説明

作業車両

【課題】エンジン5と、エンジン5の後方に配置された操向ハンドル体15と、エンジン5の上方を覆う操作パネル体10とを備えた乗用型田植機において、エンジン5の上方が操作パネル体10にて覆われたままであるために、エンジン5の上部等のメンテナンスをする場合に、操作パネル体10の存在が邪魔になるという問題を解消する。
【解決手段】操向ハンドル体15のハンドル上軸41は、横向きのチルト軸46を中心にして、操作パネル体10に接離するように上下回動可能に構成する。操作パネル体10は、回動フレーム61のうちチルト軸46と平行状な横支軸としての筒状軸部65を中心にして、操向ハンドル体15に接離するように上下開閉回動可能に構成する。ハンドル上軸41と操作パネル体10とはそれぞれ独立して回動可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、田植機やトラクタ等の農作業機やホイルローダ等の特殊作業用車両のような作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、作業車両の一例としての乗用型田植機は、走行機体の前部に搭載されたエンジンと、このエンジンの後方に配置された操向ハンドル体とを備えている。エンジンと操向ハンドル体のハンドル軸とは、(特にエンジンの)メンテナンス作業をし易くするために、複数に分割可能なカバー装置にて覆われていることが多い。
【0003】
かかる乗用型田植機の一例として特許文献1には、カバー装置を、エンジンの上方を覆う操作パネル体と、エンジンの前部を覆う前部カバー体と、エンジンの後部及びハンドル軸を覆う後部カバー体との3つに分割構成したものが開示されている。
【0004】
特許文献1に記載の乗用型田植機では、前部カバー体と後部カバー体とが走行機体に対して着脱可能に取り付けられており、操作パネル体がハンドル軸に固定されている。エンジンのメンテナンス作業をする場合は、これら前後のカバー体を取り外して、エンジンの四周(前後左右)を露出させるのである。
【特許文献1】特開平10−210816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の構成では、操作パネル体がハンドル軸に対して複数のボルトにて固定されていて、エンジンの上方が操作パネル体にて覆われたままであるから、エンジンの上部や当該箇所にある装置類(例えばエアクリーナ等)のメンテナンスをする場合に、操作パネル体の存在が邪魔になっていた。その上、操作パネル体を取り外すにしても、複数のボルトを緩める作業に手間がかかっていた。すなわち、前記特許文献1の構成では、エンジンの上部や当該箇所にある装置類のメンテナンス作業が不便又は困難であるという問題があった。
【0006】
また、操作パネル体には、乗用型田植機についての各種情報を表示する表示パネルが設けられていることも多く、この場合は、操作パネル体の裏面側(エンジンの上方)に、表示パネル用の制御ボックスが配置されている。
【0007】
しかし、前記従来の構成では、ハンドル軸にボルト固定された操作パネル体とエンジンとの間に制御ボックスが位置しているから、乗用型田植機を製造するにおいて、制御ボックスにハーネスを結線する作業がし難く、作業性が悪いという問題もあった。
【0008】
そこで、本願発明は、以上の問題点を全て解消した作業車両を提供することを技術的課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この技術的課題を達成するため、請求項1の発明は、走行機体の前部に搭載された動力源と、この動力源の後方に配置された操向ハンドル体と、前記動力源の上方の少なくとも一部を覆う操作パネル体とを備えている作業車両であって、前記操向ハンドル体は、横向きのチルト軸を中心にして、前記操作パネル体に接離するように上下回動可能に構成されている一方、前記操作パネル体は、前記チルト軸と同軸状又は平行状な横支軸を中心にして、前記操向ハンドル体に接離するように上下開閉回動可能に構成されており、前記ハンドル上軸と前記操作パネル体とは、それぞれ独立して回動可能な構成となっているというものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載した作業車両において、前記走行機体のうち前記動力源の後方箇所に立設された支持部材に、前記動力源の上方に位置した上部フレームの後端部が前記横支軸を介して回動可能に軸支されており、前記上部フレームの前端部は前記走行機体に着脱可能に連結されており、前記上部フレームに前記操作パネル体が取り付けられているというものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載した作業車両において、前記操作パネル体の上面からは、前記走行機体を作動操作するための操作レバー手段が外向きに突出しており、当該操作レバー手段の基端部は、前記上部フレームと一体的に回動するように、前記上部フレームに取り付けられているというものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載した作業車両において、前記走行機体の前部には、前記動力源及び前記操作パネル体を前後から囲む前部カバー体と後部カバー体とがそれぞれ着脱可能に装着されており、前記上部フレームの前端部は、前記走行機体のうち前記動力源の前方に立設された補助フレームに対して着脱可能に連結されており、前記前部カバー体を取り外した状態では、前記上部フレームの前端部が前記操作パネル体の前方に露出しているというものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の構成では、動力源の後方に配置された操向ハンドル体のハンドル上軸が、横向きのチルト軸を中心にして、動力源の上方の少なくとも一部を覆う操作パネル体に接離する上下方向に回動可能に構成され、前記操作パネル体は、前記チルト軸と同軸状又は平行状な横支軸を中心にして、前記操向ハンドル体に接離するように上下開閉回動可能に構成され、前記ハンドル上軸と前記操作パネル体とはそれぞれ独立して回動可能に構成されている。
【0014】
かかる構成によると、前記ハンドル上軸を前記チルト軸回りに下向きに倒れ回動させたのち、前記操作パネル体を前記横支軸回りに上向き開放回動させれば、前記操作パネル体が前記動力源の上面から離れて、前記操作パネル体と前記動力源の上面との間に、手を差し入れるのに十分なスペースが開くことになる。
【0015】
このため、前記動力源の上部や当該箇所にある装置類(例えばエアクリーナ等)のメンテナンスをするに際して、前記操作パネル体の存在が邪魔にならない。また、メンテナンス時に、従来のように前記操作パネル体を取り外す必要もなく、かかる取り外し作業の手間も省ける。従って、前記動力源の上部や当該箇所にある装置類のメンテナンス作業がし易いという効果を奏する。
【0016】
その上、前記操作パネル体と前記動力源の上面との間に、手を差し入れるのに十分なスペースが開くから、例えば前記操作パネル体の裏面側(前記動力源の上方)に制御ボックスが配置されている場合は、前記制御ボックスに対してハーネスを結線する作業が簡単に行え、作業車両の組立作業性の向上に寄与できるという効果も奏する。
【0017】
請求項2の構成では、前記走行機体のうち前記動力源の後方箇所に立設された支持部材に、前記動力源の上方に位置した上部フレームの後端部が前記横支軸を介して回動可能に軸支され、前記上部フレームの前端部は前記走行機体に着脱可能に連結され、前記上部フレームに前記操作パネル体が取り付けられている。
【0018】
かかる構成を採用すると、前記上部フレームの回動中心である前記横支軸が前記上部フレームの後端側、すなわち前記操向ハンドル体に近い側にあるから、前記上部フレーム及び前記操作パネル体を前記横支軸回りに上向き開放回動させれば、前記操作パネル体と前記動力源の上面との間に形成されるスペースは、前向きに開放されることになる。
【0019】
このため、オペレータは走行機体の前方側から前記動力源の上部や当該箇所の装置類に対するメンテナンスを行える。従って、メンテナンスの際に、前記操向ハンドル体の存在が邪魔にならず、作業効率を向上できるという効果を奏する。
【0020】
請求項3の構成によると、前記操作パネル体の上面からは、前記走行機体を作動操作するための操作レバー手段が外向きに突出しており、当該操作レバー手段の基端部は、前記上部フレームと一体的に回動するように、前記上部フレームに取り付けられているから、前記上部フレーム及び前記操作パネル体の上下開閉回動に連動して、前記操作レバー手段も前記横支軸を回動中心として連れ回動することになる。
【0021】
このため、前記上部フレーム及び前記操作パネル体を上下開閉回動させるに際して、前記操作レバー手段を取り外す必要がなく、その存在が邪魔にならない。従って、前記上部フレーム及び前記操作パネル体の上下開閉回動操作がし易く、この点でも、前記動力源の上部や当該箇所の装置類に対するメンテナンス作業の効率向上に寄与できるという効果を奏する。
【0022】
請求項4の構成によると、前記走行機体の前部には、前記動力源及び前記操作パネル体を前後から囲む前部カバー体と後部カバー体とがそれぞれ着脱可能に装着されており、前記上部フレームの前端部は、前記走行機体のうち前記動力源の前方に立設された補助フレームに着脱可能に連結されており、前記前部カバー体を取り外した状態では、前記上部フレームの前端部が前記操作パネル体の前方に露出しているから、オペレータは、前記上部フレームの前端部を掴んで前記上部フレーム及び前記操作パネル体の上下開閉回動操作を行える。すなわち、前記上部フレームの前端部が上下開閉回動操作用の把手としての機能を兼ね備えているので、専用の把手部品がなくても、前記上部フレーム及び前記操作パネル体の上下開閉回動操作がし易く、部品点数の抑制に寄与できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本願発明を具体化した実施形態を図面(図1〜図10)に基づいて説明する。図1は作業車両としての乗用型田植機の側面図、図2は乗用型田植機の平面図、図3は走行機体前部の平面図、図4は上部フレームを上向き開放回動させた状態での走行機体前部の分離側面図、図5は操向ハンドル体を斜め後方から見た斜視図、図6は操向ハンドル体及び上部フレームを斜め前方から見た斜視図、図7は上部フレームを斜め後方から見た斜視図、図8は走行機体前部の側面図、図9は上部フレームを上向き開放回動させた状態での走行機体前部の側面図、図10は操作パネル体、ボンネットカバー体及びコラムカバー体の分離斜視図である。
【0024】
(1).田植機の概要
まず、主として図1〜図3を参照しながら、作業車両としての乗用型田植機の概要について説明する。
【0025】
図1〜図3に示すように、実施形態における乗用型田植機の走行機体1は機体フレーム2を備えており、当該機体フレーム2は、その左右両側の前後に配置された左右の前輪3及び左右の後輪4にて支持されている。
【0026】
走行機体の前部1には、動力源としてのエンジン5が搭載されている。エンジン5の上面にはエアクリーナ31が配置されている(図4参照)。エンジン5の後方下部には、静油圧式無段変速機構等を有するミッションケース6が配置されている。
【0027】
ミッションケース6の左右側部からはフロントアクスルケース7が左右外向きに突出しており、このフロントアクスルケース7の両端部に対して前輪3が舵取り可能に取り付けられている。ミッションケース6から後方に突出した筒型フレーム8には、リヤアクスルケース9が固定されており、リヤアクスルケース9の左右両側に後輪4が取り付けられている。
【0028】
機体フレーム2の上面は複数のカバー体にて覆われており、それぞれのカバー体ごとに着脱可能に構成されている。例えば、エンジン5の外周は、フロントボンネットとしての操作パネル体10とボンネットカバー体11とコラムカバー体12とにて上方及び前後から囲われており、それぞれが着脱可能に構成されている(図4参照)。ボンネットカバー体は特許請求の範囲に記載した前部カバー体に相当し、コラムカバー体は特許請求の範囲に記載した後部カバー体に相当する。
【0029】
また、機体フレーム2の上面前部のうちボンネットカバー体11及びコラムカバー体12の下端外周は、平面視略ロ字状の前機体カバー体13にて覆われている。機体フレーム2の上面後部は、前機体カバー体13の後端から連続する形態に形成された後ろ機体カバー体14にて覆われている。
【0030】
ミッションケース6の上面には、走行機体1を操向操作するためのチルト式の操向ハンドル体15が立設されている。操向ハンドル体15の先端(上端)側はフロントボンネットから上向きに突き出ており、その先端に操向丸ハンドル43が取り付けられている。
【0031】
後ろ機体カバー体14の上面のうち操向ハンドル体15の後方には、シートフレーム16を介して運転座席17が設けられている。この場合、運転座席17に座ったオペレータが操向丸ハンドル43を回動操作することにより、その操作量(回動量)に応じて左右両前輪3の舵取り角(操向角度)が変わるように構成されている。
【0032】
なお、前機体カバー体13の後端縁と後ろ機体カバー体14の前端縁との間(隙間)からは、走行機体1の車速を適宜調節するための変速ペダル18と、走行機体1を制動操作するためのブレーキペダル19とが上方に突出している(図2参照)。また、前機体カバー体13の左右両側には、予備の苗マットを複数載せるための予備苗載台20が設けられている。
【0033】
操作パネル体10のうち操向ハンドル体15を挟んで左右一側方には、走行機体1の前進、停止、後退及びその車速を変更操作するための主変速レバー21が配置されている。操作パネル体10の他側方には、エンジン5の回転数を調節操作するためのアクセルレバー22と、変速ペダル18の操作位置を一定に保持して走行機体1を定速走行させるためのオートクルーズレバー23と、後述する苗植え付け装置25の昇降操作や動力継断操作等を行うためのシフトレバー24とが配置されている(図3参照)。これら各レバー21〜24はいずれも、特許請求の範囲に記載した操作レバー手段に相当する。
【0034】
機体フレーム2の後端部には、上下リンクからなる平行リンク機構26を介して、6条植え用の苗植え付け装置25が昇降調節可能に連結されている。苗植え付け装置25は従来から公知の構造である。すなわち、苗植え付け装置25は、ミッションケース6から動力伝達される3組の伝動ケース27と、これら各伝動ケース27の左右両側に取り付けられたロータリ式の苗植え機構28と、上端が走行機体1に近付く前傾姿勢で伝動ケース27の上面に取り付けられた苗載台29と、伝動ケース27の下面に配置された田面均平用のフロート30とを備えている。
【0035】
(2).操向ハンドル体の構造
次に、図4〜図9を参照しながら、操向ハンドル体の構造について説明する。
【0036】
操向ハンドル体15は、ミッションケース6の上面に上向きに突設されたハンドル下軸40と、ハンドル下軸40の上端部に自在軸継手42を介して連結されたハンドル上軸41と、ハンドル上軸41の上端に取り付けられた操向丸ハンドル43とを備えている。
【0037】
ハンドル下軸40の外周は、ミッションケース6の外面に固着された支持部材としての下部コラム筒44にて囲われており、当該ハンドル下軸40は、下部コラム筒44に対して回転のみ可能に軸支されている。
【0038】
ハンドル上軸41は、その外周に被嵌された上部コラム筒45と共に、自在軸継手42における左右横向きのチルト軸46を中心にして、上下方向に屈曲回動(チルト回動)可能に構成されている(図4及び図9参照)。
【0039】
上部コラム筒45には、ハンドル上軸41が回転のみ可能に軸支されている。上部コラム筒45の下端部には、当該上部コラム筒45及びハンドル上軸41の屈曲角度(チルト角度)を複数段階に調節するための姿勢調節手段47が設けられている(図5参照)。
【0040】
姿勢調節手段47は、下部コラム筒44の上端部に前方斜め上向きに突設された断面上向きコ字状の固定ブラケット53に対して後ろ向きに延びるように取り付けられた回動式のチルト回動レバー48と、このチルト回動レバー48の長手中途部に下方から対峙するように上部コラム筒45の側面下部に設けられた係止プレート49とを備えている。
【0041】
チルト回動レバー48の基端部は、固定ブラケット53に対して横向きの枢支軸50にて上下回動操作可能に装着されている。チルト回動レバー48の長手中途部には、下向き鉤状の係合フック51が固着されている。一方、係止プレート49の上端面には、複数の係止溝52がチルト軸46を中心とする回動方向に沿って適宜間隔で形成されている。
【0042】
上部コラム筒45及びハンドル上軸41を所定の屈曲角度(チルト角度)に屈曲回動させたときは、チルト回動レバー48の係合フック51を複数の係止溝52のうちの任意のものに選択的に係合させることによって、上部コラム筒45及びハンドル上軸41の傾斜姿勢が段階的に変更・調節され且つ保持される。
【0043】
チルト回動レバー48は、図示しないばね部材にて、係合フック51が係合プレート49の係止溝52に係合する方向に向けて常時付勢されている。チルト回動レバー48の自由端部(先端部)は、コラムカバー体12から外向き(後ろ向き)に突出している。
【0044】
(3).カバー体及びその支持構造
次に、主として図3〜図10を参照しながら、エンジン周りに位置したカバー体及びその支持構造について説明する。
【0045】
エンジン5の上方を覆う操作パネル体10は平面視で略楕円状の形態になっており、上部コラム筒45の長手中途部から走行機体の前方に向けて突出するように、エンジン5の上方に位置した上部フレーム60(詳細は後述する)に取り付けられている。操作パネル体10の上面には表示部10bやキースイッチ等が配置されている。表示部10bの裏面側には、当該表示部10bの表示制御等を司る制御ボックス117が設けられている(図8〜図10参照)。
【0046】
コラムカバー体12は、操作パネル体10と上部コラム筒45とを後方から囲むように平面視で略円弧状に形成されている。コラムカバー体12の左右前端縁12aは、ボンネットカバー体11の左右後端縁11aにぴったりと重なるように前斜め下向きの傾斜状に形成されている。
【0047】
コラムカバー体12の下端縁12bは、前下カバー体13の上面縁13aにぴったりと重なるように、緩い勾配の後ろ斜め上向き傾斜状に形成されている。この下端縁12bには、複数個所に下向きの舌片82が一体的に突出されており(図4及び図10参照)、当該各舌片82は、前機体カバー体13の上面縁13aに形成された嵌合穴83(図3参照)に上方から嵌合するように構成されている。
【0048】
また、コラムカバー体12の上端縁は、操作パネル体10の下端縁のうち後端部及び左右両側端部にぴったりと当接するように形成されている。そして、後述するフロントフレーム62のプレート板72に取り付けられた左右一対のコイルばね84の先端鉤部を、コラムカバー体12の内面に形成された係止ブラケット58に引っ掛けることにより、コラムカバー体12の上端縁を操作パネル体10の下端縁に密接させてガタつかないように、コラムカバー体12全体が前向きに付勢されている(図8参照)。
【0049】
操作パネル体10の後部とコラムカバー体12の上部とは、上部コラム筒45及びハンドル上軸41の上下回動を許容するための切り欠き凹溝10a,12c(図10参照)が形成されている。操作パネル体10及びコラムカバー体12を装着した状態では、両者10a,12cが合わさって上下に長い長穴となり、上部コラム筒45及びハンドル上軸41は、これら切り欠き凹溝10a,12c(長穴)に沿って、操作パネル体10に接離するように上下回動することになる。
【0050】
図2、図3及び図10に示すように、ボンネットカバー体11は、先端(前端)に向かって先細になる流線型(楕円殻状)に形成されており、ボンネットカバー体11の左右後端縁11aは、下側から上に行くに従って機体フレーム2の後方に向かう後ろ斜め上向きの傾斜状に形成されている。これら左右の後端縁11aには、後ろ向きに突出した案内舌片79が複数形成されており(実施形態では上下2つずつ、図4及び図10参照)、ボンネットカバー体11の装着に際しては、これら案内舌片79がコラムカバー体12の左右前端縁12aより内面側に入り込むように構成されている。
【0051】
ボンネットカバー体11の下端縁11bは、前機体カバー体13のうちなだらかな勾配で後ろ斜め上向きに傾斜した上面縁13aに摺接可能なように、緩い勾配の後ろ斜め上向き傾斜状に形成されている。この下端縁11bのうち前寄りの箇所には、下向きの係止舌片80が一体的に突設されており(図4及び図10参照)、当該係止舌片80は、前機体カバー体13における上面縁13aの前端箇所に形成された係止穴81(図3参照)に上方から嵌合するように構成されている。
【0052】
操作パネル体10を下方から支持する上部フレーム60は、平面視略E字状の回動フレーム61と、平面視略U字状のフロントフレーム62とにより構成されている。実施形態では、フロントフレーム62のうち後ろ向きに延びる左右両アーム71の先端が回動フレーム61における水平バー63の前面にボルト締結されている。フロントフレーム62の前後長さは、当該フロントフレーム62の前端部が操作パネル体10の前端よりも前方に突出して、平面視において操作パネル体10から大きくはみ出す程度の寸法に設定されている。
【0053】
回動フレーム61における水平バー63の両端寄りの部位からは、互いに同じ方向に平行状に延びるサイドアーム64が突出しており、当該両サイドアーム64の突端には、互いに左右方向の同心状に貫通した横支軸としての筒状軸部65が設けられている。
【0054】
一方、下部コラム筒44の前面上部に溶接等で固着されたブラケット板66には、左右一対のウイングアーム67が左右外向きに突出するように固定されており、これら各ウイングアーム67の先端には、互いに左右方向の同心状に貫通した枢支ボス部68が取り付けられている。
【0055】
回動フレーム61における各サイドアーム64の筒状軸部65は、これに対応するウイングアーム67の枢支ボス部68に左右外側から回動可能に差し込み装着されている。このため、回動フレーム61ひいては上部フレーム60及び操作パネル体10は、チルト軸46と平行状に延びる同一軸線上の筒状軸部65回りに上下開閉回動可能に構成されている。
【0056】
この場合、上部フレーム60及び操作パネル体10と、上部コラム筒45及びハンドル上軸41とは、それぞれ独立して回動可能に構成されており、上部フレーム60及び操作パネル体10が筒状軸部65回りに上下回動したときは、上部フレーム60及び操作パネル体10は、操向ハンドル体15(上部コラム筒45や操向丸ハンドル43)に近付いたり遠ざかったりすることになる。ただし、上部コラム筒45及びハンドル上軸41が後ろ斜め上向きの傾斜姿勢(操向操作するときの姿勢)のときは、上部コラム筒45及びハンドル上軸41の存在にて、上部フレーム60及び操作パネル体10の上向き開放回動は規制される。
【0057】
実施形態では、回動中心としての筒状軸部65が上部フレーム60の後端側、すなわち操向ハンドル体15に近い側にあるため、上部フレーム60及び操作パネル体10を上向き開放回動させると、操作パネル体10とエンジン5の上面との間には、前向きに開放された空間が形成されることになる(図4及び図9参照)。
【0058】
なお、一方のサイドアーム64の筒状軸部65には、主変速レバー21の下端部から左右横向きに突出した横軸93が回動可能に差し込み装着されており、他方のサイドアーム64の筒状軸部65には、苗植え付け装置25の昇降手段及び動力継断手段とシフトレバー24とを連動連結するシフト用連動機構112の一構成要素である中継杆113の水平軸114が回動可能に差し込み装着されている(図7参照)。
【0059】
回動フレーム61における水平バー63の長手中途部には、左右両サイドアーム64と同じ方向に突出したセンターアーム69が取り付けられている。このセンターアーム69は、下部コラム筒44の上端部に設けられた断面上向きコ字状の固定ブラケット53に上方から着脱可能に嵌まっている。すなわち、センターアーム69は下部コラム筒45側の固定ブラケット53にて下方から支持されている。
【0060】
図3及び図8に示すように、フロントフレーム62のうち前端側に位置した連係アーム70は、機体フレーム2のうちエンジン5の前方に立設された正面視逆U字状の補助フレーム54に対して、ボルト・ナットにて着脱可能に連結されている。このため、上部フレーム60を筒状軸部65回りに閉じ回動させた状態では、エンジン5の前後面及び上面が補助フレーム54、上部フレーム60及び下部コラム筒44にて囲われる。
【0061】
フロントフレーム62の左右両アーム71に固着されたプレート板72の間には、左右横長の支持ステー73が取り付けられており、この支持ステー73の存在にてフロントフレーム62の剛性を向上させている。支持ステー73の上面にはヒューズボックス74が配置されている。もちろん、ヒューズボックス74の上方は操作パネル体10にて覆われている。
【0062】
左右両アーム71におけるプレート板72の間には、左右横長のラッチ軸75もその横軸線回りに回動可能に装架されており、ラッチ軸75のうちプレート板72から左右外向きに突出した両端部には、前向き鉤状のラッチ爪76が固着されている。ラッチ軸75の長手中途部には、当該ラッチ軸75と交差する上方向に突出したラッチレバー77が設けられている。
【0063】
左右一対のラッチ爪76は、ラッチ軸75回りに前後回動することにより、ボンネットカバー体11の内面に設けられたブラケット板55から左右横向きに突出した係合ピン56(図8及び図10参照)に係脱するように構成されている。ラッチ爪76は、これとプレート板72との間に装架されたねじりばね78の弾性付勢力にて、ボンネットカバー体11側の係合ピン56に係合し得る前向きの回動方向に常時付勢されている。
【0064】
ラッチ爪76がボンネットカバー体11側の係合ピン56に引っ掛かり係合することにより、ボンネットカバー体11は前向きに抜け不能にロックされる。ボンネットカバー体11を外す際には、ラッチレバー77の前向き回動操作にて、ラッチ爪76をラッチ軸75回りに後ろ向き回動させることにより、ラッチ爪76とボンネットカバー体11側の係合ピン56との係合(ロック)を解除すればよい。
【0065】
なお、操作パネル体10の上面前部には、後端部回りに上下開閉回動可能に構成された蓋カバー57が設けられており、この蓋カバー57を手動にて開き回動させると、ラッチレバー77が現れるように構成されている。
【0066】
(4).操作レバー手段の構成
次に、図3及び図5〜図9を参照しながら、操作パネル体の上面から外向きに突出した操作レバー手段の構成について説明する。
【0067】
実施形態における各操作レバー手段の基端部は、上部フレーム60及び操作パネル体10と共に筒状軸部65回りに一体的に回動するように、上部フレーム60に取り付けられている。
【0068】
すなわち、操作レバー手段のうち操向ハンドル体15の左右一側方に位置した主変速レバー21は、その下端部(基端部)に前後方向に貫通したボス部90を備えており、このボス部90は上下に開口した箱型ブラケット91内に配置されている(図6及び図7参照)。主変速レバー21のボス部90と箱型ブラケット91とには、前後に延びるピン軸92が貫通している。このため、主変速レバー21はピン軸92回りに左右回動可能に構成されている。
【0069】
図7に示すように、箱型ブラケット91の一側面には横軸93が左右横向きに突設されており、この横軸93は、回動フレーム61における一方のサイドアーム64の筒状軸部65に左右外側から回動可能に差し込み装着されている。このため、箱型ブラケット91ひいては主変速レバー21は、横軸93回りに前後回動可能に構成されている。従って、実施形態では、主変速レバー21が前後方向にも左右方向にも回動可能な構成となっている。箱型ブラケット91の横軸93は、リンクやワイヤ等の変速用連動機構94を介して、ミッションケース6内の静油圧式無段変速機構からの動力が伝達されるギヤ式変速機構(図示せず)に連動連結されている。
【0070】
箱型ブラケット91の上方には、回動フレーム61における水平バー63の一端部に固着された変速ガイド板95が位置しており、主変速レバー21は変速ガイド板95に形成されたガイド溝96を貫通して、操作パネル体10の外面に突出している。このため、主変速レバー21は、変速ガイド板95のガイド溝96に沿って前後左右に回動操作可能となっている。そして、このガイド溝96の存在により、主変速レバー21の回動範囲が規制される。
【0071】
図7に示すように、操向ハンドル体15の左右他側方に位置した3つのレバー22〜24のうちアクセルレバー22は、その下端部(基端部)に固定された回動板97が回動フレーム61における他方のサイドアーム64の筒状軸部65に固着された上向きブラケット98(図5及び図7参照)に対して横向きのピン軸99回りに前後回動可能に取り付けられている。アクセルレバー22の回動板97は、ワイヤ等のアクセル用連動機構100を介して、エンジン5に設けられた回転数設定用のコントロールレバー(図示せず)に連動連結されている。
【0072】
回動フレーム61における水平バー63の他端部には、当該水平バー63から上向きに突出したシフト用ブラケット101を介してレバーガイド板102が取り付けられており、アクセルレバー22はレバーガイド板102に形成されたアクセル用ガイド溝103(図6及び図7参照)を貫通して、操作パネル体10の外面に突出している。このため、アクセルレバー22は、レバーガイド板102のアクセル用ガイド溝103に沿って前後方向に回動操作可能となっている。そして、このアクセル用ガイド溝103の存在により、アクセルレバー22の回動範囲が規制される。
【0073】
オートクルーズレバー23は、その下端部(基端部)に左右方向に貫通したボス部104を備えており、このボス部104は、回動フレーム61における他方のサイドアーム64の上面に固着されたU字状支軸105(図5及び図7参照)のピン軸部に回動可能に被嵌されている。このため、オートクルーズレバー23も、アクセルレバー22と同様にして、U字状支軸105のピン軸部回りに前後回動可能に構成されている。オートクルーズレバー23のボス部104に一体的に設けられたL字アーム106は、ワイヤ等のクルーズ用連動機構(図示せず)を介して、変速ペダル18の近傍に位置した車速維持機構(図示せず)に連動連結されている。
【0074】
オートクルーズレバー23は、レバーガイド板102に形成されたクルーズ用ガイド溝107(図3、図6及び図7参照)を貫通して、操作パネル体10の外面に突出している。このため、オートクルーズレバー23も、レバーガイド板102のクルーズ用ガイド溝107に沿って前後方向に回動操作可能となっている。そして、クルーズ用ガイド溝107の存在により、オートクルーズレバー23の回動範囲が規制される。
【0075】
シフトレバー24は、その下端部(基端部)にほぼ縦向きに貫通したボス部108を備えており、このボス部108は断面コ字状の受けブラケット109内に配置されている。シフトレバー24のボス部108と受けブラケット109とにはほぼ縦向きのピン軸110が貫通しており、シフトレバー24はピン軸110回りに左右回動可能に構成されている。
【0076】
受けブラケット109は、水平バー63におけるシフト用ブラケット101の側面から左右内向きに突出したボス軸111(図5、図7及び図8参照)にて、当該ボス軸111回りに回動可能に枢支されている。従って、シフトレバー24は、主変速レバー21と同様に、前後左右に回動可能に構成されている。受けブラケット109は、リンクやワイヤ等のシフト用連動機構112を介して苗植え付け装置25の昇降手段及び動力継断手段(図示せず)に連動連結されている。
【0077】
シフトレバー24は、アクセルレバー22やオートクルーズレバー23と同様に、レバーガイド板102に形成されたシフト用ガイド溝115(図3、図6及び図7参照)を貫通して、操作パネル体10の外面に突出している。このため、シフトレバー24は、レバーガイド板102のシフト用ガイド溝115に沿って前後左右に回動操作可能となっている。そして、このシフト用ガイド溝115の存在により、シフトレバー24の回動範囲も規制される。
【0078】
これらの構成から分かるように、実施形態における各操作レバー手段21〜24の基端部はいずれも、上部フレーム60を構成する回動フレーム61と一体的に回動するように、回動フレーム61に取り付けられているのである。
【0079】
(5).作用効果
以上の構成によると、上部コラム筒45及びハンドル上軸41と、上部フレーム60及び操作パネル体10とが、それぞれ独立して上下回動可能に構成されているから、ボンネットカバー体11とコラムカバー体12とを取り外して、上部コラム筒45及びハンドル上軸41をチルト軸46回りに下向きに倒れ回動させたのち、上部フレーム60及び操作パネル体10を筒状軸部65回りに上向き開放回動させれば、上部フレーム60及び操作パネル体10がエンジン5の上面から離れて、上部フレーム60及び操作パネル体10とエンジン5の上面との間に、手を差し入れるのに十分なスペースが開くことになる。
【0080】
このため、エンジン5の上部や当該箇所にある装置類(例えばエアクリーナ31等)のメンテナンスをするに際して、上部フレーム60及び操作パネル体10の存在が邪魔にならない。また、メンテナンス時に、従来のように操作パネル体10を取り外す必要もなく、かかる取り外し作業の手間も省ける。従って、エンジン5の上部や当該箇所にある装置類のメンテナンス作業がし易いのである。
【0081】
その上、上部フレーム60及び操作パネル体10とエンジン5の上面との間に、手を差し入れるのに十分なスペースが開くから、操作パネル体10のうち表示部10bの裏面側にある制御ボックス117にハーネスを結線する作業も簡単に行え、乗用型田植機の組立作業性の向上にも寄与できる。
【0082】
実施形態では、上部フレーム60の回動中心である筒状軸部65が上部フレーム60の後端側、すなわち操向ハンドル体15に近い側にあるから、上部フレーム60及び操作パネル体10を上向き開放回動させれば、操作パネル体10とエンジン5の上面との間に形成されるスペースは、前向きに開放されることになる。
【0083】
そうすると、オペレータは走行機体1の前方側からエンジン5の上部や当該箇所の装置類に対するメンテナンスを行える。このため、メンテナンスの際に、操向ハンドル体15の存在が邪魔にならず、作業効率を向上できる。
【0084】
また、操作パネル体10の上面から外向きに突出した各操作レバー手段21〜24の下端部(基端部)は、上部フレーム60を構成する回動フレーム61と一体的に回動するように、回動フレーム61に取り付けられているから、上部フレーム60及び操作パネル体10の上下開閉回動に連動して、各操作レバー手段21〜24も筒状軸部65を回動中心として連れ回動することになる。このため、上部フレーム60及び操作パネル体10を上下開閉回動させるに際して、各操作レバー手段21〜24を取り外す必要がなく、その存在が邪魔にならない。従って、上部フレーム60及び操作パネル体10の上下開閉回動操作がし易く、この点でも、エンジン5の上部や当該箇所の装置類に対するメンテナンス作業の効率向上に寄与できる。
【0085】
更に、フロントフレーム62のうち前端側に位置した連係アーム70は、機体フレーム2のうちエンジン5の前方に立設された補助フレーム54に対して、ボルト・ナットにて着脱可能に連結されているので、フロントフレーム62(上部フレーム60)と補助フレーム54との着脱は簡単に行える。
【0086】
しかも、フロントフレーム62の前後長さは、当該フロントフレーム62の前端部が操作パネル体10の前端よりも前方に突出する寸法に設定されており、ボンネットカバー体11を取り外した状態では、フロントフレーム62の前端部(連係アーム70の部分)が操作パネル体10の前方に露出するから、オペレータは、この露出部分(連係アーム70の部分)を掴んで上部フレーム60及び操作パネル体10の上下開閉回動操作を行える。すなわち、フロントフレーム62の連係アーム70が上下開閉回動操作用の把手としての機能を兼ね備えているので、専用の把手部品がなくても、上部フレーム60及び操作パネル体10の上下開閉回動操作がし易く、部品点数の抑制に寄与できるのである。
【0087】
(6).その他
本願発明は、前述の実施形態に限らず、様々な態様に具体化できる。例えば、本願発明は、乗用型田植機に限らず、トラクタやコンバイン等の農作業機、ホイルローダ等の特殊作業用車両にも適用できることはいうまでもない。また、前記操作パネル体の回動中心である横支軸は、操向ハンドル体のチルト軸と平行状であるに限らず、チルト軸と同軸状に位置してもよいし、チルト軸自体が横支軸として機能するように構成してもよい。
【0088】
その他、各部の構成は図示の実施形態に限定されるものではなく、本願発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】作業車両としての乗用型田植機の側面図である。
【図2】乗用型田植機の平面図である。
【図3】走行機体前部の平面図である。
【図4】上部フレームを上向き開放回動させた状態での走行機体前部の分離側面図である。
【図5】操向ハンドル体を斜め後方から見た斜視図である。
【図6】操向ハンドル体及び上部フレームを斜め前方から見た斜視図である。
【図7】上部フレームを斜め後方から見た斜視図である。
【図8】走行機体前部の側面図である。
【図9】上部フレームを上向き開放回動させた状態での走行機体前部の側面図である。
【図10】操作パネル体、ボンネットカバー体及びコラムカバー体の分離斜視図である。
【符号の説明】
【0090】
1 走行機体
2 機体フレーム
5 エンジン
6 ミッションケース
10 操作パネル体
11 ボンネットカバー体
12 コラムカバー体
13 前機体カバー体
14 後ろ機体カバー体
15 操向ハンドル体
17 運転座席
21 主変速レバー
22 アクセルレバー
23 オートクルーズレバー
24 シフトレバー
25 苗植え付け装置
40 ハンドル下軸
41 ハンドル上軸
43 操向丸ハンドル
44 下部コラム筒
45 上部コラム筒
46 チルト軸
47 姿勢調節手段
60 上部フレーム
61 回動フレーム
62 フロントフレーム
65 筒状軸部
70 連係アーム
90 主変速レバーのボス部
91 箱型ブラケット
97 アクセルレバーの回動板
104 オートクルーズレバーのボス部
108 シフトレバーのボス部
117 制御ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前部に搭載された動力源と、この動力源の後方に配置された操向ハンドル体と、前記動力源の上方の少なくとも一部を覆う操作パネル体とを備えている作業車両であって、
前記操向ハンドル体は、横向きのチルト軸を中心にして、前記操作パネル体に接離するように上下回動可能に構成されている一方、
前記操作パネル体は、前記チルト軸と同軸状又は平行状な横支軸を中心にして、前記操向ハンドル体に接離するように上下開閉回動可能に構成されており、
前記ハンドル上軸と前記操作パネル体とは、それぞれ独立して回動可能な構成となっていることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記走行機体のうち前記動力源の後方に立設された支持部材に、前記動力源の上方に位置した上部フレームの後端部が前記横支軸を介して回動可能に軸支されており、前記上部フレームの前端部は前記走行機体に着脱可能に連結されており、前記上部フレームに前記操作パネル体が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載した作業車両。
【請求項3】
前記操作パネル体の上面からは、前記走行機体を作動操作するための操作レバー手段が外向きに突出しており、当該操作レバー手段の基端部は、前記上部フレームと一体的に回動するように、前記上部フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載した作業車両。
【請求項4】
前記走行機体の前部には、前記動力源及び前記操作パネル体を前後から囲む前部カバー体と後部カバー体とがそれぞれ着脱可能に装着されており、
前記上部フレームの前端部は、前記走行機体のうち前記動力源の前方に立設された補助フレームに着脱可能に連結されており、前記前部カバー体を取り外した状態では、前記上部フレームの前端部が前記操作パネル体の前方に露出していることを特徴とする請求項2又は3に記載した作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−308116(P2007−308116A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142004(P2006−142004)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】