説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】工数を増加させることなく、探針が滑り難く、脱落しない電極パッドを有する半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】パッド接続領域101aは、半導体集積回路に関係して設けられた所定の金属配線層101における一部のパターンである。パッド接続領域101a上に層間絶縁膜12による島状パターン12iが設けられている。島状パターン12iの側部に導電部材、ここでは配線間の接続部材13が配されている。接続部材13は、層間絶縁膜12を貫通するビア接続部材を利用したものである。島状パターン12iとその側部の接続部材13によってパッド接続領域101a上に凸形状PRJが形成されている。凸形状PRJを覆うようにパッド接続領域101a上に次層の金属配線層102が形成され、凸形状PRJが反映された表面を現出した電極パッドPADが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハ状態におけるLSIの電気的特性等の試験において、プローブカードの探針を接触させるための電極パッドを有する半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置における電極パッドは、外部接続用として、ボンディングワイヤやバンプ等が接続される。また、電極パッドは、ウェハ状態にてチップ領域各々の電気的特性試験を行うため、プローブカードの探針が接触される。探針は、プローブピン、ニードルまたはカンチレバーとも呼ばれる。探針は、電極パッドに対して適当な圧力をかけ、たわみとスライドを伴ってコンタクトを取っている。探針は、スライド量が大きいと、電極パッドから脱落する恐れがあり、安定した電気的測定が困難になる。
【0003】
従来、探針(測定針)が立てられるパッドを凹形状とする構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、測定針の位置ずれを防止すると共に、接触面積を増やし、微小電流の測定を可能とする。
【特許文献1】特開平9−260444号公報(第2頁、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の凹部形状のパッドは、凹部形状に探針(測定針)が滑り込まずに、外れた場合、探針はパッドから脱落する危険性が高い。また、パッドに凹部形状を現出するために、パッドの下地(端子部)を凹形状にエッチング加工する必要がある。工数が増えることは、製造コストの増加を招く。
【0005】
本発明は、上記のような事情を考慮してなされたもので、工数を増加させることなく、探針が滑り難く、脱落しない電極パッドを有する半導体装置及びその製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る半導体装置は、半導体集積回路に関係して設けられた第1金属配線層でなる接続領域と、前記第1金属配線層上の層間絶縁膜であって前記接続領域上に配された前記層間絶縁膜の島状パターン及びその側部の導電部材でなる凸形状と、前記凸形状を覆うように前記接続領域上に第2金属配線層が形成され、前記凸形状が反映された表面を現出した電極パッドと、
を含む。
【0007】
上記本発明に係る半導体装置によれば、凸形状は、層間絶縁膜の島状パターン及びその側部の導電部材でなる。導電部材は島状パターンの段差を緩和する。電極パッドはカバレッジが良好となりつつ、凸形状を反映させる。電極パッドに接触させる探針は、凸形状により、滑りが止まり、脱落が防げる。
【0008】
上記本発明に係る半導体装置において、次のいずれかの特徴を有する。
前記導電部材は、前記接続領域以外では前記第1金属配線層と前記第2金属配線層のビア接続部を構成する。通常の工程と共に凸形状の構成が得られる。
また、前記凸形状は、複数設けられている。探針の滑り止め率の向上が図れる。
また、前記電極パッドは、少なくとも半導体ウェハ状態のスクライブ領域に設けられている。スクライブTEGと呼ばれる検査用の電極パッドに有効利用できる。
また、前記電極パッド周辺に保護膜が形成されており、前記電極パッド周辺は前記保護膜の開口段差及び前記層間絶縁膜の開口段差による二重段差になっている。探針が凸形状から外れたとしても滑り止めに寄与する。
【0009】
本発明に係る半導体装置は、半導体集積回路を構成する金属配線層が層間絶縁膜を介して第n層配線層(nは3以上の自然数)で構成される半導体装置において、前記金属配線層のうち、第n−2層配線層の一部でなる第1接続領域と、前記金属配線層のうち、第n−1層配線層の一部でなる前記第1接続領域上方の第2接続領域と、前記第n−1層配線層と前記第n−2層配線層間の接続部材の一部であって前記第1接続領域と前記第2接続領域を接続する第1の接続部材と、前記第2接続領域上に形成された、前記層間絶縁膜による島状パターン及び前記第n−1層配線層と前記第n層配線層間の接続部材の一部であって前記島状パターンの少なくとも側部に形成された第2の接続部材からなる凸形状と、前記金属配線層のうち、前記第n層配線層の一部であって前記第2接続領域上に前記凸形状を覆うように形成され、前記凸形状が反映された表面を現出した電極パッドと、前記電極パッド周辺の保護膜と、を含む。
【0010】
上記本発明に係る半導体装置によれば、第1接続領域、第2接続領域、電極パッドは、それぞれ第n−2層配線層、第n−1層配線層、第n層配線層の3層を用いて構成されている。凸形状は、第n−1層配線層/第n層配線層の層間絶縁膜で構成される島状パターン及び第2の接続部材が島状パターンの側部に配されて実現される。このような凸形状は、自己整合的に段差の緩和に寄与する構成となる。電極パッドはカバレッジが良好となりつつ、凸形状を反映させる。電極パッドに接触させる探針は、凸形状により、滑りが止まり、脱落が防げる。
【0011】
上記本発明に係る半導体装置において、次のいずれかの特徴を有する。
前記第1の接続部材、及び前記凸形状は、複数設けられている。電極パッド部の安定性、探針の滑り止め率の向上が図れる。
また、前記電極パッド周辺は前記保護膜の開口段差及び前記層間絶縁膜の開口段差による二重段差になっている。探針が凸形状から外れたとしても滑り止めに寄与する。
また、前記第2の接続部材は、前記島状パターン間の前記第2接続領域上にも延在している。自己整合的な構造であるため、考えられる構成であり、電極パッドのカバレッジ向上に寄与する。
【0012】
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体集積回路を構成する金属配線層が第n層配線層(nは3以上の自然数)でなる半導体装置の製造方法において、前記金属配線層のうち、第n−1層配線層の一部で接続領域を形成する工程と、前記第n−1層配線層上に層間絶縁膜を形成する工程と、前記層間絶縁膜の開口工程であって少なくとも前記接続領域上を開口すると共に前記接続領域上の所定箇所に前記層間絶縁膜の島状パターンを形成する工程と、前記層間絶縁膜の開口を埋め込む配線間の接続部材を形成する工程と、前記接続部材の平坦化に伴い、少なくとも前記接続領域上の開口及び前記島状パターンを構成している前記層間絶縁膜の段差側部に前記接続部材を残す工程と、前記金属配線層のうち、第n層配線層の形成工程の一部であって前記島状パターン及び前記接続部材で構成された凸形状を覆うように前記接続領域上に、前記凸形状が反映された表面を現出する電極パッドを形成する工程と、前記電極パッド周辺を覆う保護膜を形成する工程と、を含む。
【0013】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法によれば、接続領域上の層間絶縁膜を開口する際、要所に層間絶縁膜を島状パターンとして残す。また、接続部材の平坦化工程において、接続領域上の開口及び島状パターンを構成している層間絶縁膜の段差側部に自己整合的に接続部材を残す。このような凸形状は、段差の緩和に寄与し、電極パッドのカバレッジを良好とする。凸形状を反映した電極パッドは、探針が接触する際、滑りが止まり、脱落が防げる。
【0014】
上記本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記第n−1層配線層による接続領域の下層に、前記金属配線層のうちの第n−2層配線層の一部で基礎接続領域を形成する工程と、前記基礎接続領域上への層間絶縁膜、この層間絶縁膜を貫通する配線間の接続部材を形成し、平坦化する工程と、を含む。より強固で安定した電極パッドの構成が実現できる。
【0015】
また、上記本発明に係る半導体装置の製造方法において、前記電極パッドの他に、少なくとも前記第n−1層配線層による接続部材及び前記接続部材上の層間絶縁膜の形成、前記層間絶縁膜を貫通する配線間の接続部材を形成する工程と、前記接続部材の平坦化工程と、前記層間絶縁膜及び前記接続部材を含む平坦化面上に前記第n層配線層による平坦形状の電極パッドを形成する工程と、を含む。接続領域上における層間絶縁膜のパターニング次第で、電極パッドの表面を平坦にするか、凸形状を含ませるか変更可能である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の要部を示す断面図である。パッド接続領域101aは、半導体集積回路に関係して設けられた所定の金属配線層101における一部のパターンである。パッド接続領域101a上に島状パターン12iが設けられている。島状パターン12iは、金属配線層101上の層間絶縁膜12であって、島状にパターニングされたものである。島状パターン12iの側部に導電部材、ここでは配線間の接続部材13が配されている。接続部材13は、層間絶縁膜12を貫通するビア接続部材を利用したものである。
【0017】
島状パターン12iとその側部の接続部材13によってパッド接続領域101a上に凸形状PRJが形成されている。凸形状PRJを覆うようにパッド接続領域101a上に次層の金属配線層102が形成され、凸形状PRJが反映された表面を現出した電極パッドPADが形成されている。電極パッドPAD周辺は最上層の保護膜(パッシベーション膜)14で覆われている。
【0018】
上記電極パッドPADには、電気的特性等、試験のためプローブ用の探針NDLが接触する。その際、探針NDLは、凸形状PRJに当たることで針先端の滑りが止まり安定した接触を達成する。また、電極パッドPAD周辺は保護膜14の開口段差S2及び層間絶縁膜12の開口段差S1による二重段差になっている。探針NDLは、仮に凸形状PRJから外れたとしても、電極パッドPAD周辺の二重段差によって、脱落が防止される。
【0019】
上記実施形態の構成によれば、凸形状PRJは、層間絶縁膜12の島状パターン12i及びその側部の接続部材13でなる。接続部材13は、島状パターン12iの段差を緩和する。電極パッドPADは、カバレッジが良好となりつつ、凸形状PRJを反映させた形態をとる。これにより、電極パッドPADに接触させる探針NDLは、凸形状PRJ(または開口段差S1,S2)により、滑りが止まり、脱落が防げる。
【0020】
図2(a),(b)は、それぞれ図1の構成に関する電極パッド上面図の一例である。
図2(a)の凸形状PRJの反映パターンPRJ21は、一つで直線的な形状である。凸形状PRJは、中央から外れた位置に配される。凸形状PRJの位置は限定されず、より探針NDLが当たり易い、または掛かり易いような位置に配されればよい。
図2(b)の凸形状PRJの反映パターンPRJ22は、複数配列して構成されている。凸形状PRJは、探針NDLの先端径を考慮して大きさを決め、かつ、より探針NDLが当たり易い、または掛かり易いような位置に配されればよい。
【0021】
電極パッド表面における凸形状PRJの反映パターンは、島状パターン(12i)、すなわち層間絶縁膜12のパターニング形状によって比較的自由に決められる。探針が当たり易く、滑りが止められるように構成すればよい。
【0022】
図3〜図5は、それぞれ本発明の第2実施形態に係る半導体装置の製造方法の要部を工程順に示す断面図である。半導体装置は、所定導電型の半導体基板20を有する。半導体基板20はウェル領域であってもよい。MOS型素子Q1は、素子分離領域21に囲まれた素子領域に形成されている。MOS型素子Q1は、半導体基板20上にゲート酸化膜22を介してゲート電極23が設けられ、ゲート電極23両側の基板20表面には図示しないソース/ドレインの拡散層が配される。半導体装置は、このMOS型素子Q1の他、図示しない複数の素子が配される。
【0023】
これら素子が関係する回路配線は、それぞれ層間絶縁膜24及び接続部材25を介しての、n層のメタルの配線層により構成される(nは、3以上の自然数)。ここでは、例えばn=4、つまり半導体装置は、4層のメタルの配線層(261〜264)を有するものとする。
【0024】
各メタル配線層は、Alを主成分とする主配線金属を有し、その下層にバリアメタル(TiN等)、上層に反射防止膜(TiN等)を配する積層構造でなる。また、各配線層を隔てる層間絶縁膜24は、CVD(化学気相成長)技術により堆積形成され、その都度CMP(化学的機械的研磨)技術により平坦化される。また、接続部材25は、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して層間絶縁膜24の要所に開口するホールに、下地のバリアメタル及びW等の主金属を埋め込む。接続部材25は、CVD技術またはスパッタリング技術を用いて形成し、最終的にCMP(化学的機械的研磨)技術により平坦化され、ホール内部等、必要部分に残される。
【0025】
まず、図3において、MOS型素子Q1のゲート電極23は、層間絶縁膜24を貫通する接続部材25を介して第1層目メタルの配線層261の所定パターンに接続される。このような配線層の所定パターンは、周知のフォトリソグラフィ技術、エッチング技術を利用して形成される。さらに、第1層目のメタル配線層261上に層間絶縁膜24を形成し、要所にホールを開口して接続部材25を形成する。次に、第2層目メタルの配線層262により所定パターンを形成する。第2層目メタルの配線層262における所定パターンの一部において、パッド接続領域262pを形成する。パッド接続領域262pは、例えば所定の接続部材25及び第1層目メタル配線層261の所定パターンを介してMOS型素子Q1のゲート電極23に接続される。
【0026】
パッド接続領域262pを含む第2層目メタルの配線層262上に層間絶縁膜24を形成し、要所にホールを開口して接続部材25を形成する。次に、第3層目メタルの配線層263により所定パターンを形成する。第3層目メタルの配線層263における所定パターンの一部において、パッド接続領域263pを形成する。接続部材25のうち、接続部材25p1は、パッド接続領域262pと263pを接続する形態となる。次に、パッド接続領域263pを含む第3層目メタルの配線層263上に層間絶縁膜24を形成する。この層間絶縁膜24の要所にホールHを開口する。このホール開口工程において、パッド接続領域263p上の大面積を開口する(Hp)と共にパッド接続領域263p上の所定箇所に層間絶縁膜24の島状パターン24iを形成する。ここでは、島状パターン24iを複数形成する。
【0027】
次に、図4に示すように、層間絶縁膜24の開口を埋め込む配線間の接続部材25を形成する。この際、接続部材25を平坦化するCMPに伴い、少なくともパッド接続領域263p上の開口Hp及び島状パターン24iを構成している層間絶縁膜24の段差側部に接続部材25p2として残す。この形態は、CMP工程時のスラリーが、島状パターン24i間のパッド接続領域263p上に多く供給され、接続部材25が除去され易くなることで、自己整合的に形成される。図では、接続部材25p2は、層間絶縁膜24の段差側部にのみ残留する形態を示したが、島状パターン24i間のパッド接続領域263p上にも薄膜で延在する形態をとってもよい。このような島状パターン24iとその側部の接続部材25p2によって、パッド接続領域263p上に凸形状PRJが形成されている。
【0028】
次に、図5に示すように、第4層目メタルの配線層264により所定パターンを形成する。第4層目メタルの配線層264における所定パターンの一部において、電極パッドPADを形成する。電極パッドPADは、島状パターン24i及び接続部材25pで構成された凸形状PRJを覆うようにパッド接続領域263p上に、凸形状PRJが反映された表面を現出する。その後、最上層の保護膜(パッシベーション膜)27を形成する。保護膜27はフォトリソグラフィ及びエッチング技術により、電極パッドPAD部分上が除去される。電極パッドPAD周辺は保護膜27の開口段差S2及び層間絶縁膜24の開口段差S1による二重段差になっている。
【0029】
上記実施形態の方法及び構成によれば、複数の凸形状PRJは、層間絶縁膜の島状パターン24i及びその側部の接続部材25pでなる。接続部材25pは、島状パターン24iの段差を緩和する。電極パッドPADは、カバレッジが良好となりつつ、複数の凸形状PRJを反映させた形態をとる。また、電極パッドPAD周辺は保護膜26の開口段差S2及び層間絶縁膜24の開口段差S1による二重段差になっている。これにより、電極パッドPADに接触させる探針は、複数の凸形状PRJの反映凸部いずれかに当たるか、開口段差S1,S2に掛かり、滑りが止まり、脱落が防げる。また、パッド接続領域262p、263pは、電極パッドPADの下層で基礎接続領域を形成する。これにより、強固で安定した電極パッドPADの構成が実現できる。
【0030】
図6は、本発明の第3実施形態に係る半導体装置の要部を示す断面図である。前記第2実施形態で示した電極パッドPADaと、凸形状を持たない平坦な電極パッドPADbが混載されている。両者は、上述したように、パッド接続領域上の層間絶縁膜の開口パターンで作り分けることができ、同一工程で形成可能である。製造方法を伴い説明する。
【0031】
半導体基板上の図示しない素子に関係する回路配線は、n層メタルの配線層により構成されるものとする(nは、3以上の自然数)。配線層間は、層間絶縁膜31に隔てられ、接続部材32を介して接続される。図示のパッド接続領域301a,301bは、それぞれ半導体集積回路に関係して設けられた第(n−2)層メタルの配線層301における一部のパターンである。また、パッド接続領域302a,302bは、それぞれ半導体集積回路に関係して設けられた第(n−1)層メタルの配線層302における一部のパターンである。接続部材32は、パッド接続領域間の接続の他、図示しない、第(n−2)層メタルの配線層301、第(n−1)層メタルの配線層302間における所要の配線パターンどうしを接続するよう設けられる。
【0032】
第(n−1)層メタルの配線層302上に層間絶縁膜31を形成し、次のようにエッチング加工する。パッド接続領域302a上は、前記第2実施形態と同様に、大面積の開口Hpと共に所定箇所に層間絶縁膜31の島状パターン31iが残るようにパターニングする。パッド接続領域302b上は、その下層と同様に接続部材32が埋め込み形成されるようにホールHが設けられる。
【0033】
次に設けられる接続部材32は、金属を埋め込み、CMPにより平坦化して得られる。接続部材32は、パッド接続領域302b上では、前記第2実施形態に示すように、段差側部に残される。少なくとも開口Hp及び島状パターン31iを構成している層間絶縁膜31の段差側部に接続部材32pとして残す。他の領域は薄く残るか、除去される。図では接続部材32pが、島状パターン31i間のパッド接続領域302b上にも薄膜で延在する形態を示している。この形態においても、島状パターン31iとその側部の接続部材32pによってパッド接続領域302b上に凸形状PRJが形成される。また、パッド接続領域302a上では、ホールHを埋め込む正常な形態が得られる。
【0034】
次に、最終の第n層メタルの配線層303を形成し、パターニングする。これにより、凸形状PRJが反映された表面を有する前記第2実施形態と同様の電極パッドPADaと、凸形状を持たない平坦な電極パッドPADbが形成される。
【0035】
上記実施形態の構成及び方法によれば、パッド接続領域302aまたは302b上における層間絶縁膜31のパターニング次第で、電極パッドの表面に関し、凸形状を含ませるか、平坦面にするか変更可能である。電極パッドPADaは、例えば半導体ウェハ状態のスクライブ領域に設けられる。スクライブTEGと呼ばれる検査用の電極パッドに有効利用できる。すなわち、より確実な探針接触が達成できる。また、電極パッドPADbは、別段凸形状のパッド表面を必要としないチップ領域に設けられるようにしてもよい。上記に限らず、電極パッドPADa、PADbは、同一工程で作り分けることができ、それぞれ必要とする箇所にだけ設けることができる。
【0036】
以上説明したように本発明によれば、パッドの接続領域上の層間絶縁膜をパッド形状に沿って開口する。この開口の際、要所に層間絶縁膜を島状パターンとして残す形態をとる。また、接続部材の平坦化工程において、接続領域上の開口及び島状パターンを構成している層間絶縁膜の段差側部に自己整合的に接続部材を残す。このような凸形状は、段差の緩和に寄与し、電極パッドのカバレッジを良好とする。凸形状を反映した電極パッドは、探針が接触する際、滑りが止まり、脱落が防げる。また、パッド接続領域上における層間絶縁膜のパターニング次第で、電極パッドの表面に関し、凸形状を含ませるか、平坦面にするか変更可能である。同一工程で両者を作り分けることもできる。この結果、工数を増加させることなく、探針が滑り難く、脱落しない電極パッドを有する半導体装置及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】第1実施形態に係る半導体装置の要部を示す断面図。
【図2】図1の構成に関する各一例としての上面図。
【図3】第2実施形態に係る半導体装置の製造方法要部を順に示す第1断面図。
【図4】図3に続く第2断面図。
【図5】図4に続く第3断面図。
【図6】第3実施形態に係る半導体装置の要部を示す断面図。
【符号の説明】
【0038】
101,102,261〜264,301〜303…配線層、101a,262p,263p,301a,301b,302a,302b…パッド接続領域、12,24,31…層間絶縁膜、12i,24i,31i…島状パターン、13,25,25p1,25p2,32,32p…接続部材、14,26…保護膜、20…半導体基板、21…素子分離領域、22ゲート酸化膜、23…ゲート電極、24…層間絶縁膜、27…保護膜、Q1…MOS型素子、H,Hp…ホール(開口)、PRJ…凸形状、PAD,PADa,PADb…電極パッド、NDL…探針、S1,S2…開口段差。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路に関係して設けられた第1金属配線層でなる接続領域と、
前記第1金属配線層上の層間絶縁膜であって前記接続領域上に配された前記層間絶縁膜の島状パターン及びその側部の導電部材でなる凸形状と、
前記凸形状を覆うように前記接続領域上に第2金属配線層が形成され、前記凸形状が反映された表面を現出した電極パッドと、
を含む半導体装置。
【請求項2】
前記導電部材は、前記接続領域以外では前記第1金属配線層と前記第2金属配線層のビア接続部を構成する請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記凸形状は、複数設けられている請求項1または2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記電極パッドは、少なくとも半導体ウェハ状態のスクライブ領域に設けられている請求項1〜3いずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記電極パッド周辺に保護膜が形成されており、前記電極パッド周辺は前記保護膜の開口段差及び前記層間絶縁膜の開口段差による二重段差になっている請求項1〜3いずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項6】
半導体集積回路を構成する金属配線層が層間絶縁膜を介して第n層配線層(nは3以上の自然数)で構成される半導体装置において、
前記金属配線層のうち、第n−2層配線層の一部でなる第1接続領域と、
前記金属配線層のうち、第n−1層配線層の一部でなる前記第1接続領域上方の第2接続領域と、
前記第n−1層配線層と前記第n−2層配線層間の接続部材の一部であって前記第1接続領域と前記第2接続領域を接続する第1の接続部材と、
前記第2接続領域上に形成された、前記層間絶縁膜による島状パターン及び前記第n−1層配線層と前記第n層配線層間の接続部材の一部であって前記島状パターンの少なくとも側部に形成された第2の接続部材からなる凸形状と、
前記金属配線層のうち、前記第n層配線層の一部であって前記第2接続領域上に前記凸形状を覆うように形成され、前記凸形状が反映された表面を現出した電極パッドと、
前記電極パッド周辺の保護膜と、
を含む半導体装置。
【請求項7】
前記第1の接続部材、及び前記凸形状は、複数設けられている請求項6記載の半導体装置。
【請求項8】
前記電極パッド周辺は前記保護膜の開口段差及び前記層間絶縁膜の開口段差による二重段差になっている請求項6または7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第2の接続部材は、前記島状パターン間の前記第2接続領域上にも延在している請求項6〜8いずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項10】
半導体集積回路を構成する金属配線層が第n層配線層(nは3以上の自然数)でなる半導体装置の製造方法において、
前記金属配線層のうち、第n−1層配線層の一部で接続領域を形成する工程と、
前記第n−1層配線層上に層間絶縁膜を形成する工程と、
前記層間絶縁膜の開口工程であって少なくとも前記接続領域上を開口すると共に前記接続領域上の所定箇所に前記層間絶縁膜の島状パターンを形成する工程と、
前記層間絶縁膜の開口を埋め込む配線間の接続部材を形成する工程と、
前記接続部材の平坦化に伴い、少なくとも前記接続領域上の開口及び前記島状パターンを構成している前記層間絶縁膜の段差側部に前記接続部材を残す工程と、
前記金属配線層のうち、第n層配線層の形成工程の一部であって前記島状パターン及び前記接続部材で構成された凸形状を覆うように前記接続領域上に、前記凸形状が反映された表面を現出する電極パッドを形成する工程と、
前記電極パッド周辺を覆う保護膜を形成する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第n−1層配線層による接続領域の下層に、前記金属配線層のうちの第n−2層配線層の一部で基礎接続領域を形成する工程と、
前記基礎接続領域上への層間絶縁膜、この層間絶縁膜を貫通する配線間の接続部材を形成し、平坦化する工程と、を含む請求項10記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記電極パッドの他に、少なくとも前記第n−1層配線層による接続部材及び前記接続部材上の層間絶縁膜の形成、前記層間絶縁膜を貫通する配線間の接続部材を形成する工程と、前記接続部材の平坦化工程と、前記層間絶縁膜及び前記接続部材を含む平坦化面上に前記第n層配線層による平坦形状の電極パッドを形成する工程と、
を含む請求項10または11記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−32540(P2006−32540A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207189(P2004−207189)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】