低下したときに、エンジン14の始動要求を行う。
【0090】
ここで、エアコンECU64では、エコモードでの目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度TWの閾値と、快適優先モードでの目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度TWの閾値が設定されている。図6には、目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度の閾値の設定の一例を示している。
【0091】
エアコンECU64では、快適優先モードで空調運転を行うときには、図6に破線で示す境界線HON、HOFFを適用する。下側の境界線HONは、エンジン14の始動要求(ENG ON)を行うときの閾値(第1の閾値)であり、上側の境界線HOFFは、エンジン14の始動要求の解除(ENG OFF)に適用する閾値(第2の閾値)としている。
【0092】
これにより、エアコンECU64では、快適優先モードで空調運転を行うときに、目標吹出し温度TAOに対して、冷却水温度TWが境界線HONを超えている状態では、エンジン14の始動要求を行わないが、目標吹出し温度TAOに対して、冷却水温度TWが、境界線HONを下回ったときに、エンジンECU22に対して、エンジン14の始動要求を行う。また、エアコンECU64では、目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度TWが、境界線HOFFに達すると、エンジン始動要求を解除(オフ)する。
【0093】
一方、エアコンECU64では、エコモードに設定されると、エンジンECU22ないしハイブリッドECU24から、例えば、車両12の走行速度vを読み込み、車両12が走行中か否かを判定する。これにより、走行速度が所定速度(速度vs)を超えているとき(v>vs)には、快適優先モードと同じく境界線HOFF、HONを適用するが、車両12が所定速度より低く実質的に停止中(0≦v≦vs)であるときには、図6に実線で示す境界線LON、LOFFを適用する。
【0094】
すなわち、エコモードで空調運転を行うときに、車両12が実質的に停止状態と判断しうるときに、目標吹出し温度TAOに対して、冷却水温度TWが、第1の閾値とする境界線LONを超えている状態では、エンジン始動要求を停止するが、目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度TWが、第2の閾値とする境界線LONを下回ると、エンジンECU22に対してエンジン始動要求を行い、また、目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度TWが境界線LOFFに達すると、エンジン始動要求を解除する。
【0095】
このとき、境界線LON、LOFFが、境界線HON、HOFFよりも目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度TWが低くなるように設定することにより、車両12が停止してエンジン14も停止しているときに、エンジン14が始動されるのを抑え、車両12が停止状態でエンジン14が始動されることによる燃費低下を抑えるようにしている。
【0096】
また、エアコン10では、境界線LONと境界線LOFFの間及び境界線HONと境界線HOFFの間に所定の温度幅(ヒシテリシス、例えば約5°C)を持たせることにより、例えば、エンジン停止条件が成立した状態で、エアコンECU64が、エンジ始動要求とエンジン始動要求解除を繰り返すことにより、エンジン14が頻繁に始動/停止されてしまうのを防止している。
【0097】
ここで、図7には、エコモードでのエンジン始動要求/要求解除の設定処理の概略を示している。このフローチャートは、エコモードでの空調運転が開始されると、実行され、最初のステップ130では、車両12の走行速度vを読み込み、次のステップ132では、走行速度vに基づいて車両12が停止状態か否かを判断するフラグFvの設定を行う。
【0098】
図8には、フラグFvの設定に適用するマップの概略を示している。このマップでは、走行速度vに対して速度vs1(例えばvs1=3km/h)及び、速度vs2(0<vs1<vs2、例えば、vs2=8km/h)を設定している。ここで、車両12が加速中であれば、速度vが速度vs2に達するまでは、フラグFvをリセット(Fv=0)する。また、車両12が減速中であれば、速度vが速度vs1に達したときに、フラグFvをセット(Fv=1)する。
【0099】
エンジン14と電気モータ16を用いた車両12などでは、エンジン14の燃費効率の低い発進時ないし加速時に、エンジン14が停止されている可能性が高い。ここから、エアコンECU64では、速度vが速度vs2に達するまでは、停車状態(Fv=0)に設定するが、減速時には、速度vが速度vs1よりも下がったときに、車両12が停車状態であると設定するようにしている。なお、この速度vs1、vs2は、エンジン14の停止条件などに基づいて任意に設定することができる。
【0100】
図7のフローチャートでは、ステップ132でフラグFvを設定するとステップ134で、フラグFv=0か否かの確認を行う。ここで、フラグFv=1であるときには、ステップ134で否定判定して、ステップ136へ移行し、通常の閾値(境界線HON、HOFF)をエンジン始動要求/要求解除の閾値に設定する。
【0101】
これに対して、フラグFv=0であるときにはステップ134で肯定判定してステップ138へ移行し、通常より低い閾値(境界線LON、LOFF)をエンジン始動要求/要求解除の閾値に設定する。
【0102】
このようにして、目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度TWの閾値を設定すると、ステップ140では、目標吹出し温度TAOを読み込み、ステップ142では、冷却水温度センサ78によって検出する冷却水温度TWを読み込む。
【0103】
この後、ステップ144では、設定された閾値、目標吹出し温度TAO及び冷却水温度TWに基づいて、エンジン14の始動要求を行うか、エンジン始動要求を解除するか否かを判断する。
【0104】
また、ステップ146では、判断結果に基づいてエンジン始動要求を行うか否かを確認し、ステップ147では、エンジン始動要求を解除するか否かを確認する。
【0105】
ここで、エコモードで目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度TWが、閾値である境界線LONより低いときには、ステップ146で肯定判定してステップ148へ移行し、エンジン14の始動要求を行う。また、目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度TWが閾値である境界線LOFFを超えているときには、ステップ147で肯定判定してステップ149へ移行し、エンジン始動要求を解除する。
【0106】
これにより、エアコンECU64では、図6に示される閾値のマップに基づいたエンジン始動要求/要求解除を行うことができる。このとき、車両12が走行中であるか実質的に停止状態であるかの判断を行う速度vsとして、速度vs1、vs2を設定することにより、より一層、省燃費効果が得られるようにすることができる。
【0107】
一方、エンジン始動要求/解除を行うときの目標吹出し温度TAOに対する冷却水温度TWの閾値を下げることにより、エンジン冷却水を用いたヒータコア50の暖房効果(加熱効果)が低下し、また、PCTヒータ54の動作を禁止することにより、所望の目標吹出し温度TAOが得られなくなる可能性が生じる。
【0108】
このときに、例えば、足元吹出し口60から空調風を吹き出すと、乗員に暖房不足感を生じさせてしまう。
【0109】
ここから、エアコンECU64では、エコモードに設定されると、吹出しモードをFACEモードに設定し、例えば、FOOTモード又はBI−LEVELモードで足元吹出し口60から空調風が吹き出されるのを防止し、乗員が暖房不足感を感じてしまうのを抑えるようにしている。
【0110】
これと共に、エアコンECU64では、空調風の風量であるブロワレベルをエコモードと快適優先モードで切り換えることにより、省燃費効果を得るときに暖房不足感を生じてしまうのを抑えるようにしている。
【0111】
エアコンECU64では、ブロワレベルを設定すると、設定したブロワレベルに基づいてブロワモータ46を駆動する電圧を設定し、設定した電圧でブロワモータ46を駆動することにより、設定された風量(吹出し風量)が得られるようにしている。
【0112】
ここで、エアコンECU64では、空調運転(暖房運転)を行うときのブロワレベルを、冷却水温度TWに基づいて設定している。このとき、快適優先モードでは、図9(B)に示されように、冷却水温度TWの上昇に応じてブロワレベルも高くする。また、冷却水温度TWが低く、ブロワレベルの最低レベル(Loレベル)とブロワ停止(OFF)を切り換えるときに、冷却水温度TWが下がったために停止するときと、ブロワを停止している状態から冷却水温度TWが上昇してLoレベルでの吹出しを開始するときの間で、温度差を持たせている。
【0113】
一方、エアコンECU64では、エコモードで暖房運転を行うときには、図9(A)に示されるように、ブロワレベルを冷却水温度TWに応じて、LoレベルからHiレベルの間で増加させるが、冷却水温度TWの低下に応じてブロワレベルを下げるときには、所定温度幅TWW(例えば約8°C)のヒシテリシスを持たせている。
【0114】
これにより、エアコンECU64では、エンジン14を停止しているために冷却水温度TWが下がったときにも、乗員に暖房の不足感などの違和感を生じさせるのを防止している。
【0115】
すなわち、暖房運転時に空調風の吹出しを開始したり、空調風の風量を増加させる(ブロワレベルの上昇)ときには、空調風の温度が低いと、暖房感を感じ難く、逆に乗員に暖房不足感を生じさせてしまうことがある。
【0116】
これに対して、吹き出されている空調風の温度が下がるときには、空調風の温度が同じであっても、暖房不足感が生じることは少ない。ここから、エアコンECU64では、冷却水温度TWの上昇に伴ってブロワレベルを上昇させるときに対して、冷却水温度TWの低下に伴ってブロワレベルを下げるときの間で、所定の温度幅TWW(例えば、約8°C)のヒシテリシスを持たせている。
【0117】
これにより、冷却水温度TWが低下するときにも、エンジン14の始動を行うことにより省燃費効果が低下してしまうのを防止しながら、乗員が暖房感を感じ続けることができるようにしている。
【0118】
一方、エアコンECU64では、エコモードでの空調運転(暖房運転)を行うときに、補助暖房手段として設けているPCTヒータ54の作動を禁止するようにしているが、設定温度が最高温度(MAX HEAT)に設定されたときに、エコモードが解除されることによりPCTヒータ54が作動可能となる。
【0119】
これと共に、エアコンECU64では、快適優先モードにおいても、PCTヒータ54の作動を制限することにより、電力消費を抑えると共に、PCTヒータ54を作動させたときには、大きな暖房効果が得られるようにしている。
【0120】
ここで、図10には、PCTヒータ54を用いた補助暖房の禁止/禁止解除処理の概略を示している。このフローチャートは、エアコン10が運転されることにより実行され、最初のステップ150では、エコモードに設定されているか否かを確認する。
【0121】
ここで、エコモードに設定されているときには、ステップ150で肯定判定してステップ152へ移行し、PCTヒータの作動禁止を設定する(PCTヒータ作動禁止オン)。
【0122】
これに対して、エコモードスイッチ100によるエコモードの選択がなされていないか、エコモードスイッチ100によるエコモードの選択がなされているにもかかわらず、例えば、設定温度が最高温度に設定されるなどしてエコモードが解除されたときには、ステップ150で否定判定してステップ154へ移行する。
【0123】
このステップ154では、例えば、サーボモータ68を駆動することにより開閉されるエアミックスダンパ48の開度SWDDを、ポジションメータ等のセンサによって検出して、エアミックスダンパ48の開度SWDDを判断し、ステップ156では、エアミックスダンパ48の開度SWDDが、最大開度SWDDmaxとなっているか否かを確認する。
【0124】
図11には、エアミックスダンパ48の開度SWDDが最大開度SWDDmaxとなっているか否かの判定に用いるフラグFSWDDのマップの一例を示している。
【0125】
エアコン10では、サーボモータ68を駆動してエアミックスダンパ48が開放したときの角度θがθ1(例えば110°)となる。空調ダクト38内には、エアミックダンパ48を開放したときに、ウレタンなどの弾性材を用いて衝撃を吸収すると共に隙間を埋めるダンパ(図示省略)が設けられえている。これにより、サーボモータ68を駆動してエアミックスダンパ48を開放したときには、エアミックスダンパ48がダンパを弾性変形させるために開放直後は、開度が大きくなる(角度θ1)。
【0126】
また、開放されたエアミックスダンパ48は、サーボモータ68の駆動が停止することにより、ダンパの復元力によって閉じる方向へ戻される。これにより、エアミックスダンパ48の開度が角度θ2(例えば、100°)となる所定位置まで戻される。
【0127】
ここから、エアコンECU64では、エアミックスダンパ48を開放するときには、角度θ1に達するまでは、最大開度SWDDmaxに達していないとして、フラグFSWDDをリセット(FSWDD=0)状態とする。
【0128】
これに対して、エアミックスダンパ48が、一旦、最大角度である角度θ1に達すると、角度θ2に戻るまでの間は、最大開度SWDDmaxとなっているとしてフラグFSWDDをセット(FSWDD=1)する。
【0129】
図10のフローチャートでは、ステップ154でフラグFSWDDを設定し、このフラグFSWDDの状態から、エアミックスダンパ48が最大開度SWDDmaxとなっているか否かを確認し、このときに、エアミックスダンパ48が最大開度SWDDmaxとなっているときには、ステップ156で肯定判定する。
【0130】
これに対して、エアミックスダンパ48が最大開度SWDDmaxとなっていないときには、ステップ156で否定判定してステップ152へ移行し、PCTヒータ作動禁止をオンする。
【0131】
一方、エアコンECU64では、外気温センサ74の検出値に基づいて、操作パネル82の表示等を行う外気温TAMdispを演算し、ディスプレイ84に、外気温TAMを表示するときに、表示の安定化を図っている。なお、以下では、外気温センサ74で検出する外気温TAMに換えて、外気温TAMに基づいて表示用に設定した外気温TAMdispを用いるが、外気温TAMを用いるものであっても良い。
【0132】
ステップ156で肯定判定すると、ステップ158では、表示用の外気温TAMdispを読み込み、ステップ160では、外気温TAMdispが、予め設定されている上限値TAMmaxを超えているか否かを確認する。
【0133】
エアコンECU64では、外気温TAMdispが上限値TAMmaxに達していないことによりPCTヒータ54の作動を許可し、さらに、外気温TAMdispが、基準値TAMsを下回っているか否かによってPCTヒータ54を用いた暖房能力を切り換えるようにしている。
【0134】
図13(A)には、外気温TAMdispからPCTヒータ54の作動を許可するか否かの判定に用いるフラグFTAMの設定マップの一例を示している。エアコンECU64では、外気温TAMdispの上限値TAMmaxにヒシテリシスを設定しており、外気温TAMdispが上昇しているときには、外気温TAM1(例えば、25°C)に達すると、PCTヒータ54の作動を禁止するようにフラグFTAMをリセット(フラグFTAM=0)する。
【0135】
これに対して、外気温TAMdispが下降しているときには、外気温TAM1より低い外気温TAM2(TAM2<TAM1、例えば、TAM2=20°C)に達したときに、PCTヒータ54の作動を許可するように、フラグFTAMをセット(フラグFTAM=1)している。
【0136】
これにより、エアコンECU64では、PCTヒータ54の作動を抑えながら、PCTヒータ54を作動させたときには、PCTヒータ54の作動を禁止したときに、急激に暖房感が減少するのを抑えるようにしている。
【0137】
ここで、図10のフローチャートでは、フラグFTAMがセット(フラグFTAM=1)にセットされて、外気温TAMdispが上限値TAMmaxよりも低くなっていると判断されているときには、ステップ160で肯定判定してステップ162へ移行し、PCTヒータ54の作動を許可するように設定する(PCTヒータの作動禁止オフ)。
【0138】
なお、外気温TAMdispが上限値TAMmaxを超えているとき(フラグFTAM=1)には、ステップ160で否定判定してステップ152へ移行し、PCTヒータ作動禁止オンに設定する。
【0139】
図12には、PCTヒータ54の動作制御の概略を示している。このフローチャートでは、最初のステップ170で、PCTヒータ54の作動禁止が解除され、PCTヒータ54の作動が許可されているか(PCTヒータ作動禁止オフ)を確認する確認する。
【0140】
ここで、PCTヒータ作動禁止がオフされると、ステップ170で肯定判定してステップ172へ移行し、外気温TAMdispを読み込み、ステップ174では、読み込んだ外気温TAMdispを予め設定されている基準値TAMsを比較する。
【0141】
エアコンECU64では、冷却水温度TWに基づいて、PCTヒータ54のオン/オフ及び、PCTヒータ54をオンするときの本数を設定するようにしている。また、エアコンECU64では、外気温TAMdispに対して予め基準値TAMsを設定し、この基準値TAMsによって冷却水温度TWに基づいてPCTヒータ54をオン/オフするときの閾値(冷却水温度TWに対するPCTヒータ54のオンマップ)を切り換えるようにしている。
【0142】
図13(B)には、エアコンECU64で、PCTヒータ54のオンマップの切り換え判定に用いるフラグFPCTの設定マップの一例を示している。エアコンECU54では、基準値TAMsを、外気温TAM3、TAM4の2段階に設定している。外気温TAM3、TAM4は、TAM3(例えば、−9°C)<TAM4(例えば、−7°C)としており、外気温TAMdispの変化と外気温TAM3、TAM4に基づいてフラグFPCTを設定するようにしている。
【0143】
すなわち、外気温TAMdispが低下しているときには、外気温TAM3に達するまでは、外気温TAMdispが基準値TAMsよりも低くなっていないとしてフラグFPCTをリセット(フラグFPCT=0)する。
【0144】
また、外気温TAMdispが上昇しているときには、外気温TAMdispが高い基準値TAMsとしている外気温TAM4に達するまでは、外気温TAMdispが基準値TAMよりも低いとして、フラグFPCTをセット(フラグFPCT=1)にする。
【0145】
図14(A)、図14(B)には、エアコンECU64に設定されているPCTヒータ54のオンマップを示している。図14(A)に示すマップ(以下、PCTオンマップAとする)は、図14(B)に示すマップ(以下、PCTオンマップBとする)よりも、冷却水温度TWが高い領域でPCTヒータ54の作動を設定するようにしている。なお、図14(A)及び図14(B)に示す冷却水温度TWと、冷却水温度TWに対するPCTヒータ54の動作本数の変化は、一例を示すものであり、冷却水温度TWと冷却水温度に対するPCTヒータ54の動作本数の変化は、任意に設定したマップを適用することができる。
【0146】
図12のフローチャートでは、ステップ176で、外気温TAMdispが基準値TAMsよりも低いと判断されているか否かを確認しており、ここで、フラグFPCTが1(FPCT=1)であるときには、ステップ176で肯定判定してステップ178へ移行する。
【0147】
このステップ178では、図14(A)に示されるPCTオンマップA、すなわち、冷却水温度TWが高い領域でPCTヒータ54の動作を制御するパターンを設定する。
【0148】
これに対して、外気温TAMdispが基準値TAMsを超えていると判断されているとき(フラグFPCT=0)には、ステップ176で否定判定してステップ180へ移行し、図14(B)のPCTオンマップBを設定する。
【0149】
このようにして、冷却水温度TWに対してPCTヒータ54を動作する閾値(PCTオンマップ)を設定すると、ステップ182では、冷却水温度TWを読み込み、読み込んだ冷却水温度TWとPCTオンマップに基づいてPCTヒータ54を作動させる(ステップ184)。
【0150】
これにより、冷却水温度TWに応じてPCTヒータ54が作動されて、空調風の加熱が行われる。
【0151】
この後、ステップ186では、PCTヒータ作動禁止オンとなったか否かを確認し、作動禁止オンとなっていないときには、ステップ186で否定判定してステップ188へ移行する。
【0152】
このステップ188では、PCTヒータ動作禁止オフが所定時間(例えば、16秒間などの予め設定された時間)以上、継続しているか否かを確認し、このステップ188で肯定判定されることにより、ステップ190に移行し、動作停止(オフ)されているPCTヒータ16があれば、そのPCTヒータ54を動作させて暖房力の増強を図る。
【0153】
一方、PCTヒータ54が作動されることにより空調風の温度が高められ(暖房)、これにより、図10のフローチャートでは、室温が上昇すると、例えば、エアミックスダンパ48の開度が狭められると、PCTヒータ作動禁止オンに設定される。また、エコモードスイッチ100が操作されることにより、エコモードに設定されることにより、PCTヒータ作動禁止オンに設定される。
【0154】
図12のフローチャートでは、PCTヒータ作動禁止オンとなるとステップ186で肯定判定されてステップ192へ移行する。このステップ192では、PCTヒータ作動禁止オンが所定時間以上(例えば、16秒以上などの予め設定された時間)が継続しているか否かを確認する。
【0155】
これにより、PCTヒータ作動禁止オンが、所定時間以上継続しているときには、ステップ192で肯定判定してステップ194へ移行する。このステップ194では、PCTヒータの一つの作動を停止(オフ)し、暖房力の削減を図る。
【0156】
この後、ステップ196では、全てのPCTヒータ54がオフしたか否かを確認し、全てのPCTヒータ54がオフしているときには、ステップ196で肯定判定して、PCTヒータ54を用いた補助暖房処理を終了する。
【0157】
このように、外気温TAMdispが基準値TAMsよりも低いか否かに応じて、冷却水温度TWに対するPCTヒータ54の点灯本数を変えることにより、外気温TAMdispが低く、冷却水温度TWも低いときには、PCTヒータ54を用いた的確な暖房が可能となる。また、外気温TAMdispが比較的高いときには、PCTヒータ54による電力消費を抑えることができる。
【0158】
また、エコモードに設定されることにより、PCTヒータ作動禁止オンとなるので、段階的にPCTヒータ54が停止し、急に空調風の温度が変化してしまうことがない。これにより、PCTヒータ54の作動中にエコモードに設定されたときにも、乗員、空調風温度が急に変化することによる違和感や暖房不足感を感じさせてしまうのを抑えることができる。
【0159】
一方、エアコンECU64では、設定温度TSETに対して室温TRが高いときには、冷房運転を行う。冷房運転では、コンプレッサ26を作動させてエバポレータ後温度を下げる必要がある。また、エアコン10では、コンプレッサ26の駆動にコンプレッサモータ34を用いており、エコモードに設定されたときの省燃費効果を得るために、室温センサ72によって検出する室温TRに基づいて、コンプレッサモータ34の消費電力を制限するようにしている。
【0160】
すなわち、エアコンECU64では、エコモードで冷房運転を行うときに、コンプレッサモータ34の消費電力の閾値を設定し、この閾値に基づいてコンプレッサモータ34の作動制御を行うようにしている。
【0161】
図15には、このときに適用する室温TRに対するコンプレッサモータの消費電力Pの閾値のマップの一例を示している。このマップでは、閾値として所定幅(例えばコンプレッサモータ34の消費電力換算で約0.1kw程度)で、コンプレッサ26の回転数の上昇(コンプレッサモータ34の回転数の上昇)を禁止する回転数上昇禁止域102を設けており、エアコンECU64では、この回転数上昇禁止域102で、コンプレッサモータ34の回転数の上昇を禁止するように制御する。
【0162】
また、この回転数上昇禁止域102の下側を、通常制御域104とし、回転数上昇禁止域102の上側を、回転数下降域106としている。エアコンECU64では、室温TRに対するコンプレッサモータ34の回転数が、回転数下降域106に入ると、コンプレッサモータ34の回転数を下降させるように制御する。
【0163】
また、回転数上昇禁止域102は、室温TRが所定の温度TR1(例えば、25°C)以下となったときに、コンプレッサモータ34の消費電力が予め設定されている下限値PW1〜PW2(例えば、最大消費電力PWmaxが5.0kwであるときに0.4kw〜0.5kw)の範囲で一定となるようにすると共に、室温TRが所定の温度TR2(例えば、35°C)以上となったときに、コンプレッサモータ34の消費電力が予め設定されている上限値PW3〜PW4(例えば、2.9kw〜3.0kw)の範囲で一定となるようにし、さらに、室温TR1から室温TR2の範囲では、室温TRの上昇(下降)に応じてコンプレッサモータ34の消費電力が上昇(下降)されるようにしている。
【0164】
これにより、室温TRが低く、冷房負荷の小さいときには、コンプレッサモータ34の消費電力PWを低く抑えることにより、不要な電力消費を抑制することができる。また、室温TRが高く、冷房負荷の大きいときに、消費電力PWの上限を設定することにより、コンプレッサモータ34の消費電力が冷房負荷に応じて増加してしまうのを抑制することができる。
【0165】
このようにして、エコモードでのコンプレッサモータ34の消費電力を制限することにより、コンプレッサモータ34を駆動することによる電力消費を補うために、エンジン14の駆動時間が長くなって、省燃費効果が損ねられてしまうのを抑えることができる。
【0166】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、車両用空調装置としてエアコン10を用いて説明したが、本発明は、エンジン停止制御を行う車両、特にエンジンに加えて電気モータを用いて走行可能な車両に設ける任意の構成の車両用空調装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0167】
10 エアコン
12 車両
14 エンジン
16 電気モータ
18 HVバッテリ
22 エンジンECU
24 ハイブリッドECU
26 コンプレッサ
32 エバポレータ
34 コンプレッサモータ
50 ヒータコア
54(54A、54B) PCTヒータ
60(60A、60B) 足元吹出し口
64 エアコンECU
72 室温センサ
74 外気温センサ
78 冷却水温度センサ
82 操作パネル
88 温度設定スイッチ
100 エコモードスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定されたエンジン停止条件が成立したときにエンジンを停止するエンジン停止制御が行われる車両に設けられて、吹出し口から吹き出される空調風によって車室内を空調する車両用空調装置であって、
エンジン冷却水を熱源として前記吹出し口から吹き出される前記空調風を加熱する暖房手段と、
前記エンジン冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段と、
前記冷却水温度検出手段によって検出する冷却水温度が予め設定している第1の閾値より低いときに前記エンジンの始動を要求する始動要求手段と、
省燃費モード又は快適優先モードを選択可能とする選択手段と、
前記選択手段の選択結果に基づいて前記冷却水温度の前記第1の閾値を切り換えて設定する設定手段と、
を含むことを特徴とする車両用空調装置。
【請求項2】
エンジン冷却水の熱による加熱を行って、車室内の吹出し口から吹き出される吹出し風によって車室内の空気を調和する空気調和機能を備えた空調手段と、
前記エンジン冷却水の温度を検出するエンジン冷却水温度センサと、
前記空調手段の空気調和機能よりも省燃費効果を優先するエコモードを指示するエコモードスイッチと、
走行停止中であって前記エコモードスイッチが前記エコモードを指示してない場合は、前記エンジン冷却水温度センサにより検出されたエンジン冷却水の温度が第1の温度以上となる場合にエンジンを停止させ、走行停止中であって前記エコモードスイッチが前記エコモードを指示している場合は、前記エンジン冷却水温度センサにより検出されたエンジン冷却水の温度が前記第1の温度より低い第2の温度以上となる場合に前記エンジンを停止させるエンジン停止手段と、
を備えた車両用空調装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−255917(P2009−255917A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−181099(P2009−181099)
【出願日】平成21年8月3日(2009.8.3)
【分割の表示】特願2006−53090(P2006−53090)の分割
【原出願日】平成18年2月28日(2006.2.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】