説明

メモリ

【課題】メモリセルサイズを小さくすることが可能なメモリを提供する。
【解決手段】このメモリは、ダイオード11を含む複数のメモリセル12と、複数のビット線9と、ビット線9と交差するように配置され、メモリセル12に含まれるダイオード11のカソードおよびワード線10として機能するn型不純物領域21とを備えている。また、n型不純物領域21は、所定数のビット線9からなるビット線群13毎に分割されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリに関し、特に、マスクROMなどのメモリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メモリの一例として、マスクROMが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
図8は、従来のコンタクト方式によるマスクROMの構成を示した平面レイアウト図である。図8を参照して、従来のコンタクト方式によるマスクROMでは、複数のワード線101と複数のビット線102とが互いに直交するように配置されている。また、複数のワード線101と複数のビット線102との交点に対応する位置には、それぞれ、1つのトランジスタ103からなるメモリセル104が配置されている。また、ワード線101は、基板(図示せず)上にトランジスタ103のゲート絶縁膜(図示せず)を介して形成されている。また、ワード線101は、トランジスタ103のゲート電極としても機能する。また、各メモリセル104の形成領域に位置する基板(図示せず)の表面には、トランジスタ103のソース/ドレイン領域として機能する1対の不純物領域105および106がワード線101下の領域を挟むように形成されている。
【0004】
また、トランジスタ103のソース/ドレイン領域の一方として機能する不純物領域105上には、ワード線101の延びる方向に沿って延びるようにソース線(GND線)107が設けられている。このソース線107と不純物領域105とは、プラグ108を介して接続されている。これにより、不純物領域105には、接地電位(GND)が供給されている。また、この従来のマスクROMでは、トランジスタ103のソース/ドレイン領域の他方として機能する不純物領域106がビット線102に接続されているか否かによって、そのトランジスタ103を含むメモリセル104のデータが「0」または「1」に区別されている。
【0005】
【特許文献1】特開平5−275656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図8に示した従来のマスクROMでは、各メモリセル104毎に1つのトランジスタ103が設けられているので、メモリセルサイズが大きくなるという問題点があった。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、メモリセルサイズを小さくすることが可能なメモリを提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面におけるメモリは、ダイオードを含む複数のメモリセルと、複数のビット線と、ビット線と交差するように配置され、メモリセルに含まれるダイオードの一方電極およびワード線として機能する第1不純物領域とを備えている。また、第1不純物領域は、所定数のビット線からなるビット線群毎に分割されている。
【0009】
この一の局面によるメモリでは、上記のように、メモリセルがダイオードを含むように構成することによって、メモリセルに含まれるダイオードをマトリクス状(クロスポイント状)に配列すれば、クロスポイント型のメモリセルアレイを形成することができる。この場合、1つのメモリセルは、1つのダイオードを含むので、1つのメモリセルが1つのトランジスタを含む場合に比べて、メモリセルサイズを小さくすることができる。また、ワード線として機能する第1不純物領域を、所定数のビット線からなるビット線群毎に分割することによって、第1不純物領域の長さの増大に起因してワード線の抵抗が増大するのを抑制することができるので、ワード線の立ち下げ(立ち上げ)速度が低下するのを抑制することができる。
【0010】
上記一の局面によるメモリにおいて、好ましくは、複数のメモリセルは、それぞれ、分割された第1不純物領域と複数のビット線との交点に配置されており、所定のビット線群に含まれる所定数のビット線と、所定のビット線群に対応する第1不純物領域との交点に配置されたメモリセルによりメモリセルブロックが構成されており、選択されたメモリセルへのアクセス時には、選択されたメモリセルを含むメモリセルブロック中の選択されたメモリセルに対応する第1不純物領域に第1電位を供給するとともに、選択されたメモリセルを含むメモリセルブロック中の選択されたメモリセルに対応する第1不純物領域以外の第1不純物領域に第2電位を供給する。このように構成すれば、たとえば、第1不純物領域がメモリセルのダイオードのカソードとして機能するとともに、選択されたメモリセルを含むメモリセルブロック中の選択されたメモリセルに対応する第1不純物領域に第1電位としてLレベルの電位を供給し、かつ、選択されたメモリセルを含むメモリセルブロック中の選択されたメモリセルに対応する第1不純物領域以外の非選択の第1不純物領域に第2電位としてHレベルの電位を供給した状態で、選択されたメモリセルに対応するビット線にHレベルの電位を印加することによって、選択されたメモリセルを含むメモリセルブロックに含まれる選択ビット線に繋がる非選択のメモリセルのダイオードのカソードとビット線との間で実質的に電流が流れないようにすることができる。これにより、選択されたメモリセルのダイオードのアノードとビット線とが接続されていない場合に、選択ビット線に繋がる非選択の全てのメモリセルの電流が流れ終わるまで選択されたメモリセルのデータを判別できないという不都合が発生するのを抑制することができる。その結果、データの読出し時間を短縮することができる。
【0011】
この場合において、好ましくは、複数に分割された第1不純物領域毎に設けられ、選択されたメモリセルを含むメモリセルブロックに対応する第1不純物領域を選択して第1電位または第2電位を供給するための選択トランジスタをさらに備え、第1不純物領域は、選択トランジスタのソース/ドレイン領域の一方として機能する。このように構成すれば、選択トランジスタにより、容易に、アクセスするメモリセルを含むメモリセルブロックに対応する第1不純物領域を選択して第1電位または第2電位を供給することができる。また、第1不純物領域が選択トランジスタのソース/ドレイン領域の一方としても機能することによって、選択トランジスタのソース/ドレイン領域の一方を別途形成する必要がないので、メモリを構成するレイアウトを簡素化することができる。
【0012】
上記選択トランジスタを含む構成において、好ましくは、選択トランジスタのソース/ドレイン領域の他方として機能する第2不純物領域と、第2不純物領域に接続され、メモリセルへのアクセス時に第1電位または第2電位を供給する配線とをさらに備える。このように構成すれば、メモリセルへのアクセス時に選択トランジスタをオン状態にすれば、配線から選択トランジスタのソース/ドレイン領域の他方としての第2不純物領域および選択トランジスタのチャネル領域を介して第1不純物領域へ第1電位または第2電位を供給することができるので、容易に、メモリセルへのアクセス時に選択されたメモリセルを含むメモリセルブロックに対応する第1不純物領域を選択して第1電位または第2電位を供給することができる。
【0013】
上記選択トランジスタのソース/ドレイン領域の他方として機能する第2不純物領域を含む構成において、好ましくは、選択トランジスタは、隣接する2つの第1不純物領域をそれぞれ選択するための第1選択トランジスタおよび第2選択トランジスタを含み、第1選択トランジスタと第2選択トランジスタとは、第2不純物領域を共有している。このように構成すれば、第2不純物領域を第1選択トランジスタと第2選択トランジスタとの共通のソース/ドレイン領域の他方として用いることができるので、第1選択トランジスタと第2選択トランジスタとに個別にソース/ドレイン領域の他方を形成する必要がない。これによっても、メモリを構成するレイアウトを簡素化することができる。
【0014】
上記第1選択トランジスタおよび第2選択トランジスタを含む構成において、好ましくは、第1不純物領域の延びる方向に交差する方向に沿って延びるように設けられ、所定のメモリセルブロックに対応して設けられた複数の第1選択トランジスタの共通のゲート電極として機能する第1ゲート線と、第1不純物領域の延びる方向に交差する方向に沿って延びるように設けられ、所定のメモリセルブロックに隣接するメモリセルブロックに対応して設けられた複数の第2選択トランジスタの共通のゲート電極として機能する第2ゲート線とをさらに備え、第1ゲート線または第2ゲート線にブロック選択信号が与えられることにより、対応する第1選択トランジスタまたは第2選択トランジスタがオン状態になることによって、対応するメモリセルブロックが活性化される。このように構成すれば、第1ゲート線または第2ゲート線にブロック選択信号を与えることにより、容易に、選択されたメモリセルを含むメモリセルブロックのみを選択的に活性化することができる。また、第1ゲート線および第2ゲート線を、それぞれ、複数の第1選択トランジスタおよび複数の第2選択トランジスタに対して共通に設けることによって、メモリセルへのアクセス時に、第1ゲート線または第2ゲート線にブロック選択信号を印加することにより、複数の第1選択トランジスタまたは複数の第2選択トランジスタを同時にオン状態にすることができる。これにより、複数の第1選択トランジスタまたは複数の第2選択トランジスタを個別にオン状態にする必要がないので、複数の第1選択トランジスタまたは複数の第2選択トランジスタの制御を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明では、本発明によるメモリの一例として、ダイオードマトリックスを利用したマスクROM(以下、ダイオードROMという)について説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態によるダイオードROMの構成を示した回路図である。まず、図1を参照して、本発明の一実施形態によるダイオードROMの全体構成について説明する。
【0017】
本実施形態によるダイオードROMは、図1に示すように、プリデコード回路1と、ロウデコーダ2と、カラムデコーダ3と、センスアンプ4と、出力回路5と、メモリセルアレイ6とを備えている。プリデコード回路1は、外部からアドレス信号とアドレスイネーブル(AE)信号とが入力されることにより、ロウデコーダ2、カラムデコーダ3およびセンスアンプ4に所定のアドレスを選択するためのプリデコード信号を出力するように構成されている。
【0018】
また、ロウデコーダ2には、後述するワード線10に繋がる複数(1024本)のグローバルワード線8が接続されている。なお、このグローバルワード線8は、本発明の「配線」の一例である。そして、ロウデコーダ2は、プリデコード回路1から入力されたプリデコード信号が表すアドレスに対応するグローバルワード線8を選択する。この際、ロウデコーダ2は、選択したグローバルワード線8にLレベルの電位を供給するとともに、選択していないグローバルワード線8にHレベルの電位を供給するように構成されている。また、カラムデコーダ3には、複数(2048本)のビット線(BL)9が接続されている。カラムデコーダ3は、プリデコード回路1から入力されたプリデコード信号が表すアドレスに対応するビット線9を選択するとともに、その選択したビット線9とセンスアンプ4とを接続するように構成されている。また、カラムデコーダ3は、プリデコード回路1からプリデコード信号が入力されるのに応じて、入力されたプリデコード信号に対応する後述する分割されたワード線10を選択する機能も有している。また、センスアンプ4は、カラムデコーダ3により選択されたビット線9の電位を判別して増幅した後、選択されたビット線9の電位がLレベルの場合にHレベルの信号を出力するとともに、選択されたビット線9の電位がHレベルの場合にLレベルの信号を出力するように構成されている。また、出力回路5は、センスアンプ4からの信号が入力されることにより、その入力された信号に応じた信号Doutを外部へ出力するように構成されている。
【0019】
メモリセルアレイ6には、複数のビット線(BL)9と複数のワード線(WL)10とが互いに直交するように設けられている。また、複数のビット線9と複数のワード線10との交点に対応する位置には、それぞれ、1つのダイオード11からなるメモリセル12が配置されている。これにより、メモリセルアレイ6は、メモリセル12がマトリックス状に配置されたクロスポイント型の構成を有している。また、各メモリセル12のデータは、対応するビット線9およびカラムデコーダ3を介してセンスアンプ4へ読み出されるように構成されている。また、メモリセルアレイ6には、ビット線9にアノードが接続されたダイオード11を含むメモリセル12と、ビット線9にアノードが接続されていないダイオード11を含むメモリセル12とが設けられている。このビット線9に対するダイオード11のアノードの接続の有無によって、メモリセル12の保持するデータが「0」または「1」に区別されている。
【0020】
また、メモリセルアレイ6では、32本のビット線9によって1つのビット線群13が構成されている。メモリセルアレイ6では、このビット線群13が64個設けられている。また、ワード線10は、ロウデコーダ2に接続されるグローバルワード線8の延びる方向に沿って延びるように設けられている。また、ワード線10は、1つのビット線群13に対応する領域毎に分割されている。これにより、1つの分割されたワード線10には、32本のビット線9が交差しているとともに、その1つの分割されたワード線10と32本のビット線9との交点に32個のメモリセル12(ダイオード11)が配置されている。また、1つのビット線群13に含まれる32本のビット線9と、そのビット線群13に対応する1024本の分割されたワード線10との交点に配置された32768個(=32×1024)のメモリセル12によって1つのメモリセルブロック13aが構成されている。
【0021】
また、分割されたワード線10の各々の両端には、各ワード線10を選択するための一対のワード線選択トランジスタ14および15が設けられている。なお、所定のワード線10に対応する一対のワード線選択トランジスタ14および15は、本発明の「選択トランジスタ」および「第1選択トランジスタ」の一例であり、その所定のワード線10に隣接するワード線10に対応するワード線選択トランジスタ14および15は、本発明の「選択トランジスタ」および「第2選択トランジスタ」の一例である。また、分割されたワード線10の一方端には、ワード線選択トランジスタ14のソース/ドレイン領域の一方が接続されているともに、他方端には、ワード線選択トランジスタ15のソース/ドレイン領域の一方が接続されている。また、ワード線10の延びる方向に沿って隣接する2つの分割されたワード線10間に設けられたワード線選択トランジスタ14のソース/ドレイン領域の他方とワード線選択トランジスタ15のソース/ドレイン領域の他方とは、互いに接続されている。このようにして、ワード線10の延びる方向に沿って隣接する2つの分割されたワード線10は、ワード線選択トランジスタ14および15を介して接続されている。なお、このワード線選択トランジスタ14および15は、1つのメモリセルブロック13aに対応して設けられた1024本の分割されたワード線10をそれぞれ挟むように設けられている。これにより、1つのメモリセルブロック13aに対応して1024個のワード線選択トランジスタ14と1024個のワード線選択トランジスタ15とが設けられている。
【0022】
また、1つのメモリセルブロック13aに対応して設けられた1024個のワード線選択トランジスタ14のゲート電極および1024個のワード線選択トランジスタ15のゲート電極は、それぞれ、1本のゲート線16および1本のゲート線17に接続されている。なお、所定のメモリセルブロック13aにおけるゲート線16および17は、本発明の「第1ゲート線」の一例であり、その所定のメモリセルブロック13aに隣接するメモリセルブロック13aにおけるゲート線16および17は、本発明の「第2ゲート線」の一例である。また、ゲート線16および17は、ビット線9の延びる方向に沿って延びるように設けられているとともに、カラムデコーダ3に接続されている。また、ワード線選択トランジスタ14および15の互いに接続されたソース/ドレイン領域の他方には、ロウデコーダ2に繋がるグローバルワード線8が接続されている。これにより、ロウデコーダ2から供給されるHレベルまたはLレベルの電位は、グローバルワード線8を介してワード線選択トランジスタ14および15の互いに接続されたソース/ドレイン領域の他方に供給されるように構成されている。
【0023】
図2は、図1に示した一実施形態によるダイオードROMのメモリセルアレイの構造を示した平面レイアウト図である。図3は、図2に示した一実施形態によるダイオードROMのメモリセルアレイの100−100線に沿った断面図である。次に、図1〜図3を参照して、本実施形態によるダイオードROMのメモリセルアレイの構造について説明する。
【0024】
本実施形態によるメモリセルアレイ6では、図2および図3に示すように、p型シリコン基板20の上面に、複数のn型不純物領域21が設けられている。この複数のn型不純物領域21は、n型不純物領域21の延びる方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられているとともに、n型不純物領域21の延びる方向に直交する方向に沿って所定の間隔を隔てて設けられている。なお、このn型不純物領域21は、本発明の「第1不純物領域」の一例である。また、n型不純物領域21は、図3に示すように、n型の低濃度の不純物領域21aと、不純物領域21aよりも深く形成されたn型の不純物領域21bとによって構成されている。また、不純物領域21bは、不純物領域21aよりも少しだけ高いn型の不純物濃度を有している。なお、複数のn型不純物領域21は、それぞれ、上記の分割されたワード線10として機能する。
【0025】
また、1つのn型不純物領域21内には、32個のp型不純物領域22が所定の間隔を隔てて形成されている。そして、1つのp型不純物領域22とn型不純物領域21とによって、ダイオード11が形成されている。これにより、n型不純物領域21は、32個のダイオード11の共通のカソードとしても機能する。また、p型不純物領域22は、ダイオード11のアノードとして機能する。
【0026】
また、n型不純物領域21は、ワード線選択トランジスタ14および15のソース/ドレイン領域の一方としても機能する。そして、本実施形態では、図2および図3に示すように、n型不純物領域21がワード線選択トランジスタ14および15の形成領域に対応する位置で分割されている。また、n型不純物領域21の延びる方向に沿って隣接する2つのn型不純物領域21間の所定の領域には、ワード線選択トランジスタ14および15のソース/ドレイン領域の他方として機能する不純物領域23が形成されている。なお、不純物領域23は、本発明の「第2不純物領域」の一例である。また、不純物領域23は、所定のn型不純物領域21に対応して設けられたワード線選択トランジスタ14と、その所定のn型不純物領域21にn型不純物領域21の延びる方向に沿って隣接する別のn型不純物領域21に対応して設けられたワード線選択トランジスタ15とによって共有されている。
【0027】
また、不純物領域23は、n型低濃度不純物領域23aとn型高濃度不純物領域23bとを含んでいる。また、n型低濃度不純物領域23aは、p型シリコン基板20の表面から比較的浅い領域に形成されている一方、n型高濃度不純物領域23bは、n型低濃度不純物領域23aよりも深い領域まで形成されている。これにより、不純物領域23は、n型低濃度不純物領域23aおよびn型高濃度不純物領域23bからなるLDD(Lightly Doped Drain)構造を有している。また、不純物領域23には、n型低濃度不純物領域23aおよびn型高濃度不純物領域23bにn型コンタクト領域23cが形成されている。このn型コンタクト領域23cは、後述する1層目のプラグ31を不純物領域23に接続する際の接触抵抗を低減するために設けられている。また、不純物領域23のn型低濃度不純物領域23aと、n型不純物領域21の不純物領域21aとは、同じ不純物濃度を有している。また、不純物領域23のn型高濃度不純物領域23bは、n型不純物領域21の不純物領域21bの不純物濃度よりも高い不純物濃度を有している。
【0028】
また、p型シリコン基板20のn型不純物領域21と不純物領域23との間のワード線選択トランジスタ14のチャネル領域24上には、ゲート絶縁膜25を介してポリシリコンからなるゲート線16が形成されている。また、p型シリコン基板20のn型不純物領域21と不純物領域23との間のワード線選択トランジスタ15のチャネル領域26上には、ゲート絶縁膜27を介してポリシリコンからなるゲート線17が形成されている。また、ゲート線16および17は、図2に示すように、n型不純物領域21の延びる方向に直交する方向に延びるように形成されている。
【0029】
また、ゲート線16および17の両側には、図3に示すように、絶縁膜からなるサイドウォールスペーサ28がそれぞれ設けられている。また、p型シリコン基板20の上面上には、ゲート線16および17およびサイドウォールスペーサ28を覆うように、1層目の層間絶縁膜29が設けられている。この1層目の層間絶縁膜29のp型不純物領域22およびn型コンタクト領域23cに対応する領域には、コンタクトホール30が設けられている。このようにp型不純物領域22およびn型コンタクト領域23cに対応する位置にコンタクトホール30が設けられているのは、p型不純物領域22およびn型コンタクト領域23cがp型シリコン基板20にコンタクトホール30を介してイオン注入することによって形成されることに起因している。また、コンタクトホール30には、W(タングステン)からなる1層目のプラグ31が埋め込まれている。これにより、p型不純物領域22およびn型コンタクト領域23cにプラグ31が接続されている。
【0030】
また、1層目の層間絶縁膜29上には、1層目のプラグ31に接続するように、Alからなる1層目のパッド層32が設けられている。また、1層目の層間絶縁膜29上には、1層目のパッド層32を覆うように2層目の層間絶縁膜33が設けられている。この2層目の層間絶縁膜33の1層目のパッド層32に対応する領域には、コンタクトホール34が形成されている。このコンタクトホール34には、Wからなる2層目のプラグ35が埋め込まれている。
【0031】
また、2層目の層間絶縁膜33上には、Alからなる複数のビット線9および2層目のパッド層36が設けられている。複数のビット線9は、n型不純物領域21の延びる方向に直交する方向に延びるように設けられている。また、各ビット線9は、p型不純物領域22(ダイオード11のアノード)に繋がる2層目のプラグ35に接続するように設けられている。なお、2層目のプラグ35は、所定のp型不純物領域22(ダイオード11のアノード)に繋がる1層目のパッド層32とビット線9との間に設けられている一方、それ以外のp型不純物領域22(ダイオード11のアノード)に繋がる1層目のパッド層32とビット線9との間には設けられていない。これにより、ビット線9にアノードが接続されるダイオード11と、ビット線9にアノードが接続されていないダイオード11とが構成されている。つまり、本実施形態では、2層目の層間絶縁膜33に、コンタクトホール34を設けるか否かにより、対応するダイオード11を含むメモリセル12(図1参照)のデータが「0」または「1」に区別されている。また、2層目のパッド層36は、2層目のプラグ35に接続するように設けられている。
【0032】
また、2層目の層間絶縁膜33上には、ビット線9および2層目のパッド層36を覆うように3層目の層間絶縁膜37が設けられている。この3層目の層間絶縁膜37のn型コンタクト領域23cに繋がる2層目のパッド層36に対応する領域には、コンタクトホール38が設けられているとともに、そのコンタクトホール38には、Wからなる3層目のプラグ39が埋め込まれている。これにより、3層目のプラグ39は、n型コンタクト領域23cに繋がる2層目のパッド層36に接続されている。3層目の層間絶縁膜37のn型不純物領域21に対応する領域上には、Alからなる複数のグローバルワード線8が所定の間隔を隔てて設けられている。また、複数のグローバルワード線8は、n型不純物領域21の延びる方向に沿って延びるように形成されている。また、グローバルワード線8は、3層目のプラグ39に接続されている。これにより、グローバルワード線8は、1層目のプラグ31、1層目のパッド層32、2層目のプラグ35、2層目のパッド層36および3層目のプラグ39を介して、ワード線選択トランジスタ14および15のソース/ドレイン領域として機能する不純物領域23に接続されている。
【0033】
図4は、図1に示した一実施形態によるダイオードROMのプリデコード回路、カラムデコーダ、センスアンプおよび出力回路の構成について説明するためのブロック図である。図5は、図4に示した一実施形態によるカラムデコーダ、センスアンプおよび出力回路の回路構成を示した回路図である。図6および図7は、図4に示した一実施形態によるプリデコード回路の回路構成を示した回路図である。次に、図4〜図7を参照して、本発明の一実施形態によるダイオードROMのプリデコード回路、カラムデコーダ、センスアンプおよび出力回路の詳細な構成について説明する。
【0034】
本実施形態によるダイオードROMでは、図4に示すように、128本のビット線毎に1つの出力回路5が設けられており、全部で16個の出力回路5が設けられている。また、128本のビット線を介して読み出されるデータは、それぞれ、カラムデコーダ3およびセンスアンプ4を介して、対応する出力回路5に入力されるように構成されている。そして、各出力回路5からは、入力されたデータに対応する出力信号Dout0〜Dout15が出力されるように構成されている。また、本実施形態では、出力信号Dout〜Dout15を出力する16個のカラムデコーダ3、センスアンプ4および出力回路5からなる回路部は、それぞれ、図5に示すような回路構成を有している。
【0035】
具体的には、カラムデコーダ3は、図5に示すように、複数のビット線選択トランジスタ41と、4つのワード線選択回路部42とによって構成されている。ビット線選択トランジスタ41は、pチャネルトランジスタによって構成されている。また、ビット線選択トランジスタ41は、ソース/ドレイン領域の一方がビット線9に接続されているとともに、他方がセンスアンプ4に接続されている。また、ビット線選択トランジスタ41を介して、16本のビット線9が1つのセンスアンプ4に接続されている。
【0036】
また、16本のビット線9に接続された16個のビット線選択トランジスタ41のゲートには、後述するプリデコード回路1の16個の回路部からのプリデコード信号がそれぞれ入力される。これにより、16個のビット線選択トランジスタ41のいずれか1つがオン状態になるとともに、残りの15個のビット線選択トランジスタ41がオフ状態に保持されるように構成されている。そして、オン状態になるビット線選択トランジスタ41に接続されたビット線9が選択されてセンスアンプ4に電気的に接続されるとともに、オフ状態に保持されるビット線選択トランジスタ41に接続されたビット線9はセンスアンプ4に電気的に接続されないように構成されている。
【0037】
また、センスアンプ4は、128本のビット線9に対応して8個設けられている。この8個のセンスアンプ4には、それぞれ、上記した16本のビット線9が接続されている。また、8個のセンスアンプ4のうち4つのセンスアンプ4の出力が、1つの4入力NAND回路45aに入力されるとともに、残りの4つのセンスアンプ4の出力がもう1つの4入力NAND回路45bに入力されるように構成さている。また、2つの4入力NAND回路45aおよび45bの出力は、1つのNOR回路46に入力されるとともに、その1つのNOR回路46の出力が1つの出力回路5に入力されるように構成されている。
【0038】
また、ワード線選択回路部42は、プリデコード回路部1から入力されるプリデコード信号に対応するアドレスのワード線10を選択するために設けられている。また、ワード線選択回路部42は、32本のビット線9からなるビット線群13(図1参照)毎に設けられている。このワード線選択回路部42は、1段のインバータ回路43と1段のNOR回路44とが直列に接続された回路構成を有している。インバータ回路43の出力は、ビット線群13(図1参照)毎に設けられた一対のゲート線16および17に入力されるように構成されている。また、NOR回路44には、後述するプリデコード回路1の回路部からプリデコード信号が入力される。なお、このNOR回路44には、上記したセンスアンプ41に入力されるプリデコード信号と同じ信号が入力される。すなわち、所定のワード線選択回路部42のNOR回路44の一方の入力には、そのワード線選択回路部42が選択すべきワード線10に対応する16本のビット線9に繋がるセンスアンプ4と同じプリデコード信号が入力される。また、所定のワード線選択回路部42のNOR回路44のもう一方の入力には、そのワード線選択回路部42が選択すべきワード線10に対応する残りの16本のビット線9に繋がるセンスアンプ4と同じプリデコード信号が入力される。
【0039】
また、プリデコード回路1は、図6に示すようなビット線選択トランジスタ41(図5参照)へプリデコード信号を供給するための回路部分と、図7に示すようなセンスアンプ4(図5参照)へプリデコード信号を供給するための回路部分と、ロウデコーダ2へ信号を供給するロウアドレスプリデコード回路(図示せず)とによって構成されている。プリデコード回路1のビット線選択トランジスタ41(図5参照)へプリデコード信号を供給するための回路部分は、図6に示すように、プリデコード信号を出力する16個の回路部47によって構成されている。この回路部47は、1つの5入力NAND回路48と2段のインバータ回路49および50とが直列に接続された回路構成を有している。
【0040】
また、5入力NAND回路48には、アドレスイネーブル信号AEと、カラムアドレス信号CA0および反転カラムアドレス信号/CA0のいずれか一方と、カラムアドレス信号CA1および反転カラムアドレス信号/CA1のいずれか一方と、カラムアドレス信号CA2および反転カラムアドレス信号/CA2のいずれか一方と、カラムアドレス信号CA3および反転カラムアドレス信号/CA3のいずれか一方とが入力される。なお、カラムアドレス信号CA0〜CA3および反転カラムアドレス信号/CA0〜/CA3は、外部から入力されるアドレス信号に基づいて図示しないアドレス入力回路により生成される。
【0041】
そして、5入力NAND回路48に入力される上記の5つの信号(AE、CA0または/CA0、CA1または/CA1、CA2または/CA2、CA3または/CA3)の組み合わせにより、16個の回路部47の内いずれか1つの回路部47の5入力NAND回路48からLレベルの信号が出力されるとともに、残りの回路部47の5入力NAND回路48からHレベルの信号が出力されるように構成されている。すなわち、5入力NAND回路48に入力される5つの信号が全てHレベルである場合には、その5入力NAND回路48からはLレベルの信号が出力される一方、5入力NAND回路48に入力される5つの信号の少なくともいずれか1つがLレベルである場合には、その5入力NAND回路48からはHレベルの信号が出力されるように構成されている。また、5入力NAND回路48からLレベルの信号が出力されると、2段のインバータ回路49および50を介してLレベルのプリデコード信号が出力されるように構成されている。一方、5入力NAND回路48からHレベルの信号が出力されると、2段のインバータ回路49および50を介してHレベルのプリデコード信号が出力されるように構成されている。このようにして、16個の回路部47の内いずれか1つの回路部47からLレベルのプリデコード信号が出力されるとともに、残りの15個の回路部47からHレベルのプリデコード信号が出力されるように構成されている。
【0042】
また、センスアンプ4(図5参照)へプリデコード信号を供給するための回路部分は、図7に示すように、プリデコード信号を出力する8個の回路部51によって構成されている。この回路部51は、1段の4入力NAND回路52と1段のインバータ回路53とが直列に接続された回路構成を有している。また、4入力NAND回路52には、アドレスイネーブル信号AEと、カラムアドレス信号CA4および反転カラムアドレス信号/CA4のいずれか一方と、カラムアドレス信号CA5および反転カラムアドレス信号/CA5のいずれか一方と、カラムアドレス信号CA6および反転カラムアドレス信号/CA6のいずれか一方とが入力される。なお、カラムアドレス信号CA4〜CA6および反転カラムアドレス信号/CA4〜/CA6は、外部から入力されるアドレス信号に基づいて図示しないアドレス入力回路により生成される。
【0043】
また、4入力NAND回路52に入力される上記の4つの信号(AE、CA4または/CA4、CA5または/CA5、CA6または/CA6)の組み合わせにより、8個の回路部51の内いずれか1つの回路部51の4入力NAND回路52からLレベルの信号が出力されるとともに、残りの回路部51の4入力NAND回路52からHレベルの信号が出力されるように構成されている。すなわち、4入力NAND回路52に入力される4つの信号が全てHレベルである場合には、その4入力NAND回路52からはLレベルの信号が出力される一方、4入力NAND回路52に入力される4つの信号の少なくともいずれか1つがLレベルである場合には、その4入力NAND回路52からはHレベルの信号が出力されるように構成されている。また、4入力NAND回路52からHレベルの信号が出力されると、インバータ回路53を介してLレベルのプリデコード信号が出力されるように構成されている。一方、4入力NAND回路52からLレベルの信号が出力されると、インバータ回路53を介してHレベルのプリデコード信号が出力されるように構成されている。このようにして、8個の回路部51の内、いずれか1つの回路部51からHレベルのプリデコード信号が出力されるとともに、残りの7個の回路部51からLレベルのプリデコード信号が出力されるように構成されている。
【0044】
次に、図1、図2および図5を参照して、本発明の一実施形態によるダイオードROMのデータの読出し動作について説明する。なお、以下の読出し動作の説明では、図5に示した128本のビット線に繋がるカラムデコーダ、センスアンプおよび出力回路における読出し動作について説明する。
【0045】
本実施形態では、まず、外部からアドレスイネーブル信号およびアドレス信号が入力されることにより、プリデコード回路1(図1参照)からロウデコーダ2、カラムデコーダ3およびセンスアンプ4にプリデコード信号が入力される。これにより、ロウデコーダ2によってプリデコード信号に対応するロウアドレスのグローバルワード線8にLレベルの電位が供給されるとともに、それ以外のグローバルワード線8にHレベルの電位が供給される。また、プリデコード信号に対応するカラムデコーダ3(図5参照)の4つのワード線選択回路部42の内の1つのワード線選択回路部42からHレベルのブロック選択信号がゲート線16および17に入力されるとともに、残りの3つのワード線選択回路部42からLレベルのブロック選択信号がゲート線16および17に入力される。これにより、Hレベルのブロック選択信号が入力されたゲート線16および17に繋がるワード線選択トランジスタ14および15はオン状態になるとともに、Lレベルのブロック選択信号が入力されたゲート線16および17に繋がるワード線選択トランジスタ14および15はオフ状態になる。そして、オン状態になったワード線選択トランジスタ14および15を介してロウデコーダ2から供給されるHレベルまたはLレベルの電位が、分割されたワード線10に供給される一方、オフ状態になったワード線選択トランジスタ14および15を介して分割されたワード線10に電位は供給されない。
【0046】
たとえば、図1に示す注目セルを含むメモリセルブロック13aを選択する場合には、このメモリセルブロック13aに対応するワード線選択トランジスタ14および15のみがオン状態になるとともに、それ以外のワード線選択トランジスタ14および15がオフ状態になる。これにより、注目セルを含むメモリセルブロック13aに対応する分割されたワード線10にHレベルまたはLレベルの電位が供給されるとともに、それ以外のメモリセルブロック13aに対応する分割されたワード線10には電位は供給されない。そして、注目セルに対応する選択したワード線10の電位は、Lレベルに立ち下げられるとともに、注目セルを含むメモリセルブロック13aに対応する分割されたワード線10のうち非選択のワード線10の電位はHレベルに立ち上げられる。なお、分割されたワード線10は、ダイオード11のカソードとして機能するn型不純物領域21(図2参照)と共用されているので、注目セルのダイオード11のカソードとしてのn型不純物領域21の電位が、Lレベルに立ち下げられるとともに、注目セルを含むメモリセルブロック13aに対応するn型不純物領域21のうち非選択のn型不純物領域21の電位がHレベルに立ち上げられる。なお、注目セルを含むメモリセルブロック13aに対応するn型不純物領域21(ワード線10)のうちの非選択のn型不純物領域21(ワード線10)に、Hレベルの電位として電位Vccがワード線選択トランジスタ14および15を介して供給されるとすると、その電位Vccからワード線選択トランジスタ14および15のしきい値電圧Vtの分だけしきい値電圧落ちした電位が非選択のn型不純物領域21(ワード線10)に印加される。すなわち、注目セルを含むメモリセルブロック13aに対応するn型不純物領域21(ワード線10)のうちの非選択のn型不純物領域21(ワード線10)には、電位Vcc−Vtが印加される。
【0047】
そして、図5に示した各16本のビット線9に接続されるカラムデコーダ3の16個のビット線選択トランジスタ41の内、1つのビット線選択トランジスタ41のゲートにLレベルのプリデコード信号が入力されるとともに、残りの15個のビット線選択トランジスタ41のゲートにHレベルのプリデコード信号が入力される。これにより、Lレベルのプリデコード信号が入力された1つのビット線選択トランジスタ41がオン状態になるとともに、Hレベルのプリデコード信号が入力された15個のビット線選択トランジスタ41がオフ状態になる。そして、オン状態になったビット線選択トランジスタ41を介してビット線9とセンスアンプ4とが電気的に接続されるとともに、オフ状態のビット線選択トランジスタ41に繋がるビット線9は、センスアンプ4に電気的に接続されない。なお、16個のビット線選択トランジスタ41毎に1つのビット線選択トランジスタ41がオン状態になるので、図5に示す8個のセンスアンプ4にビット線選択トランジスタ41を介してそれぞれ接続される16本のビット線9のうち、オン状態になるビット線選択トランジスタ41に繋がる1本ずつのビット線9が8個のセンスアンプ4に対してそれぞれ電気的に接続される。
【0048】
また、8個のセンスアンプ4のうち1つのセンスアンプ4には、プリデコード回路1(図1参照)からHレベルのプリデコード信号が入力されるとともに、残りの7個のセンスアンプ41には、プリデコード回路1(図1参照)からLレベルのプリデコード信号が入力される。これにより、Hレベルのプリデコード信号が入力された1つのセンスアンプ4は活性化されるとともに、Lレベルのプリデコード信号が入力された7個のセンスアンプ4は不活性になる。そして、不活性な7個のセンスアンプ4の入力はオープン状態にされるとともに、この7個のセンスアンプ4の出力はHレベルになる。また、活性化された1つのセンスアンプ4には、電気的に接続されたビット線9を介して選択されたメモリセル12のデータに対応するデータ信号が入力される。なお、センスアンプ4は、電流センス型センスアンプである。そのため、活性化された1つのセンスアンプ4からビット線9に向かって電流が流れない場合には、データ信号を増幅したHレベルの信号を出力する。一方、活性化された1つのセンスアンプ4からビット線9に向かって電流が流れる場合には、データ信号を増幅したLレベルの信号を出力する。
【0049】
そして、たとえば、2つの4入力NAND回路45aおよび45bの一方の4入力NAND回路45aに活性な1つのセンスアンプ4および不活性な3つのセンスアンプ4の出力が入力されるとともに、もう一方の4入力NAND回路45bに不活性な4つのセンスアンプ4の出力が入力される。これにより、一方の4入力NAND回路45aの出力は、活性な1つのセンスアンプ4からの信号がHレベルかLレベルかによって決定される。すなわち、4入力NAND回路45aに活性な1つのセンスアンプ4からHレベルの信号が入力される場合には、この4入力NAND回路45aには、不活性な3つのセンスアンプ4からHレベルの信号が入力されているので、4入力NAND回路45aからLレベルの信号が出力される。また、4入力NAND回路45aに活性な1つのセンスアンプ4からLレベルの信号が入力される場合には、この4入力NAND回路45aには、不活性な3つのセンスアンプ4からHレベルの信号が入力されているので、4入力NAND回路45aからHレベルの信号が出力される。
【0050】
そして、4入力NAND回路45aおよび45bから出力された信号は、NOR回路46に入力される。この際、NOR回路46に一方の4入力NAND回路45aからLレベルの信号が入力されるとともに、もう一方の4入力NAND回路45bからLレベルの信号が入力されるとすると、NOR回路46からはHレベルの信号が出力される。また、NOR回路46に一方の4入力NAND回路45aからHレベルの信号が入力されるとともに、もう一方の4入力NAND回路45bからLレベルの信号が入力されるとすると、NOR回路46からはLレベルの信号が出力される。そして、NOR回路46から出力された信号は、出力回路5を介して外部へ出力される。
【0051】
本実施形態では、上記のように、ダイオード11を含むメモリセル12をマトリックス状(クロスポイント状)に配列してクロスポイント型のメモリセルアレイ6を形成することによって、1つのメモリセル12が1つのダイオード11を含むので、1つのメモリセル12が1つのトランジスタを含む場合に比べて、メモリセルサイズを小さくすることができる。
【0052】
また、本実施形態では、ワード線10として機能するn型不純物領域21を、32本のビット線9からなるビット線群13毎に分割することによって、n型不純物領域21の長さの増大に起因してグローバルワード線8の容量が増大するのを抑制することができるので、グローバルワード線8の立ち下げ(立ち上げ)速度が低下するのを抑制することができる。
【0053】
また、本実施形態では、選択されたメモリセル12へのアクセス時に、選択されたメモリセル12を含むメモリセルブロック13a中の選択されたメモリセル12に対応するワード線10にLレベルの電位を供給するとともに、選択されたメモリセル12を含むメモリセルブロック13a中の選択されたメモリセル12に対応するワード線10以外のワード線10にHレベルの電位を供給しているので、選択されたメモリセル12を含むメモリセルブロック13aに含まれる選択ビット線9に繋がる非選択のメモリセル12のダイオード11のカソードとビット線9との間で実質的に電流が流れない。これにより、選択されたメモリセル12のダイオード11のアノードと選択ビット線9とが接続されていない場合に、選択ビット線9に繋がる非選択の全てのメモリセル12の電流が流れ終わるまで選択されたメモリセル12のデータを判別できないという不都合が発生するのを抑制することができる。このため、データの読出し時間を短縮することができる。
【0054】
また、本実施形態では、n型不純物領域21がワード線選択トランジスタ14および15のソース/ドレイン領域の一方としても機能することによって、ワード線選択トランジスタ14および15のソース/ドレイン領域の一方を別途形成する必要がないので、ダイオードROMを構成するレイアウトを簡素化することができる。
【0055】
また、本実施形態では、ワード線選択トランジスタ14とワード線選択トランジスタ15とが不純物領域23を共有していることによって、不純物領域23をワード線選択トランジスタ14および15の共通のソース/ドレイン領域の他方として用いることができるので、ワード線選択トランジスタ14および15に個別にソース/ドレイン領域の他方を形成する必要がない。これによっても、ダイオードROMを構成するレイアウトを簡素化することができる。
【0056】
また、本実施形態では、所定のメモリセルブロック13aに対応して設けられた複数のワード線選択トランジスタ14(15)の共通のゲート電極として機能するゲート線16(17)を設けるとともに、そのゲート線16(17)にブロック選択信号を与えて、対応する複数のワード線選択トランジスタ14(15)を同時にオン状態にさせることにより、対応するメモリセルブロック13aを活性化させることによって、複数のワード線選択トランジスタ14(15)を個別にオン状態にすることなく、選択されたメモリセル12を含む所定のメモリセルブロック13aを活性化することができるので、複数のワード線選択トランジスタ14(15)の制御を簡略化することができる。
【0057】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0058】
たとえば、上記実施形態では、クロスポイント型のダイオードROMに本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、クロスポイント型のダイオードROM以外のメモリにも広く適用可能である。
【0059】
また、上記実施形態では、選択トランジスタを各ワード線10の両端に一対(2つ)ずつ配置したが、本発明はこれに限らず、選択トランジスタを各ワード線10の両端のどちらか一方に1つずつ配置してもよい。
【0060】
また、上記実施形態では、ビット線群を32本のビット線によって構成したが、本発明はこれに限らず、ビット線群を32本以外の数のビット線によって構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態によるダイオードROMの構成を示した回路図である。
【図2】図1に示した一実施形態によるダイオードROMのメモリセルアレイの構造を示した平面レイアウト図である。
【図3】図2に示した一実施形態によるダイオードROMのメモリセルアレイの100−100線に沿った断面図である。
【図4】図1に示した一実施形態によるダイオードROMのプリデコード回路、カラムデコーダ、センスアンプおよび出力回路の構成について説明するためのブロック図である。
【図5】図4に示した一実施形態によるカラムデコーダ、センスアンプおよび出力回路の回路構成を示した回路図である。
【図6】図4に示した一実施形態によるプリデコード回路の回路構成を示した回路図である。
【図7】図4に示した一実施形態によるプリデコード回路の回路構成を示した回路図である。
【図8】従来の一例によるマスクROMの構成を示した平面レイアウト図である。
【符号の説明】
【0062】
8 グローバルワード線(配線)
9 ビット線
10 ワード線
11 ダイオード
12 メモリセル
13 ビット線群
13a メモリセルブロック
14 ワード線選択トランジスタ(選択トランジスタ、第1選択トランジスタ)
15 ワード線選択トランジスタ(選択トランジスタ、第2選択トランジスタ)
16 ゲート線(第1ゲート線)
17 ゲート線(第2ゲート線)
21 n型不純物領域(第1不純物領域)
23 不純物領域(第2不純物領域)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイオードを含む複数のメモリセルと、
複数のビット線と、
前記ビット線と交差するように配置され、前記メモリセルに含まれる前記ダイオードの一方電極およびワード線として機能する第1不純物領域とを備え、
前記第1不純物領域は、所定数の前記ビット線からなるビット線群毎に分割されている、メモリ。
【請求項2】
前記複数のメモリセルは、それぞれ、前記分割された第1不純物領域と前記複数のビット線との交点に配置されており、
所定の前記ビット線群に含まれる前記所定数のビット線と、前記所定のビット線群に対応する前記第1不純物領域との交点に配置された前記メモリセルによりメモリセルブロックが構成されており、
選択された前記メモリセルへのアクセス時には、前記選択されたメモリセルを含む前記メモリセルブロック中の前記選択されたメモリセルに対応する前記第1不純物領域に第1電位を供給するとともに、前記選択されたメモリセルを含む前記メモリセルブロック中の前記選択されたメモリセルに対応する前記第1不純物領域以外の前記第1不純物領域に第2電位を供給する、請求項1に記載のメモリ。
【請求項3】
前記複数に分割された第1不純物領域毎に設けられ、前記選択されたメモリセルを含むメモリセルブロックに対応する前記第1不純物領域を選択して前記第1電位または前記第2電位を供給するための選択トランジスタをさらに備え、
前記第1不純物領域は、前記選択トランジスタのソース/ドレイン領域の一方として機能する、請求項2に記載のメモリ。
【請求項4】
前記選択トランジスタのソース/ドレイン領域の他方として機能する第2不純物領域と、
前記第2不純物領域に接続され、前記メモリセルへのアクセス時に前記第1電位または前記第2電位を供給する配線とをさらに備える、請求項3に記載のメモリ。
【請求項5】
前記選択トランジスタは、隣接する2つの前記第1不純物領域をそれぞれ選択するための第1選択トランジスタおよび第2選択トランジスタを含み、
前記第1選択トランジスタと前記第2選択トランジスタとは、前記第2不純物領域を共有している、請求項4に記載のメモリ。
【請求項6】
前記第1不純物領域の延びる方向に交差する方向に沿って延びるように設けられ、所定の前記メモリセルブロックに対応して設けられた複数の前記第1選択トランジスタの共通のゲート電極として機能する第1ゲート線と、
前記第1不純物領域の延びる方向に交差する方向に沿って延びるように設けられ、前記所定のメモリセルブロックに隣接する前記メモリセルブロックに対応して設けられた複数の前記第2選択トランジスタの共通のゲート電極として機能する第2ゲート線とをさらに備え、
前記第1ゲート線または前記第2ゲート線にブロック選択信号が与えられることにより、対応する前記第1選択トランジスタまたは前記第2選択トランジスタがオン状態になることによって、対応する前記メモリセルブロックが活性化される、請求項5に記載のメモリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−35724(P2007−35724A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−213225(P2005−213225)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】