説明

分光器およびこれを用いた共焦点光学系、走査型光学顕微鏡

【課題】装置全体をコンパクトに構成できる分光器およびこれを用いた共焦点光学系、走査型光学顕微鏡を提供することを目的とする。
【解決手段】分光器を、複数の波長を含んだ発散光を実質的に点光源として出射する出射端と、該出射端から出射された発散光を略平行光にする第1の光学系と、該第1の光学系により略平行光になった光束を分光する分光素子と、該分光素子により分光された光束を焦点面近傍に集光する第2の光学系とを備え、前記第1の光学系が負の焦点距離をもつ第1のレンズ群と正の焦点距離をもつ第2のレンズ群とから構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光器およびこれを用いた共焦点光学系、走査型光学顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の分光器としては、特開平11−183249号公報に記載されたようなものがある。この構成を図10に示す。図10から、この分光器においては、光ファイバから射出された発散光が第1のレンズで平行光とされる。平行光は、回折格子により回折され特定の波長の光のみが第2のレンズに導かれる。そして、第2のレンズで集光された光が出力スリットを通過して検出される。なお、回折格子を回転させることにより、検出する光の波長を変更することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、他の従来技術としては、特開2002−122787号公報に記載されたスペクトル選択装置がある。この構成を図11に示す。このスペクトル選択装置は、予め定められたスペクトル領域を選択する手段を備え、スペクトル分解された光線と検出装置が互いにこれらの相対位置を可変できる構造になっている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平11−183249号公報(段落番号0021−0028、第1図)
【特許文献2】特開2002−122787号公報(段落番号0006−0028、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、波長{λ|λ<λ<λ}を一度に検出するためには、例えば、特開平11−183249号公報に示されたタイプのものでは、出力スリットを幅の広いものに変更する必要がある。このとき、スリット端部に集光する波長λの集光スポットが良好である保証はないため、(λ−Δλ)の集光スポットも十分に小さなものでない可能性がある。また、この場合、(λ−Δλ)の集光スポットの一部がスリットの内側に位置し、その成分がスリットを通過するため波長分解能が良くないという問題がある。なお、0<Δλ≪λであり、波長分解能が悪い場合、良い場合の波長に対する検出光量を図12(a)、(b)に示す。
【0005】
また、特開2002−122787号公報に示されたタイプのものでは、光束を平行光のまま分光して集光せずに検出器に導く構成となっているため、近接した波長成分が完全に分離されることなく、混ざったまま検出されてしまう。すなわち、(λ−Δλ)や(λ+Δλ)の光の一部がともに検出されてしまうという問題がある。
【0006】
さらに、特開平11−183249号公報に記載された分光器においては、波長分解能を上げるための方法として第1のレンズと第2のレンズとの間の平行光束の太さを太くする方法がある。この方法は、第2のレンズのNA(開口数)を大きくする必要がある。そのため、第2のレンズによって集光されたスポット径は小さくなり、その結果として分解能が上がるというものである。
【0007】
ここで、平行光束の太さを太くするためには、第1のレンズを焦点距離の長いものとするか、あるいは出射ファイバのNAを大きくする必要がある。しかし、前者の場合には、レンズを焦点距離の長いものに変更することにより出射ファイバからレンズまでの距離が長くなり、装置が大きくなるという問題がある。また、後者の場合には、出射ファイバとレンズとの位置決め精度が厳しくなるという問題もある。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、不必要に光学素子の配置精度を上げることなく、装置全体をコンパクトに構成できる分光器およびこれを用いた共焦点光学系、走査型光学顕微鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、複数の波長を含んだ発散光を実質的に点光源として出射する出射端と、該出射端から出射された発散光を略平行光にする第1の光学系と、該第1の光学系により略平行光になった光束を分光する分光素子と、該分光素子により分光された光束を焦点面近傍に集光する第2の光学系とを備え、前記第1の光学系が負の焦点距離をもつ第1のレンズ群と正の焦点距離をもつ第2のレンズ群とから構成されている分光器を提案している。
【0010】
この発明によれば、前記第1の光学系を負の焦点距離をもつ第1のレンズ群と正の焦点距離をもつ第2のレンズ群とから構成することにより、いわゆるテレフォトタイプとなり、点光源からレンズ最終面までの距離が焦点距離よりも短くなる。また、このとき、点光源からの出射のNAは同じであるため、位置決め精度はそのままで、他の同じ焦点距離を持つ光学系と比較してレンズ系の全長が短くなる。したがって、これにより装置全体をコンパクトにすることができる。
なお、出射端は、レンズにより集光されたスポット、あるいはそのスポット位置に配置された開口(スリットやピンホール)、光ファイバー端面などがある。あるいは、その開口や光ファイバーの端面の面積が十分小さい、いわゆる実質的な点光源が出射端になる。
【0011】
請求項2に係る発明は、光源と、該光源から発した光を標本上に集光させる対物レンズと、前記標本からの反射光もしくは前記標本から発生した蛍光を分光する分光器と、該分光器と前記標本との間に該標本と光学的に共役な点を設けた共焦点光学系であって、前記分光器が請求項1に記載された分光器である共焦点光学系を提案している。
【0012】
この発明によれば、共焦点光学系を構成する光検出部に、請求項1に記載された分光器を用いたため、装置全体をコンパクトにすることが可能になる。例えば、蛍光染色した細胞を細い水流に流し、レーザ照射により得られる蛍光や散乱光を解析することにより、細胞絶対数や粒子サイズ等の細胞の性質を解析するフローサイトメータに分光機能を持たせたコンパクトな装置を実現することができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、光源と、該光源から発した光を標本上に集光させる対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に配置され、前記標本上に集光された光点を光学的に走査させる光偏向器と、該光偏向器と前記対物レンズとの間に配置され、前記光偏向器と前記対物レンズの瞳とを互いに光学的に共役とする瞳投影光学系と、前記光偏向器と分光器との間で前記標本と光学的に共役な位置に配置され、実質的に点光源である共焦点ピンホールとを備え、前記分光器が請求項1に記載された分光器である走査型光学顕微鏡を提案している。
【0014】
この発明によれば、走査型光学顕微鏡を構成する分光器に、波長分解能に優れた請求項1に記載された分光器を用いたため、装置全体がコンパクトな走査型光学顕微鏡を実現することができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、光源と、該光源から発した光を標本上に集光させる対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に配置され、前記標本上に集光された光点を光学的に走査させる光偏向器と、該光偏向器と前記対物レンズとの間に配置され、前記光偏向器と前記対物レンズの瞳とを互いに光学的に共役とする瞳投影光学系と、前記光偏向器と分光器との間で前記標本と光学的に共役な位置に配置されたシングルモードファイバの入射端を有し、該シングルモードファイバの出射端が前記分光器の点光源であって、前記分光器が請求項1に記載された分光器である走査型光学顕微鏡を提案している。
【0016】
この発明によれば、このような構成にすることにより、走査顕微鏡部と分光器部とを近接配置する必要がないため、配置の自由度が高く、しかも分光機能を有する装置全体がコンパクトな走査型光学顕微鏡を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、この発明によれば、実質的な点光源からの発散光を略平行光とする第1の光学系を負の焦点距離をもつレンズと正の焦点距離をもつレンズとで構成したことから、コンパクトな分光器を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る分光器およびこれを用いた共焦点光学系、走査型光学顕微鏡について図1から図10を参照して、参考例とともに、詳細に説明する。
本発明の参考例に係る分光器は、図1より、ピンホール1と、第1の光学系2と、平面回折格子3と、第2の光学系4と、可変幅スリット5と、光検出器6と、ダイクロックミラー7とから構成されている。
【0019】
ピンホール1を透過した発散光は、第1の光学系2により略平行光に変換されて、平面回折格子3に入射する。なお、ピンホール1を透過し発散する光束が、実質的に点光源から発散された光束としてみなすことができるピンホールの径は、ピンホール1を透過し発散する光線のNAと波長によって決められる。なお、第1の光学系2の数値データは後述の表1(面番号2と3)に記載されている。また、この数値データに基づく形状は図4に示されている。
【0020】
平面回折格子3はその表面に溝が形成され、溝と略平行な軸に対して回転可能に構成されている。このような構成により、第2の光学系4の光軸と平行となる波長λを選択することができる。平面回折格子3により回折され分光された波長λの光束は、第2の光学系4の光軸と平行なまま第2の光学系4に入射する。第2の光学系4においては、その前側焦点位置付近に平面回折格子3が配置されている。
【0021】
第2の光学系4に入射した各波長の光束は、略テレセントリックとなって射出する。そして、第2の光学系4の後側焦点位置付近において、それぞれの波長の光束が第2の光学系4の光軸に垂直な面内に集光される。また、可変幅スリット5は、前記の集光位置に配置され、その後方には、光検出器6が配置されている。ここで、本実施形態に係る第2の光学系4の結像性能は十分良好になっており、特に色収差が良好に補正されている。具体的な例は図5に示されている。図5に示されているように、第2の光学系4は、複数(ここでは2枚)のレンズで構成されている。ここでは、負レンズと正レンズとからなる接合レンズになっている。このような構成により、スリット位置にできる各波長の集光スポットは十分に小さくなっている。よって、Δλが小さい場合であっても、λと(λ−Δλ)とのスポットが重なることなく、分離することができる。なお、第2の光学系4の数値データは後述の表1(面番号5〜7)に記載されている。
【0022】
可変幅スリット5のスリット幅は、λのスポットをスリットから透過させ、(λ−Δλ)のスポットをスリットで遮断するように調整される。同様に、反対側についても、λのスポットは透過させ、(λ+Δλ)のスポットをスリットで遮断するようにスリットの位置が決められている。したがって、このとき、光検出器6で検出される波長は、λからλまでとなる。このように、設定できる波長の範囲は、平面回折格子3の回転角と可変幅スリット5の幅を調整することにより自由に決めることができる。
【0023】
以下に、本実施形態の第1参考例について、レンズデータ(表1参照)、を示す。
【表1】

本参考例においては、ピンホール1を透過し発散する光線のNAは0.011である。また、第1の光学系の焦点距離が135mmであるため、第1の光学系を透過した後、略平行光となった光束の径Dは、φ3mmである。さらに、回折面の溝本数は600本/mm、第1の光学系の光軸と第2の光学系の光軸のなす角は40度であり、回折格子の溝方向はこの2本の光軸のどちらとも垂直の関係にある。
【0024】
これらの条件のときに、回折格子の回転角(回折面への光線の入射角)と、第2の光学系の光軸に平行に向う波長λとの関係は[表2]のようになる。また、波長λを変化させたときの第2の光学系により集光されたスポットの直径(ここでは波動光学的に90%のエネルギーを包含する領域の直径として計算を行った。)と、波長が1nm変わったときのスポットの位置ずれ量の関係は[表3]のようになる。
【表2】

【表3】

【0025】
図2は、波長(λ−1)、λ、(λ+1)nmで直径20μmのスポットを有する光束が18μmずつずれて並んでいる様子を示している。これによれば、波長λnmの光束と波長(λ+1)nmの光束とはスポットが重なって分離することができないが、波長(λ−1)nmの光束と波長(λ+1)nmの光束とではスポットの重なりがないために分離できることが分かる。したがって、この場合の波長分解能Δλは、1nmよりも大きく2nmよりも小さいことがわかる。
【0026】
また、本実施例において、平面回折格子3に入射する光束の入射角α、平面回折格子3の単位長さ当たりの格子本数N、回折次数m、第1の光学系を透過したのちの光束直径Dがそれぞれ、α=9°、N=600本/mm、m=1、D=3mmとして、これを以下の[数1]に代入すれば、本実施例がこの条件を満たすことがわかる。
【数1】

【0027】
なお、上記においては、光学系に色収差の発生がない場合を仮定して示したが、一般には、収差が発生してしまう。したがって、これを考慮すると、第2の光学系を通過したあと、スリット位置にできる波長λの集光スポット直径(なお、ここでは波動光学的に90%のエネルギーを包含する領域の直径とする。)をdとしたとき、以下の[数2]を満足すればλと(λ−Δλ)との波長を分離することができる。
【数2】

ここで、Δλは波長λの光と波長(λ−Δλ)の光を分離できる波長分解能を、βは反射型平面回折格子に入射する光束の出射角を、Nは反射型平面回折格子の単位長さあたりの格子本数を、mは回折次数を、fは第2の光学系の焦点距離を示す。
【0028】
また、波長分解能Δλを先に決定し、上記[数2]を満足するような第2の光学系を構成すれば、波長分解能Δλの分光器が実現できる。さらに、波長λの集光スポット直径をdとすると、[数2]のdをdに置き換えることにより、波長λの光と(λ+Δλ)の光を分離することができる。なお、第2の光学系を構成する[表1]の第5−6面の接合レンズは、下記の[数3]の関係を満たしている。
【0029】
【数3】

【0030】
次に、本発明の実施形態に係る実施例について説明する。本実施例にかかる分光器は、第1参考例において、第1の光学系([表1]の面番号2から3)を以下の[表4]のレンズに置き替えて構成されている。すなわち、図6に示される如く本実施例においては、第1の光学系を負の焦点距離をもつ第1のレンズ群と正の焦点距離をもつ第2のレンズ群とから構成することにより、いわゆるテレフォトタイプとなり、点光源からレンズ最終面までの距離が焦点距離よりも短くなっている。したがって、本実施例によれば、第1参考例において、ピンホール1から第1の光学系最終面までの距離が136.1mmであったものを、焦点距離や光学的な結像性能をほとんど変えることなく60mm以上縮めることができる。
【表4】

【0031】
次に、図3を参照して第2参考例について説明する。
第2参考例にかかるレーザ走査型顕微鏡は、光源501と、ビームエキスパンダ502と、ビームスプリッタ503と、光偏向器504、505と、瞳伝送光学系506、瞳投影光学系507と、対物レンズ508と、標本509と、コンフォーカルレンズ514と、共焦点ピンホール515と、分光器(第1の実施例に示された分光器)516とから構成されている。
【0032】
レーザ光源501を出射した光線は、ビームエキスパンダ502により適当な径の光束となり光偏向器504により偏向される。偏向された光束は瞳伝送光学系506、第2の光偏向器505、瞳投影光学系507および対物レンズ508を通り、標本509上を走査されて標本509を励起する。標本509から発せられた蛍光は光学系を先程とは逆に進行し、デスキャンされてビームスプリッタ503に入射する。
【0033】
ビームスプリッタ503で偏向された蛍光成分は、コンフォーカルレンズ514に入射し集光されて分光器516内のピンホール1を通る。ピンホール1を通った蛍光は分光器516内において、点光源として用いられる。本参考例においては、分光器として第1参考例で説明した分光器を用いているため、これによって、分光機能を備えたレーザ走査型顕微鏡を構成することができる。
【0034】
次に、図7を参照して第3参考例について説明する。
第3参考例にかかるレーザ走査型顕微鏡は、標本としてフローサイトメータ用の標本510を用いた例である。
レーザ光源501を出射した光線は、ビームエキスパンダ502により適当な径の光束となり対物レンズ508で集光されて標本510に照射される。標本510は、細胞あるいは染色体等の細胞成分を液体に浮遊させて、流体系の中を高速で通過させてある。
【0035】
レーザ光により励起され標本510から発せられた蛍光は光学系を先程とは逆に進行し、ビームスプリッタ503に入射する。ビームスプリッタ503に入射した蛍光成分は偏向され、コンフォーカルレンズ514に入射し集光されて分光器516内のピンホール1を通る。ピンホール1を通った蛍光は分光器516内において、点光源として用いられる。本参考例においては、分光器として第1参考例で説明した分光器を用いているため、これによって、分光機能を備えたフローサイトメータを構成することができる。
【0036】
次に、図8を参照して第4参考例について説明する。
第4参考例にかかるレーザ走査型顕微鏡は、第2参考例に対して、コンフォーカルレンズ514と分光器516の間にシングルモードファイバ517を備えた構成となっている。したがって、光学的な作用はコンフォーカルレンズ514に光線が至るまでは、第3の実施例と同様である。コンフォーカルレンズ514で集光された光は、シングルモードファイバの入射端から入射し、出射端から射出される光が分光器516の点光源として機能している。
【0037】
本参考例においては、シングルモードファイバ517を備えたことから、入射端をコンフォーカルレンズ514の集光位置に、出射端を分光器516の点光源の位置に配置すれば、シングルモードファイバ517の長さを可変することにより、レーザ走査型顕微鏡と分光器との位置関係を自由に選択できるため、配置の自由度があり、かつ、分光機能を有したレーザ走査型顕微鏡を構成することができる。
【0038】
次に、図9を参照して第5参考例について説明する。
第5参考例は2チャンネルの分光器を示したものである。この分光器は、図1に示した第1の光学系2と平面回折格子3との間にビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタあるいはダイクロイックミラー7のいずれかひとつ若しくはこれに類するものを配置して光路を分割することにより構成されている。なお、分割された光路の先、すなわち、平面回折格子3から光検出器6までの構成は、図1と同様である。こうした構成とすることにより、2チャンネルの分光器を実現することができる。なお、本参考例の分光器を第2参考例例から第4参考例の分光器と置き換えて構成することもできる。
【0039】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態について参考例とともに詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、第2参考例から第4参考例のレーザ走査型顕微鏡、共焦点光学系における分光器を、本実施形態に係る分光器と置き換えたレーザ走査型顕微鏡、共焦点光学系を構成することもできる。
また、例えば、第1参考例においては、ピンホールの径を光線のNA、光線の波長によって定めると説明したが、光学系を構成する各構成要素を勘案して、ピンホール径に自由度をもたせるように可変径ピンホールを用いてもよい。
【0040】
また、第1参考例および[表1]においては、第2の光学系を接合レンズとして説明したが、[数3]の要件を満たすものであれば、互いに隔たった2枚以上のレンズで構成してもよい。また、第3参考例においては、分光器の光源をピンホールであるとして説明したが、ピンホールでなくても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の参考例にかかる分光器の構成図である。
【図2】異なる波長のスポットが位置をずらしながら並んでいる様子を表した模式図である。
【図3】本発明の第2参考例にかかる分光機能を有するレーザ走査型顕微鏡の構成図である。
【図4】本発明の第1参考例にかかる第1の光学系の断面図である。
【図5】本発明の第1参考例にかかる第2の光学系の断面図である。
【図6】本発明の実施例にかかる第1の光学系の断面図である。
【図7】本発明の第3参考例にかかる分光機能を有するフローサイトメータの構成図である。
【図8】本発明の第4参考例にかかる分光機能を有するレーザ走査型顕微鏡の構成図である。
【図9】本発明の第5参考例にかかる分光器の構成図である。
【図10】従来例にかかる分光器の構成図である。
【図11】従来例にかかるスペクトル選択装置の構成図である。
【図12】波長分解能が悪い状態、良い状態での光量を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1・・・ピンホール、2・・・第1の光学系、3・・・平面回折格子、4・・・第2の光学系、5・・・可変幅スリット、6・・・光検出器、7・・・ダイクロイックミラー、501・・・光源、502・・・ビームエキスパンダ、503・・・ビームスプリッタ、504、505・・・光偏向器、506・・・瞳伝送光学系、507・・・瞳投影光学系、508・・・対物レンズ、509・・・標本、510・・・フローサイトメータ用の標本、514・・・コンフォーカルレンズ、515・・・共焦点ピンホール、516・・・分光器、517・・・シングルモードファイバ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の波長を含んだ発散光を実質的に点光源として出射する出射端と、該出射端から出射された発散光を略平行光にする第1の光学系と、該第1の光学系により略平行光になった光束を分光する分光素子と、該分光素子により分光された光束を焦点面近傍に集光する第2の光学系とを備え、前記第1の光学系が負の焦点距離をもつ第1のレンズ群と正の焦点距離をもつ第2のレンズ群とから構成されている分光器。
【請求項2】
光源と、該光源から発した光を標本上に集光させる対物レンズと、前記標本からの反射光もしくは前記標本から発生した蛍光を分光する分光器と、該分光器と前記標本との間に該標本と光学的に共役な点を設けた共焦点光学系であって、前記分光器が請求項1に記載された分光器である共焦点光学系。
【請求項3】
光源と、該光源から発した光を標本上に集光させる対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に配置され、前記標本上に集光された光点を光学的に走査させる光偏向器と、該光偏向器と前記対物レンズとの間に配置され、前記光偏向器と前記対物レンズの瞳とを互いに光学的に共役とする瞳投影光学系と、前記光偏向器と分光器との間で前記標本と光学的に共役な位置に配置され、実質的に点光源である共焦点ピンホールとを備え、前記分光器が請求項1に記載された分光器である走査型光学顕微鏡。
【請求項4】
光源と、該光源から発した光を標本上に集光させる対物レンズと、前記光源と前記対物レンズとの間に配置され、前記標本上に集光された光点を光学的に走査させる光偏向器と、該光偏向器と前記対物レンズとの間に配置され、前記光偏向器と前記対物レンズの瞳とを互いに光学的に共役とする瞳投影光学系と、前記光偏向器と分光器との間で前記標本と光学的に共役な位置に配置されたシングルモードファイバの入射端を有し、該シングルモードファイバの出射端が前記分光器の点光源であって、前記分光器が請求項1に記載された分光器である走査型光学顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−304103(P2007−304103A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−160319(P2007−160319)
【出願日】平成19年6月18日(2007.6.18)
【分割の表示】特願2002−296329(P2002−296329)の分割
【原出願日】平成14年10月9日(2002.10.9)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】