説明

パターン形成方法、液滴吐出装置及び回路モジュール

【課題】液滴の乾燥効率を向上させて、液滴からなるパターンの形成不良を低減させたパターン形成方法、液滴吐出装置及び回路モジュールを提供する。
【解決手段】キャリッジ20に搭載された反射ミラー27が、半導体レーザLDの出射したレーザ光を略走査方向に沿う入射光Leとして反射位置Peに導く。また、制御装置が、パターン形成面4Saに着弾した液滴Fbを走査方向に走査し、液滴Fbが反射位置Peに位置するときに、先行する液滴Fbと接合させる。そして、略走査方向に沿う入射光Leが、接合した液滴Fbからなる液状膜FLの反走査方向側の底部外周部に入射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン形成方法、液滴吐出装置及び回路モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子などの電子部品を搭載する回路モジュールには、ガラスセラミックからなる低温焼成セラミックス多層基板(Low Temperature Co−fired Ceramics:LTCC多層基板)を有するものが知られている。LTCC多層基板は、積層したグリーンシートを900℃以下の低温で焼成できるため、内部配線に銀や金などの低融点金属を使用することができ、内部配線の低抵抗化を図ることができる。
【0003】
こうしたLTCC多層基板の製造工程では、金属ペーストや金属インクを利用し、積層する前の各グリーンシート上に配線パターンを描画する。この描画方法として、特許文献1は、金属インクを微小な液滴にして吐出する、いわゆるインクジェット法を提案している。インクジェット法は、微小な液滴を接合して配線パターンを描画するため、内部配線の設計変更(例えば、内部配線の高密度化や配線幅及び配線ピッチの狭小化)に対して迅速に対応することができる。
【特許文献1】特開2005−57139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、グリーンシートに着弾した液滴は、グリーンシートの表面状態や液滴の表面張力に基づいて、サイズや形状などを経時的に変動する。サイズや形状の変動する液滴は、乾燥するタイミングに応じて、配線パターンのサイズを規定する。例えば、外径が30μmの金属インクからなる液滴は、親液性のグリーンシートに着弾して100ミリ秒を経過すると、外径を70μmに拡張し、200ミリ秒を経過すると、外径をさらに100μmにする。そのため、液滴の乾燥タイミングが、100ミリ秒後〜200ミリ秒後の範囲でばらつくと、対応する配線パターンの線幅が約70μm〜100μmの範囲でばらつく。
【0005】
そこで、こうした液滴の乾燥方法には、パターンサイズのばらつきを抑制させるため、グリーンシートに着弾した液滴にレーザ光を照射するレーザ乾燥が提案されている。レーザ乾燥では、レーザ光の照射領域のみで液滴の乾燥処理を行う。そのため、着弾した液滴の乾燥タイミングを高い精度で制御させることができ、パターンサイズのばらつきを抑制させることができる。
【0006】
しかしながら、インクジェット法に使用する液滴吐出装置では、一般的に、液滴の着弾精度を確保するため、液滴吐出ヘッドと対象物との間の間隙を数百μmに狭くしている。そのため、着弾直後の液滴、すなわち液滴吐出ヘッドの直下に位置する液滴を乾燥する場合には、液滴吐出ヘッドと対象物との間の狭い間隙に、対象物の略接線方向に沿ったレーザ光を照射しなければならない。この結果、対象物に形成するレーザ光の光断面(ビームスポット)が拡大し、液滴を乾燥させるために必要なレーザ光の強度を確保できなくなる。そのため、液滴の乾燥不足を招いて、パターンの形成不良を来たす虞があった。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、液滴の乾燥効率を向上させて、液滴からなるパターンの形成不良を低減させたパターン形成方法、液滴吐出装置及び回路モジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のパターン形成方法は、パターン形成材料を複数の液滴にして基板に吐出する吐出口を前記基板の一方向に沿って前記基板に対して相対的に走査し、前記一方向に沿って接合した液滴を乾燥して前記一方向に沿うパターンを前記基板に形成するようにしたパターン形成方法において、前記接合した液滴の前記一方向側の底部外周部に向けて前記一方向の略逆方向に沿うレーザ光を照射するようにした。
【0009】
本発明のパターン形成方法によれば、一方向の略逆方向に沿うレーザ光が、一方向に沿って接合した液滴の一方向側の底部外周部に照射される。よって、一方向の略逆方向に沿うレーザ光が、接合した液滴の一方向側の底部外周部から液滴表面の略法線方向に沿って入射する。この結果、液滴表面における反射量を減少させたレーザ光が、接合した液滴の接合方向にわたって透過する。そのため、吐出した液滴当りに照射するレーザ光の照射量を増大させることができ、液滴の乾燥効率を向上させることができる。すなわち、液滴からなるパターンの形成不良を低減させることができる。
【0010】
また、このパターン形成方法において、前記接合した液滴を透過するレーザ光が、前記基板と、前記接合した液滴の表面と、の間で多重反射するように、前記接合した液滴の前記一方向側の底部外周部に向けて前記基板の略接線方向に沿うレーザ光を照射するようにしてもよい。
【0011】
このパターン形成方法によれば、接合した液滴を透過するレーザ光が、接合した液滴内で多重反射する。よって、液滴に照射したレーザ光の利用効率を、さらに向上させることができ、パターンの形成不良を、より確実に低減させることができる。
【0012】
本発明の液滴吐出装置は、パターン形成材料を複数の液滴にして基板に吐出する吐出口と、前記複数の液滴が前記基板の一方向に沿って接合するように、前記吐出口を前記一方向に沿って前記基板に対して相対的に走査する走査手段と、を備えた液滴吐出装置において、前記一方向の略逆方向に沿うレーザ光を前記基板に向けて照射するレーザ照射手段と、前記接合した液滴の前記一方向側の底部外周部が前記レーザ光の領域に位置するように前記走査手段を駆動制御する制御手段と、を備えた。
【0013】
本発明の液滴吐出装置によれば、レーザ照射手段が、一方向の略逆方向に沿うレーザ光を、一方向に沿って接合した液滴の一方向側の底部外周部に照射する。よって、一方向の略逆方向に沿うレーザ光が、接合した液滴の一方向側の底部外周部から液滴表面の略法線方向に沿って入射する。この結果、液滴表面における反射量を減少させたレーザ光が、接合した液滴の接合方向にわたって透過する。そのため、吐出した液滴当りに照射するレーザ光の照射量を増大させることができ、液滴の乾燥効率を向上させることができる。すなわち、液滴からなるパターンの形成不良を低減させることができる。
【0014】
また、この液滴吐出装置において、前記レーザ照射手段は、前記接合した液滴に入射するレーザ光が、前記基板と、前記接合した液滴の液滴表面と、の間で多重反射するように、前記基板の略接線方向に沿うレーザ光を前記基板に向けて照射してもよい。
【0015】
この液滴吐出装置によれば、接合した液滴を透過するレーザ光が、接合した液滴内で多重反射する。よって、液滴に照射したレーザ光の利用効率を、さらに向上させることができ、パターンの形成不良を、より確実に低減させることができる。
【0016】
また、この液滴吐出装置において、前記吐出口を有した液滴吐出ヘッドを搭載するキャリッジを備え、前記レーザ照射手段は、前記キャリッジに搭載されて前記レーザ光を出射
する半導体レーザと、前記キャリッジに搭載されて前記半導体レーザの出射したレーザ光を前記一方向の略逆方向に沿って前記基板に向けて照射する照射光学系と、を備えてもよい。
【0017】
この液滴吐出装置によれば、キャリッジに搭載した液滴吐出ヘッドが、基板に向けて液滴を吐出する。また、同キャリッジに搭載した半導体レーザと照射光学系が、一方向の略逆方向に沿って基板に向かうレーザ光を照射する。よって、液滴の着弾位置に対して、レーザ光の相対位置を維持することができる。そのため、一方向の略逆方向に沿うレーザ光が、より確実に、接合した液滴の一方向側の底部外周部に入射することができる。この結果、液滴からなるパターンの形成不良を、より高い再現性の下で低減させることができる。しかも、液滴吐出装置の小型化や軽量化を図ることができる。
【0018】
また、この液滴吐出装置において、前記パターン形成材料は、金属微粒子の分散した金属インクであって、前記基板は、低温焼成セラミック基板であってもよい。
この液滴吐出装置によれば、レーザ光が、低温焼成セラミック基板上に着弾した金属インクの複数の液滴に同時に照射され、液滴表面における反射量を減少させる。よって、金属インクの乾燥効率を向上させることができ、金属インクからなるパターン(例えば、低温焼成セラミック基板の配線パターンや素子パターン)の形成不良を低減させることができる。
【0019】
本発明の回路モジュールは、基板と、前記基板に形成された回路素子と、前記基板に形成されて前記回路素子に電気的に接続された金属配線と、を備えた回路モジュールにおいて、前記金属配線は、上記液滴吐出装置によって形成された。
【0020】
本発明の回路モジュールによれば、金属配線の形成不良を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。まず、本発明の回路モジュール1について説明する。
図1において、回路モジュール1には、板状に形成されたLTCC多層基板2と、そのLTCC多層基板2の上側に、ワイヤーボンディング接続あるいはフリップチップ接続された複数の半導体チップ3と、が備えられている。
【0022】
LTCC多層基板2には、シート状に形成された複数の低温焼成セラミック基板(以下単に、絶縁層4という。)が積層されている。各絶縁層4は、それぞれガラスセラミック系材料(例えば、ホウケイ酸アルカリ酸化物などのガラス成分とアルミナなどのセラミック成分の混合物)からなる焼結体であり、その厚みが数百μmで形成されている。
【0023】
各絶縁層4の層間には、抵抗素子や容量素子、コイル素子などの各種の回路素子5と、各回路素子5を電気的に接続する金属配線としての複数の内部配線6と、が形成されている。各回路素子5と各内部配線6は、それぞれ銀や銀合金などの金属微粒子の焼結体であって、本発明の液滴吐出装置10を利用して形成される。各絶縁層4の層内には、スタックビア構造やサーマルビア構造を呈するビア配線7が形成され、各回路素子5や各内部配線6を層間で電気的に接続する。各ビア配線7は、各回路素子5や各内部配線6と同じく、銀や銀合金などの金属微粉末の焼結体である。
【0024】
次に、上記LTCC多層基板2の製造方法について図2に従って説明する。
図2において、まず、絶縁層4を切出し可能にする基板としてのグリーンシート4Sにパンチ加工やレーザ加工を施し、ビアホール7Hを打抜き形成する。次いで、グリーンシート4Sに金属ペーストを用いたスクリーン印刷を複数回施し、ビアホール7Hの中に金
属ペーストを充填し、金属ペーストからなるビアパターン7Fを形成する。次いで、金属ナノ微粒子を水系溶媒に分散させたパターン形成材料としての金属インクF(本実施形態では、水系銀インク)を用いて、グリーンシート4Sの上面(以下単に、パターン形成面4Saという。)にインクジェット印刷を施す。
【0025】
詳述すると、パターン形成面4Saであって、回路素子5及び内部配線6を形成するための領域(以下単に、パターン形成領域という。)に金属インクFの液滴Fbを吐出し、パターン形成領域に着弾した液滴Fbを乾燥する。そして、この吐出動作と、乾燥動作と、を繰り返し、パターン形成領域に対応する素子パターン5F及び配線パターン6Fを描画する。この際、パターン形成領域に着弾した液滴Fbの乾燥は、着弾した液滴Fbにレーザ光(入射光Le)を入射することによって行う。
【0026】
グリーンシート4Sに素子パターン5F、配線パターン6F及びビアパターン7Fを形成すると、複数のグリーンシート4Sを一括して積層し、LTCC多層基板2に対応する領域を積層体4Bとして切り出して焼成する。すなわち、グリーンシート4S、素子パターン5F、配線パターン6F及びビアパターン7Fを一括積層し、同時に焼成する。これによって、絶縁層4、回路素子5、内部配線6及びビア配線7を有したLTCC多層基板2を形成する。
【0027】
次に、上記素子パターン5F及び配線パターン6Fを描画するための液滴吐出装置10について図3に従って説明する。図3は、液滴吐出装置10を示す全体斜視図である。
図3において、液滴吐出装置10は、直方体形状に形成された基台11を備えている。基台11の上面には、その長手方向(Y矢印方向)に沿って延びる一対の案内溝12が形成されている。案内溝12の上方には、案内溝12に沿ってY矢印方向及び反Y矢印方向に移動する走査手段としてのステージ13が備えられている。ステージ13の上面には、載置部14が形成され、上記パターン形成面4Saを上側にしたグリーンシート4Sを載置する。載置部14は、載置された状態のグリーンシート4Sをステージ13に対して位置決め固定し、グリーンシート4SをY矢印方向及び反Y矢印方向に搬送する。本実施形態では、図3において、Y矢印方向が走査方向として定義される。また、グリーンシート4Sの走査方向に沿う搬送速度が、走査速度Vyとして定義される。
【0028】
基台11には、その走査方向と直交するX矢印方向両側に、門型に形成されたガイド部材16が基台11を跨ぐように架設されている。ガイド部材16の上側には、X矢印方向に延びるインクタンク17が配設されている。インクタンク17は、金属インクFを貯留し、下方に配設される液滴吐出ヘッド(以下単に、吐出ヘッドという。)21に、それぞれ所定の圧力で金属インクFを供給する。
【0029】
ガイド部材16の反Y矢印方向側には、そのX矢印方向略全幅にわたって、X矢印方向に延びる上下一対のガイドレール18が形成されている。一対のガイドレール18には、キャリッジ20が取り付けられ、ガイドレール18に沿ってX矢印方向及び反X矢印方向に移動する。キャリッジ20の底面20aであって、その走査方向側には、吐出ヘッド21が搭載されている。図4は、吐出ヘッド21を下側(グリーンシート4S側)から見た斜視図であって、図5は、図4のA−A線断面図である。図6は、キャリッジ20の概略側面図である。
【0030】
図4において、吐出ヘッド21は、X矢印方向に延びる直方体形状に形成されている。吐出ヘッド21の下側(グリーンシート4S側:図4の上側)には、ノズルプレート22が備えられている。ノズルプレート22は、X矢印方向に延びる板状に形成され、その下面(図4の上面)には、ノズル形成面22aが形成されている。ノズル形成面22aは、グリーンシート4Sのパターン形成面4Saと略平行に形成され、グリーンシート4Sが
吐出ヘッド21の直下に位置するときに、ノズル形成面22aとパターン形成面4Saとの間の距離(プラテンギャップ)を所定の距離(本実施形態では、300μm)に保持する。そのノズル形成面22aには、ノズル形成面22aの法線方向に貫通形成された複数の吐出口としてのノズルNがX矢印方向に沿って配列されている。
【0031】
図5において、各ノズルNの上側には、それぞれインクタンク17に連通するキャビティ23が形成されている。キャビティ23は、インクタンク17からの金属インクFを対応するノズルNに供給する。各キャビティ23の上側には、上下方向に振動してキャビティ23内の容積を拡大及び縮小する振動板24が貼り付けられている。振動板24の上側には、ノズルNに対応する複数の圧電素子PZが配設されている。各圧電素子PZは、それぞれ上下方向に収縮及び伸張して対応する振動板24の領域を上下方向に振動し、対応するノズルNから金属インクFを所定容量(本実施形態では、10pl)の液滴Fbにして吐出する。液滴Fbは、対応するノズルNの反Z矢印方向に飛行し、対向するパターン形成面4Sa上の位置に着弾する。本実施形態では、パターン形成面4Sa上の位置であって、各ノズルNの反Z矢印方向に対応する位置、すなわち液滴Fbの着弾する位置が、それぞれ着弾位置Pとして定義される。
【0032】
着弾する液滴Fbは、走査方向に走査される間に、パターン形成面4Saに沿って濡れ広がり、先行して着弾した液滴Fbと接合する。接合する各液滴Fbは、走査方向に沿って延びる液状膜FLを形成し、その頂部表面の全体にわたってパターン形成面4Saと平行の液面FLaを形成する。
【0033】
本実施形態では、着弾した液滴Fbが液状膜FLを形成するまでに要する時間を、照射待機時間Tとして定義する。また、この照射待機時間Tの間に液滴Fbの走査される距離が、照射待機距離WF(=走査速度Vy×照射待機時間T)として定義される。また、着弾位置Pから走査方向に照射待機距離WFだけ変位する位置が、反射位置Peとして定義される。
【0034】
すなわち、着弾位置Pに着弾する液滴Fbは、着弾時から照射待機時間Tだけ経過すると、着弾位置Pから走査方向に照射待機距離WFだけ変位した反射位置Peに移動し、先行する液滴Fbと接合して走査方向に延びる液状膜FLを形成する。なお、本実施形態では、超高速度カメラなどの着弾観測カメラを利用して着弾した液滴Fbの形状を観測し、その液滴形状の経時変化に基づいて照射待機時間Tを規定する。
【0035】
図6において、キャリッジ20の底面20aであって、吐出ヘッド21の反走査方向(反Y矢印方向)には、キャリッジ20の内部にまでを貫通する出射孔Hが形成されている。出射孔Hは、そのX矢印方向の幅が吐出ヘッド21のX矢印方向の幅と略同じサイズで形成されている。その出射孔Hの上側には、レーザ照射手段を構成する半導体レーザLDが配設されている。
【0036】
半導体レーザLDは、出射孔HのX矢印方向略全幅に広がる帯状のコリメートされた直線偏光のレーザ光を下方に向けて出射する。半導体レーザLDの出射するレーザ光の波長は、金属インクFの吸収波長の範囲であって、かつ、グリーンシート4S(パターン形成面4Sa)の反射する波長(本実施形態では、808nm)に設定されている。
【0037】
出射孔Hの内部には、照射光学系を構成するシリンドリカルレンズ25が配設されている。シリンドリカルレンズ25は、Y矢印方向にのみ曲率を有するレンズであり、そのX矢印方向の幅が吐出ヘッド21のX矢印方向の幅と同じサイズで形成されている。シリンドリカルレンズ25は、半導体レーザLDからのレーザ光を受けるときに、そのレーザ光のY矢印方向(または反Y矢印方向)の成分のみを収束し、入射光Leとして下方に出射
する。
【0038】
出射孔Hの下側には、キャリッジ20の下方に延びるミラーステージ26と、ミラーステージ26に回動可能に支持されて照射光学系を構成する反射ミラー27と、が配設されている。ミラーステージ26は、X矢印方向に沿う回動軸を中心にして反射ミラー27を回動可能に支持する。反射ミラー27は、シリンドリカルレンズ25側に反射面27mを有した平面ミラーであって、そのX矢印方向の幅が吐出ヘッド21のX矢印方向の幅と同じサイズで形成されている。
【0039】
反射ミラー27は、シリンドリカルレンズ25からの入射光Leを反射面27mで受け、入射光Leをパターン形成面4Saの略接線方向(略走査方向)に沿って反射し、入射光Leと、パターン形成面4Saの法線と、のなす角度(照射角θe)を略90°(本実施形態では、88°)にする。また、反射ミラー27は、略走査方向に進む入射光Leのビームウエストを吐出ヘッド21の下方に位置する反射位置Peに導く。反射位置Peに導かれる入射光Leは、液滴Fbが反射位置Peに移動して液状膜FLを形成するときに、液状膜FLの反走査方向側の底部外周部から内方に向かって入射する。
【0040】
この際、液状膜FLの底部外周部は、その膜表面の法線方向と、パターン形成面4Saの接線方向と、のなす角度を、他の膜表面(例えば、液面FLa)よりも小さくする。そのため、液状膜FLの底部外周部に入射する入射光Leは、その入射方向と、膜表面の法線方向と、のなす角度(「入射角」)を、他の膜表面よりも小さする。
【0041】
一方、底部外周部に入射する入射光Leは、液状膜FLに透過しない分を反射光として反射する。入射光Leの反射率は、偏光状態がP偏光の場合(反射率Rp)と、S偏光の場合(反射率Rs)と、において、それぞれ以下の式で導かれる。ただし、空気の屈折率をN1とし、液状膜FLの屈折率をN2とし、前記「入射角」をθとする。
【0042】
反射率Rp及び反射率Rsは、いずれも「入射角」が小さくなるに連れて小さくなる。そのため、液状膜FLの底部外周部に入射する入射光Leは、「入射角」を小さくする分だけ、膜表面における反射量を減少させ、液状膜FLに透過する。
【0043】
【数1】

【0044】
【数2】

【0045】
ただし、
【0046】
【数3】

【0047】
液状膜FLを透過する入射光Leは、その一部が金属インクFに吸収され、対応する液状膜FLの乾燥を開始する一方、金属インクFに吸収されない分が、パターン形成面4Sa上の反射位置Peに入射する。反射位置Peに入射する入射光Leは、パターン形成面4Saに反射され、反射位置Peから略走査方向に沿って液面FLa側に進む反射光Lrになる。
【0048】
反射光Lrは、その一部が金属インクFに吸収され、対応する液状膜FLの領域の乾燥を促進する一方、金属インクFに吸収されない分が、液面FLaに入射する。液面FLaに入射する反射光Lrは、その入射角が臨界角よりも大きいため、液面FLaに反射される。液面FLaに反射される反射光Lrは、再び走査方向に沿ってパターン形成面4Sa側に進む。
【0049】
すなわち、液状膜FLを透過する入射光Leは、パターン形成面4Saと液面FLaとの間で多重反射し、液滴Fbの接合する方向(走査方向)に沿って複数の液滴Fb分の領域で吸収される。よって、液状膜FLを透過する入射光Leは、液滴Fb当たりに照射するレーザ光の照射量を増大させる。この結果、入射光Leは、液滴Fbを確実に乾燥して乾燥不足のない層パターンFPを形成する。そして、この層パターンFPを順に積層させることによって、素子パターン5F及び配線パターン6Fを形成することができ、その形成不良を低減させることができる。
【0050】
次に、上記のように構成した液滴吐出装置10の電気的構成を図7に従って説明する。
図7において、制御手段としての制御装置40は、CPU、ROM、RAMなどを有し、格納された各種データ及び各種制御プログラムに従って、ステージ13及びキャリッジ20を移動させるとともに、半導体レーザLD及び各圧電素子PZを駆動制御する。
【0051】
制御装置40には、起動スイッチ、停止スイッチなどの操作スイッチを有した入力装置41が接続されている。入力装置41は、描画平面(パターン形成面4Sa)に対するパターン形成領域(層パターンFP)の位置座標に関する情報を既定形式の描画情報Iaとして制御装置40に入力する。制御装置40は、入力装置41からの描画情報Iaを受け、ビットマップデータBMDを生成する。
【0052】
ビットマップデータBMDは、各ビットの値(0あるいは1)に応じて各圧電素子PZのオンあるいはオフを規定するデータである。ビットマップデータBMDは、吐出ヘッド21の通過する描画平面(パターン形成面4Sa)上の各位置に、それぞれ液滴Fbを吐出するか否かを規定するデータである。すなわち、ビットマップデータBMDは、パターン形成領域に規定される各目標位置に液滴Fbを吐出させるためのものである。
【0053】
制御装置40には、X軸モータ駆動回路42が接続されて、X軸モータ駆動回路42に対応する駆動制御信号を出力する。X軸モータ駆動回路42は、制御装置40からの駆動制御信号に応答し、キャリッジ20を移動させるためのX軸モータMXを正転又は逆転させる。X軸モータ駆動回路42には、X軸エンコーダXEが接続されて、X軸エンコーダXEからの検出信号が入力される。X軸モータ駆動回路42は、X軸エンコーダXEからの検出信号に基づいて、パターン形成面4Saに対するキャリッジ20(各着弾位置P)の移動方向及び移動量に関する信号を生成し、制御装置40に出力する。
【0054】
制御装置40には、Y軸モータ駆動回路43が接続されて、Y軸モータ駆動回路43に対応する駆動制御信号を出力する。Y軸モータ駆動回路43は、制御装置40からの駆動制御信号に応答し、ステージ13を移動させるためのY軸モータMYを正転又は逆転させる。すなわち、制御装置40は、Y軸モータ駆動回路43を介して、照射待機時間Tの間にステージ13(パターン形成面4Sa)を照射待機距離WFだけ走査し、反射位置Peに位置する液滴Fbに液状膜FLを形成させる。
【0055】
Y軸モータ駆動回路43には、Y軸エンコーダYEが接続されて、Y軸エンコーダYEからの検出信号が入力される。Y軸モータ駆動回路43は、Y軸エンコーダYEからの検出信号に基づいて、ステージ13(パターン形成面4Sa)の移動方向及び移動量に関する信号を生成し、制御装置40に出力する。制御装置40は、Y軸モータ駆動回路43からの信号に基づいて、パターン形成面4Saに対する着弾位置Pの相対位置を演算し、目標位置が対応する着弾位置Pに位置するたびに吐出タイミング信号LPを出力する。
【0056】
制御装置40には、半導体レーザ駆動回路44が接続されて、描画動作を開始するときに描画開始信号S1を出力し、描画動作を終了するときに描画終了信号S2を出力する。半導体レーザ駆動回路44は、制御装置40からの描画開始信号S1を入力して半導体レーザLDにレーザ光を出射させ、制御装置40からの描画終了信号S2を入力して半導体レーザLDにレーザ光の出射を停止させる。すなわち、制御装置40は、半導体レーザ駆動回路44を介して、描画動作の間に半導体レーザLDを駆動制御し、レーザ光の照射動作を行う。
【0057】
制御装置40には、吐出ヘッド駆動回路45が接続されて、各圧電素子PZを駆動するための圧電素子駆動電圧COM1を前記吐出タイミング信号LPと同期させて出力する。また、制御装置40は、ビットマップデータBMDに基づいて、所定のクロック信号に同期した吐出制御信号SIを生成し、吐出制御信号SIを吐出ヘッド駆動回路45にシリアル転送する。吐出ヘッド駆動回路45は、制御装置40からの吐出制御信号SIを各圧電素子PZに対応させて順次シリアル/パラレル変換する。吐出ヘッド駆動回路45は、制御装置40からの吐出タイミング信号LPを受けるたびに、シリアル/パラレル変換した吐出制御信号SIをラッチし、選択される各圧電素子PZにそれぞれ圧電素子駆動電圧COM1を供給する。
【0058】
次に、液滴吐出装置10を使用して素子パターン5F及び配線パターン6Fを描画する方法について説明する。
まず、図3に示すように、パターン形成面4Saが上側になるようにグリーンシート4Sをステージ13に載置する。このとき、ステージ13は、グリーンシート4Sをキャリッジ20の反走査方向に配置する。
【0059】
この状態から、描画情報Iaが入力装置41から制御装置40に入力され、制御装置40が描画情報Iaに基づいたビットマップデータBMDを生成して格納する。次いで、グリーンシート4Sが走査されるときに、目標位置が対応する着弾位置Pを通過するように、制御装置40が、X軸モータ駆動回路42を介してキャリッジ20(吐出ヘッド31)所定の位置に配置移動する。キャリッジ20が配置移動すると、制御装置40が、Y軸モータ駆動回路43を介してグリーンシート4Sの走査を開始する。
【0060】
グリーンシート4Sの走査を開始すると、制御装置40が、描画開始信号S1を半導体レーザ駆動回路44に出力し、半導体レーザLDからレーザ光を出射する。半導体レーザLDの出射するレーザ光は、反射ミラー27を介して、略走査方向に沿う入射光Leとしてパターン形成面4Saの反射位置Peに導かれる。
【0061】
また、グリーンシート4Sの走査を開始すると、制御装置40が、ビットマップデータBMDに基づいて生成した吐出制御信号SIを吐出ヘッド駆動回路45に出力する。
また、グリーンシート4Sの走査を開始すると、目標位置が対応する着弾位置Pに位置するたびに、制御装置40が、吐出タイミング信号LPを吐出ヘッド駆動回路45に出力する。すなわち、制御装置40が、吐出制御信号SIに基づいて液滴Fbを吐出するためのノズルNを選択し、選択したノズルNに対応する着弾位置Pが目標位置に位置するたびに、同目標位置に向けて液滴Fbを吐出する。
【0062】
吐出された各液滴Fbは、それぞれパターン形成面4Sa上の対応する目標位置に着弾する。各目標位置に着弾する液滴Fbは、それぞれ走査方向に照射待機距離WFだけ走査されると、反射位置Peの近傍で先行する液滴Fbと接合し、走査方向に延びる液状膜FLを形成する。走査方向に延びる液状膜FLは、その反走査方向側の底部外周部に略走査方向に沿う入射光Leを入射する。
【0063】
液状膜FLの底部外周部に入射する入射光Leは、「入射角」を小さくする分だけ、膜表面における反射量を減少させ、液状膜FLに透過する。液状膜FLを透過する入射光Leは、パターン形成面4Saと液面FLaとの間で多重反射し、走査方向に沿って接合した複数の液滴Fb分の領域で吸収される。
【0064】
これによって、液状膜FLの底部外周部に入射する入射光Leは、液滴Fbの乾燥効率を向上させ、乾燥不足のない層パターンFPを形成する。そして、この層パターンFPを順に積層させることによって、素子パターン5F及び配線パターン6Fを形成することができ、その形成不良を低減させる。
【0065】
次に、上記のように構成した本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)上記実施形態によれば、キャリッジ20に搭載された反射ミラー27が、半導体レーザLDの出射したレーザ光を略走査方向に沿う入射光Leとして反射位置Peに導く。また、制御装置40が、パターン形成面4Saに着弾した液滴Fbを走査方向に走査し、液滴Fbが反射位置Peに位置するときに、先行する液滴Fbと接合させる。そして、略走査方向に沿う入射光Leが、接合した液滴Fbからなる液状膜FLの反走査方向側の底部外周部に入射する。
【0066】
よって、液状膜FLに入射する入射光Leが、膜表面における反射量を減少させ、略走査方向に沿って液状膜FLを透過する。この結果、走査方向に沿う複数の液滴Fb分の領域にレーザ光を吸収させることができる。そのため、液滴Fbの乾燥効率を向上させることができ、素子パターン5F及び配線パターン6Fの形成不良を低減させることができる。
【0067】
(2)上記実施形態によれば、液状膜FLを透過する入射光Leが、パターン形成面4Saと液面FLaとの間で多重反射する。よって、液状膜FLに入射する入射光Leの利用効率を向上させることができ、液滴Fbの乾燥効率を、さらに向上させることができる。
【0068】
(3)上記実施形態によれば、キャリッジ20が、吐出ヘッド21、半導体レーザLD、シリンドリカルレンズ25及び反射ミラー27を搭載する。よって、液滴Fbの着弾位置Pに対して、入射光Leの相対位置を維持させることができる。この結果、入射光Leを、より高い再現性の下で、液状膜FLの反走査方向側の底部外周部に入射することができる。この結果、素子パターン5Fと配線パターン6Fの乾燥状態を安定させることができ、回路素子5と内部配線6の形成不良を、さらに低減させることができる。
【0069】
尚、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、各液状膜FLを、共通する入射光Leによって乾燥する構成にした。これに限らず、例えば半導体レーザLDからの入射光Leを各ノズルNに対応させて分割し、分割した各入射光Leを、それぞれ対応する液状膜FLのみ照射する構成にしてもよい。
【0070】
・あるいは、半導体レーザLDをノズルNの数量分だけ配設し、各半導体レーザLDからの入射光Leを、それぞれ対応する液状膜FLに照射する構成にしてもよい。この際、制御装置40、半導体レーザ駆動回路44及び吐出ヘッド駆動回路45を、以下のように構成するのが好ましい。
【0071】
すなわち、図8に示すように、制御装置40は、各半導体レーザLDを駆動するための半導体レーザ駆動電圧COM2を前記吐出タイミング信号LPと同期させて半導体レーザ駆動回路44に出力する。吐出ヘッド駆動回路45は、半導体レーザ駆動回路44に設けられた遅延回路44aにラッチした吐出制御信号SIを出力する。半導体レーザ駆動回路44は、吐出ヘッド駆動回路45からの吐出制御信号SIを遅延回路44aで受け、同吐出制御信号SIに基づいて吐出した液滴Fbが反射位置Peに到達するまで待機する。そして、同液滴Fbが反射位置Peに到達するタイミングで、吐出制御信号SIに基づいて選択される各半導体レーザLDにそれぞれ半導体レーザ駆動電圧COM2を供給する。これによれば、対応する液状膜FLにのみ入射光Leを照射するため、入射光Leの利用効率を向上させることができる。
【0072】
・上記実施形態では、入射光Leによって、液状膜FLを乾燥させる構成にした。これに限らず、入射光Leによって、液状膜FLを、乾燥及び焼成させる構成にしてもよい。これによれば、局所的に照射する入射光Leによって、素子パターン5Fと配線パターン6Fの焼成不良を低減させることができる。
【0073】
・上記実施形態では、描画情報Iaに基づいてビットマップデータBMDを生成する構成にした。これに限らず、予め外部装置で生成したビットマップデータBMDを入力装置41から制御装置40に入力する構成にしてもよい。
【0074】
・上記実施形態では、半導体レーザLDからの入射光Leが平面ミラーを介して液滴Fbの領域に照射される構成にした。これに限らず、半導体レーザLDからの入射光Leがプリズムミラーを介して液状膜FLの領域に照射される構成であってもよく、あるいは、シリンドリカルレンズ25からの入射光Leが直接液状膜FLに照射される構成であってもよい。
【0075】
・上記実施形態では、液滴吐出ヘッドを、圧電素子駆動方式の液滴吐出ヘッド21に具体化した。これに限らず、液滴吐出ヘッドを、抵抗加熱方式や静電駆動方式の吐出ヘッドに具体化してもよい。
【0076】
・上記実施形態では、回路素子5と内部配線6とをインクジェット法で形成する構成にした。これに限らず、比較的に微細な回路素子5あるいは内部配線6のみを、上記するインクジェット法によって形成する構成であってもよい。
【0077】
・上記実施形態では、パターン形成材料を、金属インクに具体化した。これに限らず、例えば、パターン形成材料を、絶縁膜材料や有機材料の分散した液状体に具体化してもよい。つまり、パターン形成材料は、レーザ光を受けて乾燥し、固相のパターンを形成する材料であればよい。
【0078】
・上記実施形態では、パターンを、素子パターン5F及び配線パターン6Fに具体化した。これに限らず、パターンを、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、平面状の電子放出素子を備えた電界効果型表示装置(FEDやSEDなど)などに備えられる各種金属配線に具体化してもよい。あるいは、パターンを、複数の線パターンやドットパターンからなる識別コードに具体化してもよい。つまり、パターンは、乾燥した液滴によって形成されるパターンであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の回路モジュールを示す斜視図。
【図2】同じく、回路モジュールの製造方法を説明する説明図。
【図3】同じく、液滴吐出装置を示す斜視図。
【図4】同じく、液滴吐出ヘッドを示す斜視図。
【図5】同じく、液滴吐出ヘッドを説明する説明図。
【図6】同じく、半導体レーザを説明する説明図。
【図7】同じく、液滴吐出装置の電気的構成を説明する電気ブロック回路図。
【図8】変更例の液滴吐出装置の電気的構成を説明する電気ブロック回路図。
【符号の説明】
【0080】
1…回路モジュール、4S…基板としてのグリーンシート、5…回路素子、5F…パターンを構成する素子パターン、6…金属配線としての内部配線、6F…パターンを構成する配線パターン、10…液滴吐出装置、13…走査手段としてのステージ、20…キャリッジ、21…液滴吐出ヘッド、40…制御手段としての制御装置、F…パターン形成材料としての金属インク、Fb…液滴、Le…レーザ光を構成する入射光、Lr…レーザ光を構成する反射光、LD…レーザ照射手段を構成する半導体レーザ、N…吐出口としてのノズル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン形成材料を複数の液滴にして基板に吐出する吐出口を前記基板の一方向に沿って前記基板に対して相対的に走査し、前記一方向に沿って接合した液滴を乾燥して前記一方向に沿うパターンを前記基板に形成するようにしたパターン形成方法において、
前記接合した液滴の前記一方向側の底部外周部に向けて前記一方向の略逆方向に沿うレーザ光を照射するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
請求項1に記載のパターン形成方法において、
前記接合した液滴を透過するレーザ光が、前記基板と、前記接合した液滴の表面と、の間で多重反射するように、前記接合した液滴の前記一方向側の底部外周部に向けて前記基板の略接線方向に沿うレーザ光を照射するようにしたことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項3】
パターン形成材料を複数の液滴にして基板に吐出する吐出口と、
前記複数の液滴が前記基板の一方向に沿って接合するように、前記吐出口を前記一方向に沿って前記基板に対して相対的に走査する走査手段と、を備えた液滴吐出装置において、
前記一方向の略逆方向に沿うレーザ光を前記基板に向けて照射するレーザ照射手段と、
前記接合した液滴の前記一方向側の底部外周部が前記レーザ光の領域に位置するように前記走査手段を駆動制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液滴吐出装置において、
前記レーザ照射手段は、前記接合した液滴に入射するレーザ光が、前記基板と、前記接合した液滴の液滴表面と、の間で多重反射するように、前記基板の略接線方向に沿うレーザ光を前記基板に向けて照射することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の液滴吐出装置において、
前記吐出口を有した液滴吐出ヘッドを搭載するキャリッジを備え、
前記レーザ照射手段は、
前記キャリッジに搭載されて前記レーザ光を出射する半導体レーザと、
前記キャリッジに搭載されて前記半導体レーザの出射したレーザ光を前記一方向の略逆方向に沿って前記基板に向けて照射する照射光学系と、
を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか1つに記載の液滴吐出装置において、
前記パターン形成材料は、金属微粒子の分散した金属インクであって、
前記基板は、低温焼成セラミック基板であることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項7】
基板と、前記基板に形成された回路素子と、前記基板に形成されて前記回路素子に電気的に接続された金属配線と、を備えた回路モジュールにおいて、
前記金属配線は、請求項3〜6のいずれか1つに記載の液滴吐出装置によって形成されたことを特徴とする回路モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−296426(P2007−296426A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−124097(P2006−124097)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】