説明

半導体装置の製造方法

【課題】配線構造における強度の向上と層間絶縁膜の低誘電率化との両立を図れるようにする。
【解決手段】半導体基板100の上に絶縁膜104を形成し、該絶縁膜104の上に金属からなる犠牲膜105を形成する。その後、犠牲膜105を選択的にエッチングすることにより犠牲膜105にトレンチパターン105aを形成する。続いて、トレンチパターン105aが形成された犠牲膜105をマスクとして、絶縁膜104に対して紫外線又は電子線を照射する。その後、トレンチパターン105aが形成された犠牲膜105をマスクとして、絶縁膜104に配線形成溝104aを形成し、該配線形成溝104aに金属膜106bを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法、特に、配線の形成方法を含む半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路の微細化及び高集積化が著しく進んでいる。しかし、微細化を進めていくに従ってトランジスタの遅延時間は短縮できるものの、配線抵抗と寄生容量とが増大することにより、配線の遅延時間の短縮は困難となる。
【0003】
そこで、配線抵抗を低減する対策として、配線材料に従来のアルミニウム(Al)に代わってより抵抗率が低い銅(Cu)が採用され、また、寄生容量を低減する対策として、酸化シリコン(SiO)よりも誘電率が低い、いわゆる低誘電率の層間絶縁膜が採用されている。銅はエッチングが困難であるため、象嵌(ダマシン)法により層間絶縁膜にトレンチパターンを形成し、形成したトレンチパターンに銅を埋め込む方法が用いられている。
【0004】
ところが、層間絶縁膜の低誘電率化に伴って、層間絶縁膜の膜強度が低下する。このため、低誘電率の層間絶縁膜は、化学機械研磨(CMP)工程、配線ボンディング工程及びパッケージ工程等の後工程で受けるストレスに耐えることが難しい。このため、特許文献1に記載されているように、低誘電率の層間絶縁膜に電子線又は紫外線を照射することにより、膜強度の向上を図る手法も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−165573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の半導体装置の製造方法は、層間絶縁膜に対して電子線又は紫外線を照射すると、層間絶縁膜の比誘電率が増大するという問題がある。これは、電子線又は紫外線の照射による低誘電率膜の強度の増大と比誘電率の低減とはトレードオフの関係にあるためである。
【0007】
本発明は、前記従来の問題を解決し、配線構造における強度の向上と層間絶縁膜の低誘電率化との両立を図れるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するため、本発明は、半導体装置の製造方法を、低誘電率膜を用いた層間絶縁膜における配線又はコンタクトプラグを形成する領域に対して選択的に膜強度を向上する構成とする。
【0009】
具体的に、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に絶縁膜を形成する工程(a)と、絶縁膜の上に金属からなる犠牲膜を形成する工程(b)と、犠牲膜を選択的にエッチングすることにより、犠牲膜に開口パターンを形成する工程(c)と、開口パターンが形成された犠牲膜をマスクとして、絶縁膜に対して紫外線又は電子線を照射する工程(d)と、工程(d)よりも後に、開口パターンが形成された犠牲膜をマスクとして、絶縁膜に孔部又は溝部を形成する工程(e)と、孔部又は溝部に導電膜を形成する工程(f)とを備えていることを特徴とする。
【0010】
第1の半導体装置の製造方法によると、開口パターンが形成された金属からなる犠牲膜をマスクとして、絶縁膜に対して紫外線又は電子線を照射する。これにより、絶縁膜の孔部又は溝部を形成する、強度が必要な領域のみを選択的にキュア(硬化)することができる。一方、半導体装置の性能を決定する孔部又は溝部を形成する領域同士の間はキュアされないため、絶縁膜の比誘電率の値は上昇することがない。従って、配線間容量の増大が生じないので、半導体装置の性能を劣化させることがない。
【0011】
第1の半導体装置の製造方法において、導電膜は金属により構成されていてもよい。
【0012】
第1の半導体装置の製造方法において、絶縁膜には、シリコン及び酸素を主成分とし、且つその組成に少なくとも炭素若しくは窒素を含む単層膜又は該単層膜を少なくとも1層含む積層膜を用いることができる。
【0013】
本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、半導体基板の上に第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、第1の絶縁膜の上部に配線を形成する工程(b)と、配線を含む第1の絶縁膜の上に、第2の絶縁膜を形成する工程(c)と、第2の絶縁膜の上に、金属からなる犠牲膜を形成する工程(d)と、犠牲膜を選択的にエッチングすることにより、犠牲膜に開口パターンを形成する工程(e)と、開口パターンが形成された犠牲膜をマスクとして、第2の絶縁膜に対して紫外線又は電子線を照射する工程(f)と、工程(f)よりも後に、開口パターンが形成された犠牲膜をマスクとして、第2の絶縁膜に孔部又は溝部を形成する工程(g)と、孔部又は溝部に導電膜を形成する工程(h)とを備えていることを特徴とする。
【0014】
第2の半導体装置の製造方法によると、開口パターンが形成された金属からなる犠牲膜をマスクとして、第2の絶縁膜に対して紫外線又は電子線を照射する。これにより、第2の絶縁膜の孔部又は溝部を形成する、強度が必要な領域のみを選択的にキュア(硬化)することができる。一方、半導体装置の性能を決定する孔部又は溝部を形成する領域同士の間はキュアされないため、第2の絶縁膜の比誘電率の値は上昇することがない。従って、配線間容量の増大が生じないので、半導体装置の性能を劣化させることがない。
【0015】
第2の半導体装置の製造方法において、配線及び導電膜のうち少なくとも一方は、金属により構成されていてもよい。
【0016】
第2の半導体装置の製造方法において、第2の絶縁膜には、シリコン及び酸素を主成分とし、且つその組成に少なくとも炭素若しくは窒素を含む単層膜又は該単層膜を少なくとも1層含む積層膜を用いることができる。
【0017】
第1又は第2の半導体装置の製造方法において、犠牲膜には、チタン、窒化チタン、タンタル又は窒化タンタルを用いることができる。
【0018】
第2の半導体装置の製造方法は、工程(e)において、開口パターンは犠牲膜における配線の上方に位置する部分に形成してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、配線構造における強度の向上と層間絶縁膜の低誘電率化との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)〜(f)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図2】(a)〜(f)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法における層間絶縁膜の膜強度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図1を参照しながら説明する。なお、本発明で使用している、材料、数値は好ましい例を例示しているだけであり、この形態に限定されることはない。また、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で、適宜変更は可能である。さらに、加えるならば、第2の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0022】
まず、図1(a)に示すように、例えば、化学的気相堆積(CVD)法により、シリコン(Si)からなる半導体基板100の上に、膜厚が約300nmの酸化シリコン(SiO)からなる第1の絶縁膜101を形成する。続いて、リソグラフィグラフィ法により、第1の絶縁膜101の上に、第1の金属配線パターン(第1のトレンチ(溝)パターン)を有する第1のレジストパターン(図示せず)を形成する。その後、ドライエッチングにより、第1のレジストパターンをマスクとして第1の絶縁膜101をエッチングすることにより、第1の絶縁膜101の上部に複数の第1の配線形成溝を形成する。その後、第1のレジストパターンをアッシングにより除去し、続いて、CVD法又はスパッタ法等により、第1の絶縁膜101の上に第1の配線形成溝が埋まるように、タンタルナイトライド(TaN)及びタンタル(Ta)を積層してなる第1のバリアメタル膜102a、並びに銅(Cu)からなる第1の金属膜102bを順次堆積する。その後、化学機械研磨(CMP)法により、第1の絶縁膜101の上面に堆積した余剰の第1の金属膜102b及び第1のバリアメタル膜102aを研磨して、第1のバリアメタル膜102a及び第1の金属膜102bにより構成された第1の金属配線102を形成する。
【0023】
次に、図1(b)に示すように、CVD法により、第1の金属配線102を含む第1の絶縁膜101の上に全面にわたって 膜厚が約30nmの窒化炭化シリコン(SiCN)からなる第2の絶縁膜103を堆積する。続いて、第2の絶縁膜103の上に、膜厚が約300nmの炭素含有酸化シリコン(SiOC)からなる第3の絶縁膜104を堆積する。ここで、第3の絶縁膜104は、SiOCに代えて、窒素含有酸化シリコン(SiON)を用いてもよい。
続いて、CVD法又はスパッタ法により、第3の絶縁膜104の上に、膜厚が約30nmのチタン(Ti)又はチタンナイトライド(TiN)からなる犠牲膜105を形成する。なお、犠牲膜105には、Ti及びTiNに代えて、タンタル(Ta)又はタンタルナイトライド(TaN)等を用いることができる。また、第2の絶縁膜103は必ずしも設ける必要はない。
【0024】
次に、図1(c)に示すように、リソグラフィ法により、犠牲膜105の上に、第2の金属配線パターン(第2のトレンチパターン)を有する第2のレジストパターン(図示せず)を形成する。続いて、ドライエッチングにより、第2のレジストパターンをマスクとして犠牲膜105をエッチングする。続いて、アッシングにより第2のレジストパターンを除去し、さらにウエットエッチングにより、エッチング時のレジスト残渣(ポリマー等)を除去することにより、犠牲膜105に第2のトレンチパターン105aを形成する。
【0025】
次に、図1(d)に示すように、第2のトレンチパターン105aが形成された犠牲膜105をマスクとして、第3の絶縁膜104に対して、電子線(EB)及び紫外線(UV)の少なくとも一方を照射して、第3の絶縁膜104における第2のトレンチパターン形成部分のみをキュアする。
【0026】
次に、図1(e)に示すように、ドライエッチングにより、犠牲膜105をマスクとして第3の絶縁膜104をエッチングすることにより、第3の絶縁膜104の上部に複数の第2の配線形成溝104aを形成する。
【0027】
次に、図1(f)に示すように、ドライエッチングにより犠牲膜105を除去した後、CVD法又はスパッタ法等により、第3の絶縁膜104の上に第2の配線形成溝104aが埋まるように、タンタルナイトライド(TaN)及びタンタル(Ta)を積層膜してなる第2のバリアメタル膜106a、並びに銅(Cu)からなる第2の金属膜106bを順次堆積する。その後、CMP法により、第3の絶縁膜104の上面に堆積した余剰の金属膜及びバリアメタル膜を研磨して、第2のバリアメタル膜106a及び第2の金属膜106bにより構成された第2の金属配線106を形成する。
【0028】
このように、第1の実施形態によると、炭素含有酸化シリコンからなる第3の絶縁膜104に対して、第2のトレンチパターン105aを形成する領域のみを選択的にキュアする。これにより、第3の絶縁膜104は、第2のトレンチパターン105aの形成領域のみの膜強度が向上する。これに対し、半導体装置の性能を決定する第3の絶縁膜104における第2のトレンチパターン105aを除く領域はキュアされないため、キュアされない領域の比誘電率の値は上昇することがない。その結果、配線間容量の増大が生じないので、半導体装置の性能を劣化させることがない。但し、第2のトレンチパターン105aの形成領域とは、第2のトレンチパターン105aの直下のみを指すのではなく、第2のトレンチパターン105aの直下の近傍領域をも指している。第3の絶縁膜104に対して、電子線(EB)及び紫外線(UV)の少なくとも一方を照射すると、第3の絶縁膜104中で電子線又は紫外線が散乱し、第2のトレンチパターン105aの直下の近傍領域もキュアされることになる。ここで、近傍とは、電子線又は紫外線が散乱し得る程度の距離を指している。この近傍領域は距離が短いため、配線間容量の増大に対する影響は、非常に小さい。
【0029】
また、第3の絶縁膜104に対する選択的なキュア処理に紫外線を用いた場合は、紫外線の波長として約200nm〜約400nmの帯域を使用すれば、配線幅が約200nm以下の配線密度が高い密集配線部において、各配線からの回折効果により、第3の絶縁膜104における第2のトレンチパターン105aの形成領域に対して効率良くキュアすることができる。
【0030】
なお、第1の金属配線102及び第2の金属配線106における各バリアメタル膜102a、106aを除く配線本体には金属を用いることが好ましく、なかでも銅が好ましいが、本実施形態に係る配線本体は必ずしも金属に限られない。
【0031】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法について図2を参照しながら説明する。
【0032】
まず、図2(a)に示すように、例えば、CVD法により、シリコン(Si)からなる半導体基板200の上に、膜厚が約300nmの酸化シリコン(SiO)からなる第1の絶縁膜201を形成する。続いて、リソグラフィグラフィ法により、第1の絶縁膜201の上に、金属配線パターン(トレンチパターン)を有する第1のレジストパターン(図示せず)を形成する。その後、ドライエッチングにより、第1のレジストパターンをマスクとして第1の絶縁膜201をエッチングすることにより、第1の絶縁膜201の上部に複数の第1の配線形成溝を形成する。その後、第1のレジストパターンをアッシングにより除去し、続いて、CVD法又はスパッタ法等により、第1の絶縁膜201の上に第1の配線形成溝が埋まるように、タンタルナイトライド(TaN)及びタンタル(Ta)を積層してなる第1のバリアメタル膜202a、並びに銅(Cu)からなる第1の金属膜202bを順次堆積する。その後、CMP法により、第1の絶縁膜201の上面に堆積した余剰の第1の金属膜202b及び第1のバリアメタル膜202aを研磨して、第1のバリアメタル膜202a及び第1の金属膜202bにより構成された金属配線202を形成する。
【0033】
次に、図2(b)に示すように、CVD法により、第1の金属配線202を含む第1の絶縁膜201の上に全面にわたって 膜厚が約30nmの窒化炭化シリコン(SiCN)からなる第2の絶縁膜203を堆積する。続いて、第2の絶縁膜203の上に、膜厚が約300nmの炭素含有酸化シリコン(SiOC)からなる第3の絶縁膜204を堆積する。ここで、第3の絶縁膜204は、SiOCに代えて、窒素含有酸化シリコン(SiON)を用いてもよい。続いて、CVD法又はスパッタ法により、第3の絶縁膜204の上に、膜厚が約30nmのチタン(Ti)又はチタンナイトライド(TiN)からなる犠牲膜205を形成する。なお、犠牲膜205には、Ti及びTiNに代えて、タンタル(Ta)又はタンタルナイトライド(TaN)等を用いることができる。
【0034】
次に、図2(c)に示すように、リソグラフィ法により、犠牲膜205の上に、ホールパターンを有する第2のレジストパターン(図示せず)を形成する。続いて、ドライエッチングにより、第2のレジストパターンをマスクとして犠牲膜205をエッチングする。続いて、アッシングにより第2のレジストパターンを除去し、さらにウエットエッチングにより、エッチング時のレジスト残渣(ポリマー等)を除去することにより、犠牲膜205にホールパターン205aを形成する。
【0035】
次に、図2(d)に示すように、ホールパターン205aが形成された犠牲膜205をマスクとして、第3の絶縁膜204に対して、電子線(EB)及び紫外線(UV)の少なくとも一方を照射して、第3の絶縁膜204におけるホールパターン形成部分のみをキュアする。
【0036】
次に、図2(e)に示すように、ドライエッチングにより、犠牲膜205をマスクとして第3の絶縁膜204をエッチングすることにより、第3の絶縁膜204の上部に複数のコンタクトホール204aを形成する。
【0037】
次に、図2(f)に示すように、ドライエッチングにより犠牲膜205を除去した後、CVD法又はスパッタ法等により、第3の絶縁膜204の上に各コンタクトホール204aが埋まるように、タンタルナイトライド(TaN)及びタンタル(Ta)を積層膜してなる第2のバリアメタル膜206a、並びに銅(Cu)又はタングステン(W)からなる第2の金属膜206bを順次堆積する。その後、CMP法により、第3の絶縁膜204の上面に堆積した余剰の第2の金属膜206b及び第2のバリアメタル膜206aを研磨して、第2のバリアメタル膜206a及び第2の金属膜206bにより構成されたコンタクトプラグ206を形成する。
【0038】
このように、第2の実施形態によると、炭素含有酸化シリコンからなる第3の絶縁膜204に対して、ホールパターン205aを形成する領域のみを選択的にキュアする。これにより、第3の絶縁膜204は、ホールパターン205aの形成領域のみの膜強度が向上する。これに対し、半導体装置の性能を決定する第3の絶縁膜204におけるホールパターン205aを除く領域はキュアされないため、キュアされない領域の比誘電率の値が上昇することがない。その結果、配線間容量の増大が生じないので、半導体装置の性能を劣化させることがない。但し、ホールパターン205aの形成領域とは、ホールパターン205aの直下のみを指すのではなく、ホールパターン205aの直下の近傍領域をも指している。第3の絶縁膜204に対して、電子線(EB)及び紫外線(UV)の少なくとも一方を照射すると、第3の絶縁膜204中で電子線又は紫外線が散乱し、ホールパターン205aの直下の近傍領域もキュアされることになる。ここで、近傍とは、電子線又は紫外線が散乱し得る程度の距離を指している。
【0039】
さらに、図3に示すように、電子線又は紫外線は、金属配線202によって反射されるため、スルーホールの信頼性に大きく影響するコンタクトホール204aの下部の強度をさらに向上することができる。その結果、コンタクトプラグ206の信頼性(ストレスマイグレーション耐性及びエレクトロマイグレーション耐性)を向上することができる。ここで、図3に示す破線は、電子線又は紫外線を照射しないために、金属配線202からの反射がない場合の膜厚と膜強度との関係を表しており、実線は、電子線又は紫外線を照射することによる金属配線202からの反射がある場合の膜厚と膜強度の関係を表している。
【0040】
また、第3の絶縁膜204に対する選択的なキュア処理に紫外線を用いた場合は、紫外線の波長として約200nm〜約400nmの帯域を使用すれば、配線幅が200nm以下の配線密度が高い密集配線部において、各配線からの回折効果により、第3の絶縁膜204におけるホールパターン205aの形成領域に対して効率良くキュアすることができる。
【0041】
なお、金属配線202における第1のバリアメタル膜202aを除く配線本体には金属を用いることが好ましく、なかでも銅が好ましいが、本実施形態に係る配線本体は必ずしも金属に限られない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、配線構造における強度の向上と層間絶縁膜の低誘電率化との両立を図ることができ、配線の形成方法を含む半導体装置の製造方法等に有用である。
【符号の説明】
【0043】
100 半導体基板
101 第1の絶縁膜
102 第1の金属配線
102a 第1のバリアメタル膜
102b 第1の金属膜
103 第2の絶縁膜
104 第3の絶縁膜
104a 第2の配線形成溝
105 犠牲膜
105a 第2のトレンチパターン
106 第2の金属配線
106a 第2のバリアメタル膜
106b 第2の金属膜
200 半導体基板
201 第1の絶縁膜
202 金属配線
202a 第1のバリアメタル膜
202b 第1の金属膜
203 第2の絶縁膜
204 第3の絶縁膜
204a コンタクトホール
205 犠牲膜
205a ホールパターン
206 コンタクトプラグ
206a 第2のバリアメタル膜
206b 第2の金属膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の上に絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記絶縁膜の上に、金属からなる犠牲膜を形成する工程(b)と、
前記犠牲膜を選択的にエッチングすることにより、前記犠牲膜に開口パターンを形成する工程(c)と、
前記開口パターンが形成された前記犠牲膜をマスクとして、前記絶縁膜に対して紫外線又は電子線を照射する工程(d)と、
前記工程(d)よりも後に、前記開口パターンが形成された前記犠牲膜をマスクとして、前記絶縁膜に孔部又は溝部を形成する工程(e)と、
前記孔部又は溝部に導電膜を形成する工程(f)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記導電膜は、金属からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁膜は、シリコン及び酸素を主成分とし、且つその組成に少なくとも炭素若しくは窒素を含む単層膜、又は前記単層膜を少なくとも1層含む積層膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
半導体基板の上に第1の絶縁膜を形成する工程(a)と、
前記第1の絶縁膜の上部に配線を形成する工程(b)と、
前記配線を含む前記第1の絶縁膜の上に、第2の絶縁膜を形成する工程(c)と、
前記第2の絶縁膜の上に、金属からなる犠牲膜を形成する工程(d)と、
前記犠牲膜を選択的にエッチングすることにより、前記金属膜に開口パターンを形成する工程(e)と、
前記開口パターンが形成された前記犠牲膜をマスクとして、前記第2の絶縁膜に対して紫外線又は電子線を照射する工程(f)と、
前記工程(f)よりも後に、前記開口パターンが形成された前記犠牲膜をマスクとして、前記第2の絶縁膜に孔部又は溝部を形成する工程(g)と、
前記孔部又は溝部に導電膜を形成する工程(h)とを備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記配線及び導電膜のうち少なくとも一方は、金属からなることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2の絶縁膜は、シリコン及び酸素を主成分とし、且つその組成に少なくとも炭素若しくは窒素を含む単層膜、又は前記単層膜を少なくとも1層含む積層膜であることを特徴とする請求項4又は5に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記犠牲膜は、チタン、窒化チタン、タンタル又は窒化タンタルからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記工程(e)において、前記開口パターンは、前記犠牲膜における前記配線の上方に位置する部分に形成することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−245156(P2010−245156A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89978(P2009−89978)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】