説明

半導体装置の製造方法

【課題】反射防止膜を使用したレジストパターニング工程におけるパターニング性に優れる半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の半導体装置の製造方法は、半導体ウェーハ10上に第1の反射防止膜11を形成する工程と、第1の反射防止膜11上に第2の反射防止膜12を形成する工程と、第2の反射防止膜12上にレジスト膜13を形成する工程と、レジスト膜13を選択的に露光する工程と、この露光後にレジスト膜13及び反射防止膜11、12を現像する工程と、この現像により得られたレジスト膜13のパターンをマスクに半導体ウェーハ10に対する処理を行う工程とを備え、第1の反射防止膜11の感光剤濃度は第2の反射防止膜12の感光剤濃度よりも高い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置製造における例えばイオン注入工程は、レジストパターンをマスクにして半導体ウェーハに不純物を導入する工程であり、その際、ウェーハ表面に損傷を与えることを避けるため、レジストパターン形成にあたってはドライエッチング工程を行わない方がよい。そこで、例えば特許文献1には、レジスト用現像液に溶解し、レジストといっしょに現像除去することができる反射防止膜をレジスト下層に用いることが開示されている。
【0003】
従来、現像液可溶型の反射防止膜を用いたレジストパターニングプロセスでは、非感光性の反射防止膜を使用することが主流になっているが、その理由はレジストとのケミカルなインタラクションが小さいため、レジストをあまり選ばずに使用できる利点があるためである。しかし、非感光性の反射防止膜は、非露光部(現像後に残ったレジスト膜下の部分)においても側面側から浸食が起こり、反射防止膜の形状制御が困難であるという問題がある。
【特許文献1】国際公開第2006/059452号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、反射防止膜を使用したレジストパターニング工程におけるパターニング性に優れる半導体装置の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、半導体ウェーハ上に、膜厚方向で感光剤濃度が異なる反射防止膜を形成する工程と、前記反射防止膜上に、レジスト膜を形成する工程と、前記レジスト膜を選択的に露光する工程と、前記露光後に、前記レジスト膜及び前記反射防止膜を現像する工程と、前記現像により得られた前記レジスト膜のパターンをマスクに前記半導体ウェーハに対する処理を行う工程と、を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、反射防止膜を使用したレジストパターニング工程におけるパターニング性に優れる半導体装置の製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
[第1実施形態]
図1〜図2に、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す。
【0008】
まず、図1(a)に示すように、半導体ウェーハ10上に第1の反射防止膜11を形成する。半導体ウェーハ10は、基板(例えばシリコン基板)上に酸化膜、窒化膜、金属膜などの被加工膜が形成された構成を有する。あるいは、基板のみから半導体ウェーハが構成されていてもよい。半導体ウェーハ10は回転支持台に真空チャックで固定され、その半導体ウェーハ10上に液状の第1の反射防止膜11を滴下し半導体ウェーハ10を回転させる回転塗布法により、第1の反射防止膜11は形成される。第1の反射防止膜11の滴下塗布後、ベーク処理を行って溶剤を蒸発させ、第1の反射防止膜11を硬化させる。
【0009】
次いで、同じく回転塗布法により、図1(b)に示すように、第1の反射防止膜11上に第2の反射防止膜12を形成する。第2の反射防止膜12の滴下塗布後、ベーク処理を行って溶剤を蒸発させ、第2の反射防止膜12を硬化させる。
【0010】
第1の反射防止膜11及び第2の反射防止膜12は共に、後述するレジスト現像時の現像液に対して可溶である。ただし、第1の反射防止膜11は、露光された部分のみが現像液に対して溶解し、露光されたなかった部分は現像液に対して溶解しない。すなわち、第1の反射防止膜11は、露光されなければ元々現像液に対して非溶解性である。具体的に、第1の反射防止膜11は、レジスト露光時の露光光に反応する感光性を有し、感光剤として、露光により酸を発生する光酸発生剤(PAG:Photo Acid Generator)を含んでいる。第1の反射防止膜11は例えばポジ型であり、露光を受けて酸が発生した部分がその酸の作用により現像液に対して可溶となる。
【0011】
第2の反射防止膜12は、感光剤(光酸発生剤)を実質含まず、露光部及び非露光部ともにレジスト現像液に対して溶解する。第1の反射防止膜11及び第2の反射防止膜12が積層されてなる反射防止膜全体についてみると、半導体ウェーハ10に接する部分を含む下層部の光酸発生剤濃度は、後工程で形成されるレジスト膜に接する部分を含む上層部の光酸発生剤濃度よりも高くなっている。
【0012】
次いで、図1(c)に示すように、第2の反射防止膜12上にレジスト膜13を例えば200nmの厚さに形成する。このレジスト膜13は、露光部に酸が発生し、その部分が現像液に対して可溶となるポジ型の化学増幅型レジストである。
【0013】
次いで、図2(a)に示すように、所望の回路パターンに応じて選択的に光透過部15aが形成されたレチクル15を用いて、露光光をレジスト膜13に対して選択的に照射する。この露光光としては、レジスト膜13の種類に応じて、g線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、電子線、EUV(Extreme Ultra Violet)光、X線などが適宜選択可能である。
【0014】
この露光後、例えばアルカリ系の現像液を用いた現像を行うことで、図2(b)に示すように、レジスト膜13を選択的に除去し、レジスト膜13をパターニングする。すなわち、レジスト膜13は露光を受けて酸が発生した部分が現像液に対して可溶となり除去される。
【0015】
第2の反射防止膜12は実質感光剤を含まない非感光性であり、露光部及び非露光部ともに現像液に可溶である。したがって、第2の反射防止膜12は、非露光部(図2(b)においてレジスト膜13の下の部分)も側面側が浸食される。一方、第1の反射防止膜11は露光された部分のみが上記現像液に対して可溶であり、その露光部のみが除去される。レジスト膜13が除去された部分(露光部)における第2の反射防止膜12及び第1の反射防止膜11は共に現像液で除去され、それらが除去された部分に半導体ウェーハ10の表面が露出する。
【0016】
上記現像後、レジスト膜13のパターンをマスクにして、半導体ウェーハ10に対して、例えばイオン注入、ウェット処理、ドライエッチングなどの各種処理が行われる。
【0017】
従来、現像液可溶型反射防止膜を用いたレジストパターニングプロセスでは、非感光性の反射防止膜の使用が主流になっている。非感光性の反射防止膜は、レジストとのケミカルインタラクションが小さいため、レジスト種をあまり選ばずに使用でき、レジストとの相性のマッチングが容易なためである。しかし、非感光性の反射防止膜は、露光部も非露光部も現像されてしまうため、図8(a)に示すように、ウェーハ上に残されたレジスト膜13下の反射防止膜41の形状制御が困難であるという問題がある。
【0018】
図8(a)は、半導体ウェーハ10とレジスト膜13との間に単層の非感光性現像液可溶型反射防止膜41を形成して、レジスト膜13に対する選択的露光及び現像を行った後の状態を模式的に示す。非感光性の反射防止膜41の場合には、現像液によって等方的にエッチングされ、ウェーハ上に残されたレジスト膜13の下の部分(非露光部)も側面側から浸食されて細くなり(実線の状態)、場合によってはレジスト膜13を安定して支えることが困難になり、レジスト膜13の倒れを引き起こす。
【0019】
なお、反射防止膜41の側面側の浸食を抑えるためエッチング時間を短めに設定すると、図8(a)において2点鎖線で示すように、半導体ウェーハ10表面上に反射防止膜41の一部が残渣として残ってしまうことが懸念される。
【0020】
一方、反射防止膜の形状劣化を抑制するために、露光部と非露光部とが現像液に対してエッチング選択性を有するように感光性の(光酸発生剤を含む)反射防止膜を用いた場合には(この場合を図8(b)に示す)、共に感光性を有する反射防止膜42とレジスト膜13との感光の度合いの違いなどからそれら両者のインタラクションが強まり、レジスト膜13パターンの形状制御が困難になるという問題がある。この問題を防ぐには、反射防止膜42とのインタラクションが小さいレジスト膜13を使わなければならず、使用できるレジスト膜種が制限され、使用するレジスト膜種によっては、歩留まり低下やコストアップの原因となり得る。
【0021】
これに対して本実施形態では、レジスト膜13と直接接する第2の反射防止膜12を、レジスト膜13とのインタラクションが小さい非感光性とすることで現像後のレジスト膜13の形状劣化を抑制でき、さらに、半導体ウェーハ10と接する側の第1の反射防止膜11を感光性とすることで、その第1の反射防止膜11における非露光部を現像液に対して不溶として、現像後残されるレジスト膜13下の第1の反射防止膜11の形状劣化を抑制できる。したがって、本実施形態では、反射防止膜を用いたレジストパターン形成におけるレジスト膜および反射防止膜の形状制御性と寸法制御性に優れ、本実施形態のプロセスによって得られるレジストパターンをマスクとしたイオン注入、ウェットエッチング、ドライエッチングなどを高精度で行える。
【0022】
第2の反射防止膜12は、レジスト膜13とのインタラクションを抑制する機能を担う。したがって、第2の反射防止膜12上に形成されるレジスト膜13としてはその種類をあまり選ばない。一方、第1の反射防止膜11は感光性であるため、その上に直接レジスト膜13を形成した場合には同じく感光性のレジスト膜13との相性のマッチングが難しいが、本実施形態では、第1の反射防止膜11とレジスト膜13とは直接接触しないため、それら両者のインタラクションが起こらず、第1の反射防止膜11およびレジスト膜13ともに他方との相性を考えず自由に種類を選択できる。
【0023】
第2の反射防止膜12は非感光性であるため、非露光部においても側面側からの浸食が起こる。したがって、レジスト膜13の下に残されてレジスト膜13を支える機能は、非露光部が現像液に対して不溶な第1のレジスト膜11に担わせることが好ましく、第2の反射防止膜12の膜厚としてはできるだけ薄い方がよい。ただし、数nmほどの極薄膜とした場合にはピンホール等の欠陥が生じやすくなるため、本実施形態では第2の反射防止膜12を例えば10nmほどの膜厚で形成している。
【0024】
これに対して、前述したように現像時の形状制御性に優れる第1の反射防止膜11はレジスト膜13を安定して支える機能を担うため、第2の反射防止膜12より厚くし、本実施形態では数十nm(例えば30nm)ほどの膜厚で形成している。
【0025】
また、感光性である第1の反射防止膜11はその感光剤濃度を適切に設定することで、比較的短めのエッチング時間でも露光部の厚み方向のすべてを除去することが可能である。エッチング時間の短縮化によって、第2の反射防止膜12の側面側の浸食量を抑えることが可能となる。
【0026】
また、本実施形態では、反射防止膜を種類の異なる2層構造とすることでそれぞれの層について光学定数(屈折率、消衰係数など)を調整でき、単層の反射防止膜とした場合よりも、反射防止性能を決める膜厚、屈折率、消衰係数等の組み合わせ自由度が増え、その組み合わせによっては反射防止効果を飛躍的に高めることもでき、レジストパターンの寸法制御性を大幅に向上させることも可能である。
【0027】
本発明者が実験を行ったところ、反射防止膜のすべてを非感光性の反射防止膜41とした図8(a)に示す上記比較例では、その反射防止膜41の側面側の浸食量aが30nmであったが、本実施形態では、非感光性の第2のレジスト膜12の膜厚は、反射防止膜11及び反射防止膜12からなる反射防止膜全体の膜厚の約1/4程度と薄くしているため、図2(b)の状態での反射防止膜12の側面側の浸食量が5nmに低減した。
【0028】
また、前述したように反射防止性能を決める各種パラメータの組み合わせ自由度が高くなることから、その組み合わせを適切に設定することで、露光時の反射防止性能を飛躍的に向上させることができ、ウェーハ全面でのレジストパターン寸法ばらつきの幅(3σ)が、上記比較例では15nmであったものが、本実施形態では7nmまで低減した。ここで、3σは寸法ばらつきの目安を示し、上記比較例では全体の99.7%が平均値±15nmに収まるのに対して、本実施形態では全体の99.7%が平均値±7nmに収まる。
【0029】
[第2実施形態]
次に、図3〜図4に、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す。
【0030】
まず、図3(a)に示すように、半導体ウェーハ10上に反射防止膜21を形成する。具体的には、回転支持台に真空チャックで固定された半導体ウェーハ10上に、液状の反射防止膜21を滴下し半導体ウェーハ10を回転させる回転塗布法により、反射防止膜21は形成される。反射防止膜21の滴下塗布後、ベーク処理を行って溶剤を蒸発させ、反射防止膜21を硬化させる。反射防止膜21の膜厚は例えば40nmほどである。
【0031】
反射防止膜21は、レジスト露光時の露光光に反応する感光性を有し、感光剤として、露光により酸を発生する光酸発生剤を含んでいる。反射防止膜21において、露光により酸が発生した部分が現像液に対して可溶となる。
【0032】
そして、本実施形態では、反射防止膜21を半導体ウェーハ10上に形成する際に、膜厚方向に光酸発生剤の濃度勾配を生じさせる。具体的には、光酸発生剤の分子量、上記回転塗布時における半導体ウェーハ10の回転数、ベーク温度、ベーク時間、半導体ウェーハ10上の雰囲気圧力などの調整によって、光酸発生剤の膜厚方向の移動を生じさせて、膜厚方向に光酸発生剤の濃度勾配を生じさせる。
【0033】
図5に、反射防止膜21の膜厚方向の光酸発生剤の濃度分布を例示する。
反射防止膜21は、レジスト膜に接する部分を含む上層部から、半導体ウェーハ10に接する部分を含む下層部に向かうにしたがって光酸発生剤濃度が高くなっている。なお、上層部から下層部にかけての光酸発生剤の濃度変化は連続的である必要はなく、段階的であってもよい。要するに、反射防止膜21において、レジスト膜に接する部分よりも、半導体ウェーハ10に接する部分の方が光酸発生剤の濃度が高くなっていればよい。
【0034】
反射防止膜21の形成後、図3(b)に示すように、反射防止膜21上にレジスト膜13を例えば200nmの厚さに形成する。このレジスト膜13は、露光部に酸が発生し、その部分が現像液に対して可溶となるポジ型の化学増幅型レジストである。
【0035】
次いで、図4(a)に示すように、所望の回路パターンに応じて選択的に光透過部15aが形成されたレチクル15を用いて、露光光をレジスト膜13に対して選択的に照射する。
【0036】
この露光後、例えばアルカリ系の現像液を用いた現像を行うことで、図4(b)に示すように、レジスト膜13を選択的に除去し、レジスト膜13をパターニングする。すなわち、レジスト膜13は露光を受けて酸が発生した部分が現像液に対して可溶となり除去される。
【0037】
感光剤(光酸発生剤)を含む反射防止膜21は、露光された部分のみが上記現像液に対して可溶であり、その露光部のみが除去される。露光部における反射防止膜21は膜厚方向すべてにわたって現像液で除去され、それらが除去された部分に半導体ウェーハ10の表面が露出する。
【0038】
上記現像後、レジスト膜13のパターンをマスクにして、半導体ウェーハ10に対して、例えばイオン注入、ウェット処理、ドライエッチングなどの各種処理が行われる。
【0039】
反射防止膜21は感光性であり、露光部と非露光部とが現像液に対してエッチング選択性を有するため、非露光部における側面側の浸食による形状劣化を防ぐことができる。さらに、反射防止膜21においてレジスト膜13と直接接する部分の光酸発生剤濃度を相対的に低くすることで、レジスト膜13とのインタラクションを抑制することができ、現像後のレジスト膜13の形状劣化を抑制できる。また、反射防止膜21上に形成されるレジスト膜13としてはその種類をあまり選ばない。
【0040】
したがって、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様、反射防止膜を用いたレジストパターン形成におけるレジスト膜および反射防止膜の形状制御性と寸法制御性に優れ、本実施形態のプロセスによって得られるレジストパターンをマスクとしたイオン注入、ウェットエッチング、ドライエッチングなどを高精度で行える。
【0041】
また、本実施形態では、反射防止膜21は1種類の単層であるため、反射防止膜の形成工程を複数回行う必要はなく、1回の塗布で済み、工程数増大を抑えてコスト低減を図れる。
【0042】
[第3実施形態]
次に、図6〜7に、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す。
【0043】
まず、図6(a)に示すように、半導体ウェーハ10上に反射防止膜25を形成する。具体的には、回転支持台に真空チャックで固定された半導体ウェーハ10上に、液状の反射防止膜25を滴下し半導体ウェーハ10を回転させる回転塗布法により、反射防止膜25は形成される。反射防止膜25の滴下塗布後、ベーク処理を行って溶剤を蒸発させ、反射防止膜25を硬化させる。反射防止膜25の膜厚は例えば40nmほどである。
【0044】
そして、本実施形態では、反射防止膜25を半導体ウェーハ10上に形成する際に、膜厚方向に光酸発生剤の濃度変化を生じさせる。具体的には、感光性と非感光性の2種類のポリマーを混合させた溶液を半導体ウェーハ10上に滴下し、半導体ウェーハ10とポリマーとの相互作用、ポリマー表面エネルギー、ポリマー間相互作用、半導体ウェーハ10表面に対する疎水性などを利用して、膜厚方向にポリマーの濃度変化を生じさせる。
【0045】
具体的には、感光性のポリマーが半導体ウェーハ10側の下層に相対的に多く含まれ、非感光性のポリマーが上層に相対的に多く含まれるようにする。すなわち、反射防止膜25において、半導体ウェーハ10に接する部分を含む下層部25aは相対的に感光性ポリマー濃度が高く実質感光性になり、その上層の上層部25bは相対的に非感光性ポリマー濃度が高く実質非感光性になる。
【0046】
反射防止膜25の形成後、図6(b)に示すように、反射防止膜25上にレジスト膜13を例えば200nmの厚さに形成する。このレジスト膜13は、露光部に酸が発生し、その部分が現像液に対して可溶となるポジ型の化学増幅型レジストである。
【0047】
次いで、図7(a)に示すように、所望の回路パターンに応じて選択的に光透過部15aが形成されたレチクル15を用いて、露光光をレジスト膜13に対して選択的に照射する。この露光後、例えばアルカリ系の現像液を用いた現像を行うことで、図7(b)に示すように、レジスト膜13を選択的に除去し、レジスト膜13をパターニングする。すなわち、レジスト膜13は露光を受けて酸が発生した部分が現像液に対して可溶となり除去される。
【0048】
反射防止膜25における上層部25bは実質非感光性であり、露光部及び非露光部ともに現像液に溶解する。一方、反射防止膜25における下層部25aは露光された部分のみが上記現像液に対して溶解し、その露光部のみが除去される。
【0049】
上記現像後、レジスト膜13のパターンをマスクにして、半導体ウェーハ10に対して、例えばイオン注入、ウェット処理、ドライエッチングなどの各種処理が行われる。
【0050】
本実施形態では、反射防止膜25においてレジスト膜13と直接接する上層部25bを、レジスト膜13とのインタラクションが小さい非感光性とすることで現像後のレジスト膜13の形状劣化を抑制でき、さらに、半導体ウェーハ10と接する下層部25aを感光性とすることで、その上層部25aにおける非露光部を現像液に対して不溶として、現像後残されるレジスト膜13下の部分の形状劣化を抑制できる。したがって、本実施形態においても、反射防止膜を用いたレジストパターン形成におけるレジスト膜および反射防止膜の形状制御性と寸法制御性に優れ、本実施形態のプロセスによって得られるレジストパターンをマスクとしたイオン注入、ウェットエッチング、ドライエッチングなどを高精度で行える。
【0051】
非感光性の上層部25bは、レジスト膜13とのインタラクションを抑制する機能を担う。したがって、その上に形成されるレジスト膜13としては種類をあまり選ばない。一方、下層部25aは感光性であるため、その上に直接レジスト膜13を形成した場合には同じく感光性のレジスト膜13との相性のマッチングが難しいが、本実施形態では、下層部25aとレジスト膜13とは直接接触しないため、それら両者のインタラクションが起こらず、レジスト膜種の選択自由度が高い。
【0052】
また、非露光部も現像液に対して可溶である上層部25bでは、レジスト膜13下の部分も側面側からの浸食が起こる。したがって、レジスト膜13の下に残されてレジスト膜13を支える機能は、非露光部が現像液に対して不溶な下層部25aに担わせることが好ましい。すなわち、現像時の形状制御性に優れる下層部25aはレジスト膜13を安定して支える機能を担うため、上層部25bよりも厚くなるように、前述した混合液における成分や成分比、回転塗布時の条件などを調整することが好ましい。
【0053】
また、感光性である下層部25aはその感光剤濃度を適切に設定することで、比較的短めのエッチング時間でも露光部の厚み方向のすべてを除去することが可能である。エッチング時間の短縮化によって、上層部25bの側面側の浸食量を抑えることが可能となる。
【0054】
また、本実施形態では、反射防止膜25の形成工程を複数回行う必要はなく、1回の塗布で済み、工程数増大を抑えてコスト低減を図れる。
【0055】
[第4実施形態]
次に、図9〜10に、本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す。
【0056】
まず、図9(a)に示すように、半導体ウェーハ10上に第1の反射防止膜31を形成する。具体的には、回転支持台に真空チャックで固定された半導体ウェーハ10上に、液状の第1の反射防止膜31を滴下し半導体ウェーハ10を回転させる回転塗布法により、第1の反射防止膜31は形成される。第1の反射防止膜31の滴下塗布後、ベーク処理を行って溶剤を蒸発させ、第1の反射防止膜31を硬化させる。
【0057】
次いで、同じく回転塗布法により、図9(b)に示すように、第1の反射防止膜31上に第2の反射防止膜32を形成する。第2の反射防止膜32の滴下塗布後、ベーク処理を行って溶剤を蒸発させ、第2の反射防止膜32を硬化させる。
【0058】
第1の反射防止膜31は、感光剤(光酸発生剤)を実質含まず非感光性であり、露光部及び非露光部ともにレジスト現像液に対して溶解する。第2の反射防止膜32は、レジスト露光時の露光光に反応する感光性を有し、感光剤として、露光により酸を発生する光酸発生剤を含んでいる。第2の反射防止膜32は例えばポジ型であり、露光を受けて酸が発生した部分が現像液に対して可溶となる。
【0059】
第1の反射防止膜31及び第2の反射防止膜32が積層されてなる反射防止膜全体についてみると、半導体ウェーハ10に接する部分を含む下層部の光酸発生剤濃度は、レジスト膜に接する部分を含む上層部の光酸発生剤濃度よりも低くなっている。
【0060】
次いで、図9(c)に示すように、第2の反射防止膜32上にレジスト膜13を例えば200nmの厚さに形成する。このレジスト膜13は、露光部に酸が発生し、その部分が現像液に対して可溶となるポジ型の化学増幅型レジストである。
【0061】
次いで、図10(a)に示すように、所望の回路パターンに応じて選択的に光透過部15aが形成されたレチクル15を用いて、光をレジスト膜13に対して選択的に照射する。この露光後、例えばアルカリ系の現像液を用いた現像を行うことで、図10(b)に示すように、レジスト膜13を選択的に除去し、レジスト膜13をパターニングする。すなわち、レジスト膜13は露光を受けて酸が発生した部分が現像液に対して可溶となり除去される。
【0062】
上記現像後、レジスト膜13のパターンをマスクにして、半導体ウェーハ10に対して、例えばイオン注入、ウェット処理、ドライエッチングなどの各種処理が行われる。
【0063】
本実施形態は、半導体ウェーハ表面に段差がある部分の処理に適している。その段差部分の一例を図15に示す。図15には、例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)のゲート近傍を示し、(b)はその斜視図を、(a)は平面図を示す。
【0064】
基板9上にゲート電極61が設けられ、その側壁にはサイドウォール絶縁膜62が設けられている。レジスト膜13は、ソース/ドレイン領域を基板9表層部に形成するためのイオン注入用のマスクとして用いられる。
【0065】
すなわち、ゲート電極61及びサイドウォール絶縁膜62を覆うように基板9全面に反射防止膜43とレジスト膜13を形成した後、イオン注入を行う領域のみを露出させるべく、選択的露光と現像を行い、隣り合うゲート電極61のサイドウォール絶縁膜62間の基板9表面上のレジスト膜13及び反射防止膜43を除去する。
【0066】
このときの選択的露光における露光部(すなわち反射防止膜43及びレジスト膜13を除去して基板9表面を露出させるべき部分)は、隣り合うゲート電極61のサイドウォール絶縁膜62間になるが、特にその隙間が深く、また狭いと、深さ方向に見て基板9側の奥の方まで光が届きにくい場合がある。その場合、反射防止膜43が感光性であると、露光部における基板9側の下層の反射防止膜43の一部が感光されず、現像後も図16に示すように残渣43aとして残ってしまうことが懸念される。こうなると、イオン注入を行うべき基板9表面が露出しない、または一部しか露出しなくなってしまう。
【0067】
これに対して、図9、10を参照して前述した本実施形態では、露光光がより届きにくい半導体ウェーハ10側に、非露光部であっても現像液に可溶な非感光性の第1の反射防止膜31を形成している。したがって、半導体ウェーハ10表面に図15に例示するような段差部分があり、その隙間の奥の方まで光が届かなかったとしても、半導体ウェーハ10側に形成された第1の反射防止膜31は現像液に溶けて除去することができる。すなわち、その上の感光性の第2の反射防止膜32に露光光が届きさえすれば、露光部におけるレジスト膜13、第2の反射防止膜32および第1の反射防止膜31を除去することができ、その部分の半導体ウェーハ10表面を露出させることができる。このような点に鑑み、第1の反射防止膜31と第2の反射防止膜32との膜厚比は、段差部隙間において第2の反射防止膜32の膜厚方向のすべてが確実に露光するように設定することが望ましい。
【0068】
なお、第1の反射防止膜31は非感光性であるため、非露光部においても側面側からの浸食が起こる。したがって、レジスト膜13の下に残されてレジスト膜13を支える機能は、非露光部が現像液に対して不溶な第2のレジスト膜32に担わせることが好ましく、このような点から、第2の反射防止膜32の方を第1の反射防止膜31よりも厚くするのが望ましい。例えば、本実施形態では、第1の反射防止膜31の膜厚を10nmほどに、第2の反射防止膜32の膜厚を数十nm(例えば30nm)ほどにしている。
【0069】
また、感光性である第2の反射防止膜32はその感光剤濃度を適切に設定することで、比較的短めのエッチング時間でも露光部の厚み方向のすべてを除去することが可能である。エッチング時間の短縮化によって、第1の反射防止膜31の側面側の浸食量を抑えることが可能となる。
【0070】
また、本実施形態においても、上記第1実施形態と同様、反射防止膜を種類の異なる2層構造とすることでそれぞれの層について光学定数(屈折率、消衰係数など)を調整でき、単層の反射防止膜とした場合よりも、反射防止性能を決める膜厚、屈折率、消衰係数等の組み合わせ自由度が増え、その組み合わせによっては反射防止効果を飛躍的に高めることもでき、レジストパターンの寸法制御性を大幅に向上させることも可能である。
【0071】
[第5実施形態]
次に、図11〜12に、本発明の第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す。
【0072】
本実施形態では、上記第4実施形態と同様に、半導体ウェーハ10上に、第1の反射防止膜31と第2の反射防止膜32とを順次形成した後、同じく回転塗布法により、図11(a)に示すように、第2の反射防止膜32上に第3の反射防止膜33を形成する。第3の反射防止膜33の滴下塗布後、ベーク処理を行って溶剤を蒸発させ、第3の反射防止膜33を硬化させる。
【0073】
第3反射防止膜33は、第1の反射防止膜31と同様に、感光剤(光酸発生剤)を実質含まず非感光性であり、露光部及び非露光部ともにレジスト現像液に対して溶解する。第1〜第3の反射防止膜31〜33からなる反射防止膜全体についてみると、半導体ウェーハ10に接する部分を含む下層部およびレジスト膜に接する部分を含む上層部の光酸発生剤濃度は、それら両部分間の中間部の光酸発生剤濃度よりも低くなっている。
【0074】
次いで、図11(b)に示すように、第3の反射防止膜33上にレジスト膜13を例えば200nmの厚さに形成する。このレジスト膜13は、露光部に酸が発生し、その部分が現像液に対して可溶となるポジ型の化学増幅型レジストである。
【0075】
次いで、図12(a)に示すように、所望の回路パターンに応じて選択的に光透過部15aが形成されたレチクル15を用いて、光をレジスト膜13に対して選択的に照射する。この露光後、例えばアルカリ系の現像液を用いた現像を行うことで、図12(b)に示すように、レジスト膜13を選択的に除去し、レジスト膜13をパターニングする。すなわち、レジスト膜13は露光を受けて酸が発生した部分が現像液に対して可溶となり除去される。
【0076】
第1の反射防止膜31及び第3の反射防止膜33は非感光性であり、露光部及び非露光部ともに現像液に溶解する。一方、第2の反射防止膜32は露光された部分のみが上記現像液に対して可溶であり、その露光部のみが除去される。
【0077】
上記現像後、レジスト膜13のパターンをマスクにして、半導体ウェーハ10に対して、例えばイオン注入、ウェット処理、ドライエッチングなどの各種処理が行われる。
【0078】
本実施形態においても、第1の反射防止膜31及び第2の反射防止膜32を形成しているため、前述した第4実施形態と同様な効果が得られる。
【0079】
さらに、本実施形態では、レジスト膜13と直接接する部分に形成した第3の反射防止膜33を、レジスト膜13とのインタラクションが小さい非感光性とすることで、現像後のレジスト膜13の形状劣化を抑制できる。したがって、レジスト膜13としてはその種類をあまり選ばない。一方、第2の反射防止膜32は感光性であるため、その上に直接レジスト膜13を形成した場合には同じく感光性のレジスト膜13との相性のマッチングが難しいが、本実施形態では、第2の反射防止膜32とレジスト膜13とは直接接触しないため、それら両者のインタラクションが起こらず、第2の反射防止膜32およびレジスト膜13ともに他方との相性を考えず自由に種類を選択できる。
【0080】
第1の反射防止膜31及び第3の反射防止膜33は非感光性であるため、非露光部においても側面側からの浸食が起こる。したがって、レジスト膜13の下に残されてレジスト膜13を支える機能は、非露光部が現像液に対して不溶な第2のレジスト膜32に担わせることが好ましく、このような点から、第2の反射防止膜32を、第1の反射防止膜31及び第3の反射防止膜33よりも厚くするのが望ましい。例えば、本実施形態では、第1の反射防止膜31、第3の反射防止膜33の膜厚をそれぞれ10nmほどに、第2の反射防止膜32の膜厚を数十nm(例えば20nm)ほどにしている。
【0081】
また、感光性である第2の反射防止膜32はその感光剤濃度を適切に設定することで、比較的短めのエッチング時間でも露光部の厚み方向のすべてを除去することが可能である。エッチング時間の短縮化によって、第1の反射防止膜31及び第3の反射防止膜33の側面側の浸食量を抑えることが可能となる。
【0082】
[第6実施形態]
次に、図13〜14に、本発明の第6実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す。
【0083】
まず、図13(a)に示すように、半導体ウェーハ10上に反射防止膜51を形成する。具体的には、回転支持台に真空チャックで固定された半導体ウェーハ10上に、液状の反射防止膜51を滴下し半導体ウェーハ10を回転させる回転塗布法により、反射防止膜51は形成される。反射防止膜51の滴下塗布後、ベーク処理を行って溶剤を蒸発させ、反射防止膜51を硬化させる。反射防止膜51の膜厚は例えば40nmほどである。
【0084】
そして、本実施形態では、反射防止膜51を半導体ウェーハ10上に形成する際に、膜厚方向に感光剤の濃度変化を生じさせる。具体的には、感光性と非感光性の2種類のポリマーを混合させた溶液を半導体ウェーハ10上に滴下し、半導体ウェーハ10とポリマーとの相互作用、ポリマー表面エネルギー、ポリマー間相互作用、半導体ウェーハ10表面に対する疎水性などを利用して、膜厚方向に感光性ポリマーや非感光性ポリマーの濃度変化を生じさせる。
【0085】
具体的には、非感光性ポリマーが半導体ウェーハ10側の下層に相対的に多く含まれ、感光性ポリマーが上層に相対的に多く含まれるようにする。すなわち、反射防止膜51において、半導体ウェーハ10に接する部分を含む下層部51aは相対的に非感光性ポリマーが多くなり、その上層の上層部51bは相対的に感光性ポリマーが多くなる。
【0086】
反射防止膜51の形成後、図13(b)に示すように、反射防止膜51上にレジスト膜13を例えば200nmの厚さに形成する。このレジスト膜13は、露光部に酸が発生し、その部分が現像液に対して可溶となるポジ型の化学増幅型レジストである。
【0087】
次いで、図14(a)に示すように、所望の回路パターンに応じて選択的に光透過部15aが形成されたレチクル15を用いて、露光光をレジスト膜13に対して選択的に照射する。この露光後、例えばアルカリ系の現像液を用いた現像を行うことで、図14(b)に示すように、レジスト膜13を選択的に除去し、レジスト膜13をパターニングする。すなわち、レジスト膜13は露光を受けて酸が発生した部分が現像液に対して可溶となり除去される。
【0088】
反射防止膜51における下層部51aは実質非感光性であり、露光部及び非露光部ともに現像液に溶解する。一方、反射防止膜51における上層部51bは露光された部分のみが上記現像液に対して溶解し、その露光部のみが除去される。
【0089】
上記現像後、レジスト膜13のパターンをマスクにして、半導体ウェーハ10に対して、例えばイオン注入、ウェット処理、ドライエッチングなどの各種処理が行われる。
【0090】
本実施形態も、上記第4、5実施形態と同様、半導体ウェーハ10表面に段差がある部分の処理に適している。すなわち、露光光がより届きにくい下層側に、非露光部であっても現像液に可溶な下層部51aを形成している。したがって、半導体ウェーハ10表面に図15に例示するような段差部分があり、その隙間の奥の方まで光が届かなかったとしても、下層部51aは現像液に溶けて除去することができる。
【0091】
したがって、上層部51bに露光光が届きさえすれば、露光部におけるレジスト膜13及び反射防止膜51を除去することができ、その部分の半導体ウェーハ10表面を露出させることができる。このような点に鑑み、下層部51aと上層部51bとの膜厚比は、段差部隙間において上層部51bの膜厚方向のすべてが確実に露光するように、前述した混合液における成分や成分比、回転塗布時の条件などを設定することが望ましい。
【0092】
また、非露光部も現像液に対して可溶である下層部51aでは、レジスト膜13下の部分も側面側からの浸食が起こる。したがって、レジスト膜13の下に残されてレジスト膜13を支える機能は、非露光部が現像液に対して不溶な上層部51bに担わせることが好ましい。すなわち、現像時の形状制御性に優れる上層部51bはレジスト膜13を安定して支える機能を担うため、下層部51aよりも厚くなるように、前述した混合液における成分や成分比、回転塗布時の条件などを調整することが好ましい。
【0093】
また、本実施形態では、反射防止膜51の形成工程を複数回行う必要はなく、1回の塗布で済み、工程数増大を抑えてコスト低減を図れる。
【0094】
また、感光性である上層部51bはその感光剤濃度を適切に設定することで、比較的短めのエッチング時間でも露光部の厚み方向のすべてを除去することが可能である。エッチング時間の短縮化によって、下層部51aの側面側の浸食量を抑えることが可能となる。
【0095】
なお、本実施形態では感光性ポリマーと非感光性ポリマーとを混合した溶液を反射防止膜51の材料として用いたが、前述した第2実施形態のように、感光性の1種類の溶液を用い、それに含まれる感光剤の分子量、回転塗布時における半導体ウェーハの回転数、ベーク温度、ベーク時間、半導体ウェーハ上の雰囲気圧力などの調整によって、感光剤の膜厚方向の移動を生じさせて、反射防止膜の膜厚方向に感光剤の濃度変化を生じさせるようにしてもよい。
【0096】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、それらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0097】
前述した実施形態では感光剤を含む反射防止膜やレジスト膜としてポジ型を例示したが、それらがネガ型の場合にも本発明は適用可能である。また、感光剤としては、露光により酸を発生する光酸発生剤に限らず、露光光に反応して露光部を現像液に対して可溶または不溶にするものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図。
【図2】図1に続く工程を示す模式図。
【図3】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図。
【図4】図3に続く工程を示す模式図。
【図5】第2実施形態の反射防止膜における膜厚方向の光酸発生剤の濃度分布を示す模式図。
【図6】本発明の第3実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図。
【図7】図6に続く工程を示す模式図。
【図8】比較例における半導体装置の製造方法を示す模式図。
【図9】本発明の第4実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図。
【図10】図9に続く工程を示す模式図。
【図11】本発明の第5実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図。
【図12】図11に続く工程を示す模式図。
【図13】本発明の第6実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す模式図。
【図14】図13に続く工程を示す模式図。
【図15】基板上段差部分の模式図。
【図16】基板上段差部分における反射防止膜の残渣を示す模式図。
【符号の説明】
【0099】
10…半導体ウェーハ、11,31…第1の反射防止膜、12,32…第2の反射防止膜、33…第3の反射防止膜、13…レジスト膜、21,25,51…反射防止膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハ上に、膜厚方向で感光剤濃度が異なる反射防止膜を形成する工程と、
前記反射防止膜上に、レジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を選択的に露光する工程と、
前記露光後に、前記レジスト膜及び前記反射防止膜を現像する工程と、
前記現像により得られた前記レジスト膜のパターンをマスクに前記半導体ウェーハに対する処理を行う工程と、
を備えたことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記反射防止膜における、前記半導体ウェーハに接する部分の感光剤濃度を、前記レジスト膜に接する部分の感光剤濃度よりも高くすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記反射防止膜における、前記半導体ウェーハに接する部分の感光剤濃度を、前記レジスト膜に接する部分の感光剤濃度よりも低くすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記反射防止膜における、前記半導体ウェーハに接する部分及び前記レジスト膜に接する部分の感光剤濃度を、それら両部分間の中間部の感光剤濃度よりも低くすることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記反射防止膜における、前記感光剤濃度が低い部分の膜厚を、前記感光剤濃度が高い部分の膜厚よりも薄くすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−156819(P2010−156819A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334778(P2008−334778)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】