説明

半導体装置及び半導体装置の作製方法

【課題】薄膜トランジスタのソース領域およびドレイン領域の低抵抗化、および短チャネル効果を抑制しS値を低減した半導体装置およびその作製方法を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の半導体層102の上にゲート絶縁膜103を介して形成されたゲート電極104と、前記ゲート電極の側面に形成されたサイドウォール201と、該サイドウォールの端部202と、前記第1の半導体層102上に接して積層された第2の半導体層106と、を有し、前記第2の半導体層106は前記サイドウォールの端部202の少なくとも一部を覆って形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、半導体装置及びその作製方法、並びに該半導体装置を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
薄膜トランジスタ(TFT)は、半導体を用いて形成されたトランジスタである。近年、薄膜トランジスタの集積度の増大、薄膜トランジスタを用いた半導体装置の小型化が進むにともない、装置の性能を高めるためさまざまな技術が検討されている。
【0003】
半導体装置の小型化によって、薄膜トランジスタのソース領域及びドレイン領域における寄生抵抗を無視できなくなり、シート抵抗が増大する。
【0004】
ソース領域及びドレイン領域のシート抵抗が増大すると、作製された半導体装置において電流駆動能力が劣化するという問題が生じる。
【0005】
上記問題を解決するため、薄膜トランジスタでは、半導体層上に高濃度不純物層を積層し、ドライエッチングにおける両者のエッチングレートの違いを利用して、高濃度不純物層のみをエッチング、下層の半導体層のエッチングは進行させないという技術が開発されている。(非特許文献1)
【0006】
この技術により、半導体層と高濃度不純物層との積層部をソース領域及びドレイン領域に用いれば、該ソース領域及びドレイン領域が低抵抗化された薄膜トランジスタを作製することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「Raised source and drain structure of poly−Si TFTs」Electochemical Society Proceeding
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非特許文献1では多結晶半導体層が100nmと厚膜であるため、多結晶半導体層と高濃度不純物層とのエッチングレートの差により多結晶半導体層を残してエッチングすることが可能である。
【0009】
しかし、半導体装置の小型化にともなって、薄膜トランジスタのチャネル長(チャネル形成領域においてキャリアが流れる方向の長さ)が短くなると、リーク電流が増大し、薄膜トランジスタのサブスレッショルド係数(S値)が増大してしまう(短チャネル効果)。即ち、薄膜トランジスタのスイッチング特性が劣化することになる。
【0010】
短チャネル効果を抑制するためには、薄膜トランジスタのチャネル形成領域を有する多結晶半導体層を薄く100nm以下、特に40nm以下に形成する必要がある。
【0011】
多結晶半導体層が40nm以下になると、非特許文献1のように多結晶半導体層を残してエッチングすることが難しく、エッチングレートの差の大小に関わらず多結晶半導体層の消失を防止することは困難を極める。
【0012】
以上に鑑み、ソース領域及びドレイン領域のシート抵抗の低減、短チャネル効果の抑制、なおかつ半導体層の消失を防止した半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、絶縁物上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の側面に接して形成されたサイドウォールと、前記第1の半導体層に接して積層され、かつ前記サイドウォールの一部に接し又は覆って形成された第2の半導体層と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の他の一態様は、絶縁物上に形成された第1の半導体層と、前記第1の半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、前記ゲート電極の側面に接して形成されたサイドウォールと、前記第1の半導体層上に延伸された前記サイドウォールの端部と、前記第1の半導体層に接して積層され、かつ前記サイドウォールの端部の少なくとも一部に接し又は覆って形成された第2の半導体層と、を有することを特徴とする。
【0015】
ここで、サイドウォールが延伸した端部は、サイドウォールの一部であり、該端部を覆って第2の半導体層が形成されている時にも、第2の半導体層はサイドウォールの一部を覆っているとする。
【0016】
ここで、第2の半導体層は、サイドウォールの少なくとも一部と接するように形成されており、サイドウォールと第2の半導体層との間において第1の半導体層が露出することを防止できる構造であるとする。
【0017】
また本発明の他の一態様は、第1の半導体層にチャネル形成領域と、ソース領域及びドレイン領域と、該チャネル形成領域とソース領域またはドレイン領域との間に低濃度不純物領域(LDD;Light Doped Drainともいう)が形成されており、第2の半導体層と第1の半導体層とが積層する部分には、高濃度不純物領域が形成されていることを特徴とする。
【0018】
また他の一態様として、ゲート電極の上面を覆って絶縁層が形成されていることを特徴とする。
【0019】
また本発明の他の一態様は、絶縁物上に第1の半導体層を形成し、前記第1の半導体層上に順に積層するゲート絶縁膜及びゲート電極を形成し、前記ゲート電極をマスクとして、前記第1の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して低濃度不純物領域を形成し、前記ゲート電極の側面にサイドウォールを形成し、前記ゲート電極と、前記サイドウォールと、前記第1の半導体層と、を覆って半導体膜を形成し、レジストマスクを用いて前記半導体膜をエッチングして、前記第1の半導体層に接して積層し、かつ前記サイドウォールの一部に接し又は該一部を覆って、2つの第2の半導体層を形成し、前記2つの第2の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して高濃度不純物領域を形成することを特徴とする。
【0020】
また本発明の他の一態様は、絶縁物上に第1の半導体層を形成し、前記第1の半導体層上に順に積層するゲート絶縁膜及びゲート電極を形成し、前記ゲート電極をマスクとして、前記第1の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して低濃度不純物領域を形成し、前記ゲート電極の側面に接し、端部が前記第1の半導体層上に延伸するサイドウォールを形成し、前記ゲート電極と、前記サイドウォールと、前記サイドウォールの端部と、前記第1の半導体層と、を覆って半導体膜を形成し、レジストマスクを用いて前記半導体膜をエッチングして、前記第1の半導体層に接して積層し、かつ前記端部の少なくとも一部に接し又は該一部を覆って、2つの第2の半導体層を形成し、前記2つの第2の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して高濃度不純物領域を形成することを特徴とする。
【0021】
また本発明の他の一態様は、絶縁物上に第1の半導体層を形成し、前記第1の半導体層上に順に形成するゲート絶縁膜、ゲート電極、及び絶縁層を形成し、前記ゲート電極をマスクとして、前記第1の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して低濃度不純物領域を形成し、前記ゲート電極の側面にサイドウォールを形成し、前記絶縁層と、前記サイドウォールと、前記第1の半導体層と、を覆って半導体膜を形成し、レジストマスクを用いて前記半導体膜をエッチングして、前記第1の半導体層に接して積層し、かつ前記サイドウォールの少なくとも一部に接し又は該一部を覆って、2つの第2の半導体層を形成し、前記2つの第2の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して高濃度不純物領域を形成することを特徴とする。
【0022】
また本発明の他の一態様は、絶縁物上に第1の半導体層を形成し、前記第1の半導体層上に順に積層するゲート絶縁膜、ゲート電極、及び絶縁層を形成し、前記ゲート電極をマスクとして、前記第1の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して低濃度不純物領域を形成し、前記ゲート電極の側面にサイドウォールを形成し、前記絶縁層と、前記サイドウォールと、前記第1の半導体層と、を覆って半導体膜を形成し、前記半導体膜を覆ってネガ型レジストを形成し、前記ネガ型レジストに、前記ゲート電極をマスクとして前記絶縁物の裏面側から露光を行ってレジストマスクを形成し、前記レジストマスクを用いて前記半導体膜をエッチングし、前記エッチングされた半導体膜をパターニングして、前記第1の半導体層に接して積層し、かつ前記サイドウォールの少なくとも一部に接し又は該一部を覆って、2つの第2の半導体層を形成し、前記2つの第2の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して高濃度不純物領域を形成することを特徴とする。
【0023】
すなわち、開示した作製方法により得られた半導体装置は、第1の半導体層と第2の半導体層とが積層され、該積層部分の膜厚が第1の半導体層のゲート電極に重なる部分の膜厚より厚く形成されていることを特徴とする。
【0024】
また他の一態様は、サイドウォールの一部を覆って第2の半導体層が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
薄膜化した半導体層にチャネル形成領域を形成することで短チャネル効果を抑制し、S値を低減することができる。また、該半導体層と高濃度不純物層との積層部にソース領域及びドレイン領域を形成して厚膜化することにより、ソース領域及びドレイン領域のシート抵抗を低減させることができる。
【0026】
また、ゲート電極側面に形成されたサイドウォールの一部と高濃度不純物層とが重なる構造を取ることで、半導体層の消失を防止した半導体装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態1の半導体装置の断面図。
【図2】実施の形態2の半導体装置の断面図。
【図3】実施の形態1の半導体装置の断面図。
【図4】実施の形態1の半導体装置の断面図。
【図5】実施の形態3の作製方法の断面図。
【図6】実施の形態3の作製方法の断面図。
【図7】実施の形態3の作製方法の断面図。
【図8】実施の形態4の作製方法の断面図。
【図9】実施の形態4の作製方法の断面図。
【図10】実施の形態5の作製方法の断面図。
【図11】実施の形態5の作製方法の断面図。
【図12】実施の形態6の作製方法の断面図。
【図13】電子機器の例。
【図14】非接触タグの例。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、発明は多くの異なる様態で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0029】
なお、以下の実施の形態1〜7は、適宜組み合わせることが可能である。また、特に断らない限り、図面において、同一の符号で記されているものに関しては、同一の材料、方法等を用いて形成することができる。
【0030】
(実施の形態1)
本実施の形態1では、半導体装置の素子構造の一について説明する。
【0031】
図1は、実施の形態1の半導体装置の断面図である。
【0032】
図1の半導体装置は、絶縁物101、第1の半導体層102、ゲート絶縁膜103、ゲート電極104、サイドウォール105、第2の半導体層106、層間絶縁膜110、電極113、114を有する。
【0033】
ゲート電極104の側面にサイドウォール105が形成されており、サイドウォール105の一部を覆って第2の半導体層106が形成されている。
【0034】
第1の半導体層102は、チャネル形成領域107と、低濃度不純物領域108と、高濃度不純物領域109と、を有する。第1の半導体層の膜厚は、10nm〜40nmにすることが好ましい。なお、低濃度不純物領域108を設けない構造としてもいい。
【0035】
チャネル形成領域107の上にはゲート絶縁膜103を介してゲート電極104が形成されており、低濃度不純物領域108の上にはゲート絶縁膜103を介してサイドウォール105が形成されており、高濃度不純物領域109の上には第2の半導体層106が直接接するように形成されている。第2の半導体層106の膜厚は50nm以上(望ましくは100nm以上)にすることが好ましい。
【0036】
第2の半導体層106には、導電性を付与する高濃度の不純物元素が添加されており、高濃度不純物領域109と第2の半導体層106とによって、ソース領域及びドレイン領域が形成されている。
【0037】
すなわち、ソース領域及びドレイン領域が、チャネル形成領域107及び低濃度不純物領域108より厚く形成された薄膜トランジスタが作製される。
【0038】
そして、薄膜トランジスタを覆って層間絶縁膜110が形成されており、層間絶縁膜110に形成されたコンタクトホール111及び112を介して電極113及び114が第2の半導体層106と電気的に接続されている。
【0039】
したがって、本実施の形態の半導体装置は、第1の半導体層102の膜厚が薄く形成されているため短チャネル効果を抑制でき、ソース領域及びドレイン領域の膜厚が厚く形成されているためにシート抵抗を低減できる。
【0040】
更に、第2の半導体層106が高濃度不純物領域109とサイドウォール105の一部とを覆っているため、第2の半導体層をパターニングする際、サイドウォール105がエッチングストッパーとなって第1の半導体層102の消失を防ぐことができる。
【0041】
なお、図1ではサイドウォール105の下面はゲート絶縁膜103に接して形成されているが、図4のようにサイドウォール401の下面がゲート絶縁膜402には接しておらず第1の半導体層102の低濃度不純物領域108に接するように形成されていてもよい。
【0042】
また、図3のようにゲート電極104の上面を覆って絶縁層302が形成された構造としても良い。
【0043】
図3のように絶縁層302がゲート電極104の上面を覆っていることにより、ゲート電極104と第2の半導体層106が短絡することを防止できる。
【0044】
また、低濃度不純物領域108は、必ずしも設ける必要ないが、低濃度不純物領域108を有することで、短チャネル効果の抑制、オフ電流の低下によるスイッチング特性の上昇、及びホットキャリアの発生の抑制等の効果を奏するため、低濃度不純物領域108を設ける構造とした方が好ましい。なお、低濃度不純物領域108を設けない場合は、低濃度不純物領域に相当する領域には高濃度に不純物を添加しても良い。
【0045】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1とは異なる半導体装置の素子構造について説明する。
【0046】
図2は、実施の形態2の半導体装置の断面図である。
【0047】
図1と同一の符号で記されているものは、同一の材料、方法を用いて形成することができる。
【0048】
実施の形態2では、図2に示すようにサイドウォール201の端部202が延伸し、第1の半導体層102の一部と重なっている点で実施の形態1とは構造が異なっている。
【0049】
実施の形態1(図1参照)では、第2の半導体層106を形成する際、マスクずれが生じてレジストがサイドウォール105の上にパターニングできなかった場合、第1の半導体層102の一部が露呈してしまう。この時、第1の半導体層102の膜厚が極薄であることから、第2の半導体層106のパターニングとともに第1の半導体層が消失するという問題が生じる。
【0050】
そこで、図2の素子構造を有することによって、第2の半導体層106を形成する際にマスクずれが生じ、サイドウォール201の上に第2の半導体層106を形成できなかった場合にも、サイドウォール201の端部202の幅203の分だけマスクずれのマージンをとることで、第1の半導体層102の消失を防ぐことができる。
【0051】
また、本実施の形態の半導体装置は、端部202を有することにより、第2の半導体層106とゲート電極104と間に距離を設けられるため、ゲート電極104と第2の半導体層106との間で生じる寄生容量を低減することができる。
【0052】
(実施の形態3)
実施の形態3では、半導体装置を作製する第1の方法について図5〜7を用いて説明する。
【0053】
絶縁物101の上に第1の半導体層102を形成する。絶縁物は絶縁性基板であっても良いし、基板上に設けられた単層または積層の下地絶縁膜であっても良い。(図5(A))
【0054】
絶縁性基板としては、ガラス基板、石英基板、樹脂基板等を用いることができる。
【0055】
下地絶縁膜としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸素濃度より窒素濃度が高い窒化酸化珪素膜、窒素濃度より酸素濃度が高い酸化窒化珪素膜、樹脂膜等を単層または積層した膜を用いることができる。半導体基板、ガラス基板、石英基板、樹脂基板等の上に該下地絶縁膜を設けたものが絶縁物101となる。
【0056】
また、第1の半導体層102は、シリコン、シリコンゲルマニウム等を用い、CVD法、スパッタ法等の公知の方法を用いて形成された非晶質半導体膜、多結晶(微結晶を含む)半導体膜、単結晶半導体膜をパターニングすることによって形成する。なお、第1の半導体層102は、N型或いはP型の導電性を付与する不純物元素を含んでいても良い。
【0057】
また、熱または光照射(レーザー、赤外線等)により結晶化を行うことにより、結晶性に優れた結晶性半導体を形成しても良い。
【0058】
また、SIMOX法、貼り合わせ法等を用いて形成したSOI層を用いても良い。
【0059】
第1の半導層102の膜厚は、完成後の薄膜トランジスタの電気特性に及ぼす短チャネル効果の影響を抑制するため、10nm〜40nmにすることが好ましい。
【0060】
次に、第1の半導体層102の上にゲート絶縁膜となる単層または積層の絶縁膜501を成膜し、続けてゲート電極となる導電膜(図示せず)を積層する。そして、該導電膜をパターニングして第1の半導体層102の上に絶縁膜501を介してゲート電極104を形成する。(図5(B))
【0061】
さらに、ゲート電極104をマスクとして第1の半導体層102に導電性を付与する不純物元素を添加し、ゲート電極104に重なる部分にチャネル形成領域107を形成する。添加する不純物元素はP型の導電性を付与する元素であっても、N型の導電性を付与するものであっても良い。完成後の薄膜トランジスタにLDD領域を設けない構成とする場合は、ここでの不純物添加は行わなくても良く、もしくは高濃度に不純物を添加しても良い。(図5(B))
【0062】
導電性を付与する不純物は、N型であればリン、ヒ素等を用いることができ、P型であれば、ボロン等を用いることができる。不純物の添加は、イオンドーピング、イオン注入、レーザードーピング、熱拡散法等の方法を用いることができる。
【0063】
また、本実施の形態においては、便宜上、素子を一つだけ示した例で説明しているが、面内に複数の素子を形成し、N型の薄膜トランジスタとP型の薄膜トランスタとが両方とも形成されたCMOS構造とすることが好ましい。
【0064】
なお、本実施の形態においては、ゲート絶縁膜となる絶縁膜501が形成された状態で絶縁膜501を介して不純物元素を添加しているが、ゲート電極104をマスクとして絶縁膜501をエッチングしゲート絶縁膜を形成した後、第1の半導体層102が露出した状態で不純物元素を添加しても良い。絶縁膜501を介したドーピングの場合、絶縁膜501が第1の半導体層102を覆っているためドーピングによる第1の半導体層102の損傷を低減できる。
【0065】
続いて、ゲート電極104を覆ってサイドウォールとなる単層または積層の絶縁膜502を成膜する。(図5(C))
【0066】
サイドウォールとなる絶縁膜502は、窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸素濃度より窒素濃度が高い窒化酸化珪素膜、窒素濃度より酸素濃度が高い酸化窒化珪素膜等を用いることができる。絶縁膜502の膜厚は、100nm〜1μmが好ましい。
【0067】
絶縁膜502を形成すると、ゲート電極104の段差の影響をうけて段差が形成される。
【0068】
そして、絶縁膜502及び絶縁膜501をエッチングし、ゲート電極104の側面を覆うサイドウォール105を形成する。サイドウォール105の形成方法はエッチバック法を用いて行うことで、マスクを用いる場合に比べて工程数を削減することができる。(図5(D))
【0069】
サイドウォール105を形成する際、サイドウォールとなる絶縁膜502に積層されたゲート絶縁膜となる絶縁膜501もともにエッチングすることが好ましい。この段階で第1の半導体層102の表面が露出され、ゲート絶縁膜103が形成される。上述したように、前の工程でゲート電極をマスクとして絶縁膜501をエッチングしてゲート絶縁膜が形成してもよい。
【0070】
その後、サイドウォール105、第1の半導体層102、及び絶縁物101を覆って第2の半導体層となる半導体膜601を成膜する。(図6(A))
【0071】
半導体膜601の膜厚は、ソース領域及びドレイン領域となる部分のシート抵抗を低減できる程度に厚くする必要があり、50nm以上(望ましくは100nm以上)にすることが好ましい。
【0072】
半導体膜601としては、シリコン、シリコンゲルマニウム等を用い、CVD法、スパッタ法等の公知の方法を用いて形成された非晶質半導体膜、多結晶(微結晶を含む)半導体膜、単結晶半導体膜を用いる。なお、半導体膜601は、閾値制御のためのN型或いはP型の導電性を付与する不純物元素を含んでいてもよい。
【0073】
また、熱または光照射(レーザー、赤外線等)により結晶化を行うことにより、結晶性に優れた結晶性半導体を形成しても良い。
【0074】
そして、レジストマスク602を用いて半導体膜601を、サイドウォール105上で分断するようにエッチングするとともに、第1の半導体層102の上に積層するように端部をエッチングして、第1の半導体層102に接する2つの第2の半導体層603を形成する。ゲート電極104と第2の半導体層603とが接触しないように分断することが必要である。(図6(B)、(C))
【0075】
ここで2つの第2の半導体層603は、図6(C)に示すように、サイドウォール105の一部を覆って形成する必要がある。サイドウォール105の一部を覆っていることにより、第2の半導体層603のパターニングの際に、サイドウォール105がエッチングストッパーとして機能するため、サイドウォール105と第2の半導体層603の間において第1の半導体層102の上面が露出することはない。よって、当該パターニングにおける第1の半導体層102の消失を防止できる。
【0076】
そして、第2の半導体層603、及び第1の半導体層102と第2の半導体層603とが積層された部分に導電性を付与する不純物元素を添加し、高濃度不純物領域701、703を形成するとともに、高濃度不純物領域703とチャネル形成領域107との間に低濃度不純物領域702を形成する。(図7(A))
【0077】
この工程では、第1の半導体層102のうち第2の半導体層603と積層する部分に低濃度不純物領域を残すように不純物を添加して、第1の半導体層102中に低濃度不純物領域と高濃度不純物領域とを形成しても良い。この場合、第1の半導体層102のうち、第2の半導体層603に重なる部分に低濃度不純物領域が形成される。この低濃度不純物領域の機能によりトランジスタのリーク電流を低減することができる。
【0078】
ここで添加される不純物元素は、P型の導電性を付与するものでもN型の導電性を付与するものでもよいが、低濃度不純物領域702と同一型の導電性を付与する元素を添加する必要がある。また高濃度不純物領域701の不純物濃度が、低濃度不純物領域702よりも高くなるように添加を行う。
【0079】
本実施の形態では、第2の半導体層603を形成した後に不純物を添加したが、半導体膜601を形成した段階(図6(A))で添加を行って高濃度不純物領域を形成し、その後にパターニングを行い第2の半導体層603を形成する工程としても良い。
【0080】
導電性を付与する不純物は、N型であればリン、ヒ素等を用いることができ、P型であれば、ボロン等を用いることができる。不純物の添加は、イオンドーピング、イオン注入、レーザードーピング、熱拡散法等の方法を用いることができる。
【0081】
その後、添加された不純物を、熱または光照射(レーザー、赤外線等)の公知の方法を用いて活性化する。
【0082】
形成された高濃度不純物領域701が薄膜トランジスタのソース領域またはドレイン領域として機能する。
【0083】
続いて、単層または積層の層間絶縁膜110を形成する。そして層間絶縁膜110に設けられたコンタクトホール111、112を通じて電極113及び114を高濃度不純物領域701と電気的に接続させる。(図7(B))
【0084】
ソース領域及びドレイン領域のシート抵抗を下げるために、高濃度不純物領域701の上に金属シリサイドを形成し、電極113及び114と電気的な接続をとるような構造としても良い。
【0085】
以上のように、第1の方法を用いて半導体装置が作製される。
【0086】
(実施の形態4)
実施の形態4では、半導体装置を作製する第2の方法について図8、9を用いて説明する。
【0087】
実施の形態3と同様に、絶縁物101、第1の半導体層102、ゲート絶縁膜となる絶縁膜501、及びゲート電極となる導電膜801を順に形成する。
【0088】
ついで、ゲート電極となる導電膜801の上に絶縁膜802を形成する。(図8(A))
【0089】
そして、絶縁膜501、導電膜801、及び絶縁膜802をマスク(図示せず)を用いてエッチングし、ゲート絶縁膜803、ゲート電極804、及びゲート電極804の上面を覆う絶縁層805を形成する。(図8(B))
【0090】
LDD領域を形成する場合は、実施の形態3と同様に低濃度の不純物元素の添加を行う。この段階で添加を行っても良いし、絶縁膜501はエッチングせずゲート電極804及びその上面の絶縁層805のみエッチングした後、絶縁膜501を介して添加しても良い。絶縁膜を介して添加する場合は、後の工程でサイドウォールを形成する際に絶縁膜501をエッチングしてゲート絶縁膜を形成することが望ましい。なお、LDD領域を形成しない場合は、高濃度に不純物を添加しても良い。
【0091】
次に、サイドウォールとなる絶縁膜806を形成する。(図8(C))
【0092】
そして、絶縁膜806にエッチバックを行って、ゲート電極804の側面を覆うサイドウォール901を形成する。この際、絶縁層805がエッチバックを行った際のエッチングストッパーとなり、ゲート電極804の上面が露出して損傷することを防止できる。そのため、絶縁層805は、サイドウォールに対しエッチングレートの低い材料を用いることが好ましい。この段階でゲート絶縁膜を形成する場合は、絶縁層805はゲート絶縁膜に対してもエッチングレートの低い材料を用いることが好ましい。(図9(A))
【0093】
その後、実施の形態3と同様に、サイドウォール901、第1の半導体層102、及び絶縁物101を覆って第2の半導体層となる半導体膜(図示せず)を成膜する。そして、該半導体層をパターニングして、第1の半導体層102と接する2つの第2の半導体層902を形成する。第2の半導体層902はサイドウォール901の一部を覆って形成することが必要であり、一部を覆っていることにより第2の半導体層902をパターニングする際に、サイドウォール901と第2の半導体層902の間において、第1の半導体層102が露出し消失することを防止できる。(図9(B))
【0094】
本実施の形態では、ゲート電極804の上面に絶縁層805が形成されているため、ゲート電極804と重なる位置に第2の半導体層902が形成されても、第2の半導体層902とゲート電極804とが短絡することを防止できる。
【0095】
高濃度不純物領域の形成およびその後の工程は実施の形態3(図7(A)以降)と同様であるため省略する。
【0096】
(実施の形態5)
実施の形態5では、半導体装置を作製する第3の方法について図10、11を用いて説明する。
【0097】
サイドウォールを形成するための絶縁膜502を成膜する工程までは実施の形態3(図5(C))と同一であるので、本実施の形態ではサイドウォールを形成する工程から説明する。
【0098】
絶縁膜502を成膜後に、レジストマスク1001を、ゲート電極104を覆うように形成する。(図10(A))
【0099】
レジストマスク1001を用いて絶縁膜502をエッチングし、サイドウォール1002と、第1の半導体層102上に延伸したサイドウォール1002の端部1003と、を形成する。端部1003は幅1004を有する。(図10(B))
【0100】
実施の形態3と同様に、ゲート絶縁膜103はこの段階で形状を形成しても良いし、ゲート電極104を形成する際に形成しても良い。
【0101】
その後、レジストマスク1001を除去し、サイドウォール1002、端部1003、第1の半導体層102、及び絶縁物101を覆って第2の半導体層となる半導体膜1005を成膜する。(図10(C))
【0102】
半導体膜1005の膜厚は、ソース領域及びドレイン領域となる部分のシート抵抗を低減できる程度に厚くする必要があり、50nm以上(望ましくは100nm以上)にすることが好ましい。
【0103】
そして、レジストマスク1101を用いて半導体膜1005をエッチングし、サイドウォール1002を露出させ、かつ端部1003の少なくとも一部を覆うとともに、第1の半導体層102に接して積層する2つの第2の半導体層1102を形成する。(図11(A)、(B))
【0104】
ここで第2の半導体層1102は、図11(B)に示すように、端部1003の少なくとも一部を覆って形成する必要がある。端部1003の一部を覆って形成することで、端部1003がエッチングストッパーとなり、第2の半導体層1102のパターニングの際に、サイドウォールの端部1003と第2の半導体層の間において、第1の半導体層102の上面が露出することはない。よって、当該パターニングにおける第1の半導体層102の消失を防止できる。
【0105】
なお、第2の半導体層1102の端部と第1の半導体層102の端部とが、一致していなくてもよい。
【0106】
端部1003を有することにより、レジストマスク1101のマスクずれにより第2の半導体層1102がサイドウォール1002を覆って形成できない場合でも、幅1004の分だけマージンが得られ、アライメントの冗長性を向上させることが可能となる。
【0107】
また、端部1003を有するため、第2の半導体層1102をゲート電極104と距離を設けて形成することも可能となるため、第2の半導体層1102とゲート電極104の間で生じる寄生容量を低減することができる。
【0108】
その後、導電性を付与する不純物元素を添加して、第1の半導体層102と第2の半導体層1102とが積層される部分に高濃度不純物領域1103、1105を形成するとともに、高濃度不純物領域1103とチャネル形成領域107との間に低濃度不純物領域1104を形成する。ここでは、低濃度不純物領域1104と同一型の導電性を付与し、低濃度不純物領域1104より高い濃度となるように不純物を添加する。この場合、不純物元素が端部1003を通過して第1の半導体層102に添加され、第1の半導体層102のうち端部1003に重なる部分も高濃度不純物領域1103となる。(図11(C))
【0109】
また、端部1003の膜厚を厚く形成することにより、この不純物元素添加の際に端部1003がマスクとなるため、第1の半導体層102の端部1003と重なる部分まで低濃度不純物領域1104を形成することができる。
【0110】
更に、端部1003の膜厚または不純物元素添加の条件を調整し、不純物元素の一部を端部1003を通過させることにより、第1の半導体層102の低濃度不純物領域1104と高濃度不純物領域1103との間であって端部1003と重なる部分に、不純物濃度が低濃度不純物領域より高く高濃度不純物領域より低い不純物領域を形成することが可能となる。
【0111】
また、第1の半導体層102のうち第2の半導体層1102と積層する部分に低濃度不純物領域を残すように不純物を添加して、第1の半導体層102中に低濃度不純物領域と高濃度不純物領域との積層構造を形成しても良い。
【0112】
なお、本実施の形態では、第2の半導体層1102を形成した後に不純物を添加したが、半導体膜1005を形成した段階(図10(C))で添加を行って高濃度不純物領域を形成し、その後に第2の半導体層1102を形成する工程としても良い。
【0113】
その後、添加された不純物を、熱または光照射(レーザー、赤外線等)を用いて活性化する。
【0114】
そして形成された高濃度不純物領域1103が薄膜トランジスタのソース領域またはドレイン領域として機能する。
【0115】
続いて、単層または積層の層間絶縁膜110を形成する。そして層間絶縁膜110に設けられたコンタクトホール111、112を通じて電極113及び114を高濃度不純物領域1103と電気的に接続する。(図11(C))
【0116】
ソース領域及びドレイン領域の抵抗を下げるために、高濃度不純物領域1103の上に金属シリサイドを形成し、電極113及び114と電気的な接続をとるような構造としても良い。
【0117】
(実施の形態6)
実施の形態6では、半導体装置を作製する第4の方法について図12を用いて説明する。
【0118】
サイドウォール901を形成する工程までは実施の形態4(図9(A))と同様であるので省略する。
【0119】
サイドウォール901、絶縁層805、第1の半導体層102、及び絶縁物101を覆って第2の半導体層となる半導体膜1201を形成した後、半導体膜1201の上にネガ型レジストを成膜し、絶縁物101側からネガ型レジストに露光(裏面露光)を行う。その後、現像し所望の形状に加工する。(図12(A))
【0120】
裏面露光を行うことで、ゲート電極104をマスクとして利用することができるため、新たなマスクを用いる必要がなくなり、工程の削減及びコストダウンを図ることが可能となる。
【0121】
なお裏面露光を行うためには、透光性を有する基板を用い、露光に必要なエネルギーがネガ型レジストに照射されることが重要である。
【0122】
その後、加工したレジストマスク1202を用いて半導体膜1201を、サイドウォール901の上で分断するようにエッチングする。(図12(B))
【0123】
そして、半導体膜1201の端部をエッチングし、第1の半導体層102に積層する2つの第2の半導体層1203を形成する。(図12(C))
【0124】
第2の半導体層1203は、ゲート電極104をマスクとした裏面露光によって形成されたレジストをマスクとして形成される。そのため、第2の半導体層1203をサイドウォール901の一部に重なるように形成することができる。その結果、実施の形態3と同様、第1の半導体層102の消失を防止することが可能となる。
【0125】
その後の工程は実施の形態3(図7(A)以降)と同様であるため省略する。
【0126】
(実施の形態7)
本実施の形態においては、開示した半導体装置を用いて作製した電子機器等の例について説明する。
【0127】
開示した半導体装置は、有機発光素子、無機発光素子、又は液晶素子等を備えた表示装置の画素部及び駆動回路部等に適用することができる。
【0128】
また、開示した半導体装置は、デジタルカメラ、カーナビゲーション、ノート型パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(携帯電話機、携帯型ゲーム機等)、家庭用ゲーム機などの記録媒体を備えた電子機器などを作製することも可能である。
【0129】
また、開示した半導体装置は、CPU(中央演算回路:Central Processing Unit)等の集積回路に適用することができる。
【0130】
例えば、図13(A)は、携帯情報端末である。図13(B)は、デジタルカメラである。図13(C)は、携帯電話である。図13(D)は、カーナビゲーションである。図13(E)は、ノート型パーソナルコンピュータである。いずれも、本体1301〜1305に組み込まれた集積回路、若しくは表示部1311〜1315に開示した半導体装置を適用可能である。
【0131】
表示装置を作製する場合、第1の方法、第2の方法、第3の方法、及び第4の方法を用い、基板の大きさに制約がなく安価なガラス基板を用いると好適である。
【0132】
また、開示した半導体装置は、非接触でデータの入出力が可能である装置に適用することができる。非接触でデータの入出力が可能である装置は利用の形態によって、RFIDタグ、IDタグ、ICタグ、ICチップ、RFタグ、無線タグ、電子タグまたは無線チップとも呼ばれる。これらを総称して非接触タグ(非接触チップ)と呼ぶ。
【0133】
例えば、図14(A)〜(H)の非接触タグ1400〜1407に開示した半導体装置を適用可能である。
【符号の説明】
【0134】
101 絶縁物
102 第1の半導体層
103 ゲート絶縁膜
104 ゲート電極
105 サイドウォール
106 第2の半導体層
107 チャネル形成領域
108 低濃度不純物領域
109 高濃度不純物領域
110 層間絶縁膜
111 コンタクトホール
112 コンタクトホール
113 電極
114 電極
201 サイドウォール
202 端部
203 幅
301 サイドウォール
302 絶縁層
401 サイドウォール
402 ゲート絶縁膜
501 絶縁膜
502 絶縁膜
601 半導体膜
602 レジストマスク
603 第2の半導体層
701 高濃度不純物領域
702 低濃度不純物領域
703 高濃度不純物領域
801 導電膜
802 絶縁膜
803 ゲート絶縁膜
804 ゲート電極
805 絶縁層
806 絶縁膜
901 サイドウォール
902 第2の半導体層
1001 レジストマスク
1002 サイドウォール
1003 端部
1004 幅
1005 半導体膜
1101 レジストマスク
1102 第2の半導体層
1103 高濃度不純物領域
1105 高濃度不純物領域
1104 低濃度不純物領域
1201 半導体膜
1202 レジストマスク
1203 第2の半導体層
1301〜1305 本体
1311〜1315 表示部
1400〜1407 非接触タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁物上に形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極の側面に接し、端部が前記第1の半導体層上に延伸されたサイドウォールと、
前記第1の半導体層に接して積層され、かつ前記サイドウォールの端部の少なくとも一部に接し又は覆って形成された第2の半導体層と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
絶縁物上に形成された第1の半導体層と、
前記第1の半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、
前記ゲート電極の側面に接し、端部が前記第1の半導体層上に延伸されたサイドウォールと、
前記第1の半導体層に接して積層され、かつ前記サイドウォールの端部の少なくとも一部に接し又は該一部を覆って形成された第2の半導体層と、
を有し、
前記第1の半導体層には、前記ゲート電極と重なる領域にチャネル形成領域が形成されており、前記サイドウォールと重なる領域には低濃度不純物領域が形成されており、
前記第2の半導体層には、高濃度不純物領域が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記ゲート絶縁膜の上面は、前記サイドウォールに接していることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2において、
前記第1の半導体層の上面は、前記サイドウォールに接していることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
第2の半導体層と積層する第1の半導体層には、高濃度不純物領域が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の半導体装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
絶縁物上に第1の半導体層を形成し、
前記第1の半導体層上に順に積層するゲート絶縁膜及びゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして、前記第1の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して低濃度不純物領域を形成し、
前記ゲート電極の側面に接し、端部が前記第1の半導体層上に延伸するサイドウォールを形成し、
前記ゲート電極と、前記サイドウォールと、前記サイドウォールの端部と、前記第1の半導体層と、を覆って第2の半導体膜を形成し、
レジストマスクを用いて前記第2の半導体体膜をエッチングして、前記第1の半導体層に接して積層し、かつ前記端部の少なくとも一部に接し又は該一部を覆って、2つの第2の半導体層を形成し、
前記2つの第2の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して高濃度不純物領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項8】
絶縁物上に第1の半導体層を形成し、
前記第1の半導体層上に順に積層するゲート絶縁膜、ゲート電極、絶縁層を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして、前記第1の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して低濃度不純物領域を形成し、
前記ゲート電極の側面にサイドウォールを形成し、
前記絶縁層と、前記サイドウォールと、前記第1の半導体層と、を覆って第2の半導体膜を形成し、
前記第2の半導体膜を覆ってネガ型レジストを形成し、
前記ネガ型レジストに、前記ゲート電極をマスクとして前記絶縁物の裏面側から露光を行ってレジストマスクを形成し、
前記レジストマスクを用いて前記第2の半導体膜をエッチングし、
前記エッチングされた第2の半導体膜をパターニングして、前記第1の半導体層に接して積層し、かつ前記サイドウォールの一部に接し又は該一部を覆って、2つの第2の半導体層を形成し、
前記2つの第2の半導体層に導電性を付与する不純物元素を添加して高濃度不純物領域を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項9】
請求項7又は請求項8において、
前記ゲート絶縁膜の上面は、前記サイドウォールに接するように形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項10】
請求項7又は請求項8において、
前記第1の半導体層の上面は、前記サイドウォールに接するように形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−283921(P2009−283921A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−99667(P2009−99667)
【出願日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】