説明

内燃機関装置および車両並びにバルブ検査の実行方法

【課題】EGRバルブの検査をより適正に行なう。
【解決手段】RAMにアイドル学習履歴が記憶されているときにはスロットルバルブの開度がアイドル学習で得られた開度THidleになるようスロットルモータを制御すると共にEGRバルブの検査を実行し(ステップS100〜S120)、RAMにアイドル学習履歴が記憶されていないときにはEGRバルブの検査を実行せずにスロットルバルブの開度がアイドル学習で得られると想定される開度より大きい初期開度THinitとなるようスロットルモータを制御する(ステップS100,S130)。これにより、アイドル制御量の学習が完了していない状態でEGRバルブの検査が実行されることにより生じる不都合を回避することができ、すなわち、アイドル制御量学習が完了した状態でバルブ検査を実行するから、バルブ検査をより適正に行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関装置および車両並びにバルブ検査の実行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の内燃機関装置としては、エンジンをアイドル運転する時にスロットルバルブをバイパスして流れる空気量をアイドルスピードコントロールバルブ(以下、ISCバルブという)で調整すると共に排気ガスの一部を吸気側に還流させる排気ガス還流(Exhaust Gas Recirculation、以下EGRという)を行なう際に吸気側に還流させる排気ガスの流量をEGRバルブで調整するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、EGRバルブの異常判定を行なっている最中にISCバルブの制御量が所定以上変化したときに吸気管における吸入空気量の変化に基づくEGRバルブの異常判定を中止することにより、ISCバルブの制御量変化に伴う吸入空気量の変化の影響を受けることなくEGRバルブの異常判定を精度良く行なうことができるとしている。
【特許文献1】特開平8−158955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の内燃機関装置では、吸入空気量の変化に基づいてEGRバルブの異常を判定しているが、吸気管における吸入空気の圧力である吸気圧に基づいてEGRバルブの検査を行なうものもある。こうした吸気圧に基づいてEGRバルブの検査を行なうものでは、EGRバルブの動作を適正に検査できないことがある。例えば、一般に、内燃機関装置では、エンジンをアイドル運転する際の制御量を学習するアイドル制御量学習が行なわれているが、内燃機関装置の点検などによりアイドル制御量学習の履歴が消去されると、次にアイドル制御量学習が完了するまではエンジンを安定して運転可能な予め定められた初期値がアイドル制御量として設定されることがある。こうした初期値は、一般に、エンジンストールの抑制が考慮されていてもEGRバルブの検査は考慮されておらず、アイドル制御量として初期値が設定されている状態ではEGRバルブの検査を適正に行なえないことがある。特に、エンジンストールの抑制のためにアイドル制御量の一つであるスロットルバルブの開度を比較的大きく設定しているときには吸気管における負圧が小さくなるため、EGRバルブを開閉しても吸気圧の変化が小さくなり、EGRバルブの検査を適正に行なえないことがある。
【0004】
本発明の内燃機関装置および車両並びにバルブ検査の実行方法は、内燃機関の排気の吸気系への供給量を調整するバルブの検査をより適正に行なうことを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の内燃機関装置および車両並びにバルブ検査の実行方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】
本発明の内燃機関装置は、
内燃機関と、
前記内燃機関の排気の吸気系への供給量を調整するバルブを有し、該バルブを開いて前記排気を前記吸気系に供給する排気供給手段と、
前記吸気系における吸入空気の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、
前記内燃機関をアイドル運転する際の制御量であるアイドル制御量を学習するアイドル制御量学習が完了したことを学習履歴として記憶すると共に所定の消去条件が成立したときに前記学習履歴を消去する学習履歴記憶手段と、
前記検出された吸気圧に基づいて前記排気供給手段のバルブの正常動作を検査するバルブ検査を実行するための所定のバルブ検査実行条件が成立したとき、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されているときには前記バルブ検査を実行し、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されていないときには前記バルブ検査を実行しないバルブ検査実行手段と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
この本発明の内燃機関装置では、内燃機関の吸気系における吸入空気の圧力である吸気圧に基づいて排気供給手段のバルブの正常動作を検査するバルブ検査を実行するための所定のバルブ検査実行条件が成立したときに、内燃機関をアイドル運転する際の制御量であるアイドル制御量を学習するアイドル制御量学習が完了したことが学習履歴として記憶されているときにはバルブ検査を実行し、学習履歴が記憶されていないときにはバルブ検査を実行しない。学習履歴が記憶されていないときにはバルブ検査を実行しないから、アイドル制御量学習が完了していない状態でバルブ検査が実行されることにより生じる不都合を回避することができる。すなわち、アイドル制御量学習が完了した状態でバルブ検査を実行するから、バルブ検査をより適正に行なうことができる。
【0008】
こうした本発明の内燃機関装置において、前記アイドル制御量は、前記内燃機関をアイドル運転する際のアイドルスロットル開度であるものとすることもできる。この場合、前記バルブ検査実行手段は、前記所定のバルブ検査実行条件が成立したとき、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されているときには前記内燃機関のスロットル開度を前記アイドル制御量学習により学習されたアイドルスロットル開度にした状態で前記バルブ検査を実行し、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されていないときには前記バルブ検査を実行せずに前記内燃機関のスロットル開度を予め定めた所定のスロットル開度とする手段であるものとすることもできる。
【0009】
また、本発明の内燃機関装置において、前記バルブ検査実行手段は、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されているときには前記排気供給手段のバルブを閉じた状態での前記検出された吸気圧と該バルブを閉じた状態から該バルブを開けた状態にしてから第1の所定時間が経過したときの前記検出された吸気圧と該第1の所定時間が経過してから該バルブを閉じた状態にしてから第2の所定時間が経過したときの前記検出された吸気圧とに基づいて前記排気供給手段のバルブが正常に作動するか否かを判定することにより前記バルブ検査を実行する手段であるものとすることもできる。こうすれば、バルブ検査をより適正に行なうことができる。
【0010】
本発明の車両は、上述のいずれかの態様の本発明の内燃機関装置、即ち、基本的には、内燃機関と、前記内燃機関の排気の吸気系への供給量を調整するバルブを有し、該バルブを開いて前記排気を前記吸気系に供給する排気供給手段と、前記吸気系における吸入空気の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、前記内燃機関をアイドル運転する際の制御量であるアイドル制御量を学習するアイドル制御量学習が完了したことを学習履歴として記憶すると共に所定の消去条件が成立したときに前記学習履歴を消去する学習履歴記憶手段と、前記検出された吸気圧に基づいて前記排気供給手段のバルブの正常動作を検査するバルブ検査を実行するための所定のバルブ検査実行条件が成立したとき、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されているときには前記バルブ検査を実行し、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されていないときには前記バルブ検査を実行しないバルブ検査実行手段と、を備える内燃機関装置と、動力を入出力する発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、前記発電機および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、を備えることを要旨とする。
【0011】
この本発明の車両では、上述のいずれかの態様の本発明の内燃機関装置を搭載するから、本発明の内燃機関装置が奏する効果、例えば、バルブ検査をより適正に行なうことができる効果などと同様の効果を奏することができる。
【0012】
本発明のバルブ検査の実行方法は、
内燃機関と、前記内燃機関の排気の吸気系への供給量を調整するバルブを有し該バルブを開いて前記排気を前記吸気系に供給する排気供給手段と、前記内燃機関をアイドル運転する際の制御量であるアイドル制御量を学習するアイドル制御量学習が完了したことを学習履歴として記憶すると共に所定の消去条件が成立したときに前記学習履歴を消去する学習履歴記憶手段と、を備える内燃機関装置における前記排気供給手段のバルブの正常動作を検査するバルブ検査の実行方法であって、
前記吸気系における吸入空気の圧力である吸気圧に基づいて前記排気供給手段のバルブの正常動作を検査するバルブ検査を実行するための所定のバルブ検査実行条件が成立したとき、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されているときには前記バルブ検査を実行し、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されていないときには前記バルブ検査を実行しない
ことを特徴とする。
【0013】
この本発明のバルブ検査の実行方法では、内燃機関の吸気系における吸入空気の圧力である吸気圧に基づいて排気供給手段のバルブの正常動作を検査するバルブ検査を実行するための所定のバルブ検査実行条件が成立したとき、内燃機関をアイドル運転する際の制御量であるアイドル制御量を学習するアイドル制御量学習が完了したことが学習履歴として記憶されているときにはバルブ検査を実行し、学習履歴が記憶されていないときにはバルブ検査を実行しない。学習履歴が記憶されていないときにはバルブ検査を実行しないから、アイドル制御量学習が完了していない状態でバルブ検査が実行されることにより生じる不都合を回避することができる。すなわち、アイドル制御量学習が完了した状態でバルブ検査を実行するから、バルブ検査をより適正に行なうことができる。ここで、「アイドル制御量」は、前記内燃機関をアイドル運転する際のスロットル開度であるものとすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の一実施例である内燃機関装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介してキャリア34が接続された遊星歯車機構30と、遊星歯車機構30のサンギヤ31に回転子が接続された発電可能なモータMG1と、ギヤ機構60,デファレンシャルギヤ62を介して車両の駆動輪63a,63bに接続されると共に遊星歯車機構30のリングギヤ32に接続されたリングギヤ軸32aに減速ギヤ35を介して回転子が接続されたモータMG2と、インバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやり取りするバッテリ50と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。なお、モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されており、モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号など入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号を出力している。また、モータECU40は、必要に応じてモータMG1,MG2の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。さらに、バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されており、バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
【0016】
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、排気バルブ129を開くことにより一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)134aを有する浄化装置134を介して外気へ排出される共にEGRシステム160を介して吸気側に供給される。EGRシステム160は、浄化装置134の後段に接続されて排気を吸気側のサージタンクに供給するためのEGR管162と、EGR管162に配置されステッピングモータ163により駆動されるEGRバルブ164とを備え、EGRバルブ164の開度の調節により、不燃焼ガスとしての排気を供給量を調整して吸気側に供給する。エンジン22は、こうして空気と排気とガソリンとの混合気を燃焼室に吸引することができるようになっている。
【0017】
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により制御されている。エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Tw,燃焼室内に取り付けられた図示しない圧力センサからの筒内圧力,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブ129を開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットルポジション,吸気管に取り付けられて吸入空気の質量流量を検出するエアフローメータ148からの吸入空気量GA,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,吸気管内の圧力を検出する吸気圧センサ158からの吸気圧Pin,空燃比センサ135aからの空燃比,酸素センサ135bからの酸素信号などが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号,EGRバルブ164の開度を調節するステッピングモータ163への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、エンジン22の冷却水温Twが所定温度(例えば、75℃や80℃,85℃など)以上となる条件やエンジン22がアイドル運転されている条件などの学習条件が成立したときに、エンジン22の回転数Neをアイドル回転数Nidl(例えば、900rpmや1000rpmなど)にするのに必要なスロットルバルブ124の開度や燃料噴射弁126からの燃料噴射量,点火プラグ130による点火タイミングなどのアイドル運転する際の制御量(以下、アイドル制御量という)を学習するアイドル学習を実行し、その学習値をRAM24cに記憶して次回以降のエンジン22のアイドル運転時の制御に用いている。また、エンジンECU24は、こうしたアイドル学習が完了しているか否かの情報(以下、アイドル学習履歴という)もRAM24cに記憶している。記憶された学習値やアイドル学習履歴は、イグニッションオフによっては消去されないが、バッテリ50の取り外しやエンジン22の点検によりエンジンECU24への電力供給が停止されたときなどには消去され、一旦学習値やアイドル学習履歴が消去されると、エンジンECU24は次にアイドル学習を完了するまでROM24bに記憶されている初期値をエンジン22のアイドル運転時の制御に用いている。さらに、エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
【0018】
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
【0019】
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが遊星歯車機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が遊星歯車機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
【0020】
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20に搭載された内燃機関装置の動作、特にEGRバルブ164を検査する際の動作について説明する。ここで、実施例の内燃機関装置としては、主としてエンジン22とEGRシステム160とエンジンECU24とが相当する。図3はエンジンECU24により実行される検査条件成立時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。検査条件成立時制御ルーチンは、アクセルオフされると共にEGRバルブ164が全閉されてからEGRバルブ164の検査を実行するためのバルブ検査実行条件が成立したときに実行される。ここで、バルブ検査実行条件は、アクセルオフされてエンジン22に燃料噴射を停止してから所定時間(例えば、0.8秒や1.0秒,1.2秒など)が経過していることや吸入空気変化量がエンジン22の吸入空気量が安定した状態と判断することができる閾値未満の状態でその吸入空気量が安定している状態を継続していると判断することができる所定時間(例えば、0.8秒や1.0秒,1.2秒など)が経過していること,アクセルオフされてEGRバルブ164が全閉されてから吸気管内の圧力が安定するのに必要な所定時間(例えば、0.8秒や1.0秒,1.2秒など)が経過していること,水温センサ142からのエンジン22の冷却水温Twがエンジン22の暖機が完了した状態を示す所定温度(例えば、65℃や70℃,75℃など)以上であること,エンジン22の回転数Neの変化量が所定変化量未満であることのすべてが満たされたときに成立するものとした。
【0021】
検査条件成立時制御ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、RAM24cにアイドル学習履歴が記憶されているか否かを調べ(ステップS100)、アイドル学習履歴が記憶されているときには、スロットルバルブ124の開度がRAM24cに記憶されている学習値である学習開度THidlになるようスロットルモータ136を駆動すると共に(ステップS110)図4のEGRバルブ検査ルーチンを実行してEGRバルブ164の検査を行なって(ステップS120)、検査条件成立時制御ルーチンを終了する。ここで、EGRバルブ164の検査について説明する。
【0022】
図4は、EGRバルブ検査ルーチンの一例を示すフローチャートである。図4のEGRバルブ検査ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、吸気圧センサ158から吸気圧Pinを入力してRAM24cの所定領域に開始閉じ時吸気圧Pstaとして記憶する処理を実行する(ステップS200)。続いて、EGRバルブ164の開度が所定開度EBref(例えば、80度や全開に相当する開度など)になるようステッピングモータ163を駆動し(ステップS210)、こうしてステッピングモータ163を駆動してからエンジン22の吸気管内の圧力が安定するのに必要な時間として実験などにより定められた所定時間t1(例えば、1秒や1.2秒,1.4秒など)が経過するのを待って(ステップS220)、吸気圧センサ158から吸気圧Pinを入力してRAM24cの所定領域に開き時吸気圧Popnとして記憶する(ステップS230)。本ルーチンの実行を開始するときには、EGRバルブ164は全閉されているため、ステップS210の処理はEGRバルブ164の開度を値0から所定開度EBrefまで開く処理になる。次に、EGRバルブ164が全閉されるようステッピングモータ163を駆動し(ステップS240)、こうしてステッピングモータ163を駆動してからエンジン22の吸気管内の圧力が安定するのに必要な時間として実験などにより定められた所定時間t2(例えば、1秒や1.2秒,1.4秒など)が経過するのを待って(ステップS250)、吸気圧センサ158からの吸気圧Pinを入力してRAM24cの所定領域に終了閉じ時吸気圧Pendとして記憶し(ステップS260)、記憶した開始閉じ時吸気圧Pstaと開き時吸気圧Popnと終了閉じ時吸気圧Pendとに基づいて次式(1)により判定値Pdecを計算する(ステップS270)。そして、計算した判定値Pdecが閾値Prefより大きいときにはEGRバルブ164は正常に作動すると判定し(ステップS280,290)、計算した判定値Pdecが閾値Pref以下のときにはEGRバルブ164は正常に作動しない異常と判定して(ステップS280,300)、EGRバルブ検査ルーチンを終了する。ここで、閾値Prefは、EGRバルブ164が開いた状態から閉じなくなる開固着や閉じた状態から開かなくなる閉固着,ステッピングモータ163の故障などの異常を判定するためのものであり、予め実験などにより求めたものを用いるものとした。このように、EGRバルブ164を開閉したときの吸気圧Pinを用いることにより、EGRバルブ164の正常動作を検査することができる。以上、EGRバルブ164の検査について説明した。このように、アイドル学習履歴が記憶されているときには、スロットルバルブ124の開度をRAM24cに記憶されている学習値である学習開度THidlにした状態でEGRバルブ164の検査を実行することができる。
【0023】
Pdec=Popn-(Psta+Pend)/2 (1)
【0024】
バッテリ50を取り外したりエンジン22を点検した直後などアイドル制御量の学習が完了しておらずアイドル学習履歴が記憶されていないときには(ステップS100)、スロットルバルブ124の開度がエンジン22を安定してアイドル運転できる開度として予め実験などにより定められた初期開度THinitになるようスロットルモータ136を駆動して(ステップS130)、EGRバルブ164の検査を実行せずに検査条件成立時制御ルーチンを終了する。ここで、初期開度THinitは、実施例では、エンジン22のアイドル学習が完了していない状態でもエンジン22を安定して運転できるようエンジンストールの抑制やエンジン22の始動性を考慮して、アイドル学習が完了したときにアイドル制御量として設定されると想定される開度より大きな開度として設定するものとした。上述したように、アイドル学習履歴が記憶されていないときにEGRバルブ164の検査を実行しないのは、以下の理由に基づく。アイドル学習履歴が記憶されていないときはスロットルバルブ124の開度が比較的大きな初期開度THinitに設定されるため、エンジン22の吸入空気量がアイドル学習履歴が記憶されているときより大きくなり、アイドル学習履歴が記憶されているときより吸気管内の負圧が小さくなる(圧力が大気圧に近くなる)。EGRバルブ164の検査は、上述したようにEGRバルブ164を開閉したときに検出される吸気圧Pinを用いて行なわれるが、吸気管の負圧が小さくなると、EGRバルブ164を開閉したときの吸気圧Pinの変動が小さくなり、アイドル学習履歴が記憶されているときよりEGRバルブ164の正常動作を誤判定しやすくなる。こうした誤判定を回避するために、アイドル学習履歴が記憶されていないときにEGRバルブ164の検査を実行しないのである。このように、アイドル学習履歴が記憶されていないときにEGRバルブ164の検査を実行しないから、アイドル学習履歴が記憶されていないことによる不都合を回避することができ、EGRバルブ164の正常動作をより適正に検査することができる。
【0025】
以上説明した実施例のハイブリッド自動車によれば、RAM24cにアイドル学習履歴が記憶されているときにはEGRバルブ164の検査を実行し、RAM24cにアイドル学習履歴が記憶されていないときにはEGRバルブ164の検査を実行しないから、アイドル制御量の学習が完了していない状態でEGRバルブ164の検査が実行されることにより生じる不都合を回避することができ、すなわち、アイドル制御量学習が完了した状態でバルブ検査を実行するから、バルブ検査をより適正に行なうことができる。また、RAM24cにアイドル学習履歴が記憶されているときにはEGRバルブ164のバルブを閉じた状態での吸気圧PstaとEGRバルブ164を閉じた状態からのEGRバルブ164の開動作後に所定時間t1が経過したときの吸気圧opnと所定時間t1が経過してからのEGRバルブ164の閉動作後に所定時間t2が経過したときの吸気圧endとに基づいてEGRバルブ164が正常に作動するか否かを判定することによりEGRバルブ164のバルブ検査を実行するから、バルブ検査をより適正に行なうことができる。
【0026】
実施例のハイブリッド自動車20では、EGRバルブ検査の実行を開始したときにEGRバルブ164が全閉された状態での吸気圧センサ158からの吸気圧Pinである開始閉じ時吸気圧PstaとEGRバルブ164の開度が所定開度EBrefになるようステッピングモータ163を駆動してから所定時間t1が経過したときの吸気圧Pinである開き時吸気圧PopnとEGRバルブ164が全閉されるようステッピングモータ163を駆動してから所定時間t2が経過したときの吸気圧Pinである終了閉じ時吸気圧Pendとに基づいてEGRバルブ164が正常に作動するか否かを判定するものとしたが、吸気圧センサ158からの吸気圧Pinに基づいてEGRバルブ検査を実行するものであればよく、例えば、開き時吸気圧Popnと開始閉じ時吸気圧Pstaとだけを用いてこれらの差分が閾値以上か閾値未満かによりEGRバルブ164が正常に作動するか否かを判定したり、開き時吸気圧Popnと終了閉じ時吸気圧Pendとだけを用いてこれらの差分が閾値以上か閾値未満かによりEGRバルブ164が正常に作動するか否かを判定するものとしてもよい。
【0027】
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図5の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図5における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
【0028】
実施例では、エンジンからの動力とモータからの動力とを用いて走行するハイブリッド自動車について説明したが、エンジンからの動力だけを用いて走行する自動車に適用するものとしてもよい。
【0029】
また、主としてエンジン22とEGRシステム160とエンジンECU24とを備える内燃機関装置を備えるものであれば、実施例と同様の制御を行なうことができるから、自動車や車両、船舶、航空機などの移動体などに搭載される内燃機関装置の形態や、建設設備などの移動しないものに組み込まれる内燃機関装置の形態としてもよい。また、こうした内燃機関装置における排気供給装置の排気の吸気系への供給量を調整するバルブの正常動作を検査するバルブ検査の実行方法の形態としてもよい。
【0030】
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、EGRシステム160が「排気供給手段」に相当し、吸気圧センサ158が「吸気圧検出手段」に相当し、アイドル制御量の学習が完了したことをアイドル学習履歴として記憶すると共にエンジンECU24への電力供給が停止されたときに学習記憶が消去されるRAM24cが「学習履歴記憶手段」に相当し、吸気圧Pinに基づいてEGRバルブ164実行するための実行条件が成立したとき、RAM24cにアイドル学習履歴が記憶されているときにはEGRバルブ164の検査を実行する図3の検査条件成立時制御ルーチンのステップS100〜ステップS120の処理や図4のEGRバルブ検査ルーチンを実行したり、RAM24cにアイドル学習履歴が記憶されていないときにはバルブ検査を実行しない図3の検査条件成立時制御ルーチンのステップS100,S130の処理を実行するエンジンECU24が「バルブ検査実行手段」に相当する。また、モータMG1が「発電機」に相当し、遊星歯車機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当する。
【0031】
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「排気供給手段」としては、EGRシステム160に限定されるものではなく、内燃機関の排気の吸気系への供給量を調整するバルブを有し、バルブを開いて排気を吸気系に供給するものであれば如何なるものとしても構わない。「吸気圧検出手段」としては、吸気圧センサ158に限定されるものではなく、吸気系における吸入空気の圧力である吸気圧を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。学習履歴記憶手段としては、RAM24cに限定されるものではなく、内燃機関をアイドル運転する際の制御量であるアイドル制御量を学習するアイドル制御量学習が完了したことを学習履歴として記憶すると共に所定の消去条件が成立したときに学習履歴を消去するものであれば如何なるものとしても構わない。「バルブ検査実行手段」としては、単一の電子制御ユニットによるものに限定されるものではなく、複数の電子制御ユニットにより構成されるものとしてもよい。また、「バルブ検査実行手段」としては、吸気圧Pinに基づいてEGRバルブ164実行するための実行条件が成立したとき、RAM24cにアイドル学習履歴が記憶されているときにはEGRバルブ164の検査を実行し、RAM24cにアイドル学習履歴が記憶されていないときにはバルブ検査を実行しないものに限定されるものではなく、検出された吸気圧に基づいて排気供給手段のバルブの正常動作を検査するバルブ検査を実行するための所定のバルブ検査実行条件が成立したとき、学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されているときにはバルブ検査を実行し、学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されていないときにはバルブ検査を実行しないものであれば如何なるものとしても構わない。また、「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力するものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の遊星歯車機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせたものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる差動作用を有するものなど、車軸に連結された駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され、3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力するものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機および電動機と電力のやり取りするものであれば如何なるものとしても構わない。
【0032】
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
【0033】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、内燃機関装置や車両の製造産業などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施例である内燃機関装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。
【図2】エンジン22の構成の概略を示す構成図である。
【図3】実施例のエンジンECU24により実行される検査条件成立時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】実施例のエンジンECU24により実行されるEGRバルブ検査ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図5】変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
【符号の説明】
【0036】
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 遊星歯車機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、129 排気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、143 圧力センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、158 吸気圧センサ、160 EGRシステム、162 EGR管、163 ステッピングモータ、164 EGRバルブ、MG1,MG2 モータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と、
前記内燃機関の排気の吸気系への供給量を調整するバルブを有し、該バルブを開いて前記排気を前記吸気系に供給する排気供給手段と、
前記吸気系における吸入空気の圧力である吸気圧を検出する吸気圧検出手段と、
前記内燃機関をアイドル運転する際の制御量であるアイドル制御量を学習するアイドル制御量学習が完了したことを学習履歴として記憶すると共に所定の消去条件が成立したときに前記学習履歴を消去する学習履歴記憶手段と、
前記検出された吸気圧に基づいて前記排気供給手段のバルブの正常動作を検査するバルブ検査を実行するための所定のバルブ検査実行条件が成立したとき、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されているときには前記バルブ検査を実行し、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されていないときには前記バルブ検査を実行しないバルブ検査実行手段と、
を備える内燃機関装置。
【請求項2】
請求項1記載の内燃機関装置であって、
前記アイドル制御量は、前記内燃機関をアイドル運転する際のアイドルスロットル開度である
内燃機関装置。
【請求項3】
請求項2記載の内燃機関装置であって、
前記バルブ検査実行手段は、前記所定のバルブ検査実行条件が成立したとき、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されているときには前記内燃機関のスロットル開度を前記アイドル制御量学習により学習されたアイドルスロットル開度にした状態で前記バルブ検査を実行し、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されていないときには前記バルブ検査を実行せずに前記内燃機関のスロットル開度を予め定めた所定のスロットル開度とする手段である
内燃機関装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の内燃機関装置であって、
前記バルブ検査実行手段は、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されているときには前記排気供給手段のバルブを閉じた状態での前記検出された吸気圧と該バルブを閉じた状態から該バルブを開けた状態にしてから第1の所定時間が経過したときの前記検出された吸気圧と該第1の所定時間が経過してから該バルブを閉じた状態にしてから第2の所定時間が経過したときの前記検出された吸気圧とに基づいて前記排気供給手段のバルブが正常に作動するか否かを判定することにより前記バルブ検査を実行する手段である
内燃機関装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つの請求項に記載の内燃機関装置と、
動力を入出力する発電機と、
車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され、該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、
前記駆動軸に動力を入出力する電動機と、
前記発電機および前記電動機と電力をやり取りする蓄電手段と、
を備える車両。
【請求項6】
内燃機関と、前記内燃機関の排気の吸気系への供給量を調整するバルブを有し該バルブを開いて前記排気を前記吸気系に供給する排気供給手段と、前記内燃機関をアイドル運転する際の制御量であるアイドル制御量を学習するアイドル制御量学習が完了したことを学習履歴として記憶すると共に所定の消去条件が成立したときに前記学習履歴を消去する学習履歴記憶手段と、を備える内燃機関装置における前記排気供給手段のバルブの正常動作を検査するバルブ検査の実行方法であって、
前記吸気系における吸入空気の圧力である吸気圧に基づいて前記排気供給手段のバルブの正常動作を検査するバルブ検査を実行するための所定のバルブ検査実行条件が成立したとき、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されているときには前記バルブ検査を実行し、前記学習履歴記憶手段により学習履歴が記憶されていないときには前記バルブ検査を実行しない
ことを特徴とするバルブ検査の実行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−90865(P2010−90865A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264316(P2008−264316)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】