説明

マイクロ流体デバイス

【課題】ポンプ機構と、バルブ機構とを有するマイクロ流体デバイスの小型化及び製造容易化を図る。
【解決手段】マイクロ流体デバイス1は、基板10の第1の主面10a上に、第1のマイクロ流路11の端部11aを覆うように粘着している第1のガス発生フィルム17eと、第1のマイクロ流路11の端部11bと、第2のマイクロ流路15の端部15aとを覆うように粘着している第2のガス発生フィルムと、第1のガス発生フィルムに外部刺激を付与する第1の外部刺激付与機構20aと、第2のガス発生フィルムに外部刺激を付与する第2の外部刺激付与機構20bとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ流体デバイスに関する。詳細には、本発明は、ポンプ機構と、バルブ機構とを有するマイクロ流体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、微少なサンプルの分析などを行うデバイスとして、マイクロ流路を有するマイクロ流体デバイスが広く使用されるようになってきている。例えば、下記の特許文献1には、マイクロ流体デバイスの一例として、マイクロポンプシステムを有するマイクロ全分析システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のマイクロ全分析システムでは、マイクロ流路に接続されたマイクロポンプ室が形成された基板を備えている。マイクロポンプ室には、光が照射されることによりガスを発生させるガス発生材料が充填されている。特許文献1に記載のマイクロ全分析システムでは、マイクロポンプ室に光が照射されることにより、ガス発生材料からガスが発生する。発生したガスは、マイクロ流路に供給される。その結果、マイクロポンプシステムが作動する。
【0004】
特許文献1に記載のマイクロポンプシステムは、基板内に組み込むことが可能である。このため、このマイクロポンプシステムを用いることにより、基板とは別個に設けられたポンプシステムを基板に接続する必要がない。従って、容易にマイクロ全分析システムを構築することができる。また、マイクロ全分析システムを小型化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−297102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、マイクロ全分析システムには、マイクロポンプシステムと共に、マイクロ流路の開閉やマイクロ流路の接続切り替えを行うためのバルブ機構も必要である。従来、このバルブ機構は、基板に外付けされていた。このため、たとえ特許文献1に記載のマイクロポンプシステムを用いたとしても、マイクロ全分析システムなどのマイクロ流体デバイスを十分に小型化することは困難であった。また、マイクロ流体デバイスの製造が困難であった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポンプ機構と、バルブ機構とを有するマイクロ流体デバイスの小型化及び製造容易化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るマイクロ流体デバイスは、第1のマイクロ流路に気体を供給するポンプ機構と、第1のマイクロ流路と第2のマイクロ流路との間を開閉するバルブ機構とを有するマイクロ流体デバイスである。本発明に係るマイクロ流体デバイスは、基板と、第1のガス発生フィルムと、第2のガス発生フィルムと、第1の外部刺激付与機構と、第2の外部刺激付与機構とを備えている。基板は、互いに対向し合う第1及び第2の主面を有する。基板には、第1のマイクロ流路と、第2のマイクロ流路とが形成されている。第1のマイクロ流路の両端部のそれぞれは、第1の主面に開口している。第2のマイクロ流路の少なくとも一方の端部は、第1の主面に開口している。第1のガス発生フィルムは、基板の第1の主面上に、第1のマイクロ流路の一方の端部を覆うように粘着している。第1のガス発生フィルムは、外部刺激を受けることによりガスを発生する。第2のガス発生フィルムは、基板の第1の主面上に、第1のマイクロ流路の他方の端部と、第2のマイクロ流路の少なくとも一方の端部とを覆うように粘着している。第2のガス発生フィルムは、外部刺激を受けることによりガスを発生する。第1の外部刺激付与機構は、第1のガス発生フィルムに外部刺激を付与する。第2の外部刺激付与機構は、第2のガス発生フィルムに外部刺激を付与する。第1のガス発生フィルムと、第1の外部刺激付与機構とによりポンプ機構が構成されている。第2のガス発生フィルムと、第2の外部刺激付与機構とによりバルブ機構とが構成されている。
【0009】
本発明に係るマイクロ流体デバイスのある特定の局面では、第2のガス発生フィルムに外部刺激が加わった際に、第2のガス発生フィルムの一部が基板から剥離することにより、第1のマイクロ流路と第2のマイクロ流路とが接続される。
【0010】
本発明に係るマイクロ流体デバイスの他の特定の局面では、第1及び第2のガス発生フィルムのそれぞれは、フィルム基材と、フィルム基材と基板とを粘着させる粘着層とを有し、粘着層は、粘着性を有する粘着剤と、外部刺激に応答してガスを発生するガス発生剤とを含んでいる。
【0011】
本発明に係るマイクロ流体デバイスの別の特定の局面では、ゲル分率が75重量%〜80重量%の範囲内にある。この構成によれば、ガス発生フィルムにおいて発生したガスをガス発生フィルムと基板との界面に集中させることができる。従って、バルブ機構及びポンプ機構が効果的に作動する。なお、ゲル分率が小さすぎると発生ガスが粘着剤のマトリクス中で発泡し、ゲル分率が大きすぎると表面へのガス分子の拡散が阻害される場合がある。
【0012】
本発明に係るマイクロ流体デバイスのさらに他の特定の局面では、外部刺激は光であり、第1及び第2の外部刺激付与機構のそれぞれは、発光機構により構成されている。外部刺激を光とすることにより、光化学反応をガス発生の制御に用いることができるため、例えば、外部刺激を熱や通電、高エネルギー線、超音波とした場合と比較して、ガス発生の制御が容易になる。例えば、発生させたい量のガスを正確に発生させることも可能になる。
【0013】
本発明に係るマイクロ流体デバイスのさらに別の特定の局面では、第1及び第2の外部刺激付与機構のそれぞれは、LEDである。小電力のLEDであれば、発熱量も少なく、制御容易かつ安価である。従って、この構成によれば、制御容易かつ安価なマイクロ流体デバイスを実現し得る。
【0014】
本発明に係るマイクロ流体デバイスのまた他の特定の局面では、基板には、第1のマイクロ流路の途中部に接続されている第3のマイクロ流路と、第1または第2の主面に開口している開口部と、開口部と第3のマイクロ流路とを接続しており、第2のマイクロ流路よりも流路断面積が小さい第4のマイクロ流路とがさらに形成されている。この構成によれば、バルブ機構を駆動させることにより、第1のマイクロ流路の液体が第2のマイクロ流路側に流れるか、第3のマイクロ流路側に流れるかを切り換えることができる。
【0015】
本発明に係るマイクロ流体デバイスのまた別の特定の局面では、第1のマイクロ流路の第3のマイクロ流路が接続されている部分よりもポンプ機構側の部分には、第1のマイクロ流路に供給された溶液を濃縮する濃縮部が設けられており、第1のマイクロ流路の第3のマイクロ流路が接続されている部分よりもバルブ機構側の部分には、溶液に含まれる物質を検出する検出部が設けられている。
【0016】
本発明に係るマイクロ流体デバイスのさらにまた他の特定の局面では、マイクロ流体デバイスは、第1及び第2のガス発生フィルムの基板とは反対側の表面に形成されており、第1及び第2のガス発生フィルムにおいて発生したガスがガス発生フィルムの基板とは反対側の表面から漏洩することを抑制するバリア層をさらに備えている。この構成によれば、ガス発生フィルムにおいて発生したガスが基板とは反対側に漏洩することを効果的に抑制することができる。従って、ガス発生フィルムにおいて発生したガスを基板側に効率的に導くことができる。従って、ポンプ機構とバルブ機構とを効率的に作動させることができる。
【0017】
本発明に係るマイクロ流体デバイスのさらにまた別の特定の局面では、バリア層は、ガラス、樹脂または金属からなる膜または基板により構成されている。
【0018】
本発明に係るマイクロ流体デバイスのまたさらに他の特定の局面では、第1のガス発生フィルムと第2のガス発生フィルムとは一体に形成されている。この構成によれば、マイクロ流体デバイスの構成をよりシンプルにできる。また、マイクロ流体デバイスの製造がより容易になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明では、基板に粘着している第1及び第2のガス発生フィルムによりポンプ機構及びバルブ機構の一部が構成されており、これら第1及び第2のガス発生フィルムに選択的に外部刺激を付与することにより、ポンプ機構とバルブ機構とが作動する。このため、本発明のマイクロ流体デバイスは、非常にシンプルな構造を有しており、小型である。また、本発明のマイクロ流体デバイスは、基板に第1及び第2のガス発生フィルムを粘着させ、第1及び第2の外部刺激付与機構を配置することのみにより容易に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの一部分の略図的断面図である。
【図2】ポンプ機構を作動させた状態のマイクロ流体デバイスの一部分の略図的断面図である。
【図3】バルブ機構を作動させた状態のマイクロ流体デバイスの一部分の略図的断面図である。
【図4】第2の実施形態に係るマイクロ流体デバイスの模式的平面図である。
【図5】図4における線V−V部分の略図的断面図である。
【図6】図4における線VI−VI部分の略図的断面図である。
【図7】変形例に係るマイクロ流体デバイスの一部分の略図的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
本実施形態では、本発明を実施した好ましい形態として、図1に示すマイクロ流体デバイス1を例に挙げて説明する。但し、図1に示すマイクロ流体デバイス1は、単なる例示である。本発明は、このマイクロ流体デバイス1に限定されない。
【0022】
マイクロ流体デバイス1の用途は特に限定されない。マイクロ流体デバイス1は、例えば、重金属分析や生化学分析、電気化学分析、遺伝子分析、免疫分析、その他のアフィニティ分析を行うためのマイクロ分析デバイスであってもよいし、例えば、有機合成等を行うためのものであってもよい。
【0023】
図1に示すように、マイクロ流体デバイス1は、基板10を備えている。基板10は、互いに対向し合う第1及び第2の主面10a、10bを有する。
【0024】
基板10の材質は、特に限定されない。基板10は、例えばガラス製または樹脂製であってもよい。具体的には、基板10は、例えば、有機シロキサン化合物からなるものであってもよい。有機シロキサン化合物の具体例としては、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS:poly(dimethylsiloxane))、ポリメチル水素シロキサンなどが挙げられる。
【0025】
基板10には、第1及び第2のマイクロ流路11,15が形成されている。第1のマイクロ流路11と、第2のマイクロ流路15とは、それぞれ独立した流路である。
【0026】
なお、本明細書において、「マイクロ流路」とは、マイクロ流路を流れる液体が、表面張力と毛細管現象との影響を強く受け、通常の寸法の流路を流れる液体とは異なる挙動を示す形状寸法に形成された流路をいう。すなわち、「マイクロ流路」とは、マイクロ流路を流れる液体に所謂マイクロ効果が発現する形状寸法に形成された流路をいう。
【0027】
但し、どのような形状寸法の流路においてマイクロ効果が発現するかは、流路に導入される液体の物性によって異なる。例えば、マイクロ流路が横断面矩形状である場合には、一般的には、マイクロ流路の横断面における高さ及び幅のうちの小さい方が5mm以下、好ましくは500μm以下、さらに好ましくは200μm以下に設定される。マイクロ流路が横断面円形状である場合は、一般的には、マイクロ流路の直径は、5mm以下、好ましくは500μm以下、さらに好ましくは200μm以下に設定される。
【0028】
第1のマイクロ流路11の両端部11a、11bのそれぞれは、第1の主面10aに開口している。第2のマイクロ流路15の端部15aも、第1の主面10aに開口している。
【0029】
基板10には、第1のマイクロ流路11の端部11a側の部分に接続されている液体供給ポート13と、液体排出ポート12とが形成されている。液体供給ポート13は、基板10の第2の主面10bに開口している。液体供給ポート13は、第1のマイクロ流路11に液体16を供給するためのポートである。液体供給ポート13は、第1のマイクロ流路11に液体16を供給するときにのみ開けられ、それ以外は、閉鎖部材14によって閉鎖されている。
【0030】
液体排出ポート12は、基板10の第2の主面10bに開口している。液体排出ポート12は、第1のマイクロ流路11内の液体16を排出するためのポートである。液体排出ポート12の流路断面積は、第2のマイクロ流路15の流路断面積よりも小さく設定されている。
【0031】
基板10の第1の主面10a上には、ガス発生フィルム17が設けられている。ガス発生フィルム17は、第1のマイクロ流路11の両端部11a、11bと、第2のマイクロ流路15の端部15aとを覆うように設けられている。ガス発生フィルム17は、第1の主面10aに粘着している。
【0032】
ガス発生フィルム17は、外部刺激を受けることによりガスを発生させるフィルムである。外部刺激は、例えば、熱や光、電流、高エネルギー線、超音波、物理的圧力などであってもよい。以下、本実施形態では、外部刺激が光である場合について説明する。
【0033】
ガス発生フィルム17の基板10とは反対側には、バリア層18が形成されている。このバリア層18は、ガス発生フィルム17において発生したガスがガス発生フィルム17の基板10とは反対側の表面から漏洩することを抑制するためのものである。このバリア層18を設けることにより、ガス発生フィルム17において発生したガスを基板10側に効率的に導くことができる。従って、後述のバルブ機構1b及びポンプ機構1aを効率的に作動させることができる。
【0034】
バリア層18は、ガスが透過しにくいものであることが好ましい。具体的には、バリア層18は、粘着層17bよりもガスの拡散速度が遅いものであることが好ましく、フィルム基材17aよりもガスの拡散速度が遅いものであることがより好ましく、粘着層17b及びフィルム基材17aよりもガスの拡散速度が一桁以上遅いものであることがさらに好ましい。
【0035】
また、バリア層18は、光応答性ガス発生剤が光照射によってガスを発生させるものである場合は、光を透過させるものであることが好ましい。
【0036】
バリア層18は、例えば樹脂製、ガラス製または金属製の膜、フィルム又は基板などにより構成することができる。バリア層18の材質としては、例えば、ポリアクリル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ガラス及び金属などが挙げられる。
【0037】
図1に示すように、基板10のガス発生フィルム17側には、第1及び第2の外部刺激付与機構を構成している発光機構として、第1及び第2のLED20a、20bが設けられている。第1の外部刺激付与機構としての第1のLED20aは、ガス発生フィルム17の、第1のマイクロ流路11の第1の端部11aを覆っている第1の部分17cに外部刺激としての光を照射する。一方、第2の外部刺激付与機構としての第2のLED20bは、基板10の第1のマイクロ流路11の第2の端部11bと、第2のマイクロ流路15の端部15aとの間に位置する部分を覆っているガス発生フィルム17の第2の部分17dに外部刺激としての光を照射する。
【0038】
本実施形態では、第1のLED20aと、ガス発生フィルム17の第1の部分17cとによりポンプ機構1aが構成されている。このポンプ機構1aにより第1のマイクロ流路11に気体が供給される。また、第2のLED20bと、ガス発生フィルム17の第2の部分17dとによりバルブ機構1bが構成されている。このバルブ機構1bにより第1のマイクロ流路11と第2のマイクロ流路15との間の開閉が行われる。具体的には、バルブ機構1bは、第1のマイクロ流路11と第2のマイクロ流路15とを連通させる機能を有する。
【0039】
なお、第1及び第2のLED20a、20bの光の放射強度は、例えば、10mW〜100mW程度とすることができる。第1及び第2のLED20a,20bの光の波長範囲は、例えば310nmから410nm程度の紫外光もしくは可視紫光とすることができる。
【0040】
また、冷陰極線管、EL素子、プラズマ発光素子、マイクロ低圧水銀灯などの、LED以外の紫外光源を第1及び第2の外部刺激付与機構として使用してもよい。
【0041】
また、本実施形態では、第1の部分17cと第2の部分17dとが同一のフィルムにより構成されている場合について説明した。但し、第1の部分17cと第2の部分17dとは、別個のフィルムにより構成されていてもよい。
【0042】
次に、本実施形態のマイクロ流体デバイス1の動作について、図1〜図3を参照して説明する。
【0043】
図1に示すように、第2のLED20bから光が照射されていないときは、ガス発生フィルム17の第2の部分17dは、基板10の第1の主面10aに粘着している。このため、第1のマイクロ流路11の第2の端部11bと、第2のマイクロ流路15の端部15aとは隔離されている。この状態で、図2に示すように、ガス発生フィルム17の第1の部分17cに第1のLED20aから光21が照射されると、第1の部分17cからガスが発生する。発生したガスは、第1のマイクロ流路11に供給される。これにより、液体16が移送される。但し、上述の通り、第1のマイクロ流路11の第2の端部11bと、第2のマイクロ流路15の端部15aとは隔離されている。そして、第1のマイクロ流路11の第2の端部11bは、第2の部分17dによって閉鎖されている。このため、液体16は、第1のマイクロ流路11の第2の端部11bには移送されない。液体16は、液体排出ポート12から排出される。
【0044】
次に、図3に示すように、第1のLED20aを点灯状態としたまま、第2のLED20bを点灯状態とし、ガス発生フィルム17の第2の部分17dに光21を照射する。すると、ガスにより、第2の部分17dが基板10の第1の主面10aから剥がれる。その結果、第1のマイクロ流路11と第2のマイクロ流路15とが連通する。そして、第1のマイクロ流路11内の液体16が第2のマイクロ流路15に移送される。
【0045】
このため、本実施形態では、第1のLED20aを点灯状態としているときに、第2のLED20bを点灯することにより、液体16の流動方向を容易に変更することができる。
【0046】
なお、第1のLED20aと第2のLED20bを同時に点灯することは、必須ではなく、第2のLED20bを一定時間点灯状態とした後で第1のLED20aを点灯してもよい。また、第1のLED20aと第2のLED20bを交互にパルス点灯してもよい。第1のLED20aを一定時間点灯しておき、第1の流路内のガス圧を高めておいて第2のLED20bを点灯してもよい。
【0047】
以上説明したように、本実施形態では、基板10に粘着しているガス発生フィルム17によりポンプ機構1a及びバルブ機構1bの一部が構成されている。そして、このガス発生フィルム17の第1及び第2の部分17c、17dに選択的に外部刺激を付与することにより、ポンプ機構1aとバルブ機構1bとが作動する。このため、マイクロ流体デバイス1は、非常にシンプルな構造を有しており、小型である。また、マイクロ流体デバイス1は、基板10にガス発生フィルム17を粘着させ、第1及び第2のLED20a、20bを配置することのみにより容易に作製することができる。
【0048】
以下、ガス発生フィルム17の詳細について説明する。
【0049】
ガス発生フィルム17は、外部刺激を受けることによりガスを発生させるものである限りにおいて特に限定されない。ガス発生フィルム17は、例えば、フィルム基材17aと、フィルム基材17aの上に設けられており、外部刺激を受けることによりガスを発生する粘着層17bとにより構成することができる。
【0050】
粘着層17bの厚みは、特に限定されないが、例えば、30μm〜50μm程度とすることができる。粘着層17bの厚みが小さすぎると、ガスの発生量が少なくなり、後述するポンプ機構1aの出力が低下する場合がある。粘着層17bの厚みが大きすぎると、気体分子の拡散に時間がかかり、接着界面に気泡が形成されるまでに要する時間が長くなりすぎる場合がある。
【0051】
フィルム基材17aは、後述するLED20a、20bからの光を透過させるものである限りにおいて特に限定されない。フィルム基材17aは、例えばガラスや樹脂により形成することができる。フィルム基材17aの材料として好適に用いられる樹脂の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及びシリコン樹脂等が挙げられる。
【0052】
粘着層17bは、粘着性を有する粘着剤と、粘着剤中に分散しているガス発生剤を含んでいる。そして、粘着層17bのゲル分率は、75重量%〜80重量%の範囲内とされている。このように、粘着層17bのゲル分率を75重量%〜80重量%の範囲内とすることにより、基板10とガス発生フィルム17との界面において選択的にガスを発生させることができる。
【0053】
粘着剤としては、例えば、粘着性ポリマーを用いることができる。粘着性ポリマーは、フィルム基材17aと、基板10とを粘着させることができるものである限りにおいて、特に限定されない。粘着性ポリマーは、ガスを発生させるために加えられる外部刺激によって硬化しないものであることが好ましい。粘着性ポリマーは、例えば、外部刺激によって架橋されないものであることが好ましい。言い換えれば、粘着性ポリマーは、例えば、外部刺激によって架橋する架橋成分を有さないものであることが好ましい。そうすることにより、外部刺激付与後にガス発生フィルム17が基板10から剥がれ落ちることを効果的に抑制することができる。
【0054】
粘着性ポリマーの具体例としては、例えば、ゴム系粘接着剤樹脂、アクリル系粘接着剤樹脂、シリコン系粘接着剤樹脂、ウレタン系粘接着剤樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体系粘接着剤樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体粘接着剤樹脂、エポキシ系粘接着剤樹脂、イソシアネート系粘接着剤樹脂等が挙げられる。
【0055】
なかでも、粘着性ポリマーとしては、常温で粘着性を有するアクリル系粘接着剤樹脂が特に好適に用いられる。アクリル系粘接着剤樹脂は、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、例えば、主モノマーとしてのアルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルのうちの少なくとも一方と、官能基含有モノマーと、更に必要に応じて共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られる。官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの好ましい重量平均分子量は、通常20万〜200万程度である。
【0056】
なお、粘着性ポリマーには、粘着剤としての凝集力の調節を図るなどの目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、粘着層17bは、バインダー樹脂などのバインダー、可塑剤、界面活性剤、ワックス、フィラー、微粒子充填剤、光化学反応増感剤、色素などの充填剤などの添加剤をさらに含むものであってもよい。
【0057】
ガス発生剤は、熱によりガスを発生する熱応答性ガス発生剤であってもよいが、ここでは、光によりガスを発生する光応答性ガス発生剤を用いる場合について説明する。
【0058】
なお、外部刺激としての光の波長は、特に限定されない。外部刺激としての光は、例えば、可視光、紫外光、近紫外光、赤外光、近赤外光などであってもよい。なかでも、紫外線や近紫外線などの短波長の光が好ましい。具体的には、310nm〜410nm程度の波長の光が好ましい。
【0059】
光応答性ガス発生剤は、外部刺激を受けることによりガスを発生させる材料のみにより構成されていてもよい。また、光応答性ガス発生剤は、外部刺激を受けることにより、別の刺激を発生させる刺激発生剤と、その刺激発生剤により発生した刺激を受けることによってガスを発生させる刺激ガス発生剤とを含んでいてもよい。ここで、別の刺激は、酸やアルカリであってもよい。また、刺激発生剤は、熱を受けることにより光を発生させる材料や、光が照射されることにより熱を発生させる材料であってもよい。
【0060】
外部刺激を受けることにより直接ガスを発生させる光応答性ガス発生剤としては、アゾアミド化合物などのアゾ化合物、アジド化合物が挙げられる。これらのなかでも、アゾ化合物が好ましく用いられる。アゾ化合物は、衝撃によっては気体を発生しないことから取り扱いが極めて容易であるためである。また、バインダーに分散されたアゾ化合物は、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生することもなく、光の照射を中断することで気体の発生も中断できる。
【0061】
アゾ化合物の具体例としては、例えば、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]等が挙げられる。
【0062】
アジド化合物の具体例としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフタルアジド、アジド基を有するポリマー等が挙げられる。アジド基を有するポリマーの具体例としては、グリシジルアジドポリマー等が挙げられる。
【0063】
外部刺激を受けることにより、与えられた外部刺激とは異なる刺激を発生させる刺激発生剤と、その刺激発生剤により発生した刺激を受けることによってガスを発生させる刺激ガス発生剤との組み合わせとしては、光酸発生剤及び酸刺激ガス発生剤と、光塩基発生剤及び塩基刺激ガス発生剤とが挙げられる。
【0064】
光酸発生剤は、光が照射されることにより酸を発生させるものである。光酸発生剤の具体例としては、キノンジアジド化合物、オニウム塩、スルホン酸エステル類及び有機ハロゲン化合物等が挙げられる。
【0065】
酸刺激ガス発生剤は、酸と接触することによりガスを発生させるものである。酸刺激ガス発生剤の具体例としては、炭酸塩及び重炭酸塩等が挙げられる。
【0066】
光塩基発生剤は、光が照射されることにより塩基を発生させるものである。光塩基発生剤の具体例としては、コバルトアミン系錯体、カルバミン酸o−ニトロベンジル、オキシムエステルなどが挙げられる。
【0067】
塩基刺激ガス発生剤は、塩基と接触することによりガスを発生させるものである。塩基刺激ガス発生剤の具体例としては、−O−tBuの構造式で示されるtert−ブチルオキシ基(t−ブトキシ基)、−CO−O−tBuの構造式で示されるtert−ブチルオキシカルボニル基(t−ブトキシカルボニル基)、−O−CO−O−tBu の構造式で示されるtert−ブチルカーボネート基(t−ブトキシカルボニルオキシ基)、ケト酸およびケト酸エステル基などを分解性官能基として含む有機分子、ポリマーが挙げられる。なお、−tBuは−C(CHを示す。これらの化合物は、酸または塩基により分解して、イソブテン、二酸化炭素等からなるガスを発生する。
【0068】
また、光塩基発生剤と、塩基増殖剤とにより光応答性ガス発生剤を構成してもよい。
【0069】
本発明において酸発生剤又は塩基発生剤は、上記の例に限定されるものではなく、一般的に化学増幅型フォトレジスト、及び光カチオン重合などに利用されている光酸発生剤や光塩基発生剤と呼ばれているものを用いることができる。
【0070】
光応答性ガス発生剤は、光増感剤をさらに含むことが好ましい。光応答性ガス発生剤に光増感剤を含ませることにより、光が照射された際に、ガスをより一層速やかに発生させることができる。光増感剤は、光が照射されることによりガスを発生させるガス発生剤にエネルギーを移動させてガス発生剤の分解を促進する化合物である限りにおいて特に限定されない。光増感剤としては、例えば、チオキサントン、ベンゾフェノン等が挙げられる。
【0071】
(第2の実施形態)
本実施形態では、図4に示す、液体に含まれる物質や検体等の検出が可能なマイクロ流体デバイス3について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1の実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の機能で参照し、説明を省略する。
【0072】
図4に示すように、マイクロ流体デバイス3は、第1のマイクロ流路33を備えている。第1のマイクロ流路33の一方の端部は、第1のポート32に接続されている。図5に示すように、第1のポート32は、基板10の第2の主面10bに開口している。
【0073】
図4に示すように、第1のマイクロ流路33の第1のポート32との接続部には、ポンプ機構31が接続されている。このポンプ機構31は、図5に示すように、上記第1の実施形態におけるポンプ機構1aと実質的に同様の構成を有するものである。
【0074】
図4に示すように、第1のマイクロ流路33の途中部には、第3のマイクロ流路35が接続されている。第3のマイクロ流路35は、基板10の第1または第2の主面10a、10bに開口している第2のポート37と、第4のマイクロ流路36により接続されている。この第4のマイクロ流路36は、後述する第2のマイクロ流路41よりも小さな流路断面積を有している。
【0075】
第1のマイクロ流路33の第1のポート32とは反対側の端部は、バルブ機構40を介して、第2のマイクロ流路41と接続されている。バルブ機構40は、図6に示すように、上記第1の実施形態におけるバルブ機構1bと実質的に同様の構成を有するものである。
【0076】
図4に示すように、第2のマイクロ流路41のバルブ機構40とは反対側の端部は、第3のポート42に接続されている。図6に示すように、第3のポート42は、基板10の第2の主面10bに開口している。
【0077】
図4に示すように、第1のマイクロ流路11の第3のマイクロ流路35との接続部よりもポンプ機構31側の部分には、濃縮部34が設けられている。この濃縮部34は、第1のポート32から、第1のマイクロ流路11に供給された液体を濃縮するための部分である。濃縮部は、例えば、検出対象となる液体が抗原や抗体である場合は、抗体もしくは抗原が固定されているアフィニティ濃縮部や、抗原抗体複合体を濾し捕ることができる濾過濃縮部により構成することができる。
【0078】
また、第1のマイクロ流路11の第3のマイクロ流路35との接続部よりもバルブ機構40側の部分には、検出部39が設けられている。
【0079】
次に、このマイクロ流体デバイス3を用いた分析方法について説明する。まず、第1のポート32から分析対象となる液体を第1のマイクロ流路33に供給する。次に、第1のLED20aを駆動させて、ポンプ機構31を作動させる。これにより、液体が第1のマイクロ流路33内を移送される。そして、液体が濃縮部34を通過することにより濃縮される。濃縮部34を通過した液体は、第3のマイクロ流路35及び第4のマイクロ流路36を経由して第2のポート37から排出される。
【0080】
次に、第1のポート32から第1のマイクロ流路33内に溶離液を供給する。そして、第1のLED20aを駆動させて、ポンプ機構31を作動させる。この際に、第2のLED20bも点灯状態としておき、バルブ機構40を開状態としておく。これにより、溶離液が第1のマイクロ流路33内を移送される。そして、溶離液が濃縮部34を通過することにより、溶離液に被検出体が溶解する。ここで、バルブ機構40が開状態となっているため、被検出体を含む溶離液は、第2のマイクロ流路41側に移相される。そして、検出部39により被検出体の検出が行われる。その後、溶離液は、第2のマイクロ流路41を経由して排出される。
【0081】
このように、マイクロ流体デバイス3を用いることにより、例えば、物質の検出等を容易に行うことができる。
【0082】
(変形例)
上記第1の実施形態では、ポンプ機構1aの一部分を構成している第1の部分17cと、バルブ機構1bの一部分を構成している第2の部分17dとが一体に形成されている例について説明した。但し、本発明は、この構成に限定されない。ポンプ機構1aの一部分を構成するガス発生フィルムと、バルブ機構1bの一部分を構成しているガス発生フィルムとを別個に設けてもよい。例えば、図7に示す例では、第1のマイクロ流路11の第1の端部11aを覆うように形成されている第1のガス発生フィルム17eと、第1のマイクロ流路11の第2の端部11bと、第2のマイクロ流路15の端部15aとを覆うように形成されている第2のガス発生フィルム17fとが設けられている。この場合であっても、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。但し、製造容易性の観点からは、上記第1の実施形態のように、第1のガス発生フィルムと第2のガス発生フィルムとを一体に形成することが好ましい。
【符号の説明】
【0083】
1,3…マイクロ流体デバイス
1a…ポンプ機構
1b…バルブ機構
10…基板
10a…第1の主面
10b…第2の主面
11…第1のマイクロ流路
11a…第1の端部
11b…第2の端部
12…液体排出ポート
13…液体供給ポート
14…閉鎖部材
15…第2のマイクロ流路
15a…端部
16…液体
17…ガス発生フィルム
17a…フィルム基材
17b…粘着層
17c…第1の部分
17d…第2の部分
18…バリア層
20a…第1のLED
20b…第2のLED
21…光
31…ポンプ機構
32…第1のポート
33…第1のマイクロ流路
34…濃縮部
35…第3のマイクロ流路
36…第4のマイクロ流路
37…第2のポート
39…検出部
40…バルブ機構
41…第2のマイクロ流路
42…第3のポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のマイクロ流路に気体を供給するポンプ機構と、前記第1のマイクロ流路と第2のマイクロ流路との間を開閉するバルブ機構とを有するマイクロ流体デバイスであって、
互いに対向し合う第1及び第2の主面を有し、両端部のそれぞれが第1の主面に開口している前記第1のマイクロ流路と、少なくとも一方の端部が前記第1の主面に開口している前記第2のマイクロ流路とが形成されている基板と、
前記基板の第1の主面上に、前記第1のマイクロ流路の一方の端部を覆うように粘着しており、外部刺激を受けることによりガスを発生する第1のガス発生フィルムと、
前記基板の第1の主面上に、前記第1のマイクロ流路の他方の端部を覆うように粘着しており、外部刺激を受けることによりガスを発生する第2のガス発生フィルムと、
前記第1のガス発生フィルムに外部刺激を付与する第1の外部刺激付与機構と、
前記第2のガス発生フィルムに外部刺激を付与する第2の外部刺激付与機構とを備え、
前記第1のガス発生フィルムと、前記第1の外部刺激付与機構とにより前記ポンプ機構が構成されており、
前記第2のガス発生フィルムと、前記第2の外部刺激付与機構とにより前記バルブ機構とが構成されている、マイクロ流体デバイス。
【請求項2】
前記第2のガス発生フィルムに外部刺激が加わった際に、前記第2のガス発生フィルムの一部が前記基板から剥離することにより、前記第1のマイクロ流路と前記第2のマイクロ流路とが接続される、請求項1に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項3】
前記第1及び第2のガス発生フィルムのそれぞれは、フィルム基材と、前記フィルム基材と前記基板とを粘着させる粘着層とを有し、前記粘着層は、粘着性を有する粘着剤と、前記外部刺激に応答してガスを発生するガス発生剤とを含む、請求項1または2に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項4】
前記粘着層のゲル分率が75重量%〜80重量%の範囲内にある、請求項3に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項5】
前記外部刺激は光であり、前記第1及び第2の外部刺激付与機構のそれぞれは、発光機構により構成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項6】
前記第1及び第2の外部刺激付与機構のそれぞれは、LEDである、請求項5に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項7】
前記基板には、前記第1のマイクロ流路の途中部に接続されている第3のマイクロ流路と、前記第1または第2の主面に開口している開口部と、該開口部と前記第3のマイクロ流路とを接続しており、前記第2のマイクロ流路よりも流路面積が小さい第4のマイクロ流路とがさらに形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項8】
前記第1のマイクロ流路の前記第3のマイクロ流路が接続されている部分よりも前記ポンプ機構側の部分には、前記第1のマイクロ流路に供給された溶液を濃縮する濃縮部が設けられており、
前記第1のマイクロ流路の前記第3のマイクロ流路が接続されている部分よりも前記バルブ機構側の部分には、前記溶液に含まれる物質を検出する検出部が設けられている、請求項7に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項9】
前記ガス発生フィルムの前記基板とは反対側の表面に形成されており、前記第1及び第2のガス発生フィルムにおいて発生したガスが前記第1及び第2のガス発生フィルムの前記基板とは反対側の表面から漏洩することを抑制するバリア層をさらに備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項10】
前記バリア層は、ガラス、樹脂または金属からなる膜または基板により構成されている、請求項8に記載のマイクロ流体デバイス。
【請求項11】
前記第1のガス発生フィルムと前記第2のガス発生フィルムとは一体に形成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載のマイクロ流体デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−72876(P2011−72876A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225052(P2009−225052)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】