説明

光電気伝送モジュール

【課題】外部からの力や温度変化による伸縮の影響で光ファイバが破損してしまうことを防止する技術を提供する。
【解決手段】基板14の実装面にはFPCコネクタ18が配置され、このFPCコネクタ18にはフレキシブルプリント基板16が接続されている。フレキシブルプリント基板16には、FPCコネクタ18の接続端と反対側の端部に光ファイバ8が接続されており、この接続端寄りの位置に光電変換素子34及びICチップ36が実装されている。フレキシブルプリント基板16には、FPCコネクタ18の接続端から光ファイバ8の接続端までの区間内に折り返しが形成されており、この折り返しによってFPCコネクタ18との接続端と光ファイバ8との接続端が相対的に変位することを許容している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電気伝送モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバ及び電線(メタル線)を1本の被覆ケーブル内に収容した複合線を用いてデータ伝送を行う光電気複合インタフェースが普及してきている。このような光電気複合インタフェースは、例えばコンピュータ本体とディスプレイとの間や、デジタルAV(Audio・Visual)機器とテレビジョンセットとの間で高解像度の映像信号を伝送したり、音声信号を伝送したりする用途に適している。
光電気複合インタフェースに対応した複合線のコネクタ内には光電気伝送モジュールが搭載されており、このモジュールは光素子やIC(集積回路)等の電子部品を有している。コネクタ内において、光ファイバの先端は、光素子と光学的に結合した状態で、光電気伝送モジュールの所定の箇所に接続、固定されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−237640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ファイバを収容したケーブルの曲げや、温度変化に伴う光ファイバとケーブルの被覆との伸縮の違いにより、ケーブルの内部から外部への光ファイバの突き出しや、外部からケーブル内部への光ファイバの引き込まれが発生する。特に、電線と光ファイバを収容した複合ケーブルの場合、光ファイバの線膨張係数と電線の線膨張係数とケーブルの被覆の線膨張係数とを合わせて設計するのが難しく、光ファイバの線膨張係数と周囲の部材の線膨張係数が異なってしまうため、温度変化による光ファイバの突き出しや引き込まれが発生しやすい。
上記の先行技術に示されるコネクタ内で光ファイバの先端が所定の箇所に接続、固定されている構造において、光ファイバの突き出しや引き込まれが発生すると、光ファイバにテンションが加わって破損してしまうという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、光ファイバが突き出されたり引き込まれたりすることで光ファイバが破損してしまうことを防止することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために本発明の一態様は、光ファイバ及び電気ケーブルを収容した複合ケーブルの末端に接続された状態で、光信号及び電気信号を伝送する光電気伝送モジュールにおいて、複合ケーブルから引き出された電気ケーブルに接続される基板と、基板に設置されたコネクタに一端が接続され、他端に複合ケーブルから引き出された光ファイバが接続されるフレキシブルプリント基板と、フレキシブルプリント基板の外面に沿って形成され、光ファイバに結合されて光信号を伝送する光導波路部材とを備え、フレキシブルプリント基板は、コネクタの接続端から光ファイバの接続端に至るまでの区間内に形成され、コネクタの接続端と光ファイバの接続端とが基板に沿う方向へ相対的に変位することを許容する変位許容領域を有するものである。
【0007】
また、本発明の他の一態様は、光ファイバ及び電気ケーブルを収容した複合ケーブルの末端に接続された状態で、光信号及び電気信号を伝送する光電気伝送モジュールにおいて、複合ケーブルから引き出された電気ケーブルに接続される基板と、基板に設置されたコネクタに一端が接続され、他端に複合ケーブルから引き出された光ファイバが接続されるフレキシブルプリント基板と、フレキシブルプリント基板の外面に沿って形成され、光ファイバに結合されて光信号を伝送する光導波路部材とを備え、フレキシブルプリント基板は、コネクタの接続端から光ファイバの接続端に至る区間内に形成され、少なくとも一部が複合ケーブルから引き出された光ファイバの長手方向に対して交差する方向に延びた変位許容領域を有しており、変位許容領域の変形に伴ってコネクタの接続端と光ファイバの接続端とが基板に沿う方向へ相対的に変位することを許容するものである。
【0008】
また、本発明の他の一態様は、光ファイバ及び電気ケーブルを収容した複合ケーブルの末端に接続された状態で、光信号及び電気信号を伝送する光電気伝送モジュールにおいて、複合ケーブルから引き出された電気ケーブルに接続される基板と、基板に設置されたコネクタに一端が接続され、他端に複合ケーブルから引き出された光ファイバが接続されるフレキシブルプリント基板と、フレキシブルプリント基板の外面に沿って形成され、光ファイバに結合されて光信号を伝送する光導波路部材と、フレキシブルプリント基板の光導波路部材が形成された外面と反対側の外面に設置され、光ファイバから光導波路部材を介して伝送された光信号とコネクタから伝送された電気信号とを相互に変換する光電変換素子と、フレキシブルプリント基板の光導波路部材が形成された外面と反対側の外面に設置された状態で光電変換素子と電気的に接続されたICチップと、フレキシブルプリント基板の外面に設けられ、光電変換素子及びICチップから放出された熱を吸収し、かつ、これらの間に生じるフレキシブルプリント基板の撓みを防止する補強板と、少なくとも2つの接触面を有し、かつ、一方の接触面が補強板に接触し、他方の接触面が外部部材に接触した状態で、補強板により吸収された熱を接触先の外部部材へ放熱する放熱部材とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光電気伝送モジュールによれば、フレキシブルプリント基板に接続された状態で、光ファイバに掛かるテンション(張力)を軽減し、光ファイバが突き出されたり、引き込まれたりすることで、光ファイバが破損してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】光電気伝送モジュールの実装例を概略的に示す分解斜視図である。
【図2】図1中の光電気伝送モジュールを拡大して示す斜視図である。
【図3】フレキシブルプリント基板の長手方向に沿う縦断面図である。
【図4】図2中のIV−IV線に沿う光電気伝送モジュールの断面図である。
【図5】図4中に示す光電気伝送モジュールが光ファイバの収縮方向に引っ張られた状態を示す断面図である。
【図6】第1実施形態における光電気伝送モジュールの変形例1を示す断面図である。
【図7】第1実施形態における光電気伝送モジュールの変形例2を示す断面図である。
【図8】第1実施形態における光電気伝送モジュールの変形例3を示す断面図である。
【図9】第1実施形態における光電気伝送モジュールの変形例4を示す断面図である。
【図10】第2実施形態の光電気伝送モジュールを概略的に示す平面図である。
【図11】図10中に示すフレキシブルプリント基板が張力方向へ引っ張られた状態を概略的に示す平面図である。
【図12】図10中に示す光電気伝送モジュールの変形例1を示す平面図である。
【図13】図10又は図12に示す光電気伝送モジュールのさらに別形態となる構造を示した縦断面図である。
【図14】第2実施形態における光電気伝送モジュールの変形例2を示す平面図である。
【図15】第3実施形態における光電気伝送モジュールを示す断面図である。
【図16】第3実施形態における光電気伝送モジュールの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明の光電気伝送モジュールは、例えば、HDMI(High−Definition Multimedia Interface(登録商標))コネクタのように、デジタルAV機器とディスプレイの間において、大容量データを送受信する一方、制御用の信号も合わせて送受信するために光信号と電気信号とを複合的に伝送するコネクタ内に搭載される。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1は、光電気伝送モジュール1の構成例を概略的に示す分解斜視図である。ここでは、光電気伝送モジュール1をコネクタ2のハウジング4内に実装した例を示している。また図2は、図1中の光電気伝送モジュール1を拡大して示す斜視図である。
【0013】
図1中に示すコネクタ2は、例えば、DVI(Digital Visual Interface)規格やHDMI(登録商標)規格などに準拠しており、これらの規格に対応したインタフェースを備えるデジタルAV機器とディスプレイの間の接続に使用される。なお、コネクタ2は光電気複合ケーブル6の両端にそれぞれ設けられており、図1にはその一方が示されている。
【0014】
コネクタ2はハウジング4を備えており、このハウジング4内にシール部材12を介して光電気複合ケーブル(複合ケーブル)6の一端部が引き込まれている。光電気複合ケーブル6内には、光ファイバ8及び電線(メタル線)10が収容されており、これら光ファイバ8及び電線10は、いずれもハウジング4内では被覆から引き出された状態で互いに分離されている。なおシール部材12は、光電気複合ケーブル6の根元の部分を固定し、これがハウジング4の外側へ引っ張られたり、折り曲げられたりした際の衝撃を緩和する。
【0015】
ハウジング4は全体として中空の箱形状をなしており、この例では互いに分離可能な2つのケース4a,4bからハウジング4が構成されている。このうち一方のケース4bには四隅に爪4cが設けられており、これら爪4cを他方のケース4aに設けられた凹部(図示していない)に引っ掛けることで、2つのケース4a,4bが1つに組み合わされる。
【0016】
ハウジング4内には光電気伝送モジュール1が設置されており、上記の光電気複合ケーブル6は光電気伝送モジュール1に接続されている。光電気伝送モジュール1は基板14を備えており、この基板14は、例えば一方のケース4bに取り付けられている。
【0017】
基板14は、例えばガラスエポキシ樹脂製の硬質な基板であり、その外面には、例えば銅箔等からなる導体パターン(図1では示されてない)が形成されている。また、基板14の長手方向でみた一端縁部には、導体パターンとして複数の電極14aが幅方向に列をなして形成されており、これら電極14aには図示しないコネクタ端子が接続されるものとなっている。コネクタ端子は、例えば一部がハウジング4から突出した状態で、その突出部分が外部機器のレセプタクルに差し込まれる。
【0018】
また基板14には、ケース4aと対向する方の外面(図1では上面)にフレキシブルプリント基板16が設置されている。フレキシブルプリント基板16は、その長手方向でみた一端部に光ファイバ8が接続されており、また他端部にFPCコネクタ18が接続されている。FPCコネクタ18は基板14に実装されており、その電極とフレキシブルプリント基板16の電極パターン(いずれも図示していない)とが相互に圧着されている。
【0019】
フレキシブルプリント基板16は、例えば、ポリイミド製の可撓性及び透光性を有するフィルムで構成されており、その上下の外面には銅箔等の導体パターン(図示しない)が形成されている。また、フレキシブルプリント基板16の基板14と対向する外面(図1,2では下面)には、光電変換素子及びIC(集積回路)チップが配置されている(いずれも図1では図示していない。)。光電変換素子及びICチップは、例えば、フレキシブルプリント基板16の外面にてフリップチップ実装されている。
【0020】
また、フレキシブルプリント基板16のケース4aに対向する一方の外面(図1,2では上面)に補強板20が設置されている。補強板20は、フレキシブルプリント基板16を挟んで光電変換素子やICチップと対向する位置に設けられている。この位置で補強板20は、光電変換素子やICチップから放出された熱を吸収するとともに、これら部品が実装された領域の周辺を補強している。
【0021】
基板14に沿う方向でみてフレキシブルプリント基板16は、FPCコネクタ18の接続端から光ファイバ8の接続端に至るまでの区間に対して、その全長が大きく延長されている。具体的には、基板14に沿う方向でみたFPCコネクタ18の接続端から光ファイバ8の接続端に至る区間の長さに対し、フレキシブルプリント基板16の長手方向でみた両端の長さ(全長)は、例えば1.0倍を超えて3.0倍程度までに設定されている。この余った分の長さ(余長)を利用してフレキシブルプリント基板16は、補強板20の設置箇所からFPCコネクタ18の接続端寄りの部分がZ字形に折り返された状態で配置されている。なお、フレキシブルプリント基板16の折り返し形状については、さらに別の図面を用いて後述する。
【0022】
図3は、フレキシブルプリント基板16の長手方向に沿う縦断面図である。なお、図3の断面では特にフレキシブルプリント基板16について、光ファイバ8との接続端に近い部分の構成のみを表している。
【0023】
フレキシブルプリント基板16の実装面(図3では上面)には、補強板20及び光導波路部材としてのポリマー導波路22が設けられている。補強板20は、ポリマー導波路22の一部を覆う状態でフレキシブルプリント基板16に実装されており、これに合わせて補強板20の一部が加工されている。
【0024】
ポリマー導波路22は、アンダークラッド層24、コア26、及びオーバクラッド層28から構成されている。ポリマー導波路22の素材としては、例えば、エポキシ系樹脂やポリイミド系樹脂等を用いることができる。
アンダークラッド層24は、フレキシブルプリント基板16の実装面上に配置されており、このアンダークラッド層24にはコア26が積層されている。また、コア26にはオーバクラッド層28が積層されている。
【0025】
ポリマー導波路22の一端には光ファイバ8が接続されている。コア26は光ファイバ8の光軸に沿って配置されており、光ファイバ8から出力された光はコア26に導かれる。また、図1,2中には図示されていないが、光ファイバ8の先端部分を含むフレキシブルプリント基板16を厚み方向でみた上面及び下面には、一対の板部材21が相互に対向した位置に配置され、板部材21は、上面及び下面にて接着剤で固着されている。また、上面に配置された板部材21は、光ファイバ8の先端部分及びこれに連なるポリマー導波路22を覆っており、光ファイバ8の先端部分は、一対の板部材21によって挟持されている。
【0026】
また、ポリマー導波路22の他端は光軸に対して45度の傾斜面に加工されており、この他端面に接した状態でミラー面30が設置されている。なおミラー面30もまた、光軸に対して45度傾斜している。
【0027】
フレキシブルプリント基板16の実装面と反対側の面(図3では下面)には、導体パターン32を用いて光電変換素子34及びICチップ36が実装されている。光電変換素子34は、LD(レーザダイオード)等の発光素子又はPD(フォトダイオード)等の受光素子であり、ICチップ36は、発光素子のための駆動回路、又は、受光素子のための増幅回路を構成している。
【0028】
ミラー面30及び光電変換素子34は、フレキシブルプリント基板16を挟んで互いに対向する位置に配置されている。このためコア26を通過してミラー面30で反射された光は、フレキシブルプリント基板16を透過して光電変換素子34に入射する。また、光電変換素子34により出力された光は、フレキシブルプリント基板16を透過してミラー面30で反射された後、コア26を通過して光ファイバ8の端面へ入射する。
【0029】
図4は、図2中のIV−IV線に沿う光電気伝送モジュール1の断面図である。また、図5は、図4中に示す光電気伝送モジュール1が光ファイバ8の収縮方向に引っ張られた状態を示す断面図である。なお、図4,5において、板部材21の図示を省略している。
【0030】
基板14の下面には導体パターン(図示しない)が形成されており、導体パターンに対して電線10が半田付けされている。また、導体パターンには電極14aが接続されており、電線10は、導体パターンを介して電極14aと電気的に接続されている。
【0031】
上記のようにフレキシブルプリント基板16は、基板14に沿う方向でみて光ファイバ8との接続端からFPCコネクタ18に至るまでの区間長に対して全長に余裕がある。すなわちこの例では、フレキシブルプリント基板16全体のうち、補強板20や光電変換素子34、ICチップ36等の配置位置からFPCコネクタ18との接続端に至るまでの区間内に大きく余長が付加されている。この区間は、光電変換素子34により変換された電気信号や、FPCコネクタ18から出力された電気信号を伝送する区間に相当する(以下、電気信号を伝送する区間を「電気信号伝送区間」と称する。)。電気信号伝送区間は、光ファイバ8が収縮変化する前の初期状態においてZ字形状に折り返されている。
【0032】
上記の状態から光ファイバ8に張力が加わった場合、フレキシブルプリント基板16は、光ファイバ8の接続端から張力の方向へ引っ張られるが、電気信号伝送区間において全長に余裕があるため、光ファイバ8の接続端はその収縮方向へ変位し、光ファイバ8の収縮分を補償することができる。このようにフレキシブルプリント基板16は、電気信号伝送区間内に折り返し領域(変位許容領域としての構成)を設けることで、この折り返し領域の変形に伴ってFPCコネクタ18との接続端と光ファイバ8との接続端とが相対的に変位することを許容している。
【0033】
なお図5には、光ファイバ8の収縮によってフレキシブルプリント基板16が大きく引き延ばされた状態を極端に誇張して示している。ここまで極端な光ファイバ8の収縮が生じたとしても、フレキシブルプリント基板16はその折り返し領域が展開されるだけであり、FPCコネクタ18を固定端として引っ張り応力が生じることはない。これにより、光ファイバ8に加わる張力を軽減し、その破損を確実に防止することができる。一方、光ファイバ8が光電気複合ケーブル6内からさらに突き出された状態に変位した場合、光ファイバ8の接続端はFPCコネクタ18側に移動することで光ファイバ8に加わる張力を軽減するため、この場合も、光ファイバの破損を確実に防止することができる。
【0034】
〔変形例1〕
次に、第1実施形態の変形例1について説明する。第1実施形態では、フレキシブルプリント基板16において、電気信号伝送区間に余裕長さを付加しているが、変形例1では、光ファイバ8の接続端から補強板20、光電変換素子34、及びICチップ36の配置位置まで光信号を伝送する区間に余裕長さを付加している点が異なる(以下、光信号を伝送する区間を「光信号伝送区間」と称する。)。また、変形例1及び以下に記載する変形例2〜4において、板部材21の図示を省略している。
【0035】
図6は、第1実施形態における光電気伝送モジュール1の変形例1を示す断面図である。
フレキシブルプリント基板16aは、上記のように光信号伝送区間に余裕長さを付加されており、図6では、光ファイバ8が収縮変化する前の初期状態において、光信号伝送区間がZ字形状に折り返されている。また、ポリマー導波路22も光信号伝送区間と同様に余裕長さを付加されており、その全体が光信号伝送区間と同様にZ字形状に折り返されている。
【0036】
このようにフレキシブルプリント基板16aは、光信号伝送区間内に折り返し領域(変位許容領域としての構成)を設けることで、この折り返し領域の変形に伴ってコネクタ18との接続端と光ファイバ8との接続端とが相対的に変位することを許容している。すなわち変形例1において、フレキシブルプリント基板16aに光ファイバ8から張力が加わった場合、上記の折り返された部分が光ファイバ8の収縮方向に引き延ばされる。これにより、光ファイバ8に加わる張力を軽減してその破損を確実に防止することができる。一方、光ファイバ8が光電気複合ケーブル6内からさらに突き出された状態に変位した場合、光ファイバ8の接続端はFPCコネクタ18側に移動することで光ファイバ8に加わる張力を軽減するため、この場合も、光ファイバの破損を確実に防止することができる。
【0037】
また、光電変換素子34及びICチップ36は、FPCコネクタ18側の近傍に配置されていることから、光ファイバ8が変位しても、光電変換素子34及びICチップ36の変位は少なくなるため、より信頼性が高くなる。
【0038】
〔変形例2〕
次に、第1実施形態における光電気伝送モジュール1の変形例2について説明する。図7は、第1実施形態における光電気伝送モジュール1の変形例2を示す断面図である。変形例2においてフレキシブルプリント基板16bは、変形例1と同様に、光信号伝送区間がポリマー導波路22とともに余裕長さを付加されているが、FPCコネクタ18の配置位置が第1実施形態及びその変形例1とは異なる。
【0039】
変形例2においてFPCコネクタ18は、基板14の長手方向でみて光電気複合ケーブル6寄りの一端部、つまり、コネクタ4内で光電気複合ケーブル6の引込口寄りの端部に配置されている。またフレキシブルプリント基板16bは、FPCコネクタ18の接続端から基板14の他端、つまり、電極14a(図1,2参照)が形成されている端部に向かって延びた後、そこから反転して一端の方向へ折り返されている。
【0040】
補強板20や光電変換素子34、ICチップ36等は、フレキシブルプリント基板16bのFPCコネクタ18に近い端部に配置されている。この場合、フレキシブルプリント基板16bは光信号伝送区間に余裕長さが付加されており、この余裕長を利用して2つに折り返された状態にある。
【0041】
この変形例2において、光ファイバ8による張力がフレキシブルプリント基板16bに加わった場合、フレキシブルプリント基板16bにおける光ファイバ8の接続端が張力方向へ引っ張られる。このとき、光ファイバ8の接続端に連なる光信号伝送区間も張力方向へ移動し、光ファイバ8の収縮を許容する。一方、光ファイバ8が光電気複合ケーブル6内からさらに突き出された状態に変位した場合、変形例2においても光ファイバ8の接続端は電極14aが形成されている端部側に移動し、光ファイバ8の突き出しを吸収する。このようにフレキシブルプリント基板16bは、光信号伝送区間内に折り返し領域(変位許容領域としての構成)を設けることで、この折り返し領域の変形に伴ってコネクタ18との接続端と光ファイバ8との接続端とが相対的に変位することを許容している。これにより、変形例2のような形態であっても、外部からの力や温度変化による収縮の影響で光ファイバが破損してしまうのを確実に防止することができる。
【0042】
また、フレキシブルプリント基板16bの折り返す長さが長くとれるため、フレキシブルプリント基板16bの曲げ半径を大きくすることができ、信頼性を高めることができる。
【0043】
なお、光電変換素子34及びICチップ36の下面に別の補強板を接着し、さらにこの補強板を基板14の実装面に固定してもよい。
【0044】
〔変形例3〕
次に、第1実施形態における光電気伝送モジュール1の変形例3について説明する。図8は、第1実施形態における光電気伝送モジュール1の変形例3を示す断面図である。変形例3における光電気伝送モジュール1では、フレキシブルプリント基板16cにおいて、電気信号伝送区間に余裕長さを付加されている点が変形例2と異なる。
【0045】
変形例3における光電気伝送モジュール1では、変形例2と同様に、基板14の長手方向でみて光電気複合ケーブル6寄りの一端部にFPCコネクタ18が配置されている。また、フレキシブルプリント基板16cはFPCコネクタ18の接続端から基板14の他端に向かって延びた後、そこから反転して一端の方向へ折り返されている点も同様である。
【0046】
ただし補強板20や光電変換素子34、ICチップ36等は、上記の折り返しの位置から光ファイバ8の接続端までの間に配置されている。この場合、フレキシブルプリント基板16cは電気信号伝送区間において余裕長さが付加されており、この余裕長を利用して2つに折り返された状態にある。
【0047】
このようにフレキシブルプリント基板16cは、電気信号伝送区間内に折り返し領域(変位許容領域としての構成)を設けることで、この折り返し領域の変形に伴ってコネクタ18との接続端と光ファイバ8との接続端とが相対的に変位することを許容している。すなわち変形例3の形態であっても、光ファイバ8による張力がフレキシブルプリント基板16cに加わった場合、フレキシブルプリント基板16cにおける光ファイバ8の接続端が張力方向へ引っ張られる。また、これに連なって光信号伝送区間が張力方向へ移動し、光ファイバ8の収縮を許容する。一方、光ファイバ8が光電気複合ケーブル6内からさらに突き出された状態に変位した場合、フレキシブルプリント基板16cは光ファイバ8の接続端からこれに連なる領域が折り返し部分へ移動することで光ファイバ8に加わる張力を軽減する。このように光ファイバ8の伸縮によって光ファイバ8に加わる張力を軽減し、その破損を確実に防止することができる。
【0048】
〔変形例4〕
図9は、第1実施形態における光電気伝送モジュール1の変形例4を示す断面図である。変形例4では、フレキシブルプリント基板16cに加えて、光ファイバ8にも余裕長さが付加されている点で、第1実施形態及びその変形例1〜3と異なる。一方、変形例4における光電気伝送モジュール1の基本的な構成は、変形例3と共通しており、共通する部材には同一の符号を付すものとする。
【0049】
上記の構成の場合、光ファイバ8にも余裕長さが付加されているため、その分、光ファイバ8を撓ませた状態でフレキシブルプリント基板16cに接続することができる。このため、光ファイバ8に収縮が生じたり、張力が加わったりした場合であっても、この撓んだ部分が変形し、張力を緩和することができる。さらに、光ファイバ8が一杯まで変形しても、フレキシブルプリント基板16cが光ファイバ8の変形に追随し、その破損を確実に防止することができる。
【0050】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、フレキシブルプリント基板40及びFPCコネクタ18の配置を変更している点、及び、フレキシブルプリント基板40に折り返しが設けられていない点が第1実施形態と異なる。その他の第1実施形態と同様の構成要素には図示とともに同一の符号を付し、その重複した説明を省略する。
【0051】
図10は、第2実施形態の光電気伝送モジュール1を概略的に示す平面図である。また、図11は、図10中に示すフレキシブルプリント基板40が張力方向へ引っ張られた状態を概略的に示す平面図である。
【0052】
第2実施形態の場合、フレキシブルプリント基板40の長手方向は基板14の長手方向に合致しておらず、基板14の幅方向(長手方向に対する交差方向)に合致している。したがって、FPCコネクタ18との接続端は基板14の幅方向に向いており、また、FPCコネクタ18に接続されたフレキシブルプリント基板40は、その接続端から基板14の幅方向に延びている。なお、図10では、図示を省略しているが、基板14の下面には導体パターン(図示しない)が形成されており、導体パターンに対して電線10が半田付けされている。また、導体パターンには電極14aが接続されており、電線10は、導体パターンを介して電極14aと電気的に接続されている。
【0053】
フレキシブルプリント基板40は、上記のFPCコネクタ18の接続端とは反対側で、その側縁に光ファイバ8が接続されている。また、フレキシブルプリント基板40の上面(実装面)には補強板20が配置されており、これに対向する裏面には、上記の光電変換素子34及びICチップ36(図10には示されていない)が配置されている。なお、ここでは図示されていないが、フレキシブルプリント基板40の実装面にはポリマー導波路が形成されている。
【0054】
図11に示されているように、光ファイバ8が張力を受けた場合、フレキシブルプリント基板40は、光ファイバ8の接続端部からその張力方向に引っ張られる。このときフレキシブルプリント基板40は長手方向への引っ張りによる変形ではなく、FPCコネクタ18を固定端とした撓みを生じることで、光ファイバ8の張力方向へ全体的に変形することができる。
【0055】
一方、第2実施形態において、光ファイバ8が光電気複合ケーブル6内からさらに突き出された状態に変位した場合、フレキシブルプリント基板40はFPCコネクタ18を固定端として、光ファイバ8の突き出し方向に撓みが生じる。
【0056】
このようにフレキシブルプリント基板40は、基板14に沿う方向へ変形することで、コネクタ18との接続端と光ファイバ8との接続端とが相対的に変位することを許容している。なお、このとき補強板20の配置位置から光ファイバ8の接続端に至る区間において、フレキシブルプリント基板40の幅方向に図示しない複数のスリットが形成されていてもよい。この場合、撓みによる変形をさらに大きくすることができる。
【0057】
〔変形例1〕
次に、第2実施形態における光電気伝送モジュール1の変形例1について説明する。図12は、図10中に示す光電気伝送モジュール1の変形例1を示す平面図である。変形例1における光電気伝送モジュール1は、FPCコネクタ18の配置及びフレキシブルプリント基板の形状が図10中に示す光電気伝送モジュール1と異なる。
【0058】
FPCコネクタ18は、その接続端が基板14の長手方向を向いた状態で配置されている。またフレキシブルプリント基板40aは、その平面視でL字型に形成されている。より詳しくは、フレキシブルプリント基板40aはFPCコネクタ18から基板14の長手方向に延びた後に90度屈曲され、そこから幅方向に延びている。そしてフレキシブルプリント基板40aには、基板14の幅方向に延びた先端部の側縁に光ファイバ8が接続されている。このようにフレキシブルプリント基板40aは、L字型に配置された2つの直線領域(第1の領域と第2の領域)から構成されている。
【0059】
上記のようなL字型に形成されたフレキシブルプリント基板40aであっても、フレキシブルプリント基板40aは、光ファイバ8の収縮による張力を吸収して、光ファイバ8に掛かる張力を軽減することができる。一方、光ファイバ8の突き出しによる張力に対しても、フレキシブルプリント基板40aは、張力方向へ撓むことで光ファイバ8に加わる張力を吸収している。
【0060】
このようにフレキシブルプリント基板40aは、光ファイバ8による張力に対してFPCコネクタ18の接続端から光ファイバ8の接続端までに至る領域が変形することで光ファイバ8の接続端がFPCコネクタ18の接続端に対して相対的に変位することを許容している。すなわち、フレキシブルプリント基板40aは、光ファイバ8から張力を受けると、FPCコネクタ18との接続端を起点にして光ファイバ8の張力方向に変形し、光ファイバに掛かる張力を軽減することができる。これにより、光ファイバ8が破損してしまうことを防止することができる。
【0061】
〔変形例2〕
次に、第2実施形態における光電気伝送モジュール1の変形例2について説明する。図13は、図10又は図12に示す光電気伝送モジュール1(第2実施形態及びその変形例1)のさらに別形態となる構造を示した縦断面図である。なお、ここでは図13に示す別形態を第2実施形態における変形例2とする。この変形例2では、基板14に対して光電変換素子34及びICチップ36を固定した点が第2実施形態及びその変形例1と異なる。以下では、変形例1に示す光電気伝送モジュール1を用いて、基板14に対してフレキシブルプリント基板40aを固定した形態について説明する。
【0062】
変形例2では、フレキシブルプリント基板40aを厚み方向でみた基板14側の外面にて、FPCコネクタ18の接続端から光電変換素子34の配置位置よりも光信号伝送区間側に至る位置(光ファイバの接続端側に至る位置)までの範囲内で基板14にフレキシブルプリント基板40aを固定している。具体的には、フレキシブルプリント基板40aと基板14の間で補強板20と対向する位置に配置された固定板41及び接着剤43を用いてフレキシブルプリント基板40aを基板14に対して固定する。
【0063】
固定板41は、基板14に固定されており、固定板41を厚み方向でみた上面の一部がICチップ36に接触している。また、固定板41とフレキシブルプリント基板40aとの間には接着剤43が塗布されており、接着剤43はICチップ36及び光電変換素子34を覆った状態でフレキシブルプリント基板40aと固定板41とを接着している。このとき接着剤43は、光電変換素子34よりもポリマー導波路22側(光信号伝送区間側)に至る位置まで広く塗布されていることが好ましい。これにより、フレキシブルプリント基板40aの電気信号伝送区間を基板14に対して固定とし、光信号伝送区間を変許容領域とすることができる。
【0064】
このように、基板14に対してフレキシブルプリント基板40aを固定した場合、フレキシブルプリント基板40aは、光信号を伝送する光信号伝送区間が変位許容領域として変形することで光ファイバ8に掛かる張力を軽減し、光ファイバ8の破損を防止することができる。
【0065】
〔変形例3〕
図14は、第2実施形態における光電気伝送モジュール1の変形例3を示す平面図である。ここでは、フレキシブルプリント基板40bの形状が第2実施形態、その変形例1、及び変形例2におけるフレキシブルプリント基板40,40aの形状と異なる。
【0066】
変形例3で用いるフレキシブルプリント基板40bは、変形例1のフレキシブルプリント基板40aの先端部をさらに90度屈曲することで、この先端部を基板14の長手方向に延長した形態である。このため変形例3で用いるフレキシブルプリント基板40bは、その平面視で略コの字型に形成されている。このような形状において、フレキシブルプリント基板40bは、FPCコネクタ18を固定端として、光ファイバ8による張力に対して変形することでコネクタ18との接続端と光ファイバ8との接続端とが相対的に変位することを許容している。このようにフレキシブルプリント基板40bは、略コ字型に配置された3つの直線領域(第1の領域、第2の領域及び第3の領域)から構成されている。
【0067】
上記のようなフレキシブルプリント基板40bの形状であっても、第2実施形態、その変形例1、及び変形例2におけるフレキシブルプリント基板40aと同様に、これが光ファイバ8の収縮によって光ファイバ8が張力方向へ引っ張られると、光ファイバ8の接続端が張力方向へ移動する。一方、光ファイバ8が突き出した場合も、光ファイバ8の接続端はこれに加わる力の方向へ移動する。これにより、光ファイバ8に掛かる張力を軽減し、その破損を確実に防止することができる。
【0068】
また、図13に示す変形例2と同様にフレキシブルプリント基板40bに配置された補強板20と対向する位置に固定板41を固定し、さらに固定板を基板14に固定してもよい。固定板41をフレキシブルプリント基板40a及び基板14に固定した場合、フレキシブルプリント基板40aは、光信号を伝送する光信号伝送区間が変形することで、光ファイバに掛かる張力を軽減し、光ファイバ8の破損を防止することができる。
【0069】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態の光電気伝送モジュール1について説明する。第3実施形態では、第1,2実施形態及びそれぞれの変形例で示した光電気伝送モジュール1において、フレキシブルプリント基板16に設けられた補強板20に放熱部材をさらに設けている。
【0070】
図15は、第3実施形態における光電気伝送モジュール1を示す断面図である。ここでは一例として、図6に示す光信号伝送区間が延長されたフレキシブルプリント基板42を用いて説明する。
【0071】
この場合、補強板20の上面には、放熱部材としての熱伝導シート44が接着されている。また熱伝導シート44は、さらに補強板20の上方に配置されるケース4aの内面に接着されている。
【0072】
このように、熱伝導シート44を用いることで、光電変換素子34及びICチップ36により放出された熱が補強板20に伝わり、さらに補強板20に伝わった熱を熱伝導シート44からケース4aへ効率的に放出することができる。また、フレキシブルプリント基板42は、例えば光信号伝送区間に余裕長さを付加されていることで、第1実施形態と同様に光ファイバ8の破損を防止することができる。
【0073】
〔変形例〕
図16は、第3実施形態における光電気伝送モジュール1の変形例を示す断面図である。ここでは一例として、電気信号伝送区間に余裕長さを付加されたフレキシブルプリント基板42aを用いた場合の光電気伝送モジュール1について説明する。
【0074】
フレキシブルプリント基板42aは、その電気信号伝送区間に余裕長さが付加されており、補強板20は、電気信号伝送区間とともに光ファイバ8の張力方向へ移動可能な状態で設置されている。この変形例では放熱部材として、例えばカーボンテープ46を用いており、これが補強板20及びケース4aに接着されている。
【0075】
カーボンテープ46の長さは、補強板20の初期位置から光ファイバ8の収縮による移動分の距離を考慮して、予め決定しておくことが好ましい。これにより、補強板20が光ファイバ8の張力方向へ移動した際に、カーボンテープ46が補強板20やケース4aの内面から剥がれてしまうのを防止することができる。
【0076】
本発明は、上述した第1〜3実施形態及びこれらの変形例に限定されることなく、種々の変形が可能である。例えば、ポリマー導波路22はミラー面30からFPCコネクタ18の接続端までの区間に配置されていてもよい。また、ミラー面30から光電変換素子34との間に配置されたフレキシブルプリント基板16の厚さ方向にスルーホールが形成されていてもよい。
【0077】
また、第2実施形態において、フレキシブルプリント基板40の形状は、この光ファイバ8の接続端側が張力方向へ移動可能であればよく、フレキシブルプリント基板40及びFPCコネクタ18の配置は、図10〜13に示した例に限定されることなく変更することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 光電気伝送モジュール
6 光電気複合ケーブル(複合ケーブル)
8 光ファイバ
10 電線
14 基板
16,16a,16b,16c フレキシブルプリント基板
18 FPCコネクタ
20 補強板
22 ポリマー導波路(光導波路部材)
40,40a,40b フレキシブルプリント基板
41 固定板
42,42a フレキシブルプリント基板
44 熱伝導シート(放熱部材)
46 カーボンテープ(放熱部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバ及び電気ケーブルを収容した複合ケーブルの末端に接続された状態で、光信号及び電気信号を伝送する光電気伝送モジュールにおいて、
前記複合ケーブルから引き出された電気ケーブルに接続される基板と、
前記基板に設置されたコネクタに一端が接続され、他端に前記複合ケーブルから引き出された光ファイバが接続されるフレキシブルプリント基板と、
前記フレキシブルプリント基板の外面に沿って形成され、前記光ファイバに結合されて光信号を伝送する光導波路部材とを備え、
前記フレキシブルプリント基板は、
前記コネクタの接続端から前記光ファイバの接続端に至るまでの区間内に形成され、前記コネクタの接続端と前記光ファイバの接続端とが前記基板に沿う方向へ相対的に変位することを許容する変位許容領域を有することを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光電気伝送モジュールにおいて、
前記変位許容領域は、
前記フレキシブルプリント基板の前記コネクタの接続端から前記光ファイバの接続端に至るまでの区間を前記基板に沿って折り返すことで形成されていることを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光電気伝送モジュールにおいて、
前記フレキシブルプリント基板の前記光導波路部材が形成された外面と反対側の外面に設置され、前記光ファイバから前記光導波路部材を介して伝送された前記光信号と前記コネクタから伝送された電気信号とを相互に変換する光電変換素子と、
前記フレキシブルプリント基板の前記光導波路部材が形成された外面と反対側の外面に設置された状態で前記光電変換素子と電気的に接続されたICチップとを備え、
前記変位許容領域は、
前記光電変換素子の配置位置から前記光ファイバの接続端までの間で光信号を伝送する光信号伝送区間内に形成されていることを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の光電気伝送モジュールにおいて、
前記フレキシブルプリント基板の前記光導波路部材が形成された外面と反対側の外面に設置され、前記光ファイバから前記光導波路部材を介して伝送された前記光信号と前記コネクタから伝送された電気信号とを相互に変換する光電変換素子と、
前記フレキシブルプリント基板の前記光導波路部材が形成された外面と反対側の外面に設置された状態で前記光電変換素子と電気的に接続されたICチップとを備え、
前記変位許容領域は、
前記コネクタの接続端から前記光電変換素子の配置位置までの間で電気信号を伝送する電気信号伝送区間内に形成されていることを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載の光電気伝送モジュールにおいて、
前記フレキシブルプリント基板は、
前記コネクタの接続端が前記基板の一端部に配置された状態で、前記コネクタの接続端から前記光ファイバの接続端までに至る区間が前記基板の他端へ向かって延び、かつ、前記基板の他端部から反転して前記基板の一端の方向へ折り返されることにより、前記コネクタの接続端及び前記光ファイバの接続端の両方が前記基板の一端側に位置していることを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項6】
光ファイバ及び電気ケーブルを収容した複合ケーブルの末端に接続された状態で、光信号及び電気信号を伝送する光電気伝送モジュールにおいて、
前記複合ケーブルから引き出された電気ケーブルに接続される基板と、
前記基板に設置されたコネクタに一端が接続され、他端に前記複合ケーブルから引き出された光ファイバが接続されるフレキシブルプリント基板と、
前記フレキシブルプリント基板の外面に沿って形成され、前記光ファイバに結合されて光信号を伝送する光導波路部材とを備え、
前記フレキシブルプリント基板は、
前記コネクタの接続端から前記光ファイバの接続端に至る区間内に形成され、少なくとも一部が前記複合ケーブルから引き出された前記光ファイバの長手方向に対して交差する方向に延びた変位許容領域を有しており、前記変位許容領域の変形に伴って前記コネクタの接続端と前記光ファイバの接続端とが前記基板に沿う方向へ相対的に変位することを許容することを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の光電気伝送モジュールにおいて、
前記フレキシブルプリント基板の前記光導波路部材が形成された外面と反対側の外面に設置され、前記光ファイバから前記光導波路部材を介して伝送された前記光信号と前記コネクタから伝送された電気信号とを相互に変換する光電変換素子と、
前記フレキシブルプリント基板の前記光導波路部材が形成された外面と反対側の外面に設置された状態で前記光電変換素子と電気的に接続されたICチップとを備え、
前記変位許容領域は、
前記光ファイバの張力に対して、前記光ファイバの接続端が前記コネクタの接続端を基点にして相対的に変位することを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の光電気伝送モジュールにおいて、
前記フレキシブルプリント基板は、
前記コネクタの接続端から前記光ファイバの接続端に至る区間が前記光ファイバの長手方向に沿って規定された前記基板の長手方向に対する交差方向に延びており、前記交差方向でみた先端部の側縁に前記光ファイバが接続されていることを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項9】
請求項6又は7に記載の光電気伝送モジュールにおいて、
前記フレキシブルプリント基板は、
前記コネクタの接続端から前記光ファイバの長手方向に沿って規定された前記基板の長手方向に延びる第1の領域と、前記コネクタの接続端と反対側に位置する前記第1の領域の端部から前記基板の長手方向に対する交差方向に屈曲して延びる第2の領域とを有し、前記第2の領域の前記交差方向でみた先端部の側縁に前記光ファイバが接続されていることを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項10】
請求項6又は7に記載の光電気伝送モジュールにおいて、
前記フレキシブルプリント基板は、
前記コネクタの接続端から前記光ファイバの長手方向に沿って規定された前記基板の長手方向に延びる第1の領域と、前記コネクタの接続端と反対側に位置する前記第1の領域の端部から前記基板の長手方向に対する交差方向に屈曲して延びる第2の領域と、前記第1の領域と反対側に位置する前記第2の領域の端部から前記基板の長手方向に屈曲して延びる第3の領域とを有し、前記基板の長手方向でみた前記第3の領域の先端部に前記光ファイバが接続されていることを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項11】
請求項6から10のいずれかに記載の光電気伝送モジュールにおいて、
前記フレキシブルプリント基板は、
厚み方向でみた前記基板側の外面にて、少なくとも前記コネクタの接続端から前記光電変換素子の配置位置より前記光ファイバの接続端側に至る位置までの範囲内で前記基板に固定されており、
前記変位許容領域は、
前記光電変換素子の配置位置から前記光ファイバの接続端までの間で光信号を伝送する光信号伝送区間内に形成されていることを特徴とする光電気伝送モジュール。
【請求項12】
光ファイバ及び電気ケーブルを収容した複合ケーブルの末端に接続された状態で、光信号及び電気信号を伝送する光電気伝送モジュールにおいて、
前記複合ケーブルから引き出された電気ケーブルに接続される基板と、
前記基板に設置されたコネクタに一端が接続され、他端に前記複合ケーブルから引き出された光ファイバが接続されるフレキシブルプリント基板と、
前記フレキシブルプリント基板の外面に沿って形成され、前記光ファイバに結合されて光信号を伝送する光導波路部材と、
前記フレキシブルプリント基板の前記光導波路部材が形成された外面と反対側の外面に設置され、前記光ファイバから前記光導波路部材を介して伝送された前記光信号と前記コネクタから伝送された電気信号とを相互に変換する光電変換素子と、
前記フレキシブルプリント基板の前記光導波路部材が形成された外面と反対側の外面に設置された状態で前記光電変換素子と電気的に接続されたICチップと、
前記フレキシブルプリント基板の外面に設けられ、前記光電変換素子及び前記ICチップから放出された熱を吸収し、かつ、これらの間に生じる前記フレキシブルプリント基板の撓みを防止する補強板と、
少なくとも2つの接触面を有し、かつ、一方の接触面が前記補強板に接触し、他方の接触面が外部部材に接触した状態で、前記補強板により吸収された熱を接触先の前記外部部材へ放熱する放熱部材と
を備えた光電気伝送モジュール。
【請求項13】
請求項12に記載の光電気伝送モジュールにおいて、
前記フレキシブルプリント基板は、
前記コネクタの接続端から前記光ファイバの接続端に至るまでの区間内に形成され、その変形に伴って前記コネクタの接続端と前記光ファイバの接続端とが前記基板に沿う方向へ相対的に変位することを許容する変位許容領域を有しており、
前記放熱部材は、
前記変位許容領域とともに前記基板に沿う方向へ移動可能であり、かつ、前記補強板に接触する一方の接触面から前記外部部材に接触する他方の接触面までの長さが、少なくとも前記補強板の移動可能な距離に応じて設定されていることを特徴とする光電気伝送モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−181442(P2012−181442A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45467(P2011−45467)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】