円板状の工作物のための搬送装置
円板状の工作物(2,3,4,5,7)のための搬送装置は、水平方向へ可動の搬送アームおよび工作物を載せるためにこれに配置された2つの長尺状の支持部材(26,27)と、工作物(7)を収容するために2つの向かい合う側に櫛形構造部(18)を有するカセット(20)とを含んでおり、前記支持部材(26,27)と前記櫛形構造部(18)は、工作物(7)を垂直方向に持ち上げたり置いたりするために、工作物が置かれている場合に2つの隣接する櫛(19)の間へ該支持部材を接触させずに挿入することができるように構成されており、前記支持部材(26,27)は、カセットへ係合するときに実質的にそれぞれ前記櫛形構造部と隣接して平行に櫛に沿って位置決めされるように配置されており(18)、当該領域には工作物検出(7)およびその位置のための走査ビーム(35)が設けられており、前記走査ビーム(35)は前記カセット(20)に対して相対的に高さに関して位置決め可能であり、前記走査ビーム(35)は水平方向の工作物平面に対して小さい角度(34)だけ傾いた状態で案内されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載されている、円板状の工作物のための、特に半導体ウェーハのための搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
真空プロセス設備では、ウェーハとも呼ばれる円形の平坦な基板ないし工作物が、完全自動化された真空プロセスシステムで表面処理され、たとえばコーティングされ、エッチングされ、洗浄され、熱処理される。その場合、このような種類のプロセスを自動化し、多段階のプロセスを異なる設備領域で行えるようにするために、一種のハンドリングロボットである自動式の搬送システムが利用される。このような種類のプロセスにおいて、特に半導体ウェーハの取扱は、たとえば特に高い清浄性、高い精度、基板の慎重な取扱など、非常に高い取扱の品質を必要とする。上述した高い要求事項があるために、このような種類の設備はエアロック室を有しているのが好ましく、そこでウェーハは大気の環境から真空室へと移され、次いで1つのプロセスステーションへ、または、通常は複数のプロセスステーションへ順次移されて、要求される表面加工を行えるようにする。このときウェーハは、搬送装置によって水平方向の搬送平面でエアロック室からプロセス室へと移され、ウェーハがプロセス室に置かれた後、プロセス室は、そこで要求される真空条件とプロセス条件のもとでプロセスを行えるようにするために閉鎖されるのが普通である。複数のプロセスステップが必要とされる場合にも、これと同様のやり方で、ウェーハが1つのプロセス室から再び運び出され、次のプロセスステップのために別のプロセス室へと搬送される。このとき、格別に好ましい設備の型式はいわゆるクラスタシステムである。このような種類のシステムでは、エアロック室と1つのプロセス室ないし複数の室が、実質的に中央にある搬送室を取り囲む周辺部に配置されている。1つを超える数のエアロック室がある場合、および特に複数のプロセス室がある場合、これらの室は中央に位置する搬送室の回りに一種の星形の配置で配置される。そして搬送装置は、中央に位置するこの搬送室にあり、一方では、少なくとも1つのエアロック室へアクセス可能であるとともに、他方ではプロセス室へアクセス可能である。搬送室とそれ以外の室の間には、エアロック工程のときに、ないしプロセスステップのときに、それぞれの室を相互に隔絶できるようにするために、いわゆるエアロックバルブが配置されるのが通常であり、好ましい。そしてウェーハの搬送工程のときには、ウェーハを所望の位置に置くために、開いたエアロックゲートを搬送装置が相応に通り抜ける。
【0003】
搬送装置はウェーハを1つの平面で並進的に動かし、すなわち2つの運動方向へ動かす。中央の搬送室に配置された搬送装置を備える、前述した好ましいクラスタシステムでは、搬送装置は回転中心を中心として回転し、それによって回転運動方向を形成するとともに、この回転中心に対して半径方向へ、この回転中心から離れたり近づいたりするように別の第2の並進運動を行うことができる装置として構成されているのが普通である。そしてこのような搬送装置の上に、たとえば水平面で回転可能で長さに関して調節可能なアームメカニズムの上に、搬送されるべきウェーハが当該アームの端部領域に載せられる。そしてこのような種類の構造は、たとえば1mまたはそれ以上のオーダーの長い経路距離にわたってウェーハをエアロック室から搬送室へ、そこからさらにプロセス室へと容易に搬送して出し入れし、相応の開いたエアロックゲートを通り抜けることができる。ウェーハは、搬送サイクルの開始時には大気のもとで搬送装置の上に可能な限り正確に、かつ必ず同一の位置に載せられ、それにより、その後も事前設定された位置へとウェーハを正確に搬送することができる。しかし、搬送装置へのウェーハの載置だけでなく、搬送装置それ自体にも一定の不正確さないし許容誤差はついてまわる。搬送装置上でのウェーハ位置のさらなる不正確さないし変位が、プロセス室内での作用によって、プロセスステーション
でも起こる可能性がある。
【0004】
円板状の工作物の取扱にあたっての1つの特別な問題は、工作物が直径に比べて非常に薄く、それに応じて著しく撓むような場合に生じる。それはすなわち、特にたとえば厚さが10分の数ミリメートル、特に0.07から0.3mmで、直径が100mmから300mmの半導体ウェーハの場合である。このとき撓みは、載置の形式に応じて、10分の数ミリメートルから数ミリメートルの範囲内であり得る。するとこうした撓みは、特に曲がりの大きさがさまざまに異なっている可能性があるために、搬送構造内部での正確な取扱や位置決めを著しく困難にする。ここで特別に問題となるのは、カセットから所望の位置への、たとえばプロセスステーションや真空設備のチャンバへの、半導体ディスクの取扱ないし移し替えである。このような種類の設備では、半導体ウェーハは、カセットとして構成されたマガジンの中で水平方向に置かれており、コンパクトな空間で中間保管するために取り出される。このとき、著しく撓むウェーハの場合には、取扱精度や希望される構造のコンパクト性に関して、および取扱の安全性に関して特別な難点が生じる。
【0005】
欧州特許出願公開第0696242B2号明細書より、高さに関して調節可能、かつその軸を中心として回転する、水平面に繰出し可能な支持アームないし支持部材を備えるハンドリングロボットによって、円形の半導体ディスクである円板状の工作物を取り上げて、または載せて、別の位置へと移すことを可能にする、半導体ウェーハの搬送装置が公知となっている。それにより、たとえば工作物を搬送アームによってカセットから取り出して別の位置へ搬送することができ、そこで工作物がたとえば加工される。真空プロセス設備の場合、大気から設備で入れるときであれ、設備内部で異なるチャンバの間で動かすときであれ、エアロックを通じて工作物を出し入れしなくてはならない。この目的のために、ロボットの前述した搬送アームは必要に応じて、かつ制御下で、工作物の的確な搬送を行うために相応のエアロックゲートを通り抜ける。このとき、設備のコンセプトに応じて工作物の中間保管をするために、狭いスペースに複数の工作物を収容することができる、設備の外部および/または設備の内部で使用されるカセットが用いられる。上記の特許文献で紹介されている構造は、このような種類の搬送装置の具体化を可能にするものである。この公知の搬送装置では、工作物が定義されたとおりに平坦なまま保たれ、また寸法に関しても定義されていることが前提となっている。取扱だけでなく、相応の電子式または光学式のセンサによる基板検出も、このような前提条件から出発している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、著しく撓む、面積が広くて薄い工作物の場合、このような装置では甚大な問題が発生し、そのための解決法は記載されていない。そのようなケースでは、この種の搬送装置は相応に機能面でその限界付近で稼動し、このことは、このような種類の設備の動作確実性を低下させる。
【0007】
本発明の課題は、従来技術の前述した欠点を取り除くことにある。特に課題は、特にできるだけ工作物の不具合なしに高い精度と信頼度を可能にする、薄くて撓みやすい円板状の工作物、特に半導体ディスクを搬送する装置および方法を具体化し、それによって生産プロセスの高い経済性を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は本発明によると、請求項1に記載された工作物の搬送装置によって解決され、また請求項12に記載された方法によって解決される。従属請求項はその他の好ましい実施形態を定義している。
【0009】
本発明によると、解決法の要諦は、自然な形状になるまでの平坦な工作物の撓みが許容
され、このような工作物の変形についての工作物の検出と取扱が考慮され、搬送プロセスの開始時に明確に定義されている位置ないし場所を基準としてアライメントされて、全プロセスにわたってこれが遵守されることにある。プロセス設備での工作物の初期位置を基準とし、プロセス設備の関与する装置のせいで機械的および電気的に生じる許容範囲とその限度を考慮したうえで、すべての取扱部材および検出部材が工作物に集約されている。このときプロセス設備は、この明確に定義されたゾーンの範囲内に位置していないすべての領域が、搬送プロセスないし取扱プロセスの機能または信頼度に対して有意な影響を及ぼし得ないように具体化される。
【0010】
本発明は、円板状の工作物のための、特に半導体ウェーハのための搬送装置を含んでおり、制御下で水平方向へ可動の搬送アームを備えており、その一方の端部には工作物を実質的に水平に載せるために2つの長尺状の支持部材が間隔をおいて配置されており、複数の工作物を実質的に水平に収容するために2つの向かい合う側に櫛形構造部を有するカセットが設けられており、支持部材と櫛形構造部は、カセットおよび搬送アームに対して相対的に追加の垂直方向運動によって工作物を持ち上げたり置いたりするために、場合により工作物が載置されている櫛形構造部の2つの隣接する間隔をおいた櫛の間へ該支持部材を接触させずに挿入することができるように構成されており、支持部材は、カセットへ係合するときに実質的にそれぞれ櫛形構造部と隣接して平行に櫛に沿って位置決めされされるように配置されており、当該領域では2つの隣接する櫛平面に沿ってその間でカセットの片側および/または両側に工作物とその位置を検出するための走査ビームが設けられており、走査ビームはカセットに対して相対的に高さに関して位置決め可能であり、走査ビームは水平方向の工作物平面に対して小さい角度だけ傾いた状態で案内されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、一例として模式的な図面を用いて本発明を説明する。
円板状の工作物、特にシリコンおよび/またはゲルマニウムからなる半導体ウェーハを表面加工するための完全自動式の真空プロセス設備は、これをロボット装置で正確に搬送しなければならない。1つの位置から別の位置へのこのような工作物の搬送は、正確に再現可能に、かつ工作物の損傷なしに行わなくてはならない。そのために複数の工作物7がカセット20の中に積まれたり、これから取り出されたりし、それによってたとえば大気から真空へとエアロックを通過して搬送し、次いで加工することができる。1つのプロセスステーションでの加工の後に、たとえば工作物のコーティングやエッチングの後に、工作物はハンドリングロボットによって再びエアロックを通ってカセットの中へ案内される。真空プロセス設備は、1つまたは複数のハンドリングロボットを装備する複数のプロセスステーションを有することもできる。このような種類のプロセス設備では、平坦な円板状の工作物7は水平方向へ搬送されるのが普通である。そのために、自らの軸66,67を中心として回転することができ、搬送アーム61,60を有するハンドリングロボットが使用され、搬送アームは回転軸66,67に対して横方向へ水平に繰出すことができ、それによって工作物7をこれらの軸に対して横方向に搬送することができ、その様子は図10aに模式的に平面図として示されている。工作物の取り上げや積み置きは、支持部材26,27が工作物7の下に移動し、次いで、カセット20または架台62,42,54の垂直方向の相対運動で、相対運動によって持ち上げられたり載せられたりすることによって行われる。この相対運動は、カセットまたは架台が相応に垂直方向へ動くことによって生起されるか、または、好ましくはハンドリングロボットが相応に垂直方向へ動くことによって生起される。この工程は非常に正確に行われなくてはならず、可動部材に引きずり運動ないし摩擦運動が生じてはならず、このような運動は望ましくない摩耗や粒子形成につながることになり、繊細な真空プロセスに不都合な影響を与えるとともに、生産のときに廃棄品の発生につながることになる。これに加えて、面積が広くて薄い円板状の工作物7を加工することになっていて搬送されなくてはならない場合には、状況が困難になる。このような種類の工作物は著しい撓みないし反りを有する可能性があり、そのために、
搬送メカニズムの信頼度の高い機能が損なわれかねないからである。半導体製造における経済性をいっそう高めるために、今日、直径の大きい工作物ディスクが用いられることが増えてきており、このような工作物はさらにいっそう薄くなりつつあり、それによって撓みの問題も大きくなっている。現在、厚みが0.07mmから約0.6mm、直径が100mmから300mmのディスク直径が採用されている。その結果、比率に応じて10分の数mmの範囲の撓み、あるいは数mmにも及ぶ場合さえある撓みが生じる。
【0012】
工作物7を載置するために、図1に模式的に示すように、支持部材26,27を構成する2つの線状の載置部1が設けられているのが好ましい。線状の載置部1は実質的に互いに平行に向いており、かつ互いに間隔をおいており、円板状の工作物7が縁部領域において両側で載置線6に沿って載置部1の上で支持されるようになっている。この両方の載置部1は、棒形をした支持部材26,27として構成されているのが好ましい。図1では工作物として、さまざまな種類の考えられる撓みをもつ半導体ウェーハが図示されている。比較的厚みのあるウェーハ2は実質的に撓みを有しておらず、載置部1の上に平坦に載っている。薄いウェーハは自重によって下方3に向かって撓んだり、内部張力によって上方4に撓んだりする可能性がある。通常、このような撓みは円筒形であるが、異なる方向を向いた複数の円筒形の組み合わせで構成されている場合もある。その場合、このような撓みの組み合わせは、鞍状の反りを有するウェーハの撓み断面形状5につながる。半導体ディスクを加工するための標準型真空プロセス設備では、半導体ディスクは、複数のウェーハを内蔵するカセットに挿入される。ウェーハは、このような種類のカセット20の中で、平行に案内されている支持部の上に縁部領域で載り、工作物の面が実質的に露出するようになっている。そのため、工作物の撓みがどの程度大きいかに関わりなく、支持領域の近傍で上に載っているウェーハのゾーンだけしか、垂直方向の位置に関して良好に定義されることがない。この位置は、ウェーハ7の周辺領域で2つの弦を形成する2本の載置線6によって特徴づけることができる。この載置線6から遠く離れているウェーハ面上の場所は、その垂直方向の位置に関して既知ではなく、ないしは定義されていない。
【0013】
取扱すなわちウェーハの支持と検出のために利用することができる、載置線6を中心とする領域を定義するには、図2aに断面図として示すように、垂直方向のシステム許容範囲8が決定的に重要である。そこで、上方9および下方10への工作物の考えられる最大の撓みに着目してみると、水平線とは異なる工作物表面の角度、すなわち載置部1に対する上昇角9と下降角10が求められ、その帰結として、工作物における両側での取扱ゾーン12,13を定義する、最大の取扱ゾーン幅11を定義することができる。このようにして、円板状の工作物の周辺領域に位置する、間隔をおいた2本の平行なストライプ状の取扱ゾーン12,13が仮想的に生じることになり、その様子は図2bに平面図として示されている。
【0014】
上に定義したような規則を、薄い工作物7のためのカセット20に適用してみると、工作物7の載置ゾーンは、工作物7の周辺部に近い2本の平行なゾーン12,13に限定されることが明らかであり、その様子は図3aに断面図として、および図3bに平面図としてそれぞれ示されている。SEMI規格に基づく通常のウェーハカセット20では、カセット20の内部領域へ突入する、工作物の両側にそれぞれ1つの追加の端部載置手段14,15が配置されている。内方に向かって突き出る、図3bに破線で示しているこのような種類の載置手段14,15は、本発明では使用することができない。カセットの中の工作物7の水平方向位置を制限ないし定義するには、載置部18,18’の間でカセットの内部領域に点状にのみ作用し、ないしは、載置部と取扱ゾーン12,13の領域で取扱ゾーンに沿って検出手段の通過作用を可能にするストッパ手段16,17を設けなくてはならない。したがってストッパ手段としては、細い棒状の部材16,7が好ましい。カセット20は両側に櫛形の構造部18,18’を有しており、これらの構造部は、周辺領域で円板状の工作物7を収容して支持することができるスリット状の構造を形成している。そ
れによりカセット20は、複数の工作物7を収容するための複数の収容スリットを備える構造を形成している。このとき重要なのは、隣接して挿入される工作物7が撓んでも接触しないよう防止するために、十分に広い櫛間距離19を櫛形構造部が有していることである。たとえば下方に向かって撓む工作物3と、平坦な工作物2とが使用されるとき、櫛間距離19は、下方を向いている工作物7の撓み3よりも広くなくてはならない。下方にも上方にも撓む工作物7が使用されるとき、櫛間間隔19は、最大限予想される上方および下方への撓みの合計よりも広くなくてはならない。
【0015】
工作物7を持ち上げて支持できるようにするために、ロボット支持アームの端部には支持部材21,22が配置されており、その上に工作物7が置かれる。水平方向に可動であるロボットの支持アームに支持部材支持体28が取り付けられており、間隔をおいて平行に配置された2つの長尺状の支持部材26,27がこの支持部材支持体に配置されており、この支持部材は棒状に構成されているのが好ましく、その様子は図5に平面図として示されている。図5には、円板状の工作物すなわち半導体ウェーハ7がどのように支持部材26,27の上に置かれるかが示されている。支持部材26,27の厚みは制限されており、すなわち、これら支持部材は以後の持ち上げ工程のために、またはカセットに工作物7が置かれた後に、カセットの中の隣接する2つの工作物7の間でこの工作物と接触することがないように十分に薄くなくてはならない。したがって支持部材26,27は棒状に構成されるのが好ましく、また、ハンドリング誤差を追加的に増やすことになる望ましくない曲げを生じることがないように、十分に剛性を有していなくてはならない。
【0016】
支持部材26,27は、工作物7を持ち上げて搬送するときに、円板状の工作物7の下面に直接当接する。その帰結として、取扱時に支持部材26,27がその内部で動かなくてはならないところの許容される帯状の取扱ゾーン24,25が、支持部材26,27を中心として定義される。支持部材26,27の寸法設定は、装填されたカセット20で空く寸法によって規定される。図4aには一例として、カセットのスリットに納まっている平坦なウェーハ2に比べて下方に向かって曲がったウェーハ3が、カセット20の中で図示されている。下方に向かって曲がったウェーハ3は、支持部材26,27によってカセットスリットから持ち上げられ、取り出されるべきものである。支持部材26,27の最大限許容される厚み21は、上に位置するウェーハと下に位置するウェーハ3,2の間で利用できる中間スペースに依存して、および、ウェーハをカセットの中へ、またはカセットの外へ動かすために必要とされるハンドリング許容差に依存して決まり、その様子は図4bに、クリティカルな縁部領域の詳細な断面図として示されている。櫛に近い領域では、隣接するウェーハ2,3の間の最大限可能な間隔は、実質的に櫛間距離19に相当しており、この櫛間距離の位置が、許容される取扱ゾーン幅23の外側位置を形成しており、また、許容される取扱ゾーン幅23の内側の限度は、櫛形構造部18から内方に向かってさらに若干間隔をおいており、支持部材26,27の直径21によって制限されるとともに、相互に接触することのないウェーハ2,3の撓みに左右される。これら両方の可能な位置から許容される取扱ゾーン幅23が求められ、この取扱ゾーン幅は、許容される取扱ゾーン24,25を規定するとともに、取扱ゾーン12,13の内部に位置していなくてはならず、その様子は図4bと図4cに図示されている。
【0017】
次に、カセット結像システムを構成するための定義について、図6aから図6dを参照しながら説明する。公知の結像システムでは、たとえば、読取りセンサ29と反射器30がウェーハ面と平行に、かつ向かい合うように、ウェーハの範囲外に配置された反射式のレーザシステムが使用される。読取りセンサ29は、同じくウェーハ表面と平行に延びて反射器30で読取りセンサ29へはね返されるレーザ走査ビーム31の源でもある。走査ビーム31と、読取りセンサ29と、反射器30とを備えるこのようなビーム構造は、公知の仕方で、ウェーハ平面の中心線の領域近くで案内される。そしてウェーハが走査ビーム31の領域で動くと、走査ビームが遮断されて位置が検出される。この公知の方式は、
0.6mmよりも厚い比較的厚みのある工作物ないし半導体ウェーハの場合に適用される。薄いウェーハについては、この方式が検出のために適用されると問題が生じる。ウェーハが走査ビーム31の直径よりも薄く、しかも、それにもかかわらず平坦であると、走査ビーム31がウェーハ2によって遮断されない。結像システムが、カセット20の装填されたスリットまたは装填されていないスリットを検出するべきである場合、高い信頼度でこれを検出することができない。なぜなら第1に、検出されたウェーハ2の中心領域が、上方4または下方3に向かって曲がったウェーハに属している可能性があるからであり、その様子は図6a、図6b、および図6cに断面図として模式的に示されている。
【0018】
この第1の問題を解決するために、本発明によると、読取りセンサ32とこれに付属する反射器33は薄いウェーハ用として、向かい合うようにウェーハ2,3,4の平面の範囲外に配置されるのがよく、これに加えて読取りセンサ32と反射器33は、ウェーハ平面の範囲外で若干オフセットされた状態で配置されるのがよく、それにより、走査ビーム35は平坦なウェーハ平面2に対して若干傾いた状態で案内され、その結果、0.5から2.0°の範囲内の好ましい傾き角34が生じることになる。
【0019】
走査ビーム35の小さな傾き角34は、走査ビーム35の方向でウェーハの投影を生成し、実在のウェーハが実際に有しているよりもはるかに大きな厚み36が現れるように、いわば光に浮かびあがる厚み36が現れるようになっている。
【0020】
撓曲可能な薄いウェーハ2,3,4用の走査ビーム35、および読取りセンサ32と反射器33は、ウェーハ周辺部の縁部領域に配置されており、すなわち、カセット20の櫛形構造部18,18’の領域に配置されている。したがって走査ビーム方向の視線方向では、公知のシステムの場合に普通であるような点状のビームが現れるのではなく、走査ビーム傾き角34の大きさに依存して、光に浮かびあがるウェーハ2,3,4の厚み36が現れ、その様子は図6cに詳細に断面図として示されている。このように走査ビーム34は、平坦なウェーハ2に加えて、相応に上方または下方に向かって撓んでいるウェーハ3,4も検出することができ、それによって第2の問題設定を解決することができる。この第2の問題を一義的に規定できるようにするために留意しなくてはならないのは、走査ビーム35が案内されるカセット20の櫛形構造部18,18’の領域近くでは、同一のスリット構造内部にある上方に向かって曲がったウェーハ4と下方に向かって曲がったウェーハ37の間の垂直方向の距離dが、傾いた走査ビーム35が設定する光に浮かびあがる厚み36よりも短いことである。本例の上方および下方に向かうウェーハ3,4の最大限可能な撓み度が既知であれば、最大の結像ゾーン幅38を規定することが可能である。仮に上方に向かって曲がったウェーハ4と下方に向かって曲がったウェーハ3が櫛形構造部18,18’の隣接するスリットに位置していれば当該ウェーハ3,4が交差することになるはずである櫛形構造部18,18’の先端部によって、1つの限度が生じる。すなわち、撓曲可能な薄いウェーハを高い信頼度で検出できるようにするには、2つの条件が守られなくてはならない。第1に、前述したように、傾いた走査ビーム35の領域で光に浮かびあがる厚み36は、仮に上方に向かって曲がったウェーハ4と下方に向かって曲がったウェーハ3がカセット20の同一のスリットに位置しているときに最大限可能なはずの当該ウェーハの間のレーザビーム領域における間隔dよりも、大きくなくてはならない。第2の条件として、実際に規定される取扱ゾーン幅39が測定システムにとって最大の結像ゾーン幅38の範囲内に位置していることが満たされていなくてはならない。こうして規定された取扱ゾーン幅39を基にして、カセット20の櫛形構造部18’,18近傍でウェーハの両側に位置する、両方の結像ゾーン40,41が得られる。その範囲内で走査ビーム35を案内することができ、その範囲外で線上に位置するように配置された読取りセンサ32および反射器33が設けられる。このようにして、結像ゾーン40,41の範囲内で各々の変形した薄いウェーハを、このゾーン内部の任意の個所で確実に検出することができる。
【0021】
ウェーハの取扱は、平坦な表面42の上にウェーハが位置決めされて置かれてから、プロセスステーションで加工されるという形で行われるのが通常であり、その様子は図7aに断面図として示されている。表面にウェーハを正確に置くことができる能力をシステムにもたせるために、当初の載置位置は、カセットの中でのように、ウェーハの取扱ゾーン12,13に関連づけられた載置部によって生成される。その生成または遵守のために、たとえばピンとも呼ばれる、ウェーハ3が上に位置するウェーハ載置ピン54が利用され、このウェーハ載置ピンは、架台42とウェーハ3の間の間隔が、支持部材26,27をその間に挿入するのを可能にするために十分に広くなるように働くものであり、その様子は図7aと図7bに示されている。ウェーハ載置ピン54は、この工程のために上へ移動するのが好ましく、それによってウェーハ3は、それが相応に薄い場合には架台42から持ち上げられて、さらには撓む。ウェーハ3の持ち上げを実現するために、ウェーハ架台42を垂直方向へ動かすこともでき、また、ウェーハと架台42の間に距離をつくるためにこれ以外の保持部材を、いわばウェーハ載置ピン54として利用することもできる。ウェーハ3を持ち上げたり架台の上に置いたりするために、ウェーハは、支持アーム26,27が引き込まれた状態のときには、搬送工程のための定義された取扱ゾーン12,13の領域でのみ載置されており、このとき支持アームは、ロボットアームに固定されている支持部材支持体28に保持され、その様子は図7bに平面図として半導体ウェーハ7の実施例を用いて図示されている。
【0022】
すべてのウェーハが中心軸に沿って、システムにより定義された取扱ゾーンと平行に曲がるわけではない。カセットの中のウェーハは、不都合なケースでは、載置線に対して垂直な円筒と平行に曲がるような形で曲がっている可能性もある。このような種類のウェーハが下方44または上方43に向かって曲がっており、カセット20の中に配置されているとき、その形状の実際の投影と定義は、先ほど説明したような投影とさほど異なってはいない。支持部材26,27の断面45の設定、およびその他のサイズは同一であると考えられ、システムの異なる構成にはつながらない。これに加えて支持部材26,27は、図8dの断面図に支持部材47を例にとって示すように、曲がったウェーハ46に合わせて適合化するために成形・構成することもできる。本例では、支持部材47はウェーハ46の周辺領域にそれぞれ1つの段部48を備えており、ウェーハ46が中央領域で下方に向かって撓むことができ、それによって希望する所定の形状に、好ましくは平坦な面に、適合化することができ、上述した考察を実質的にそのまま転用できるようになっている。縁部領域にさらに別の段部を設けるのも好ましく、それにより、ウェーハをそこで支持部材47に固定することができ、搬送中にウェーハが搬送運動で変位するのを防止する。前述した現象を抑制するために、大きい表面摩擦を生じさせる材料で支持部材47を製作し、もしくはそうした材料でコーティングするのも好ましい。
【0023】
ウェーハプロセス設備において、ウェーハ支持線方式が適用されない唯一の場所は、ウェーハが工作物マーキング7aに対して平坦な向きでアライメントされるウェーハ回転アライメントステーションである。このステーションに達したウェーハは、定義上、相応のマーキング7aに合わせてアライメントされていないのが普通である。このことは、載置軸がウェーハマーキング7aに対してランダムな方向に向いている意味している。このステーションの目的は、明確に定義された回転位置へとウェーハを移して、これをさらに加工することである。このことは、ウェーハを回転させなくてはならないことを意味している。この回転運動は、ウェーハの中心部を中心とする載置線の回転にもつながり、すなわち、アライメントの前と後では載置線がそれぞれ異なっている。このことを考慮に入れるために、ハンドリングされなくてはならないウェーハ領域が、ウェーハの高さおよび各々の回転位置に関して正確に定義されていることが重要である。これを実現するために、載置線ないし結像ゾーン40,41のできる限り近傍に位置する円形の支持部がウェーハのために具体化されるのが好ましい。そのために図9bに示すように、結像ゾーン40,4
1の位置での直径にきわめて近い直径をもつ円形の載置手段51を有する載置プレート50が使用される。ウェーハを支持する載置構造がアライメント52のために回転しても、取扱システムは、そのアライメントの後に依然としてウェーハを持ち上げることができる。ただ1つの円形の架台構造51は、ウェーハの円筒状の変形が生じる場合に格別によく適している。ウェーハを支持するために支持プレート50の上に半径方向に配置された架台構造53によってウェーハが支持される場合にも、これに類似する結果を得ることができ、その様子は図9aに示されている。このような構成は、工作物が全体として円筒状に曲がっていないときに有利に適用することができる。
【0024】
半導体ウェーハを加工するためのいくつかの真空プロセス設備では、工作物の取扱や搬送をするために、2つまたはそれ以上のロボットシステムが利用される。たとえば、第1のロボット60が大気に接する設備に、いわゆる半導体産業で呼ぶところのフロントエンドに位置決めされており、それによってウェーハがカセットから出入りするように搬送されるのが1つの重要な構成である。そのとき第2のロボット61は、真空プロセス設備すなわち真空環境の中で位置決めされて、ウェーハをプロセスステーションの中へ、およびプロセスステーションから外へ搬送する。ウェーハを大気からエアロックを通じて真空へ、およびこの逆に搬送し、そしてウェーハをロボット60から真空室の内部にあるロボット61へ搬送するために、2つのロボット60,61の間には基板引渡ステーション62が配置される。この基板引渡ステーションが、2つのロボット回転中心66,67を結んだ線上に配置されていないとき、第1のロボットシステムによって位置63に配置されたウェーハ7は、位置64を必要とするはずの第2のロボットシステムに対して正しい角度の向きを有しておらず、その様子は図10aと図10bに示されている。このような場合、基板引渡ステーション62は、2つの所要のウェーハ位置63,64の間の角度差の分だけウェーハを回転させることを可能にする手段65を備えていなくてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】半導体ウェーハのような円板状の工作物を示す平面図、およびさまざまな撓みの例を含むさまざまな断面図である。
【図2a】載置部の領域における最大限可能な撓みをもつ工作物である。
【図2b】定義された可能な載置領域すなわち取扱ゾーンとともに工作物を示す平面図である。
【図3a】カセットおよびその内部に置かれた部分的に曲がっている複数の工作物を示す断面図である。
【図3b】カセットを工作物とともに示す平面図である。
【図4a】図3aに準じてカセットを示す断面図である。
【図4b】一方の側に櫛形構造部を備えるカセットを、載置部の領域の工作物とともに示す詳細図である。
【図4c】生じている許容される取扱ゾーンとともに工作物を示す平面図である。
【図5】許容される取扱ゾーンの範囲内に載置された支持部材の上の載置部の図面とともに、工作物を示す平面図である。
【図6a】櫛形構造部に沿った走査ビームの図面とともに工作物を示す断面図である。
【図6b】カセットの中に置かれた、可能なさまざまな撓みをもつ工作物を示す断面図である。
【図6c】カセットの一方の側における載置領域での図6bの詳細図、および走査ビームを示す断面図である。
【図6d】工作物に対する走査ビームの結像ゾーンの図面とともに、カセットの中の工作物を示す平面図である。
【図7a】ピンの上に載置されて曲がった工作物を示す断面図である。
【図7b】工作物の下に案内される支持部材とともに図7aの工作物を示す平面図である。
【図8a】カセットの中に置かれた、反って曲がっている工作物を示す断面図である。
【図8b】図8aのカセットの櫛形構造部の領域で詳細を示す断面図である。
【図8c】支持部材の上に置かれた反りのある工作物を示す平面図である。
【図8d】反りのある工作物を成形された支持部材とともに示す断面図である。
【図9a】支持部材が半径方向に配置された、工作物のための支持プレートを示す平面図である。
【図9b】支持部材が円環状に配置された、工作物の別の支持プレートを示す平面図である。
【図10a】2つの搬送ロボットを備える搬送装置を示す平面図である。
【図10b】工作物をアライメントするための機構を示す平面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載されている、円板状の工作物のための、特に半導体ウェーハのための搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
真空プロセス設備では、ウェーハとも呼ばれる円形の平坦な基板ないし工作物が、完全自動化された真空プロセスシステムで表面処理され、たとえばコーティングされ、エッチングされ、洗浄され、熱処理される。その場合、このような種類のプロセスを自動化し、多段階のプロセスを異なる設備領域で行えるようにするために、一種のハンドリングロボットである自動式の搬送システムが利用される。このような種類のプロセスにおいて、特に半導体ウェーハの取扱は、たとえば特に高い清浄性、高い精度、基板の慎重な取扱など、非常に高い取扱の品質を必要とする。上述した高い要求事項があるために、このような種類の設備はエアロック室を有しているのが好ましく、そこでウェーハは大気の環境から真空室へと移され、次いで1つのプロセスステーションへ、または、通常は複数のプロセスステーションへ順次移されて、要求される表面加工を行えるようにする。このときウェーハは、搬送装置によって水平方向の搬送平面でエアロック室からプロセス室へと移され、ウェーハがプロセス室に置かれた後、プロセス室は、そこで要求される真空条件とプロセス条件のもとでプロセスを行えるようにするために閉鎖されるのが普通である。複数のプロセスステップが必要とされる場合にも、これと同様のやり方で、ウェーハが1つのプロセス室から再び運び出され、次のプロセスステップのために別のプロセス室へと搬送される。このとき、格別に好ましい設備の型式はいわゆるクラスタシステムである。このような種類のシステムでは、エアロック室と1つのプロセス室ないし複数の室が、実質的に中央にある搬送室を取り囲む周辺部に配置されている。1つを超える数のエアロック室がある場合、および特に複数のプロセス室がある場合、これらの室は中央に位置する搬送室の回りに一種の星形の配置で配置される。そして搬送装置は、中央に位置するこの搬送室にあり、一方では、少なくとも1つのエアロック室へアクセス可能であるとともに、他方ではプロセス室へアクセス可能である。搬送室とそれ以外の室の間には、エアロック工程のときに、ないしプロセスステップのときに、それぞれの室を相互に隔絶できるようにするために、いわゆるエアロックバルブが配置されるのが通常であり、好ましい。そしてウェーハの搬送工程のときには、ウェーハを所望の位置に置くために、開いたエアロックゲートを搬送装置が相応に通り抜ける。
【0003】
搬送装置はウェーハを1つの平面で並進的に動かし、すなわち2つの運動方向へ動かす。中央の搬送室に配置された搬送装置を備える、前述した好ましいクラスタシステムでは、搬送装置は回転中心を中心として回転し、それによって回転運動方向を形成するとともに、この回転中心に対して半径方向へ、この回転中心から離れたり近づいたりするように別の第2の並進運動を行うことができる装置として構成されているのが普通である。そしてこのような搬送装置の上に、たとえば水平面で回転可能で長さに関して調節可能なアームメカニズムの上に、搬送されるべきウェーハが当該アームの端部領域に載せられる。そしてこのような種類の構造は、たとえば1mまたはそれ以上のオーダーの長い経路距離にわたってウェーハをエアロック室から搬送室へ、そこからさらにプロセス室へと容易に搬送して出し入れし、相応の開いたエアロックゲートを通り抜けることができる。ウェーハは、搬送サイクルの開始時には大気のもとで搬送装置の上に可能な限り正確に、かつ必ず同一の位置に載せられ、それにより、その後も事前設定された位置へとウェーハを正確に搬送することができる。しかし、搬送装置へのウェーハの載置だけでなく、搬送装置それ自体にも一定の不正確さないし許容誤差はついてまわる。搬送装置上でのウェーハ位置のさらなる不正確さないし変位が、プロセス室内での作用によって、プロセスステーション
でも起こる可能性がある。
【0004】
円板状の工作物の取扱にあたっての1つの特別な問題は、工作物が直径に比べて非常に薄く、それに応じて著しく撓むような場合に生じる。それはすなわち、特にたとえば厚さが10分の数ミリメートル、特に0.07から0.3mmで、直径が100mmから300mmの半導体ウェーハの場合である。このとき撓みは、載置の形式に応じて、10分の数ミリメートルから数ミリメートルの範囲内であり得る。するとこうした撓みは、特に曲がりの大きさがさまざまに異なっている可能性があるために、搬送構造内部での正確な取扱や位置決めを著しく困難にする。ここで特別に問題となるのは、カセットから所望の位置への、たとえばプロセスステーションや真空設備のチャンバへの、半導体ディスクの取扱ないし移し替えである。このような種類の設備では、半導体ウェーハは、カセットとして構成されたマガジンの中で水平方向に置かれており、コンパクトな空間で中間保管するために取り出される。このとき、著しく撓むウェーハの場合には、取扱精度や希望される構造のコンパクト性に関して、および取扱の安全性に関して特別な難点が生じる。
【0005】
欧州特許出願公開第0696242B2号明細書より、高さに関して調節可能、かつその軸を中心として回転する、水平面に繰出し可能な支持アームないし支持部材を備えるハンドリングロボットによって、円形の半導体ディスクである円板状の工作物を取り上げて、または載せて、別の位置へと移すことを可能にする、半導体ウェーハの搬送装置が公知となっている。それにより、たとえば工作物を搬送アームによってカセットから取り出して別の位置へ搬送することができ、そこで工作物がたとえば加工される。真空プロセス設備の場合、大気から設備で入れるときであれ、設備内部で異なるチャンバの間で動かすときであれ、エアロックを通じて工作物を出し入れしなくてはならない。この目的のために、ロボットの前述した搬送アームは必要に応じて、かつ制御下で、工作物の的確な搬送を行うために相応のエアロックゲートを通り抜ける。このとき、設備のコンセプトに応じて工作物の中間保管をするために、狭いスペースに複数の工作物を収容することができる、設備の外部および/または設備の内部で使用されるカセットが用いられる。上記の特許文献で紹介されている構造は、このような種類の搬送装置の具体化を可能にするものである。この公知の搬送装置では、工作物が定義されたとおりに平坦なまま保たれ、また寸法に関しても定義されていることが前提となっている。取扱だけでなく、相応の電子式または光学式のセンサによる基板検出も、このような前提条件から出発している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、著しく撓む、面積が広くて薄い工作物の場合、このような装置では甚大な問題が発生し、そのための解決法は記載されていない。そのようなケースでは、この種の搬送装置は相応に機能面でその限界付近で稼動し、このことは、このような種類の設備の動作確実性を低下させる。
【0007】
本発明の課題は、従来技術の前述した欠点を取り除くことにある。特に課題は、特にできるだけ工作物の不具合なしに高い精度と信頼度を可能にする、薄くて撓みやすい円板状の工作物、特に半導体ディスクを搬送する装置および方法を具体化し、それによって生産プロセスの高い経済性を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は本発明によると、請求項1に記載された工作物の搬送装置によって解決され、また請求項12に記載された方法によって解決される。従属請求項はその他の好ましい実施形態を定義している。
【0009】
本発明によると、解決法の要諦は、自然な形状になるまでの平坦な工作物の撓みが許容
され、このような工作物の変形についての工作物の検出と取扱が考慮され、搬送プロセスの開始時に明確に定義されている位置ないし場所を基準としてアライメントされて、全プロセスにわたってこれが遵守されることにある。プロセス設備での工作物の初期位置を基準とし、プロセス設備の関与する装置のせいで機械的および電気的に生じる許容範囲とその限度を考慮したうえで、すべての取扱部材および検出部材が工作物に集約されている。このときプロセス設備は、この明確に定義されたゾーンの範囲内に位置していないすべての領域が、搬送プロセスないし取扱プロセスの機能または信頼度に対して有意な影響を及ぼし得ないように具体化される。
【0010】
本発明は、円板状の工作物のための、特に半導体ウェーハのための搬送装置を含んでおり、制御下で水平方向へ可動の搬送アームを備えており、その一方の端部には工作物を実質的に水平に載せるために2つの長尺状の支持部材が間隔をおいて配置されており、複数の工作物を実質的に水平に収容するために2つの向かい合う側に櫛形構造部を有するカセットが設けられており、支持部材と櫛形構造部は、カセットおよび搬送アームに対して相対的に追加の垂直方向運動によって工作物を持ち上げたり置いたりするために、場合により工作物が載置されている櫛形構造部の2つの隣接する間隔をおいた櫛の間へ該支持部材を接触させずに挿入することができるように構成されており、支持部材は、カセットへ係合するときに実質的にそれぞれ櫛形構造部と隣接して平行に櫛に沿って位置決めされされるように配置されており、当該領域では2つの隣接する櫛平面に沿ってその間でカセットの片側および/または両側に工作物とその位置を検出するための走査ビームが設けられており、走査ビームはカセットに対して相対的に高さに関して位置決め可能であり、走査ビームは水平方向の工作物平面に対して小さい角度だけ傾いた状態で案内されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、一例として模式的な図面を用いて本発明を説明する。
円板状の工作物、特にシリコンおよび/またはゲルマニウムからなる半導体ウェーハを表面加工するための完全自動式の真空プロセス設備は、これをロボット装置で正確に搬送しなければならない。1つの位置から別の位置へのこのような工作物の搬送は、正確に再現可能に、かつ工作物の損傷なしに行わなくてはならない。そのために複数の工作物7がカセット20の中に積まれたり、これから取り出されたりし、それによってたとえば大気から真空へとエアロックを通過して搬送し、次いで加工することができる。1つのプロセスステーションでの加工の後に、たとえば工作物のコーティングやエッチングの後に、工作物はハンドリングロボットによって再びエアロックを通ってカセットの中へ案内される。真空プロセス設備は、1つまたは複数のハンドリングロボットを装備する複数のプロセスステーションを有することもできる。このような種類のプロセス設備では、平坦な円板状の工作物7は水平方向へ搬送されるのが普通である。そのために、自らの軸66,67を中心として回転することができ、搬送アーム61,60を有するハンドリングロボットが使用され、搬送アームは回転軸66,67に対して横方向へ水平に繰出すことができ、それによって工作物7をこれらの軸に対して横方向に搬送することができ、その様子は図10aに模式的に平面図として示されている。工作物の取り上げや積み置きは、支持部材26,27が工作物7の下に移動し、次いで、カセット20または架台62,42,54の垂直方向の相対運動で、相対運動によって持ち上げられたり載せられたりすることによって行われる。この相対運動は、カセットまたは架台が相応に垂直方向へ動くことによって生起されるか、または、好ましくはハンドリングロボットが相応に垂直方向へ動くことによって生起される。この工程は非常に正確に行われなくてはならず、可動部材に引きずり運動ないし摩擦運動が生じてはならず、このような運動は望ましくない摩耗や粒子形成につながることになり、繊細な真空プロセスに不都合な影響を与えるとともに、生産のときに廃棄品の発生につながることになる。これに加えて、面積が広くて薄い円板状の工作物7を加工することになっていて搬送されなくてはならない場合には、状況が困難になる。このような種類の工作物は著しい撓みないし反りを有する可能性があり、そのために、
搬送メカニズムの信頼度の高い機能が損なわれかねないからである。半導体製造における経済性をいっそう高めるために、今日、直径の大きい工作物ディスクが用いられることが増えてきており、このような工作物はさらにいっそう薄くなりつつあり、それによって撓みの問題も大きくなっている。現在、厚みが0.07mmから約0.6mm、直径が100mmから300mmのディスク直径が採用されている。その結果、比率に応じて10分の数mmの範囲の撓み、あるいは数mmにも及ぶ場合さえある撓みが生じる。
【0012】
工作物7を載置するために、図1に模式的に示すように、支持部材26,27を構成する2つの線状の載置部1が設けられているのが好ましい。線状の載置部1は実質的に互いに平行に向いており、かつ互いに間隔をおいており、円板状の工作物7が縁部領域において両側で載置線6に沿って載置部1の上で支持されるようになっている。この両方の載置部1は、棒形をした支持部材26,27として構成されているのが好ましい。図1では工作物として、さまざまな種類の考えられる撓みをもつ半導体ウェーハが図示されている。比較的厚みのあるウェーハ2は実質的に撓みを有しておらず、載置部1の上に平坦に載っている。薄いウェーハは自重によって下方3に向かって撓んだり、内部張力によって上方4に撓んだりする可能性がある。通常、このような撓みは円筒形であるが、異なる方向を向いた複数の円筒形の組み合わせで構成されている場合もある。その場合、このような撓みの組み合わせは、鞍状の反りを有するウェーハの撓み断面形状5につながる。半導体ディスクを加工するための標準型真空プロセス設備では、半導体ディスクは、複数のウェーハを内蔵するカセットに挿入される。ウェーハは、このような種類のカセット20の中で、平行に案内されている支持部の上に縁部領域で載り、工作物の面が実質的に露出するようになっている。そのため、工作物の撓みがどの程度大きいかに関わりなく、支持領域の近傍で上に載っているウェーハのゾーンだけしか、垂直方向の位置に関して良好に定義されることがない。この位置は、ウェーハ7の周辺領域で2つの弦を形成する2本の載置線6によって特徴づけることができる。この載置線6から遠く離れているウェーハ面上の場所は、その垂直方向の位置に関して既知ではなく、ないしは定義されていない。
【0013】
取扱すなわちウェーハの支持と検出のために利用することができる、載置線6を中心とする領域を定義するには、図2aに断面図として示すように、垂直方向のシステム許容範囲8が決定的に重要である。そこで、上方9および下方10への工作物の考えられる最大の撓みに着目してみると、水平線とは異なる工作物表面の角度、すなわち載置部1に対する上昇角9と下降角10が求められ、その帰結として、工作物における両側での取扱ゾーン12,13を定義する、最大の取扱ゾーン幅11を定義することができる。このようにして、円板状の工作物の周辺領域に位置する、間隔をおいた2本の平行なストライプ状の取扱ゾーン12,13が仮想的に生じることになり、その様子は図2bに平面図として示されている。
【0014】
上に定義したような規則を、薄い工作物7のためのカセット20に適用してみると、工作物7の載置ゾーンは、工作物7の周辺部に近い2本の平行なゾーン12,13に限定されることが明らかであり、その様子は図3aに断面図として、および図3bに平面図としてそれぞれ示されている。SEMI規格に基づく通常のウェーハカセット20では、カセット20の内部領域へ突入する、工作物の両側にそれぞれ1つの追加の端部載置手段14,15が配置されている。内方に向かって突き出る、図3bに破線で示しているこのような種類の載置手段14,15は、本発明では使用することができない。カセットの中の工作物7の水平方向位置を制限ないし定義するには、載置部18,18’の間でカセットの内部領域に点状にのみ作用し、ないしは、載置部と取扱ゾーン12,13の領域で取扱ゾーンに沿って検出手段の通過作用を可能にするストッパ手段16,17を設けなくてはならない。したがってストッパ手段としては、細い棒状の部材16,7が好ましい。カセット20は両側に櫛形の構造部18,18’を有しており、これらの構造部は、周辺領域で円板状の工作物7を収容して支持することができるスリット状の構造を形成している。そ
れによりカセット20は、複数の工作物7を収容するための複数の収容スリットを備える構造を形成している。このとき重要なのは、隣接して挿入される工作物7が撓んでも接触しないよう防止するために、十分に広い櫛間距離19を櫛形構造部が有していることである。たとえば下方に向かって撓む工作物3と、平坦な工作物2とが使用されるとき、櫛間距離19は、下方を向いている工作物7の撓み3よりも広くなくてはならない。下方にも上方にも撓む工作物7が使用されるとき、櫛間間隔19は、最大限予想される上方および下方への撓みの合計よりも広くなくてはならない。
【0015】
工作物7を持ち上げて支持できるようにするために、ロボット支持アームの端部には支持部材21,22が配置されており、その上に工作物7が置かれる。水平方向に可動であるロボットの支持アームに支持部材支持体28が取り付けられており、間隔をおいて平行に配置された2つの長尺状の支持部材26,27がこの支持部材支持体に配置されており、この支持部材は棒状に構成されているのが好ましく、その様子は図5に平面図として示されている。図5には、円板状の工作物すなわち半導体ウェーハ7がどのように支持部材26,27の上に置かれるかが示されている。支持部材26,27の厚みは制限されており、すなわち、これら支持部材は以後の持ち上げ工程のために、またはカセットに工作物7が置かれた後に、カセットの中の隣接する2つの工作物7の間でこの工作物と接触することがないように十分に薄くなくてはならない。したがって支持部材26,27は棒状に構成されるのが好ましく、また、ハンドリング誤差を追加的に増やすことになる望ましくない曲げを生じることがないように、十分に剛性を有していなくてはならない。
【0016】
支持部材26,27は、工作物7を持ち上げて搬送するときに、円板状の工作物7の下面に直接当接する。その帰結として、取扱時に支持部材26,27がその内部で動かなくてはならないところの許容される帯状の取扱ゾーン24,25が、支持部材26,27を中心として定義される。支持部材26,27の寸法設定は、装填されたカセット20で空く寸法によって規定される。図4aには一例として、カセットのスリットに納まっている平坦なウェーハ2に比べて下方に向かって曲がったウェーハ3が、カセット20の中で図示されている。下方に向かって曲がったウェーハ3は、支持部材26,27によってカセットスリットから持ち上げられ、取り出されるべきものである。支持部材26,27の最大限許容される厚み21は、上に位置するウェーハと下に位置するウェーハ3,2の間で利用できる中間スペースに依存して、および、ウェーハをカセットの中へ、またはカセットの外へ動かすために必要とされるハンドリング許容差に依存して決まり、その様子は図4bに、クリティカルな縁部領域の詳細な断面図として示されている。櫛に近い領域では、隣接するウェーハ2,3の間の最大限可能な間隔は、実質的に櫛間距離19に相当しており、この櫛間距離の位置が、許容される取扱ゾーン幅23の外側位置を形成しており、また、許容される取扱ゾーン幅23の内側の限度は、櫛形構造部18から内方に向かってさらに若干間隔をおいており、支持部材26,27の直径21によって制限されるとともに、相互に接触することのないウェーハ2,3の撓みに左右される。これら両方の可能な位置から許容される取扱ゾーン幅23が求められ、この取扱ゾーン幅は、許容される取扱ゾーン24,25を規定するとともに、取扱ゾーン12,13の内部に位置していなくてはならず、その様子は図4bと図4cに図示されている。
【0017】
次に、カセット結像システムを構成するための定義について、図6aから図6dを参照しながら説明する。公知の結像システムでは、たとえば、読取りセンサ29と反射器30がウェーハ面と平行に、かつ向かい合うように、ウェーハの範囲外に配置された反射式のレーザシステムが使用される。読取りセンサ29は、同じくウェーハ表面と平行に延びて反射器30で読取りセンサ29へはね返されるレーザ走査ビーム31の源でもある。走査ビーム31と、読取りセンサ29と、反射器30とを備えるこのようなビーム構造は、公知の仕方で、ウェーハ平面の中心線の領域近くで案内される。そしてウェーハが走査ビーム31の領域で動くと、走査ビームが遮断されて位置が検出される。この公知の方式は、
0.6mmよりも厚い比較的厚みのある工作物ないし半導体ウェーハの場合に適用される。薄いウェーハについては、この方式が検出のために適用されると問題が生じる。ウェーハが走査ビーム31の直径よりも薄く、しかも、それにもかかわらず平坦であると、走査ビーム31がウェーハ2によって遮断されない。結像システムが、カセット20の装填されたスリットまたは装填されていないスリットを検出するべきである場合、高い信頼度でこれを検出することができない。なぜなら第1に、検出されたウェーハ2の中心領域が、上方4または下方3に向かって曲がったウェーハに属している可能性があるからであり、その様子は図6a、図6b、および図6cに断面図として模式的に示されている。
【0018】
この第1の問題を解決するために、本発明によると、読取りセンサ32とこれに付属する反射器33は薄いウェーハ用として、向かい合うようにウェーハ2,3,4の平面の範囲外に配置されるのがよく、これに加えて読取りセンサ32と反射器33は、ウェーハ平面の範囲外で若干オフセットされた状態で配置されるのがよく、それにより、走査ビーム35は平坦なウェーハ平面2に対して若干傾いた状態で案内され、その結果、0.5から2.0°の範囲内の好ましい傾き角34が生じることになる。
【0019】
走査ビーム35の小さな傾き角34は、走査ビーム35の方向でウェーハの投影を生成し、実在のウェーハが実際に有しているよりもはるかに大きな厚み36が現れるように、いわば光に浮かびあがる厚み36が現れるようになっている。
【0020】
撓曲可能な薄いウェーハ2,3,4用の走査ビーム35、および読取りセンサ32と反射器33は、ウェーハ周辺部の縁部領域に配置されており、すなわち、カセット20の櫛形構造部18,18’の領域に配置されている。したがって走査ビーム方向の視線方向では、公知のシステムの場合に普通であるような点状のビームが現れるのではなく、走査ビーム傾き角34の大きさに依存して、光に浮かびあがるウェーハ2,3,4の厚み36が現れ、その様子は図6cに詳細に断面図として示されている。このように走査ビーム34は、平坦なウェーハ2に加えて、相応に上方または下方に向かって撓んでいるウェーハ3,4も検出することができ、それによって第2の問題設定を解決することができる。この第2の問題を一義的に規定できるようにするために留意しなくてはならないのは、走査ビーム35が案内されるカセット20の櫛形構造部18,18’の領域近くでは、同一のスリット構造内部にある上方に向かって曲がったウェーハ4と下方に向かって曲がったウェーハ37の間の垂直方向の距離dが、傾いた走査ビーム35が設定する光に浮かびあがる厚み36よりも短いことである。本例の上方および下方に向かうウェーハ3,4の最大限可能な撓み度が既知であれば、最大の結像ゾーン幅38を規定することが可能である。仮に上方に向かって曲がったウェーハ4と下方に向かって曲がったウェーハ3が櫛形構造部18,18’の隣接するスリットに位置していれば当該ウェーハ3,4が交差することになるはずである櫛形構造部18,18’の先端部によって、1つの限度が生じる。すなわち、撓曲可能な薄いウェーハを高い信頼度で検出できるようにするには、2つの条件が守られなくてはならない。第1に、前述したように、傾いた走査ビーム35の領域で光に浮かびあがる厚み36は、仮に上方に向かって曲がったウェーハ4と下方に向かって曲がったウェーハ3がカセット20の同一のスリットに位置しているときに最大限可能なはずの当該ウェーハの間のレーザビーム領域における間隔dよりも、大きくなくてはならない。第2の条件として、実際に規定される取扱ゾーン幅39が測定システムにとって最大の結像ゾーン幅38の範囲内に位置していることが満たされていなくてはならない。こうして規定された取扱ゾーン幅39を基にして、カセット20の櫛形構造部18’,18近傍でウェーハの両側に位置する、両方の結像ゾーン40,41が得られる。その範囲内で走査ビーム35を案内することができ、その範囲外で線上に位置するように配置された読取りセンサ32および反射器33が設けられる。このようにして、結像ゾーン40,41の範囲内で各々の変形した薄いウェーハを、このゾーン内部の任意の個所で確実に検出することができる。
【0021】
ウェーハの取扱は、平坦な表面42の上にウェーハが位置決めされて置かれてから、プロセスステーションで加工されるという形で行われるのが通常であり、その様子は図7aに断面図として示されている。表面にウェーハを正確に置くことができる能力をシステムにもたせるために、当初の載置位置は、カセットの中でのように、ウェーハの取扱ゾーン12,13に関連づけられた載置部によって生成される。その生成または遵守のために、たとえばピンとも呼ばれる、ウェーハ3が上に位置するウェーハ載置ピン54が利用され、このウェーハ載置ピンは、架台42とウェーハ3の間の間隔が、支持部材26,27をその間に挿入するのを可能にするために十分に広くなるように働くものであり、その様子は図7aと図7bに示されている。ウェーハ載置ピン54は、この工程のために上へ移動するのが好ましく、それによってウェーハ3は、それが相応に薄い場合には架台42から持ち上げられて、さらには撓む。ウェーハ3の持ち上げを実現するために、ウェーハ架台42を垂直方向へ動かすこともでき、また、ウェーハと架台42の間に距離をつくるためにこれ以外の保持部材を、いわばウェーハ載置ピン54として利用することもできる。ウェーハ3を持ち上げたり架台の上に置いたりするために、ウェーハは、支持アーム26,27が引き込まれた状態のときには、搬送工程のための定義された取扱ゾーン12,13の領域でのみ載置されており、このとき支持アームは、ロボットアームに固定されている支持部材支持体28に保持され、その様子は図7bに平面図として半導体ウェーハ7の実施例を用いて図示されている。
【0022】
すべてのウェーハが中心軸に沿って、システムにより定義された取扱ゾーンと平行に曲がるわけではない。カセットの中のウェーハは、不都合なケースでは、載置線に対して垂直な円筒と平行に曲がるような形で曲がっている可能性もある。このような種類のウェーハが下方44または上方43に向かって曲がっており、カセット20の中に配置されているとき、その形状の実際の投影と定義は、先ほど説明したような投影とさほど異なってはいない。支持部材26,27の断面45の設定、およびその他のサイズは同一であると考えられ、システムの異なる構成にはつながらない。これに加えて支持部材26,27は、図8dの断面図に支持部材47を例にとって示すように、曲がったウェーハ46に合わせて適合化するために成形・構成することもできる。本例では、支持部材47はウェーハ46の周辺領域にそれぞれ1つの段部48を備えており、ウェーハ46が中央領域で下方に向かって撓むことができ、それによって希望する所定の形状に、好ましくは平坦な面に、適合化することができ、上述した考察を実質的にそのまま転用できるようになっている。縁部領域にさらに別の段部を設けるのも好ましく、それにより、ウェーハをそこで支持部材47に固定することができ、搬送中にウェーハが搬送運動で変位するのを防止する。前述した現象を抑制するために、大きい表面摩擦を生じさせる材料で支持部材47を製作し、もしくはそうした材料でコーティングするのも好ましい。
【0023】
ウェーハプロセス設備において、ウェーハ支持線方式が適用されない唯一の場所は、ウェーハが工作物マーキング7aに対して平坦な向きでアライメントされるウェーハ回転アライメントステーションである。このステーションに達したウェーハは、定義上、相応のマーキング7aに合わせてアライメントされていないのが普通である。このことは、載置軸がウェーハマーキング7aに対してランダムな方向に向いている意味している。このステーションの目的は、明確に定義された回転位置へとウェーハを移して、これをさらに加工することである。このことは、ウェーハを回転させなくてはならないことを意味している。この回転運動は、ウェーハの中心部を中心とする載置線の回転にもつながり、すなわち、アライメントの前と後では載置線がそれぞれ異なっている。このことを考慮に入れるために、ハンドリングされなくてはならないウェーハ領域が、ウェーハの高さおよび各々の回転位置に関して正確に定義されていることが重要である。これを実現するために、載置線ないし結像ゾーン40,41のできる限り近傍に位置する円形の支持部がウェーハのために具体化されるのが好ましい。そのために図9bに示すように、結像ゾーン40,4
1の位置での直径にきわめて近い直径をもつ円形の載置手段51を有する載置プレート50が使用される。ウェーハを支持する載置構造がアライメント52のために回転しても、取扱システムは、そのアライメントの後に依然としてウェーハを持ち上げることができる。ただ1つの円形の架台構造51は、ウェーハの円筒状の変形が生じる場合に格別によく適している。ウェーハを支持するために支持プレート50の上に半径方向に配置された架台構造53によってウェーハが支持される場合にも、これに類似する結果を得ることができ、その様子は図9aに示されている。このような構成は、工作物が全体として円筒状に曲がっていないときに有利に適用することができる。
【0024】
半導体ウェーハを加工するためのいくつかの真空プロセス設備では、工作物の取扱や搬送をするために、2つまたはそれ以上のロボットシステムが利用される。たとえば、第1のロボット60が大気に接する設備に、いわゆる半導体産業で呼ぶところのフロントエンドに位置決めされており、それによってウェーハがカセットから出入りするように搬送されるのが1つの重要な構成である。そのとき第2のロボット61は、真空プロセス設備すなわち真空環境の中で位置決めされて、ウェーハをプロセスステーションの中へ、およびプロセスステーションから外へ搬送する。ウェーハを大気からエアロックを通じて真空へ、およびこの逆に搬送し、そしてウェーハをロボット60から真空室の内部にあるロボット61へ搬送するために、2つのロボット60,61の間には基板引渡ステーション62が配置される。この基板引渡ステーションが、2つのロボット回転中心66,67を結んだ線上に配置されていないとき、第1のロボットシステムによって位置63に配置されたウェーハ7は、位置64を必要とするはずの第2のロボットシステムに対して正しい角度の向きを有しておらず、その様子は図10aと図10bに示されている。このような場合、基板引渡ステーション62は、2つの所要のウェーハ位置63,64の間の角度差の分だけウェーハを回転させることを可能にする手段65を備えていなくてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】半導体ウェーハのような円板状の工作物を示す平面図、およびさまざまな撓みの例を含むさまざまな断面図である。
【図2a】載置部の領域における最大限可能な撓みをもつ工作物である。
【図2b】定義された可能な載置領域すなわち取扱ゾーンとともに工作物を示す平面図である。
【図3a】カセットおよびその内部に置かれた部分的に曲がっている複数の工作物を示す断面図である。
【図3b】カセットを工作物とともに示す平面図である。
【図4a】図3aに準じてカセットを示す断面図である。
【図4b】一方の側に櫛形構造部を備えるカセットを、載置部の領域の工作物とともに示す詳細図である。
【図4c】生じている許容される取扱ゾーンとともに工作物を示す平面図である。
【図5】許容される取扱ゾーンの範囲内に載置された支持部材の上の載置部の図面とともに、工作物を示す平面図である。
【図6a】櫛形構造部に沿った走査ビームの図面とともに工作物を示す断面図である。
【図6b】カセットの中に置かれた、可能なさまざまな撓みをもつ工作物を示す断面図である。
【図6c】カセットの一方の側における載置領域での図6bの詳細図、および走査ビームを示す断面図である。
【図6d】工作物に対する走査ビームの結像ゾーンの図面とともに、カセットの中の工作物を示す平面図である。
【図7a】ピンの上に載置されて曲がった工作物を示す断面図である。
【図7b】工作物の下に案内される支持部材とともに図7aの工作物を示す平面図である。
【図8a】カセットの中に置かれた、反って曲がっている工作物を示す断面図である。
【図8b】図8aのカセットの櫛形構造部の領域で詳細を示す断面図である。
【図8c】支持部材の上に置かれた反りのある工作物を示す平面図である。
【図8d】反りのある工作物を成形された支持部材とともに示す断面図である。
【図9a】支持部材が半径方向に配置された、工作物のための支持プレートを示す平面図である。
【図9b】支持部材が円環状に配置された、工作物の別の支持プレートを示す平面図である。
【図10a】2つの搬送ロボットを備える搬送装置を示す平面図である。
【図10b】工作物をアライメントするための機構を示す平面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状の工作物(2,3,4,5,7)のための、特に半導体ウェーハのための搬送装置であって、制御下で水平方向へ可動の搬送アームを備えており、その一方の端部には工作物を実質的に水平に載せるために2つの間隔をおいた長尺状の支持部材(26,27)が配置されており、複数の工作物(7)を実質的に水平に収容するために2つの向かい合う側に櫛形構造部(18)を有するカセット(20)が設けられており、前記支持部材(26,27)と前記櫛形構造部(18)は、前記カセット(20)および前記搬送アームに対して相対的に追加の垂直方向運動によって工作物(7)を持ち上げたり置いたりするために、場合により工作物が置かれている前記櫛形構造部(18)の2つの隣接する間隔をおいた櫛(19)の間へ該支持部材を接触させずに挿入することができるように構成されている、そのような搬送装置において、前記支持部材(26,27)は、カセットへ係合するときに実質的にそれぞれ前記櫛形構造部(18)と隣接して平行に櫛に沿って位置決めされされるように配置されており、当該領域では2つの隣接する櫛平面に沿ってその間で前記カセット(20)の片側に工作物(7)とその位置を検出するための走査ビーム(35)が設けられており、前記走査ビーム(35)は前記カセット(20)に対して相対的に高さに関して位置決め可能であり、前記走査ビーム(35)は水平方向の工作物平面に対して小さい角度(34)だけ傾いた状態で案内されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
搬送アームとカセット(20)を備える前記搬送装置について取扱ゾーン(12,13)が定義されており、該取扱ゾーンの内部で前記支持部材(26,27)が工作物(7)の表面と相互作用し、該取扱ゾーンは工作物に関して、工作物が前記カセット(20)へ挿入されているときに前記櫛形構造部(18)と実質的に平行に向く、間隔をおいて互いに平行に位置する2つの棒状の面として規定されていることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記取扱ゾーン(12,13)の幅(11)は、工作物が線状の載置部(1)に載置されたときにそれぞれの撓み角(9,10)で到達する上方および下方に向かう最大の撓みが組み合わされた、前記搬送装置の垂直方向のシステム許容差(8)の合計によって規定されており、そこでは前記撓み角が垂直方向の最大のシステム許容差の水平面と交わっていることを特徴とする、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
工作物(7)は半導体ウェーハであり、前記取扱ゾーンの幅は10から20mmであることを特徴とする、請求項2または3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記走査ビーム(35)の傾き角(34)は、該ビームが隣接する2つの平行な櫛(18)に沿って案内されて櫛間距離(19)を超えないように定義されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記カセット(20)に対する工作物(7)の位置決めのために前記カセット(20)を垂直方向に動かす装置が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
水平に配置された前記櫛形構造部(18)の一方の端部に、前記カセット(20)の中で工作物の最終位置を制限するために少なくとも1つのストッパ手段(16,17)が設けられており、該ストッパ手段は前記走査ビーム(35)の光路の範囲外に配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記支持部材(26,27)は棒形に構成されていることを特徴とする、請求項1〜7
のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項9】
第2の許容される取扱ゾーン幅(24,25)が規定されており、該取扱ゾーン幅は前記第1の取扱ゾーン(12,13)の幅よりも狭く、かつシステム許容差によって規定される前記第1の取扱ゾーンの内部に位置しており、前記第2の取扱ゾーン幅(24,25)は、前記支持部材(26,27)の断面寸法(21)と、工作物(7)に生じる最大限可能な撓みのときにまだ空いているカセット間隙幅(23)とによって規定されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記第1の走査ビーム(35)の向かい合う側で、前記カセット(20)の向かい合う他方の櫛形構造部(18)の領域に、さらに別の傾いた走査ビーム(35’)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項11】
支持アーム(60,61)をそれぞれ1つ備える、軸(66,67)を中心として回転可能な少なくとも2つの搬送ロボットを含んでおり、さらに、工作物の引渡位置が前記搬送ロボットの両方の軸(66,67)を結ぶ線上にないときに前記搬送アーム(60,61)の搬送方向に関して前記取扱ゾーン(12,13)をアライメント(65)するための回転装置(62)を含んでいることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項1】
円板状の工作物(2,3,4,5,7)のための、特に半導体ウェーハのための搬送装置であって、制御下で水平方向へ可動の搬送アームを備えており、その一方の端部には工作物を実質的に水平に載せるために2つの間隔をおいた長尺状の支持部材(26,27)が配置されており、複数の工作物(7)を実質的に水平に収容するために2つの向かい合う側に櫛形構造部(18)を有するカセット(20)が設けられており、前記支持部材(26,27)と前記櫛形構造部(18)は、前記カセット(20)および前記搬送アームに対して相対的に追加の垂直方向運動によって工作物(7)を持ち上げたり置いたりするために、場合により工作物が置かれている前記櫛形構造部(18)の2つの隣接する間隔をおいた櫛(19)の間へ該支持部材を接触させずに挿入することができるように構成されている、そのような搬送装置において、前記支持部材(26,27)は、カセットへ係合するときに実質的にそれぞれ前記櫛形構造部(18)と隣接して平行に櫛に沿って位置決めされされるように配置されており、当該領域では2つの隣接する櫛平面に沿ってその間で前記カセット(20)の片側に工作物(7)とその位置を検出するための走査ビーム(35)が設けられており、前記走査ビーム(35)は前記カセット(20)に対して相対的に高さに関して位置決め可能であり、前記走査ビーム(35)は水平方向の工作物平面に対して小さい角度(34)だけ傾いた状態で案内されていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
搬送アームとカセット(20)を備える前記搬送装置について取扱ゾーン(12,13)が定義されており、該取扱ゾーンの内部で前記支持部材(26,27)が工作物(7)の表面と相互作用し、該取扱ゾーンは工作物に関して、工作物が前記カセット(20)へ挿入されているときに前記櫛形構造部(18)と実質的に平行に向く、間隔をおいて互いに平行に位置する2つの棒状の面として規定されていることを特徴とする、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記取扱ゾーン(12,13)の幅(11)は、工作物が線状の載置部(1)に載置されたときにそれぞれの撓み角(9,10)で到達する上方および下方に向かう最大の撓みが組み合わされた、前記搬送装置の垂直方向のシステム許容差(8)の合計によって規定されており、そこでは前記撓み角が垂直方向の最大のシステム許容差の水平面と交わっていることを特徴とする、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
工作物(7)は半導体ウェーハであり、前記取扱ゾーンの幅は10から20mmであることを特徴とする、請求項2または3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記走査ビーム(35)の傾き角(34)は、該ビームが隣接する2つの平行な櫛(18)に沿って案内されて櫛間距離(19)を超えないように定義されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記カセット(20)に対する工作物(7)の位置決めのために前記カセット(20)を垂直方向に動かす装置が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
水平に配置された前記櫛形構造部(18)の一方の端部に、前記カセット(20)の中で工作物の最終位置を制限するために少なくとも1つのストッパ手段(16,17)が設けられており、該ストッパ手段は前記走査ビーム(35)の光路の範囲外に配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記支持部材(26,27)は棒形に構成されていることを特徴とする、請求項1〜7
のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項9】
第2の許容される取扱ゾーン幅(24,25)が規定されており、該取扱ゾーン幅は前記第1の取扱ゾーン(12,13)の幅よりも狭く、かつシステム許容差によって規定される前記第1の取扱ゾーンの内部に位置しており、前記第2の取扱ゾーン幅(24,25)は、前記支持部材(26,27)の断面寸法(21)と、工作物(7)に生じる最大限可能な撓みのときにまだ空いているカセット間隙幅(23)とによって規定されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項10】
前記第1の走査ビーム(35)の向かい合う側で、前記カセット(20)の向かい合う他方の櫛形構造部(18)の領域に、さらに別の傾いた走査ビーム(35’)が設けられていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項11】
支持アーム(60,61)をそれぞれ1つ備える、軸(66,67)を中心として回転可能な少なくとも2つの搬送ロボットを含んでおり、さらに、工作物の引渡位置が前記搬送ロボットの両方の軸(66,67)を結ぶ線上にないときに前記搬送アーム(60,61)の搬送方向に関して前記取扱ゾーン(12,13)をアライメント(65)するための回転装置(62)を含んでいることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の搬送装置。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図8c】
【図8d】
【図9a】
【図9b】
【図10a】
【図10b】
【公表番号】特表2009−516376(P2009−516376A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540421(P2008−540421)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000498
【国際公開番号】WO2007/056875
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(596013501)オー・ツェー・エリコン・バルザース・アクチェンゲゼルシャフト (55)
【氏名又は名称原語表記】OC Oerlikon Balzers AG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国際出願番号】PCT/CH2006/000498
【国際公開番号】WO2007/056875
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(596013501)オー・ツェー・エリコン・バルザース・アクチェンゲゼルシャフト (55)
【氏名又は名称原語表記】OC Oerlikon Balzers AG
【Fターム(参考)】
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