光反射型部品検出システム及びこれを用いた部品搬送装置
【課題】光反射型部品検出システムにおいて、検出環境に応じた判別条件の設定を容易にするとともに判別の確実性を得る。
【解決手段】本発明の光反射型部品検出システム110は、搬送される部品が通過する搬送経路102中に設定された既定の検出範囲Spからの反射光の量を検出する受光素子117と、該受光素子で検出された前記反射光の量を所定の判別条件に基づいて判別する判別手段120とを具備する光反射型部品検出システムにおいて、前記検出範囲の背後に光反射面114aを備えた動作部材114を配置し、該動作部材を動作させて前記光反射面の位置又は姿勢を変化させることで前記検出範囲に前記部品が配置されていないときの背景からの反射光量が変化するように構成されていることを特徴とする。
【解決手段】本発明の光反射型部品検出システム110は、搬送される部品が通過する搬送経路102中に設定された既定の検出範囲Spからの反射光の量を検出する受光素子117と、該受光素子で検出された前記反射光の量を所定の判別条件に基づいて判別する判別手段120とを具備する光反射型部品検出システムにおいて、前記検出範囲の背後に光反射面114aを備えた動作部材114を配置し、該動作部材を動作させて前記光反射面の位置又は姿勢を変化させることで前記検出範囲に前記部品が配置されていないときの背景からの反射光量が変化するように構成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は部品検出システム及びこれを用いた部品搬送装置に係り、特に、光学的に部品を判別する場合に好適な部品検出システムの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーツフィーダ等の部品供給装置或いは部品搬送装置においては、搬送されてくる部品の種類、形状、姿勢等を判別し、その判別結果に応じて部品を選別したり姿勢を変更したりする部品選別部や部品反転部などが設けられる。これらの部品選別部や部品反転部では、部品の種類、形状、姿勢等を検出するための部品検出システムが設置される。この部品検出システムとしては、光学的に部品を検出する光学センサを備えたものが広く用いられている。
【0003】
部品検出システムとしては、以下の特許文献1に記載されているように、発光素子により部品に照射された光の反射光量を受光素子で検出する反射光型の光電センサを用い、当該反射光量を適宜に設定された閾値と比較することで判別を行う光反射型部品検出システムが知られている。例えば、部品供給装置に多く用いられるものとして、発光素子と受光素子を備える光電センサ本体に光ファイバを接続し、光ファイバの先端にレンズユニットを接続してなるものがある。このシステムでは、先端のレンズユニットにより発光素子が放射する光を集光して微細な光スポットを形成することができるとともに、当該光スポットから反射される光を選択的に検出できるので、微細な検出対象を精度よく検出することができる。
【0004】
このような光反射型部品検出システムにおいては、光電センサにより検出された反射光の検出光量と既定の閾値とを比較して、検出光量が閾値を上回ったときに所定の処理を行うための処理指令を出力するライトオン型のシステムと、検出光量が閾値を下回ったときに所定の処理を行うための処理指令を出力するダークオン型のシステムとが知られている。ライトオン型のシステムは所定の処理を行うべき部品からの反射光量が大きくなる場合に用いられ、ダークオン型のシステムは所定の処理を行うべき部品からの反射光量が小さくなる場合に用いられる。一例として、搬送部品のうち不良姿勢にある部品を排除する部品選別部に適合する部品検出システムについて説明すると、不良姿勢にある部品の光照射面の反射率が高い場合にはライトオン型のシステムが用いられ、不良姿勢にある部品の光照射面の反射率が低い場合にはダークオン型のシステムが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−010111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の光反射型部品検出システムにおいて、例えば、部品の姿勢を検出し、特定姿勢の部品を排除したい場合について述べると、特定姿勢の部品の被検出面の反射率が高い場合には上記ライトオン型のシステムを選択し、当該被検出面の反射率が低い場合には上記ダークオン型のシステムを選択するのが通常である。したがって、排除したい部品の姿勢を変更する場合には、システムの型を変更すればよいが、いずれの型のシステムにおいても、搬送トラック上に部品が存在しないときに得られる搬送トラックの表面からの反射光量(背景の検出光量)が部品の被検出面からの反射光量と判別できるように構成する必要があり、通常は背景の検出光量が一方の型のシステムに適合していると、他方の型のシステムには適合しない場合が多いため、システムの型を変更することが難しいという問題点がある。
【0007】
また、一般的には、部品の属性を判別するには、検出環境に応じた閾値などの判別条件を設定する必要があるが、この設定は、上記のように部品の検出条件だけでなく、部品が存在しないときの搬送トラックの表面等の背景による光学的影響をも考慮する必要があるため、検出環境によっては、判別条件の設定が困難で、その結果、検出環境によっては判別の確実性を担保することができなくなるという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、光反射型部品検出システムにおいて、検出環境に応じた判別条件の設定を容易にするとともに判別の確実性を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
斯かる実情に鑑み、本発明の光反射型部品検出システムは、搬送される部品が通過する搬送経路中に設定された既定の検出範囲からの反射光の量を検出する受光素子と、該受光素子で検出された前記反射光の量を所定の判別条件に基づいて判別する判別手段とを具備する光反射型部品検出システムにおいて、前記検出範囲の背後に光反射面を備えた動作部材を配置し、該動作部材を動作させて前記光反射面の位置又は姿勢を変化させることで前記検出範囲に前記部品が配置されていないときの背景からの反射光量が変化するように構成されていることを特徴とする。これによれば、搬送される部品が通過する検出範囲の背後に配置された動作部材を動作させて光反射面の位置又は姿勢を変化させることで、検出範囲に部品が配置されていないときの背景からの反射光量が変化するので、動作部材の動作で背景の反射光量を変えることにより、検出環境の光学的条件を容易に変更することが可能になるため、検出環境に応じた閾値などの判別条件の設定が容易になるとともに判別の確実性を担保することができる。特に、後述するライトオン制御とダークオン制御を切り替えることも容易になる。
【0010】
本発明の一の態様においては、前記検出範囲において前記部品の通過領域の背後若しくは手前に配置された壁面に開口する光学開口部を設け、前記光反射面の位置又は姿勢の変化可能な範囲内における少なくとも一つの位置又は姿勢において前記光学開口部を通して前記光学面による反射光が前記受光素子により検出可能となるように構成される。これによれば、光学開口部を通して光反射面による反射光が受光素子により検出可能となるため、受光素子において検出される反射光の通過範囲を限定することができることから、光反射面による反射光の受光素子の検出光量に対する寄与を大きくして感度を高めたり、光反射面の位置又は姿勢を変更したときの上記検出光量の変化幅を大きくしたりすることが可能になる。
【0011】
本発明の他の態様においては、前記動作部材は、前記検出範囲と前記光反射面の前記検出光軸に沿った距離が変更可能となるように構成される。これによれば、当該距離が変化することで、搬送経路上の検出範囲から出射する反射光に対する受光素子の検出感度と、光反射面から出射する反射光に対する受光素子の検出感度とが変化するため、背景の検出光量を増減させることが可能になる。
【0012】
この場合に、前記検出範囲と前記受光素子との間には前記反射光を前記受光素子に導く集光レンズが配置され、前記動作部材は前記光反射面の姿勢を維持したまま前記受光素子の検出光軸に沿って移動可能とされることが好ましい。これによれば、前記動作部材が光反射面の姿勢を維持したまま検出光軸に沿って移動可能に構成されるので、簡易な移動機構とすることができるとともに、光反射面からの反射光のうち集光レンズを介して受光素子で検出される反射光の量は、検出範囲からの反射光に合わせて設定される集光レンズの光学特性(焦点距離)により、光反射面が検出範囲から検出光軸に沿って離れるに従って漸減するので、動作部材の移動により確実に背景の反射光の検出量を増減させることができる。
【0013】
本発明の別の態様においては、前記動作部材は、前記光反射面の前記検出光軸に対する角度が変更可能となるように構成される。これによれば、光反射面の検出光軸に対する角度を変更することで確実に背景の反射光の量を増減させることができる。
【0014】
上記の場合にはさらに、前記動作部材は、前記光反射面が前記検出光軸と交差する面に沿って移動可能となるように構成されることが好ましい。これによれば、光反射面を検出光軸から外すことで受光素子の検出光量を大きく変化させることができる。このとき、上記の光学開口部を設ける場合には、光反射面を検出光軸から外すことで光学開口部の開口範囲からも外れるように構成できるので、さらに確実に背景の反射光の量を増減させることができる。
【0015】
本発明の部品搬送装置は、前記搬送経路を備えた搬送体と、該搬送経路上の前記部品を移動させる搬送手段と、前記搬送経路上に前記検出範囲を備えた前記光反射型部品検出システムと、を具備することを特徴とする。このような部品搬送装置としては、搬送手段として搬送体を振動させる加振機構を備えた、搬送部品を搬送体の振動により搬送する振動型部品搬送装置が挙げられるが、これに限定されるものではなく、搬送手段として搬送ベルト及びその駆動機構を備えたベルトコンベアなど、何らかの部品を搬送経路に沿って搬送することができるものであればよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光反射型部品検出システムにおいて、光反射面を備えた動作部材を動作させて位置又は姿勢を変更することで、判別条件を容易に設定することができるとともに判別の確実性を確保できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る第1実施形態の第1の状態における光反射型部品検出システムを部品搬送装置(ボウル型パーツフィーダ)に取り付けた状態を示す部分断面図。
【図2】第1実施形態の光反射型部品検出システムの第2の状態における光反射型部品検出システムを示す部分断面図。
【図3】第1実施形態の部品搬送装置の一部を示す部分斜視図。
【図4】第1実施形態の光反射型部品検出システムの搬送トラック近傍の構造を示す拡大部分断面図。
【図5】第1実施形態の光反射型部品検出システムを光検出側から見た様子を示す図。
【図6】第1実施形態の検出対象である部品を搬送トラック上に配置した状態で示す、平面図、左側面図、正面図及び背面図。
【図7】第2実施形態の光反射型部品検出システムを部品搬送装置に取り付けた状態を示す部分断面図。
【図8】第2実施形態の部分断面図。
【図9】第3実施形態の部分断面図。
【図10】第1実施形態の光学状態を示す説明図。
【図11】第4実施形態の光学状態を示す説明図。
【図12】第5実施形態の光学状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は第1実施形態の光反射型部品検出システム110の動作部材が第1の位置にあるときの概略部分断面図、図2は第1実施形態の動作部材が第2の位置にあるときの概略部分断面図、図3は光反射型部品検出システム110の部品搬送装置100の搬送体に対する取り付け状態を示す概略斜視図、図4は部品選別部103の拡大縦断面図、図5は部品選別部103の拡大内面図である。
【0019】
本実施形態では、図3に一部を示すボウル型パーツフィーダからなる部品搬送装置100に設けられたボウル状の搬送体101に螺旋状の搬送トラック102が設けられている。搬送トラック102は搬送体101の内面101a上に形成された段差部で構成され、搬送トラック102は、搬送体101の内側へ傾斜した内面101aの一部により形成される第1の搬送面102aと、この第1の搬送面102aと交差し、水平若しくは反対側へ傾斜した段差面よりなる第2の搬送面102bとによって構成されている。ただし、本実施形態は、搬送トラック102に相当する直線状の搬送トラックを備えたリニア型パーツフィーダなど、搬送経路を有する他の任意の部品搬送装置に適用することも可能である。
【0020】
搬送トラック102の一部には部品選別部103が設けられ、この部品選別部103及びこれに隣接した位置に部品検出システム110が構成される。部品検出システム110は、搬送体101に固定された支持アーム111に支持され、部品選別部103に対して斜め上方より臨むように固定されたレンズユニット112を備えている。このレンズユニット112は光ファイバ115、116の端部に接続される。レンズユニット112の内部には、光ファイバ116に接続された照明用の導光部と、当該照明用の導光部の周りに分散配置され、光ファイバ115に接続された複数の検出用の導光部とが同軸状に構成されるとともに、それらの先端側に集光用(投光用及び受光用)のレンズ(凸レンズ)若しくはレンズ群が設けられている。
【0021】
光ファイバ115はフォトダイオード等の受光素子117に接続され、光ファイバ115内に入射した光を受光素子117で検出できるようになっている。光ファイバ116は発光ダイオード等の発光素子118に接続され、発光素子118から放出された光をレンズユニット112に向けて伝搬させるように構成される。発光素子118から放出された照明光はレンズユニット112から出射し、上記部品選別部103に後述する照明スポットSpを形成する。一方、上記照明光が部品選別部103で反射されてなる反射光はレンズユニット112にて集光されて受光素子117で検出される。本実施形態の場合、上記の照明光の光軸(以下、単に照明光軸という。)は部品選別部103に向けて伸び、検出光の光軸Xd(図4参照、以下、単に検出光軸という。)と一致している。
【0022】
搬送体101には上記部品選別部103に対応して凹部104が設けられている。この凹部104は搬送体101の外周側から上記搬送トラック102の部品選別部103にまで達している。図示例の場合、特に限定されるものではないが、凹部104は、搬送トラック102の部品選別部103に向けて内面101aの傾斜方向に沿って縦にスリット状に形成された凹溝部と、該凹溝部の上部から側方へ広がる側方延長部とを有するL字状に構成される。
【0023】
上記凹部104には取付ブロック105が嵌合固定される。取付ブロック105は、図5に示すように、上記凹溝部に挿入され、当該凹溝部によって搬送体101において搬送トラック102の第1の搬送面102aが欠損した部分に嵌合するトラック嵌合部105Aと、当該トラック嵌合部105Aの上端部から側方へ張り出した張出部105Bとを一体に備えたL字状に構成されている。張出部105Bは凹部104の上記側方延長部に挿入され、図3に示すように、ボルト等の固定部材106によって搬送体101に固定される。なお、図5は、ボルトや座金等の固定手段を省略して示してある。
【0024】
図4に示すように、取付ブロック105の下部には、当該取付ブロック105の外側から内側の表面105tまで貫通する通孔105aが設けられている。この通孔105aは、上記部品選別部103において第1の搬送面を構成する表面105tにおいて開口し、その開口部105bが上記光学開口部に相当するものとなっている。図示例では、通孔105aの内側部分(開口部105b側部分)は小径(開口径Op)に、反対の外側部分は開口部105bよりも大径(内径Dp)に構成され、全体として段付孔形状を備えている。上記開口径Opはレンズユニット112から照射される照明光の照射スポットSpのスポット径(Ds)以上とされ、当該照射スポットSpを完全に包含するように開口部105bが形成されている。ただし、検出感度を多少犠牲にすることが可能であれば、照射スポットSpよりも開口部105bが小さくても構わない。この照射スポットSpが搬送トラック上の部品に照射された場合には、そのスポット範囲は部品検出システム110が部品からの反射光を検出する検出範囲と実質的に一致する。
【0025】
通孔105aの外側部分にはエアシリンダ等よりなる駆動部材113が取り付けられ、この駆動部材113は、ロッド等よりなる動作部材114を出没方向である通孔105aの軸線方向に移動可能となるように構成されている。動作部材114の先端部は上記開口部105bの近くまで突出可能に構成され、その先端面は光を反射する光反射面114aとされている。ただし、光反射面114aは光を適宜の反射率で反射できる面となっていればよく、必ずしも鏡面のような高い反射率を備えたものでなくてもよい。光反射面114aの径Rpは図示例では動作部材114の外径と等しく、上記開口部105bの内径Opよりもやや小さく形成されてスムーズに動作部材114が通孔105a内を検出光軸Xd方向に移動可能に構成されている。
【0026】
光反射面114aは、開口部105bに対してレンズユニット112とは反対側に配置され、図4に二点鎖線で示すように開口部105bに近い位置までは移動可能とされるが、開口部105bよりも引きこまれた範囲に留まるように駆動される。これは、光反射面114aが開口部105bから突出し、部品選別部103において第1の搬送面102aに続く搬送面となる表面105t上に凸状に配置されると、部品Pの搬送を妨げることとなるからである。また、光反射面114aが開口部105bの開口面に沿って配置され、上記表面105tと光反射面114aとが同一平面上に配置される場合には、部品Pの搬送自体を妨げることはないものの、光反射面114aが搬送される部品Pと頻繁に接触することとなるため、光反射面114aが汚れることで光反射率が変動することで、判別精度の低下をもたらすことになるからである。
【0027】
駆動部材113は動作部材114を駆動し、動作部材114を第1の位置と第2の位置に切り替えることができる。第1の位置は、図1に示す位置及び図4の実線で示す位置であり、光反射面114aが開口部105bの開口面からレンズユニット112とは反対側に最も離間した位置である。一方、第2の位置は、図2に示す位置及び図4の二点鎖線で示す位置であり、光反射面114aが開口部105bの開口面(表面105t)に最も近づいた位置である。この第2の位置では、前述の理由から光反射面114aと上記開口面との間隔Gが設定される。この間隔Gは、部品の大きさや開口部105bの開口面積にも依存するが、一般的に0.1mm〜2.0mmの範囲内とすることが好ましい。この範囲より間隔Gが大きくなると、後述する部品Pの被検出面と光反射面114aとの距離が増大するので、ダークオンにより部品Pの状態を検出する場合に、部品Pの被検出面を検出したときの受光素子117の検出光量と、部品Pが存在しないときの背景の反射光量に相当する検出光量との差が確保しにくくなる。逆に、間隔Gが上記範囲より小さくなると、部品Pとの接触が発生しやすくなり、部品Pの構成材料の一部、例えば、電極部の半田などが光反射面114aに付着して反射率の低下を起こしやすくなる。
【0028】
なお、本実施形態の場合、通孔105aの軸線は、上記レンズユニット112の検出光軸Xd(照射光軸と同じ)と一致している。そして、動作部材114は、光反射面114aの姿勢を一定に維持しながら検出光軸Xdに沿って移動可能に構成されている。また、通孔105aの側方は取付ブロック105の下部底面において一部開口している。この開口は、取付ブロック105の下部底面が搬送体101の凹部104の内底面に当接することによって閉鎖されている。これによって、取付ブロック105を取り外すことにより、通孔105aの内部の点検、塵埃等の除去といった清掃などが容易に行うことができる。
【0029】
取付ブロック105の上部には給気経路を構成する縦穴105c、横孔105d及び凹部105eが設けられている。縦穴105cの開口には空圧コネクタ107が取り付けられ、ここに図示しないエアチューブ等が接続されて、圧縮空気などが給気経路へ供給される。また、取付ブロック105の表面に形成された凹部105eには空圧制御板108が装着され、この空圧制御板108はボルト等の固定部材109により取付ブロック105上に固定される。
【0030】
空圧制御板108の下部には切り欠き部108aが形成され、この切り欠き部108aによって上記凹部105eを介して上記給気経路が部品選別部103の搬送面に開口した構成とされる。この切り欠き部108aで構成される空圧開口部(給気経路の開口)は上記開口部105bに隣接している。当該切り欠き部108aによって構成される空圧開口部は部品Pに所定の空圧作用を与えることができる位置に設定される。図示例では、開口部105bで構成される光学開口部の上方に切り欠き部108aで構成された空圧開口部が配置される。これは、部品選別部103に到達した部品Pの上部に空圧を作用させることで確実に部品Pを搬送トラック102上から排除するためである。また、開口部105bで構成される光学開口部より搬送方向(図示例では搬送方向逆側、もっとも搬送側でもよい。)にずれた位置に切り欠き部108aで構成される空圧開口部が設けられている。これは、検出時における検出範囲(例えば部品上の照射スポットSpの位置)と処理時の空圧作用点との位置関係を最適化し、部品Pの処理が行えない事態、或いは、処理が不十分となる事態の発生を防止するためである。このように、図示例では、開口部105bに対して部品Pの搬送方向斜め上方に切り欠き部108aが形成される。本実施形態では、上記空圧開口部から気流が部品Pに吹き付けられることによって図1及び図2に矢印で示すように部品Pが搬送トラック102上から排除される。なお、図5において図示二点鎖線で示す部品位置は検出時の想定位置である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態では、受光素子117の検出信号は、制御回路、プログラマブルコントローラ、マイクロコンピュータ、MPU(マイクロプロセッサユニット)などの種々の構成で実現できる主制御部120に出力される。主制御部120は電磁バルブ等の制御駆動部121、122に制御信号を送出し、上記駆動部材113による動作部材114の位置、及び、給気経路への空圧の供給の有無を制御する。なお、図示例では駆動部材113をエアシリンダとすることで、空圧で動作部材114を駆動しているが、電動機や油圧回路等で駆動部材を構成するなど、駆動部材113としては種々の構成を用いることができ、制御駆動部121も駆動部材113の構成に応じて適宜に構成できる。なお、主制御部120は本発明の判別手段を構成する。また、制御駆動部121及び給気経路は部品処理手段を構成し、主制御部120及び制御駆動部122は動作部材114の制御手段を構成し、制御駆動部121、122及び駆動部材113は動作部材114の駆動手段を構成する。
【0032】
本実施形態では、動作部材114の光反射面114aが第1の位置にある場合、レンズユニット112から出射された照明光は開口部105b内に入射し、この開口部105b内で光反射面114aにて反射されるが、開口部105bから光反射面114aまでの距離が長いので、光反射面114aで反射された反射光の受光素子117での検出光量は、光反射面114aが開口部105bの近くの第2の位置にある場合と比べて小さくなる。例えば、図10に示すように、照明光Liが照射される照射スポットが実質的に検出範囲を構成する場合には、当該検出範囲において部品選別部103の搬送面上に配置された部品P(図示一点鎖線)の表面である被検出面による反射光Lrpが受光素子117の受光面上にちょうど結像するように構成されていたとすると、上記被検出面に近い第2の位置に配置される動作部材114(図示実線)の光反射面114aで反射される反射光Lr2は受光素子117の受光面で効率的に検出され、受光素子117の検出光量はそれほど低下しない。一方、上記被検出面から離れた第1の位置に配置される動作部材114(図示二点鎖線)の光反射面114aで反射される反射光Lr1は受光素子117の受光面から離れた位置で収束するので、受光素子117の検出光量は大きく低下する。
【0033】
本実施形態の場合、上記の理由により、光反射面114aが上記第1の位置に配置されるときと第2の位置に配置されるときとで光反射面114aの反射光に基づく受光素子117の検出光量は大きく増減する。したがって、動作部材114の光反射面114aを移動させることにより、部品Pが検出範囲に配置されていないときの受光素子117の検出光量、すなわち、背景の検出値を動作部材114の位置により制御することができる。
【0034】
図6は、本実施形態において検出されるべき部品Pの一例を示す説明図である。図6に示す例では、部品Pは略直方体状に構成され、表面Pa及び裏面Pbと、これらの間に設けられる四つの側面とを備えている。図示の部品Pは表面実装型の水晶振動子であり、表面Paのほとんどの部分は部品容器の蓋体Plで構成され、高い反射率を備えている。一方裏面Pbには、複数の電極Peが設けられ、これらの電極Peは例えば半田や金などの金属で構成されるが、それ以外の部分は低い反射率を備えたセラミック素材等よりなる部品容器が露出した露出部Pnとなっている。
【0035】
例えば、上記部品選別部103において、部品Pの搬送トラック102上で表面Paを上に向けた姿勢と裏面Pbを上に向けた姿勢とを判別する場合には、照射スポットSp(検出範囲)が図6に示すように表面Paの蓋体Plの表面部位と、裏面Pbの露出部Pnの表面部位とに配置されるように設定する。このようにすると、両表面部位の反射率差に応じた受光素子117の検出光量の差によって部品Pの両姿勢を判別することができる。そして、この場合、表面Paと裏面Pbのいずれか一方を上記被検出面とし、当該被検出面が光反射型部品検出システム110により検出されたときに図1に示す主制御部120が制御駆動部121を制御し、制御駆動部122が給気経路への給気を開始することで、上記切り欠き部108aで構成される空圧開口部を通して部品Pが空圧作用を受けるようにすると、空圧作用を受けた部品Pを搬送トラック102上から排除することができる。
【0036】
ここで、上記の被検出面を表面Paと裏面Pbのいずれに設定するかはユーザの要求等によって決定される。本実施形態では、どちらの場合でも、被検出面が検出されたときの受光素子117の検出光量は、部品Pの他の面が検出されたときの検出光量と、部品Pが部品選別部103に存在しないときの検出光量(以下、単に背景の検出光量という。)のいずれに対しても識別できるように構成しなければならない。
【0037】
本実施形態では、被検出面の判別方法として、被検出面の検出光量が他の面の検出光量と背景の検出光量のいずれよりも多い場合に処理を行うように制御するライトオン制御と、被検出面の検出光量が他の面の検出光量と背景の検出光量のいずれよりも低い場合に処理を行うように制御するダークオン制御のいずれかを行う。
【0038】
ライトオン制御においては、図6に示す部品Pの場合、被検出面が高い反射率を有する表面Paとなり、この表面Paがレンズユニット112を向いた姿勢を有する部品Pが処理の対象とされる。この場合、裏面Pbの反射率は表面Paよりも低いので検出光量の条件面で問題はない。また、背景の検出光量については、これを表面Paよりも低くするために、動作部材114を第1の位置に配置すればよい。
【0039】
一方、ダークオン制御においては、被検出面が低い反射率を有する裏面Pbとなり、この裏面Pbがレンズユニット112を向いた姿勢を有する部品Pが処理の対象とされる。この場合、表面Paは裏面Pbよりも高反射率であるので検出光量の条件面で問題はない。また、背景の検出光量については、これを裏面Pbよりも高くするために、動作部材114を第2の位置に配置すればよい。
【0040】
以上のように、本実施形態では、動作部材114を第1の位置と第2の位置に切り替えるだけで、ライトオン制御とダークオン制御を切り替えて実現することができる。この切り替え動作は、例えば、主制御部120からの制御信号に基づいて制御駆動部121を介して駆動部材113により動作部材114を移動させることで容易に実現できる。さらに、上記制御態様の切り替えだけでなく、一般的には背景の反射光量を動作部材114の移動によって容易に調整することができるため、閾値などの判別条件の設定が容易になり、しかも、判別の確実性をも高めることができる。
【0041】
また、本実施形態では、動作部材114の移動範囲の少なくとも一つの位置において光反射面114aによる反射光が開口部105b(光学開口部)を通して受光素子117により検出可能となるように構成されることで、受光素子117により検出される反射光の検出経路がより限定されたものとなるため、外光などの影響を低減することで光反射面114aによる反射光の受光素子117における検出感度を高めることができ、また、光反射面114aの位置を変更したときの受光素子117の検出光量の変化幅を大きくすることもできる。
【0042】
さらに、本実施形態では、部品Pや光反射面114aからの反射光を受光素子117へ導く集光レンズを備えたレンズユニット112が設けられているとともに、動作部材114が光反射面114aの姿勢を維持したまま検出光軸Xdに沿って移動可能とされていることにより、光反射面114aが検出光軸Xdに沿って移動した場合に光反射面114aによる反射光の収束位置も検出光軸Xdに沿って移動するので、光反射面114aの移動により受光素子117における検出光量を大きく増減させることができる。したがって、動作部材114を動作させることにより光学的条件に応じた検出環境をより容易かつ広範囲に設定することが可能になる。
【0043】
なお、上記実施形態では、動作部材114を第1の位置と第2の位置の二か所に切り替える例について説明したが、一般的に背景の反射光量を制御するという意味では、二か所の切り替えに限定されるものではない。したがって、動作部材114を所定の動作範囲(移動範囲)内において判別するために好ましい適宜の位置に調整することはもちろん可能である。
【0044】
次に、図7及び図8を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。この実施形態では、部品Pに対する処理内容が異なるだけであり、他の部分は第1実施形態と基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0045】
本実施形態では、図8に示すように第1実施形態と同様に構成された光反射式部品検出システム110′が部品反転部103′に形成されている。この部品反転部103′は、図7(a)に示すように、上記の搬送トラック102に沿って設けられた部品通過部103Aと、この部品通過部103Aの搬送方向と直交する側に隣接する部品移載部103Bとを備えている。部品通過部103Aは他の搬送トラック102と同じ断面形状を有し、上述のように取付ブロック105の表面105tで少なくとも一部が構成される傾斜した第1の搬送面103a1と、この第1の搬送面103a1に対向して逆向きに傾斜した第2の搬送面103a2とを有している。第2の搬送面103a2は部品Pの厚みより小さな幅を有し、部品Pが第2の搬送面103a2を越えて部品移載部103Bへ容易に倒伏可能となるように構成されている。一方、部品移載部103Bは、上記第1の搬送面103a1と対向し、これと逆向きに傾斜する第1の搬送面103b1と、この第1の搬送面103b1と対向しこれと逆向きに傾斜するとともに上記第2の搬送面103a2に隣接し、これと背中合わせの態様で逆向きに傾斜する第2の搬送面103b2とを有している。
【0046】
そして、搬送トラック102内を搬送されてきた部品Pが図7(a)に示すように部品反転部103′の上記部品通過部103Aに到達し、第1実施形態と同様に当該部品Pが処理を行うべき部品である旨が判別されると、図示しない空圧開口部からの空圧作用により図7(b)に示すように部品Pは部品通過部103Aから部品移載部103Bに倒伏して移載される。部品反転部103′には、図7(c)に示すように、上記部品通過部103Aと部品移載部103Bの下流側に配置された部品合流部103Cが設けられ、この部品合流部103Cの搬送面103cは部品姿勢を拘束しない凹円弧状に形成されている。この搬送面130c上では、上記部品通過部103Aをそのまま通過してきた部品と、上記部品移載部103Bに移載されてから搬送されてきた部品とが共に搬送されていく。そして、さらに下流側の搬送トラック102上では、図7(d)に示すように再び部品Pが姿勢を規制された状態で搬送される。この場合、部品移載部103Bに移載された部品Pについては、部品反転部103′で処理される前の図7(a)に示す姿勢と処理後の図7(d)に示す姿勢とが表裏が反転した関係になる。なお、部品反転処理を行うための搬送経路の構造は上記構成に限らず、結果として部品の表裏が反転するように構成された構造となっていればよい。例えば、図7(a)及び(b)に示す断面構造の第2の搬送面103a2と103b2を省略し、第1の搬送面103a1と103b1のみからなるV字型の断面構造としてもよい。
【0047】
次に、図9を参照して、本発明に係る第3実施形態について説明する。この実施形態では、先に説明した実施形態とは光反射型部品検出システムの構成が異なる。なお、他の部分は第2実施形態と基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。なお、本実施形態は第2実施形態をベースに構成しているが、以下の部品反転部103′を部品選別部103に置き換えることで第1実施形態にも同様に適用できることは明らかである。
【0048】
本実施形態の部品検出システム110″では、第1実施形態と同様のレンズユニット112′が、第1実施形態の駆動部材113及び動作部材114の代わりに部品反転部103′に対して下方(搬送面の背後から)から臨む姿勢で取付ブロック105の通孔105aに装着されている。また、駆動部材113′及びこれに駆動される動作部材114′は、上記とは逆に、部品反転部103′に対して上方(搬送面に向かう側)から臨む姿勢で第1実施形態のレンズユニット112と同様の方法で搬送体101に取り付けられている。ここで、動作部材114′の部品反転部103′に向かう面が第1実施形態の光反射面114と同様の光反射面114a′とされている。
【0049】
本実施形態では、搬送トラック102に開口する開口部105bに対してレンズユニット112′と動作部材114′の位置関係が逆に構成されている点が異なるが、光反射面114a′の検出光軸Xdに沿った移動により背景による反射光に基づく受光素子の検出光量が増減する点では同じであり、上記第1実施形態と基本的には同様の作用効果が得られる。
【0050】
次に、図11を参照して、本発明に係る第4実施形態について説明する。この実施形態では、動作部材の移動態様が上記各実施形態とは異なるが、基本的に検出方法や他の部分の構成は同様であるので、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。なお、本実施形態は第1実施形態の構成を部分的に変更したものとして説明するが、第2及び第3実施形態の構成を部分的に変更したものとすることも可能である。
【0051】
本実施形態の動作部材214は、図示しない駆動機構により、図11に示すように、検出光軸Xdに対する姿勢が変更可能に構成され、光反射面214aは動作部材214の姿勢変更により向きを変えるようになっている。図示例では、検出光軸Xd上の点Oxを中心に動作部材214の軸線と検出光軸Xdの交差角度θが変更可能とされている。このため、動作部材214が図示実線で示す第2の姿勢(図示例ではθ=0)にあるときに、照明光Liが光反射面214aで反射されてなる反射光Lr2が検出光軸Xdに沿って受光素子117に向かうように設定されているとすると、動作部材214の姿勢が変更され、動作部材214が図示二点鎖線で示す第1の姿勢(図示例ではθが所定の値)になったときには、反射光Lr1は検出光軸Xdから外れる。したがって、動作部材214の姿勢変更によって光反射面214aからの反射光による受光素子117の検出光量は増減することがわかる。
【0052】
上記のように、本実施形態では動作部材214の姿勢を変えることによって背景の反射光の受光素子による検出光量を増減させることができるため、先に説明した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
次に、図12を参照して、本発明に係る第5実施形態について説明する。この実施形態では、動作部材の移動態様が上記各実施形態とは異なるが、基本的に検出方法や他の部分の構成は同様であるので、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。なお、本実施形態は第1実施形態の構成を部分的に変更したものとして説明するが、第2及び第3実施形態の構成を部分的に変更したものとすることも可能である。
【0054】
本実施形態では、光反射面314aを備えた動作部材314が検出光軸Xdと直交する面に沿って移動可能に構成されている点で、上記の各実施形態とは異なる。本実施形態の場合、図12に実線で示すように動作部材314が第2の位置にあるときは、光反射面314aが検出光軸Xd上に配置され、その反射光Lr2が開口部105bを通して受光素子117に向かうように設定されている。一方、図示二点鎖線で示すように、動作部材314が第1の位置にあるときは、光反射面314aが検出光軸Xdから外れるように設定される。そして、この第1の位置では、光反射面314aによる反射光が減少若しくは消失することで、部品Pが存在しない場合の受光素子117の検出光量が低下するようになっている。したがって、本実施形態でも動作部材314を移動させることによって背景による検出光量を増減させることができる。
【0055】
上記のように、本実施形態では動作部材314の位置変更、すなわち、光反射面314aの検出光軸Xdからの外れ量、或いは、開口部105bを通過して受光素子117に向かう光量を変えることによって、背景の反射光の受光素子による検出光量を増減させることができるため、先に説明した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、動作部材314の移動方向は、検出光軸Xdと交差する面に沿った移動であればよく、必ずしも上記のように検出光軸Xdと直交する面に沿った移動でなくても構わない。
【0056】
上記各実施形態の効果を確認するために、実際に図示の光反射型部品検出システム110を部品搬送装置100に搭載し、上記の部品Pをライトオン制御とダークオン制御のそれぞれにおいて部品を選別若しくは反転する実験を行った。実験装置の構成は上記第1実施形態及び第2実施形態に示したとおりである。そのときの検出光量の実測値と設定した閾値の値を以下の表1に示す。ここで、主制御部120に相当する部分には、受光素子117の検出信号の感度を調整する機能があり、そのために各条件において最適な検出モードを設定しているため、検出光量の実測値は当該検出モードの検出感度によって増減している。ただし、検出モードについては表示を省略してある。
【0057】
【表1】
【0058】
本実施形態では上記実施例(選別1、選別2、反転1、反転2)のいずれにおいても、ライトオン制御とダークオン制御を容易に切り替えることができるとともに、いずれの制御態様でも閾値を容易に設定でき、判別の確実性も得られている。ここで、ライトオン制御では背景の検出光量が低くなるように動作部材の位置(第1の位置)を設定し、ダークオン制御では背景の検出光量が高くなるように動作部材の位置(第2の位置)を設定している。
【0059】
一般的に、ライトオン制御では、閾値の設定容易性や判別の確実性を確保するために背景値は低い方がよく、ダークオン制御では、同様の理由で背景値は高い方がよいが、搬送トラック102の構成、部品Pの外観などによって光学的条件は様々であるので、本発明のように背景の検出光量を調整することができることは、単に、ライトオン制御とダークオン制御のいずれをも選択可能で、しかも相互に切り替え可能というだけではなく、様々な光学的条件に対応することが可能になるという点で極めて有効である。
【0060】
尚、本発明の光反射型部品検出システムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態の個々の特徴点は相互に矛盾しない限り、任意の組み合わせにて組み合わせて用いることができる。また、上記各実施形態では、発光素子から放出される照明光を照射し、その反射光を受光素子で検出するようにしているが、システムそのものが照明光の照射機能を有していなくても、汎用照明などの照明光に基づく反射光を検出することも可能である。また、上記実施形態では上記システムを部品選別部又は部品反転部に用いる例のみを示しているが、当該システムを構成する検出部若しくは判別部は部品が搬送される搬送経路中(搬送トラック上)に設定されていればよく、当該システムによる検出、判別に基づいて行われる処理内容としては、部品の選別や反転に限らず、例えば、部品の仕分先を選択する処理、部品の光学特性を記録する処理など、部品処理部において行われうる種々の処理態様とすることができる。さらに、本システムは上記の各種の処理を伴うもの(部品処理部を有するもの)に限らず、搬送部品の検出、判別のみを行って特定の処理を実施しない場合に用いても構わない。
【符号の説明】
【0061】
100…部品搬送装置(部品供給装置)、101…搬送体、102…搬送トラック、103…部品選別部、103′…部品反転部、110…光反射型部品検出システム、112…レンズユニット、113…駆動部材、114…動作部材、114a…光反射面、117…受光素子、118…発光素子、120…主制御部、121、122…制御駆動部
【技術分野】
【0001】
本発明は部品検出システム及びこれを用いた部品搬送装置に係り、特に、光学的に部品を判別する場合に好適な部品検出システムの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パーツフィーダ等の部品供給装置或いは部品搬送装置においては、搬送されてくる部品の種類、形状、姿勢等を判別し、その判別結果に応じて部品を選別したり姿勢を変更したりする部品選別部や部品反転部などが設けられる。これらの部品選別部や部品反転部では、部品の種類、形状、姿勢等を検出するための部品検出システムが設置される。この部品検出システムとしては、光学的に部品を検出する光学センサを備えたものが広く用いられている。
【0003】
部品検出システムとしては、以下の特許文献1に記載されているように、発光素子により部品に照射された光の反射光量を受光素子で検出する反射光型の光電センサを用い、当該反射光量を適宜に設定された閾値と比較することで判別を行う光反射型部品検出システムが知られている。例えば、部品供給装置に多く用いられるものとして、発光素子と受光素子を備える光電センサ本体に光ファイバを接続し、光ファイバの先端にレンズユニットを接続してなるものがある。このシステムでは、先端のレンズユニットにより発光素子が放射する光を集光して微細な光スポットを形成することができるとともに、当該光スポットから反射される光を選択的に検出できるので、微細な検出対象を精度よく検出することができる。
【0004】
このような光反射型部品検出システムにおいては、光電センサにより検出された反射光の検出光量と既定の閾値とを比較して、検出光量が閾値を上回ったときに所定の処理を行うための処理指令を出力するライトオン型のシステムと、検出光量が閾値を下回ったときに所定の処理を行うための処理指令を出力するダークオン型のシステムとが知られている。ライトオン型のシステムは所定の処理を行うべき部品からの反射光量が大きくなる場合に用いられ、ダークオン型のシステムは所定の処理を行うべき部品からの反射光量が小さくなる場合に用いられる。一例として、搬送部品のうち不良姿勢にある部品を排除する部品選別部に適合する部品検出システムについて説明すると、不良姿勢にある部品の光照射面の反射率が高い場合にはライトオン型のシステムが用いられ、不良姿勢にある部品の光照射面の反射率が低い場合にはダークオン型のシステムが用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−010111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来の光反射型部品検出システムにおいて、例えば、部品の姿勢を検出し、特定姿勢の部品を排除したい場合について述べると、特定姿勢の部品の被検出面の反射率が高い場合には上記ライトオン型のシステムを選択し、当該被検出面の反射率が低い場合には上記ダークオン型のシステムを選択するのが通常である。したがって、排除したい部品の姿勢を変更する場合には、システムの型を変更すればよいが、いずれの型のシステムにおいても、搬送トラック上に部品が存在しないときに得られる搬送トラックの表面からの反射光量(背景の検出光量)が部品の被検出面からの反射光量と判別できるように構成する必要があり、通常は背景の検出光量が一方の型のシステムに適合していると、他方の型のシステムには適合しない場合が多いため、システムの型を変更することが難しいという問題点がある。
【0007】
また、一般的には、部品の属性を判別するには、検出環境に応じた閾値などの判別条件を設定する必要があるが、この設定は、上記のように部品の検出条件だけでなく、部品が存在しないときの搬送トラックの表面等の背景による光学的影響をも考慮する必要があるため、検出環境によっては、判別条件の設定が困難で、その結果、検出環境によっては判別の確実性を担保することができなくなるという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、光反射型部品検出システムにおいて、検出環境に応じた判別条件の設定を容易にするとともに判別の確実性を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
斯かる実情に鑑み、本発明の光反射型部品検出システムは、搬送される部品が通過する搬送経路中に設定された既定の検出範囲からの反射光の量を検出する受光素子と、該受光素子で検出された前記反射光の量を所定の判別条件に基づいて判別する判別手段とを具備する光反射型部品検出システムにおいて、前記検出範囲の背後に光反射面を備えた動作部材を配置し、該動作部材を動作させて前記光反射面の位置又は姿勢を変化させることで前記検出範囲に前記部品が配置されていないときの背景からの反射光量が変化するように構成されていることを特徴とする。これによれば、搬送される部品が通過する検出範囲の背後に配置された動作部材を動作させて光反射面の位置又は姿勢を変化させることで、検出範囲に部品が配置されていないときの背景からの反射光量が変化するので、動作部材の動作で背景の反射光量を変えることにより、検出環境の光学的条件を容易に変更することが可能になるため、検出環境に応じた閾値などの判別条件の設定が容易になるとともに判別の確実性を担保することができる。特に、後述するライトオン制御とダークオン制御を切り替えることも容易になる。
【0010】
本発明の一の態様においては、前記検出範囲において前記部品の通過領域の背後若しくは手前に配置された壁面に開口する光学開口部を設け、前記光反射面の位置又は姿勢の変化可能な範囲内における少なくとも一つの位置又は姿勢において前記光学開口部を通して前記光学面による反射光が前記受光素子により検出可能となるように構成される。これによれば、光学開口部を通して光反射面による反射光が受光素子により検出可能となるため、受光素子において検出される反射光の通過範囲を限定することができることから、光反射面による反射光の受光素子の検出光量に対する寄与を大きくして感度を高めたり、光反射面の位置又は姿勢を変更したときの上記検出光量の変化幅を大きくしたりすることが可能になる。
【0011】
本発明の他の態様においては、前記動作部材は、前記検出範囲と前記光反射面の前記検出光軸に沿った距離が変更可能となるように構成される。これによれば、当該距離が変化することで、搬送経路上の検出範囲から出射する反射光に対する受光素子の検出感度と、光反射面から出射する反射光に対する受光素子の検出感度とが変化するため、背景の検出光量を増減させることが可能になる。
【0012】
この場合に、前記検出範囲と前記受光素子との間には前記反射光を前記受光素子に導く集光レンズが配置され、前記動作部材は前記光反射面の姿勢を維持したまま前記受光素子の検出光軸に沿って移動可能とされることが好ましい。これによれば、前記動作部材が光反射面の姿勢を維持したまま検出光軸に沿って移動可能に構成されるので、簡易な移動機構とすることができるとともに、光反射面からの反射光のうち集光レンズを介して受光素子で検出される反射光の量は、検出範囲からの反射光に合わせて設定される集光レンズの光学特性(焦点距離)により、光反射面が検出範囲から検出光軸に沿って離れるに従って漸減するので、動作部材の移動により確実に背景の反射光の検出量を増減させることができる。
【0013】
本発明の別の態様においては、前記動作部材は、前記光反射面の前記検出光軸に対する角度が変更可能となるように構成される。これによれば、光反射面の検出光軸に対する角度を変更することで確実に背景の反射光の量を増減させることができる。
【0014】
上記の場合にはさらに、前記動作部材は、前記光反射面が前記検出光軸と交差する面に沿って移動可能となるように構成されることが好ましい。これによれば、光反射面を検出光軸から外すことで受光素子の検出光量を大きく変化させることができる。このとき、上記の光学開口部を設ける場合には、光反射面を検出光軸から外すことで光学開口部の開口範囲からも外れるように構成できるので、さらに確実に背景の反射光の量を増減させることができる。
【0015】
本発明の部品搬送装置は、前記搬送経路を備えた搬送体と、該搬送経路上の前記部品を移動させる搬送手段と、前記搬送経路上に前記検出範囲を備えた前記光反射型部品検出システムと、を具備することを特徴とする。このような部品搬送装置としては、搬送手段として搬送体を振動させる加振機構を備えた、搬送部品を搬送体の振動により搬送する振動型部品搬送装置が挙げられるが、これに限定されるものではなく、搬送手段として搬送ベルト及びその駆動機構を備えたベルトコンベアなど、何らかの部品を搬送経路に沿って搬送することができるものであればよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光反射型部品検出システムにおいて、光反射面を備えた動作部材を動作させて位置又は姿勢を変更することで、判別条件を容易に設定することができるとともに判別の確実性を確保できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る第1実施形態の第1の状態における光反射型部品検出システムを部品搬送装置(ボウル型パーツフィーダ)に取り付けた状態を示す部分断面図。
【図2】第1実施形態の光反射型部品検出システムの第2の状態における光反射型部品検出システムを示す部分断面図。
【図3】第1実施形態の部品搬送装置の一部を示す部分斜視図。
【図4】第1実施形態の光反射型部品検出システムの搬送トラック近傍の構造を示す拡大部分断面図。
【図5】第1実施形態の光反射型部品検出システムを光検出側から見た様子を示す図。
【図6】第1実施形態の検出対象である部品を搬送トラック上に配置した状態で示す、平面図、左側面図、正面図及び背面図。
【図7】第2実施形態の光反射型部品検出システムを部品搬送装置に取り付けた状態を示す部分断面図。
【図8】第2実施形態の部分断面図。
【図9】第3実施形態の部分断面図。
【図10】第1実施形態の光学状態を示す説明図。
【図11】第4実施形態の光学状態を示す説明図。
【図12】第5実施形態の光学状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は第1実施形態の光反射型部品検出システム110の動作部材が第1の位置にあるときの概略部分断面図、図2は第1実施形態の動作部材が第2の位置にあるときの概略部分断面図、図3は光反射型部品検出システム110の部品搬送装置100の搬送体に対する取り付け状態を示す概略斜視図、図4は部品選別部103の拡大縦断面図、図5は部品選別部103の拡大内面図である。
【0019】
本実施形態では、図3に一部を示すボウル型パーツフィーダからなる部品搬送装置100に設けられたボウル状の搬送体101に螺旋状の搬送トラック102が設けられている。搬送トラック102は搬送体101の内面101a上に形成された段差部で構成され、搬送トラック102は、搬送体101の内側へ傾斜した内面101aの一部により形成される第1の搬送面102aと、この第1の搬送面102aと交差し、水平若しくは反対側へ傾斜した段差面よりなる第2の搬送面102bとによって構成されている。ただし、本実施形態は、搬送トラック102に相当する直線状の搬送トラックを備えたリニア型パーツフィーダなど、搬送経路を有する他の任意の部品搬送装置に適用することも可能である。
【0020】
搬送トラック102の一部には部品選別部103が設けられ、この部品選別部103及びこれに隣接した位置に部品検出システム110が構成される。部品検出システム110は、搬送体101に固定された支持アーム111に支持され、部品選別部103に対して斜め上方より臨むように固定されたレンズユニット112を備えている。このレンズユニット112は光ファイバ115、116の端部に接続される。レンズユニット112の内部には、光ファイバ116に接続された照明用の導光部と、当該照明用の導光部の周りに分散配置され、光ファイバ115に接続された複数の検出用の導光部とが同軸状に構成されるとともに、それらの先端側に集光用(投光用及び受光用)のレンズ(凸レンズ)若しくはレンズ群が設けられている。
【0021】
光ファイバ115はフォトダイオード等の受光素子117に接続され、光ファイバ115内に入射した光を受光素子117で検出できるようになっている。光ファイバ116は発光ダイオード等の発光素子118に接続され、発光素子118から放出された光をレンズユニット112に向けて伝搬させるように構成される。発光素子118から放出された照明光はレンズユニット112から出射し、上記部品選別部103に後述する照明スポットSpを形成する。一方、上記照明光が部品選別部103で反射されてなる反射光はレンズユニット112にて集光されて受光素子117で検出される。本実施形態の場合、上記の照明光の光軸(以下、単に照明光軸という。)は部品選別部103に向けて伸び、検出光の光軸Xd(図4参照、以下、単に検出光軸という。)と一致している。
【0022】
搬送体101には上記部品選別部103に対応して凹部104が設けられている。この凹部104は搬送体101の外周側から上記搬送トラック102の部品選別部103にまで達している。図示例の場合、特に限定されるものではないが、凹部104は、搬送トラック102の部品選別部103に向けて内面101aの傾斜方向に沿って縦にスリット状に形成された凹溝部と、該凹溝部の上部から側方へ広がる側方延長部とを有するL字状に構成される。
【0023】
上記凹部104には取付ブロック105が嵌合固定される。取付ブロック105は、図5に示すように、上記凹溝部に挿入され、当該凹溝部によって搬送体101において搬送トラック102の第1の搬送面102aが欠損した部分に嵌合するトラック嵌合部105Aと、当該トラック嵌合部105Aの上端部から側方へ張り出した張出部105Bとを一体に備えたL字状に構成されている。張出部105Bは凹部104の上記側方延長部に挿入され、図3に示すように、ボルト等の固定部材106によって搬送体101に固定される。なお、図5は、ボルトや座金等の固定手段を省略して示してある。
【0024】
図4に示すように、取付ブロック105の下部には、当該取付ブロック105の外側から内側の表面105tまで貫通する通孔105aが設けられている。この通孔105aは、上記部品選別部103において第1の搬送面を構成する表面105tにおいて開口し、その開口部105bが上記光学開口部に相当するものとなっている。図示例では、通孔105aの内側部分(開口部105b側部分)は小径(開口径Op)に、反対の外側部分は開口部105bよりも大径(内径Dp)に構成され、全体として段付孔形状を備えている。上記開口径Opはレンズユニット112から照射される照明光の照射スポットSpのスポット径(Ds)以上とされ、当該照射スポットSpを完全に包含するように開口部105bが形成されている。ただし、検出感度を多少犠牲にすることが可能であれば、照射スポットSpよりも開口部105bが小さくても構わない。この照射スポットSpが搬送トラック上の部品に照射された場合には、そのスポット範囲は部品検出システム110が部品からの反射光を検出する検出範囲と実質的に一致する。
【0025】
通孔105aの外側部分にはエアシリンダ等よりなる駆動部材113が取り付けられ、この駆動部材113は、ロッド等よりなる動作部材114を出没方向である通孔105aの軸線方向に移動可能となるように構成されている。動作部材114の先端部は上記開口部105bの近くまで突出可能に構成され、その先端面は光を反射する光反射面114aとされている。ただし、光反射面114aは光を適宜の反射率で反射できる面となっていればよく、必ずしも鏡面のような高い反射率を備えたものでなくてもよい。光反射面114aの径Rpは図示例では動作部材114の外径と等しく、上記開口部105bの内径Opよりもやや小さく形成されてスムーズに動作部材114が通孔105a内を検出光軸Xd方向に移動可能に構成されている。
【0026】
光反射面114aは、開口部105bに対してレンズユニット112とは反対側に配置され、図4に二点鎖線で示すように開口部105bに近い位置までは移動可能とされるが、開口部105bよりも引きこまれた範囲に留まるように駆動される。これは、光反射面114aが開口部105bから突出し、部品選別部103において第1の搬送面102aに続く搬送面となる表面105t上に凸状に配置されると、部品Pの搬送を妨げることとなるからである。また、光反射面114aが開口部105bの開口面に沿って配置され、上記表面105tと光反射面114aとが同一平面上に配置される場合には、部品Pの搬送自体を妨げることはないものの、光反射面114aが搬送される部品Pと頻繁に接触することとなるため、光反射面114aが汚れることで光反射率が変動することで、判別精度の低下をもたらすことになるからである。
【0027】
駆動部材113は動作部材114を駆動し、動作部材114を第1の位置と第2の位置に切り替えることができる。第1の位置は、図1に示す位置及び図4の実線で示す位置であり、光反射面114aが開口部105bの開口面からレンズユニット112とは反対側に最も離間した位置である。一方、第2の位置は、図2に示す位置及び図4の二点鎖線で示す位置であり、光反射面114aが開口部105bの開口面(表面105t)に最も近づいた位置である。この第2の位置では、前述の理由から光反射面114aと上記開口面との間隔Gが設定される。この間隔Gは、部品の大きさや開口部105bの開口面積にも依存するが、一般的に0.1mm〜2.0mmの範囲内とすることが好ましい。この範囲より間隔Gが大きくなると、後述する部品Pの被検出面と光反射面114aとの距離が増大するので、ダークオンにより部品Pの状態を検出する場合に、部品Pの被検出面を検出したときの受光素子117の検出光量と、部品Pが存在しないときの背景の反射光量に相当する検出光量との差が確保しにくくなる。逆に、間隔Gが上記範囲より小さくなると、部品Pとの接触が発生しやすくなり、部品Pの構成材料の一部、例えば、電極部の半田などが光反射面114aに付着して反射率の低下を起こしやすくなる。
【0028】
なお、本実施形態の場合、通孔105aの軸線は、上記レンズユニット112の検出光軸Xd(照射光軸と同じ)と一致している。そして、動作部材114は、光反射面114aの姿勢を一定に維持しながら検出光軸Xdに沿って移動可能に構成されている。また、通孔105aの側方は取付ブロック105の下部底面において一部開口している。この開口は、取付ブロック105の下部底面が搬送体101の凹部104の内底面に当接することによって閉鎖されている。これによって、取付ブロック105を取り外すことにより、通孔105aの内部の点検、塵埃等の除去といった清掃などが容易に行うことができる。
【0029】
取付ブロック105の上部には給気経路を構成する縦穴105c、横孔105d及び凹部105eが設けられている。縦穴105cの開口には空圧コネクタ107が取り付けられ、ここに図示しないエアチューブ等が接続されて、圧縮空気などが給気経路へ供給される。また、取付ブロック105の表面に形成された凹部105eには空圧制御板108が装着され、この空圧制御板108はボルト等の固定部材109により取付ブロック105上に固定される。
【0030】
空圧制御板108の下部には切り欠き部108aが形成され、この切り欠き部108aによって上記凹部105eを介して上記給気経路が部品選別部103の搬送面に開口した構成とされる。この切り欠き部108aで構成される空圧開口部(給気経路の開口)は上記開口部105bに隣接している。当該切り欠き部108aによって構成される空圧開口部は部品Pに所定の空圧作用を与えることができる位置に設定される。図示例では、開口部105bで構成される光学開口部の上方に切り欠き部108aで構成された空圧開口部が配置される。これは、部品選別部103に到達した部品Pの上部に空圧を作用させることで確実に部品Pを搬送トラック102上から排除するためである。また、開口部105bで構成される光学開口部より搬送方向(図示例では搬送方向逆側、もっとも搬送側でもよい。)にずれた位置に切り欠き部108aで構成される空圧開口部が設けられている。これは、検出時における検出範囲(例えば部品上の照射スポットSpの位置)と処理時の空圧作用点との位置関係を最適化し、部品Pの処理が行えない事態、或いは、処理が不十分となる事態の発生を防止するためである。このように、図示例では、開口部105bに対して部品Pの搬送方向斜め上方に切り欠き部108aが形成される。本実施形態では、上記空圧開口部から気流が部品Pに吹き付けられることによって図1及び図2に矢印で示すように部品Pが搬送トラック102上から排除される。なお、図5において図示二点鎖線で示す部品位置は検出時の想定位置である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態では、受光素子117の検出信号は、制御回路、プログラマブルコントローラ、マイクロコンピュータ、MPU(マイクロプロセッサユニット)などの種々の構成で実現できる主制御部120に出力される。主制御部120は電磁バルブ等の制御駆動部121、122に制御信号を送出し、上記駆動部材113による動作部材114の位置、及び、給気経路への空圧の供給の有無を制御する。なお、図示例では駆動部材113をエアシリンダとすることで、空圧で動作部材114を駆動しているが、電動機や油圧回路等で駆動部材を構成するなど、駆動部材113としては種々の構成を用いることができ、制御駆動部121も駆動部材113の構成に応じて適宜に構成できる。なお、主制御部120は本発明の判別手段を構成する。また、制御駆動部121及び給気経路は部品処理手段を構成し、主制御部120及び制御駆動部122は動作部材114の制御手段を構成し、制御駆動部121、122及び駆動部材113は動作部材114の駆動手段を構成する。
【0032】
本実施形態では、動作部材114の光反射面114aが第1の位置にある場合、レンズユニット112から出射された照明光は開口部105b内に入射し、この開口部105b内で光反射面114aにて反射されるが、開口部105bから光反射面114aまでの距離が長いので、光反射面114aで反射された反射光の受光素子117での検出光量は、光反射面114aが開口部105bの近くの第2の位置にある場合と比べて小さくなる。例えば、図10に示すように、照明光Liが照射される照射スポットが実質的に検出範囲を構成する場合には、当該検出範囲において部品選別部103の搬送面上に配置された部品P(図示一点鎖線)の表面である被検出面による反射光Lrpが受光素子117の受光面上にちょうど結像するように構成されていたとすると、上記被検出面に近い第2の位置に配置される動作部材114(図示実線)の光反射面114aで反射される反射光Lr2は受光素子117の受光面で効率的に検出され、受光素子117の検出光量はそれほど低下しない。一方、上記被検出面から離れた第1の位置に配置される動作部材114(図示二点鎖線)の光反射面114aで反射される反射光Lr1は受光素子117の受光面から離れた位置で収束するので、受光素子117の検出光量は大きく低下する。
【0033】
本実施形態の場合、上記の理由により、光反射面114aが上記第1の位置に配置されるときと第2の位置に配置されるときとで光反射面114aの反射光に基づく受光素子117の検出光量は大きく増減する。したがって、動作部材114の光反射面114aを移動させることにより、部品Pが検出範囲に配置されていないときの受光素子117の検出光量、すなわち、背景の検出値を動作部材114の位置により制御することができる。
【0034】
図6は、本実施形態において検出されるべき部品Pの一例を示す説明図である。図6に示す例では、部品Pは略直方体状に構成され、表面Pa及び裏面Pbと、これらの間に設けられる四つの側面とを備えている。図示の部品Pは表面実装型の水晶振動子であり、表面Paのほとんどの部分は部品容器の蓋体Plで構成され、高い反射率を備えている。一方裏面Pbには、複数の電極Peが設けられ、これらの電極Peは例えば半田や金などの金属で構成されるが、それ以外の部分は低い反射率を備えたセラミック素材等よりなる部品容器が露出した露出部Pnとなっている。
【0035】
例えば、上記部品選別部103において、部品Pの搬送トラック102上で表面Paを上に向けた姿勢と裏面Pbを上に向けた姿勢とを判別する場合には、照射スポットSp(検出範囲)が図6に示すように表面Paの蓋体Plの表面部位と、裏面Pbの露出部Pnの表面部位とに配置されるように設定する。このようにすると、両表面部位の反射率差に応じた受光素子117の検出光量の差によって部品Pの両姿勢を判別することができる。そして、この場合、表面Paと裏面Pbのいずれか一方を上記被検出面とし、当該被検出面が光反射型部品検出システム110により検出されたときに図1に示す主制御部120が制御駆動部121を制御し、制御駆動部122が給気経路への給気を開始することで、上記切り欠き部108aで構成される空圧開口部を通して部品Pが空圧作用を受けるようにすると、空圧作用を受けた部品Pを搬送トラック102上から排除することができる。
【0036】
ここで、上記の被検出面を表面Paと裏面Pbのいずれに設定するかはユーザの要求等によって決定される。本実施形態では、どちらの場合でも、被検出面が検出されたときの受光素子117の検出光量は、部品Pの他の面が検出されたときの検出光量と、部品Pが部品選別部103に存在しないときの検出光量(以下、単に背景の検出光量という。)のいずれに対しても識別できるように構成しなければならない。
【0037】
本実施形態では、被検出面の判別方法として、被検出面の検出光量が他の面の検出光量と背景の検出光量のいずれよりも多い場合に処理を行うように制御するライトオン制御と、被検出面の検出光量が他の面の検出光量と背景の検出光量のいずれよりも低い場合に処理を行うように制御するダークオン制御のいずれかを行う。
【0038】
ライトオン制御においては、図6に示す部品Pの場合、被検出面が高い反射率を有する表面Paとなり、この表面Paがレンズユニット112を向いた姿勢を有する部品Pが処理の対象とされる。この場合、裏面Pbの反射率は表面Paよりも低いので検出光量の条件面で問題はない。また、背景の検出光量については、これを表面Paよりも低くするために、動作部材114を第1の位置に配置すればよい。
【0039】
一方、ダークオン制御においては、被検出面が低い反射率を有する裏面Pbとなり、この裏面Pbがレンズユニット112を向いた姿勢を有する部品Pが処理の対象とされる。この場合、表面Paは裏面Pbよりも高反射率であるので検出光量の条件面で問題はない。また、背景の検出光量については、これを裏面Pbよりも高くするために、動作部材114を第2の位置に配置すればよい。
【0040】
以上のように、本実施形態では、動作部材114を第1の位置と第2の位置に切り替えるだけで、ライトオン制御とダークオン制御を切り替えて実現することができる。この切り替え動作は、例えば、主制御部120からの制御信号に基づいて制御駆動部121を介して駆動部材113により動作部材114を移動させることで容易に実現できる。さらに、上記制御態様の切り替えだけでなく、一般的には背景の反射光量を動作部材114の移動によって容易に調整することができるため、閾値などの判別条件の設定が容易になり、しかも、判別の確実性をも高めることができる。
【0041】
また、本実施形態では、動作部材114の移動範囲の少なくとも一つの位置において光反射面114aによる反射光が開口部105b(光学開口部)を通して受光素子117により検出可能となるように構成されることで、受光素子117により検出される反射光の検出経路がより限定されたものとなるため、外光などの影響を低減することで光反射面114aによる反射光の受光素子117における検出感度を高めることができ、また、光反射面114aの位置を変更したときの受光素子117の検出光量の変化幅を大きくすることもできる。
【0042】
さらに、本実施形態では、部品Pや光反射面114aからの反射光を受光素子117へ導く集光レンズを備えたレンズユニット112が設けられているとともに、動作部材114が光反射面114aの姿勢を維持したまま検出光軸Xdに沿って移動可能とされていることにより、光反射面114aが検出光軸Xdに沿って移動した場合に光反射面114aによる反射光の収束位置も検出光軸Xdに沿って移動するので、光反射面114aの移動により受光素子117における検出光量を大きく増減させることができる。したがって、動作部材114を動作させることにより光学的条件に応じた検出環境をより容易かつ広範囲に設定することが可能になる。
【0043】
なお、上記実施形態では、動作部材114を第1の位置と第2の位置の二か所に切り替える例について説明したが、一般的に背景の反射光量を制御するという意味では、二か所の切り替えに限定されるものではない。したがって、動作部材114を所定の動作範囲(移動範囲)内において判別するために好ましい適宜の位置に調整することはもちろん可能である。
【0044】
次に、図7及び図8を参照して本発明に係る第2実施形態について説明する。この実施形態では、部品Pに対する処理内容が異なるだけであり、他の部分は第1実施形態と基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
【0045】
本実施形態では、図8に示すように第1実施形態と同様に構成された光反射式部品検出システム110′が部品反転部103′に形成されている。この部品反転部103′は、図7(a)に示すように、上記の搬送トラック102に沿って設けられた部品通過部103Aと、この部品通過部103Aの搬送方向と直交する側に隣接する部品移載部103Bとを備えている。部品通過部103Aは他の搬送トラック102と同じ断面形状を有し、上述のように取付ブロック105の表面105tで少なくとも一部が構成される傾斜した第1の搬送面103a1と、この第1の搬送面103a1に対向して逆向きに傾斜した第2の搬送面103a2とを有している。第2の搬送面103a2は部品Pの厚みより小さな幅を有し、部品Pが第2の搬送面103a2を越えて部品移載部103Bへ容易に倒伏可能となるように構成されている。一方、部品移載部103Bは、上記第1の搬送面103a1と対向し、これと逆向きに傾斜する第1の搬送面103b1と、この第1の搬送面103b1と対向しこれと逆向きに傾斜するとともに上記第2の搬送面103a2に隣接し、これと背中合わせの態様で逆向きに傾斜する第2の搬送面103b2とを有している。
【0046】
そして、搬送トラック102内を搬送されてきた部品Pが図7(a)に示すように部品反転部103′の上記部品通過部103Aに到達し、第1実施形態と同様に当該部品Pが処理を行うべき部品である旨が判別されると、図示しない空圧開口部からの空圧作用により図7(b)に示すように部品Pは部品通過部103Aから部品移載部103Bに倒伏して移載される。部品反転部103′には、図7(c)に示すように、上記部品通過部103Aと部品移載部103Bの下流側に配置された部品合流部103Cが設けられ、この部品合流部103Cの搬送面103cは部品姿勢を拘束しない凹円弧状に形成されている。この搬送面130c上では、上記部品通過部103Aをそのまま通過してきた部品と、上記部品移載部103Bに移載されてから搬送されてきた部品とが共に搬送されていく。そして、さらに下流側の搬送トラック102上では、図7(d)に示すように再び部品Pが姿勢を規制された状態で搬送される。この場合、部品移載部103Bに移載された部品Pについては、部品反転部103′で処理される前の図7(a)に示す姿勢と処理後の図7(d)に示す姿勢とが表裏が反転した関係になる。なお、部品反転処理を行うための搬送経路の構造は上記構成に限らず、結果として部品の表裏が反転するように構成された構造となっていればよい。例えば、図7(a)及び(b)に示す断面構造の第2の搬送面103a2と103b2を省略し、第1の搬送面103a1と103b1のみからなるV字型の断面構造としてもよい。
【0047】
次に、図9を参照して、本発明に係る第3実施形態について説明する。この実施形態では、先に説明した実施形態とは光反射型部品検出システムの構成が異なる。なお、他の部分は第2実施形態と基本的に同様であるので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。なお、本実施形態は第2実施形態をベースに構成しているが、以下の部品反転部103′を部品選別部103に置き換えることで第1実施形態にも同様に適用できることは明らかである。
【0048】
本実施形態の部品検出システム110″では、第1実施形態と同様のレンズユニット112′が、第1実施形態の駆動部材113及び動作部材114の代わりに部品反転部103′に対して下方(搬送面の背後から)から臨む姿勢で取付ブロック105の通孔105aに装着されている。また、駆動部材113′及びこれに駆動される動作部材114′は、上記とは逆に、部品反転部103′に対して上方(搬送面に向かう側)から臨む姿勢で第1実施形態のレンズユニット112と同様の方法で搬送体101に取り付けられている。ここで、動作部材114′の部品反転部103′に向かう面が第1実施形態の光反射面114と同様の光反射面114a′とされている。
【0049】
本実施形態では、搬送トラック102に開口する開口部105bに対してレンズユニット112′と動作部材114′の位置関係が逆に構成されている点が異なるが、光反射面114a′の検出光軸Xdに沿った移動により背景による反射光に基づく受光素子の検出光量が増減する点では同じであり、上記第1実施形態と基本的には同様の作用効果が得られる。
【0050】
次に、図11を参照して、本発明に係る第4実施形態について説明する。この実施形態では、動作部材の移動態様が上記各実施形態とは異なるが、基本的に検出方法や他の部分の構成は同様であるので、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。なお、本実施形態は第1実施形態の構成を部分的に変更したものとして説明するが、第2及び第3実施形態の構成を部分的に変更したものとすることも可能である。
【0051】
本実施形態の動作部材214は、図示しない駆動機構により、図11に示すように、検出光軸Xdに対する姿勢が変更可能に構成され、光反射面214aは動作部材214の姿勢変更により向きを変えるようになっている。図示例では、検出光軸Xd上の点Oxを中心に動作部材214の軸線と検出光軸Xdの交差角度θが変更可能とされている。このため、動作部材214が図示実線で示す第2の姿勢(図示例ではθ=0)にあるときに、照明光Liが光反射面214aで反射されてなる反射光Lr2が検出光軸Xdに沿って受光素子117に向かうように設定されているとすると、動作部材214の姿勢が変更され、動作部材214が図示二点鎖線で示す第1の姿勢(図示例ではθが所定の値)になったときには、反射光Lr1は検出光軸Xdから外れる。したがって、動作部材214の姿勢変更によって光反射面214aからの反射光による受光素子117の検出光量は増減することがわかる。
【0052】
上記のように、本実施形態では動作部材214の姿勢を変えることによって背景の反射光の受光素子による検出光量を増減させることができるため、先に説明した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0053】
次に、図12を参照して、本発明に係る第5実施形態について説明する。この実施形態では、動作部材の移動態様が上記各実施形態とは異なるが、基本的に検出方法や他の部分の構成は同様であるので、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。なお、本実施形態は第1実施形態の構成を部分的に変更したものとして説明するが、第2及び第3実施形態の構成を部分的に変更したものとすることも可能である。
【0054】
本実施形態では、光反射面314aを備えた動作部材314が検出光軸Xdと直交する面に沿って移動可能に構成されている点で、上記の各実施形態とは異なる。本実施形態の場合、図12に実線で示すように動作部材314が第2の位置にあるときは、光反射面314aが検出光軸Xd上に配置され、その反射光Lr2が開口部105bを通して受光素子117に向かうように設定されている。一方、図示二点鎖線で示すように、動作部材314が第1の位置にあるときは、光反射面314aが検出光軸Xdから外れるように設定される。そして、この第1の位置では、光反射面314aによる反射光が減少若しくは消失することで、部品Pが存在しない場合の受光素子117の検出光量が低下するようになっている。したがって、本実施形態でも動作部材314を移動させることによって背景による検出光量を増減させることができる。
【0055】
上記のように、本実施形態では動作部材314の位置変更、すなわち、光反射面314aの検出光軸Xdからの外れ量、或いは、開口部105bを通過して受光素子117に向かう光量を変えることによって、背景の反射光の受光素子による検出光量を増減させることができるため、先に説明した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、動作部材314の移動方向は、検出光軸Xdと交差する面に沿った移動であればよく、必ずしも上記のように検出光軸Xdと直交する面に沿った移動でなくても構わない。
【0056】
上記各実施形態の効果を確認するために、実際に図示の光反射型部品検出システム110を部品搬送装置100に搭載し、上記の部品Pをライトオン制御とダークオン制御のそれぞれにおいて部品を選別若しくは反転する実験を行った。実験装置の構成は上記第1実施形態及び第2実施形態に示したとおりである。そのときの検出光量の実測値と設定した閾値の値を以下の表1に示す。ここで、主制御部120に相当する部分には、受光素子117の検出信号の感度を調整する機能があり、そのために各条件において最適な検出モードを設定しているため、検出光量の実測値は当該検出モードの検出感度によって増減している。ただし、検出モードについては表示を省略してある。
【0057】
【表1】
【0058】
本実施形態では上記実施例(選別1、選別2、反転1、反転2)のいずれにおいても、ライトオン制御とダークオン制御を容易に切り替えることができるとともに、いずれの制御態様でも閾値を容易に設定でき、判別の確実性も得られている。ここで、ライトオン制御では背景の検出光量が低くなるように動作部材の位置(第1の位置)を設定し、ダークオン制御では背景の検出光量が高くなるように動作部材の位置(第2の位置)を設定している。
【0059】
一般的に、ライトオン制御では、閾値の設定容易性や判別の確実性を確保するために背景値は低い方がよく、ダークオン制御では、同様の理由で背景値は高い方がよいが、搬送トラック102の構成、部品Pの外観などによって光学的条件は様々であるので、本発明のように背景の検出光量を調整することができることは、単に、ライトオン制御とダークオン制御のいずれをも選択可能で、しかも相互に切り替え可能というだけではなく、様々な光学的条件に対応することが可能になるという点で極めて有効である。
【0060】
尚、本発明の光反射型部品検出システムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態の個々の特徴点は相互に矛盾しない限り、任意の組み合わせにて組み合わせて用いることができる。また、上記各実施形態では、発光素子から放出される照明光を照射し、その反射光を受光素子で検出するようにしているが、システムそのものが照明光の照射機能を有していなくても、汎用照明などの照明光に基づく反射光を検出することも可能である。また、上記実施形態では上記システムを部品選別部又は部品反転部に用いる例のみを示しているが、当該システムを構成する検出部若しくは判別部は部品が搬送される搬送経路中(搬送トラック上)に設定されていればよく、当該システムによる検出、判別に基づいて行われる処理内容としては、部品の選別や反転に限らず、例えば、部品の仕分先を選択する処理、部品の光学特性を記録する処理など、部品処理部において行われうる種々の処理態様とすることができる。さらに、本システムは上記の各種の処理を伴うもの(部品処理部を有するもの)に限らず、搬送部品の検出、判別のみを行って特定の処理を実施しない場合に用いても構わない。
【符号の説明】
【0061】
100…部品搬送装置(部品供給装置)、101…搬送体、102…搬送トラック、103…部品選別部、103′…部品反転部、110…光反射型部品検出システム、112…レンズユニット、113…駆動部材、114…動作部材、114a…光反射面、117…受光素子、118…発光素子、120…主制御部、121、122…制御駆動部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される部品が通過する通過経路中に設定された既定の検出範囲からの反射光の量を検出する受光素子と、該受光素子で検出された前記反射光の量を所定の判別条件に基づいて判別する判別手段とを具備する光反射型搬送部品検出システムにおいて、
前記検出範囲の背後に光反射面を備えた動作部材を配置し、該動作部材を動作させて前記光反射面の位置又は姿勢を変化させることで前記検出範囲に前記部品が配置されていないときの背景からの反射光量が変化するように構成されていることを特徴とする光反射型部品検出システム。
【請求項2】
前記検出範囲において前記部品の通過領域の背後若しくは手前に配置された壁面に開口する光学開口部を設け、前記光反射面の位置又は姿勢の変化可能な範囲内における少なくとも一つの位置又は姿勢において前記光学開口部を通して前記光学面による反射光が前記受光素子により検出可能となるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の光反射型部品検出システム。
【請求項3】
前記動作部材は、前記検出範囲と前記光反射面の前記検出光軸に沿った距離が変更可能となるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射型部品検出システム。
【請求項4】
前記検出範囲と前記受光素子との間には前記反射光を前記受光素子に導く集光レンズが配置され、前記動作部材は前記光反射面の姿勢を維持したまま前記受光素子の検出光軸に沿って移動可能とされることを特徴とする請求項3に記載の光反射型部品検出システム。
【請求項5】
前記動作部材は、前記光反射面の前記検出光軸に対する角度が変更可能となるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射型部品検出システム。
【請求項6】
前記動作部材は、前記光反射面が前記検出光軸と交差する面に沿って移動可能となるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射型部品検出システム。
【請求項7】
前記搬送経路を備えた搬送体と、該搬送経路上の前記部品を移動させる搬送手段と、前記搬送経路上に前記検出範囲を備えた請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光反射型部品検出システムと、を具備することを特徴とする部品搬送装置。
【請求項1】
搬送される部品が通過する通過経路中に設定された既定の検出範囲からの反射光の量を検出する受光素子と、該受光素子で検出された前記反射光の量を所定の判別条件に基づいて判別する判別手段とを具備する光反射型搬送部品検出システムにおいて、
前記検出範囲の背後に光反射面を備えた動作部材を配置し、該動作部材を動作させて前記光反射面の位置又は姿勢を変化させることで前記検出範囲に前記部品が配置されていないときの背景からの反射光量が変化するように構成されていることを特徴とする光反射型部品検出システム。
【請求項2】
前記検出範囲において前記部品の通過領域の背後若しくは手前に配置された壁面に開口する光学開口部を設け、前記光反射面の位置又は姿勢の変化可能な範囲内における少なくとも一つの位置又は姿勢において前記光学開口部を通して前記光学面による反射光が前記受光素子により検出可能となるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の光反射型部品検出システム。
【請求項3】
前記動作部材は、前記検出範囲と前記光反射面の前記検出光軸に沿った距離が変更可能となるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射型部品検出システム。
【請求項4】
前記検出範囲と前記受光素子との間には前記反射光を前記受光素子に導く集光レンズが配置され、前記動作部材は前記光反射面の姿勢を維持したまま前記受光素子の検出光軸に沿って移動可能とされることを特徴とする請求項3に記載の光反射型部品検出システム。
【請求項5】
前記動作部材は、前記光反射面の前記検出光軸に対する角度が変更可能となるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射型部品検出システム。
【請求項6】
前記動作部材は、前記光反射面が前記検出光軸と交差する面に沿って移動可能となるように構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の光反射型部品検出システム。
【請求項7】
前記搬送経路を備えた搬送体と、該搬送経路上の前記部品を移動させる搬送手段と、前記搬送経路上に前記検出範囲を備えた請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光反射型部品検出システムと、を具備することを特徴とする部品搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−275076(P2010−275076A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130074(P2009−130074)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【特許番号】特許第4504455号(P4504455)
【特許公報発行日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(599069507)株式会社ダイシン (27)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【特許番号】特許第4504455号(P4504455)
【特許公報発行日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(599069507)株式会社ダイシン (27)
【Fターム(参考)】
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