説明

ポロゲン、ポロゲン化前駆体、および低誘電定数を有する多孔性有機シリカガラスフィルムを得るためにそれらを用いる方法

【課題】特性の向上した多孔性シリカガラスフィルムを提供する化学気相蒸着方法を提供する。
【解決手段】真空チャンバーに、オルガノシランおよびオルガノシロキサンからなる群から選択される少なくとも1つの前駆体、および前駆体とは区別されるポロゲンを含めたガス状試薬を導入すること(ここに、ポロゲンは非−分岐構造、および2と等しい、またはそれ未満の不飽和の度合いを有するC4〜C14環状炭化水素化合物である);エネルギーを真空チャンバー中のガス状試薬に適用してガス状試薬の反応を誘導し、基材上に予備的フィルムを蒸着させること(ここに、予備的フィルムはポロゲンを含有する);および不安定有機物質の実質的に全てを予備的フィルムから除去して細孔および2.6未満の誘電定数を有する多孔性フィルムを供することを含む、多孔性有機シリカガラスフィルムを製造するための化学気相蒸着方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2002年4月17日に出願された米国仮特許出願第60/373,104号に対する合衆国第35法典第119条(E)下の優先権を主張し、これは2003年4月7日に出願された米国特許出願第10/409,468号の一部継続出願であり、一部継続出願は、今度は、2002年5月17日に出願された米国特許出願第10/150,798号の一部継続出願であり、それらの全開示をここに引用して援用する。
【0002】
本発明は、CVD方法によって製造された低誘電定数材料の分野に関する。特に、本発明は、そのような材料のフィルムを製造する方法、およびエレクトロニックデバイスにおける絶縁層としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロニクス産業は、回路および集積回路(IC)の構成要素、および関連エレクトロニックデバイスの間の絶縁層としての誘電性材料を利用する。ライン寸法は、マイクロエレクトロニックデバイス(例えば、コンピュータチップ)のスピードおよび記憶貯蔵能力を増加させるために低下されつつある。ライン寸法が減少するにつれ、層間誘電率(ILD)に対する絶縁の要件はかなり厳しいものとなる。間隔の縮小は、RC時定数を最小化するのにより低い誘電定数を必要とし、ここに、Rは導電性ラインの抵抗であって、Cは絶縁性誘電層間のキャパシタンスである。Cの値は間隔に逆比例し、層間誘電率(ILD)誘電定数(k)に比例する。SiH4またはTEOS(Si(OCH2CH34、テトラエチルオルトシリケート)およびO2から製造される慣用的なシリカ(SiO2)CVD誘電フィルムは、4.0よりも大きな誘電定数kを有する。産業界がより低い誘電定数を有するシリカ−系CVDフィルムを製造しようと試みたいくつかの方法があり、最も成功したのは2.7〜3.5の範囲の誘電定数を供する有機基を有する絶縁性酸化ケイ素フィルムのドーピングである。この有機シリカガラスは、典型的には、メチルシランまたはシロキサンのようなオルガノケイ素前駆体、およびO2またはN2Oのようなオキシダントから密なフィルム(密度〜1.5g/cm3)として蒸着される。有機シリカガラスは、本明細書中においては、OSGという。誘電定数または(k)値がより高いデバイス密度およびより小さな寸法と共に2.7未満に落ちるので、産業界は密なフィルムについて適当に低いkを有する組成物のほとんどを使い尽くし、改良された絶縁特性のために種々の多孔性材料に転換した。
【0004】
CVD方法による多孔性ILDの分野で公知の特許および出願は:N2Oのようなオキシダントおよび、所望により、過酸化物の存在下で不安定な基を有する有機珪素前駆体からOSGフィルムを蒸着させ、熱的アニーリングで不安定な基を引き続いて除去して、多孔性OSGを供するプロセスを記載するEP1119035A2および米国特許第6,171,945号;酸化性アニーリングで蒸着されたOSGから実質的に全ての有機基を除去して多孔性無機SiO2を得ることを教示する米国特許第6,054,206号および第6,238,751号;酸化性プラズマでの引き続いての処理によって、多孔性無機SiO2に変換される水素化炭化ケイ素フィルムの蒸着を記載するEP1037275;および全て、有機珪素前駆体および有機化合物からのフィルムからの共−蒸着、および重合された有機成分の一部が保持された多相OSG/有機フィルムを供するための引き続いての熱的アニーリングを教示する米国特許第6,312,793号B1、WO 00/24050、および文献の論文Grill:A.Patel.V.Appl.Phys.Lett.(2001),79(6)pp.803−805を含む。これらの後者の文献において、フィルムの究極的最後の組成物は、残存ポロゲン、および高い炭化水素フィルム含有量(80〜90原子%)。最終フィルムがSiO2−様ネットワークを保持し、有機基の代わりの酸素原子の一部の置換を伴うのが好ましい。
本明細書中に開示された全ての文献は、ここに引用してその全体を援用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、誘電率が低く、改良された機械的性質、熱安定性及び化学的耐性を有する多孔性シリカガラスフィルムを提供する化学気相蒸着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式Sivwxyz(式中、v+w+X+Z=100%、vは10〜35原子%、wは10〜65原子%、xは5〜30原子%、yは10〜50原子%であって、zは0〜15原子%である)よって表される多孔性有機シリカガラスフィルムを製造するための化学気相蒸着方法であって、基材を真空チャンバー内に供すること;該真空チャンバー内に、オルガノシランおよびオルガノシロキサンからなる群から選択される少なくとも1つの前駆体、および該前駆体から区別されるポロゲンを含めたガス状試薬を導入すること(ここに、該ポロゲンは非−分岐構造、および2と等しい、またはそれ未満の不飽和度を有するC4〜C14環状炭化水素化合物である);エネルギーを真空チャンバー中のガス状試薬を適用してガス状試薬の反応を誘導し、予備的フィルムを基材上に蒸着させること(ここに、予備的フィルムはホロゲンを含有する);および不安定有機物質実質的全てを予備的フィルムから除去して細孔および2.6未満の誘電定数を有する多孔性フィルムを供することを含む。
【0007】
もう1つの態様において、本発明は:(a)(i)ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジ−イソプロポキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシシラン、メチルエトキシジシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルジアセトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシシリル)シラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシシラン、およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの前駆体、および(ii)少なくとも1つの前駆体から区別されるポロゲンを含む組成物を提供し、該ポロゲンはシクロオクテン、シクロヘプタン、シクロオクテン、シクロヘプタンおよびその混合物からなる群から選択されるメンバーである。
【0008】
本発明による、非分岐構造および2と等しいまたはそれ未満の不飽和度を有するC4〜C14環状化合物は、驚くべきことにポロゲンとして使用した場合に、多孔性低誘電性フィルムにおいて優れた機械的特性を生じる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】熱的に不安定な基の排除を示すポストアニーリング前および後の、それと混合された熱的に不安定な基を用いる本発明のフィルムの赤外スペクトルを示す。
【0010】
【図2】フィルムの成分のピークを同定する本発明のフィルムの赤外スペクトルである。
【0011】
【図3】本発明における細孔形成添加剤として用いられるATPの赤外スペクトルである。
【0012】
【図4】フィルムからの熱的に不安定な基の損失に由来する重量損失を示す、アニーリングの間の本発明のフィルムの熱重量分析である。
【0013】
【図5】ポロゲン除去前の、本発明による複合フィルムの赤外スペクトルである。
【0014】
【図6】本発明による複合フィルムおよびポリエチレンの比較赤外スペクトルを示す。
【0015】
【図7】本発明による好ましいポロゲンを使用した場合の、便利なチャンバークリーニングを示す。
【0016】
【図8】本発明による複合フィルムの比較赤外スペクトルを示す。
【0017】
【図9】本発明によるフィルムのある種の機械的特性を示す。
【0018】
【図10】本発明によるフィルムのある種の機械的特性を示す。
【0019】
【図11】本発明の実施形態によるフィルムの赤外(FT−IR)スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
有機シリケートはkの低い材料の候補であるが、ポロゲンを加えてこれらの材料に多孔性を加えることなく、それらの固有の誘電定数は2.7と低く制限される。ボイド空間が1.0の固有の誘電定数を有する多孔度の付加は、一般には機械的特性を犠牲にしてフィルムの全誘電定数を低下させる。材料の特性は、化学的組成およびフィルムの構造に依存する。有機珪素前駆体のタイプはフィルム構造および組成に対して強い効果を有するので、必要なフィルム特性を供して、所望の誘電定数に到達するのに必要な量の多孔度を加えるのは、機械的に健全でないフィルムを生じさせないことを確実とする前駆体を用いるのが有益である。従って、本発明は、電気および機械的特性の望ましいバランスを有する多孔性OSGフィルムを生じさせる手段を提供する。他のフィルム特性はしばしば、電気または機械的特性に追随する。
【0021】
本発明の好ましい実施形態は、他の多孔性有機シリカガラス材料に対して、低い誘電定数および改良された機械的特性、熱的安定性、(酸素水性酸化性環境などに対する)化学的抵抗性を有する薄いフィルム材料を提供する。これは、フィルムへの炭素(好ましくは、圧倒的には有機炭素−CHxの形態、ここに、xは1〜3であり、より好ましくは、Cの大部分は−CH3の形態である)の一体化の結果であり、それにより、特異的前駆体またはネットワーク形成性材料を用いて、(オキシダントとして機能するとみなされる程度まで、2の添加剤/キャリアガスCO2以外の)オキシダントを含まない環境において、フィルムを蒸着させる。また、フィルム中の水素のほとんどは炭素に結合しているのが好ましい。
【0022】
かくして、本発明の好ましい実施形態は(a)約10〜約35原子%、より好ましくは約20〜約30原子%のケイ素;(b)約10〜約65原子%、より好ましくは約20〜約45原子%の酸素;(c)約10〜約50原子%、より好ましくは約15〜約40原子%の水素;(d)約5〜約30原子%、より好ましくは約5〜約20原子%の炭素を含む。フィルムは約0.1〜約15原子%、より好ましくは約0.5〜約7.0原子%のフッ素を含有して、機械的特性の1以上を改良する。他の元素のより少ない部分もまた本発明のある種のフィルムに存在させることもできる。OSG材料はkの低い材料であると考えられる。というのは、それらの誘電定数は、産業で伝統的に用いる標準材料−シリカガラスのそれよりも低いからである。本発明の材料は、細孔形成性種またはポロゲンを蒸着手法に加え、ポロゲンを蒸着された(すなわち予備的)OSGフィルムに一体化させ、予備的フィルムの末端Si−CH3基を実質的に保持して、生成物フィルムを供しつつ、予備的フィルムからポロゲンの実質的全てを除去することによって提供することができる。生成物フィルムは多孔性OSGであって、予備的フィルムのそれから、ならびにポロゲンなくして蒸着された類似のフィルムから低下された誘電定数を有する。OSGにおいて有機基によって供される疎水性を欠如する多孔性無機SiO2とは反対に、多孔性OSGとして本発明のフィルムを区別するのが重要である。
【0023】
PE−CVD TEOSによって製造されたシリカは、球相当直径が約0.6nmであると陽電子対消滅寿命分光分析(PALS)分析によって決定された固有の自由容量細孔サイズを有する。小角中性子散乱(SANS)またはPALSによって決定された本発明のフィルムの細孔サイズは好ましくは、球相当直径が5nm未満で有り、より好ましくは球相当直径が2.5nm未満である。
【0024】
フィルムの全多孔度は、プロセス条件および所望の最終フィルム特性に依存して5〜75%であってよい。本発明のフィルムは、好ましくは2.0g/cm3、あるいは、1.5g/cm3未満、または1.25g/cm3未満の密度を有する。好ましくは、本発明のフィルムは、ポロゲンなくして製造された類似のOSGフィルムのそれよりも少なくとも10%低い、より好ましくは少なくとも20%低い密度を有する。
【0025】
フィルムの多孔度はフィルム全体が均質である必要はない。ある種の実施形態において多孔度勾配および/または種々の多孔度相がある。そのようなフィルムは例えば、蒸着の間の前駆体に対するポロゲンの比率を調製することによって製造することができる。
【0026】
本発明のフィルムは、共通のOSG材料に対してより低い誘電定数を有する。好ましくは、本発明のフィルムは、ポロゲンなくして製造された類似のOSGフィルムのそれよりも少なくとも0.3低い。より好ましくは少なくとも0.5低い誘電定数を有する。好ましくは、本発明の多孔性フィルムのフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルはいずれかのポロゲンの欠如以外は該方法と実質的に同一のプロセスによって調製された対照フィルムの対照FTIRと実質的に同一である。
【0027】
本発明のフィルムは、好ましくは、共通のOSG材料に対して優れた機械的特性を有する。好ましくは、本発明のフィルム(例えば、いずれの添加されたポロゲンも有しないフィルム)のベースOSG構造は、同一誘電定数における類似のOSGフィルムのそれよりも、少なくとも10%大きい、より好ましくは25%大きい、ナノ同定によって測定された硬度またはモジュラスを有する。
【0028】
本発明のフィルムは、低kフィルムを蒸着させるためのオキシダントの使用を必要としない。有機基を酸化し得る部位(例えば、O2、N2O、オゾン、過酸化水素、NO、NO2、N24、またはその混合物)と本目的で定義される気体相に加えられたオキシダントの不存在は、フィルム中の前駆体のメチル基の保持を容易とする。これは、低下した誘電定数および疎水性のような、所望の特性を供するのに必要な最小量の炭素の取り込みを可能とする。同様に、これはシリカネットワークの最大保持を供し、優れた機械的特性、接着、および普通のエッチング停止材料(例えば、炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、チッ化ケイ素、水素化チッ化ケイ素など)に対するエッチング選択性を有するフィルムを供する傾向がある。というのは、フィルムはシリカ、伝統的な誘電性絶縁体により類似の特徴を保有するからである。
【0029】
本発明のフィルムは、所望により、無機フッ素(例えば、Si−F)の形態のフッ素を含有してもよい。フッ素は、存在する場合、好ましくは0.5〜7原子%の範囲の量で含有される。
【0030】
本発明のフィルムは熱的に安定であり、良好な化学的抵抗性を有する。特に、アニーリング後の好ましいフィルムは、N2中で425℃の等温下で、1.0wt%/hr未満の平均重量損失を有する。さらに、フィルムは、好ましくは空気中で、425℃の等温下で1.0wt%/hr未満の平均重量損失を有する。
【0031】
フィルムは種々の用途に適している。フィルムは、半導体基板上への蒸着に特に適しており、例えば、絶縁層、層間誘電層および/または中間誘電層として用いるのに特に適している。フィルムは、共形コーティングを形成することができる。これらのフィルムによって呈される機械的特性は、それらを、Al減算技術およびCuダマシンまたはデュアルダマシン技術で用いるのに特に適したものとする。
【0032】
フィルムは化学機械的平面化および(CMP)および異方性エッチングに適合しており、ケイ素、SiO2、Si34、OSG、FSG,炭化ケイ素、水素化炭化ケイ素、窒化ケイ素、水素化窒化ケイ素、炭化窒化ケイ素、水素化炭化窒化ケイ素、ホウ窒化物、抗反射コーティング、フォトレジスト、有機ポリマー、多孔性有機および無機材料、銅およびアルミニウムのような金属、および限定されるものではないが、TiN、Ti(C)N、TaN、Ta(C)N、Ta、W、WN、またはW(C)Nのような拡散バリア相のような種々の材料付着させることができる。フィルムは、好ましくは、ASTM D3359−95aテープ引張テストのような慣用的な引張テストを合格するのに十分に、前記材料の少なくとも1つに接着することができる。試料は、もしフィルムの認識可能な除去がなければ、そのテストに合格したと考えられる。
【0033】
かくして、ある具体例において、フィルムは、集積回路において、絶縁層、層間誘電層、中間誘電層、キャッピング層、化学的−機械的平面化、またはエッチング停止層、バリア層、または接着層である。
【0034】
本発明は、フィルムを提供するのに特に適しており、かつ本発明の製品はフィルムとして本明細書中にかなり記載したが、本発明はそれに限定されるものではない。本発明の製品は、コーティング、マルチラメラアセンブリ−、および必ずしも平面または薄いものではない対象、および集積回路で必ずしも用いられない多数の対象の他のタイプのような、CVDによって蒸着させることができるいずれかの形態で提供することができる。好ましくは、基板は半導体である。
【0035】
本発明のOSG製品に加えて、本発明は、それにより製品が製造されるプロセス、製品を用いる方法、および製品を調製するのに有用な化合物および組成物を含む。
【0036】
蒸着されたフィルムにおけるポロゲンは、反応チャンバーに導入されたポロゲン前駆体と同一形態であってもなくてもよい。同様に、ポロゲン除去プロセスは、ポロゲンまたはその断片をフィルムから遊離させることができる。本質的には、ポロゲン試薬、予備的フィルムにおけるポロゲン、および除去すべきポロゲンは同一種であってもなくてもよいが、それらは全てポロゲン試薬に由来するのが好ましい。ポロゲンが本発明のプロセスを通じて変化しないか否かに拘わらず、本明細書中で用いる用語「ポロゲン」はそれらが本発明の全プロセスを通じて見出されるいかなる形態であっても、細孔形成性試薬およびその誘導体を含むことを意図する。
【0037】
フレーズ「ガス状試薬」は、本明細書中においては試薬を記載するのに時々用いられるが、該フレーズはガスとして直接的にリアクターに送達される。気化した液体、昇華した固体として送達されたおよび/または不活性なキャリアガスによってリアクターに輸送された試薬を含むことを意図する。
【0038】
加えて、試薬は区別される源から別々に、または混合物としてリアクターに運び込むことができる。試薬は、好ましくは、液体のプロセスリアクターへの送達を可能とする適切なバルブおよびフィッティングと嵌合した圧縮可能なステンレス鋼を用い、いずれかの数の手段によってリアクター系に送達することができる。
【0039】
ある具体例において、異なるオルガノシランおよび/またはオルガノシロキサンの混合物を組み合わせて用いる。また、多数の異なるポロゲンおよびオルガノシランの組合せを用いるのも本発明の範囲内のものである。そのような実施形態は、最終製品におけるSiに対する細孔の比率を調製するのを容易とし、および/またはベースOSG構造の1以上の臨界的特性を高める。例えば、ジエトキシメシルシラン(8DEMS)およびポロゲンを利用する蒸着は、テトラエトキシシラン(TEOS)のようなさらなる有機珪素を用いてフィルムの機械的強度を改良するであろう。
【0040】
構造形成性種および細孔形成性種に加えて、さらなる材料を、蒸着反応に先立って、その間に、および/または後に真空チャンバーに充填することができる。そのような材料は、例えば、不活性ガス(例えば、より少ない揮発性前駆体のためのキャリアガスとして使用してもよく、および/または蒸着材料の硬化をより促進し、およびより安定な最終フィルムを提供することができる、He、Ar、N2、Kr、Heなど)、およびガス状または有機物質、NH3、H2、CO2、またはCOのような反応性物質を含む。CO2は好ましいキャリアガスである。例えば、O2、N2O,NO、NO2およびO3のような酸化性ガスを加えることもできる。
【0041】
エネルギーをガス状試薬に適用して、ガスを誘導して、反応させ、基材上にフィルムを形成させる。そのようなエネルギーは、例えば、熱的、プラズマ、パルスプラズマ、ヘリコンプラズマ、高密度プラズマ、誘導結合プラズマ、および遠隔プラズマ方法によって供することができる。第2のrf周波数源を用いて、基材表面においてプラズマ特徴を修飾することができる。好ましくは、フィルムはプラズマ増強化学気相蒸着によって形成される。13.56MHzの周波数のキャパシティー結合プラズマを生じさせるのが特に好ましい。プラズマパワーは基材の表面積に基づいて、好ましくは、0.02〜7ワット/cm2、より好ましくは0.3〜3ワット/cm2である。低イオン化エネルギーを保有してOSG前駆体およびポロゲンにおいてより少ない断片化を今度は引き起こすプラズマ中の電子温度を降下させるキャリアガスを使用するのが有利であろう。このタイプの低イオン化ガスの例はCO2、NH3、CO、CH4、A、Xe、およびKrを含む。
【0042】
ガス状試薬の各々についての流量は、単一200mmウエハー当たり、好ましくしくは、10〜500sccm、より好ましくは30〜1000sccmの範囲である。個々の流量は、フィルムにおける構造−フォーマーおよび細孔フォーマーの所望の量を供するように選択される。必要な現実の流量はウエハーサイズおよびチャンバー立体配置に依存し、断じて200mmウエハーまたは単一ウエハーチャンバーに制限されない。
【0043】
少なくとも50nm/分の蒸着速度でフィルムを蒸着させるのが好ましい。
【0044】
蒸着の間の真空チャンバー中の圧力は、好ましくは、0.01〜600トール、より好ましくは、1〜15トールである。
【0045】
フィルムは、好ましくは、0.002〜10ミクロンの厚みまで蒸着するが、厚みは必要に応じて変化させることができる。非−パターン化表面に蒸着されたブランケットフィルムは優れた均一性を有し、合理的なエッジ排除でもって基材に渡り1標準偏差を超える2%未満の厚みの変動があり、ここに、例えば、基材の5nmの最も外側エッジは均一性の統計学的計算に含まれない。
【0046】
フィルムの多孔度は、対応して減少させて、材料の誘電定数のさらなる低下を引き起こし、この材料の適用性をさらなる世代(例えば、k<2.0)まで拡大する嵩密度と共に増加させることができる。
【0047】
もし、アニーリングされた多孔性OSGおよびポロゲンが加えられていない同様のOSGの間の原子組成の統計学的に有意な測定された差がなければ、実質的に全てのホロゲンの除去が仮定される。組成(例えば、X線光電子分光測定(XPS)、ラザフォード後方散乱(水素前方散乱)(RBS/HFS))およびプロセス変動についての分析方法の固有の測定誤差は、共に、データの範囲に寄与する。XPSについては、固有の測定誤差はほぼ+/−2原子%でありRBS/HFSでは、これは、より大きく、種に依存して+/−2〜5原子%の範囲であると予測される。プロセス変動はさらなる+/−2原子%をデータの最終範囲に寄与させるであろう。
【0048】
以下に、本発明による区別されるポロゲンと用いるのに適したSi−ベースの前駆体の非限定的例を示す。以下の化学式において、および本明細書を通じての全ての化学式において用語「独立して」は、対象R基が異なる添え字を有する他のR基に対して独立して選択されるのみならず、同一R基のいずれのさらなる種に対しても独立して選択されることを示すのは理解されるべきである。例えば、nが2〜3である式R1n(OR24-nSiにおいては2〜3のR1基は相互に対して、またはR2に対して同一である必要はない。
【0049】
1が、独立して、H、C1〜C4の直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており;R2は独立してC1〜C6の直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、nは1〜3である−R1n(OR23-nSi。
−例:ジエトキシメチルシラン、ジメチルジメトキシシラン
【0050】
1およびR3が独立してH、C1〜C4,直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の、部分的にまたは十分にフッ素化されており;R2およびR4は独立して、C1およびC6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、nは1〜3であって、mは1〜3であるR1n(OR23-nSi−O−SiR3m(OR43-m
−例:1,3−ジメチル1,3−ジエトキシシロキサン
【0051】
1およびR3は、独立してH、C1〜C4の直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており、R2およびR4は、独立してC1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、nは1〜3であって、mは1〜3であるR1n(OR23-nSi−O−SiR3m(OR43-m
−例:1,2−ジメチル−1,2,2−テトラエトキシシラン、
【0052】
1が、独立してH,C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており;R2は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、nは1〜3である−R1n(O(O)CR24-nSi。
−例:ジメチルジアセトキシシラン。
【0053】
1およびR3は、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており;R2およびR4は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、nは1〜3であって、mは1〜3である−R1n(O(O)CR23-nSi−O−SiR3m(O(O)CR43-m
−例:1,3−ジメチル−1,3−ジアセトキシジシロキサン
【0054】
1およびR3は、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており;R2およびR4は、独立してH、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、nは1〜3であって、mは1〜3である−R1n(O(O)CR23-nSi−SiR3m(O(O)CR43-m
−例:1,2−ジメチル−1,2,2−テトラアセトキシシラン
【0055】
1およびR3が、独立してH、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており;R2は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、R4は、独立して、C1〜C6の、nは1〜3であって、mは1〜3である−R1n(O(O)CR23-nSi−O−SiR3m(OR43-m
−例:1,3−ジメチル−1−アセトキシ−3−エトキシシラン
【0056】
1およびR3が独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており;R2は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、およびR4は、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、nは1〜3であって、mは1〜3である−R1n(O(O)CR23-nSi−SiR3m(OR43-m
−例:1、2−ジメチル−1−アセトキシ−2−エトキシシラン
【0057】
1が、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており;R2が、独立してC1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、およびR4は独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、およびnは1〜3であって、pは1〜3であるR1n(OR2p(O(O)CR44-(m+p)Si。
−例:メチルアセトキシ−t−ブトキシシラン
【0058】
1およびR3が、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており;R2およびR6は、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、R4およびR5は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、nは1〜3であり、mは1〜3であり、pは1〜3であって、qは1〜3である−R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
−例:1,3−ジメチル−1,3−ジアセトキシ−1,3−ジエトキシジシロキサン
【0059】
1およびR3が、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており;R2、R6が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、R4、R5が、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化されており、nは1〜3であり、mは1〜3であり、pは1〜3であって、qは1〜3であるR1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
−例:1,2−ジメチル−1,2−ジアセトキシ−1,2−ジエトキシジシラン
【0060】
1およびR3が、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており、およびxは2〜8のいずれかの整数であってよい式(OSiR13xの環状シロキサン。
−例:1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン
【0061】
全ての前駆体群に対する但書:1)ポロゲンを反応混合物に加える、および2)硬化(例えば、アニーリング)工程を用いて、蒸着されたフイルムから含まれるポロゲンの実質的に全てを除去して、ak<2.6を得る。
【0062】
前記前駆体はポロゲンと混合してもよく、あるいは付着されたポロゲンを有し、これらのクラスの他の分子と、および/またはnおよび/またはmが0〜3である以外は同一クラスの分子と混合してもよい。
−例:TEOS、トリエトキシシラン、ジ−ターシャリーブトキシシラン、シラン、ジシラン、ジ−ターシャリーブトキシ−ジアセトキシシランなど
【0063】
以下に示すのは、本発明に従う区別されるポロゲンで用いるのに適したある種のSiベースの前駆体を表すさらなる式である。
【0064】
(a)R1が、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2は、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R3は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nは1〜3であって、pは0〜3である式R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si;
【0065】
(b)R1およびR2が、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2およびR6が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R4およびR5が、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nが0〜3であり、mが0〜3であり、qが0〜3であって、pが0〜3であり、但し、n+m≧1、n+p≦3、およびm+q≦3である式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
【0066】
(c)R1およびR3が、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2およびR6が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R4およびR5が、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nが0〜3であり、mが0〜3であり、qが0〜3であって、pが0〜3であり、但し、n+m≧1、n+p≦3、およびm+q≦3である式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
【0067】
(d)R1およびR3が、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2、R6およびR7が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R4およびR5が、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nが0〜3であり、mが0〜3であり、qが0〜3であって、pが0〜3であり、但し、n+m≧1、n+p≦3、およびm+q≦3である式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−R7−SiR3m(O(O)CR5)q(OR6)3−m−q;
【0068】
(e)R1が、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R3が、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nが1〜3であり、pが0〜3であって、tが2〜4であり、但し、n+p≦4である式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tCH4-t
【0069】
(f)R1が、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R3が、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nが1〜3であり、pが0〜3であって、tが1〜3であり、但し、n+p≦4である式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tNH3-t
【0070】
(g)R1およびR3が、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており、およびxが2〜8の整数であってよい式(OSiR13xの環状シロキサン;
【0071】
(h)R1およびR3が、独立して、X、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており、およびxが2〜8の整数であってよい式(NR1SiR13)xの環状シラザン;および
【0072】
(i)R1およびR3が、独立して、X、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており、およびxが2〜8の整数であってよい式(CR13SiR13xの環状カルボシラン。
【0073】
明細書を通じて前駆体およびポロゲン化前駆体としてのシロキサンおよびジシロキサンに言及するが、本発明はそれに限定されず、トリシロキサン、およびなおより大きな長さの他の線状シロキサンのような他のシロキサンも本発明の範囲内のものであることは理解されるべきである。
【0074】
前記した前駆体はこれらの同一クラスの他の分子と、および/またはnおよび/またはmが0〜3である以外は同一クラスの分子と混合してもよい。
【0075】
以下に示すのは、本発明に従った、ポロゲンとして用いるのに適した物質の非限定的例である。
【0076】
1)n=4−14であり、ここに、環状構造中の炭素の数は4および10の間であり、ここに、環状構造に置換された複数の単純なまたは分岐した炭化水素であり得る一般式Cn2nの環状炭化水素。
例はシクロヘキサン、トリメチルシクロヘキサン、1−メチル−4(1−メチルエチル)シクロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロオクタン等を含む。
【0077】
2)n=2−20であり、ここに、y=0−nである一般式Cn(2n+2)-2yの直鎖または分岐鎖の、飽和した、単一または多数の不飽和炭化水素。
例はエチレン、プロピレン、アセチレン、ネオヘキサン等を含む。
【0078】
3)xが分子中の不飽和部位の数であり、n=4−14であり、ここに、環状構造中の炭素の数は4および10の間であって、環状構造上に置換された複数の単純または分岐した炭化水素であり得る一般式Cn2n-2xの単一にまたは多重に不飽和の環状炭化水素。不飽和は環内部に、あるいは環状構造に対する炭化水素置換機の1つ上に位置することができる。
例はシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキセン、t−ブチルシクロヘキセン、アルファ−テルピネン、ピネン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン、ビニル−シクロヘキセン等を含む。
【0079】
4)n=4−14であり、ここに、二環構造中の炭素の数は4および12の間であって、環状構造上に置換された複数の単純なまたは分岐した炭化水素があり得る一般式Cn2n-2の二環炭化水素。
例はノルボルナン、スピローノナン、デカヒドロナフタレン等を含む。
【0080】
5)xが分子中の不飽和部位の数であり、n=4−14であり、ここに、二環構造中の炭素の数は4および12の間であり、環状構造上に置換された複数の単純なまたは分岐した炭化水素であり得る一般式Cn2n-(2+2x)の多重に不飽和の二環炭化水素。不飽和は環内に、または環状構造に対する炭化水素置換基の1つ上に位置することができる。
例はカンフェン、ノルボルネン、ノルボルナジエン等を含む。
【0081】
6)n=4−14であり、ここに、三環構造中の炭素の数は4および12の間であり、環状構造に置換された複数の単純なまたは分岐した炭化水素であり得る一般式Cn2n-4の三環炭化水素。
例はアダマンダンを含む。
【0082】
本発明による特に好ましいポロゲンは、C4〜C14環状炭化水素化合物を含む。より好ましくは、C4〜C14環状炭化水素化合物は非−分岐構造を有する。最も好ましくは、C4〜C14環状炭化水素化合物は非−分岐であって、2と等しい、またはそれ未満の不飽和の程度を有する。不飽和の程度はnC−nH/2+1と定義され、ここに、nCおよびnHは、各々、分子中の炭素および水素原子の数である。本明細書中で用いるように、用語「非−分岐」とは、末端ペンダント基を含まず、多環化合物を排除しない構造をいう。
【0083】
本発明による特に好ましいポロゲンのうち、より好ましいポロゲンは(1)例えば、シクロオクタジエン、ノルボルナジエンおよびその混合物のような非−分岐のC7〜C10環状炭化水素化合物;および(2)例えば、シクロオクタン、シクロヘクタン、シクロオクテン、シクロヘクテン、およびその混合物のような、非−分岐であって、2と等しい、またはそれ未満の不飽和の度合いを有するC7〜C10環状炭化水素化合物を含む。出願人らは、驚くべきことに、本発明による特に好ましいポロゲンを使用する結果、少なくとも2つの利点がもたらされることを発見した。
【0084】
最初のものは、誘電性フィルムの最適な機械的特性は、典型的には、低い度合いの不飽和を有する環状水素がポロゲン前駆体として使用される場合にもたらされるというものである。本発明による特に好ましいポロゲンは、多孔性フィルムにおける頑強な有機シリケートネットワークの形成を可能とする。この点に関し、ポロゲン前駆体として、例えば、分岐を持たず、2と等しいか、またはそれ未満の不飽和の度合いを有するC7〜C10環状炭化水素化合物は多孔性フィルムにおいてより低いシリコン−メチル取り込みを供することができる。このSi―CH3/Si−O種の比率はフィルムのネットワーク結合性の尺度であり、フィルムモジュラスに直接的に関連することが示されている。特別な理論に拘束されるつもりはないが、より飽和を有する環状炭化水素ポロゲン前駆体は、典型的には、OSG前駆体により均一にマッチしたプラズマ中のより高いイオン化エネルギーを有する。これはオルガノシラン前駆体のより大きな断片化を可能とし、これは、結局は、低級メチルのOSGネットワークへの取り込みに導く。
【0085】
ポロゲン前駆体として本発明による特に好ましい環状炭化水素化合物を使用するもう1つの利点は、複合フィルムに蒸着された有機ポロゲン物質の性質である。特定の理論に拘束されるつもりはないが、例えば、シクロオクタンのような環状の、好ましくは非−分岐ポロゲン前駆体から蒸着されたポリエチレン−様有機物質は、フィルムから除去するのがより容易であり、硬化チャンバー内部での吸収残渣のより少ない形成に導くと考えられる。これは、チャンバーを洗浄し、全スループットを改良するのに必要な時間を低下させることができる。
【0086】
例えば、本発明による特に好ましいポロゲンは、最も普通には、透明な窓を通ってのUV曝露によってOSG複合体から除去される。不安定なポロゲン材料はUV曝露によって除去されるので、そのいくらかの部分は透明窓に蒸着され、必要なUV波長をブロックする。従って、硬化プロセスの効率、およびUVチャンバークリーニングのスループットは、窓に蒸着される吸収種の量およびタイプに依存する。特に好ましいポロゲンの除去の結果、典型的には、例えば、リモネンよりもUVシグナルのより少ない遮断をもたらし、それにより、典型的には、チャンバーを洗浄するのに必要な時間を低下させる。特定の理論によって拘束されるつもりはないが、環状の、好ましくは非−分岐炭化水素化合物をポロゲンとして使用する結果、より高い濃度のポリマー鎖増殖種、およびより少ないポリマー鎖停止種の形成が、プラズマ重合の間における形成がもたらされ、従って、効果的に複合フィルムに一体化されるよりポリエチレン−様の有機物質がもたらされる。対照的に、アルファ−テルピネンのような分岐したポロゲンはプラズマ重合の間に停止メチルおよびプロピル基に断片化でき、蒸着フィルムにあまり効率的には一体化されず、フィルムから低い効率で除去され、蒸着および効果チャンバーカラ効率低く洗浄される複合フィルム中のあまり望まれない有機物質が生産される。これらの利点は以下の実施例セクションで説明する。
【0087】
本発明は、さらに、本発明の特許請求される方法に従って使用されるべき組成物を提供する。本発明による組成物は、好ましくは、以下のものを含む。
【0088】
(A)(1)以下のものからなる群から選択される少なくとも1つの前駆体:
【0089】
(a)R1が、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2は、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R3は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nは1〜3であって、pは0〜3である式R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si;
【0090】
(b)R1およびR2が、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2およびR6が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R4およびR5が、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nが0〜3であり、mが0〜3であり、qが0〜3であって、pが0〜3であり、但し、n+m≧1、n+p≦3、およびm+q≦3である式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
【0091】
(c)R1およびR3が、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2およびR6が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R4およびR5が、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nが0〜3であり、mが0〜3であり、qが0〜3であって、pが0〜3であり、但し、n+m≧1、n+p≦3、およびm+q≦3である式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
【0092】
(d)R1およびR3が、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2、R6およびR7が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R4およびR5が、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nが0〜3であり、mが0〜3であり、qが0〜3であって、pが0〜3であり、但し、n+m≧1、n+p≦3、およびm+q≦3である式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−R7−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
【0093】
(e)R1が、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一または複数不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R3が、独立して、H、C1~6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nが1〜3であり、pが0〜3であって、tが2〜4であり、但し、n+p≦4である式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tCH4-t
【0094】
(f)R1が、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2が、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一または複数不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R3が、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nが1〜3であり、pが0〜3であって、tが1〜3であり、ただし、n+p≦4である式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tNH3-t
【0095】
(g)R1およびR3が、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており、およびxが2〜8の整数であってよい式(OSiR13xの環状シロキサン;
【0096】
(h)R1およびR3が、独立して、X、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており、およびxが2〜8の整数であってよい式(NR1SiR13xの環状シラザン;および
【0097】
(i)R1およびR3が、独立して、X、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化されており、およびxが2〜8の整数であってよい式(CR13SiR13xの環状カルボシラン、および
【0098】
(A)(2)少なくとも1つの前駆体から区別されるポロゲン、該ポロゲンは、以下のものの少なくとも1つである:
【0099】
(a)環状構造、およびnが4〜14である、環状構造中の炭素の数が4および10の間であって、少なくとも1つの環状炭化水素が、所望により、環状構造に置換された複数の単純なまたは分岐した炭化水素を含有する式Cn2nを有する少なくとも1つの環状炭化水素化合物;
【0100】
(b)n=2−20であり、ここに、y=0−nである一般式Cn(2n+2)-2yの少なくとも1つの直鎖または分岐鎖の、飽和した、単一にまたは多重に不飽和の炭化水素;
【0101】
(c)環状構造、およびxが不飽和部位の数であって、nが4〜14であり、環状構造中の炭素の数は4および10の間であり、少なくとも1つの単一にまたは多重に不飽和の環状炭化水素は、所望により、環状構造に置換された複数の単純なまたは分岐した炭化水素置換基を含有し、かつ環内不飽和または炭化水素置換基の1つの上の不飽和を含有する、少なくとも1つの単一にまたは多重に不飽和の環状炭化水素;
【0102】
(d)二環構造、およびnが4〜14である、二環構造中の炭素の数は4〜12であり、および該少なくとも1つの二環炭化水素は、所望により、二環構造上に置換された複数の単純または分岐した炭化水素を含有する式Cn2n-2を有する少なくとも1つの二環炭化水素;
【0103】
(e)二環構造、およびxが不飽和部位の数であり、nは4〜14である、二環構造中の炭素の数は4〜12であり、および該少なくとも1つの多重に不飽和の二環炭化水素は、所望により、二環構造上に置換された複数の単純なまたは分岐した炭化水素を含有し、かつ環内不飽和、または炭化水素置換基の1つ上の不飽和を含有する式Cn2n-(2+2x)を有する少なくとも1つの多重に不飽和の二環炭化水素;および/または
【0104】
(f)三環構造、およびnが4〜14であり、三環構造中の炭素の数が4〜12であり、および該少なくとも1つの三環炭化水素は、所望により、環状構造に置換された複数の単純なまたは分岐した短い水素を含有する式Cn2n-4を有する少なくとも1つの三環炭化水素。
【0105】
前駆体を含む組成物のある実施形態において、組成物は、好ましくは、(a)(i)ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジ−イソプロポキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ−イソプロポキシシラン、メチル−t−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−イソプロポキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチル−シクロテトラシロキサン、およびテトラエトキシシランからなる群から選択される少なくとも1つの前駆体、および(ii)該少なくとも1つの前駆体から区別されるポロゲン、該ポロゲンはアルファ−テルピネン、リモネン、シクロヘキサン、1,2,4−テトラメチルシクロヘキサン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン、カンフェン、アダマンタン、1,3−ブタジエン、置換されたジ塩およびデカヒドロナフタレンからなる群から選択されるメンバーであり;および/または
【0106】
(b)(i)トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジターシャリーブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシシラン、メチルエトキシジシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルジアセトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシシリル)メタン、テトラエトキシシラン、およびトリエトキシランからなる群から選択される少なくとも1つの前駆体および(ii)アルファ−テルピネン、ガンマ−テルピネン、リモネン、ジメチルヘキサジエン、エチルベンゼン、デカヒドロナフタレン、2−カレン、3−カレン、ビニルシクロヘキセンおよびジメチルシクロオクタジエン;を含む。
【0107】
ある実施形態において、該組成物は、好ましくは;(a)(i)ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジ−イソプロポキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ−イソプロポキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−イソプロポキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジターシャリーブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシシラン、メチルエトキシジシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルジアセトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシシリル)メタン、テトラエトキシシラン、トリエトキシシラン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジシラシクロブタン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジシラシクロブタン、1,3−ジメチル−1,3−ジエトキシ−1.3−ジシラシクロブタン、1,3−ジアセトキシ−1,3−メチルー1,3−ジシラシクロブタン、1,1,3,3−テトラアセトキシー1,3−ジシラシクロブタン、1,3−ジシラブタン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメトキシ−1,3−ジシラプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサエトキシ−1,3−ジシラプロパン、1,3−ジシラプロパン、1,1,1−テトラメトキシ−1,3−ジシラプロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサアセトキシ−1,3−ジシラプロパン、1,1,1−テトラエトキシ−1,3−ジシラプロパン、1,3−ジシラシクロブタン、1,3−ジエトキシ−1,3−ジシラブタン、1,3−ジエトキシ−1−メチル−1,3−ジシラブタン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1−メチル−1,3−ジシラブタン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1−メチル−1,3−ジシラブタン、1,1,3,3−テトラアセトキシ−1−メチル−1,3−ジラブタン、およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの前駆体;および(ii)少なくとも1つの前駆体から区別されるポロゲンを含む組成物を含み、該ポロゲンはシクロオクテン、シクロヘプテン、シクロオクタン、シクロオクタジエン、シクロヘプタン、シクロヘプタジエン、シクロヘプタトリエン、およびその混合物からなる群から選択されるメンバーである。
【0108】
本発明の組成物は、さらに、例えば、ポロゲン、非−ポロゲン化前駆体および/またはポロゲン化前駆体のプロセスリアクターへの送達を可能とするための適切なバルブおよびフィッティングと嵌合した(好ましくは、ステンレス鋼の)少なくとも1つの圧縮可能な容器を含むことができる。容器の内容物は予め混合することができる。別法として、ポロゲンおよび前駆体は、別々の容器中に、あるいは該ポロゲンおよび前駆体を貯蔵の間に別々に維持するための分離手段を有する単一の容器中に維持することができる。そのような容器は、望む場合、ポロゲンおよび前駆体を混合するための手段を有することもできる。
【0109】
該ポロゲンは、熱アニーリング、紫外線放射への曝露化学的処理イン−サイチュまたは遠隔プラズマ処理、光硬化および/またはマイクロ波を含むことができる、硬化工程によって予備的(または蒸着された)フィルムから除去される。他のイン−サイチュまたは蒸着後処理を用いて、硬度、収縮に対する、空気曝露に対する、エッチングに対する、湿式エッチングに対するなどに対する安定性、一体性、均一性、および接着のような物質の特性を増強することができる。そのような処理は、ポロゲン除去で用いる同一または異なる手段を用いるポロゲン除去に先立って、その間に、および/または後にフィルムに適応することができる。かくして、本明細書中で用いる用語「ポスト−処理」は、フィルムをエネルギー(例えば、熱的、プラズマ、フォトン、電子、マイクロ波等)、または化学物質でフィルムを処理して、ポロゲンを除去し、所望により、物質の特性を高めることを示す。
【0110】
ポスト−処理を行う条件はかなり変化させることができる。例えば、ポスト−処理は高圧下で、または真空雰囲気化で行うことができる。
【0111】
アニーリングは以下の条件下で行う。
【0112】
環境は不活性(例えば、窒素、CO2、貴ガス(He,Ar,Ne,Kr,Xe等)、酸化性(例えば、酸素、空気、希薄な酸素環境、豊富化された酸素環境、オゾン、亜酸化窒素等)または還元性(希薄なまたは濃厚な水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖または分岐鎖、芳香族)等)であり得る。圧力は、好ましくは、約1トール〜約1000トール、より好ましくは大気圧である。しかしながら、真空雰囲気もまた、熱アニーリングならびにいずれかの他のポスト−処理手段で可能である。温度は、好ましくは、200〜500℃であり、温度ランプ速度は0.1〜100度℃/分である。合計アニーリング時間は、好ましくは、0.01分〜12時間である。
【0113】
OSGフィルムの化学的処理は、以下の条件下で行う。
【0114】
最終物質の特性を高める、フッ素化(HF、SiF4、NF3、F2、COF2、CO22等)、酸化(H22、O3等)、化学的乾燥、メチル化、または他の化学的処理の使用。そのような処理で用いる化学物質は、固体、液体、気体および/または超臨界流体状態であり得る。
【0115】
有機シリケートフィルムからのポロゲンの選択的除去のための超臨界流体ポスト−処理は、以下の条件下で行う。
【0116】
流体は二酸化炭素、水、亜酸化窒素、エチレン、SF6、および/または他のタイプの化学物質であり得る。他の化学物質を超臨界流体に加えて、プロセスを増強することができる。化学物質は不活性(例えば、窒素、CO2、貴ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化性(例えば、酸素、オゾン、亜酸化窒素等)、または還元性(例えば、希薄なまたは濃厚な炭化水素、水素等)であり得る。温度は好ましくは雰囲気温度〜500℃である。化学物質は界面活性剤のようなより大きな化学種も含むことができる。合計曝露時間は、好ましくは、0.01分〜12時間である。
【0117】
不安定基の選択的除去、およびOSGフィルムの可能な化学的修飾についてのプラズマ処理は以下の条件下で行う。
【0118】
環境は不活性(窒素、CO2、貴ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化性(例えば、酸素、空気、希薄な酸素の環境、豊富化された酸素環境、オゾン、亜酸化窒素等)、または還元性(例えば、希薄なまたは濃厚な水素、炭化水素(飽和、不飽和、直鎖または分岐鎖、芳香族等)、であり得る。プラズマパワーは好ましくは0〜5000Wである。温度は好ましくは雰囲気温度〜500℃である。圧力は、好ましくは、10ミリトール〜大気圧である。合計硬化時間は好ましくは0.01分〜12時間である。
【0119】
有機シリケートフィルムからのポロゲンの選択的除去のための光硬化は、以下の条件下で行う。
【0120】
環境は不活性(例えば、窒素、CO2、貴ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化性(例えば、酸素、空気、希薄な酸素環境、豊富化された酸素環境、オゾン、亜酸化窒素等)、または還元性(例えば、希薄なまたは濃厚な炭化水素、水素等)であり得る。温度は好ましくは雰囲気温度〜500℃である。パワーは好ましくは0〜5000Wである。波長は好ましくはIR、可視光線、UVまたは深UV(波長<200nm)。合計公開時間は好ましくは0.01分〜12時間である。
【0121】
有機シリケートフィルムからのポロゲンの選択的除去のためのマイクロ波ポスト−処理は以下の条件下で行う。
【0122】
環境は不活性(例えば、窒素、CO2、貴ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化性(例えば、酸素、空気、希薄な酸素環境、豊富化された酸素環境、オゾン、亜酸化窒素、等)、または還元性(例えば、希薄なまたは濃厚な炭化水素、水素等)であり得る。温度は、好ましくは、雰囲気温度〜500℃である。パワーおよび波長は変化し、特定の結合に調節可能である。合計硬化時間は好ましくは0.01分〜12時間である。
【0123】
有機シリケートフィルムからのポロゲンまたは特異的化学種の選択的除去、および/またはフィルム特性の改良のための電子線ポスト−処理は以下の条件下で行う。
【0124】
環境は真空、不活性(例えば、窒素、CO2、貴ガス(He、Ar、Ne、Kr、Xe)等)、酸化性(例えば、酸素、空気、希薄な酸素環境、豊富化された酸素環境、オゾン、亜酸化窒素等)、または還元性(例えば、希薄なまたは濃厚な炭化水素、水素等)であり得る。温度は、好ましくは雰囲気温度〜500℃である。電子密度およびエネルギーは変化し、特異的結合に調節可能である。合計硬化時間は、好ましくは、0.001分〜12時間であり、連続的またはパルス状であってもよい。電子線の一般的使用に関するさらなるガイドラインは、S.Chattopadhyay et al.,Journal of Materials Science,36(2001)4323−4330;G.Kloster et al.,Proceedings of IITC,June 3−5,2002,SF,CA;および米国特許第6,207,555号B1、第6,204,201号B1および第6,132,814号A1のような刊行物で入手可能である。電子線処理の使用はポロゲン除去、マトリックス中の結合−形成プロセスを通じてのフィルム機械的特性の増強を供することができる。
【0125】
以下の実施例を参照して本発明をより詳細に説明するが、本発明はそれに限定されるとみなされないことを理解すべきである。
【実施例】
【0126】
全ての実験は、ドープされていないTEOSプロセスキットを用い、Advance Energy 2000 rfジェナレータを備えた200mm DxZチャンバー中のApplied Materians Precision−5000システムで行った。レシピは以下の基本的な工程に関連した:ガス流、蒸着、およびウエハー除去に先立つチャンバーのパージ/排気の最初の設定および安定化。フィルムをN2下で425℃にて管状炉中で4時間アニーリングした。
【0127】
厚みおよび屈折率はSCI Filmtek 2000レフレクトメーターで測定した。誘電定数は、低低効率p−型ウエハー(<0.02オーム−cm)についてのHgプローブ技術を用いて決定した。機械的特性は、MTS Nano圧子を用いて決定した。熱的安定性およびオフ−ガス産物は、Thermo TA Instruments 2050 TGAでの熱重量分析によって決定した。組成のデータは、Physical Elctronics 5000LSについてのx−線光電子分光分析(XPS)によって得られた。表中で報告された原子%値は水素を含まない。
【0128】
多孔度をOSGフィルムに導入するために3つの経路を選択した。k<2.6を有する低kフィルムを生じさせるのに調べた最初の経路は、プラズマ増強化学気相蒸着(PECVD)によってOSGと共にポロゲンとしての熱的に不安定な有機オリゴマーを共蒸着させ、次いで、熱的アニーリング工程において、オリゴマーポスト−蒸着を除去した。
【0129】
実施例1A
無酸素環境において、アルファ−テルピネン(ATP)をPECVDを介してシリコンウエハー上にジエトキシメチルシラン(DEMS)と共蒸着させた。プロセス条件はDEMS中のATPの39.4%(容量)混合物の分当たり700ミリグラム(mgm)流であった。500sccmのCO2のキャリアガス流を用いて、化学物質を蒸着チャンバーに導いた。さらなるプロセス条件は以下の通りであった:5当量のチャンバー圧力、150℃のウエハーチャック温度、0.26インチのウエハー間隔に対するシャワーヘッド、および180秒の間の300ワットのプラズマパワー。蒸着されたフィルムは650nmの厚みおよび2.8誘電定数を有した。フィルムを窒素下で425℃で4時間アニーリングして、XPSによって証明されるように、取り込まれたATPの実質的に全てを除去した。図1はアニーリングの前(より明るい線)および後(より暗い線)の赤外スペクトルを示し、これは、ポロゲンの排除を示す。アニーリングされたフィルムは492nmの厚み、および2.4の誘電定数を有した(後の表2参照)。図4は、熱的処理の間に起こる重量損失を示すフィルムの熱重量分析を示す。
【0130】
実施例1B
無オキシダント環境において、ATPをPECDVを介してシリコンウエハー上にDEMSと共に共蒸着した。プロセス条件は、DEMS中のアルファ−テルピネンの70%(容量)混合物の分当たり1300ミリグラム(mgm)流であった。500sccmのCO2のキャリアガス流を用いて、化学物質のガス流へ、蒸着チャンバーへ捕獲した。さらなるプロセス条件は以下の通りであった:8当量のチャンバー圧力、200℃のウエハーチャック温度、0.30インチのウエハー間隔に対するシャワーヘッド、および120秒の間の600ワットのプラズマパワー。蒸着されたフィルムは414nmの厚み、および2.59の誘電定数を有した。フィルムは窒素下で425℃にて4時間アニーリングして、取り込まれたATPを実質的に全て除去した。アニーリングされたフィルムは349nmの厚み、および2.14の誘電定数(以下の表2参照)。
【0131】
実施例1C
アニーリングを400℃の低下した温度で行った以外は、実施例1Aに実質的に従い、フィルムを調製し、アニーリングした。波数を含めた得られたフィルムの赤外スペクトルを図2に示す。ポロゲン、ATPの赤外スペクトルを比較のために図3に示す。
【0132】
実施例1D(比較)
フィルムは、ポロゲンを用いない以外は、実施例1Aに実質的に従って調製し、アニーリングした。フィルムは2.8の誘電定数、および実施例1Aのアニーリングされたフィルムと実質的に同一な組成を有した(表1および2参照)。
【0133】
実施例1E(比較)
プラズマパワーが400ワットである以外は、実施例1Dに実質的に従って、フィルムを調製し、アニーリングした。フィルムは2.8の誘電定数、および実施例1Aのアニーリングされたフィルムと実質的に同一な組成を有した(表1および2参照)。
【0134】
実施例1F
プロセス条件は、ジ−t−ブトキシメチルシラン(DtBOMS)中のアルファ−テルピネン(ATP)の75%(容量)混合物の分当たり1000マイクログラム(mgm)流であった以外は、実施例1Aに実質的に従って、フィルムを調製しアニーリングした。500sccmのCO2のキャリアガス流を用いて、化学物質を蒸着チャンバーに導いた。さらなるプロセス条件は以下の通りであった:7当量のチャンバー圧力、215℃のウエハーチャック温度、0.30インチのウエハー間隔に対するシャワーヘッド、および240秒の間の400ワットのプラズマパワー。蒸着させたフィルムは、540nmの厚み、および2.8の誘電定数を有した。フィルムを窒素下で425℃にて4時間アニーリングして、取り込まれたアルファ−テルピネンを実質的に除去した。アニーリングされたフィルムは474nmの厚みおよび2.10の誘電定数を有した。モジュラスおよび硬度は、例えば、2.23および0.18GPaであった。
【0135】
実施例1G
無オキシダント環境において、ATPをPECVDを介してシリコンウエハー上にDtBOMSと共蒸着させた。プロセス条件は、DtBOMS中のATPの75%(容量)混合物の分当たり700ミリグラム(mgm)流であった。500sccmのCO2のキャリアガス流を用いて、化学物質を蒸着チャンバーに導入した。さらなるプロセス条件は以下の通りであった:9当量のチャンバー圧力、275℃のウエハーチャック温度、0.30インチのウエハー間隔に対するシャワーヘッド、および240秒の間の600ワットのプラズマパワー。蒸着したフィルムは670nmの厚み、および2.64の誘電定数を有した。フィルムを窒素下で425℃にて4時間アニーリングして、全ての取り込まれたATPを実質的に全て除去した。アニーリングされたフィルムは633nm、および2.19の誘電定数を有した。モジュラスおよび硬度は、各々、3.40および0.44GPであった。
【0136】
実施例2
k<2.6を有する定義kフィルムを生じさせるのに調査した第3の経路は、有機珪素前駆体を、それに付着した大きな熱的不安定基を有するシリカ前駆体と物理的に混合するものであった。この経路の効率を証明するために、フフロキシジメチルシランを以下の条件でTMCTSと共蒸着させた;TMCTS中のフルフロキシジメチルシランの11%混合物の1000mgm流、および500sccmのHeのキャリアガス流、6トールのチャンバー圧力、150℃のウエハーチャック温度、0.26インチのウエハー間隔に対するシャワーヘッド、および40秒の間の300ワットのプラズマパワー。蒸着したフィルムの厚みは1220nmであり、3.0の誘電定数を伴った。フルフロキシを含めるのは、蒸着フィルム中のFTIRによって示された。窒素中の400℃における1時間の熱的ポスト−処理の後、kは2.73に低下した。この場合、熱的アニーリングの後においてさえ取り込まれたフルフロキシ基の有意な部分が残っていたようである。
【0137】
これまでの実施例は、種々の官能基を蒸着フィルムに一体化させる能力、より臨界的には、k<2.6を有する材料を可能とするポロゲンの適切な選択の重要性を示す。種々の他のポロゲンはこれらの経路を用いて機能することもできる。最適な低誘電定数を供するために、k<2.6を有する材料は、OSGネットワークへの有機−基取り込みの適切なタイプおよび量を供することができる良好なネットワーク−形成性オルガノシラン/オルガノシロキサン前駆体を必要とする。OSGフィルムを生じさせるのにオキシダントの添加を必要としないネットワーク−形成性前駆体を用いるのが好ましい。これは、酸化を受けやすい炭化水素−ベースの細孔形成性前駆体を用いる場合に特に重要である。酸化は蒸着の間に細孔フォームの有意な修飾を引き起こし、これは、アニーリングプロセスの間に引き続いて除去されるその能力を妨げ得る。
【0138】
【表1】

【0139】
【表2】

【0140】
蒸着された、およびN2熱的ポスト−処理されたDEMS/ATPフィルムのIRスペクトルの比較は、不活性雰囲気における熱的ポスト−処理はポロゲンの選択的除去及びOSG格子の保持で成功することを示す。熱的アニーリング後に1275cm-1においてSi−CH3吸収に実質的に変化はない(Si−CH3はOSGネットワークに関連する)。しかしながら、3000cm-1近くのC−H吸収の劇的な低下がみられ、これは、ATPに関連する実質的に全ての炭素が除去されていることを示唆する。ATPについてのIRスペクトルは図3を参照して示される。このアニーリングの付け加えられた利点は、フィルムをより疎水性とすべき2240および2170cm-1におけるSi−H吸収の有意な低下であるように見える。かくして、本発明のある実施形態において、フィルムの各Si原子は1以下のH原子に結合している。しかしながら、他の実施形態において、Si原子に結合したH原子の数はそのように制限されない。
【0141】
組成分析は、425℃における4時間のアニーリング後のDEMS−ATPフィルム(実施例1A)は、同様にして蒸着され、およびアニーリングされたDEMSフィルムに対する実質的に同一な組成を有する(実施例1D)。アニーリングに先立ってのDEMS−ATPフィルムはフィルム中の実質的により多量の炭素−ベースの物質を示す(IR分析は、この炭素−ベースの物質がATPに非常に似ていることを裏付ける−図3参照)。これは、ATPと共蒸着された場合のDEMSフィルムへ取り込まれたポロゲン物質は熱的ポスト−処理プロセスによって実質的に完全に除去されるという主張を裏付ける。熱重量分析(図4)は、さらに、蒸着物質の有意な重量損失が、350℃を超える温度まで加熱した場合に経験され、これは、アニーリングの間のポロゲン除去の更なる証拠であることを示す。観察されたフィルム収縮は、ポロゲンの除去に際してのOSGネットワークのいくつかの部分の崩壊によって引き起こされるようである。しかしながら、OSGネットワークからの有機基の損失はほとんどなく、すなわち、DEMS内の末端メチル基が最も保持されている(表1で示されるDEMSフィルムについてのプレおよびポスト熱的処理のXPSデータ参照)。これは、IRスペクトル中の波線1275波数における比較的同等なSi−CH3バンドによって裏付けられる。この物質の疎水性は、IRスペクトル中のSi−OH基の欠如によって実質化される。アニーリング後のフィルムの屈折率および誘電定数の減少は、フィルム厚みの減少に拘わらず、それらが予めアニーリングしたフィルムよりも密でないことを示唆する。陽電子対消滅寿命分光分析(PALS)は、波線1.5nm相当球直径の範囲における試料1A、1B、および1Fについての細孔サイズを示す。また、(緒言において参照した)Grill et alの研究とは異なり、組成変化と組合せられた厚み損失の分析(実施例1A)は、OSGネットワークがアニーリングの間に保持され、有意に劣化しないことを示す。
【0142】
実施例3
改良された機械的特性/環状ポロゲン
いくつかのフィルムが先に詳細に記載したようにApplied Materills Precision 5000 Platformにおいて調整した。UV処理は融合ブロード−バンドUVバルブで行った。多孔性フィルムの機械的特性はMTS AS−1 ナノ圧子でのナノ凹みによって測定した。
【0143】
表3を参照し、2.5の誘電定数を有するDEMS/シクロオクタンフィルムは、同一誘電定数を有するDEMS/A trpフィルムに対して35%よりも大きな増強されたモジュラスを有する。シクロオクタンは炭素−炭素二重結合を有し、ペンダントまたは分岐構造は有さず、他方、アルファ−テルピネンは2の炭素−炭素二重結合を有し、炭素環上に置換されたメチルおよびプロピル基を有する分岐構造である。アルファ−テルピエンのイオン化エネルギーは、シクロオクタンのそれよりもほとんど2eVよりも低いと計算された。これは、オルガノシラン前駆体のより大きな断片化を可能とし、結局は、OSGネットワークへの低級メチル取り込みを取り込みに導くと考えられる。
【0144】
【表3】

【0145】
さて、表4を参照し、コロゲン前駆体と混合されたDEMSについての実験を行いそこでは、分子当たりの炭素の数は一定に保持された。データは、低い度合いの不飽和を有する環状非分岐構造が、高い機械的強度フィルムを生じるのに生じされる好ましいポロゲン前駆体であることを示す。非−環状かつ分岐したイソ−オクタンによって生産されたフィルムの結果、最低の硬度値が得られる。環状の非分岐で、1度の飽和を有するシクロオクタンによって生産されたフィルムの結果、最高の硬度値がもたらされる。
【0146】
【表4】

【0147】
表5を参照し、リストされたコロゲン前駆体を使用し、2.27および2.46の間の誘電定数を有するフィルムを作成した。2.26および2.27の間の匹敵する誘電定数において、前駆体として1,5−シクロオクタジエンを使用するDEMSフィルム(3度の不飽和)は、前駆体としてメチルシクロペンタジエン−ダイマー(6度の不飽和)を用いるフィルムよりも40%高いモジュラスを有する。2.41および2.46の間の匹敵する誘電定数においては、シクロヘプタンを使用するDEMSフィルム(1度の不飽和)は、ビニルシクロヘキサン(2度の不飽和)を用いるフィルムよりも9%高いモジュラスを有する。
【0148】
【表5】

【0149】
実施例4−フィルム特性
図5を参照し、蒸着されたポロゲン構造は、FT−IRでの3100〜2800cm-1波数範囲の吸着によって特徴付けられる。ほぼ2960cm-1を中心とするピークは−CH3伸縮モードに帰属され、他方、ほぼ2930cm-1を中心とするピークは−CH2伸縮モードに帰属される。図6を参照し、環状の分岐していないポロゲン前駆体の結果、複合体フィルムにおけるよりポリエチレン−CH2様ポロゲンをもたらす。図5は、この物質について、2930cm-1を中心とするピークが2960cm-1を中心とするよりもかなり高いことを示す。特定の理論に拘束されるつもりはないが、シクロオクタン(および他の好ましいポロゲン)から蒸着されたポリエチレン−様有機物質は、フィルムから除去するのがより容易であり、硬化チャンバー内部での光吸収残基(例えば、不飽和、コンジュゲーテッド、芳香族炭素)のより低い形成をもたらすと考えられる。出願人らは、驚くべきことに、この効果が蒸着およびUV硬化チャンバーを洗浄するのに必要な時間を低下させ、全スループットを改良することを発見した。例えば、図7を参照し、環状の、非分岐の、不飽和のポロゲン前駆体が他のポロゲンよりもポロゲン除去後に269nmにおいてUV−シグナルをあまりブロックしないことが明らかである。フォーマータイプのフィルムで必要な硬化プロセス後の低下した洗浄時間もまた観察された。図7において、シクロオクタン(1度の飽和をもつ環状の非分岐前駆体)からの流出残渣はチャンバー窓でより小さなUV強度をブロックし、リモネン(3度の不飽和を有する環状分岐)と比較してより短いチャンバー洗浄時間をもたらす。
【0150】
さて、図8、9および10を参照し、本発明者らは、低度の不飽和を有する環状非分岐ポロゲン前駆体を使用することによって、多孔性フィルムにおけるより低いケイ素−メチル取り込みがもたらされることを観察した。このSi−CH3/Si−O種の比率はフィルムのネットワーク結合の尺度であり、フィルムモジュラスに、および隣接するバリア層への接着に直接的に関連することが示された。特定の理論に拘束されるつもりはないが、ポロゲンのこのクラスは得られるフィルムにおけるより頑強な有機シリケートネットワークの形成を可能とすると考えられる。
【0151】
実施例5
フィルム5−Aおよび5−Bについては、1,3−ジシラブタンはPECVDを介してシリコンウエハーへシクロオクタンと共蒸着された。200sccmのCO2を用いて、10sccmのO2に加えて、蒸着チャンバーへの蒸着チャンバーへ化学物質を誘導した。フィルムは1〜20トールの流動するヘリウム下で広いバンドUV照射へのバクロによって硬化した。表6における相対的科学的濃度はFT−IRピーク領域を用いて見積もられた。データは以下の波数範囲から積分した。SiCH3(1250−1300cm-1)、Si−CH2−Si(1340−1385cm-1)、Si−O(950−1250cm-1)。
【0152】
図11に示すように、フィルム5−Aおよび5−Bは、1360cm-1範囲における増大したFT−IRシグナルを有し、これは、Si−CH2−Siタイプの種の増強を示す。さらに、表6は、フィルム5−Aおよび5−Bが、ジエトキシメチルシラン(DEMS)およびアルファ−テルピネン(ATP)を用いて蒸着されたフィルムよりも大きなSiOに対するメチレン比率の大きさのオーダーを含むことを示す。
【0153】
【表6】

【0154】
実施例6
フィルム6A〜6Dについては、ビス−トリエトキシシリルメタンをPESVDを介してシリコンウエハーへシクロオクタンと共蒸着された。200sccmのCH2を使用して、20sccmのO2に加えて蒸着チャンバーへ化学物質を誘導した。フィルムは1〜200トールの流動するヘリウム下で広いバンドUV照射への曝露によって硬化された。機械的特性および誘電定数を表7に示し、そこでは、2.85GPaのモジュラスが、この化学的組合せおよび好ましいポロゲンを用いて、1.92の誘電定数を有するフィルムに到達した。
【0155】
【表7】

【0156】
本発明を、いくつかの好ましい実施形態に関して、記載してきたが、本発明の範囲はそれらの実施形態よりも広いと考えられ、以下の請求の範囲から確認すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Sivwxyz
(式中、v+w+X+Z=100%、vは10〜35原子%、wは10〜65原子%、xは5〜30原子%、yは10〜50原子%であって、zは0〜15原子%である)
によって表される多孔性有機シリカガラスフィルムを製造するための化学気相蒸着方法であって、
基材を真空チャンバー内に供すること;
真空チャンバー内に、オルガノシランおよびオルガノシロキサンからなる群から選択される少なくとも1種の前駆体、および前駆体から区別しうるポロゲンを含むガス状試薬を導入すること、ここで、ポロゲンは非分岐構造を有しかつ2以下の不飽和度を有するC4〜C14環状炭化水素化合物である;
エネルギーを真空チャンバー中のガス状試薬に適用してガス状試薬の反応を誘導し、予備的フィルムを基材上に蒸着させること、ここで、予備的フィルムはホロゲンを含有する;および
不安定有機物質の実質的全てを予備的フィルムから除去して細孔を有しかつ誘電定数が2.6未満である多孔性フィルムを提供すること
を含む方法。
【請求項2】
前記誘電定数が2.2未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
vが20〜30原子%であり、wが20〜45原子%であり、xが5〜20原子%であり、yが15〜40原子%であって、zが0である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記エネルギーがプラズマエネルギーであって、前記ポロゲンが紫外線照射への曝露によって除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記多孔性フィルム中の水素のほとんどが炭素に結合している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記多孔性フィルムが1.5g/ml未満の密度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記細孔が5nm以下の球体相当直径を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記多孔性フィルムのフーリエ変換赤外(FTIR)スペクトルが、ポロゲン前駆体がないことを除いて前記方法と実質的に同一の方法によって調製された対照フィルムの対照FTIRと実質的に同一である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記多孔性フィルムがN2中で425℃の等温下で1.0wt%/時間未満の平均重量損失を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記多孔性フィルムが空気中で425℃の等温下で1.0wt%/時間未満の平均重量損失を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ポロゲンがC7〜C10環状炭化水素化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ポロゲンがシクロオクタン、シクロヘプタン、シクロオクテン、シクロオクタジエン、シクロヘプテン、およびその混合物からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ポロゲンがC8環状炭化水素化合物である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ポロゲンがシクロオクタン、シクロオクテン、およびその混合物からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ポロゲンがシクロオクタンである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記オルガノシロキサンがジエトキシメチルシラン(DEMS)である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1種の前駆体が
(a)式R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si
(式中、R1は、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2は、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R3は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nは1〜3であって、pは0〜3である);
(b)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−O−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
(式中、R1およびR2は、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2およびR6は、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R4およびR5は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nがは〜3であり、mは0〜3であり、qは0〜3であって、pは0〜3であり、ただし、n+m≧1、n+p≦3、およびm+q≦3である);
(c)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−SiR3m(O(O)CR5q(OR63-m-q
(式中、R1およびR3は、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2およびR6は、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R4およびR5は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nは0〜3であり、mは0〜3であり、qは0〜3であって、pは0〜3であり、但し、n+m≧1、n+p≦3、およびm+q≦3である);
(d)式R1n(OR2p(O(O)CR43-n-pSi−R7−SiR3m(O(O)CR5)q(OR63-m-q
(式中、R1およびR3は、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2、R6およびR7は、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R4およびR5は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nは0〜3であり、mは0〜3であり、qは0〜3であり、pは0〜3であり、但し、n+m≧1、n+p≦3、およびm+q≦3である);
(e)式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tCH4-t
(式中、R1は、独立して、H、またはC1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2は、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R3は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nは1〜3であり、pは0〜3であり、tは2〜4であり、但し、n+p≦4である);
(f)式(R1n(OR2p(O(O)CR34-(n+p)Si)tNH3-t
(式中、R1は、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり;R2は、独立して、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、R3は、独立して、H、C1〜C6の、直鎖または分岐鎖の飽和、単一にまたは多重に不飽和の、環状の、芳香族の、部分的にまたは十分にフッ素化された炭化水素であり、nは1〜3であり、pは0〜3であり、tは1〜3であり、但し、n+p≦4である);または
(g)式(OSiR13x
(式中、R1およびR3は、独立して、H、C1〜C4の、直鎖または分岐鎖の、飽和、単一にまたは多重に不飽和の環状の部分的または十分にフッ素化された炭化水素であり、xは2〜8の整数である)
の環状シロキサン
によって表される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1種の前駆体がジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジイソプロポキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、およびテトラエトキシシランからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1種の前駆体が2以下のSi−O結合を有する第1の有機珪素前駆体、および3以上のSi−O結合を有する第2の有機珪素前駆体の混合物であって、前記混合物が多孔性フィルムの化学組成を調整するように供される、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記ガス状試薬がジエトキシメチルシランおよびテトラエトキシシランの混合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
(a)(i)ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジ−イソプロポキシメチルシラン、ジ−t−ブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ−イソプロポキシシラン、メチルトリ−t−ブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジ−イソプロポキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、およびテトラエトキシシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、ジターシャリーブトキシメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルジアセトキシシラン、メチルエトキシジシロキサン、ジメチルジアセトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(ジメトキシシリル)メタン、テトラエトキシシラン、トリエトキシシラン、およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1種の前駆体;および
(ii)前記少なくとも1種の前駆体から区別されうるポロゲンであって、前記ポロゲンはシクロオクテン、シクロヘプテン、シクロオクタン、シクロオクタジエン、シクロヘプタン、シクロヘプタジエン、シクロヘプタトリエン、およびその混合物から選択される;
を含む、組成物。
【請求項22】
前記ポロゲンおよび前記前駆体が別々の容器に維持されるキットで供される、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記容器の少なくとも1つが圧縮可能なステンレス鋼容器である、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記ポロゲンおよび前記前駆体が、前記ポロゲンおよび前記前駆体を別々に維持するための分離手段を有する単一の容器中に維持される、請求項21に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−272632(P2009−272632A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−112216(P2009−112216)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】