説明

ビフェニルカルボン酸アミドp38キナーゼ阻害剤

式(I):
【化80】


の化合物またはその製薬上許容される誘導体、および医薬品として、特にp38キナーゼ阻害剤としてのそれらの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、ならびにある種の疾患および症状を治療するための、それらの医薬品、特にp38キナーゼ阻害剤としての使用に関する。
【発明の開示】
【0002】
本発明者らは、p38キナーゼの阻害剤である一群の新規化合物を見出した。
【0003】
本発明によれば、式(I):
【化1】

【0004】
〔式中、
R1は、水素、C1-6アルコキシ、ハロゲンおよびヒドロキシから独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、R5およびR6から独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいフェニル、ならびにR5およびR6から独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R2は、水素、C1-6アルキル、および1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキルから選択されるか、
または(CH2)mR1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、最大3個のC1-6アルキル基により置換されていてもよい4〜6員の複素環を形成し、
R3は、クロロまたはメチルであり、
R4は、-NH-CO-R7基または-CO-NH-(CH2)p-R8基であり、
R5は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、-CONR9R10、-NHCOR10、-SO2NHR9、-(CH2)qNHSO2R10、ハロゲン、CN、OH、-(CH2)qNR11R12、およびトリフルオロメチルから選択され、
R6は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチルおよび- (CH2)qNR11R12から選択され、
R7は、水素、C1-6アルキル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、トリフルオロメチル、R13および/またはR14により置換されていてもよい-(CH2)rヘテロアリール、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよい-(CH2)rフェニルから選択され、
R8は、水素、C1-6アルキル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、CONHR9、R13および/またはR14により置換されていてもよいフェニル、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R9およびR10は、水素およびC1-6アルキルから各々独立して選択されるか、または
R9およびR10は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環は最大2個のC1-6アルキル基により置換されていてもよく、
R11は、水素、C1-6アルキル、および1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキルから選択され、
R12は、水素およびC1-6アルキルから選択されるか、または
R11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、
R13は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、-CONR9R10、-NHCOR10、ハロゲン、CN、-(CH2)qNR11R12、トリフルオロメチル、1個以上のR14基により置換されていてもよいフェニル、ならびに1個以上のR14基により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R14は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチルおよび-NR11R12から選択され、
R15は、水素およびメチルから選択され、
XおよびYは、水素、メチルおよびハロゲンから各々独立して選択され、
Zは、-(CH2)sOR16、-(CH2)sNR16R17、-(CH2)sCH2CH2R16、-(CH2)sCOOR16、-(CH2)sCONR16R17、-(CH2)sNHCOR16、-(CH2)sNHCONR16R17、-(CH2)sSO2R16、-(CH2)sSO2NR16R17および-(CH2)sNHSO2R16から選択され、
R16は、水素、最大2個のヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-6アルキル、-(CH2)tOR18、-(CH2)tNR18R19、-(CH2)tNHSO2R18、-(CH2)tCONR18R19、-(CH2)tCOOR18、ハロゲン、C1-6アルキルおよびオキソから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tヘテロアリール、ならびにハロゲン、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tフェニルから選択され、
R17は、水素およびC1-6アルキルから選択されるか、または
R16およびR17は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環はオキソ、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよく、
R18およびR19は、水素、および最大2個のヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-6アルキルから各々独立して選択されるか、または
R18およびR19は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環はオキソ、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよく、
mは、0、1、2、3および4から選択され、ここで、得られる炭素鎖の各炭素原子は、C1-6アルキルおよびハロゲンから独立して選択される最大2個の基で置換されていてもよく、
nは1であり、
pは、0、1および2から選択され、
qは、0、1、2および3から選択され、
rは、0および1から選択され、
sは、0、1、2、3および4から選択され、そして
tは、1、2、3および4から選択される〕
の化合物、またはその製薬上許容される誘導体が提供される。
【0005】
本発明のさらなる実施形態によれば、式(IA):
【化2】

【0006】
〔式中、
R1は、水素、C1-6アルコキシ、ハロゲンおよびヒドロキシから独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、R5およびR6から独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいフェニル、ならびにR5およびR6から独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R2は、水素、C1-6アルキルおよび1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキルから選択されるか、
または(CH2)mR1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、最大3個のC1-6アルキル基により置換されていてもよい4〜6員の複素環を形成し、
R3は、クロロまたはメチルであり、
R4は、-NH-CO-R7基または-CO-NH-(CH2)p-R8基であり、
R5は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、-CONR9R10、-NHCOR10、-SO2NHR9、-(CH2)qNHSO2R10、ハロゲン、CN、OH、-(CH2)qNR11R12、およびトリフルオロメチルから選択され、
R6は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチルおよび-(CH2)qNR11R12から選択され、
R7は、水素、C1-6アルキル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、トリフルオロメチル、R13および/またはR14により置換されていてもよい-(CH2)rヘテロアリール、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよい-(CH2)rフェニルから選択され、
R8は、水素、C1-6アルキル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、CONHR9、R13および/またはR14により置換されていてもよいフェニル、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R9およびR10は、水素およびC1-6アルキルから各々独立して選択されるか、または
R9およびR10は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環は最大2個のC1-6アルキル基により置換されていてもよく、
R11は、水素、C1-6アルキル、および1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキルから選択され、
R12は、水素およびC1-6アルキルから選択されるか、または
R11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、
R13は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、-CONR9R10、-NHCOR10、ハロゲン、CN、-(CH2)qNR11R12、トリフルオロメチル、1個以上のR14基により置換されていてもよいフェニルおよび1個以上のR14基により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R14は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチルおよび-NR11R12から選択され、
R15は、水素およびメチルから選択され、
XおよびYは、水素、メチルおよびハロゲンから各々独立して選択され、
Zは、-(CH2)sOR16、-(CH2)sNR16R17、-(CH2)sCH2CH2R16、-(CH2)sCOOR16、-(CH2)sCONR16R17、-(CH2)sNHCOR16、-(CH2)sNHCONR16R17、-(CH2)sSO2R16、-(CH2)sSO2NR16R17および-(CH2)sNHSO2R16から選択され、
R16は、水素、C1-6アルキル、-(CH2)tOR18、-(CH2)tNR18R19、-(CH2)tCOOR18、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tヘテロアリール、ならびにハロゲン、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tフェニルから選択され、
R17は、水素およびC1-6アルキルから選択されるか、または
R16およびR17は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環はオキソ、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよく、
R18およびR19は、水素およびC1-6アルキルから各々独立して選択されるか、または
R18およびR19は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環はオキソ、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよく、
mは、0、1、2、3および4から選択され、ここで、得られる炭素鎖の各炭素原子は、C1-6アルキルおよびハロゲンから独立して選択される最大2個の基で置換されていてもよく、
nは1であり、
pは、0、1および2から選択され、
qは、0、1、2および3から選択され、
rは、0および1から選択され、
sは、0、1、2、3および4から選択され、そして
tは、2、3および4から選択される〕
の化合物、またはその製薬上許容される誘導体が提供される。
【0007】
ある実施形態では、式(I)の化合物は、式(IB):
【化3】

【0008】
〔式中のR1、R2、R3、R4、X、Y、Zおよびmは、本明細書中で先に定義した通りである〕
の化合物である。
【0009】
好適な実施形態では、式(I)の化合物の分子量は、1000、より好ましくは800、さらにより好ましくは600を超えない。
【0010】
ある実施形態では、R1は、C1-4アルキル、C2-6アルケニル、C3-7シクロアルキル、R5およびR6から選択される最大3個の基により置換されていてもよいフェニル、ならびにR5およびR6から選択される最大3個の基により置換されていてもよいヘテロアリールから選択される。別の実施形態では、R1は、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、ならびにR5およびR6から選択される最大3個の基により置換されていてもよいフェニルから選択される。R1の代表例は、C3-6シクロアルキル、特にシクロプロピルである。R1のさらなる代表例としては、C1-6アルキル、特に2-メチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピルならびに1,2,2-トリメチルプロピル、ならびにR5およびR6から選択される最大3個の基、好ましくは1個の基により置換されていてもよいフェニルが挙げられる。
【0011】
ある実施形態では、R2は、水素、C1-4アルキルおよび-CH2-C3-6シクロアルキルから選択される。R2の代表例は水素である。
【0012】
R3の代表例はメチルである。
【0013】
R4の代表例は-CO-NH-(CH2)p-R8である。
【0014】
ある実施形態では、R5は、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、-(CH2)qNHSO2R10、ハロゲン、-(CH2)qNR11R12およびトリフルオロメチルから選択される。R5の代表例としては、C1-4アルキル、特にメチル、およびC1-4アルコキシ、特にメトキシが挙げられる。
【0015】
ある実施形態では、R6は、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲンおよびトリフルオロメチルから選択される。R6の代表例としては、C1-4アルキル、特にメチル、およびC1-4アルコキシ、特にメトキシが挙げられる。
【0016】
ある実施形態では、R7は、C1-4アルキル、-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、トリフルオロメチル、R13および/またはR14により置換されていてもよい-(CH2)rヘテロアリール、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよい-(CH2)rフェニルから選択される。
【0017】
ある実施形態では、R8は、水素、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、CONHR9、R13および/またはR14により置換されていてもよいフェニル、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよいヘテロアリールから選択される。別の実施形態では、R8は、C3-7シクロアルキル、CONHR9、R13および/またはR14により置換されていてもよいフェニル、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよいヘテロアリールから選択される。R8の代表例は、C3-6シクロアルキル、特にシクロプロピルである。
【0018】
ある実施形態では、R9およびR10は、水素およびC1-4アルキルから各々独立して選択される。
【0019】
ある実施形態では、R11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1個の追加のヘテロ原子N-R15をさらに含有していてもよい5〜6員の複素環を形成する。
【0020】
ある実施形態では、R13は、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、ハロゲン、-(CH2)qNR11R12、1個以上のR14基により置換されていてもよいフェニル、および1個以上のR14基により置換されていてもよいヘテロアリールから選択される。
ある実施形態では、R14は、C1-4アルキル、C1-4アルコキシおよび-NR11R12から選択される。
【0021】
ある実施形態では、R15はメチルである。
【0022】
ある実施形態では、XおよびY は、水素、塩素およびフッ素から各々独立して選択される。Xの代表例はフッ素である。Xのさらなる代表例は水素である。Yの代表例は水素である。
【0023】
ある実施形態では、Zは、-(CH2)sOR16、-(CH2)sNR16R17、-(CH2)sNHCOR16、-(CH2)sNHCONR16R17および-(CH2)sNHSO2R16から選択される。Zの代表例は-(CH2)sOR16である。Zのさらなる代表例は、-(CH2)sNR16R17、-(CH2)sNHCOR16、-(CH2)sNHCONR16R17および-(CH2)sNHSO2R16である。
【0024】
ある実施形態では、R16は、水素、C1-6アルキル、-(CH2)tOR18、-(CH2)tNR18R19、-(CH2)tCOOR18、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tヘテロアリール、ならびにハロゲン、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tフェニルから選択される。別の実施形態では、R16は、水素、最大2個のヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-6アルキル、-(CH2)tOR18、-(CH2)tNR18R19、-(CH2)tNHSO2R18、-(CH2)tCONR18R19、-(CH2)tCOOR18、ならびにハロゲン、C1-6アルキルおよびオキソから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tヘテロアリールから選択される。R16の代表例は-(CH2)tNR18R19である。R16のさらなる代表例としては、水素、最大2個のヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-6アルキル(特にメチル、エチル、n-プロピル、2,3-ジヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチルおよび2,2-ジメチルプロピル)、-(CH2)tOR18、-(CH2)tNR18R19、-(CH2)tNHSO2R18、-(CH2)tCONR18R19、-(CH2)tCOOR18、ならびにハロゲン、C1-6アルキルおよびオキソから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tヘテロアリールが挙げられ、ここで特に該ヘテロアリールは、酸素、窒素および硫黄から選択される最大3個のヘテロ原子を含有する5員環、例えばオキサジアゾールである。
【0025】
ある実施形態では、R17は、水素およびC1-4アルキルから選択される。R17の代表例は水素である。
【0026】
ある実施形態では、R18およびR19は、水素およびC1-4アルキルから各々独立して選択される。別の実施形態では、R18およびR19は、水素、メチル、エチル、2-ヒドロキシエチルおよびイソプロピルから各々独立して選択される。R18およびR19の代表例はメチルである。R18およびR19のさらなる代表例としては、水素、エチル、2-ヒドロキシエチルおよびイソプロピルが挙げられる。
【0027】
さらなる実施形態では、R18およびR19は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素を含有していてもよい5〜6員の複素環、例えばピロリジニルまたはモルホリニルを形成する。
【0028】
ある実施形態では、mは、0、1および2から選択される。別の実施形態では、mは、0および1から選択される。mの代表例は1である。mのさらなる代表例は0である。
【0029】
ある実施形態では、pは、0および1から選択される。pの代表例は0である。
【0030】
ある実施形態では、qは、0および1から選択される。
【0031】
ある実施形態では、rは0である。
【0032】
ある実施形態では、sは、0および1から選択される。sの代表例は0である。sのさらなる代表例は1である。
【0033】
ある実施形態では、tは、2、3および4から選択される。別の実施形態では、tは、2および3から選択される。tの代表例は2である。tのさらなる代表例としては、1、3および4が挙げられる。
【0034】
本発明は、本明細書中で先に記載した特定の基および好適な基の全ての組み合わせを対象とすることを理解されたい。また本発明は、特定の基またはパラメータ、例えば、R5、R6、R9、R10、R11、R12、R15、pまたはqが2回以上現れうる式(I)の化合物を包含することも理解されたい。かかる化合物において、各基またはパラメータが上記の値から独立して選択されることは理解されよう。
【0035】
本発明の特定の化合物としては、実施例中で言及したもの、およびそれらの製薬学的誘導体が挙げられる。
【0036】
言及しうる具体例としては、
N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-[(4-メチルフェニル)メチル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-N4’-(2-メチルプロピル)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-N4’-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-N4’-[(1R)-1,2,2-トリメチルプロピル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-[(1R)-1,2-ジメチルプロピル]-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-(2-メチルプロピル)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-[(1R)-1,2,2-トリメチルプロピル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-[(1R)-1,2-ジメチルプロピル]-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-N4’-(2-メチルプロピル)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-N4’-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-N4’-[(1R)-1,2,2-トリメチルプロピル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-[(1R)-1,2-ジメチルプロピル]-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-(プロピルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-2’-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オキシ}-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-({2-[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}オキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
4-[(5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-4-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]カルボニル}-3’-フルオロ-2’-メチル-2-ビフェニリル)オキシ]ブタン酸、
2’-[(4-アミノ-4-オキソブチル)オキシ]-N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[4-(メチルアミノ)-4-オキソブチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-[(4-ヒドロキシブチル)オキシ]-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[3-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)プロピル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、および
N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド、
ならびにその製薬上許容される誘導体を挙げることができる。
【0037】
本明細書中で使用する場合、「製薬上許容される」という用語は、製薬学的用途に適した化合物を意味する。医薬品に使用するのに適した本発明の化合物の塩および溶媒和物とは、その対イオンまたは会合溶媒が製薬上許容されるものである塩および溶媒和物である。しかし、例えば、本発明の他の化合物ならびにその製薬上許容される塩および溶媒和物の調製における中間体として使用するための、製薬上許容されない対イオンまたは会合溶媒を有する塩および溶媒和物も、本発明の範囲内にある。
【0038】
本明細書中で使用する場合、「製薬上許容される誘導体」という用語は、受容者に投与された場合に本発明の化合物またはその活性代謝物もしくは活性残基を(直接的または間接的に)提供することができる、本発明の化合物の製薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ(例えば、エステル)を意味する。かかる誘導体は、当業者であれば過度の実験を行わずに認識することができる。とは言え、Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery, 第5版、第1巻: Principles and Practiceの教示内容を参照する(この文献は、かかる誘導体について教示する程度まで、参照により本明細書に含まれるものとする)。好適な製薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物、エステル、カルバミメートおよびリン酸エステルである。特に好適な製薬上許容される誘導体は、塩、溶媒和物およびエステルである。最も好適な製薬上許容される誘導体は、塩およびエステル、特に塩である。
【0039】
本発明の化合物は、製薬上許容される塩の形態であってもよく、および/または製薬上許容される塩として投与してもよい。適切な塩に関する概説については、Bergeら、J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19を参照されたい。
【0040】
典型的には、製薬上許容される塩は、必要に応じて所望の酸または塩基を使用することにより、容易に調製することができる。該塩は、溶液から析出させてからこれを濾過により集めることができ、溶媒の蒸発により回収することもできる。
【0041】
本発明の化合物の塩は、例えば、酸と式(I)の化合物中に存在する窒素原子との反応で生じた酸付加塩を含みうる。「製薬上許容される塩」という用語に包含される塩は、本発明の化合物の非毒性塩を指す。適切な付加塩は非毒性塩を形成する酸から形成され、その具体例は、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、エデト酸カルシウム塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルリゾルシネート(hexylresorcinate)、ヒドラバミン(hydrabamine)、臭化水素酸塩、塩酸塩、リン酸水素、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエート(hydroxy naphthoate)、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル塩、硝酸メチル塩、硫酸メチル塩、マレイン酸一カリウム(monopotassium maleate)塩、ムケート(mucate)、ナプシル酸塩、硝酸塩、N-メチルグルカミン塩、シュウ酸塩、オキサロ酢酸、パモ酸塩(エンボナート)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ピルビン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サッカレート、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド、トリフルオロ酢酸塩および吉草酸塩である。
製薬上許容される塩基性塩としては、トリメチルアンモニウム塩などのアンモニウム塩、ナトリウムおよびカリウムの塩などのアルカリ金属塩、カルシウムおよびマグネシウムの塩などのアルカリ土類金属塩、ならびにイソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミンおよびN-メチル-D-グルカミンなどの第1、第2および第3アミンの塩を含む有機塩基との塩が挙げられる。
【0042】
有機化学分野の当業者であれば、多くの有機化合物が、それらがその中で反応する溶媒、またはそれらがそこから析出もしくは結晶化する溶媒と複合体を形成しうることが理解されよう。これらの複合体は、「溶媒和物」として知られている。本明細書中で使用する場合、「溶媒和物」という用語は、溶質(本発明では、式(I)の化合物またはその塩)と溶媒で構成される様々な化学量論の複合体を指す。本発明の目的ためのかかる溶媒は、溶質の生物活性に干渉してはならない。適切な溶媒の例としては、水、メタノール、エタノールおよび酢酸が挙げられる。好ましくは、使用する溶媒は、製薬上許容される溶媒である。適切な製薬上許容される溶媒の例としては、水、エタノールおよび酢酸が挙げられる。最も好ましくは、使用する溶媒は水である。水との複合体は「水和物」として知られている。本発明の化合物の溶媒和物は、本発明の範囲内にある。
【0043】
本明細書中で使用する場合、「プロドラッグ」という用語は、体内で、例えば血中における加水分解により、医療効果を有するその活性形態へと転換される化合物を意味する。製薬上許容されるプロドラッグは、A.C.S. Symposium SeriesのT. HiguchiおよびV. Stella, Prodrug as Novel Delivery Systems, 第14巻、Edward B.Roche編、Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987、およびD.Fleisher、S.RamonおよびH. Barbra “Improved oral drug delivery: solubility limitations overcome by the use of prodrugs”, Advanced Drug Delivery Reviews (1996) 19(2) 115-130に記載されており、これらの文献は各々が参照により本明細書に含まれるものとする。
【0044】
プロドラッグは、かかるプロドラッグを患者に投与した場合にin vivoで式(I)の化合物を放出する、共有結合したキャリアである。プロドラッグは一般に、通常の操作により、またはin vivoで、その修飾が切断されて親化合物を生じるように官能基を修飾することにより調製する。プロドラッグとしては、例えば、ヒドロキシ基またはアミン基が、患者に投与された場合に切断されて該ヒドロキシ基または該アミン基を生じる基に結合している本発明の化合物が挙げられる。従って、プロドラッグの代表例としては(限定するものではないが)、式(I)の化合物のアルコールおよびアミン官能基の酢酸、ギ酸および安息香酸誘導体が挙げられる。さらに、カルボン酸(-COOH)の場合には、メチルエステル、エチルエステルなどのエステルを使用してもよい。エステルは、それ自体が独立して活性であるか、および/または人体内のin vivo条件下で加水分解されるものでありうる。適切な、製薬上許容されるin vivo加水分解型のエステル基としては、人体内で容易に崩壊して親酸またはその塩を残すものが挙げられる。
【0045】
本明細書中で使用する場合、「アルキル」という用語は、指定数の炭素原子を含有する直鎖状または分岐鎖状の炭化水素鎖を指す。例えば、C1-6アルキルとは、少なくとも1個、および最大6個の炭素原子を含有する直鎖状または分岐鎖状のアルキルを意味する。本明細書中で使用する「アルキル」の例としては、限定するものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、イソブチル、イソプロピル、t-ブチルおよびヘキシルが挙げられる。C1-4アルキル基、例えば、メチル、エチルまたはイソプロピルが好ましい。該アルキル基は、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよく、例えばトリフルオロメチルが挙げられる。
【0046】
本明細書中で使用する場合、「アルケニル」という用語は、指定数の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1個の二重結合を含有する直鎖状または分岐鎖状の炭化水素鎖を指す。例えば、C2-6アルケニルとは、少なくとも2個、および最大6個の炭素原子を含有し、かつ少なくとも1個の二重結合を含有する直鎖状または分岐鎖状のアルケニルを意味する。本明細書中で使用する「アルケニル」の例としては、限定するものではないが、エテニル、2-プロペニル、3-ブテニル、2-ブテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、3-メチル-2-ブテニル、3-メチルブタ-2-エニル、3-ヘキセニルおよび1,1-ジメチルブタ-2-エニルが挙げられる。
【0047】
本明細書中で使用する場合、「アルコキシ」という用語は、指定数の炭素原子を含有する直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基を指す。例えば、C1-6アルコキシとは、少なくとも1個、および最大6個の炭素原子を含有する直鎖状または分岐鎖状のアルコキシを意味する。本明細書中で使用する「アルコキシ」の例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロパ-2-オキシ、ブトキシ、ブタ-2-オキシ、2-メチルプロパ-1-オキシ、2-メチルプロパ-2-オキシ、ペントキシおよびヘキシルオキシが挙げられる。C1-4アルコキシ基、例えば、メトキシまたはエトキシが好ましい。
【0048】
本明細書中で使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、指定数の炭素原子を含有する非芳香族炭化水素環を指す。例えば、C3-7シクロアルキルとは、少なくとも3個、および最大7個の環炭素原子を含有する非芳香族環を意味する。本明細書中で使用する「シクロアルキル」の例としては、限定するものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。C3-5シクロアルキル基、例えばシクロプロピルが好ましい。
【0049】
本明細書中で使用する場合、「ヘテロアリール環」および「ヘテロアリール」という用語は、酸素、窒素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、単環式で 5〜7員の不飽和炭化水素環を指す。好ましくは、ヘテロアリール環は、5または6個の環原子を有する。ヘテロアリール環の例としては、限定するものではないが、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルが挙げられる。特に好適なヘテロアリール環はピリジルである。該環は、C1-6アルキルおよびオキシから独立して選択される1個以上の置換基により置換されていてもよい。また、「ヘテロアリール環」および「ヘテロアリール」という用語は、酸素、窒素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む縮合芳香族環も指す。好ましくは、縮合環はそれぞれ5または6個の環原子を有する。縮合芳香族環の例としては、限定するものではないが、インドリル、イソインドリル、アザインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、シンノリニルおよびフタラジニル、特にベンゾフラニルが挙げられる。
【0050】
本明細書中で使用する場合、「複素環」および「ヘテロシクリル」という用語は、酸素、窒素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、単環式で3〜7員の、飽和または非芳香族で不飽和の炭化水素環を指す。好ましくは、ヘテロシクリル環は、5または6個の環原子を有する。ヘテロシクリル基の例としては、限定するものではないが、アジリジニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリノおよびチオモルホリノが挙げられる。特定の例としては、限定するものではないが、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリノおよびチオモルホリノが挙げられる。該環は、C1-6アルキルおよびオキシから独立して選択される1個以上の置換基により置換されていてもよい。
【0051】
本明細書中で使用する場合、「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、元素であるフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。好適なハロゲンは、フッ素、塩素および臭素である。特に好適なハロゲンはフッ素である。
【0052】
本明細書中で使用する場合、「〜されて(して)いてもよい(optionally)」という用語は、その後に記載された事象が起こっても起こらなくてもよいこと、および該事象が起こる事象と起こらない事象の両方を含むこと、を意味する。
【0053】
本明細書中で使用する場合、「置換(substituted)」という用語は、指定された単数または複数の置換基による置換を指し、特に明記しない限り、多段階の置換が含まれる。
【0054】
立体異性体に関して言えば、構造(I)の化合物は、1個以上の不斉炭素原子を有する場合があり、またラセミ化合物、ラセミ混合物および個々のエナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在する場合がある。全てのかかる異性体は、その混合物を含め、本発明に包含される。
【0055】
シス(E)およびトランス(Z)異性が生じる場合もある。本発明は、本発明の化合物の個々の立体異性体、および必要に応じて、その個々の互変異性型を、その混合物と共に包含する。
【0056】
ジアステレオ異性体またはシスおよびトランス異性体の分離は、従来技術により、例えば、分別結晶法、クロマトグラフィーまたはH.P.L.C.により達成することができる。また、物質の立体異性混合物は、必要に応じて、対応する光学的に純粋な中間体から、または適切なキラル支持体を使用する対応ラセミ混合物のH.P.L.C.などの分割により、または対応するラセミ混合物と適切な光学活性酸もしくは塩基との反応により形成されたジアステレオ異性体の塩の分別結晶により、調製することもできる。
【0057】
さらに、構造(I)の化合物の結晶形の一部は多形として存在する場合があるが、該多形は本発明に含まれる。
【0058】
本発明の化合物は、標準化学を含む様々な方法により作製することができる。先に定義した変数はいずれも、特に明記しない限り、引き続き先に定義した意味を有するものとする。例示的な一般合成法を以下に記載した後、本発明の具体的な化合物を実施例において調製する。
【0059】
式(I)の化合物は、式(II):
【化4】

【0060】
〔式中のR1、R2、Z、mおよびnは本明細書中で先に定義した通りであり、かつWはハロゲン、特に臭素またはヨウ素である〕
の化合物を、触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下で、式(III):
【化5】

【0061】
〔式中のR3、R4、XおよびYは、本明細書中で先に定義した通りである〕
の化合物と反応させることにより、調製することができる。
【0062】
式(II)の化合物は、式(IV):
【化6】

【0063】
〔式中のZ、Wおよびnは、本明細書中で先に定義した通りである〕
の対応する酸化合物から、該酸を、例えば塩化チオニル処理により該酸の活性型、例えば酸塩化物に転換して、その結果形成された活性酸を、アミド形成条件下で、式(V):
【化7】

【0064】
〔式中のR1、R2およびmは、本明細書中で先に定義した通りである〕
のアミン化合物と反応させることにより、容易に調製することができる。
【0065】
適切なアミド形成条件は当分野で周知であり、これには、例えばアセトンまたはジクロロメタン中の式(IV)の酸またはその活性型の溶液を、炭酸ナトリウムの存在下で、式(V)のアミンを用いて処理することが含まれる。
【0066】
式(III)の化合物は、式(VI):
【化8】

【0067】
〔式中のR3、R4、XおよびYは本明細書中で先に定義した通りであり、かつhalはハロゲン、特に臭素またはヨウ素である〕
の化合物を、DMFなどの溶媒中で、ビス(ピナコラート)ジボロン、PdCl2dppfおよび酢酸カリウムと反応させることにより、調製することができる。
【0068】
あるいは、R4が-CO-NH-(CH2)p-R8である場合、式(III)の化合物は、式(VII):
【化9】

【0069】
〔式中のR3、hal、XおよびYは、本明細書中で先に定義した通りである〕
の酸化合物を、DMFなどの溶媒中でビス(ピナコラート)ジボロン、PdCl2dppfおよび酢酸カリウムと反応させた後、本明細書中で先に定義した式(V)のアミン化合物との反応によりアミドを形成させることにより、調製することができる。
【0070】
また、式(I)の化合物は、式(VIII):
【化10】

【0071】
の化合物を、本明細書中で先に定義した式(III)の化合物と反応させて、その結果形成された酸を、アミド形成条件下で、本明細書中で先に定義した式(V)のアミンと反応させることにより、調製することもできる。
【0072】
さらに、式(I)の化合物は、本明細書中で先に定義した式(II)の化合物を、触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下で、式(IX):
【化11】

【0073】
〔式中のR3、R4、XおよびYは、本明細書中で先に定義した通りである〕
の化合物と反応させることにより、調製することができる。
【0074】
さらに、式(I)の化合物は、 式(X):
【化12】

【0075】
〔式中のR3、R4、X、Y、Zおよびnは、本明細書中で先に定義した通りである〕
の化合物を、アミド形成条件下で、本明細書中で先に定義した式(V)のアミン化合物と反応させることにより、調製することができる。
【0076】
式(X)の化合物は、式(XI):
【化13】

【0077】
〔式中のW、Zおよびnは本明細書中で先に定義した通りであり、かつR20はC1-6アルキル、特にメチルもしくはエチルである〕
の化合物を、触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下で本明細書中で先に定義した式(III)の化合物または式(IX)の化合物と反応させてから、必要に応じてメタノールなどの溶媒中の水酸化ナトリウムなどの塩基で処理してR21基を除去することにより、調製することができる。
【0078】
さらなる一般法は、式(I)のある化合物から式(I)の別の化合物への最終段階の修飾を含む。式(I)のある化合物を式(I)の別の化合物に転換するための適切な官能基の変換は当分野で周知であり、例えば、Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, A.R.Katritzky, C.W.ReesおよびE.F.V.Scriven編(Pergamon Press,1996)、Comprehensive Organic Functional Group Transformations, A.R.Katritzky, O.Meth-CohnおよびC.W.Rees編(Elsevier Science Ltd., Oxford, 1995)、Comprehensive Organic Chemistry, D.BartonおよびW.D.Ollis編(Pergamon Press, Oxford, 1979)、ならびにComprehensive Organic Transformations, R.C.Larock編(VCH Publishers Inc., New York, 1989)に記載されている。
【0079】
あるいは、式(I)の化合物は、式(XII):
【化14】

【0080】
〔式中のZ’は、式(I)について定義したZに転換可能な基である〕
の化合物から調製することができる。Z’基の転換は、例えば、上記反応の最中に、ハロゲン基または保護基などの代替基が存在する場合に起こりうる。保護基および保護された誘導体を切断するための方法に関する包括的な議論は、例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M Wuts in Protective Groups in Organic Synthesis 第2版、John Wiley & Son, Inc 1991中に掲載されている。
【0081】
例えば、式(I)の化合物を調製するためのある一般法は、下記スキーム1に示す反応を含む。
【化15】

【0082】
i. R7CO2H、HATU、DIPEA、DMF
ii. ビス(ピナコラート)ジボロン、PdCl2dppf、KOAc、DMF
iii. SOCl2
iv. R1(CH2)mNHR2、Na2CO3、アセトン
v. Na2CO3、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、プロパン-2-オール。
【0083】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の一般法は、下記スキーム2に示す反応を含む。
【化16】

【0084】
i. SOCl2
ii. R8(CH2)pNH2、Na2CO3、アセトン
iii. ビス(ピナコラート)ジボロン、PdCl2dppf、KOAc、DMF
iv. SOCl2
v. R1(CH2)mNHR2、Na2CO3、アセトン
vi. Na2CO3、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、プロパン-2-オール。
【0085】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム3に示す反応を含む。
【化17】

【0086】
i. ビス(ピナコラート)ジボロン、PdCl2dppf、KOAc、DMF
ii. R8(CH2)pNH2、HATU、DIPEA、DMF
iii. SOCl2
iv. R1(CH2)mNHR2、Na2CO3、DCM
v. Na2CO3、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、プロパン-2-オール。
【0087】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム4に示す反応を含む。
【化18】

【0088】
i. NaHCO3、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、プロパン-2-オール
ii. R1(CH2)mNHR2、HATU、DIPEA、DMF。
【0089】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム5に示す反応を含む。
【化19】

【0090】
i. SOCl2
ii. R8(CH2)pNH2、Na2CO3、DCM
iii. NaH、n-BuLi、THF、(iPrO)3B
iv. SOCl2
v. R1(CH2)mNHR2、Na2CO3、DCM
vi. NaHCO3、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、プロパン-2-オール。
【0091】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム6に示す反応を含む。
【化20】

【0092】
(i) 濃H2SO4、EtOH
(ii) (MeO)2CH2、P2O5、DCM
(iii) (III)または(IX)、(Ph4P)3Pd、NaHCO3、IPA
(iv) R1(CH2)mNHR2、HATU、DIPEA、DMF
(v) HCl、ジオキサン。
【0093】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム7に示す反応を含む。
【化21】

【0094】
(i) 濃H2SO4、MeOH
(ii) R16I、K2CO3、アセトン
(iii) (III)または(IX)、(Ph3P)4Pd、NaHCO3、IPA
(iv) NaOH、MeOH
(v) R1(CH2)mNHR2、HATU、DIPEA、DMF。
【0095】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム8に示す反応を含む。
【化22】

【0096】
(i) 濃H2SO4、MeOH
(ii) R16OH、ADDP、Bu3P、トルエン
(iii) (III)または(IX)、(Ph3P)4Pd、NaHCO3、IPA
(iv) NaOH、MeOH
(v) R1(CH2)mNHR2、HATU、DIPEA、DMF
(vi) R1(CH2)mNHR2、HATU、DIPEA、DMF
(vii) R16OH、ADDP、Bu3P、トルエン
(viii) (III)または(IX)、(Ph3P)4Pd、NaHCO3、IPA。
【0097】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム9に示す反応を含む。
【化23】

【0098】
(i) SOCl2
(ii) R1(CH2)mNHR2、Na2CO3、DCM
(iii) Br(CH2)tOH、ADDP、Bu3P、トルエン
(iv) (III)または(IX)、(Ph3P)4Pd、NaHCO3、IPA
(v) R18NHR19、CHCl3
【0099】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム10に示す反応を含む。
【化24】

【0100】
(i) I(CH2)tCO2Me、NaH、DMF
(ii) (III)または(IX)、(Ph3P)4Pd、NaHCO3、IPA
(iii) NaOH、MeOH
(iv) R18NHR19、HATU、DIPEA、DMF。
【0101】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム11に示す反応を含む。
【化25】

【0102】
(i) AcO(CH2)tOH、NaH、DMF
(ii) (III)または(IX)、(Ph3P)4Pd、NaHCO3、IPA
(iii) NaOH、MeOH
(iv) R1(CH2)mNHR2、HATU、DIPEA、DMF。
【0103】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム12に示す反応を含む。
【化26】

【0104】
(i) bocNHNH2、HATU、DIPEA、DMF
(ii) HCl、ジオキサン
(iii) オルトギ酸トリエチル。
【0105】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム13に示す反応を含む。
【化27】

【0106】
(i) NaH、DMF
(ii) (III)または(IX)、(Ph3P)4Pd、NaHCO3、IPA
(iii) HCl、ジオキサン。
【0107】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム14に示す反応を含む。
【化28】

【0108】
(i) SOCl2
(ii) R1(CH2)mNHR2、Na2CO3、DCM
(iii) (III)または(IX)、(Ph3P)4Pd、NaHCO3、IPA
(iv) Pd/C、EtOH、H2
(v) R16COCl、Na2CO3、DCM。
【0109】
例えば、式(I)の化合物を調製するための別の方法は、下記スキーム15に示す反応を含む。
【化29】

【0110】
(i) Na2CO3、H2O
(ii) SOCl2
(iii) R1(CH2)mNHR2、Et3N、DCM
(iv) (III)または(IX)、(Ph3P)4Pd、NaHCO3、IPA
(v) NaBH4、EtOH
(vi) Na(AcO)3BH、THF
(vi) (III)または(IX)、(Ph3P)4Pd、NaHCO3、IPA。
【0111】
例えば、式(I)の化合物を調製するためのさらなる方法は、下記スキーム16に示す反応を含む。
【化30】

【0112】
(i) CDI、DIPEA、DMAP、R16R17NH、DCM
(ii) R16SO2NH2、DIPEA、DMAP、ピリジン。
【0113】
当業者であれば、本発明の化合物またはその溶媒和物の調製時に、分子内の1個以上の感受性基を保護することにより望ましくない副反応を防ぐことが必要であるか、または望ましい場合があることは理解されよう。本発明に従って使用するための適切な保護基は当業者に周知であり、またそれらの保護基は従来のやり方で使用することができる。例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsによる“Protective groups in organic synthesis”(John Wiley & sons 1991)またはP.J. Kocienskiによる“Protecting Groups”(Georg Thieme Verlag 1994)を参照されたい。適切なアミノ保護基の例としては、アシル型の保護基(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル)、芳香族ウレタン型の保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換されたCbz)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、9-フルオレニルメトキシカルボニル (Fmoc)、t-ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)ならびにアルキル型の保護基(例えば、ベンジル、トリチル、クロロトリチル)が挙げられる。適切な酸素保護基の例としては、例えば、トリメチルシリルもしくはtert-ブチルジメチルシリルなどのアルキルシリル基、テトラヒドロピラニルもしくはtert-ブチルなどのアルキルエーテル、または酢酸塩などのエステルを挙げることができる。
【0114】
本発明の化合物は原化学物質として投与することができるが、式(I)の化合物およびその製薬上許容される誘導体は、例えば、この物質が目的とする投与経路および標準的な薬務に関して選択された適切な製薬学的賦形剤、希釈剤および/または担体との混合物である場合、医薬組成物の形で投与すると都合が良い。
【0115】
従って、本発明の別の態様では、本発明者らは、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその製薬上許容される誘導体を、1種以上の製薬上許容される賦形剤、希釈剤および/または担体と共に含む医薬組成物を提供する。賦形剤、希釈剤または担体は、製剤中の他の成分に適合し、かつその受容者にとって有害ではないという意味で「許容される」ものでなくてはならない。
【0116】
さらなる態様によれば、本発明は、療法、特にp38キナーゼの阻害剤により改善されうる症状に苦しむヒトまたは動物被験体の治療に使用するための、有効成分として少なくとも1種の本発明の化合物またはその製薬上許容される誘導体を、1種以上の製薬上許容される賦形剤、希釈剤および/または担体と共に含む医薬組成物を提供する。
【0117】
また本発明は、治療上有効な量の本発明の化合物と、製薬上許容される賦形剤、希釈剤および/または単体(それらの組み合わせを含む)とを含む医薬組成物を提供する。
【0118】
本発明により、医薬組成物を調製する方法であって、少なくとも1種の本発明の化合物またはその製薬上許容される誘導体を製薬上許容される賦形剤、希釈剤および/または担体と一緒に混合することを含む前記方法がさらに提供される。
【0119】
前記医薬組成物は、医学または獣医学においてヒトまたは動物に使用するためのものであってよく、典型的には1種以上の製薬上許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む。治療に使用するための許容される担体または希釈剤は製薬分野で周知であり、これらは例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A.R.Gennaro編、1985)に記載されている。製薬学的賦形剤、希釈剤または担体の選択は、目的とする投与経路および標準的な薬務を考慮して行うことができる。前記医薬組成物は、賦形剤、希釈剤もしくは担体として、またはこれらに加えて、適切な結合剤、滑沢剤、懸濁化剤、被覆剤および可溶化剤を含んでいてもよい。
【0120】
保存剤、安定剤、染料、さらには香味剤を、前記医薬組成物にに提供することができる。保存剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp-ヒドロキシ安息香酸のエステルが挙げられる。酸化防止剤および懸濁化剤を使用することもできる。
【0121】
幾つかの実施形態では、本発明の薬剤を、シクロデキストリンと組み合わせて使用することもできる。シクロデキストリンは薬物分子との包接または非包接複合体を形成することが知られている。薬物-シクロデキストリン複合体の形成により、薬物分子の溶解度、溶出速度、バイオアベイラビリティーおよび/または安定性が変更される場合がある。薬物-シクロデキストリン複合体は、一般に、大抵の剤形および投与経路にとって有用である。薬物との直接的な複合体形成の代わりに、シクロデキストリンを補助添加物、例えば、担体、希釈剤または可溶化剤として使用してもよい。α-、β-およびγ-シクロデキストリンが最も一般的に使用されており、それらの適切な例は、国際公開第91/11172号、国際公開第94/02518号および国際公開第98/55148号に記載されている。
【0122】
本発明の化合物を湿式粉砕などの公知の粉砕方法を利用して粉砕することにより、錠剤形成および他の製剤型に適した粒径とすることができる。本発明の化合物の微粉化(ナノ粒子状)調製物は、当分野で公知の方法(例えば、国際公開第02/00196号(SmithKline Beecham)を参照されたい)により調製することができる。
【0123】
種々の送達系に応じて、組成物/製剤要件が異なりうる。1例としては、本発明の医薬組成物を、例えば鼻腔用スプレーもしくは吸入用エアロゾルもしくは摂取可能な溶液としてミニポンプを利用して、または粘膜経路により、あるいは非経口的に(この場合、該組成物は、例えば、静脈内、筋内または皮下経路により送達するための注射剤形により処方される)送達されるように製剤化することができる。あるいは、該製剤を、両方の経路で送達されるように設計することができる。
【0124】
前記の薬剤が胃腸粘膜を介して粘膜的に送達される場合、該薬剤は、胃腸管通過中は安定であり続けることが可能であるべきである。例えば、該薬剤は、タンパク質分解に対して抵抗性であり、酸性pHで安定であり、また胆汁の界面活性作用に対して抵抗性であるべきである。
【0125】
適当な場合には、前記医薬組成物を、吸入により、坐薬もしくはペッサリーの形で、ローション、溶液、クリーム、軟膏もしくは散布剤の形で局所的に、皮膚用パッチを使用して、デンプンもしくはラクトースなどの賦形剤を含有する錠剤の形で経口的に、またはカプセル剤もしくは胚珠(ovules)として単独で、もしくは賦形剤との混合物として、または香味剤もしくは着色剤を含有するエリキシル剤、溶液もしくは懸濁液の形で投与することができ、あるいはそれらを非経口的に、例えば、静脈内に、筋内に、または皮下に注射することができる。非経口投与の場合、前記組成物を、他の薬剤、例えば、血液と等張の溶液を作製するのに十分な塩または単糖類を含有しうる滅菌水溶液の形で使用すると最も良い。口腔内または舌下投与の場合、前記組成物を、従来のやり方で製剤化しうる錠剤またはトローチ剤の形で投与することができる。
【0126】
投与(送達)経路としては、限定するものではないが、経口(例えば、錠剤、カプセル剤として、もしくは摂取可能な溶液として)、局所、粘膜(例えば、鼻腔用スプレーまたは吸入用エアロゾルとして)、鼻腔内、非経口(例えば、注射剤形により)、消化管、髄腔内、腹腔内、筋内、静脈内、子宮内、眼内、皮内、頭蓋内、気管内、膣内、脳室内、大脳内、皮下、眼内(硝子体内もしくは眼房内を含む)、経皮、直腸内、口腔内、硬膜外および舌下、のうちの1つ以上が挙げられる。前記化合物の全てが同一経路によって投与される必要は無いことは理解されよう。同様に、前記組成物が1つ以上の活性成分を含む場合、それらの成分を異なる経路で投与することができる。
【0127】
式(I)の化合物ならびにそれらの製薬上許容される塩および溶媒和物は、適切なやり方で投与するために製剤化することができる。それらは、例えば、局所投与もしくは吸入による投与のために、またはより好ましくは、経口、経皮もしくは非経口投与のために、製剤化することができる。この医薬組成物は、式(I)の化合物およびそれらの製薬上許容される誘導体の制御放出を達成しうるような形態とすることができる。好適な実施形態では、本発明の薬剤を、経口投与、口腔内投与または舌下投与などの全身投与により送達する。特に好適な投与方法、およびこれに対応する製剤は、経口投与である。
【0128】
経口投与の場合、前記医薬組成物は、例えば、即時-、遅延-、調節-、持続-、パルス-または制御-放出用途のための許容される賦形剤を用いて従来の手段により調製される、錠剤(舌下錠を含む)およびカプセル剤(それぞれ、徐放製剤および持続放出製剤を含む)、胚珠、丸剤、粉末、粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、エマルジョン、溶液、シロップまたは懸濁液の形をとることができ、またかかる形で投与することができる。
【0129】
例えば、錠剤またはカプセル剤の形で経口投与する場合、有効な薬物成分を、エタノール、グリセロール、水などの経口用で非毒性の製薬上許容される不活性担体と組み合わせることができる。また錠剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウムおよびグリシンなどの賦形剤、デンプン(好ましくは、トウモロコシ、ジャガイモまたはタピオカのデンプン)、グリコールデンプンナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよびある種の複合ケイ酸塩などの崩壊剤、ならびにポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース、ゼラチンおよびアカシアなどの顆粒結合剤を含有していてもよい。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクなどの滑沢剤が含まれていてもよい。
【0130】
同じタイプの固体組成物は、ゼラチン製カプセル剤の充填剤として使用することもできる。この点で好適な賦形剤としては、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖または高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。水性懸濁液および/またはエリキシル剤の場合、前記の薬剤を、様々な甘味剤または香味剤、着色剤または染料、乳化剤および/または懸濁化剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリンなどの希釈剤、ならびにそれらの組み合わせ、と組み合わせることができる。
【0131】
粉末は、前記化合物を細分して適切な微細サイズとし、これを同様に細分した食用糖質、例えば、デンプンまたはマンニトールなどの製薬学的担体と混合することにより、調製する。また、香味剤、保存剤、分散剤および着色剤も存在しうる。
【0132】
カプセル剤は、上記の粉末混合物を調製し、これを成形済みのゼラチン鞘に充填することにより作製することができる。コロイド状シリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を、充填操作の前に粉末混合物に加えることができる。また、アガー-アガー、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤を加えることにより、カプセル剤が摂取された際のこの薬剤の有効性を改善することもできる。
【0133】
さらに、所望であるかまたは必要である場合、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色剤を前記混合物中に組み入れることもできる。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然糖(例えば、グルコースまたはβ-ラクトース、トウモロコシ甘味剤)、天然および合成ゴム(例えば、アカシア、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの剤形に使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定するものではないが、デンプン、メチルセルロース、アガー、ベントナイト、キサンタンガムなどが挙げられる。
【0134】
錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、造粒するかまたは強打し、滑沢剤および崩壊剤を加えてから加圧して錠剤とすることにより、調製する。粉末混合物は、適切に細分した前記化合物を上記の希釈剤または基剤、および状況に応じて、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、もしくはポリビニルピロリドンなどの結合剤、パラフィンなどの溶解遅延剤、第4級塩などの吸収促進剤および/またはベントナイト、カオリンもしくは第二リン酸カルシウムなどの吸収剤と混合することにより、調製する。粉末混合物は、シロップ、デンプン糊、アラビアゴム粘液またはセルロース系材料もしくは高分子材料の溶液で湿らせてからこれを強引に篩に通すことにより、造粒することができる。造粒の別法として、粉末混合物を錠剤機に通すことができる。その結果得られるのは不完全に形成された小塊であり、これが壊れて顆粒となる。ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油を加えて該顆粒を滑らかにすることにより、錠剤成形鋳型にくっつくのを防ぐことができる。その後、この滑らかにした混合物を圧縮して錠剤とする。また、本発明の化合物を流動性の不活性担体と組み合わせて、これを造粒または強打段階を経ずに直接圧縮して錠剤とすることができる。セラックの密閉被膜からなる透明または不透明な保護被膜、糖または高分子材料の被膜、およびワックスの磨き被膜を施すことができる。染料をこれらの被膜に加えることにより、種々の単位投与量を識別することができる。
【0135】
溶液、シロップおよびエリキシル剤などの経口用の流体は、単位投与形態として調製することにより、一定量中に所定の量の前記化合物が含まれるようにすることができる。シロップは前記化合物を適切に味付けした水溶液中に溶かすことにより調製できるが、エリキシル剤は非毒性アルコール媒体を使用して調製する。懸濁液は、前記化合物を非毒性媒体中に分散させることにより製剤化できる。また、可溶化剤および乳化剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテル)、保存剤、香味用添加物(例えば、ペパーミント油またはサッカリン)などを加えることもできる。
【0136】
適当な場合には、経口投与用の投与単位製剤をマイクロカプセル化することができる。また該製剤は、例えば粒子材料をポリマー、ワックスなどで被覆するかまたはそれらに埋め込むことにより、放出を延長するかまたは持続させるように調製することもできる。
【0137】
また本発明の化合物は、小型単層小胞体、大型単層小胞体および多層小胞体などのリポソーム送達系の形で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成することができる。
【0138】
また本発明の化合物は、小型単層小胞体、大型単層小胞体および多層小胞体などのリポソームエマルジョン送達系の形で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成することができる。
【0139】
また本発明の化合物は、モノクローナル抗体を、該化合物分子を結合させる個々の担体として利用して、送達することもできる。また本発明の化合物は、標的としうる薬物担体としての可溶性高分子と結合させることもできる。かかる高分子としては、ポリビニルピロリドン、ピラン共重合体、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリリシンを挙げることができる。さらに、本発明の化合物は、薬物の制御放出を達成する際に有用な一群の生分解性高分子、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアクリレートおよびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロック共重合体に結合させることができる。
【0140】
本発明は、0.1〜99.5%、より詳しくは0.5〜90%の式(I)の化合物を製薬上許容される担体と共に含有する医薬組成物を含む。
【0141】
同様に、前記組成物は、鼻腔内、眼内、耳内、直腸内、局所、静脈内(ボーラスおよび注入の両方)、腹腔内、関節内、皮下または筋内、吸入または吹送の形態で投与することもできるが、これら全ての使用形態は医薬分野における通常の技術を有する者にとって周知である。
【0142】
経皮投与の場合、前記医薬組成物は、経皮イオン泳動パッチなどの経皮パッチの形で投与することができる。
【0143】
本発明の化合物を非経口的に投与する場合、かかる投与の例としては、この薬剤を、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋内または皮下に投与すること、および/または注入技術を利用して投与すること、のうちの1つ以上が挙げられる。非経口投与の場合、前記医薬組成物を、注射または持続注入(例えば、静脈内、血管内もしくは皮下)で投与することができる。該組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンなどの形をとることができ、また懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの製剤用薬剤を含有していてもよい。注射による投与の場合、これらは、好ましくは添加保存剤と共に、単位投与形態または複数回投与形態の形をとることができる。非経口投与の代わりに、有効成分を、適切なビヒクルで再構成するための粉末形態とすることができる。非経口投与の場合、前記化合物を、他の薬剤、例えば、血液と等張の溶液を作製するのに十分な塩またはグルコースを含有しうる滅菌水溶液の形で使用するのが最も良い。該水溶液は、必要ならば、適切に(好ましくは、pH3〜9に)緩衝化する。無菌状態での適切な非経口用製剤の調製は、当業者に周知の標準的な製薬技術により容易に達成される。
【0144】
本発明の化合物は、直接注射により投与することができる。
【0145】
また本発明の化合物は、デポー調製物として製剤化することもできる。かかる長時間作用型製剤は、移植(例えば、皮下もしくは筋内への移植)または筋内注射により投与することができる。従って、例えば、本発明の化合物を、適切な高分子材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルジョンとして)もしくはイオン交換樹脂を用いて、またはやや溶けにくい誘導体、例えば、やや溶けにくい塩として、製剤化することができる。
【0146】
あるいは、前記組成物は、局所適用のために、例えば軟膏、クリーム、ローション、眼軟膏、点眼液、点耳液、うがい薬、含浸包帯および縫合剤(sutures)およびエアロゾルの形で製剤化することができ、また例えば、保存剤、薬物透過を支援するための溶媒、ならびに軟膏およびクリーム中の皮膚軟化剤を含む適当な従来の添加物を含有していてもよい。また、かかる局所用製剤は、適合性の従来の担体、例えば、クリームまたは軟膏基剤、およびローション用のエタノールまたはオレイルアルコールを含有していてもよい。かかる担体は、該製剤の約1重量%〜約98重量%を占める場合があるが、通常は最大で該製剤の約80重量%を占める。
【0147】
皮膚に局所的に適用する場合、本発明の薬剤は、例えば、以下:鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン化合物、乳化ロウおよび水、のうちの1種以上との混合物中に懸濁または溶解した活性化合物を含有する適切な軟膏として製剤化することができる。
【0148】
あるいは、本発明の薬剤は、例えば、以下:鉱油、ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2-オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水、のうちの1種以上の混合物中に懸濁または溶解した適切なローションまたはクリームとして製剤化することができる。
【0149】
吸入による投与の場合、本発明の化合物は、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ヒドロフルオロアルカン(例えば、テトラフルオロエタンもしくはヘプタフルオロプロパン)、二酸化炭素または他の適切な気体を利用して、加圧パックまたは噴霧器からのエアロゾルスプレー形態の形で送達されると都合が良い。加圧エアロゾルの場合、その投与単位は、一定量を送達するためのバルブを提供することにより決定できる。カプセル剤、および吸入器または吹送器に使用するための、例えばゼラチン製のカートリッジは、本発明の化合物とラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含有するように製剤化することができる。
【0150】
あるいは、本発明の化合物は、坐薬またはペッサリーの形で投与することができ、またはゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏もしくは散布剤の形で局所的に適用することができる。
【0151】
また本発明の化合物は、経肺または経直腸経路により投与することもできる。それらはまた、経眼経路により投与することもできる。目に使用する場合、該化合物は、等張でpH調整された、滅菌生理食塩水中の微粉末化懸濁物として、または好ましくは、等張でpH調整された、滅菌生理食塩水中の溶液として、状況に応じて塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤と共に、製剤化することができる。あるいは、それらをワセリンなどの軟膏として製剤化することができる。
【0152】
前記医薬組成物は、一般に、特定のある症状または複数の症状を治療または予防するのに有効な量で投与される。ヒトにおける初期投与は、選択された症状についての兆候などの兆候の臨床モニタリングと同時に行う。一般には、該組成物を、少なくとも約100μg/体重kgの活性物質量で投与する。殆どの場合、それらを、1日あたり約20 mg/体重kgを超えない量で1回以上に分けて投与する。好ましくは、殆どの場合、投与量は1日あたり約100μg/体重kg〜約5 mg/体重kgである。特に哺乳動物、特にヒトへの投与の場合、活性物質の1日投与量は、0.1 mg/kg〜10 mg/kg、典型的には1 mg/kg前後であると予想される。最適な投与量は、各治療モダリティおよび適応に合う標準法により、該適応、その重症度、投与経路、合併症状などについて考慮しながら決定されることが理解されよう。いずれにしても、医師は、個人にとって最適であり、かつ用いる特定化合物の活性、該化合物の代謝安定性および作用期間、年齢、体重、全般的健康、性別、食生活、投与の様式および時間、排出速度、薬の組み合わせ、特定症状の重症度および特定個人の応答により変化しうる実投与量を決定する。選択した実投与量の有効性は、例えば、選択した投与量を投与した後で臨床症状または標準的な抗炎症尺度を評価することにより、容易に判断することができる。上記投与量は、平均的な事例の具体例である。もちろん、より多いかまたは少ない投与量の方がメリットを有するような個々の事例が存在しうるが、かかる事例は本発明の範囲内にある。症状または病状を本発明により治療する場合、例えば、維持療法において、被験体において一貫した1日量を長期間維持することは、特に有益でありうる。ヒトへの経口および非経口投与の場合、薬剤の1日投与量を、単回または分割投与することができる。
【0153】
別の態様では、本発明は、療法に使用するための、式(I)の化合物またはその製薬上許容される誘導体を提供する。
【0154】
本発明の化合物は、一般にはセリン/トレオニンキナーゼp38の阻害剤であり、それ故にp38キナーゼにより媒介されるサイトカイン産生の阻害剤でもある。「セリン/トレオニンキナーゼp38の阻害剤」という用語の意味には、後述のアッセイに従ってp38がリン酸基をATPからタンパク質基質へと転移させるその能力を阻害する化合物が含まれる。
【0155】
本発明の化合物がp38の1種以上のイソ型、例えば、p38α、p38β、p38γおよび/またはp38δに対して選択性でありうることは理解されよう。ある実施形態では、本発明の化合物は、p38αイソ型を選択的に阻害する。別の実施形態では、本発明の化合物は、p38βイソ型を選択的に阻害する。さらなる実施形態では、本発明の化合物は、p38αおよびp38βイソ型を選択的に阻害する。p38イソ型に対する化合物の選択性を決定するためのアッセイは、例えば、国際公開第99/61426号、国際公開第00/71535号および国際公開第02/46158号に記載されている。
【0156】
p38キナーゼ活性が(局所的に、もしくは全身で)上昇する場合があること、p38キナーゼが誤って一時的に活性となるかもしくは発現される場合があること、p38キナーゼが不適当な場所で発現されるかもしくは活性となる場合があること、p38キナーゼが構成的に発現される場合があること、またはp38キナーゼの発現が不規則な場合があること、また同様に、p38キナーゼ活性により媒介されるサイトカイン産生が、不適当な時期、不適当な場所で生じる場合があるか、または有害となる程高いレベルで起こる場合があること、が知られている。
【0157】
従って、本発明は、被験体において、p38キナーゼ活性により媒介されるかまたはp38キナーゼの活性により産生されたサイトカインにより媒介される症状または病状を治療するための方法であって、該被験体に、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその製薬上許容される誘導体を投与することを含む前記方法を提供する。該化合物は、単結晶または多結晶形、無定形、単一のエナンチオマー、ラセミ混合物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、単一のジアステレオ異性体またはジアステレオ異性体の混合物として、投与することができる。
【0158】
また本発明は、被験体(例えば、ヒト)においてp38キナーゼ活性により媒介されるサイトカイン産生を阻害する方法であって、サイトカイン産生を阻害する必要のある被験体に、治療量またはサイトカイン阻害量の本発明の化合物を投与することを含む前記方法を提供する。該化合物は、単結晶または多結晶形、無定形、単一のエナンチオマー、ラセミ混合物、単一の立体異性体、立体異性体の混合物、単一のジアステレオ異性体またはジアステレオ異性体の混合物として、投与することができる。
【0159】
本発明は、治療上有効な量の本発明の化合物を提供することにより、これらの症状を治療する。「治療上有効な量」とは、ある化合物の、兆候を緩和するかもしくは兆候を軽減する量、サイトカインを低減する量、サイトカインを阻害する量、キナーゼを調節する量、および/またはキナーゼを阻害する量を意味する。かかる量は、標準法により、例えば、サイトカイン濃度を測定するかまたは臨床症状の緩和を観察することにより、容易に決定することができる。例えば、臨床医は、抗炎症治療の際に、一般に容認された測定値を監視することができる。治療について言及する場合、これには急性期治療または予防、ならびに確立された兆候の緩和が含まれることは理解されよう。
【0160】
本発明の化合物は、p38キナーゼの阻害もしくは調節を必要とするかまたはp38媒介性サイトカイン産生の阻害もしくは調節を必要とする被験体に投与することができる。特に、該化合物は、哺乳動物に投与することができる。かかる哺乳動物としては、例えば、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタ、マウス、イヌ、ネコ、霊長類(例えば、チンパンジー、ゴリラ、アカゲザル、および最も好ましくはヒト)を挙げることができる。
【0161】
従って、本発明は、例えば、関節リウマチ、変形関節症、喘息、乾癬、湿疹、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、成人呼吸窮迫症候群、慢性肺炎症、慢性閉塞性肺疾患、慢性心不全、珪肺症、内毒素血症、毒素性ショック症候群、炎症性大腸炎、結核、アテローム性動脈硬化症、神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、てんかん、多発性硬化症、動脈瘤、卒中、過敏性腸症候群、筋肉変性、骨吸収病、骨粗鬆症、糖尿病、再灌流障害、対宿主性移植片反応、同種移植拒絶反応、敗血症、全身性悪液質、感染症または悪性腫瘍に伴う悪液質、後天性免疫不全症候群(AIDS)に伴う悪液質、マラリア、ハンセン病、感染性関節炎、リーシュマニア症、ライム病、糸球体腎炎、痛風、乾癬性関節炎、ライター症候群、外傷性関節炎、風疹性関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、急性髄膜炎、痛風性関節炎、脊椎炎、ならびに非関節性炎症状態(例えば、脱出した/破裂した/逸脱した椎間板症候群、滑液包炎、腱炎、腱滑膜炎、線維筋痛症候群および靱帯の捻挫と局所的な筋骨格の損傷に伴う他の炎症状態)、疼痛、例えば炎症および/または外傷に伴うもの、大理石骨病、再狭窄、血栓症、血管形成、癌(例えば、乳癌、結腸癌、肺癌または前立腺癌)に苦しむヒトまたは動物被験体において兆候を治療または軽減する方法であって、該被験体に、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその製薬上許容される誘導体を投与することを含む前記方法を提供する。
【0162】
本発明のさらなる態様は、関節リウマチ、喘息、乾癬、慢性肺炎症、慢性閉塞性肺疾患、慢性心不全、全身性悪液質、糸球体腎炎、クローン病、神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、てんかんならびに癌(例えば、乳癌、結腸癌、肺癌および前立腺癌)に苦しむヒトまたは動物被験体を治療する方法であって、該被験体に、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその製薬上許容される誘導体を投与することを含む前記方法を提供する。
【0163】
本発明のさらなる態様は、関節リウマチ、喘息、乾癬、慢性肺炎症、慢性閉塞性肺疾患、慢性心不全、全身性悪液質、糸球体腎炎、クローン病ならびに癌(例えば、乳癌、結腸癌、肺癌および前立腺癌)に苦しむヒトまたは動物被験体を治療する方法であって、該被験体に、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその製薬上許容される誘導体を投与することを含む前記方法を提供する。
【0164】
本発明のさらなる態様は、関節リウマチ、喘息、慢性肺炎症、慢性閉塞性肺疾患、神経変性疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病およびてんかんに苦しむヒトまたは動物被験体を治療する方法であって、該被験体に、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその製薬上許容される誘導体を投与することを含む前記方法を提供する。
【0165】
本発明のさらなる態様は、慢性疼痛、痛覚欠如(analgesis)の急速な発症、神経筋性疼痛、頭痛、癌性疼痛、変形関節症および関節リウマチに伴う急性および慢性の炎症性疼痛、術後の炎症性疼痛、神経因性疼痛、糖尿病性神経障害、三叉神経痛、帯状疱疹後神経痛(post-hepatic neuralgia)、炎症性神経障害および偏頭痛の痛みを含むあらゆるタイプの疼痛に苦しむヒトまたは動物被験体を治療する方法であって、該被験体に、治療上有効な量の式(I)の化合物またはその製薬上許容される誘導体を投与することを含む前記方法を提供する。
【0166】
本発明のさらなる態様は、p38キナーゼ活性により媒介されるかまたはp38キナーゼ活性により産生されたサイトカインにより媒介される症状または病状の治療に使用するための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその製薬上許容される誘導体の使用を提供する。
【0167】
式(I)の化合物およびそれらの誘導体は、単独で、または上記症状を治療するための他の治療薬と組み合わせて使用することができる。従って本発明は、さらなる態様において、本発明の化合物またはその製薬上許容される誘導体をさらなる治療薬と一緒に含む組み合わせを提供する。
【0168】
特に、関節リウマチ療法では、他の化学療法薬または抗体薬と組み合わせることが想定される。従って、本発明の併用療法は、少なくとも1種の式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物および少なくとも1種の他の製薬上活性な薬剤の投与を含む。式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の製薬上活性な薬剤は、一緒に、または別々に投与することが可能であり、また別々に投与する場合には、任意の順序で別々に、または連続的に投与することができる。式(I)の化合物またはその製薬上許容される塩もしくは溶媒和物および他の製薬上活性な薬剤の量、ならびに相対的な投与時期は、所望の複合治療効果が達成されるように選択する。適当な投与量は、当業者であれば容易に分かる。治療に要する本発明の化合物の量は、治療しようとする症状の種類ならびに患者の年齢および状態により変化すること、および最終的には担当医または獣医の裁量に委ねられることは理解されよう。関節リウマチ療法の際に式(I)の化合物ならびにそれらの塩および溶媒和物と併用しうる他の製薬上活性な薬剤の例としては、免疫抑制剤(例えば、アムトルメチングアシル、ミゾルビンおよびリメキソロン)、抗-TNFα剤(例えば、エタネルセプト、インフリキシマブ、ジアセレイン)、チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、レフルノミド)、カリクレインアンタゴニスト(例えば、サブレウム(subreum))、インターロイキン11アゴニスト(例えば、オプレルベキン)、インターフェロンβ1アゴニスト、ヒアルロン酸アゴニスト(例えば、NRD-101 (Aventis))、インターロイキン1受容体アンタゴニスト(例えば、アナキンラ)、CD8アンタゴニスト(例えば、塩酸アミプリローズ(amiprilose hydrochloride))、βアミロイド前駆タンパク質アンタゴニスト(例えば、リューマコン(reumacon))、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤(例えば、チペマスタット(cipemastat))、ならびに他の予防維持抗リウマチ薬(DMARD)(例えば、メトトレキサート、スルファサラジン、シクロスポリンA、ヒドロキシクロロキン、オーラノフィン、アウロチオグルコース、金チオリンゴ酸ナトリウムおよびペニシラミン)が挙げられる。
【0169】
上記の組み合わせは、医薬製剤の形で使用する際に都合良く提供することができるので、上記組み合わせを製薬上許容される担体または賦形剤と一緒に含む医薬製剤は、本発明のさらなる態様を成す。
【0170】
かかる組み合わせの個々の成分は、任意の都合の良い経路により、別々のまたは組み合わせた医薬製剤として、連続的にまたは同時に投与することができる。
【0171】
連続して投与する場合、本発明の化合物または第2の治療薬のいずれかを最初に投与することができる。同時に投与する場合、前記の組み合わせを同一または異なる医薬組成物として投与することができる。
【0172】
同一製剤中で組み合わせる場合、前記の2つの化合物は安定で、かつ互いおよび該製剤の他の成分と適合性でなければならないことは理解されよう。別々に製剤化する場合、それらを任意の都合の良い製剤中に、かかる化合物について当分野で知られているやり方で、都合良く提供することができる。
【実施例】
【0173】
以下の実施例は本発明の例示的な実施形態であって、決して本発明の範囲を限定するものではない。試薬は、市販されているかまたは下記文献中の手順に従って調製する。
N-(2-ヨードエチル)メタンスルホンアミドは、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters (1995), 5(18), 2119-22に記載の手順に従って調製した。
4-(2-ヨードエチル)モルホリンは、Journal of Antibiotics (1989), 42(7), 1133-44に記載の手順に従って調製した。
4-(ブロモアセチル)モルホリンは、Journal of Organic Chemistry (2003), 68(6), 2143-2150に記載の手順に従って調製した。
4-(ブロモメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソランは、Catalysis Letters (2001), 75(3-4), 205-207に記載の手順に従って調製した。
4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸および4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸エチルは、国際公開第03/048101号においてDawson, Marcia I.、Fontana, Joseph A.、Zhang, Xiao-Kun、Leid, Mark、Jong, Ling、およびHobbs, Peterにより記載された手順に従って調製した。
ネオペンチルアミンは、Fluorochem Ltd.から購入することができる。
(R)-(-)-3-メチル-2-ブチルアミンは、ABCRおよびLancasterから購入することができる。
R-3,3-ジメチル-2-ブチルアミンは、ABCRおよびLancasterを含む市販品供給者から購入することができる。
4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸メチルは、欧州特許第1 217 000 A1号においてNazare, Marc、Will, David William、Peyman, Anuschirwan、Matter, Hans、Zoller, Gerhard、およびGerlach, Uweにより記載された手順に従って調製することができる。
4-ヨード酪酸メチルは、AldrichおよびUbichemから購入することができる。
{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸は、国際公開第03/068747号に記載の手順に従って調製した。
4-ブロモ-3-(ジブロモメチル)安息香酸は、国際公開第02/032884号に記載の手順に従って調製した。
4-ブロモ-3-ニトロ安息香酸は、国際公開第01/027088号に記載の手順に従って調製した。
LCMSは、カラム(3.3cm×4.6mm ID, 3μm ABZ+PLUS)上で、流速を3mL/分、注入量を5μLとし、室温で、UV検出範囲を215〜330nmとして実施した。
【0174】
中間体1:N-シクロプロピルメチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]-4-ヨードベンズアミド
3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]-4-ヨード安息香酸 (中間体2)(100mg)を、塩化チオニル(2mL)中、90℃で2.5時間加熱した。過剰な塩化チオニルを真空下で蒸発させて、残渣をDCM(5mL)中に溶解した。炭酸ナトリウム(148mg)およびシクロプロピルメチルアミン(0.126mL)を該DCM溶液に加え、この混合物を室温で22時間攪拌した。反応物を濾過し、濾液を真空下で濃縮乾固した。得られた固体をクロロホルム(10mL)中に懸濁し、水酸化ナトリウム溶液(2N、5mL)を加えて、この混合物を30分間攪拌した。有機相を分離し、真空下で濃縮乾固することにより、N-シクロプロピルメチル-3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]-4-ヨードベンズアミドを得た。
【0175】
LC-MS:MH+ 389、Rt 2.22分。
【0176】
中間体2:3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]-4-ヨード安息香酸
3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]-4-ヨード安息香酸メチル(中間体3)(100mg)を、メタノール(2mL)および水酸化ナトリウム溶液(2N、2mL)中、室温で6時間攪拌した。メタノールを真空下で蒸発させて、残った溶液を塩酸(2M)で中和した。この混合物を酢酸エチル/クロロホルム(1:1)で抽出し、有機抽出物を真空下で濃縮乾固することにより、3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]-4-ヨード安息香酸を得た。
LC-MS:[M-H]- 334、Rt 1.94分。
【0177】
中間体3:3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]-4-ヨード安息香酸メチル
水素化ナトリウム(60%、90.6mg)をDMF(200mL)中の3-ヒドロキシ-4-ヨード安息香酸メチル(525mg)に加え、この反応物を室温で10分間攪拌した。2-クロロ-N,N-ジメチルエチルアミン(244mg)を加え、この反応物を80℃で16時間加熱した。冷ました反応物から真空内でDMFを蒸発させて、残渣をDCMと水に分配した。有機相を乾燥させて、これを真空下で濃縮乾固した。残渣を、シリカカラム上でDCM/メタノール勾配を用いて精製することにより、溶媒の蒸発後に、3-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エトキシ]-4-ヨード安息香酸メチルを得た。
Rf (DCM/メタノール 95:5) 0.25。
【0178】
中間体4:4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸エチル
4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸(100mg)を純エタノール(10mL)中に溶解し、これに濃硫酸(60μL)を加えた。反応物を、窒素下で22時間加熱還流した。溶媒を蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1)と水に分配した。有機相を合わせ、これを疎水性フィルターを使用して乾燥させてから溶媒を蒸発させたところ、4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸エチルが白色固体として残った(109mg)。
LC-MS:Rt 3.12分。
【0179】
中間体5:4-ブロモ-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}安息香酸エチル
中間体4(108mg)をDCM(2.5mL)中に溶解し、これにジメトキシメタン(2.5mL)を加えた。五酸化リン(230mg)を1時間かけて少量ずつ加えた。この混合物を、窒素下20℃で16時間攪拌した。反応混合物を氷冷した炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、10mL)上に注ぎ、ジエチルエーテル(2×10mL)で抽出した。有機相を合わせ、疎水性フィルターを使用して乾燥させてから溶媒を蒸発させたところ、4-ブロモ-3-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}安息香酸エチルが黄色の液体として残った(108mg)。
LC-MS:Rt 3.22分。
【0180】
中間体6:5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-4-ビフェニルカルボン酸
中間体5(108mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(97mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mg)を、イソプロパノール(3.4mL)中で合わせた。炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、1.1mL)を加えて、この反応物を窒素下90℃で18時間加熱した。溶媒を蒸発させて、酢酸エチルを加えてから、この反応混合物を濾過した。溶液を採取し、溶媒を蒸発させた。残渣をメタノール(2mL)中に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(2M、2mL)を加えてから、この反応物を20℃で3時間攪拌した。メタノールを真空下で除去し、残った水溶液を酢酸エチル/クロロホルム(1:1)で洗浄した。水相を塩化アンモニウム水溶液(1M)を使用して中和して、これを酢酸エチル/クロロホルム(1:1)を使用して抽出した。有機抽出物を水で洗浄し、疎水性フィルターを使用して乾燥させてから真空下で蒸発させたところ、5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-4-ビフェニルカルボン酸がクリーム色のゲルとして残った(41mg)。
LC-MS:Rt 3.02分。
【0181】
中間体7:4-ブロモ-3-(メチルオキシ)安息香酸メチル
4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸(1g)をメタノール(50mL)中に溶解し、これに濃硫酸(330μL)を加えてから、この反応混合物を16時間加熱還流した。該反応混合物を、水酸化ナトリウム水溶液(2M)を使用して中和することによりpH7とし、メタノールを真空下で蒸発させた。この混合物を水(50mL)と酢酸エチル/クロロホルム(1:1、2×100mL)に分配した。有機物を合わせ、疎水性フィルターを使用して乾燥させてから溶媒を蒸発させることにより、薄茶色の固体を得た(1g)。この固体をアセトン(25mL)中に溶解し、これに炭酸カリウム(680mg)を加えた。ヨウ化メチル(366μL)を滴加し、この混合物を窒素下20℃で22時間攪拌した。反応を水酸化ナトリウム水溶液(2M、1.1mL)で止めて、溶媒を蒸発させた。得られた固体を水と酢酸エチル/クロロホルム(1:1、2×100mL)に分配した。有機相を合わせ、水(100mL)で洗浄し、疎水性フィルターを通して乾燥させてから、溶媒を蒸発させたところ、4-ブロモ-3-(メチルオキシ)安息香酸メチルが緑褐色の固体として残った(980mg)。
LC-MS:Rt 3.13分。
【0182】
中間体8:5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-(メチルオキシ)-4-ビフェニルカルボン酸
中間体7(980mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(1.14g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(231mg)をイソプロパノール(36mL)中で合わせて、これに炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、12mL)を加えた。この反応物を、窒素下90℃で3時間攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させて、得られたゲルを酢酸エチル/クロロホルム(1:1、150mL)中に溶解してから、これを水(2×100mL)で洗浄した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させてから、真空内で蒸発させた。固体を、バイオタージ(biotage)(40g、Si)を使用し、シクロヘキサン中の酢酸エチル勾配(10〜20%)で溶出させて精製することにより、5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-(メチルオキシ)-4-ビフェニルカルボン酸(791mg)を得た。
LC-MS:Rt 3.03分、MH+ 344。
【0183】
中間体9:4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル
4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸(1g)をメタノール(25mL)中に溶解し、これに濃硫酸(165μL)を加えてから、この反応物を窒素下で16時間加熱還流した。溶媒を蒸発させて、酢酸エチル:クロロホルム(1:1、100mL)を加えた。この溶液を水酸化ナトリウム水溶液(2M)を使用して中和し、水(2×100mL)で洗浄し、疎水性フィルターを使用して乾燥させてから溶媒を蒸発させたところ、4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸メチルが白色固体として残った(1.04g)。
LC-MS:Rt 2.92分。
【0184】
中間体10:4-ブロモ-3-(プロピルオキシ)安息香酸メチル
中間体9(100mg)をトルエン(5mL)に加え、これにその後プロパン-1-オール(49μL)、トリブチルホスフィン(162μL)および1,1-アザジカルボニルジピペラジン(164mg)を加えて、この混合物を窒素下20℃で16時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、得られたゲルをエーテルとともに粉砕してから、白色固体を濾過により取り出した。溶媒をエーテル相から蒸発させて、残渣をSPE(5g、Si)で酢酸エチル/シクロヘキサン勾配(1〜10%)を用いて溶出させることにより精製した。溶媒を真空内で蒸発させたところ、4-ブロモ-3-(プロピルオキシ)安息香酸メチルが白色固体として残った(75mg)。
LC-MS:Rt 3.58分。
【0185】
中間体11:5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2'-メチル-2-(プロピルオキシ)-4-ビフェニルカルボン酸
中間体10 (75mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(79mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10mg)を、イソプロパノール(2.5mL)中で合わせた。水酸化ナトリウム水溶液(1M、0.81mL)を加えて、この反応物を窒素下90℃で5時間攪拌した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1、5mL)と水(5mL)に分配してから、水溶液を酢酸エチル/クロロホルム(1:1、2×5mL)で抽出した。有機相を合わせ、疎水性フィルターを使用して乾燥させてから蒸発させたところ、黄色のゲルが残った。残渣を、メタノール(1mL)および水酸化ナトリウム水溶液(2M、1mL)中、窒素下20℃で16時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1、2×10mL)と水(10mL)に分配した。水相を濃塩酸を使用して酸性化することによりpH1とし、これを酢酸エチル/クロロホルム(1:1)で抽出した。有機相を合わせ、疎水性フィルターを使用して乾燥させてから蒸発させたところ、白色固体が残った。この物質をSPEカートリッジ(1g、アミノプロピル)に適用し、該カートリッジをメタノール/クロロホルム(1:9)で洗浄してから、生成物を酢酸/メタノール/クロロホルム(1:1:8)で溶出させることにより、真空下での溶媒の蒸発後に、5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-(プロピルオキシ)-4-ビフェニルカルボン酸を無色のゲルとして得た(47mg)。
LC-MS:Rt 3.31分。
【0186】
中間体12:4-ブロモ-N-(2,2-ジメチルプロピル)-3-ヒドロキシベンズアミド
4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸(1g)を、塩化チオニル(10mL)中、窒素下85℃で4時間加熱した。過剰な塩化チオニルを真空下で蒸発させて、この反応混合物をDCM(10mL)中に溶解した。炭酸ナトリウム(975mg)およびネオペンチルアミン(800μL)を加えて、この反応物を20℃で18時間攪拌した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1、100mL)と水(2×100mL)に分配した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させてから蒸発させたところ、4-ブロモ-N-(2,2-ジメチルプロピル)-3-ヒドロキシベンズアミドが白色固体として残った(738mg)。
LC-MS:Rt 2.91分。
【0187】
中間体13:4-ブロモ-3-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オキシ}-N-(2,2-ジメチルプロピル)ベンズアミド
中間体12 (150mg)をトルエン(8mL)中に溶解し、3-ジメチルアミノ-1-プロパノール(92μL)、トリブチルホスフィン(194μL)および1,1-アザジカルボニルジピペラジン(198mg)を加えてから、この混合物を窒素下20℃で17時間攪拌した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣をエーテルとともに粉砕した。白色固体を濾過により除去し、濾液を濃縮乾固した。残渣を、SPE(10g、Si)で、酢酸エチル/シクロヘキサン勾配(50〜100%)、およびその後はメタノール/酢酸エチル(1:9)を用いて溶出させることにより精製した。溶媒を生成物画分から真空内で蒸発させたところ、4-ブロモ-3-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オキシ}-N-(2,2-ジメチルプロピル)ベンズアミドが黄色のゲルとして残った(108mg)。
LC-MS:Rt 2.26分。
【0188】
中間体14:4-ブロモ-3-[(3-ブロモプロピル)オキシ]-N-(2,2-ジメチルプロピル)ベンズアミド
中間体12(250mg)をトルエン(20mL)中に懸濁した。3-ブロモ-プロパン-1-オール (118μL)、トリブチルホスフィン(326μL)および1,1-アザジカルボニルジピペラジン(331mg)を加えて、この反応混合物を窒素下20℃で18時間攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させて、残渣をエーテルとともに粉砕した。白色固体を濾過により除去し、溶媒を濾液から蒸発させてから、残渣をSPE(50g、Si)で酢酸エチル/シクロヘキサン勾配(0〜100%)を用いて溶出させることにより精製した。溶媒を生成物画分から蒸発させることにより、4-ブロモ-3-[(3-ブロモプロピル)オキシ]-N-(2,2-ジメチルプロピル)ベンズアミドを白色固体として得た(274mg)。
LC-MS:Rt 3.59分。
【0189】
中間体15:2’-[(3-ブロモプロピル)オキシ]-N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
中間体14(270mg)、N-シクロプロピル-4-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラニル)ベンズアミド(239mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg)をイソプロパノール(6mL)中で合わせて、これに炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、2mL)を加えた。この反応物を、窒素下90℃で5時間攪拌した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣を水(50mL)と酢酸エチル/クロロホルム(1:1、50mL)に分配した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させて、溶媒を蒸発させたところ、茶色の固体が残った。残渣を、SPE(70g、Si)で、酢酸エチル/シクロヘキサン勾配(0〜100%)を用いて溶出させることにより精製した。溶媒を生成物画分から蒸発させることにより、2’-[(3-ブロモプロピル)オキシ]-N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを黄色のゲルとして得た(205mg)。
LC-MS:Rt 3.43分、MH+ 501/503。
【0190】
中間体16:4-ブロモ-3-({2-[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}オキシ)安息香酸メチル
4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(231mg)およびN-(2-ヨードエチル)メタンスルホンアミド(274mg)をDMF(10mL)中に溶解し、これに水素化ナトリウム(64mg、鉱油中の60%分散物)を加えてから、この反応物を80℃で20時間加熱した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣をSPE(5g、Si)でクロロホルム/メタノール勾配(0〜5%メタノール)を用いて溶出させることにより精製した。溶媒を真空下で生成物画分から蒸発させることにより、4-ブロモ-3-({2-[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}オキシ)安息香酸メチルを無色のゲルとして得た(83mg)。
LC-MS:Rt 2.80分。
【0191】
中間体17:5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-({2-[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}オキシ)-4-ビフェニルカルボン酸
中間体16(80mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(65mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10mg)をイソプロパノール(2mL)中で合わせ、これに炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、690μL)を加えてから、この反応物を窒素下90℃で18時間加熱した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1、2×10mL)と水に分配した。有機相を合わせ、疎水性フィルターを使用して乾燥させてから、溶媒を真空下で蒸発させることにより、白色の泡を得た。この泡をメタノール(7.5mL)中に溶解し、水酸化ナトリウム水溶液(2M、7.5mL)を加えてから、この反応物を窒素下20℃で3時間攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1、30mL)と水(2×30mL)に分配した。水相を濃塩酸を使用して酸性化することによりpH1とし、これを酢酸エチル/クロロホルム(1:1、3×30mL)で抽出した。有機相を合わせ、これを疎水性フィルターを使用して乾燥させてから蒸発させることにより、5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-({2-[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}オキシ)-4-ビフェニルカルボン酸を無色のゲルとして得た(79mg)。
LC-MS:Rt 2.83分。
【0192】
中間体18:4-ブロモ-3-{[2-(4-モルホリニル)エチル]オキシ}安息香酸メチル
4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(143mg)および4-(2-ヨードエチル)モルホリン・HCl(189mg)をDMF(10mL)中で合わせた。水素化ナトリウム(55mg、鉱油中の60%分散物)を加えて、この反応物を窒素下80℃で5時間加熱した。反応を水(10mL)で止めて、溶媒を真空下で蒸発させた。酢酸エチル/クロロホルム(1:1、30mL)および水(30mL)を残渣に加えると固体が析出したので、これを濾過により取り出してからエーテルで洗浄した。該固体を、酢酸エチル/クロロホルム(1:1、2×50mL)と炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、50mL)に分配した。有機相を合わせ、疎水性フィルターを通して乾燥させてから蒸発させることにより、4-ブロモ-3-{[2-(4-モルホリニル)エチル]オキシ}安息香酸メチルを黄色のゲルとして得た(103mg)。
LC-MS:Rt 2.11分。
【0193】
中間体19:5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-{[2-(4-モルホリニル)エチル]オキシ}-4-ビフェニルカルボン酸
中間体18(100mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(83mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(15mg)を、イソプロパノール(2.6mL)中で合わせた。炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、0.87mL)を加えて、この反応物を窒素下90℃で17時間加熱した。溶媒を蒸発させて、残渣を水(15mL)と酢酸エチル/クロロホルム(1:1、15mL)に分配した。水相を塩酸(2M)を使用して酸性化することによりpH7とし、これを酢酸エチル/クロロホルム(1:1、2×15mL)で抽出した。有機相を合わせ、疎水性フィルターを使用して乾燥させてから、真空内で蒸発させた。残渣を、SPE(2g Si)で、メタノール/クロロホルム勾配(0〜10%)を用いて溶出させることにより精製した。溶媒を生成物画分から蒸発させることにより、5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-{[2-(4-モルホリニル)エチル]オキシ}-4-ビフェニルカルボン酸を白色固体として得た(25mg)。
LC-MS:Rt 2.28分。
【0194】
中間体20:4-ブロモ-3-{[2-(4-モルホリニル)-2-オキソエチル]オキシ}安息香酸メチル
4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸メチル(71mg)および4-(ブロモアセチル)モルホリン(71mg)を、DMF(5mL)中で合わせた。水素化ナトリウム(14mg、鉱油中の60%分散物)を加えて、この反応物を窒素下80℃で16時間加熱した。反応を水(2mL)で止めて、溶媒を真空内で蒸発させた。残渣を水(10mL)と酢酸エチル/クロロホルム(1:1、2×10mL)に分配した。有機相を合わせ、疎水性フィルターで乾燥させてから、真空下で蒸発させた。残渣を、SPE(2g、Si)でメタノール/クロロホルム勾配(0.5%〜5%)を用いて溶出させることにより部分的に精製し、生成物画分をmdapでさらに精製することにより、4-ブロモ-3-{[2-(4-モルホリニル)-2-オキソエチル]オキシ}安息香酸メチルを白色固体として得た(16mg)。
LC-MS:Rt 2.72分。
【0195】
中間体21:5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-{[2-(4-モルホリニル)-2-オキソエチル]オキシ}-4-ビフェニルカルボン酸
中間体20(16mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(13mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3mg)を、イソプロパノール(0.4mL)中で合わせた。炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、135μL)を加えて、この反応物を窒素下90℃で6時間加熱した。溶媒を蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1)と水に分配した。水相を2M塩酸を使用して酸性化することによりpH1とし、これを酢酸エチル/クロロホルム(1:1)で抽出した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させてから真空内で蒸発させることにより、5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2’-メチル-2-{[2-(4-モルホリニル)-2-オキソエチル]オキシ}-4-ビフェニルカルボン酸を無色のゲルとして得た(11mg)。
LC-MS:Rt 2.75分。
【0196】
中間体22:4-[(2-ブロモ-5-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]カルボニル}フェニル)オキシ]ブタン酸メチル
中間体12 (200mg)および4-ヨード酪酸メチル(157μL)を、DMF(10mL)中で合わせた。水素化ナトリウム(37mg、鉱油中の60%分散物)を加えて、この反応物を窒素下で80℃で6時間加熱した。反応を水(5mL)で止めて、溶媒を真空内で蒸発させた。残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1)と水に分配した。有機物を疎水性フィルターを使用して乾燥させて、溶媒を蒸発させることにより、4-[(2-ブロモ-5-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]カルボニル}フェニル)オキシ]ブタン酸メチルを茶色の粘性物質として得た(368mg)。
LC-MS:Rt 3.33分。
【0197】
中間体23:3-{[4-(アセチルオキシ)ブチル]オキシ}-4-ブロモ安息香酸エチル
4-ブロモ-3-ヒドロキシ安息香酸エチル(200mg)をDMF(10mL)中に溶解し、これに酢酸4-ヨード-ブチル(195μL)および水素化ナトリウム(56mg、鉱油中の60%分散物)を加えてから、この反応物を窒素下80℃で3時間攪拌した。反応を水(5mL)で止めて、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1)と水に分配した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させて、溶媒を真空内で蒸発させることにより、3-{[4-(アセチルオキシ)ブチル]オキシ}-4-ブロモ安息香酸エチルを黄色のゲルとして得た(318mg)。
LC-MS:Rt 3.47分。
【0198】
中間体24:5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2-[(4-ヒドロキシブチル)オキシ]-2’-メチル-4-ビフェニルカルボン酸
中間体23(318mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(252mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(45mg)をイソプロパノール中で合わせて、これに炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、2.7mL)を加えた。この反応物を、窒素下90℃で6時間攪拌した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1)と水に分配した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させて、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣をメタノール(10mL)中に溶解し、これに水酸化ナトリウム水溶液(2M、10mL)を加えてから、この反応物を20℃で18時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1)と水に分配した。水相を濃塩酸を使用して酸性化することによりpH1とし、これを酢酸エチル/クロロホルム(1:1)で抽出した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させてから蒸発させて、残渣をSPE(5g、Si)でメタノール/クロロホルム勾配(1〜10%)を用いて溶出させることにより精製した。溶媒を真空内で生成物画分から蒸発させることにより、5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3’-フルオロ-2-[(4-ヒドロキシブチル)オキシ]-2’-メチル-4-ビフェニルカルボン酸をクリーム色の固体として得た(140mg)。
LC-MS:Rt 2.85分。
【0199】
中間体25:1,1-ジメチルエチル2-{4-[(5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-4-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]カルボニル}-3’-フルオロ-2’-メチル-2-ビフェニリル)オキシ]ブタノイル}ヒドラジンカルボキシレート
実施例33(45mg)、HATU(33mg)およびジイソプロピルエチルアミン(49μL)をDMF(5mL)中で合わせて、この反応物を10分間放置した。カルバジン酸t-ブチル(25mg)を加えて、この反応物を窒素下20℃で5時間攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させて、残渣をSPE(2g、アミノプロピル)でクロロホルム中の10%メタノールを用いて溶出させることにより精製した。この生成物を、SPE(2g、Si)で、酢酸エチル/シクロヘキサン勾配(10〜50%)を用いて溶出させることによりさらに精製した。溶媒を蒸発させることにより、1,1-ジメチルエチル2-{4-[(5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-4-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]カルボニル}-3’-フルオロ-2’-メチル-2-ビフェニリル)オキシ]ブタノイル}ヒドラジンカルボキシレートを白色の泡として得た(41mg)。
LC-MS:Rt 3.28分、MH+ 599。
【0200】
中間体26:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-[(4-ヒドラジノ-4-オキソブチル)オキシ]-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
中間体25(40mg)を1,4-ジオキサン中の塩酸(4M、2.5mL)に溶解し、これを窒素下20℃で4時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1)と水に分配した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させてから蒸発させることにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-[(4-ヒドラジノ-4-オキソブチル)オキシ]-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(24mg)。
LC-MS:2.94分、MH+ 499。
【0201】
中間体27:4-ブロモ-3-{[(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル]オキシ}-N-(2,2-ジメチルプロピル)ベンズアミド
中間体12(46mg)、4-(ブロモメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン(62mg)をDMF(0.5mL)中で合わせて、これに水素化ナトリウム(12mg、鉱油中の60%分散物)を加えてから、この反応物を窒素下80℃で40時間加熱した。反応を水(10mL)で止めて、酢酸エチル/クロロホルム(1:1、2×10mL)で抽出した。有機相を合わせ、疎水性フィルターを使用して乾燥させてから、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を2,2-ジメチルオキシプロパン(2mL)中に溶解し、これにp-トルエンスルホン酸ピリジニウム(5mg)を加えてから、この反応物を8日間攪拌した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣を水(10mL)と酢酸エチル/クロロホルム(1:1、10mL)に分配した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させてから、溶媒を蒸発させることにより、4-ブロモ-3-{[(2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチル]オキシ}-N-(2,2-ジメチルプロピル)ベンズアミドを黄色のゲルとして得た(43mg)。
LC-MS:Rt 3.29分。
中間体28:4-ブロモ-3-ホルミル安息香酸
4-ブロモ-3-(ジブロモメチル)安息香酸(3.7g)を炭酸ナトリウム水溶液(100mL中16g) に加えて、この混合物を70℃で12時間加熱した。冷ました反応物のpHを塩酸(2N)を使用してpH5に調整し、この混合物を酢酸エチルで抽出することにより、真空内での溶媒の蒸発後に、4-ブロモ-3-ホルミル安息香酸を得た。
NMR: δH D6-DMSO 13.53,(1H, b), 10.23,(1H, s), 8.31,(1H, d), 8.08,(1H, dd), 7.94,(1H, d)。
【0202】
中間体29:塩化4-ブロモ-3-ホルミルベンゾイル
中間体28(886mg)および塩化チオニル(4mL)を、窒素下で1時間加熱還流した。過剰な塩化チオニルを真空内で蒸発させて、残渣をトルエン(5mL×3)と共沸させることにより、塩化4-ブロモ-3-ホルミルベンゾイルを黄色/白色固体として得た。
NMR:δH CDCl3 10.41,(1H,s), 8.64,(1H, d), 8.15,(1H, dd), 7.86,(1H, d)。
【0203】
中間体30:4-ブロモ-N-(2,2-ジメチルプロピル)-3-{(E)-[(2,2-ジメチルプロピル)イミノ]メチル}ベンズアミド
トリエチルアミン(1.55mL)およびネオペンチルアミン(1.09mL)を、DCM(16mL)中の中間体29(914mg)の溶液に加えた。その後、この反応物を氷浴中で冷却し、これを1時間攪拌した。この反応混合物を炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルに分配した。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を真空下で濃縮乾固することにより、4-ブロモ-N-(2,2-ジメチルプロピル)-3-{(E)-[(2,2-ジメチルプロピル)イミノ]メチル}ベンズアミドを得た。
LC-MS:Rt 3.07分。
【0204】
中間体31:4-ブロモ-N-(2,2-ジメチルプロピル)-3-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]メチル}ベンズアミド
トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(318mg)を無水THF (2mL)中の中間体30(110mg)の溶液に滴加し、この反応物を窒素下で2時間攪拌した。メタノールを該反応物に加え、この混合物を攪拌してから、溶媒を真空内で蒸発させた。得られた固体を水と酢酸エチルに分配し、有機相を水で洗浄(×2)してから、真空下で濃縮乾固した。残渣を最少量のDCM中に溶解し、これをSPE(シリカ、2g)に適用してからメタノール/DCM勾配(1〜2% メタノール)で溶出させることにより、真空内での溶媒の蒸発後に、4-ブロモ-N-(2,2-ジメチルプロピル)-3-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]メチル}ベンズアミドを白色固体として得た。
LC-MS:Rt 2.38分、MH+ 369/371。
【0205】
中間体32:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-ホルミル-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
イソプロパノール(0.6mL)中の中間体30(36.7mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(23.7mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1mg)および炭酸水素ナトリウム(1M、0.3mL)を、密閉容器中、150℃で15分間、マイクロ波により加熱した。冷ました反応物を水と酢酸エチルに分配し、有機相を濃縮乾固した。残渣を分取HPLC(mdap)で精製することにより、溶媒の蒸発後に、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-ホルミル-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.26分、MH+ 411。
【0206】
中間体33:塩化4-ブロモ-3-ニトロベンゾイル
塩化チオニル(3mL)中の4-ブロモ-3-ニトロ安息香酸(500mg)を、110℃で2時間加熱した。過剰な塩化チオニルを真空内で蒸発させることにより、塩化4-ブロモ-3-ニトロベンゾイルを黄色固体として得た(502mg)。
NMR:δH CDCl3 8.56,(1H, d), 8.15,(1H, dd), 7.96,(1H, d)。
【0207】
中間体34:4-ブロモ-N-(2,2-ジメチルプロピル)-3-ニトロベンズアミド
ネオペンチルアミン(265μL)を、DCM(5mL)中の中間体33(500mg)と炭酸ナトリウム(240mg)の混合物に加え、この反応物を室温で5時間攪拌した。該反応物を濾過し、濾液をSPE(SCX)に通した。溶離液を真空下で濃縮乾固することにより、4-ブロモ-N-(2,2-ジメチルプロピル)-3-ニトロベンズアミドを黄色固体として得た(615mg)。
LC-MS:Rt 3.19分。
【0208】
中間体35:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-ニトロ-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
中間体34(350mg)、N-シクロプロピル-4-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ベンズアミド(334mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(26mg)および炭酸水素ナトリウム(1M、4.4mL)を、イソプロパノール(30mL)中、85℃で18時間加熱した。この反応物を濃縮乾固し、残渣をクロロホルム/酢酸エチル(1:1)と水に分配した。有機相を水で洗浄(2×50mL)し、乾燥(疎水性フリット)させてから、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を、シリカゲルカラム上で、酢酸エチル/シクロヘキサン勾配(0〜100%酢酸エチル)を用いて溶出させることにより精製したところ、真空内での溶媒の蒸発後に、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-ニトロ-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド(360mg)を黄色固体として得た。
LC-MS:MH+ 310、Rt 3.15分。
【0209】
実施例1:N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-2’-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-フルオロ-6-メチル-1,1’-ビフェニル-3,4’-ジカルボキサミド
【化31】

【0210】
N-シクロプロピルメチル-3-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-4-ヨードベンズアミド(中間体1)(42mg)、N-シクロプロピル-5-フルオロ-4-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-ベンズアミド(38mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2mg)および炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、0.3mL)を、プロパン-2-オール(2mL)中、90℃で20時間反応させた。溶媒を真空下で蒸発させて、残渣をボンドエルート(bond-elut)(シリカ、10g)でメタノール/クロロホルム勾配(1〜10%メタノール)を用いて溶出させることにより精製したところ、溶媒を蒸発させた後に、N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-2’-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]-5-フルオロ-6-メチル-1,1’-ビフェニル-3,4’-ジカルボキサミドを得た。
NMR:δH CDCl3 7.50-7.48,(2H, m), 7.35-7.31,(2H, m), 7.19,(1H, d), 6.57,(1H, bs), 6.36,(1H, bt), 4.12,(2H, q), 3.33,(2H, m), 2.88,(1H, m), 2.60,(2H, m), 2.19,(6H, s), 2.07,(3H, d), 1.09,(1H, m), 0.87,(2H, m), 0.62-0.57,(4H, m), 0.31,(2H, m)。LCMS:MH+ 454、保持時間2.35分。
【0211】
一般法A(HATUアミドカップリング)
二アリール酸(bi-aryl acid)(1当量)およびHATU(1.12当量)を、DMF中で合わせた。ジイソプロピルエチルアミン(3当量)を加えて、この反応混合物を10分間放置した。アミン (1.1当量)を加えて、この反応物を窒素下20℃で16時間攪拌した。DMFを真空下で除去し、この反応混合物をアミノプロピルSPEでメタノール/クロロホルム(1:9)を用いて溶出させることにより精製した。生成物含有画分を合わせて、これを真空下で蒸発させた。
【0212】
実施例2:N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-[(4-メチルフェニル)メチル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化32】

【0213】
中間体6(38mg)を、一般法Aに従って4-メチルベンジルアミンと反応させた。得られた黄色のゲルを、1,4-ジオキサン中の塩酸(4M、4mL)中、20℃で17時間攪拌した。溶媒を蒸発させると白色固体が残り、これをmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-[(4-メチルフェニル)メチル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(19mg)。
LC-MS:Rt 3.16分、MH+ 433。
【0214】
実施例3:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化33】

【0215】
中間体6(48mg)を、一般法Aに従ってネオペンチルアミンと反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.22分、MH+ 443。
【0216】
実施例4:N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-N4’-(2-メチルプロピル)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化34】

【0217】
中間体6(48mg)を、一般法Aに従ってイソブチルアミンと反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-N4’-(2-メチルプロピル)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.16分、MH+ 429。
【0218】
実施例5:N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化35】

【0219】
中間体6(48mg)を、一般法Aに従ってシクロプロパンメチルアミンと反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.08分、MH+ 427。
【0220】
実施例6:N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-N4’-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化36】

【0221】
中間体6(48mg)を、一般法Aに従ってp-メトキシベンジルアミンと反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-N4’-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.23分、MH+ 493。
【0222】
実施例7:N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-N4’-[(1R)-1,2,2-トリメチルプロピル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化37】

【0223】
中間体6(48mg)を、一般法Aに従って(R)-3,3-ジメチル-2-ブチルアミンと反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-N4’-[(1R)-1,2,2-トリメチルプロピル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.35分、MH+ 457。
【0224】
実施例8:N3-シクロプロピル-N4’-[(1R)-1,2-ジメチルプロピル]-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化38】

【0225】
中間体6(48mg)を、一般法Aに従って(R)-(-)-3-メチル-2-ブチルアミンと反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-N4’-[(1R)-1,2-ジメチルプロピル]-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[(メチルオキシ)メチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.25分、MH+ 443。
【0226】
実施例9:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化39】

【0227】
実施例3を、1,4-ジオキサン中の塩酸(4M、1mL)中、20℃で18時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、この試料をmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.11分、MH+ 398。
【0228】
実施例10:N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-(2-メチルプロピル)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化40】

【0229】

実施例4 を、1,4-ジオキサン中の塩酸(4M、1mL)中、20℃で18時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、この試料をSPE(1g、Si)で1カラム容量のクロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチルおよびアセトンを用いて溶出させることにより精製した。酢酸エチル相を蒸発させることにより、N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-(2-メチルプロピル)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 2.99分、MH+ 385。
【0230】
実施例11:N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化41】

【0231】
実施例5を、1,4-ジオキサン中の塩酸(4M、1mL)中、20℃で18時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、この試料をSPE(1g、Si)で1カラム容量のクロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチルおよびアセトンを用いて溶出させることにより精製した。酢酸エチル相を蒸発させることにより、N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 2.90分、MH+ 382。
【0232】
実施例12:N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化42】

【0233】
実施例6を、1,4-ジオキサン中の塩酸(4M、1mL)中、20℃で18時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、この試料をSPE(1g、Si)で1カラム容量のクロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチルおよびアセトンを用いて溶出させることにより精製した。 酢酸エチル相およびエーテル相を蒸発させることにより、N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
【0234】
LC-MS:3.08分、MH+ 449。
実施例13:N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-[(1R)-1,2,2-トリメチルプロピル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化43】

【0235】
実施例7を、1,4-ジオキサン中の塩酸(4M、1mL)中、20℃で18時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、この試料をmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-N4’-[(1R)-1,2,2-トリメチルプロピル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:3.19分、MH+ 413。
【0236】
実施例14:N3-シクロプロピル-N4’-[(1R)-1,2-ジメチルプロピル]-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化44】

【0237】
実施例8を、1,4-ジオキサン中の塩酸(4M、1mL)中、20℃で18時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、この試料をSPE(1g、Si)で1カラム容量のクロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチルおよびアセトンを用いて溶出させることにより精製した。酢酸エチル相を蒸発させることにより、N3-シクロプロピル-N4’-[(1R)-1,2-ジメチルプロピル]-5-フルオロ-2’-ヒドロキシ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.08分、MH+ 398。
【0238】
実施例15:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化45】

【0239】
中間体8を、一般法Aに従ってネオペンチルアミンと反応させた。残渣を、SPE(500mg、SCX)を使用し、クロロホルムで溶出させることにより、さらに精製した。溶媒を蒸発させると無色のゲルが残り、これをエーテルとともに粉砕することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(32.2mg)。
LC-MS:Rt 3.34分、MH+ 413。
【0240】
実施例16:N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-N4’-(2-メチルプロピル)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化46】

【0241】
中間体8を、一般法Aに従ってイソブチルアミンと反応させた。残渣を、SPE(500mg、SCX)を使用し、クロロホルムで溶出させることにより、さらに精製した。溶媒を蒸発させると無色のゲルが残り、これをエーテルとともに粉砕することにより、N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-N4’-(2-メチルプロピル)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(33.1mg)。
LC-MS:Rt 3.22分、MH+ 399。
【0242】
実施例17:N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化47】

【0243】
中間体8を、一般法Aに従ってシクロプロピルメチルアミンと反応させた。残渣を、SPE(500mg、SCX)を使用し、クロロホルムで溶出させることにより、さらに精製した。溶媒を蒸発させると無色のゲルが残り、これをエーテルとともに粉砕することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(シクロプロピルメチル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(31.2mg)。
LC-MS:Rt 3.13分、MH+ 397。
【0244】
実施例18:N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-N4’-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化48】

【0245】
中間体8を、一般法Aに従って4-メトキシベンジルアミンと反応させた。残渣を、SPE(500mg、SCX)を使用し、クロロホルムで溶出させることにより、さらに精製した。溶媒を蒸発させると無色のゲルが残り、これをエーテルとともに粉砕することにより、N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-N4’-{[4-(メチルオキシ)フェニル]メチル}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(17.5mg)。
LC-MS:Rt 3.30分、MH+ 463。
【0246】
実施例19:N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-N4’-[(1R)-1,2,2-トリメチルプロピル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化49】

【0247】
中間体8を、一般法Aに従って(R)-3,3-ジメチル-2-ブチルアミンと反応させた。残渣を、SPE(500mg、SCX)を使用し、クロロホルムで溶出させることにより、さらに精製した。溶媒を蒸発させると無色のゲルが残り、これをエーテルとともに粉砕することにより、N3-シクロプロピル-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-N4’-[(1R)-1,2,2-トリメチルプロピル]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(20.0mg)。
LC-MS:Rt 3.41分、MH+ 427。
【0248】
実施例20:N3-シクロプロピル-N4’-[(1R)-1,2-ジメチルプロピル]-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化50】

【0249】
中間体8を、一般法Aに従って(R)-(-)-3-メチル-2-ブチルアミンと反応させた。残渣を、SPE(500mg、SCX)を使用し、クロロホルムで溶出させることにより、さらに精製した。溶媒を蒸発させると無色のゲルが残り、これをエーテルとともに粉砕することにより、N3-シクロプロピル-N4’-[(1R)-1,2-ジメチルプロピル]-5-フルオロ-6-メチル-2’-(メチルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(24.0mg)。
LC-MS:Rt 3.31分、MH+ 413。
【0250】
実施例21:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-(プロピルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化51】

【0251】
中間体11(47mg)およびHATU(67mg)をDMF(5mL)中で合わせて、ジイソプロピルエチルアミン(83μL)を加えてから、この反応混合物を室温で5分間放置した。ネオペンチルアミン(30μL)を加え、この混合物を窒素下20℃で19時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残渣をmdapにより精製したところ、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-(プロピルオキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドが白色固体として残った(10mg)。
LC-MS:Rt 3.50分、MH+ 441。
【0252】
実施例22:N3-シクロプロピル-2’-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オキシ}-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化52】

【0253】
中間体13(30mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(23mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mg)を、イソプロパノール(0.7mL)中で合わせた。炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、243μL)を加え、この反応物を窒素下90℃で4時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1、2×5mL)と水(5mL)に分配した。有機相を合わせ、疎水性フィルターを使用して乾燥させてから、溶媒を真空内で蒸発させた。得られたゲルをmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-2’-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オキシ}-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを無色のゲルとして得た(20mg)。
LC-MS:Rt 2.53分、MH+ 484。
【0254】
実施例23:N3-シクロプロピル-2’-{[3-(ジエチルアミノ)プロピル]オキシ}-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化53】

【0255】
中間体15(20mg)をクロロホルム(0.5mL)中に溶解し、ジエチルアミン(42μL)を加えてから、この反応物を20℃で16時間放置した。溶媒を除去し、残渣をmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-2’-{[3-(ジエチルアミノ)プロピル]オキシ}-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを無色のゲルとして得た(15.4mg)。
LC-MS:Rt 2.44分、MH+ 494。
【0256】
実施例24:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-{[3-(4-モルホリニル)プロピル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化54】

【0257】
中間体15(20mg)をクロロホルム(0.5mL)中に溶解し、モルホリン(35μL)を加えてから、この反応物を20℃で16時間放置した。溶媒を蒸発させて、残渣をmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-{[3-(4-モルホリニル)プロピル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを無色のゲルとして得た(17.4mg)。
LC-MS:Rt 2.40分、MH+ 508。
【0258】
実施例25:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-({3-[(1-メチルエチル)アミノ]プロピル}オキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化55】

【0259】
中間体15(20mg)をクロロホルム(0.5mL)中に溶解し、イソプロピルアミン(68μL)を加えてから、この反応物を20℃で19時間放置した。溶媒を蒸発させて、残渣をmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-({3-[(1-メチルエチル)アミノ]プロピル}オキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを無色のゲルとして得た(0.7mg)。
LC-MS:Rt 2.44分、MH+ 480。
【0260】
実施例26:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-2’-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル}オキシ)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化56】

【0261】
中間体15(20mg)をクロロホルム(0.5mL)中に溶解し、2-(メチルアミノ)-エタノール (32μL)を加えてから、この反応物を20℃で16時間放置した。溶媒を蒸発させて、残渣をmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-2’-({3-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]プロピル}オキシ)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを無色のゲルとして得た(14.7mg)。
LC-MS:Rt 2.38分、MH+ 496。
【0262】
実施例27:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-({3-[メチル(1-メチルエチル)アミノ]プロピル}オキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化57】

【0263】
中間体15(20mg)をクロロホルム(0.5mL)中に溶解し、N-メチル-イソプロピルアミン (41μL)を加えてから、この反応物を20℃で16時間放置した。溶媒を蒸発させて、残渣をmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-({3-[メチル(1-メチルエチル)アミノ]プロピル}オキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを無色のゲル(13.8mg)として得た。
LC-MS:Rt 2.44分、MH+ 494。
【0264】
実施例28:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-{[3-(1-ピロリジニル)プロピル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化58】

【0265】
中間体15 (20mg)をクロロホルム(0.5mL)中に溶解し、ピロリジン(34μL)を加えてから、この反応物を20℃で18時間放置した。溶媒を蒸発させて、残渣をmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-{[3-(1-ピロリジニル)プロピル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを無色のゲルとして得た(10.9mg)。
LC-MS:Rt 2.43分、MH+ 492。
【0266】
実施例29:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-({2-[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}オキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化59】

【0267】
中間体17(34mg)、HATU(27mg)およびジイソプロピルアミン(39μL)をDMF(2mL)中で合わせて、この反応混合物を10分間放置した。ネオペンチルアミン(39μL)を加えて、この反応混合物を窒素下20℃で21時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残渣をSPE(1g、アミノプロピル)でクロロホルム中の20%メタノールを用いて溶出させることにより精製した。溶媒を真空内で蒸発させると黄色のゲルが残り、これをmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-({2-[(メチルスルホニル)アミノ]エチル}オキシ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(22mg)。
LC-MS:Rt 3.08分、MH+ 520。
【0268】
実施例30:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[2-(4-モルホリニル)エチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化60】

【0269】
中間体19(20mg)、HATU(16mg)およびジイソプロピルアミン(23μL)をDMF(1mL)中で合わせて、この混合物を20℃で5分間放置した。ネオペンチルアミン(8μL)を加えて、この反応物を20℃で19時間放置した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣をSPE(1g、アミノプロピル)でクロロホルム中の10%メタノールを用いて溶出させることにより精製した。 溶媒を蒸発させて、残渣をmdapで精製することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[2-(4-モルホリニル)エチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを無色のゲルとして得た(16mg)。
LC-MS:Rt 2.42分、MH+ 512。
【0270】
実施例31:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[2-(4-モルホリニル)-2-オキソエチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化61】

【0271】
中間体21(11mg)、HATU(9mg)およびジイソプロピルアミン(13μL)を無水DMF(0.5mL)中で合わせて、これを20℃で5分間放置した。ネオペンチルアミン(10μL)を加え、この反応物を、時折振盪しながら20℃で16時間放置した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣を、SPE(1g、アミノプロピル)を使用し、クロロホルム中の10%メタノールで溶出させることにより精製した。溶媒を蒸発させると無色のゲルが残り、これをmdapでさらに精製することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[2-(4-モルホリニル)-2-オキソエチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを無色のゲルとして得た(6.4mg)。
LC-MS:Rt 3.02分、MH+ 526。
実施例32:4-[(5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-4-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]カルボニル}-3’-フルオロ-2’-メチル-2-ビフェニリル)オキシ]ブタン酸
【化62】

【0272】
中間体22(368mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(270mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(50mg)をイソプロパノール(8.5mL)中で合わせて、これに炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、2.85mL)を加えた。この反応物を、窒素下90℃で19時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残渣を酢酸エチルと水に分配した。有機相を蒸発させて、残渣をメタノール(10mL)および水酸化ナトリウム水溶液(2M、10mL)中、窒素下で3時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残渣を酢酸エチル/クロロホルム(1:1)と水に分配した。水相を塩酸(2M)を使用して酸性化することによりpH1とし、これを酢酸エチル/クロロホルム(1:1)で抽出した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させてから蒸発させると茶色のゲルが残り、これをジエチルエーテル中で粉砕することにより、4-[(5’-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-4-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]カルボニル}-3’-フルオロ-2’-メチル-2-ビフェニリル)オキシ]ブタン酸を灰色固体として得た。
LC-MS:Rt 3.16分、MH+ 485。
【0273】
実施例33:2’-[(4-アミノ-4-オキソブチル)オキシ]-N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化63】

【0274】
実施例32(20mg)を、一般法Aに従って0.880アンモニア水溶液(20μL)と反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、2’-[(4-アミノ-4-オキソブチル)オキシ]-N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 2.99分、MH+ 484。
【0275】
実施例34:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[4-(メチルアミノ)-4-オキソブチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化64】

【0276】
実施例32(20mg)を、一般法Aに従ってTHF中のメチルアミン(2M、100μL)と反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[4-(メチルアミノ)-4-オキソブチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.06分、MH+ 498。
【0277】
実施例35:N3-シクロプロピル-2’-{[4-(ジメチルアミノ)-4-オキソブチル]オキシ}-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化65】

【0278】
実施例32(20mg)を、一般法Aに従ってTHF中のジメチルアミン(2M、100μL)と反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-2’-{[4-(ジメチルアミノ)-4-オキソブチル]オキシ}-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.13分、MH+ 512。
【0279】
実施例36:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-2’-{[4-(エチルアミノ)-4-オキソブチル]オキシ}-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化66】

【0280】
実施例32(20mg)を、一般法Aに従ってTHF中のエチルアミン(2M、100μL)と反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-2’-{[4-(エチルアミノ)-4-オキソブチル]オキシ}-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.16分、MH+ 512。
【0281】
実施例37:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[4-オキソ-4-(1-ピロリジニル)ブチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化67】

【0282】
実施例32(20mg)を、一般法Aに従ってピロリジン(17μL)と反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[4-オキソ-4-(1-ピロリジニル)ブチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.19分、MH+ 538。
【0283】
実施例38:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[4-(4-モルホリニル)-4-オキソブチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化68】

【0284】
実施例32(20mg)を、一般法Aに従ってモルホリン(18μL)と反応させた。mdapを使用してさらなる精製を行うことにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[4-(4-モルホリニル)-4-オキソブチル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LC-MS:Rt 3.10分、MH+ 554。
【0285】
実施例39:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-[(4-ヒドロキシブチル)オキシ]-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化69】

【0286】
中間体24(49mg)、HATU(43mg)およびジイソプロピルアミン(64μL)をDMF(3mL)中で合わせて、これを20℃で5分間放置した。ネオペンチルアミン(25μL)を加え、この反応物を窒素下20℃で5時間攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させて、残渣を、SPE(1g、アミノプロピル)を使用し、クロロホルム中の10%メタノールで溶出させることにより部分的に精製した。mdapを使用して生成物をさらに精製することにより、溶媒の蒸発後に、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-[(4-ヒドロキシブチル)オキシ]-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを無色のゲルとして得た(27mg)。
LC-MS:Rt 3.15分、MH+ 471。
【0287】
実施例40:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[3-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)プロピル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化70】

【0288】
中間体26(20mg)をオルトギ酸トリエチル(2mL)に加え、これを窒素下80℃で48時間、その後は130℃で3時間、冷却器を使用せずに加熱した。過剰なオルトギ酸トリエチルを真空内で蒸発させて、残渣をmdapで精製することにより、溶媒の蒸発後に、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-6-メチル-2’-{[3-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)プロピル]オキシ}-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た。
LC-MS:Rt 3.14分、MH+ 509。
【0289】
実施例41:N3-シクロプロピル-2’-[(2,3-ジヒドロキシプロピル)オキシ]-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化71】

【0290】
中間体27(43mg)、N-シクロプロピル-4-メチル-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラニル)ベンズアミド(39mg)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(5mg)をイソプロパノール(1mL)中で合わせて、これに炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、321μL)を加えた。この反応物を、窒素下90℃で16時間加熱した。溶媒を真空内で蒸発させて、残渣を水(10mL)と酢酸エチル:クロロホルム(1:1、10mL)に分配した。有機相を疎水性フィルターを使用して乾燥させて、溶媒を真空下で蒸発させた。残渣を1,4-ジオキサン中の塩酸(4M、2mL)中、20℃で3時間攪拌した。溶媒を蒸発させて、残渣をmdapにより精製してから、これをSPE(1g、Si)を使用して酢酸エチル/シクロヘキサン勾配(0〜100%)で溶出させることによりさらに精製した。生成物含有画分を合わせて、これを真空内で蒸発させることにより、N3-シクロプロピル-2’-[(2,3-ジヒドロキシプロピル)オキシ]-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを黄色のゲルとして得た(7mg)。
LC-MS:Rt 2.75分、MH+ 455。
【0291】
実施例42:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-2’-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]メチル}-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化72】

【0292】
イソプロパノール(1.5mL)中の中間体31(28mg)、{5-[(シクロプロピルアミノ)カルボニル]-3-フルオロ-2-メチルフェニル}ボロン酸(20.5mg)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2mg)および炭酸水素ナトリウム水溶液(1M、0.6mL)を、密閉容器中、150℃で15分間、マイクロ波により加熱した。この反応物を分取HPLC(mdap)で精製することにより、溶媒の蒸発後に、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-2’-{[(2,2-ジメチルプロピル)アミノ]メチル}-5-フルオロ-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た。
LCMS:Rt 2.45分、MH+ 482。
【0293】
実施例43:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化73】

【0294】
水素化ホウ素ナトリウム(10mg)を、エタノール(0.5mL)中の中間体32(10mg)の溶液に少量ずつ加えた。この反応物を、該反応物にメタノール(2mL)を加える前に0℃で30分間攪拌し、さらに攪拌を室温で2時間続けた。溶媒を蒸発させて、残渣をクロロホルムと水に分配した。有機相を乾燥(疎水性フリット)させてから蒸発させることにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-5-フルオロ-2’-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た(4mg)。
LCMS:Rt 3.02分、MH+ 413。
【0295】
実施例44:2’-アミノ-N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化74】

【0296】
エタノール(7mL)中の中間体35(350mg)およびパラジウム炭素(10% w/w、湿性)を、1気圧の水素下、室温で18時間にわたり水素化した。この反応物をセライトを通して濾過し、濾液を真空下で濃縮乾固した。残渣をメタノール中に溶解し、これをSPE(アミノプロピル)に適用し、このカラムからメタノール、次いでアンモニア/メタノール(.880 アンモニア、10% v/v)を用いて溶出させた。溶媒を真空内でアンモニア/メタノール画分から蒸発させることにより、2’-アミノ-N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド(270mg)を白色固体として得た。
LCMS:MH+ 380、Rt 2.89分。
【0297】
実施例45:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-(プロパノイルアミノ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化75】

【0298】
実施例44(50mg)、炭酸ナトリウム(17mg)および塩化プロパノイル(14.4mg)を、DCM(5mL)中で18時間攪拌した。さらに別の炭酸ナトリウム(17mg)および塩化プロパノイル(14.4mg)を加えて、この反応物を50℃で5時間加熱した。この混合物を濾過し、濾液を真空下で濃縮乾固した。残渣をメタノール中に溶解し、SPE(SCX)を通して濾過し、溶離液を濃縮することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-(プロパノイルアミノ)-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(4.1mg)。
LCMS:Rt 2.85分、MH+ 436。
【0299】
実施例46:2’-(アセチルアミノ)-N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化76】

【0300】
実施例44(50mg)、炭酸ナトリウム(17mg)および塩化アセチル(12.2mg)を、DCM(5mL)中で18時間攪拌した。さらに別の炭酸ナトリウム(17mg)および塩化アセチル(12.2mg)を加え、この反応物を50℃で5時間加熱した。この混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固した。残渣をメタノール中に溶解し、SPE(SCX)を通して濾過し、溶離液を濃縮することにより、2’-(アセチルアミノ)-N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを白色固体として得た(20mg)。
LCMS:MH+ 422、Rt 2.75分。
【0301】
実施例47:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-2’-{[(エチルアミノ)カルボニル]アミノ}-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化77】

【0302】
DCM (5mL)中の実施例44(50mg)を、0℃で、DCM (5mL)中の1,1-カルボニルジイミダゾール(32mg)の溶液に滴加した。この反応物を0℃で1時間、次いで室温で一晩、さらに45℃で5時間、攪拌した。該反応物にDIPEA(45.8μL)およびDMAP(16mg)を加えて、この混合物を室温で18時間攪拌した。エチルアミン( THF中2M、99μL)を加え、この溶液を室温で5時間攪拌した。溶媒を真空下で蒸発させて、残渣にメタノール(10mL)を加えた。得られた白色固体を濾過して取り出し、メタノールで洗浄することにより、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-2’-{[(エチルアミノ)カルボニル]アミノ}-6-メチル-3,4’-ビフェニルジカルボキサミドを得た(25mg)。
LCMS:MH+ 451、Rt 2.97分。
【0303】
実施例48:N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-[(メチルスルホニル)アミノ]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド
【化78】

塩化メタンスルホニル(6.75μL)を、0℃で、ピリジン(3mL)中の実施例44(30mg)の溶液に加えて、この反応物を0℃で30分間、次いで室温で18時間攪拌した。塩化メタンスルホニル(6.75μL)を加え、この反応物を60℃で一晩加熱した。塩化メタンスルホニル(6.75μL)、DMAP(9.7mg)およびDIPEA(13.8μL)を加え、この反応物を室温で一晩攪拌した。ピリジンを真空内で蒸発させて、残渣をメタノールで希釈してから、これをSPEカートリッジ(SCX)に通して濾過した。濾液を真空内で濃縮乾固し、これをSPEカートリッジ(Si)上で酢酸エチル/シクロヘキサン(1:1)で溶出させるクロマトグラフィーによりさらに精製することにより、溶媒の蒸発後に、N3-シクロプロピル-N4’-(2,2-ジメチルプロピル)-6-メチル-2’-[(メチルスルホニル)アミノ]-3,4’-ビフェニルジカルボキサミド(20mg)を白色固体として得た。
LCMS:MH+ 458、Rt 2.93分。
【表1】

【0304】
生物学的実施例
式(I)の化合物のp38阻害剤としての活性は、次のin vitroアッセイにより測定することができる。
【0305】
蛍光異方性キナーゼ結合アッセイ
キナーゼ酵素、蛍光リガンドおよび様々な濃度の試験化合物を一緒にインキュベートすることにより、該試験化合物の非存在下では該蛍光リガンドが有意に(>50%)酵素に結合し、また十分な濃度(>10×Ki)の強力阻害剤の存在下では非結合蛍光リガンドの異方性が結合したものの値と測定しうる程度に異なるような条件下で、熱力学的平衡に到達させる。
【0306】
キナーゼ酵素の濃度は、好ましくは1×Kfとすべきである。必要とされる蛍光リガンドの濃度は、使用する器具類、およびその蛍光特性と物理化学的性質によって決まる。使用する濃度は、キナーゼ酵素の濃度より低くなければならず、好ましくはキナーゼ酵素濃度の半分以下とする。典型的なプロトコールは、以下のとおりである:
全ての成分は、最終組成が62.5 mM HEPES、pH 7.5、1.25 mM CHAPS、1.25 mM DTT、12.5 mM MgCl2、3.3%DMSOである緩衝液中に溶解する
p38酵素濃度 :12 nM
蛍光リガンド濃度:5 nM
試験化合物濃度 :0.1 nM〜100μM
成分は、平衡に達するまで(5〜30分)、NUNC384ウェル黒色マイクロタイタープレート中で最終容量を30μLとしてインキュベートする
蛍光異方性はLJL Acquestで読み取る。
【0307】
定義:Ki = 阻害剤結合の解離定数
Kf = 蛍光リガンド結合の解離定数
蛍光リガンドは、5-[2-(4-アミノメチルフェニル)-5-ピリジン-4-イル-1H-イミダゾール-4-イル]-2-クロロフェノールおよびローダミングリーンから誘導した以下:
【化79】

【0308】
の化合物である。
【0309】
結果
上記実施例に記載した化合物を上記の通りに試験したところ、そのIC50値は10μM未満であった。
【0310】
本明細書および特許請求の範囲からなる本出願は、後願に関する優先権の基礎として使用することができる。かかる後願の特許請求の範囲は、本明細書中に記載したいずれかの特徴または複数の特徴の組み合わせを対象としうる。それらは製品、組成物、方法または使用クレームという形をとることができ、また一例であって限定するものではないが、添付の特許請求の範囲のうちの1項以上を含むことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、
R1は、水素、C1-6アルコキシ、ハロゲンおよびヒドロキシから独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、R5およびR6から独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいフェニル、ならびにR5およびR6から独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R2は、水素、C1-6アルキルおよび、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキルから選択されるか、
または(CH2)mR1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、最大3個のC1-6アルキル基により置換されていてもよい4〜6員の複素環を形成し、
R3は、クロロまたはメチルであり、
R4は、-NH-CO-R7基または-CO-NH-(CH2)p-R8基であり、
R5は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、-CONR9R10、-NHCOR10、-SO2NHR9、-(CH2)qNHSO2R10、ハロゲン、CN、OH、-(CH2)qNR11R12、およびトリフルオロメチルから選択され、
R6は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチルおよび- (CH2)qNR11R12から選択され、
R7は、水素、C1-6アルキル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、トリフルオロメチル、R13および/またはR14により置換されていてもよい-(CH2)rヘテロアリール、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよい-(CH2)rフェニルから選択され、
R8は、水素、C1-6アルキル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、CONHR9、R13および/またはR14により置換されていてもよいフェニル、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R9およびR10は、水素およびC1-6アルキルから各々独立して選択されるか、または
R9およびR10は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環は最大2個のC1-6アルキル基により置換されていてもよく、
R11は、水素、C1-6アルキル、および1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキルから選択され、
R12は、水素およびC1-6アルキルから選択されるか、または
R11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、
R13は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、-CONR9R10、-NHCOR10、ハロゲン、CN、-(CH2)qNR11R12、トリフルオロメチル、1個以上のR14基により置換されていてもよいフェニル、および1個以上のR14基により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R14は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチルおよび-NR11R12から選択され、
R15は、水素およびメチルから選択され、
XおよびYは、水素、メチルおよびハロゲンから各々独立して選択され、
Zは、-(CH2)sOR16、-(CH2)sNR16R17、-(CH2)sCH2CH2R16、-(CH2)sCOOR16、-(CH2)sCONR16R17、-(CH2)sNHCOR16、-(CH2)sNHCONR16R17、-(CH2)sSO2R16、-(CH2)sSO2NR16R17および-(CH2)sNHSO2R16から選択され、
R16は、水素、最大2個のヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-6アルキル、-(CH2)tOR18、-(CH2)tNR18R19、-(CH2)tNHSO2R18、-(CH2)tCONR18R19、-(CH2)tCOOR18、ハロゲン、C1-6アルキルおよびオキソから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tヘテロアリール、ならびにハロゲン、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tフェニルから選択され、
R17は、水素およびC1-6アルキルから選択されるか、または
R16およびR17は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環はオキソ、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよく、
R18およびR19は、水素、および最大2個のヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-6アルキルから各々独立して選択されるか、または
R18およびR19は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環はオキソ、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよく、
mは、0、1、2、3および4から選択され、ここで、得られる炭素鎖の各炭素原子は、C1-6アルキルおよびハロゲンから独立して選択される最大2個の基で置換されていてもよく、
nは1であり、
pは、0、1および2から選択され、
qは、0、1、2および3から選択され、
rは、0および1から選択され、
sは、0、1、2、3および4から選択され、そして
tは、1、2、3および4から選択される〕
の化合物、またはその製薬上許容される誘導体。
【請求項2】
R1が、C1-6アルキル、C3-7シクロアルキル、ならびにR5およびR6から選択される最大3個の基により置換されていてもよいフェニルから選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1がC3-6シクロアルキルである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
R2が水素である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
mが0または1である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
mが1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
R8がC3-6シクロアルキルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
Zが、-(CH2)sOR16、-(CH2)sNR16R17、-(CH2)sNHCOR16、-(CH2)sNHCONR16R17および-(CH2)sNHSO2R16から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
実施例1〜48のいずれか1つ、またはその製薬上許容される誘導体に関して実質的に先に定義した通りである、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、またはその製薬上許容される誘導体を調製するための方法であって、以下:
(a) (II):
【化2】

〔式中のR1、R2、Z、mおよびnは請求項1で定義した通りであり、かつWはハロゲンである〕
の化合物を、触媒の存在下で、式(III):
【化3】

〔式中のR3、R4、XおよびYは、請求項1で定義した通りである〕
の化合物と反応させること、または
(b) 式(VIII):
【化4】

の化合物を、先に定義した式(III)の化合物と反応させて、その結果形成された酸を、アミド形成条件下で、式(V):
【化5】

〔式中のR1、R2およびmは、請求項1で定義した通りである〕
のアミンと反応させること、
(c) 先に定義した式(II)の化合物を、触媒の存在下で、式(IX):
【化6】

〔式中のR3、R4、XおよびYは、請求項1で定義した通りである〕
の化合物と反応させること、
(d) 式(X):
【化7】

〔式中のR3、R4、X、Y、Zおよびnは、請求項1で定義した通りである〕
の化合物を、アミド形成条件下で、先に定義した式(V)のアミン化合物と反応させること、
(e) 式(I)のある化合物の、式(I)の別の化合物への最終段階の修飾、または
(f) 式(XII):
【化8】

〔式中のZ’は、請求項1で定義したZに転換可能な基である〕
の化合物の転換
を含む前記方法。
【請求項11】
少なくとも1種の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、またはその製薬上許容される誘導体を、1種以上の製薬上許容される賦形剤、希釈剤および/または担体と共に含む、医薬組成物。
【請求項12】
p38キナーゼ活性により媒介されるかまたはp38キナーゼの活性により産生されたサイトカインにより媒介される症状または病状を治療するための方法であって、その必要のある患者に、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、またはその製薬上許容される誘導体を投与することを含む前記方法。
【請求項13】
療法に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、またはその製薬上許容される誘導体。
【請求項14】
p38キナーゼ活性により媒介されるかまたはp38キナーゼの活性により産生されたサイトカインにより媒介される症状または病状の治療に使用するための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、またはその製薬上許容される誘導体の使用。
【請求項15】
式(IA):
【化9】

〔式中、
R1は、水素、C1-6アルコキシ、ハロゲンおよびヒドロキシから独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいC1-6アルキル、C2-6アルケニル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、R5およびR6から独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいフェニル、ならびにR5およびR6から独立して選択される最大3個の基により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R2は、水素、C1-6アルキルおよび1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキルから選択されるか、
または(CH2)mR1およびR2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、最大3個のC1-6アルキル基により置換されていてもよい4〜6員の複素環を形成し、
R3は、クロロまたはメチルであり、
R4は、-NH-CO-R7基または-CO-NH-(CH2)p-R8基であり、
R5は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、-CONR9R10、-NHCOR10、-SO2NHR9、-(CH2)qNHSO2R10、ハロゲン、CN、OH、-(CH2)qNR11R12、およびトリフルオロメチルから選択され、
R6は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチルおよび-(CH2)qNR11R12から選択され、
R7は、水素、C1-6アルキル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、トリフルオロメチル、R13および/またはR14により置換されていてもよい-(CH2)rヘテロアリール、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよい-(CH2)rフェニルから選択され、
R8は、水素、C1-6アルキル、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよいC3-7シクロアルキル、CONHR9、R13および/またはR14により置換されていてもよいフェニル、ならびにR13および/またはR14により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R9およびR10は、水素およびC1-6アルキルから各々独立して選択されるか、または
R9およびR10は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環は最大2個のC1-6アルキル基により置換されていてもよく、
R11は、水素、C1-6アルキル、および1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキルから選択され、
R12は、水素およびC1-6アルキルから選択されるか、または
R11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、
R13は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、1個以上のC1-6アルキル基により置換されていてもよい-(CH2)p-C3-7シクロアルキル、-CONR9R10、-NHCOR10、ハロゲン、CN、-(CH2)qNR11R12、トリフルオロメチル、1個以上のR14基により置換されていてもよいフェニル、および1個以上のR14基により置換されていてもよいヘテロアリールから選択され、
R14は、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン、トリフルオロメチルおよび-NR11R12から選択され、
R15は、水素およびメチルから選択され、
XおよびY は、水素、メチルおよびハロゲンから各々独立して選択され、
Zは、-(CH2)sOR16、-(CH2)sNR16R17、-(CH2)sCH2CH2R16、-(CH2)sCOOR16、-(CH2)sCONR16R17、-(CH2)sNHCOR16、-(CH2)sNHCONR16R17、-(CH2)sSO2R16、-(CH2)sSO2NR16R17および-(CH2)sNHSO2R16から選択され、
R16は、水素、C1-6アルキル、-(CH2)tOR18、-(CH2)tNR18R19、-(CH2)tCOOR18、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tヘテロアリール、ならびにハロゲン、C1-6アルキルおよびC1-6アルコキシから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよい-(CH2)tフェニルから選択され、
R17は、水素およびC1-6アルキルから選択されるか、または
R16およびR17は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環はオキソ、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよく、
R18およびR19は、水素およびC1-6アルキルから各々独立して選択されるか、または
R18およびR19は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、酸素、硫黄およびN-R15から選択される1個の追加のヘテロ原子を含有していてもよい5〜6員の複素環を形成し、ここで該環はオキソ、ハロゲンおよびC1-6アルキルから独立して選択される最大2個の基により置換されていてもよく、
mは、0、1、2、3および4から選択され、ここで、得られる炭素鎖の各炭素原子は、C1-6アルキルおよびハロゲンから独立して選択される最大2個の基で置換されていてもよく、
nは1であり、
pは、0、1および2から選択され、
qは、0、1、2および3から選択され、
rは、0および1から選択され、
sは、0、1、2、3および4から選択され、そして
tは、2、3および4から選択される〕
の化合物、またはその製薬上許容される誘導体。

【公表番号】特表2006−523194(P2006−523194A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505071(P2006−505071)
【出願日】平成16年4月7日(2004.4.7)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003774
【国際公開番号】WO2004/089874
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(597173680)スミスクライン ビーチャム コーポレーション (157)
【Fターム(参考)】