ハイブリッド電気自動車の制御方法及び装置
【課題】ハイブリッド電気自動車のエンジン及びスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)の作動方法を提供する。
【解決手段】上記方法は、発進及び減速工程を含む。ISGMは、車両の発進とエンジンの始動の双方に使用される。減速工程は、初期段階においてエンジンがISGMから解除されるように第1のクラッチを操作し、及び、略全ての回生エネルギがエネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源となるように初期段階で第2のクラッチを係合する工程を含む。
【解決手段】上記方法は、発進及び減速工程を含む。ISGMは、車両の発進とエンジンの始動の双方に使用される。減速工程は、初期段階においてエンジンがISGMから解除されるように第1のクラッチを操作し、及び、略全ての回生エネルギがエネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源となるように初期段階で第2のクラッチを係合する工程を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、ビーエーイー・システムズ・コントロールズ・インコーポレーテッド(BAE Systems Controls Inc.)に譲渡された「パラレル型ハイブリッド電気自動車の電力管理システム、適応電力管理方法及びそのためのプログラム(Parallel Hybrid Electric Vehicle Power Management System and Adaptive Power Management Method and Program Therefor)」と題する同時係属出願に関連し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般にハイブリッド電気自動車に関し、特に、本発明は、エンジン始動、車両の発進及び減速時におけるハイブリッド電気自動車の構成要素を制御するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エンジン管理は、ハイブリッド車の効率的なエネルギ使用を増やすために重要な要素である。発進時のエンジンは効率的でないため、車両発進に際してこの重要性は更に高まる。また、単一機械パラレル型ハイブリッド車のエンジン管理では、単一の電気機械が車両を推進させると同時にエンジンに必要な始動トルクを供給しなければならない、という課題がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本明細書では、パラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法が開示される。パラレル型ハイブリッド電気自動車は、エンジンと、第1のクラッチと、第1のクラッチの動作状態に従ってエンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機(統合スタータ・発電機・モータ、integrated starter/generator/motor「ISGM」)と、ISGMと車両を推進させる出力駆動軸との間に機械的に結合された、トルクコンバータとこれに並列に接続された第2のクラッチからなる組み合わせ体と、ISGMに電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備える。上記方法は、エネルギ貯蔵装置から、出力トルクを有するモータとして機能するISGMに電気エネルギを伝達し、ISGMからトルクコンバータを介して出力駆動軸に出力トルクの一部を伝達して車両を発進させ、及び、ISGMの出力トルクの残りの部分をエンジンに結合させ、エンジンの始動を可能にするように第1のクラッチを作動させる工程を含む。電気エネルギ伝達前に、常用ブレーキの解除が検出され、又は、発進イベントが検出される。
【0005】
電気エネルギを伝達する場合に、ISGMはエンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで加速される。
【0006】
パラレル型ハイブリッド電気自動車は、組み合わせ体と出力駆動軸の間に配置されるギアボックスも有する。エンジンの始動後、エンジンからの出力トルクはISGMからの出力トルクに組み合わせられ、組み合わせられたトルクは、トルクコンバータ及びギアボックスを介して出力駆動軸に伝達され、車両の発進を加速する。
【0007】
第2のクラッチは、ロックアップクラッチとすることができる。発進した車両が第1の閾値速度に達した後、ロックアップクラッチが係合され、エンジン及びISGMからの出力トルクがロックアップクラッチとギアボックスを介して出力駆動軸に伝達され、車両を更に加速させるのに十分な動力を供給することが可能となる。
【0008】
本明細書では、エンジンと、第1のクラッチと、第1のクラッチの動作状態に従ってエンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)と、ISGMと車両を推進させる出力駆動軸との間に機械的に結合された、トルクコンバータとこれに並列に接続された第2のクラッチとの組み合わせ体と、ISGMに電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備えたパラレル型ハイブリッド車のエンジン作動方法も開示される。上記方法は、車両の初期減速段階でエンジンがISGMから解除されるように第1のクラッチを操作し、初期減速段階で前記第2のクラッチを係合し、これを介して減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作するISGMに向ける(direct)ことにより、エネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とし、後期減速段階で第2のクラッチを解除し、残りの回生エネルギをトルクコンバータを介して管理(direct)する工程を含む。
【0009】
上記方法は、後期減速段階の間、所定のアイドル回転数にISGMを維持する工程を更に含む。
【0010】
上記方法は、速度がゼロとなる最終減速段階においてエンジンへの燃料供給停止を更に含む。
【0011】
本明細書では、パラレル型ハイブリッド車のエンジン制御システムも開示される。制御システムは、内燃エンジンと、第1のクラッチと、第1のクラッチを介して内燃エンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)と、ISGMに電気エネルギを供給する再充電可能なエネルギ貯蔵システムと、車両の出力駆動軸に結合したギアボックスと、ISGMとギアボックスの間を機械的に結合するトルクコンバータと、トルクコンバータと並列に配置され、トルクコンバータの動作状態から独立してロックアップクラッチの作動が制御される動作モードを有するロックアップクラッチと、及び、制御信号を生成するように構成された制御装置を備える。制御信号は、動作モード、ISGM、第1のクラッチ及び内燃エンジンによりロックアップクラッチの動作を制御する。制御装置は、車両の初期減速段階でエンジンがISGMから解除されるように第1のクラッチを操作する。更に、制御装置は、初期減速段階でロックアップクラッチを係合し、これを介して減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作するISGMに向けることにより、再充電可能なエネルギ貯蔵システムを再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とし、車両の後期減速段階でロックアップクラッチを解除して残りの回生エネルギをトルクコンバータを介して管理する。
【0012】
制御装置は、再充電可能なエネルギ貯蔵システムから、出力トルクを有するモータとして機能するISGMに電気エネルギを伝達し、ISGMからトルクコンバータを介して出力駆動軸に出力トルクの一部を結合するために(必要に応じて)ロックアップクラッチを解除して車両を発進させ、車両発進の際に、ISGMの出力トルクの残りの部分をエンジンに結合させ、エンジンの始動を可能にするように第1のクラッチを作動させる。
【0013】
ロックアップクラッチは、制御装置から受領した制御信号により電子的に制御される1つ以上の制御デバイスの制御により作動される。
【0014】
ISGMは、車両のエンジン始動動作時はスタータとして、車両の減速時は発電機として、車両の加速及び走行時は主走行モータとして動作するように構成される。
【0015】
再充電可能なエネルギ貯蔵システムは、バッテリ又は燃料電池のうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
本明細書では、パラレル型ハイブリッド電気自動車のエンジン作動方法も開示される。パラレル型ハイブリッド車は、少なくともエンジンと、第1のクラッチと、第1のクラッチの動作状態に従ってエンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)と、及び、ISGMに電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備える。上記方法は、車両の初期減速段階でエンジンがISGMから解除されるように第1のクラッチを操作し、第1の減速段階で減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作するISGMに向けることにより、エネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とする工程を含む。
【0017】
上記方法は、速度が閾値速度未満である後期減速段階において、エンジンをISGMに結合するように第1のクラッチを操作する工程を更に含む。
【0018】
上記方法は、ISGMを用いてエンジンを減速させる工程を更に含む。
【0019】
本明細書では、パラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法も開示される。ハイブリッド電気自動車は、少なくともエンジンと、第1のクラッチと、第1のクラッチの動作状態に従ってエンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)と、ISGMに電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備える。上記方法は、パラレル型ハイブリッド電気自動車の減速による回生エネルギを介して回収したエネルギのみを用いて、エネルギ貯蔵装置から、出力トルクを有するモータとして機能するISGMに電気エネルギを伝達し、ISGMから出力駆動軸に出力トルクの一部を伝達して車両を発進させ、及び、ISGMの出力トルクの残りの部分をエンジンに結合させ、エンジンの始動を可能にするように第1のクラッチを作動させる工程を含む。
【0020】
上記方法は、発進イベントの検出を更に含む。
【0021】
電気エネルギを伝達する間、ISGMは、エンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで加速される。
【0022】
前記エンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまでISGMが加速されたとき、第1のクラッチの操作が行われる。
【0023】
更に、エンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまでISGMが加速される前に、第1のクラッチの操作を行うことができる。前記方法は、少なくともISGMの加速に基づいてエンジンへの燃料供給を制御する工程を更に含む。
【0024】
上記方法は、トルク指令を受領し、受領したトルク指令とISGMのピークトルクを比較する工程を更に含む。この比較に基づいて第1のクラッチの操作が行われる。
【0025】
上記方法は、エンジンのアイドル回転数の第2の所定のパーセンテージまでISGMを加速する工程を更に含む。ISGMがエンジンのアイドル回転数の第2の所定のパーセンテージに達した後に、燃料供給の制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の上記及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付した特許請求の範囲、及び添付した図面に関して、より良く理解されるであろう。
【0027】
【図1】図1は、本発明のシステムの一例のブロック図を示す。
【図2A】図2Aは、本発明の態様による複数の車両発進工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図2B】図2Bは、本発明の態様による複数の車両発進工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図2C】図2Cは、本発明の態様による複数の車両発進工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図2D】図2Dは、本発明の態様による複数の車両発進工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図2E】図2Eは、本発明の態様による複数の車両発進工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図3】図3は、本発明の態様による車両減速工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図4】図4は、本発明の追加例のブロック図を示す。
【図5A】図5Aは、図4の追加例による車両減速工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図5B】図5Bは、図4の追加例による車両減速工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図6】図6は、本発明の第2の追加例のブロック図を示す。
【図7A】図7Aは、図6の第2の追加例による車両減速工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図7B】図7Bは、図6の第2の追加例による車両減速工程の例を説明するフローチャートを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1に本発明の一例を示す。本発明の駆動系システムは、クラッチアセンブリ104を介してスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)106に結合される内燃エンジン102(以下「エンジン」)を含む。クラッチアセンブリ104により、減速時及び完全停止時にエンジン102からISGM106を解除できる。クラッチアセンブリ104は、クラッチ制御アセンブリ116により制御される。クラッチ制御アセンブリ116は、例えば、ハイブリッド車の状態に基づいてクラッチアセンブリ104の係合及び解除を制御する油圧ソレノイドである。また、クラッチ制御アセンブリ116は、空気圧制御又は機械制御とすることができる。本発明において、クラッチアセンブリ104は、減速時にISGM106からエンジン102を解除する。
【0029】
また、トルクコンバータ108がISGM106とギアボックス110の間に設けられる。ギアボックス110は、駆動軸(図示せず)を介して駆動輪に結合される。
【0030】
ISGM106は、走行速度に至るまで、エンジンによる補助の有無に関わらず、車両を推進させる走行モータとして効率的に動作するサイズに形成される。また、ISGM106は、エンジンクランク軸を回転させるのと同時に車両を推進させるのに十分な回転トルクを供給するように構成される。
【0031】
更に、ISGM106は、エンジン始動時には車両を発進させるスタータとして、車両の減速時は発電機として、加速時及び走行時には走行モータとして動作する。発電機としてのISGM106は、減速工程において、回生制動から車両の機械的エネルギを回収することにより電気エネルギを発生させる。ISGM106は、エネルギ貯蔵システム118に電気的に結合される。エネルギ貯蔵システム118は、バッテリ、燃料電池、又はウルトラキャパシタであってもよい。ビーエーイー・システムズ・コントロールズ・インコーポレーテッド(BAE Systems Controls Inc.)に譲渡された「パラレル型ハイブリッド電気自動車の電力管理システム、及び適応電力管理方法及びそのためのプログラム(Parallel Hybrid Electric Vehicle Power Management System and Adaptive Power Management Method and Program Therefor)」と題され、参照により本明細書に組み込まれる同時係属出願は、回生制動からのエネルギのみを用いてエネルギ貯蔵システム118を充電するシステム及び方法を記載している。エネルギ貯蔵システム118は、減速時に発電機として動作するISGM106から電気エネルギを受け取る。ISGM106が始動モータ及び/又は走行モータとして動作する場合、エネルギ貯蔵システム118はISGM106に電気エネルギを供給する。エンジン102及びISGM106からのトルクは、トルクコンバータ108へ機械的に結合される。
【0032】
また、ロックアップクラッチ114は、トルクコンバータ108内に一体的に配置することができる。ロックアップクラッチ114は、電子的に制御することができる。ロックアップクラッチは、速度に応じて係合及び解除することができる。
【0033】
エンジン制御装置112は、燃料噴射器、燃料ポンプ及びその他のエンジン部品を作動させるための制御信号を供給する。更に、エンジン制御装置112は、エンジン動作状態を監視し、車室のアクセル及びブレーキペダルからのセンサ信号に基づいてクラッチアセンブリ104及びISGM106の動作を制御するように構成することができる。更に、エンジン制御装置112は、クラッチ制御アセンブリ116に制御信号を供給する。
【0034】
図2Aは、本発明による車両発進工程の例を示すフローチャートである。図2Aに示されるように、車両発進工程は、発進イベントが感知又は検出されるステップ201から始まる。発進イベントは、常用ブレーキの解除又はトルク指令等の運転手からの加速要求の検出等を含む。本発明では、常用ブレーキは、フットペダル作動ブレーキやハンド/サイドブレーキ等を含むがこれに限定されない全ての機械ブレーキ機構を含むことができる。
【0035】
一旦発進イベントが検出されると、エンジン制御装置112等の制御装置は、エネルギ貯蔵システム118からISGM106に電気エネルギを伝達することにより、ステップ203でISGM106を加速する。制御装置は、エンジン制御装置112とは別の制御装置とすることができる。しかし、本説明では、制御装置とエンジン制御装置112は互換的に用いられる。ステップ205では、トルクが出力軸に伝達される。本例では、トルクは、トルクコンバータ108を介して伝達される。なお、別の例に関して後に本明細書で説明するように、トルクは、コンピュータ操作又は手動操作のクラッチを介して伝達することができる。ISGM106がトルクコンバータ108に結合されているため、ステップ203で、車両はISGM106の加速に伴い即座に動き始める。
【0036】
ステップ207では、ISGM106がエンジン102に結合される。車両発進時に、クラッチアセンブリ104を係合することで、ISGM106の動力又は出力トルクの一部がエンジン102に結合され、エンジン102の始動が可能となる。
【0037】
ステップ209において、制御装置が、エンジンのアイドル回転数を超える所定のパーセンテージでISGM106が動作していると決定するまで、ISGM106は加速される。エンジン102とISGM106の結合は維持される。例えば、所定のパーセンテージは、エンジンのアイドル回転数の130%超でもよい。ステップ211では、制御装置が、エンジン102の燃料噴射システムを制御する。この時点で、エンジン102は燃料供給され、車両発進のサポートを開始する。燃料噴射システムを介してエンジン102が始動した後、ステップ213で、エンジン102からの出力トルクはISGM106からの出力トルクに組み合わされ、統合したトルクはトルクコンバータとギアボックス110を介して出力駆動軸に伝達され、車両の発進を加速する。
【0038】
図1に示すシステムにおいて、ロックアップクラッチ114は、図2に示す初期発進工程で解除される。自動車コンポーネントが所定の速度、例えば、毎分750回転超のトランスミッション入力速度で走行するまで、ロックアップクラッチ114は係合されない。本明細書及び図面で使用される「速度」とは、トランスミッション入力速度、トランスミッション出力速度、ISGM速度、又は車両速度であってもよいが、これに限定されない。しかし、以下に説明するステップ317及び719に関しては、ISGM速度は必要とされない。ロックアップクラッチ114を係合するための、実際の所定の速度は、エンジンの燃料効率及びトルク特性等に基づくことができる。本実施例によれば、初期発進工程の間、ISGM106及び/又はエンジン102からの動力は、トルクコンバータ108のみを介して車両の発進に用いられる。
【0039】
本実施例では、ステップ203の前に、初期発進時にいくつかの代替構成を設けてもよい。例えば、クラッチアセンブリ104とロックアップクラッチ114の両方を係合させてもよく、クラッチアセンブリ104とロックアップクラッチ114の両方を解除してもよく、ロックアップクラッチ114を解除する一方でクラッチアセンブリ104を係合させてもよく、又は、ロックアップクラッチ114を係合させる一方でクラッチアセンブリ104を解除してもよい。図2Aに示すように、ISGM106の速度がエンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで達する前に、エンジン102はISGM106と結合される。しかし、本発明によれば、図2Bに示すように、エンジン102に対するISGM106の結合は、ISGM106の速度がエンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで達した後に行うことができる。ステップ207と209の順序は逆になる。他のステップは同じであり、繰り返して詳細に説明はしない。
【0040】
更に、受領したトルク指令及びISGM106の最大又はピークトルクは、エンジン102をISGM106に接続する時期、又は、エンジン102に燃料補給又は燃料供給を行う時期の決定に用いることができる。ピークトルクは、ISGM106の特定パラメータである。ピークトルクの閾値は、ピークトルクのパーセンテージである。図2Cは、トルク指令をISGMのピークトルクと比較し、燃料噴射システムを制御する時期を決定する方法の一例のフローチャートを示す。ステップ210では、受領したトルク指令がISGMのピークトルクの所定のパーセンテージよりも大であるかどうかの判断がなされる。トルク指令がピークの所定のパーセンテージよりも大であれば、ステップ211において燃料噴射システムを制御してエンジン102に燃料供給又は燃料補給を行う。大でなければ、システムは、新たなトルク指令を待つ。他のステップは同じであり、繰り返して詳細に説明はしない。
【0041】
更に、第2の速度閾値は、エンジン102に燃料補給又は燃料供給を行う時期の決定に用いることができる。例えば、図2Dは、第2の速度閾値を使った本発明による方法の一例のフローチャートを示す。図2Dでは、ステップ207と209が図2Aに記載の方法と逆になる。ステップ203でISGM106が始動され、最初に加速される。エンジン102がISGM106に結合された後、ステップ214で、ISGM106は加速を継続する。ISGMは、エンジンのアイドル回転数に対して第2の速度閾値を超える速度に達するまで加速される。ステップ215では、速度が第2の速度閾値より大であるかどうかの判断がなされる。速度が大であれば(ステップ215で「YES」)、ステップ211で燃料噴射システムは、エンジン102に燃料を供給する又はエンジン102の燃料補給を行う。大でなければ、ステップ214でISGM106は加速を継続することができる。
【0042】
他のステップは同じであり、繰り返して詳細に説明はしない。図2Eは、本発明による方法の他の一例を示す。図2Eに示す方法では、第2の速度閾値と受領したトルク指令とISGM106のピークトルクの全てが発進過程で使用される。
【0043】
図3は、図1に示すシステムの減速工程の例を示す。ステップ301では、センサが負のシステムトルク指令を検出する。負のシステムトルク指令は、アクセルペダル、ブレーキペダル、その組み合わせ、又は走行制御装置を介した入力であってもよいが、これに限定されない。システムトルク指令が負であれば、ステップ303の工程に進む。ステップ303では、ISGM106とエンジン102の間に配置されたクラッチアセンブリ104の解除により、ISGM106とエンジン102の結合が解除される。しかし、ISGM106により供給される制動トルクを超える負のトルクが追加で必要であれば、ISGM106にエンジン102を結合したままでステップ303をスキップしてもよい。
【0044】
また、トルクコンバータ108は、トランスミッション側から効率良く電力を伝達するように設計されていないので、トルクコンバータ108のロックアップクラッチ114は、未係合であればステップ305で係合される。ロックアップクラッチ114は、駆動輪からISGM106へ更に効率的に回生電力を転送することができる。
【0045】
図3において、ISGM106とエンジン102は、ロックアップクラッチ114が係合される前に解除される。しかし、ステップ303とステップ305を入れ替えて、ISGM106とエンジン102が解除される前にロックアップクラッチ114を係合することができる。ステップ303及びステップ305を実行する特定の順序は、速度、バッテリの充電状態及びスロットル信号により決まる。
【0046】
ステップ307では、回生電力が回収され、バッテリや他のエネルギ貯蔵装置(システム)、例えば、エネルギ貯蔵システム118を充電する。ステップ307の間、速度は制御装置により監視される。ステップ309で監視された速度が事前に設定した閾値速度を超えていれば、ステップ311のシステムトルク指令が負でないかどうかを判断する工程に進む。システムトルク指令が負であり、速度がステップ309の閾値速度を超えている限り、ステップ307で説明されたバッテリ充電の工程が継続する。しかし、速度はステップ309の閾値速度を超えているが、システムトルク指令がもはや負でなければ、上記の工程はバッテリ充電を停止し、ステップ301に戻り、次に負のシステムトルク指令が検出されるのを待つ。
一旦、速度がステップ309の閾値速度未満であると制御装置が判断すると、ステップ313の工程に進む。ステップ313では、ロックアップクラッチ114が解除される。ロックアップクラッチ114が解除されると、回生電力であった減速エネルギがトルクコンバータ108を介して消散する。エンジン102はISGM106から解除されたままでもよく、エンジン102は、アイドリング、又は、遮断することさえできる。ステップ315では、制御装置がISGM106を閾値の回転数(RPM)に維持する。任意ではあるが、速度が第2の閾値未満であれば、制御装置は、ステップ319でエンジン102への燃料供給を停止してもよい。
【0047】
ステップ315では、エンジン102がギアボックス110に原動エネルギを供給していない場合でも、動力が従来のパワーステアリングシステム及びパワーブレーキシステムに供給されるようにエンジン102を低アイドル回転数に保つことができる。あるいは、エンジン102への燃料供給を完全に停止し又は電源を遮断し、ハイブリッド車の燃料効率を更に高めることができる。しかし、エンジン102への電源を遮断した状態でハイブリッド車を適切に動作させるために、従来の機械的に駆動するパワーステアリングシステム及びパワーブレーキシステムは、電気的に駆動するパワーステアリングシステム及びパワーブレーキシステムに置換される。電気駆動システムを使用することにより、ハイブリッド車のコストが増大する。
【0048】
図4は、図1のオートマチック・トランスミッション、即ち、トルクコンバータ108及びギアボックス110が、ギアボックス408で示される半自動マニュアル・トランスミッションに置換された本発明の追加例を示す。本発明の駆動系システムは、クラッチアセンブリ404を介してスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)406に結合される内燃エンジン402(以下「エンジン」)を含む。クラッチアセンブリ404は、減速時及び完全停止時にエンジン402からISGM406を解除することができる。クラッチアセンブリ404は、クラッチ制御装置410により制御される。クラッチ制御装置410は、例えば、ハイブリッド車の状態に基づいてクラッチアセンブリ404の係合及び解除を制御する油圧ソレノイドである。上述のように、クラッチ制御装置410は、空気圧制御又は機械制御とすることもできる。本発明において、クラッチアセンブリ404は、減速時にISGM406からエンジン402を解除する。
【0049】
更に、ISGM406はギアボックス408に結合される。ギアボックス408は駆動軸(図示せず)を介して駆動輪と結合される。
【0050】
ISGM406は、走行速度に至るまで、エンジンによる補助の有無に関わらず、車両を推進させる走行モータとして効率的に作動するサイズに形成される。更に、ISGM406は、エンジンクランク軸を回転させると同時に車両を推進させるのに十分な回転トルクを供給するように構成される。
【0051】
更に、ISGM406は、エンジン始動時にはスタータとして、車両の減速時には発電機として、加速時及び走行時には走行モータとして動作する。発電機としてのISGM406は、減速工程において、車両の機械的エネルギを回収することにより電気エネルギを発生させる。ISGM406は、エネルギ貯蔵システム414に電気的に結合される。エネルギ貯蔵システム414は、バッテリ又はウルトラキャパシタであってもよい。ビーエーイー・システムズ・コントロールズ・インコーポレーテッド(BAE Systems Controls Inc.)に譲渡された「パラレル型ハイブリッド電気自動車の電力管理システム、適応電力管理方法及びそのためのプログラム(Parallel Hybrid Electric Vehicle Power Management System and Adaptive Power Management Method and Program Therefor)」と題され、参照により本明細書に組み込まれる同時係属出願は、回生制動からのエネルギのみを使ってエネルギ貯蔵システム414を充電するシステム及び方法を記載する。エネルギ貯蔵システム414は、減速時に発電機として動作するISGM406から電気エネルギを受け取る。ISGM406が始動モータ及び/又は走行モータとして動作する場合、エネルギ貯蔵システム414はISGM406に電気エネルギを供給する。エンジン402及びISGM406からのトルクは、ギアボックス408へ機械的に結合される。
【0052】
また、エンジン制御装置412は、燃料噴射器、燃料ポンプ及びその他のエンジン部品を作動させるための制御信号を供給する。また、エンジン制御装置412は、エンジン動作状態を監視し、車室のアクセル及びブレーキペダルからのセンサ信号に基づいてクラッチアセンブリ404及びISGM406の動作を制御するように構成することができる。更に、クラッチ制御装置410は、エンジン制御装置412から制御信号を受領する。
【0053】
図4に示す追加例の車両発進工程は、基本的には図2A〜図2Eに関して上述したように動作する。しかし、初期発進時には、ステップ203の前にクラッチアセンブリ404を係合、解除、又は、滑り状態とすることができ、滑り状態では、クラッチアセンブリ404がエンジン402へ負荷の部分的伝達を可能にする。
【0054】
図5A及び5Bは、図4に示す追加のシステムの例における本発明による減速工程の例を示すフローチャートを示す。図5Aのステップ501では、センサが負のシステムトルク指令を検出する。負のシステムトルク指令があれば、ステップ503の工程に進む。ステップ503では、ISGM406とエンジン402の間に配置されたクラッチアセンブリ404の解除により、ISGM406とエンジン402の結合が解除される。
【0055】
なお、ステップ503は、速度、バッテリの充電状態及びスロットル信号に応じて任意に実行することができる。従って、ステップ503は、図5A及び5Bの減速工程の全ての例で必要とされるわけではない。
【0056】
ステップ505では、回生電力が回収され、バッテリや他のエネルギ貯蔵装置(システム)、例えば、エネルギ貯蔵システム414を充電する。ステップ505の間、速度は速度制御装置により監視される。ステップ507で速度が予め設定した閾値速度を超えていれば、ステップ509のシステムトルク指令が負であるかどうかを判断する工程に進む。システムトルク指令が負であり、速度がステップ505の閾値速度を超えている限り、ステップ505で説明されたバッテリ、例えば、エネルギ貯蔵システム414を充電する工程が継続する。しかし、速度はステップ507の閾値速度を超えているが、システムトルク指令がもはや負でなければ、上記の工程はバッテリ充電を停止し、ステップ501に戻り、次の負のシステムトルク指令を待つ。
【0057】
一旦、速度がステップ507の閾値速度未満であると制御装置が判断すると、ステップ511の工程に進む。ステップ511では、ISGM406とエンジン402の間のクラッチアセンブリ404が係合される。クラッチアセンブリ404が係合されていても、回生電力は回収され、エネルギ貯蔵システム414を充電する。負荷として作用するエンジン402により、充電は低速となる。充電状態が目標レベルに達するまでエネルギ貯蔵システム414を充電することができる。あるいは、ステップ511では、エンジン402はISGM406から接続解除されたままでもよく、エンジン402は、アイドリングすることができ、又は、遮断することさえできる。
【0058】
ステップ513では、速度が第2の速度閾値未満であるかどうかの決定がなされる。任意ではあるが、速度がステップ513の第2の閾値未満である場合、制御装置は、ステップ515でエンジン402への燃料供給を停止してもよい。この時点では、ステップ517でエンジン402がその第1の共振周波数で動く一方で、ISGM406はエンジン402のトーショナルダンパとして動作する。このように、ISGM406は、残りの回生エネルギを用いてエンジン402を減速する。あるいは、エンジン402が減速工程を通して解除されたままであれば、ステップ501でエンジンへの燃料供給を停止することができる。
【0059】
図5Bに示される工程又は方法のいくつかの工程、例えば、ステップ501〜509及びステップ513〜515は、図5Aと同様であり、繰り返して詳細に説明はしない。ステップ511は、図5Bに示される工程では行われない。ステップ515でエンジンへの燃料供給を停止した後、速度が第3の速度閾値未満であるかどうかの決定がなされる(ステップ519)。また、エンジン回転数(RPM)がエンジン回転数の閾値未満であるかどうかの判断もなされる(これもステップ519)。双方における判断が「YES」であった場合、ステップ521でエンジン402がISGM406と結合される。
【0060】
図6は、図1のオートマチック・トランスミッション、即ち、トルクコンバータ108及びギアボックス110が、ギアボックス610、及びISGM606とギアボックス610を結合するトランスミッション・クラッチ608で示される従来のマニュアル・トランスミッションに置換された本発明の第2の追加例を示す。本発明の駆動系システムは、クラッチアセンブリ604を介してISGM606に結合される内燃エンジン602(以下「エンジン」)を含む。クラッチアセンブリ604は、減速時及び完全停止時にエンジン602からISGM606を解除することができる。クラッチアセンブリ604は、クラッチ制御装置612により制御される。クラッチ制御装置612は、例えば、ハイブリッド車の状態に基づいてクラッチアセンブリ604の係合及び解除を制御する油圧ソレノイドである。また、クラッチ制御装置612は、空気圧制御又は機械制御とすることもできる。本発明において、クラッチアセンブリ604は、減速時にISGM606からエンジン602を解除する。
【0061】
ISGM606は、走行速度に至るまで、エンジンによる補助の有無に関わらず、車両を推進させる走行モータとして効率的に作動するサイズに形成される。また、ISGM606は、エンジンクランク軸を回転させると同時に車両を推進させるのに十分な回転トルクを供給するように構成される。
【0062】
更に、ISGM606は、エンジン始動時にはスタータとして、車両の減速時には発電機として、加速時及び走行時には走行モータとして動作する。発電機としてのISGM606は、減速工程において、車両の機械的エネルギを回収することで電気エネルギを発生させる。ISGM606は、エネルギ貯蔵システム616に電気的に結合される。エネルギ貯蔵システム616は、バッテリ又はウルトラキャパシタであってもよい。ビーエーイー・システムズ・コントロールズ・インコーポレーテッド(BAE Systems Controls Inc.)に譲渡された「パラレル型ハイブリッド電気自動車の電力管理システム、適応電力管理方法及びそのためのプログラム(Parallel Hybrid Electric Vehicle Power Management System and Adaptive Power Management Method and Program Therefor)」と題され、参照により本明細書に組み込まれる同時係属出願は、回生制動からのエネルギのみを使ってエネルギ貯蔵システム616を充電するシステム及び方法を記載する。エネルギ貯蔵システム616は、減速時に発電機として動作するISGM606から電気エネルギを受け取る。ISGM606が始動モータ及び/又は走行モータとして動作する場合、エネルギ貯蔵システム616はISGM606に電気エネルギを供給する。エンジン602及びISGM606からのトルクは、トランスミッション・クラッチ608へ機械的に結合される。
【0063】
また、エンジン制御装置614は、燃料噴射器、燃料ポンプ及びその他のエンジン部品を作動させるための制御信号を供給する。また、エンジン制御装置614は、エンジン動作状態を監視し、車室のアクセル及びブレーキペダルからのセンサ信号に基づいてクラッチアセンブリ604及びISGM606の動作を制御するように構成することができる。更に、クラッチ制御装置614は、エンジン制御装置614から制御信号を受領する。
【0064】
図6に示す第2の追加例の車両発進工程は、基本的に図2A〜図2Eに関して上述したように動作する。しかし、初期発進時には、ステップ203の前にクラッチアセンブリ604を係合、解除、又は、滑り状態とすることができ、滑り状態では、クラッチアセンブリ604がエンジン602へ負荷の部分的伝達を可能にする。
【0065】
図7A及び7Bは、第2の追加例における2つの減速工程の例を示す。図7A又は7Bに示すように、ステップ701では、センサが負のシステムトルク指令を検出する。システムトルク指令が負であれば、ステップ703の工程に進む。ステップ703では、ISGM606とエンジン602の間に配置されたクラッチアセンブリ604の解除により、ISGM606とエンジン602の結合が解除される。
【0066】
なお、ステップ703は、速度、バッテリの充電状態及びスロットル信号に応じて任意に実行することができる。従って、ステップ703は、図7A及び7Bの減速工程の全ての例で必要とされるわけではない。
【0067】
上記工程は、トランスミッション・クラッチ608が未係合であれば、ISGM606とギアボックス610の間でトランスミッション・クラッチ608を係合するステップ705に進む。ステップ707では、回生電力が回収され、バッテリや他のエネルギ貯蔵装置(システム)、例えば、エネルギ貯蔵システム616を充電する。ステップ709の間、速度は制御装置により監視される。ステップ709で速度が予め設定した閾値速度を超えていれば、ステップ711のシステムトルク指令が負であるかどうかを判断する工程に進む。システムトルク指令が負であり、速度がステップ709の閾値速度を超えている限り、ステップ707に説明されたバッテリ、例えばエネルギ貯蔵システム616を充電する工程が継続する。しかし、速度はステップ709の閾値速度を超えているが、システムのトルク指令が負でなければ、上記の工程はバッテリ充電を停止し、ステップ701に戻り、次に負のシステムトルク指令が検出されるのを待つ。
【0068】
一旦、速度がステップ709の閾値速度未満であると制御装置が判断すると、ステップ713の工程に進む。ステップ713では、トランスミッション・クラッチ608が解除される。あるいは、ステップ713では、ISGM606はギアボックス610と係合したままでもよい。ステップ715で、ISGM606とエンジン602の間のクラッチアセンブリ604が係合される。あるいは、ステップ715では、エンジン602はISGM606から解除されたままでもよく、エンジン602は、アイドリング、又は、遮断することさえできる。例えば、図7Bは、ステップ715でクラッチアセンブリ604を介したISGM606とエンジン602の結合を行わない工程を示す。ステップ719で速度が第2の閾値未満であることが検出されるまで、制御装置はステップ717でISGM606を閾値の回転数(RPM)に維持する。
【0069】
任意ではあるが、ステップ719で速度が第2の閾値未満である場合、制御装置は、ステップ721でエンジン602への燃料供給を停止してもよい。この時点では、ステップ723でエンジン602がその第1の共振周波数で動く一方で、ISGM606は、エンジン602のトーショナルダンパとして動作する。このように、ISGM606は、エンジン602を減速する。あるいは、エンジン602が減速工程を通して解除されたままであれば、ステップ701でエンジン602への燃料供給を停止することができる。
【0070】
図7Bに示す工程は、ステップ715及び723が省略されていること以外は図7Aに示す工程と同様である。図7Bでは、ISGM606とエンジン602は結合されていない。
【0071】
本発明の実施例に係るシステム及び工程の上記説明において、制御システムは、単一の制御装置又はエンジン制御装置のことを言う。しかし、実際、本発明の制御機能は、単一のエンジン制御装置により又は上述した制御機能を個別に実行する多数の制御装置により実行しても良い。
【0072】
上述した本発明の実施例は、限定的ではなく例示であるとともに、本発明の全ての実施の形態又は実施例を表わすものではない。以下の実際の請求項及び法的に承認される相当物に規定する発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の改良及び変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0073】
102・・・内燃エンジン、104・・・クラッチアセンブリ、106・・・スタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)、108・・・トルクコンバータ、110・・・ギアボックス、112・・・エンジン制御装置、114・・・ロックアップクラッチ、116・・・クラッチ制御装置、118・・・エネルギ貯蔵システム、402・・・内燃エンジン、404・・・クラッチアセンブリ、406・・・ISGM、408・・・ギアボックス、410・・・クラッチ制御装置、412・・・エンジン制御装置、414・・・エネルギ貯蔵システム、602・・・内燃エンジン、604・・・クラッチアセンブリ、606・・・ISGM、608・・・トランスミッション・クラッチ、610・・・ギアボックス、612・・・クラッチ制御装置、614・・・エンジン制御装置、616・・・エネルギ貯蔵システム
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、ビーエーイー・システムズ・コントロールズ・インコーポレーテッド(BAE Systems Controls Inc.)に譲渡された「パラレル型ハイブリッド電気自動車の電力管理システム、適応電力管理方法及びそのためのプログラム(Parallel Hybrid Electric Vehicle Power Management System and Adaptive Power Management Method and Program Therefor)」と題する同時係属出願に関連し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般にハイブリッド電気自動車に関し、特に、本発明は、エンジン始動、車両の発進及び減速時におけるハイブリッド電気自動車の構成要素を制御するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
エンジン管理は、ハイブリッド車の効率的なエネルギ使用を増やすために重要な要素である。発進時のエンジンは効率的でないため、車両発進に際してこの重要性は更に高まる。また、単一機械パラレル型ハイブリッド車のエンジン管理では、単一の電気機械が車両を推進させると同時にエンジンに必要な始動トルクを供給しなければならない、という課題がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本明細書では、パラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法が開示される。パラレル型ハイブリッド電気自動車は、エンジンと、第1のクラッチと、第1のクラッチの動作状態に従ってエンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機(統合スタータ・発電機・モータ、integrated starter/generator/motor「ISGM」)と、ISGMと車両を推進させる出力駆動軸との間に機械的に結合された、トルクコンバータとこれに並列に接続された第2のクラッチからなる組み合わせ体と、ISGMに電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備える。上記方法は、エネルギ貯蔵装置から、出力トルクを有するモータとして機能するISGMに電気エネルギを伝達し、ISGMからトルクコンバータを介して出力駆動軸に出力トルクの一部を伝達して車両を発進させ、及び、ISGMの出力トルクの残りの部分をエンジンに結合させ、エンジンの始動を可能にするように第1のクラッチを作動させる工程を含む。電気エネルギ伝達前に、常用ブレーキの解除が検出され、又は、発進イベントが検出される。
【0005】
電気エネルギを伝達する場合に、ISGMはエンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで加速される。
【0006】
パラレル型ハイブリッド電気自動車は、組み合わせ体と出力駆動軸の間に配置されるギアボックスも有する。エンジンの始動後、エンジンからの出力トルクはISGMからの出力トルクに組み合わせられ、組み合わせられたトルクは、トルクコンバータ及びギアボックスを介して出力駆動軸に伝達され、車両の発進を加速する。
【0007】
第2のクラッチは、ロックアップクラッチとすることができる。発進した車両が第1の閾値速度に達した後、ロックアップクラッチが係合され、エンジン及びISGMからの出力トルクがロックアップクラッチとギアボックスを介して出力駆動軸に伝達され、車両を更に加速させるのに十分な動力を供給することが可能となる。
【0008】
本明細書では、エンジンと、第1のクラッチと、第1のクラッチの動作状態に従ってエンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)と、ISGMと車両を推進させる出力駆動軸との間に機械的に結合された、トルクコンバータとこれに並列に接続された第2のクラッチとの組み合わせ体と、ISGMに電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備えたパラレル型ハイブリッド車のエンジン作動方法も開示される。上記方法は、車両の初期減速段階でエンジンがISGMから解除されるように第1のクラッチを操作し、初期減速段階で前記第2のクラッチを係合し、これを介して減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作するISGMに向ける(direct)ことにより、エネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とし、後期減速段階で第2のクラッチを解除し、残りの回生エネルギをトルクコンバータを介して管理(direct)する工程を含む。
【0009】
上記方法は、後期減速段階の間、所定のアイドル回転数にISGMを維持する工程を更に含む。
【0010】
上記方法は、速度がゼロとなる最終減速段階においてエンジンへの燃料供給停止を更に含む。
【0011】
本明細書では、パラレル型ハイブリッド車のエンジン制御システムも開示される。制御システムは、内燃エンジンと、第1のクラッチと、第1のクラッチを介して内燃エンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)と、ISGMに電気エネルギを供給する再充電可能なエネルギ貯蔵システムと、車両の出力駆動軸に結合したギアボックスと、ISGMとギアボックスの間を機械的に結合するトルクコンバータと、トルクコンバータと並列に配置され、トルクコンバータの動作状態から独立してロックアップクラッチの作動が制御される動作モードを有するロックアップクラッチと、及び、制御信号を生成するように構成された制御装置を備える。制御信号は、動作モード、ISGM、第1のクラッチ及び内燃エンジンによりロックアップクラッチの動作を制御する。制御装置は、車両の初期減速段階でエンジンがISGMから解除されるように第1のクラッチを操作する。更に、制御装置は、初期減速段階でロックアップクラッチを係合し、これを介して減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作するISGMに向けることにより、再充電可能なエネルギ貯蔵システムを再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とし、車両の後期減速段階でロックアップクラッチを解除して残りの回生エネルギをトルクコンバータを介して管理する。
【0012】
制御装置は、再充電可能なエネルギ貯蔵システムから、出力トルクを有するモータとして機能するISGMに電気エネルギを伝達し、ISGMからトルクコンバータを介して出力駆動軸に出力トルクの一部を結合するために(必要に応じて)ロックアップクラッチを解除して車両を発進させ、車両発進の際に、ISGMの出力トルクの残りの部分をエンジンに結合させ、エンジンの始動を可能にするように第1のクラッチを作動させる。
【0013】
ロックアップクラッチは、制御装置から受領した制御信号により電子的に制御される1つ以上の制御デバイスの制御により作動される。
【0014】
ISGMは、車両のエンジン始動動作時はスタータとして、車両の減速時は発電機として、車両の加速及び走行時は主走行モータとして動作するように構成される。
【0015】
再充電可能なエネルギ貯蔵システムは、バッテリ又は燃料電池のうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
本明細書では、パラレル型ハイブリッド電気自動車のエンジン作動方法も開示される。パラレル型ハイブリッド車は、少なくともエンジンと、第1のクラッチと、第1のクラッチの動作状態に従ってエンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)と、及び、ISGMに電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備える。上記方法は、車両の初期減速段階でエンジンがISGMから解除されるように第1のクラッチを操作し、第1の減速段階で減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作するISGMに向けることにより、エネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とする工程を含む。
【0017】
上記方法は、速度が閾値速度未満である後期減速段階において、エンジンをISGMに結合するように第1のクラッチを操作する工程を更に含む。
【0018】
上記方法は、ISGMを用いてエンジンを減速させる工程を更に含む。
【0019】
本明細書では、パラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法も開示される。ハイブリッド電気自動車は、少なくともエンジンと、第1のクラッチと、第1のクラッチの動作状態に従ってエンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)と、ISGMに電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備える。上記方法は、パラレル型ハイブリッド電気自動車の減速による回生エネルギを介して回収したエネルギのみを用いて、エネルギ貯蔵装置から、出力トルクを有するモータとして機能するISGMに電気エネルギを伝達し、ISGMから出力駆動軸に出力トルクの一部を伝達して車両を発進させ、及び、ISGMの出力トルクの残りの部分をエンジンに結合させ、エンジンの始動を可能にするように第1のクラッチを作動させる工程を含む。
【0020】
上記方法は、発進イベントの検出を更に含む。
【0021】
電気エネルギを伝達する間、ISGMは、エンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで加速される。
【0022】
前記エンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまでISGMが加速されたとき、第1のクラッチの操作が行われる。
【0023】
更に、エンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまでISGMが加速される前に、第1のクラッチの操作を行うことができる。前記方法は、少なくともISGMの加速に基づいてエンジンへの燃料供給を制御する工程を更に含む。
【0024】
上記方法は、トルク指令を受領し、受領したトルク指令とISGMのピークトルクを比較する工程を更に含む。この比較に基づいて第1のクラッチの操作が行われる。
【0025】
上記方法は、エンジンのアイドル回転数の第2の所定のパーセンテージまでISGMを加速する工程を更に含む。ISGMがエンジンのアイドル回転数の第2の所定のパーセンテージに達した後に、燃料供給の制御を行う。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の上記及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付した特許請求の範囲、及び添付した図面に関して、より良く理解されるであろう。
【0027】
【図1】図1は、本発明のシステムの一例のブロック図を示す。
【図2A】図2Aは、本発明の態様による複数の車両発進工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図2B】図2Bは、本発明の態様による複数の車両発進工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図2C】図2Cは、本発明の態様による複数の車両発進工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図2D】図2Dは、本発明の態様による複数の車両発進工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図2E】図2Eは、本発明の態様による複数の車両発進工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図3】図3は、本発明の態様による車両減速工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図4】図4は、本発明の追加例のブロック図を示す。
【図5A】図5Aは、図4の追加例による車両減速工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図5B】図5Bは、図4の追加例による車両減速工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図6】図6は、本発明の第2の追加例のブロック図を示す。
【図7A】図7Aは、図6の第2の追加例による車両減速工程の例を説明するフローチャートを示す。
【図7B】図7Bは、図6の第2の追加例による車両減速工程の例を説明するフローチャートを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1に本発明の一例を示す。本発明の駆動系システムは、クラッチアセンブリ104を介してスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)106に結合される内燃エンジン102(以下「エンジン」)を含む。クラッチアセンブリ104により、減速時及び完全停止時にエンジン102からISGM106を解除できる。クラッチアセンブリ104は、クラッチ制御アセンブリ116により制御される。クラッチ制御アセンブリ116は、例えば、ハイブリッド車の状態に基づいてクラッチアセンブリ104の係合及び解除を制御する油圧ソレノイドである。また、クラッチ制御アセンブリ116は、空気圧制御又は機械制御とすることができる。本発明において、クラッチアセンブリ104は、減速時にISGM106からエンジン102を解除する。
【0029】
また、トルクコンバータ108がISGM106とギアボックス110の間に設けられる。ギアボックス110は、駆動軸(図示せず)を介して駆動輪に結合される。
【0030】
ISGM106は、走行速度に至るまで、エンジンによる補助の有無に関わらず、車両を推進させる走行モータとして効率的に動作するサイズに形成される。また、ISGM106は、エンジンクランク軸を回転させるのと同時に車両を推進させるのに十分な回転トルクを供給するように構成される。
【0031】
更に、ISGM106は、エンジン始動時には車両を発進させるスタータとして、車両の減速時は発電機として、加速時及び走行時には走行モータとして動作する。発電機としてのISGM106は、減速工程において、回生制動から車両の機械的エネルギを回収することにより電気エネルギを発生させる。ISGM106は、エネルギ貯蔵システム118に電気的に結合される。エネルギ貯蔵システム118は、バッテリ、燃料電池、又はウルトラキャパシタであってもよい。ビーエーイー・システムズ・コントロールズ・インコーポレーテッド(BAE Systems Controls Inc.)に譲渡された「パラレル型ハイブリッド電気自動車の電力管理システム、及び適応電力管理方法及びそのためのプログラム(Parallel Hybrid Electric Vehicle Power Management System and Adaptive Power Management Method and Program Therefor)」と題され、参照により本明細書に組み込まれる同時係属出願は、回生制動からのエネルギのみを用いてエネルギ貯蔵システム118を充電するシステム及び方法を記載している。エネルギ貯蔵システム118は、減速時に発電機として動作するISGM106から電気エネルギを受け取る。ISGM106が始動モータ及び/又は走行モータとして動作する場合、エネルギ貯蔵システム118はISGM106に電気エネルギを供給する。エンジン102及びISGM106からのトルクは、トルクコンバータ108へ機械的に結合される。
【0032】
また、ロックアップクラッチ114は、トルクコンバータ108内に一体的に配置することができる。ロックアップクラッチ114は、電子的に制御することができる。ロックアップクラッチは、速度に応じて係合及び解除することができる。
【0033】
エンジン制御装置112は、燃料噴射器、燃料ポンプ及びその他のエンジン部品を作動させるための制御信号を供給する。更に、エンジン制御装置112は、エンジン動作状態を監視し、車室のアクセル及びブレーキペダルからのセンサ信号に基づいてクラッチアセンブリ104及びISGM106の動作を制御するように構成することができる。更に、エンジン制御装置112は、クラッチ制御アセンブリ116に制御信号を供給する。
【0034】
図2Aは、本発明による車両発進工程の例を示すフローチャートである。図2Aに示されるように、車両発進工程は、発進イベントが感知又は検出されるステップ201から始まる。発進イベントは、常用ブレーキの解除又はトルク指令等の運転手からの加速要求の検出等を含む。本発明では、常用ブレーキは、フットペダル作動ブレーキやハンド/サイドブレーキ等を含むがこれに限定されない全ての機械ブレーキ機構を含むことができる。
【0035】
一旦発進イベントが検出されると、エンジン制御装置112等の制御装置は、エネルギ貯蔵システム118からISGM106に電気エネルギを伝達することにより、ステップ203でISGM106を加速する。制御装置は、エンジン制御装置112とは別の制御装置とすることができる。しかし、本説明では、制御装置とエンジン制御装置112は互換的に用いられる。ステップ205では、トルクが出力軸に伝達される。本例では、トルクは、トルクコンバータ108を介して伝達される。なお、別の例に関して後に本明細書で説明するように、トルクは、コンピュータ操作又は手動操作のクラッチを介して伝達することができる。ISGM106がトルクコンバータ108に結合されているため、ステップ203で、車両はISGM106の加速に伴い即座に動き始める。
【0036】
ステップ207では、ISGM106がエンジン102に結合される。車両発進時に、クラッチアセンブリ104を係合することで、ISGM106の動力又は出力トルクの一部がエンジン102に結合され、エンジン102の始動が可能となる。
【0037】
ステップ209において、制御装置が、エンジンのアイドル回転数を超える所定のパーセンテージでISGM106が動作していると決定するまで、ISGM106は加速される。エンジン102とISGM106の結合は維持される。例えば、所定のパーセンテージは、エンジンのアイドル回転数の130%超でもよい。ステップ211では、制御装置が、エンジン102の燃料噴射システムを制御する。この時点で、エンジン102は燃料供給され、車両発進のサポートを開始する。燃料噴射システムを介してエンジン102が始動した後、ステップ213で、エンジン102からの出力トルクはISGM106からの出力トルクに組み合わされ、統合したトルクはトルクコンバータとギアボックス110を介して出力駆動軸に伝達され、車両の発進を加速する。
【0038】
図1に示すシステムにおいて、ロックアップクラッチ114は、図2に示す初期発進工程で解除される。自動車コンポーネントが所定の速度、例えば、毎分750回転超のトランスミッション入力速度で走行するまで、ロックアップクラッチ114は係合されない。本明細書及び図面で使用される「速度」とは、トランスミッション入力速度、トランスミッション出力速度、ISGM速度、又は車両速度であってもよいが、これに限定されない。しかし、以下に説明するステップ317及び719に関しては、ISGM速度は必要とされない。ロックアップクラッチ114を係合するための、実際の所定の速度は、エンジンの燃料効率及びトルク特性等に基づくことができる。本実施例によれば、初期発進工程の間、ISGM106及び/又はエンジン102からの動力は、トルクコンバータ108のみを介して車両の発進に用いられる。
【0039】
本実施例では、ステップ203の前に、初期発進時にいくつかの代替構成を設けてもよい。例えば、クラッチアセンブリ104とロックアップクラッチ114の両方を係合させてもよく、クラッチアセンブリ104とロックアップクラッチ114の両方を解除してもよく、ロックアップクラッチ114を解除する一方でクラッチアセンブリ104を係合させてもよく、又は、ロックアップクラッチ114を係合させる一方でクラッチアセンブリ104を解除してもよい。図2Aに示すように、ISGM106の速度がエンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで達する前に、エンジン102はISGM106と結合される。しかし、本発明によれば、図2Bに示すように、エンジン102に対するISGM106の結合は、ISGM106の速度がエンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで達した後に行うことができる。ステップ207と209の順序は逆になる。他のステップは同じであり、繰り返して詳細に説明はしない。
【0040】
更に、受領したトルク指令及びISGM106の最大又はピークトルクは、エンジン102をISGM106に接続する時期、又は、エンジン102に燃料補給又は燃料供給を行う時期の決定に用いることができる。ピークトルクは、ISGM106の特定パラメータである。ピークトルクの閾値は、ピークトルクのパーセンテージである。図2Cは、トルク指令をISGMのピークトルクと比較し、燃料噴射システムを制御する時期を決定する方法の一例のフローチャートを示す。ステップ210では、受領したトルク指令がISGMのピークトルクの所定のパーセンテージよりも大であるかどうかの判断がなされる。トルク指令がピークの所定のパーセンテージよりも大であれば、ステップ211において燃料噴射システムを制御してエンジン102に燃料供給又は燃料補給を行う。大でなければ、システムは、新たなトルク指令を待つ。他のステップは同じであり、繰り返して詳細に説明はしない。
【0041】
更に、第2の速度閾値は、エンジン102に燃料補給又は燃料供給を行う時期の決定に用いることができる。例えば、図2Dは、第2の速度閾値を使った本発明による方法の一例のフローチャートを示す。図2Dでは、ステップ207と209が図2Aに記載の方法と逆になる。ステップ203でISGM106が始動され、最初に加速される。エンジン102がISGM106に結合された後、ステップ214で、ISGM106は加速を継続する。ISGMは、エンジンのアイドル回転数に対して第2の速度閾値を超える速度に達するまで加速される。ステップ215では、速度が第2の速度閾値より大であるかどうかの判断がなされる。速度が大であれば(ステップ215で「YES」)、ステップ211で燃料噴射システムは、エンジン102に燃料を供給する又はエンジン102の燃料補給を行う。大でなければ、ステップ214でISGM106は加速を継続することができる。
【0042】
他のステップは同じであり、繰り返して詳細に説明はしない。図2Eは、本発明による方法の他の一例を示す。図2Eに示す方法では、第2の速度閾値と受領したトルク指令とISGM106のピークトルクの全てが発進過程で使用される。
【0043】
図3は、図1に示すシステムの減速工程の例を示す。ステップ301では、センサが負のシステムトルク指令を検出する。負のシステムトルク指令は、アクセルペダル、ブレーキペダル、その組み合わせ、又は走行制御装置を介した入力であってもよいが、これに限定されない。システムトルク指令が負であれば、ステップ303の工程に進む。ステップ303では、ISGM106とエンジン102の間に配置されたクラッチアセンブリ104の解除により、ISGM106とエンジン102の結合が解除される。しかし、ISGM106により供給される制動トルクを超える負のトルクが追加で必要であれば、ISGM106にエンジン102を結合したままでステップ303をスキップしてもよい。
【0044】
また、トルクコンバータ108は、トランスミッション側から効率良く電力を伝達するように設計されていないので、トルクコンバータ108のロックアップクラッチ114は、未係合であればステップ305で係合される。ロックアップクラッチ114は、駆動輪からISGM106へ更に効率的に回生電力を転送することができる。
【0045】
図3において、ISGM106とエンジン102は、ロックアップクラッチ114が係合される前に解除される。しかし、ステップ303とステップ305を入れ替えて、ISGM106とエンジン102が解除される前にロックアップクラッチ114を係合することができる。ステップ303及びステップ305を実行する特定の順序は、速度、バッテリの充電状態及びスロットル信号により決まる。
【0046】
ステップ307では、回生電力が回収され、バッテリや他のエネルギ貯蔵装置(システム)、例えば、エネルギ貯蔵システム118を充電する。ステップ307の間、速度は制御装置により監視される。ステップ309で監視された速度が事前に設定した閾値速度を超えていれば、ステップ311のシステムトルク指令が負でないかどうかを判断する工程に進む。システムトルク指令が負であり、速度がステップ309の閾値速度を超えている限り、ステップ307で説明されたバッテリ充電の工程が継続する。しかし、速度はステップ309の閾値速度を超えているが、システムトルク指令がもはや負でなければ、上記の工程はバッテリ充電を停止し、ステップ301に戻り、次に負のシステムトルク指令が検出されるのを待つ。
一旦、速度がステップ309の閾値速度未満であると制御装置が判断すると、ステップ313の工程に進む。ステップ313では、ロックアップクラッチ114が解除される。ロックアップクラッチ114が解除されると、回生電力であった減速エネルギがトルクコンバータ108を介して消散する。エンジン102はISGM106から解除されたままでもよく、エンジン102は、アイドリング、又は、遮断することさえできる。ステップ315では、制御装置がISGM106を閾値の回転数(RPM)に維持する。任意ではあるが、速度が第2の閾値未満であれば、制御装置は、ステップ319でエンジン102への燃料供給を停止してもよい。
【0047】
ステップ315では、エンジン102がギアボックス110に原動エネルギを供給していない場合でも、動力が従来のパワーステアリングシステム及びパワーブレーキシステムに供給されるようにエンジン102を低アイドル回転数に保つことができる。あるいは、エンジン102への燃料供給を完全に停止し又は電源を遮断し、ハイブリッド車の燃料効率を更に高めることができる。しかし、エンジン102への電源を遮断した状態でハイブリッド車を適切に動作させるために、従来の機械的に駆動するパワーステアリングシステム及びパワーブレーキシステムは、電気的に駆動するパワーステアリングシステム及びパワーブレーキシステムに置換される。電気駆動システムを使用することにより、ハイブリッド車のコストが増大する。
【0048】
図4は、図1のオートマチック・トランスミッション、即ち、トルクコンバータ108及びギアボックス110が、ギアボックス408で示される半自動マニュアル・トランスミッションに置換された本発明の追加例を示す。本発明の駆動系システムは、クラッチアセンブリ404を介してスタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)406に結合される内燃エンジン402(以下「エンジン」)を含む。クラッチアセンブリ404は、減速時及び完全停止時にエンジン402からISGM406を解除することができる。クラッチアセンブリ404は、クラッチ制御装置410により制御される。クラッチ制御装置410は、例えば、ハイブリッド車の状態に基づいてクラッチアセンブリ404の係合及び解除を制御する油圧ソレノイドである。上述のように、クラッチ制御装置410は、空気圧制御又は機械制御とすることもできる。本発明において、クラッチアセンブリ404は、減速時にISGM406からエンジン402を解除する。
【0049】
更に、ISGM406はギアボックス408に結合される。ギアボックス408は駆動軸(図示せず)を介して駆動輪と結合される。
【0050】
ISGM406は、走行速度に至るまで、エンジンによる補助の有無に関わらず、車両を推進させる走行モータとして効率的に作動するサイズに形成される。更に、ISGM406は、エンジンクランク軸を回転させると同時に車両を推進させるのに十分な回転トルクを供給するように構成される。
【0051】
更に、ISGM406は、エンジン始動時にはスタータとして、車両の減速時には発電機として、加速時及び走行時には走行モータとして動作する。発電機としてのISGM406は、減速工程において、車両の機械的エネルギを回収することにより電気エネルギを発生させる。ISGM406は、エネルギ貯蔵システム414に電気的に結合される。エネルギ貯蔵システム414は、バッテリ又はウルトラキャパシタであってもよい。ビーエーイー・システムズ・コントロールズ・インコーポレーテッド(BAE Systems Controls Inc.)に譲渡された「パラレル型ハイブリッド電気自動車の電力管理システム、適応電力管理方法及びそのためのプログラム(Parallel Hybrid Electric Vehicle Power Management System and Adaptive Power Management Method and Program Therefor)」と題され、参照により本明細書に組み込まれる同時係属出願は、回生制動からのエネルギのみを使ってエネルギ貯蔵システム414を充電するシステム及び方法を記載する。エネルギ貯蔵システム414は、減速時に発電機として動作するISGM406から電気エネルギを受け取る。ISGM406が始動モータ及び/又は走行モータとして動作する場合、エネルギ貯蔵システム414はISGM406に電気エネルギを供給する。エンジン402及びISGM406からのトルクは、ギアボックス408へ機械的に結合される。
【0052】
また、エンジン制御装置412は、燃料噴射器、燃料ポンプ及びその他のエンジン部品を作動させるための制御信号を供給する。また、エンジン制御装置412は、エンジン動作状態を監視し、車室のアクセル及びブレーキペダルからのセンサ信号に基づいてクラッチアセンブリ404及びISGM406の動作を制御するように構成することができる。更に、クラッチ制御装置410は、エンジン制御装置412から制御信号を受領する。
【0053】
図4に示す追加例の車両発進工程は、基本的には図2A〜図2Eに関して上述したように動作する。しかし、初期発進時には、ステップ203の前にクラッチアセンブリ404を係合、解除、又は、滑り状態とすることができ、滑り状態では、クラッチアセンブリ404がエンジン402へ負荷の部分的伝達を可能にする。
【0054】
図5A及び5Bは、図4に示す追加のシステムの例における本発明による減速工程の例を示すフローチャートを示す。図5Aのステップ501では、センサが負のシステムトルク指令を検出する。負のシステムトルク指令があれば、ステップ503の工程に進む。ステップ503では、ISGM406とエンジン402の間に配置されたクラッチアセンブリ404の解除により、ISGM406とエンジン402の結合が解除される。
【0055】
なお、ステップ503は、速度、バッテリの充電状態及びスロットル信号に応じて任意に実行することができる。従って、ステップ503は、図5A及び5Bの減速工程の全ての例で必要とされるわけではない。
【0056】
ステップ505では、回生電力が回収され、バッテリや他のエネルギ貯蔵装置(システム)、例えば、エネルギ貯蔵システム414を充電する。ステップ505の間、速度は速度制御装置により監視される。ステップ507で速度が予め設定した閾値速度を超えていれば、ステップ509のシステムトルク指令が負であるかどうかを判断する工程に進む。システムトルク指令が負であり、速度がステップ505の閾値速度を超えている限り、ステップ505で説明されたバッテリ、例えば、エネルギ貯蔵システム414を充電する工程が継続する。しかし、速度はステップ507の閾値速度を超えているが、システムトルク指令がもはや負でなければ、上記の工程はバッテリ充電を停止し、ステップ501に戻り、次の負のシステムトルク指令を待つ。
【0057】
一旦、速度がステップ507の閾値速度未満であると制御装置が判断すると、ステップ511の工程に進む。ステップ511では、ISGM406とエンジン402の間のクラッチアセンブリ404が係合される。クラッチアセンブリ404が係合されていても、回生電力は回収され、エネルギ貯蔵システム414を充電する。負荷として作用するエンジン402により、充電は低速となる。充電状態が目標レベルに達するまでエネルギ貯蔵システム414を充電することができる。あるいは、ステップ511では、エンジン402はISGM406から接続解除されたままでもよく、エンジン402は、アイドリングすることができ、又は、遮断することさえできる。
【0058】
ステップ513では、速度が第2の速度閾値未満であるかどうかの決定がなされる。任意ではあるが、速度がステップ513の第2の閾値未満である場合、制御装置は、ステップ515でエンジン402への燃料供給を停止してもよい。この時点では、ステップ517でエンジン402がその第1の共振周波数で動く一方で、ISGM406はエンジン402のトーショナルダンパとして動作する。このように、ISGM406は、残りの回生エネルギを用いてエンジン402を減速する。あるいは、エンジン402が減速工程を通して解除されたままであれば、ステップ501でエンジンへの燃料供給を停止することができる。
【0059】
図5Bに示される工程又は方法のいくつかの工程、例えば、ステップ501〜509及びステップ513〜515は、図5Aと同様であり、繰り返して詳細に説明はしない。ステップ511は、図5Bに示される工程では行われない。ステップ515でエンジンへの燃料供給を停止した後、速度が第3の速度閾値未満であるかどうかの決定がなされる(ステップ519)。また、エンジン回転数(RPM)がエンジン回転数の閾値未満であるかどうかの判断もなされる(これもステップ519)。双方における判断が「YES」であった場合、ステップ521でエンジン402がISGM406と結合される。
【0060】
図6は、図1のオートマチック・トランスミッション、即ち、トルクコンバータ108及びギアボックス110が、ギアボックス610、及びISGM606とギアボックス610を結合するトランスミッション・クラッチ608で示される従来のマニュアル・トランスミッションに置換された本発明の第2の追加例を示す。本発明の駆動系システムは、クラッチアセンブリ604を介してISGM606に結合される内燃エンジン602(以下「エンジン」)を含む。クラッチアセンブリ604は、減速時及び完全停止時にエンジン602からISGM606を解除することができる。クラッチアセンブリ604は、クラッチ制御装置612により制御される。クラッチ制御装置612は、例えば、ハイブリッド車の状態に基づいてクラッチアセンブリ604の係合及び解除を制御する油圧ソレノイドである。また、クラッチ制御装置612は、空気圧制御又は機械制御とすることもできる。本発明において、クラッチアセンブリ604は、減速時にISGM606からエンジン602を解除する。
【0061】
ISGM606は、走行速度に至るまで、エンジンによる補助の有無に関わらず、車両を推進させる走行モータとして効率的に作動するサイズに形成される。また、ISGM606は、エンジンクランク軸を回転させると同時に車両を推進させるのに十分な回転トルクを供給するように構成される。
【0062】
更に、ISGM606は、エンジン始動時にはスタータとして、車両の減速時には発電機として、加速時及び走行時には走行モータとして動作する。発電機としてのISGM606は、減速工程において、車両の機械的エネルギを回収することで電気エネルギを発生させる。ISGM606は、エネルギ貯蔵システム616に電気的に結合される。エネルギ貯蔵システム616は、バッテリ又はウルトラキャパシタであってもよい。ビーエーイー・システムズ・コントロールズ・インコーポレーテッド(BAE Systems Controls Inc.)に譲渡された「パラレル型ハイブリッド電気自動車の電力管理システム、適応電力管理方法及びそのためのプログラム(Parallel Hybrid Electric Vehicle Power Management System and Adaptive Power Management Method and Program Therefor)」と題され、参照により本明細書に組み込まれる同時係属出願は、回生制動からのエネルギのみを使ってエネルギ貯蔵システム616を充電するシステム及び方法を記載する。エネルギ貯蔵システム616は、減速時に発電機として動作するISGM606から電気エネルギを受け取る。ISGM606が始動モータ及び/又は走行モータとして動作する場合、エネルギ貯蔵システム616はISGM606に電気エネルギを供給する。エンジン602及びISGM606からのトルクは、トランスミッション・クラッチ608へ機械的に結合される。
【0063】
また、エンジン制御装置614は、燃料噴射器、燃料ポンプ及びその他のエンジン部品を作動させるための制御信号を供給する。また、エンジン制御装置614は、エンジン動作状態を監視し、車室のアクセル及びブレーキペダルからのセンサ信号に基づいてクラッチアセンブリ604及びISGM606の動作を制御するように構成することができる。更に、クラッチ制御装置614は、エンジン制御装置614から制御信号を受領する。
【0064】
図6に示す第2の追加例の車両発進工程は、基本的に図2A〜図2Eに関して上述したように動作する。しかし、初期発進時には、ステップ203の前にクラッチアセンブリ604を係合、解除、又は、滑り状態とすることができ、滑り状態では、クラッチアセンブリ604がエンジン602へ負荷の部分的伝達を可能にする。
【0065】
図7A及び7Bは、第2の追加例における2つの減速工程の例を示す。図7A又は7Bに示すように、ステップ701では、センサが負のシステムトルク指令を検出する。システムトルク指令が負であれば、ステップ703の工程に進む。ステップ703では、ISGM606とエンジン602の間に配置されたクラッチアセンブリ604の解除により、ISGM606とエンジン602の結合が解除される。
【0066】
なお、ステップ703は、速度、バッテリの充電状態及びスロットル信号に応じて任意に実行することができる。従って、ステップ703は、図7A及び7Bの減速工程の全ての例で必要とされるわけではない。
【0067】
上記工程は、トランスミッション・クラッチ608が未係合であれば、ISGM606とギアボックス610の間でトランスミッション・クラッチ608を係合するステップ705に進む。ステップ707では、回生電力が回収され、バッテリや他のエネルギ貯蔵装置(システム)、例えば、エネルギ貯蔵システム616を充電する。ステップ709の間、速度は制御装置により監視される。ステップ709で速度が予め設定した閾値速度を超えていれば、ステップ711のシステムトルク指令が負であるかどうかを判断する工程に進む。システムトルク指令が負であり、速度がステップ709の閾値速度を超えている限り、ステップ707に説明されたバッテリ、例えばエネルギ貯蔵システム616を充電する工程が継続する。しかし、速度はステップ709の閾値速度を超えているが、システムのトルク指令が負でなければ、上記の工程はバッテリ充電を停止し、ステップ701に戻り、次に負のシステムトルク指令が検出されるのを待つ。
【0068】
一旦、速度がステップ709の閾値速度未満であると制御装置が判断すると、ステップ713の工程に進む。ステップ713では、トランスミッション・クラッチ608が解除される。あるいは、ステップ713では、ISGM606はギアボックス610と係合したままでもよい。ステップ715で、ISGM606とエンジン602の間のクラッチアセンブリ604が係合される。あるいは、ステップ715では、エンジン602はISGM606から解除されたままでもよく、エンジン602は、アイドリング、又は、遮断することさえできる。例えば、図7Bは、ステップ715でクラッチアセンブリ604を介したISGM606とエンジン602の結合を行わない工程を示す。ステップ719で速度が第2の閾値未満であることが検出されるまで、制御装置はステップ717でISGM606を閾値の回転数(RPM)に維持する。
【0069】
任意ではあるが、ステップ719で速度が第2の閾値未満である場合、制御装置は、ステップ721でエンジン602への燃料供給を停止してもよい。この時点では、ステップ723でエンジン602がその第1の共振周波数で動く一方で、ISGM606は、エンジン602のトーショナルダンパとして動作する。このように、ISGM606は、エンジン602を減速する。あるいは、エンジン602が減速工程を通して解除されたままであれば、ステップ701でエンジン602への燃料供給を停止することができる。
【0070】
図7Bに示す工程は、ステップ715及び723が省略されていること以外は図7Aに示す工程と同様である。図7Bでは、ISGM606とエンジン602は結合されていない。
【0071】
本発明の実施例に係るシステム及び工程の上記説明において、制御システムは、単一の制御装置又はエンジン制御装置のことを言う。しかし、実際、本発明の制御機能は、単一のエンジン制御装置により又は上述した制御機能を個別に実行する多数の制御装置により実行しても良い。
【0072】
上述した本発明の実施例は、限定的ではなく例示であるとともに、本発明の全ての実施の形態又は実施例を表わすものではない。以下の実際の請求項及び法的に承認される相当物に規定する発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の改良及び変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0073】
102・・・内燃エンジン、104・・・クラッチアセンブリ、106・・・スタータ・発電機・モータ複合機(ISGM)、108・・・トルクコンバータ、110・・・ギアボックス、112・・・エンジン制御装置、114・・・ロックアップクラッチ、116・・・クラッチ制御装置、118・・・エネルギ貯蔵システム、402・・・内燃エンジン、404・・・クラッチアセンブリ、406・・・ISGM、408・・・ギアボックス、410・・・クラッチ制御装置、412・・・エンジン制御装置、414・・・エネルギ貯蔵システム、602・・・内燃エンジン、604・・・クラッチアセンブリ、606・・・ISGM、608・・・トランスミッション・クラッチ、610・・・ギアボックス、612・・・クラッチ制御装置、614・・・エンジン制御装置、616・・・エネルギ貯蔵システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、第1のクラッチと、前記第1のクラッチの動作状態に従って前記エンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機と、前記スタータ・発電機・モータ複合機と車両を推進させる出力駆動軸との間に機械的に結合された、トルクコンバータとこれに並列に接続された第2のクラッチとの組み合わせ体と、前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備えたパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法であって、
前記エネルギ貯蔵装置から、出力トルクを有するモータとして機能する前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気エネルギを伝達し、
前記スタータ・発電機・モータ複合機から前記トルクコンバータを介して前記出力駆動軸に前記出力トルクの一部を伝達して前記車両を発進させ、及び
前記スタータ・発電機・モータ複合機の前記出力トルクの残りの部分を前記エンジンに結合させ、前記エンジンの始動を可能にするように前記第1のクラッチを作動させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
電気エネルギ伝達前に発進イベントを検出する工程を更に含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記電気エネルギを伝達する際に、前記スタータ・発電機・モータ複合機は、前記エンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで加速される請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記電気エネルギを伝達する工程において、前記スタータ・発電機・モータ複合機は、前記スタータ・発電機・モータ複合機の最大トルクの所定のパーセンテージに指令される請求項1記載の方法。
【請求項5】
ギアボックスが前記組み合わせ体と前記出力駆動軸の間に配置される請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記エンジンの始動後、前記エンジンからの出力トルクは前記スタータ・発電機・モータ複合機からの出力トルクに組み合わせられ、組み合わさられたトルクは、前記トルクコンバータ及び前記ギアボックスを介して前記出力駆動軸に伝達され、前記車両の発進を加速する請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第2のクラッチはロックアップクラッチである請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記発進した車両が第1の閾値速度に達した後、前記ロックアップクラッチが係合され、前記エンジン及び前記スタータ・発電機・モータ複合機からの出力トルクが前記ロックアップクラッチと前記ギアボックスを介して前記出力駆動軸に伝達され、前記車両を更に加速させるのに十分な動力を供給することが可能となる請求項7記載の方法。
【請求項9】
エンジンと、第1のクラッチと、前記第1のクラッチの動作状態に従って前記エンジンに接続されるスタータ・発電機・モータ複合機と、前記スタータ・発電機・モータ複合機と車両を推進させる出力駆動軸との間に機械的に結合された、トルクコンバータとこれに並列に接続された第2のクラッチとの組み合わせ体と、前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備えたパラレル型ハイブリッド車のエンジン作動方法であって、
前記車両の初期減速段階で前記エンジンが前記スタータ・発電機・モータ複合機から解除されるように前記第1のクラッチを操作し、及び、
前記初期減速段階で前記第2のクラッチを係合し、これを介して前記減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作する前記スタータ・発電機・モータ複合機に向けることにより、前記エネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とし、後期減速段階で前記第2のクラッチを解除し、残りの回生エネルギを前記トルクコンバータを介して管理することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記第2のクラッチはロックアップクラッチである請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記後期減速段階の間、所定のアイドル回転数に前記スタータ・発電機・モータ複合機を維持する工程を更に含む請求項9記載の方法。
【請求項12】
速度がゼロとなる最終減速段階において前記エンジンへの燃料供給停止を更に含む請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記最終減速段階において、前記エンジンのトーショナルダンパとして前記スタータ・発電機・モータ複合機を動作させることを更に含む請求項9記載の方法。
【請求項14】
内燃エンジンと、
第1のクラッチと、
前記第1のクラッチを介して前記内燃エンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機と、
前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気エネルギを供給する再充電可能なエネルギ貯蔵システムと、
車両の出力駆動軸に結合したギアボックスと、
前記スタータ・発電機・モータ複合機と前記ギアボックスの間を機械的に結合するトルクコンバータと、
前記トルクコンバータと並列に配置され、前記トルクコンバータの動作状態から独立して作動が制御される動作モードを有するロックアップクラッチと、及び、
前記ロックアップクラッチ、前記スタータ・発電機・モータ複合機、前記第1のクラッチ及び前記内燃エンジンの動作を制御するための制御信号を生成するように構成された制御装置を備え、
前記制御装置は、前記車両の初期減速段階で前記エンジンが前記スタータ・発電機・モータ複合機から解除されるように前記第1のクラッチを操作し、前記初期減速段階で前記第2のクラッチを係合し、これを介して前記減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作する前記スタータ・発電機・モータ複合機に向けることにより、前記再充電可能なエネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とし、前記車両の後期減速段階で前記ロックアップクラッチの係合を解除して残りの回生エネルギを前記トルクコンバータを介して管理し、及び、
前記制御装置は、前記再充電可能なエネルギ貯蔵システムから出力トルクを有するモータとして機能する前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気エネルギを伝達し、前記スタータ・発電機・モータ複合機から前記トルクコンバータを介して前記出力駆動軸に前記出力トルクの一部を伝達して前記車両を発進させ、車両発進の際に、前記スタータ・発電機・モータ複合機の前記出力トルクの残りの部分を前記エンジンに結合させ、前記エンジンの始動を可能にするように前記第1のクラッチを作動させることを特徴とするパラレル型ハイブリッド車のエンジン制御システム。
【請求項15】
前記スタータ・発電機・モータ複合機は、前記車両のエンジン始動操作時にはスタータとして、前記車両の減速時には発電機として、前記車両の加速時及び走行時には主走行モータとして動作するように構成される請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記再充電可能なエネルギ貯蔵システムは、バッテリ又は燃料電池のうちの少なくとも1つを含む請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記ロックアップクラッチは、前記制御装置から受領した前記制御信号により電子的に制御される1つ以上の制御デバイスの制御により作動される請求項14記載のシステム。
【請求項18】
エンジンと、第1のクラッチと、前記第1のクラッチの動作状態に従って前記エンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機と、前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備えたパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法であって、
車両の初期減速段階で前記エンジンが前記スタータ・発電機・モータ複合機から解除されるように前記第1のクラッチを操作し、
第1の減速段階で前記減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作する前記スタータ・発電機・モータ複合機に向けることにより、前記エネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とすることを特徴とする方法。
【請求項19】
速度が閾値速度未満である後期減速段階において、前記エンジンを前記スタータ・発電機・モータ複合機に結合するように前記第1のクラッチを操作する工程を更に含む請求項18記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車のエンジン作動方法。
【請求項20】
前記スタータ・発電機・モータ複合機を用いて前記エンジンを減速させる工程を更に含む請求項18記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車のエンジン作動方法。
【請求項21】
エンジンと、第1のクラッチと、前記第1のクラッチの動作状態に従って前記エンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機と、前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備えたパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法であって、
前記パラレル型ハイブリッド電気自動車の減速による回生エネルギを介して回収されたエネルギのみを用いて、前記エネルギ貯蔵装置から出力トルクを有するモータとして機能する前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気エネルギを伝達し、
前記スタータ・発電機・モータ複合機から前記出力駆動軸に出力トルクの一部を伝達して車両を発進させ、及び
前記スタータ・発電機・モータ複合機の前記出力トルクの残りの部分を前記エンジンに結合させ、前記エンジンの始動を可能にするように前記第1のクラッチを作動させることを特徴とする方法。
【請求項22】
発進イベントの検出を更に含む請求項21記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項23】
前記電気エネルギを伝達する間、前記スタータ・発電機・モータ複合機は、前記エンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで加速される請求項21記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項24】
前記エンジンの前記アイドル回転数の所定のパーセンテージまで前記スタータ・発電機・モータ複合機が加速されたとき、前記第1のクラッチの操作が行われる請求項23記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項25】
前記エンジンの前記アイドル回転数の所定のパーセンテージまで前記スタータ・発電機・モータ複合機が加速される前に、前記第1のクラッチの操作が行われる請求項23記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項26】
トルク指令を受領し、
前記受領したトルク指令と前記スタータ・発電機・モータ複合機のピークトルクを比較し、前記比較に基づいて前記第1のクラッチの操作を行う工程を更に含む請求項23記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項27】
少なくとも前記スタータ・発電機・モータ複合機の前記加速に基づいて前記エンジンへの燃料供給を制御する工程を更に含む請求項23記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項28】
前記エンジンの前記アイドル回転数の第2の所定のパーセンテージまで前記スタータ・発電機・モータ複合機を加速し、前記スタータ・発電機・モータ複合機が前記エンジンの前記アイドル回転数の前記第2の所定のパーセンテージに達した後に前記制御を行う工程を更に含む請求項27記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項1】
エンジンと、第1のクラッチと、前記第1のクラッチの動作状態に従って前記エンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機と、前記スタータ・発電機・モータ複合機と車両を推進させる出力駆動軸との間に機械的に結合された、トルクコンバータとこれに並列に接続された第2のクラッチとの組み合わせ体と、前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備えたパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法であって、
前記エネルギ貯蔵装置から、出力トルクを有するモータとして機能する前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気エネルギを伝達し、
前記スタータ・発電機・モータ複合機から前記トルクコンバータを介して前記出力駆動軸に前記出力トルクの一部を伝達して前記車両を発進させ、及び
前記スタータ・発電機・モータ複合機の前記出力トルクの残りの部分を前記エンジンに結合させ、前記エンジンの始動を可能にするように前記第1のクラッチを作動させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
電気エネルギ伝達前に発進イベントを検出する工程を更に含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記電気エネルギを伝達する際に、前記スタータ・発電機・モータ複合機は、前記エンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで加速される請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記電気エネルギを伝達する工程において、前記スタータ・発電機・モータ複合機は、前記スタータ・発電機・モータ複合機の最大トルクの所定のパーセンテージに指令される請求項1記載の方法。
【請求項5】
ギアボックスが前記組み合わせ体と前記出力駆動軸の間に配置される請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記エンジンの始動後、前記エンジンからの出力トルクは前記スタータ・発電機・モータ複合機からの出力トルクに組み合わせられ、組み合わさられたトルクは、前記トルクコンバータ及び前記ギアボックスを介して前記出力駆動軸に伝達され、前記車両の発進を加速する請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記第2のクラッチはロックアップクラッチである請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記発進した車両が第1の閾値速度に達した後、前記ロックアップクラッチが係合され、前記エンジン及び前記スタータ・発電機・モータ複合機からの出力トルクが前記ロックアップクラッチと前記ギアボックスを介して前記出力駆動軸に伝達され、前記車両を更に加速させるのに十分な動力を供給することが可能となる請求項7記載の方法。
【請求項9】
エンジンと、第1のクラッチと、前記第1のクラッチの動作状態に従って前記エンジンに接続されるスタータ・発電機・モータ複合機と、前記スタータ・発電機・モータ複合機と車両を推進させる出力駆動軸との間に機械的に結合された、トルクコンバータとこれに並列に接続された第2のクラッチとの組み合わせ体と、前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備えたパラレル型ハイブリッド車のエンジン作動方法であって、
前記車両の初期減速段階で前記エンジンが前記スタータ・発電機・モータ複合機から解除されるように前記第1のクラッチを操作し、及び、
前記初期減速段階で前記第2のクラッチを係合し、これを介して前記減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作する前記スタータ・発電機・モータ複合機に向けることにより、前記エネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とし、後期減速段階で前記第2のクラッチを解除し、残りの回生エネルギを前記トルクコンバータを介して管理することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記第2のクラッチはロックアップクラッチである請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記後期減速段階の間、所定のアイドル回転数に前記スタータ・発電機・モータ複合機を維持する工程を更に含む請求項9記載の方法。
【請求項12】
速度がゼロとなる最終減速段階において前記エンジンへの燃料供給停止を更に含む請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記最終減速段階において、前記エンジンのトーショナルダンパとして前記スタータ・発電機・モータ複合機を動作させることを更に含む請求項9記載の方法。
【請求項14】
内燃エンジンと、
第1のクラッチと、
前記第1のクラッチを介して前記内燃エンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機と、
前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気エネルギを供給する再充電可能なエネルギ貯蔵システムと、
車両の出力駆動軸に結合したギアボックスと、
前記スタータ・発電機・モータ複合機と前記ギアボックスの間を機械的に結合するトルクコンバータと、
前記トルクコンバータと並列に配置され、前記トルクコンバータの動作状態から独立して作動が制御される動作モードを有するロックアップクラッチと、及び、
前記ロックアップクラッチ、前記スタータ・発電機・モータ複合機、前記第1のクラッチ及び前記内燃エンジンの動作を制御するための制御信号を生成するように構成された制御装置を備え、
前記制御装置は、前記車両の初期減速段階で前記エンジンが前記スタータ・発電機・モータ複合機から解除されるように前記第1のクラッチを操作し、前記初期減速段階で前記第2のクラッチを係合し、これを介して前記減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作する前記スタータ・発電機・モータ複合機に向けることにより、前記再充電可能なエネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とし、前記車両の後期減速段階で前記ロックアップクラッチの係合を解除して残りの回生エネルギを前記トルクコンバータを介して管理し、及び、
前記制御装置は、前記再充電可能なエネルギ貯蔵システムから出力トルクを有するモータとして機能する前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気エネルギを伝達し、前記スタータ・発電機・モータ複合機から前記トルクコンバータを介して前記出力駆動軸に前記出力トルクの一部を伝達して前記車両を発進させ、車両発進の際に、前記スタータ・発電機・モータ複合機の前記出力トルクの残りの部分を前記エンジンに結合させ、前記エンジンの始動を可能にするように前記第1のクラッチを作動させることを特徴とするパラレル型ハイブリッド車のエンジン制御システム。
【請求項15】
前記スタータ・発電機・モータ複合機は、前記車両のエンジン始動操作時にはスタータとして、前記車両の減速時には発電機として、前記車両の加速時及び走行時には主走行モータとして動作するように構成される請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記再充電可能なエネルギ貯蔵システムは、バッテリ又は燃料電池のうちの少なくとも1つを含む請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記ロックアップクラッチは、前記制御装置から受領した前記制御信号により電子的に制御される1つ以上の制御デバイスの制御により作動される請求項14記載のシステム。
【請求項18】
エンジンと、第1のクラッチと、前記第1のクラッチの動作状態に従って前記エンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機と、前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備えたパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法であって、
車両の初期減速段階で前記エンジンが前記スタータ・発電機・モータ複合機から解除されるように前記第1のクラッチを操作し、
第1の減速段階で前記減速する車両からの略全ての回生エネルギを発電機として動作する前記スタータ・発電機・モータ複合機に向けることにより、前記エネルギ貯蔵装置を再充電するための電気エネルギの唯一の供給源とすることを特徴とする方法。
【請求項19】
速度が閾値速度未満である後期減速段階において、前記エンジンを前記スタータ・発電機・モータ複合機に結合するように前記第1のクラッチを操作する工程を更に含む請求項18記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車のエンジン作動方法。
【請求項20】
前記スタータ・発電機・モータ複合機を用いて前記エンジンを減速させる工程を更に含む請求項18記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車のエンジン作動方法。
【請求項21】
エンジンと、第1のクラッチと、前記第1のクラッチの動作状態に従って前記エンジンに結合されるスタータ・発電機・モータ複合機と、前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気的に結合されたエネルギ貯蔵装置を備えたパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法であって、
前記パラレル型ハイブリッド電気自動車の減速による回生エネルギを介して回収されたエネルギのみを用いて、前記エネルギ貯蔵装置から出力トルクを有するモータとして機能する前記スタータ・発電機・モータ複合機に電気エネルギを伝達し、
前記スタータ・発電機・モータ複合機から前記出力駆動軸に出力トルクの一部を伝達して車両を発進させ、及び
前記スタータ・発電機・モータ複合機の前記出力トルクの残りの部分を前記エンジンに結合させ、前記エンジンの始動を可能にするように前記第1のクラッチを作動させることを特徴とする方法。
【請求項22】
発進イベントの検出を更に含む請求項21記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項23】
前記電気エネルギを伝達する間、前記スタータ・発電機・モータ複合機は、前記エンジンのアイドル回転数の所定のパーセンテージまで加速される請求項21記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項24】
前記エンジンの前記アイドル回転数の所定のパーセンテージまで前記スタータ・発電機・モータ複合機が加速されたとき、前記第1のクラッチの操作が行われる請求項23記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項25】
前記エンジンの前記アイドル回転数の所定のパーセンテージまで前記スタータ・発電機・モータ複合機が加速される前に、前記第1のクラッチの操作が行われる請求項23記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項26】
トルク指令を受領し、
前記受領したトルク指令と前記スタータ・発電機・モータ複合機のピークトルクを比較し、前記比較に基づいて前記第1のクラッチの操作を行う工程を更に含む請求項23記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項27】
少なくとも前記スタータ・発電機・モータ複合機の前記加速に基づいて前記エンジンへの燃料供給を制御する工程を更に含む請求項23記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【請求項28】
前記エンジンの前記アイドル回転数の第2の所定のパーセンテージまで前記スタータ・発電機・モータ複合機を加速し、前記スタータ・発電機・モータ複合機が前記エンジンの前記アイドル回転数の前記第2の所定のパーセンテージに達した後に前記制御を行う工程を更に含む請求項27記載のパラレル型ハイブリッド電気自動車の動作の制御方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【公開番号】特開2013−35544(P2013−35544A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−175293(P2012−175293)
【出願日】平成24年8月7日(2012.8.7)
【出願人】(500558894)ビーエーイー・システムズ・コントロールズ・インコーポレーテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS Controls, Inc.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月7日(2012.8.7)
【出願人】(500558894)ビーエーイー・システムズ・コントロールズ・インコーポレーテッド (15)
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS Controls, Inc.
【Fターム(参考)】
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