説明

半導体装置の製造方法

【課題】微細な配線構造を形成可能であると共に、製造コストの低い半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】配線層11上の低誘電率材料からなる第1層間絶縁層13および第2層間絶縁層15のそれぞれを覆うSiO膜14,16を形成する。SiO膜14,16は、CVD法によりSiH4ガスとCO2ガスを用いて、ウェハを350℃〜500℃に加熱して形成する。このようにして形成されたSiO膜14,16は、実質的に窒素を含まないため、シリコン窒化膜等の反射防止膜18を形成する際にアンモニアガスや窒素ガス等の透過を抑制し、第1層間絶縁層13および第2層間絶縁層15に窒素に由来する塩基性物質の吸蔵を抑制する。その結果、レジストポイゾニングを抑制できる。さらに、SiO膜14,16は原料がガスのみであるので液体原料を使用するTEOS膜よりもCVD装置の汎用性が高まり、製造コストを低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層配線構造を有する半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置の多機能化および高性能化に伴い、一つのチップに搭載されるトランジスタ数が飛躍的に伸びると共に、チップサイズの縮小化が同時に進行する、高集積化が進められている。このような半導体装置の高集積化に伴い、チップサイズの縮小化の元での配線数の増加が必要とされ、配線構造の高密度化が進められている。
【0003】
配線構造の高密度化は、配線間の距離の短小化により配線容量Cが増加や、配線幅の縮小化による配線抵抗Rの増加による、いわゆるRC積による配線遅延の増加を招く。
【0004】
これを解決するために、配線遅延を低減するために、配線抵抗Rの低減を目的としてCu配線を用いたデュアルダマシン法による配線構造が採用されている。デュアルダマシン法は、垂直配線であるビアと配線層の配線を同時に形成する手法である。デュアルダマシン法は、ビアホールと配線溝を形成し、次いでそれらにCuを充填し、化学的機械研磨(CMP)法によりCuの表面を平坦化する。
【0005】
また、配線容量の低減を目的として層間絶縁膜に低誘電率材料、いわゆるlow−k膜が用いられている。low−k膜は、従来、層間絶縁膜として用いられてきたシリコン酸化膜(SiO2、比誘電率4.3)よりも誘電率の低い材料であり、SiOC、多孔質シリカ等の無機絶縁膜や、ポリイミド系やテフロン(登録商標)系の有機絶縁膜が提案されている。
【0006】
low−k膜は、比誘電率が低いだけでなく、密度もシリコン酸化膜よりも低い。そのため、膜中に成膜の際に使用されるプロセスガスや、エッチングガス、水等が取り込まれやすく、保持されるガス量もシリコン酸化膜の場合よりも極めて多くなるという性質がある。low−k膜に保持されたこれらのガスは、後工程での加熱処理の際に膨張し、low−k膜や配線層に極めて大きな応力を与えるので破断等のおそれがある。
【0007】
low−k膜にガス等が取り込まれること抑制するため、low−k膜の表面にTEOSを用いたシリコン酸化膜(以下、「TEOS膜」と称する。)が用いられている。TEOS膜は、low−k膜よりも緻密であるので、外部からlow−k膜に侵入するプロセスガス等を遮断する。
【0008】
また、low−k膜に微細な配線構造を形成する工程では、化学増幅型フォトレジスト材料のレジスト膜が用いられている。化学増幅型フォトレジスト材料は、例えばポジ型の場合は、露光光の照射により酸性物質を生じ潜像を形成する。そして、加熱処理により酸性物質が溶解抑止剤に作用してそれを分解させ潜像の領域をアルカリ性現像液に可溶な構造に変化させている。層間絶縁膜にlow−k膜を用いた場合、low−k膜中に保持されたNを含むガス等により塩基性物質が生じ、レジスト膜の潜像の領域の酸性物質が中和されてしまい、溶解抑止剤に作用するだけの酸性物質が不足し、レジスト膜の解像不良、いわゆるレジストポイゾニング(単にポイゾニングとも称する。)が発生してしまう。
【0009】
そこで、塩基性物質の拡散を抑制するためTEOS膜を設けた積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、図1に示すように、積層体100のlow−k膜104とシリコン窒化膜102との間にTEOS膜103を設け、シリコン窒化膜102を形成する際に使用する窒素やアンモニアガスがlow−k膜104に接触することを回避する。これにより、レジストポイゾニングを抑制することが提案されている。
【特許文献1】特開2004−6627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、TEOS膜は、液体原料のTEOSを気化させ、酸化剤である酸素(O2)ガスと混合し、プラズマ化学的気相成長(CVD)装置を用いて形成される。プラズマCVD装置のプロセス容器内では、プラズマによりTEOSとO2ガスの混合ガスが電離し、加熱されたウェハ表面で反応が生じ、TEOS膜が形成される。このように、TEOS膜は液体原料を使用するため気化機構が必要であるため、が特殊となり、ガス原料のみを使用するプラズマCVD装置よりも、装置の機構が複雑となり、装置のコスト高、製造コストの増加を招く。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、新規で有用な半導体装置の製造方法を提供することである。さらに本発明の具体的な目的は、微細な配線構造を形成可能であると共に、製造コストの低い半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一観点によれば、垂直配線部を有する配線構造を備える半導体装置の製造方法であって、配線層上に低誘電率材料からなる層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜上にSiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜を覆う化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、前記化学増幅型レジスト膜に前記垂直配線部を形成する位置に第1の開口部を形成する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0013】
本発明によれば、低誘電率材料からなる層間絶縁膜上にSiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する。これによりシリコン酸化膜はNH3ガスやN2ガス等の窒素を含む原料ガスを用いていないので、その成膜中に窒素を含む原料ガスやイオン等が層間絶縁膜に侵入することが回避される。また、上記シリコン酸化膜自体が窒素を実質的に含まないので、NH3ガスやN2ガス、さらにこれらが電離したイオン等の透過を抑制する。したがって、上記シリコン酸化膜により層間絶縁膜中に窒素由来の塩基性物質の発生が抑制される。その結果、レジスト膜のレジストポイゾニングの発生を抑制できるので、微細な配線構造を形成できる。
【0014】
さらに、上記シリコン酸化膜は、SiH4ガスとCO2ガスを用いて形成されるので、TEOS膜のような液体原料をガスに気化する気化機構がCVD装置に必要ない。そのため、シリコン酸化膜を形成するためのCVD装置は他の膜、例えば反射防止膜の形成にも使用でき、つまり、プラズマCVD装置の汎用性が増す。その結果、製造コストの低減が図れる。
【0015】
本発明の他の観点によれば、デュアルダマシン法による配線構造を形成する半導体装置の製造方法であって、配線層上に少なくともいずれか一方が低誘電率材料からなる第1の層間絶縁膜および第2の層間絶縁膜を順次形成する工程と、前記第2の層間絶縁膜上にSiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する工程と、前記シリコン酸化膜を覆う第1の化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、前記第1の化学増幅型レジスト膜に開口部のパターンを形成する工程と、前記第1の化学増幅型レジスト膜に形成したパターンをマスクとして前記シリコン酸化膜、第1の層間絶縁膜および第2の層間絶縁膜を貫通するビアホールを形成する工程と、前記ビアホールに埋込み材を充填する工程と、前記第2の層間絶縁膜および埋込み材を覆う第2の化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、前記第2の化学増幅型レジスト膜に配線溝のパターンをビアホールを含む領域に形成する工程と、前記第2の化学増幅型レジスト膜をマスクとして第2の層間絶縁膜をエッチングして配線溝を形成する工程と、前記ビアホールおよび配線溝に導電材料を充填する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0016】
本発明によれば、低誘電率材料からなる第2の層間絶縁膜上にSiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する。上記の発明と同様に、レジストポイゾニングの発生を抑制できるので、微細な配線構造を形成できる。さらに、上記シリコン酸化膜は、SiH4ガスとCO2ガスを用いて形成されるので、TEOS膜のような液体原料をガスに気化する気化機構がCVD装置に必要ない。そのため、シリコン酸化膜を形成するためのCVD装置は他の膜、例えば反射防止膜の形成にも使用でき、つまり、プラズマCVD装置の汎用性が増す。その結果、製造コストの低減が図れる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、微細な配線構造を形成可能であると共に、製造コストの低い半導体装置の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明において特徴的な、SiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法により形成されたシリコン酸化膜を本願明細書では、“SiO膜”と称する。
【0019】
(第1の実施の形態)
図2〜図7は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程図である。図2〜図7を参照しつつ第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。
【0020】
最初に、図2の工程では、配線層11上に、キャップ層12、第1層間絶縁膜13、SiO膜14、第2層間絶縁膜15、SiO膜16、反射防止膜18を順次形成する。具体的には、キャップ層12としてSiC膜(例えば厚さ70nm)、第1層間絶縁膜13および第2層間絶縁膜15としてlow−k膜(low−k膜を比誘電率が4.3よりも低い誘電材料と定義する。)であるSiOC膜(例えばそれぞれ厚さ550nm、370nm)が形成される。これら各層は、CVD装置やスパッタ装置を用いて形成される。
【0021】
また、第1層間絶縁膜13および第2層間絶縁膜15は、公知のlow−k膜であれば特に限定されないが、例えば、SiOFやBSG(SiO2−B23)膜(比誘電率3.5〜3.7)等の無機絶縁膜、ナノクラスタリングシリカ(NCS、触媒化成工業社製品名)やPorous SiLK(登録商標) Y(ダウケミカル社製品名)等のポーラスシリカ(比誘電率2.4)、ポーラスBlack Diamond(Applied Materials社製品名)、CORAL(登録商標、Novellus Systems社製)(比誘電率3.2)、HOSP(登録商標、Honeywell Electronic Materials社)(比誘電率2.5)等の有機シロキサンを用いることができる。
【0022】
SiO膜14,16は、プラズマCVD装置を用いて、原料ガスとしてSiH4とCO2との混合ガスを供給して形成される。具体的には、SiO膜14,16は、SiH4ガスを流量30sccm〜100sccm、CO2ガスを流量5000sccm〜20000sccmを供給し、プロセス容器内の圧力を3Torr〜7Torr、プラズマ投入パワーを100W〜1000W、ウェハの加熱温度を350℃〜500℃に設定して成膜される。このように、SiH4ガスに、SiH4ガスの流量よりも極めて大流量のCO2ガスを混合して供給することにより窒素を実質的に含まないSiO膜14,16が形成される。
【0023】
SiH4ガスおよびCO2ガスの流量は、SiH4ガス流量:CO2ガス流量が標準状態で1:100〜1:400の範囲に設定することがSiO膜14,16の膜質が良好な観点から好ましい。SiH4ガス流量:CO2ガス流量を上記範囲が好ましい理由は以下の通りである。SiH4ガス流量:CO2ガス流量が標準状態で1:100と同等かそれよりもCO2ガス流量が多くすることで、SiH4ガスのSiをCO2で十分に酸化することができ、SiO膜14,16の膜質が向上する。また、SiH4ガス流量:CO2ガス流量が標準状態で1:400よりもCO2ガス流量を多くしてもよいが、SiO膜14,16の膜質には寄与しない。したがって、CO2ガスの無駄を回避し、また、CVD装置のCO2ガス供給能力の制約もあるため1:400以下に設定することが好ましい。また、SiH4ガス流量:CO2ガス流量の範囲を上記の範囲に設定することで、SiO膜14,16の成長レートが製造上適正な範囲となり、さらにSiO膜14,16のウェハ内の膜厚分布の分布幅を所望の狭小な範囲に設定することができる。
【0024】
また、ウェハの加熱温度が350℃未満ではSiO膜14,16の膜質が低下する傾向にあり、500℃を超えると配線層11のCu膜の熱膨張率が第1および第2層間絶縁膜13,15よりも熱膨張率よりも極めて高いため、第1および第2層間絶縁膜13,15に応力が印加され、破断等のおそれが高くなる。さらに、low−k膜の破断等を抑制する点で、ウェハの加熱温度は、350℃〜450℃に設定されることが好ましい。また、SiO膜14,16の厚さは、例えば10nm〜100nmの範囲に設定される。
【0025】
ところで、SiO膜14,16の代わりにTEOS膜を使用する従来の場合は、液体のTEOSを気化させる気化機構を要するため、CVD装置はTEOS膜を形成する場合にしか使用できなかった。しかし、SiO膜14,16は、SiH4ガスおよびCO2ガスの原料ガスを使用するので気化機構は不要であり、CVD装置の汎用性が増す。これにより装置コストを低減でき、ひいては製造コストを低減できる。
【0026】
このようにして得られたSiO膜14,16は、これを形成する際に窒素ガスやアンモニアガス等の窒素を含まないため、第1および第2層間絶縁膜13,15に窒素由来の塩基性物質が吸蔵されることが回避される。また、SiO膜14,16自体も、後述するように、実質的に窒素を含まず、さらに、N−Hを含む塩基性物質を実質的に含まない。そのため、SiO膜は塩基性物質を透過せず、たとえ第1層間絶縁膜13あるいは第2層間絶縁膜15に塩基性物質が吸蔵されていても、レジスト膜20に塩基性物質が透過・拡散することを抑制できる。その結果、ポイゾニングを抑制できる。
【0027】
また、このSiO膜14,16は、low−k膜よりも緻密な構造を有するが、第1および第2層間絶縁膜13,15のlow−k膜にSiOC膜を用いた場合、SiO膜14,16は、SiOC膜と略同様の元素から構成されるので、SiO膜14,16と、第1および第2層間絶縁膜13,15との密着性が良好となり、半導体装置の信頼性が向上する。
【0028】
反射防止膜18は窒素を含む無機絶縁膜、例えばシリコン窒化膜からなる。反射防止膜18は、プラズマCVD装置を用いて、原料ガスとしてSiH4ガス、NH3ガス、およびN2ガスの混合ガスを供給して形成される。反射防止膜18は、例えば、SiH4ガス流量260sccm、NH3ガス流量240sccm、N2ガス流量900sccmを供給し、プロセス容器内の圧力を2.5Torr、プラズマ投入パワー120W、ウェハの加熱温度400℃に設定して成膜される。この条件で成膜されたシリコン窒化膜のKrFエキシマレーザの波長における減衰係数は約1.4になる。なお、シリコン窒化膜の減衰係数は、主に上記の原料ガスの流量比を変更することで制御し易いので、減衰係数が互いに異なる2層のシリコン窒化膜により反射防止膜18を形成してもよい。この積層体は、例えば、KrFエキシマレーザの波長における減衰係数が下側の層を約1.4、上側の層を約0.6に設定する。下側の層は上記の条件により成膜され、上側の層は、SiH4ガス流量155sccm、NH3ガス流量940sccm、N2ガス流量900sccmを供給し、プロセス容器内の圧力を3.0Torr、プラズマ投入パワー105W、ウェハの加熱温度400℃に設定して成膜される。なお、このような窒素を含む反射防止膜18を形成しても、NH3ガスやN2ガスがSiO膜16によりlow−k膜からなる第2層間絶縁膜15に拡散することを抑制できる。
【0029】
また、SiO膜16および反射防止膜18をプラズマCVD装置の同一のプロセス室内で順次、上記の条件を用いて成膜してもよい。SiO膜16と反射防止膜18は、これらの原料が原料ガスのみであるので、原料ガスの切り換えにより容易に両方の膜16,18を形成できる。また、プラズマCVD装置をSiO膜16と反射防止膜18の成膜に共用できるので、これにより装置コストを低減でき、ひいては製造コストを低減できる。
【0030】
図2の工程ではさらに、反射防止膜18の表面に化学増幅型レジスト材料を塗布し、レジスト膜20を形成する。化学増幅型レジスト材料は、例えば、遠紫外線、例えば、KrFエキシマレーザ光やArFエキシマレーザ光を露光光とするレジスト材料を用いることができる。このような化学増幅型レジスト材料(ポジ型)として、例えば、光反応開始剤としてt−ブトキシカルカルボニル基がエステル結合したp−ヒドロキシスチレンの重合体や、光反応開始剤としてテトラヒドロピラニル基がエステル結合したp−ヒドロキシスチレンの重合体等が挙げられる。これらの化学増幅型レジスト材料は露光光の照射により、酸発生剤による酸により光反応開始剤が脱離し、残った重合体がアルカリ現像液に可溶になるものである。
【0031】
図2の工程ではさらに、例えば、遠紫外線光源のKrFエキシマレーザ(波長249nm)を用いてビアホールのパターンをレジスト膜20に露光する。これにより、レジスト膜に潜像が形成され、酸性物質が形成される。レジスト膜と第2層間絶縁膜との間にSiOC膜からなるエッチングストッパ層16に遮断されているので、塩基性物質が第2層間絶縁膜からレジスト膜への移行を抑制できる。その結果、ポイゾニングを抑制できる。
【0032】
次いで、図3の工程では、レジスト膜20を現像し、ビアホールを形成する位置に開口部を形成する。さらに、レジスト膜20をマスクとしてドライエッチングにより、例えばCF4ガスおよびO2ガスを使用してビアホール19aを形成する。ビアホール19aは、反射防止膜18、SiO膜16、第2層間絶縁膜15、エッチングストッパ層、および第1層間絶縁膜を貫通し、キャップ層の表面を露出する開口部である。さらに、レジスト膜を除去する。
【0033】
次いで、図4の工程では、図3の構造体を覆いビアホール19aを充填する埋込み材21を形成する。埋込み材21は、レジスト材料等の樹脂材料からなり、例えば、化学増幅型レジスト材料を用いることができる。化学増幅型レジスト材料はポジ型でもネガ型でもよい。さらに構造体全体を加熱して、埋込み材21を硬化させる。なお、加熱しなくても十分に硬化する場合は、加熱しなくともよい。
【0034】
図4の工程ではさらに、ドライエッチングにより反射防止膜18上の埋込み材21を除去する。ビアホール19a中の埋込み材21の表面の高さは、第2層間絶縁膜15の表面よりも高く、反射防止膜18の表面よりも低く設定することが好ましい。これにより、第2層間絶縁膜15の側壁がわずかでもエッチングされることを抑制できる。これにより、ビアホール19aが横方向に広がることを抑制できるので、より微細な垂直配線を形成できる。
【0035】
次いで、図5の工程では、反射防止膜18の表面にレジスト膜23を形成し、配線溝15aのパターンを露光して、レジスト膜23にその潜像を形成する。さらに、例えば130℃90秒のベークを行う。
【0036】
図5の工程ではさらに、レジスト膜23を、現像液、例えば水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を使用して現像し、レジスト膜23に、配線溝15aに対応する開口部23aを形成する。
【0037】
図5の工程ではさらに、ドライエッチングにより配線溝15aを形成する。具体的には、レジスト膜23をマスクとして、例えばCF4ガスおよびO2ガスを使用して、反射防止膜22、ハードマスク層18、SiO膜16、第2層間絶縁膜15をエッチングし、SiO膜14の表面を露出させる。この際、埋込み材もその一部がエッチングされ、高さがSiO膜14の表面程度になる。
【0038】
次いで、図6の工程では、アッシングによりレジスト膜23および埋込み材21を除去する。さらに、ドライエッチングにより、ビアホール19aの底面のキャップ層12、配線溝15aの底面のSiO膜14、および反射防止膜18を除去する。これにより、配線層の表面が露出される。
【0039】
次いで、図7の工程では、ビアホール19aおよび配線溝15aの側面および底面に、スパッタ法により、例えば図示されないTiN膜のバリアメタル層、および例えばCu膜のシードメタル層を順に形成する。さらに、めっき法によりビアホール15aおよび配線溝19aを充填し、図6の構造体を覆うCu膜25(あるいはCuAl膜)を充填する。さらに、Cu膜25の表面をCMP法により研磨する。研磨は、Cu膜25よりも研磨速度が遅いSiO膜16の表面で停止する。なお、図7に示すように、SiO膜16は研磨により除去されてもよく、残留してもよい。以上により、デュアルダマシン法による配線構造が形成される。
【0040】
第1の実施の形態によれば、low−k膜からなる第1層間絶縁膜および第2層間絶縁膜の各々の表面を、SiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法により形成されたSiO膜14,16によって覆う。これによりSiO膜14,16はNH3ガスやN2ガスを用いていないので、SiO膜14,16の成膜中にこれらのガスやイオン等が第1層間絶縁膜13あるいは第2層間絶縁膜15に侵入することが回避される。
【0041】
また、SiO膜16自体が窒素を実質的に含まないので、NH3ガスやN2ガス、さらにこれらが電離したイオン等の透過を抑制する。したがって、SiO膜16上にシリコン窒化膜からなる反射防止膜18を形成する際に、NH3ガスやN2ガス、これらが電離したイオン等の第2層間絶縁膜15への透過をSiO膜16が抑制できる。
【0042】
したがって、第2層間絶縁膜15中に窒素あるいはN−Hに由来する塩基性物質の発生を抑制し、レジストポイゾニングの発生を抑制できるので、微細な配線構造を形成できる。
【0043】
さらに、SiO膜は、SiH4ガスとCO2ガスを用いて形成されるので、TEOS膜のような液体原料をガスに気化する気化機構が必要ない。そのため、SiO膜を形成するためのプラズマCVD装置は他の膜、例えば反射防止膜18の形成にも使用でき、つまり、プラズマCVD装置の汎用性が増す。さらに、SiO膜16と反射防止膜18とをプラズマCVD装置の同一のプロセス室内で順次成膜可能である。これらにより、製造容易化が図れ、また、製造コストの低減が図れる。
【0044】
また、TEOS膜を形成する際に、酸化剤として用いるO2ガスは酸化力が強く、気化したTEOSとO2ガスとの混合ガスが反応して、混合ガスを輸送する配管内で発塵し易い。この発塵により、プラズマCVD装置のプロセス室内が汚染され、半導体装置の製造歩留まりの低下を招く。一方、本発明のSiO膜は、CO2ガスを酸化剤として用いているので、その酸化力はO2ガスよりも弱く発塵を抑制できる。
【0045】
なお、上述した第1の実施の形態において、第1および第2層間絶縁膜13,15をlow−k膜を用いる例を示したが、いずれか一方がlow−k材料であり、他方がTEOS膜等のシリコン酸化膜からなることとしてもよい。
【0046】
また、SiO膜14,16はエッチングストッパ層としても機能しているが、SiO膜とは別にエッチングストッパ層をSiO膜14,16の下側あるいは上側に設けてもよい。エッチングストッパ層として例えばSiC膜を用いることができる。また、エッチングストッパ層としてシリコン窒化膜を用いる場合は、このシリコン窒化膜を挟むようにしてSiO膜を形成し、シリコン窒化膜が第1層間絶縁膜13あるいは第2層間絶縁膜15に直接接触しないようにする。これにより、SiO膜16が、NH3ガスやN2ガス、これらが電離したイオン等が、第1層間絶縁膜13あるいは第2層間絶縁膜15に透過することを抑制できる。
【0047】
次に第1の実施の形態に係る実施例を説明する。実施例1は、SiO膜について組成分析および比誘電率等の特性を測定したものである。また、比較のためTEOS膜、および窒素を含むシリコン酸化膜についても同様に組成分析および特性を測定した。
【0048】
[実施例1]
実施例1では、プラズマCVD装置を用いて以下の条件に設定しSiO膜を形成した。なお、その厚さは分析容易化のため400nmに設定した。厚さは比較例1および2においても同様とした。実施例1のシリコン酸化膜の成膜条件は以下の通りである。
【0049】
SiH4ガス流量:50sccm
CO2ガス流量:10000sccm
プロセス容器内の圧力:5Torr
プラズマ投入パワー:500W
加熱温度:400℃
[比較例1]
比較のために本発明によらない比較例1として膜厚400nmのTEOS膜を形成した。そして、実施例1と同様にして上記分析および各特性の測定を行った。比較例1のシリコン酸化膜の成膜条件は以下の通りである。
【0050】
TEOS液体流量:2slm
2ガス流量:10000sccm
プロセス室内の圧力:5Torr
加熱温度:350℃
プラズマ投入パワー:1000W
[比較例2]
比較のために本発明によらない比較例2として膜厚400nmの窒素を含むシリコン酸化膜を形成した。そして、実施例1と同様にして上記分析および各特性の測定を行った。比較例2のシリコン酸化膜の成膜条件は以下の通りである。
【0051】
SiH4ガス流量:150sccm
2Oガス流量:700sccm
2ガス流量:2000sccm
プロセス室内の圧力:5Torr
加熱温度:400℃
プラズマ投入パワー:500W
図8は、実施例1および比較例のシリコン酸化膜の赤外線分光のチャートである。図8を参照するに、比較例2のSiH4ガスとN2Oガスの混合ガスを用いたシリコン酸化膜の場合は、3400cm-1付近にN−H伸縮振動に由来する吸収が観察された。このことから、比較例2のシリコン酸化膜は、N−Hを含む塩基性物質をlow−k膜に吸蔵させることが推察され、レジストポイゾニングを発生するおそれがあることが分かる。これに対して、実施例1のSiO膜と比較例1のTEOS膜ではN−H伸縮振動に由来する吸収がほとんど認められなかった。このことから、実施例1および比較例1は、比較例2よりも膜中に含まれるN−H基が極めて少ないので、レジストポイゾニングが発生する可能性が、より低いことが分かる。
【0052】
図9は、実施例1および比較例のシリコン酸化膜の組成を示す図である。図9を参照するに、X線光電子分光(XPS)法により得られた組成分析結果から、比較例2が3.39%の窒素を含むのに対して、比較例1では0.70%、実施例1では0.76%であり、比較例2よりも膜中の窒素が大幅に低いことが分かる。このことからも、実施例1および比較例1は、レジストポイゾニングが発生するおそれが低いことが分かる。
【0053】
なお、実施例1および比較例1の窒素は、プラズマCVD装置のプロセス室内の汚染等に由来するもので本質的ではない。また、図9は、クレイトスアナリティカル社製、型式AXIS−HSiを用いて組成分析を行い、図9中の濃度(%)は原子%で示している。
【0054】
図10は、実施例1および比較例のシリコン酸化膜の特性を示す図である。図10を参照するに、比較例1のTEOS膜の比誘電率が4.33に対して、実施例1のSiO膜は4.04であり、実施例1が比較例1よりも比誘電率が低くなっていることが分かる。このことから、RC積による配線遅延は比較例1よりも実施例1の方が抑制できることが分かる。
【0055】
なお、密度は実施例1と比較例1とで略同等であるので、膜の緻密性にはほとんど差異がなく、NH3ガスやN2ガス、さらにこれらが電離したイオン等の透過の阻止等の性能は同等であることが推察される。
【0056】
[実施例2]
実施例2では、プラズマCVD装置を用いて、プロセス室内の圧力を4Torr〜6Torrに異ならせてSiO膜を形成した。なお、実施例2−1、2−2、2−3は、それぞれ圧力が4Torr、5Torr、6Torrの場合である。実施例2−1〜2−3の圧力以外の成膜条件は以下の通りである。
【0057】
SiH4ガス流量:50sccm
CO2ガス流量:10000sccm
加熱温度:400℃
プラズマ投入パワー:500W
図11は、実施例2のシリコン酸化膜の比誘電率と成膜時圧力との関係図である。図11には、説明の便宜のため図10に示した比較例1および2の比誘電率も合わせて示している。
【0058】
図11を参照するに、実施例2−1〜2−3のSiO膜のいずれもが、比誘電率が比較例1のTEOS膜よりも低くなっている。すなわち、SiO膜の成膜時圧力が4Torr〜6Torrの範囲で、比誘電率が比較例1のTEOS膜よりも低くなっている。したがって、実施例2−1〜2−3のSiO膜は比較例1のTEOS膜よりも配線遅延の抑制に有利であることが分かる。
【0059】
[実施例3]
実施例3では、プラズマCVD装置を用いて、プラズマ投入パワーを300W〜600Wに異ならせてSiO膜を形成した。なお、実施例3−1、3−2、3−3、3−4は、それぞれプラズマ投入パワーが300W、400W、500W、600Wの場合である。実施例3−1〜3−4のプラズマ投入パワー以外の成膜条件は以下の通りである。
【0060】
SiH4ガス流量:50sccm
CO2ガス流量:10000sccm
プロセス室内の圧力:5Torr
加熱温度:400℃
図12は、実施例のSiO膜の比誘電率とプラズマ投入パワーとの関係図である。図12には、説明の便宜のため図10に示した比較例1および2の比誘電率も合わせて示している。
【0061】
図12を参照するに、実施例3−2〜3−4のSiO膜のいずれもが、比誘電率が比較例1のTEOS膜よりも低くなっている。すなわち、プラズマ投入パワーが400W〜600Wの範囲で、比誘電率が比較例1のTEOS膜よりも低くなっている。したがって、実施例3−2〜3−4のSiO膜は比較例1のTEOS膜よりも配線遅延の抑制に有利であることが分かる。
【0062】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、配線溝のパターンを形成するためのレジスト膜の下側にさらに本発明のSiO膜を形成する以外は第1の実施の形態に係る半導体装置の製造方法と略同様である。
【0063】
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程の一部を示す図である。図13、および先の第1の実施の形態の図2〜図4、図6〜図7を参照しつつ第2の実施の形態に係る半導体装置の製造方法を説明する。
【0064】
第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程は、最初に、図2〜図4の製造工程と同様にして行う。
【0065】
次いで、図13の工程では図4の構造体の表面に例えば厚さ50nmのSiO膜22を形成する。SiO膜22は、先の図2に示す第1の実施の形態のSiO膜14、16と同様の方法で成膜する。すなわち、SiO膜22は、プラズマCVD装置を用いて、原料ガスとしてSiH4とCO2との混合ガスを供給して形成される。具体的なSiO膜22の形成条件は図2に示す第1の実施の形態のSiO膜14、16と同様である。
【0066】
図13の工程ではさらに、SiO膜22を覆う反射防止膜24を形成する。反射防止膜24は、先の図2に示す第1の実施の形態の反射防止膜18と同様の方法で成膜する。
【0067】
図13の工程ではさらに、反射防止膜22上にレジスト膜23を形成し、レジスト膜23に配線溝のパターンに対応する潜像23aを形成する。さらに、レジスト膜23を現像し、形成された開口部(不図示)を有するレジスト膜をマスクとして、反射防止膜24、SiO膜22,反射防止膜18,SiO膜16,第2層間絶縁膜15等をエッチングして配線溝を形成する。さらに、先の図5〜図7と同様にしてデュアルダマシン法による配線構造が形成される。
【0068】
第2の実施の形態によれば、埋込み材21の表面にSiO膜22を形成することにより、ビアホール19aの形成や洗浄の際に第1層間絶縁膜13や第2層間絶縁膜15に吸蔵された塩基性物質が埋込み材21を介してレジスト膜23に到達することを抑制できる。その結果、レジストポイゾニングの発生を抑制できるので、微細な配線構造を形成できる。また、SiO膜22の表面にさらに反射防止膜24が形成されているので、配線溝のパターンを露光する際にレジスト膜23に戻る反射光を弱めているので、さらに微細なパターンを形成できる。なお、反射防止膜24は設ける方が好ましいが、配線溝幅が十分に広い場合は省略してもよい。
【0069】
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0070】
例えば、上述した第1および第2の実施の形態では、本発明のSiO膜を、ビアホールを先に形成し、配線溝をその後に形成する、いわゆる先ビア方式のデュアルダマシン法に適用したが、他のデュアルダマシン法に適用してもよい。また、本発明のSiO膜は、デュアルダマシン法に限定されず、特にlow−k材料を用いた層間絶縁膜の保護膜として広く適用できるものである。
【0071】
なお、以上の説明に関してさらに以下の付記を開示する。
(付記1) 垂直配線部を有する配線構造を備える半導体装置の製造方法であって、
配線層上に低誘電率材料からなる層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜上にSiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜を覆う化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、
前記化学増幅型レジスト膜に前記垂直配線部を形成する位置に第1の開口部を形成する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2) 垂直配線部を有する配線構造を備える半導体装置の製造方法であって、
配線層上に低誘電率材料からなる層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜上にSiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜を覆う化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、
前記化学増幅型レジスト膜に前記垂直配線部を形成する位置に第1の開口部を形成する工程と、
前記化学増幅型レジスト膜をマスクとして前記シリコン酸化膜および層間絶縁膜をエッチングして第2の開口部を形成する工程と、
前記第2の開口部に導電材料を充填して垂直配線部を形成する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記3) 前記シリコン酸化膜を形成する工程は、前記SiH4ガスおよびCO2ガスの流量を、SiH4ガス流量:CO2ガス流量が標準状態で1:100〜1:400の範囲に設定することを特徴とする付記1または2記載の半導体装置の製造方法。
(付記4) 前記シリコン酸化膜を形成する工程は、加熱温度を350℃〜500℃に設定することを特徴とする付記1または2記載の半導体装置の製造方法。
(付記5) 前記シリコン酸化膜を形成する工程は、圧力を3Torr〜5Torrに設定することを特徴とする付記1または2記載の半導体装置の製造方法。
(付記6) 前記シリコン酸化膜を形成する工程は、投入パワーを400W〜600Wに設定することを特徴とする付記1または2記載の半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記シリコン酸化膜を形成する工程と化学増幅型レジスト膜を形成する工程との間に、CVD法により窒素を含む反射防止膜を形成する工程をさらに備えることを特徴とする付記1または2記載の半導体装置の製造方法。
(付記8) 前記反射防止膜は、シリコン窒化膜からなることを特徴とする付記7記載の半導体装置の製造方法。
(付記9) 前記反射防止膜を形成する工程は、プラズマCVD法によりSiH4ガス、NH3ガス、およびN2ガスを供給することを特徴とする付記8記載の半導体装置の製造方法。
(付記10) 前記シリコン酸化膜および反射防止膜を形成する工程は、同一のプロセス室内で順次行うことを特徴とする付記8記載の半導体装置の製造方法。
(付記11) デュアルダマシン法による配線構造を形成する半導体装置の製造方法であって、
配線層上に少なくともいずれか一方が低誘電率材料からなる第1の層間絶縁膜および第2の層間絶縁膜を順次形成する工程と、
前記第2の層間絶縁膜上にSiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜を覆う第1の化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、
前記第1の化学増幅型レジスト膜に開口部のパターンを形成する工程と、
前記第1の化学増幅型レジスト膜に形成したパターンをマスクとして前記シリコン酸化膜、第1の層間絶縁膜および第2の層間絶縁膜を貫通するビアホールを形成する工程と、
前記ビアホールに埋込み材を充填する工程と、
前記第2の層間絶縁膜および埋込み材を覆う第2の化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、
前記第2の化学増幅型レジスト膜に配線溝のパターンをビアホールを含む領域に形成する工程と、
前記第2の化学増幅型レジスト膜をマスクとして第2の層間絶縁膜をエッチングして配線溝を形成する工程と、
前記ビアホールおよび配線溝に導電材料を充填する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記12) 前記シリコン酸化膜を形成する工程と化学増幅型レジスト膜を形成する工程との間に、
CVD法により窒素を含む反射防止膜を形成する工程をさらに備えることを特徴とする付記11記載の半導体装置の製造方法。
(付記13) 前記低誘電率材料は、SiOC膜、SiOF、SiO2−B23膜、およびポーラスシリカ膜、有機シロキサン膜からなる群のうちいずれか一種であることを特徴とする付記1、2および111のうち、いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】従来の半導体装置の製造工程図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程図(その1)である。
【図3】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程図(その2)である。
【図4】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程図(その3)である。
【図5】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程図(その4)である。
【図6】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程図(その5)である。
【図7】第1の実施の形態に係る半導体装置の製造工程図(その6)である。
【図8】実施例1および比較例のシリコン酸化膜の赤外線分光のチャートである。
【図9】実施例1および比較例のシリコン酸化膜の組成を示す図である。
【図10】実施例1および比較例のシリコン酸化膜の特性を示す図である。
【図11】実施例2のシリコン酸化膜の比誘電率と成膜時圧力との関係図である。
【図12】実施例2のシリコン酸化膜の比誘電率とプラズマ投入パワーとの関係図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置の製造工程の一部を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
11 配線層
12 キャップ層
13 第1層間絶縁膜
14,16 SiO膜
15 第2層間絶縁膜
15a 配線溝
18 反射防止膜
19a ビアホール
20,23 レジスト膜
21 埋込み材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直配線部を有する配線構造を備える半導体装置の製造方法であって、
配線層上に低誘電率材料からなる層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜上にSiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜を覆う化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、
前記化学増幅型レジスト膜に前記垂直配線部を形成する位置に第1の開口部を形成する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記シリコン酸化膜を形成する工程は、前記SiH4ガスおよびCO2ガスの流量を、SiH4ガス流量:CO2ガス流量が標準状態で1:100〜1:400の範囲に設定することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記シリコン酸化膜を形成する工程は、加熱温度を350℃〜500℃に設定することを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記シリコン酸化膜を形成する工程と化学増幅型レジスト膜を形成する工程との間に、CVD法により窒素を含む反射防止膜を形成する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記シリコン酸化膜および反射防止膜を形成する工程は、同一のプロセス室内で順次行うことを特徴とする請求項4記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
デュアルダマシン法による配線構造を形成する半導体装置の製造方法であって、
配線層上に少なくともいずれか一方が低誘電率材料からなる第1の層間絶縁膜および第2の層間絶縁膜を順次形成する工程と、
前記第2の層間絶縁膜上にSiH4ガスとCO2ガスを用いてCVD法によりシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記シリコン酸化膜を覆う第1の化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、
前記第1の化学増幅型レジスト膜に開口部のパターンを形成する工程と、
前記第1の化学増幅型レジスト膜に形成したパターンをマスクとして前記シリコン酸化膜、第1の層間絶縁膜および第2の層間絶縁膜を貫通するビアホールを形成する工程と、
前記ビアホールに埋込み材を充填する工程と、
前記第2の層間絶縁膜および埋込み材を覆う第2の化学増幅型レジスト膜を形成する工程と、
前記第2の化学増幅型レジスト膜に配線溝のパターンをビアホールを含む領域に形成する工程と、
前記第2の化学増幅型レジスト膜をマスクとして第2の層間絶縁膜をエッチングして配線溝を形成する工程と、
前記ビアホールおよび配線溝に導電材料を充填する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記低誘電率材料は、SiOC膜、SiOF、SiO2−B23膜、およびポーラスシリカ膜、有機シロキサン膜からなる群のうちいずれか一種であることを特徴とする請求項1または6記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−150086(P2007−150086A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344263(P2005−344263)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】