光導波シート、光電子装置およびそれらの製造方法
【課題】設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが容易に可能であり、少量多品種の生産に容易に対応することができる光電子装置とその製造方法を提供する。
【解決手段】入射されたクロック信号である光を複数に分割して導波し、出射する光導波シートであって、第1の方向に延伸したストライプ状の第1コアを第1クラッドで被覆した第1光導波層と、第2の方向に延伸したストライプ状の第2コアを第2クラッドで被覆した第2光導波層とが積層しており、ここで、第1光導波層の所定の箇所に所定の形状の第1凹部が形成され、第2光導波層の所定の箇所に所定の形状の第2凹部が形成され、第1および第2凹部の内壁面が、ミラー面として、第1および第2コア中を導波する光を第2および第1コア側へ反射し、および/または、第2および第1コア側からの光を二分割して第1および第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射する構成である。
【解決手段】入射されたクロック信号である光を複数に分割して導波し、出射する光導波シートであって、第1の方向に延伸したストライプ状の第1コアを第1クラッドで被覆した第1光導波層と、第2の方向に延伸したストライプ状の第2コアを第2クラッドで被覆した第2光導波層とが積層しており、ここで、第1光導波層の所定の箇所に所定の形状の第1凹部が形成され、第2光導波層の所定の箇所に所定の形状の第2凹部が形成され、第1および第2凹部の内壁面が、ミラー面として、第1および第2コア中を導波する光を第2および第1コア側へ反射し、および/または、第2および第1コア側からの光を二分割して第1および第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射する構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光導波シート、光電子装置およびそれらの製造方法に関し、特にクロック信号となる光を分配して導波する光導波シートと、クロック信号となる光を出射する発光素子と受光部を含む電子回路を有する半導体チップとを光導波シートで光学的に接続した構成である光電子装置と、それらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ、デジタル携帯電話、あるいはノートパソコンなど、携帯用電子機器の小型化、薄型化、軽量化に対する要求は強くなる一方であり、これに応えるために近年のVLSIなどの半導体装置においては3年で7割の縮小化を実現してきた。
この一方で、半導体装置のパッケージ形態としても、DIP(Dual Inline Package)などのリード挿入型から表面実装型やフリップチップ実装へと進展し、さらには能動素子を設けた半導体チップと受動素子とをパッケージ化したシステムインパッケージ(SiP)と呼ばれる複雑な形態へと進展している。
【0003】
上記のように、近年の半導体技術の進展は目覚しく、特にCPUや高速ロジックのLSI世界ではクロック周波数が既にGHzオーダーを超えるに至っている。
GHzを超える信号の配線には、LSIの内部、外部を問わず従来問題とならなかった数多くの課題があり、これらを解決することが近々の半導体の更なる集積化、高速化において非常に重要な要素となっている。
それらの課題とは、信号の歪み(Signal Integrity)、電気的配線の周波数限界、配線のロス、配線の遅延、配線からの輻射、信号のスキュー(Skew)、配線駆動に関わる消費電力の増大などである。
【0004】
特に、近年LSIチップ中あるいは異なるLSIに供給するクロックのスキュー(タイミング差)が問題とされ、例えば1GHzクロックのIdigitの時間は500psであり、立ち上がり、立ち下りの時間は数10psから〜200ps程度以下であり、これに対し一般のε=4程度の誘電体上の配線では、概略の電気信号の伝播速度は67ps/cmであり、立ち上がり時間に対して無視できない領域に到達している。
【0005】
そこで、実装基板上やLSI上の配線においても完全等長配線を用い、Hバ−と称されるHの文字の形状を有する配線にクロックを分配して配線スキューを抑える試みが数多くなされている。
これら、従来の電気配線でクロック分配を行なった場合は、配線の負荷を常にクロック周波数で駆動しつづけ、さらに各分配点において波形整形も行うため、消費電力が大きくなってしまうということなどの欠点があった。
【0006】
そこで、上記の課題を克服するため、アルミニウムや銅などの金属を用いた電気配線の変わりに、光を配線に用いて、クロックを分配することが提案されている。
例えば、非特許文献1では、シリコン基板上に光導波路を形成、それらをマスクを用いて、一つのLSI毎に半導体プロセスで加工する事で光クロックツリーを有する配線板を得る技術が記載されている。
【0007】
しかし、前記のようなシリコンまたはセラミックや有機基板などの基板上に半導体プロセスによって順次クロック配線層を形成して行く方法では、特定のLSIに対応した設計やマスクを作製し、その度ごとに加工を行うという煩わしさが存在する。
また、全ての作製プロセスがシーケンシャルに行なわれるため、全体のTATが長期化し、小さな変更に対応しにくいという欠点が存在する。
【非特許文献1】Shiou Lin Sam, Anantha Chandrakasan, and Duane Boning, Variation Issues in On-Chip Optical Clock Distribution, Sixth International Workshop on Statistical Methodologies for IC Processes, Devices, and Circuits, Kyoto, Japan, June, 2001.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、上記のような方法では、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが困難であり、少量多品種の生産に対応することが困難であるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の光導波シートは、入射されたクロック信号である光を複数に分割して導波し、出射する光導波シートであって、第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、前記第1光導波層に積層して形成され、前記第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層と、を有し、前記第1光導波層の所定の箇所に、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部が形成され、前記第2光導波層の所定の箇所に、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部が形成され、前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、所定の光入射位置から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記光導波シートの面外方向に出射する。
【0010】
上記の本発明の光導波シートは、入射されたクロック信号である光を複数に分割して導波し、出射する光導波シートであって、第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層とが積層して構成されている。
ここで、第1光導波層の所定の箇所に、第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部が形成されている。
また、第2光導波層の所定の箇所に、第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部が形成されている。
上記の第1凹部の内壁面が、ミラー面として、第1コア中を導波する光を第2コア側へ反射し、および/または、第2コア側からの光を二分割して第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、また、第2凹部の内壁面が、ミラー面として、第2コア中を導波する光を第1コア側へ反射し、および/または、第1コア側からの光を二分割して第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射する構成となっており、所定の光入射位置から第1コアまたは第2コアに入射された光を、第1凹部および第2凹部を経て複数に分割して導波し、第1凹部または第2凹部において光導波シートの面外方向に出射する。
【0011】
また、上記の課題を解決するため、本発明の光電子装置は、クロック信号となる光を出射する発光素子と、前記光を受光する受光部を備えた半導体チップと、前記光が入射されて複数に分割して導波し、前記受光部へ出射する光導波シートとを有し、前記光導波シートは、第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、前記第1光導波層に積層して形成され、前記第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層と、を有し、前記第1光導波層の所定の箇所に、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部が形成され、前記第2光導波層の所定の箇所に、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部が形成され、前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、所定の光入射位置において前記発光素子から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記受光部へ出射する。
【0012】
上記の本発明の光電子装置は、上記の本発明の光導波シートに対して、所定の光入射位置において発光素子から第1コアまたは第2コアにクロック信号となる光を入射し、第1凹部および第2凹部を経て複数に分割して導波し、第1凹部または第2凹部において半導体チップに備えられた受光部へ出射する構成である。
【0013】
また、上記の課題を解決するため、本発明の光導波シートの製造方法は、第1クラッドと前記第1クラッド内に埋め込まれ、第1方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを有する第1光導波路がシート状に成形されてなる第1光導波層に対して、前記第1光導波路の端部となる位置に、キャピラリ部の先端に設けられた加工ヘッドであって、前記加工ヘッドの先端部が前記加工ヘッドの対称軸に対して45°の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面および第2面を有する前記加工ヘッドを打ち込む工程と、前記第1光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第1光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部を形成する工程と、第2クラッドと前記第2クラッド内に埋め込まれ、第2方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを有する第2光導波路がシート状に成形されてなる第2光導波層に対して、前記第2光導波路の端部となる位置であって、前記第1凹部に対応する位置に、前記加工ヘッドを打ち込む工程と、前記第2光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第2光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部を形成する工程と、前記第1の方向と前記第2方向とを異ならせ、前記第1凹部と前記第2凹部の位置を合わせて、前記第1光導波層と前記第2光導波層を貼り合わせる工程とを有する。
【0014】
上記の本発明の光導波シートの製造方法は、第1クラッドと第1クラッド内に埋め込まれ、第1方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを有する第1光導波路がシート状に成形されてなる第1光導波層に対して、第1光導波路の端部となる位置に、キャピラリ部の先端に設けられた加工ヘッドであって、加工ヘッドの先端部が加工ヘッドの対称軸に対して45°の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面および第2面を有する加工ヘッドを打ち込む。
次に、第1光導波層から加工ヘッドをリリースし、第1光導波路の端部に第1面および第2面の形状を転写して、第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部を形成する。
一方、同様にして、第2クラッドと第2クラッド内に埋め込まれ、第2方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを有する第2光導波路がシート状に成形されてなる第2光導波層に対して、第2光導波路の端部となる位置であって、第1凹部に対応する位置に、加工ヘッドを打ち込む。
次に、第2光導波層から加工ヘッドをリリースし、第2光導波路の端部に第1面および第2面の形状を転写して、第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部を形成する。
次に、第1の方向と第2方向とを異ならせ、第1凹部と第2凹部の位置を合わせて、第1光導波層と第2光導波層を貼り合わせる。
【0015】
また、上記の課題を解決するため、本発明の光電子装置の製造方法は、第1クラッドと前記第1クラッド内に埋め込まれ、第1方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを有する第1光導波路がシート状に成形されてなる第1光導波層に対して、前記第1光導波路の端部となる位置に、キャピラリ部の先端に設けられた加工ヘッドであって、前記加工ヘッドの先端部が前記加工ヘッドの対称軸に対して45°の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面および第2面を有する前記加工ヘッドを打ち込む工程と、前記第1光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第1光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部を形成する工程と、第2クラッドと前記第2クラッド内に埋め込まれ、第2方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを有する第2光導波路がシート状に成形されてなる第2光導波層に対して、前記第2光導波路の端部となる位置であって、前記第1凹部に対応する位置に、前記加工ヘッドを打ち込む工程と、前記第2光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第2光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部を形成する工程と、前記第1の方向と前記第2方向とを異ならせ、前記第1凹部と前記第2凹部の位置を合わせて、前記第1光導波層と前記第2光導波層を貼り合わせて光導波シートとする工程と、前記光導波シートの光入射位置に位置合わせして、クロック信号となる光を出射する発光素子をマウントする工程と、前記光導波シートの光出射位置に位置合わせして、前記光を受光する受光部を備えた半導体チップをマウントする工程とを有する。
【0016】
上記の本発明の光電子装置の製造方法は、本発明の光導波シートの製造方法によって光導波シートを製造し、さらに、光導波シート上あるいは所定の基板上に、光導波シートの光入射位置に位置合わせして、クロック信号となる光を出射する発光素子をマウントし、さらに、光導波シートの光出射位置に位置合わせして、上記の光を受光する受光部を備えた半導体チップをマウントする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光導波シートは、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが可能であり、少量多品種の生産に対応することができる。
【0018】
本発明の光電子装置は、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが可能であり、少量多品種の生産に対応することができる。
【0019】
本発明の光導波シートの製造方法は、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが可能であり、少量多品種の生産に対応して、製造することができる。
【0020】
本発明の光電子装置の製造方法は、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが可能であり、少量多品種の生産に対応して、製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明に係る光導波シートとその製造方法、および、クロック信号となる光を出射する発光素子と受光部を含む電子回路を有する半導体チップとを光導波シートで光学的に接続した構成である光電子装置とその製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
第1実施形態
本実施形態は、入射されたクロック信号である光を複数に分割して導波し、出射する光導波シートである。
図1(a)は本実施形態に係る光導波シートの平面図であり、図1(b)は図1(a)中のa−a’における断面図であり、図1(c)は図1(a)中のb−b’における断面図である。
第1の方向D1に延伸してストライプ状に形成された第1コア30bを第1クラッド30aで被覆してなる第1光導波層30と、第1の方向D1と異なり、例えば図面のように直行する第2の方向D2に延伸してストライプ状に形成された第2コア31bを第2クラッド31aで被覆してなる第2光導波層31とが、接着層54を介して積層されている。
【0023】
ここで、丸印で示された分岐点BRにおいて、第1光導波層30に第1凹部が形成され、また、第2光導波層31に第2凹部が形成されている。これらの第1凹部と第2凹部の内壁面がミラー面となっており、第1光導波層を導波した光が二分割されて第2光導波層を導波する光の分岐点、または、第2光導波層を導波した光が二分割されて第1光導波層を導波する光の分岐点となっている。
【0024】
黒丸で示された光出射位置LOにおいても、第2光導波層31に第2凹部が形成されている。第2凹部の内壁面がミラー面となっており、第2光導波層31を導波した光を、光導波シートの面外方向に出射する構成となっている。
【0025】
上記の構成となっていることから、光入射位置LIから入射された光は、第1光導波層30に設けられた第1光導波路WG1を導波し、第1光導波路WG1の端部の分岐点BRにおいて、第1光導波路WG1から二分割されて第2光導波層31に設けられた第2光導波路WG2へと導波する。
さらに第2光導波路WG2の一方の端部の分岐点BRにおいて、第2光導波路WG2から二分割されて、第1導波層30に設けられた第3光導波路WG3へと導波する。
一方、第2光導波路WG2の他方の端部の分岐点BRにおいて、第2光導波路WG2から二分割されて、第1導波層30に設けられた第4光導波路WG4へと導波する。
上記の第3光導波路WG3および第4光導波路WG4から、各分岐点BRにおいて二分割されて、第2光導波層31に設けられた、第5光導波層WG5、第6光導波層WG6、第7光導波層WG7および第8光導波層WG8へとそれぞれ導波し、第5光導波層WG5、第6光導波層WG6、第7光導波層WG7および第8光導波層WG8の両端に設けられた計8個の光出射位置LOから光導波シートの面外方向に出射する。
【0026】
上記の分岐点のうちの、第1光導波層30から二分割して第2光導波層31に導波する分岐点BRについて、詳細に説明する。
図2(a)は、上記の分岐点BRの模式平面図であり、図2(b)は図2(a)中のa−a’における模式断面図であり、図2(c)は図2(a)中のb−b’における模式断面図である。
分岐点BRとなる箇所において、第1光導波層30に、第1方向D1に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第1方向D1に垂直な平面F1に対して45°(α)の角度で交差する内壁面を有するV字型の第1凹部30vが形成されている。
上記の構成の第1凹部30vの内壁面は、ミラー面MRとして、第1コア30b中を導波する光を第2コア31b側へ反射し、および/または、第2コア31b側からの光を二分割して第1コア30bの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射する。
【0027】
一方、分岐点BRとなる箇所において、第2光導波層31に、第2方向D2に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第2方向D2に垂直な平面F2に対して45°(α)の角度で交差する内壁面を有するV字型の第2凹部31vが形成されている。
上記の構成の第2凹部31vの内壁面は、ミラー面MRとして、第2コア31b中を導波する光を第1コア30b側へ反射し、および/または、第1コア30b側からの光を二分割して第2コア31bの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射する。
【0028】
上記の第1凹部30vの深さは、少なくとも第1コア30bの下面に到達し、例えば第1光導波層30全体の下面に達する程度である。また、第1方向D1に直行する方向に対する第1凹部30vの幅は、第1コア30bの幅より広く、第1コア30b内を導波する光全体が第1凹部30vの内壁面で反射する構成となっている。
第2凹部31vについても同様であり、少なくとも第2コア31bの下面に到達し、例えば第2光導波層31全体の下面に達する程度である。また、第2方向D2に直行する方向に対する第2凹部31vの幅は、第2コア31bの幅より広く、第2コア31b内を導波する光全体が第2凹部31vの内壁面で反射する構成となっている。
【0029】
図2(a)〜(c)においては、第1凹部30vの第1方向D1に垂直な平面F1に対して45°(α)の角度で交差する1対の内壁面のうちの一方の面の中心と、第2凹部31vの中心が位置合わせされて構成されている。
この場合、図2(a)〜(c)に示すように、第1コア30b内を分岐点BR方向に導波する光Lは、第1凹部30vの第1方向D1に垂直な平面F1に対して45°の角度で交差する1対の内壁面のうちの一方の面において第2コア31b側へ反射され、さらに第2凹部31の第2方向D2に垂直な平面F2に対して45°の角度で交差する1対の内壁面において二分割されて第2コア31bの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射され、第2コア31b中をそれぞれ導波される。
【0030】
上記のように、第1凹部30vと第2凹部31vの組み合わせにより分岐点BRが構成されているが、第1凹部30vと第2凹部31vのいずれか一方のみが形成されている場合には、第1コア30bまたは第2コア31b内を導波する光を光導波シートの面外方向に出射する光出射位置LOが構成される。
図1(a)における光出射位置LOが、第2光導波層31に設けられているので、第2凹部31vから構成されている。
【0031】
上記の構成の分岐点BRや光出射位置LOとなる第1凹部30vや第2凹部31vが所定の位置に形成されていることから、所定の光入射位置LIから第1コア30bまたは第2コア31bに入射された光を、第1凹部30vおよび第2凹部31vを経て複数に分割して導波し、第1凹部30vまたは第2凹部31vにおいて光導波シートの面外方向に出射する構成となっている。
【0032】
上記の本実施形態に係る光導波シートにおいては、さらに、光入射位置から光導波シートの外部へ出射する位置までの光を導波する距離が、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離となっている。
このように、クロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
【0033】
次に、上記の構成の第1凹部と第2凹部を形成する方法について説明する。
図3(a)は、内壁面が光導波シートのミラー面となる第1凹部と第2凹部を形成するための加工ヘッドを備えた加工装置の加工ヘッド部分の模式的斜視図である。
加工ヘッド1が略円筒形のキャピラリ2の先端に形成されており、キャピラリ2の加工ヘッド1と反対側の端部がキャピラリ保持部3によって保持されている。
【0034】
図3(b)は本実施形態に係る加工ヘッドの一側面図であり、図3(c)は図3(b)と直行する側からの側面図である。
加工ヘッド1の先端部は、加工ヘッド1の対称軸AXに対して所定の角度α(45°)の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面1aおよび第2面1bを有する。
上記の加工ヘッドは、クラッドとクラッド内に埋め込まれたコアを有する光導波路がシート状に成形されてなる光導波シートに対して、光導波路の端部となる位置に打ち込まれると、光導波路の端部に第1面1aおよび第2面1bの形状が転写されてミラー面が形成されるような形状となっている。
【0035】
上記の本実施形態の加工ヘッドは、好ましくは加工ヘッドを加熱する加熱手段を備えている。
光導波シートの加工において、例えば光導波シートが熱可塑性材料から構成される場合には熱を印加することで光導波シートを軟化させ、加工しやすくすることができる。あるいは、例えば光導波シートが熱硬化性材料から構成される場合には、加工した形状を保持するように熱を印加して硬化させることができる。いずれの場合でも、加熱温度は光導波シート材料の熱分解温度以下とする。
【0036】
また、上記の加工ヘッド1は、好ましくは、アルミナ、アルミナイトライド、シリコンカーバイド、ボロンナイトライドなどのセラミック、サファイヤ、ルビー、ダイヤモンドなどの人工鉱物、ステンレス、タングステン、チタンなどの金属や金属合金、タングステン、チタン、アルミニウム、シリコン、タンタルなどの炭化物、窒化物、炭窒化物などのいわゆる超鋼合金、およびこれらの超鋼合金にコバルト、ニッケル、クロム、モリブデンなどの添加物を加えたもの、などから構成されている。
【0037】
第1面1aおよび第2面1bの対称軸AXに投影した長さLは、この加工ヘッド1により加工される光導波シートの加工すべき厚さ以上に設定され、少なくともコアの下面までの厚さ以上であり、例えば光導波シート全体の厚さとする。
また、第1面1aおよび第2面1bの幅Wは、この加工ヘッド1により加工される光導波シートにおけるコアの幅以上に設定される。
【0038】
上記の加工ヘッドを用いて、第1光導波層に第1凹部を形成する方法について説明する。
まず、加工される光導波シートとして、図4(a)に示すように、シリコンあるいはガラスなどのダミー基板50上に剥離層51を形成した後、この上層に第1光導波層30を形成する。即ち、剥離層51上にクラッド材料を塗布し、キュア処理を行った後、コア材料を塗布し、パターン露光および現像処理により所定のパターンに加工し、さらに再びクラッド材料を塗布し、平坦化してシート状に加工する。
上記のようにして、第1の屈折率の第1クラッド30aと、第1クラッド30aに被覆されて、例えばストライプ状に光導波方向に延伸するパターンを有し、第1の屈折率よりも高い第2の屈折率を有する第1コア30bを有し、シート状に成形された第1光導波層30を形成する。
剥離層51は、熱可塑性の樹脂、光導波シートを構成する樹脂材料と密着性の悪いチタン/銅積層体、特定の酸に溶解する酸化シリコン膜などを用いることができる。
【0039】
第1光導波層は、用いる光の波長に対して透明であり、例えば、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂など、またはこれらのフッ化物などの有機系材料から構成されている。
また、上記の第1コア30bとしては、例えばマルチモードの伝播を仮定すると、第1コア30bの厚み、幅はおよそ5〜50μm、第2クラッド30aの厚みとしてはコア30bの1/4〜1/2くらいが適当である。
【0040】
次に、図4(b)に示すように、上記の構成の第1光導波層に対して、光導波路の端部となる位置と加工ヘッドとを位置合わせして、所定の力を印加して上記の構成の加工ヘッド1を打ち込む。このとき、少なくとも加工ヘッド1の先端が第1コア30bの下面に到達するように、例えば第1光導波層30の下層の剥離層51に達する程度にまで、加工ヘッドを打ち込む。
このとき、場合によっては加工ヘッド1で加工された部分から加工残渣(バリ)30cが押し出されて発生する。
【0041】
次に、図4(c)に示すように、第1光導波層30から加工ヘッド1をリリースし、光導波路の端部に加工ヘッド1の第1面1aおよび第2面1bの形状を転写して、第1凹部30vを形成する。第1凹部30vの内壁面がミラー面MRとなる。
【0042】
次に、例えば研磨シート上にフェースダウンで第1光導波層の表面のラッピング処理を行って、図4(d)に示すように加工残渣30cを除去する。また、使用した加工ヘッド上にも残渣が生じることがあるので、必要に応じてダミー加工基板を用いてスクラブすることで残渣を除去する。
以上で、加工ヘッドを用いて第1光導波層に第1凹部を形成することができる。
なお、第2光導波層に第2凹部を形成する工程も、上記と同様にして行うことができる。
【0043】
上記の光導波路の端部となる位置に加工ヘッドを打ち込む工程においては、例えば、第1光導波層を不図示の下部ヒータで所定の温度に保持し、また、不図示の加熱手段により加工ヘッドを所定の温度に加熱しながら行う。
第1光導波層の加工において、例えば第1光導波層が熱可塑性材料から構成される場合には、熱を印加することで光導波シートを軟化させ、加工しやすくすることができる。あるいは、例えば第1光導波層が熱硬化性材料から構成される場合には、加工した形状を保持するように熱を印加して硬化させることができる。いずれの場合でも、加工ヘッドの加熱温度は第1光導波層の材料の熱分解温度以下とする。
【0044】
上記の加工ヘッドを用いた加工装置は、ボンディングワイヤ装置を転用して得ることができ、即ち、ボンディングワイヤ装置のヘッドを本実施形態の加工ヘッドに変更して得ることができる。
この加工装置を用いて第1光導波層にミラー面を形成する場合、加工ヘッドによる加工ポイントの座標を予め設定および入力しておくことで、光導波路上の場所や、向きに拘わらず、任意の場所に高速でミラー面を形成することができる。この時の加工速度は、ワイヤボンディングのボンディング速度に略等しく、1秒間につき5〜10ポイント程度の加工が可能である。
【0045】
次に、本実施形態に係る光導波シートの製造方法について説明する。
まず、第1光導波層を形成する。
まず、図5(a)に示すように、シリコンあるいはガラスなどからなるダミー基板50の表面に、例えば、電子ビーム蒸着法あるいはスパッタリング法などにより、チタン層と銅層の積層体を形成し、剥離層51とする。あるいは、CVD(Chemical Vapor Deposition)法あるいはスパッタリング法により、酸化シリコン層を形成し、剥離層51とすることもできる。この場合には、ダミー基板50はシリコンなどを用いる。
【0046】
次に、図5(b)に示すように、例えばスピンコートや印刷法によりポリイミド樹脂などの第1の屈折率の樹脂層を形成し、キュア処理を行って硬化させ、第1クラッド30aとする。
【0047】
次に、図5(c)に示すように、例えば感光性ポリイミドなどの第1の屈折率よりも高い第2の屈折率を有する感光性樹脂層を形成し、パターニング用マスクを用いて露光を行い、さらに現像およびキュア処理を行って、ストライプ状の第1コア30bを形成する。
例えば、マルチモードの伝播を仮定すると、第1コア30bの厚み、幅はおよそ5〜50μm、第1クラッド30aの厚みとしては第1コア30bの1/4〜1/2くらいが適当である。
【0048】
次に、図6(a)に示すように、上記と同様に、例えばスピンコートや印刷法によりポリイミド樹脂などの第1の屈折率の樹脂層を形成し、必要に応じて加熱リフローを行い、キュア処理を行って硬化させ、第1クラッド30aを形成する。
このようにして、第1コア30bの外周を第1クラッド30aが被覆してシート状に成形された第1光導波層30を形成する。
図6(b)は図6(a)の状態においてコアの延伸方向に平行な断面を示し、これは図6(a)とは直交する方向の断面であり、以降の工程はこの方向の断面に沿って行う。
【0049】
次に、図7(a)に示すように、図3(a)〜(c)に示す加工ヘッド1を用い、図4(a)〜(d)に示す工程と同様にして、第1光導波層30に対して、光導波路の端部となる位置と加工ヘッドとを位置合わせして、所定の力を印加して加工ヘッド1を打ち込む。このとき、少なくとも加工ヘッド1の先端が第1コア30bの下面に到達するように、例えば第1光導波層の下層の剥離層51に達する程度にまで、加工ヘッドを打ち込む。
第1光導波層30から加工ヘッド1をリリースすることで、光導波路の端部に加工ヘッド1の第1面1aおよび第2面1bの形状を転写して、第1凹部30vを形成する。第1凹部30vの壁面がミラー面MRとなる。
【0050】
上記の第1凹部30vを形成する工程において、加工ヘッド1で加工された部分から加工残渣(バリ)が押し出されて発生するので、必要に応じて、例えば研磨シート上にフェースダウンで光導波シート表面のラッピング処理を行い、加工残渣を除去する。
【0051】
次に、図7(b)に示すように、第1光導波層30の表面に、接着性があり、ある特定の温度で剥離が可能な熱剥離シート52を貼り合わせる。
この熱剥離シート52は、例えば、PETフィルム上に発泡カプセルを接着剤中に分散させて構成されたものであり、例えば、日東電工社製のリバーアルファなどを用いることができる。例えば、PETフィルムを70℃〜150℃に加熱することで間単に取り去ることができるものである。
【0052】
次に、図7(c)に示すように、例えば剥離層51としてチタン層と銅層の積層体を用いている場合、塩酸などの酸中に上記熱剥離シート52でサポートされている第1光導波層30を浸漬し、剥離層51と第1光導波層30の第1クラッド30aの界面において剥離する。
あるいは、剥離層51として酸化シリコン層を用いている場合には、フッ酸あるいはバッファードフッ酸などの酸中に上記熱剥離シート52でサポートされている第1光導波層30を浸漬し、剥離層51を溶解して、第1光導波層30を剥離する。
以上で、熱剥離シート52に保持された第1光導波層30が得られる。
別途、上記と同様の工程により、熱剥離シートに保持され、第2凹部が形成された第2光導波層31を形成する。
【0053】
次に、図8(a)に示すように、上記のようにして得られた第1光導波層30と、第2光導波層とを、用いる光の波長に対して透明な接着剤シート(接着層)54を介して、第1凹部30vと第2凹部31vの位置を位置合わせしながら、貼り合わせる。
【0054】
次に、図8(b)に示すように、熱剥離シート(52,53)を剥離して第1光導波層30と第2光導波層31が積層した光導波シートが得られる。
但し、上記の構成の光導波シートは、膜厚が薄いために単体では取り扱い性が悪いので、実装基板に転写するなど、実際に使用する段階まで、少なくともいずれか一方の熱剥離シートを残しておいてよい。
【0055】
上記の本実施形態に係る光導波シートの製造方法によれば、予め第1光導波層と第2光導波層を製造しておけば、第1凹部と第2凹部をそれぞれ形成し、それらを貼り合わせるだけで製造が完了し、LSI自身のデザインが変更されても、また、幾種類もの異なる仕様のLSIにもその都度対応が可能であり、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが容易に可能であり、少量多品種の生産に容易に対応して製造することができる。
特にクロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
上記のように、製造コストを抑制して、かつ開発期間やTATを短くして、スキューを抑制したLSIの開発が可能となる。
【0056】
上記の本実施形態に係る光導波シートの製造方法においては、ベースとなる光導波層をシリコンなどのダミー基板上に逐次プロセスで作製して行く例を示したが、もちろんベースのポリイミドフィルムをロールで用意し、コア材を例えばRoll to Rollプロセスにて塗布、パターンニングして一括作製する方法もあり、この様にすることでさらに大幅なコストの削減が実現できる。
【0057】
第2実施形態
図9(a)は本実施形態に係るマルチチップモジュールである光電子装置の平面図である。
例えば、4層のパターン加工された配線層と樹脂絶縁層が交互に積層された構成の実装基板BDの一方の面に、第1実施形態と同様の光導波シートWSが不図示の接着層により貼り合わされている。光導波シートと不図示の接着層に対して半導体チップを搭載するためのパッド開口POが貫通して設けられている。このパッド開口POは光導波シートの光信号が導波しない任意の場所に設けることが可能である。実装基板BDは、パッケージのインターポーザーとも称され、いわゆるFR−4基板、FR−5基板や、BT-レジン基板、ポリイミド基板など、あらゆタイプの有機配線基板や、アルミナ、ガラスセラミックなどのセラミック基板を用いることができる。
また、光導波シートWSの側部において光入射位置に位置合わせして、クロック信号である光を出射する発光素子であるレーザダイオードLDとそのドライバDRが実装基板BD上に実装されている。
さらに、受光素子であるPIN−PD(PD)を組み込んだ4個の半導体チップ(CP1〜CP4)が、光導波シートWSを介して、光導波シートWSの光出射位置と受光素子の位置が適合し、かつ、バンプBPがパッド開口POに嵌合するように、実装基板BDに実装されている。各半導体チップ(CP1〜CP4)には、受光素子のほか、簡便なアンプが内蔵されており、光クロック信号を電気クロック信号に復調する構成となっている。
【0058】
光導波シートWSは、第1実施形態と同様の構成である。
第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層とが、接着層を介して積層されている。光の分岐点BRあるいは光出射位置LOとなる位置において、第1光導波層に第1凹部が形成され、また、第2光導波層に第2凹部が形成されている。これらの第1凹部と第2凹部の内壁面がミラー面となっている。
光入射位置LIから入射した光Lは、複数の分岐点BRにおいて5回の分岐を繰り返し、2の5乗=32箇所の光出射位置LOから光導波シートWSの面外方向に出射し、各半導体チップ(CP1〜CP4)に組み込まれたPIN−PD(PD)に入射する。
【0059】
上記の光導波シートにおいては、光入射位置から光導波シートの外部へ出射する位置までの光を導波する距離が、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離となっており、クロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
【0060】
本実施形態に係る光電子装置の製造方法としては、例えば、実装基板BDの一方の面に光導波シートWSを接着層により貼り合わせ、必要に応じてパッド開口POを形成する。このパッド開口の形成方法は、実装基盤の所望の位置に受けランドを設けておき、光導波シートを貼り合わせた後に、CO2やエキシマなどのレーザを照射することで、形成可能である。この時の実装基板のランドはレーザ光のストッパーとして作用する。
次に、光導波シートWSの側部にレーザダイオードLDとドライバDRを実装し、さらに図9(b)の断面図に示すように、受光素子であるPIN−PD(PD)を組み込んだ4個の半導体チップ(CP1〜CP4)を、光導波シートWSを介して、光導波シートWSの光出射位置と受光素子の位置を合わせて、かつ、バンプBPがパッド開口POに嵌合させて、実装する。
【0061】
本実施形態に係る光電子装置と、その製造方法によれば、予め第1光導波層と第2光導波層を製造しておけば、第1凹部と第2凹部をそれぞれ形成し、それらを貼り合わせるだけで製造が完了し、LSI自身のデザインが変更されても、また、幾種類もの異なる仕様のLSIにもその都度対応が可能であり、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが容易に可能であり、少量多品種の生産に容易に対応して製造することができる。
さらに、クロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
上記のように、製造コストを抑制して、かつ開発期間やTATを短くして、スキューを抑制したLSIの開発が可能となる。
【0062】
第3実施形態
図10は本実施形態に係るマルチチップモジュールである光電子装置の平面図である。
実質的に第2実施形態と同様であるが、クロック信号である光を出射する発光素子が、ファブリペロータイプではなく、面発光レーザVCSELであり、光導波シートWSにおける1つ目の分岐点BRの上方に、発光素子から出射される光が分岐点BRに均等に入射するように実装されており、ドライバDRもまた、面発光レーザVCSELの近傍に配置されていることが異なる。
本実施形態に係る光電子装置も、第2実施形態と同様にして製造することができる。
【0063】
本実施形態に係る光電子装置と、その製造方法によれば、予め第1光導波層と第2光導波層を製造しておけば、第1凹部と第2凹部をそれぞれ形成し、それらを貼り合わせるだけで製造が完了し、LSI自身のデザインが変更されても、また、幾種類もの異なる仕様のLSIにもその都度対応が可能であり、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが容易に可能であり、少量多品種の生産に容易に対応して製造することができる。
さらに、クロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
上記のように、製造コストを抑制して、かつ開発期間やTATを短くして、スキューを抑制したLSIの開発が可能となる。
【0064】
第4実施形態
図11は本実施形態に係るシングルチップモジュールである光電子装置の断面図である。
実質的に第2実施形態と同様であるが、搭載されている半導体チップCPが1個であり、フェースダウン(フリップチップ)ではなくフェースアップでマウントされ、ワイヤボンディングWBにより実装基板BDに接続されていることが異なる。
導波するレーザ光としては種々の波長のものが使用可能であるが、例えば、シリコンのバンドギャップより小さいエネルギーをもつ波長の光、具体的には波長1μm以上の波長をもつ光であれば、シリコン基板を透過することが可能である。この場合は、シリコン基板の裏面からクロック信号となる光を入射することが可能となる。
図11に示す本実施形態においては、半導体チップCPがフェースアップで光導波シートWS上に実装され、所望位置から出射されたクロック信号となる光が半導体チップCPを構成するシリコン基板を透過して、半導体チップCPの受光部であるPIN−PD(PD)において光電変換され、さらに半導体チップ中アンプにより増幅されて、電気クロックへと変換される。
本実施形態に係る光電子装置も、ワイヤボンディング工程などを行うことで、第2実施形態と同様にして製造することができる。
【0065】
本実施形態に係る光電子装置と、その製造方法によれば、予め第1光導波層と第2光導波層を製造しておけば、第1凹部と第2凹部をそれぞれ形成し、それらを貼り合わせるだけで製造が完了し、LSI自身のデザインが変更されても、また、幾種類もの異なる仕様のLSIにもその都度対応が可能であり、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが容易に可能であり、少量多品種の生産に容易に対応して製造することができる。
さらに、クロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
上記のように、製造コストを抑制して、かつ開発期間やTATを短くして、スキューを抑制したLSIの開発が可能となる。
【0066】
本発明は上記の説明に限定されない。
例えば、光導波シートに設ける分岐の数は特に限定されない。
光電子装置に搭載される発光素子としては、面発光レーザなどのレーザダイオードの他、発光ダイオードなどを用いることができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の光導波シートは、クロック信号となる光を分配し、発光素子と受光部を光学的に接続する光導波シートに適用できる。
【0068】
本発明の光電子装置は、クロック信号となる光を出射する発光素子と受光部を含む電子回路を有する半導体チップとを光導波シートで光学的に接続した構成である光電子装置に適用できる。
【0069】
本発明の光導波シートの製造方法は、クロック信号となる光を分配し、発光素子と受光部を光学的に接続する光導波シートの製造方法に適用できる。
【0070】
本発明の光電子装置の製造方法は、クロック信号となる光を出射する発光素子と受光部を含む電子回路を有する半導体チップとを光導波シートで光学的に接続した構成である光電子装置を製造するのに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施形態に係る光導波シートの平面図であり、図1(b)は図1(a)中のa−a’における断面図であり、図1(c)は図1(a)中のb−b’における断面図である。
【図2】図2(a)は図1(a)中の分岐点の模式平面図であり、図2(b)は図2(a)中のa−a’における模式断面図であり、図2(c)は図2(a)中のb−b’における模式断面図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第1実施形態で用いる加工ヘッドを備えた加工装置の加工ヘッド部分の模式的斜視図であり、図3(b)はこの加工ヘッドの一側面図であり、図3(c)は図3(b)と直行する側からの側面図である。
【図4】図4(a)〜(d)は本発明の第1実施形態に係る光導波シートにおいて第1凹部を形成する工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)〜(c)は本発明の第1実施形態に係る光電子装置の製造方法の製造方法の工程を示す断面図である。
【図6】図6(a)および図6(b)は本発明の第1実施形態に係る光電子装置の製造方法の工程を示す断面図である。
【図7】図7(a)〜(c)は本発明の第1実施形態に係る光電子装置の製造方法の工程を示す断面図である。
【図8】図8(a)および図8(b)は本発明の第1実施形態に係る光電子装置の製造方法の工程を示す断面図である。
【図9】図9(a)は本発明の第2実施形態に係る光電子装置の平面図であり、図9(b)は製造方法の工程を示す断面図である。
【図10】図10は本発明の第3実施形態に係る光電子装置の平面図である。
【図11】図11は本発明の第4実施形態に係る光電子装置の断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1…加工ヘッド、1a…第1面、1b…第2面、2…キャピラリ部、3…キャピラリ保持部、30…第1光導波層、30a…第1クラッド、30b…第1コア、30c…加工残渣、30v…第1凹部、31…第2光導波層、31a…第2クラッド、31b…第2コア、31v…第2凹部、50…ダミー基板、51…剥離層、52,53…熱剥離シート、54…接着層、AX…対称軸、LI…光入射位置、BR…分岐点、LO…光出射位置、WG1〜WG8…光導波路、MR…ミラー面、L…光、LD…レーザダイオード、DR…ドライバ、CP1〜CP4…半導体チップ、WS…光導波シート、PO…パッド開口、BD…実装基板、VCSEL…面発光レーザ、WB…ワイヤボンディング
【技術分野】
【0001】
本発明は光導波シート、光電子装置およびそれらの製造方法に関し、特にクロック信号となる光を分配して導波する光導波シートと、クロック信号となる光を出射する発光素子と受光部を含む電子回路を有する半導体チップとを光導波シートで光学的に接続した構成である光電子装置と、それらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルビデオカメラ、デジタル携帯電話、あるいはノートパソコンなど、携帯用電子機器の小型化、薄型化、軽量化に対する要求は強くなる一方であり、これに応えるために近年のVLSIなどの半導体装置においては3年で7割の縮小化を実現してきた。
この一方で、半導体装置のパッケージ形態としても、DIP(Dual Inline Package)などのリード挿入型から表面実装型やフリップチップ実装へと進展し、さらには能動素子を設けた半導体チップと受動素子とをパッケージ化したシステムインパッケージ(SiP)と呼ばれる複雑な形態へと進展している。
【0003】
上記のように、近年の半導体技術の進展は目覚しく、特にCPUや高速ロジックのLSI世界ではクロック周波数が既にGHzオーダーを超えるに至っている。
GHzを超える信号の配線には、LSIの内部、外部を問わず従来問題とならなかった数多くの課題があり、これらを解決することが近々の半導体の更なる集積化、高速化において非常に重要な要素となっている。
それらの課題とは、信号の歪み(Signal Integrity)、電気的配線の周波数限界、配線のロス、配線の遅延、配線からの輻射、信号のスキュー(Skew)、配線駆動に関わる消費電力の増大などである。
【0004】
特に、近年LSIチップ中あるいは異なるLSIに供給するクロックのスキュー(タイミング差)が問題とされ、例えば1GHzクロックのIdigitの時間は500psであり、立ち上がり、立ち下りの時間は数10psから〜200ps程度以下であり、これに対し一般のε=4程度の誘電体上の配線では、概略の電気信号の伝播速度は67ps/cmであり、立ち上がり時間に対して無視できない領域に到達している。
【0005】
そこで、実装基板上やLSI上の配線においても完全等長配線を用い、Hバ−と称されるHの文字の形状を有する配線にクロックを分配して配線スキューを抑える試みが数多くなされている。
これら、従来の電気配線でクロック分配を行なった場合は、配線の負荷を常にクロック周波数で駆動しつづけ、さらに各分配点において波形整形も行うため、消費電力が大きくなってしまうということなどの欠点があった。
【0006】
そこで、上記の課題を克服するため、アルミニウムや銅などの金属を用いた電気配線の変わりに、光を配線に用いて、クロックを分配することが提案されている。
例えば、非特許文献1では、シリコン基板上に光導波路を形成、それらをマスクを用いて、一つのLSI毎に半導体プロセスで加工する事で光クロックツリーを有する配線板を得る技術が記載されている。
【0007】
しかし、前記のようなシリコンまたはセラミックや有機基板などの基板上に半導体プロセスによって順次クロック配線層を形成して行く方法では、特定のLSIに対応した設計やマスクを作製し、その度ごとに加工を行うという煩わしさが存在する。
また、全ての作製プロセスがシーケンシャルに行なわれるため、全体のTATが長期化し、小さな変更に対応しにくいという欠点が存在する。
【非特許文献1】Shiou Lin Sam, Anantha Chandrakasan, and Duane Boning, Variation Issues in On-Chip Optical Clock Distribution, Sixth International Workshop on Statistical Methodologies for IC Processes, Devices, and Circuits, Kyoto, Japan, June, 2001.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、上記のような方法では、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが困難であり、少量多品種の生産に対応することが困難であるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の光導波シートは、入射されたクロック信号である光を複数に分割して導波し、出射する光導波シートであって、第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、前記第1光導波層に積層して形成され、前記第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層と、を有し、前記第1光導波層の所定の箇所に、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部が形成され、前記第2光導波層の所定の箇所に、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部が形成され、前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、所定の光入射位置から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記光導波シートの面外方向に出射する。
【0010】
上記の本発明の光導波シートは、入射されたクロック信号である光を複数に分割して導波し、出射する光導波シートであって、第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層とが積層して構成されている。
ここで、第1光導波層の所定の箇所に、第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部が形成されている。
また、第2光導波層の所定の箇所に、第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部が形成されている。
上記の第1凹部の内壁面が、ミラー面として、第1コア中を導波する光を第2コア側へ反射し、および/または、第2コア側からの光を二分割して第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、また、第2凹部の内壁面が、ミラー面として、第2コア中を導波する光を第1コア側へ反射し、および/または、第1コア側からの光を二分割して第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射する構成となっており、所定の光入射位置から第1コアまたは第2コアに入射された光を、第1凹部および第2凹部を経て複数に分割して導波し、第1凹部または第2凹部において光導波シートの面外方向に出射する。
【0011】
また、上記の課題を解決するため、本発明の光電子装置は、クロック信号となる光を出射する発光素子と、前記光を受光する受光部を備えた半導体チップと、前記光が入射されて複数に分割して導波し、前記受光部へ出射する光導波シートとを有し、前記光導波シートは、第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、前記第1光導波層に積層して形成され、前記第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層と、を有し、前記第1光導波層の所定の箇所に、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部が形成され、前記第2光導波層の所定の箇所に、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部が形成され、前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、所定の光入射位置において前記発光素子から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記受光部へ出射する。
【0012】
上記の本発明の光電子装置は、上記の本発明の光導波シートに対して、所定の光入射位置において発光素子から第1コアまたは第2コアにクロック信号となる光を入射し、第1凹部および第2凹部を経て複数に分割して導波し、第1凹部または第2凹部において半導体チップに備えられた受光部へ出射する構成である。
【0013】
また、上記の課題を解決するため、本発明の光導波シートの製造方法は、第1クラッドと前記第1クラッド内に埋め込まれ、第1方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを有する第1光導波路がシート状に成形されてなる第1光導波層に対して、前記第1光導波路の端部となる位置に、キャピラリ部の先端に設けられた加工ヘッドであって、前記加工ヘッドの先端部が前記加工ヘッドの対称軸に対して45°の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面および第2面を有する前記加工ヘッドを打ち込む工程と、前記第1光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第1光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部を形成する工程と、第2クラッドと前記第2クラッド内に埋め込まれ、第2方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを有する第2光導波路がシート状に成形されてなる第2光導波層に対して、前記第2光導波路の端部となる位置であって、前記第1凹部に対応する位置に、前記加工ヘッドを打ち込む工程と、前記第2光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第2光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部を形成する工程と、前記第1の方向と前記第2方向とを異ならせ、前記第1凹部と前記第2凹部の位置を合わせて、前記第1光導波層と前記第2光導波層を貼り合わせる工程とを有する。
【0014】
上記の本発明の光導波シートの製造方法は、第1クラッドと第1クラッド内に埋め込まれ、第1方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを有する第1光導波路がシート状に成形されてなる第1光導波層に対して、第1光導波路の端部となる位置に、キャピラリ部の先端に設けられた加工ヘッドであって、加工ヘッドの先端部が加工ヘッドの対称軸に対して45°の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面および第2面を有する加工ヘッドを打ち込む。
次に、第1光導波層から加工ヘッドをリリースし、第1光導波路の端部に第1面および第2面の形状を転写して、第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部を形成する。
一方、同様にして、第2クラッドと第2クラッド内に埋め込まれ、第2方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを有する第2光導波路がシート状に成形されてなる第2光導波層に対して、第2光導波路の端部となる位置であって、第1凹部に対応する位置に、加工ヘッドを打ち込む。
次に、第2光導波層から加工ヘッドをリリースし、第2光導波路の端部に第1面および第2面の形状を転写して、第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部を形成する。
次に、第1の方向と第2方向とを異ならせ、第1凹部と第2凹部の位置を合わせて、第1光導波層と第2光導波層を貼り合わせる。
【0015】
また、上記の課題を解決するため、本発明の光電子装置の製造方法は、第1クラッドと前記第1クラッド内に埋め込まれ、第1方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを有する第1光導波路がシート状に成形されてなる第1光導波層に対して、前記第1光導波路の端部となる位置に、キャピラリ部の先端に設けられた加工ヘッドであって、前記加工ヘッドの先端部が前記加工ヘッドの対称軸に対して45°の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面および第2面を有する前記加工ヘッドを打ち込む工程と、前記第1光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第1光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部を形成する工程と、第2クラッドと前記第2クラッド内に埋め込まれ、第2方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを有する第2光導波路がシート状に成形されてなる第2光導波層に対して、前記第2光導波路の端部となる位置であって、前記第1凹部に対応する位置に、前記加工ヘッドを打ち込む工程と、前記第2光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第2光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部を形成する工程と、前記第1の方向と前記第2方向とを異ならせ、前記第1凹部と前記第2凹部の位置を合わせて、前記第1光導波層と前記第2光導波層を貼り合わせて光導波シートとする工程と、前記光導波シートの光入射位置に位置合わせして、クロック信号となる光を出射する発光素子をマウントする工程と、前記光導波シートの光出射位置に位置合わせして、前記光を受光する受光部を備えた半導体チップをマウントする工程とを有する。
【0016】
上記の本発明の光電子装置の製造方法は、本発明の光導波シートの製造方法によって光導波シートを製造し、さらに、光導波シート上あるいは所定の基板上に、光導波シートの光入射位置に位置合わせして、クロック信号となる光を出射する発光素子をマウントし、さらに、光導波シートの光出射位置に位置合わせして、上記の光を受光する受光部を備えた半導体チップをマウントする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光導波シートは、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが可能であり、少量多品種の生産に対応することができる。
【0018】
本発明の光電子装置は、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが可能であり、少量多品種の生産に対応することができる。
【0019】
本発明の光導波シートの製造方法は、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが可能であり、少量多品種の生産に対応して、製造することができる。
【0020】
本発明の光電子装置の製造方法は、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが可能であり、少量多品種の生産に対応して、製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明に係る光導波シートとその製造方法、および、クロック信号となる光を出射する発光素子と受光部を含む電子回路を有する半導体チップとを光導波シートで光学的に接続した構成である光電子装置とその製造方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0022】
第1実施形態
本実施形態は、入射されたクロック信号である光を複数に分割して導波し、出射する光導波シートである。
図1(a)は本実施形態に係る光導波シートの平面図であり、図1(b)は図1(a)中のa−a’における断面図であり、図1(c)は図1(a)中のb−b’における断面図である。
第1の方向D1に延伸してストライプ状に形成された第1コア30bを第1クラッド30aで被覆してなる第1光導波層30と、第1の方向D1と異なり、例えば図面のように直行する第2の方向D2に延伸してストライプ状に形成された第2コア31bを第2クラッド31aで被覆してなる第2光導波層31とが、接着層54を介して積層されている。
【0023】
ここで、丸印で示された分岐点BRにおいて、第1光導波層30に第1凹部が形成され、また、第2光導波層31に第2凹部が形成されている。これらの第1凹部と第2凹部の内壁面がミラー面となっており、第1光導波層を導波した光が二分割されて第2光導波層を導波する光の分岐点、または、第2光導波層を導波した光が二分割されて第1光導波層を導波する光の分岐点となっている。
【0024】
黒丸で示された光出射位置LOにおいても、第2光導波層31に第2凹部が形成されている。第2凹部の内壁面がミラー面となっており、第2光導波層31を導波した光を、光導波シートの面外方向に出射する構成となっている。
【0025】
上記の構成となっていることから、光入射位置LIから入射された光は、第1光導波層30に設けられた第1光導波路WG1を導波し、第1光導波路WG1の端部の分岐点BRにおいて、第1光導波路WG1から二分割されて第2光導波層31に設けられた第2光導波路WG2へと導波する。
さらに第2光導波路WG2の一方の端部の分岐点BRにおいて、第2光導波路WG2から二分割されて、第1導波層30に設けられた第3光導波路WG3へと導波する。
一方、第2光導波路WG2の他方の端部の分岐点BRにおいて、第2光導波路WG2から二分割されて、第1導波層30に設けられた第4光導波路WG4へと導波する。
上記の第3光導波路WG3および第4光導波路WG4から、各分岐点BRにおいて二分割されて、第2光導波層31に設けられた、第5光導波層WG5、第6光導波層WG6、第7光導波層WG7および第8光導波層WG8へとそれぞれ導波し、第5光導波層WG5、第6光導波層WG6、第7光導波層WG7および第8光導波層WG8の両端に設けられた計8個の光出射位置LOから光導波シートの面外方向に出射する。
【0026】
上記の分岐点のうちの、第1光導波層30から二分割して第2光導波層31に導波する分岐点BRについて、詳細に説明する。
図2(a)は、上記の分岐点BRの模式平面図であり、図2(b)は図2(a)中のa−a’における模式断面図であり、図2(c)は図2(a)中のb−b’における模式断面図である。
分岐点BRとなる箇所において、第1光導波層30に、第1方向D1に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第1方向D1に垂直な平面F1に対して45°(α)の角度で交差する内壁面を有するV字型の第1凹部30vが形成されている。
上記の構成の第1凹部30vの内壁面は、ミラー面MRとして、第1コア30b中を導波する光を第2コア31b側へ反射し、および/または、第2コア31b側からの光を二分割して第1コア30bの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射する。
【0027】
一方、分岐点BRとなる箇所において、第2光導波層31に、第2方向D2に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、第2方向D2に垂直な平面F2に対して45°(α)の角度で交差する内壁面を有するV字型の第2凹部31vが形成されている。
上記の構成の第2凹部31vの内壁面は、ミラー面MRとして、第2コア31b中を導波する光を第1コア30b側へ反射し、および/または、第1コア30b側からの光を二分割して第2コア31bの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射する。
【0028】
上記の第1凹部30vの深さは、少なくとも第1コア30bの下面に到達し、例えば第1光導波層30全体の下面に達する程度である。また、第1方向D1に直行する方向に対する第1凹部30vの幅は、第1コア30bの幅より広く、第1コア30b内を導波する光全体が第1凹部30vの内壁面で反射する構成となっている。
第2凹部31vについても同様であり、少なくとも第2コア31bの下面に到達し、例えば第2光導波層31全体の下面に達する程度である。また、第2方向D2に直行する方向に対する第2凹部31vの幅は、第2コア31bの幅より広く、第2コア31b内を導波する光全体が第2凹部31vの内壁面で反射する構成となっている。
【0029】
図2(a)〜(c)においては、第1凹部30vの第1方向D1に垂直な平面F1に対して45°(α)の角度で交差する1対の内壁面のうちの一方の面の中心と、第2凹部31vの中心が位置合わせされて構成されている。
この場合、図2(a)〜(c)に示すように、第1コア30b内を分岐点BR方向に導波する光Lは、第1凹部30vの第1方向D1に垂直な平面F1に対して45°の角度で交差する1対の内壁面のうちの一方の面において第2コア31b側へ反射され、さらに第2凹部31の第2方向D2に垂直な平面F2に対して45°の角度で交差する1対の内壁面において二分割されて第2コア31bの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射され、第2コア31b中をそれぞれ導波される。
【0030】
上記のように、第1凹部30vと第2凹部31vの組み合わせにより分岐点BRが構成されているが、第1凹部30vと第2凹部31vのいずれか一方のみが形成されている場合には、第1コア30bまたは第2コア31b内を導波する光を光導波シートの面外方向に出射する光出射位置LOが構成される。
図1(a)における光出射位置LOが、第2光導波層31に設けられているので、第2凹部31vから構成されている。
【0031】
上記の構成の分岐点BRや光出射位置LOとなる第1凹部30vや第2凹部31vが所定の位置に形成されていることから、所定の光入射位置LIから第1コア30bまたは第2コア31bに入射された光を、第1凹部30vおよび第2凹部31vを経て複数に分割して導波し、第1凹部30vまたは第2凹部31vにおいて光導波シートの面外方向に出射する構成となっている。
【0032】
上記の本実施形態に係る光導波シートにおいては、さらに、光入射位置から光導波シートの外部へ出射する位置までの光を導波する距離が、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離となっている。
このように、クロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
【0033】
次に、上記の構成の第1凹部と第2凹部を形成する方法について説明する。
図3(a)は、内壁面が光導波シートのミラー面となる第1凹部と第2凹部を形成するための加工ヘッドを備えた加工装置の加工ヘッド部分の模式的斜視図である。
加工ヘッド1が略円筒形のキャピラリ2の先端に形成されており、キャピラリ2の加工ヘッド1と反対側の端部がキャピラリ保持部3によって保持されている。
【0034】
図3(b)は本実施形態に係る加工ヘッドの一側面図であり、図3(c)は図3(b)と直行する側からの側面図である。
加工ヘッド1の先端部は、加工ヘッド1の対称軸AXに対して所定の角度α(45°)の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面1aおよび第2面1bを有する。
上記の加工ヘッドは、クラッドとクラッド内に埋め込まれたコアを有する光導波路がシート状に成形されてなる光導波シートに対して、光導波路の端部となる位置に打ち込まれると、光導波路の端部に第1面1aおよび第2面1bの形状が転写されてミラー面が形成されるような形状となっている。
【0035】
上記の本実施形態の加工ヘッドは、好ましくは加工ヘッドを加熱する加熱手段を備えている。
光導波シートの加工において、例えば光導波シートが熱可塑性材料から構成される場合には熱を印加することで光導波シートを軟化させ、加工しやすくすることができる。あるいは、例えば光導波シートが熱硬化性材料から構成される場合には、加工した形状を保持するように熱を印加して硬化させることができる。いずれの場合でも、加熱温度は光導波シート材料の熱分解温度以下とする。
【0036】
また、上記の加工ヘッド1は、好ましくは、アルミナ、アルミナイトライド、シリコンカーバイド、ボロンナイトライドなどのセラミック、サファイヤ、ルビー、ダイヤモンドなどの人工鉱物、ステンレス、タングステン、チタンなどの金属や金属合金、タングステン、チタン、アルミニウム、シリコン、タンタルなどの炭化物、窒化物、炭窒化物などのいわゆる超鋼合金、およびこれらの超鋼合金にコバルト、ニッケル、クロム、モリブデンなどの添加物を加えたもの、などから構成されている。
【0037】
第1面1aおよび第2面1bの対称軸AXに投影した長さLは、この加工ヘッド1により加工される光導波シートの加工すべき厚さ以上に設定され、少なくともコアの下面までの厚さ以上であり、例えば光導波シート全体の厚さとする。
また、第1面1aおよび第2面1bの幅Wは、この加工ヘッド1により加工される光導波シートにおけるコアの幅以上に設定される。
【0038】
上記の加工ヘッドを用いて、第1光導波層に第1凹部を形成する方法について説明する。
まず、加工される光導波シートとして、図4(a)に示すように、シリコンあるいはガラスなどのダミー基板50上に剥離層51を形成した後、この上層に第1光導波層30を形成する。即ち、剥離層51上にクラッド材料を塗布し、キュア処理を行った後、コア材料を塗布し、パターン露光および現像処理により所定のパターンに加工し、さらに再びクラッド材料を塗布し、平坦化してシート状に加工する。
上記のようにして、第1の屈折率の第1クラッド30aと、第1クラッド30aに被覆されて、例えばストライプ状に光導波方向に延伸するパターンを有し、第1の屈折率よりも高い第2の屈折率を有する第1コア30bを有し、シート状に成形された第1光導波層30を形成する。
剥離層51は、熱可塑性の樹脂、光導波シートを構成する樹脂材料と密着性の悪いチタン/銅積層体、特定の酸に溶解する酸化シリコン膜などを用いることができる。
【0039】
第1光導波層は、用いる光の波長に対して透明であり、例えば、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂など、またはこれらのフッ化物などの有機系材料から構成されている。
また、上記の第1コア30bとしては、例えばマルチモードの伝播を仮定すると、第1コア30bの厚み、幅はおよそ5〜50μm、第2クラッド30aの厚みとしてはコア30bの1/4〜1/2くらいが適当である。
【0040】
次に、図4(b)に示すように、上記の構成の第1光導波層に対して、光導波路の端部となる位置と加工ヘッドとを位置合わせして、所定の力を印加して上記の構成の加工ヘッド1を打ち込む。このとき、少なくとも加工ヘッド1の先端が第1コア30bの下面に到達するように、例えば第1光導波層30の下層の剥離層51に達する程度にまで、加工ヘッドを打ち込む。
このとき、場合によっては加工ヘッド1で加工された部分から加工残渣(バリ)30cが押し出されて発生する。
【0041】
次に、図4(c)に示すように、第1光導波層30から加工ヘッド1をリリースし、光導波路の端部に加工ヘッド1の第1面1aおよび第2面1bの形状を転写して、第1凹部30vを形成する。第1凹部30vの内壁面がミラー面MRとなる。
【0042】
次に、例えば研磨シート上にフェースダウンで第1光導波層の表面のラッピング処理を行って、図4(d)に示すように加工残渣30cを除去する。また、使用した加工ヘッド上にも残渣が生じることがあるので、必要に応じてダミー加工基板を用いてスクラブすることで残渣を除去する。
以上で、加工ヘッドを用いて第1光導波層に第1凹部を形成することができる。
なお、第2光導波層に第2凹部を形成する工程も、上記と同様にして行うことができる。
【0043】
上記の光導波路の端部となる位置に加工ヘッドを打ち込む工程においては、例えば、第1光導波層を不図示の下部ヒータで所定の温度に保持し、また、不図示の加熱手段により加工ヘッドを所定の温度に加熱しながら行う。
第1光導波層の加工において、例えば第1光導波層が熱可塑性材料から構成される場合には、熱を印加することで光導波シートを軟化させ、加工しやすくすることができる。あるいは、例えば第1光導波層が熱硬化性材料から構成される場合には、加工した形状を保持するように熱を印加して硬化させることができる。いずれの場合でも、加工ヘッドの加熱温度は第1光導波層の材料の熱分解温度以下とする。
【0044】
上記の加工ヘッドを用いた加工装置は、ボンディングワイヤ装置を転用して得ることができ、即ち、ボンディングワイヤ装置のヘッドを本実施形態の加工ヘッドに変更して得ることができる。
この加工装置を用いて第1光導波層にミラー面を形成する場合、加工ヘッドによる加工ポイントの座標を予め設定および入力しておくことで、光導波路上の場所や、向きに拘わらず、任意の場所に高速でミラー面を形成することができる。この時の加工速度は、ワイヤボンディングのボンディング速度に略等しく、1秒間につき5〜10ポイント程度の加工が可能である。
【0045】
次に、本実施形態に係る光導波シートの製造方法について説明する。
まず、第1光導波層を形成する。
まず、図5(a)に示すように、シリコンあるいはガラスなどからなるダミー基板50の表面に、例えば、電子ビーム蒸着法あるいはスパッタリング法などにより、チタン層と銅層の積層体を形成し、剥離層51とする。あるいは、CVD(Chemical Vapor Deposition)法あるいはスパッタリング法により、酸化シリコン層を形成し、剥離層51とすることもできる。この場合には、ダミー基板50はシリコンなどを用いる。
【0046】
次に、図5(b)に示すように、例えばスピンコートや印刷法によりポリイミド樹脂などの第1の屈折率の樹脂層を形成し、キュア処理を行って硬化させ、第1クラッド30aとする。
【0047】
次に、図5(c)に示すように、例えば感光性ポリイミドなどの第1の屈折率よりも高い第2の屈折率を有する感光性樹脂層を形成し、パターニング用マスクを用いて露光を行い、さらに現像およびキュア処理を行って、ストライプ状の第1コア30bを形成する。
例えば、マルチモードの伝播を仮定すると、第1コア30bの厚み、幅はおよそ5〜50μm、第1クラッド30aの厚みとしては第1コア30bの1/4〜1/2くらいが適当である。
【0048】
次に、図6(a)に示すように、上記と同様に、例えばスピンコートや印刷法によりポリイミド樹脂などの第1の屈折率の樹脂層を形成し、必要に応じて加熱リフローを行い、キュア処理を行って硬化させ、第1クラッド30aを形成する。
このようにして、第1コア30bの外周を第1クラッド30aが被覆してシート状に成形された第1光導波層30を形成する。
図6(b)は図6(a)の状態においてコアの延伸方向に平行な断面を示し、これは図6(a)とは直交する方向の断面であり、以降の工程はこの方向の断面に沿って行う。
【0049】
次に、図7(a)に示すように、図3(a)〜(c)に示す加工ヘッド1を用い、図4(a)〜(d)に示す工程と同様にして、第1光導波層30に対して、光導波路の端部となる位置と加工ヘッドとを位置合わせして、所定の力を印加して加工ヘッド1を打ち込む。このとき、少なくとも加工ヘッド1の先端が第1コア30bの下面に到達するように、例えば第1光導波層の下層の剥離層51に達する程度にまで、加工ヘッドを打ち込む。
第1光導波層30から加工ヘッド1をリリースすることで、光導波路の端部に加工ヘッド1の第1面1aおよび第2面1bの形状を転写して、第1凹部30vを形成する。第1凹部30vの壁面がミラー面MRとなる。
【0050】
上記の第1凹部30vを形成する工程において、加工ヘッド1で加工された部分から加工残渣(バリ)が押し出されて発生するので、必要に応じて、例えば研磨シート上にフェースダウンで光導波シート表面のラッピング処理を行い、加工残渣を除去する。
【0051】
次に、図7(b)に示すように、第1光導波層30の表面に、接着性があり、ある特定の温度で剥離が可能な熱剥離シート52を貼り合わせる。
この熱剥離シート52は、例えば、PETフィルム上に発泡カプセルを接着剤中に分散させて構成されたものであり、例えば、日東電工社製のリバーアルファなどを用いることができる。例えば、PETフィルムを70℃〜150℃に加熱することで間単に取り去ることができるものである。
【0052】
次に、図7(c)に示すように、例えば剥離層51としてチタン層と銅層の積層体を用いている場合、塩酸などの酸中に上記熱剥離シート52でサポートされている第1光導波層30を浸漬し、剥離層51と第1光導波層30の第1クラッド30aの界面において剥離する。
あるいは、剥離層51として酸化シリコン層を用いている場合には、フッ酸あるいはバッファードフッ酸などの酸中に上記熱剥離シート52でサポートされている第1光導波層30を浸漬し、剥離層51を溶解して、第1光導波層30を剥離する。
以上で、熱剥離シート52に保持された第1光導波層30が得られる。
別途、上記と同様の工程により、熱剥離シートに保持され、第2凹部が形成された第2光導波層31を形成する。
【0053】
次に、図8(a)に示すように、上記のようにして得られた第1光導波層30と、第2光導波層とを、用いる光の波長に対して透明な接着剤シート(接着層)54を介して、第1凹部30vと第2凹部31vの位置を位置合わせしながら、貼り合わせる。
【0054】
次に、図8(b)に示すように、熱剥離シート(52,53)を剥離して第1光導波層30と第2光導波層31が積層した光導波シートが得られる。
但し、上記の構成の光導波シートは、膜厚が薄いために単体では取り扱い性が悪いので、実装基板に転写するなど、実際に使用する段階まで、少なくともいずれか一方の熱剥離シートを残しておいてよい。
【0055】
上記の本実施形態に係る光導波シートの製造方法によれば、予め第1光導波層と第2光導波層を製造しておけば、第1凹部と第2凹部をそれぞれ形成し、それらを貼り合わせるだけで製造が完了し、LSI自身のデザインが変更されても、また、幾種類もの異なる仕様のLSIにもその都度対応が可能であり、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが容易に可能であり、少量多品種の生産に容易に対応して製造することができる。
特にクロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
上記のように、製造コストを抑制して、かつ開発期間やTATを短くして、スキューを抑制したLSIの開発が可能となる。
【0056】
上記の本実施形態に係る光導波シートの製造方法においては、ベースとなる光導波層をシリコンなどのダミー基板上に逐次プロセスで作製して行く例を示したが、もちろんベースのポリイミドフィルムをロールで用意し、コア材を例えばRoll to Rollプロセスにて塗布、パターンニングして一括作製する方法もあり、この様にすることでさらに大幅なコストの削減が実現できる。
【0057】
第2実施形態
図9(a)は本実施形態に係るマルチチップモジュールである光電子装置の平面図である。
例えば、4層のパターン加工された配線層と樹脂絶縁層が交互に積層された構成の実装基板BDの一方の面に、第1実施形態と同様の光導波シートWSが不図示の接着層により貼り合わされている。光導波シートと不図示の接着層に対して半導体チップを搭載するためのパッド開口POが貫通して設けられている。このパッド開口POは光導波シートの光信号が導波しない任意の場所に設けることが可能である。実装基板BDは、パッケージのインターポーザーとも称され、いわゆるFR−4基板、FR−5基板や、BT-レジン基板、ポリイミド基板など、あらゆタイプの有機配線基板や、アルミナ、ガラスセラミックなどのセラミック基板を用いることができる。
また、光導波シートWSの側部において光入射位置に位置合わせして、クロック信号である光を出射する発光素子であるレーザダイオードLDとそのドライバDRが実装基板BD上に実装されている。
さらに、受光素子であるPIN−PD(PD)を組み込んだ4個の半導体チップ(CP1〜CP4)が、光導波シートWSを介して、光導波シートWSの光出射位置と受光素子の位置が適合し、かつ、バンプBPがパッド開口POに嵌合するように、実装基板BDに実装されている。各半導体チップ(CP1〜CP4)には、受光素子のほか、簡便なアンプが内蔵されており、光クロック信号を電気クロック信号に復調する構成となっている。
【0058】
光導波シートWSは、第1実施形態と同様の構成である。
第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層とが、接着層を介して積層されている。光の分岐点BRあるいは光出射位置LOとなる位置において、第1光導波層に第1凹部が形成され、また、第2光導波層に第2凹部が形成されている。これらの第1凹部と第2凹部の内壁面がミラー面となっている。
光入射位置LIから入射した光Lは、複数の分岐点BRにおいて5回の分岐を繰り返し、2の5乗=32箇所の光出射位置LOから光導波シートWSの面外方向に出射し、各半導体チップ(CP1〜CP4)に組み込まれたPIN−PD(PD)に入射する。
【0059】
上記の光導波シートにおいては、光入射位置から光導波シートの外部へ出射する位置までの光を導波する距離が、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離となっており、クロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
【0060】
本実施形態に係る光電子装置の製造方法としては、例えば、実装基板BDの一方の面に光導波シートWSを接着層により貼り合わせ、必要に応じてパッド開口POを形成する。このパッド開口の形成方法は、実装基盤の所望の位置に受けランドを設けておき、光導波シートを貼り合わせた後に、CO2やエキシマなどのレーザを照射することで、形成可能である。この時の実装基板のランドはレーザ光のストッパーとして作用する。
次に、光導波シートWSの側部にレーザダイオードLDとドライバDRを実装し、さらに図9(b)の断面図に示すように、受光素子であるPIN−PD(PD)を組み込んだ4個の半導体チップ(CP1〜CP4)を、光導波シートWSを介して、光導波シートWSの光出射位置と受光素子の位置を合わせて、かつ、バンプBPがパッド開口POに嵌合させて、実装する。
【0061】
本実施形態に係る光電子装置と、その製造方法によれば、予め第1光導波層と第2光導波層を製造しておけば、第1凹部と第2凹部をそれぞれ形成し、それらを貼り合わせるだけで製造が完了し、LSI自身のデザインが変更されても、また、幾種類もの異なる仕様のLSIにもその都度対応が可能であり、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが容易に可能であり、少量多品種の生産に容易に対応して製造することができる。
さらに、クロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
上記のように、製造コストを抑制して、かつ開発期間やTATを短くして、スキューを抑制したLSIの開発が可能となる。
【0062】
第3実施形態
図10は本実施形態に係るマルチチップモジュールである光電子装置の平面図である。
実質的に第2実施形態と同様であるが、クロック信号である光を出射する発光素子が、ファブリペロータイプではなく、面発光レーザVCSELであり、光導波シートWSにおける1つ目の分岐点BRの上方に、発光素子から出射される光が分岐点BRに均等に入射するように実装されており、ドライバDRもまた、面発光レーザVCSELの近傍に配置されていることが異なる。
本実施形態に係る光電子装置も、第2実施形態と同様にして製造することができる。
【0063】
本実施形態に係る光電子装置と、その製造方法によれば、予め第1光導波層と第2光導波層を製造しておけば、第1凹部と第2凹部をそれぞれ形成し、それらを貼り合わせるだけで製造が完了し、LSI自身のデザインが変更されても、また、幾種類もの異なる仕様のLSIにもその都度対応が可能であり、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが容易に可能であり、少量多品種の生産に容易に対応して製造することができる。
さらに、クロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
上記のように、製造コストを抑制して、かつ開発期間やTATを短くして、スキューを抑制したLSIの開発が可能となる。
【0064】
第4実施形態
図11は本実施形態に係るシングルチップモジュールである光電子装置の断面図である。
実質的に第2実施形態と同様であるが、搭載されている半導体チップCPが1個であり、フェースダウン(フリップチップ)ではなくフェースアップでマウントされ、ワイヤボンディングWBにより実装基板BDに接続されていることが異なる。
導波するレーザ光としては種々の波長のものが使用可能であるが、例えば、シリコンのバンドギャップより小さいエネルギーをもつ波長の光、具体的には波長1μm以上の波長をもつ光であれば、シリコン基板を透過することが可能である。この場合は、シリコン基板の裏面からクロック信号となる光を入射することが可能となる。
図11に示す本実施形態においては、半導体チップCPがフェースアップで光導波シートWS上に実装され、所望位置から出射されたクロック信号となる光が半導体チップCPを構成するシリコン基板を透過して、半導体チップCPの受光部であるPIN−PD(PD)において光電変換され、さらに半導体チップ中アンプにより増幅されて、電気クロックへと変換される。
本実施形態に係る光電子装置も、ワイヤボンディング工程などを行うことで、第2実施形態と同様にして製造することができる。
【0065】
本実施形態に係る光電子装置と、その製造方法によれば、予め第1光導波層と第2光導波層を製造しておけば、第1凹部と第2凹部をそれぞれ形成し、それらを貼り合わせるだけで製造が完了し、LSI自身のデザインが変更されても、また、幾種類もの異なる仕様のLSIにもその都度対応が可能であり、設計変更に対応できるような設計の自由度を保つことが容易に可能であり、少量多品種の生産に容易に対応して製造することができる。
さらに、クロック供給を行う光配線について完全等長配線とすることで、クロック信号を複数の受光部に分配するときのスキューをほぼ抑制することができる。
上記のように、製造コストを抑制して、かつ開発期間やTATを短くして、スキューを抑制したLSIの開発が可能となる。
【0066】
本発明は上記の説明に限定されない。
例えば、光導波シートに設ける分岐の数は特に限定されない。
光電子装置に搭載される発光素子としては、面発光レーザなどのレーザダイオードの他、発光ダイオードなどを用いることができる。
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明の光導波シートは、クロック信号となる光を分配し、発光素子と受光部を光学的に接続する光導波シートに適用できる。
【0068】
本発明の光電子装置は、クロック信号となる光を出射する発光素子と受光部を含む電子回路を有する半導体チップとを光導波シートで光学的に接続した構成である光電子装置に適用できる。
【0069】
本発明の光導波シートの製造方法は、クロック信号となる光を分配し、発光素子と受光部を光学的に接続する光導波シートの製造方法に適用できる。
【0070】
本発明の光電子装置の製造方法は、クロック信号となる光を出射する発光素子と受光部を含む電子回路を有する半導体チップとを光導波シートで光学的に接続した構成である光電子装置を製造するのに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施形態に係る光導波シートの平面図であり、図1(b)は図1(a)中のa−a’における断面図であり、図1(c)は図1(a)中のb−b’における断面図である。
【図2】図2(a)は図1(a)中の分岐点の模式平面図であり、図2(b)は図2(a)中のa−a’における模式断面図であり、図2(c)は図2(a)中のb−b’における模式断面図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第1実施形態で用いる加工ヘッドを備えた加工装置の加工ヘッド部分の模式的斜視図であり、図3(b)はこの加工ヘッドの一側面図であり、図3(c)は図3(b)と直行する側からの側面図である。
【図4】図4(a)〜(d)は本発明の第1実施形態に係る光導波シートにおいて第1凹部を形成する工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)〜(c)は本発明の第1実施形態に係る光電子装置の製造方法の製造方法の工程を示す断面図である。
【図6】図6(a)および図6(b)は本発明の第1実施形態に係る光電子装置の製造方法の工程を示す断面図である。
【図7】図7(a)〜(c)は本発明の第1実施形態に係る光電子装置の製造方法の工程を示す断面図である。
【図8】図8(a)および図8(b)は本発明の第1実施形態に係る光電子装置の製造方法の工程を示す断面図である。
【図9】図9(a)は本発明の第2実施形態に係る光電子装置の平面図であり、図9(b)は製造方法の工程を示す断面図である。
【図10】図10は本発明の第3実施形態に係る光電子装置の平面図である。
【図11】図11は本発明の第4実施形態に係る光電子装置の断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1…加工ヘッド、1a…第1面、1b…第2面、2…キャピラリ部、3…キャピラリ保持部、30…第1光導波層、30a…第1クラッド、30b…第1コア、30c…加工残渣、30v…第1凹部、31…第2光導波層、31a…第2クラッド、31b…第2コア、31v…第2凹部、50…ダミー基板、51…剥離層、52,53…熱剥離シート、54…接着層、AX…対称軸、LI…光入射位置、BR…分岐点、LO…光出射位置、WG1〜WG8…光導波路、MR…ミラー面、L…光、LD…レーザダイオード、DR…ドライバ、CP1〜CP4…半導体チップ、WS…光導波シート、PO…パッド開口、BD…実装基板、VCSEL…面発光レーザ、WB…ワイヤボンディング
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射されたクロック信号である光を複数に分割して導波し、出射する光導波シートであって、
第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、
前記第1光導波層に積層して形成され、前記第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層と、
を有し、
前記第1光導波層の所定の箇所に、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部が形成され、
前記第2光導波層の所定の箇所に、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部が形成され、
前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
所定の光入射位置から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記光導波シートの面外方向に出射する
光導波シート。
【請求項2】
前記光導波シートにおいて、前記光入射位置から前記光導波シートの外部へ出射する位置までの前記光を導波する距離は、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離である
請求項1に記載の光導波シート。
【請求項3】
クロック信号となる光を出射する発光素子と、
前記光を受光する受光部を備えた半導体チップと、
前記光が入射されて複数に分割して導波し、前記受光部へ出射する光導波シートと
を有し、
前記光導波シートは、
第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、
前記第1光導波層に積層して形成され、前記第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層と、
を有し、
前記第1光導波層の所定の箇所に、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部が形成され、
前記第2光導波層の所定の箇所に、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部が形成され、
前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
所定の光入射位置において前記発光素子から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記受光部へ出射する
光電子装置。
【請求項4】
前記光導波シートにおいて、前記光入射位置から前記受光部へ出射する位置までの前記光を導波する距離は、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離である
請求項3に記載の光電子装置。
【請求項5】
第1クラッドと前記第1クラッド内に埋め込まれ、第1方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを有する第1光導波路がシート状に成形されてなる第1光導波層に対して、前記第1光導波路の端部となる位置に、キャピラリ部の先端に設けられた加工ヘッドであって、前記加工ヘッドの先端部が前記加工ヘッドの対称軸に対して45°の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面および第2面を有する前記加工ヘッドを打ち込む工程と、
前記第1光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第1光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部を形成する工程と、
第2クラッドと前記第2クラッド内に埋め込まれ、第2方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを有する第2光導波路がシート状に成形されてなる第2光導波層に対して、前記第2光導波路の端部となる位置であって、前記第1凹部に対応する位置に、前記加工ヘッドを打ち込む工程と、
前記第2光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第2光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部を形成する工程と、
前記第1の方向と前記第2方向とを異ならせ、前記第1凹部と前記第2凹部の位置を合わせて、前記第1光導波層と前記第2光導波層を貼り合わせる工程と
を有する光導波シートの製造方法。
【請求項6】
前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
所定の光入射位置から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記光導波シートの面外方向に出射する構成の光導波シートとする
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項7】
前記光導波シートを形成する工程において、前記光入射位置から前記受光部へ出射させる位置までの前記光を導波する距離が、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離となるような位置に、前記第1凹部および前記第2凹部を形成する
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項8】
前記第1光導波層に前記加工ヘッドを打ち込む工程および前記第2光導波層に前記加工ヘッドを打ち込む工程において、前記加工ヘッドを加熱しながら行う
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項9】
前記第1光導波層および前記第2光導波層を熱可塑性材料から構成する
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項10】
前記第1光導波層および前記第2光導波層を熱硬化性材料から構成する
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項11】
前記加工ヘッドとして、セラミック、人工鉱物、金属、金属合金、超鋼金属あるいはこの合金から構成されている加工ヘッドを用いる
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項12】
第1クラッドと前記第1クラッド内に埋め込まれ、第1方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを有する第1光導波路がシート状に成形されてなる第1光導波層に対して、前記第1光導波路の端部となる位置に、キャピラリ部の先端に設けられた加工ヘッドであって、前記加工ヘッドの先端部が前記加工ヘッドの対称軸に対して45°の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面および第2面を有する前記加工ヘッドを打ち込む工程と、
前記第1光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第1光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部を形成する工程と、
第2クラッドと前記第2クラッド内に埋め込まれ、第2方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを有する第2光導波路がシート状に成形されてなる第2光導波層に対して、前記第2光導波路の端部となる位置であって、前記第1凹部に対応する位置に、前記加工ヘッドを打ち込む工程と、
前記第2光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第2光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部を形成する工程と、
前記第1の方向と前記第2方向とを異ならせ、前記第1凹部と前記第2凹部の位置を合わせて、前記第1光導波層と前記第2光導波層を貼り合わせて光導波シートとする工程と、
前記光導波シートの光入射位置に位置合わせして、クロック信号となる光を出射する発光素子をマウントする工程と、
前記光導波シートの光出射位置に位置合わせして、前記光を受光する受光部を備えた半導体チップをマウントする工程と
を有する光電子装置の製造方法。
【請求項13】
前記光導波シートを形成する工程において、
前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
所定の光入射位置から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記受光部へ出射する構成の光導波シートを形成する
請求項12に記載の光電子装置の製造方法。
【請求項14】
前記光導波シートを形成する工程において、前記光入射位置から前記受光部へ出射させる位置までの前記光を導波する距離が、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離となるような位置に、前記第1凹部および前記第2凹部を形成する
請求項12に記載の光電子装置の製造方法。
【請求項1】
入射されたクロック信号である光を複数に分割して導波し、出射する光導波シートであって、
第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、
前記第1光導波層に積層して形成され、前記第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層と、
を有し、
前記第1光導波層の所定の箇所に、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部が形成され、
前記第2光導波層の所定の箇所に、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部が形成され、
前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
所定の光入射位置から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記光導波シートの面外方向に出射する
光導波シート。
【請求項2】
前記光導波シートにおいて、前記光入射位置から前記光導波シートの外部へ出射する位置までの前記光を導波する距離は、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離である
請求項1に記載の光導波シート。
【請求項3】
クロック信号となる光を出射する発光素子と、
前記光を受光する受光部を備えた半導体チップと、
前記光が入射されて複数に分割して導波し、前記受光部へ出射する光導波シートと
を有し、
前記光導波シートは、
第1の方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを第1クラッドで被覆してなる第1光導波層と、
前記第1光導波層に積層して形成され、前記第1の方向と異なる第2の方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを第2クラッドで被覆してなる第2光導波層と、
を有し、
前記第1光導波層の所定の箇所に、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部が形成され、
前記第2光導波層の所定の箇所に、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部が形成され、
前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
所定の光入射位置において前記発光素子から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記受光部へ出射する
光電子装置。
【請求項4】
前記光導波シートにおいて、前記光入射位置から前記受光部へ出射する位置までの前記光を導波する距離は、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離である
請求項3に記載の光電子装置。
【請求項5】
第1クラッドと前記第1クラッド内に埋め込まれ、第1方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを有する第1光導波路がシート状に成形されてなる第1光導波層に対して、前記第1光導波路の端部となる位置に、キャピラリ部の先端に設けられた加工ヘッドであって、前記加工ヘッドの先端部が前記加工ヘッドの対称軸に対して45°の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面および第2面を有する前記加工ヘッドを打ち込む工程と、
前記第1光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第1光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部を形成する工程と、
第2クラッドと前記第2クラッド内に埋め込まれ、第2方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを有する第2光導波路がシート状に成形されてなる第2光導波層に対して、前記第2光導波路の端部となる位置であって、前記第1凹部に対応する位置に、前記加工ヘッドを打ち込む工程と、
前記第2光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第2光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部を形成する工程と、
前記第1の方向と前記第2方向とを異ならせ、前記第1凹部と前記第2凹部の位置を合わせて、前記第1光導波層と前記第2光導波層を貼り合わせる工程と
を有する光導波シートの製造方法。
【請求項6】
前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
所定の光入射位置から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記光導波シートの面外方向に出射する構成の光導波シートとする
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項7】
前記光導波シートを形成する工程において、前記光入射位置から前記受光部へ出射させる位置までの前記光を導波する距離が、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離となるような位置に、前記第1凹部および前記第2凹部を形成する
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項8】
前記第1光導波層に前記加工ヘッドを打ち込む工程および前記第2光導波層に前記加工ヘッドを打ち込む工程において、前記加工ヘッドを加熱しながら行う
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項9】
前記第1光導波層および前記第2光導波層を熱可塑性材料から構成する
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項10】
前記第1光導波層および前記第2光導波層を熱硬化性材料から構成する
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項11】
前記加工ヘッドとして、セラミック、人工鉱物、金属、金属合金、超鋼金属あるいはこの合金から構成されている加工ヘッドを用いる
請求項5に記載の光導波シートの製造方法。
【請求項12】
第1クラッドと前記第1クラッド内に埋め込まれ、第1方向に延伸してストライプ状に形成された第1コアを有する第1光導波路がシート状に成形されてなる第1光導波層に対して、前記第1光導波路の端部となる位置に、キャピラリ部の先端に設けられた加工ヘッドであって、前記加工ヘッドの先端部が前記加工ヘッドの対称軸に対して45°の角度で交差し、かつ互いに直行する第1面および第2面を有する前記加工ヘッドを打ち込む工程と、
前記第1光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第1光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第1方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第1方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第1凹部を形成する工程と、
第2クラッドと前記第2クラッド内に埋め込まれ、第2方向に延伸してストライプ状に形成された第2コアを有する第2光導波路がシート状に成形されてなる第2光導波層に対して、前記第2光導波路の端部となる位置であって、前記第1凹部に対応する位置に、前記加工ヘッドを打ち込む工程と、
前記第2光導波層から前記加工ヘッドをリリースし、前記第2光導波路の端部に前記第1面および前記第2面の形状を転写して、前記第2方向に平行な断面が開口底部側程狭まる順テーパー形状であって、前記第2方向に垂直な平面に対して45°の角度で交差する内壁面を有する第2凹部を形成する工程と、
前記第1の方向と前記第2方向とを異ならせ、前記第1凹部と前記第2凹部の位置を合わせて、前記第1光導波層と前記第2光導波層を貼り合わせて光導波シートとする工程と、
前記光導波シートの光入射位置に位置合わせして、クロック信号となる光を出射する発光素子をマウントする工程と、
前記光導波シートの光出射位置に位置合わせして、前記光を受光する受光部を備えた半導体チップをマウントする工程と
を有する光電子装置の製造方法。
【請求項13】
前記光導波シートを形成する工程において、
前記第1凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第1コア中を導波する光を前記第2コア側へ反射し、および/または、前記第2コア側からの光を二分割して前記第1コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
前記第2凹部の内壁面が、ミラー面として、前記第2コア中を導波する光を前記第1コア側へ反射し、および/または、前記第1コア側からの光を二分割して前記第2コアの一方の延伸方向と他方の延伸方向に反射し、
所定の光入射位置から前記第1コアまたは前記第2コアに入射された光を、前記第1凹部および前記第2凹部を経て複数に分割して導波し、前記第1凹部または前記第2凹部において前記受光部へ出射する構成の光導波シートを形成する
請求項12に記載の光電子装置の製造方法。
【請求項14】
前記光導波シートを形成する工程において、前記光入射位置から前記受光部へ出射させる位置までの前記光を導波する距離が、複数回分割して導波するいずれの経路においても等しい距離となるような位置に、前記第1凹部および前記第2凹部を形成する
請求項12に記載の光電子装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−171642(P2006−171642A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−367760(P2004−367760)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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