説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく高性能化する。
【解決手段】シリコン基板1の主面s1上に順に形成された複数の素子、層間絶縁膜2およびパッド3と、パッド3に電気的に接続するバンプ電極4と、シリコン基板1の裏面s2に形成され、バンプ電極4に電気的に接続する裏面電極6とを有する半導体装置である。バンプ電極4は、パッド3を貫通し、シリコン基板1側に向かって突出するような突出部d1を有する。また、裏面電極6は、シリコン基板1の裏面s2側から主面s1側に向かって、バンプ電極4の突出部d1に達し、パッド3には達しないような裏面電極用孔部7の内側を覆うようにして形成されていることで、バンプ電極4と電気的に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置および製造技術に関し、特に、複数の半導体チップを多数積層した構造を備えた半導体装置に適用して有効な技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やデジタルカメラなどのモバイル機器には、半導体パッケージ内部に複数のチップを積層搭載したSiP(System in Package)が広く用いられている。チップを積層状に配置することで、平置きに配置する場合と比べて実装面積を小さくできる。また、同一実装面積で多数のチップを搭載できる。ただし、各チップ間をボンディングワイヤで接続する場合には、チップ周辺領域にボンディングワイヤを一度落とす配線スペースが必要となり、実装面積はチップサイズより大きくなる。また、ボンディングワイヤが長いために抵抗やインダクタンスが高くなり、高速動作に適さないといった課題がある。
【0003】
これらの課題を解決するため、チップ内部を貫通する電極を形成して、チップを直接接続するシリコン貫通電極技術の開発が進められている。チップ間を直接接続するこの構造では、チップ周辺部に配線スペースが不要であり、実装面積の省スペース化が可能となる。更に、チップ間配線が最短となるため、配線抵抗とインダクタンスを低く抑えることができ、高速動作が可能となる。
【0004】
例えば特開2000−260934号公報(特許文献1)には、チップに貫通孔を形成した後に、電解あるいは無電解メッキ法により半田あるいは低融点金属を埋め込んで貫通電極を形成し、加熱によって埋め込み金属を溶融させてチップ間を接続する技術が報告されている。
【0005】
また、例えば特開2007−53149号公報(特許文献2)には、下段チップに形成した中空の貫通電極に上段チップに形成したバンプを押し付けて、バンプおよび貫通電極の塑性変形を起こし、バンプと貫通電極を物理的にかしめてチップ間を接続する技術が報告されている。
【0006】
上記バンプの形成方法として、スタッドバンプ法やめっきバンプ法が考えられる。例えば、特開2007−73919号公報(特許文献3)には、先端部が尖ったバンプをめっきバンプ法で形成する方法が開示されている。このようなバンプは変形性に富み、上記特許文献2に記載されているチップ間接続技術に適している。
【特許文献1】特開2000−260934号公報
【特許文献2】特開2007−53149号公報
【特許文献3】特開2007−73919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者らが検討した上記特許文献2の技術では、半導体ウェハ主面に半導体素子、多層配線およびボンディングパッドを形成した後に、半導体ウェハ裏面から貫通電極を形成する。このように、貫通電極を最後に形成することで、貫通電極形成時に発生するパーティクルやコンタミネーションがデバイスに与える影響を低減することができ、デバイスおよび多層配線の設計や作製プロセスを変更する必要が無い。また、ワイヤボンディングによるチップ間接族を前提とする既存製品チップにも貫通電極を作製できるなど、貫通電極を実装技術の一部として扱えるメリットも大きい。
【0008】
一方で、半導体ウェハ主面に形成したデバイスと貫通電極を電気的に接続するためには、貫通電極とボンディングパッドとを電気的に接続する必要がある。このボンディングパッドは層間絶縁膜の表面に配置されており、貫通電極を裏面から形成するためには、シリコン基板部および層間絶縁膜を貫通させ、ボンディングパッド面で止まる孔を形成する。このようにして、貫通電極を形成することができる。
【0009】
しかしながら、上記のような貫通電極の形成方法に関する本発明者らの更なる検討により、以下のような課題を有することが分かった。貫通電極を形成するためにシリコン基板の裏面から孔を形成する際に、下層に位置する層間絶縁膜はそれ自体の加工性が低く、かつ、シリコン基板に空けた深い孔の底面に配置する部分を加工するため、エッチング種が侵入し難い。更に、そのエッチングは、薄いボンディングパッドに達したところで止める必要がある。
【0010】
今後の技術動向として、半導体装置に搭載するデバイスの高集積化が進み、1チップあたりに形成する貫通電極の数は増加することが考えられる。その結果、貫通電極は小径かつ高アスペクト比を有するようになる。このような背景において、裏面加工のみで貫通電極のための孔部を形成するのは困難となることが分かった。貫通電極の加工が困難であり、より高度な加工技術を要することは、上記のような高性能な半導体装置の生産性を低下させる原因となる。
【0011】
そこで、本発明の目的は、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく高性能化する技術を提供することにある。
【0012】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本願においては複数の発明が開示されるが、そのうちの一実施例の概要を簡単に説明すれば以下の通りである。
【0014】
半導体基板の第1主面に形成された複数の素子と、それを覆うようにして形成された層間絶縁膜と、その表面に形成され、かつ、複数の素子と電気的に接続するパッドと、そのパッドに電気的に接続するようにして形成されたバンプ形状の第1電極と、半導体基板の第2主面側に形成され、かつ、第1電極と電気的に接続するようにして形成された第2電極とを有する半導体装置である。特に、第1電極はパッドを貫通し、半導体基板側に向かって突出するような突出部を有し、第2電極は半導体基板の第2主面側から第1主面側に向かって、第1電極部の突出部に達し、かつ、パッドには達しないような第2電極用孔部の内側を覆うようにして形成されていることで、第1電極と電気的に接続されている。
【発明の効果】
【0015】
本願において開示される複数の発明のうち、上記一実施例により得られる効果を代表して簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0016】
即ち、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく高性能化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は可能な限り省略するようにしている。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
(実施の形態1)
本実施の形態1の半導体装置の構成を、図1〜図3を用いて説明する。図1には本実施の形態1の半導体装置が有するシリコン基板(半導体基板)1の要部断面図、図2にはそのシリコン基板1の主面(第1主面)s1側の要部平面図、図3にはそのシリコン基板1の裏面(第2主面)s2側の要部平面図を示している。シリコン基板1の主面s1と裏面s2とは、厚さ方向に沿って互いに反対側に位置している。
【0019】
シリコン基板1の主面s1には、電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)、キャパシタ、不揮発性メモリセルなどの複数の半導体素子(素子)が形成されている(図示しない)。更にシリコン基板1の主面s1においては、上記の複数の素子を覆うようにして、層間絶縁膜2が形成されている。層間絶縁膜は、酸化シリコンを主体とする絶縁膜である。層間絶縁膜2の表面にはパッド3(ボンディングパッド)が形成されている。パッド3は、層間絶縁膜2中の多層配線やプラグ(図示しない)を介して、シリコン基板1の主面s1上の複数の素子と電気的に接続している。
【0020】
また、パッド3上には、電気的に接続するようにしてバンプ電極(第1電極)4が形成されている。バンプ電極4は、シリコン基板1の主面s1側において、所定の立体形状をなして突出した、所謂バンプ形状を有している。バンプ電極4は、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)などの単層構造、または、これらの材料からなる積層構造などからなる導電体である。
【0021】
本実施の形態1の半導体装置において、バンプ電極4は、以下のような構成を有している。即ち、本実施の形態1のバンプ電極4は、パッド3を貫通し、シリコン基板1側に向かって突出するような突出部d1を有している。図1では、一例として、バンプ電極4の突出部d1は、層間絶縁膜2も貫通し、断面的に見てシリコン基板1の内部に達するようにして形成されている構造を示した。また、バンプ電極4およびその突出部d1の底部には、バンプ電極用シード層(第1電極用シード層)5が形成されている。バンプ電極用シード層5は製造工程上必要な構成要素であり、後に本実施の形態1の製造方法を説明する際に、これに関して詳しく説明する。
【0022】
シリコン基板1の裏面s2には、裏面電極(第2電極)6が形成されている。裏面電極6は、以下のような構成により、バンプ電極4と電気的に接続するようにして形成されている。シリコン基板1の裏面s2側から、主面s1側に向かって、少なくともバンプ電極4の突出部d1の深さまで達し、かつ、パッド3には達しないように、裏面電極用孔部(第2電極用孔部)7が形成されている。そして、この裏面電極用孔部7の内側を覆うようにして裏面電極6が形成されている。これにより、裏面電極用孔部7の内部で裏面電極6とバンプ電極4の突出部d1が接触し、両者は互いに電気的に接続された状態となっている。図1では、一例として、裏面電極用孔部7はシリコン基板1を第2主面s2から第1主面s1まで貫通し、層間絶縁膜2に達した構造を示している。また、一例として、平面的に見て、裏面電極用孔部7の径はバンプ電極4の突出部d1の径よりも大きい構造を示している。従って、バンプ電極4の突出部d1は平面的に見て、裏面電極用孔部7の内側に含まれるように、各構成が配置されている。
【0023】
また、裏面電極6とシリコン基板1との境界部には絶縁膜8が形成されていることで、両者を電気的に絶縁している。また、裏面電極6の下層には、裏面電極用シード層9が形成されている。裏面電極用シード層9は製造工程上必要な構成要素であり、後に本実施の形態1の製造方法を説明する際に、これに関して詳しく説明する。
【0024】
なお、裏面電極6は裏面電極用孔部7の内側だけでなく、その外側のシリコン基板1の第2主面s2にも形成されている。この部分に、ワイヤボンディングによって金属線を結線することができる。また、図3に示すように、異なる箇所に配置した裏面電極6を、シリコン基板1の第2主面s2上において互いに結線し、配線を形成しても良い。
【0025】
以上が、本実施の形態1の半導体装置が有する貫通電極の構造である。各構成の効果に関しては、以下の製造工程の説明中、または、後の他の基板との接続方法の説明中に、詳しく説明する。
【0026】
次に、上記で説明した構成の本実施の形態1の半導体装置の製造方法を、図4から図19を用いて説明する。各図は、製造工程中における、上記図1に対応する箇所のシリコン基板1の要部断面図である。
【0027】
工程は、まず、シリコン基板1の主面s1に、電界効果トランジスタ、キャパシタ、不揮発性メモリセルなど複数の半導体素子を形成する(図示しない)。
【0028】
その後、図4に示すように、シリコン基板1の主面s1上において、上記複数の半導体素子を覆うようにして、層間絶縁膜2を形成する。層間絶縁膜2内部には、半導体素子と電気的に接続するようにして多層配線が形成されている(図示しない)。続いて、層間絶縁膜2の表面にパッド3を形成する。パッド3は、層間絶縁膜2内の多層配線と電気的に接続しており、この多層配線を介して複数の半導体素子と電気的に接続している。
【0029】
次に、図5に示すように、層間絶縁膜2の表面側から、パッド3を貫通し、シリコン基板1に向かって深さを有するような、バンプ電極用孔部(第1電極用孔部)10を形成する。これには、まず、層間絶縁膜2の表面においてパッド3の一部が露出するように、フォトリソグラフィ法によってパターニングしたフォトレジスト膜(図示しない)を形成する。その後、このフォトレジスト膜をエッチングバリアとして、ICP−RIE(Inductively Coupled Plasma-Reactive Ion Etching)法によって、異方性エッチングを施すことで、バンプ電極用孔部10を形成する。その後、有機溶剤や酸素アッシングなどによって、残存するレジストマスクを除去する。ここでは、特に、層間絶縁膜2の表面から、パッド3および層間絶縁膜2を貫通し、シリコン基板1にまで達するような深さのバンプ電極用孔部10を形成する。
【0030】
次に、図6に示すように、バンプ電極用孔部10の内面を含めた層間絶縁膜2の表面全面に、バンプ電極用シード層5を形成する。形成するシード層として、例えば、チタン(Ti)、チタンタングステン(TiW)膜などを用いる。また、このようなバンプ電極用シード層5は、スパッタリング法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法または蒸着法などによって形成する。
【0031】
次に、図7に示すように、シリコン基板1の主面s1側全面に、フォトレジスト膜11を形成する。これは、スピナーやスプレーなどを用いて塗布することで形成する。形成するフォトレジスト膜11の厚さは、10〜30μm程度の膜厚となるように塗布する。これは、後に形成するバンプ電極4(上記図1参照)の高さになる。
【0032】
その後、露光、現像という一連のフォトリソグラフィ工程によって、フォトレジスト膜11を所望の形状にパターニングする。特に、後に詳細に説明するように、フォトレジスト膜11にパターニングした孔の形状は、後に形成するバンプ電極4の外形となる。本図7にはこのような外形を有するフォトレジスト膜11の孔を例示している。
【0033】
ここで、バンプ電極4が、上記図1のように、向かい合う側壁の間隔がシリコン基板1に近付くに従って広くなるようなテーパ形状を有するように形成する方法を例示する。この方法の詳細は、上記特許文献3に記載されている。通常、フォトレジスト膜11などを塗布した後、露光工程を施す前にプリベーク(またはソフトベーク)と称される加熱処理を施すことで、フォトレジスト膜を固化する。このとき、シリコン基板1側(フォトレジスト膜11の裏面側)とフォトレジスト膜11の表面側とに対して温度勾配を与える。これにより、フォトレジスト膜11の現像液耐性において、膜厚方向に見て勾配が生じる。これにより、上述のようなテーパ形状を有した孔を、フォトレジスト膜11に形成できる。なお、形成する孔の平面形状としては、円形、多角形などがある。これらの形状による効果の差異に関しては、下記実施の形態3で詳細に説明する。
【0034】
次に、図8に示すように、電解めっき法(電気めっきとも言う)によって、フォトレジスト膜11の孔内に金属を埋め込み、バンプ電極4を形成する。埋め込み金属としては、Au,Cu,Al,Niなどの単層構造、または、これらの積層構造などとする。ただし、後に詳しく説明するように、バンプ電極4は、その塑性変形を利用してチップ間を接続するため、最表面は塑性変形を起こしやすいAuとするのが望ましい。その後、有機溶剤や酸素アッシングなどによって、フォトレジスト膜11を除去する。
【0035】
以上のようにして、本実施の形態1の半導体装置が有する、上記図1を用いて説明したような、突出部d1を備えたバンプ電極4を形成できる。
【0036】
次に、図9に示すように、バンプ電極用シード層5のうち、バンプ電極4に覆われていない部分を、エッチングにより除去する。ここでは、バンプ電極4をエッチングマスクとして用い、他のエッチングマスクを形成せずにエッチングを施す方が、より好ましい。これにより、工程数を削減できる。その際のエッチング方法としては、ICP−RIEを用いたドライエッチングや、エッチング溶液を用いたウェットエッチングなどが考えられる。
【0037】
次に、図10に示すように、層間絶縁膜2の表面に接着層12を塗布し、例えば、石英ガラスやシリコンウェハなどのサポートウェハ13を貼り合わせる。サポートウェハ13を貼り合わせることで、後の工程でシリコン基板1を薄型化した際に発生する強度低下や反りなどを抑制できる。更に、接着層12はシリコン基板1の主面s1上に形成した複数の素子、多層配線、ボンディングパッド3およびバンプ電極4などを保護する役割を担う。このような接着層12としては、例えばエポキシ系接着剤やフォトレジスト膜などが考えられるが、貫通電極形成後にサポートウェハ13の引き剥がしが可能な素材である必要がある。
【0038】
次に、図11に示すように、シリコン基板1に対し、裏面s2側からバックグラインド処理を施すことで、シリコン基板1の厚みを薄くする。バックグラインド処理の方法として、例えば、研削、研磨などがある。なお、削ったあとのシリコン基板1の裏面s2の平坦性は貫通電極の加工精度に影響を及ぼす。そのため、バックグラインド処理後は、ドライポリッシュやエッチング、あるいはCMP(Chemical Mechanical Polishing)を実施することが望ましい。
【0039】
次に、図12に示すように、シリコン基板1の裏面s2にフォトレジスト膜14を塗布し、一連のフォトリソグラフィ法によってパターニングする。ここでは、後に裏面電極用孔部7(上記図1参照)を加工する部分のシリコン基板1が露出するように、フォトレジスト膜14に開口部を形成する。即ち、本工程の段階で形成されている構成要素のうち、パッド3やバンプ電極4の位置で、フォトレジスト膜14の開口部形成位置を決定する。位置合わせ方法として、例えば、赤外線顕微鏡などを使ってシリコン基板1の裏面s2から、当該基板のシリコンを透過して、パッド3を確認する方法や、シリコン基板1の主面s1および裏面s2に光学系を配置して確認する方法がある。
【0040】
次に、図13に示すように、ICP−RIEで異方性エッチングを施すことで、シリコン基板1の裏面s2に裏面電極用孔部7を形成する。なお、プロセスガスとして、例えばSFやCなどを用いる。通常シリコン基板1のドライエッチングでは、酸化シリコン膜などをエッチングマスクとしてエッチングする。そのため、エッチングは酸化シリコン膜を主成分とする層間絶縁膜2でエッチングがストップする。従って、裏面電極用孔部7の深さは、シリコン基板1の厚みによって決定する。このようにして、上記図1で説明したような、本実施の形態1の半導体装置が有する裏面電極用孔部7を形成できる。
【0041】
次に、図14に示すように、裏面電極用孔部7の内面を含むシリコン基板1の裏面s2全面に、例えばCVD法によって絶縁膜8を形成する。絶縁膜8としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、ポリイミド樹脂などを主体とする絶縁膜を形成する。ここで、裏面電極用孔部7の内部にはプロセスガスが入り込みにくく、裏面電極用孔部7の内部に堆積する絶縁膜8は、外部に堆積する絶縁膜8よりも薄くなる。なお、成膜の際には、CVD法では、300℃〜500℃程度の温度で成膜することが一般的である。これに対し、本実施の形態1の製造方法では、サポートウェハ13の貼り合わせに用いた接着層12が変質して剥がれない様に、より低い温度で絶縁膜8を形成しても良い。
【0042】
次に、図15に示すように、裏面電極用孔部7の内部に形成した絶縁膜8のうち、孔内の底部の絶縁膜8を除去する。ここでは、バンプ電極4の突出部d1が露出するまで、絶縁膜8を除去する。ただし、後に形成する裏面電極6(上記図1参照)とシリコン基板1との接続を防ぐ目的から、本工程のエッチングによって、シリコン基板1は露出しないように調節する。シリコン基板1の裏面s2と垂直な方向に異方性を持つようなドライエッチングを施す。このとき、上述のように、裏面電極用孔部7内部の絶縁膜8は、外部の絶縁膜8に比べて薄い。従って、上記のようにして異方性エッチングを施すことで、裏面電極用孔部7の底部の絶縁膜8をバンプ電極4の突出部d1が露出する程度まで除去しても、側壁を覆う絶縁膜8および孔の外部の厚い絶縁膜8も完全には除去されずに残る。即ち、裏面電極用孔部7の周辺において、バンプ電極4の突出部d1を露出させ、シリコン基板1は絶縁膜8で覆われた状態となるように、絶縁膜8を加工することができる。
【0043】
次に、図16に示すように、裏面電極用孔部7の内面を含むシリコン基板1の裏面s2に裏面電極用シード層9を、スパッタリング法などによって形成する。形成する裏面電極用シード層9としては、例えば、0.02〜0.3μm程度のTi膜と、0.3〜2μm程度のAu膜とからなる積層膜を形成する。Ti膜は絶縁膜8とAu膜との密着性を向上させるために形成し、Au膜は後に裏面電極をめっき法によって形成する際のシード層として形成する。このほか、裏面電極用シード層9としては、例えば、クロム(Cr)膜とAu膜との積層膜を形成しても良い。
【0044】
次に、図17に示すように、シリコン基板1の裏面s2側にフォトレジスト膜15を形成し、フォトリソグラフィ法によってパターニングする。ここでは、上記図1を用いて説明した裏面電極6を形成する箇所において、裏面電極用シード層9が露出するように、フォトレジスト膜15を開口する。
【0045】
続いて、フォトレジスト膜15から露出した部分の裏面電極用シード層9を用いて電解めっき法を施すことで金属膜を形成する。これにより、当該裏面電極用シード層9を覆うようにして金属膜が堆積され、裏面電極6を形成することができる。この金属膜は、裏面電極用孔部7を完全には埋め込まないような膜厚とする。金属膜としては、Au,Cu,Al,Niなどの単層構造、または、これらの積層構造などとする。ただし、後に詳しく説明するように、裏面電極6は、その塑性変形を利用してチップ間を接続するため、最表面は塑性変形を起こしやすいAuとするのが望ましい。その後、有機溶剤や酸素アッシングなどによって、フォトレジスト膜15を除去する。
【0046】
次に、図18に示すように、フォトリソグラフィ工程によって、裏面電極用孔部7および裏面電極6を覆うような、フォトレジスト膜16を形成する。その後、当該フォトレジスト膜16をエッチングマスクとして、裏面電極用シード層9にエッチングを施す。これにより、フォトレジスト膜16および裏面電極6に覆われていない部分の裏面電極用シード層9を除去する。例えば、Au膜のエッチング溶液としてはヨウ素とヨウ化アンモニウムの混合液を用い、Ti膜のエッチング溶液としてはフッ素を用いる。
【0047】
その後、有機溶剤や酸素アッシングなどによってフォトレジスト膜16を除去する。更に、シリコン基板1から接着層12を除去することで、サポートウェハ13の引き剥がしを行う。例えば、熱可塑性の接着層12であれば、加熱によってサポートウェハ13の引き剥がしを行う。また、例えば、フォトレジスト膜などを使って接着している場合は、有機溶剤などによって、サポートウェハ13の引き剥がしを行う。以上の工程によって、本実施の形態1の半導体装置が有する、図19に示すような構造の貫通電極を形成することができる。
【0048】
続く工程では、ウェハ状のシリコン基板1をブレードダイシングによってチップ状に個片化する。ここで、上記のようにサポートウェハ13を引き剥がした後に、当該チップの個片化を行うとハンドリングは難しくなるものの、サポートウェハ13の再利用が可能になる。
【0049】
以上で説明したような本実施の形態1の構造の貫通電極を有する半導体装置を適用することで、以下のような効果を発現しうる。
【0050】
本実施の形態1の貫通電極構造では、バンプ電極4は突出部d1を有しており、この突出部は、パッド3から見てシリコン基板1側に入り込むような形状を有していた。これは、シリコン基板1の反対側の面(裏面s2)から形成する裏面電極用孔部7の加工を容易にする効果を有する。なぜなら、通常、孔部をパッド裏面まで掘り下げなければならないのに対し、本実施の形態1では、バンプ電極4の突出部d1が突出している分だけ、掘り下げる量は浅くて済むからである。
【0051】
特に、裏面電極用孔部7をパッド3まで到達させようとした場合、孔の底にある加工し難い層間絶縁膜2を加工しなくてはならず、かつ、薄いパッド3にダメージを与えることなくエッチングを止める必要がある。これに比べて、本実施の形態1の製造方法では、パッド3を貫通するようにバンプ電極4の突出部d1を形成しているから、その分だけ層間絶縁膜2の加工量を減らすことができる。更に、パッド3への裏面s2側からの加工の必要が無いから、パッド3へのダメージを低減できる。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく高性能化することができる。
【0052】
また、本実施の形態1の製造方法では、上述のように、バンプ電極4の形成方法として電解めっき法を適用できる。電解めっき法によって形成したバンプ電極4は、例えば、スタッドバンプなどと比較して、より狭い間隔(ピッチ)で配置させることができる。このように、本実施の形態1の構造の貫通電極を適用することで、多ピン化に適した構造の半導体装置を実現できる。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく、より高性能化することができる。
【0053】
(実施の形態2)
本実施の形態2では、上記実施の形態1の半導体装置における貫通電極の形状を変えて、異なる効果を発現する構造を説明する。本実施の形態2の半導体装置において、以下で説明する構成以外は上記実施の形態1の半導体装置と同様の構成であり、同様の効果を有する。
【0054】
第1の構造として、図20を用いて説明する。本実施の形態2の半導体装置の貫通電極は、上記実施の形態1の半導体装置の貫通電極と同様の構造を有する。特に、シリコン基板1の主面s1側に形成したバンプ電極4は突出部d1を有し、その突出部d1は、パッド3を貫通し、層間絶縁膜2も突き抜け、裏面電極用孔部7の内側に突出している。これらは、言い換えれば、以下の条件を満たす構造であると言える。即ち、シリコン基板1を平面的に見た場合、バンプ電極4の突出部d1の径である突出部径r1は、裏面電極用孔部7の径である孔部径r2よりも小さい。更に、バンプ電極4の突出部d1の長さとして、層間絶縁膜2表面から見た突出部d1の長さである突出部長さt1は、層間絶縁膜2の厚さである層間膜厚t2よりも大きい。
【0055】
ここで、一例として、上記のような貫通電極構造を有する2つのチップ(第1チップC1および第2チップC2)を電気的に接続する場合を説明する。第1チップC1および第2チップC2の貫通電極構造は同じである。ここでは、第1チップC1の裏面電極用孔部7に第2チップC2のバンプ電極4をかしめる。本明細書においてかしめるとは、例えば、孔部に突部をはめ込み、密着させることを言う。この場合には、第1チップC1の裏面電極用孔部7に第2チップC2のバンプ電極4をはめ込み、裏面電極用孔部7の側壁にバンプ電極4を密着させる。これにより、裏面電極用孔部7の側壁に形成されている第1チップC1の裏面電極6と、第2チップC2のバンプ電極4とを接触させる。このようにして、第1チップC1と第2チップC2とを電気的に接続できる。
【0056】
更に、以下のような効果も有する。本実施の形態1の半導体装置では、その貫通電極構造において、裏面電極6の底部は、バンプ電極4の突出部d1によって押し上げられている。言い換えれば、裏面電極6は、裏面電極用孔部7の深さよりも浅くなるように、形成されている。これにより、第1チップC1の裏面電極用孔部7に第2チップのバンプ電極4をはめ込むと、バンプ電極4がおしつぶされて横方向に塑性変形を起こすため、より強固なかしめ接続を実現することができる。これにより、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、安定性を向上させることができる。
【0057】
次に、第2の構造として、図21を用いて説明する。第2の構造では、バンプ電極4の突出部径r1と裏面電極用孔部7の孔部径r2との大小関係は、上記第1の構造と同様である。即ち、突出部径r1は孔部径r2よりも小さい。更に、第2の構造では、バンプ電極4の突出部長さt1は、層間膜厚t2よりも小さい。従って、第2の構造では、バンプ電極4の突出部d1は、シリコン基板1までには達せず、層間絶縁膜2内において突出するように形成されている。
【0058】
この第2の構造の貫通電極を有する半導体装置の製造方法を説明する。まず、上記図4の方法と同様にして、シリコン基板1の主面s1に複数の半導体素子、層間絶縁膜2およびパッド3を形成する。
【0059】
その後、図22に示すように、上記図5の方法と同様にして、バンプ電極用孔部10を形成する。ただし、本工程では、バンプ電極用孔部10はシリコン基板1まで達しないように形成する。言い換えれば、バンプ電極用孔部10は、異方性エッチングを層間絶縁膜2の途中で停止するように施すことで形成する。続く工程では、上記図6〜上記図12と同様の工程を施す。
【0060】
続いて、図23に示すように、上記図13の方法と同様にして、シリコン基板1の裏面s2から裏面電極用孔部7を形成する。ただし、本工程では、裏面電極用孔部10はシリコン基板1を貫通し、層間絶縁膜2の一部を削るようにして形成する。この場合、シリコン基板1をエッチングするために用いたSF,Cなどのプロセスガスを、層間絶縁膜2をエッチングするためのC,Ar,CHFなどに変える。その際、新たなエッチングマスクは形成せず、フォトレジスト膜14の残りと、シリコン基板1の裏面s2をエッチングマスクとして、層間絶縁膜2に異方性エッチングを施す。特に、層間絶縁膜2の中のバンプ電極4の突出部d1(バンプ電極用シード層5)が露出するまで、異方性エッチングを施す。
【0061】
その後、上記図14〜上記図19と同様の工程を施すことで、上記図21に示した本実施の形態2の第2の構造である貫通電極を形成することができる。
【0062】
上記のような裏面電極用孔部7の形成方法であっても、層間絶縁膜2を貫通してパッド3に至るようなエッチングを施す必要はない。なぜなら、上記実施の形態1と同様に、バンプ電極4はパッド3を貫通する突出部d1を有し、少なくともこの突出部d1が露出するようにエッチングを施せば良いからである。このように、シリコン基板1の両面から孔部を形成する手法により、上記実施の形態1と同様に以下のような効果が得られる。即ち、パッド3を貫通するようにバンプ電極4の突出部d1を形成しているから、その分だけ層間絶縁膜2の加工量を減らすことができる。更に、パッド3への裏面s2側からの加工の必要が無いから、パッド3へのダメージを低減できる。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく高性能化することができる。
【0063】
更に、この第2の構造によれば、裏面電極用孔部7の内側には、バンプ電極4の突出部d1が突き出していない構造とすることができる。これにより、より平坦に裏面電極6(およびその下層の裏面電極用シード層9)を形成できる。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく、より高性能化することができる。
【0064】
一方、バンプ電極4の突出部d1がシリコン基板1の内部に達している第1の構造では、この第2の構造と比較して、より浅い裏面電極6を有する構造とすることができる。これは、上述のように、かしめ接続をより強化することができる。
【0065】
また、第1および第2の構造の貫通電極は、複数のチップを積層する際に位置合わせずれを起こし難い構造である。なぜなら、第2の構造では、バンプ電極4をはめ込む裏面電極用孔部7が幅広であり、バンプ電極4の平面的なずれを許容できる範囲が広いからである。このようにチップ間接続時の合わせずれが少ないことは、半導体装置の微細・多ピン化に適した構造であると言える。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく、より高性能化することができる。
【0066】
次に、第3の構造として、図24を用いて説明する。第3の構造では、バンプ電極4の突出部長さt1と層間膜厚t2との関係は、上記第2の構造と同様である。即ち、突出部長さt1は層間膜厚t2よりも小さい。従って、第3の構造においても、上記第2の構造と同様に、裏面電極用孔部7の内壁を、より平坦に裏面電極6で覆い易いという効果を有する。更に、第3の構造では、バンプ電極4の突出部径r1は、裏面電極用孔部7の孔部径r2よりも大きい。即ち、第3の構造では、平面的に見て、裏面電極用孔部7はバンプ電極4の突出部d1に内包されるようにして形成されている。
【0067】
第3の構造の貫通電極は、バンプ電極用孔部10および裏面電極用孔部7の径の大小関係が上記になるように設定することを除いて、上記第2の構造の貫通電極と同様にして形成できる。
【0068】
このような第3の構造の貫通電極は、各電極用孔部7,10を形成する際のアライメントずれを起こし難い構造である。なぜなら、第3の構造では、先に形成するバンプ電極用孔部10が幅広であり、そのいずれかの位置に平面的に重なるように、裏面電極用孔部7を形成すれば良いからである。このように、本実施の形態2の半導体装置の貫通電極に第3の構造を適用することは、製造方法上の利点を有する。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく、より高性能化することができる。
【0069】
一方、バンプ電極4の突出部径r1が裏面電極用孔部7の孔部径r2よりも小さい第1および第2の構造では、上述のように、複数のチップを積層する際に位置合わせずれを起こし難い。このようにチップ間接続時の合わせずれが少ないことは、半導体装置の微細・多ピン化に適した構造であると言える。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく、より高性能化することができる。
【0070】
次に、第4の構造として、図25を用いて説明する。第4の構造では、バンプ電極4の突出部径r1と裏面電極用孔部7の孔部径r2との関係は上記第3の構造と同様であり、突出部径r1は孔部径r2よりも大きい。即ち、平面的に見て、裏面電極用孔部7はバンプ電極4の突出部d1に内包されるようにして形成されている。従って、第4の構造においても、上記第3の構造と同様に、各電極用孔部7,10を形成する際のアライメントずれを起こし難くすることができるという効果を有する。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく、より高性能化することができる。
【0071】
更に、第4の構造では、バンプ電極4の突出部の長さt1と層間膜厚t2との関係は、上記第1の構造と同様であり、突出部長さt1は層間膜厚t2よりも大きい。即ち、断面的に見て、バンプ電極4の突出部d1は層間絶縁膜2を貫通してシリコン基板1の内部にまで至っている。従って、第4の構造においても、上記第1の構造と同様に、チップを積層して接続する際に、より強固なかしめ接続が可能となるという効果を有する。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく、より高性能化することができる。
【0072】
ここで、上記の第4の構造では、バンプ電極4の突出部d1が裏面電極用孔部7に内包されていないため、シリコン基板1と接触し得る構造となる。導電性を持つ両者が接触することは、リーク電流を発生させる原因となる。そこで、バンプ電極4の突出部d1とシリコン基板1とが電気的に接続されないように、少なくとも両者の境界部には、保護絶縁膜17を形成する必要がある。図25には、一例として、バンプ電極用孔部10の内壁から、その外部の層間絶縁膜2の表面に至るまでを一体的に覆うようにして保護絶縁膜17を配置した構造を示している。
【0073】
また、バンプ電極4(その下層のバンプ電極用シード層5)とパッド3とは電気的に接続している必要がある。そのために、パッド3上の要部p1においてパッド3を覆う保護絶縁膜17に孔を設け、パッド3とバンプ電極4とを接触させた構造としている。また、バンプ電極4(その下層のバンプ電極用シード層5)と裏面電極6(その下層の裏面電極用シード層9)とは電気的に接続している必要がある。そのために、両者の境界部の要部p2において保護絶縁膜17に孔を設け、バンプ電極4と裏面電極6とを接触させた構造としている。
【0074】
以下では、このような第4の構造の貫通電極を有する半導体装置の製造方法を説明する。まず、上記図4の方法と同様にして、シリコン基板1の主面s1に複数の半導体素子、層間絶縁膜2およびパッド3を形成する。その後、図26に示すように、上記図5の方法と同様にして、バンプ電極用孔部10を形成する。
【0075】
次に、図27に示すように、バンプ電極用孔部10を含めたシリコン基板1の主面s1側の層間絶縁膜2の表面全面に、保護絶縁膜17を形成する。保護絶縁膜17としては、例えば酸化シリコン膜などを、CVD法やスパッタリング法などによって形成する。
【0076】
次に、図28に示すように、保護絶縁膜10のうち、パッド3を覆う部分である要部p1においてパッド3が露出するようにコンタクトホールを形成する。これには、フォトリソグラフィ法やエッチング法などを用いる。
【0077】
次に、図29に示すように、保護絶縁膜10を覆うようにしてバンプ電極用シード層5を形成する。バンプ電極用シード層5は、上記図6の方法と同様にして形成する。このとき、上記図28の工程で形成した、要部p1における保護絶縁膜10のコンタクトホールを介して、パッド3とバンプ電極用シード層5とが接続した状態となる。
【0078】
次に、図30に示すように、上記図7の方法と同様にして、フォトレジスト膜11を形成し、フォトリソグラフィ法によって所望の形状の孔を形成する。この孔の形状に関しても、上記図7と同様にして形成する。
【0079】
次に、図31に示すように、上記図8の方法と同様の電解めっき法によって、バンプ電極4を形成する。このバンプ電極4はバンプ電極用孔部10内にも形成され、この部分はバンプ電極4の突出部d1となる。
【0080】
次に、図32に示すように、上記図9の方法と同様にして、露出している部分のバンプ電極用シード層5を、マスクレスのエッチングによって除去する。以上のような工程によることで、バンプ電極4(バンプ電極用シード層5)とシリコン基板1が接触し得る境界部には、保護絶縁膜17が配置された構造を形成できる。
【0081】
次に、図33に示すように、上記図10の方法と同様にして、接着層12およびサポートウェハ13を形成する。その後、上記図11の方法と同様にして、シリコン基板1に対してバックグラインド処理を施すことで薄くし、続いて、シリコン基板1の裏面s2をCMPなどにより平坦化する。
【0082】
次に、図34に示すように、上記図12および上記図13の方法と同様にして、シリコン基板1の裏面s2からバンプ電極用孔部10の底部に至るまで、裏面電極用孔部7を形成する。
【0083】
次に、図35に示すように、上記図14の方法と同様にして、裏面電極用孔部7を含むシリコン基板1の裏面s2側から絶縁膜8を形成する。
【0084】
次に、図36に示すように、シリコン基板1の裏面s2側にフォトレジスト膜18を形成する。ここでは、スピナーなどを用いてフォトレジスト膜18を回転塗布する。このとき、フォトレジスト膜18の種類や塗布条件を選択することで、裏面電極用孔部7の内部に侵入しないようにして、フォトレジスト膜18を形成する。
【0085】
次に、図37に示すように、前工程で塗布したフォトレジスト膜18を露光、現像することで、フォトレジスト膜18に孔部19を設ける。ここでは、孔部19は、平面的に見て、裏面電極用孔部7の内側の位置に形成する。その後、図38に示すように、フォトレジスト膜18をエッチングマスクとして、絶縁膜8およびその下層の保護絶縁膜17に対して異方性エッチングを施すことで、これらを除去する。これにより、裏面電極用孔部7の底の要部p2において、バンプ電極4を構成するバンプ電極用シード層5が露出する。その後、アセトンなどの有機溶剤や酸素アッシングによってフォトレジスト膜18を除去する。
【0086】
本工程では、上記図36を用いて説明したように、フォトレジスト膜18を、裏面電極用孔部7の内部には侵入しないようにして塗布する。これにより、上記図38の工程でフォトレジスト膜18を除去する際に、裏面電極用孔部7の内部を積極的に洗浄する必要が無く、孔の内部にレジスト膜を残し難い工程とすることができる。孔の中にレジスト膜が残ったままの状態であると、後の工程のエッチング不良の原因となったり、電極剥がれの原因となったりする。従って、本工程によれば、より信頼性の高い半導体装置を形成することができる。
【0087】
続く工程では、図39に示すように、上記図10の方法と同様にして、裏面電極用孔部7の内面を含むシリコン基板1の裏面s2側から、裏面電極用シード層9を形成する。この工程により、前工程で絶縁膜8および保護絶縁膜17を除去し、バンプ電極用シード層5を露出させた要部p2において、バンプ電極用シード層5と裏面電極用シード層9とが接触する。
【0088】
次に、図40に示すように、上記図17の方法と同様にして、裏面電極6を形成する。ここでは、裏面電極用孔部7の中の要部p2において、裏面電極用シード層9およびバンプ電極用シード層10を介して、裏面電極6とバンプ電極4とが電気的に接続し、貫通電極構造を形成できる。
【0089】
次に、図41に示すように、上記図18および上記図19の方法と同様にして、裏面電極用シード層9を加工する。以上の工程により、本実施の形態2の第4の構造の貫通電極を有する半導体装置を形成することができる。
【0090】
また、上記第4の構造の貫通電極のように、バンプ電極4およびバンプ電極用シード層5の下部に保護絶縁膜17を適用した構造は、他の構成に適用しても良い。その実例を以下に示す。
【0091】
図42に示すように、バンプ電極4の突出部径r1が裏面電極6の孔部径r2より小さく、バンプ電極4の突出部長さt1が層間絶縁膜2の層間膜厚t2よりも大きい構造において、上記のような保護絶縁膜17を適用しても良い。この貫通電極構造においても、裏面電極用孔部7は底上げされているので、かしめ接続力が向上する。
【0092】
また、図43に示すように、バンプ電極4の突出部径r1が裏面電極6の孔部径r2より小さく、バンプ電極4の突出部長さt1が層間絶縁膜2の層間膜厚t2よりも小さい構造において、上記のような保護絶縁膜17を適用しても良い。
【0093】
また、図44に示すように、バンプ電極4の突出部径r1が裏面電極6の孔部径r2より大きく、バンプ電極4の突出部長さt1が層間絶縁膜2の層間膜厚t2よりも小さい構造において、上記のような保護絶縁膜17を適用しても良い。
【0094】
一方、これら第4の構造およびその変形例と比較して、上記第1、第2および第3の構造では、バンプ電極4の突出部d1とシリコン基板とは接しない構造であるため、上記のような構造の保護絶縁膜17を形成する必要が無い。この観点から、第1、第2および第3の構造では、上述のような保護絶縁膜17の形成および加工のための製造工程数を削減することができる。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく、より高性能化することができる。
【0095】
(実施の形態3)
本実施の形態3の半導体装置について図45を用いて説明する。本実施の形態3の半導体装置では、上記実施の形態1および2のような貫通電極を有する半導体チップを複数積層した構成を有する。ここでは、上記図20を用いて説明したようにして、半導体チップを積層する。
【0096】
図45には、本実施の形態3の貫通電極を有する複数のチップ(第1チップC1、第2チップC2、第3チップC3)を積層してなる半導体装置を示す。各チップ間は、上段チップ(例えば第2チップC2)に形成したバンプ電極4を、下段チップ(例えば第1チップC1)に形成した中空の裏面電極用孔部7に圧接注入することで、物理的にかしめて接続している。最下層のチップ(ここでは第1チップC1)は、そのバンプ電極4を配線基板20の電極21に接合させることで、配線基板20と電気的に接続した状態となっている。また、配線基板20の下側には、はんだバンプ22が形成されており、外部との接続用に使用する。このはんだバンプ22は、配線基板20の内部配線(図示しない)などを介して、配線基板20の電極21と電気的に接続している。即ち、各チップC1,C2,C3はそれぞれ貫通電極を介して電気的に接続し、更に、配線基板20の電極21を介してはんだバンプ22に電気的に接続している。
【0097】
また、配線基板20上に各チップを積層した後に、アンダーフィル樹脂23で、複数のチップ(第1チップC1、第2チップC2、第3チップC3)や配線基板20の間を埋める。これにより、機械的な強度を高めてハンドリング性を高めると共に、外部環境からデバイスを保護する。
【0098】
上記のような構成の半導体装置では、バンプ電極4の外形、または、裏面電極用孔部7の外形によって、異なる効果を発現し得る。以下では、これら外形の違いによる半導体装置にもたらす効果を詳しく説明する。まず、ここで該当するバンプ電極4の外形、および、裏面電極用孔部7の外形について、図46を用いて説明する。なお、実際には裏面電極用孔部7は裏面電極6で覆われているから、以下、裏面電極用孔部7の外形と言った場合には、その外形を覆う裏面電極6がなす外形を現しているものとする。
【0099】
図46(a)は、バンプ電極4の外形を説明する説明図である。上にはバンプ電極4のうちパッド3上に露出した部分の断面図を示し、下にはその平面図を示す。上述のように、バンプ電極4の側壁は、断面的に見て、シリコン基板1に近付くほど幅広となるような(径が大きくなるような)傾斜を有している。また、平面的にみて、バンプ電極4は円形状である。図46(b)は、裏面電極用孔部7の外形を説明する説明図である。上には裏面電極6を含む貫通電極の断面図を示し、下にはその裏面電極用孔部7周辺の平面図を示す。裏面電極用孔部7の開口部の周の形状は、平面的に見て円形状である。ここで、バンプ電極4の側壁を形成する斜面のうち、最も幅広となっている底部における径は、裏面電極用孔部7の径よりも大きくなっている。
【0100】
図47は、第1チップC1の裏面電極用孔部7に第2チップC2のバンプ電極4を入れることで、両チップC1,C2を電気的に接続した状態を説明する説明図である。左にはチップの断面図を示し、右には第1チップC1の裏面電極用孔部7周辺の平面図を示す。図から分かるように、両チップC1,C2を接続する場合、第2チップC2のバンプ電極4の側壁を形成する斜面は、第1チップC1の裏面電極用孔部7の口径を成す円周部に接し、裏面電極用孔部7内を塞ぐことになる。この状態から、更にバンプ電極4を裏面電極用孔部7内に押し込むようにすることで(上記図45参照)、かしめ接続を実現する。
【0101】
特に、上記の例のように、第1チップC1の裏面電極用孔部7の開口部の周の形状と、バンプ電極4の平面形状とが同じ円形状である場合、かしめ接続を行う過程で、裏面電極用孔部7はバンプ電極4によって密閉される。
【0102】
図48には、平面形状が正円形以外の形状(例えば多角形状、楕円形状など)を有するバンプ電極4を示す。図48(a)は三角形状、同(b)は四角形状、同(c)は楕円形状である例を示している。それぞれの場合において、第1チップC1の裏面電極用孔部7の開口部の周の形状が正円形状であるならば、上記図47のような孔内の密閉は起こらない。なぜなら、第1チップC1の裏面電極用孔部7の開口部と、第2チップC2のバンプ電極4の側壁面とは点で接し、両者の間に隙間が生じるからである。これは、第1チップC1の裏面電極用孔部7の開口部の周の形状と、第2チップC2のバンプ電極4の平面形状が異なることによる。図48では、平面形状が多角形状のバンプ電極4の一例として、三角形状、四角形状を示したが、より高次の多角形状であっても同様の作用が生じ得る。その場合、第2チップC2のバンプ電極4は、第1チップC1の裏面電極用孔部7の開口部の周と、より多くの点で接することになる。
【0103】
同様の作用は、裏面電極用孔部7の開口部の周の平面形状が、正円形以外の形状(例えば多角形状、楕円形状など)を有する場合にも生じ得る。その例を図49に示す。図49には、第1チップC1の裏面電極用孔部7の開口部の周の形状が、それぞれ、(a)は四角形状、(b)は楕円形状である例を示している。それぞれの場合において、第2チップC2のバンプ電極4の平面形状が正円形状であるならば、上記図47のような孔内の密閉は起こらない。その理由は、上記図49で説明した理由と同様である。図49では、平面形状が多角形状の裏面電極用孔部7の平面形状の一例として、四角形状を示したが、三角形状や、より高次の多角形状であっても同様の作用が生じ得る。より高次の多角形状とした場合、第1チップC1の裏面電極用孔部7の開口部の周は、第2チップC2のバンプ電極4と、より多くの点で接することになる。
【0104】
例えば、貫通電極構造を有する複数のチップをかしめ接続する際に、上記図47に示すような孔内の密閉が起こる場合、上記図45で示したアンダーフィル樹脂23が裏面電極用孔部7内まで入り込まず、貫通電極内部は空気が残留した状態となる。
【0105】
これに対し、本実施の形態3の半導体装置のように、上記図48および上記図49を用いて説明したような構造の裏面電極を適用することで、裏面電極用孔部7内の密閉は起こらない。即ち、第1チップC1の裏面電極6と第2チップC2のバンプ電極4との間に隙間が生じる。従って、アンダーフィル樹脂23を流入する際に裏面電極用孔部7内の空気は押し出され、アンダーフィル樹脂23を充填することができる。また、裏面電極6とバンプ電極4とが密着している場合に比べ、本実施の形態3のように両者が点で接している方が、かしめ接続時に接触する面積が小さくなり、低荷重でもかしめ接続が可能となる。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく、より高性能化することができる。
【0106】
また、かしめ接続の強固さは、バンプ電極4の側壁の勾配角度によっても変化させることができる。これに関して、図50を用いて説明する。上述のように、バンプ電極4はパッド3上に露出した部分において、側壁が傾斜を有するようなテーパ形状を有している。
【0107】
図50(a)には、第2チップC2のバンプ電極4の側壁が、緩勾配のテーパ形状を有した構造を示している。本実施の形態3の半導体装置において、バンプ電極4の側壁が緩勾配であるとは、バンプ電極4の側壁とシリコン基板1の主面s1とのなす角であるテーパ角v1が、45度以上70度未満であることを表す。また、図50(b)には、第2チップC2のバンプ電極4の側壁が、急勾配のテーパ形状を有した構造を示している。本実施の形態3の半導体装置において、バンプ電極4の側壁が急勾配であるとは、バンプ電極4の側壁とシリコン基板1の主面s1とのなす角であるテーパ角v2が、70度以上90度未満であることを表す。
【0108】
バンプ電極4の側壁のテーパ形状が緩勾配である場合、バンプ電極4の先端径を細くできるため、チップ接続時のチップ間のミスアライメントを発生し難くすることができる。また、この場合、かしめ接続時のバンプ電極4と裏面電極6との接触面積が小さくなる。従って、かしめ接続に要する接合荷重をより小さくすることができる。
【0109】
一方、バンプ電極4の側壁のテーパ形状が急勾配である場合、かしめ接続時のバンプ電極4と裏面電極6との接触面積が大きくなる。従って、かしめ接続により積層された複数のチップにおいて、その接合力を強化することができる。なお、バンプ上面サイズとバンプ下面サイズが同じ柱状のバンプ電極4は、バンプ電極4の側壁のテーパ形状が急勾配である場合と同様の特性を有する。
【0110】
バンプ電極4の側壁のテーパ角v1,v2を変えるには、上記図7などを用いて説明した製造方法において、フォトレジスト膜11を加熱する際の温度勾配を変えることでパターンの外形を変え、これにより、テーパ角v1,v2を任意に制御することができる。
【0111】
貫通電極構造を有するチップを互いに積層してかしめ接続する半導体装置において、接合に要する荷重を軽減させること、または、接合力を強化させることなどの要求がある。これに関して、上述のように、本実施の形態3の半導体装置によれば、バンプ電極4および裏面電極用孔部7の平面形状を変えること、または、バンプ電極4の傾斜側壁のテーパ角v1,v2を変えることで、これらを任意に調整することができる。即ち、かしめ接続の接合荷重を軽減させたい場合、バンプ電極4または裏面電極用孔部7の平面形状を例えば多角形状にする方法や、バンプ電極4の側壁のテーパ角v1,v2を緩勾配にする方法がある。また、かしめ接続の接合力を強化させたい場合、バンプ電極4および裏面電極用孔部7の平面形状を同様の正円状などにする方法や、バンプ電極4の側壁のテーパv1,v2を急勾配にする方法がある。
【0112】
このように、本実施の形態3の半導体装置によれば、貫通電極を有する半導体チップの接合に要する荷重と接合力とを、任意に調整することができる。結果として、複数の半導体チップを多数積層した半導体装置において、生産性を損なうことなく、より高性能化することができる。
【0113】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0114】
例えば、上記実施の形態3では、バンプ電極4または裏面電極用孔部7の形状を変えた構造と、バンプ電極4の側壁のテーパ角v1,v2を変えた構造とを分けて示した。これらの構成は、同時に適用してより効果的である。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、例えば、パーソナルコンピュータやモバイル機器等において、情報処理を行なうために必要な半導体産業に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明の実施の形態1である半導体装置の要部断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1である半導体装置の要部平面図である。
【図3】本発明の実施の形態1である半導体装置の他の要部平面図である。
【図4】本発明の実施の形態1である半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図12】図11に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図13】図12に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図15】図14に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図16】図15に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図18】図17に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図19】図18に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図20】本発明の実施の形態2における第1の構造の半導体装置の要部断面図である。
【図21】本発明の実施の形態2における第2の構造の半導体装置の要部断面図である。
【図22】本発明の実施の形態2における第2の構造の半導体装置の製造工程中における要部断面図であって、図4に続く工程中における要部断面図である。
【図23】本発明の実施の形態2における第2の構造の半導体装置の製造工程中における要部断面図であって、図12に続く工程中における要部断面図である。
【図24】本発明の実施の形態2における第3の構造の半導体装置の要部断面図である。
【図25】本発明の実施の形態2における第4の構造の半導体装置の要部断面図である。
【図26】本発明の実施の形態2における第4の構造の半導体装置の製造工程中における要部断面図であって、図4に続く工程中における要部断面図である。
【図27】図26に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図28】図27に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図29】図28に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図30】図29に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図31】図30に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図32】図31に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図33】図32に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図34】図33に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図35】図34に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図36】図35に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図37】図36に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図38】図37に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図39】図38に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図40】図39に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図41】図40に続く半導体装置の製造工程中における要部断面図である。
【図42】本発明の実施の形態2における他の半導体装置の要部断面図である。
【図43】本発明の実施の形態2における更に他の半導体装置の要部断面図である。
【図44】本発明の実施の形態2における更に他の半導体装置の要部断面図である。
【図45】本発明の実施の形態3における半導体装置の要部断面図である。
【図46】本発明の実施の形態3における半導体装置であって、(a)はバンプ電極の構造を示す説明図、(b)は裏面電極の構造を示す説明図である。
【図47】本発明の実施の形態3における半導体装置において、左は接続状態を示す説明図、右は裏面電極とバンプ電極との接合を示す説明図である。
【図48】本発明の実施の形態3における半導体装置において、(a)は平面形状が三角形状のバンプ電極の構造およびそれと裏面電極との接合を示し、(b)は平面形状が四角形状のバンプ電極の構造およびそれと裏面電極との接合を示し、(c)は平面形状が楕円形状のバンプ電極の構造およびそれと裏面電極との接合を示す説明図である。
【図49】本発明の実施の形態3における他の半導体装置において、(a)は平面形状が四角形状の裏面電極用孔部の構造およびそれとバンプ電極との接合を示し、(b)は平面形状が楕円形状の裏面電極用孔部の構造およびそれとバンプ電極との接合を示す説明図である。
【図50】本発明の実施の形態3における他の半導体装置において、(a)はテーパ角が緩勾配な側壁を有するバンプ電極の構造およびそれと裏面電極との接合を示し、(b)はテーパ角が急勾配な側壁を有するバンプ電極の構造およびそれと裏面電極との接合を示す説明図である。
【符号の説明】
【0117】
1 シリコン基板(半導体基板)
2 層間絶縁膜
3 パッド
4 バンプ電極(第1電極)
5 バンプ電極用シード層(第1電極用シード層)
6 裏面電極(第2電極)
7 裏面電極用孔部(第2電極用孔部)
8 絶縁膜
9 裏面電極用シード層
10 バンプ電極用孔部(第1電極用孔部)
11,14〜16,18 フォトレジスト膜
12 接着層
13 サポートウェハ
17 保護絶縁膜
19 孔部
20 配線基板
21 電極
22 はんだバンプ
23 アンダーフィル樹脂
C1 第1チップ
C2 第2チップ
d1 突出部
p1,p2 要部
r1 突出部径
r2 孔部径
s1 主面(第1主面)
s2 裏面(第2主面)
t1 突出部長さ
t2 層間膜厚
v1,v2 テーパ角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)厚さ方向に沿って互いに反対側に位置する第1主面と第2主面とを有する半導体基板と、
(b)前記半導体基板の第1主面に形成された複数の素子と、
(c)前記半導体基板の第1主面において前記複数の素子を覆うようにして形成された層間絶縁膜と、
(d)前記複数の素子と電気的に接続するようにして、前記層間絶縁膜の表面に形成されたパッドと、
(e)前記パッドに電気的に接続するようにして形成されたバンプ形状の第1電極と、
(f)前記第1電極と電気的に接続するようにして、前記半導体基板の第2主面に形成された第2電極とを有し、
前記第1電極は、前記パッドを貫通し、前記半導体基板側に向かって突出するような突出部を有し、
前記第2電極は、前記半導体基板の第2主面側から第1主面側に向かって、前記第1電極の突出部に達し、かつ、前記パッドには達しないような第2電極用孔部の内側を覆うようにして形成されていることで、前記第1電極と電気的に接続されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1電極の突出部は、前記半導体基板内に達する深さまで突出していることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項2記載の半導体装置において、
前記半導体基板を平面的に見て、前記第1電極の突出部の径は、前記第2電極用孔部の径よりも小さく、
前記第1電極の突出部は、前記第2電極用孔部の内側に突出するようにして形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項2記載の半導体装置において、
前記半導体基板を平面的に見て、前記第1電極の突出部の径は、前記第2電極用孔部の径よりも大きく、
前記第1電極と前記半導体基板との境界部には保護絶縁膜が形成されていることで、両者は電気的に絶縁されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1記載の半導体装置において、
前記第1電極の突出部は、前記半導体基板までには達せず、前記層間絶縁膜内において突出するようにして形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項5記載の半導体装置において、
前記半導体基板を平面的に見て、前記第1電極の突出部の径は、前記第2電極用孔部の径よりも小さいことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項5記載の半導体装置において、
前記半導体基板を平面的に見て、前記第1電極の突出部の径は、前記第2電極用孔部の径よりも大きいことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
第1チップと第2チップとを有する半導体装置であって、
前記第1チップおよび前記第2チップは、それぞれ、
(a)厚さ方向に沿って互いに反対側に位置する第1主面と第2主面とを有する半導体基板と、
(b)前記半導体基板の第1主面に形成された複数の素子と、
(c)前記半導体基板の第1主面において前記複数の素子を覆うようにして形成された層間絶縁膜と、
(d)前記複数の素子と電気的に接続するようにして、前記層間絶縁膜の表面に形成されたパッドと、
(e)前記パッドに電気的に接続するようにして形成されたバンプ形状の第1電極と、
(f)前記第1電極と電気的に接続するようにして、前記半導体基板の第2主面に形成された第2電極とを有し、
前記第1電極は、前記パッドを貫通し、前記半導体基板側に向かって突出するような突出部を有し、
前記第2電極は、前記半導体基板の第2主面側から第1主面側に向かって、前記第1電極の突出部に達し、かつ、前記パッドには達しないような第2電極用孔部の内側を覆うようにして形成されていることで、前記第1電極と電気的に接続され、
前記第1チップの前記第2電極用孔部に前記第2チップの第1電極をかしめることで、前記第1チップの前記第2電極と前記第2チップの前記第1電極とを電気的に接続することを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項8記載の半導体装置において、
前記半導体基板を平面的に見て、
前記第1チップの前記第2電極用孔部の周の形状は円形状であり、前記第2チップの前記第1電極は多角形状であることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項8記載の半導体装置において、
前記半導体基板を平面的に見て、
前記第1チップの前記第2電極用孔部の周の形状は多角形状であり、前記第2チップの前記第1電極は円形状であることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項8記載の半導体装置において、
前記第2チップでは、
前記バンプ形状の前記第1電極は、前記パッド上に露出した部分において、側壁が傾斜を有するような形状を有していることを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項11記載の半導体装置において、
前記第2チップでは、
前記バンプ形状の前記第1電極は、その側壁と前記半導体基板の第1主面とのなす角が、45度以上70度未満であることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項11記載の半導体装置において、
前記第2チップでは、
前記バンプ形状の前記第1電極は、その側壁と前記半導体基板の第1主面とのなす角が、70度以上90度未満であることを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
(a)半導体基板の第1主面上において、複数の素子、前記複数の素子を覆う層間絶縁膜、および、前記層間絶縁膜の表面に配置し前記複数の素子と電気的に接続するようなパッドを、順に形成する工程と、
(b)前記層間絶縁膜の表面に、前記パッドを貫通し、前記半導体基板側に向かって深さを有するようにして第1電極用孔部を形成する工程と、
(c)前記第1電極用孔部を埋め込むようにして、かつ、前記パッドと電気的に接続するようにして、バンプ形状の第1電極を形成する工程と、
(d)前記半導体基板の第1主面に対して厚さ方向に沿って互いに反対側に位置する第2主面側から、前記第1主面側に向かって、前記第1電極用孔部に達し、かつ、前記パッドには達しないような第2電極用孔部を形成する工程と、
(e)前記第2電極用孔部の内側を覆うようにして、前記第1電極と電気的に接続するような第2電極を形成する工程とを有し、
前記(b)および(c)工程によって、前記パッドを貫通し、前記半導体基板側に向かって突出するような突出部を有する前記第1電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項15】
請求項14記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程後、前記(c)工程の前に、更に、
(f)前記第1電極用孔部の内壁を含む前記層間絶縁膜を覆うようにして、第1電極用シード層を形成する工程を有し、
前記(c)工程では、電解めっき法によって、前記第1電極を形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項16】
請求項15記載の半導体装置の製造方法において、
前記(c)工程後、前記(d)工程の前に、更に、
(g)前記第1電極用シード層のうち、前記第1電極に覆われていない部分を除去する工程を有する半導体装置の製造方法。
【請求項17】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程では、前記第1電極用孔部は、前記層間絶縁膜を貫通し、前記半導体基板にまで達するような深さまで形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項18】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程では、前記第2電極用孔部の径は、平面的に見て、前記(b)および(c)工程で形成した前記第1電極の突出部の径より大きくなるようにして形成し、
前記第1電極の突出部は、前記第2電極用孔部の内側に突出するようにして形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項17記載の半導体装置の製造方法において、前記(b)工程後、前記(c)工程前に、更に、
(h)前記第1電極用孔部の内壁を覆うようにして、保護絶縁膜を形成する工程を有し、
前記(d)工程では、前記第2電極用孔部の径は、平面的に見て、前記(b)、(c)および(h)工程で形成した前記第1電極の突出部の径より小さくなるようにして形成し、
前記第1電極と前記半導体基板との境界部には保護絶縁膜が形成されることで、両者は電気的に絶縁されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項16記載の半導体装置の製造方法において、
前記(b)工程では、前記第1電極用孔部は、前記層間絶縁膜を貫通せず、前記層間絶縁膜内の深さまで形成することを特徴とる半導体装置の製造方法。
【請求項21】
請求項20記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程では、前記第2電極用孔部の径は、平面的に見て、前記(b)および(c)工程で形成した前記第1電極の突出部の径より大きくなるようにして形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項22】
請求項21記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程では、前記第2電極用孔部の径は、平面的に見て、前記(b)および(c)工程で形成した前記第1電極の突出部の径より小さくなるようにして形成することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【公開番号】特開2010−147281(P2010−147281A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323581(P2008−323581)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】