パーティクルの発生を削減するためのプロセスキットの設計
【課題】基板処理の間に発生するパーティクルを低減するプロセスキット及びプロセスキットの設計を実現するための方法が提供される。
【解決手段】プロセスキットの内部表面は、より小さいRMS表面粗さを有する第1の材料層によりその表面をコーティングされ、より大きいRMS値を有する第2の材料層若しくは追加の材料層によりアークスプレーすることによってテクスチャード加工される。第1の材料層はビーズブラスティング、プレイティング、アークスプレー、熱溶射、若しくは他のプロセスによりコートされうる。更に、本発明は保護層により、プロセスキットの内部表面を選択的にコーティングすること、及びプロセスキットの内部表面の物質と同じ物質であるかもしれない他の材料層により保護層の表面をアークスプレーすることを提供する。
【解決手段】プロセスキットの内部表面は、より小さいRMS表面粗さを有する第1の材料層によりその表面をコーティングされ、より大きいRMS値を有する第2の材料層若しくは追加の材料層によりアークスプレーすることによってテクスチャード加工される。第1の材料層はビーズブラスティング、プレイティング、アークスプレー、熱溶射、若しくは他のプロセスによりコートされうる。更に、本発明は保護層により、プロセスキットの内部表面を選択的にコーティングすること、及びプロセスキットの内部表面の物質と同じ物質であるかもしれない他の材料層により保護層の表面をアークスプレーすることを提供する。
【発明の詳細な説明】
【発明の技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、主に、処理チャンバにおいて用いられる材料部分の表面を改変するための方法に関する。より詳細には、本発明の実施例はテクスチャード加工された表面を提供するために処理チャンバにおいて用いられるチャンバ部材の表面を改変することに関する。
【関連技術の説明】
【0002】
電子デバイス及び集積回路デバイスがより小さい大きさで生成され続けるにつれ、これらのデバイスの製造は、よりコンタミネーションによる歩留まりを削減することに敏感になってきている。特に、より小さいデバイスサイズを有するデバイスを形成するには、以前に必要と考えられていた以上にコンタミの制御を必要とする。
【0003】
これらのデバイスのコンタミは、薄膜堆積、エッチング、又は他の半導体ウエハー若しくはガラス基板の形成プロセスの間、基板上に衝突する不要な漂遊パーティクルを含む不純物源から発生しうる。一般に、集積回路デバイスの製造には、物理的蒸着法(PVD)及びスパッタリングのチャンバ、化学的蒸着法(CVD)のチャンバ、プラズマエッチングのチャンバなどのプロセスキット若しくはチャンバが使用される。堆積、エッチング及び他のプロセスの間、材料はしばしば処理チャンバの内部の様々な内側表面に、ガス層若しくは他の層から凝固し、処理チャンバのそれらの表面上に固体の固まりを形成する。これらの凝固された異物若しくは処理チャンバの内部表面上に堆積した汚染物は、基板のプロセスシーケンスの間に、又はシーケンスとシーケンスとの間に、基板上の表面上に外れ、若しくは、剥がれ落ちがちである。これらの剥がれ落ちた異物は基板及びその上のデバイスに衝突し、汚染することとなる。汚染されたデバイスはしばしば破棄されなければならず、それにより基板処理の製造歩留まりを減少させる。
【0004】
コンタミ問題は、より大きい面積の基板が処理されるときにより深刻な問題となる。例えば、フラットパネルなどの基板を処理するために、その基板のサイズはしばしば、370mm×470mmを超え、しばしばサイズにおいて1平方メートル以上となる。4平方メートル若しくはそれ以上の大きい大きさの基板は近い将来実現される。そのような大きい面積の基板においては、処理チャンバ内における基板の処理の間、パーティクルコンタミのない大きい面積が基板上に求められる。
【0005】
処理チャンバの内部表面からの凝固した異物の剥がれを防止するために、凝固した異物が、これらの内部表面に、より固着するように、処理チャンバの内部表面から剥がれ落ち、裂け落ち、及び剥離しないように、基板の表面に落ちて汚染することのないように、内部表面は粗い表面となるようテクスチャード加工される。
図1Aに示されるように、凝固したプロセス材料及びコンタミなどの異物102が基板の処理の間処理チャンバ内の内部表面などのワークピース100の表面に固着する。テクスチャード加工されたコーティング120は図1Bに示されるように、ワークピース100の表面に異物102の固着を改善するために設けられるが、あまり粗くない表面を有するテクスチャード加工されたコーティング120の薄い層は異物102とワークピース100の表面との間に十分な接合若しくは固着を提供できないかもしれない。図1Cは、テクスチャード加工のコーティング120よりより大きい粒のサイズ、及び/又は、より粗い仕上がりであるテクスチャード加工された表面コーティング130が異物102により粘着し、より多くの異物102を引き付けるかもしれず、それにより、異物102のより少ない剥離をもたらすことを示している。しかしながら、テクスチャード加工された表面コーティング130のすぐ下に無効なスペース140が存在する。このように、テクスチャード加工された表面コーティング130はワークピース100の表面に十分に強力に粘着することがなく、厚いテクスチャード加工されたコーティングはその本質的に高い内部応力のため適当でない。
【0006】
チャンバの内部表面をテクスチャード加工するのに現在用いられている方法の1つに「ビーズブラスティング」がある。ビーズブラスティングは図1B及び図2Cに示されるように、粗い表面を得るために、凝固された/高い圧力の条件下で、表面に対して硬い粒子をスプレーすることを含む。しかしながら、その結合力は一般には低く、処理チャンバの内部表面は、基板の処理が数回行われる度に再びブラスティング若しくはテクスチャード加工される必要がある。
【0007】
また、チャンバの内部表面は、アルミニウムのアークスプレーにより堆積されたアルミニウムの薄いコーティングのような表面へコーティングを噴霧することによりテクスチャード加工されうる。アークスプレーは、典型的には、圧縮されたガスのジェットにより細かい液滴に霧状にされ、基板の表面に吹き付けられる噴霧物質を形成するために、2つの連続する、薄い消耗しうる金属ワイヤー電極の間で、直流電気アークを点火することを含み、これにより低コストで高い堆積率のスプレープロセスが可能となる。また、他の熱溶射プロセスが表面のテクスチャード加工のために有用である。しかしながら、処理チャンバ内にテクスチャード加工された内部表面をもたらすための、これらの及び他の方法はしばしば、凝固した固まり及びチャンバの内部表面との間に十分な固着若しくは結合を生成するにはあまり有効ではない。
【0008】
異物の剥離又は剥がれ落ちに関連するこれらの問題を回避するために、チャンバの表面に対し、頻繁に、及び、しばしば、様々な化学溶剤により、凝固した固まりを化学的に取り除き、その表面を再びテクスチャード加工するなどの、チャンバの内部表面から凝固した固まりを取り除くための、時間のかかるクリーニングが行わなければならない。また、クリーニングが行われるにも拘らず、いくつかの場合において、処理チャンバ内での基板の処理の間に、剥がれた、若しくは、凝固した材料による基板へのコンタミネーションは更に起きうる。更に、様々なチャンバのパーツ及びチャンバの壁がアルミニウムからできている場合、アルミニウムのアークスプレーはテクスチャード加工される材料及びチャンバの内部材料が同じであるので適当でなく、処理チャンバの内部表面をクリーニングし、再びテクスチャード加工することはチャンバ部材の完全性及び厚さに影響を及ぼす。
【0009】
従って、処理チャンバの内部表面への凝固した異物のコンタミを低減し、凝固した異物の粘着性を改善するために、低減された応力を伴った粗いテクスチャード加工された表面を提供するための方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0010】
本発明はワークピースの表面に、かなり粗いテクスチャード加工された表面を提供するための方法を提供することである。一実施例において、本方法は約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1の大きさの平方根(RMS)の表面粗さを有する第1の材料層により処理チャンバの1つ以上の部材の1つ以上の表面をコーティングし、この1つ以上の部材の表面を粗くするために、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により、第1の材料層の表面をアークスプレーすることを含む。
【0011】
別の実施例において、半導体処理チャンバに用いられる部材の表面をテクスチャード加工する方法は、第1のRMSの表面粗さを有する第1の材料層によりワークピースの表面をコーティングし、ワークピースの表面を粗くするために、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により第1の材料層の表面をアークスプレーすることを含む。
【0012】
更に別の実施例において、半導体処理チャンバに用いられる部材の表面をテクスチャード加工する方法が提供される。本方法は約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMSの表面粗さを有する第1の材料層により部材の表面をコーティングし、部材の表面を粗くするために、第1のRMSより大きい第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により前記第1の材料層の表面をアークスプレーすることを含む。
【0013】
また、処理チャンバ内のコンタミを低減するための方法が提供される。この方法は第1のRMSの表面粗さを有する保護層により、部材の表面をコーティングし、第2のRMSの表面粗さを有する材料層により保護層の表面をアークスプレーすることを含む。材料層は部材の材料と同じ材料を含みうり、第2のRMSは第1のRMSより大きい。
【0014】
別の実施例において、処理チャンバ内のコンタミを低減するための方法は、第1の材料層及び最後の材料層を含む2以上の材料層により処理チャンバの1つ以上の部材の1つ以上の表面をコーティングし、その1つ以上の部材の1つ以上の表面を粗くするために、アークスプレーすることにより前記最後の材料層にプロセスの1つ以上の部材の1つ以上の表面にテクスチャード加工を行い、前記第1の材料層は約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMSの表面粗さを有し、前記第2の材料層は約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMSの表面粗さを有する。
【0015】
さらに、処理チャンバに用いられる処理チャンバの部材が提供される。この処理チャンバの部材は1つ以上の表面を有する本体とその表面に形成された第1のコーティングを含み、この第1のコーティングは約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の表面粗さの第1のRMSを有する。更に、処理チャンバの部材はアークスプレーにより、その表面上に形成された第2のコーティングを有し、第2のコーティングは前記部材の表面を粗くするために約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の表面粗さの第2のRMSを有する。第2のRMSは第1のRMSより大きい。
【0016】
処理チャンバの部材は大きい面積のフラットパネルディスプレイの基板を処理するためのPVDチャンバの部材であるかもしれない。一実施例において、処理チャンバの部材はチャンバのシールド部材、ダークスペースシールド、遮蔽フレーム、基板支持体、ターゲット、遮蔽リング、堆積コリメータ、チャンバ本体、チャンバの壁、コイル、コイル支持体、カバーリング、堆積リング、接触リング、配列リング、若しくはシャッターディスクなどである。
【発明の詳細な説明】
【0017】
本発明はワークピースに対し、とても粗いテクスチャード加工された表面をもたらす方法を提供する。十分にテクスチャード加工された表面は、ワークピースからの凝固物質の剥がれ落ちの可能性を低減する。例えば、ワークピースは処理チャンバ若しくはプロセスキットの様々な内部コンポーネンツ/パーツを含み、処理チャンバの粗い内部表面が、基板処理の間に発生する様々なパーティクル、凝固物質、コンタミ物質を引きつけ粘着するのに用いられる。更に、本発明は粗いテクスチャード加工された表面を有する処理チャンバ及び様々なチャンバのコンポーネンツを提供する。
【0018】
図2はワークピースの表面に、とても粗いテクスチャード加工された表面をもたらすための、本発明の一実施例に係る方法200のフローチャートを図示する。ステップ210において、ある表面を有するワークピースが提供される。一般に、ワークピースは金属若しくは合金、セラミック部材、ポリマー部材、合成部材及び若しくはそれらの組み合わせなどの材料を含む。例えば、ワークピースはアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせを含む。一実施例において、ワークピースはオーステナイトタイプの鉄を含む。他の実施例においてワークピースはアルミニウムを含む。
【0019】
ステップ220において、ワークピースの表面は第1の平均平方根(RMS)の値の表面粗さを有する第1の材料層によりテクスチャード加工される。表面粗さは、通常、表面形状測定装置によって、マイクロインチ又は平均平方根(RMS)のディメンションにより計測される。更に、第1の材料層の厚さは、もれ電流計測装置により確認されうる。第1の材料層の第1のRMSの値は、例えば、約300マイクロインチから約1200マイクロインチなど約1200マイクロインチ若しくはそれより小さい、又は約500マイクロインチ若しくはそれより小さい値などの、約1500Ra若しくはマイクロインチ、又は、それより小さいものである。
【0020】
表面をテクスチャード加工することは、溶射コーティング、メッキ、ビーズブラスティング、グリットブラスティング、パウダーコーティング、エアーレススプレー、静電スプレーなどの本技術分野でよく知られている薄膜コーティングプロセスにより行われうる。例えば、アークスプレー、フレームスプレー、パウダーフレームスプレー、ワイヤーフレームスプレー、プラズマスプレーなどが、本発明の実施例による上述した薄膜コーティングプロセスによって、コーティングされた第1の材料層の表面粗さを調整するために用いられうる。
【0021】
例えば、ワークピースの表面へのアルミニウムのアークスプレーは、約1000マイクロインチの平均的な表面粗さをもたらすためになされうる。好ましくは、ワークピースに第1の材料をアークスプレーした後に、約500マイクロインチ、若しくは、それ以下などの約800マイクロインチの第1のRMS値が得られ、それは、より小さい内部応力により、ワークピースの表面に第1の材料を結合及びコーティングするための薄くて平坦なコーティングをもたらし、その上に、被覆されるべき他の材料層のためのよい基礎となる。
【0022】
第1の材料層はアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせを含む。一実施例において、第1の材料層はアルミニウム若しくはその合金を含む。他の実施例において、第1の材料層はモリブデン若しくはその合金を含む。
【0023】
ステップ230において、ワークピースの表面は第2のRMS値の表面粗さを有する第2の材料層によりテクスチャード加工される。第2の材料層のための第2のRMS値は、例えば、約2000マイクロインチから約2500マイクロインチ若しくはそれ以上の間であり、約1200マイクロインチ若しくはそれ以上の値など、約1500マイクロインチより若しくはそれ以上のものである。好ましくは、1つの層によりもたらされる大きな内部応力という欠点なしに、ワークピースのとても粗い表面が得られるように、第2のRMSは第1のRMSより大きいものとされる。
【0024】
第2の材料層は本技術分野において知られている薄膜コーティングプロセスのいかなるものによってもコーティングされうる。例として、アークスプレーはワークピースの表面をテクスチャード加工し、高い堆積率により第2の材料層を堆積するのに、とてもコスト的に有効な方法を提供する。一般に、時間当たり約6Kgから約60Kgの堆積率が達成されうる。
【0025】
更に、第2の材料層は第1の材料層と同じもの、若しくは、異なる材料であってもよい。一実施例において、本発明は、ワークピースの表面との間、及び、第1及び第2の材料層との間に強力な結合をもたらすために、ワークピースの表面の表面粗さが第1、第2及びそれ以上の材料層により層を重ねるたびに増加するように、第1及び第2の材料層は同じ材料のものである。このように低減された内部圧力を有する、粗い、そして厚い材料コーティングが最終的に達成されうる。
【0026】
他の実施例において、第1及び第2の材料層は異なる材料のものでありえる。これはワークピース及びテクスチャード加工された第2の材料層(若しくは表面上の最終の材料層)が同じ材料であるときに有用である。この場合、第1の材料層はワークピースと第2の材料層との間の接着層としてもたらされ、ワークピースの表面上に望ましい粗さ及びテクスチャード加工された表面をもたらす。例えば、ワークピースが純粋な金属物質を含むとき、第1の材料は合金であり、第2の材料層は同じ金属物質でありうる。そのような金属の一例はアルミニウムである。他の例は、ワークピース及び第2の材料層がアルミニウム若しくはその合金であり、第2の材料層は約2000マイクロインチと約2500マイクロインチとの間の大きいRMS値を有し、第1の材料層は約500マイクロインチ若しくはそれ以下のより小さいRMS表面粗さの異なる金属の材料若しくはその合金を含む。
【0027】
更に、方法200は、所望の表面粗さがステップ240において得られるまで、ワークピースの表面に対する1つ以上の付加的な材料層をコーティング若しくは堆積することを含み、本方法はステップ250で終了する。例えば、ステップ220及び/又は230は、ワークピースの表面粗さが受け入れられなければ、繰り返される。
【0028】
更に、1つ以上の表面の処理が、ワークピースの表面のテクスチャード加工に先だち、その間に、若しくは、その後に、行われうる。例えば、ワークピースは放射加熱ランプ、インダクティブヒーター、若しくはIR型抵抗性ヒーターを用いることによって、1つ以上のコーティング及びテキスチャー加工を容易ならしめるために加熱されるかもしれない。他の実施例として、ワークピースは、蒸留水溶剤、硫酸溶剤、フッ化水素酸(HF)溶剤など本技術分野において知られているクリーニング溶剤のいかなるものを用いて、ワークピースの表面をテキスチャー加工するのに先立ち、その間に、若しくは、その後に、化学的に清浄されるかもしれない。
【0029】
更に、本方法200は、ワークピースの表面上の第2の材料層に結合される凝固したパーティクル、汚染物、異物などを生成するために、処理チャンバ内の基板を処理することを含む。更に、ワークピースの表面は例えば、蒸留水溶剤、硫酸溶剤、フッ化水素酸溶剤などのクリーニング若しくはエッチング溶剤を用いて、パーティクル及び凝固した異物の除去を行うために、化学的に清浄されるかもしれない。また、いくつかの場合において、ワークピースの粗い表面のテクスチャード加工された表面は、クリーニング/エッチング溶剤により部分的に、若しくは、完全に清浄されるか、又は、エッチング除去されるかもしれない。例えば、第2の材料は取り除かれ、本発明の一実施例においては、ワークピースの表面は本発明の方法を用いて再びテクスチャード加工される。
【0030】
フラットパネルディスプレイのための基板などの大きい面積の基板を処理するときに、基板処理の間に、その大きい面積の基板に対するパーティクルの生成を防止し低減するために、処理チャンバの1つ以上の内部表面をテキスチャー加工し、及び、再びテキスチャー加工することは特に重要である。しかしながら、本発明はいかなるタイプの及び大きさの基板処理にも同等に適用可能である。本発明の基板は、半導体ウエハーの製造及びフラットパネルディスプレイの製造のために、円形、方形、四角形、若しくは多角形でありうる。フラットパネルディスプレイのための方形の基板の表面の面積は典型的には例えば約120,000ミリ平方メーター、若しくは、それ以上など、少なくとも約300ミリメーター×約400ミリメーターなどの約500平方ミリメーター若しくはそれより大きい大きさの四角形である。更に、本発明はOLED、FOLED、PLED、有機TFT、アクティブマトリクス、パッシブマトリクス、トップミッションデバイス、ボトムエミッションデバイス、ソーラーセルなどのいかなるデバイスにも適用可能であり、シリコンウエハー、ガラス基板、金属基板、プラスチック薄膜(例えばポリエチレンテレフタル酸エステル(PET)、ポリエステルナフタレート(PEL)など)、プラスチック樹脂薄膜などのいかなるものであってもよい。
【0031】
図3はワークピースの表面に、とても粗いテキスチャー加工をもたらす本発明の他の実施例による方法のフローチャートを図示する。ステップ310において、ワークピースがもたらされる。ステップ320において、ワークピースの表面は保護層により被膜される。保護層は約1200マイクロインチ若しくはそれ以下、又は、約500マイクロインチ若しくはそれ以下などの、約1500マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS値を有する。
【0032】
ワークピースの表面上に所望の表面粗さにまで保護層をコーティングすることは、熱溶射コーティング、メッキ、ビーズブラスティング、グリフトブラスティング、パウダーコーティング、エアーレススプレー、静電スプレー、アークスプレー、フレームスプレー、パウダーフレームスプレー、ワイヤーフレームスプレー、プラズマスプレーなどの本技術分野において知られる薄膜コーティングプロセスのいかなるものによっても実行されうる。保護層は、アルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせなどの物質を含みうる。
【0033】
ステップ330において、ワークピースの表面は1つの材料層によりテクスチャード加工される。好ましくは、保護層及び材料層は異なる材料のものである。材料層は本技術分野において知られている薄膜コーティングプロセスのいかなるものによっても所望の表面粗さにまで形成されうる。例えば、アークスプレーは材料層のためにとても効果的な方法を提供する。しかしながら、他のスプレーコーティング、メッキ、ビーズブラスティングなどのプロセスなども用いられうる。ステップ330における材料層は例えば、約2000マイクロインチ及び約2500マイクロインチの間、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上などの、約1200マイクロインチ若しくはそれ以上での第2のRMS値の表面粗さを有しうる。好ましくは、第2のRMSは第1のRMSより大きく、その結果、ワークピースのとても粗い表面が、1つの厚いコーティング層によりもたらされうるような大きな内部応力という欠点なしに、得られうる。
【0034】
ワークピースの腐食を防ぐために、いかなる化学クリーニング又はエッチング溶剤などの、化学反応物及び/又は溶融からワークピースが保護層により保護されるように、ステップ330における材料層はステップ320における保護層の材料とは異なるものであってもよい。例えば、材料層はアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせなどの物質を含みうる。
【0035】
例えば、まず、ワークピースはチタンのイオンを含有する電気メッキ溶剤の中にワークピースを浸すことにより、薄いチタンの保護層により被覆される。ワークピースの表面にかけて、アルミニウムの層若しくはモリブデンの層がアークスプレーなどによりテキスチャー加工され被膜される。このチタン層は腐食から、そして、後に実行されるテキスチャー加工されたコーティング層のエッチング、除去、及び/又は、クリーングのいかなるものからもワークピースを保護する。
【0036】
別の実施例として、保護層は、ワークピースを保護するために、ワークピースの表面上にアルミニウムの合金をアークスプレーすることにより形成されうる。こうして、ワークピースに所望の表面粗さをもたらすように、純粋なアルミニウムの層がワークピースの表面上にテキスチャー加工されうる。更に別の実施例において、ワークピースを保護するために、ワークピースの表面にモリブデンの合金をアークスプレーすることにより、保護層が形成されうる。こうして、ワークピースに所望の表面粗さをもたらすために、純粋なモリブデン層がワークピースの表面上でテキスチャー加工される。
【0037】
更に、方法300は、所望の表面粗さが得られなければ、ワークピースの表面に1つ以上の追加の材料層を被覆若しくは堆積することを含む。最終的に、ステップ340において所望の粗さが得られれば、本方法はステップ350において終了する。所望の表面粗さが得られなければ、ステップ320及び/又は330は繰り返されうる。
【0038】
更に、方法300は、コーティング及びテキスチャー加工ステップの効率を高めるために、若しくは、保護層及び材料層のアニーリング(加熱加工)を行うために、保護層のコーティングに先だち、材料層をテキスチャー加工する前に、若しくは所望の表面粗さが得られた後に、ワークピースを加熱することを含む。同様に、更に、方法300は各ステップの前に、若しくは、後に、化学的にクリーニングを行うことを含む。一実施例において、更に、方法300は保護層のコーティングに先だち、ワークピースの表面を化学的にクリーニングすることを含む。別の実施例において、方法300は更に、材料層を取り除くために、アークスプレーの後、ワークピースの表面を化学的にクリーニングすることを含む。例えば、クリーニングは取り除かれるべき材料のために適切なクリーニング若しくはエッチング溶剤のいかなるものを用いてもなされうる。
【0039】
図4は本発明の方法を用いてテクスチャード加工された、例示的なワークピース400の表面の概略的な断面図を図示する。ワークピース400は1つ以上の内部表面を有する処理チャンバのプロセスキット若しくはコンポーネントのいかなる部分であってもよい。例示的なワークピース400は、チャンバのシールド部材、ダークスペースシールド、遮蔽フレーム、基板支持体、ターゲット、遮蔽リング、堆積コリメータ、チャンバ本体、チャンバの壁、コイル、コイル支持体、カバーリング、堆積リング、接触リング、配列リング、若しくはシャッターディスクなどである。処理チャンバは物理的蒸着(PVD)及びスパッタリングのチャンバ、イオンメタルインプラント(IMP)のチャンバ、化学的蒸着(CVD)のチャンバ、原子層蒸着(ALD)のチャンバ、プラズマエッチングのチャンバ、アニーリングのチャンバ、及び他のファーネスのチャンバなどでありうる。より好ましい実施例において、チャンバは基板が1つ以上のガス層の物質若しくはプラズマにさらされるところの基板処理のチャンバである。様々な処理チャンバ要素の材料はスレンレス若しくはアルミニウムなどを含み、チャンバによって変わる。
【0040】
図4に示されるように、第1の材料層410はワークピース400の表面上に被覆される。第1の材料層は約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS値を有する。第2の材料層420は第1の材料層410の表面上に形成されうる。第2の材料層は約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMS値を有する。第1の材料層410及び第2の材料層420は例えばアークスプレープロセスなど、本技術分野において知られているコーティングプロセスにより形成されうる。選択的に、第1の材料層410及び第2の材料層420は異なるプロセスによって形成されうる。例えば、第2のRMSが第1のRMSより大きくなるように、第1の材料層410はプレイティング(メッキ)プロセスにより形成され、第2の材料層420はアークスプレープロセスにより形成されうる。また、一実施例において、1つ以上の追加の層が第1の材料層410及び第2の材料層420との間に形成されてもよい。別の実施例において、より大きいRMS値の1つ以上の追加の層が第2の材料層420の表面上に形成されてもよい。
【0041】
本発明の一特徴は、処理チャンバ内において基板処理される間に発生する凝固したパーティクル、汚染物、及び/又は異物402を引付け、粘着するために、所望の表面粗さ及びテクスチャード加工された表面が、ワークピース400の表面上に得られるように、第1の材料層410及び第2の材料層420などの少なくとも2つの材料層の利用するものである。より小さいRMSの第1の材料層410なしでは、第2の材料層420はワークピース400の表面から容易に剥がれ落ちるかもしれない。更に、より大きいRMSの第2の材料層420なしで、第1の材料層410だけでは異物402への適切な結合及び十分な粘着をもたらさないかもしれない。
【0042】
更に、大きい面積の基板が処理チャンバにより処理されるとき、その処理チャンバの大きいサイズに起因して、チャンバの内壁及び様々なコンポーネントとしてより安価な材料及びより重量の軽い材料が望ましい。好ましくは、アルミニウムがその利点のために用いられる。しかしながら、アルミニウムはチャンバの材料及びテキスチャー加工の材料が両者ともアルミニウム材料により形成されるならば、その両者は化学的に清浄されてしまうので、アルミニウムは直接の表面テキスチャー加工材料としては適当ではない。このように、本発明の他の特徴はワークピース400を表面処理、腐食、若しくは化学クリーニングから保護するために、第2の材料層420とは異なる材料でできている第1の材料層410を提供することである。例えば、アルミニウムなどの同じ材料がワークピース及び第2の材料層のための選択された材料として用いられるのであれば、第1の材料層410はワークピースの保護層として、アルミニウム合金、チタンなどの異なる材料から構成されうる。従って、第2の材料層は異物402へのよりよい粘着性を提供し、化学的クリーング若しくはエッチング溶剤により容易に清浄され、クリーング、エッチング、若しくは再びのテクスチャード加工の後に、ワークピースの表面に容易に再び適用され、又は、再びテクスチャード加工されうる。
【0043】
図5は本発明の一実施例による本発明の方法を用いて、テクスチャード加工された内部表面を有する処理チャンバ500を図示する。本発明の実施例は、必要であるならば、パーティクルのコンタミネーションが1つ以上の内部表面によりよく粘着し、より容易に清浄され、再びテクスチャード加工されうるように、処理チャンバ500内のパーティクルコンタミを低減するために、処理チャンバ500の1つ以上の内部表面に位置する様々なチャンバのパーツ及びコンポーネンツのテクスチャード加工を提供することである。本発明から恩恵をこうむるであろう処理チャンバ500の一例はカルフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズインクから市販されているPVDプロセスチャンバである。
【0044】
例示的な処理チャンバ500はチャンバ本体500に及びリッド(蓋)アセンブリ506を含み、それらによりプロセスのための容積空間560が定義される。チャンバ本体502は典型的には一体のアルミニウムブロック若しくは溶接されたスレンレスのプレートから作られている。本発明の方法を用いてテクスチャード加工されるチャンバ本体502及び関連するコンポーネンツの大きさは制限されないが、一般には処理チャンバ500内で処理されるべき基板512の大きさより比例してより大きいものである。例えば、幅約370mmから約2160mm、長さ約470mmから約2460mmを有する大きい面積の方形の基板を処理するとき、チャンバ本体502は幅約570mmから約2360mm、長さ約570mmから約2660mmとなる。一実施例として、約1000mm×1200mmの大きさの基板を処理するとき、チャンバ本体502は約1750mm×1950mmの大きさを有しうる。別の実施例として、約1950mm×2250mmの基板の大きさを処理するときは、チャンバ本体502は約2700mm×3000mmの大きさを有しうる。
【0045】
一般に、チャンバ本体502は側壁552及び底部554を含む。側壁552及び/又は底部554は一般にアクセスポート556及び排気ポート(図示せず)などの複数の穴を含む。シャターディスクポート(図示せず)などの他の穴が側壁552及び/又はチャンバ本体502の側壁552及び/又は底部554上に形成されるかもしれない。処理チャンバ500への、又は、そこからの基板512(例えばフラットパネルディスプレイ基板若しくは半導体ウエハー)の入口及び出口を提供するために、スリットバルブ若しくは他のメカニズムなどによりアクセスポート556は密閉可能である。排気ポートは排気を行って、処理チャンバ560内の圧力を制御する排気システム(図示せず)に結合されている。
【0046】
リッドアセンブリ506は一般に、ターゲット564及びそれに結合する接地シールドアセンブリ511を含む。ターゲット564はPVDプロセスの間、基板512の表面上に堆積されうる物質のソースを提供する。ターゲット564若しくはターゲットプレートは堆積種となる物質から作られており、又はそれは堆積種のコーティングを含みうる。スパッタリングを行うために電源584などの高電圧電源がターゲット564に接続されている。一般に、ターゲット564は周辺部分563及び中央部分565を含む。周辺部分563はチャンバの側壁552の上部に設置されている。ターゲット564の中央部分は基板支持体504に向かう方向に、突出又は延び出ている。他のターゲットの構成が用いられることも考えられる。例えば、ターゲット564は所要の部材からなる中央部分を有するバッキングプレートを含む。また、ターゲット物質は、共にそのターゲットを構成する物質からなる隣接するタイル若しくはセグメントを含みうる。選択的に、リッドアセンブリ506は更に処理の間ターゲット物質の消費を増加するマグネトロンアセンブリ566を含むかもしれない。
【0047】
基板512上に物質を堆積するスパッタリングプロセスの間、ターゲット564及び基板支持体504は電源584により相互にバイアスされる。例えば、アルゴン及び窒素などの希ガス及び他のガスなどのプロセスガスが、典型的には、処理チャンバ500の側壁552に形成される1つ以上の穴(図示せず)を介してガスソース582からプロセス用容積空間560に供給される。プロセスガスはプラズマへと点火され、そのプラズマ内のイオンはターゲット物質がターゲット564から分子を離脱させるように、ターゲット564方向に加速される。離脱した物質のパーティクルは印加されるバイアスにより基板512の方向に引き込まれ基板512上に物質の層を堆積する。
【0048】
接地シールドアセンブリ511は接地フレーム508、接地シールド510、又はチャンバシールド部材、ターゲットシールド部材、ダークスペースシールド、ダークスペースシールドフレームなどを含む。接地シールド510はプロセス用容積空間560内の処理領域を定義するために、ターゲット564の中央部分565を囲み、接地フレーム508により、ターゲット564の周辺部分563に結合される。接地フレーム508はターゲット564から接地シールド510を電気的に絶縁し、その一方で、(典型的には側壁552を介して)チャンバ500のチャンバ本体502への接地路を提供する。接地シールド510は、ターゲットのソース材料がターゲット564の中央部分565からのみ離脱することを確実ならしめるために、接地シールド510により囲まれる領域内にプラズマを閉じ込める。また、接地シールド510は、離脱したターゲットのソース材料を、主に基板512上に堆積させることを容易ならしめる。これにより、ターゲット材料を最も有効に活用できるとともに、チャンバ本体502の他の領域に堆積が起こるのを防ぐとともに、離脱した活性種又はプラズマによる攻撃を防ぐことができ、これによりチャンバの寿命を長引かせるとともに、チャンバを清浄し、若しくは、他のメンテナンスを行うのに必要なダウンタイム及びコストを低減することができる。接地シールド510を囲む接地フレーム508の利用から得られる恩恵は、(例えば、堆積した薄膜の剥がれ、若しくは、プラズマからのチャンバ本体502への攻撃に起因する)チャンバ本体502から離脱するパーティクルの削減であり、基板512の表面へ再堆積するパーティクルの削減であり、これによりプロダクトの製品の品質及び歩留まりを向上させる。
【0049】
接地シールド510は、一般に、プラズマ及びスパッタされたパーティクルをプロセス用容積空間560の中に閉じ込めるが、初期的にはプラズマ若しくはガス状態にあった、スパッタされたパーティクルが、様々な内部のチャンバ表面に凝固するのは避けがたい。例えば、スパッタされたパーティクルは1つ以上のチャンバ要素の他の内部のチャンバ表面と同様に、チャンバ本体502の内部表面、ターゲット564、リッドアセンブリ506、及び接地シールドアセンブリ511上に凝固する。更に、基板支持体504の上表面などの他の表面も堆積シーケンスの間、又は、シーケンスとシーケンスとの間に汚染されるかもしれない。チャンバ要素は、例えば処理チャンバ500のような、真空チャンバ内に配置されたチャンバ要素など真空チャンバ要素であるかもしれない。一般に、チャンバ要素の内部表面上に形成された凝固物は限られた粘着性しか持たず、チャンバ要素から離れ、基板512を汚染する。処理チャンバ要素からの凝固した異物が剥がれ落ちる傾向を低減するために、これらのチャンバ要素は、基板512の表面上へのパーティクルコンタミを低減するように、本発明の方法によりテクスチャード加工される。
【0050】
図6A及び図6Bは本発明の一実施例によりテクスチャード加工された内部表面を有する例示的な処理チャンバ要素の水平平面図を図示する。接地シールド510、接地フレーム508、ターゲット564、ダークスペースシールド、チャンバシールド部材、シールドフレーム、ターゲットシールド部材などはPVDプロセスの間、パーティクルによるコンタミを低減するために、本発明の方法200及び300によりテクスチャード加工され、清浄され、再びテクスチャード加工される。更に、図6Aに示されるように、側壁552、底部554、及び他のコンポーネンツを含むチャンバ本体502もテクスチャード加工されうる。図6Bは接地シールド510及び接地シールド510を囲む接地フレーム508の概略図を図示しており、各部は本発明の一実施例によるテクスチャード加工された内部表面を有する。図6Aに示されるように、接地シールド510は、1つ以上のワークピース部材610及び1つ以上の角部材630から構成されており、これらの部材が結合され、溶接、糊付け、高圧圧接などの本技術分野において知られているボンディングプロセスを用いて相互に結合される。更に、本発明ではワークピース部材610及び角部材630などの個々のワークピースが接地シールド510を構成するよう結合される前に、本発明の方法200及び302よりテクスチャード加工されうる。
【0051】
本発明の方法を用いてテクスチャード加工されるべきターゲット564、接地シールド510、及び接地フレーム508及び関連するコンポーネンツの大きさは制限されてはおらず、処理されるべき基板512の大きさ形に関連する。例えば、幅約1000mmから約2160mmの幅で、約1200mmから約2460mmの長さを有する大きい面積の長方形の基板を処理するとき、ターゲット564は約1550mmから約2500mmの幅を有し、約1750mmから約2800mmの長さを有するかもしれない。一例として、ターゲット564は約1550mm×1750mmの大きさを有する。別の実施例として、ターゲット564は約2500mm×2800mmの大きさを有する。更に、接地シールド510の大きさは約1600mm×1800mmから約2550mm×2850mmの大きさである。また、他の、より小さいサイズがより小さい基板のサイズのために有効であるかもしれない。
【0052】
接地シールド510及び他のチャンバのコンポーネントはテクスチャード加工され、リッドアセンブリ506に取り付けられるように結合される。リッドアセンブリ506に接地シールド510を取り付けることの効果は、リッドアセンブリ506を載置する前に、接地シールド510及びターゲット564がチャンバ本体502に、より容易に、そして、正確に位置づけられ、これにより接地シールド510をターゲット564に調整するに必要な時間を低減することができる。しかしながら、また他の構成が用いられるかもしれない。接地シールド510がいったんリッドアセンブリ506に取り付けられると、リッドアセンブリ506はセットアップを完了するために側壁552上に単純に載置される。このように調整可能なターゲット/接地シールドの構成を備えた従来のチャンバに必要であったような、インスタレーションの後に接地シールド510及びターゲット564を位置調整する必要性は除かれる。更に、調整可能なターゲット/接地シールドの構成を有しない従来のチャンバに必要であったような、ピン及び/又はパーツを正確に位置決めするための費用の必要性も取り除かれる。例示的なシールドパーツはカルフォルニア州サンタクララ市のアプライドマテリアルズ社から市販されている部品0020−45544、0020−47654、0020−BW101、0020−BW302、0190−11821、0020−44375、0020−44438、0020−43498、0021−JW077、0020−19122、0020−JW090、0021−KS556、0020−45695である。
【0053】
図5に戻ると、基板支持体506はチャンバ本体502の底部554に一般的に置かれ、その上で真空処理チャンバ500内で基板を処理する間、基板512を支持する。基板支持体504は基板512を支持するための板状の本体と、例えば静電チャック及び他の位置決め手段などの基板512を保持し、位置決めするための他の追加的なメカニズムを含んでもよい。基板支持体504は板状の本体支持体内に埋め込まれた1つ以上の電極及び/又は加熱エレメントを含みうる。シャフト587はチャンバ本体502の底部554を貫通して突き出ており、リフトメカニズム588に基板支持体504を結合する。リフト機構588は下側の位置及び上側の位置との間で基板支持体504を動かすよう構成されている。基板支持体504は図5においては中間の位置にあるように描かれている。ベローズ586は典型的には基板支持体504とチャンバの底部554との間に設けられており、その間に柔軟性のある密封構造を提供し、これによりチャンバの容積空間560の真空の完全性を維持する。
【0054】
典型的には、コントローラ590は処理チャンバ500との間でインターフェースを行いそれを制御する。コントローラ590は典型的には中央処理ユニット(CPU)594、補助回路596及びメモリ592を含む。CPU594は様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための工業用のセッティングに用いられるようなコンピュータプロセッサのいかなるようなものでもよい。メモリ592はCPU594に接続されている。メモリ592、又はコンピューターが読むことができる媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピーディスク(商標名)、ハードディスク、又は他のデジタル信号を記憶する装置、遠隔にある装置、又は、ローカルにある装置のような容易に入手可能なメモリのひとつであってもよい。補助回路596は、周知の方法によりプロセッサをサポートするためにCPU594に接続される。これらの回路はキャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステムなどを含む。コントローラ596はその中で実行されるいかなる堆積プロセスを含む処理チャンバ500の動作を制御するのに用いられる。
【0055】
選択的に、遮蔽フレーム558及びチャンバシールド562がチャンバ本体502内に設けられるかもしれない。一般に、遮蔽フレーム558は遮蔽フレーム558の中央を介して露出される基板512の部分に堆積を閉じ込めるよう構成されている。基板支持体504が処理のために上側の位置に移動するとき、基板支持体504の上に置かれた基板512の外側の端遮蔽フレーム558に係止され、チャンバシールド562から遮蔽フレーム558を持ち上げる。基板支持体504が基板512をローディング及びアンローディングするための下側の位置に動いたとき、基板支持体504はチャンバシールド562及びアクセスポート556の下側に位置する。そして、基板512は側壁552上のアクセスポート556を介して、チャンバ500から取り出されるか、若しくは、チャンバ500内に置かれ、その一方で、遮蔽フレーム558及びチャンバシールド562をあける。シングルアームのロボット若しくはデュアルアームのロボットなどのウエハ搬送機構若しくは処理チャンバ500内の外側に設けられたロボットにより、基板512の載置若しくは取り除きを行うために、基板サポート504から基板512を離す空間を作るために、リフトピン(図示せず)が選択的に基板支持体504を介して動く。
【0056】
図7Aは、本発明の一実施例によるテクスチャード加工された表面を有する遮蔽フレーム558の概略図を図示する。遮蔽フレーム558は基板512の周辺部分を囲むために、1つの部品から若しくは2つ以上のワークピースの部品が結合されているものである。遮蔽フレーム558はその上に粘着した異物402を引きつけ、基板512の表面上を異物402が汚染することからを防ぐために、基板上の第1及び第2の材料層410、420又は追加の層を含むようテクスチャード加工されうる。好ましくは、遮蔽フレーム558の上側の面620又はプロセス用容積空間560に面する面は、基板512の処理表面640のコンタミを防ぐために、1つ以上の材料層によりテクスチャード加工される。遮蔽フレーム558は、遮蔽フレーム558が基板512の端の部分の周辺でフィットするように、選択された内径を有する。遮蔽フレーム558は基板512の大きさより小さい内径を有し、基板512の大きさより大きい外径を有する。例えば、約1950mm×2250mmの大きさの基板に対して、遮蔽フレーム558は約1930mm×2230mmの例示的な内径、約2240mm×2740mmの例示的な外径を有し、その結果、基板512の周辺部分はパーティクル及びコンタミからシールドされる。また、より小さいサイズ及び他の形の基板にも適用されうる。
【0057】
図7Bは本発明の一実施例によるテクスチャード加工された表面を有する遮蔽フレーム558、チャンバシールド562、チャンバ本体502及び側壁552の概略図を図示する。他の基板処理チャンバにおいて用いられる基板クランピング構造などの、他のコンポーネンツと同様に、これらのチャンバ要素の全ての表面は本発明の実施例によりテクスチャード加工されうる。図7Bに示されるように、遮蔽フレーム558は、例えば、チャンバ本体502の側壁552に接続されうるチャンバシールド562上に置かれる。その上に位置する遮蔽フレーム558を支持するために、約1950mm×2250mmの大きさの基板に対して、約2160mm×2550mmの大きさの内径、約2550mm×2840mmの外径のチャンバシールド562の大きさとなる。選択的に、他の構成を有する遮蔽フレームが同様に用いられうる。例示的な遮蔽フレーム、デポジションフレーム、基板カバー構造及び/又は基板クランプは、カルフォルニア州サンタクララ州のアプライドマテリアルズ社から市販されている0020−43171及び0020−46649を含む。
【0058】
本発明の他の実施例は、更に、基板処理の間にパーティクルの堆積を低減するために、本発明の基板支持体504の一部分が、本明細書に記載された方法によりテクスチャード加工されることを提供する。図8は処理チャンバ500の基板支持体504の一実施例の概略図である。典型的に、基板支持体504はアルミニウム、スレンレス、セラミック若しくはそれらの組み合わせにより作られている。シャフト587の上にある基板支持体504は、その上に基板512を支持するための上側表面810を含む。上側表面810は、粘着する異物502を引きつけ、基板504の表面を異物402が汚染することを防止するために、第1及び第2の材料層410、420、若しくは追加の層によりテクスチャード加工されうる。
【0059】
基板512を支持する基板支持体の上側表面810の大きさは基板512のサイズに比例し、基板512の大きさより小さいか、若しくは、大きい。図8に示されるように、本発明の一実施例は、基板支持体504の外側部分820が基板512上のパーティクルのコンタミを防止するために、1つ以上の材料層によりテクスチャード加工されることを提供する。
【0060】
上述のように、処理チャンバの1つ以上のコンポーネンツの1つ以上の内部表面が、基板処理の間に発生する異物若しくはパーティクルの結合及び粘着を改善するために、テクスチャード加工される。更に、他の適宜な基板処理チャンバのためのチャンバ要素の例としてダークスペースシールド、支持リング、堆積リング、コイル、コイルサポート、堆積コリメータ、ペデスタル、配列リング、シャッターディスクなどがある。
【0061】
本発明の実施例から逸脱することなく、基板の処理の間でのコンタミを低減するために、本発明の方法を用いて、様々な構造の他の処理チャンバ及びチャンバのパーツ、コンポーネントもテクスチャード加工されうる。本明細書に記述されるような適宜な化学的なクリーニング溶剤を用いて、チャンバのパーツ、コンポーネンツをクリーニングすることによりコンタミは清浄され、本発明の方法を用いて再びテクスチャード加工されうる。更に、上述に示された様々なコンポーネンツの大きさは説明のためのものであり本発明の範囲を制限するものではない。
【0062】
上述は本発明の実施例に基づいて説明されてきたが、本発明の基本範囲を逸脱することなく他の及び更なる本発明の実施例が考えられうる。そして、その範囲は以下の特許請求の範囲により決定される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
本発明の上記に引用された特徴が詳細に理解されうるように、上記に短く要約されたような本発明の、より特定的な記述が実施例を参照して、以下になされる。それらの幾つかは添付の図面において図説される。しかしながら、添付の図面は本発明の典型的な実施例のみを図説するのであり、従って、その範囲を限定するものではなく、本発明は他の同等に有効な実施例をも含みうる。
【図1A】ワークピースの表面上に物質が衝突又は凝固することを示す図である。
【図1B】ワークピースの表面上への物質の粘着を改善するためのテクスチャード加工されたコーティングを用いることを図説する。
【図1C】ワークピースの表面上への物質の粘着を改善するために、とても粗い表面のコーティングを適用することを図示する。
【図2】本発明の一実施例による一例示的な方法のフローチャートを図示する。
【図3】本発明の他の実施例による他の例示的な方法のフローを図示する。
【図4】本発明の方法を用いた例示的なテクスチャード加工された表面の一実施例の概略的断面図を図示する。
【図5】本発明の一実施例によるテクスチャード加工された内部表面を有する例示的な処理チャンバの概略的な断面図を図示する。
【図6A】本発明の一実施例によるテクスチャード加工された内部表面を有する例示的な処理チャンバの部材の水平平面図を図示する。
【図6B】本発明の一実施例によるテクスチャード加工された内部表面を有する例示的なグラウンド・シールド及び接地フレームの概略図を図示する。
【図7A】本発明の一実施例によりテクスチャード加工された表面を有する、1つの例示的な遮蔽フレームの概略図を図示する。
【図7B】本発明の一実施例によりテクスチャード加工された表面を有する、例示的な遮蔽フレーム、チャンバシールド、及びチャンバ本体の概略図を図示する。
【図8】本発明の一実施例による処理チャンバの例示的な基板支持体の概略図を図示する。
【発明の技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、主に、処理チャンバにおいて用いられる材料部分の表面を改変するための方法に関する。より詳細には、本発明の実施例はテクスチャード加工された表面を提供するために処理チャンバにおいて用いられるチャンバ部材の表面を改変することに関する。
【関連技術の説明】
【0002】
電子デバイス及び集積回路デバイスがより小さい大きさで生成され続けるにつれ、これらのデバイスの製造は、よりコンタミネーションによる歩留まりを削減することに敏感になってきている。特に、より小さいデバイスサイズを有するデバイスを形成するには、以前に必要と考えられていた以上にコンタミの制御を必要とする。
【0003】
これらのデバイスのコンタミは、薄膜堆積、エッチング、又は他の半導体ウエハー若しくはガラス基板の形成プロセスの間、基板上に衝突する不要な漂遊パーティクルを含む不純物源から発生しうる。一般に、集積回路デバイスの製造には、物理的蒸着法(PVD)及びスパッタリングのチャンバ、化学的蒸着法(CVD)のチャンバ、プラズマエッチングのチャンバなどのプロセスキット若しくはチャンバが使用される。堆積、エッチング及び他のプロセスの間、材料はしばしば処理チャンバの内部の様々な内側表面に、ガス層若しくは他の層から凝固し、処理チャンバのそれらの表面上に固体の固まりを形成する。これらの凝固された異物若しくは処理チャンバの内部表面上に堆積した汚染物は、基板のプロセスシーケンスの間に、又はシーケンスとシーケンスとの間に、基板上の表面上に外れ、若しくは、剥がれ落ちがちである。これらの剥がれ落ちた異物は基板及びその上のデバイスに衝突し、汚染することとなる。汚染されたデバイスはしばしば破棄されなければならず、それにより基板処理の製造歩留まりを減少させる。
【0004】
コンタミ問題は、より大きい面積の基板が処理されるときにより深刻な問題となる。例えば、フラットパネルなどの基板を処理するために、その基板のサイズはしばしば、370mm×470mmを超え、しばしばサイズにおいて1平方メートル以上となる。4平方メートル若しくはそれ以上の大きい大きさの基板は近い将来実現される。そのような大きい面積の基板においては、処理チャンバ内における基板の処理の間、パーティクルコンタミのない大きい面積が基板上に求められる。
【0005】
処理チャンバの内部表面からの凝固した異物の剥がれを防止するために、凝固した異物が、これらの内部表面に、より固着するように、処理チャンバの内部表面から剥がれ落ち、裂け落ち、及び剥離しないように、基板の表面に落ちて汚染することのないように、内部表面は粗い表面となるようテクスチャード加工される。
図1Aに示されるように、凝固したプロセス材料及びコンタミなどの異物102が基板の処理の間処理チャンバ内の内部表面などのワークピース100の表面に固着する。テクスチャード加工されたコーティング120は図1Bに示されるように、ワークピース100の表面に異物102の固着を改善するために設けられるが、あまり粗くない表面を有するテクスチャード加工されたコーティング120の薄い層は異物102とワークピース100の表面との間に十分な接合若しくは固着を提供できないかもしれない。図1Cは、テクスチャード加工のコーティング120よりより大きい粒のサイズ、及び/又は、より粗い仕上がりであるテクスチャード加工された表面コーティング130が異物102により粘着し、より多くの異物102を引き付けるかもしれず、それにより、異物102のより少ない剥離をもたらすことを示している。しかしながら、テクスチャード加工された表面コーティング130のすぐ下に無効なスペース140が存在する。このように、テクスチャード加工された表面コーティング130はワークピース100の表面に十分に強力に粘着することがなく、厚いテクスチャード加工されたコーティングはその本質的に高い内部応力のため適当でない。
【0006】
チャンバの内部表面をテクスチャード加工するのに現在用いられている方法の1つに「ビーズブラスティング」がある。ビーズブラスティングは図1B及び図2Cに示されるように、粗い表面を得るために、凝固された/高い圧力の条件下で、表面に対して硬い粒子をスプレーすることを含む。しかしながら、その結合力は一般には低く、処理チャンバの内部表面は、基板の処理が数回行われる度に再びブラスティング若しくはテクスチャード加工される必要がある。
【0007】
また、チャンバの内部表面は、アルミニウムのアークスプレーにより堆積されたアルミニウムの薄いコーティングのような表面へコーティングを噴霧することによりテクスチャード加工されうる。アークスプレーは、典型的には、圧縮されたガスのジェットにより細かい液滴に霧状にされ、基板の表面に吹き付けられる噴霧物質を形成するために、2つの連続する、薄い消耗しうる金属ワイヤー電極の間で、直流電気アークを点火することを含み、これにより低コストで高い堆積率のスプレープロセスが可能となる。また、他の熱溶射プロセスが表面のテクスチャード加工のために有用である。しかしながら、処理チャンバ内にテクスチャード加工された内部表面をもたらすための、これらの及び他の方法はしばしば、凝固した固まり及びチャンバの内部表面との間に十分な固着若しくは結合を生成するにはあまり有効ではない。
【0008】
異物の剥離又は剥がれ落ちに関連するこれらの問題を回避するために、チャンバの表面に対し、頻繁に、及び、しばしば、様々な化学溶剤により、凝固した固まりを化学的に取り除き、その表面を再びテクスチャード加工するなどの、チャンバの内部表面から凝固した固まりを取り除くための、時間のかかるクリーニングが行わなければならない。また、クリーニングが行われるにも拘らず、いくつかの場合において、処理チャンバ内での基板の処理の間に、剥がれた、若しくは、凝固した材料による基板へのコンタミネーションは更に起きうる。更に、様々なチャンバのパーツ及びチャンバの壁がアルミニウムからできている場合、アルミニウムのアークスプレーはテクスチャード加工される材料及びチャンバの内部材料が同じであるので適当でなく、処理チャンバの内部表面をクリーニングし、再びテクスチャード加工することはチャンバ部材の完全性及び厚さに影響を及ぼす。
【0009】
従って、処理チャンバの内部表面への凝固した異物のコンタミを低減し、凝固した異物の粘着性を改善するために、低減された応力を伴った粗いテクスチャード加工された表面を提供するための方法を開発する必要がある。
【発明の概要】
【0010】
本発明はワークピースの表面に、かなり粗いテクスチャード加工された表面を提供するための方法を提供することである。一実施例において、本方法は約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1の大きさの平方根(RMS)の表面粗さを有する第1の材料層により処理チャンバの1つ以上の部材の1つ以上の表面をコーティングし、この1つ以上の部材の表面を粗くするために、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により、第1の材料層の表面をアークスプレーすることを含む。
【0011】
別の実施例において、半導体処理チャンバに用いられる部材の表面をテクスチャード加工する方法は、第1のRMSの表面粗さを有する第1の材料層によりワークピースの表面をコーティングし、ワークピースの表面を粗くするために、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により第1の材料層の表面をアークスプレーすることを含む。
【0012】
更に別の実施例において、半導体処理チャンバに用いられる部材の表面をテクスチャード加工する方法が提供される。本方法は約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMSの表面粗さを有する第1の材料層により部材の表面をコーティングし、部材の表面を粗くするために、第1のRMSより大きい第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により前記第1の材料層の表面をアークスプレーすることを含む。
【0013】
また、処理チャンバ内のコンタミを低減するための方法が提供される。この方法は第1のRMSの表面粗さを有する保護層により、部材の表面をコーティングし、第2のRMSの表面粗さを有する材料層により保護層の表面をアークスプレーすることを含む。材料層は部材の材料と同じ材料を含みうり、第2のRMSは第1のRMSより大きい。
【0014】
別の実施例において、処理チャンバ内のコンタミを低減するための方法は、第1の材料層及び最後の材料層を含む2以上の材料層により処理チャンバの1つ以上の部材の1つ以上の表面をコーティングし、その1つ以上の部材の1つ以上の表面を粗くするために、アークスプレーすることにより前記最後の材料層にプロセスの1つ以上の部材の1つ以上の表面にテクスチャード加工を行い、前記第1の材料層は約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMSの表面粗さを有し、前記第2の材料層は約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMSの表面粗さを有する。
【0015】
さらに、処理チャンバに用いられる処理チャンバの部材が提供される。この処理チャンバの部材は1つ以上の表面を有する本体とその表面に形成された第1のコーティングを含み、この第1のコーティングは約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の表面粗さの第1のRMSを有する。更に、処理チャンバの部材はアークスプレーにより、その表面上に形成された第2のコーティングを有し、第2のコーティングは前記部材の表面を粗くするために約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の表面粗さの第2のRMSを有する。第2のRMSは第1のRMSより大きい。
【0016】
処理チャンバの部材は大きい面積のフラットパネルディスプレイの基板を処理するためのPVDチャンバの部材であるかもしれない。一実施例において、処理チャンバの部材はチャンバのシールド部材、ダークスペースシールド、遮蔽フレーム、基板支持体、ターゲット、遮蔽リング、堆積コリメータ、チャンバ本体、チャンバの壁、コイル、コイル支持体、カバーリング、堆積リング、接触リング、配列リング、若しくはシャッターディスクなどである。
【発明の詳細な説明】
【0017】
本発明はワークピースに対し、とても粗いテクスチャード加工された表面をもたらす方法を提供する。十分にテクスチャード加工された表面は、ワークピースからの凝固物質の剥がれ落ちの可能性を低減する。例えば、ワークピースは処理チャンバ若しくはプロセスキットの様々な内部コンポーネンツ/パーツを含み、処理チャンバの粗い内部表面が、基板処理の間に発生する様々なパーティクル、凝固物質、コンタミ物質を引きつけ粘着するのに用いられる。更に、本発明は粗いテクスチャード加工された表面を有する処理チャンバ及び様々なチャンバのコンポーネンツを提供する。
【0018】
図2はワークピースの表面に、とても粗いテクスチャード加工された表面をもたらすための、本発明の一実施例に係る方法200のフローチャートを図示する。ステップ210において、ある表面を有するワークピースが提供される。一般に、ワークピースは金属若しくは合金、セラミック部材、ポリマー部材、合成部材及び若しくはそれらの組み合わせなどの材料を含む。例えば、ワークピースはアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせを含む。一実施例において、ワークピースはオーステナイトタイプの鉄を含む。他の実施例においてワークピースはアルミニウムを含む。
【0019】
ステップ220において、ワークピースの表面は第1の平均平方根(RMS)の値の表面粗さを有する第1の材料層によりテクスチャード加工される。表面粗さは、通常、表面形状測定装置によって、マイクロインチ又は平均平方根(RMS)のディメンションにより計測される。更に、第1の材料層の厚さは、もれ電流計測装置により確認されうる。第1の材料層の第1のRMSの値は、例えば、約300マイクロインチから約1200マイクロインチなど約1200マイクロインチ若しくはそれより小さい、又は約500マイクロインチ若しくはそれより小さい値などの、約1500Ra若しくはマイクロインチ、又は、それより小さいものである。
【0020】
表面をテクスチャード加工することは、溶射コーティング、メッキ、ビーズブラスティング、グリットブラスティング、パウダーコーティング、エアーレススプレー、静電スプレーなどの本技術分野でよく知られている薄膜コーティングプロセスにより行われうる。例えば、アークスプレー、フレームスプレー、パウダーフレームスプレー、ワイヤーフレームスプレー、プラズマスプレーなどが、本発明の実施例による上述した薄膜コーティングプロセスによって、コーティングされた第1の材料層の表面粗さを調整するために用いられうる。
【0021】
例えば、ワークピースの表面へのアルミニウムのアークスプレーは、約1000マイクロインチの平均的な表面粗さをもたらすためになされうる。好ましくは、ワークピースに第1の材料をアークスプレーした後に、約500マイクロインチ、若しくは、それ以下などの約800マイクロインチの第1のRMS値が得られ、それは、より小さい内部応力により、ワークピースの表面に第1の材料を結合及びコーティングするための薄くて平坦なコーティングをもたらし、その上に、被覆されるべき他の材料層のためのよい基礎となる。
【0022】
第1の材料層はアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせを含む。一実施例において、第1の材料層はアルミニウム若しくはその合金を含む。他の実施例において、第1の材料層はモリブデン若しくはその合金を含む。
【0023】
ステップ230において、ワークピースの表面は第2のRMS値の表面粗さを有する第2の材料層によりテクスチャード加工される。第2の材料層のための第2のRMS値は、例えば、約2000マイクロインチから約2500マイクロインチ若しくはそれ以上の間であり、約1200マイクロインチ若しくはそれ以上の値など、約1500マイクロインチより若しくはそれ以上のものである。好ましくは、1つの層によりもたらされる大きな内部応力という欠点なしに、ワークピースのとても粗い表面が得られるように、第2のRMSは第1のRMSより大きいものとされる。
【0024】
第2の材料層は本技術分野において知られている薄膜コーティングプロセスのいかなるものによってもコーティングされうる。例として、アークスプレーはワークピースの表面をテクスチャード加工し、高い堆積率により第2の材料層を堆積するのに、とてもコスト的に有効な方法を提供する。一般に、時間当たり約6Kgから約60Kgの堆積率が達成されうる。
【0025】
更に、第2の材料層は第1の材料層と同じもの、若しくは、異なる材料であってもよい。一実施例において、本発明は、ワークピースの表面との間、及び、第1及び第2の材料層との間に強力な結合をもたらすために、ワークピースの表面の表面粗さが第1、第2及びそれ以上の材料層により層を重ねるたびに増加するように、第1及び第2の材料層は同じ材料のものである。このように低減された内部圧力を有する、粗い、そして厚い材料コーティングが最終的に達成されうる。
【0026】
他の実施例において、第1及び第2の材料層は異なる材料のものでありえる。これはワークピース及びテクスチャード加工された第2の材料層(若しくは表面上の最終の材料層)が同じ材料であるときに有用である。この場合、第1の材料層はワークピースと第2の材料層との間の接着層としてもたらされ、ワークピースの表面上に望ましい粗さ及びテクスチャード加工された表面をもたらす。例えば、ワークピースが純粋な金属物質を含むとき、第1の材料は合金であり、第2の材料層は同じ金属物質でありうる。そのような金属の一例はアルミニウムである。他の例は、ワークピース及び第2の材料層がアルミニウム若しくはその合金であり、第2の材料層は約2000マイクロインチと約2500マイクロインチとの間の大きいRMS値を有し、第1の材料層は約500マイクロインチ若しくはそれ以下のより小さいRMS表面粗さの異なる金属の材料若しくはその合金を含む。
【0027】
更に、方法200は、所望の表面粗さがステップ240において得られるまで、ワークピースの表面に対する1つ以上の付加的な材料層をコーティング若しくは堆積することを含み、本方法はステップ250で終了する。例えば、ステップ220及び/又は230は、ワークピースの表面粗さが受け入れられなければ、繰り返される。
【0028】
更に、1つ以上の表面の処理が、ワークピースの表面のテクスチャード加工に先だち、その間に、若しくは、その後に、行われうる。例えば、ワークピースは放射加熱ランプ、インダクティブヒーター、若しくはIR型抵抗性ヒーターを用いることによって、1つ以上のコーティング及びテキスチャー加工を容易ならしめるために加熱されるかもしれない。他の実施例として、ワークピースは、蒸留水溶剤、硫酸溶剤、フッ化水素酸(HF)溶剤など本技術分野において知られているクリーニング溶剤のいかなるものを用いて、ワークピースの表面をテキスチャー加工するのに先立ち、その間に、若しくは、その後に、化学的に清浄されるかもしれない。
【0029】
更に、本方法200は、ワークピースの表面上の第2の材料層に結合される凝固したパーティクル、汚染物、異物などを生成するために、処理チャンバ内の基板を処理することを含む。更に、ワークピースの表面は例えば、蒸留水溶剤、硫酸溶剤、フッ化水素酸溶剤などのクリーニング若しくはエッチング溶剤を用いて、パーティクル及び凝固した異物の除去を行うために、化学的に清浄されるかもしれない。また、いくつかの場合において、ワークピースの粗い表面のテクスチャード加工された表面は、クリーニング/エッチング溶剤により部分的に、若しくは、完全に清浄されるか、又は、エッチング除去されるかもしれない。例えば、第2の材料は取り除かれ、本発明の一実施例においては、ワークピースの表面は本発明の方法を用いて再びテクスチャード加工される。
【0030】
フラットパネルディスプレイのための基板などの大きい面積の基板を処理するときに、基板処理の間に、その大きい面積の基板に対するパーティクルの生成を防止し低減するために、処理チャンバの1つ以上の内部表面をテキスチャー加工し、及び、再びテキスチャー加工することは特に重要である。しかしながら、本発明はいかなるタイプの及び大きさの基板処理にも同等に適用可能である。本発明の基板は、半導体ウエハーの製造及びフラットパネルディスプレイの製造のために、円形、方形、四角形、若しくは多角形でありうる。フラットパネルディスプレイのための方形の基板の表面の面積は典型的には例えば約120,000ミリ平方メーター、若しくは、それ以上など、少なくとも約300ミリメーター×約400ミリメーターなどの約500平方ミリメーター若しくはそれより大きい大きさの四角形である。更に、本発明はOLED、FOLED、PLED、有機TFT、アクティブマトリクス、パッシブマトリクス、トップミッションデバイス、ボトムエミッションデバイス、ソーラーセルなどのいかなるデバイスにも適用可能であり、シリコンウエハー、ガラス基板、金属基板、プラスチック薄膜(例えばポリエチレンテレフタル酸エステル(PET)、ポリエステルナフタレート(PEL)など)、プラスチック樹脂薄膜などのいかなるものであってもよい。
【0031】
図3はワークピースの表面に、とても粗いテキスチャー加工をもたらす本発明の他の実施例による方法のフローチャートを図示する。ステップ310において、ワークピースがもたらされる。ステップ320において、ワークピースの表面は保護層により被膜される。保護層は約1200マイクロインチ若しくはそれ以下、又は、約500マイクロインチ若しくはそれ以下などの、約1500マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS値を有する。
【0032】
ワークピースの表面上に所望の表面粗さにまで保護層をコーティングすることは、熱溶射コーティング、メッキ、ビーズブラスティング、グリフトブラスティング、パウダーコーティング、エアーレススプレー、静電スプレー、アークスプレー、フレームスプレー、パウダーフレームスプレー、ワイヤーフレームスプレー、プラズマスプレーなどの本技術分野において知られる薄膜コーティングプロセスのいかなるものによっても実行されうる。保護層は、アルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせなどの物質を含みうる。
【0033】
ステップ330において、ワークピースの表面は1つの材料層によりテクスチャード加工される。好ましくは、保護層及び材料層は異なる材料のものである。材料層は本技術分野において知られている薄膜コーティングプロセスのいかなるものによっても所望の表面粗さにまで形成されうる。例えば、アークスプレーは材料層のためにとても効果的な方法を提供する。しかしながら、他のスプレーコーティング、メッキ、ビーズブラスティングなどのプロセスなども用いられうる。ステップ330における材料層は例えば、約2000マイクロインチ及び約2500マイクロインチの間、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上などの、約1200マイクロインチ若しくはそれ以上での第2のRMS値の表面粗さを有しうる。好ましくは、第2のRMSは第1のRMSより大きく、その結果、ワークピースのとても粗い表面が、1つの厚いコーティング層によりもたらされうるような大きな内部応力という欠点なしに、得られうる。
【0034】
ワークピースの腐食を防ぐために、いかなる化学クリーニング又はエッチング溶剤などの、化学反応物及び/又は溶融からワークピースが保護層により保護されるように、ステップ330における材料層はステップ320における保護層の材料とは異なるものであってもよい。例えば、材料層はアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせなどの物質を含みうる。
【0035】
例えば、まず、ワークピースはチタンのイオンを含有する電気メッキ溶剤の中にワークピースを浸すことにより、薄いチタンの保護層により被覆される。ワークピースの表面にかけて、アルミニウムの層若しくはモリブデンの層がアークスプレーなどによりテキスチャー加工され被膜される。このチタン層は腐食から、そして、後に実行されるテキスチャー加工されたコーティング層のエッチング、除去、及び/又は、クリーングのいかなるものからもワークピースを保護する。
【0036】
別の実施例として、保護層は、ワークピースを保護するために、ワークピースの表面上にアルミニウムの合金をアークスプレーすることにより形成されうる。こうして、ワークピースに所望の表面粗さをもたらすように、純粋なアルミニウムの層がワークピースの表面上にテキスチャー加工されうる。更に別の実施例において、ワークピースを保護するために、ワークピースの表面にモリブデンの合金をアークスプレーすることにより、保護層が形成されうる。こうして、ワークピースに所望の表面粗さをもたらすために、純粋なモリブデン層がワークピースの表面上でテキスチャー加工される。
【0037】
更に、方法300は、所望の表面粗さが得られなければ、ワークピースの表面に1つ以上の追加の材料層を被覆若しくは堆積することを含む。最終的に、ステップ340において所望の粗さが得られれば、本方法はステップ350において終了する。所望の表面粗さが得られなければ、ステップ320及び/又は330は繰り返されうる。
【0038】
更に、方法300は、コーティング及びテキスチャー加工ステップの効率を高めるために、若しくは、保護層及び材料層のアニーリング(加熱加工)を行うために、保護層のコーティングに先だち、材料層をテキスチャー加工する前に、若しくは所望の表面粗さが得られた後に、ワークピースを加熱することを含む。同様に、更に、方法300は各ステップの前に、若しくは、後に、化学的にクリーニングを行うことを含む。一実施例において、更に、方法300は保護層のコーティングに先だち、ワークピースの表面を化学的にクリーニングすることを含む。別の実施例において、方法300は更に、材料層を取り除くために、アークスプレーの後、ワークピースの表面を化学的にクリーニングすることを含む。例えば、クリーニングは取り除かれるべき材料のために適切なクリーニング若しくはエッチング溶剤のいかなるものを用いてもなされうる。
【0039】
図4は本発明の方法を用いてテクスチャード加工された、例示的なワークピース400の表面の概略的な断面図を図示する。ワークピース400は1つ以上の内部表面を有する処理チャンバのプロセスキット若しくはコンポーネントのいかなる部分であってもよい。例示的なワークピース400は、チャンバのシールド部材、ダークスペースシールド、遮蔽フレーム、基板支持体、ターゲット、遮蔽リング、堆積コリメータ、チャンバ本体、チャンバの壁、コイル、コイル支持体、カバーリング、堆積リング、接触リング、配列リング、若しくはシャッターディスクなどである。処理チャンバは物理的蒸着(PVD)及びスパッタリングのチャンバ、イオンメタルインプラント(IMP)のチャンバ、化学的蒸着(CVD)のチャンバ、原子層蒸着(ALD)のチャンバ、プラズマエッチングのチャンバ、アニーリングのチャンバ、及び他のファーネスのチャンバなどでありうる。より好ましい実施例において、チャンバは基板が1つ以上のガス層の物質若しくはプラズマにさらされるところの基板処理のチャンバである。様々な処理チャンバ要素の材料はスレンレス若しくはアルミニウムなどを含み、チャンバによって変わる。
【0040】
図4に示されるように、第1の材料層410はワークピース400の表面上に被覆される。第1の材料層は約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS値を有する。第2の材料層420は第1の材料層410の表面上に形成されうる。第2の材料層は約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMS値を有する。第1の材料層410及び第2の材料層420は例えばアークスプレープロセスなど、本技術分野において知られているコーティングプロセスにより形成されうる。選択的に、第1の材料層410及び第2の材料層420は異なるプロセスによって形成されうる。例えば、第2のRMSが第1のRMSより大きくなるように、第1の材料層410はプレイティング(メッキ)プロセスにより形成され、第2の材料層420はアークスプレープロセスにより形成されうる。また、一実施例において、1つ以上の追加の層が第1の材料層410及び第2の材料層420との間に形成されてもよい。別の実施例において、より大きいRMS値の1つ以上の追加の層が第2の材料層420の表面上に形成されてもよい。
【0041】
本発明の一特徴は、処理チャンバ内において基板処理される間に発生する凝固したパーティクル、汚染物、及び/又は異物402を引付け、粘着するために、所望の表面粗さ及びテクスチャード加工された表面が、ワークピース400の表面上に得られるように、第1の材料層410及び第2の材料層420などの少なくとも2つの材料層の利用するものである。より小さいRMSの第1の材料層410なしでは、第2の材料層420はワークピース400の表面から容易に剥がれ落ちるかもしれない。更に、より大きいRMSの第2の材料層420なしで、第1の材料層410だけでは異物402への適切な結合及び十分な粘着をもたらさないかもしれない。
【0042】
更に、大きい面積の基板が処理チャンバにより処理されるとき、その処理チャンバの大きいサイズに起因して、チャンバの内壁及び様々なコンポーネントとしてより安価な材料及びより重量の軽い材料が望ましい。好ましくは、アルミニウムがその利点のために用いられる。しかしながら、アルミニウムはチャンバの材料及びテキスチャー加工の材料が両者ともアルミニウム材料により形成されるならば、その両者は化学的に清浄されてしまうので、アルミニウムは直接の表面テキスチャー加工材料としては適当ではない。このように、本発明の他の特徴はワークピース400を表面処理、腐食、若しくは化学クリーニングから保護するために、第2の材料層420とは異なる材料でできている第1の材料層410を提供することである。例えば、アルミニウムなどの同じ材料がワークピース及び第2の材料層のための選択された材料として用いられるのであれば、第1の材料層410はワークピースの保護層として、アルミニウム合金、チタンなどの異なる材料から構成されうる。従って、第2の材料層は異物402へのよりよい粘着性を提供し、化学的クリーング若しくはエッチング溶剤により容易に清浄され、クリーング、エッチング、若しくは再びのテクスチャード加工の後に、ワークピースの表面に容易に再び適用され、又は、再びテクスチャード加工されうる。
【0043】
図5は本発明の一実施例による本発明の方法を用いて、テクスチャード加工された内部表面を有する処理チャンバ500を図示する。本発明の実施例は、必要であるならば、パーティクルのコンタミネーションが1つ以上の内部表面によりよく粘着し、より容易に清浄され、再びテクスチャード加工されうるように、処理チャンバ500内のパーティクルコンタミを低減するために、処理チャンバ500の1つ以上の内部表面に位置する様々なチャンバのパーツ及びコンポーネンツのテクスチャード加工を提供することである。本発明から恩恵をこうむるであろう処理チャンバ500の一例はカルフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズインクから市販されているPVDプロセスチャンバである。
【0044】
例示的な処理チャンバ500はチャンバ本体500に及びリッド(蓋)アセンブリ506を含み、それらによりプロセスのための容積空間560が定義される。チャンバ本体502は典型的には一体のアルミニウムブロック若しくは溶接されたスレンレスのプレートから作られている。本発明の方法を用いてテクスチャード加工されるチャンバ本体502及び関連するコンポーネンツの大きさは制限されないが、一般には処理チャンバ500内で処理されるべき基板512の大きさより比例してより大きいものである。例えば、幅約370mmから約2160mm、長さ約470mmから約2460mmを有する大きい面積の方形の基板を処理するとき、チャンバ本体502は幅約570mmから約2360mm、長さ約570mmから約2660mmとなる。一実施例として、約1000mm×1200mmの大きさの基板を処理するとき、チャンバ本体502は約1750mm×1950mmの大きさを有しうる。別の実施例として、約1950mm×2250mmの基板の大きさを処理するときは、チャンバ本体502は約2700mm×3000mmの大きさを有しうる。
【0045】
一般に、チャンバ本体502は側壁552及び底部554を含む。側壁552及び/又は底部554は一般にアクセスポート556及び排気ポート(図示せず)などの複数の穴を含む。シャターディスクポート(図示せず)などの他の穴が側壁552及び/又はチャンバ本体502の側壁552及び/又は底部554上に形成されるかもしれない。処理チャンバ500への、又は、そこからの基板512(例えばフラットパネルディスプレイ基板若しくは半導体ウエハー)の入口及び出口を提供するために、スリットバルブ若しくは他のメカニズムなどによりアクセスポート556は密閉可能である。排気ポートは排気を行って、処理チャンバ560内の圧力を制御する排気システム(図示せず)に結合されている。
【0046】
リッドアセンブリ506は一般に、ターゲット564及びそれに結合する接地シールドアセンブリ511を含む。ターゲット564はPVDプロセスの間、基板512の表面上に堆積されうる物質のソースを提供する。ターゲット564若しくはターゲットプレートは堆積種となる物質から作られており、又はそれは堆積種のコーティングを含みうる。スパッタリングを行うために電源584などの高電圧電源がターゲット564に接続されている。一般に、ターゲット564は周辺部分563及び中央部分565を含む。周辺部分563はチャンバの側壁552の上部に設置されている。ターゲット564の中央部分は基板支持体504に向かう方向に、突出又は延び出ている。他のターゲットの構成が用いられることも考えられる。例えば、ターゲット564は所要の部材からなる中央部分を有するバッキングプレートを含む。また、ターゲット物質は、共にそのターゲットを構成する物質からなる隣接するタイル若しくはセグメントを含みうる。選択的に、リッドアセンブリ506は更に処理の間ターゲット物質の消費を増加するマグネトロンアセンブリ566を含むかもしれない。
【0047】
基板512上に物質を堆積するスパッタリングプロセスの間、ターゲット564及び基板支持体504は電源584により相互にバイアスされる。例えば、アルゴン及び窒素などの希ガス及び他のガスなどのプロセスガスが、典型的には、処理チャンバ500の側壁552に形成される1つ以上の穴(図示せず)を介してガスソース582からプロセス用容積空間560に供給される。プロセスガスはプラズマへと点火され、そのプラズマ内のイオンはターゲット物質がターゲット564から分子を離脱させるように、ターゲット564方向に加速される。離脱した物質のパーティクルは印加されるバイアスにより基板512の方向に引き込まれ基板512上に物質の層を堆積する。
【0048】
接地シールドアセンブリ511は接地フレーム508、接地シールド510、又はチャンバシールド部材、ターゲットシールド部材、ダークスペースシールド、ダークスペースシールドフレームなどを含む。接地シールド510はプロセス用容積空間560内の処理領域を定義するために、ターゲット564の中央部分565を囲み、接地フレーム508により、ターゲット564の周辺部分563に結合される。接地フレーム508はターゲット564から接地シールド510を電気的に絶縁し、その一方で、(典型的には側壁552を介して)チャンバ500のチャンバ本体502への接地路を提供する。接地シールド510は、ターゲットのソース材料がターゲット564の中央部分565からのみ離脱することを確実ならしめるために、接地シールド510により囲まれる領域内にプラズマを閉じ込める。また、接地シールド510は、離脱したターゲットのソース材料を、主に基板512上に堆積させることを容易ならしめる。これにより、ターゲット材料を最も有効に活用できるとともに、チャンバ本体502の他の領域に堆積が起こるのを防ぐとともに、離脱した活性種又はプラズマによる攻撃を防ぐことができ、これによりチャンバの寿命を長引かせるとともに、チャンバを清浄し、若しくは、他のメンテナンスを行うのに必要なダウンタイム及びコストを低減することができる。接地シールド510を囲む接地フレーム508の利用から得られる恩恵は、(例えば、堆積した薄膜の剥がれ、若しくは、プラズマからのチャンバ本体502への攻撃に起因する)チャンバ本体502から離脱するパーティクルの削減であり、基板512の表面へ再堆積するパーティクルの削減であり、これによりプロダクトの製品の品質及び歩留まりを向上させる。
【0049】
接地シールド510は、一般に、プラズマ及びスパッタされたパーティクルをプロセス用容積空間560の中に閉じ込めるが、初期的にはプラズマ若しくはガス状態にあった、スパッタされたパーティクルが、様々な内部のチャンバ表面に凝固するのは避けがたい。例えば、スパッタされたパーティクルは1つ以上のチャンバ要素の他の内部のチャンバ表面と同様に、チャンバ本体502の内部表面、ターゲット564、リッドアセンブリ506、及び接地シールドアセンブリ511上に凝固する。更に、基板支持体504の上表面などの他の表面も堆積シーケンスの間、又は、シーケンスとシーケンスとの間に汚染されるかもしれない。チャンバ要素は、例えば処理チャンバ500のような、真空チャンバ内に配置されたチャンバ要素など真空チャンバ要素であるかもしれない。一般に、チャンバ要素の内部表面上に形成された凝固物は限られた粘着性しか持たず、チャンバ要素から離れ、基板512を汚染する。処理チャンバ要素からの凝固した異物が剥がれ落ちる傾向を低減するために、これらのチャンバ要素は、基板512の表面上へのパーティクルコンタミを低減するように、本発明の方法によりテクスチャード加工される。
【0050】
図6A及び図6Bは本発明の一実施例によりテクスチャード加工された内部表面を有する例示的な処理チャンバ要素の水平平面図を図示する。接地シールド510、接地フレーム508、ターゲット564、ダークスペースシールド、チャンバシールド部材、シールドフレーム、ターゲットシールド部材などはPVDプロセスの間、パーティクルによるコンタミを低減するために、本発明の方法200及び300によりテクスチャード加工され、清浄され、再びテクスチャード加工される。更に、図6Aに示されるように、側壁552、底部554、及び他のコンポーネンツを含むチャンバ本体502もテクスチャード加工されうる。図6Bは接地シールド510及び接地シールド510を囲む接地フレーム508の概略図を図示しており、各部は本発明の一実施例によるテクスチャード加工された内部表面を有する。図6Aに示されるように、接地シールド510は、1つ以上のワークピース部材610及び1つ以上の角部材630から構成されており、これらの部材が結合され、溶接、糊付け、高圧圧接などの本技術分野において知られているボンディングプロセスを用いて相互に結合される。更に、本発明ではワークピース部材610及び角部材630などの個々のワークピースが接地シールド510を構成するよう結合される前に、本発明の方法200及び302よりテクスチャード加工されうる。
【0051】
本発明の方法を用いてテクスチャード加工されるべきターゲット564、接地シールド510、及び接地フレーム508及び関連するコンポーネンツの大きさは制限されてはおらず、処理されるべき基板512の大きさ形に関連する。例えば、幅約1000mmから約2160mmの幅で、約1200mmから約2460mmの長さを有する大きい面積の長方形の基板を処理するとき、ターゲット564は約1550mmから約2500mmの幅を有し、約1750mmから約2800mmの長さを有するかもしれない。一例として、ターゲット564は約1550mm×1750mmの大きさを有する。別の実施例として、ターゲット564は約2500mm×2800mmの大きさを有する。更に、接地シールド510の大きさは約1600mm×1800mmから約2550mm×2850mmの大きさである。また、他の、より小さいサイズがより小さい基板のサイズのために有効であるかもしれない。
【0052】
接地シールド510及び他のチャンバのコンポーネントはテクスチャード加工され、リッドアセンブリ506に取り付けられるように結合される。リッドアセンブリ506に接地シールド510を取り付けることの効果は、リッドアセンブリ506を載置する前に、接地シールド510及びターゲット564がチャンバ本体502に、より容易に、そして、正確に位置づけられ、これにより接地シールド510をターゲット564に調整するに必要な時間を低減することができる。しかしながら、また他の構成が用いられるかもしれない。接地シールド510がいったんリッドアセンブリ506に取り付けられると、リッドアセンブリ506はセットアップを完了するために側壁552上に単純に載置される。このように調整可能なターゲット/接地シールドの構成を備えた従来のチャンバに必要であったような、インスタレーションの後に接地シールド510及びターゲット564を位置調整する必要性は除かれる。更に、調整可能なターゲット/接地シールドの構成を有しない従来のチャンバに必要であったような、ピン及び/又はパーツを正確に位置決めするための費用の必要性も取り除かれる。例示的なシールドパーツはカルフォルニア州サンタクララ市のアプライドマテリアルズ社から市販されている部品0020−45544、0020−47654、0020−BW101、0020−BW302、0190−11821、0020−44375、0020−44438、0020−43498、0021−JW077、0020−19122、0020−JW090、0021−KS556、0020−45695である。
【0053】
図5に戻ると、基板支持体506はチャンバ本体502の底部554に一般的に置かれ、その上で真空処理チャンバ500内で基板を処理する間、基板512を支持する。基板支持体504は基板512を支持するための板状の本体と、例えば静電チャック及び他の位置決め手段などの基板512を保持し、位置決めするための他の追加的なメカニズムを含んでもよい。基板支持体504は板状の本体支持体内に埋め込まれた1つ以上の電極及び/又は加熱エレメントを含みうる。シャフト587はチャンバ本体502の底部554を貫通して突き出ており、リフトメカニズム588に基板支持体504を結合する。リフト機構588は下側の位置及び上側の位置との間で基板支持体504を動かすよう構成されている。基板支持体504は図5においては中間の位置にあるように描かれている。ベローズ586は典型的には基板支持体504とチャンバの底部554との間に設けられており、その間に柔軟性のある密封構造を提供し、これによりチャンバの容積空間560の真空の完全性を維持する。
【0054】
典型的には、コントローラ590は処理チャンバ500との間でインターフェースを行いそれを制御する。コントローラ590は典型的には中央処理ユニット(CPU)594、補助回路596及びメモリ592を含む。CPU594は様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための工業用のセッティングに用いられるようなコンピュータプロセッサのいかなるようなものでもよい。メモリ592はCPU594に接続されている。メモリ592、又はコンピューターが読むことができる媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピーディスク(商標名)、ハードディスク、又は他のデジタル信号を記憶する装置、遠隔にある装置、又は、ローカルにある装置のような容易に入手可能なメモリのひとつであってもよい。補助回路596は、周知の方法によりプロセッサをサポートするためにCPU594に接続される。これらの回路はキャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステムなどを含む。コントローラ596はその中で実行されるいかなる堆積プロセスを含む処理チャンバ500の動作を制御するのに用いられる。
【0055】
選択的に、遮蔽フレーム558及びチャンバシールド562がチャンバ本体502内に設けられるかもしれない。一般に、遮蔽フレーム558は遮蔽フレーム558の中央を介して露出される基板512の部分に堆積を閉じ込めるよう構成されている。基板支持体504が処理のために上側の位置に移動するとき、基板支持体504の上に置かれた基板512の外側の端遮蔽フレーム558に係止され、チャンバシールド562から遮蔽フレーム558を持ち上げる。基板支持体504が基板512をローディング及びアンローディングするための下側の位置に動いたとき、基板支持体504はチャンバシールド562及びアクセスポート556の下側に位置する。そして、基板512は側壁552上のアクセスポート556を介して、チャンバ500から取り出されるか、若しくは、チャンバ500内に置かれ、その一方で、遮蔽フレーム558及びチャンバシールド562をあける。シングルアームのロボット若しくはデュアルアームのロボットなどのウエハ搬送機構若しくは処理チャンバ500内の外側に設けられたロボットにより、基板512の載置若しくは取り除きを行うために、基板サポート504から基板512を離す空間を作るために、リフトピン(図示せず)が選択的に基板支持体504を介して動く。
【0056】
図7Aは、本発明の一実施例によるテクスチャード加工された表面を有する遮蔽フレーム558の概略図を図示する。遮蔽フレーム558は基板512の周辺部分を囲むために、1つの部品から若しくは2つ以上のワークピースの部品が結合されているものである。遮蔽フレーム558はその上に粘着した異物402を引きつけ、基板512の表面上を異物402が汚染することからを防ぐために、基板上の第1及び第2の材料層410、420又は追加の層を含むようテクスチャード加工されうる。好ましくは、遮蔽フレーム558の上側の面620又はプロセス用容積空間560に面する面は、基板512の処理表面640のコンタミを防ぐために、1つ以上の材料層によりテクスチャード加工される。遮蔽フレーム558は、遮蔽フレーム558が基板512の端の部分の周辺でフィットするように、選択された内径を有する。遮蔽フレーム558は基板512の大きさより小さい内径を有し、基板512の大きさより大きい外径を有する。例えば、約1950mm×2250mmの大きさの基板に対して、遮蔽フレーム558は約1930mm×2230mmの例示的な内径、約2240mm×2740mmの例示的な外径を有し、その結果、基板512の周辺部分はパーティクル及びコンタミからシールドされる。また、より小さいサイズ及び他の形の基板にも適用されうる。
【0057】
図7Bは本発明の一実施例によるテクスチャード加工された表面を有する遮蔽フレーム558、チャンバシールド562、チャンバ本体502及び側壁552の概略図を図示する。他の基板処理チャンバにおいて用いられる基板クランピング構造などの、他のコンポーネンツと同様に、これらのチャンバ要素の全ての表面は本発明の実施例によりテクスチャード加工されうる。図7Bに示されるように、遮蔽フレーム558は、例えば、チャンバ本体502の側壁552に接続されうるチャンバシールド562上に置かれる。その上に位置する遮蔽フレーム558を支持するために、約1950mm×2250mmの大きさの基板に対して、約2160mm×2550mmの大きさの内径、約2550mm×2840mmの外径のチャンバシールド562の大きさとなる。選択的に、他の構成を有する遮蔽フレームが同様に用いられうる。例示的な遮蔽フレーム、デポジションフレーム、基板カバー構造及び/又は基板クランプは、カルフォルニア州サンタクララ州のアプライドマテリアルズ社から市販されている0020−43171及び0020−46649を含む。
【0058】
本発明の他の実施例は、更に、基板処理の間にパーティクルの堆積を低減するために、本発明の基板支持体504の一部分が、本明細書に記載された方法によりテクスチャード加工されることを提供する。図8は処理チャンバ500の基板支持体504の一実施例の概略図である。典型的に、基板支持体504はアルミニウム、スレンレス、セラミック若しくはそれらの組み合わせにより作られている。シャフト587の上にある基板支持体504は、その上に基板512を支持するための上側表面810を含む。上側表面810は、粘着する異物502を引きつけ、基板504の表面を異物402が汚染することを防止するために、第1及び第2の材料層410、420、若しくは追加の層によりテクスチャード加工されうる。
【0059】
基板512を支持する基板支持体の上側表面810の大きさは基板512のサイズに比例し、基板512の大きさより小さいか、若しくは、大きい。図8に示されるように、本発明の一実施例は、基板支持体504の外側部分820が基板512上のパーティクルのコンタミを防止するために、1つ以上の材料層によりテクスチャード加工されることを提供する。
【0060】
上述のように、処理チャンバの1つ以上のコンポーネンツの1つ以上の内部表面が、基板処理の間に発生する異物若しくはパーティクルの結合及び粘着を改善するために、テクスチャード加工される。更に、他の適宜な基板処理チャンバのためのチャンバ要素の例としてダークスペースシールド、支持リング、堆積リング、コイル、コイルサポート、堆積コリメータ、ペデスタル、配列リング、シャッターディスクなどがある。
【0061】
本発明の実施例から逸脱することなく、基板の処理の間でのコンタミを低減するために、本発明の方法を用いて、様々な構造の他の処理チャンバ及びチャンバのパーツ、コンポーネントもテクスチャード加工されうる。本明細書に記述されるような適宜な化学的なクリーニング溶剤を用いて、チャンバのパーツ、コンポーネンツをクリーニングすることによりコンタミは清浄され、本発明の方法を用いて再びテクスチャード加工されうる。更に、上述に示された様々なコンポーネンツの大きさは説明のためのものであり本発明の範囲を制限するものではない。
【0062】
上述は本発明の実施例に基づいて説明されてきたが、本発明の基本範囲を逸脱することなく他の及び更なる本発明の実施例が考えられうる。そして、その範囲は以下の特許請求の範囲により決定される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
本発明の上記に引用された特徴が詳細に理解されうるように、上記に短く要約されたような本発明の、より特定的な記述が実施例を参照して、以下になされる。それらの幾つかは添付の図面において図説される。しかしながら、添付の図面は本発明の典型的な実施例のみを図説するのであり、従って、その範囲を限定するものではなく、本発明は他の同等に有効な実施例をも含みうる。
【図1A】ワークピースの表面上に物質が衝突又は凝固することを示す図である。
【図1B】ワークピースの表面上への物質の粘着を改善するためのテクスチャード加工されたコーティングを用いることを図説する。
【図1C】ワークピースの表面上への物質の粘着を改善するために、とても粗い表面のコーティングを適用することを図示する。
【図2】本発明の一実施例による一例示的な方法のフローチャートを図示する。
【図3】本発明の他の実施例による他の例示的な方法のフローを図示する。
【図4】本発明の方法を用いた例示的なテクスチャード加工された表面の一実施例の概略的断面図を図示する。
【図5】本発明の一実施例によるテクスチャード加工された内部表面を有する例示的な処理チャンバの概略的な断面図を図示する。
【図6A】本発明の一実施例によるテクスチャード加工された内部表面を有する例示的な処理チャンバの部材の水平平面図を図示する。
【図6B】本発明の一実施例によるテクスチャード加工された内部表面を有する例示的なグラウンド・シールド及び接地フレームの概略図を図示する。
【図7A】本発明の一実施例によりテクスチャード加工された表面を有する、1つの例示的な遮蔽フレームの概略図を図示する。
【図7B】本発明の一実施例によりテクスチャード加工された表面を有する、例示的な遮蔽フレーム、チャンバシールド、及びチャンバ本体の概略図を図示する。
【図8】本発明の一実施例による処理チャンバの例示的な基板支持体の概略図を図示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の表面を有する本体と、
前記表面上に形成され、約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS表面粗さを有する第1のコーティングと、
前記表面上にアークスプレーにより形成され、前記コンポーネントの表面を粗くするために、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMS表面粗さを有する第2のコーティングとを含む処理チャンバに用いられる処理チャンバ要素。
【請求項2】
前記第2のRMSは前記第1のRMSより大きい請求項1記載の処理チャンバ要素。
【請求項3】
前記処理チャンバ要素はチャンバシールド部材、ダークスペースシールド、遮蔽フレーム、基板支持体、ターゲット、遮蔽リング、堆積コリメータ、チャンバ本体、チャンバの側壁、コイル、コイル支持体、カバーリング、堆積リング、接触リング、配列リング、シャッターディスク、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される請求項1記載の処理チャンバ要素。
【請求項4】
前記処理チャンバ要素は基板支持体の周辺部分を含む請求項1記載の処理チャンバ要素。
【請求項5】
前記処理チャンバ要素は、アルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせをからなるグループか選択された物質により作られている請求項1記載の処理チャンバ要素。
【請求項6】
基板を処理するための処理チャンバに用いられるチャンバシールド部材であって、
1つ以上の表面を有する1つ以上のワークピース部材と、
前記表面上に形成され、約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS表面粗さを有する第1のコーティングと、
アークスプレーにより前記表面上に形成され、前記チャンバシールド部材の表面を粗くするために、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMS表面粗さを有する第2のコーティングとを含むチャンバシールド部材。
【請求項7】
前記第2のRMSは前記第1のRMSより大きい請求項6記載のチャンバシールド部材。
【請求項8】
前記1つ以上のワークピース部材に結合された1つ以上の角のピースを更に含む請求項6記載のチャンバシールド部材。
【請求項9】
前記チャンバシールド部材の大きさは約1600mm×1800mmから約2550mm×2850mmである請求項6記載のチャンバシールド部材。
【請求項10】
チャンバシールド部材は大きい面積の方形の基板をシールディングするための四角形のフレームである請求項6記載のチャンバシールド部材。
【請求項11】
チャンバシールド部材は接地シールド、ダークスペースシールド、チャンバシールド及びそれらの組み合わせから選択される請求項6記載のチャンバシールド部材。
【請求項12】
処理チャンバ内の基板を取り囲むための1つ以上の表面を有し、前記1つ以上の表面上に形成された第1のコーティングと、アークスプレーにより前記表面上に形成される第2のコーティングとを含み、前記第1のコーティングは約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS表面粗さを有し、前記第2のコーティングは遮蔽フレームの表面を粗くするために、約1500マイクロインチの第2のRMS表面粗さを有する遮蔽フレーム。
【請求項13】
前記第2のRMSは前記第1のRMSより大きい請求項12記載の遮蔽フレーム。
【請求項14】
前記遮蔽フレームの内側の大きさは前記基板の大きさより小さい請求項12記載の遮蔽フレーム。
【請求項15】
前記遮蔽フレームの外側の大きさは前記基板の大きさより大きい請求項12記載の遮蔽フレーム。
【請求項16】
前記第1のコーティング及び前記第2のコーティングを形成するための前記表面は、前記チャンバプロセス内の基板処理容積空間に面する表面である請求項12記載の遮蔽フレーム。
【請求項17】
処理チャンバ内で用いられる、基板を支持するための基板支持体であって、
1つ以上の表面を有する板状の本体と、
前記表面上に形成され、約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS表面粗さを有する第1のコーティングと、
アークスプレーにより前記表面上に形成され、前記基板支持体の前記表面を粗くするために、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMS表面粗さを有する第2のコーティングとを含む基板支持体。
【請求項18】
前記第2のRMSは前記第1のRMSより大きい請求項17記載の基板支持体。
【請求項19】
前記第1のコーティング及び前記第2のコーティングは前記基板を取り囲む前記基板支持体の周辺部分上に形成される請求項17記載の基板支持体。
【請求項20】
前記板状の本体内に埋め込まれる1つ以上の電極を更に含む請求項17記載の基板支持体。
【請求項21】
前記板状本体に埋め込まれる1つ以上の加熱部材を更に含む請求項17記載の基板支持体。
【請求項22】
約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMSの表面粗さを有する第1の材料層により処理チャンバの1つ以上のコンポーネントの1つ以上の表面をコーティングし、
前記1つ以上のコンポーネントの前記1つ以上の表面を粗くするために、前記第1のRMSより大きい、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により前記第1の材料層の表面をアークスプレーする処理チャンバ内のコンタミを低減するための方法。
【請求項23】
前記第2の材料層に結合するコンタミを生成するために、前記処理チャンバ内の基板を処理することを更に含む請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上のコンポーネントの前記1つ以上の表面を化学的にクリーニングすることを更に含む請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記基板はフラットパネルディスプレイのための基板を含む請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記1つ以上のコンポーネントの前記1つ以上の表面をコーティングすることはプレイティング、アークスプレー、ビーズブラスティング、熱溶射、プラズマスプレー、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択されるプロセスを含む請求項22記載の方法。
【請求項27】
前記1つ以上のコンポーネントの部材及び前記第2の材料層は同じものである請求項22記載の方法。
【請求項28】
前記1つ以上のコンポーネントの部材はアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料を含む請求項22記載の方法。
【請求項29】
前記1つ以上のコンポーネントの部材はアルミニウムを含み、前記第1の材料層の材料はアルミニウム合金を含む請求項22記載の方法。
【請求項30】
前記1つ以上のコンポーネントの前記材料はアルミニウムを含み、前記第1の材料層の材料はチタン若しくはその合金を含む請求項22記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上のコンポーネントを加熱することを更に含む請求項22記載の方法。
【請求項32】
前記1つ以上のコンポーネントはチャンバシールド部材、ダークスペースシールド、遮蔽フレーム、基板支持体、ターゲット、遮蔽リング、テポジションコリメーター、チャンバ本体、チャンバ側壁、コイル、コイル支持体、カバーリング、堆積リング、接触リング、配列リング、シャッターディスク、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される1つのワークピースを含む請求項22記載の方法。
【請求項33】
前記1つ以上のコンポーネントは基板支持体の周辺部分を含む請求項22記載の方法。
【請求項34】
前記第2の材料層の前記材料はアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料を含む請求項22記載の方法。
【請求項35】
半導体処理チャンバに用いられるコンポーネントの表面をテクスチャード加工する方法であって、
第1のRMSの表面粗さを有する第1の材料層により前記コンポーネントの前記表面をコーティングし、
前記コンポーネントの前記表面を粗くするために、前記第1のRMSより大きい、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により前記第1の材料層の前記表面をアークスプレーする方法。
【請求項36】
約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMSの表面粗さを有する第1の材料層によりコンポーネントの表面をコーティングし、
前記コンポーネントの前記表面を粗くするために、前記第1のRMSより大きい、第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により前記第1の材料層の前記表面をアークスプレーし、
半導体処理チャンバに用いられるコンポーネントの表面をテクスチャード加工する方法。
【請求項37】
第1のRMSの表面粗さを有する保護層によりコンポーネントの表面をコーティングし、
第2のRMSの表面粗さを有する材料層により前記保護層の前記表面をアークスプレーし、
前記材料層は前記コンポーネントの材料と同じ材料であり、前記第2のRMSは前記第1のRMSより大きい半導体処理チャンバに用いられるコンポーネントの表面をテクスチャード加工する方法。
【請求項38】
前記コンポーネントの前記材料はアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料を含む請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記コンポーネントの材料は金属を含み、前記保護層の材料はその合金を含む請求項37記載の方法。
【請求項40】
前記金属はアルミニウムを含む請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記コンポーネントの材料はアルミニウムを含み、前記保護層の材料はチタン若しくはその合金を含む請求項37記載の方法。
【請求項42】
前記コンポーネントの前記表面をコーティングすることは、アークスプレー、プレイティング、ビーズブラスティング、熱溶射、プラズマスプレー、及びそれらの組み合わせを含むグループから選択されるプロセスを含む請求項37記載の方法。
【請求項43】
コーティングに先だち前記コンポーネントの前記表面を化学的にクリーニングすることを更に含む請求項37記載の方法。
【請求項44】
前記材料層を取り除くために、アークスプレーの後、前記コンポーネントの前記表面を化学的にクリーニングすることを更に含む請求項37記載の方法。
【請求項1】
1つ以上の表面を有する本体と、
前記表面上に形成され、約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS表面粗さを有する第1のコーティングと、
前記表面上にアークスプレーにより形成され、前記コンポーネントの表面を粗くするために、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMS表面粗さを有する第2のコーティングとを含む処理チャンバに用いられる処理チャンバ要素。
【請求項2】
前記第2のRMSは前記第1のRMSより大きい請求項1記載の処理チャンバ要素。
【請求項3】
前記処理チャンバ要素はチャンバシールド部材、ダークスペースシールド、遮蔽フレーム、基板支持体、ターゲット、遮蔽リング、堆積コリメータ、チャンバ本体、チャンバの側壁、コイル、コイル支持体、カバーリング、堆積リング、接触リング、配列リング、シャッターディスク、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される請求項1記載の処理チャンバ要素。
【請求項4】
前記処理チャンバ要素は基板支持体の周辺部分を含む請求項1記載の処理チャンバ要素。
【請求項5】
前記処理チャンバ要素は、アルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせをからなるグループか選択された物質により作られている請求項1記載の処理チャンバ要素。
【請求項6】
基板を処理するための処理チャンバに用いられるチャンバシールド部材であって、
1つ以上の表面を有する1つ以上のワークピース部材と、
前記表面上に形成され、約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS表面粗さを有する第1のコーティングと、
アークスプレーにより前記表面上に形成され、前記チャンバシールド部材の表面を粗くするために、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMS表面粗さを有する第2のコーティングとを含むチャンバシールド部材。
【請求項7】
前記第2のRMSは前記第1のRMSより大きい請求項6記載のチャンバシールド部材。
【請求項8】
前記1つ以上のワークピース部材に結合された1つ以上の角のピースを更に含む請求項6記載のチャンバシールド部材。
【請求項9】
前記チャンバシールド部材の大きさは約1600mm×1800mmから約2550mm×2850mmである請求項6記載のチャンバシールド部材。
【請求項10】
チャンバシールド部材は大きい面積の方形の基板をシールディングするための四角形のフレームである請求項6記載のチャンバシールド部材。
【請求項11】
チャンバシールド部材は接地シールド、ダークスペースシールド、チャンバシールド及びそれらの組み合わせから選択される請求項6記載のチャンバシールド部材。
【請求項12】
処理チャンバ内の基板を取り囲むための1つ以上の表面を有し、前記1つ以上の表面上に形成された第1のコーティングと、アークスプレーにより前記表面上に形成される第2のコーティングとを含み、前記第1のコーティングは約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS表面粗さを有し、前記第2のコーティングは遮蔽フレームの表面を粗くするために、約1500マイクロインチの第2のRMS表面粗さを有する遮蔽フレーム。
【請求項13】
前記第2のRMSは前記第1のRMSより大きい請求項12記載の遮蔽フレーム。
【請求項14】
前記遮蔽フレームの内側の大きさは前記基板の大きさより小さい請求項12記載の遮蔽フレーム。
【請求項15】
前記遮蔽フレームの外側の大きさは前記基板の大きさより大きい請求項12記載の遮蔽フレーム。
【請求項16】
前記第1のコーティング及び前記第2のコーティングを形成するための前記表面は、前記チャンバプロセス内の基板処理容積空間に面する表面である請求項12記載の遮蔽フレーム。
【請求項17】
処理チャンバ内で用いられる、基板を支持するための基板支持体であって、
1つ以上の表面を有する板状の本体と、
前記表面上に形成され、約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMS表面粗さを有する第1のコーティングと、
アークスプレーにより前記表面上に形成され、前記基板支持体の前記表面を粗くするために、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMS表面粗さを有する第2のコーティングとを含む基板支持体。
【請求項18】
前記第2のRMSは前記第1のRMSより大きい請求項17記載の基板支持体。
【請求項19】
前記第1のコーティング及び前記第2のコーティングは前記基板を取り囲む前記基板支持体の周辺部分上に形成される請求項17記載の基板支持体。
【請求項20】
前記板状の本体内に埋め込まれる1つ以上の電極を更に含む請求項17記載の基板支持体。
【請求項21】
前記板状本体に埋め込まれる1つ以上の加熱部材を更に含む請求項17記載の基板支持体。
【請求項22】
約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMSの表面粗さを有する第1の材料層により処理チャンバの1つ以上のコンポーネントの1つ以上の表面をコーティングし、
前記1つ以上のコンポーネントの前記1つ以上の表面を粗くするために、前記第1のRMSより大きい、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により前記第1の材料層の表面をアークスプレーする処理チャンバ内のコンタミを低減するための方法。
【請求項23】
前記第2の材料層に結合するコンタミを生成するために、前記処理チャンバ内の基板を処理することを更に含む請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上のコンポーネントの前記1つ以上の表面を化学的にクリーニングすることを更に含む請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記基板はフラットパネルディスプレイのための基板を含む請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記1つ以上のコンポーネントの前記1つ以上の表面をコーティングすることはプレイティング、アークスプレー、ビーズブラスティング、熱溶射、プラズマスプレー、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択されるプロセスを含む請求項22記載の方法。
【請求項27】
前記1つ以上のコンポーネントの部材及び前記第2の材料層は同じものである請求項22記載の方法。
【請求項28】
前記1つ以上のコンポーネントの部材はアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料を含む請求項22記載の方法。
【請求項29】
前記1つ以上のコンポーネントの部材はアルミニウムを含み、前記第1の材料層の材料はアルミニウム合金を含む請求項22記載の方法。
【請求項30】
前記1つ以上のコンポーネントの前記材料はアルミニウムを含み、前記第1の材料層の材料はチタン若しくはその合金を含む請求項22記載の方法。
【請求項31】
前記1つ以上のコンポーネントを加熱することを更に含む請求項22記載の方法。
【請求項32】
前記1つ以上のコンポーネントはチャンバシールド部材、ダークスペースシールド、遮蔽フレーム、基板支持体、ターゲット、遮蔽リング、テポジションコリメーター、チャンバ本体、チャンバ側壁、コイル、コイル支持体、カバーリング、堆積リング、接触リング、配列リング、シャッターディスク、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される1つのワークピースを含む請求項22記載の方法。
【請求項33】
前記1つ以上のコンポーネントは基板支持体の周辺部分を含む請求項22記載の方法。
【請求項34】
前記第2の材料層の前記材料はアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料を含む請求項22記載の方法。
【請求項35】
半導体処理チャンバに用いられるコンポーネントの表面をテクスチャード加工する方法であって、
第1のRMSの表面粗さを有する第1の材料層により前記コンポーネントの前記表面をコーティングし、
前記コンポーネントの前記表面を粗くするために、前記第1のRMSより大きい、約1500マイクロインチ若しくはそれ以上の第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により前記第1の材料層の前記表面をアークスプレーする方法。
【請求項36】
約1200マイクロインチ若しくはそれ以下の第1のRMSの表面粗さを有する第1の材料層によりコンポーネントの表面をコーティングし、
前記コンポーネントの前記表面を粗くするために、前記第1のRMSより大きい、第2のRMSの表面粗さを有する第2の材料層により前記第1の材料層の前記表面をアークスプレーし、
半導体処理チャンバに用いられるコンポーネントの表面をテクスチャード加工する方法。
【請求項37】
第1のRMSの表面粗さを有する保護層によりコンポーネントの表面をコーティングし、
第2のRMSの表面粗さを有する材料層により前記保護層の前記表面をアークスプレーし、
前記材料層は前記コンポーネントの材料と同じ材料であり、前記第2のRMSは前記第1のRMSより大きい半導体処理チャンバに用いられるコンポーネントの表面をテクスチャード加工する方法。
【請求項38】
前記コンポーネントの前記材料はアルミニウム、モリブデン、ニッケル、チタン、タンタル、タングステン、銅、鉄、スレンレス、鉄・ニッケル・クロム合金、ニッケル・クロム・モリブデン・タングステン合金、クロム銅合金、亜鉛銅合金、シリコンカーバイド、サファイア、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化シリコン、クオーツ、ポリイミド、ポリアリール、ポリエーテル、エーテルケトン、及び、それらの合金及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される材料を含む請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記コンポーネントの材料は金属を含み、前記保護層の材料はその合金を含む請求項37記載の方法。
【請求項40】
前記金属はアルミニウムを含む請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記コンポーネントの材料はアルミニウムを含み、前記保護層の材料はチタン若しくはその合金を含む請求項37記載の方法。
【請求項42】
前記コンポーネントの前記表面をコーティングすることは、アークスプレー、プレイティング、ビーズブラスティング、熱溶射、プラズマスプレー、及びそれらの組み合わせを含むグループから選択されるプロセスを含む請求項37記載の方法。
【請求項43】
コーティングに先だち前記コンポーネントの前記表面を化学的にクリーニングすることを更に含む請求項37記載の方法。
【請求項44】
前記材料層を取り除くために、アークスプレーの後、前記コンポーネントの前記表面を化学的にクリーニングすることを更に含む請求項37記載の方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【公開番号】特開2007−27707(P2007−27707A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−174752(P2006−174752)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−174752(P2006−174752)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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