説明

半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造システム

【課題】基板上の犠牲膜又は被処理膜のパターンの寸法を正確に測定し、基板上の被処理膜にスペース比率が1:1となるパターンを形成する。
【解決手段】検査用ウェハのモニターパターンの目標スペース比率を1:1と異なる比率に決定する(S1)。ライブラリのスペース比率の範囲を、目標スペース比率を含み1:1を含まない範囲に決定する(S2)。検査用ウェハに所定の処理を行い、被処理膜にモニターパターンを形成する(S3〜S8)。モニターパターンの寸法を測定する(S9)。モニターパターンの寸法を1:1のスペース比率の被処理膜のパターンの寸法に変換し(S10)、変換された被処理膜のパターンの寸法に基づいて所定の処理の処理条件を補正する(S11)。その後、補正された条件でウェハに所定の処理を行い、被処理膜に1:1のスペース比率のパターンを形成する(S12〜S17)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウェハ等の基板上の被処理膜に所定のパターンを形成して半導体装置を製造する方法及び半導体装置の製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置の製造工程では、例えば半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、当該レジスト膜に所定のパターンを露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理などを順次行うフォトリソグラフィー処理が行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。このレジストパターンをマスクとして、ウェハ上の被処理膜のエッチング処理が行われ、その後レジスト膜の除去処理などが行われて、被処理膜に所定のパターンが形成される。
【0003】
上述した被処理膜のパターンを形成する際には、半導体装置のさらなる高集積化を図るため、当該被処理膜のパターンの微細化が求められている。一般にフォトリソグラフィー処理における微細化の限界は、露光処理に用いる光の波長程度である。このため、従来より露光処理の光を短波長化することが進められている。しかしながら、露光光源の短波長化には技術的、コスト的な限界があり、光の短波長化を進める方法のみでは、例えば数ナノメートルオーダーの微細な被処理膜のパターンを形成するのが困難な状況にある。
【0004】
そこで、例えばSiO膜等を犠牲膜として使用し、レジストパターンのライン部の両側側壁部分にマスクを形成して使用する、いわゆるSWT(Side Wall Transfer)法を用いることが提案されている。SWT法は、最初にフォトリソグラフィー処理を行ってウェハ上に形成されたレジストパターンよりも微細なピッチで被処理膜のパターニングを行うものである。すなわち、この方法では、先ずレジストパターン上に犠牲膜を成膜し、この犠牲膜がレジストパターンのライン部の側壁部にのみ残るように当該犠牲膜をエッチングする。その後、レジストパターンを除去して、ウェハの被処理膜上に犠牲膜のパターンを形成する。こうして形成された微細な犠牲膜のパターンをマスクに被処理膜をエッチングし、ウェハ上に微細な被処理膜のパターンを形成する(特許文献1)。
【0005】
また、上述のように半導体装置のさらなる高集積化を図るためには、半導体装置の製造段階において、ウェハ表面の構造、すなわち犠牲膜や被処理膜のパターンの寸法等を正確に測定する必要がある。そして、この測定結果をウェハ処理の処理条件に反映させることで、ウェハ処理を適切に行えると共に、高いスループットも実現することができる。
【0006】
従来、ウェハ上に形成されるパターンの寸法や形状を測定するため、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)により観察するという方法が用いられてきた。しかしながら、この方法は真空装置が必要であり、パターンの高さなどの3次元の形状を測定するには断面を測定するためにウェハを劈開、すなわちウェハ自体を破壊しなければならないという問題があった。
【0007】
そこで、非破壊でウェハ上に形成されるパターンの寸法を正確かつ高速に測定するため、いわゆるスキャトロメトリ(Scatterometry)法を用いることが提案されている。スキャトロメトリ法では、先ず任意の繰り返しパターン形状に対して光を照射した際に生じる回折光(スペクトル)を算出して、そのライブラリを予め作成する。そして、測定対象である実際のパターンに光を照射し、そのパターンから反射する反射光のスペクトルを測定する。その測定結果と前記のライブラリのスペクトルとをマッチングし、スペクトルが適合したライブラリ内のパターン形状を実際のパターン形状と推定する。この方法を用いることにより、ウェハ上に形成されるパターンが微細化した場合でも、前記ライブラリを利用したパターンマッチングによって、ウェハ上の所定のパターンの寸法の測定が可能となる(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−99938号公報
【特許文献2】特開2005−33187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ウェハ上の被処理膜のパターンは、その第1のスペース部の幅と当該第1のスペース部と隣り合う第2のスペース部の幅とのスペース比率が1:1となるように形成されることが要求される。したがって、上述したSWT法において、図17に示すようにウェハWの被処理膜900上に形成される犠牲膜のパターン901も、そのライン部902a、902b間の第1のスペース部903aの幅Dとライン部902b、902a間の第2のスペース部903bの幅Dとのスペース比率が1:1となるように形成されることが要求される。なお、第1のスペース部903aはレジストパターン904が除去されて形成されるスペースであり、第2のスペース部903bはレジストパターン904、904間に形成されるスペースである。
【0010】
しかしながら、SWT法を用いると、図18に示すように犠牲膜のパターン901のライン部902a、902bのうち、一のライン部902bが所定の位置からずれて形成される場合がある。すなわち、犠牲膜のパターン901のスペース比率が1:1でない場合がある。
【0011】
かかる場合、犠牲膜のパターン901のライン部902bがどのぐらい所定の位置からずれているか、正確に測定する必要がある。しかしながら、この測定に上述したスキャトロメトリ法を用いると、いわゆるトグリングが発生する場合があった。
【0012】
上述したようにスキャトロメトリ法は、任意のパターンに対するライブラリを用いる。図19は、ライブラリLのスペース比率の範囲(図中の斜線部)を示したグラフである。このライブラリLには、目標とするスペース比率が1:1のパターンのスペクトルEも含まれる。かかる場合、図18に示した実際のスペース比率が0.8:1.2とすると、パターン501に光を照射することによって図19に示すようにスペクトルEが得られる。しかしながら、このスペクトルEは、スペース比率が1.2:0.8とするスペクトルEと同様の分布になる。すなわち、スペース比率1:1に対して点対象に位置するスペース比率のスペクトルは同様の分布になる。そうすると、測定されたスペクトルEとライブラリL内のスペクトルをマッチングする際、実際のスペクトルEをスペクトルEと誤って推定する場合がある。すなわち、実際のスペース比率が0.8:1.2であるにも関わらず、スペース比率が1.2:0.8のパターンであると推定される。これが、上述したトグリングである。
【0013】
なお、スペクトルEのスペース比率1.2:0.8は、図20に示すように第1のスペース部903aの幅Dと第2のスペース部903bの幅Dの比率が1.2:0.8であることを意味する。したがって、スキャトロメトリ法で測定された図20に示したパターン901は、図18に示した実際のパターン901と全く異なるものである。
【0014】
以上のようにトグリングが発生すると、犠牲膜のパターン901を実際と異なるパターンと推定してしまい、当該犠牲膜のパターン901の寸法を正確に測定できなかった。
【0015】
なお、ウェハ上に形成される被処理膜のパターンを測定する場合にも、上記と同様に当該被処理膜のパターンの寸法を正確に測定できない場合があった。
【0016】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基板上の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法を正確に測定し、基板上の被処理膜にスペース比率が1:1となるパターンを形成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記の目的を達成するため、本発明は、基板に所定の処理を行い、ライン部とスペース部で形成されたパターンであって、かつ第1のスペース部の幅と当該第1のスペース部と隣り合う第2のスペース部の幅とのスペース比率が1:1となるようにパターンを基板上の被処理膜に形成して、半導体装置を製造する方法であって、前記所定の処理は、基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板の被処理膜上に複数のライン状のレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、前記レジストパターンをトリミングするトリミング工程と、前記レジストパターン上に被処理膜をエッチングする際のマスクとなる犠牲膜を成膜する成膜工程と、前記犠牲膜が前記レジストパターンのライン部の側壁部にのみ残るように当該犠牲膜をエッチングした後、前記レジストパターンを除去し、基板の被処理膜上に複数のライン状の前記犠牲膜のパターンを形成する犠牲膜パターン形成工程と、前記犠牲膜のパターンをマスクに被処理膜をエッチングし、当該被処理膜に複数のライン状のパターンを形成する被処理膜パターン形成工程と、を備え、検査用基板に前記所定の処理を行い、前記犠牲膜パターン形成工程において検査用基板の犠牲膜に形成される第1のモニターパターンと、前記被処理膜パターン形成工程において検査用基板の被処理膜に形成される第2のモニターパターンの目標スペース比率が1:1と異なる比率になるように、当該第1のモニターパターンと第2のモニターパターンを形成するモニターパターン形成工程と、前記目標スペース比率を含みかつ1:1のスペース比率を含まない範囲の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンのライブラリを用いて、スキャトロメトリ法により、前記モニターパターン形成工程で形成された前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの寸法を測定する寸法測定工程と、前記目標スペース比率の第1のモニターパターン又は第2のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンにそれぞれ変換する回帰式を用いて、前記寸法測定工程で測定された前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率を目標とする犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法に変換する比率変換工程と、前記比率変換工程で変換された犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法に基づいて、前記所定の処理における処理条件を補正する処理条件補正工程と、前記補正された条件で基板に前記所定の処理を行い、当該基板上の被処理膜に1:1のスペース比率となるようにパターンを形成する基板処理工程と、を有することを特徴としている。なお、犠牲膜には例えばSiO膜が用いられる。また、パターンの寸法とは、例えばパターンのライン部の線幅、スペース部の幅、ライン部のサイドウォールアングル等である。
【0018】
本発明によれば、先ず検査用基板に所定の処理を行い、第1のモニターパターン又は第2のモニターパターン(以下、単に「モニターパターン」という場合がある。)を形成した後、スキャトロメトリ法を用いてモニターパターンの寸法を測定している。この際、モニターパターンの目標スペース比率は1:1と異なる比率である。そして、モニターパターンの寸法を測定する際、スキャトロメトリ法で用いられるライブラリのスペース比率の範囲は、目標スペース比率を含むが、1:1のスペース比率を含まない範囲である。すなわち、ライブラリには、スペース比率1:1に対して点対象に位置するスペース比率は含まれず、異なる分布のスペクトルのみ含まれる。したがって、本発明によれば、従来のようにトグリングが発生することなく、モニターパターンの寸法を正確に測定することができる。その後、この測定されたモニターパターンの寸法を、予め求められた回帰式を用いて、1:1のスペース比率を目標とする犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法に変換し、所定の処理の処理条件を補正している。したがって、以後、補正された処理条件で基板に所定の処理を行うので、基板上の被処理膜にスペース比率が1:1となるパターンを所定の寸法で適切に形成することができる。
【0019】
前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの前記目標スペース比率は、当該第1のモニターパターン又は第2のモニターパターンにおいて、一のライン部の中心と当該一のライン部と隣り合う他のライン部の中心との距離の再現性と、ライン部の寸法の再現性とに基づいて決定されてもよい。かかる場合、前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの前記目標スペース比率は、前記距離の再現性が1.0nm以下であって、かつ前記寸法の再現性が0.2nm以下となるように決定されてもよい。なお、再現性とは、各パラメータのばらつき度(3σ)である。また、ライン部の寸法とは、例えばライン部の上端部の線幅、下端部の線幅、高さ等である。
【0020】
前記トリミング工程では、前記レジストパターンをトリミングすると共に、当該レジストパターンをマスクとして、基板の被処理膜とレジストパターンとの間に形成された反射防止膜をエッチングしてもよい。
【0021】
前記処理条件補正工程では、前記比率変換工程で変換された犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンにおける第1のスペース部の幅と第2のスペース部の幅の差に基づいて、前記所定の処理の前記トリミング工程の処理条件を補正してもよい。
【0022】
前記処理条件補正工程では、前記比率変換工程で変換された犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンにおける第1のスペース部の幅と第2のスペース部の幅の差に基づいて、前記所定の処理の前記レジストパターン形成工程の処理条件を補正してもよい。かかる場合、前記レジストパターン形成工程で補正される処理条件は、フォトリソグラフィー処理における露光処理の処理条件であってもよい。また、前記レジストパターン形成工程で補正される処理条件は、フォトリソグラフィー処理における熱処理の処理条件であってもよい。さらに、前記熱処理は、露光処理後であって現像処理前に行われる加熱処理であってもよい。
【0023】
前記処理条件補正工程では、前記比率変換工程で変換された犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンにおけるライン部の線幅に基づいて、前記所定の処理の前記成膜工程の処理条件を補正してもよい。
【0024】
前記処理条件補正工程では、前記比率変換工程で変換された被処理膜のパターンにおけるライン部の線幅に基づいて、前記所定の処理の前記被処理膜パターン形成工程の処理条件を補正してもよい。
【0025】
前記処理条件補正工程では、前記比率変換工程で変換された犠牲膜のパターンにおける第1のスペース部の幅と第2のスペース部の幅の差に基づいて、前記所定の処理の前記被処理膜パターン形成工程の処理条件を補正してもよい。
【0026】
別な観点による本発明は、基板に所定の処理を行い、ライン部とスペース部で形成されたパターンであって、かつ第1のスペース部の幅と当該第1のスペース部と隣り合う第2のスペース部の幅とのスペース比率が1:1となるようにパターンを基板上の被処理膜に形成して、半導体装置を製造する方法であって、検査用基板に前記所定の処理を行い、モニターパターンの目標スペース比率が1:1と異なる比率になるように、当該モニターパターンを形成するモニターパターン形成工程と、前記目標スペース比率を含みかつ1:1のスペース比率を含まない範囲のパターンのライブラリを用いて、スキャトロメトリ法により、前記モニターパターン形成工程で形成された前記モニターパターンの寸法を測定する寸法測定工程と、前記目標スペース比率のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率のパターンに変換する回帰式を用いて、前記寸法測定工程で測定された前記モニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率を目標とするパターンの寸法に変換する比率変換工程と、前記比率変換工程で変換されたパターンの寸法に基づいて、前記所定の処理における処理条件を補正する処理条件補正工程と、前記補正された条件で基板に前記所定の処理を行い、当該基板上の被処理膜に1:1のスペース比率となるようにパターンを形成する基板処理工程と、を有することを特徴としている。
【0027】
前記モニターパターンの前記目標スペース比率は、当該モニターパターンにおいて、一のライン部の中心と当該一のライン部と隣り合う他のライン部の中心との距離の再現性と、ライン部の寸法の再現性とに基づいて決定されてもよい。かかる場合、前記モニターパターンの前記目標スペース比率は、前記距離の再現性が1.0nm以下であって、かつ前記寸法の再現性が0.2nm以下となるように決定されてもよい。
【0028】
また別な観点による本発明は、基板に所定の処理を行い、ライン部とスペース部で形成されたパターンであって、かつ第1のスペース部の幅と当該第1のスペース部と隣り合う第2のスペース部の幅とのスペース比率が1:1となるようにパターンを基板上の被処理膜に形成して、半導体装置を製造する製造システムであって、基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板の被処理膜上に複数のライン状のレジストパターンを形成する塗布現像装置及び露光装置と、前記レジストパターンをトリミングするトリミング装置と、前記レジストパターン上に被処理膜をエッチングする際のマスクとなる犠牲膜を成膜する成膜装置と、前記犠牲膜が前記レジストパターンのライン部の側壁部にのみ残るように当該犠牲膜をエッチングした後、前記レジストパターンを除去し、基板の被処理膜上に複数のライン状の前記犠牲膜のパターンを形成するアッシング装置と、前記犠牲膜のパターンをマスクに被処理膜をエッチングし、当該被処理膜に複数のライン状のパターンを形成するエッチング装置とを備え、基板に前記所定の処理を行う処理部と、前記犠牲膜のパターン又は前記被処理膜のパターンの寸法を測定するパターン寸法測定装置と、前記犠牲膜のパターン又は前記被処理膜のパターンの寸法の測定結果に基づいて、前記処理部における処理条件を補正する制御装置と、を有し、前記制御装置は、検査用基板に前記所定の処理を行い、前記成膜装置において検査用基板の犠牲膜に形成される第1のモニターパターンと、前記エッチング装置において検査用基板の被処理膜に形成される第2のモニターパターンの目標スペース比率が1:1と異なる比率にして、当該第1のモニターパターンと第2のモニターパターンを形成するように、前記処理部を制御し、前記目標スペース比率を含みかつ1:1のスペース比率を含まない範囲の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンのライブラリを用いて、スキャトロメトリ法により、前記処理部で形成された前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの寸法を測定するように、前記パターン寸法測定装置を制御し、前記目標スペース比率の第1のモニターパターン又は第2のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンにそれぞれ変換する回帰式を用いて、前記パターン寸法測定装置で測定された前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率を目標とする犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法に変換し、前記変換された犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法に基づいて、前記処理部における処理条件を補正することを特徴としている。
【0029】
さらに別な観点による本発明は、基板に所定の処理を行い、ライン部とスペース部で形成されたパターンであって、かつ第1のスペース部の幅と当該第1のスペース部と隣り合う第2のスペース部の幅とのスペース比率が1:1となるようにパターンを基板上の被処理膜に形成して、半導体装置を製造する製造システムであって、基板に前記所定の処理を行いパターンを形成する処理部と、前記処理部にて形成された前記パターンの寸法を測定するパターン寸法測定装置と、前記パターンの寸法の測定結果に基づいて、前記処理部における処理条件を補正する制御装置と、を有し、前記制御装置は、検査用基板に前記所定の処理を行い、モニターパターンの目標スペース比率が1:1と異なる比率にして、当該モニターパターンを形成するように、前記処理部を制御し、前記目標スペース比率を含みかつ1:1のスペース比率を含まない範囲のパターンのライブラリを用いて、スキャトロメトリ法により、前記処理部で形成された前記モニターパターンの寸法を測定するように、前記パターン寸法測定装置を制御し、前記目標スペース比率のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率のパターンに変換する回帰式を用いて、前記パターン寸法測定装置で測定された前記モニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率を目標とするパターンの寸法に変換し、前記変換されたパターンの寸法に基づいて、前記処理部における処理条件を補正することを特徴としている。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、基板上の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法を正確に測定し、基板上の被処理膜にスペース比率が1:1となるパターンを所定の寸法で適切に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施の形態にかかる半導体装置の製造システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】第1の処理部の構成の概略を示す平面図である。
【図3】第1の処理部の正面図である。
【図4】第1の処理部の背面図である。
【図5】第2の処理部の構成の概略を示す平面図である。
【図6】パターン寸法測定装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図7】検査用ウェハ上の被処理膜にモニターパターンが形成された様子を示す説明図である。
【図8】モニターパターンの目標スペース比率を決定する際に行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図9】モニターパターンの目標スペース比率を決定する際に行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図10】モニターパターンの目標スペース比率を決定する際に行ったシミュレーションの結果を示すグラフである。
【図11】ライブラリのスペース比率の範囲を示すグラフである。
【図12】制御装置の構成を示すブロック図である。
【図13】検査処理とウェハ処理の各工程を示したフローチャートである。
【図14】各工程における検査用ウェハの状態を示した説明図であり、(a)はレジストパターンが形成された様子を示し、(b)はレジストパターンと反射防止膜がトリミングされた様子を示し、(c)は犠牲膜が成膜された様子を示し、(d)は犠牲膜のパターン(モニターパターン)が形成された様子を示し、(e)は被処理膜のパターン(モニターパターン)が形成された様子を示している。
【図15】各工程におけるウェハの状態を示した説明図であり、(a)はレジストパターンが形成された様子を示し、(b)はレジストパターンと反射防止膜がトリミングされた様子を示し、(c)は犠牲膜が成膜された様子を示し、(d)は犠牲膜のパターンが形成された様子を示し、(e)は被処理膜のパターンが形成された様子を示している。
【図16】ウェハ上にライン部の線幅とスペース部の幅の比率が異なる被処理膜のパターンが形成された様子を示す説明図であり、(a)はライン部の線幅とスペース部の幅の比率が1:1の被処理膜のパターンを示し、(b)はライン部の線幅とスペース部の幅の比率が1:3の被処理膜のパターンを示している。
【図17】スペース比率が1:1の犠牲膜のパターンを示す説明図である。
【図18】従来の半導体装置の製造方法を用いて、ウェハ上に犠牲膜のパターンが形成された様子を示す説明図である。
【図19】従来のライブラリのスペース比率の範囲を示すグラフである。
【図20】従来のパターン寸法測定方法を用いて測定される、ウェハ上の犠牲膜のパターンを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる半導体装置の製造システム1の構成の概略を示す説明図である。なお、本実施の形態では、SWT法を用いてウェハW上に被処理膜のパターンを形成する。また、被処理膜のパターンは、ライン部とスペース部で形成されたパターンであり、かつ第1のスペース部の幅と当該第1のスペース部と隣り合う第2のスペース部の幅とのスペース比率が1:1となるように形成される。
【0033】
半導体装置の製造システム1は、図1に示すようにウェハWに所定の処理を行う第1の処理部11と第2の処理部12と有している。
【0034】
第1の処理部11は、ウェハWにフォトリソグラフィー処理を行う塗布現像装置20及び露光装置21を有している。
【0035】
塗布現像装置20は、図2に示すように例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像装置20に対して搬入出したり、カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション30と、フォトリソグラフィー処理の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を多段に配置している処理ステーション31と、この処理ステーション31に隣接して設けられている露光装置21との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイスステーション32とを一体に接続した構成を有している。
【0036】
カセットステーション30には、カセット載置台33が設けられ、当該カセット載置台33は、複数のカセットCをX方向(図2中の上下方向)に一列に載置自在になっている。カセットステーション30には、搬送路34上をX方向に向かって移動可能なウェハ搬送体35が設けられている。ウェハ搬送体35は、カセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり、X方向に配列された各カセットC内のウェハWに対して選択的にアクセス可能である。
【0037】
ウェハ搬送体35は、Z軸周りのθ方向に回転可能であり、後述する処理ステーション31側の第3の処理装置群G3に属する温度調節装置70やウェハWの受け渡しを行うためのトランジション装置71に対してもアクセス可能である。
【0038】
カセットステーション30に隣接する処理ステーション31は、複数の処理装置が多段に配置された、例えば5つの処理装置群G1〜G5を有している。処理ステーション31のX方向負方向(図2中の下方向)側には、カセットステーション30側から第1の処理装置群G1、第2の処理装置群G2が順に配置されている。処理ステーション31のX方向正方向(図2中の上方向)側には、カセットステーション30側から第3の処理装置群G3、第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5が順に配置されている。第3の処理装置群G3と第4の処理装置群G4の間には、第1の搬送装置36が設けられている。第1の搬送装置36は、第1の処理装置群G1、第3の処理装置群G3及び第4の処理装置群G4内の各処理装置に選択的にアクセスしてウェハWを搬送できる。第4の処理装置群G4と第5の処理装置群G5の間には、第2の搬送装置37が設けられている。第2の搬送装置37は、第2の処理装置群G2、第4の処理装置群G4及び第5の処理装置群G5内の各処理装置に選択的にアクセスしてウェハWを搬送することができる。
【0039】
図3に示すように第1の処理装置群G1には、ウェハWに所定の液体を供給して処理を行う液処理装置、例えばウェハWにレジスト液を塗布するレジスト塗布装置40、41、42、露光処理時の光の反射を防止する反射防止膜を形成するボトムコーティング装置43、44が下から順に5段に重ねられている。第2の処理装置群G2には、液処理装置、例えばウェハWに現像液を供給して現像処理する現像処理装置50〜54が下から順に5段に重ねられている。また、第1の処理装置群G1及び第2の処理装置群G2の最下段には、各処理装置群G1、G2内の液処理装置に各種処理液を供給するためのケミカル室60、61がそれぞれ設けられている。
【0040】
図4に示すように第3の処理装置群G3には、温度調節装置70、トランジション装置71、精度の高い温度管理下でウェハWを温度調節する高精度温度調節装置72〜74及びウェハWを高温で加熱処理する高温度熱処理装置75〜78が下から順に9段に重ねられている。
【0041】
第4の処理装置群G4には、例えば高精度温度調節装置80、レジスト塗布処理後のウェハWを加熱処理するプリベーキング装置81〜84(以下、「PAB装置」という。)及び現像処理後のウェハWを加熱処理するポストベーキング装置85〜89(以下、「POST装置」という。)が下から順に10段に重ねられている。
【0042】
第5の処理装置群G5には、ウェハWを熱処理する複数の熱処理装置、例えば高精度温度調節装置90〜93、露光後のウェハWを加熱処理するポストエクスポージャーベーキング装置94〜99(以下、「PEB装置」という。)が下から順に10段に重ねられている。
【0043】
図2に示すように第1の搬送装置36のX方向正方向側には、複数の処理装置が配置されており、図4に示すようにウェハWを疎水化処理するためのアドヒージョン装置100、101、ウェハWを加熱する加熱装置102、103が下から順に4段に重ねられている。図2に示すように第2の搬送装置37のX方向正方向側には、例えばウェハWのエッジ部のみを選択的に露光する周辺露光装置104が配置されている。
【0044】
インターフェイスステーション32には、図2に示すようにX方向に向けて延伸する搬送路110上を移動するウェハ搬送体111と、バッファカセット112が設けられている。ウェハ搬送体111は、Z方向に移動可能でかつθ方向にも回転可能であり、インターフェイスステーション32に隣接した露光装置21と、バッファカセット112及び第5の処理装置群G5に対してアクセスしてウェハWを搬送できる。
【0045】
第2の処理部12は、図5に示すように第2の処理部12に対するウェハWの搬入出を行うカセットステーション200と、ウェハWの搬送を行う共通搬送部201と、ウェハWに所定の処理を行うトリミング装置202、成膜装置203、エッチング装置204、アッシング装置205及びエッチング装置206と、ウェハW上の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法を測定するパターン寸法測定装置207とを有している。なお、これらトリミング装置202、成膜装置203、エッチング装置204、アッシング装置205、エッチング装置206、パターン寸法測定装置207で行われる所定の処理については、後述する。
【0046】
カセットステーション200は、ウェハWを搬送するウェハ搬送機構210が内部に設けられた搬送室211を有している。ウェハ搬送機構210は、ウェハWを略水平に保持する2つの搬送アーム210a、210bを有しており、これら搬送アーム210a、210bのいずれかによってウェハWを保持しながら搬送する構成となっている。搬送室211の側方には、ウェハWを複数枚並べて収容可能なカセットCが載置されるカセット載置台212が備えられている。図示の例では、カセット載置台212には、カセットCを複数載置できるようになっている。
【0047】
搬送室211と共通搬送部201は、真空引き可能な2つのロードロック装置213a、213bを介して互いに連結させられている。
【0048】
共通搬送部201は、例えば上方からみて略多角形状(図示の例では六角形状)をなすように形成された密閉可能な構造の搬送室チャンバ214を有している。搬送室チャンバ214内には、ウェハWを搬送するウェハ搬送機構215が設けられている。ウェハ搬送機構215は、ウェハWを略水平に保持する2つの搬送アーム215a、215bを有しており、これら搬送アーム215a、215bのいずれかによってウェハWを保持しながら搬送する構成となっている。
【0049】
搬送室チャンバ214の外側には、上述したトリミング装置202、成膜装置203、エッチング装置204、アッシング装置205、エッチング装置206、パターン寸法測定装置207、ロードロック装置213b、313aが、搬送室チャンバ214の周囲を囲み、かつ例えば上方からみて時計回転方向においてこの順に並ぶように配置されている。
【0050】
次に、パターン寸法測定装置207の構成について説明する。パターン測定寸法装置207は、スキャトロメトリ法を用いてウェハWや検査用ウェハ上のパターンの寸法を測定するものである。なお、パターンの寸法とは、例えばパターンのライン部の線幅、スペース部の幅、ライン部のサイドウォールアングル等である。また、検査用ウェハは、製品用のウェハW上の被処理膜のパターンのスペース比率が1:1となるように、当該ウェハWの処理条件を補正するために用いられるウェハである。そして、検査用ウェハの検査処理はウェハWのウェハ処理の前に行われる。したがって、パターン寸法測定装置207では主に検査用ウェハ上のパターンの寸法が測定され、以下、検査用ウェハを用いてパターン寸法測定装置207の構成を説明する。なお、当然、パターン寸法測定装置207はウェハW上のパターンの寸法の測定もできる。
【0051】
パターン寸法測定装置207内には、図6に示すように検査用ウェハTを水平に載置する載置台230が設けられている。載置台230は、例えば水平方向の2次元方向に移動できる。載置台230の上方には、載置台230上に載置された検査用ウェハTに対して斜方向から光を照射する光照射部231と、光照射部231から照射された光の検査用ウェハTで反射した光を検出する光検出部232が設けられている。
【0052】
この光照射部231から照射された光は、検査用ウェハT上のパターンに反射し、光検出部232に到達する。光検出部232で検出した光の情報は、測定部233に出力される。この光の情報には、例えば光の回折次数、波長、入射角等が含まれる。測定部233は、取得した光の情報に基づいて、検査用ウェハT上に形成されている所定のパターンから反射した反射光のスペクトル(光強度分布)を測定することができる。なお、光照射部231としては例えば白色光を発するキセノンランプが用いられ、光検出部232としては例えばCCDカメラ等を用いられる。また、本実施の形態において、光は光照射部231から斜め方向に照射されて検査用ウェハT上のパターンで反射しているが、光を光照射部231から垂直方向に照射して検査用ウェハT上のパターンで反射させてもよい。
【0053】
パターン寸法測定装置207は、例えばパターンの寸法を測定するための情報の処理を行う情報処理部234をさらに備えている。情報処理部234は、例えば算出部235、記憶部236及び解析部237を有している。
【0054】
算出部235では、記憶部236のライブラリに記憶されるべき情報が算出される。具体的には、例えばパターン形状、ターゲットの寸法、構造等の既知の情報に基づいて決定された異なる寸法の複数の仮想パターンから反射する反射光の計算上の各スペクトルが算出される。さらに算出部235では、検査用ウェハ上の被処理膜に形成されるモニターパターンの目標スペース比率が算出され、ライブラリに用いられる仮想パターンのスペース比率の範囲が算出される。
【0055】
なお、図7に示すように検査用ウェハT上の被処理膜に形成されるモニターパターン408は、複数のライン状のパターンであって、ライン部409a、409bとスペース部410a、410bを有している。また、上述のスペース比率とは、モニターパターン408において、そのライン部409a、409b間の第1のスペース部410aの幅Dとライン部409b、409a間の第2のスペース部410bの幅Dとの比率である。なお、図示の例においては、被処理膜の下層にゲート酸化膜も形成されている。
【0056】
次に、算出部235において、モニターパターン408の目標スペース比率を決定する方法について説明する。モニターパターン408の目標スペース比率は、従来起こっていたトグリングを防止するため、1:1と異なる比率になるように決定される。しかしながら、この目標スペース比率が1:1に比して大きく離れていると、検査用ウェハTに行われる処理プロセスとウェハWに行われる処理プロセスに相関がなくなる。すなわち、この場合、検査用ウェハTに形成されたモニターパターン408に基づいてウェハWの処理条件を補正しても、当該処理条件を適切に補正することができず、ウェハW上の被処理膜のパターンをスペース比率1:1で形成することができない。
【0057】
そこで、モニターパターン408の適切な目標スペース比率について、発明者らが鋭意検討したところ、ライン部409aの中心とライン部409bの中心との距離の再現性(以下、「距離再現性」という。)と、ライン部409の寸法の再現性(以下、「寸法再現性」という。)に基づいて目標スペース比率を決定すれば良いことが分かった。具体的には、距離再現性が1.0nm以下であって、かつ寸法再現性が0.2nm以下であれば、モニターパターン408の目標スペース比率が適切になることが分かった。すなわち、この場合、検査用ウェハTに行われる処理プロセスとウェハWに行われる処理プロセスが高い相関を持ち、検査用ウェハTに形成されたモニターパターン408に基づいて、ウェハWの処理条件を適切に補正することができる。なお、再現性とは、各パラメータのばらつき度(3σ)である。また、ライン部409の寸法とは、例えばライン部409の上端の線幅、下端の線幅、ウェハW表面からライン部409上端までの高さ(ライン部409とゲート酸化膜の高さ)等である。
【0058】
モニターパターン408の目標スペース比率は、上記距離再現性と寸法再現性の条件を満たすようにシミュレーションを行って決定される。図8〜図10にシミュレーションを行った結果の一例を示す。
【0059】
図8は、検査用ウェハT上にライン部409の線幅が30nmのモニターパターン408を形成した場合のシミュレーションの結果である。かかるシミュレーションにおいて、モニターパターン408のスペース比率を1:1〜1:10に変化させた。また、ウェハW上の被処理膜(ポリシリコン膜)の高さは94nmであって、ゲート酸化膜の高さは2nmとした。図8の横軸のAirCD ratioは、モニターパターン408のスペース比率を示している。なお、図示の例では、例えばスペース比率が1:1の場合、AirCD ratioは1と示され、例えばスペース比率が1:10であればAirCD ratioは10と示されている。図8の第1の縦軸のOffset Precisionは、距離再現性を示している。また、図8の第2の縦軸のTCD/BCD/Ht Precisionは、寸法再現性を示している。すなわち、TCD(Top CD)はライン部409の上端の線幅を示し、BCD(Bottom CD)はライン部409の下端の線幅を示し、Ht(Height)はウェハW表面からライン部409上端までの高さを示している。
【0060】
図8を参照すると、距離再現性が1.0nm以下であって、かつ寸法再現性が0.2nm以下となるスペース比率は1.1以上であり、より好ましくは1:10以下であることが分かる。したがって、モニターパターン408の目標スペース比率は1:1〜1:10の範囲で決定される。
【0061】
図9と図10のシミュレーションは、図8と同様のシミュレーションを行った結果であり、ライン部409の線幅がそれぞれ20nm、15nmのモニターパターン408を形成した場合のシミュレーションの結果である。図9と図10を参照すると、いずれの場合でも、距離再現性が1.0nm以下であって、かつ寸法再現性が0.2nm以下となるスペース比率は1.1以上であることが分かる。したがって、モニターパターン408の目標スペースの比率は1:1.1以上の範囲で決定される。
【0062】
次に、算出部235において、記憶部236のライブラリに用いられる仮想パターンのスペース比率の範囲を決定する方法について説明する。図11に示すようにライブラリLの仮想パターンのスペース比率の範囲(図中の斜線部)は、上述したモニターパターン408の目標スペース比率を含むが、1:1のスペース比率を含まない範囲である。すなわち、ライブラリLには、目標スペース比率の仮想パターンのスペクトルEが含まれる。また、ライブラリLには、スペース比率1:1に対して点対象に位置するスペース比率は含まれず、異なる分布のスペクトルのみ含まれる。したがって、このライブラリLを用いると、従来起こっていたトグリングを防止することができる。
【0063】
記憶部236では、算出部235で算出された前記仮想パターンに対する計算上の各スペクトルを記憶して、そのライブラリLが作成される。
【0064】
測定部233で測定された検査用ウェハT上の実際のモニターパターン408に対するスペクトルは、解析部237に出力される。解析部237では、測定部233から出力されたモニターパターン408のスペクトルと前記記憶部236のライブラリ内に記憶されている仮想パターンのスペクトルとを照合し、スペクトルが適合する仮想パターンを選択する。そして、その仮想パターンの寸法をモニターパターン408の寸法と推定してモニターパターン408の寸法が測定される。このパターンの寸法の測定結果は、例えば後述する制御装置300に出力される。
【0065】
次に、上述した制御装置300について説明する。制御装置300は、例えばCPUやメモリなどを備えた汎用コンピュータにより構成されている。
【0066】
制御装置300は、図12に示すように例えばパターン寸法測定装置207からの寸法測定結果が入力される入力部301と、寸法測定結果に基づいて第1の処理部11又は第2の処理部12の処理条件を算出するために必要な各種情報Mが格納されるデータ格納部302と、第1の処理部11又は第2の処理部12の処理条件を算出するプログラムPが格納されるプログラム格納部303と、プログラムPを実行して処理条件を算出する演算部304と、算出された処理条件を第1の処理部11又は第2の処理部12に出力する出力部305などを有している。
【0067】
データ格納部302には、目標スペース比率のモニターパターン408の寸法を、1:1のスペース比率の被処理膜のパターンに変換する回帰式が予め求められて格納されている。回帰式を求める際には、先ず、CD−SEMを用いて1:1のスペース比率の被処理膜のパターンの寸法を測定する。一方、スキャトロメトリ法を用いて目標スペース比率のモニターパターン408の寸法を測定する。これら1:1のスペース比率の被処理膜のパターンの寸法と目標スペース比率のモニターパターン408の寸法とが十分に相関があることを確認した上で、前記回帰式を算出する。
【0068】
また、データ格納部302には、第1の処理部11又は第2の処理部12の処理条件と被処理膜のパターンの寸法との相関Mを示すデータが格納されている。
【0069】
なお、制御装置300の機能を実現するためのプログラムPは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置300にインストールされたものであってもよい。
【0070】
次に、以上のように構成された半導体装置の製造システム1における製品用のウェハWの処理プロセスについて、検査用ウェハTの検査処理と共に説明する。図13は、これら検査用ウェハTの検査処理とウェハWのウェハ処理と主なフローを示している。また図14及び図15は、各工程における検査用ウェハTとウェハWの状態をそれぞれ模式的に示している。なお、図14及び図15における検査用ウェハTとウェハW上の膜やパターンの寸法は、技術の理解の容易さを優先させるため、必ずしも実際の寸法に対応していない。
【0071】
先ず、半導体装置の製造システム1におけるウェハWの処理条件を補正するために、検査用ウェハTに一連の処理を行う。なお、検査用ウェハT上には、図14(a)に示すように予めゲート酸化膜400と被処理膜401が下から順に形成されている。
【0072】
ここで、検査用ウェハTの被処理膜401に形成されるモニターパターン408の目標スペース比率は、上述したパターン寸法測定装置207の算出部235において予め決定されている(図13のステップS1)。本実施の形態においては、目標スペース比率は、例えば図11に示したように1.6:0.4に決定されている。また、パターン寸法装置207のライブラリLのスペース比率の範囲も、図11に示した範囲に予め決定されている。このライブラリLのスペース比率の範囲に基づき、算出部235において、仮想パターンに対するスペクトルが算出される。そして、記憶部236において、算出部235で算出されたスペクトルを記憶して、そのライブラリLが作成される(図13のステップS2)。
【0073】
検査用ウェハTは、先ず、第1の処理部11の塗布現像装置20に搬送される。塗布現像装置20では、ウェハ搬送体35によって、カセット載置台33上のカセットC内から検査用ウェハTが一枚取り出され、第3の処理装置群G3の温度調節装置70に搬送される。温度調節装置70に搬送された検査用ウェハTは、所定温度に温度調節される。その後、検査用ウェハTは第1の搬送装置36によってボトムコーティング装置43に搬送され、図14(a)に示すように検査用ウェハTの被処理膜401上に反射防止膜402が形成される。反射防止膜402が形成された検査用ウェハTは、第1の搬送装置36によって加熱装置102、高温度熱処理装置75、高精度温度調節装置80に順次搬送され、各装置で所定の処理が施される。その後、検査用ウェハTはレジスト塗布装置40に搬送され、検査用ウェハTにレジスト膜が形成される。
【0074】
レジスト塗布装置40において検査用ウェハT上にレジスト膜が形成されると、検査用ウェハTは第1の搬送装置36によってPAB装置81に搬送され、続いて第2の搬送装置37によって周辺露光装置104、高精度温度調節装置93に順次搬送されて、各装置において所定の処理が施される。その後、インターフェイスステーション32のウェハ搬送体111によって露光装置21に搬送され、検査用ウェハT上のレジスト膜に所定のパターンが露光される。露光処理の終了した検査用ウェハTは、ウェハ搬送体111によってPEB装置94に搬送され、検査用ウェハTに加熱処理が施される。
【0075】
PEB装置94における熱処理が終了すると、検査用ウェハTは第2の搬送装置37によって高精度温度調節装置91に搬送されて温度調節される。その後、検査用ウェハTは現像処理装置50に搬送され、検査用ウェハTに現像処理が施され、レジスト膜にパターンが形成される。その後、検査用ウェハTは第2の搬送装置37によってPOST装置85に搬送され、加熱処理が施された後、高精度温度調節装置93に搬送され温度調節される。その後、検査用ウェハは第1の搬送装置36によってトランジション装置71に搬送され、ウェハ搬送体35によってカセットCに戻されて、一連のフォトグラフィー処理が終了する。こうして、図14(a)に示すように検査用ウェハT上に複数のライン状のレジストパターン403が形成される(図13のステップS3)。
【0076】
第1の処理部11において検査用ウェハT上にレジストパターン403が形成されると、当該検査用ウェハTを収納したカセットCは、塗布現像装置20から搬出され、次に第2の処理部12に搬入される。
【0077】
第2の処理部12では、先ず、ウェハ搬送機構210によって、カセット載置台212上のカセットCから1枚の検査用ウェハTが取り出され、ロードロック装置213a内に搬入される。ロードロック装置213a内に検査用ウェハTが搬入されると、ロードロック装置213a内が密閉され、減圧される。その後、ロードロック装置213a内と大気圧に対して減圧された状態(例えば略真空状態)の搬送室チャンバ214内とが連通させられる。そして、ウェハ搬送機構215によって、検査用ウェハTがロードロック装置213aから搬出され、搬送室チャンバ214内に搬入される。
【0078】
搬送室チャンバ214内に搬入された検査用ウェハTは、次にウェハ搬送機構215によってトリミング装置202に搬入される。トリミング装置202では、図14(b)に示すように検査用ウェハT上のレジストパターン403がトリミングされ、その線幅が細くされる。また、同時にレジストパターン403をマスクとして、検査用ウェハT上の反射防止膜402がエッチングされる(図13のステップS4)。なお、このレジストパターン403のトリミングと反射防止膜402のエッチングは、例えば酸素プラズマ等を用いたプラズマエッチングによって行うことができる。
【0079】
その後、検査用ウェハTはウェハ搬送機構215によって搬送室チャンバ214内に戻され、続いて成膜装置203に搬入される。成膜装置203では、例えばCVD(Chemical Vapor Deposiotion、化学気相成長法)によって、図14(c)に示すようにレジストパターン403上に犠牲膜404が形成される(図13のステップS5)。なお、犠牲膜404は、被処理膜401をエッチングする際のマスクとなる膜であって、例えばSiO膜である。
【0080】
その後、検査用ウェハTはウェハ搬送機構215によって搬送室チャンバ214内に戻され、続いてエッチング装置204に搬入される。エッチング装置204では、図14(d)に示すように犠牲膜404がレジストパターン404のライン部の側壁部にのみ残るように、当該犠牲膜404をエッチングする(図13のステップS6)。なお、このエッチングは、例えばCF4、C48、CHF3、CH3F、CH22等のCF系ガスと、Arガス等の混合ガス、又はこの混合ガスに必要に応じて酸素を添加したガス等を用いて行われる。
【0081】
その後、検査用ウェハTはウェハ搬送機構215によって搬送室チャンバ214内に戻され、続いてアッシング装置205に搬入される。アッシング装置205では、例えば酸素プラズマ等を用いたアッシング等により、図14(d)に示すようにレジストパターン403と反射防止膜402を除去する。そして、被処理膜401上に犠牲膜のパターン405が形成される(図13のステップS7)。なお、犠牲膜のパターン405は、複数のライン状のパターンであって、ライン部406a、406bとスペース部407a、407bを有している。第1のスペース部407aは、ライン部406a、406b間に形成されるスペースであり、レジストパターン403が除去されて形成されるスペースである。第2のスペース部407bは、ライン部406b、406a間に形成されるスペースであり、レジストパターン403、403間に形成されるスペースである。
【0082】
その後、検査用ウェハTはウェハ搬送機構215によって搬送室チャンバ214内に戻され、続いてエッチング装置206に搬入される。エッチング装置206では、犠牲膜のパターン405をマスクとして被処理膜401をエッチングする。そして、犠牲膜のパターン405を除去して、図14(e)に示すように検査用ウェハT上に被処理膜のモニターパターン408が形成される(図13のステップS8)。このとき、被処理膜401の下層のゲート酸化膜400もエッチングされる。なお、このエッチングは、例えばHBrガス等を用いて行われる。また、モニターパターン408は本発明における第2のモニターパターンである。
【0083】
その後、検査用ウェハTはウェハ搬送機構215によって搬送室チャンバ214内に戻され、続いてパターン寸法測定装置207に搬入される。パターン寸法測定装置207では、先ず検査用ウェハTが載置台230に載置される。次に、検査用ウェハT上の被処理膜のモニターパターン408に光照射部231から光が照射され、その反射光が光検出部232により検出される。そして、測定部323においてモニターパターン408に対するスペクトルが測定される。このスペクトルは情報処理部234に出力される。情報処理部234では、上述したように算出部235において予め複数の仮想パターンに対する計算上のスペクトルを算出し、記憶部236において前記仮想パターンに対するスペクトルを記憶して、そのライブラリLが作成されている。そして、解析部237において、測定部323で測定された実際のモニターパターン408に対するスペクトルと、ライブラリL内の仮想パターンに対するスペクトルが照合される。そして、スペクトルが適合したライブラリL内のパターン形状をモニターパターン408と推定する。このようにして、モニターパターン408の寸法が測定される(図13のステップS9)。このモニターパターン408の寸法の測定結果は、制御装置300に出力される。
【0084】
制御装置300では、演算部304において、データ格納部302に格納された回帰式を用いて、モニターパターン408の寸法の測定結果を、1:1のスペース比率を目標とする被処理膜のパターンの寸法に変換する(図13のステップS10)。
【0085】
さらに演算部304において、この変換された被処理膜のパターンの寸法に基づき、データ格納部302に格納された相関Mとプログラム格納部303のプログラムPを用いて、第1の処理部11又は第2の処理部12の処理条件を補正する(図13のステップS11)。本実施の形態においては、変換された被処理膜のパターンにおける第1のスペース部の幅Dと第2のスペース部の幅Dの差に基づいて、トリミング装置202における処理条件が補正される。具体的には、例えば第1のスペース部の幅Dが大きい場合、トリミング装置202における処理時間を長くする。一方、第1のスペース部の幅Dが小さい場合、トリミング装置202における処理時間を短くする。
【0086】
補正された処理条件は、出力部305からトリミング装置202に出力される。そして、トリミング装置202の処理条件がフィードバック制御される。こうして、検査用ウェハTに対して行われる一連の検査処理(図13のステップS1〜S11)が終了する。
【0087】
次に、例えば製品用のウェハWに一連のウェハ処理を行う。なお、ウェハWには、図15(a)に示すように予めゲート酸化膜500と被処理膜501が下から順に形成されている。
【0088】
ウェハWは、第1の処理部11に搬送され、フォトリソグラフィー処理が行われる。そして、図15(a)に示すようにウェハWの被処理膜501上に、反射防止膜502とレジストパターン503が形成される(図13のステップS12)。なお、このフォトリソグラフィー処理は、上述したステップS3での検査用ウェハTに対する処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0089】
その後、ウェハWは第2の処理部12に搬送される。ウェハWは、先ずトリミング装置202において、図15(b)に示すようにウェハW上のレジストパターン503がトリミングされ、反射防止膜502がエッチングされる。このときの処理条件は、上述したステップS11で補正された処理条件である(図13のステップS13)。その後、成膜装置203において、図15(c)に示すようにレジストパターン503上に犠牲膜504が成膜される(図13のステップS14)。
【0090】
その後、図15(d)に示すようにエッチング装置204において犠牲膜504がエッチングされ(図13のステップS15)、アッシング装置205においてレジストパターン503と反射防止膜502が除去されて、被処理膜501上に犠牲膜のパターン505が形成される(図13のステップS16)。なお、犠牲膜のパターン505は、複数のライン状のパターンであって、ライン部506a、506bとスペース部507a、507bを有している。第1のスペース部507aは、ライン部506a、506b間に形成されるスペースであり、レジストパターン503が除去されて形成されるスペースである。第2のスペース部507bは、ライン部506b、506a間に形成されるスペースであり、レジストパターン503、503間に形成されるスペースである。
【0091】
その後、エッチング装置206において犠牲膜のパターン505をマスクとして被処理膜501がエッチングされ、図15(e)に示すようにウェハW上に被処理膜のパターン508が形成される(図13のステップS17)。この被処理膜のパターン508は、そのスペース比率が1:1であり、所定の寸法で形成される。なお、被処理膜のパターン508は、複数のライン状のパターンであって、ライン部509a、509bとスペース部510a、510bを有している。
【0092】
なお、ウェハWに対するステップS13〜S17の処理は、上述したステップS4〜S8での検査用ウェハTに対する処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。こうして、ウェハWに対して行われる一連のウェハ処理(図13のステップS12〜S17)が終了する。
【0093】
以上の実施の形態によれば、先ず検査用ウェハTに所定の処理を行い、被処理膜401にモニターパターン408を形成した後、スキャトロメトリ法を用いてモニターパターン408の寸法を測定している。この際、モニターパターン408の目標スペース比率は1:1と異なる比率である。そして、モニターパターン408の寸法を測定する際、スキャトロメトリ法で用いられるライブラリLのスペース比率の範囲は、目標スペース比率を含むが、1:1のスペース比率を含まない範囲である。すなわち、ライブラリLには、スペース比率1:1に対して点対象に位置するスペース比率は含まれず、異なる分布のスペクトルのみ含まれる。したがって、本実施の形態によれば、従来のようにトグリングが発生することなく、モニターパターン408の寸法を正確に測定することができる。その後、この測定されたモニターパターン408の寸法を、予め求められた回帰式を用いて、1:1のスペース比率を目標とする被処理膜のパターンの寸法に変換し、所定の処理の処理条件を補正している。したがって、以後、補正された処理条件でウェハWに所定の処理を行うので、ウェハW上の被処理膜のパターン508を1:1のスペース比率かつ所定の寸法で適切に形成することができる。
【0094】
また、モニターパターン408の目標スペース比率は、距離再現性が1.0nm以下であって、かつ寸法再現性が0.2nm以下になるように決定される。このため、モニターパターン408の目標スペース比率が測定精度上適切になる。また、検査用ウェハTに行われる処理プロセスとウェハWに行われる処理プロセスが高い相関を持つことを確認した上で処理を行うため、検査用ウェハTに形成されたモニターパターン408に基づいて、ウェハWの処理条件を適切に補正することができる。
【0095】
以上の実施の形態では、上述したステップS11において、検査用ウェハTのモニターパターン408の寸法に基づいてトリミング装置202の処理条件を補正していたが、これに代えて第1の処理部11の処理条件を補正してもよい。かかる場合、モニターパターン408の寸法を1:1のスペース比率を目標とする被処理膜のパターンの寸法に変換し、当該変換された被処理膜のパターンにおける第1のスペース部の幅Dと第2のスペース部の幅Dの差に基づいて、例えば露光装置21の処理条件が補正される。例えば第1のスペース部の幅Dが大きい場合、露光量を大きくする。一方、第1のスペース部の幅Dが小さい場合、露光量を小さくする。本実施の形態によっても、ウェハWの処理条件が適切に補正されるため、当該ウェハW上の被処理膜のパターン508を1:1のスペース比率かつ所定の寸法で適切に形成することができる。また、露光量はショット毎に変更可能であるため、検査用ウェハTのモニターパターン408の上端の線幅や下端の線幅が異なる場合であっても、被処理膜のパターン508を所定の寸法で形成することができる。
【0096】
また、この場合、露光装置21の処理条件に代えて、塗布現像装置20における熱処理の処理条件を補正してもよく、特にPEB装置94〜99におけるウェハWの加熱温度を補正してもよい。かかる場合でも、ウェハWの処理条件が適切に補正されるため、当該ウェハW上の被処理膜のパターン508を1:1のスペース比率かつ所定の寸法で適切に形成することができる。また、加熱温度は、ウェハ面内において複数の領域毎に補正することができるため、検査用ウェハTのモニターパターン408の上端の線幅や下端の線幅が異なる場合であっても、被処理膜のパターン508を所定の寸法で形成することができる。なお、塗布現像装置20における他の熱処理の処理条件、例えばPAB装置81〜84やPOST装置85〜89におけるウェハWの加熱温度を補正してもよい。
【0097】
また、上述したステップS11において、検査用ウェハTのモニターパターン408の寸法に基づいて成膜装置203における処理条件を補正してもよい。かかる場合、例えばモニターパターン408の寸法を1:1のスペース比率を目標とする被処理膜のパターンの寸法に変換し、当該変換された被処理膜のパターンにおけるライン部の線幅に基づいて、成膜装置203における処理時間が補正される。例えば被処理膜のパターンにおけるライン部の線幅が大きい場合、処理時間を短くする。一方、ライン部の線幅が小さい場合、処理時間を長くする。これによっても、ウェハWの処理条件が適切に補正されるため、当該ウェハW上の被処理膜のパターン508を1:1のスペース比率かつ所定の寸法で適切に形成することができる。
【0098】
また、この場合、成膜装置203の処理条件に代えて、エッチング装置206における処理条件、例えば処理時間を補正してもよい。例えば被処理膜のパターンにおけるライン部の線幅が大きい場合、処理時間を長くする。一方、ライン部の線幅が小さい場合、処理時間を短くする。これによっても、ウェハWの処理条件が適切に補正されるため、当該ウェハW上の被処理膜のパターン508を1:1のスペース比率かつ所定の寸法で適切に形成することができる。
【0099】
以上の実施の形態では、検査用ウェハT上の被処理膜401に形成されるパターンをモニターパターン408としていたが、当該検査用ウェハT上の犠牲膜のパターン405をモニターパターン(以下、「モニターパターン405」という。)としてもよい。なお、このモニターパターン405は本発明における第1のモニターパターンである。
【0100】
なお、モニターパターン405の目標スペース比率は、パターン寸法測定装置207の算出部235で決定される。この目標スペース比率は、距離再現性(1.0nm以下)と寸法再現性(0.2nm以下)に基づいて決定され、被処理膜401に形成されるモニターパターン408の目標スペース比率の決定方法(上述したステップS1)と同様であるので説明を省略する。
【0101】
本実施の形態では、上述したステップS11において、検査用ウェハTのモニターパターン405の寸法に基づいてトリミング装置202の処理条件を補正する。このトリミング装置202の処理条件の補正は、上述したステップS11でのモニターパターン408に基づく補正と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0102】
また、この場合、トリミング装置202の処理条件に代えて、第1の処理部11の処理条件を補正してもよい。補正される処理条件としては、モニターパターン408に基づく補正と同様に、例えば露光装置21の処理条件(露光量)やPEB装置94〜99、PAB装置81〜84、POST装置85〜89の処理条件(加熱温度)である。
【0103】
さらに、この場合、トリミング装置202の処理条件や第1の処理部11の処理条件に代えて、成膜装置203における処理条件を補正してもよい。補正される条件としては、モニターパターン408に基づく補正と同様に、例えば成膜装置203の処理時間である。
【0104】
また、モニターパターン405に基づいて補正される処理条件は、エッチング装置206における処理条件、例えば処理時間であってもよい。これによって、エッチング装置206の処理条件がフィードフォワード制御される。かかる場合、例えばモニターパターン405の寸法を1:1のスペース比率を目標とする犠牲膜のパターンの寸法に変換し、当該変換された犠牲膜のパターンにおける第1のスペース部の幅Dと第2のスペース部の幅Dの差に基づいて、エッチング装置206における処理時間が補正される。
【0105】
以上のように、検査用ウェハT上の犠牲膜のモニターパターン405に基づいて、ウェハ処理の種々の処理条件を補正することができる。いずれの場合でも、ウェハWの処理条件が適切に補正されるため、当該ウェハW上の被処理膜のパターン508を1:1のスペース比率かつ所定の寸法で適切に形成することができる。
【0106】
以上の実施の形態の半導体装置の製造方法(ステップS1〜S17)は、図16に示すように被処理膜のパターン508におけるライン部509の線幅とスペース部510の幅の比率が任意であっても適用できる。なお、図16(a)はライン部509の線幅とスペース部510の幅の比率が例えば1:1である場合を示し、図16(b)はライン部509の線幅とスペース部510の幅の比率が例えば1:3である場合を示している。このようにライン部509の線幅とスペース部510の幅の比率に関わらず、ウェハW上に1:1のスペース比率の被処理膜のパターン508を形成する場合、従来の方法ではトグリングが発生する。上記製造方法は、かかる場合でもウェハW上の被処理膜のパターン508を1:1のスペース比率かつ所定の寸法で適切に形成する方法であり、当該被処理膜のパターン508のライン部509の線幅とスペース部510の幅の比率は問わない。
【0107】
以上の実施の形態では、トリミング装置202、成膜装置203、エッチング装置204、アッシング装置205、エッチング装置206は、第2の処理部12に設けられていたが、それぞれ独立して設けられていてもよい。
【0108】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、ウェハ上に異なる膜を用いて所定のパターンを形成する場合、例えばSiN膜をハードマスクとして被処理膜としての酸化膜に所定のパターンを形成する場合にも適用できる。また、本発明は、SWT法以外のプロセス、例えばLELE法、LLE法といったダブルパターニングのプロセス、2回露光のプロセスにも適用できる。また、本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、例えば半導体ウェハ等の基板上の被処理膜に所定のパターンを形成して半導体装置を製造する際に有用である。
【符号の説明】
【0110】
1 半導体装置の製造システム
11 第1の処理部
12 第2の処理部
20 塗布現像装置
21 露光装置
81〜84 PAB装置
85〜89 POST装置
94〜99 PEB装置
202 トリミング装置
203 成膜装置
204 エッチング装置
205 アッシング装置
206 エッチング装置
207 パターン寸法測定装置
300 制御装置
401 被処理膜
402 反射防止膜
403 レジストパターン
404 犠牲膜
405 犠牲膜のパターン(モニターパターン)
406a、406b ライン部
407a、407b スペース部
408 被処理膜のパターン(モニターパターン)
409a、409b ライン部
410a、410b スペース部
501 被処理膜
502 反射防止膜
503 レジストパターン
504 犠牲膜
505 犠牲膜のパターン
506a、506b ライン部
507a、507b スペース部
508 被処理膜のパターン
509a、509b ライン部
510a、510b スペース部
L ライブラリ
T 検査用ウェハ
W ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に所定の処理を行い、ライン部とスペース部で形成されたパターンであって、かつ第1のスペース部の幅と当該第1のスペース部と隣り合う第2のスペース部の幅とのスペース比率が1:1となるようにパターンを基板上の被処理膜に形成して、半導体装置を製造する方法であって、
前記所定の処理は、
基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板の被処理膜上に複数のライン状のレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、
前記レジストパターンをトリミングするトリミング工程と、
前記レジストパターン上に被処理膜をエッチングする際のマスクとなる犠牲膜を成膜する成膜工程と、
前記犠牲膜が前記レジストパターンのライン部の側壁部にのみ残るように当該犠牲膜をエッチングした後、前記レジストパターンを除去し、基板の被処理膜上に複数のライン状の前記犠牲膜のパターンを形成する犠牲膜パターン形成工程と、
前記犠牲膜のパターンをマスクに被処理膜をエッチングし、当該被処理膜に複数のライン状のパターンを形成する被処理膜パターン形成工程と、を備え、
検査用基板に前記所定の処理を行い、前記犠牲膜パターン形成工程において検査用基板の犠牲膜に形成される第1のモニターパターンと、前記被処理膜パターン形成工程において検査用基板の被処理膜に形成される第2のモニターパターンの目標スペース比率が1:1と異なる比率になるように、当該第1のモニターパターンと第2のモニターパターンを形成するモニターパターン形成工程と、
前記目標スペース比率を含みかつ1:1のスペース比率を含まない範囲の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンのライブラリを用いて、スキャトロメトリ法により、前記モニターパターン形成工程で形成された前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの寸法を測定する寸法測定工程と、
前記目標スペース比率の第1のモニターパターン又は第2のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンにそれぞれ変換する回帰式を用いて、前記寸法測定工程で測定された前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率を目標とする犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法に変換する比率変換工程と、
前記比率変換工程で変換された犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法に基づいて、前記所定の処理における処理条件を補正する処理条件補正工程と、
前記補正された条件で基板に前記所定の処理を行い、当該基板上の被処理膜に1:1のスペース比率となるようにパターンを形成する基板処理工程と、を有することを特徴とする、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの前記目標スペース比率は、当該第1のモニターパターン又は第2のモニターパターンにおいて、一のライン部の中心と当該一のライン部と隣り合う他のライン部の中心との距離の再現性と、ライン部の寸法の再現性とに基づいて決定されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの前記目標スペース比率は、前記距離の再現性が1.0nm以下であって、かつ前記寸法の再現性が0.2nm以下となるように決定されることを特徴とする、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記トリミング工程では、前記レジストパターンをトリミングすると共に、当該レジストパターンをマスクとして、基板の被処理膜とレジストパターンとの間に形成された反射防止膜をエッチングすることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記処理条件補正工程では、前記比率変換工程で変換された犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンにおける第1のスペース部の幅と第2のスペース部の幅の差に基づいて、前記所定の処理の前記トリミング工程の処理条件を補正することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記処理条件補正工程では、前記比率変換工程で変換された犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンにおける第1のスペース部の幅と第2のスペース部の幅の差に基づいて、前記所定の処理の前記レジストパターン形成工程の処理条件を補正することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記レジストパターン形成工程で補正される処理条件は、フォトリソグラフィー処理における露光処理の処理条件であることを特徴とする、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記レジストパターン形成工程で補正される処理条件は、フォトリソグラフィー処理における熱処理の処理条件であることを特徴とする、請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記熱処理は、露光処理後であって現像処理前に行われる加熱処理であることを特徴とする、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記処理条件補正工程では、前記比率変換工程で変換された犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンにおけるライン部の線幅に基づいて、前記所定の処理の前記成膜工程の処理条件を補正することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記処理条件補正工程では、前記比率変換工程で変換された被処理膜のパターンにおけるライン部の線幅に基づいて、前記所定の処理の前記被処理膜パターン形成工程の処理条件を補正することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記処理条件補正工程では、前記比率変換工程で変換された犠牲膜のパターンにおける第1のスペース部の幅と第2のスペース部の幅の差に基づいて、前記所定の処理の前記被処理膜パターン形成工程の処理条件を補正することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
基板に所定の処理を行い、ライン部とスペース部で形成されたパターンであって、かつ第1のスペース部の幅と当該第1のスペース部と隣り合う第2のスペース部の幅とのスペース比率が1:1となるようにパターンを基板上の被処理膜に形成して、半導体装置を製造する方法であって、
検査用基板に前記所定の処理を行い、モニターパターンの目標スペース比率が1:1と異なる比率になるように、当該モニターパターンを形成するモニターパターン形成工程と、
前記目標スペース比率を含みかつ1:1のスペース比率を含まない範囲のパターンのライブラリを用いて、スキャトロメトリ法により、前記モニターパターン形成工程で形成された前記モニターパターンの寸法を測定する寸法測定工程と、
前記目標スペース比率のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率のパターンに変換する回帰式を用いて、前記寸法測定工程で測定された前記モニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率を目標とするパターンの寸法に変換する比率変換工程と、
前記比率変換工程で変換されたパターンの寸法に基づいて、前記所定の処理における処理条件を補正する処理条件補正工程と、
前記補正された条件で基板に前記所定の処理を行い、当該基板上の被処理膜に1:1のスペース比率となるようにパターンを形成する基板処理工程と、を有することを特徴とする、半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記モニターパターンの前記目標スペース比率は、当該モニターパターンにおいて、一のライン部の中心と当該一のライン部と隣り合う他のライン部の中心との距離の再現性と、ライン部の寸法の再現性とに基づいて決定されることを特徴とする、請求項13に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記モニターパターンの前記目標スペース比率は、前記距離の再現性が1.0nm以下であって、かつ前記寸法の再現性が0.2nm以下となるように決定されることを特徴とする、請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
基板に所定の処理を行い、ライン部とスペース部で形成されたパターンであって、かつ第1のスペース部の幅と当該第1のスペース部と隣り合う第2のスペース部の幅とのスペース比率が1:1となるようにパターンを基板上の被処理膜に形成して、半導体装置を製造する製造システムであって、
基板にフォトリソグラフィー処理を行い、当該基板の被処理膜上に複数のライン状のレジストパターンを形成する塗布現像装置及び露光装置と、前記レジストパターンをトリミングするトリミング装置と、前記レジストパターン上に被処理膜をエッチングする際のマスクとなる犠牲膜を成膜する成膜装置と、前記犠牲膜が前記レジストパターンのライン部の側壁部にのみ残るように当該犠牲膜をエッチングした後、前記レジストパターンを除去し、基板の被処理膜上に複数のライン状の前記犠牲膜のパターンを形成するアッシング装置と、前記犠牲膜のパターンをマスクに被処理膜をエッチングし、当該被処理膜に複数のライン状のパターンを形成するエッチング装置とを備え、基板に前記所定の処理を行う処理部と、
前記犠牲膜のパターン又は前記被処理膜のパターンの寸法を測定するパターン寸法測定装置と、
前記犠牲膜のパターン又は前記被処理膜のパターンの寸法の測定結果に基づいて、前記処理部における処理条件を補正する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
検査用基板に前記所定の処理を行い、前記成膜装置において検査用基板の犠牲膜に形成される第1のモニターパターンと、前記エッチング装置において検査用基板の被処理膜に形成される第2のモニターパターンの目標スペース比率が1:1と異なる比率にして、当該第1のモニターパターンと第2のモニターパターンを形成するように、前記処理部を制御し、
前記目標スペース比率を含みかつ1:1のスペース比率を含まない範囲の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンのライブラリを用いて、スキャトロメトリ法により、前記処理部で形成された前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの寸法を測定するように、前記パターン寸法測定装置を制御し、
前記目標スペース比率の第1のモニターパターン又は第2のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率の犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンにそれぞれ変換する回帰式を用いて、前記パターン寸法測定装置で測定された前記第1のモニターパターン又は前記第2のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率を目標とする犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法に変換し、
前記変換された犠牲膜のパターン又は被処理膜のパターンの寸法に基づいて、前記処理部における処理条件を補正することを特徴とする、半導体装置の製造システム。
【請求項17】
基板に所定の処理を行い、ライン部とスペース部で形成されたパターンであって、かつ第1のスペース部の幅と当該第1のスペース部と隣り合う第2のスペース部の幅とのスペース比率が1:1となるようにパターンを基板上の被処理膜に形成して、半導体装置を製造する製造システムであって、
基板に前記所定の処理を行いパターンを形成する処理部と、
前記処理部にて形成された前記パターンの寸法を測定するパターン寸法測定装置と、
前記パターンの寸法の測定結果に基づいて、前記処理部における処理条件を補正する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
検査用基板に前記所定の処理を行い、モニターパターンの目標スペース比率が1:1と異なる比率にして、当該モニターパターンを形成するように、前記処理部を制御し、
前記目標スペース比率を含みかつ1:1のスペース比率を含まない範囲のパターンのライブラリを用いて、スキャトロメトリ法により、前記処理部で形成された前記モニターパターンの寸法を測定するように、前記パターン寸法測定装置を制御し、
前記目標スペース比率のモニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率のパターンに変換する回帰式を用いて、前記パターン寸法測定装置で測定された前記モニターパターンの寸法を、1:1のスペース比率を目標とするパターンの寸法に変換し、
前記変換されたパターンの寸法に基づいて、前記処理部における処理条件を補正することを特徴とする、半導体装置の製造システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2011−133797(P2011−133797A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295209(P2009−295209)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】