説明

不正通過者検出装置及びこれを利用した不正通過者録画システム

【課題】不正通過者を特定して検出する不正通過者検出装置及びこれを利用した不正通過者録画システムを提供し、より質の高いセキュリティシステムの構築することを目的とする。
【解決手段】この発明による不正通過者検出装置は、通過検出用カメラで撮影した映像を画像処理して人物を検出して追跡する追跡部と、前記追跡部で追跡中の人物の位置情報に基づいて管理区域へ入退場する人物を検出する通過検出部と、認証装置による認証完了信号の入力タイミングと追跡部で追跡中の人物の位置情報とに基づいて認証者と同伴者を識別する手段とを備え、認証者または同伴者以外の人物が管理区域出入口を通過した場合は不正通過であると判定し、不正通過者検出信号を出力するものである。また前記不正通過者検出装置からの不正通過者検出信号に基づいて、不正通過者による管理区域出入口の通過時点を録画するように構成した不正通過者録画システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置による認証結果に基づいて管理区域への入退場を管理するように構築されたセキュリティシステム(入退場管理システム)において、認証装置による認証作業を経た認証者とその同伴者の入退場を許容し、それ以外の未認証者による管理区域への入退場を不正通過として検出する不正通過者検出装置及びこれを利用した不正通過者録画システムに関する。
【背景技術】
【0002】
機密事項を扱う研究施設や情報管理室、高価な財産(高額貨幣、貴金属品など)、および取扱いを制限されたもの(危険物、薬物なと)を保管する部屋への入場は厳重に管理する必要があり、様々なセキュリティシステムが導入されている。また昨今、マンションなどの集合住宅でも、住人の安全を確保するために部外者によるマンション内への入場を制限するような入場管理が必要であり、様々なセキュリティシステムが導入されている。
そして上記のような管理区域への入場を管理するセキュリティシステム(入場管理システム)として、管理区域前の室外区域に、IDカードや暗証番号による照合や、指紋照合や虹彩照合によって入場許可者本人であるか否かを判別する認証装置を設置し、その認証結果をもとに管理区域出入口のドアの開閉(または電気錠の開錠)を制御し、管理区域への入場を管理するセキュリティシステムが知られている。(例えば特許文献1を参照)
【特許文献1】特開2006−243972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1の入場管理システムは、入場者一人一人が認証作業を経て管理区域へ入場するように運用して管理区域への入場を管理するものであって、認証装置が設置されている室外区域を撮影したカメラ映像をもとに共連れや後追い、誘い込みなども不正通過として検出するものである。しかしながら、例えばマンションなどの入場管理システムでは、住人が家族連れ立って入場したり、知人を同伴して入場したりすることが多いため、認証装置による認証作業を経た者(以下、認証者という)の入場だけでなく、認証者の許可を得て同伴する者(以下、同伴者という)の入場を許容し、それ以外の未認証者(部外者)による入場を不正通過として検出することが望まれる。
【0004】
同伴者の入場を許容する入場管理システムとして、例えば認証装置に人数指定キーを設けておき、住人が同伴者を伴ってマンションに入場する場合は、住人による認証作業時に前記人数指定キーによって同伴者の人数を加算した通過人数を指定することで、複数人によるマンションへの入場を許容し、一方、出入口通過人数(入場者数)が指定人数を超過した場合は不正通過者として検出する入場管理システムがある。
しかしながら、指定人数と通過人数の比較による不正通過者の検出方法では、出入口通過人数が指定人数を超過した時点で不正通過が検出されるため、部外者が住人やその同伴者を出入口手前で追い抜いてマンションに入場した場合、その部外者がマンションに入場しても不正通過と判断せず、部外者に追い抜かれた住人または同伴者がマンションに入場したときに不正通過と判断してしまい、本当の不正通過者を検出できないといった問題点があった。つまり従来の不正通過者検出方法では、不正通過の有無は検出することができるものの、不正通過者を正確に特定することができず、不正通過を効果的に抑制することができなかった。また人数指定キーを有する認証装置を設置しなければならず、既に設置してある認証装置を用いた入場管理システムからのシステム変更が困難で、既存の入場管理システムへの導入が難しいといった問題点がある。
【0005】
さらに同伴者の入場を許容する入場管理システムとして、例えば認証者のみが押し釦可能な不正通過者検出一時停止ボタンを設け、住人が同伴者を伴ってマンションに入場する場合、住人による認証作業時に前記ボタンを押すことで、押し釦中は不正通過者検出を停止させ、その間に同伴者をマンションに入場させることによって、複数人によるマンションへの入場を許容する入場管理システムがある。
しかし上記方法では、押し釦中は不正通過者検出が停止しているため、その間に部外者が同伴者を追い抜き、何人もの部外者がマンションに入場しても、部外者による入場を不正通過として検出しないこととなり、防犯性能が低くなってしまう。また、認証作業を経た認証者のみが押し釦可能な不正通過者検出一時停止ボタンの設置工事が必要であるといった問題点がある。
【0006】
この発明は上記問題点に鑑み、認証者とその同伴者とを識別し、それ以外の未認証者による管理区域への入退場を特定して検出できる不正通過者検出装置を提供するとともに、この検出装置を利用した不正通過者録画システムを提供することによって部外者等の未認証者の不正通過時の映像を録画できるようにし、正確な不正通過者の検出と不正通過時の映像録画とによって管理区域への入退場を管理し、より質の高いセキュリティシステムの構築を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、管理区域出入口の手前の認証区域内に設置した認証装置の認証結果に基づいて管理区域への入退場を管理する入退場管理システムにおいて用いられ、前記認証装置による認証作業を経た認証者とその同伴者による管理区域出入口の通過を正規通過として許容し、それ以外の未認証者による管理区域出入口の通過を不正通過として検出する不正通過者検出装置であって、前記認証区域の真上に設置した通過検出用カメラによって認証区域全体を上方から撮影した映像を取得し、前記カメラから逐次入力される映像を画像処理し、認証区域内に存在する人物を画像上で検出し追跡する追跡部と、前記追跡部で追跡中の人物の位置情報に基づいて、管理区域出入口を通過して管理区域へ入退する人物または管理区域から退場する人物を検出する通過検出部と、前記認証装置による認証完了信号を取得し、この認証完了信号の入力タイミングと追跡部で追跡中の人物の位置情報とに基づいて、認証時にその立ち位置に最も近い位置にいる人物を認証者として識別し、かつ予め設定してある指定領域内に存在する人物を同伴者として識別する手段とを備え、前記通過検出部で管理区域へ入退場する人物を検出するにあたって、認証者またはその同伴者と識別されていない人物が管理区域へ入退場した場合は不正通過であると判定し、検出結果出力部から不正通過者検出信号を出力する。
【0008】
また上記の不正通過者検出装置と、管理区域出入口を通過して管理区域へ入場または退場する人物の顔を判別できる映像を撮影する監視カメラと、監視カメラからの入力映像を録画する録画装置とから構成され、前記録画装置に不正通過者検出装置を接続し、録画装置に不正通過者検出信号が入力された時点の監視カメラからの入力映像を不正通過者の映像として録画し、認証装置による認証作業を経ずに管理区域へ入退場しようとする不正通過者の管理区域出入口通過時の映像を録画するように構成した不正通過者録画システムである。
【発明の効果】
【0009】
この発明による不正通過者検出装置では、管理区域出入口を通過して管理区域へ入退場する者(通過者)のなかから、認証者とその同伴者以外の未認証者(部外者)による通過を識別して不正通過として検出できるため、管理区域出入口手前で未認証者による認証者や同伴者の追い抜きがあっても、未認証者が管理区域へ踏み込んだ時点で未認証者を不正通過者であると正確に判別し検出することができる。
そして本発明による不正通過者検出装置を利用した不正通過者録画システムでは、未認証者が管理区域出入口を通過した時点で不正通過者と判定して、この未認証者(不正通過者)が管理区域出入口を通過するところを監視カメラで撮影して録画できるため、不正通過者の録画漏れや、正規通過者を誤って不正通過者として録画することを防止することができ、このような不正通過者の正確な特定と録画システムの確立によって、不正通過者を効果的に抑制することができ、より質の高いセキュリティシステムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明による不正通過者検出装置及びこれを利用した不正通過者録画システムの好適な実施例について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、マンションなどの管理区域への入場を管理するセキュリティシステムについて説明する図である。
この実施例では、マンションのエントランスホール(管理区域)の手前にある風除室(室外区域)に認証装置20が設置され、エントランスホール出入口(管理区域出入口)には、前記認証装置20の認証結果に基づいて開閉が制御される自動ドアが設けられている。
つまり風除室に設置してある認証装置20の認証作業を経ることによってエントランスホール出入口の自動ドアが開き、マンション内(エントランスホール)に入場することができる。
【0012】
この実施例による不正通過者検出装置10は、認証装置20が設置されている風除室の真上に設置した通過検出用カメラ(ステレオカメラ1)からの入力映像に基づいて、風除室からエントランスホールに入場しようとする人物(通過者)を検出するとともに、この通過検出工程で、認証者とその同伴者以外の未認証者が風除室からエントランスホールへ入場した場合は不正通過であると判断し、当該未認証者を不正通過者として検出する。
また前記不正通過者検出装置10を利用した不正通過者録画システムは、風除室からエントランスホールに入場する人物の顔が判別できる映像を撮影するための監視カメラ30a,30bと、前記監視カメラ30a,30bからの入力映像を録画する録画装置40とを備え、前記不正通過者検出装置10を録画装置40に接続し、不正通過者検出装置10による不正通過者検出信号に基づいて、不正通過者(未認証者)が管理区域出入口を通過した時点を不正通過の証拠として録画するように不正通過者検出装置10と録画装置40とを連動させたものである。なおこの実施例では、監視カメラ30からの入力映像を表示する監視用モニタ41を設けてある。
【0013】
図2は、この発明による不正通過者検出装置10によって入場が管理されているマンションを示す図であって、図2(a)は認証装置が設置されている風除室(室外区域)をあらわし、図2(b)は図2(a)を真上からみた状態をあらわすものである。
図2(a)に示すように、エントランスホールの外にある風除室(管理区域手前の室外区域)の中央の真上(天井)には、風除室内全体を上方から撮影するステレオカメラ1(通過検出用カメラ)が設置されている。不正通過者検出装置10では、このステレオカメラ1の映像に基づいて風除室内に存在する人物を検出し、風除室からエントランスホールへ入場する人物(通過者)を検出する。
また風除室には、マンションの入場許可者(住人など)であるか否かを判定する認証装置20が設置されている。当該認証装置20は、IDカードや暗証番号による照合や、指紋照合や虹彩照合によって入場許可者であるか否かを判定する。そしてエントランスホール出入口には、前記認証装置20の認証結果に基づいて開閉が制御される自動ドア21が設けられている。
なお認証装置20の前にカーペットを敷くなどして、風除室内の人物が認証時の立ち位置を視覚的に認識できるようにすることが好ましい。
【0014】
また風除室には、図2(b)に示すように、入場許可者による認証作業時に同伴者が存在すべき領域(ドット領域)が予め指定されている(指定領域)。この指定領域は、自動ドアの前(管理区域出入口付近)に設定しておくことが好ましい。そして、風除室内全体を上方から撮影するステレオカメラ1の入力映像に基づいて前記指定領域内に存在する人物を検出し、入場許可者による認証作業時に前記指定領域に存在する人物を同伴者として識別する。なお前記指定領域にはカーペットを敷くなどして、風除室内の人物が指定領域を視覚的に認識できるようにしておく必要がある。
そして不正通過者検出装置10では、ステレオカメラ1の入力映像に基づいて風除室からエントランスホールへ入場する人物(通過者)を検出するにあたって、認証者とその同伴者以外の未認証者によるエントランスホールへの入場を不正通過であると判断し、不正通過者を検出する。
【0015】
なお風除室内全体を上方から撮影したステレオカメラ1の映像では、エントランスホール(管理区域)へ入場する人物の顔を判別することができない。従って、このカメラ1とは別途に監視カメラ30a,30bを設置し、エントランスホールへ入場する人物の顔が判別できる映像を取得できるようにした。
この実施例では、自動ドア手前付近を撮影する監視カメラ30aを風除室に設置し、開いた自動ドアからエントランスホールに入場しようとする人物を側方から撮影するとともに、自動ドア全体を正面から撮影する監視カメラ30bをエントランスホールに設置し、開いた自動ドアからエントランスホールへ入場する人物を正面から撮影できるようにした。
【0016】
図3は、前記ステレオカメラ1からの入力映像に基づいて不正通過者を検出する不正通過者検出装置10の構成を示す図である。
この実施例による不正通過者検出装置10は、風除室内全体を左右2つのカメラによって上方から撮影するステレオカメラ1と、前記ステレオカメラ1から逐次入力される映像(視差画像)を画像処理して撮像体の高さを考慮に入れた三次元立体画像(以下、高さ画像という)を逐次生成する高さ画像生成部2と、前記高さ画像生成部2から逐次入力される高さ画像を画像処理して人物を検出して追跡する追跡部3と、前記追跡部3で追跡中の人物の位置情報に基づいて管理区域出入口(自動ドア)を通過して室外区域(風除室)から管理区域(エントランスホール)へ入場する者(通過者)を検出する通過検出部5とを備える。また認証装置20による認証完了信号を取得する認証完了信号入力部4を備え、認証装置による認証タイミングと追跡部3で追跡中の人物の位置情報とに基づいて、認証装置20から認証完了信号が出力された時点で認証時の立ち位置に一番近い位置にいる人物を認証者として識別するとともに、認証装置20から認証完了信号が出力された時点で指定領域内に存在する人物を同伴者として識別し、追跡部3から通過検出部5へ人物の位置情報を出力するにあたって、識別情報(認証フラグ)付で出力するように構成した。
そして通過検出部5は、識別情報(認証フラグ)付の位置情報に基づいて室外区域から管理区域へ入場する人物を検出するとともに、認証者または同伴者として識別された人物が管理区域出入口を通過した場合は正規通過者として判定し、認証者または同伴者以外の人物(未認証者)が管理区域出入口を通過した場合は不正通過者として判定し、不正通過者が検出された場合は、検出結果出力部6から不正通過者検出信号を出力するように構成した。
【0017】
なおこの実施例による不正通過者検出装置10は、装置背面などに接点入力と接点出力を有する。
前記接点入力には入場管理システム(認証装置20)が接続されており、認証装置20による入場許可者の認証作業が完了すると、認証完了信号が不正通過者検出装置に入力される。そして前記認証完了信号入力部4が、接点入力に接続されている入場管理システム(認証装置20)から認証完了信号を受取る。
前記接点出力には、録画装置40や、警告または通報用のブザー、ランプなどが接続されており、前記検出結果出力部6から出力された不正通過者検出信号が、これら各装置に入力される。
例えば、ブザー、ランプなどの警報器を前記接点出力に接続し、不正通過者検出装置10から出力された不正通過者検出信号に基づいてこれら警報器が作動するように構築することで、未認証者(不正通過者)が管理区域へ入場した時点で、管理区域に設置したブザーやランプを作動させて不正通過者に対して警告したり、警備室に設置したブザーやランプを作動させて不正通過があったことを通報したりすることが可能である。なお不正通過者検出信号はパルス信号であり、通報用や警告用のランプやブザーに接続する場合は、信号のパルス幅を通報や警告に適した時間に設定しておく。
【0018】
また例えば、監視カメラ30a,30bの映像を録画する録画装置40を前記接点出力に接続することによって、不正通過者検出装置10と録画装置40とを連動させ、不正通過者検出信号をもとに認証者と同伴者以外の未認証者(不正通過者)が管理区域へ入場した時点を録画することができる。つまり不正通過者を特定して録画でき、より質の高い不正通過者録画システムを構築することができる。
なお録画は、録画装置の録画機能(性能)により、不正通過者の通過時(検出時)のみを記録するようにしても良いし、不正通過者の通過前後(検出前後のフレーム)を録画するようにしても良い。不正通過者を録画するにあたって、通過後であると撮影範囲外に移動してしまい撮影されない虞があり、通過前では不正通過の証拠とならないので、録画装置に録画タイミングの補正をする機能がある場合は、不正通過者が管理区域出入口を通過した瞬間を録画できるように調整することが好ましい。
また監視カメラ30からの入力映像を常時録画し、不正通過者の通過時(検出時)の画像に、不正通過であることを表す不正通過情報を記録できるようにしても良い。
録画する画像は、静止画、準動画、動画の何れでもかまわない。
【0019】
不正通過者検出装置10の各構成部は統括制御部9によって統括・制御され、ステレオカメラ1からの入力映像に基づいて不正通過者を検出する。
またこの実施例による不正通過者検出装置10は、フロントパネルに液晶表示部(LCD)と設定調整用スイッチ(KeySW)とを有し、オペレータによるスイッチ操作によって、画像処理によって不正通過者を検出する不正通過者検出装置の各種設定値を変更するとともに、各種設定値を前記液晶表示部(LCD)に表示できるように構成した。例えば、オペレータのスイッチ操作によって、画像処理の処理フレームレートを変更できるように構成した。
【0020】
さらにこの実施例では、スイッチ操作による各種設定の際に、オペレータが風除室内全体の映像に即して各設定条件を調整できるようにするため、ステレオカメラ1からの入力映像(主映像または高さ画像)を表示する調整用モニタ8を接続してある。なお合成表示部7に、ステレオカメラ1の右カメラ映像(主映像)や、高さ画像生成部2で生成された高さ画像や、統括制御部9からの表示情報(カーソル、文字、グラフィック)を入力し、これらの画像及び表示情報を合成した上で、調整用モニタ8に映像(合成映像)を表示するように構成した(図4を参照)。
【0021】
例えば図4(a)に示すように、調整用モニタ8にステレオカメラ1からの主映像(右カメラ映像)を表示し、この映像上に合成表示されたグラフィックカーソルによって、エントランスホール出入口(管理区域出入口)の自動ドア21上に、エントランスホール(管理区域)への入場を検出する際の判断基準となる通過判断用ラインを画像上に指定したり、認証装置による認証者を識別するための認証時の立ち位置を画像上に指定したり、認証時に同伴者が存在すべき指定領域を画像上に指定できるように構成した。つまりオペレータによるスイッチ(KeySW)の操作によって、調整用モニタ8に表示されている映像上で移動するグラフィックカーソルを合成表示し、オペレータが調整用モニタ8の映像(合成映像)を確認しながら、スイッチ操作によって通過判断用ラインや、認証時の立ち位置や、指定領域を設定できるようにした。
なお、自動ドア前を指定領域として設定した場合、図4(b)に示すように指定領域の自動ドア側の一辺を通過判断用ラインと設定してもよい。
【0022】
なお、風除室内全体を上方から撮影したステレオカメラ1の入力映像では、エントランスホール出入口の自動ドアは画像端に位置する(図4(a)を参照)。よってエントランスホールに入場する人物は、自動ドア側の画像端(通過判断用ライン)に向かって進行し、画像上から消えることとなる。またエントランスホールから出てきた人物は、自動ドア側の画像端(通過判断用ライン)から画像上に入ってくることとなる。
【0023】
不正通過者検出装置10を構成する各構成部について以下に詳細を説明する。
この実施例では、図2(b)に示すように、風除室中央の真上にステレオカメラ1を設置し、通路中心線を中心として右カメラと左カメラとを左右方向のステレオとして配置して、前後方向(進行方向)は撮影位置が合うように調整してある。従って前記ステレオカメラ1からの入力映像(同時撮影された右カメラ映像と左カメラ映像)において、撮像体に左右方向にのみ視差が生じる(視差画像)。
なお天井から真下を撮影するようにステレオカメラ1を設置することが好ましい。これによって座標変換処理をすることなく、撮像体の二次元座標を得ることができる。
【0024】
高さ画像生成部2では、前記右カメラ映像と左カメラ映像との視差画像をもとに距離画像を生成し、この距離画像と右カメラ映像(主映像)とに基づいて高さ画像(撮像体の高さを考慮に入れた真上からの三次元立体画像)を生成する。
そしてステレオカメラ1の右カメラ映像の各画素(若しくは各ブロック)を基準とし、それぞれの画素(若しくはブロック)が撮像しているものと同じものを撮像している左カメラ映像の画素(若しくはブロック)と対応づけ、対応付けられた二つの画素(若しくはブロック)の視差を三角測量の原理から求めることにより距離画像(高さ方向のみの情報)を生成する。そして前記距離画像と、基準となる右カメラ映像(主映像)とに基づいて、高さ画像(撮像体の高さも考慮に入れた三次元立体画像)を生成する。
ステレオカメラの左右カメラ間隔や、レンズの焦点距離、天井高のパラメータを予め設定しておくことによって高さ画像が生成される。つまりステレオカメラからの入力映像(視差画像)をもとに、(左右カメラ間隔)×(レンズ焦点距離)÷(視差)によって撮像体までの距離が算出され、距離画像が生成される。また天井高(ステレオカメラの設置高さ)から撮像体までの距離を引いた値が、撮像体の高さ(床からの高さ)であるので、前記距離画像と右カメラ映像(主映像)をもとに、撮像体の高さを考慮に入れた三次元立体画像(高さ画像)が生成される。
【0025】
ステレオカメラ1から高さ画像生成部2に左右カメラ映像(同時撮影された右カメラ映像と左カメラ映像)が逐次入力され、高さ画像生成部2ではその都度高さ画像を生成し、追跡部3に逐次入力する(例えば、毎秒10〜15フレームの処理フレームレート)。
そして追跡部3では、オペレータのスイッチ操作によって予め設定された高さ値を基準に一定以上の高さの画素(若しくはブロック)を高さ画像から検索し、高さ画像生成部2から入力された高さ画像から一定以上の高さをもつ一まとまりの領域を人物のパターンとして検出して追跡する。これによって光や影などの濃淡の変化による影響を受けることなく、高い精度で人物を検出して追跡することができる。
この実施例では、通過判定用カメラとしてステレオカメラ1を使用し、ステレオカメラ1の入力映像(視差画像)から距離画像を生成し、この距離画像と主映像(右カメラ映像)とをもとに高さ画像を生成し、この高さ映像から人物を検出して追跡するように構成したが、通過判定用カメラとして距離画像センサを使用しても良い。つまり風除室中央の真上に距離画像センサを設置し、距離画像センサから直接取得した距離画像をもとに高さ画像を生成するように構成してもよい。
また光や影などの影響がない場所では、高さ画像を生成することなく、管理区域出入口の真上に設置した単眼カメラからの入力映像(二次元映像)から人物を検出して追跡するように構成してもよい。
【0026】
高さ画像から人物を検出して追跡する追跡部3について、図5を参照して説明する。
図5(a)に示すように、追跡部3は、高さ画像生成部2で生成した高さ画像が入力される高さ画像メモリ31と、高さ画像メモリ31から一定以上の高さをもつ一まとまりの領域(人物のパターン)を分離抽出し、軌跡メモリ34に新規パターンとして登録するパターン生成部32と、既に軌跡メモリ34に登録してあった人物のパターン(1フレーム前の人物のパターン)と新たに分離抽出された人物のパターンとを比較することによって、移動した人物のパターンを更新パターンとして軌跡メモリ34に登録するパターン更新部33と、軌跡メモリ34に登録されたパターン情報から代表点を生成し、高さ画像をもとに検出された人物の位置情報を出力する代表点生成部35とからなる。
【0027】
この実施例では、高さ画像メモリ31において、高さ画像生成部2から入力された高さ画像を左から右に向かって主走査するとともに、上から下に向かって副走査し、一定以上の高さを検出した画素(若しくはブロック)を探索する。そして、予め設定されている高さ値を基準に一定以上の高さの画素(若しくはブロック)が検出されたら、その画素(ブロック)を基点として輪郭線追跡による領域抽出を行い(パターン生成部32)、抽出された一まとまりの領域を分離抽出して人物一人として扱い、軌跡メモリ34に新規パターンとして登録する。
高さ画像から一定以上の高さをもつ一まとまりの領域を分離抽出するたびに、その分離抽出され画素(若しくはブロック)を高さ画像メモリ31から除いていき、高さ画像メモリ31から一定以上の高さを検出した画素(若しくはブロック)が探索されなくなるまで高さ画像を繰り返し走査し、ステレオカメラの撮影領域内に存在する人物を検出して軌跡メモリ34に人物パターンを登録する。
【0028】
そして代表点生成部35では、軌跡メモリ34のパターン情報(人物のパターン)をもとに人物の位置情報(代表点)を求める。この実施例では、輪郭線軌跡による領域抽出によって分離抽出された一まとまりの領域(人物のパターン)の重心を求め、この重心の座標を人物の位置として用い、この位置情報を通過検出部5へ出力するように構成した。
なおこの重心は三次元座標であるが、これを床面に垂直投影した位置(高さを考慮に入れない二次元座標)を位置情報として通過検出部5へ出力した。
【0029】
なお高さ画像メモリ31に一定以上の高さをもつ画素(若しくはブロック)が無くなったら、高さ画像生成部2から高さ画像メモリ31に新たな高さ画像(次の時刻の高さ画像)を入力し、逐次入力される高さ画像について人物パターンの検出処理(画像処理)を繰り返す。
【0030】
またこの実施例では、逐次入力される高さ画像のフレーム間の連続性を用いて追跡処理を行った(更新パターン生成部33)。
この実施例では、図5(b)に示すように、1つ前の高さ画像(時刻=t)から分離抽出した人物パターンの重心を中心に円形パターンを生成し、この円形パターンと現在の高さ画像(時刻=t+1)から分離抽出した人物のパターンとの重なり(AND)をとることで、同一人物として追跡していく方式をとっている。
円形パターンは人物パターンよりも一回り大きくなるよう設定し、人物の移動に対してフレーム間の連続性をみるときに、時刻t+1の高さ画像をもとに生成した人物パターンと時刻tの高さ画像をもとに生成した円形パターンとの重なり(AND)の欠けが生じない程度に調整する。
なお撮影領域内に複数の人物が存在する場合、円形パターンが他の人物の人物パターンとも重なりをもってしまうこともあるが、本人の人物パターンのほうが他の人物の人物パターンよりも重なり(AND)が十分大きくなるように、処理フレームレートを上げることが好ましい。
【0031】
風除室内全体を上方から撮影したステレオカメラ1の入力映像では、風除室内にいる人物がエントランスホール出入口(管理区域出入口)を通ってエントランスホール(管理区域)に入場すると、その人物はエントランスホール出入口側で画像上から消える。
従って管理区域出入口を通過して管理区域へ入場する人物を検出する通過検出部5は、追跡部3から入力された人物の位置情報に基づき、追跡部3で追跡中の人物の代表点(二次元座標)が通過判断用ライン側(自動ドア側の画像端)で画像上から外れた時点(代表点が消えた時点)で、管理区域出入口を通過して管理区域へ入場したと判断する。
【0032】
さらにこの発明による不正通過者検出装置10では、通過検出部5による通過検出工程で、認証者または同伴者による通過と、未認証者による通過とを判別し、未認証者が通過した場合に不正通過者であると判断し、検出結果出力部6から不正通過者検出信号を出力する。
【0033】
この発明による不正通過者検出装置10の接点入力(認証完了信号入力部4)には入場管理システム(認証装置20)が接続されており、入場許可者が認証装置20で認証作業をし、その認証作業が完了すると、認証完了信号入力部4に認証完了信号が入力される。
そして認証完了信号入力部4は、認証完了信号が入力されたタイミングをもとに認証作業が完了したタイミング(認証タイミング)を追跡部3に入力する。
認証タイミングが追跡部3に入力されると、ステレオカメラ1の入力映像をもとに人物を検出して追跡する追跡部3では、図6に示すように、認証完了時(認証完了信号入力時)の画像をもとに、認証完了時に認証時立ち位置に一番近い場所にいる人物を検出して認証者(認証済み)として識別するとともに、指定領域内に存在する人物を検出して同伴者(認証済み)として識別し、識別情報(認証フラグ)付の位置情報を通過検出部5へ出力する。
【0034】
追跡部3から通過検出部5に入力される人物のパターン情報は、位置情報(代表点)と識別情報(認証フラグ)とからなり、追跡中の人物が認証者または同伴者と識別されると、識別情報の初期値(認証済みフラグ=0)が認証済み(認証済みフラグ=1)となる。
高さ画像入力部2からの高さ画像をもとに人物を検出して追跡する追跡部3では、人物を新たに検出した時点で、その位置情報と認証情報(初期値;認証済みフラグ=0)とからなるパターン情報を生成し、この認証情報を付加した位置情報を通過検出部5へ出力する。そして認証タイミングと追跡中の人物の位置情報とに基づいて認証者または同伴者と特定された時点で、前記認証情報を認証済みとし(認証済みフラグ=1)、認証者と同伴者とを識別する。つまり未認証者(認証済みフラグ=0)と、認証者または同伴者(認証済みフラグ=1)とを、認証フラグによって識別する。
そしてこの識別情報(認証フラグ)付の位置情報(代表点)は通過検出部5へ出力され、通過検出工程において、前記識別情報(認証情報)をもとに正規通過者か不正通過者かが判定される。つまり人物の位置情報(代表点)をもとに通過判断用ライン側で代表点が画像上から消えたか否かで管理区域への入場を検出するにあたって、位置情報に付加されている識別情報をみて、認証済みフラグ=1の場合(認証者または同伴者)は正規通過者であると判定し、認証済みフラグ=0の場合(未認証者)は不正通過者であると判定する。
【0035】
例えば追跡部3に認証タイミングが入力されると、図6に示すように、追跡中の人物(A,B,C)の位置情報(代表点)に基づいて認証完了時に認証立ち位置(この実施例では認証装置の正面中央)に最も近い位置に存在する人物を検出する。そして最も近い位置に存在する人物の識別情報を認証済み(認証済みフラグ=1)と識別すると同時に、指定領域内に存在する人物の識別情報を認証済み(認証済みフラグ=1)と識別し、人物の追跡を継続し、人物の位置情報と識別情報とからなるパターン情報を通過検出部5に出力する。そして通過検出部5による通過検出工程で、識別情報(認証フラグ)をもとに正規通過者と不正通過者とを識別する。
なお認証時の立ち位置の位置情報は、二次元座標値として予め設定しておくとともに(オペレータによるスイッチ操作)、追跡中の人物の位置情報は、人物パターンの重心をもとに二次元座標値として算出される代表点を用い、前記二次元座標値からなる立ち位置と代表点の最小距離に該当する人物を認証者として識別する。なお追跡中の人物の位置情報をもとに認証者を探索するにあたって、計算量低減や誤検出低減のために認証者探索範囲を予め設定しておき、その探索範囲中に存在する人物の位置情報をもとに認証者を検出するようにしてもよい。また認証装置20の設置位置の付近の床面に認証時の立ち位置を示すマークを記し、認証時に認証装置の正面に人物が立つように運用ルールを設けることが好ましい。
【0036】
図6に示す実施例では、人物Bの代表点までの距離が一番近いため、人物Bの識別情報を認証済み(認証済みフラグ=1)とする。また人物Aの代表点が指定領域内に位置するため、人物Aの識別情報も認証済み(認証済みフラグ=1)とする。そしてこの人物A,Bの追跡を継続し、識別情報付(認証済みフラグ=1)の位置情報をもとに通過検出部5で管理区域への入場を検出するにあたって、人物A,B(認証済みフラグ=1)の代表点が通過判断用ラインで消滅した場合は、正規通過者として判定する。
一方、人物Cの追跡を継続し、識別情報付の位置情報をもとに通過検出部5で管理区域への入場を検出するにあたって、識別情報が初期値(認証済みフラグ=0)のまま人物Cの代表点が通過判断用ライン側で消滅した場合は、不正通過者として判定する。
なお調整用モニタ8に右カメラ映像(主映像)と表示情報とを表示し、風除室内の人物がエントランスホールに入場したか否かを見ながら管理区域への不正通過を確認できるようにする場合、表示映像上に前記通過判断用ラインを合成表示するとともに、人物の通過時点を容易に判断できるように代表点を合成表示し、さらに不正通過か正規通過か容易に判断できるように認証者と同伴者を青色で表示し、未認証者の代表点の色を赤色で表示するなど、正規通過者と不正通過者の代表点の色を区別するように設定してもよい。
【0037】
なおこの実施例による不正通過者検出装置10では、天井高2.5mの高さからステレオカメラ1によって真下を広角撮影し、毎秒10フレームの処理フレームレートにて画像処理したところ、追跡部3において人間の歩行を十分に追跡し、通過者検出部5において不正通過者を識別して検出することができた。また毎秒15フレームの処理フレームレートにて画像処理したところ、人間の駆け足走行についても十分に追跡し、不正通過者を識別して検出することができた。
【0038】
以上説明した不正通過者検出装置及び不正通過者録画システムを用いてマンションへの入場を管理するにあたって、円滑な管理を行なうため、例えば下記の運用ルールを設けておくことが好ましい。
運用ルール1:入場許可者による認証作業前にドアが開いても、認証作業を経ないで入場すると不正通過者として認識されるため、入場しないこと。運用ルール2:入場許可者が認証作業している場合は、同伴者以外の者は指定領域内に入らないこと。運用ルール3:認証前に同伴者は指定領域内に入ること。運用ルール4:認証前に指定領域内に他人(同伴者以外の者)が入っていないかを確認してから、入場許可者は認証作業を行なうこと。運用ルール5:認証完了後自動ドアが開いたら、指定領域内の者(同伴者)と認証者は速やかにエントランスホールへ入場すること。運用ルール6:指定領域内に同伴者が入りきらない場合は複数回に分けて同伴者を入場させ、その都度認証作業をすること。
【0039】
なお、この実施例ではマンションなどの管理区域への入場を管理するセキュリティシステムについて説明したが、入場管理システムだけでなく退場管理システムについても転用することができる(図7を参照)。
例えば図7(a)に示すように、管理区域の管理区域出入口付近に認証装置20を設置し、この認証装置20の認証結果に基づいて管理区域から一般区域への退場を管理する退場管理システムにおいて、管理区域側の管理区域出入口付近(自動ドア前)に指定領域を設定しておくとともに、前記管理区域出入口から認証装置周辺にわたる範囲を含む一定の広さをもつ認証区域の真上に設置した通過検出用カメラ1によって認証区域全体を上方から撮影し、この入力映像を上述の不正通過者検出装置10で画像処理することによって、前記認証装置20による認証作業を経た認証者とその同伴者による管理区域出入口の通過を正規通過として許容し、それ以外の未認証者による管理区域出入口の通過を不正通過として検出することができる。なお管理区域から退場する人物の顔が判別できる映像を取得するため、通過検出用カメラ(ステレオカメラ1)とは別途に監視カメラ30a,30bを設置し、この監視カメラの映像を録画する録画装置40に前記不正通過者検出装置10を接続しておくことで、不正通過者の映像を録画できる。
図7(b)は、ステレオカメラ1の入力映像を示す図であって、出入口中央線上に設置したステレオカメラ1によって、管理区域出入口から認証装置周辺にわたる範囲を含む一定の広さをもつ認証区域を上方から撮影し、図4の実施例と同様にして、映像上に合成表示されたグラフィックカーソルによって、エントランスホール出入口(管理区域出入口)の自動ドア21上に、エントランスホール(管理区域)からの退場を検出する際の判断基準となる通過判断用ラインを画像上に指定したり、認証装置20による認証者を識別するための認証時の立ち位置を画像上に指定したり、認証時に同伴者が存在すべき指定領域を画像上に指定できるように構成してある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施例による不正通過者検出装置を利用した不正通過者録画システムの構成を説明する図である(入場管理)。
【図2】風除室(室外区域)を説明する図である。
【図3】不正通過者検出装置の構成を説明する図である。
【図4】調整用モニタの表示映像に基づく各種設定例を示す図である。
【図5】追跡部を説明する図である。
【図6】認証者と未認証者の識別方法を説明する図である。
【図7】退場管理システムを説明する図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ステレオカメラ
2 高さ画像生成部
3 追跡部
4 認証完了信号入力部
5 通過検出部
6 検出結果出力部
7 合成表示部
8 調整用モニタ
9 統括制御部
10 不正通過者検出装置
20 認証装置
30a,30b 監視カメラ
40 録画装置
41 監視用モニタ
31 高さ画像メモリ
32 パターン生成部
33 パターン更新部
34 軌跡メモリ
35 代表点生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理区域出入口付近に設置した認証装置(20)の認証結果に基づいて管理区域への入退場を管理する入退場管理システムにおいて用いられ、前記認証装置による認証作業を経た認証者とその同伴者による管理区域出入口の通過を正規通過として許容し、それ以外の未認証者による管理区域出入口の通過を不正通過として検出する不正通過者検出装置(10)であって、
管理区域出入口から認証装置周辺にわたる範囲を含む一定の広さをもつ認証区域の真上に設置した通過検出用カメラ(1)によって認証区域全体を上方から撮影した映像を取得し、前記カメラから逐次入力される映像を画像処理し、認証区域内に存在する人物を画像上で検出し追跡する追跡部(3)と、
前記追跡部で追跡中の人物の位置情報に基づいて、管理区域出入口を通過して管理区域へ入場または管理区域を退場する人物を検出する通過検出部(5)と、
前記認証装置による認証完了信号を取得し、この認証完了信号の入力タイミングと追跡部で追跡中の人物の位置情報とに基づいて、認証時にその立ち位置に最も近い位置にいる人物を認証者として識別するとともに、予め設定してある指定領域内に存在する人物を同伴者として識別する手段とを備え、
前記通過検出部(5)で管理区域への入退場を検出するにあたって、認証者またはその同伴者と識別されていない人物が入退場した場合は不正通過であると判定し、検出結果出力部(6)から不正通過者検出信号を出力することを特徴とする不正通過者検出装置。
【請求項2】
管理区域手前の室外区域に設置した認証装置(20)の認証結果に基づいて管理区域への入場を管理する入場管理システムにおいて用いられ、前記認証装置による認証作業を経た認証者とその同伴者による管理区域出入口の通過を正規通過として許容し、それ以外の未認証者による管理区域出入口の通過を不正通過として検出する不正通過者検出装置(10)であって、
前記室外区域の真上に設置した通過検出用カメラ(1)によって室外区域全体を上方から撮影した映像を取得し、前記カメラから逐次入力される映像を画像処理し、前記室外区域内に存在する人物を画像上で検出し追跡する追跡部(3)と、
前記追跡部で追跡中の人物の位置情報に基づいて、管理区域へ入場する人物を検出する通過検出部(5)と、
前記認証装置による認証完了信号を取得し、この認証完了信号の入力タイミングと追跡部で追跡中の人物の位置情報とに基づいて、認証時にその立ち位置に最も近い位置にいる人物を認証者として識別するとともに、予め設定してある指定領域内に存在する人物を同伴者として識別する手段とを備え、
前記通過検出部(5)で管理区域へ入場する人物を検出するにあたって、認証者またはその同伴者と識別されていない人物が管理区域へ入場した場合は不正通過であると判定し、検出結果出力部(6)から不正通過者検出信号を出力することを特徴とする不正通過者検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の不正通過者検出装置(10)と、管理区域出入口を通過して管理区域へ入場または退場する人物の顔を判別できる映像を撮影する監視カメラ(30a,30b)と、監視カメラからの入力映像を録画する録画装置(40)とから構成され、
前記録画装置に不正通過者検出装置を接続し、録画装置に不正通過者検出信号が入力された時点の監視カメラからの入力映像を、不正通過者の管理区域入場時の映像として録画するように構成したことを特徴とする不正通過者録画システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−117264(P2008−117264A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301427(P2006−301427)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成18年10月18〜20日 株式会社 日経ビーピー主催の「Security Solution 2006」に出品
【出願人】(000210964)中央電子株式会社 (81)
【Fターム(参考)】