説明

マイクロ揺動素子およびマイクロ揺動素子アレイ

【課題】揺動部の重量バランスをとるのに適したマイクロ揺動素子、および、そのようなマイクロ揺動素子を含むマイクロ揺動素子アレイを、提供する。
【解決手段】本発明のマイクロ揺動素子X1は、フレーム21と、可動機能部11、当該可動機能部11に連結する駆動電極12、および可動機能部11とは反対の側において駆動電極12に連結する錘部14、を有する揺動部10と、フレーム21および揺動部10を連結して当該揺動部10の揺動動作の軸心A1を規定する連結部22と、駆動電極12と協働して揺動動作の駆動力を発生させるための、フレーム21に固定された第2駆動電極23とを備える。本発明のマイクロ揺動素子アレイは、このようなマイクロ揺動素子X1を複数具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小な揺動部を有する例えばマイクロミラー素子、加速度センサ、角速度センサ、振動素子などのマイクロ揺動素子およびマイクロ揺動素子アレイに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な技術分野において、マイクロマシニング技術により形成される微小構造を有する素子の応用化が図られている。そのような素子には、例えば、マイクロミラー素子や、角速度センサ、加速度センサなど、微小な揺動部を有するマイクロ揺動素子が含まれる。マイクロミラー素子は、例えば光ディスク技術や光通信技術の分野において、光反射機能を担う素子として利用される。角速度センサおよび加速度センサは、例えば、ビデオカメラやカメラ付き携帯電話の手振れ防止機能、カーナビゲーションシステム、エアバック開放タイミングシステム、車やロボット等の姿勢制御システムの用途で、利用される。このようなマイクロ揺動素子については、例えば下記の特許文献1〜3に記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−19700号公報
【特許文献2】特開2004−341364号公報
【特許文献3】特開2006−72252号公報
【0004】
図21から図23は、従来のマイクロ揺動素子の一例たるマイクロ揺動素子X3を表す。図21は、マイクロ揺動素子X3の平面図であり、図22および図23は、各々、図21の線XXII−XXIIおよび線XXIII−XXIIIに沿った断面図である。
【0005】
マイクロ揺動素子X3は、揺動部40と、フレーム51と、一対のトーションバー52と、櫛歯電極53とを備え、マイクロミラー素子として構成されたものである。図の明確化の観点より、図21においては、揺動部40およびフレーム51についてハッチングを付して表す。
【0006】
揺動部40は、ランド部41と、櫛歯電極42と、梁部43とを有する。ランド部41の表面には、光反射機能を有するミラー面41aが設けられている。櫛歯電極42は、本素子の駆動機構における可動電極を構成し、導電性を付与されたシリコン材料よりなる。梁部43は、ランド部41および櫛歯電極42を連結する。このような梁部43は、導電性を付与されたシリコン材料よりなる。
【0007】
フレーム51は、揺動部40を囲む形状を有し、シリコン材料よりなる。また、フレーム51内には、所定の導電経路(図示略)が設けられている。
【0008】
一対のトーションバー52は、揺動部40ないしランド部41の揺動動作の軸心A3を規定する。各トーションバー52は、揺動部40の梁部43およびフレーム51に接続してこれらを連結し、図23に示すように、厚さ方向Hにおいて梁部43およびフレーム51よりも薄肉である。また、トーションバー52は、フレーム51内の導電経路と梁部43とを電気的に接続する機能を有し、導電性を付与されたシリコン材料よりなる。
【0009】
櫛歯電極53は、櫛歯電極42と協働して静電気力を発生するための部位であり、図23に表れているようにフレーム51に固定されている。すなわち、櫛歯電極53は、本素子の駆動機構における固定電極を構成する。このような櫛歯電極53は、導電性を付与されたシリコン材料よりなる。櫛歯電極42,53は、揺動部40の例えば非動作時には、図22および図23に示すように、互いに異なる高さに位置する。また、櫛歯電極42,53は、揺動部40の揺動動作時において互いに当接しないように、それらの電極歯が位置ずれした態様で配されている。
【0010】
マイクロ揺動素子X3においては、櫛歯電極42,53の各々に対して必要に応じて所定の電位を付与することにより、揺動部40ないしランド部41を軸心A3まわりに回転変位させることができる。櫛歯電極42に対する電位付与は、フレーム51内の所定の導電経路、両トーションバー52、および梁部43を介して実現することができ、櫛歯電極42は、例えばグランド接続されている。櫛歯電極42,53の各々に所定の電位を付与することにより櫛歯電極42,53間に所望の静電引力を発生させると、櫛歯電極42は櫛歯電極53に引き込まれる。そのため、揺動部40ないしランド部41は、軸心A3まわりに揺動動作し、電極間の静電引力と各トーションバー52の捩り抵抗力の総和とが釣り合う角度まで回転変位し得る。このような揺動動作における回転変位量を調節するには、櫛歯電極42,53への付与電位が調整される。また、櫛歯電極42,53間に作用する静電引力を消滅させると、各トーションバー52はその自然状態に復帰し、揺動部40ないしランド部41は、図23に表れているような配向をとる。以上のような揺動部40ないしランド部41の揺動駆動により、ランド部41上に設けられたミラー面41aにて反射される光の反射方向を適宜切り換えることができる。
【0011】
マイクロ揺動素子X3では、トーションバー52によって規定される軸心A3を揺動中心として揺動部40は上述のように揺動動作するところ、揺動部40における軸心A3まわりの重量バランスは悪い傾向にある。図21に示すように、揺動部40において、軸心A3から図中上位の構造は全体として相対的に密な構造であり、軸心A3から図中下位の構造は全体として相対的に疎な構造である(軸心A3から図中上位の構造と軸心A3から図中下位の構造とは非対称である)。これとともに、図23に示すように、軸心A3は、揺動部40の厚さ方向Hにおける中間位置から図中下位方向に偏位する。このような構造においては、揺動部40について軸心A3まわりの重量バランスをとりにくいのである。揺動部40の重量バランスの悪さは、揺動部40の揺動動作における回転変位量の高精度制御を阻害する。例えば、重力の影響を受けて揺動部40が僅かながらも回転変位してしまう場合がある。一方、加速度センサや角速度センサとして構成されているマイクロ揺動素子の揺動部における重量バランスの悪さは、センサ特性を劣化させる要因であることが、知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであり、揺動部の重量バランスをとるのに適したマイクロ揺動素子およびマイクロ揺動素子アレイを提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の側面によるとマイクロ揺動素子が提供される。このマイクロ揺動素子は、フレームと、可動機能部、当該可動機能部に連結する第1駆動電極、および可動機能部とは反対の側において第1駆動電極に連結する錘部、を有する揺動部と、フレームおよび揺動部を連結して当該揺動部の揺動動作の軸心を規定する連結部と、第1駆動電極と協働して揺動動作の駆動力を発生させるための、フレームに固定された第2駆動電極とを備える。
【0014】
本マイクロ揺動素子の揺動部においては、相対的に疎な構造となりやすい第1駆動電極が可動機能部と錘部との間に位置するように、可動機能部、第1駆動電極、および錘部は配列されている。このような揺動部の揺動動作の軸心は、フレームと揺動部を連結する連結部によって規定されるところ、相対的に疎な構造となりやすい第1駆動電極側に錘部が連結している構成によると、可動機能部および第1駆動電極を含む揺動部における当該軸心まわりの重量バランスをとりやすい(特に、可動機能部、第1駆動電極、および錘部の前記配列の方向において軸心を中心として一方に延びる側と他方に延びる側との重量バランスをとりやすい)。すなわち、本マイクロ揺動素子は、揺動部の重量バランスをとるのに適するのである。このようなマイクロ揺動素子においては、揺動部の揺動動作における回転変位量について、高精度に制御しやすい。また、マイクロ揺動素子が加速度センサや角速度センサとして構成されている場合、当該マイクロ揺動素子の揺動部における重量バランスがよいことは、良好なセンサ特性を得るうえで好適である。
【0015】
本マイクロ揺動素子が、第1導体層と、第2導体層と、当該第1および第2導体層の間の絶縁層とからなる積層構造を含む材料基板に加工を施すことによって得られたものである場合には、例えば、可動機能部、第1駆動電極、および錘部は、第1導体層において成形された部位であり、第2駆動電極は第2導体層において成形された部位である。
【0016】
好ましくは、連結部は、揺動部における可動機能部および第1駆動電極の間に接続する。例えば、揺動部は、可動機能部および第1駆動電極を連結する梁部を有し、連結部は、当該梁部において揺動部に接続する。
【0017】
好ましくは、錘部は、第1駆動電極と電気的に接続されている。このような構成は、第1駆動電極とともに錘部にも所定の電位を付与するうえで好適である。
【0018】
好ましくは、錘部および第2駆動電極の間に静電力を発生させることが可能とされている。このような構成によると、第1駆動電極とともに錘部にも所定の電位を付与することによって、第1駆動電極および第2駆動電極の間に駆動力たる静電力を発生させるとともに、錘部および第2駆動電極の間にも静電力を発生させることが可能となり、そして、当該静電力を、揺動部の揺動動作のための駆動力として利用することが可能となる。
【0019】
好ましくは、錘部は、第1駆動電極から遠のくほど(従って、揺動動作の軸心から遠のくほど)当該錘部および第2駆動電極の間の離隔距離が漸増する部位を、有する。このような構成によると、錘部において、第1駆動電極から遠のくほど(従って軸心から遠のくほど)、錘部と第2駆動電極の間に生ずる単位面積あたりの静電力を低減しやすい。したがって、このような構成は、錘部が連結している第1駆動電極を曲げる方向に作用するモーメントを抑制して、第1駆動電極が不当に変形するのを回避するうえで好ましい。仮に、第1駆動電極ないし軸心からの距離にかかわらず錘部と第2駆動電極の間の離隔距離が一定であるとすると、錘部が連結する第1駆動電極を曲げる方向に作用する比較的大きなモーメントが錘部および第2駆動電極の間に生じてしまう場合がある。
【0020】
好ましくは、第1駆動電極は、軸心と交差する方向に延び且つ並列する第1アーム部および第2アーム部と、第1アーム部から第2アーム部側へ延出し且つ当該第1アーム部の延び方向に離隔して並列する複数の電極歯と、第2アーム部から第1アーム部側へ延出し且つ当該第2アーム部の延び方向に離隔して並列する複数の電極歯とを有し、第2駆動電極は、第1および第2アーム部に沿って延びる第3アーム部と、当該第3アーム部から第1アーム部側へ延出し且つ当該第3アーム部の延び方向に離隔して並列する複数の電極歯と、第3アーム部から第2アーム部側へ延出し且つ当該第3アーム部の延び方向に離隔して並列する複数の電極歯とを有する。
【0021】
好ましくは、揺動部は、可動機能部および錘部の間において第1駆動電極に接合された追加錘部を更に有する。追加錘部は、揺動部ないし第1駆動電極の厚さ方向において第1駆動電極上に積層形成されたものである。このような追加錘部は、可動機能部と、第1駆動電極と、上述の錘部とを含む揺動部における軸心まわりの重量バランスをとるのに資する(特に、揺動部の厚さ方向において軸心を中心として一方の側に位置する構造部と他方の側に位置する構造部との重量バランスをとるのに資する)。
【0022】
本マイクロ揺動素子が、第1導体層と、第2導体層と、当該第1および第2導体層の間の絶縁層とからなる積層構造を含む材料基板に加工を施すことによって得られたものである場合には、例えば、可動機能部、第1駆動電極、および錘部は、第1導体層において成形された部位であり、第2駆動電極および追加錘部は、第2導体層において成形された部位である。
【0023】
好ましくは、追加錘部は、第1駆動電極と電気的に接続されている。このような構成は、第1駆動電極とともに追加錘部にも所定の電位を付与するうえで好適である。
【0024】
本マイクロ揺動素子は、追加フレームと、フレームおよび追加フレームを連結し、且つ、フレームの揺動動作の、軸心と交差する方向に延びる追加軸心を規定する、追加連結部と、フレームの揺動動作の駆動力を発生させるための駆動機構とを、を更に備えてもよい。本マイクロ揺動素子は、このような構成を具備するいわゆる二軸型揺動素子であってもよい。
【0025】
本発明の第2の側面によるとマイクロ揺動素子アレイが提供される。このマイクロ揺動素子アレイは、本発明の第1の側面に係るマイクロ揺動素子を複数含んでなる。好ましくは、複数のマイクロ揺動素子の軸心は相互に平行である。好ましくは、複数のマイクロ揺動素子における揺動部の第1駆動電極には、共通的に電位を付与可能であり、且つ、複数のマイクロ揺動素子における第2駆動電極には、マイクロ揺動素子ごとに個別に電位を付与可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1から図6は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロ揺動素子X1を表す。図1は、マイクロ揺動素子X1の平面図であり、図2は、マイクロ揺動素子X1の一部省略平面図である。図3は、図1の線III−IIIに沿った断面図である。図4から図6は、各々、図1の線IV−IV、線V−V、および線VI−VIに沿った拡大断面図である。
【0027】
マイクロ揺動素子X1は、揺動部10と、フレーム21と、一対の連結部22と、駆動電極23と、シールド電極部24とを備え、本実施形態ではマイクロミラー素子として構成されている。また、マイクロ揺動素子X1は、MEMS技術などのバルクマイクロマシニング技術により、いわゆるSOI(silicon on insulator)ウエハである材料基板に対して加工を施すことによって製造されたものである。当該材料基板は、第1および第2シリコン層ならびに当該シリコン層間の絶縁層よりなる積層構造を有し、各シリコン層は、不純物のドープにより所定の導電性が付与されている。マイクロ揺動素子X1における上述の各部位は主に第1シリコン層および/または第2シリコン層に由来して形成されるところ、図の明確化の観点より、図1においては、第1シリコン層に由来して絶縁層より紙面手前方向に突き出る部位について、斜線ハッチングを付して表す。また、図2に示される構造は、マイクロ揺動素子X1において第2シリコン層に由来するものである。
【0028】
揺動部10は、ランド部11と、駆動電極12と、梁部13と、錘部14A,14B,14Cとを有する。
【0029】
ランド部11は、第1シリコン層に由来する部位であり、その表面には、光反射機能を有するミラー面11aが設けられている。このようなランド部11およびミラー面11aは、本発明における可動機能部を構成する。また、ランド部11ないし可動機能部について図1に示す長さL1は、例えば20〜300μmである。
【0030】
駆動電極12は、第1シリコン層に由来する部位であり、一対のアーム12A,12B、複数の電極歯12a、および複数の電極歯12bを有する。アーム12A,12Bは、図1に示す矢印D方向に平行である。電極歯12aは、図1および図4に示すようにアーム12Aからアーム12B側へ延出し、且つ、図1に示すようにアーム12Aの延び方向に離隔して並列する。電極歯12bは、アーム12Bからアーム12A側へ延出し、且つ、アーム12Bの延び方向に離隔して並列する。また、駆動電極12は、マイクロ揺動素子X1の駆動時に所定の基準電位(例えばグラウンド電位)が付与されるための部位である。このような駆動電極12は、本発明における第1駆動電極にあたる。
【0031】
梁部13は、第1シリコン層に由来する部位であり、ランド部11および駆動電極12を連結する。
【0032】
錘部14Aは、駆動電極12のアーム12Aの先端に固定され、且つ、駆動電極12と電気的に接続されている。駆動電極12を介して錘部14Aに電位を付与することが可能である。
【0033】
錘部14Bは、駆動電極12のアーム12Bの先端に固定され、且つ、駆動電極12と電気的に接続されている。駆動電極12を介して錘部14Bに電位を付与することが可能である。
【0034】
錘部14Cは、図2に示すように第2シリコン層に由来する部位であり、ランド部11および駆動電極12の間において、図5に示すように絶縁層15を介して駆動電極12に接合している。錘部14Cおよび駆動電極12は、絶縁層15を貫通する導電ビア16を介して電気的に接続されている。このような錘部14Cは、本発明における追加錘部にあたる。
【0035】
フレーム21は、例えば図3および図6に示すように、第1シリコン層に由来する第1層部21aと、第2シリコン層に由来する第2層部21bと、当該第1および第2層部21a,21bの間の絶縁層21cとからなる積層構造を有する。第1層部21aは、図1に示すように揺動部10を部分的に囲む形状を有する。第2層部21bは、揺動部10を全体的に囲む形状を有するフレーム本体である。これら第1層部21aおよび第2層部21bは、図6に示すように、絶縁層21cを貫通する導電ビア21dを介して電気的に接続されている。
【0036】
連結部22は、各々、図1に示すように二本のトーションバー22aからなる。各トーションバー22aは、第1シリコン層に由来する部位であり、揺動部10の梁部13とフレーム21の第1層部21aとに接続して、揺動部10およびフレーム21を連結する。トーションバー22aにより、梁部13と第1層部21aは電気的に接続される。各連結部22を構成する二本のトーションバー22aの間隔は、フレーム21の側から揺動部10の側にかけて漸増する。また、トーションバー22aは、図3に示すように、厚さ方向Hにおいて、揺動部10より薄肉であり、且つ、フレーム21の第1層部21aよりも薄肉である。このような一対の連結部22は、揺動部10ないしランド部11の揺動動作の軸心A1を規定する。軸心A1は、図1に示す矢印D方向と、即ち、駆動電極12のアーム12A,12Bの延び方向と、直交する。フレーム21の側からランド部11の側にかけて間隔が漸増する二本のトーションバー22aを含む各連結部22は、ランド部11の揺動動作における不要な変位成分の発生を抑制するのに好適である。
【0037】
駆動電極23は、図2によく表れているように、第2シリコン層に由来する部位であり、アーム23A、複数の電極歯23a、および複数の電極歯23bからなる。アーム23Aは、図1に示す矢印D方向に延びる。複数の電極歯23aは、駆動電極12のアーム12A側へアーム23Aから延出し、且つ、アーム23Aの延び方向に離隔して並列する。複数の電極歯23bは、駆動電極12のアーム12B側へアーム23Aから延出し、且つ、アーム23Aの延び方向に離隔して並列する。また、駆動電極23は、駆動電極12に近接するとともに、錘部14A,14Bにも近接する。
【0038】
シールド電極部24は、第1シリコン層に由来する部位であり、例えば図4に示すように、絶縁層25を介して駆動電極23のアーム23Aに接合している。シールド電極部24および駆動電極23は電気的に分離されている。また、シールド電極部24は、図1に示すように、フレーム21の第1層部21aと連続し且つ電気的に接続されている。
【0039】
マイクロ揺動素子X1において、一対の駆動電極12,23は、揺動部10に係る駆動力を発生させるための駆動機構ないしアクチュエータを構成する。当該駆動機構において、駆動電極12のアーム12A,12Bは、離隔して、軸心A1と直交する方向に延びる。一対のアーム12A,12Bは、駆動電極12,23からなる駆動機構の構造において、揺動部10に係る軸心A1の延び方向における最も外側の部位をなす。駆動電極23は、図1および図4に示すように、このようなアーム12A,12Bの離隔距離L2以内に設けられている。離隔距離L2は、例えば10〜300μmである。
【0040】
マイクロ揺動素子X1の揺動部10においては、ランド部11よりも疎な構造をとる駆動電極12がランド部11と錘部14A,14Bとの間に位置するように、ランド部11、駆動電極12、および錘部14A,14Bは配列されている。このような揺動部10の揺動動作の軸心A1は、ランド部11および駆動電極12の間の梁部13に接続してフレーム21と揺動部10とを連結する連結部22ないしトーションバー22aによって規定されるところ、相対的に疎な構造をとる駆動電極12の側に錘部14A,14Bが連結している構成によると、ランド部11および駆動電極12を含む揺動部10における軸心A1まわりの重量バランスをとりやすい(特に、図1に示す矢印D方向において軸心A1を中心として一方に延びる側と他方に延びる側との重量バランスをとりやすい)。すなわち、マイクロ揺動素子X1は、揺動部10の重量バランスをとるのに適するのである。
【0041】
マイクロ揺動素子X1の揺動部10は、このような錘部14A,14Bに加えて錘部14Cを有する。錘部14Cは、揺動部10の厚さ方向Hにおいて駆動電極12上に積層形成されたものである。このような錘部14Cは、ランド部11と、駆動電極12と、錘部14A,14Bとを含む揺動部10における軸心A1まわりの重量バランスをとるのに資する(特に、揺動部10の厚さ方向Hにおいて軸心A1を中心として一方の側に位置する構造部と他方の側に位置する構造部との重量バランスをとるのに資する)。
【0042】
これら錘部14A,14B,14Cを具備することによって、マイクロ揺動素子X1においては、揺動部10について軸心A1まわりの重量バランスがとられている。具体的には、揺動部10における軸心A1から図3中右側に位置する構造(ランド部11、梁部13の一部、および錘部14Cの一部を含む)の質量と、軸心A1から図3中左側に位置する構造(駆動電極12、梁部13の一部、錘部14A,14B、錘部14Cの一部を含む)の質量とが等しくなり(すなわち、揺動部10における軸心A1から図1中上側に位置する構造の質量と、軸心A1から図1中下側に位置する構造の質量とが等しくなり)、且つ、揺動部10における軸心A1から図3中上側に位置する構造(ランド部11の一部、駆動電極12の一部、梁部13の一部、および錘部14A,14Bの一部を含む)の質量と、軸心A1から図3中下側に位置する構造(ランド部11の一部、駆動電極12の一部、梁部13の一部、錘部14A,14Bの一部、および錘部14Cを含む)の質量とが等しくなるように、ランド部11、駆動電極12、および梁部13に加えて揺動部10に錘部14A,14B,14Cが設けられている。
【0043】
マイクロ揺動素子X1の駆動時には、揺動部10の駆動電極12に所定の基準電位が付与される。駆動電極12に対する基準電位の付与は、フレーム21の第1層部21a、連結部22のトーションバー22a、および、揺動部10の梁部13を介して実現することができる。基準電位は、例えばグラウンド電位であり、好ましくは一定に維持される。そして、基準電位よりも高い駆動電位を駆動電極23に付与することにより、駆動電極12,23間(電極歯12a,23a間,電極歯12b,23b間)に静電引力を発生させることができる。駆動電極12,23間に所定以上の静電引力が発生すると、駆動電極12は駆動電極23に引き込まれる。そのため、揺動部10ないしランド部11は、軸心A1まわりに揺動動作し、当該静電引力と各トーションバー22aの捩り抵抗力の総和とが釣り合う角度まで回転変位する。釣り合い状態においては、駆動電極12,23は、例えば図7に示す配向をとる。このような揺動動作における回転変位量は、駆動電極23に対して付与する駆動電位を調整することにより、調節することができる。また、駆動電極12,23間の静電引力を消滅させると、各トーションバー22aはその自然状態に復帰し、揺動部10ないしランド部11は、図3に表れているような配向をとる。以上のような揺動部10ないしランド部11の揺動駆動により、ランド部11上に設けられたミラー面11aにて反射される光の反射方向を適宜切り換えることができる。
【0044】
マイクロ揺動素子X1においては、錘部14A,14B,14Cを具備することによって上述のように揺動部10の重量バランスがとられているため、当該揺動部10の揺動動作における回転変位量について、高精度に制御しやすい。
【0045】
マイクロ揺動素子X1においては、上述のように駆動電極12とともに錘部14A,14Bにも所定の電位を付与することができ、従って、駆動電極12,23間に駆動力たる静電力を発生させるとともに、錘部14A,14Bおよび駆動電極23の間にも静電力を発生させることが可能である。この追加的な静電力は、揺動部10の揺動動作のための駆動力として利用することが可能である。
【0046】
マイクロ揺動素子X1においては、錘部14Aは、駆動電極12から遠のくほど(従って、揺動動作の軸心A1から遠のくほど)当該錘部14Aおよび駆動電極23の間の離隔距離L3が漸増する部位14aを、有する。これとともに、錘部14Bは、駆動電極12から遠のくほど(従って軸心A1から遠のくほど)当該錘部14Bおよび駆動電極23の間の離隔距離L4が漸増する部位14bを、有する。このような構成によると、錘部14A,14Bにおいて、駆動電極12から遠のくほど(従って軸心A1から遠のくほど)、錘部14A,14Bと駆動電極23の間に生ずる単位面積あたりの静電力を低減しやすい。したがって、このような構成は、錘部14A,14Bが連結している駆動電極12(アーム12A,12B)を曲げる方向に作用するモーメントを抑制して、駆動電極12が不当に変形するのを回避するうえで好ましい。
【0047】
マイクロ揺動素子X1においては、駆動電極12の一部を構成するアーム12A,12Bは、駆動電極12,23からなる駆動機構の構造において、揺動部10に係る軸心A1の延び方向における最も外側の部位をなし、且つ、素子駆動時には、アーム12A,12Bを含む駆動電極12に対して基準電位(例えばグラウンド電位)が付与されている。このようなアーム12A,12B間の離隔距離L2以内に、駆動電極23は設けられている。そのため、基準電位よりも高い所定の駆動電位に起因して、素子駆動時に駆動電極23から発する電界は、駆動電極12のアーム12A,12Bによって吸収されやすい(即ち、駆動電極23から発する電界は、アーム12A,12Bを越えて駆動機構外に漏出しにくい)。したがって、マイクロ揺動素子X1は、その駆動時に素子外への電界漏れを抑制するのに適する。このようなマイクロ揺動素子X1は、素子密度の高いマイクロ揺動素子アレイを構成するうえで好ましい。当該マイクロ揺動素子アレイでは、複数のマイクロ揺動素子X1を一次元的に配してもよいし、二次元的に配してもよい。
【0048】
マイクロ揺動素子X1においては、駆動電極12と、揺動部10の錘部14Cと、フレーム21の第1層部21aおよび第2層部21bと、シールド電極部24とは、電気的に接続されている。したがって、素子駆動時には、駆動電極12と共に、錘部14C、第1層部21a、第2層部21b、シールド電極部24にも基準電位(例えばグラウンド電位)が付与される。そのため、基準電位よりも高い所定の駆動電位に起因して、素子駆動時に駆動電極23から例えばランド部11側へ発する電界は、錘部14Cによって吸収されやすい(即ち、錘部14Cはシールド電極部としても機能し、当該電界は錘部14Cを越えて例えばランド部11に至りにくい)。また、素子駆動時に駆動電極23から発する電界は、第1層部21aによって吸収されやすい(即ち、第1層部21aはシールド電極部としても機能し、当該電界は、フレーム21の第1層部21a側を越えて素子外に漏出しにくい)。加えて、素子駆動時に駆動電極23から発する電界は、第2層部21bによって吸収されやすい(即ち、第2層部21bはシールド電極部としても機能し、当該電界は、フレーム21の第2層部21b側を越えて素子外に漏出しにくい)。更に加えて、素子駆動時に駆動電極23の電極歯23aから例えば駆動電極12のアーム12B側へ発する電界や、素子駆動時に電極歯23bから例えばアーム12A側へ発する電界は、シールド電極部24によって吸収されやすい。これら電界吸収効果も、素子外への電界漏れを抑制するのに資する。
【0049】
図8および図9は、マイクロ揺動素子X1の製造方法の一例を表す。この方法は、バルクマイクロマシニング技術によりマイクロ揺動素子X1を製造するための一手法である。図8および図9においては、図9(d)に示すランド部L、梁部B、フレームF1,F2、連結部C1,C2、および一組の電極E1,E2の形成過程を、一の断面の変化として表す。当該一の断面は、加工が施される材料基板(多層構造を有するウエハ)における単一のマイクロ揺動素子形成区画に含まれる複数の所定箇所の断面を、モデル化して連続断面として表したものである。ランド部Lは、ランド部11の一部に相当する。梁部Bは、梁部13に相当し、梁部13の横断面を表す。フレームF1,F2は、各々、フレーム21に相当し、フレーム21の横断面を表す。連結部C1は、連結部22に相当し、トーションバー22aの延び方向の断面を表す。連結部C2は、連結部22に相当し、トーションバー22aの横断面を表す。電極E1は、駆動電極12の一部に相当し、電極歯12a,12bの横断面を表す。電極E2は、駆動電極23の一部に相当し、電極歯23a,23bの横断面を表す。
【0050】
マイクロ揺動素子X1の製造においては、まず、図8(a)に示すような材料基板100を用意する。材料基板100は、シリコン層101,102と、当該シリコン層101,102間の絶縁層103とからなる積層構造を有するSOIウエハであり、図外において導電ビア16,21dが予め埋め込み形成されたものである。シリコン層101,102は、不純物をドープすることにより導電性を付与されたシリコン材料よりなる。不純物としては、Bなどのp型不純物や、PおよびSbなどのn型不純物を採用することができる。絶縁層103は例えば酸化シリコンよりなる。シリコン層101の厚さは例えば10〜100μmであり、シリコン層102の厚さは例えば50〜500μmであり、絶縁層103の厚さは例えば0.3〜3μmである。
【0051】
次に、図8(b)に示すように、シリコン層101上にミラー面11aを形成する。ミラー面11aの形成においては、まず、スパッタリング法により、シリコン層101に対して例えばCr(50nm)およびこれに続いてAu(200nm)を成膜する。次に、所定のマスクを介してこれら金属膜に対してエッチング処理を順次行うことにより、ミラー面11aをパターン形成する。Auに対するエッチング液としては、例えば、ヨウ化カリウム−ヨウ素水溶液を使用することができる。Crに対するエッチング液としては、例えば硝酸第二セリウムアンモニウム水溶液を使用することができる。
【0052】
次に、図8(c)に示すように、シリコン層101上に酸化膜パターン110およびレジストパターン111を形成し、シリコン層102上に酸化膜パターン112を形成する。酸化膜パターン110は、シリコン層101において成形されるべき揺動部10(ランド部11、梁部13、駆動電極12、錘部14A,14Bを含む)、フレーム21の一部、およびシールド電極部24に対応する図10に示すパターン形状を有する。レジストパターン111は、連結部22に対応するパターン形状を有する。また、酸化膜パターン112は、シリコン層102において成形されるべきフレーム21の一部、駆動電極23、および錘部14Cに対応する図11に示すパターン形状を有する。
【0053】
次に、図8(d)に示すように、酸化膜パターン110およびレジストパターン111をマスクとして利用して、DRIE(deep reactive ion etching)により、シリコン層101に対して所定の深さまでエッチング処理を行う。所定の深さとは、連結部C1,C2の厚さに相当する深さであり、例えば5μmである。DRIEでは、SF6ガスを用いて行うエッチングとC48ガスを用いて行う側壁保護とを交互に繰り返すBoschプロセスにおいて、良好な異方性エッチング加工を行うことができる。後出のDRIEについても、このようなBoschプロセスを採用することができる。
【0054】
次に、図9(a)に示すようにレジストパターン111を除去する。例えば、剥離液を作用させることにより、レジストパターン111を剥離することができる。
【0055】
次に、図9(b)に示すように、酸化膜パターン110をマスクとして、DRIEにより、連結部C1,C2を残存形成しつつシリコン層101に対して絶縁層103に至るまでエッチング処理を行う。本エッチング処理により、揺動部10(ランド部L、梁部B、電極E1を含む)、フレーム21(フレームF1,F2を含む)の一部(第1層部21a)、各連結部22(連結部C1,C2を含む)、およびシールド電極部24が、成形される。
【0056】
次に、図9(c)に示すように、酸化膜パターン112をマスクとして、DRIEによりシリコン層102に対して絶縁層103に至るまでエッチング処理を行う。本エッチング処理により、フレーム21(フレームF1,F2を含む)の一部(第2層部21b)、駆動電極23(電極E2を含む)、および錘部14Cが、成形される。
【0057】
次に、図9(d)に示すように、絶縁層103において露出している箇所、および酸化膜パターン110,112を、エッチング除去する。エッチング手法としては、ドライエッチングまたはウエットエッチングを採用することができる。ドライエッチングを採用する場合、エッチングガスとしては、例えば、CF4やCHF3などを採用することができる。ウエットエッチングを採用する場合、エッチング液としては、例えば、フッ酸とフッ化アンモニウムからなるバッファードフッ酸(BHF)を使用することができる。
【0058】
以上の一連の工程を経ることにより、ランド部L、梁部B、フレームF1,F2、連結部C1,C2、および一組の電極E1,E2などを成形してマイクロ揺動素子X1を製造することができる。
【0059】
図12は、第2の実施形態に係るマイクロ揺動素子アレイY1を表す。図13は、図12の線XIII−XIIIに沿った、マイクロ揺動素子アレイY1の部分断面図である。
【0060】
マイクロ揺動素子アレイY1は、複数(本実施形態では4個)のマイクロ揺動素子X1を含んでなる。マイクロ揺動素子アレイY1において、複数のマイクロ揺動素子X1は、軸心A1の方向に一列に(即ち一次元的に)配されている。したがって、マイクロ揺動素子アレイY1では、複数のミラー面11aは、軸心A1の方向に一列に配されている。
【0061】
マイクロ揺動素子アレイY1において、フレーム21の第1層部21aは、全てのマイクロ揺動素子X1にわたって連続しており、従って、全てのマイクロ揺動素子X1における駆動電極12と、揺動部10の錘部14Cと、フレーム21の第1層部21aおよび第2層部21bと、シールド電極部24とは、電気的に接続されている。
【0062】
マイクロ揺動素子アレイY1の駆動時には、全てのマイクロ揺動素子X1における揺動部10の駆動電極12に対して共通的に所定の基準電位が付与された状態で、選択されたマイクロ揺動素子X1の駆動電極23に対して所定の駆動電位が付与される。これにより、各マイクロ揺動素子X1の揺動部10ないしランド部11が個別に揺動駆動され、各マイクロ揺動素子X1のランド部11上に設けられたミラー面11aにて反射される光の反射方向を適宜切り換えることができる。各マイクロ揺動素子X1の駆動手法については、具体的には、第1の実施形態に関して上述したとおりである。
【0063】
第1の実施形態に関して上述したように、各マイクロ揺動素子X1においては、錘部14A,14B,14Cを具備することによって揺動部10の重量バランスがとられているため、各揺動部10の揺動動作における回転変位量について、高精度に制御しやすい。
【0064】
第1の実施形態に関して上述したように、各マイクロ揺動素子X1では、駆動機構(駆動電極12,23)の構造において軸心A1の延び方向における最も外側の部位をなし且つ素子駆動時に基準電位(例えばグラウンド電位)が付与されているアーム12A,12B間の離隔距離L2以内に、駆動電極23は設けられているため、基準電位よりも高い所定の駆動電位に起因して素子駆動時に駆動電極23から発する電界は、当該駆動電極12のアーム12A,12Bによって吸収されやすく、当該素子外への電界漏れは抑制される。したがって、マイクロ揺動素子アレイY1においては、一のマイクロ揺動素子X1の駆動機構(駆動電極12,23)からの漏れ電界が、隣接する他のマイクロ揺動素子X1の駆動特性に不当な影響を与えることが、抑制される。このようなマイクロ揺動素子アレイY1は、複数のマイクロ揺動素子X1について、従って、複数のミラー面11aについて、短い配設ピッチを実現するのに適する。すなわち、マイクロ揺動素子アレイY1は、マイクロ揺動素子X1ないしミラー面11aの高密度化を図るのに適するのである。
【0065】
第1の実施形態に関して上述したように、各マイクロ揺動素子X1では、駆動電極12のアーム12A,12Bに加えて錘部14C、第1層部21a、第2層部21b、シールド電極部24も電界吸収効果を発揮することができる。これらによる電界吸収効果も、マイクロ揺動素子アレイY1における一のマイクロ揺動素子X1の駆動機構(駆動電極12,23)からの漏れ電界が、隣接する他のマイクロ揺動素子X1の駆動特性に不当な影響を与えることを抑制するのに、資する。
【0066】
図14は、本発明の第3の実施形態に係るマイクロ揺動素子アレイY2の部分平面図である。マイクロ揺動素子アレイY2は、複数のマイクロ揺動素子X2を含んでなる。マイクロ揺動素子アレイY2において、複数のマイクロ揺動素子X2は、一列に(即ち一次元的に)配されている。
【0067】
図15から図20は、マイクロ揺動素子アレイY2を構成するマイクロ揺動素子X2を表す。図15は、マイクロ揺動素子X2の平面図であり、図16は、マイクロ揺動素子X2の一部省略平面図である。図17から図20は、各々、図15の線XVII−XVII、線XVIII−XVIII、線XIX−XIX、および線XX-XXに沿った断面図である。
【0068】
マイクロ揺動素子X2は、揺動部10と、フレーム21’と、一対の連結部22と、駆動電極23と、シールド電極部24と、フレーム31と、一対の連結部32A,32Bと、駆動電極33,34と、シールド電極部35,36,37とを備え、本実施形態ではマイクロミラー素子として構成されている。また、マイクロ揺動素子X2は、MEMS技術などのバルクマイクロマシニング技術により、いわゆるSOIウエハである材料基板に対して加工を施すことによって得られたものである。当該材料基板は、第1および第2シリコン層ならびに当該シリコン層間の絶縁層よりなる積層構造を有し、各シリコン層は、不純物のドープにより所定の導電性が付与されている。マイクロ揺動素子X2における上述の各部位は主に第1シリコン層および/または第2シリコン層に由来して形成されるところ、図の明確化の観点より、図15においては、第1シリコン層に由来して絶縁層より紙面手前方向に突き出る部位について、斜線ハッチングを付して表す。また、図16に示される構造は、マイクロ揺動素子X2において第2シリコン層に由来するものである。
【0069】
マイクロ揺動素子X2は、フレーム21に代えてフレーム21’を備える点、および、フレーム31と、一対の連結部32A,32Bと、駆動電極33,34と、シールド電極部35,36,37とを追加的に備える点において、第1の実施形態たるマイクロ揺動素子X1と異なる。マイクロ揺動素子X2における揺動部10、一対の連結部22、駆動電極23、およびシールド電極部24は、マイクロ揺動素子X1における揺動部10、一対の連結部22、駆動電極23、およびシールド電極部24と、同様である。
【0070】
フレーム21’は、第1層部21aが部分21e,21fを有する点において、フレーム21と異なる。部分21eは、図15および図17に示すように、第1層部21aにおいて、空隙を介して周囲と分離する。部分21eは、絶縁層21cを貫通する導電ビア21gを介して、駆動電極23のアーム23Aと電気的に接続されている。部分21fは、図15に示すように、フレーム21’の端部に位置し、図15に示す矢印D方向に延びる部位を有し、図20に示すように、絶縁層21cを貫通する導電ビア21hを介して第2層部21bと電気的に接続されている。
【0071】
フレーム31は、図18に示すように、第1シリコン層に由来する第1層部31aと、第2シリコン層に由来する第2層部31bと、当該第1および第2層部31a,31bの間の絶縁層31cとからなる積層構造を有する。図15および図18に示すように、第1層部31aは、空隙を介して周囲と分離する部分31a’を含む。図16および図18に示すように、第2層部31bは、空隙を介して周囲と分離する部分31b’を含む。部分31a’,31b’は、絶縁層31cを貫通する導電ビア31dを介して電気的に接続されている。
【0072】
連結部32Aは、図15に示すように二本のトーションバー32aからなる。各トーションバー32aは、第1シリコン層に由来する部位であり、フレーム21’の第1層部21aの部分21eとフレーム31の第1層部31aの部分31a’とに接続して、フレーム21’,31を連結する。トーションバー32aにより、部分21e,31a’は電気的に接続される。二本のトーションバー32aの間隔は、フレーム31の側からフレーム21’の側にかけて漸増する。また、トーションバー32aは、第1の実施形態における連結部22のトーションバー22aと同様に薄肉である。
【0073】
連結部32Bは、図15に示すように二本のトーションバー32bからなる。各トーションバー32bは、第1シリコン層に由来する部位であり、フレーム21’の第1層部21aの部分21fとフレーム31の第1層部31aとに接続して、フレーム21’,31を連結する。トーションバー32bにより、部分21fおよび第1層部31aの一部は電気的に接続される。二本のトーションバー32bの間隔は、フレーム31の側からフレーム21’の側にかけて漸増する。また、トーションバー32bは、第1の実施形態における連結部22のトーションバー22aと同様に薄肉である。
【0074】
これら一対の連結部32A,32Bは、フレーム21’の揺動動作の軸心A2を規定する。軸心A2は、図15に示す矢印D方向に延びる。フレーム31の側からフレーム21’の側にかけて間隔が漸増する二本のトーションバー32aを含む連結部32A、および、フレーム31の側からフレーム21’の側にかけて間隔が漸増する二本のトーションバー32bを含む連結部32Bは、フレーム21’の揺動動作における不要な変位成分の発生を抑制するのに好適である。
【0075】
駆動電極33は、第1シリコン層に由来する部位であり、複数の電極歯33aからなる。複数の電極歯33aは、フレーム21’における部分21fから駆動電極34側へ延出し、且つ、軸心A2の延び方向に離隔して並列する。
【0076】
駆動電極34は、第2シリコン層に由来する部位であり、アーム34Aおよび複数の電極歯34aからなる。アーム34Aは、軸心A2の延び方向に延びる。複数の電極歯34aは、アーム34Aから駆動電極33側へ延出し、且つ、アーム34Aの延び方向に離隔して並列する。
【0077】
シールド電極部35は、図16によく表れているように、第2シリコン層に由来する部位であり、フレーム21’の第2層部21bの一部と連続する。また、シールド電極部35は、図19に示すように、絶縁層38を介してフレーム21’における部分21fに接合している。
【0078】
シールド電極部36は、図15によく表れているように、第1シリコン層に由来する部位であり、フレーム31の第1層部31aの一部と連続する。また、シールド電極部36は、図19に示すように、絶縁層39を介して駆動電極34に接合する。シールド電極部36および駆動電極34は、電気的に分離されている。
【0079】
シールド電極部37は、図16によく表れているように、第2シリコン層に由来する部位であり、駆動電極34に沿って延びる。また、シールド電極部37は、図19に示すように、絶縁層39を介してシールド電極部36に接合し、絶縁層39を貫通する導電ビア39aを介して電気的に接続されている。
【0080】
マイクロ揺動素子X2において、一対の駆動電極12,23は、揺動部10に係る駆動力を発生させるための駆動機構ないしアクチュエータを構成し、且つ、一対の駆動電極33,34は、フレーム21’に係る駆動力を発生させるための駆動機構ないしアクチュエータを構成する。
【0081】
マイクロ揺動素子X2の駆動時には、揺動部10の駆動電極12および駆動電極33に所定の基準電位が付与される。駆動電極12に対する基準電位の付与は、フレーム31の第1層部31aの一部、連結部32Bのトーションバー32b、フレーム21’の第1層部21aの部分21f、導電ビア21h、フレーム21’の第2層部21b、導電ビア21d(図6に示す)、フレーム21’の第1層部21aの一部、連結部22のトーションバー22a、および揺動部10の梁部13を介して、実現することができる。駆動電極33に対する基準電位の付与は、フレーム31の第1層部31aの一部、連結部32Bのトーションバー32b、およびフレーム21’の第1層部21aの部分21fを介して、実現することができる。基準電位は、例えばグラウンド電位であり、好ましくは一定に維持される。
【0082】
そして、マイクロ揺動素子X2においては、基準電位よりも高い駆動電位を駆動電極23,34の各々に対して必要に応じて付与することにより、駆動電極12,23間に静電引力を発生させて揺動部10を軸心A1まわりに揺動駆動することができ、また、駆動電極33,34間に静電引力を発生させてフレーム21’およびこれに伴う揺動部10を軸心A2まわりに揺動駆動することができる。マイクロ揺動素子X2は、いわゆる二軸型の揺動素子である。駆動電極23に対する駆動電位の付与は、フレーム31の第2層部31bの部分31b’、導電ビア31d、フレーム31の第1層部31aの部分31a’、連結部32Aのトーションバー32a、フレーム21’の第1層部21aの部分21e、および導電ビア21gを介して、実現することができる。このような二軸型の揺動駆動により、マイクロ揺動素子X2のランド部11上に設けられたミラー面11aにて反射される光の反射方向を適宜切り換えることができる。
【0083】
第1の実施形態たるマイクロ揺動素子X1の構成を実質的に全て具備するマイクロ揺動素子X2においては、第1の実施形態に関して上述したのと同様に、各揺動部10の揺動動作における回転変位量について、高精度に制御しやすい。
【0084】
第1の実施形態たるマイクロ揺動素子X1の構成を実質的に全て具備するマイクロ揺動素子X2においては、第1の実施形態に関して上述したのと同様に、素子駆動時に駆動電極23から発する電界の素子外への漏出は抑制される。
【0085】
加えて、マイクロ揺動素子X2においては、素子駆動時に駆動電極34から発する電界の素子外への漏出も抑制される。マイクロ揺動素子X2においては、駆動電極33およびシールド電極部35,36,37は電気的に接続されており、素子駆動時には、駆動電極33と共にシールド電極部35,36,37にも基準電位(例えばグラウンド電位)が付与されている。そのため、基準電位よりも高い所定の駆動電位に起因して、素子駆動時に駆動電極34から例えば駆動電極33側へ発する電界は、駆動電極33に加えてシールド電極部35によっても吸収されやすい(即ち、当該電界は、駆動電極33およびシールド電極部35を越えにくい)。また、素子駆動時に駆動電極34から駆動電極33とは反対の側へ発する電界は、シールド電極部36,37によって吸収されやすい(即ち、当該電界は、シールド電極部36,37を越えて素子外に漏出しにくい)。これら電界吸収効果も、素子外への電界漏れを抑制するのに資する。
【0086】
マイクロ揺動素子アレイY2は、このようなマイクロ揺動素子X2を複数含んでなる。マイクロ揺動素子アレイY2において、複数のマイクロ揺動素子X2は、全ての軸心A2(図14には図示せず)が相互に平行となるように一列に配されている。
【0087】
マイクロ揺動素子アレイY2において、フレーム31の第1層部31aは、各部分31a’を除き、全てのマイクロ揺動素子X2にわたって連続しており、従って、全てのマイクロ揺動素子X2における駆動電極12と、揺動部10の錘部14Cと、フレーム21の第1層部21aの一部および第2層部21bの一部と、シールド電極部24とは、電気的に接続されている。
【0088】
マイクロ揺動素子アレイY2の駆動時には、全てのマイクロ揺動素子X2における揺動部10の駆動電極12に対して共通的に所定の基準電位が付与された状態で、選択されたマイクロ揺動素子X2の駆動電極23,34に対して所定の駆動電位が付与される。これにより、各マイクロ揺動素子X2の揺動部10およびフレーム21’が個別に揺動駆動され、各マイクロ揺動素子X2のランド部11上に設けられたミラー面11aにて反射される光の反射方向を適宜切り換えることができる。
【0089】
各マイクロ揺動素子X2では、上述のように、素子駆動時に駆動電極23から発する電界の素子外への漏出は、抑制される。したがって、マイクロ揺動素子アレイY2においては、一のマイクロ揺動素子X2の駆動機構(駆動電極12,23)からの漏れ電界が、隣接する他のマイクロ揺動素子X2の駆動特性に不当な影響を与えることが、抑制される。加えて、各マイクロ揺動素子X2では、上述のように、素子駆動時に駆動電極34から発する電界の素子外への漏出は、抑制される。したがって、マイクロ揺動素子アレイY2においては、一のマイクロ揺動素子X2の駆動機構(駆動電極33,34)からの漏れ電界が、隣接する他のマイクロ揺動素子X2の駆動特性に不当な影響を与えることが、抑制される。このようなマイクロ揺動素子アレイY2は、複数の二軸型のマイクロ揺動素子X2について、従って、複数のミラー面11aについて、短い配設ピッチを実現するのに適する。すなわち、マイクロ揺動素子アレイY2は、マイクロ揺動素子X2ないしミラー面11aの高密度化を図るのに適するのである。
【0090】
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0091】
(付記1)フレームと、
可動機能部、当該可動機能部に連結する第1駆動電極、および前記可動機能部とは反対の側において前記第1駆動電極に連結する錘部、を有する揺動部と、
前記フレームおよび前記揺動部を連結して当該揺動部の揺動動作の軸心を規定する連結部と、
前記第1駆動電極と協働して前記揺動動作の駆動力を発生させるための、前記フレームに固定された第2駆動電極と、を備えるマイクロ揺動素子。
(付記2)第1導体層と、第2導体層と、当該第1および第2導体層の間の絶縁層とからなる積層構造を含む材料基板に加工を施すことによって得られたマイクロ揺動素子であって、前記可動機能部、前記第1駆動電極、および前記錘部は、前記第1導体層において成形された部位であり、前記第2駆動電極は前記第2導体層において成形された部位である、付記1に記載のマイクロ揺動素子。
(付記3)前記連結部は、前記揺動部における前記可動機能部および前記第1駆動電極の間に接続する、付記1または2に記載のマイクロ揺動素子。
(付記4)前記錘部は、前記第1駆動電極と電気的に接続されている、付記1から3のいずれか一つに記載のマイクロ揺動素子。
(付記5)前記錘部および前記第2駆動電極の間に静電力を発生させることが可能である、付記4に記載のマイクロ揺動素子。
(付記6)前記錘部は、前記第1駆動電極から遠のくほど当該錘部および前記第2駆動電極の間の離隔距離が漸増する部位を有する、付記5に記載のマイクロ揺動素子。
(付記7)前記第1駆動電極は、前記軸心と交差する方向に延び且つ並列する第1アーム部および第2アーム部と、前記第1アーム部から第2アーム部側へ延出し且つ当該第1アーム部の延び方向に離隔して並列する複数の電極歯と、前記第2アーム部から第1アーム部側へ延出し且つ当該第2アーム部の延び方向に離隔して並列する複数の電極歯とを有し、
前記第2駆動電極は、前記第1および第2アーム部に沿って延びる第3アーム部と、当該第3アーム部から第1アーム部側へ延出し且つ当該第3アーム部の延び方向に離隔して並列する複数の電極歯と、前記第3アーム部から第2アーム部側へ延出し且つ当該第3アーム部の延び方向に離隔して並列する複数の電極歯とを有する、付記1から6のいずれか一つに記載のマイクロ揺動素子。
(付記8)前記揺動部は、前記可動機能部および前記錘部の間において前記第1駆動電極に接合された追加錘部を更に有する、付記1から7のいずれか一つに記載のマイクロ揺動素子。
(付記9)第1導体層と、第2導体層と、当該第1および第2導体層の間の絶縁層とからなる積層構造を含む材料基板に加工を施すことによって得られたマイクロ揺動素子であって、前記可動機能部、前記第1駆動電極、および前記錘部は、前記第1導体層において成形された部位であり、前記第2駆動電極および前記追加錘部は前記第2導体層において成形された部位である、付記8に記載のマイクロ揺動素子。
(付記10)前記追加錘部は、前記第1駆動電極と電気的に接続されている、付記8または9に記載のマイクロ揺動素子。
(付記11)追加フレームと、
前記フレームおよび前記追加フレームを連結し、且つ、前記フレームの揺動動作の、前記軸心と交差する方向に延びる追加軸心を規定する、追加連結部と、
前記フレームの前記揺動動作の駆動力を発生させるための駆動機構と、を更に備える、付記1から10のいずれか一つに記載のマイクロ揺動素子。
(付記12)付記1から11のいずれか一つに記載のマイクロ揺動素子を複数含む、マイクロ揺動素子アレイ。
(付記13)前記複数のマイクロ揺動素子の前記軸心は相互に平行である、付記12に記載のマイクロ揺動素子アレイ。
(付記14)前記複数のマイクロ揺動素子における前記揺動部の前記第1駆動電極には、共通的に電位を付与可能であり、且つ、前記複数のマイクロ揺動素子における前記第2駆動電極には、マイクロ揺動素子ごとに個別に電位を付与可能である、付記12または13に記載のマイクロ揺動素子アレイ。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマイクロ揺動素子の平面図である。
【図2】図1に示すマイクロ揺動素子の一部省略平面図である。
【図3】図1の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】図1の線IV−IVに沿った拡大断面図である。
【図5】図1の線V−Vに沿った拡大断面図である。
【図6】図1の線VI−VIに沿った拡大断面図である。
【図7】駆動時における図1の線III−IIIに沿った断面図である。
【図8】図1に示すマイクロ揺動素子の製造方法における一部の工程を表す。
【図9】図8の後に続く工程を表す。
【図10】マスクパターンの平面図である。
【図11】他のマスクパターンの平面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るマイクロ揺動素子アレイを表す。
【図13】図12の線XIII−XIIIに沿った拡大断面図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係るマイクロ揺動素子アレイを表す。
【図15】図14に示すマイクロ揺動素子アレイに含まれるマイクロ揺動素子の平面図である。
【図16】図15に示すマイクロ揺動素子の一部省略平面図である。
【図17】図15の線XVII−XVIIに沿った拡大断面図である。
【図18】図15の線XVIII−XVIIIに沿った拡大断面図である。
【図19】図15の線XIX−XIXに沿った拡大断面図である。
【図20】図15の線XX−XXに沿った拡大断面図である。
【図21】従来のマイクロ揺動素子の平面図である。
【図22】図21の線XXII−XXIIに沿った断面図である。
【図23】図21の線XXIII−XXIIIに沿った断面図である。
【符号の説明】
【0093】
X1,X2,X3 マイクロ揺動素子
Y1,Y2 マイクロ揺動素子アレイ
10 揺動部
11 ランド部
12,23,33,34 駆動電極
12A,12B,23A,34A アーム
12a,12b,23a,23b,33a,34a 電極歯
13 梁部
24,35,36,37 シールド電極部
16,21d,21g,31d 導電ビア
21,31 フレーム
21a,31a 第1層部
21b,31b 第2層部
21c,31c 絶縁層
22,32A,32B 連結部
22a,32a,32b トーションバー
A1,A2 軸心
L2,L3,L4 離隔距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
可動機能部、当該可動機能部に連結する第1駆動電極、および前記可動機能部とは反対の側において前記第1駆動電極に連結する錘部、を有する揺動部と、
前記フレームおよび前記揺動部を連結して当該揺動部の揺動動作の軸心を規定する連結部と、
前記第1駆動電極と協働して前記揺動動作の駆動力を発生させるための、前記フレームに固定された第2駆動電極と、を備えるマイクロ揺動素子。
【請求項2】
前記錘部は、前記第1駆動電極と電気的に接続されている、請求項1に記載のマイクロ揺動素子。
【請求項3】
前記錘部および前記第2駆動電極の間に静電力を発生させることが可能である、請求項2に記載のマイクロ揺動素子。
【請求項4】
前記錘部は、前記第1駆動電極から遠のくほど当該錘部および前記第2駆動電極の間の離隔距離が漸増する部位を有する、請求項3に記載のマイクロ揺動素子。
【請求項5】
前記揺動部は、前記可動機能部および前記錘部の間において前記第1駆動電極に接合された追加錘部を更に有する、請求項1から4のいずれか一つに記載のマイクロ揺動素子。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載のマイクロ揺動素子を複数含む、マイクロ揺動素子アレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−12082(P2009−12082A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173078(P2007−173078)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人情報通信研究機構、「経済的な光ネットワークを実現する高機能集積化光スイッチングノードの研究開発」委託研究、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】