説明

全固体型フィルム一次電池及びその製造方法

【課題】全固体型フィルム一次電池及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るフィルム一次電池は、第1高分子フィルム及び第1伝導層で構成される第1高分子集電体フィルムと、第1伝導層上に形成された第1電極層と、第2高分子フィルム及び第2伝導層で構成される第2高分子集電体フィルムと、第2伝導層上に形成された第2電極層と、第1電極層と第2電極層との間に形成されており、水系電解液を含む高分子電解質層とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、一次電池及びその製造方法に関し、より詳細には、全固体型フィルム一次電池及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近活発な研究が進んでいる能動型電波識別(Radio Frequency IDentification、RFID)及びセンサーノード技術は、デジタルTV、ホームネットワーク、知能型ロボットなどと共にその波及効果が非常に大きくて膨大で、現在のCDMA(Code Division Multiple Access)技術を超える技術であって、今後、未来の核心産業として確個たる位置を占めると予想されている。すなわち、リーダ器を通じてタグ内に収録されている情報を読み出した既存の受動的な機能から外れて、タグの認識距離を画期的に延長させるだけでなく、タグ周辺の事物情報及び環境情報まで自ら感知することで、究極的にはネットワーキングを通じた人間と事物との通信から、事物と事物との通信まで情報フローの領域を拡大できると期待されている。したがって、このような電波識別用タグ及びセンサーノードの駆動のためには、タグやノード規格に適した軽薄短小型でありつつも長寿命を持つ電源素子を使用して、リーダ器から完全に独立した自体電源を確保することが重要である。
【0003】
現在まで電波識別タグ及びセンサーノードに一部適用されてその可能性を認められた電源素子のうち代表的なものとして、リチウム二次電池がある。リチウム二次電池は、リチウムイオンの挿入・抽出が可能な物質を活物質として使用して製造された正極または負極を含み、正極と負極との間には、リチウムイオンが移動できる有機電解液または高分子電解質が挿入されている。ここで、正極は、厚さ20mm前後のアルミニウム集電体上に、負極は、銅集電体上に活物質がコーティングされた構造を持つ。リチウム二次電池は、一部センサーノードに適用され活用されているが、能動型RFIDタグに適用するにはコスト及び性能が要求事項と合わず、タグの使用特性上放電後に再充電し難く、また、リチウム二次電池内の金属集電体が、タグ内のアンテナの電磁気波発生時に干渉問題を起こす恐れがあるために、リチウム二次電池を能動型タグに適用することは現実的に問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述した従来技術での問題点を解決しようとするものであって、リチウム一次電池を従来に比べてさらに軽薄短小化でき、フレキシブルな性質を向上させることによって高いエネルギー密度を持つと同時に、タグに適用し、好ましい特性を持つフィルム一次電池を提供することである。
【0005】
本発明の他の目的は、製造工程が簡単かつ容易であり、比較的緩和された工程条件を適用することによって完全連続工程及び量産が容易であり、コストダウンできるフィルム一次電池の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、本発明によるフィルム一次電池は、第1高分子フィルム及び第1伝導層で構成される第1高分子集電体フィルムと、前記第1伝導層上に形成された第1電極層と、第2高分子フィルム及び第2伝導層で構成される第2高分子集電体フィルムと、前記第2伝導層上に形成された第2電極層と、前記第1電極層と第2電極層との間に形成されており、水系電解液を含む高分子電解質層とを備える。
【0007】
望ましくは、前記第1高分子フィルム及び第2高分子フィルムは、それぞれポリエステル系高分子、ポリオレフィン系高分子、セルロース系高分子、ナイロン、ポリイミド、またはこれらの組み合わせからなる。前記第1高分子フィルム及び第2高分子フィルムは、それぞれ単一種の高分子物質からなる単層または複数層構造、または相異なる少なくとも2種の高分子物質を含む複数層構造からなる。
【0008】
前記第1伝導層及び第2伝導層は、それぞれ伝導性カーボンペーストコーティング層、ナノ金属粒子ペーストコーティング層、伝導性高分子コーティング層、またはITO(Indium Tin Oxide)ペーストコーティング層、または伝導性カーボンテープから形成される。
【0009】
また、前記第1電極層は、第1導電剤、第1高分子結着剤及び正極活物質の混合物からなり、前記第2電極層は、第2導電剤、第2高分子結着剤及び負極活物質の混合物からなる。
【0010】
前記第1導電剤及び第2導電剤は、それぞれグラファイト、カーボンブラック、デンカブラック、ロンザカーボン、スーパーP、及び活性炭MSC30からなる群から選択される一つの導電性カーボンからなる。
【0011】
前記第1高分子結着剤及び第2高分子結着剤は、それぞれポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、セルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ナイロン、及びナフィオン(Nafion,登録商標)からなる群から選択されるいずれか一つの高分子、またはこれらの混合物からなる。
【0012】
前記正極活物質は、10nm〜50μmの粒径を持つ酸化マンガン、EMD(Electrolytic Manganese Dioxide)、酸化ニッケル、酸化鉛、二酸化鉛、酸化銀、硫化鉄、または伝導性高分子粒子からなり、前記負極活物質は、10nm〜50μmの粒径を持つ亜鉛、アルミニウム、鉄、鉛、またはマグネシウム粒子からなる。
【0013】
前記高分子電解質層は、高分子マトリックス、無機添加剤、及び塩を含有する水系電解液を含む。
【0014】
前記高分子マトリックスは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブタジエン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、澱粉、寒天、ナフィオン(Nafion,登録商標)からなる群から選択されるいずれか一つ、またはこれらの共重合体、またはこれらの混合物からなる。
【0015】
前記無機添加剤は、シリカ、タルク、アルミナ(Al)、TiO、クレー、ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一つの物質からなる。
【0016】
望ましくは、前記水系電解液は、蒸溜水を含み、前記水系電解液内の塩は、水酸化カルシウム(KOH)、臭化カリウム(KBr)、塩化カリウム(KCl)、塩化亜鉛(ZnCl)、塩化アンモニウム(NHCl)、及び硫酸(HSO)からなる群から選択される少なくとも一つである。
【0017】
前記他の目的を達成するために、本発明によるフィルム一次電池の製造方法では、第1高分子フィルム及び第2高分子フィルムを準備する。前記第1高分子フィルム上に第1伝導層を形成して第1高分子集電体フィルムを形成する。前記第2高分子フィルム上に第2伝導層を形成して第2高分子集電体フィルムを形成する。前記第1高分子集電体フィルム上に第1電極層を形成する。前記第2高分子集電体フィルム上に第2電極層を形成する。前記第1電極層と前記第2電極層との間に水系電解液を含む高分子電解質層を形成する。
【0018】
前記第1伝導層を形成する工程は、前記第1高分子フィルム上に伝導性カーボンペースト、ナノ金属粒子ペースト、伝導性高分子、またはITOペーストをコーティングする方法、または前記第1高分子フィルム上に伝導性カーボンテープを付着する方法により行なわれる。前記第2伝導層を形成する工程は、前記第2高分子フィルム上に伝導性カーボンペースト、ナノ金属粒子ペースト、伝導性高分子、またはITOペーストをコーティングする方法、または前記第2高分子フィルム上に伝導性カーボンテープを付着する方法により行なわれる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるフィルム一次電池は、薄い高分子フィルム上に薄膜で伝導性カーボンペースト、ナノ粒子金属ペースト、伝導性高分子、またはITOペーストをコーティングして製造した高分子集電体、または、伝導性カーボン接着テープを付着させて製造した高分子集電体を使用する。したがって、既存の金属集電体に比べて金属の使用量を抑えてその重さを大幅に軽量化できる。また、高分子フィルムの特性上、曲げ特性が非常に優秀であり、フィルムが折り込まれる時に電極層が剥離したり、破損したりする現象を解消できる。本発明によるフィルム一次電池は、巻き物のように巻き取るか、または曲げることができる電池の具現が可能であり、ウェアラブルPCなどに容易に適用できる。また、積層及び巻き取りによる電池の具現時に優秀な充填密度特性を表し、重量当たりのエネルギー密度を向上させることができる。
【0020】
本発明によるフィルム一次電池の製造方法によれば、連続生産時における張力などの工程条件も、既存の金属集電体を使用する時に比べてかなり緩和され、セルの大量化が容易である。また、集電体フィルムが包装材の役割も同時に果たし、特に単電池または小型密閉型フィルム薄膜一次電池、特に電波識別タグ用電池またはコスメチック用電池の構成に非常に有効である。また、高分子電解質を使用するために既存の液体電解質/分離膜システムに比べて漏れの恐れがなく、安定性側面で非常に有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の望ましい実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の望ましい実施形態によるフィルム一次電池100の構造を概略的に示した図面である。
【0022】
図1を参照すれば、本発明による全固体型フィルム一次電池100は、第1高分子集電体フィルム10及び第2高分子集電体フィルム20を備える。
第1高分子集電体フィルム10は、第1高分子フィルム12及び第1伝導層14で構成される。また、第2高分子集電体フィルム20は、第2高分子フィルム22及び第2伝導層24で構成される。
【0023】
第1高分子フィルム12及び第2高分子フィルム22は、それぞれ電池内部への水分及び酸素透過を防止する役割を果たすものである。第1高分子フィルム12及び第2高分子フィルム22は、それぞれ機械的強度、水分、酸素透過度などの特性によって選択されうる特定の高分子材料からなる単層膜または複数層膜で構成できる。例を挙げると、第1高分子フィルム12及び第2高分子フィルム22は、それぞれポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系高分子;ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン系高分子;またはこれらの組み合わせからなる高分子フィルムを単層または複数層にラミネートして形成できる。または、第1高分子フィルム12及び第2高分子フィルム22は、それぞれポリエステル系高分子フィルム及びポリオレフィン系高分子フィルムを組み合わせて、複数層膜にラミネートして形成してもよい。第1高分子フィルム12及び第2高分子フィルム22は、それぞれ約5〜100μmの厚さに形成できる。
【0024】
第1伝導層14及び第2伝導層24は、それぞれ第1高分子フィルム12及び第2高分子フィルム22の一側に伝導性物質をコーティングして形成された薄膜である。第1伝導層14及び第2伝導層24は、伝導性カーボンペースト、ナノ金属粒子(数ないし数十ナノメートルの粒径を持つ金属粒子)ペースト、伝導性高分子、またはITOペーストをコーティングするか、伝導性カーボンテープを付着して得られる。第1伝導層14及び第2伝導層24は、それぞれ約10Å〜500μm、望ましくは、約5〜150μmの厚さに形成できる。
【0025】
第1高分子集電体フィルム10及び第2高分子集電体フィルム20において、第1伝導層14及び第2伝導層24は、それぞれ集電体の役割を果たし、第1高分子フィルム12及び第2高分子フィルム22は包装材の機能を果たす。第1高分子集電体フィルム10及び第2高分子集電体フィルム20は、金属を全く使用しないか、または金属の使用を抑えて構成されたものであって、従来の技術による金属集電体の場合と比較する場合、その製造工程においては既存の工程との差がほとんどないが、厚さはさらに薄くでき、重さは大幅に軽量化できる。また、第1高分子フィルム12及び第2高分子フィルム22を使用することによって、曲げ特性が非常に優秀であって折り込み現象がなく、電池を外部からの水分または酸素透過から保護できる包装材の役割も同時に果たせ、密閉型電池を製造することも容易である。
【0026】
第1高分子集電体フィルム10上には正極層16がコーティングされており、第2高分子集電体フィルム20上には負極層26がコーティングされている。
正極層16は、第1高分子集電体フィルム10の第1伝導層14上に導電剤、高分子結着剤及び正極活物質の混合物からなるスラリーをコーティングすることによって形成できる。
【0027】
正極層16は、約5〜200μmの厚さに形成できる。また、第1高分子集電体フィルム10及び正極層16の総厚さは、約10〜350μmの厚さに形成できる。
正極層16の構成に適した導電剤として、グラファイト、カーボンブラック、デンカブラック、ロンザカーボン、スーパーP、MSC30のような導電性カーボンを使用できる。
【0028】
また、正極層16の構成に適した高分子結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、セルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ナイロン、ナフィオン(Nafion,登録商標)などの高分子またはこれらの共重合体、またはこれらの混合物が使われうる。
【0029】
また、正極層16の構成に適した正極活物質としては、酸化マンガン、EMD、酸化ニッケル、酸化鉛、二酸化鉛、酸化銀、硫化鉄、伝導性高分子粒子などを使用できる。正極活物質の望ましい粒径は約10nm〜50μmである。
【0030】
負極層26は、第2高分子集電体フィルム20の第2伝導層24上に、導電剤、高分子結着剤及び負極活物質の混合物からなるスラリーをコーティングすることによって形成できる。
【0031】
負極層26は、約5〜200μmの厚さに形成できる。また、第2高分子集電体フィルム20及び負極層26の総厚さは、約10〜350μmの厚さに形成できる。
負極層26の構成に適した導電剤として、グラファイト、カーボンブラック、デンカブラック、ロンザカーボン、スーパーP、活性炭MSC30のような導電性カーボンを使用できる。
【0032】
また、負極層26の構成に適した高分子結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、セルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ナイロン、ナフィオン(Nafion,登録商標)などの高分子またはこれらの共重合体、またはこれらの混合物が使われうる。
【0033】
また、負極層26の構成に適した負極活物質としては、亜鉛、アルミニウム、鉄、鉛、マグネシウム粒子などを使用できる。負極活物質の望ましい粒径は、約10nm〜50μmである。
【0034】
正極層16と負極層26との間には、これらを相互接着させ、これらの間でイオンの移動経路を提供する高分子電解質層30が形成されている。
高分子電解質層30は、水系電解液が含まれている高分子フィルムからなる。正極層16と負極層26との間に高分子電解質層30が位置することによって、これら二電極間の接着力を強化してフィルム電池を一体化させる作用を示す。また、薄膜の高分子電解質層30を使用して電解液及び分離膜の役割を兼ねるようにすることによって電池の厚さが大幅に薄くなる。また、曲げ自在であって、電池の積層及び巻き取り時に工程条件を緩和でき、コスト競争力を向上させるだけでなく重量当たりエネルギー密度を向上させることができる。
【0035】
高分子電解質層30は、約5〜200μmの厚さに形成できる。
高分子電解質層30は、高分子マトリックス、無機添加剤、及び水系電解液を含む。
【0036】
高分子電解質層30の構成に適した高分子マトリックスは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブタジエン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、澱粉、寒天、ナフィオン(Nafion,登録商標)またはこれらの共重合体、またはこれらの混合物からなりうる。
【0037】
高分子電解質層30の構成に適した無機添加剤は、シリカ、タルク、アルミナ(Al)、TiO、クレー、ゼオライト、またはこれらの混合物から選択されうる。高分子電解質層30内で、無機添加剤は、高分子マトリックスを構成する高分子の総重量を基準に約1〜100重量%の量で含まれうる。
【0038】
高分子電解質層30の構成に適した水系電解液は、蒸溜水からなりうる。高分子電解質層30内で水系電解液は、高分子マトリックスを構成する高分子の総重量を基準に約1〜500重量%の量で含まれうる。
【0039】
水系電解液内の塩は、水酸化カルシウム(KOH)、臭化カリウム(KBr)、塩化カリウム(KCl)、塩化亜鉛(ZnCl)、塩化アンモニウム(NHCl)、及び硫酸(HSO)からなる群から選択される少なくとも一つで構成できる。高分子電解質層30を構成する水系電解液として、塩が約0.1〜10Mの濃度で溶解されている水溶液を使用できる。
【0040】
図2は、本発明の望ましい実施形態によるフィルム一次電池100の製造方法を説明するためのフローチャートである。図1及び図2を参照して、本発明の例示的なフィルム一次電池100の製造方法を説明する。
【0041】
まず、工程210において、第1高分子フィルム12及び第2高分子フィルム22をそれぞれ準備する。
工程220において、第1高分子フィルム12上には第1伝導層14を形成し、第2高分子フィルム22上には第2伝導層24を形成して、第1高分子集電体フィルム10及び第2高分子集電体フィルム20をそれぞれ形成する。
【0042】
工程230において、第1高分子集電体フィルム10の第1伝導層14上に正極活物質スラリーをコーティングして正極層16を形成する。また、第2高分子集電体フィルム20の第2伝導層24上に負極活物質スラリーをコーティングして負極層26を形成する。
【0043】
正極層16の形成のための正極活物質スラリーは、導電剤、高分子結着剤及び正極活物質の混合物からなりうる。負極層26の形成のための負極活物質スラリーは、導電剤、高分子結着剤及び負極活物質の混合物からなりうる。正極活物質スラリー及び負極活物質スラリーの構成に使われうる例示的な物質についての詳細な事項は、図1を参照して説明した通りである。
【0044】
工程240において、正極層16と負極層26との間に水系電解液を含む高分子電解質層30を形成することによって、図1に例示されたような構造物を完成する。そのために、有機電解液が含まれている高分子フィルムを、正極層16及び負極層26それぞれの上面にコーティングするか、またはラミネートする方法を利用できる。
【0045】
工程250において、工程210ないし工程240を経て得られた、図1に例示された構造物と同じ構造物の枠部分を熱融着または接着剤で密閉して、本発明によるフィルム一次電池を完成する。
【0046】
図1及び図2を参照して説明したような本発明の例示的な実施形態によるフィルム一次電池100では、電極と電解質との界面接着力を向上させることができ、寿命及び耐久性を向上させることができる。また、本発明によるフィルム一次電池100は、超薄型及び密閉型単電池の具現が可能であり、巻き取り及び積層時に製造工程を単純化でき、その製造工程が容易である。
【0047】
以下では、本発明によるフィルム一次電池の製造方法を、具体的な製造例を挙げてさらに詳細に説明する。しかし、下記の製造例は本発明の理解を助けるために例示されたものであり、本発明の範囲がこれに限定されると解釈されてはならず、本発明の思想を逸脱せずに下記の製造例から多様な変形及び変更が可能である。
【0048】
(製造例1)
15μmの厚さの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムを、35μmの厚さの不透明なポリエチレンテレフタレートフィルムとラミネートして、二層膜のポリエステル系フィルムを構成した。これら2枚のフィルムには、それぞれラミネーション前にコロナ放電法でその両面が表面処理されたものを使用した。このように製造された二層膜フィルムの片方に、10μmの厚さの伝導性カーボンペーストをコーティングして、正極用高分子集電体フィルムを製造した。
【0049】
(製造例2)
5μmの厚さの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムと、10μmの厚さの不透明なポリエチレンテレフタレートフィルムとを使用したことを除いて、製造例1と同じ方法で正極用高分子集電体フィルムを製造した。
【0050】
(製造例3)
15μmの厚さの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムを、35μmの厚さの不透明なポリエチレンテレフタレートフィルムとラミネートして、二層膜のポリエステル系フィルムを構成した。これら2枚のフィルムは、ラミネーション前にそれぞれコロナ放電法でその両面を表面処理した。このように製造された二層膜フィルムの片方に10μmの厚さの伝導性カーボンペーストをコーティングして、最終的に負極用高分子集電体フィルムを製造した。
【0051】
(製造例4)
5μmの厚さの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムと、10μmの厚さの不透明なポリエチレンテレフタレートフィルムとを使用したことを除いて、製造例3と同じ方法で負極用高分子集電体フィルムを製造した。
【0052】
(製造例5)
製造例1により製造された60μmの厚さの正極用高分子集電体フィルムの伝導層表面上に、平均粒径が約2μmであるEMD正極活物質のスラリーを60μmの厚さにコーティングし、製造例4により製造された60μmの厚さの負極用高分子集電体フィルムの伝導層表面上に、平均粒径が約300nmである亜鉛負極活物質のスラリーを60μmの厚さにコーティングして電極フィルムを製造した。正極活物質スラリーとしては、EMD酸化物合剤粉末(90重量%EMD酸化物+5重量%6M水酸化カルシウム電解液+5重量%カルボキシメチルセルロース)80重量%、グラファイト12重量%、及びポリ塩化ビニル8重量%を混合して製造したものを使用した。負極活物質スラリーとしては、亜鉛合剤粉末(90重量%亜鉛+5重量%6M水酸化カルシウム電解液+5重量%カルボキシメチルセルロース)80重量%、グラファイト12重量%、及びポリ塩化ビニル8重量%を混合して製造したものを使用した。製造された2個の電極フィルム間に、60重量%のフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体と、40重量%のポリエチレンオキシド高分子との混合物に基づいた25μmの厚さのフィルムを挿入してラミネートした後、6M水酸化カルシウム溶液を含浸させて電極面積が2cm×2cmである1.5V級フィルム一次電池単電池を製造した。
【0053】
(製造例6)
平均粒径が約0.5μmであるEMD正極活物質のスラリーと、平均粒径が約60nmである亜鉛負極活物質のスラリーとを使用したことを除いて、製造例5と同じ方法でフィルム一次電池単電池を製造した。
【0054】
(比較例)
製造例5及び製造例6でそれぞれ得られたフィルム一次電池との特性比較のために、2個の15μmの厚さのSUS集電体を準備し、このSUS集電体の表面に平均粒径が約20μmであるEMD正極活物質のスラリーと、平均粒径が約75μmである亜鉛負極活物質のスラリーとをそれぞれ60μmの厚さにコーティングして、正極及び負極フィルムを製造した。
【0055】
この時、製造例5及び製造例6と同じ組成の正極活物質スラリー及び負極活物質スラリーを使用した。製造された電極フィルム間にアルカリ電池用分離膜を挿入して、製造例5での高分子電解質層厚さと同じ厚さになるように調節してラミネートした後、製造例5と同じ電解液を注入して一次電池単電池を製造した。
【0056】
(評価例)
製造例5及び製造例6として製造されたフィルム一次電池と、比較例として製造された一次電池とを、それぞれ電流密度1mAで1.0Vまで放電させた。
【0057】
図3は、本発明による製造例5のフィルム一次電池単電池の放電特性を示したグラフである。
【0058】
図4は、本発明による製造例5(□)及び製造例6(黒□)のフィルム一次電池の放電容量を、比較例(●)と共に示したグラフである。図4で、本発明によるフィルム一次電池の場合に、電極と電解質との界面接着力の向上と薄型軽量化によって優秀な放電容量及びエネルギー密度を示すということが分かる。
【0059】
図5は、本発明の製造例5(□)及び製造例6(黒□)で得られたフィルム一次電池の常温下での経時的なOCV(Open Circuit Voltage)値の変化を、比較例(●)と共に示したグラフである。
図5で、本発明によるフィルム一次電池の製造例5及び製造例6の場合には、比較例の場合に比べて電圧降下及び自家放電が抑制されたことが分かる。これは、本発明によるフィルム一次電池の場合には、水系電解液の使用に当って高分子電解質を導入することによって、電極間または電極/電解質間に水系電解液が直接接触する現象が防止されて、負極の腐食とこれによる分極現象が抑制されることに起因する。
【0060】
図6は、本発明による本発明の製造例5(□)及び製造例6(黒□)で得られたフィルム一次電池の常温下での経時的な内部抵抗の変化を、比較例(●)と共に示したグラフである。
図6で、本発明によるフィルム一次電池の製造例5及び製造例6の場合には、比較例の場合に比べて内部抵抗の変化が小さい。図6の結果から、本発明によるフィルム一次電池の場合には、水系電解液の使用に当って高分子電解質を導入することによって、高分子マトリックスと水分との相互作用及び電解質内に担持された無機系添加剤と水分との相互作用によって、水分の蒸発及び漏れが長時間抑制されるということが分かる。すなわち、本発明によるフィルム一次電池は、長時間保管されても性能低下なしに使用できて、経時的な安定性が優秀である。
【0061】
以上、本発明を望ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されず、本発明の技術的思想及び範囲内で当業者によっていろいろ変形及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の全固体型フィルム一次電池は、ウェアラブルPC、単電池または小型密閉型フィルム薄膜一次電池、特に電波識別タグ用電池またはコスメチック用電池に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の望ましい実施形態によるフィルム一次電池の構造を概略的に示した図である。
【図2】本発明の望ましい実施形態によるフィルム一次電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明の望ましい実施形態によるフィルム一次電池単電池の放電特性を示すグラフである。
【図4】本発明の望ましい実施形態によるフィルム一次電池の放電容量を比較例と共に示したグラフである。
【図5】本発明の望ましい実施形態によるフィルム一次電池の常温下での経時的なOCV値の変化を比較例と共に示したグラフである。
【図6】本発明の望ましい実施形態によるフィルム一次電池の常温下での経時的な内部抵抗の変化を比較例と共に示したグラフである。
【符号の説明】
【0064】
10 第1高分子集電体フィルム
12 第1高分子フィルム
14 第1伝導層
16 正極層
20 第2高分子集電体フィルム
22 第2高分子フィルム
24 第2伝導層
26 負極層
30 高分子電解質層
100 フィルム一次電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1高分子フィルム及び第1伝導層で構成される第1高分子集電体フィルムと、
前記第1伝導層上に形成された第1電極層と、
第2高分子フィルム及び第2伝導層で構成される第2高分子集電体フィルムと、
前記第2伝導層上に形成された第2電極層と、
前記第1電極層と第2電極層との間に形成されており、水系電解液を含む高分子電解質層と
を備えることを特徴とするフィルム一次電池。
【請求項2】
前記第1高分子フィルム及び前記第2高分子フィルムは、それぞれポリエステル系高分子、ポリオレフィン系高分子、またはこれらの組み合わせからなることを特徴とする請求項1に記載のフィルム一次電池。
【請求項3】
前記第1高分子フィルム及び前記第2高分子フィルムは、それぞれ単一種の高分子物質からなる単層または複数層構造、または相異なる少なくとも2種の高分子物質を含む複数層構造からなることを特徴とする請求項1に記載のフィルム一次電池。
【請求項4】
前記第1伝導層及び前記第2伝導層は、それぞれ伝導性カーボンペーストコーティング層、ナノ金属粒子ペーストコーティング層、伝導性高分子コーティング層、またはITOペーストコーティング層、または伝導性カーボンテープから形成されることを特徴とする請求項1に記載のフィルム一次電池。
【請求項5】
前記第1電極層は、第1導電剤、第1高分子結着剤及び正極活物質の混合物からなり、
前記第2電極層は、第2導電剤、第2高分子結着剤及び負極活物質の混合物からなることを特徴とする請求項1に記載のフィルム一次電池。
【請求項6】
前記第1導電剤及び前記第2導電剤は、それぞれグラファイト、カーボンブラック、デンカブラック、ロンザカーボン、スーパーP、及び活性炭MSC30からなる群から選択される一つの導電性カーボンからなることを特徴とする請求項5に記載のフィルム一次電池。
【請求項7】
前記第1高分子結着剤及び前記第2高分子結着剤は、それぞれポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、セルロース、カルボキシメチルセルロース、澱粉、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセテート、ナイロン、及びナフィオン(Nafion,登録商標)からなる群から選択されるいずれか一つの高分子、またはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項5に記載のフィルム一次電池。
【請求項8】
前記正極活物質は、10nm〜50μmの粒径を持つ酸化マンガン、EMD、酸化ニッケル、酸化鉛、二酸化鉛、酸化銀、硫化鉄、または伝導性高分子粒子からなることを特徴とする請求項5に記載のフィルム一次電池。
【請求項9】
前記負極活物質は、10nm〜50μmの粒径を持つ亜鉛、アルミニウム、鉄、鉛、またはマグネシウム粒子からなることを特徴とする請求項5に記載のフィルム一次電池。
【請求項10】
前記高分子電解質層は、高分子マトリックス、無機添加剤、及び塩を含有する水系電解液を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルム一次電池。
【請求項11】
前記高分子マトリックスは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリブタジエン、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ナイロン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重合体、フッ化ビニリデンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、澱粉、寒天、ナフィオン(Nafion,登録商標)からなる群から選択されるいずれか一つ、またはこれらの共重合体、またはこれらの混合物からなることを特徴とする請求項10に記載のフィルム一次電池。
【請求項12】
前記無機添加剤は、シリカ、タルク、アルミナ(Al)、TiO、クレー、ゼオライトからなる群から選択される少なくとも一つの物質からなることを特徴とする請求項10に記載のフィルム一次電池。
【請求項13】
前記水系電解液は、蒸溜水を含むことを特徴とする請求項10に記載のフィルム一次電池。
【請求項14】
前記水系電解液内の塩は、水酸化カルシウム(KOH)、臭化カリウム(KBr)、塩化カリウム(KCl)、塩化亜鉛(ZnCl)、塩化アンモニウム(NHCl)、及び硫酸(HSO)からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする請求項10に記載のフィルム一次電池。
【請求項15】
第1高分子フィルム及び第2高分子フィルムを準備する工程と、
前記第1高分子フィルム上に第1伝導層を形成して第1高分子集電体フィルムを形成する工程と、
前記第2高分子フィルム上に第2伝導層を形成して第2高分子集電体フィルムを形成する工程と、
前記第1高分子集電体フィルム上に第1電極層を形成する工程と、
前記第2高分子集電体フィルム上に第2電極層を形成する工程と、
前記第1電極層と前記第2電極層との間に水系電解液を含む高分子電解質層を形成する工程と
を含むことを特徴とするフィルム一次電池の製造方法。
【請求項16】
前記第1伝導層を形成する工程は、前記第1高分子フィルム上に伝導性カーボンペースト、ナノ金属粒子ペースト、伝導性高分子、またはITOペーストをコーティングする方法、または前記第1高分子フィルム上に伝導性カーボンテープを付着する方法により行なわれることを特徴とする請求項15に記載のフィルム一次電池の製造方法。
【請求項17】
前記第2伝導層を形成する工程は、前記第2高分子フィルム上に伝導性カーボンペースト、ナノ金属粒子ペースト、伝導性高分子、またはITOペーストをコーティングする方法、または前記第2高分子フィルム上に伝導性カーボンテープを付着する方法により行なわれることを特徴とする請求項15に記載のフィルム一次電池の製造方法。
【請求項18】
前記第1電極層を形成する工程は、前記第1高分子集電体フィルムの第1伝導層上に正極活物質スラリーをコーティングする工程を含むことを特徴とする請求項15に記載のフィルム一次電池の製造方法。
【請求項19】
前記第2電極層は、前記第2高分子集電体フィルムの第2伝導層上に負極活物質スラリーをコーティングする方法により形成されることを特徴とする請求項15に記載のフィルム一次電池の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−157708(P2007−157708A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−309480(P2006−309480)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(596180076)韓國電子通信研究院 (733)
【氏名又は名称原語表記】Electronics and Telecommunications Research Institute
【住所又は居所原語表記】161 Kajong−dong, Yusong−gu, Taejon korea
【Fターム(参考)】