交通情報表示装置
【課題】道路利用者や道路管理者が予め走行上の問題点や注意点を把握して、交通事故などを抑制できる交通情報表示装置を提供する。
【解決手段】 道路地図に係る地図情報7、道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報9および走行車両の走行に従った車外画像情報8を読み出す読み出し部15と、挙動情報9と挙動情報9に含まれる座標情報に連動する地図画像および挙動情報9に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像13を生成する表示制御部3と、ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報11を分析する受付部4と、地図情報7、挙動情報9、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報12を生成する生成部5と、表示画像13に、警告情報12を付加して表示する表示部6を備える交通情報表示装置1である。
【解決手段】 道路地図に係る地図情報7、道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報9および走行車両の走行に従った車外画像情報8を読み出す読み出し部15と、挙動情報9と挙動情報9に含まれる座標情報に連動する地図画像および挙動情報9に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像13を生成する表示制御部3と、ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報11を分析する受付部4と、地図情報7、挙動情報9、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報12を生成する生成部5と、表示画像13に、警告情報12を付加して表示する表示部6を備える交通情報表示装置1である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路管理者、車のドライバーや自転車の利用者など、道路を利用する人にとって、事前に道路状況や問題となりうる警告情報を入手できる交通情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車にカーナビゲーション装置を装着して、自動車のドライバーの運転を補助することが行われてきている。
【0003】
初期のカーナビゲーション装置は、自動車の走行に合わせて、GPS(Global Positioning System)情報を地図上の座標にあわせて、運転している自己車両の地図上での位置を表示している。
【0004】
近年では、自己車両の地図上での位置表示のみでなく、カーナビゲーション装置は、地図上の店舗情報や渋滞情報なども、提供する。加えて、地図の表示のみでなく、実際の車外風景を表示するカーナビゲーション装置も提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
特許文献1に開示されるカーナビゲーション装置は、DVDなどの大容量メディアに予め記憶された車外風景画像を、自己車両の走行に合わせて表示する。このように、風景画像が表示されることで、ドライバーは、地図だけでは分からない交差点などの状況を、早期に把握できる。
【0006】
特許文献2は、特許文献1と同様であるが、特許文献2に開示されるカーナビゲーション装置は、自己車両の前を走っている車両が撮影した風景画像を表示する。このため、特許文献1と異なり、ドライバーは、自己車両の走行に対してリアルタイム性の高い風景画像を、視認することができる。
【0007】
また、カーナビゲーション装置に表示される風景画像が、予めメディアに記憶されている場合であっても、実際の走行状況にあわせた風景画像が表示される技術も提案されている(例えば特許文献3、4、5参照)
特許文献3、4は、天候毎に記憶された風景画像を、実際の自己車両の走行時の天候に合わせて選択して、カーナビゲーション装置に表示する技術を開示する。特許文献5は、風景画像に車両を含んだ画像を表示するカーナビゲーション装置を開示している。
【0008】
また、カーナビゲーション以外で、免許取得前に使用される運転シミュレーション装置(例えば、特許文献6参照)や、運転時の自動案内装置(例えば、特許文献7参照)も提案されている。特許文献7は、道路交通標識などを読み取って、ナビゲーション装置などに表示し、ドライバーに注意を喚起する技術を開示している。
【特許文献1】特開2001−165678号公報
【特許文献2】特開2005−69922号公報
【特許文献3】特開平11−211486号公報
【特許文献4】特開2006−300572号公報
【特許文献5】特開2006−205971号公報
【特許文献6】特開2003−233298号公報
【特許文献7】特開2004−46875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の技術には次のような問題点があった。
【0010】
特許文献1から5に開示されるようなカーナビゲーション装置は、実際の自己車両の走行時に、ドライバーに地図や風景の情報を与えるだけである。しかも、実際の走行にあわせてしか、ドライバーは情報を得ることができない。特許文献1や2に開示されるカーナビゲーション装置は、自己車両の走行に合わせた位置に該当する地図と風景画像を表示するだけである。自己車両の走行より若干先の状態を表示することはできても、あくまでもドライバーは、自分の意思で走行する際に、カーナビゲーション装置に表示される地図や風景画像を、運転の補助的な情報として活用できるに過ぎない。特許文献以外に知られる従来のカーナビゲーション装置も同様である。
【0011】
すなわち、特許文献1〜5に開示される技術や従来から知られるカーナビゲーション装置では、道路を利用する利用者が、事前に自己の走行予定ルートを予習する(地図から得られるルート情報、風景画像から得られる周囲情報、および運転における種々の注意や警告情報を事前に確認する)ことはできない。
【0012】
また、特許文献6に開示される運転シミュレーション装置は、練習者が、地図と風景画像を見ながら、運転を模擬的に体験できるだけである。この場合も特許文献1〜5と同様に、道路を利用する利用者が、走行予定ルートの状況や注意点を、事前把握できない問題がある。
【0013】
特許文献7も、走行しながら道路情報を得るだけなので、利用者は道路状況を、事前に把握できない。
【0014】
一方、自動車事故は近年も数多く起こっており、これは走行予定のルートにおける道路状況、周囲状況や走行上の問題点などを事前に知っておくことで回避できたことも多い。例えば、幅員が非常に狭くなる場所や、見通しの悪い交差点あるいは速度が上がりやすくなる坂の先にある急カーブなどは、利用者が事前に把握しておけば、交通事故を抑制する効果があるものと期待される。しかし、従来の技術では、利用者は事前に道路状況や走行上の問題点を把握できず、従来の技術は、交通事故の回避には役立たなかった。
【0015】
従来の技術では、利用者が事前に把握することができず、ドライバーは、実際に運転しながら地図や風景画像を、運転の補助的な情報として活用するだけであった。また、表示される地図や風景画像だけでは、ドライバーは、具体的な走行上の問題点や注意点を認識するのが困難で、認識できるかどうかは、ドライバー自身のスキルに依存していた。
【0016】
すなわち、特許文献1〜5に開示されるようなカーナビゲーション装置は、あくまでも実際の運転時の補助情報を与えるだけであり、利用者に、事前に注意や警告を与えることができない問題がある。
【0017】
あるいは、特許文献6に開示されるような運転シミュレーション装置の場合には、地図や風景が表示されるだけで、走行車両との相対関係に基づく情報を、利用者が事前に得ることはできない。
【0018】
すなわち、従来の技術におけるカーナビゲーション装置や運転シミュレーション装置は、実際の走行時にドライバーに種々の情報を与え、与える情報を拡張させることばかりに注力しており、交通事故回避につながる正確な事前情報の提供という、利用者にもっとも大切な情報を提供することはあまり考慮されていなかった。
【0019】
加えて、道路の設計や状態に依存する交通事故を減少させるため、道路管理者は、道路の問題点を予め知ることが重要である。このためには、道路管理者自身が、全国津々浦々の道路を実際に走行して問題点を抽出するか、多数のドライバーからの聞き取り調査を行う必要があり、これらの作業の物理量は現実的ではない。
【0020】
従来の技術では、道路管理者にとっても、適した情報を提供できていなかった。
【0021】
すなわち、従来の技術におけるカーナビゲーション装置のような、自動車に搭載してドライバーの運転を補助するような装置では、道路利用者が事前に運転上の問題を把握することはできなかった。
【0022】
本発明は、このような運転におけるリアルタイムの補助を行うカーナビゲーション装置などとは異なり、道路利用者が事前に運転上の問題点を把握できる交通情報表示装置に関するものである。
【0023】
そこで本発明は、実際の走行車両の挙動情報、地図情報および車外画像情報を用いて、道路利用者や道路管理者が予め走行上の問題点や注意点を把握できることで、交通事故などを減少させる交通情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、道路地図に係る地図情報、道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出す読み出し部と、挙動情報、挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する表示制御部と、ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析する受付部と地図情報、挙動情報、車外画像情報およびユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成する生成部と、表示画像に、警告情報を付加して表示する表示部を備え、表示制御部は、地図画像と車外画像を挙動情報に連動させて表示画像を生成すると共に、地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて表示画像を生成する交通情報表示装置を、提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、道路利用者は、自分が走行予定のルートにおける走行上の問題点や注意点を、事前に適切に把握できる。特に、利用者は、実際の走行車両の挙動、地図情報及び車外画像情報を対応させた警告情報を得ることができるので、非常に精度の高い警告情報を把握した上で、実際の運転を行える。
【0026】
更に、利用者は、利用者の特性に応じた(利用交通手段、利用時間、利用者の性格など)警告情報を得ることができる。この結果、利用者は、得られた警告情報に対して、高い信頼を感じることができ、警告情報の活用度合いが高まる。
【0027】
この結果、道路状況に起因する交通事故などが抑制できる。
【0028】
また、道路管理者は、実際の走行挙動などに応じた、道路の問題点(ルート設計、幅員設計、交差点設計、標識設置など)を、容易に知ることができる。全国津々浦々の問題点を容易に認識できるので、交通事故が起こりにくい道路設計や道路の保守作業が容易且つ確実となる。
【0029】
また、事前に得られた警告情報が、カーナビゲーション装置に移植されることで、ドライバーは、実際の走行時にカーナビゲーション装置から、警告情報をリアルタイムで得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
第1の発明に係る交通情報表示装置は、道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出す読み出し部と、前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する表示制御部と、ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析する受付部と、前記地図情報、前記挙動情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成する生成部と、前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示する表示部を備え、前記表示制御部は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動させて前記表示画像を生成すると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて前記表示画像を生成する。
【0031】
この構成により、道路利用者や道路管理者などのユーザーは、事前に走行上の問題点や注意点を把握できる。ユーザーは、把握した問題点や注意点によって、実際の走行を行うことができる。結果として、交通事故などを抑制できる。
【0032】
第2の発明に係る交通情報表示装置では、第1の発明に加えて、前記読み出し部と接続されると共に、前記地図情報、前記挙動情報および前記車外画像情報を記憶する記憶部を更に備える。
【0033】
この構成により、表示画像および警告情報を生成するのに必要となる各種情報が、読み出しやすくなる。
【0034】
第3の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第2のいずれかの発明に加えて、前記表示部は、前記表示画像において、ユーザーに対する警告を発するべき地図上の位置に対応して、前記警告情報を表示する。
【0035】
この構成により、ユーザーは、走行上の問題となる位置と警告をビジュアル的に把握できる。結果として、警告情報による注意喚起力が高まる。
【0036】
第4の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、前記表示部は、前記警告情報に対応する位置を基準として、所定の前後期間のみ、前記車外画像を表示する。
【0037】
この構成により、車外画像の表示量が削減され、ユーザーが表示画像を見る時間を短縮できる。
【0038】
第5の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、前記生成部は、前記挙動情報に含まれる走行車両の走行状態と、前記地図情報に含まれる道路状態とを比較して、前記警告情報を生成する。
【0039】
この構成により、地図上の情報といった想定的な注意点のみでなく、実際に車両が走行した際の挙動に基づいて、警告情報を生成できる。結果として、警告情報の生成における精度を向上できる。
【0040】
第6の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、前記生成部は、前記挙動情報に含まれる走行車両の走行状態と、前記車外画像情報に含まれる車外状態とを比較して、前記警告情報を生成する。
【0041】
この構成により、車外画像から得られる想定的な注意点のみでなく、実際に車両が走行した際の挙動に基づいて、警告情報を生成できる。結果として、警告情報の生成における精度を向上できる。
【0042】
第7の発明に係る交通情報表示装置では、第5から第6のいずれかの発明に加えて、前記走行状態は、前記走行車両の速度、加速度、角速度、停車間隔および車線変更の少なくとも一つを含む。
【0043】
この構成により、実際の走行車両の挙動を、警告情報の生成に反映できる。
【0044】
第8の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、前記生成部は、前記ユーザー情報に基づいて前記警告情報を分類し、前記表示部は、前記警告手段を分類して表示する。
【0045】
第9の発明に係る交通情報表示装置では、第8の発明に加えて、前記ユーザー情報は、ユーザーの利用交通手段、ユーザーの利用時間帯およびユーザーの人的情報の少なくとも一つを含む。
【0046】
これらの構成により、ユーザーに応じた警告情報とできるので、警告情報の信頼性を向上できる。
【0047】
第10の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、前記挙動情報は、テスト走行車両により得られたテストデータを、確認車両走行により得られた確認データにより修正することで得られる。
【0048】
この構成により、挙動情報の信頼性を向上できる。
【0049】
第11の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、前記記憶部は、通信回線により外部と接続され、前記地図情報、前記挙動情報および前記車外画像情報の少なくとも一つは、前記通信回線を介して、アップデートされる。
【0050】
この構成により、各種情報が、常に最新のものに保たれる。
【0051】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0052】
(実施の形態1)
図1〜図6を用いて実施の形態1について説明する。
【0053】
図1は、本発明の実施の形態1における交通情報表示装置のブロック図である。
【0054】
(全体概要)
まず、交通情報表示装置1の全体概要について説明する。
【0055】
交通情報表示装置1は、読み出し部15、表示制御部3と、受け付け部4と、生成部5と表示部6を備える。また、必要に応じて、交通情報表示装置1の一部や全体(あるいは、交通情報表示装置1と接続される他の装置)を制御する制御部(中央演算処理装置(以下、「CPU(Central Processor Unit)」という)が用いられることが多い)が備えられてもよい。加えて、読み出し部15が読み出す情報を記憶する記憶部2が、通信回線などを介して、あるいは直接的に交通情報表示装置1に接続されていてもよい。この場合、記憶部2は、交通情報表示装置1の機能を実現する上で使用されるが、実際に設置される装置を構成するのに必須の構成要素ではなくても良い。要は、後述する地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を記憶する記憶部2が、読み出し部15を介して、交通情報表示装置1と接続されていればよく、記憶部2の物理的な位置や構成状態は、いかなる状態でも良い。このため、記憶部2は、実際に設置された交通情報表示装置1と、物理的に離れた場所(サービス事業者のサービスセンターなどに)に設置されても良い。
【0056】
記憶部2は、道路地図に係る地図情報7、道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報9、走行車両の走行に従った車外画像情報8を記憶する。表示制御部3は、挙動情報9と、挙動情報9に含まれる座標情報に基づいて連動する地図画像および挙動情報9に含まれる時刻情報に基づいて連動する車外画像の少なくとも一つを(あるいは全てを)表示する表示画像13を生成する。受付部4は、ユーザー10からの情報を受け付けて、ユーザー情報11を分析して、生成部5に出力する。
【0057】
生成部5は、記憶部2から取り出される地図情報7、挙動情報9、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、ユーザー10に対する警告である警告情報12を生成する。表示部6は、表示画像13に警告情報12を付加して表示する。
【0058】
すなわち、ユーザー10は、液晶画面、CRT画面などの画面を有する表示部6において、自分が計画している走行ルートにおける種々の情報と走行上の問題となる警告情報を同時に把握できる。
【0059】
また、警告情報12は、実際のテスト車両が走行した結果得られる実際の走行車両の挙動情報9に、地図情報7や車外画像情報8を関連付けて生成されるので、非常に高い精度と活用度を有している。
【0060】
このため、実施の形態1における交通情報表示装置1により、ユーザー10は、予め把握できた警告情報を基に走行できるので、安全な走行ができる。
【0061】
次に、各部の詳細について説明する。
【0062】
(記憶部)
記憶部2は、道路地図に係る地図情報7、道路に沿って走行した走行車両の挙動情報9および走行車両の走行に従った車外画像情報8を記憶する。また、これら以外についても、必要に応じて、生成部5、制御部などが必要とする種々の情報、プログラムやデータを記憶する。
【0063】
記憶部は、ROMやRAMなどの半導体メモリから構成されても良いが、地図情報7や車外画像情報8は、そのデータ量が非常に大きなものとなるため、DVDやBlue−Lay Diskなどの大容量メディア、あるいはハードディスクドライブ(以下、「HDD(Hard Disk Drive)」という)などの、大容量の記憶メディアで構成されることが好適である。
【0064】
また、記憶部2は、交通情報表示装置1と一体(装置が筐体で構築される場合には、筐体内部に)で構成されても良いが、地図情報7など種々の情報やプログラムを記憶するので、データの更新などにフレキシブルに対応できるように、交通情報表示装置1と別に構成されても良い。例えば、記憶部2は、交通情報表示装置1と通信回線で接続された別の場所に設置されていてもよい。例えば、記憶部2以外の要素は、ユーザー10の集合できる場所やユーザー10の自宅に設置されており、インターネット回線などを介して、自宅などに設置されている交通情報表示装置1が、サービス事業者のサービスセンターに設置されている記憶部2から、必要な情報を読み出す構成であっても良い。
【0065】
また、各情報のアップデートや入れ替えなどのやりやすさ、複数の情報を関連付けて表示画像13を生成する際の容易性を考慮して、地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9のそれぞれは、記憶部2の中で異なる記憶領域に記憶されることが好ましい。例えば、記憶部2が、複数のDVDメディアから構成される場合には、地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9のそれぞれが、異なるDVDに記憶されてもよい。
【0066】
なお、記憶部2に記憶されている地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9は、通信回線により外部と接続され、これらの情報が、外部から(例えば、外部に設けられたサーバなどから)アップデートされることも好適である。
【0067】
(地図情報)
地図情報7は、市販の電子地図の電子データが用いられればよい。
【0068】
地図情報7は、道路や周辺建物の情報を座標情報に基づいて有している。例えば、地図情報7は、道路の名称、道路の車線数、道路の幅員、交差点の数、交差点の構成、道路のカーブの曲率、道路の勾配率、沿道の施設、道路の距離、道路毎の交通標記や交通標識に関する情報を、電子データとして有している。当然ながら、地図情報7は、2次元、3次元として地図を表示できるのに必要な電子データも有している。
【0069】
地図情報7は、市販の電子地図が更新されるのにあわせて、更新されればよい。
【0070】
(車外画像情報)
車外画像情報8は、実際に道路をテスト走行した走行車両(なお、挙動情報9を得るためにテスト走行した走行車両を特にテスト走行車両と呼ぶこともある)に備えられたビデオカメラで撮影された画像データが使用されればよい。
【0071】
このとき、テスト走行車両の前方のみならず、両側にもビデオカメラが備え付けられ、車外の多くの状況が撮影され、使い勝手の良い車外画像情報8が作られることも好適である。
【0072】
また、交差点や建物などの特定地点の画像については、テスト走行車両から撮影されるだけでなく、撮影者によって特定地点の周辺を十分に撮影されることも好ましい。走行上の注意点を検出するには、テスト走行車両から見ただけの画像では不十分な場合もあるからである。
【0073】
車外画像情報8は、テスト走行車両での撮影により生成されるが、部分的に、市販されている画像データが使用されても良い。また、可能な範囲において、車外画像情報8は、季節、天候などのバリエーションに対応した車外画像データを含んでいることも好適である。ユーザー10の要望に応じた、車外画像の表示が実現されるからである。
【0074】
(挙動情報)
地図情報7および車外画像情報8のコンセプトは、従来技術のカーナビゲーション装置や運転シミュレーターにおいても利用されてきたが、本発明の交通情報表示装置1は、実際に道路を走行したテスト走行車両から得られた、挙動情報9を活用することに特徴を有している。
【0075】
挙動情報9は、GPS(Grobal Positioning System)を付けたテスト走行車両の走行により得られる。
【0076】
この結果、挙動情報9は、テスト走行車両の走行に従った座標情報、時刻情報を含んでいる。
【0077】
加えて、テスト走行車両は、速度計やジャイロセンサーを備えているので、挙動情報9は、これらの機器から得られる速度、加速度、角速度、停車間隔および車線変更の少なくとも一つを含んでいる。
【0078】
すなわち、挙動情報9は、実際に道路上を走行したテスト走行車両から収集される、非常に多くの情報を含んでいる。この結果、後述するユーザー10への警告情報12は、実際の走行に基づく結果であるので、信頼性の高い警告情報となる。
【0079】
(読み出し部)
読み出し部15は、記憶部2に記憶されている種々の情報を読み出して、表示制御部3および生成部5に情報を伝送する。記憶部2が、通信回線により離れた場所にある場合であっても、読み出し命令を与えることで、記憶されている情報を読み出す。
【0080】
読み出し部15は、生成部5や表示制御部3の中に一体に設けられても良い。
【0081】
(表示制御部)
次に、表示制御部3について説明する。
【0082】
表示制御部3は、読み出された地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9を用いて、表示画像13を生成する。
【0083】
表示制御部3は、挙動情報9に含まれる座標情報に地図情報7を連動させて、仮想的な走行車両の移動に対応させて地図画像を生成する。同様に、表示制御部3は、挙動情報9に含まれる時刻情報に車外画像情報8を連動させて、仮想的な走行車両の移動に対応させて車外画像を生成する。更に、表示制御部3は、挙動情報9を整理して表示画像13に組み込む。
【0084】
このようにして、表示制御部3は、挙動情報9、地図画像および車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像13を生成する。特に、表示制御部3は、挙動情報9、地図画像および車外画像の全てを、仮想的な走行車両の移動に連動させて表示させることが好ましい。このように、挙動情報9と地図画像と車外画像の全てが連動されて表示されることで、ユーザー10は、表示部6に表示される表示画像13を見るだけで、自己の想定する走行ルートの状況を、視覚的かつ知覚的に、幅広く把握できる。
【0085】
なお、表示画像13は、挙動情報9、地図画像および車外画像のそれぞれが、同一画面上でどのように配置されて表示されても良い。
【0086】
なお、表示制御部3は、挙動情報9、地図画像および車外画像を連動させるだけでなく、表示部6での表示にあわせて、表示サイズや表示色などを制御することも好適である。
【0087】
(受付部)
次に、受付部4について説明する。
【0088】
ユーザー10は、交通情報表示装置1を利用するに当たって、種々の要求を入力する。例えば、ユーザー10の想定する予定ルート、走行予定時間、利用交通手段などを、ユーザー10は、交通情報表示装置1の利用に際して入力する(すなわち、これらの情報を、交通情報表示装置1に与える)。
【0089】
受付部4は、これらのユーザー10から与えられた情報を受け付けて、どのような情報であるかを分析する。分析されて整理されたユーザー情報11は、生成部5に出力される。ユーザー情報11は、生成部5において、警告情報12を生成する際に利用される。例えば、ユーザー10の予定する走行ルートに従って警告情報12を生成したり、ユーザー10の利用交通手段が自転車であれば、自転車に応じた警告情報12を生成したりする。
【0090】
あるいは、ユーザーの年齢が高齢者であれば、生成部5は、警告とする判断基準を高めて、警告情報12を多めに生成する。
【0091】
なお、受付部4は、実際には交通情報表示装置1に設けられたタッチパネルやキーボードで構成されればよい。
【0092】
なお、ユーザー10は、道路を利用する道路利用者、および道路を管理する道路管理者を含む。
【0093】
(生成部5)
生成部5は、地図情報7、挙動情報9、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、ユーザー10に対する警告情報12を生成する。例えば、生成部5は、地図情報7と挙動情報9を関連付けて、警告情報12を生成する。もしくは、生成部5は、車外画像情報8と挙動情報9を関連付けて、警告情報12を生成する。なお、生成部5は、警告情報12の生成においては、地図情報7や挙動情報9から得られる情報を整理して、所定の基準に従って、ユーザー10に対して警告とすべきかどうかを判断し、その上で警告情報12を生成する。
【0094】
ここで、警告情報12とは、ユーザー10が実際に道路を走行(自動車、自転車、歩行の別なく)する際に、交通事故などの可能性に対して注意すべき情報である。また、警告情報12は、地図上のある地点における通行上の注意に基づくので、表示部6では、地図画像の対応する地点において表示されることが好ましい。
【0095】
例えば、生成部5は、地図情報7から得られる道路の幅員が狭くなるとの位置情報と、その位置におけるテスト走行車両の加速度が高まっている挙動情報9をあわせて、自動車のスピードが出やすいにも係らず、道路の幅員が狭く交通事故の可能性が高いとして、この位置を警告対象と判断し、警告情報12を生成する。
【0096】
あるいは、生成部5は、地図情報7からある地点に交差点が存在する場合に、この交差点についての画像を、車外画像情報8から検出して比較して、信号が見にくい位置にあったり、左折車などが死角になったりしやすいなどの状況が検出されれば、この交差点を警告対象として判断し、警告情報12を生成する。
【0097】
また、生成部5は、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9のみならず、ユーザー10より入力されたユーザー情報11も関連付けて、警告情報12を生成する。例えば、実際に交通事故などの問題がありそうな地点においても、生成部5は、ユーザー10が若者であれば交通事故の可能性が低いので警告対象とはせず、ユーザー10が老人の場合には交通事故の可能性があるので警告対象とする。
【0098】
以上のように、生成部5は、ユーザー10が実際に走行する場合に、交通事故を引き起こす可能性のある地点について、ユーザー10に注意を喚起するために、警告情報12を生成する。また、ユーザー10にとっての注意ということは、道路を管理する道路管理者にとっても、喚起されるべき注意であり、生成部5は、道路利用者だけでなく道路管理者も含めたユーザー10に対する警告情報12を生成する。また、これらの警告情報12は、地図情報7や車外画像情報8などの仮想的な情報にのみ基づいているのではなく、道路上を実際に走行したテスト走行車両の挙動情報9(速度、加速度など)にも基づいているので、警告として判断される精度や信頼性が高い。
【0099】
生成部5によって、ユーザー10は、走行を予定している道路での注意を事前に把握でき、自己の走行に役立てることができる。また、道路管理者は、問題となる地点を把握できるので、道路整備などに役立てることができる。これらの結果、交通事故の抑制が期待できる。
【0100】
(表示部6)
次に、表示部6について説明する。
【0101】
表示部6は、表示画像13に警告情報12を付加して表示する。
【0102】
表示部6は、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイやプラズマパネルディスプレイなど、画像を表示できるデバイスにより構成される。勿論、表示部6は、実際の画像表示に必要となる処理を行う機能も含んでいる。加えて、必要に応じて、表示部6は、音声も出力する。
【0103】
表示部6は、表示制御部3が生成した、地図画像と車外画像を、挙動情報9により連動させると共に、地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させた表示画像13を、まず表示し、この表示画像13に重ねて(Picture On Pictureなどの技術を用いる)警告情報12を表示する。あるいは、表示部6は、表示画像13と警告情報12を合成した画像データを生成し、この合成した画像データを表示しても良い。
【0104】
ここで、表示部6の基本的な役割は画像の表示であって、表示される画像の合成や重ね合わせなどの画像そのものの制御については、表示部6が行っても良く、表示制御部3が行っても良く、特段限定されるものではない。
【0105】
図2は、本発明の実施の形態1における表示部での表示状態を示す模式図である。
【0106】
図2に示されるように、表示部6には、地図画像20、車外画像21、挙動情報22が表示され、警告としてユーザー10に注意を喚起すべき地点24に、警告情報12に対応する警告表示23が、地図画像20に重ね合わせて表示される。
【0107】
また、車外画像21は、地図画像20と連動しており、警告表示23に対応する地点24の車外風景を表示している。ここでは、道の一方の側が壁のようになっており、他方の側は崖となっている上に、ガードレールなどの保護がない。加えて地図画像20から明らかな通り、この地点24は、急なコーナーになっている。このため、生成部5は、この地点24を、交通事故などの可能性がある警告対象として判断し、警告情報12を生成している。結果として、表示部6は、地図画像20におけるこの地点24に、警告情報12に対応する警告表示23を表示しているのである。
【0108】
図2に示される表示部6に表示される最終画像では、生成部5が、地図情報7と車外画像情報8を関連付けて、警告情報12を生成していることになる。
【0109】
次に、図3、図4に、発明者が設計した試作機による表示画像の例を示す。図3、図4は、本発明の実施の形態1における表示画像の例示図である。
【0110】
図3、図4から明らかな通り、表示部6には、地図画像、車外画像、挙動情報9が、適宜組み合わされて表示されている。
【0111】
(使用態様)
次に、図5、図6を用いて、交通情報表示装置1の具体的な使用態様について説明する。
【0112】
図5、図6は、本発明の実施の形態1における交通情報表示装置の使用態様を表す説明図である。
【0113】
図5に示される使用態様は、交通情報表示装置1を利用するユーザー10が、自宅で利用する態様である。ユーザー10の家庭に、交通情報表示装置1が設置されている。ここで、図5から明らかなように、交通情報表示装置1は、専用の装置でもよく、汎用のパソコンに、交通情報表示装置1の機能を実現するアプリケーションプログラムがインストールされてもよい。
【0114】
また、家庭に設置された交通情報表示装置1は、通信回線30によって、記憶部2と接続されている。記憶部2は、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を記憶している。また、記憶部2は、交通情報表示装置1に必要なプログラムをアップデートするための、プログラムやパッチも記憶している。
【0115】
また、記憶部2は、例えば交通情報を提供するサービス業者のサービスセンターなどに設置されている。記憶部2は、ハードディスクなどにより実現されても良いし、サービスセンターに設置されているサーバにより実現されても良い。
【0116】
このような図5に示される使用態様であれば、ユーザー10は、自分の家庭にいながら、事前に運転上の注意を把握することができる。
【0117】
次に、図6を用いて、別の使用態様について説明する。
【0118】
図6に示される使用態様は、交通情報を提供するサービス業者のサービスセンターに、利用者のための(道路管理者を含む)複数の交通情報表示装置1が設置されており、利用者は、サービスセンターを訪問して、情報を得る。サービスセンターとして考えられるのは、例えば高速道路のサービスエリア、街中のサービスステーション、自動車販売店などである。
【0119】
サービスセンターでは、交通情報表示装置1が、複数台設置されており、それぞれの交通情報表示装置1は、記憶部2と接続されている。なお、記憶部2は、図6に示されるように、サービスセンターの内部に設置されていても良く、更に別のベースステーションなどに、複数のサービスセンターを束ねる形態で、記憶部2が設置されても良い。
【0120】
すなわち、記憶部2は、サービスの利用や提供に応じて、最適な形態で設置されればよい。例えば、交通情報表示装置1が、家庭とサービスセンターと様々な場所にあることも想定され、この場合には、集合的なベースステーションに、共通の記憶部2が設置されていれば、統一的なサービスの提供が可能であると共に、記憶部2の記憶内容のアップデートが共通的に行われる。
【0121】
あるいは、交通情報表示装置1が設置されているグループ毎に記憶部2が個別に設置されても良い。
【0122】
図6に示されるように、ユーザーは、サービスセンターを訪問し、設置されている複数の交通情報表示装置を、利用する。ここでは、ユーザーAは、交通情報表示装置Aを利用し、ユーザーBは、交通情報表示装置Bを利用し、ユーザーCは、交通情報表示装置Cを利用する。それぞれのユーザーA〜Cは、交通情報表示装置A〜Cに、ユーザー情報を入力し、交通情報表示装置A〜Cのそれぞれから警告情報12を受け取り、ユーザーA〜Cは、自己の予定しているルートにおける運転上の注意点を把握できる。
【0123】
サービスセンターに集合的に交通情報表示装置1が設置されていることで、ユーザーは、アドバイザーのアドバイスを受けたりしながら、簡単に作業ができる。
【0124】
なお、交通情報表示装置1の機能を実現するアプリケーションプログラムとは、CPUが、ROMやRAMに一時記憶されている命令セットに従い、次の処理を実行するプログラムである。
【0125】
まず、プログラムは、記憶部2から地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を読み出す。
【0126】
次いで、プログラムは、挙動情報と、挙動情報に含まれる座標上に連動する地図画像および挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する。
【0127】
更に、プログラムは、ユーザー10からの情報を受け付けて、ユーザー情報を分析する。
【0128】
次に、プログラムは、挙動情報9、地図情報7、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、ユーザー10に対する警告情報12を生成する。
【0129】
プログラムは、表示画像13に警告情報12を付加して表示する。このとき、プログラムは、地図画像と車外画像を、挙動情報に連動させて表示させつつ、地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて、表示画像13を表示する。
【0130】
以上のように、実施の形態1における交通情報表示装置1によれば、道路管理者や道路利用者は、実際に走行したテスト走行車両の挙動を基準に、地図情報7と車外画像情報8を活用した、走行上の注意点としての警告情報12を得ることができる。
【0131】
結果として、道路利用者は、事前に走行上の問題点を把握できるので、交通事故の抑制につながる。また、トラブルも減少する。
【0132】
加えて、道路管理者は、交通事故などが起き易い問題地点を把握できるので、道路の保守整備を効率的に行え、やはり交通事故の抑制を期待できる。
【0133】
なお、警告情報12は、ユーザー10に対して単に注意を喚起させる「警告」を示すだけでなく、どのような危険があるのか(スピードが出やすい、歩行者との接触事故の可能性が高いなど)、どのような注意を行うべきか(減速する、車間距離をあける、路肩によらないなど)を、具体的に指摘する情報を示しても良い。
【0134】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
【0135】
実施の形態2における交通情報表示装置1は、ユーザー10が、ルート上の問題点を把握するための作業時間を短縮する機能を有する。
【0136】
交通情報表示装置1は、カーナビゲーション装置と異なり、実際の車両の走行にリアルタイムに合わせて情報を表示させるものではない。ユーザー10にとっては、事前の情報把握が目的であるから、情報の表示に要する時間が短いことはメリットが高いすなわち、実際の走行車両が2時間かけて走行するルートについての、事前情報を得たい場合に、ユーザー10は、2時間かけて、地図や車外画像を見る必要はない。警告情報12をはじめとする、注意点を事前把握するのがユーザー10にとっての目的であるから、ユーザー10は、不要な部分は省略して、表示画像13を見たい。
【0137】
このため、表示部6は、警告情報12に対応する位置を基準として、所定の前後期間のみ、車外画像を表示する。すなわち、地図画像の表示は、仮想的な走行車両の移動にあわせて地図の画面が変化するが、これは、仮想的な走行車両の移動を、高速にすれば地図画像の変化は、高速に行われる。このため、実際には2時間のルートであっても、地図画像を2時間よりもずっと短い時間で更新して表示することは容易である。これに対して車外画像は、高速なコマ送りで表示時間を短縮できるが、あまりにコマ送りを早くすると、ユーザー10にとって見にくい画像となってしまう。
【0138】
これを防止するために、表示部6は、警告情報12を発するべき地点の前後期間に対応する部分のみ、車外画像を更新させて表示する。これにより、車外画像を表示する時間が削減され、ユーザー10が見なければならない表示画像の表示時間が短縮される。
【0139】
図7は、本発明の実施の形態2における表示部の模式図である。図7に示されるとおり、表示部6には、地図画像20、車外画像21、挙動情報22の3つが同一画面上に表示される。地図画像20では、仮想的な走行車両のスピードを上げることで、画像更新を早くできる。このとき、表示部6の右上に表示される車外画像21は、警告表示23に対応する地点24の前後期間25のみにおいて表示される。この結果、車外画像21が表示される時間は非常に短縮され、ユーザー10は、短い時間で必要な情報を得ることができる。
【0140】
なお、表示時間を短縮するか否かは、ユーザー10の所望によって定められれば良いので、ユーザー10の要求に従って、通常表示と短縮表示が切り替えられればよい。
【0141】
また、表示時間が短縮される場合も、どの程度まで短縮されるべきかは、ユーザー10の与える設定により定められれば良い例えば、ユーザー10は、短縮率を与えたり、表示箇所の限定を与えたりする。
【0142】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
【0143】
実施の形態3では、生成部5による、具体的な警告情報12の生成について説明する。
【0144】
生成部5は、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、警告情報12を生成する。このとき、警告情報12は、図2に示されるように、表示画像13に含まれる地図画像の対応する地点に表示されれば良く、「警告」との視覚的表示だけでなく、音声による表示が用いられてもよい。また、「警告」に対応する具体的な内容や指摘も含めて表示されても良い。例えば、「警告」ということに加えて、「スピードを減速すべき」との指摘も加えて表示される。
【0145】
(表1)を用いて警告情報12の具体的な生成の例について、説明する。(表1)は、本発明の実施の形態3における警告情報の生成例を示す。
【0146】
【表1】
【0147】
(表1)においては、警告情報12の生成例が、例1から例9まで記載されている。いずれの例においても、地図情報7(表中では、「地図」と表記)、車外画像情報8(表中では、「画像」と表記)、挙動情報9(表中では、「挙動」と表記)、ユーザー情報11(表中では、「ユーザー情報」と表記)の内、少なくとも2つの情報を関連付けて、警告情報12が生成されている。
【0148】
以下、例1から例9について順に説明する。なお、(表1)は例であって、警告情報12の生成がこれらに限られるものではない。
【0149】
(例1)
例1では、地図情報7から得られる「平面曲線半径(カーブの曲率)」、「縦断勾配(坂の勾配)」と、車外画像情報8から得られる「見通し」とを関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0150】
警告情報12は、車外画像情報8から得られた「見通しの悪さ」と地図情報7から得られた「勾配加速の危険性」を合わせて、自損事故、衝突事故および歩行者や自転車との遭遇事故の可能性を基準に生成されている。警告情報12は、自動車ユーザーに対して「見通し悪く、減速の指摘」を行い、歩行者、自転車に対して「車両への注意」を指摘している。すなわち、地図情報7からは道路がカーブであることが分かるのに加えて、車外画像情報8からそのカーブの見通しが悪い(地図だけでは、見通しまでは分からない)こともわかるので、生成部5は、この地点を警告情報12の対象と判断できる。
【0151】
地図に示される道路構成のみからでは、実際の見通しを無視した警告となるので、警告情報12の信頼性が低いが、例1のように地図情報7と車外画像情報8の両方から生成されることで、警告情報12の信頼性が高まる。
【0152】
(例2)
例2では、地図情報から得られる「平面曲線半径」と、挙動情報から得られる「速度、水平加速度(所謂横G)」とを関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0153】
生成部5は、「曲線半径が小さい」との情報と「横Gが小さい」との情報から、この地点を、急カーブであって減速量が大きい(十分な減速を必要とすることを示している)ので、十分に減速をしないと曲がりきれない地点であるとして判断する。このため、生成部5は、「曲線半径が小さく、且つ横Gが小さい」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。このとき、警告情報12は、「急カーブでの十分な減速が必要である」との指摘を行う。
【0154】
一方、生成部5は、「曲線半径が小さい」との情報と「横Gが大きい」との情報から、この地点を、急カーブであるが速い速度(横Gが大きいままなので)でも曲がりきれる地点であるとして判断する。このため、生成部5は、「曲線半径が小さく、且つ横Gが大きい」との情報を得た場合には、この地点については、警告情報12を生成しない。すなわち、生成部5は、この地点を警告の対象としない。
【0155】
すなわち、地図情報7から急カーブであることが分かるのに加えて、実際にテスト走行したテスト走行車両の挙動情報9から減速の必要性もわかるので、生成部5は、高い信頼度で、警告情報12を生成できる。
【0156】
(例3)
例3では、地図情報7から得られる「歩道の状況(歩道の有無、幅員)」と、車外画像情報8から得られる「歩車分離設備の有無」と、挙動情報9から得られる「速度」とを関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0157】
生成部5は、「歩道なし/歩道狭い区間」との情報に、「走行車両の速度が速い」との情報を関連付けて、この地点を、歩行者にとって危険な地点であると判断する。このため、生成部5は、「歩道なし/歩道が狭い区間であって、走行車両の速度が速い」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。このとき、この警告情報12は、歩行者への歩行上の注意(対向車両や通過車両への注意)として生成される。
【0158】
一方、生成部5は、「歩道なし/歩道狭い区間」との情報に、「走行車両の速度が遅い」との情報を関連付けて、この地点を、自動車にとって走りにくい地点であると判断する。路肩や道路にはみ出る歩行者のために、走行車両は、速度を減速させたと考えられ、自動車にとっては走りにくい区間であると考えられるからである。このため、生成部5は、歩道なし/歩道狭い区間で走行車両の速度が遅い」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。このとき、この警告情報12は、自動車ユーザーへの注意(歩行者への注意を十分に払うこと)として生成される。
【0159】
このように、例3では、地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9の全てを関連付けて、信頼度の高い警告情報12を生成する。
【0160】
(例4)
例4では、地図情報7から得られる「車線数」、車外画像情報8から得られる「路肩状況」および挙動情報9から得られる「前後加速度、速度」を関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0161】
生成部5は、これらの情報から「車線数が減少もしくは路肩幅員が減少する箇所で、減速がたびたび生じている」ことを認識し、この地点を、自動車にとって早めの減速が必要である地点であるとして判断する。このため、生成部5は、「車線数が減少もしくは路肩幅員が減少する箇所で、減速がたびたび生じている」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。
【0162】
このとき、警告情報12は、自動車ユーザーに対して「早めの減速を行うこと」を指摘する。
【0163】
このように、道路状況とテスト走行車両の実際の走行上での挙動を合わせることで、信頼性の高い警告情報12が生成できる。
【0164】
(例5)
例5では、地図情報7から得られる「過去の事故発生箇所」との情報と、車外画像情報8から得られる「見通し」情報とおよび挙動情報9から得られる「速度、加速度」情報を関連付けて、警告情報12を生成する。
【0165】
生成部5は、これらの情報から「車両の速度変化と見通しの変化の激しさから事故が生じやすい」ことを認識し、この地点を、交通事故の起き易い地点であると判断する。このため、生成部5は、「車両の速度変化と見通しの変化が激しい」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。このとき、警告情報12は、自動車ユーザーに対しては、加速や減速を緩めるよう指摘し、道路管理者に対しては、速度制限や交差点設計の見直しを指摘する。なお、過去の事故発生箇所については、地図情報7のみから分かるが、これだけでは、単に事故がおきただけなのか、事故が起き易い道路状態であるのかは分からない。このため、道路利用者や道路管理者に対する警告としては、適切であるか不適切であるかの判断が付かない。しかし例5のように、生成部5は、車外画像情報8と挙動情報9も含めて警告を判断することで、道路利用者や道路管理者に対して適切であると共に信頼性の高い警告情報12を生成できる。
【0166】
(例6)
例6では、地図情報7から得られる「道路幅員、異常気象時通行止め区間」との情報と、車外画像情報8から得られる「車道状況、路肩状況」の情報とを関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0167】
生成部5は、「降雨時通行止めとなる道路であって、車線や幅員が少ない」との情報から、この地点を、通行止め時に車両の退避が困難である地点であるとして判断する。このため、生成部5は、「降雨時通行止めとなる道路であって、車線や幅員が少ない」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。なお、このとき警告情報12は、自動車ユーザーに対しては、車両サイズによって進入禁止とすべき指摘や推奨される迂回路について指摘する。同様に、警告情報12は、道路管理者に対しては、道路標識の見直しを指摘する。
【0168】
例6のように、地図情報7に車外画像情報8を関連付けることで、道路管理者に対して標識設計の見直しの機会を与えたり、異常気象時におけるシビアな事故や災害を防止したりできる警告情報12が生成できる。
【0169】
(例7)
例7では、地図情報7から得られる「距離、観光スポット」の情報と、車外画像情報8から得られる「走行景観」の情報と、挙動情報9から得られる「移動時間、速度」の情報およびユーザー情報11から得られる「ドライバーの嗜好性」を関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。なお、例7での警告情報12は、交通事故などの可能性に対する注意的なものではなく、道路利用者の便益に供するものである。
【0170】
生成部5は、これらの情報からドライバーの嗜好に合わせたルートを推奨する警告情報12を生成する。
【0171】
このように、本発明の交通情報表示装置1は、交通事故などネガティブな点での警告だけでなく、道路利用者の便益に役立つポジティブな情報も表示できる。
【0172】
(例8)
例8では、地図情報7から得られる「渋滞ポイント」の情報と、車外画像情報8から得られる「交差点状況」の情報および挙動情報9から得られる「移動軌跡、停車間隔」の情報を関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0173】
生成部5は、交差点での停車間隔から渋滞原因を検出する。車外画像情報8から「右折車による道路の閉塞」や「信号変化間隔が短すぎる」ことが、渋滞原因であると判断される。生成部5は、この判断に基づき、この地点を、右折車によって渋滞や交通事故が引き起こされる可能性がある地点であるとして判断する。このため、生成部5は、この地点について警告情報12を生成する。なお、このとき警告情報12は、自動車ユーザーに対しては「右折車に対する対向事故などへの注意」を指摘し、道路管理者に対しては、車線設計、信号設計の見直しを指摘する。
【0174】
このように、地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9の全てを関連付けることにより、渋滞の原因や渋滞の結果生じる事故などについての、信頼度の高い予測を得ることができる。しかも、実際の場所に行かなくても、交通情報表示装置1を利用するだけでわかるので、道路の保守などに携わる道路管理者は、少ない手間で道路の設計見直しなどの情報を得ることができ、結果的に、交通事故の生じにくい道路整備が促進される。
【0175】
(例9)
例9では、地図情報7から得られる「地形、側道の幅員・構造」の情報と、車外画像情報8から得られる「現地周辺状況」の情報および挙動情報9から得られる「実移動時間」の情報を関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。ここでの警告情報12は、予定されている走行ルートの、実際の所要時間の情報を含む。
【0176】
通常のカーナビゲーション装置は、地図情報に含まれる走行ルートの距離と法定速度から所要時間を算出して、ユーザーに通知する。しかし、法定速度が50Km/時であるが、道路が狭くて速度を落とさざるを得なかったり、見通しの悪い道路が多く、法定速度を維持するのが難しかったりすることも多い。ドライバーは、このように走行速度が下がってしまったにも係らず、理想状態で計算された予定所要時間を知っていると、この所要時間を満足するために、無理なスピード違反をしたりする危険性がある。
【0177】
例9においては、交通情報表示装置1は、地図情報7のみでなく、車外画像情報8から得られる周辺状況(見通しや特殊な地形など)および挙動情報9から得られるテスト走行したテスト走行車両の実移動時間も加味して、警告情報12としての実所要時間が通知される。このため、ドライバーは、実際の走行において、予定外の変化に見舞われても、事前にこれらの点を把握済みなので、慌てることなく運転を継続できる。このため、所要時間という警告情報12は、結果的に交通事故を低減させる情報となりうる。
【0178】
このとき、警告情報12は、自動車ユーザーに対しては、実時間の情報通知を行い、道路管理者に対しては、道路設計、交通標識設計の見直しを指摘し、公的機関(消防など)に対しては、災害救助時の移動時間の正確な見積もりを通知する。
【0179】
以上のように、生成部5は、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、道路利用者および道路管理者にとって、信頼性の高い警告情報12を生成する。この結果、道路利用者および道路管理者は、事前に走行上の注意点を把握できるので、交通事故が抑制される。
【0180】
なお、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9の数や内容の増加などにより、生成部5での警告情報12の生成精度が向上する。例えば、挙動情報9が増加することで、自動車の速度を落とすべきであるという警告情報12の生成箇所がより厳選されたり、車外画像情報8が増加することで、見通しの悪い交差点で注意すべきであるという警告情報12が増えたりする。結果として、警告情報12の生成の精度や信頼性が向上する。
【0181】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。
【0182】
実施の形態4では、ユーザー情報11により、警告情報12が分類される機能について説明する。
【0183】
生成部5は、挙動情報9に、地図情報7や車外画像情報8を関連付けて(あるいは地図情報7と車外画像情報8だけを関連付けて)警告情報12を生成する。実施の形態1で説明したように、例えば、道路の車線が1車線であるとの情報を地図情報7から得て、走行車両が車線変更を頻繁に繰り返している情報を挙動情報9から得た生成部5は、道路が狭いので、センターラインを超えた追い越しをしがちであるとの状態を判断し、判断の結果、警告情報12を生成する。
【0184】
しかしながら、この警告情報12が、ユーザー10を区別することなく、表示されてしまう必要はない。例えば、ユーザー10の利用交通手段が二輪車(オートバイや自転車)の場合には、追い越しの際に車線変更は少ないであろうし、ユーザー10の性格や適正によっても、必ずしも警告を与える必要が無い場合もある。
【0185】
ユーザー10にとって、本当に必要な警告情報12だけが表示されることが、ユーザー10の注意を喚起する点では重要で、あまり必要性のない警告情報12までもが表示されることは、ユーザー10の警告情報12への信頼性を損なう結果となる。すなわち、ユーザー10は、警告情報12に対しての敬意を払わなくなるようになり、本来の目的である、事前の注意事項の把握が実現されなくなる。つまり、多くの警告情報12の中に、本当に必要な警告情報12が埋もれてしまうことになる。
【0186】
実施の形態4における交通情報表示装置1では、このような問題を解消し、ユーザー10にとって本当に必要な警告情報12のみを与えることで、ユーザー10の注意喚起を確かなものにする。
【0187】
すなわち、生成部5は、ユーザー情報11に基づいて、警告情報12を分類し、ユーザー10にとって本当に必要となる警告に該当する警告情報12を決定する。表示部6は、生成部5で分類された上で、警告情報12を表示したり、警告情報12を分類したものとして表示したりする。
【0188】
例えば、生成部5は、ユーザー10の利用交通手段によって、警告情報12を分類する。あるいは、ユーザー10の利用時間帯や人的情報に基づいて分類する。
【0189】
具体的な分類について、図8〜図10を用いて説明する。
【0190】
図8、図9、図10は、本発明の実施の形態4における警告情報の分類を表す説明図である。
【0191】
図8には、生成部5が、ユーザー情報11の内、ユーザー10の利用交通手段によって、警告情報12を分類する一例が示されている。なお、図8〜10に示される分類は、あくまでも一例である。
【0192】
生成部5は、まず地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9を関連付けて、警告情報12を生成する。例えば、「急カーブでのスピード出しすぎ」は、地図情報7と挙動情報9から判断されたものであり、「西日と重なる交差点」は、地図情報7と車外画像情報8から判断されたものである。
【0193】
図8では、利用交通手段は、自動車、オートバイ、自転車、歩行者の4つを含み、それぞれによって、警告手段12が分類される。
【0194】
図8の上から順に説明する。
【0195】
(急カーブでのスピード出しすぎ)
自動車とオートバイは、エンジンにより走行するので、スピード出しすぎによる交通事故を引き起こす可能性がある。よって、生成部5は、自動車とオートバイについては「警告」対象に分類する。逆に、人力で走行する自転車と歩行者の場合には、急カーブでスピードを出しすぎる状況になりえないので、生成部5は、「非警告」対象に分類する。
【0196】
(狭い道幅での車線変更)
この場合には、車線変更を行う可能性の高い自動車についてのみ、生成部5は「警告」として分類する。オートバイや自転車は、車線変更することは少ないからである。
【0197】
(ガードレールの無い道路)
この場合にも、オートバイや自転車は、車体の幅が小さいので、路肩から離れて走行できる。自動車は、車体の幅があるので、路肩すれすれに走ることも多い。このため、生成部5は、自動車のみ「警告」とし、他については、「非警告」として分類する。
【0198】
(西日と重なる交差点)
この場合には、利用交通手段が何であれ、ユーザー10にとっては、西日と重なった信号や対向車が見づらくなるので、生成部5は、全ての利用交通手段に対して、「警告」として分類する。
【0199】
(下り勾配の強い坂でのスピード)
この場合には、エンジンで走行する自動車とオートバイだけが、下り坂でのスピードが出すぎる可能性が高いので、生成部5は、自動車とオートバイに対してのみ、「警告」として判定し、残りは「非警告」として判定する。
【0200】
(滑りやすい歩道)
この場合には、実際に歩道を走行する可能性のある歩行者と自転車に対してのみ、生成部5は、「警告」として分類する。歩道状態は、テスト走行車両の挙動や車外画像などに加えて、道路情報などをあわせた結果で判明する。
【0201】
なお、以上の分類は一例であり、交通情報表示装置1の仕様に応じて、異なる分類がなされてもかまわない。
【0202】
次に、図9に示される、利用時間帯による分類について説明する。
【0203】
(急カーブでのスピード出しすぎ)
自動車にとっては、急カーブでのスピードの出しすぎによる交通事故の可能性は、利用時間帯の区別無く生じるのであるから、生成部5は、全ての時間帯について「警告」として分類している。なお、車外画像情報8により、時間帯によってカーブの前方が見にくかったり見やすかったりする特殊事情がある場合には、生成部5は、時間帯によって「警告」と「非警告」に区別して分類しても良い。
【0204】
(狭い道幅での車線変更)
早朝においては、交通量が少ないと考えられるので、生成部5は、早朝については「非警告」として分類し、午前、午後を「警告」として分類している。
【0205】
また、夜間は、対向車のヘッドライトなどにより、対向車を早期に視認できるので、生成部5は、危険度が低いものとして、「非警告」に分類する。
【0206】
(ガードレールの無い道路)
ガードレールの無い道路では、路肩からの転落の可能性は、道路の見にくい夜間に最も高い。このため、生成部5は、ガードレールの無い道路については、夜間のみ「警告」として分類する。
【0207】
(西日と重なる交差点)
西日と重なる交差点においては、西日が信号や対向車を見づらくさせる夕方を含む時間帯についてのみ、生成部5は、この地点を「警告」として分類する。すなわち、生成部5は、午後と夜間を「警告」として分類する。
【0208】
逆に朝日と重なる交差点であれば、生成部5は、早朝においてのみ、「警告」として分類する。
【0209】
(下り勾配の強い坂でのスピード)
この場合には、交通量の少なく、視認性もよい早朝のみ、生成部5は、「非警告」として分類する。
【0210】
(滑りやすい歩道)
この場合には、歩道を歩いている歩行者や自転車、滑って車道に出てくる場合でも、このことの把握が遅れやすい夜間のみ、生成部5は、「警告」として分類する。
【0211】
次に、図10の場合について説明する。図10では、ユーザー情報11のうち、人的相違に基づいて分類される状態が示されている。図10では、自動車を運転するユーザー10の人的情報を、「若年男性」、「若年女性」、「初心者」、「老人」の4つのカテゴリとしている。
【0212】
(急カーブでのスピード出しすぎ)
この場合には、生成部5は、スピードを出しやすい若年男性と、スピードへの対処に不慣れな初心者を、警告対象として分類する。
【0213】
スピードをあまり出さないと考えられる女性や老人は、警告対象から外される。
【0214】
(狭い道幅での車線変更)
この場合にも、生成部5は、スピードを出しやすい若年男性を、警告対象として分類する。他については、狭い道幅でスピードを出す可能性が低いので、非警告に分類する。
【0215】
(ガードレールの無い道路)
この場合には、生成部5は、若年男性と若年女性が、もっともアグレッシブに運転するユーザーであるとして、警告に分類する。
【0216】
(西日と重なる交差点)
この場合には、視認動作の遅れがちな初心者と老人についてのみ、生成部5は警告として判定している。
【0217】
(下り勾配の強い坂でのスピード)
この場合には、生成部5は、全てのカテゴリについて同様に危険であると判断して、全員について警告として判定している。
【0218】
(滑りやすい歩道)
この場合には、視認性や動体視力の弱い老人についてのみ、生成部5は、警告として判定している。歩道上の歩行者の思わぬ行動への迅速な対応ができない可能性が、老人の場合は高いからである。
【0219】
なお、人的情報は、性別や年齢だけでなく、ユーザー10の性格や嗜好に基づいてもよい。
【0220】
以上のように、実施の形態4における交通情報表示装置1では、必要不可欠な警告情報12を選別でき、警告情報12の信頼性を高めることができる。
【0221】
なお、ユーザー情報11により警告情報12の表示の可否を決定するのは、生成部5が、ユーザー情報11に基づいて警告情報12を分類しても良く、表示部6が、ユーザー情報11に基づいて、表示の処理において警告情報12を表示したりしなかったりしても良い。
【0222】
あるいは、ユーザー情報11に関りなく、表示部6は、全ての警告情報12を表示するが、この表示の際にユーザー情報11に基づいた見出し(若年男性は警告対象だが、老人は非警告対象であるとの断り書きなど)を付加して警告情報12を表示してもよい。
【0223】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。
【0224】
実施の形態5では、記憶部2が記憶する情報が、アップデートや修正されることについて説明する。
【0225】
図11は、本発明の実施の形態5における交通情報表示装置のブロック図である。
【0226】
図11では、記憶部2が、通信回線30を介して端末40と接続されている。端末40は、例えば交通情報を提供するサービス業者の有するサーバである。
【0227】
端末40は、サービス業者によって管理され、必要に応じて、記憶部2に記憶されている情報をアップデートする。アップデートにおいては、サービス業者が、端末40を操作して、通信回線30を経由して記憶部2の記憶内容をアップデートする。例えば、地図情報7について、新しい電子地図のアプリケーションが配布されたことに伴い、サービス業者は、新しい電子地図のソフトウェアを端末40においてインストールし、インストールした結果としての情報を、通信回線30を経由して、記憶部2に送信する。このとき、端末40は、記憶部2が記憶する地図情報7を書き換える命令コードを送り、地図情報7が、新しい情報に置き換えられてアップデートされる。
【0228】
車外画像情報8も、同様に端末40からの指示により、アップデートされる。
【0229】
車外画像情報8は、テスト走行車両に備えられたビデオカメラで撮影された画像データであるが、建物の変化や道路状況の変化は、常に行われており、車外画像情報8も、適宜アップデートされる必要がある。あるいは、まだ撮影の行われていない区間の車外画像が、後から撮影されることもあり、この場合にはこの車外画像が追加される必要がある。
【0230】
また、挙動情報9も同様に新しく得られたり、追加の情報が得られたりする。
【0231】
端末40は、修正、追加、更新すべき車外画像情報8や挙動情報9を、通信回線30を経由して記憶部2に送信し、記憶部2に記憶されている車外画像情報8と挙動情報9を修正、追加、更新する。
【0232】
記憶部2が、各家庭に設置されていたり、異なる地区のサービスセンターに設置されていたりする場合には、各所に設置されているそれぞれの記憶部2が、アップデートされる。
【0233】
このように、通信回線30を介して、端末40が記憶部2の情報をアップデートすることにより、ユーザー10は常に最新の情報に基づいて交通情報表示装置1を利用できる。更に、端末40から集中的にアップデートされるので、ユーザー10は、アップデートの作業が不要となる。
【0234】
なお、端末40は、交通情報表示装置1からの要求に従って、記憶部2の情報をアップデートするようにしてもよい。また、端末40は、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9の少なくとも一つをアップデートすればよく、いずれか一つを選択してアップデートしてもよい。
【0235】
また、挙動情報9は、道路上を実際に走行したテスト走行車両により得られたものである。テスト走行車両により得られた挙動情報9は、テスト走行車両の速度、加速度、角速度、車線変更、停車間隔などを含む。
【0236】
ここで、テスト走行車両のみで、これらの挙動情報9が決定されてしまうと、挙動情報9の精度が不十分であることもある。
【0237】
例えば、テスト走行車両の運転手が、若年の男性であった場合には、急カーブであっても、加速や減速をあまり多用せずに、苦も無く曲がりきれる。この場合には、生成部5は、挙動情報9からは特に危険と感じる情報(急加速や急減速など)を見出せないので、この急カーブの地点について警告情報12を生成しない。
【0238】
しかしながら、運転手が、老人や初心者である場合には、この急カーブは運転において危険となる可能性もある。このような危険を見逃して、生成部5が警告情報12を生成できないことは、交通情報表示装置1の目的を達成できないこともある。
【0239】
このため、テスト走行車両から得られたテストデータを、確認走行車両(異なるカテゴリの運転手であることが好ましい)により得られた確認データにより修正して得られたデータを、挙動情報9とすることが好ましい。全ての道路について、確認走行車両を走行させてテストデータを修正することは、莫大な作業量となるので、特定の道路(例えば、交通事故の多い道路や交通量の多い道路)のみ、確認走行車両を走行させて、確認データを得ても良い。挙動情報9は、この得られた確認データにより、テストデータが修正され、その修正されたテストデータを整理して生成される。
【0240】
すなわち、上記の例では、若年男性の走行結果によるテストデータが、老人により確認走行車両が運転された走行結果による確認データで修正されて、最終的な挙動情報9が生成される。この結果、急カーブにおいて、確認データにおいては、加速や減速の急激な変化が検出され、挙動情報9には、この急激な変化が反映される。このため、生成部5は、この急カーブを危険な地点であると判定し、警告情報12を生成する。
【0241】
なお、このとき、実施の形態4で説明したように、ユーザー情報11によって、実際には警告情報12として表示したりしなかったりしてもよい。具体的には、表示部6は、ユーザーの人的情報において、ユーザーが老人の場合には、警告情報12を表示し、ユーザーが若年男性の場合には、警告情報12を表示しない。
【0242】
(実施の形態6)
次に実施の形態6について説明する。
【0243】
実施の形態6においては、交通情報表示装置1が、ソフトウェアや方法として提供される場合について説明する。
【0244】
交通情報表示装置1は、ハードウェアとしての装置として提供されても良いが、パソコンなど、CPUなどの演算処理装置、メモリ、表示機器を備えている汎用的な機器に、アプリケーションプログラムとして提供される場合もありうる。すなわち、交通情報表示装置1に対応する機能が、交通情報表示方法として提供、使用される場合がありうる。
【0245】
この場合には、交通情報表示装方法に対応する機能が、プログラムとしてCD−ROMやDVD−ROMなどのメディアに記憶されて提供される。
【0246】
使用者は、入手したこれらのCD−ROMやDVD−ROMをパソコン上にインストールして、パソコン上で動作させる。
【0247】
交通情報表示方法が含む機能に対応する機能を有するプログラムは、次の処理ステップを有して、ユーザー10に対して交通情報を表示する。
【0248】
パソコンが有しているCPUは、インストールされたこのアプリケーションプログラムに従う命令セットであって、ROMやRAMに含まれている命令セットを読み出して、処理を開始する。
【0249】
(処理ステップ1)
CPUは、読み出し機能を有しており、パソコンやサービスセンターに備えられている記憶部2に含まれている地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を読み出す。すなわち、CPUは、読み出し処理を行う。
【0250】
(処理ステップ2)
CPUは、地図情報7を用いて、読み出した挙動情報9に含まれる座標情報に連動させた地図画像を生成する。更に、CPUは、車外画像情報8を用いて、読み出した挙動情報9に含まれる時刻情報に連動させた車外画像を生成する。加えて、CPUは、挙動情報9を用いて、挙動情報を表示する画像も生成する。
【0251】
CPUは、これら3つの画像の内、少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像13を生成する。例えば、挙動情報9、地図画像、車外画像の3つの全てを同一画面に表示する場合には、CPUは、同一画面を適当に3分割した表示画像13を、生成する。また、CPUは、表示画像13の表示において、地図画像と車外画像を挙動情報9に連動させて表示し、特に、ユーザー10が想定する仮想的な走行車両の移動に対応させて表示する。
【0252】
具体的には、地図画像上に仮想的な走行車両が存在し、この仮想的な走行車両が、地図上を移動しながら、地図画像と車外画像が変化していくように、表示画像13が表示される。
【0253】
なお、CPUではなく、画像処理専用のプロセッサが、表示画像13の生成や表示における処理を行っても良い。
【0254】
(処理ステップ3)
次に、CPUは、ユーザー10から入力される情報を受け付けて、ユーザー情報11を整理して、警告情報12の生成における必要な情報とする。
【0255】
ここで、ユーザー10は、交通情報表示方法が実装されたパソコンに対して、種々の情報を入力する(例えば、質問に回答する形式で入力する)。CPUは、受け付けた情報から、ユーザー10の利用交通手段、利用時間、人的情報などを用いて、警告情報12の生成や分類に必要となるユーザー情報11を整理する。
【0256】
CPUは、後述の生成機能に対して、これら整理したユーザー情報11を受け渡す。
【0257】
(処理ステップ4)
CPUは、読み出した地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、ユーザー10に対する注意喚起となる警告情報12を生成する。
【0258】
警告情報12は、実施の形態1〜4などで説明されたように、挙動情報9と地図情報7を関連付けて、交通事故の可能性があるような地点について、注意されるべき地点として生成されるものである。また、ユーザー情報11によって、警告とすべきか否かについての分類も行われる。
【0259】
警告情報12の生成や分類については、実施の形態1〜4にて説明されたのと同様である。
【0260】
(処理ステップ5)
CPUは、生成した表示画像13に警告情報12を付加して、パソコンのディスプレイに表示する。勿論、パソコンのディスプレイだけでなく、CPUは、接続されている表示機器(テレビや液晶画面など)に表示しても良い。
【0261】
このように、アプリケーションプログラムなどのソフトウェアで提供された交通情報表示方法は、パソコンや専用機器にインストールされて使用される。交通情報表示装置1やこの機能を実現する交通情報表示方法は、ハードウェアのみならずソフトウェアとして提供されればよい。なお、交通情報表示装置1は、ハードウェアとソフトウェアの混在により実現されても良い。
【0262】
(実施の形態7)
次に実施の形態7について説明する。
【0263】
実施の形態7においては、交通情報表示装置1にかかわる機能が、半導体集積回路として実現されて、提供される場合について説明する。
【0264】
図12は、本発明の実施の形態7における半導体集積回路のブロック図である。
【0265】
半導体集積回路40は、CMOSやバイポーラなどのトランジスタが集積された回路であり、交通情報表示装置1を実現する装置(専用装置や汎用パソコンなど)に組み込まれて、交通情報表示装置1にかかわる機能を実現する。
【0266】
更に具体的には、半導体集積回路40は、半導体集積回路40と別に備えられる記憶部2(図12では、半導体メモリとして表されているが、HDD、DVD、CDなどにより構成されてもよい)と、表示部6(専用装置や汎用パソコンのディスプレイにより構成される)と組み合わされて、交通情報表示装置1の機能を実現する。
【0267】
半導体集積回路40は、実施の形態1〜6で説明した記憶部2から情報を読み出す読み出し部15、ユーザー10からのユーザー情報を受け付ける受付部4、表示画像13を生成する表示制御部3、警告情報12を生成する生成部5を備えている。更に、これらの要素に加えて、半導体集積回路40および周辺回路などを制御する制御部41、表示画像13や警告情報12に係るデータを出力する出力部42を備えている。
【0268】
出力部42は、これらのデータを表示部6に出力し、表示部6は、これらのデータを用いて表示画像13に警告情報12を付加して表示する。
【0269】
半導体集積回路40に含まれる読み出し部15、受付部4、表示制御部3、生成部5、制御部41、出力部42のそれぞれは、半導体集積回路40の中の論理回路により構成されており、トランジスタと配線により実現されている。このため、部分的な回路が共有される場合がある。また、半導体集積回路40の中で、物理的に明確に区画が分けられているわけではない。
【0270】
半導体集積回路40は、実施の形態1で説明された交通情報表示装置1と異なり、表示部6は、別に設けられているので、表示部6に必要なデータを出力する出力部42を備えている。出力部42は、表示制御部3で生成された表示画像13と、生成部5で生成された警告情報12に係るデータを、表示部6に出力する。なお、出力部42は、表示画像13と警告情報12に係るデータをそれぞれ並列して出力しても良いが、警告情報12が付加された状態の画像情報13に係るデータを出力しても良い。
【0271】
制御部41は、半導体集積回路40と周辺回路を制御する。例えばCPUなどが、制御部41に該当する。
【0272】
半導体集積回路40は、実施の形態1〜5で説明された交通情報表示装置1と同様の動作を行う。
【0273】
すなわち、読み出し部15は、記憶部2から地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9を読み出して、表示制御部3と生成部5に渡す。
【0274】
表示制御部3は、挙動情報9に含まれる座標情報に連動する地図画像、挙動情報9に含まれる時刻情報に連動する車外画像および挙動情報9の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像13を生成する。
【0275】
受付部4は、ユーザー10から入力された種々の情報を受け付けて整理し、ユーザー情報11を生成部5に出力する。ユーザー情報11は、警告情報12の生成における条件の一つとして使用される。
【0276】
生成部5は、挙動情報9、地図情報7、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、警告情報12を生成する。警告情報12は、ユーザー10に対して、交通事故などの危険性について予め警告を与えるためのものである。警告情報12は、例えば、地図情報7から得られる道路の幅員と挙動情報9から得られる走行車両の加速度との関連から得られる。加えて、ユーザー情報11により、これを警告とするか非警告とするかの分類が行われて、最終的に表示画像13に付加されて、表示部6に表示される。
【0277】
最後に、出力部42が、表示画像13、警告情報12に係るデータを、表示部6に出力し、表示部6において、警告情報12込みの表示画像13が表示される。
【0278】
実施の形態7に説明された半導体集積回路40は、単体のLSIチップとして、あるいは周辺回路(例えば記憶部2に相当する半導体メモリ)を含んだチップセットや電子基板として、提供されても良い。あるいは、交通情報表示装置1に組み込まれた形態で提供されても良い。あるいは、半導体集積回路40に必要となるネットリストなどの論理データとして提供されても良い。
【0279】
交通情報表示装置1の機能が、実施の形態7のように半導体集積回路40で実現されることにより、装置の小型化や低消費電力化が実現できる。特に、小型化が実現できることで、ポータブルタイプの装置を実現でき、例えばカーナビゲーション装置に半導体集積回路40が組み込まれることで、ユーザー10は、カーナビゲーション装置を利用して、事前の交通情報の把握ができる。
【0280】
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について説明する。
【0281】
実施の形態8においては、交通情報表示装置1を使用した、交通情報表示システムについて説明する。また、交通情報表示システムについて、使用態様の異なる2つのシステムについて説明する。
【0282】
(システムの態様その1)
先ず、図13を用いて説明する。
【0283】
図13、図14は、本発明の実施の形態8における交通情報表示システムのブロック図である。図13における交通情報表示システムは、ユーザー家庭50に入力装置52と交通情報表示装置1が備えられており、通信回線30を介して、サービスセンター51に設置されている記憶部2から情報が得られる態様である。
【0284】
交通情報表示システムは、ユーザー10が自己の情報や操作命令を入力する入力装置52、交通情報表示装置1(実施の形態1〜5で説明したのと同様の交通情報表示装置1)および、記憶部2を備えている。
【0285】
交通情報表示装置1は、実施の形態1〜5で説明したように、記憶部2から地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を読み出す読み出し部15、挙動情報9に含まれる座標情報と連動する地図画像と挙動情報9に含まれる時刻情報と連動する車外画像および挙動情報の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像13を生成する表示制御部3、ユーザー10からの情報を受け付けてユーザー情報11を整理する受付部4、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて警告情報12を生成する生成部5、表示画像13に警告情報12を付加して表示する表示部6を備えている。
【0286】
入力装置52は、ユーザー10からの入力情報を実際に受け付けて、受付部4に渡す。例えば、図13、14に示されるようなキーボードが、入力装置52として用いられる。あるいはタッチパネルが用いられてもよい。なお、交通情報表示装置1と入力装置52は、汎用のパソコンやカーナビゲーション装置により実現されても良い。
【0287】
記憶部2は、サービスセンター51に設置された大容量ハードディスクやサーバに設置されており、インターネットや電話回線などの通信回線30により、交通情報表示装置1と接続されている。読み出し部15は、通信回線30を介して、記憶部2に記憶されている地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9を読み出す。
【0288】
ユーザー10は、入力装置52に交通情報表示装置1の操作に必要な命令を入力すると共に利用者に関する情報を入力する。利用者に関する情報とは、実施の形態4で説明したように、ユーザーの利用交通手段、利用時間帯、人的情報などである。
【0289】
入力装置52から入力されたユーザーに関する情報は、交通情報表示装置1が備える受付部4で受付・整理されて、ユーザー情報11が生成部5に出力される。
【0290】
一方、入力装置52からの操作命令に従って、交通情報表示装置1が備える読み出し部15が、通信回線30を介して、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を読み出して、表示制御部3および生成部5に渡す。
【0291】
表示制御部3は、挙動情報9から座標情報を読み出して、この座標情報に連動する地図画像を生成する。と同時に、表示制御部3は、挙動情報9から時刻情報を読み出して、この時刻情報に連動する車外画像を生成する。更に、表示画像制御部3は、挙動情報9、地図画像および車外画像の少なくとも一つを、それぞれ連動させた上で、同一画面に表示する表示画面13を生成する。
【0292】
生成部5は、挙動情報9、地図情報7、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて警告情報12を生成する。警告情報12の生成は、実施の形態1〜5で説明したのと同様である。また、ユーザー情報11により、警告情報12が、警告、非警告のそれぞれに分類される処理についても、実施の形態4で説明されたのと同様である。このとき、表示部6は、地図画像と車外画像を挙動情報9に連動させて表示すると共に、地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて、表示画像13を生成する。
【0293】
表示制御部3は、表示画像13に警告情報12を付加して、表示する。
【0294】
なお、読み出し部15、表示制御部3、受付部4、生成部5は、回路、半導体集積回路およびソフトウェアプログラムの一部として、交通情報表示装置1の中に含まれており、表示部6は、図13に示される交通情報表示装置1のディスプレイとこの制御部が対応する。
【0295】
ユーザー10は、この入力装置52、記憶部2および接続された交通情報表示装置1を備える交通情報表示システムを使用して、事前に交通情報や注意情報を得ることができる。結果として、交通事故を抑制できる。
【0296】
また、図13に示されるように、入力装置52と交通情報表示装置1がユーザー家庭50に設置され、更新や修正が必要となる情報を記憶する記憶部2がサービスセンター51に設置されることで、ユーザー10は、最新の情報を利用しながら、家庭において交通情報表示システムの機能を利用できる。
【0297】
(システムの態様その2)
次に、図14を用いて交通情報表示システムの別の態様について説明する。
【0298】
図14に示される交通情報表示システムは、サービス業者が運営するサービスセンター51に、複数の交通情報表示装置1が設置され、来店したユーザー10が、それぞれ適当な交通情報表示装置1を利用する場合を示している。
【0299】
図14においては、交通情報表示装置A、B、Cの3台の交通情報表示装置1(およびこれらに対応するそれぞれの入力装置52)が、共通の記憶部2と共に、サービスセンター51内部に設置されている。
【0300】
ユーザー10のそれぞれは、適当な装置を選択して、入力装置52に操作命令とユーザー情報を入力して使用する。図14では、ユーザーAは、交通情報表示装置Aを、ユーザーBは、交通情報表示装置Bを、ユーザーCは、交通情報表示装置Cを利用している。
【0301】
ユーザーA、B、Cのそれぞれは、自己の状況に応じた警告情報12を得ることができる。交通情報表示装置1の処理については、実施の形態1〜5で説明されたのと同様である。
【0302】
このように、サービスセンター51に、複数の交通情報表示装置1が設置されている場合には、保守や整備が容易であるし、多数のユーザー10が一時に利用できるメリットがある。特に、ユーザー10が、道路利用者ではなくて道路管理者である場合には、道路管理にかかわる複数の職員が、サービスセンター51において同時に警告情報12をチェックして、道路の整備や改良などに必要となる情報を得ることができるメリットがある。
【0303】
(実施の形態9)
次に実施の形態9について説明する。
【0304】
ここでは、本発明に係る交通情報表示装置1の提供の形態について説明する。
【0305】
交通情報表示装置1は、専用装置として提供されても良く、汎用のパソコンに組み込まれて提供されても良く、カーナビゲーション装置に組み込まれて提供されても良く、各種装置に組み込むためのアプリケーションソフトとして提供されても良い。
【0306】
アプリケーションソフトとして提供される場合には、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体をはじめとして、ネットワークによる配布などで提供されても良い。
【0307】
また、記憶部2に記憶されている情報は、通信回線を介して、逐次アップデートされることも好適である。
【0308】
また、交通情報表示装置1で得られた警告情報12を、実際の走行において使用されるカーナビゲーション装置に組み込むことも好適である。
【0309】
例えば交通情報表示装置1は、ユーザー10の操作に従い、警告情報12を生成する。このとき、生成された警告情報12は、電子データとしてユーザー10に提供される。例えば、警告情報12を構成する情報(警告であること、警告となる地点の情報、警告の内容、警告の理由など)が、電子ファイルとして出力される。ユーザー10は、この電子ファイルをカーナビゲーション装置に移植して、ユーザー10が実際に自動車を運転する際に使用するカーナビゲーション装置から、走行時に警告情報12が出力される。ユーザー10は、実際の運転中に、ルートを確認するためのカーナビゲーション装置から、警告情報12を得ることができるので、交通事故の可能性を更に低くすることができる。
【0310】
特に、事前に警告情報12を得ていたとしても、実際の走行時には忘れていることもある。このような場合であっても、警告情報12がカーナビゲーション装置に移植されていることで、ユーザー10は、実際の走行時に確実に警告を受け取ることができ、自己の運転に確実に注意喚起を反映できる。
【0311】
なお、本発明の交通情報表示装置1や交通情報表示方法が、カーナビゲーション装置により実現されている場合には、ユーザー10は、事前および走行時の双方において、警告情報12をはじめとした交通情報を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0312】
本発明は、例えば、道路利用者や道路管理者が、事前に道路走行上の問題点を把握するための、交通情報の表示や解析装置などの分野において好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0313】
【図1】本発明の実施の形態1における交通情報表示装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における表示部での表示状態を示す模式図
【図3】本発明の実施の形態1における表示画像の例示図
【図4】本発明の実施の形態1における表示画像の例示図
【図5】本発明の実施の形態1における交通情報表示装置の使用態様を表す説明図
【図6】本発明の実施の形態1における交通情報表示装置の使用態様を表す説明図
【図7】本発明の実施の形態2における表示部の模式図
【図8】本発明の実施の形態4における警告情報の分類を表す説明図
【図9】本発明の実施の形態4における警告情報の分類を表す説明図
【図10】本発明の実施の形態4における警告情報の分類を表す説明図
【図11】本発明の実施の形態5における交通情報表示装置のブロック図
【図12】本発明の実施の形態7における半導体集積回路のブロック図
【図13】本発明の実施の形態8における交通情報表示システムのブロック図
【図14】本発明の実施の形態8における交通情報表示システムのブロック図
【符号の説明】
【0314】
1 交通情報表示装置
2 記憶部
3 表示制御部
4 受付部
5 生成部
6 表示部
7 地図情報
8 車外画像情報
9 挙動情報
11 ユーザー情報
12 警告情報
13 表示画像
20 地図画像
21 車外画像
30 通信回線
40 半導体集積回路
41 制御部
42 出力部
50 ユーザー家庭
51 サービスセンター
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路管理者、車のドライバーや自転車の利用者など、道路を利用する人にとって、事前に道路状況や問題となりうる警告情報を入手できる交通情報表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車にカーナビゲーション装置を装着して、自動車のドライバーの運転を補助することが行われてきている。
【0003】
初期のカーナビゲーション装置は、自動車の走行に合わせて、GPS(Global Positioning System)情報を地図上の座標にあわせて、運転している自己車両の地図上での位置を表示している。
【0004】
近年では、自己車両の地図上での位置表示のみでなく、カーナビゲーション装置は、地図上の店舗情報や渋滞情報なども、提供する。加えて、地図の表示のみでなく、実際の車外風景を表示するカーナビゲーション装置も提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0005】
特許文献1に開示されるカーナビゲーション装置は、DVDなどの大容量メディアに予め記憶された車外風景画像を、自己車両の走行に合わせて表示する。このように、風景画像が表示されることで、ドライバーは、地図だけでは分からない交差点などの状況を、早期に把握できる。
【0006】
特許文献2は、特許文献1と同様であるが、特許文献2に開示されるカーナビゲーション装置は、自己車両の前を走っている車両が撮影した風景画像を表示する。このため、特許文献1と異なり、ドライバーは、自己車両の走行に対してリアルタイム性の高い風景画像を、視認することができる。
【0007】
また、カーナビゲーション装置に表示される風景画像が、予めメディアに記憶されている場合であっても、実際の走行状況にあわせた風景画像が表示される技術も提案されている(例えば特許文献3、4、5参照)
特許文献3、4は、天候毎に記憶された風景画像を、実際の自己車両の走行時の天候に合わせて選択して、カーナビゲーション装置に表示する技術を開示する。特許文献5は、風景画像に車両を含んだ画像を表示するカーナビゲーション装置を開示している。
【0008】
また、カーナビゲーション以外で、免許取得前に使用される運転シミュレーション装置(例えば、特許文献6参照)や、運転時の自動案内装置(例えば、特許文献7参照)も提案されている。特許文献7は、道路交通標識などを読み取って、ナビゲーション装置などに表示し、ドライバーに注意を喚起する技術を開示している。
【特許文献1】特開2001−165678号公報
【特許文献2】特開2005−69922号公報
【特許文献3】特開平11−211486号公報
【特許文献4】特開2006−300572号公報
【特許文献5】特開2006−205971号公報
【特許文献6】特開2003−233298号公報
【特許文献7】特開2004−46875号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の技術には次のような問題点があった。
【0010】
特許文献1から5に開示されるようなカーナビゲーション装置は、実際の自己車両の走行時に、ドライバーに地図や風景の情報を与えるだけである。しかも、実際の走行にあわせてしか、ドライバーは情報を得ることができない。特許文献1や2に開示されるカーナビゲーション装置は、自己車両の走行に合わせた位置に該当する地図と風景画像を表示するだけである。自己車両の走行より若干先の状態を表示することはできても、あくまでもドライバーは、自分の意思で走行する際に、カーナビゲーション装置に表示される地図や風景画像を、運転の補助的な情報として活用できるに過ぎない。特許文献以外に知られる従来のカーナビゲーション装置も同様である。
【0011】
すなわち、特許文献1〜5に開示される技術や従来から知られるカーナビゲーション装置では、道路を利用する利用者が、事前に自己の走行予定ルートを予習する(地図から得られるルート情報、風景画像から得られる周囲情報、および運転における種々の注意や警告情報を事前に確認する)ことはできない。
【0012】
また、特許文献6に開示される運転シミュレーション装置は、練習者が、地図と風景画像を見ながら、運転を模擬的に体験できるだけである。この場合も特許文献1〜5と同様に、道路を利用する利用者が、走行予定ルートの状況や注意点を、事前把握できない問題がある。
【0013】
特許文献7も、走行しながら道路情報を得るだけなので、利用者は道路状況を、事前に把握できない。
【0014】
一方、自動車事故は近年も数多く起こっており、これは走行予定のルートにおける道路状況、周囲状況や走行上の問題点などを事前に知っておくことで回避できたことも多い。例えば、幅員が非常に狭くなる場所や、見通しの悪い交差点あるいは速度が上がりやすくなる坂の先にある急カーブなどは、利用者が事前に把握しておけば、交通事故を抑制する効果があるものと期待される。しかし、従来の技術では、利用者は事前に道路状況や走行上の問題点を把握できず、従来の技術は、交通事故の回避には役立たなかった。
【0015】
従来の技術では、利用者が事前に把握することができず、ドライバーは、実際に運転しながら地図や風景画像を、運転の補助的な情報として活用するだけであった。また、表示される地図や風景画像だけでは、ドライバーは、具体的な走行上の問題点や注意点を認識するのが困難で、認識できるかどうかは、ドライバー自身のスキルに依存していた。
【0016】
すなわち、特許文献1〜5に開示されるようなカーナビゲーション装置は、あくまでも実際の運転時の補助情報を与えるだけであり、利用者に、事前に注意や警告を与えることができない問題がある。
【0017】
あるいは、特許文献6に開示されるような運転シミュレーション装置の場合には、地図や風景が表示されるだけで、走行車両との相対関係に基づく情報を、利用者が事前に得ることはできない。
【0018】
すなわち、従来の技術におけるカーナビゲーション装置や運転シミュレーション装置は、実際の走行時にドライバーに種々の情報を与え、与える情報を拡張させることばかりに注力しており、交通事故回避につながる正確な事前情報の提供という、利用者にもっとも大切な情報を提供することはあまり考慮されていなかった。
【0019】
加えて、道路の設計や状態に依存する交通事故を減少させるため、道路管理者は、道路の問題点を予め知ることが重要である。このためには、道路管理者自身が、全国津々浦々の道路を実際に走行して問題点を抽出するか、多数のドライバーからの聞き取り調査を行う必要があり、これらの作業の物理量は現実的ではない。
【0020】
従来の技術では、道路管理者にとっても、適した情報を提供できていなかった。
【0021】
すなわち、従来の技術におけるカーナビゲーション装置のような、自動車に搭載してドライバーの運転を補助するような装置では、道路利用者が事前に運転上の問題を把握することはできなかった。
【0022】
本発明は、このような運転におけるリアルタイムの補助を行うカーナビゲーション装置などとは異なり、道路利用者が事前に運転上の問題点を把握できる交通情報表示装置に関するものである。
【0023】
そこで本発明は、実際の走行車両の挙動情報、地図情報および車外画像情報を用いて、道路利用者や道路管理者が予め走行上の問題点や注意点を把握できることで、交通事故などを減少させる交通情報表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、道路地図に係る地図情報、道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出す読み出し部と、挙動情報、挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する表示制御部と、ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析する受付部と地図情報、挙動情報、車外画像情報およびユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成する生成部と、表示画像に、警告情報を付加して表示する表示部を備え、表示制御部は、地図画像と車外画像を挙動情報に連動させて表示画像を生成すると共に、地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて表示画像を生成する交通情報表示装置を、提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、道路利用者は、自分が走行予定のルートにおける走行上の問題点や注意点を、事前に適切に把握できる。特に、利用者は、実際の走行車両の挙動、地図情報及び車外画像情報を対応させた警告情報を得ることができるので、非常に精度の高い警告情報を把握した上で、実際の運転を行える。
【0026】
更に、利用者は、利用者の特性に応じた(利用交通手段、利用時間、利用者の性格など)警告情報を得ることができる。この結果、利用者は、得られた警告情報に対して、高い信頼を感じることができ、警告情報の活用度合いが高まる。
【0027】
この結果、道路状況に起因する交通事故などが抑制できる。
【0028】
また、道路管理者は、実際の走行挙動などに応じた、道路の問題点(ルート設計、幅員設計、交差点設計、標識設置など)を、容易に知ることができる。全国津々浦々の問題点を容易に認識できるので、交通事故が起こりにくい道路設計や道路の保守作業が容易且つ確実となる。
【0029】
また、事前に得られた警告情報が、カーナビゲーション装置に移植されることで、ドライバーは、実際の走行時にカーナビゲーション装置から、警告情報をリアルタイムで得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
第1の発明に係る交通情報表示装置は、道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出す読み出し部と、前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する表示制御部と、ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析する受付部と、前記地図情報、前記挙動情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成する生成部と、前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示する表示部を備え、前記表示制御部は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動させて前記表示画像を生成すると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて前記表示画像を生成する。
【0031】
この構成により、道路利用者や道路管理者などのユーザーは、事前に走行上の問題点や注意点を把握できる。ユーザーは、把握した問題点や注意点によって、実際の走行を行うことができる。結果として、交通事故などを抑制できる。
【0032】
第2の発明に係る交通情報表示装置では、第1の発明に加えて、前記読み出し部と接続されると共に、前記地図情報、前記挙動情報および前記車外画像情報を記憶する記憶部を更に備える。
【0033】
この構成により、表示画像および警告情報を生成するのに必要となる各種情報が、読み出しやすくなる。
【0034】
第3の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第2のいずれかの発明に加えて、前記表示部は、前記表示画像において、ユーザーに対する警告を発するべき地図上の位置に対応して、前記警告情報を表示する。
【0035】
この構成により、ユーザーは、走行上の問題となる位置と警告をビジュアル的に把握できる。結果として、警告情報による注意喚起力が高まる。
【0036】
第4の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第3のいずれかの発明に加えて、前記表示部は、前記警告情報に対応する位置を基準として、所定の前後期間のみ、前記車外画像を表示する。
【0037】
この構成により、車外画像の表示量が削減され、ユーザーが表示画像を見る時間を短縮できる。
【0038】
第5の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、前記生成部は、前記挙動情報に含まれる走行車両の走行状態と、前記地図情報に含まれる道路状態とを比較して、前記警告情報を生成する。
【0039】
この構成により、地図上の情報といった想定的な注意点のみでなく、実際に車両が走行した際の挙動に基づいて、警告情報を生成できる。結果として、警告情報の生成における精度を向上できる。
【0040】
第6の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、前記生成部は、前記挙動情報に含まれる走行車両の走行状態と、前記車外画像情報に含まれる車外状態とを比較して、前記警告情報を生成する。
【0041】
この構成により、車外画像から得られる想定的な注意点のみでなく、実際に車両が走行した際の挙動に基づいて、警告情報を生成できる。結果として、警告情報の生成における精度を向上できる。
【0042】
第7の発明に係る交通情報表示装置では、第5から第6のいずれかの発明に加えて、前記走行状態は、前記走行車両の速度、加速度、角速度、停車間隔および車線変更の少なくとも一つを含む。
【0043】
この構成により、実際の走行車両の挙動を、警告情報の生成に反映できる。
【0044】
第8の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、前記生成部は、前記ユーザー情報に基づいて前記警告情報を分類し、前記表示部は、前記警告手段を分類して表示する。
【0045】
第9の発明に係る交通情報表示装置では、第8の発明に加えて、前記ユーザー情報は、ユーザーの利用交通手段、ユーザーの利用時間帯およびユーザーの人的情報の少なくとも一つを含む。
【0046】
これらの構成により、ユーザーに応じた警告情報とできるので、警告情報の信頼性を向上できる。
【0047】
第10の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第9のいずれかの発明に加えて、前記挙動情報は、テスト走行車両により得られたテストデータを、確認車両走行により得られた確認データにより修正することで得られる。
【0048】
この構成により、挙動情報の信頼性を向上できる。
【0049】
第11の発明に係る交通情報表示装置では、第1から第10のいずれかの発明に加えて、前記記憶部は、通信回線により外部と接続され、前記地図情報、前記挙動情報および前記車外画像情報の少なくとも一つは、前記通信回線を介して、アップデートされる。
【0050】
この構成により、各種情報が、常に最新のものに保たれる。
【0051】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0052】
(実施の形態1)
図1〜図6を用いて実施の形態1について説明する。
【0053】
図1は、本発明の実施の形態1における交通情報表示装置のブロック図である。
【0054】
(全体概要)
まず、交通情報表示装置1の全体概要について説明する。
【0055】
交通情報表示装置1は、読み出し部15、表示制御部3と、受け付け部4と、生成部5と表示部6を備える。また、必要に応じて、交通情報表示装置1の一部や全体(あるいは、交通情報表示装置1と接続される他の装置)を制御する制御部(中央演算処理装置(以下、「CPU(Central Processor Unit)」という)が用いられることが多い)が備えられてもよい。加えて、読み出し部15が読み出す情報を記憶する記憶部2が、通信回線などを介して、あるいは直接的に交通情報表示装置1に接続されていてもよい。この場合、記憶部2は、交通情報表示装置1の機能を実現する上で使用されるが、実際に設置される装置を構成するのに必須の構成要素ではなくても良い。要は、後述する地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を記憶する記憶部2が、読み出し部15を介して、交通情報表示装置1と接続されていればよく、記憶部2の物理的な位置や構成状態は、いかなる状態でも良い。このため、記憶部2は、実際に設置された交通情報表示装置1と、物理的に離れた場所(サービス事業者のサービスセンターなどに)に設置されても良い。
【0056】
記憶部2は、道路地図に係る地図情報7、道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報9、走行車両の走行に従った車外画像情報8を記憶する。表示制御部3は、挙動情報9と、挙動情報9に含まれる座標情報に基づいて連動する地図画像および挙動情報9に含まれる時刻情報に基づいて連動する車外画像の少なくとも一つを(あるいは全てを)表示する表示画像13を生成する。受付部4は、ユーザー10からの情報を受け付けて、ユーザー情報11を分析して、生成部5に出力する。
【0057】
生成部5は、記憶部2から取り出される地図情報7、挙動情報9、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、ユーザー10に対する警告である警告情報12を生成する。表示部6は、表示画像13に警告情報12を付加して表示する。
【0058】
すなわち、ユーザー10は、液晶画面、CRT画面などの画面を有する表示部6において、自分が計画している走行ルートにおける種々の情報と走行上の問題となる警告情報を同時に把握できる。
【0059】
また、警告情報12は、実際のテスト車両が走行した結果得られる実際の走行車両の挙動情報9に、地図情報7や車外画像情報8を関連付けて生成されるので、非常に高い精度と活用度を有している。
【0060】
このため、実施の形態1における交通情報表示装置1により、ユーザー10は、予め把握できた警告情報を基に走行できるので、安全な走行ができる。
【0061】
次に、各部の詳細について説明する。
【0062】
(記憶部)
記憶部2は、道路地図に係る地図情報7、道路に沿って走行した走行車両の挙動情報9および走行車両の走行に従った車外画像情報8を記憶する。また、これら以外についても、必要に応じて、生成部5、制御部などが必要とする種々の情報、プログラムやデータを記憶する。
【0063】
記憶部は、ROMやRAMなどの半導体メモリから構成されても良いが、地図情報7や車外画像情報8は、そのデータ量が非常に大きなものとなるため、DVDやBlue−Lay Diskなどの大容量メディア、あるいはハードディスクドライブ(以下、「HDD(Hard Disk Drive)」という)などの、大容量の記憶メディアで構成されることが好適である。
【0064】
また、記憶部2は、交通情報表示装置1と一体(装置が筐体で構築される場合には、筐体内部に)で構成されても良いが、地図情報7など種々の情報やプログラムを記憶するので、データの更新などにフレキシブルに対応できるように、交通情報表示装置1と別に構成されても良い。例えば、記憶部2は、交通情報表示装置1と通信回線で接続された別の場所に設置されていてもよい。例えば、記憶部2以外の要素は、ユーザー10の集合できる場所やユーザー10の自宅に設置されており、インターネット回線などを介して、自宅などに設置されている交通情報表示装置1が、サービス事業者のサービスセンターに設置されている記憶部2から、必要な情報を読み出す構成であっても良い。
【0065】
また、各情報のアップデートや入れ替えなどのやりやすさ、複数の情報を関連付けて表示画像13を生成する際の容易性を考慮して、地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9のそれぞれは、記憶部2の中で異なる記憶領域に記憶されることが好ましい。例えば、記憶部2が、複数のDVDメディアから構成される場合には、地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9のそれぞれが、異なるDVDに記憶されてもよい。
【0066】
なお、記憶部2に記憶されている地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9は、通信回線により外部と接続され、これらの情報が、外部から(例えば、外部に設けられたサーバなどから)アップデートされることも好適である。
【0067】
(地図情報)
地図情報7は、市販の電子地図の電子データが用いられればよい。
【0068】
地図情報7は、道路や周辺建物の情報を座標情報に基づいて有している。例えば、地図情報7は、道路の名称、道路の車線数、道路の幅員、交差点の数、交差点の構成、道路のカーブの曲率、道路の勾配率、沿道の施設、道路の距離、道路毎の交通標記や交通標識に関する情報を、電子データとして有している。当然ながら、地図情報7は、2次元、3次元として地図を表示できるのに必要な電子データも有している。
【0069】
地図情報7は、市販の電子地図が更新されるのにあわせて、更新されればよい。
【0070】
(車外画像情報)
車外画像情報8は、実際に道路をテスト走行した走行車両(なお、挙動情報9を得るためにテスト走行した走行車両を特にテスト走行車両と呼ぶこともある)に備えられたビデオカメラで撮影された画像データが使用されればよい。
【0071】
このとき、テスト走行車両の前方のみならず、両側にもビデオカメラが備え付けられ、車外の多くの状況が撮影され、使い勝手の良い車外画像情報8が作られることも好適である。
【0072】
また、交差点や建物などの特定地点の画像については、テスト走行車両から撮影されるだけでなく、撮影者によって特定地点の周辺を十分に撮影されることも好ましい。走行上の注意点を検出するには、テスト走行車両から見ただけの画像では不十分な場合もあるからである。
【0073】
車外画像情報8は、テスト走行車両での撮影により生成されるが、部分的に、市販されている画像データが使用されても良い。また、可能な範囲において、車外画像情報8は、季節、天候などのバリエーションに対応した車外画像データを含んでいることも好適である。ユーザー10の要望に応じた、車外画像の表示が実現されるからである。
【0074】
(挙動情報)
地図情報7および車外画像情報8のコンセプトは、従来技術のカーナビゲーション装置や運転シミュレーターにおいても利用されてきたが、本発明の交通情報表示装置1は、実際に道路を走行したテスト走行車両から得られた、挙動情報9を活用することに特徴を有している。
【0075】
挙動情報9は、GPS(Grobal Positioning System)を付けたテスト走行車両の走行により得られる。
【0076】
この結果、挙動情報9は、テスト走行車両の走行に従った座標情報、時刻情報を含んでいる。
【0077】
加えて、テスト走行車両は、速度計やジャイロセンサーを備えているので、挙動情報9は、これらの機器から得られる速度、加速度、角速度、停車間隔および車線変更の少なくとも一つを含んでいる。
【0078】
すなわち、挙動情報9は、実際に道路上を走行したテスト走行車両から収集される、非常に多くの情報を含んでいる。この結果、後述するユーザー10への警告情報12は、実際の走行に基づく結果であるので、信頼性の高い警告情報となる。
【0079】
(読み出し部)
読み出し部15は、記憶部2に記憶されている種々の情報を読み出して、表示制御部3および生成部5に情報を伝送する。記憶部2が、通信回線により離れた場所にある場合であっても、読み出し命令を与えることで、記憶されている情報を読み出す。
【0080】
読み出し部15は、生成部5や表示制御部3の中に一体に設けられても良い。
【0081】
(表示制御部)
次に、表示制御部3について説明する。
【0082】
表示制御部3は、読み出された地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9を用いて、表示画像13を生成する。
【0083】
表示制御部3は、挙動情報9に含まれる座標情報に地図情報7を連動させて、仮想的な走行車両の移動に対応させて地図画像を生成する。同様に、表示制御部3は、挙動情報9に含まれる時刻情報に車外画像情報8を連動させて、仮想的な走行車両の移動に対応させて車外画像を生成する。更に、表示制御部3は、挙動情報9を整理して表示画像13に組み込む。
【0084】
このようにして、表示制御部3は、挙動情報9、地図画像および車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像13を生成する。特に、表示制御部3は、挙動情報9、地図画像および車外画像の全てを、仮想的な走行車両の移動に連動させて表示させることが好ましい。このように、挙動情報9と地図画像と車外画像の全てが連動されて表示されることで、ユーザー10は、表示部6に表示される表示画像13を見るだけで、自己の想定する走行ルートの状況を、視覚的かつ知覚的に、幅広く把握できる。
【0085】
なお、表示画像13は、挙動情報9、地図画像および車外画像のそれぞれが、同一画面上でどのように配置されて表示されても良い。
【0086】
なお、表示制御部3は、挙動情報9、地図画像および車外画像を連動させるだけでなく、表示部6での表示にあわせて、表示サイズや表示色などを制御することも好適である。
【0087】
(受付部)
次に、受付部4について説明する。
【0088】
ユーザー10は、交通情報表示装置1を利用するに当たって、種々の要求を入力する。例えば、ユーザー10の想定する予定ルート、走行予定時間、利用交通手段などを、ユーザー10は、交通情報表示装置1の利用に際して入力する(すなわち、これらの情報を、交通情報表示装置1に与える)。
【0089】
受付部4は、これらのユーザー10から与えられた情報を受け付けて、どのような情報であるかを分析する。分析されて整理されたユーザー情報11は、生成部5に出力される。ユーザー情報11は、生成部5において、警告情報12を生成する際に利用される。例えば、ユーザー10の予定する走行ルートに従って警告情報12を生成したり、ユーザー10の利用交通手段が自転車であれば、自転車に応じた警告情報12を生成したりする。
【0090】
あるいは、ユーザーの年齢が高齢者であれば、生成部5は、警告とする判断基準を高めて、警告情報12を多めに生成する。
【0091】
なお、受付部4は、実際には交通情報表示装置1に設けられたタッチパネルやキーボードで構成されればよい。
【0092】
なお、ユーザー10は、道路を利用する道路利用者、および道路を管理する道路管理者を含む。
【0093】
(生成部5)
生成部5は、地図情報7、挙動情報9、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、ユーザー10に対する警告情報12を生成する。例えば、生成部5は、地図情報7と挙動情報9を関連付けて、警告情報12を生成する。もしくは、生成部5は、車外画像情報8と挙動情報9を関連付けて、警告情報12を生成する。なお、生成部5は、警告情報12の生成においては、地図情報7や挙動情報9から得られる情報を整理して、所定の基準に従って、ユーザー10に対して警告とすべきかどうかを判断し、その上で警告情報12を生成する。
【0094】
ここで、警告情報12とは、ユーザー10が実際に道路を走行(自動車、自転車、歩行の別なく)する際に、交通事故などの可能性に対して注意すべき情報である。また、警告情報12は、地図上のある地点における通行上の注意に基づくので、表示部6では、地図画像の対応する地点において表示されることが好ましい。
【0095】
例えば、生成部5は、地図情報7から得られる道路の幅員が狭くなるとの位置情報と、その位置におけるテスト走行車両の加速度が高まっている挙動情報9をあわせて、自動車のスピードが出やすいにも係らず、道路の幅員が狭く交通事故の可能性が高いとして、この位置を警告対象と判断し、警告情報12を生成する。
【0096】
あるいは、生成部5は、地図情報7からある地点に交差点が存在する場合に、この交差点についての画像を、車外画像情報8から検出して比較して、信号が見にくい位置にあったり、左折車などが死角になったりしやすいなどの状況が検出されれば、この交差点を警告対象として判断し、警告情報12を生成する。
【0097】
また、生成部5は、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9のみならず、ユーザー10より入力されたユーザー情報11も関連付けて、警告情報12を生成する。例えば、実際に交通事故などの問題がありそうな地点においても、生成部5は、ユーザー10が若者であれば交通事故の可能性が低いので警告対象とはせず、ユーザー10が老人の場合には交通事故の可能性があるので警告対象とする。
【0098】
以上のように、生成部5は、ユーザー10が実際に走行する場合に、交通事故を引き起こす可能性のある地点について、ユーザー10に注意を喚起するために、警告情報12を生成する。また、ユーザー10にとっての注意ということは、道路を管理する道路管理者にとっても、喚起されるべき注意であり、生成部5は、道路利用者だけでなく道路管理者も含めたユーザー10に対する警告情報12を生成する。また、これらの警告情報12は、地図情報7や車外画像情報8などの仮想的な情報にのみ基づいているのではなく、道路上を実際に走行したテスト走行車両の挙動情報9(速度、加速度など)にも基づいているので、警告として判断される精度や信頼性が高い。
【0099】
生成部5によって、ユーザー10は、走行を予定している道路での注意を事前に把握でき、自己の走行に役立てることができる。また、道路管理者は、問題となる地点を把握できるので、道路整備などに役立てることができる。これらの結果、交通事故の抑制が期待できる。
【0100】
(表示部6)
次に、表示部6について説明する。
【0101】
表示部6は、表示画像13に警告情報12を付加して表示する。
【0102】
表示部6は、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイやプラズマパネルディスプレイなど、画像を表示できるデバイスにより構成される。勿論、表示部6は、実際の画像表示に必要となる処理を行う機能も含んでいる。加えて、必要に応じて、表示部6は、音声も出力する。
【0103】
表示部6は、表示制御部3が生成した、地図画像と車外画像を、挙動情報9により連動させると共に、地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させた表示画像13を、まず表示し、この表示画像13に重ねて(Picture On Pictureなどの技術を用いる)警告情報12を表示する。あるいは、表示部6は、表示画像13と警告情報12を合成した画像データを生成し、この合成した画像データを表示しても良い。
【0104】
ここで、表示部6の基本的な役割は画像の表示であって、表示される画像の合成や重ね合わせなどの画像そのものの制御については、表示部6が行っても良く、表示制御部3が行っても良く、特段限定されるものではない。
【0105】
図2は、本発明の実施の形態1における表示部での表示状態を示す模式図である。
【0106】
図2に示されるように、表示部6には、地図画像20、車外画像21、挙動情報22が表示され、警告としてユーザー10に注意を喚起すべき地点24に、警告情報12に対応する警告表示23が、地図画像20に重ね合わせて表示される。
【0107】
また、車外画像21は、地図画像20と連動しており、警告表示23に対応する地点24の車外風景を表示している。ここでは、道の一方の側が壁のようになっており、他方の側は崖となっている上に、ガードレールなどの保護がない。加えて地図画像20から明らかな通り、この地点24は、急なコーナーになっている。このため、生成部5は、この地点24を、交通事故などの可能性がある警告対象として判断し、警告情報12を生成している。結果として、表示部6は、地図画像20におけるこの地点24に、警告情報12に対応する警告表示23を表示しているのである。
【0108】
図2に示される表示部6に表示される最終画像では、生成部5が、地図情報7と車外画像情報8を関連付けて、警告情報12を生成していることになる。
【0109】
次に、図3、図4に、発明者が設計した試作機による表示画像の例を示す。図3、図4は、本発明の実施の形態1における表示画像の例示図である。
【0110】
図3、図4から明らかな通り、表示部6には、地図画像、車外画像、挙動情報9が、適宜組み合わされて表示されている。
【0111】
(使用態様)
次に、図5、図6を用いて、交通情報表示装置1の具体的な使用態様について説明する。
【0112】
図5、図6は、本発明の実施の形態1における交通情報表示装置の使用態様を表す説明図である。
【0113】
図5に示される使用態様は、交通情報表示装置1を利用するユーザー10が、自宅で利用する態様である。ユーザー10の家庭に、交通情報表示装置1が設置されている。ここで、図5から明らかなように、交通情報表示装置1は、専用の装置でもよく、汎用のパソコンに、交通情報表示装置1の機能を実現するアプリケーションプログラムがインストールされてもよい。
【0114】
また、家庭に設置された交通情報表示装置1は、通信回線30によって、記憶部2と接続されている。記憶部2は、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を記憶している。また、記憶部2は、交通情報表示装置1に必要なプログラムをアップデートするための、プログラムやパッチも記憶している。
【0115】
また、記憶部2は、例えば交通情報を提供するサービス業者のサービスセンターなどに設置されている。記憶部2は、ハードディスクなどにより実現されても良いし、サービスセンターに設置されているサーバにより実現されても良い。
【0116】
このような図5に示される使用態様であれば、ユーザー10は、自分の家庭にいながら、事前に運転上の注意を把握することができる。
【0117】
次に、図6を用いて、別の使用態様について説明する。
【0118】
図6に示される使用態様は、交通情報を提供するサービス業者のサービスセンターに、利用者のための(道路管理者を含む)複数の交通情報表示装置1が設置されており、利用者は、サービスセンターを訪問して、情報を得る。サービスセンターとして考えられるのは、例えば高速道路のサービスエリア、街中のサービスステーション、自動車販売店などである。
【0119】
サービスセンターでは、交通情報表示装置1が、複数台設置されており、それぞれの交通情報表示装置1は、記憶部2と接続されている。なお、記憶部2は、図6に示されるように、サービスセンターの内部に設置されていても良く、更に別のベースステーションなどに、複数のサービスセンターを束ねる形態で、記憶部2が設置されても良い。
【0120】
すなわち、記憶部2は、サービスの利用や提供に応じて、最適な形態で設置されればよい。例えば、交通情報表示装置1が、家庭とサービスセンターと様々な場所にあることも想定され、この場合には、集合的なベースステーションに、共通の記憶部2が設置されていれば、統一的なサービスの提供が可能であると共に、記憶部2の記憶内容のアップデートが共通的に行われる。
【0121】
あるいは、交通情報表示装置1が設置されているグループ毎に記憶部2が個別に設置されても良い。
【0122】
図6に示されるように、ユーザーは、サービスセンターを訪問し、設置されている複数の交通情報表示装置を、利用する。ここでは、ユーザーAは、交通情報表示装置Aを利用し、ユーザーBは、交通情報表示装置Bを利用し、ユーザーCは、交通情報表示装置Cを利用する。それぞれのユーザーA〜Cは、交通情報表示装置A〜Cに、ユーザー情報を入力し、交通情報表示装置A〜Cのそれぞれから警告情報12を受け取り、ユーザーA〜Cは、自己の予定しているルートにおける運転上の注意点を把握できる。
【0123】
サービスセンターに集合的に交通情報表示装置1が設置されていることで、ユーザーは、アドバイザーのアドバイスを受けたりしながら、簡単に作業ができる。
【0124】
なお、交通情報表示装置1の機能を実現するアプリケーションプログラムとは、CPUが、ROMやRAMに一時記憶されている命令セットに従い、次の処理を実行するプログラムである。
【0125】
まず、プログラムは、記憶部2から地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を読み出す。
【0126】
次いで、プログラムは、挙動情報と、挙動情報に含まれる座標上に連動する地図画像および挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する。
【0127】
更に、プログラムは、ユーザー10からの情報を受け付けて、ユーザー情報を分析する。
【0128】
次に、プログラムは、挙動情報9、地図情報7、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、ユーザー10に対する警告情報12を生成する。
【0129】
プログラムは、表示画像13に警告情報12を付加して表示する。このとき、プログラムは、地図画像と車外画像を、挙動情報に連動させて表示させつつ、地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて、表示画像13を表示する。
【0130】
以上のように、実施の形態1における交通情報表示装置1によれば、道路管理者や道路利用者は、実際に走行したテスト走行車両の挙動を基準に、地図情報7と車外画像情報8を活用した、走行上の注意点としての警告情報12を得ることができる。
【0131】
結果として、道路利用者は、事前に走行上の問題点を把握できるので、交通事故の抑制につながる。また、トラブルも減少する。
【0132】
加えて、道路管理者は、交通事故などが起き易い問題地点を把握できるので、道路の保守整備を効率的に行え、やはり交通事故の抑制を期待できる。
【0133】
なお、警告情報12は、ユーザー10に対して単に注意を喚起させる「警告」を示すだけでなく、どのような危険があるのか(スピードが出やすい、歩行者との接触事故の可能性が高いなど)、どのような注意を行うべきか(減速する、車間距離をあける、路肩によらないなど)を、具体的に指摘する情報を示しても良い。
【0134】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。
【0135】
実施の形態2における交通情報表示装置1は、ユーザー10が、ルート上の問題点を把握するための作業時間を短縮する機能を有する。
【0136】
交通情報表示装置1は、カーナビゲーション装置と異なり、実際の車両の走行にリアルタイムに合わせて情報を表示させるものではない。ユーザー10にとっては、事前の情報把握が目的であるから、情報の表示に要する時間が短いことはメリットが高いすなわち、実際の走行車両が2時間かけて走行するルートについての、事前情報を得たい場合に、ユーザー10は、2時間かけて、地図や車外画像を見る必要はない。警告情報12をはじめとする、注意点を事前把握するのがユーザー10にとっての目的であるから、ユーザー10は、不要な部分は省略して、表示画像13を見たい。
【0137】
このため、表示部6は、警告情報12に対応する位置を基準として、所定の前後期間のみ、車外画像を表示する。すなわち、地図画像の表示は、仮想的な走行車両の移動にあわせて地図の画面が変化するが、これは、仮想的な走行車両の移動を、高速にすれば地図画像の変化は、高速に行われる。このため、実際には2時間のルートであっても、地図画像を2時間よりもずっと短い時間で更新して表示することは容易である。これに対して車外画像は、高速なコマ送りで表示時間を短縮できるが、あまりにコマ送りを早くすると、ユーザー10にとって見にくい画像となってしまう。
【0138】
これを防止するために、表示部6は、警告情報12を発するべき地点の前後期間に対応する部分のみ、車外画像を更新させて表示する。これにより、車外画像を表示する時間が削減され、ユーザー10が見なければならない表示画像の表示時間が短縮される。
【0139】
図7は、本発明の実施の形態2における表示部の模式図である。図7に示されるとおり、表示部6には、地図画像20、車外画像21、挙動情報22の3つが同一画面上に表示される。地図画像20では、仮想的な走行車両のスピードを上げることで、画像更新を早くできる。このとき、表示部6の右上に表示される車外画像21は、警告表示23に対応する地点24の前後期間25のみにおいて表示される。この結果、車外画像21が表示される時間は非常に短縮され、ユーザー10は、短い時間で必要な情報を得ることができる。
【0140】
なお、表示時間を短縮するか否かは、ユーザー10の所望によって定められれば良いので、ユーザー10の要求に従って、通常表示と短縮表示が切り替えられればよい。
【0141】
また、表示時間が短縮される場合も、どの程度まで短縮されるべきかは、ユーザー10の与える設定により定められれば良い例えば、ユーザー10は、短縮率を与えたり、表示箇所の限定を与えたりする。
【0142】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。
【0143】
実施の形態3では、生成部5による、具体的な警告情報12の生成について説明する。
【0144】
生成部5は、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、警告情報12を生成する。このとき、警告情報12は、図2に示されるように、表示画像13に含まれる地図画像の対応する地点に表示されれば良く、「警告」との視覚的表示だけでなく、音声による表示が用いられてもよい。また、「警告」に対応する具体的な内容や指摘も含めて表示されても良い。例えば、「警告」ということに加えて、「スピードを減速すべき」との指摘も加えて表示される。
【0145】
(表1)を用いて警告情報12の具体的な生成の例について、説明する。(表1)は、本発明の実施の形態3における警告情報の生成例を示す。
【0146】
【表1】
【0147】
(表1)においては、警告情報12の生成例が、例1から例9まで記載されている。いずれの例においても、地図情報7(表中では、「地図」と表記)、車外画像情報8(表中では、「画像」と表記)、挙動情報9(表中では、「挙動」と表記)、ユーザー情報11(表中では、「ユーザー情報」と表記)の内、少なくとも2つの情報を関連付けて、警告情報12が生成されている。
【0148】
以下、例1から例9について順に説明する。なお、(表1)は例であって、警告情報12の生成がこれらに限られるものではない。
【0149】
(例1)
例1では、地図情報7から得られる「平面曲線半径(カーブの曲率)」、「縦断勾配(坂の勾配)」と、車外画像情報8から得られる「見通し」とを関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0150】
警告情報12は、車外画像情報8から得られた「見通しの悪さ」と地図情報7から得られた「勾配加速の危険性」を合わせて、自損事故、衝突事故および歩行者や自転車との遭遇事故の可能性を基準に生成されている。警告情報12は、自動車ユーザーに対して「見通し悪く、減速の指摘」を行い、歩行者、自転車に対して「車両への注意」を指摘している。すなわち、地図情報7からは道路がカーブであることが分かるのに加えて、車外画像情報8からそのカーブの見通しが悪い(地図だけでは、見通しまでは分からない)こともわかるので、生成部5は、この地点を警告情報12の対象と判断できる。
【0151】
地図に示される道路構成のみからでは、実際の見通しを無視した警告となるので、警告情報12の信頼性が低いが、例1のように地図情報7と車外画像情報8の両方から生成されることで、警告情報12の信頼性が高まる。
【0152】
(例2)
例2では、地図情報から得られる「平面曲線半径」と、挙動情報から得られる「速度、水平加速度(所謂横G)」とを関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0153】
生成部5は、「曲線半径が小さい」との情報と「横Gが小さい」との情報から、この地点を、急カーブであって減速量が大きい(十分な減速を必要とすることを示している)ので、十分に減速をしないと曲がりきれない地点であるとして判断する。このため、生成部5は、「曲線半径が小さく、且つ横Gが小さい」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。このとき、警告情報12は、「急カーブでの十分な減速が必要である」との指摘を行う。
【0154】
一方、生成部5は、「曲線半径が小さい」との情報と「横Gが大きい」との情報から、この地点を、急カーブであるが速い速度(横Gが大きいままなので)でも曲がりきれる地点であるとして判断する。このため、生成部5は、「曲線半径が小さく、且つ横Gが大きい」との情報を得た場合には、この地点については、警告情報12を生成しない。すなわち、生成部5は、この地点を警告の対象としない。
【0155】
すなわち、地図情報7から急カーブであることが分かるのに加えて、実際にテスト走行したテスト走行車両の挙動情報9から減速の必要性もわかるので、生成部5は、高い信頼度で、警告情報12を生成できる。
【0156】
(例3)
例3では、地図情報7から得られる「歩道の状況(歩道の有無、幅員)」と、車外画像情報8から得られる「歩車分離設備の有無」と、挙動情報9から得られる「速度」とを関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0157】
生成部5は、「歩道なし/歩道狭い区間」との情報に、「走行車両の速度が速い」との情報を関連付けて、この地点を、歩行者にとって危険な地点であると判断する。このため、生成部5は、「歩道なし/歩道が狭い区間であって、走行車両の速度が速い」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。このとき、この警告情報12は、歩行者への歩行上の注意(対向車両や通過車両への注意)として生成される。
【0158】
一方、生成部5は、「歩道なし/歩道狭い区間」との情報に、「走行車両の速度が遅い」との情報を関連付けて、この地点を、自動車にとって走りにくい地点であると判断する。路肩や道路にはみ出る歩行者のために、走行車両は、速度を減速させたと考えられ、自動車にとっては走りにくい区間であると考えられるからである。このため、生成部5は、歩道なし/歩道狭い区間で走行車両の速度が遅い」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。このとき、この警告情報12は、自動車ユーザーへの注意(歩行者への注意を十分に払うこと)として生成される。
【0159】
このように、例3では、地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9の全てを関連付けて、信頼度の高い警告情報12を生成する。
【0160】
(例4)
例4では、地図情報7から得られる「車線数」、車外画像情報8から得られる「路肩状況」および挙動情報9から得られる「前後加速度、速度」を関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0161】
生成部5は、これらの情報から「車線数が減少もしくは路肩幅員が減少する箇所で、減速がたびたび生じている」ことを認識し、この地点を、自動車にとって早めの減速が必要である地点であるとして判断する。このため、生成部5は、「車線数が減少もしくは路肩幅員が減少する箇所で、減速がたびたび生じている」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。
【0162】
このとき、警告情報12は、自動車ユーザーに対して「早めの減速を行うこと」を指摘する。
【0163】
このように、道路状況とテスト走行車両の実際の走行上での挙動を合わせることで、信頼性の高い警告情報12が生成できる。
【0164】
(例5)
例5では、地図情報7から得られる「過去の事故発生箇所」との情報と、車外画像情報8から得られる「見通し」情報とおよび挙動情報9から得られる「速度、加速度」情報を関連付けて、警告情報12を生成する。
【0165】
生成部5は、これらの情報から「車両の速度変化と見通しの変化の激しさから事故が生じやすい」ことを認識し、この地点を、交通事故の起き易い地点であると判断する。このため、生成部5は、「車両の速度変化と見通しの変化が激しい」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。このとき、警告情報12は、自動車ユーザーに対しては、加速や減速を緩めるよう指摘し、道路管理者に対しては、速度制限や交差点設計の見直しを指摘する。なお、過去の事故発生箇所については、地図情報7のみから分かるが、これだけでは、単に事故がおきただけなのか、事故が起き易い道路状態であるのかは分からない。このため、道路利用者や道路管理者に対する警告としては、適切であるか不適切であるかの判断が付かない。しかし例5のように、生成部5は、車外画像情報8と挙動情報9も含めて警告を判断することで、道路利用者や道路管理者に対して適切であると共に信頼性の高い警告情報12を生成できる。
【0166】
(例6)
例6では、地図情報7から得られる「道路幅員、異常気象時通行止め区間」との情報と、車外画像情報8から得られる「車道状況、路肩状況」の情報とを関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0167】
生成部5は、「降雨時通行止めとなる道路であって、車線や幅員が少ない」との情報から、この地点を、通行止め時に車両の退避が困難である地点であるとして判断する。このため、生成部5は、「降雨時通行止めとなる道路であって、車線や幅員が少ない」との情報を得た場合には、この地点について警告情報12を生成する。なお、このとき警告情報12は、自動車ユーザーに対しては、車両サイズによって進入禁止とすべき指摘や推奨される迂回路について指摘する。同様に、警告情報12は、道路管理者に対しては、道路標識の見直しを指摘する。
【0168】
例6のように、地図情報7に車外画像情報8を関連付けることで、道路管理者に対して標識設計の見直しの機会を与えたり、異常気象時におけるシビアな事故や災害を防止したりできる警告情報12が生成できる。
【0169】
(例7)
例7では、地図情報7から得られる「距離、観光スポット」の情報と、車外画像情報8から得られる「走行景観」の情報と、挙動情報9から得られる「移動時間、速度」の情報およびユーザー情報11から得られる「ドライバーの嗜好性」を関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。なお、例7での警告情報12は、交通事故などの可能性に対する注意的なものではなく、道路利用者の便益に供するものである。
【0170】
生成部5は、これらの情報からドライバーの嗜好に合わせたルートを推奨する警告情報12を生成する。
【0171】
このように、本発明の交通情報表示装置1は、交通事故などネガティブな点での警告だけでなく、道路利用者の便益に役立つポジティブな情報も表示できる。
【0172】
(例8)
例8では、地図情報7から得られる「渋滞ポイント」の情報と、車外画像情報8から得られる「交差点状況」の情報および挙動情報9から得られる「移動軌跡、停車間隔」の情報を関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。
【0173】
生成部5は、交差点での停車間隔から渋滞原因を検出する。車外画像情報8から「右折車による道路の閉塞」や「信号変化間隔が短すぎる」ことが、渋滞原因であると判断される。生成部5は、この判断に基づき、この地点を、右折車によって渋滞や交通事故が引き起こされる可能性がある地点であるとして判断する。このため、生成部5は、この地点について警告情報12を生成する。なお、このとき警告情報12は、自動車ユーザーに対しては「右折車に対する対向事故などへの注意」を指摘し、道路管理者に対しては、車線設計、信号設計の見直しを指摘する。
【0174】
このように、地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9の全てを関連付けることにより、渋滞の原因や渋滞の結果生じる事故などについての、信頼度の高い予測を得ることができる。しかも、実際の場所に行かなくても、交通情報表示装置1を利用するだけでわかるので、道路の保守などに携わる道路管理者は、少ない手間で道路の設計見直しなどの情報を得ることができ、結果的に、交通事故の生じにくい道路整備が促進される。
【0175】
(例9)
例9では、地図情報7から得られる「地形、側道の幅員・構造」の情報と、車外画像情報8から得られる「現地周辺状況」の情報および挙動情報9から得られる「実移動時間」の情報を関連付けて、生成部5は、警告情報12を生成する。ここでの警告情報12は、予定されている走行ルートの、実際の所要時間の情報を含む。
【0176】
通常のカーナビゲーション装置は、地図情報に含まれる走行ルートの距離と法定速度から所要時間を算出して、ユーザーに通知する。しかし、法定速度が50Km/時であるが、道路が狭くて速度を落とさざるを得なかったり、見通しの悪い道路が多く、法定速度を維持するのが難しかったりすることも多い。ドライバーは、このように走行速度が下がってしまったにも係らず、理想状態で計算された予定所要時間を知っていると、この所要時間を満足するために、無理なスピード違反をしたりする危険性がある。
【0177】
例9においては、交通情報表示装置1は、地図情報7のみでなく、車外画像情報8から得られる周辺状況(見通しや特殊な地形など)および挙動情報9から得られるテスト走行したテスト走行車両の実移動時間も加味して、警告情報12としての実所要時間が通知される。このため、ドライバーは、実際の走行において、予定外の変化に見舞われても、事前にこれらの点を把握済みなので、慌てることなく運転を継続できる。このため、所要時間という警告情報12は、結果的に交通事故を低減させる情報となりうる。
【0178】
このとき、警告情報12は、自動車ユーザーに対しては、実時間の情報通知を行い、道路管理者に対しては、道路設計、交通標識設計の見直しを指摘し、公的機関(消防など)に対しては、災害救助時の移動時間の正確な見積もりを通知する。
【0179】
以上のように、生成部5は、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、道路利用者および道路管理者にとって、信頼性の高い警告情報12を生成する。この結果、道路利用者および道路管理者は、事前に走行上の注意点を把握できるので、交通事故が抑制される。
【0180】
なお、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9の数や内容の増加などにより、生成部5での警告情報12の生成精度が向上する。例えば、挙動情報9が増加することで、自動車の速度を落とすべきであるという警告情報12の生成箇所がより厳選されたり、車外画像情報8が増加することで、見通しの悪い交差点で注意すべきであるという警告情報12が増えたりする。結果として、警告情報12の生成の精度や信頼性が向上する。
【0181】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について説明する。
【0182】
実施の形態4では、ユーザー情報11により、警告情報12が分類される機能について説明する。
【0183】
生成部5は、挙動情報9に、地図情報7や車外画像情報8を関連付けて(あるいは地図情報7と車外画像情報8だけを関連付けて)警告情報12を生成する。実施の形態1で説明したように、例えば、道路の車線が1車線であるとの情報を地図情報7から得て、走行車両が車線変更を頻繁に繰り返している情報を挙動情報9から得た生成部5は、道路が狭いので、センターラインを超えた追い越しをしがちであるとの状態を判断し、判断の結果、警告情報12を生成する。
【0184】
しかしながら、この警告情報12が、ユーザー10を区別することなく、表示されてしまう必要はない。例えば、ユーザー10の利用交通手段が二輪車(オートバイや自転車)の場合には、追い越しの際に車線変更は少ないであろうし、ユーザー10の性格や適正によっても、必ずしも警告を与える必要が無い場合もある。
【0185】
ユーザー10にとって、本当に必要な警告情報12だけが表示されることが、ユーザー10の注意を喚起する点では重要で、あまり必要性のない警告情報12までもが表示されることは、ユーザー10の警告情報12への信頼性を損なう結果となる。すなわち、ユーザー10は、警告情報12に対しての敬意を払わなくなるようになり、本来の目的である、事前の注意事項の把握が実現されなくなる。つまり、多くの警告情報12の中に、本当に必要な警告情報12が埋もれてしまうことになる。
【0186】
実施の形態4における交通情報表示装置1では、このような問題を解消し、ユーザー10にとって本当に必要な警告情報12のみを与えることで、ユーザー10の注意喚起を確かなものにする。
【0187】
すなわち、生成部5は、ユーザー情報11に基づいて、警告情報12を分類し、ユーザー10にとって本当に必要となる警告に該当する警告情報12を決定する。表示部6は、生成部5で分類された上で、警告情報12を表示したり、警告情報12を分類したものとして表示したりする。
【0188】
例えば、生成部5は、ユーザー10の利用交通手段によって、警告情報12を分類する。あるいは、ユーザー10の利用時間帯や人的情報に基づいて分類する。
【0189】
具体的な分類について、図8〜図10を用いて説明する。
【0190】
図8、図9、図10は、本発明の実施の形態4における警告情報の分類を表す説明図である。
【0191】
図8には、生成部5が、ユーザー情報11の内、ユーザー10の利用交通手段によって、警告情報12を分類する一例が示されている。なお、図8〜10に示される分類は、あくまでも一例である。
【0192】
生成部5は、まず地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9を関連付けて、警告情報12を生成する。例えば、「急カーブでのスピード出しすぎ」は、地図情報7と挙動情報9から判断されたものであり、「西日と重なる交差点」は、地図情報7と車外画像情報8から判断されたものである。
【0193】
図8では、利用交通手段は、自動車、オートバイ、自転車、歩行者の4つを含み、それぞれによって、警告手段12が分類される。
【0194】
図8の上から順に説明する。
【0195】
(急カーブでのスピード出しすぎ)
自動車とオートバイは、エンジンにより走行するので、スピード出しすぎによる交通事故を引き起こす可能性がある。よって、生成部5は、自動車とオートバイについては「警告」対象に分類する。逆に、人力で走行する自転車と歩行者の場合には、急カーブでスピードを出しすぎる状況になりえないので、生成部5は、「非警告」対象に分類する。
【0196】
(狭い道幅での車線変更)
この場合には、車線変更を行う可能性の高い自動車についてのみ、生成部5は「警告」として分類する。オートバイや自転車は、車線変更することは少ないからである。
【0197】
(ガードレールの無い道路)
この場合にも、オートバイや自転車は、車体の幅が小さいので、路肩から離れて走行できる。自動車は、車体の幅があるので、路肩すれすれに走ることも多い。このため、生成部5は、自動車のみ「警告」とし、他については、「非警告」として分類する。
【0198】
(西日と重なる交差点)
この場合には、利用交通手段が何であれ、ユーザー10にとっては、西日と重なった信号や対向車が見づらくなるので、生成部5は、全ての利用交通手段に対して、「警告」として分類する。
【0199】
(下り勾配の強い坂でのスピード)
この場合には、エンジンで走行する自動車とオートバイだけが、下り坂でのスピードが出すぎる可能性が高いので、生成部5は、自動車とオートバイに対してのみ、「警告」として判定し、残りは「非警告」として判定する。
【0200】
(滑りやすい歩道)
この場合には、実際に歩道を走行する可能性のある歩行者と自転車に対してのみ、生成部5は、「警告」として分類する。歩道状態は、テスト走行車両の挙動や車外画像などに加えて、道路情報などをあわせた結果で判明する。
【0201】
なお、以上の分類は一例であり、交通情報表示装置1の仕様に応じて、異なる分類がなされてもかまわない。
【0202】
次に、図9に示される、利用時間帯による分類について説明する。
【0203】
(急カーブでのスピード出しすぎ)
自動車にとっては、急カーブでのスピードの出しすぎによる交通事故の可能性は、利用時間帯の区別無く生じるのであるから、生成部5は、全ての時間帯について「警告」として分類している。なお、車外画像情報8により、時間帯によってカーブの前方が見にくかったり見やすかったりする特殊事情がある場合には、生成部5は、時間帯によって「警告」と「非警告」に区別して分類しても良い。
【0204】
(狭い道幅での車線変更)
早朝においては、交通量が少ないと考えられるので、生成部5は、早朝については「非警告」として分類し、午前、午後を「警告」として分類している。
【0205】
また、夜間は、対向車のヘッドライトなどにより、対向車を早期に視認できるので、生成部5は、危険度が低いものとして、「非警告」に分類する。
【0206】
(ガードレールの無い道路)
ガードレールの無い道路では、路肩からの転落の可能性は、道路の見にくい夜間に最も高い。このため、生成部5は、ガードレールの無い道路については、夜間のみ「警告」として分類する。
【0207】
(西日と重なる交差点)
西日と重なる交差点においては、西日が信号や対向車を見づらくさせる夕方を含む時間帯についてのみ、生成部5は、この地点を「警告」として分類する。すなわち、生成部5は、午後と夜間を「警告」として分類する。
【0208】
逆に朝日と重なる交差点であれば、生成部5は、早朝においてのみ、「警告」として分類する。
【0209】
(下り勾配の強い坂でのスピード)
この場合には、交通量の少なく、視認性もよい早朝のみ、生成部5は、「非警告」として分類する。
【0210】
(滑りやすい歩道)
この場合には、歩道を歩いている歩行者や自転車、滑って車道に出てくる場合でも、このことの把握が遅れやすい夜間のみ、生成部5は、「警告」として分類する。
【0211】
次に、図10の場合について説明する。図10では、ユーザー情報11のうち、人的相違に基づいて分類される状態が示されている。図10では、自動車を運転するユーザー10の人的情報を、「若年男性」、「若年女性」、「初心者」、「老人」の4つのカテゴリとしている。
【0212】
(急カーブでのスピード出しすぎ)
この場合には、生成部5は、スピードを出しやすい若年男性と、スピードへの対処に不慣れな初心者を、警告対象として分類する。
【0213】
スピードをあまり出さないと考えられる女性や老人は、警告対象から外される。
【0214】
(狭い道幅での車線変更)
この場合にも、生成部5は、スピードを出しやすい若年男性を、警告対象として分類する。他については、狭い道幅でスピードを出す可能性が低いので、非警告に分類する。
【0215】
(ガードレールの無い道路)
この場合には、生成部5は、若年男性と若年女性が、もっともアグレッシブに運転するユーザーであるとして、警告に分類する。
【0216】
(西日と重なる交差点)
この場合には、視認動作の遅れがちな初心者と老人についてのみ、生成部5は警告として判定している。
【0217】
(下り勾配の強い坂でのスピード)
この場合には、生成部5は、全てのカテゴリについて同様に危険であると判断して、全員について警告として判定している。
【0218】
(滑りやすい歩道)
この場合には、視認性や動体視力の弱い老人についてのみ、生成部5は、警告として判定している。歩道上の歩行者の思わぬ行動への迅速な対応ができない可能性が、老人の場合は高いからである。
【0219】
なお、人的情報は、性別や年齢だけでなく、ユーザー10の性格や嗜好に基づいてもよい。
【0220】
以上のように、実施の形態4における交通情報表示装置1では、必要不可欠な警告情報12を選別でき、警告情報12の信頼性を高めることができる。
【0221】
なお、ユーザー情報11により警告情報12の表示の可否を決定するのは、生成部5が、ユーザー情報11に基づいて警告情報12を分類しても良く、表示部6が、ユーザー情報11に基づいて、表示の処理において警告情報12を表示したりしなかったりしても良い。
【0222】
あるいは、ユーザー情報11に関りなく、表示部6は、全ての警告情報12を表示するが、この表示の際にユーザー情報11に基づいた見出し(若年男性は警告対象だが、老人は非警告対象であるとの断り書きなど)を付加して警告情報12を表示してもよい。
【0223】
(実施の形態5)
次に、実施の形態5について説明する。
【0224】
実施の形態5では、記憶部2が記憶する情報が、アップデートや修正されることについて説明する。
【0225】
図11は、本発明の実施の形態5における交通情報表示装置のブロック図である。
【0226】
図11では、記憶部2が、通信回線30を介して端末40と接続されている。端末40は、例えば交通情報を提供するサービス業者の有するサーバである。
【0227】
端末40は、サービス業者によって管理され、必要に応じて、記憶部2に記憶されている情報をアップデートする。アップデートにおいては、サービス業者が、端末40を操作して、通信回線30を経由して記憶部2の記憶内容をアップデートする。例えば、地図情報7について、新しい電子地図のアプリケーションが配布されたことに伴い、サービス業者は、新しい電子地図のソフトウェアを端末40においてインストールし、インストールした結果としての情報を、通信回線30を経由して、記憶部2に送信する。このとき、端末40は、記憶部2が記憶する地図情報7を書き換える命令コードを送り、地図情報7が、新しい情報に置き換えられてアップデートされる。
【0228】
車外画像情報8も、同様に端末40からの指示により、アップデートされる。
【0229】
車外画像情報8は、テスト走行車両に備えられたビデオカメラで撮影された画像データであるが、建物の変化や道路状況の変化は、常に行われており、車外画像情報8も、適宜アップデートされる必要がある。あるいは、まだ撮影の行われていない区間の車外画像が、後から撮影されることもあり、この場合にはこの車外画像が追加される必要がある。
【0230】
また、挙動情報9も同様に新しく得られたり、追加の情報が得られたりする。
【0231】
端末40は、修正、追加、更新すべき車外画像情報8や挙動情報9を、通信回線30を経由して記憶部2に送信し、記憶部2に記憶されている車外画像情報8と挙動情報9を修正、追加、更新する。
【0232】
記憶部2が、各家庭に設置されていたり、異なる地区のサービスセンターに設置されていたりする場合には、各所に設置されているそれぞれの記憶部2が、アップデートされる。
【0233】
このように、通信回線30を介して、端末40が記憶部2の情報をアップデートすることにより、ユーザー10は常に最新の情報に基づいて交通情報表示装置1を利用できる。更に、端末40から集中的にアップデートされるので、ユーザー10は、アップデートの作業が不要となる。
【0234】
なお、端末40は、交通情報表示装置1からの要求に従って、記憶部2の情報をアップデートするようにしてもよい。また、端末40は、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9の少なくとも一つをアップデートすればよく、いずれか一つを選択してアップデートしてもよい。
【0235】
また、挙動情報9は、道路上を実際に走行したテスト走行車両により得られたものである。テスト走行車両により得られた挙動情報9は、テスト走行車両の速度、加速度、角速度、車線変更、停車間隔などを含む。
【0236】
ここで、テスト走行車両のみで、これらの挙動情報9が決定されてしまうと、挙動情報9の精度が不十分であることもある。
【0237】
例えば、テスト走行車両の運転手が、若年の男性であった場合には、急カーブであっても、加速や減速をあまり多用せずに、苦も無く曲がりきれる。この場合には、生成部5は、挙動情報9からは特に危険と感じる情報(急加速や急減速など)を見出せないので、この急カーブの地点について警告情報12を生成しない。
【0238】
しかしながら、運転手が、老人や初心者である場合には、この急カーブは運転において危険となる可能性もある。このような危険を見逃して、生成部5が警告情報12を生成できないことは、交通情報表示装置1の目的を達成できないこともある。
【0239】
このため、テスト走行車両から得られたテストデータを、確認走行車両(異なるカテゴリの運転手であることが好ましい)により得られた確認データにより修正して得られたデータを、挙動情報9とすることが好ましい。全ての道路について、確認走行車両を走行させてテストデータを修正することは、莫大な作業量となるので、特定の道路(例えば、交通事故の多い道路や交通量の多い道路)のみ、確認走行車両を走行させて、確認データを得ても良い。挙動情報9は、この得られた確認データにより、テストデータが修正され、その修正されたテストデータを整理して生成される。
【0240】
すなわち、上記の例では、若年男性の走行結果によるテストデータが、老人により確認走行車両が運転された走行結果による確認データで修正されて、最終的な挙動情報9が生成される。この結果、急カーブにおいて、確認データにおいては、加速や減速の急激な変化が検出され、挙動情報9には、この急激な変化が反映される。このため、生成部5は、この急カーブを危険な地点であると判定し、警告情報12を生成する。
【0241】
なお、このとき、実施の形態4で説明したように、ユーザー情報11によって、実際には警告情報12として表示したりしなかったりしてもよい。具体的には、表示部6は、ユーザーの人的情報において、ユーザーが老人の場合には、警告情報12を表示し、ユーザーが若年男性の場合には、警告情報12を表示しない。
【0242】
(実施の形態6)
次に実施の形態6について説明する。
【0243】
実施の形態6においては、交通情報表示装置1が、ソフトウェアや方法として提供される場合について説明する。
【0244】
交通情報表示装置1は、ハードウェアとしての装置として提供されても良いが、パソコンなど、CPUなどの演算処理装置、メモリ、表示機器を備えている汎用的な機器に、アプリケーションプログラムとして提供される場合もありうる。すなわち、交通情報表示装置1に対応する機能が、交通情報表示方法として提供、使用される場合がありうる。
【0245】
この場合には、交通情報表示装方法に対応する機能が、プログラムとしてCD−ROMやDVD−ROMなどのメディアに記憶されて提供される。
【0246】
使用者は、入手したこれらのCD−ROMやDVD−ROMをパソコン上にインストールして、パソコン上で動作させる。
【0247】
交通情報表示方法が含む機能に対応する機能を有するプログラムは、次の処理ステップを有して、ユーザー10に対して交通情報を表示する。
【0248】
パソコンが有しているCPUは、インストールされたこのアプリケーションプログラムに従う命令セットであって、ROMやRAMに含まれている命令セットを読み出して、処理を開始する。
【0249】
(処理ステップ1)
CPUは、読み出し機能を有しており、パソコンやサービスセンターに備えられている記憶部2に含まれている地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を読み出す。すなわち、CPUは、読み出し処理を行う。
【0250】
(処理ステップ2)
CPUは、地図情報7を用いて、読み出した挙動情報9に含まれる座標情報に連動させた地図画像を生成する。更に、CPUは、車外画像情報8を用いて、読み出した挙動情報9に含まれる時刻情報に連動させた車外画像を生成する。加えて、CPUは、挙動情報9を用いて、挙動情報を表示する画像も生成する。
【0251】
CPUは、これら3つの画像の内、少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像13を生成する。例えば、挙動情報9、地図画像、車外画像の3つの全てを同一画面に表示する場合には、CPUは、同一画面を適当に3分割した表示画像13を、生成する。また、CPUは、表示画像13の表示において、地図画像と車外画像を挙動情報9に連動させて表示し、特に、ユーザー10が想定する仮想的な走行車両の移動に対応させて表示する。
【0252】
具体的には、地図画像上に仮想的な走行車両が存在し、この仮想的な走行車両が、地図上を移動しながら、地図画像と車外画像が変化していくように、表示画像13が表示される。
【0253】
なお、CPUではなく、画像処理専用のプロセッサが、表示画像13の生成や表示における処理を行っても良い。
【0254】
(処理ステップ3)
次に、CPUは、ユーザー10から入力される情報を受け付けて、ユーザー情報11を整理して、警告情報12の生成における必要な情報とする。
【0255】
ここで、ユーザー10は、交通情報表示方法が実装されたパソコンに対して、種々の情報を入力する(例えば、質問に回答する形式で入力する)。CPUは、受け付けた情報から、ユーザー10の利用交通手段、利用時間、人的情報などを用いて、警告情報12の生成や分類に必要となるユーザー情報11を整理する。
【0256】
CPUは、後述の生成機能に対して、これら整理したユーザー情報11を受け渡す。
【0257】
(処理ステップ4)
CPUは、読み出した地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、ユーザー10に対する注意喚起となる警告情報12を生成する。
【0258】
警告情報12は、実施の形態1〜4などで説明されたように、挙動情報9と地図情報7を関連付けて、交通事故の可能性があるような地点について、注意されるべき地点として生成されるものである。また、ユーザー情報11によって、警告とすべきか否かについての分類も行われる。
【0259】
警告情報12の生成や分類については、実施の形態1〜4にて説明されたのと同様である。
【0260】
(処理ステップ5)
CPUは、生成した表示画像13に警告情報12を付加して、パソコンのディスプレイに表示する。勿論、パソコンのディスプレイだけでなく、CPUは、接続されている表示機器(テレビや液晶画面など)に表示しても良い。
【0261】
このように、アプリケーションプログラムなどのソフトウェアで提供された交通情報表示方法は、パソコンや専用機器にインストールされて使用される。交通情報表示装置1やこの機能を実現する交通情報表示方法は、ハードウェアのみならずソフトウェアとして提供されればよい。なお、交通情報表示装置1は、ハードウェアとソフトウェアの混在により実現されても良い。
【0262】
(実施の形態7)
次に実施の形態7について説明する。
【0263】
実施の形態7においては、交通情報表示装置1にかかわる機能が、半導体集積回路として実現されて、提供される場合について説明する。
【0264】
図12は、本発明の実施の形態7における半導体集積回路のブロック図である。
【0265】
半導体集積回路40は、CMOSやバイポーラなどのトランジスタが集積された回路であり、交通情報表示装置1を実現する装置(専用装置や汎用パソコンなど)に組み込まれて、交通情報表示装置1にかかわる機能を実現する。
【0266】
更に具体的には、半導体集積回路40は、半導体集積回路40と別に備えられる記憶部2(図12では、半導体メモリとして表されているが、HDD、DVD、CDなどにより構成されてもよい)と、表示部6(専用装置や汎用パソコンのディスプレイにより構成される)と組み合わされて、交通情報表示装置1の機能を実現する。
【0267】
半導体集積回路40は、実施の形態1〜6で説明した記憶部2から情報を読み出す読み出し部15、ユーザー10からのユーザー情報を受け付ける受付部4、表示画像13を生成する表示制御部3、警告情報12を生成する生成部5を備えている。更に、これらの要素に加えて、半導体集積回路40および周辺回路などを制御する制御部41、表示画像13や警告情報12に係るデータを出力する出力部42を備えている。
【0268】
出力部42は、これらのデータを表示部6に出力し、表示部6は、これらのデータを用いて表示画像13に警告情報12を付加して表示する。
【0269】
半導体集積回路40に含まれる読み出し部15、受付部4、表示制御部3、生成部5、制御部41、出力部42のそれぞれは、半導体集積回路40の中の論理回路により構成されており、トランジスタと配線により実現されている。このため、部分的な回路が共有される場合がある。また、半導体集積回路40の中で、物理的に明確に区画が分けられているわけではない。
【0270】
半導体集積回路40は、実施の形態1で説明された交通情報表示装置1と異なり、表示部6は、別に設けられているので、表示部6に必要なデータを出力する出力部42を備えている。出力部42は、表示制御部3で生成された表示画像13と、生成部5で生成された警告情報12に係るデータを、表示部6に出力する。なお、出力部42は、表示画像13と警告情報12に係るデータをそれぞれ並列して出力しても良いが、警告情報12が付加された状態の画像情報13に係るデータを出力しても良い。
【0271】
制御部41は、半導体集積回路40と周辺回路を制御する。例えばCPUなどが、制御部41に該当する。
【0272】
半導体集積回路40は、実施の形態1〜5で説明された交通情報表示装置1と同様の動作を行う。
【0273】
すなわち、読み出し部15は、記憶部2から地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9を読み出して、表示制御部3と生成部5に渡す。
【0274】
表示制御部3は、挙動情報9に含まれる座標情報に連動する地図画像、挙動情報9に含まれる時刻情報に連動する車外画像および挙動情報9の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像13を生成する。
【0275】
受付部4は、ユーザー10から入力された種々の情報を受け付けて整理し、ユーザー情報11を生成部5に出力する。ユーザー情報11は、警告情報12の生成における条件の一つとして使用される。
【0276】
生成部5は、挙動情報9、地図情報7、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて、警告情報12を生成する。警告情報12は、ユーザー10に対して、交通事故などの危険性について予め警告を与えるためのものである。警告情報12は、例えば、地図情報7から得られる道路の幅員と挙動情報9から得られる走行車両の加速度との関連から得られる。加えて、ユーザー情報11により、これを警告とするか非警告とするかの分類が行われて、最終的に表示画像13に付加されて、表示部6に表示される。
【0277】
最後に、出力部42が、表示画像13、警告情報12に係るデータを、表示部6に出力し、表示部6において、警告情報12込みの表示画像13が表示される。
【0278】
実施の形態7に説明された半導体集積回路40は、単体のLSIチップとして、あるいは周辺回路(例えば記憶部2に相当する半導体メモリ)を含んだチップセットや電子基板として、提供されても良い。あるいは、交通情報表示装置1に組み込まれた形態で提供されても良い。あるいは、半導体集積回路40に必要となるネットリストなどの論理データとして提供されても良い。
【0279】
交通情報表示装置1の機能が、実施の形態7のように半導体集積回路40で実現されることにより、装置の小型化や低消費電力化が実現できる。特に、小型化が実現できることで、ポータブルタイプの装置を実現でき、例えばカーナビゲーション装置に半導体集積回路40が組み込まれることで、ユーザー10は、カーナビゲーション装置を利用して、事前の交通情報の把握ができる。
【0280】
(実施の形態8)
次に、実施の形態8について説明する。
【0281】
実施の形態8においては、交通情報表示装置1を使用した、交通情報表示システムについて説明する。また、交通情報表示システムについて、使用態様の異なる2つのシステムについて説明する。
【0282】
(システムの態様その1)
先ず、図13を用いて説明する。
【0283】
図13、図14は、本発明の実施の形態8における交通情報表示システムのブロック図である。図13における交通情報表示システムは、ユーザー家庭50に入力装置52と交通情報表示装置1が備えられており、通信回線30を介して、サービスセンター51に設置されている記憶部2から情報が得られる態様である。
【0284】
交通情報表示システムは、ユーザー10が自己の情報や操作命令を入力する入力装置52、交通情報表示装置1(実施の形態1〜5で説明したのと同様の交通情報表示装置1)および、記憶部2を備えている。
【0285】
交通情報表示装置1は、実施の形態1〜5で説明したように、記憶部2から地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を読み出す読み出し部15、挙動情報9に含まれる座標情報と連動する地図画像と挙動情報9に含まれる時刻情報と連動する車外画像および挙動情報の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像13を生成する表示制御部3、ユーザー10からの情報を受け付けてユーザー情報11を整理する受付部4、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて警告情報12を生成する生成部5、表示画像13に警告情報12を付加して表示する表示部6を備えている。
【0286】
入力装置52は、ユーザー10からの入力情報を実際に受け付けて、受付部4に渡す。例えば、図13、14に示されるようなキーボードが、入力装置52として用いられる。あるいはタッチパネルが用いられてもよい。なお、交通情報表示装置1と入力装置52は、汎用のパソコンやカーナビゲーション装置により実現されても良い。
【0287】
記憶部2は、サービスセンター51に設置された大容量ハードディスクやサーバに設置されており、インターネットや電話回線などの通信回線30により、交通情報表示装置1と接続されている。読み出し部15は、通信回線30を介して、記憶部2に記憶されている地図情報7、車外画像情報8および挙動情報9を読み出す。
【0288】
ユーザー10は、入力装置52に交通情報表示装置1の操作に必要な命令を入力すると共に利用者に関する情報を入力する。利用者に関する情報とは、実施の形態4で説明したように、ユーザーの利用交通手段、利用時間帯、人的情報などである。
【0289】
入力装置52から入力されたユーザーに関する情報は、交通情報表示装置1が備える受付部4で受付・整理されて、ユーザー情報11が生成部5に出力される。
【0290】
一方、入力装置52からの操作命令に従って、交通情報表示装置1が備える読み出し部15が、通信回線30を介して、地図情報7、車外画像情報8、挙動情報9を読み出して、表示制御部3および生成部5に渡す。
【0291】
表示制御部3は、挙動情報9から座標情報を読み出して、この座標情報に連動する地図画像を生成する。と同時に、表示制御部3は、挙動情報9から時刻情報を読み出して、この時刻情報に連動する車外画像を生成する。更に、表示画像制御部3は、挙動情報9、地図画像および車外画像の少なくとも一つを、それぞれ連動させた上で、同一画面に表示する表示画面13を生成する。
【0292】
生成部5は、挙動情報9、地図情報7、車外画像情報8およびユーザー情報11の少なくとも2つを関連付けて警告情報12を生成する。警告情報12の生成は、実施の形態1〜5で説明したのと同様である。また、ユーザー情報11により、警告情報12が、警告、非警告のそれぞれに分類される処理についても、実施の形態4で説明されたのと同様である。このとき、表示部6は、地図画像と車外画像を挙動情報9に連動させて表示すると共に、地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて、表示画像13を生成する。
【0293】
表示制御部3は、表示画像13に警告情報12を付加して、表示する。
【0294】
なお、読み出し部15、表示制御部3、受付部4、生成部5は、回路、半導体集積回路およびソフトウェアプログラムの一部として、交通情報表示装置1の中に含まれており、表示部6は、図13に示される交通情報表示装置1のディスプレイとこの制御部が対応する。
【0295】
ユーザー10は、この入力装置52、記憶部2および接続された交通情報表示装置1を備える交通情報表示システムを使用して、事前に交通情報や注意情報を得ることができる。結果として、交通事故を抑制できる。
【0296】
また、図13に示されるように、入力装置52と交通情報表示装置1がユーザー家庭50に設置され、更新や修正が必要となる情報を記憶する記憶部2がサービスセンター51に設置されることで、ユーザー10は、最新の情報を利用しながら、家庭において交通情報表示システムの機能を利用できる。
【0297】
(システムの態様その2)
次に、図14を用いて交通情報表示システムの別の態様について説明する。
【0298】
図14に示される交通情報表示システムは、サービス業者が運営するサービスセンター51に、複数の交通情報表示装置1が設置され、来店したユーザー10が、それぞれ適当な交通情報表示装置1を利用する場合を示している。
【0299】
図14においては、交通情報表示装置A、B、Cの3台の交通情報表示装置1(およびこれらに対応するそれぞれの入力装置52)が、共通の記憶部2と共に、サービスセンター51内部に設置されている。
【0300】
ユーザー10のそれぞれは、適当な装置を選択して、入力装置52に操作命令とユーザー情報を入力して使用する。図14では、ユーザーAは、交通情報表示装置Aを、ユーザーBは、交通情報表示装置Bを、ユーザーCは、交通情報表示装置Cを利用している。
【0301】
ユーザーA、B、Cのそれぞれは、自己の状況に応じた警告情報12を得ることができる。交通情報表示装置1の処理については、実施の形態1〜5で説明されたのと同様である。
【0302】
このように、サービスセンター51に、複数の交通情報表示装置1が設置されている場合には、保守や整備が容易であるし、多数のユーザー10が一時に利用できるメリットがある。特に、ユーザー10が、道路利用者ではなくて道路管理者である場合には、道路管理にかかわる複数の職員が、サービスセンター51において同時に警告情報12をチェックして、道路の整備や改良などに必要となる情報を得ることができるメリットがある。
【0303】
(実施の形態9)
次に実施の形態9について説明する。
【0304】
ここでは、本発明に係る交通情報表示装置1の提供の形態について説明する。
【0305】
交通情報表示装置1は、専用装置として提供されても良く、汎用のパソコンに組み込まれて提供されても良く、カーナビゲーション装置に組み込まれて提供されても良く、各種装置に組み込むためのアプリケーションソフトとして提供されても良い。
【0306】
アプリケーションソフトとして提供される場合には、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶媒体をはじめとして、ネットワークによる配布などで提供されても良い。
【0307】
また、記憶部2に記憶されている情報は、通信回線を介して、逐次アップデートされることも好適である。
【0308】
また、交通情報表示装置1で得られた警告情報12を、実際の走行において使用されるカーナビゲーション装置に組み込むことも好適である。
【0309】
例えば交通情報表示装置1は、ユーザー10の操作に従い、警告情報12を生成する。このとき、生成された警告情報12は、電子データとしてユーザー10に提供される。例えば、警告情報12を構成する情報(警告であること、警告となる地点の情報、警告の内容、警告の理由など)が、電子ファイルとして出力される。ユーザー10は、この電子ファイルをカーナビゲーション装置に移植して、ユーザー10が実際に自動車を運転する際に使用するカーナビゲーション装置から、走行時に警告情報12が出力される。ユーザー10は、実際の運転中に、ルートを確認するためのカーナビゲーション装置から、警告情報12を得ることができるので、交通事故の可能性を更に低くすることができる。
【0310】
特に、事前に警告情報12を得ていたとしても、実際の走行時には忘れていることもある。このような場合であっても、警告情報12がカーナビゲーション装置に移植されていることで、ユーザー10は、実際の走行時に確実に警告を受け取ることができ、自己の運転に確実に注意喚起を反映できる。
【0311】
なお、本発明の交通情報表示装置1や交通情報表示方法が、カーナビゲーション装置により実現されている場合には、ユーザー10は、事前および走行時の双方において、警告情報12をはじめとした交通情報を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0312】
本発明は、例えば、道路利用者や道路管理者が、事前に道路走行上の問題点を把握するための、交通情報の表示や解析装置などの分野において好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0313】
【図1】本発明の実施の形態1における交通情報表示装置のブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における表示部での表示状態を示す模式図
【図3】本発明の実施の形態1における表示画像の例示図
【図4】本発明の実施の形態1における表示画像の例示図
【図5】本発明の実施の形態1における交通情報表示装置の使用態様を表す説明図
【図6】本発明の実施の形態1における交通情報表示装置の使用態様を表す説明図
【図7】本発明の実施の形態2における表示部の模式図
【図8】本発明の実施の形態4における警告情報の分類を表す説明図
【図9】本発明の実施の形態4における警告情報の分類を表す説明図
【図10】本発明の実施の形態4における警告情報の分類を表す説明図
【図11】本発明の実施の形態5における交通情報表示装置のブロック図
【図12】本発明の実施の形態7における半導体集積回路のブロック図
【図13】本発明の実施の形態8における交通情報表示システムのブロック図
【図14】本発明の実施の形態8における交通情報表示システムのブロック図
【符号の説明】
【0314】
1 交通情報表示装置
2 記憶部
3 表示制御部
4 受付部
5 生成部
6 表示部
7 地図情報
8 車外画像情報
9 挙動情報
11 ユーザー情報
12 警告情報
13 表示画像
20 地図画像
21 車外画像
30 通信回線
40 半導体集積回路
41 制御部
42 出力部
50 ユーザー家庭
51 サービスセンター
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出す読み出し部と、
前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する表示制御部と、
ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析する受付部と、
前記地図情報、前記挙動情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成する生成部と、
前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示する表示部を備え、
前記表示制御部は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動させて前記表示画像を生成すると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて前記表示画像を生成する交通情報表示装置。
【請求項2】
前記読み出し部と接続されると共に、前記地図情報、前記挙動情報および前記車外画像情報を記憶する記憶部を更に備える請求項1記載の交通情報表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記表示画像において、ユーザーに対する警告を発するべき地図上の位置に対応して、前記警告情報を表示する請求項1から2のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記警告情報に対応する位置を基準として、所定の前後期間のみ、前記車外画像を表示する請求項1から3のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記挙動情報に含まれる走行車両の走行状態と、前記地図情報に含まれる道路状態とを比較して、前記警告情報を生成する請求項1から4のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記挙動情報に含まれる走行車両の走行状態と、前記車外画像情報に含まれる車外状態とを比較して、前記警告情報を生成する請求項1から4のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項7】
前記走行状態は、前記走行車両の速度、加速度、角速度、停車間隔および車線変更の少なくとも一つを含む請求項5から6のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記ユーザー情報に基づいて前記警告情報を分類し、前記表示部は、前記警告手段を分類して表示する請求項1から7のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項9】
前記ユーザー情報は、ユーザーの利用交通手段、ユーザーの利用時間帯およびユーザーの人的情報の少なくとも一つを含む請求項8記載の交通情報表示装置。
【請求項10】
前記挙動情報は、テスト走行車両により得られたテストデータを、確認車両走行により得られた確認データにより修正することで得られる請求項1から9のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項11】
前記記憶部は、通信回線により外部と接続され、前記地図情報、前記挙動情報および前記車外画像情報の少なくとも一つは、前記通信回線を介して、アップデートされる請求項1から10のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項12】
ユーザーがユーザー情報を入力できる入力装置と、
前記入力装置からのユーザー情報に基づいて、交通情報を表示する交通情報表示装置と、
道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を記憶する記憶部とを備える交通情報利用システムであって、
前記交通情報表示装置は、
前記地図情報、前記挙動情報および前記車外画像情報を読み出す読み出し部と、
前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する表示制御部と、
ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析する受付部と、
前記地図情報、前記挙動情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成する生成部と、
前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示する表示部を備え、
前記表示制御部は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動させて前記表示画像を生成すると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて前記表示画像を生成する交通情報利用システム。
【請求項13】
道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出す読み出し部と、
前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する表示制御部と、
ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析する受付部と、
前記地図情報、前記挙動情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成する生成部と、
前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示する表示部に対して、前記表示画像と前記警告情報を出力する出力部を備え、
前記表示制御部は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動させて前記表示画像を生成すると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて前記表示画像を生成する半導体集積回路。
【請求項14】
道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出し、
前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成し、
ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析し、
前記挙動情報、前記地図情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成し、
前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示し、
前記表示画像は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動して生成されると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて生成される交通情報表示方法。
【請求項15】
道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出すステップと、
前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成するステップと、
ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析するステップと、
前記挙動情報、前記地図情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成するステップと、
前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示するステップと、
前記表示画像は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動して生成されると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて生成されるコンピューター上で動作する交通情報表示プログラム。
【請求項1】
道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出す読み出し部と、
前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する表示制御部と、
ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析する受付部と、
前記地図情報、前記挙動情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成する生成部と、
前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示する表示部を備え、
前記表示制御部は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動させて前記表示画像を生成すると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて前記表示画像を生成する交通情報表示装置。
【請求項2】
前記読み出し部と接続されると共に、前記地図情報、前記挙動情報および前記車外画像情報を記憶する記憶部を更に備える請求項1記載の交通情報表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記表示画像において、ユーザーに対する警告を発するべき地図上の位置に対応して、前記警告情報を表示する請求項1から2のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項4】
前記表示部は、前記警告情報に対応する位置を基準として、所定の前後期間のみ、前記車外画像を表示する請求項1から3のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項5】
前記生成部は、前記挙動情報に含まれる走行車両の走行状態と、前記地図情報に含まれる道路状態とを比較して、前記警告情報を生成する請求項1から4のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記挙動情報に含まれる走行車両の走行状態と、前記車外画像情報に含まれる車外状態とを比較して、前記警告情報を生成する請求項1から4のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項7】
前記走行状態は、前記走行車両の速度、加速度、角速度、停車間隔および車線変更の少なくとも一つを含む請求項5から6のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項8】
前記生成部は、前記ユーザー情報に基づいて前記警告情報を分類し、前記表示部は、前記警告手段を分類して表示する請求項1から7のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項9】
前記ユーザー情報は、ユーザーの利用交通手段、ユーザーの利用時間帯およびユーザーの人的情報の少なくとも一つを含む請求項8記載の交通情報表示装置。
【請求項10】
前記挙動情報は、テスト走行車両により得られたテストデータを、確認車両走行により得られた確認データにより修正することで得られる請求項1から9のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項11】
前記記憶部は、通信回線により外部と接続され、前記地図情報、前記挙動情報および前記車外画像情報の少なくとも一つは、前記通信回線を介して、アップデートされる請求項1から10のいずれか記載の交通情報表示装置。
【請求項12】
ユーザーがユーザー情報を入力できる入力装置と、
前記入力装置からのユーザー情報に基づいて、交通情報を表示する交通情報表示装置と、
道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を記憶する記憶部とを備える交通情報利用システムであって、
前記交通情報表示装置は、
前記地図情報、前記挙動情報および前記車外画像情報を読み出す読み出し部と、
前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する表示制御部と、
ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析する受付部と、
前記地図情報、前記挙動情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成する生成部と、
前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示する表示部を備え、
前記表示制御部は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動させて前記表示画像を生成すると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて前記表示画像を生成する交通情報利用システム。
【請求項13】
道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出す読み出し部と、
前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成する表示制御部と、
ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析する受付部と、
前記地図情報、前記挙動情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成する生成部と、
前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示する表示部に対して、前記表示画像と前記警告情報を出力する出力部を備え、
前記表示制御部は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動させて前記表示画像を生成すると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて前記表示画像を生成する半導体集積回路。
【請求項14】
道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出し、
前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成し、
ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析し、
前記挙動情報、前記地図情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成し、
前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示し、
前記表示画像は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動して生成されると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて生成される交通情報表示方法。
【請求項15】
道路地図に係る地図情報、前記道路地図の道路に沿って走行した走行車両の挙動情報および前記走行車両の走行に従った車外画像情報を読み出すステップと、
前記挙動情報、前記挙動情報に含まれる座標情報に連動する地図画像および前記挙動情報に含まれる時刻情報に連動する車外画像の少なくとも一つを同一画面に表示する表示画像を生成するステップと、
ユーザーからの情報を受け付けてユーザー情報を分析するステップと、
前記挙動情報、前記地図情報、前記車外画像情報および前記ユーザー情報の少なくとも2つを関連付けて、ユーザーに対する警告情報を生成するステップと、
前記表示画像に、前記警告情報を付加して表示するステップと、
前記表示画像は、前記地図画像と前記車外画像を前記挙動情報に連動して生成されると共に、前記地図上での仮想的な走行車両の移動に対応させて生成されるコンピューター上で動作する交通情報表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図3】
【図4】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2008−269178(P2008−269178A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109699(P2007−109699)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(507127727)株式会社トラフィックプラス (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(507127727)株式会社トラフィックプラス (1)
【Fターム(参考)】
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