半導体装置
【課題】電子又はホールの移動度を向上でき、接合リーク電流の発生を抑制できる半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置は、第1半導体層16と、前記第1半導体層の主表面領域中に設けられた第1導電型の第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタP1と、前記第1半導体層の裏面に設けられ、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタの動作時に、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域に、チャネル長方向に沿った第1の応力を加える電歪層16Pとを具備する。
【解決手段】半導体装置は、第1半導体層16と、前記第1半導体層の主表面領域中に設けられた第1導電型の第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタP1と、前記第1半導体層の裏面に設けられ、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタの動作時に、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域に、チャネル長方向に沿った第1の応力を加える電歪層16Pとを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、半導体層に応力を加えることにより、電子又はホールの移動度を変化させたMOSトランジスタを備える半導体装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOSトランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が設けられた基板(または半導体層)に応力を加えると、電子又はホールの移動度が向上することが知られている。
【0003】
nMOSトランジスタの場合では、チャネル方向に引っ張り応力を加えることで、電子の移動度が向上する。例えば、シリコン基板上にライナーシリコン窒化膜(SiN)を堆積し、外部から基板に応力を加える半導体装置がある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、かかる構成では、基板に引っ張り応力しか印加することができない。そのため、nMOSトランジスタにしか効果が得られない。
【0004】
一方、pMOSトランジスタの場合では、チャネル方向に圧縮応力を加えることで、ホールの移動度が向上する。例えば、トランジスタのソース/ドレイン領域をエッチングして溝を形成し、この溝内にシリコンゲルマ(SiGe)をエピタキシャル成長させて埋め込み、基板に応力を加える半導体装置がある(例えば、非特許文献2参照)。しかし、かかる構成では、基板に圧縮応力しか印加することができない。そのため、pMOSトランジスタにしか効果が得られない。
【0005】
さらに、nMOS、pMOSトランジスタにも応力を加えることができる一例として、いわゆる歪みシリコン(Si)基板を使用する半導体装置がある(例えば、非特許文献3参照)。この半導体装置では、シリコン基板上にエピタキシャル成長させたシリコンゲルマ(SiGe)層を形成する。そして、シリコンゲルマの格子定数がシリコンよりも大きいことを利用して、シリコン基板に応力を加えている。
【0006】
しかし、この半導体装置では、シリコンゲルマによって常にシリコン基板に応力が加えられその応力を開放させるために、シリコン基板に欠陥が生じている。この欠陥密度は、例えば、1E5ヶ/cm2以上である。このような欠陥が空乏層中に存在すると、この欠陥が生成電流の中心となって、接合リーク電流が発生するという問題がある。
【0007】
さらに、上記シリコンゲルマを形成する際に必要なゲルマ二ウム(Ge)の濃度は、20%程度が一般的であるが、この場合はnMOSにしか効果が得られない。pMOSでも同様な効果を期待する場合、ゲルマニウム(Ge)の濃度を30%以上にする必要がある。しかし、これでは、シリコンゲルマ(SiGe)層上に成長可能なシリコン(Si)層の膜厚が10nm以下になり、p型のMOSFETを形成することが困難である。そのため、応力が加えられたnMOS、pMOSトランジスタを同一基板上で製造しようとすると、不良素子が増加して、LSIの歩留まりが低下するという問題がある。
【0008】
上記のように、従来の半導体装置では、常に半導体基板に応力が加えられているため、基板に欠陥が生じて接合リーク電流が発生するという問題があった。
【非特許文献1】S. Thompson et al, “A 90 nm Logic Technology Featuring 50nm Strained Silicon Channel Transistors, 7 layers of Cu Interconnects, Low k ILD, and 1 um2 SRAM Cell,” IEDM Tech. Dig., 2002, pp.61-64
【非特許文献2】T. Ghani et al., “A 90nm High Volume Manufacturing Logic Technology Featuring Novel 45nm Gate Length Strained Silicon CMOS Transistors,” IEDM Tech. Dig., 2003, pp.978-980
【非特許文献3】J.L. Hoyt et al., “Strained Silicon MOSFET Technology,” IEDM Tech. Dig., 2002, pp.23-26
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、電子又はホールの移動度を向上でき、接合リーク電流の発生を抑制できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の一態様によれば、第1半導体層と、前記第1半導体層の主表面領域中に設けられた第1導電型の第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、前記第1半導体層の裏面に設けられ、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタの動作時に、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域に、チャネル長方向に沿った第1の応力を加える電歪層とを具備する半導体装置を提供できる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、電子又はホールの移動度を向上でき、接合リーク電流の発生を抑制できる半導体装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。尚、この説明においては、全図にわたり共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0013】
[第1の実施形態]
まず、この発明の第1の実施形態に係る半導体装置について、図1および図2を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す断面図である。
【0014】
図示するように、p型シリコン層11上に電歪層15が設けられ、電歪層15上にp型シリコン層16が設けられている。シリコン層16および電歪層15を貫通して絶縁層12が設けられ、素子分離領域を形成している。そして、シリコン層16上の素子領域に、nMOSトランジスタN1およびpMOSトランジスタP1が設けられ、このトランジスタN1上、P1上を覆うように絶縁層17が設けられている。
【0015】
nMOSトランジスタN1は、シリコン層16上に設けられたゲート絶縁膜20、ゲート絶縁膜20上に設けられたゲート電極21、シリコン層16中にゲート電極21を挟むように隔離して設けられたソース/ドレイン領域22N、ゲート電極22の側壁に設けられたスペーサ23を備えている。
【0016】
pMOSトランジスタP1は、シリコン層16上に設けられたゲート絶縁膜20、ゲート絶縁膜20上に設けられたゲート電極21、シリコン層16中にゲート電極21を挟むように隔離して設けられたソース/ドレイン領域22P、ゲート電極22の側壁に設けられたスペーサ23を備えている。
【0017】
ここで、電歪層15は、圧電材料により形成されている。この圧電材料は、外部から印加された電界に対して歪を起こす、いわゆる圧電効果を発生する。そのため、この圧電材料により形成された膜の膜面垂直方向に電界を印加すると、この電界方向と垂直な方向(チャネル長方向)に伸び/縮みするという性質を有する。よって、電歪層15は、トランジスタN1、P1が設けられる側の膜面と、この膜面と対向する裏面と間に印加された電圧により、チャネル長方向に沿って伸び/縮みする。圧電材料は、例えば、PZT(PbZrxTi1-xO3)、窒化アルミ二ウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)等、強誘電体材料等であることが望ましい。
【0018】
図2を用いて、上記それぞれの材料の単位長さあたりの伸び/縮みする変異を説明する。図2中の実線31、32、33はそれぞれ、PZT、窒化アルミニウム、酸化亜鉛の変異を示している。
【0019】
図示するように、伸び/縮みの変異は、PZTが最も大きく効果的である。しかし、PZTは、一般的に熱に弱く、製造工程に熱的制限(例えば、600℃程度以下)が生じ得る。そこで、必要に応じて、熱的制限が少ないその他の窒化アルミ二ウム等を選択してもよい。
【0020】
<動作>
次に、動作について説明する。まず、pMOSトランジスタP1の動作について説明する。図示する構造では、電歪層15がトランジスタP1のソース/ドレイン22Pに接していない。そこで、ウェル領域16Pに電位を印加し、ウェル領域16Pは電源電圧Vdd保たれる。さらに、シリコン層11に基板電圧Vsub(この場合は接地電位VGND)が印加される。そのため、トランジスタP1側の電歪層15Pは、上部に電源電圧Vdd、下部に接地電圧VGND(VGND <Vdd)が印加され、電歪層15Pは、この電界方向と垂直なチャネル長方向に沿って圧縮する。結果、この電歪層15Pに引っ張られて、トランジスタP1のチャネル領域24Pには圧縮応力が加えられる。
【0021】
ドレイン領域22Pおよびゲート電極21に所望の電圧を印加することにより、このトランジスタP1はオンとなる。
【0022】
nMOSトランジスタN1についても同様に、シリコン層11に基板電圧VGNDを印加するが、電歪層15とシリコン層11との間には、シリコン層11と反対導電型(この場合はN型)のnウェル領域35(nwell)が形成されている。このnウェル領域35には、電源電圧Vddを印加する。一方、トランジスタN1のウェル領域16Nは、接地電圧VGNDに保たれる。よってトランジスタN1側の電歪層15Nの上部には接地電圧VGND、下部には電源電圧Vddが印加され、上記トランジスタP1とは逆向きの電界を印加する。結果、この電歪層15Nに引っ張られて、トランジスタN1のチャネル領域24Nには引っ張り応力が加えられる。
【0023】
ドレイン領域22Nおよびゲート電極21に所望の電圧を印加することにより、このトランジスタN1はオンとなる。
【0024】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置によれば、下記(1)乃至(4)に示す効果が得られる。
【0025】
(1)半導体基板の欠陥を防止でき、接合リーク電流を低減できる。
【0026】
上記のように、トランジスタP1、N1には、半導体層16にあらかじめ応力を加え、歪みを持たせる必要がなく、動作時に必要な応力を加えることができる。そのため、例えば、従来のSiGe仮想基板を用いて格子歪みを利用した基板等で発生する欠陥や、それに伴う接合リーク電流の増大を抑制することができる。
【0027】
(2)トランジスタP1、N1の電子又はホールの移動度を向上できる。
【0028】
半導体層11、16との間に、電歪層15が設けられ、シリコン層16上にpMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタN1が設けられている。さらに、シリコン層11に接地電位VGNDを印加し、トランジスタP1のウェル領域16Pに電源電圧Vddを印加することによって、電歪層15Pに引っ張られたチャネル領域24Pには圧縮応力を加えることができる。
【0029】
そのため、トランジスタP1のホールの移動度を向上することができる。
【0030】
また、シリコン層11に接地電圧VGNDを印加し、シリコン層11内のトランジスタN1下に形成されたnwell領域35に電源電圧Vdd、トランジスタN1のwell領域16Nに接地電圧VGND(=Vss)を印加すると、トランジスタN1側の電歪層15Nはこの電界方向と垂直なチャネル長方向に沿って引っ張られる。この電歪層15Nに引っ張られて、トランジスタN1のチャネル領域24Nには引っ張り応力が加えられる。
【0031】
そのため、チャネル領域24Nのシリコンの原子間隔が増大し電子の有効質量が小さくなって、トランジスタN1の電子の移動度を向上することができる。
【0032】
(3)同一基板上のp型およびn型トランジスタにふさわしい方向の応力を加えることができる。
【0033】
上記のように、電歪層15に印加する電界の向きにより、pMOSトランジスタに圧縮応力を加え、nMOSトランジスタに引っ張り応力を加えることができる。
【0034】
そのため、同一半導体層16上のp型およびn型トランジスタそれぞれに対して、ふさわしい方向の応力を加えることができ、例えば、いわゆるCMOSインバータ回路等に容易に適用可能である。また、nMOSトランジスタとpMOSトランジスタをそれぞれ別々の構造にすることなく、電圧のかけ方によって反対の応力を加えることができるので製造工程を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
【0035】
(4)微細化に対して有利である。
【0036】
p型およびn型トランジスタに対して一つの電歪層15により引っ張り応力または圧縮応力を加えることができる。そのため、例えば、p型、n型トランジスタに対応して絶縁膜の種類等を変える必要がない。また、電源電圧、well電圧等の動作電源を利用するため、電歪層15を伸び/縮みさせるための特別な電圧を用意する必要がない。
【0037】
そのため、微細化に対して有利である。
【0038】
<製造方法>
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0039】
まず、図3に示すように、p型シリコン基板(Si wafer)11中に、例えば、イオン打ち込み法によってリン(P)等のn型不純物を打ち込み、熱拡散させて、nウェル(n−well)領域35を形成する。
【0040】
続いて、上記シリコン層11上に、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、PZT(PbZrxTi1-xO3)等を堆積形成して、電歪層15を形成する。
【0041】
続いて、図4に示すように、電歪層15上に、別に用意されたp型シリコン層16を貼り付ける。
【0042】
続いて、図5に示すように、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法、またはスマートカット(Smart-cut )法等を用いて、シリコン層16の厚さを薄くして所定の厚さに形成する。
【0043】
続いて、周知の工程を用いてシリコン層16、電歪層15を貫通する絶縁層12を形成する。さらに、シリコン層16上に周知の工程を用いて、ゲート絶縁膜20、ゲート電極21を形成する。
【0044】
その後、全面上にフォトレジスト36を塗布し、このフォトレジスト36に露光および現像を行って、nMOSトランジスタとなる領域が露出する開口部37を形成する。さらに、上記開口パターンを有するフォトレジスト36をマスクとして、例えば、イオン打ち込み法を用いてリン(P)等のn型不純物をシリコン層16中に打ち込み、熱拡散させて、ソース/ドレイン領域22Nを形成する。
【0045】
続いて、フォトレジスト36を除去した後、上記ソース/ドレイン領域22Nを形成した工程と同様の工程を用いて、ソース/ドレイン領域22Sを形成する。
【0046】
以後、周知の工程を用いて、スペーサ23および絶縁層17を形成し、図1に示す半導体装置を製造する。
【0047】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、nMOS、pMOSトランジスタN1、P1を同一半導体層16上で製造した場合であっても、応力を加えるための外部からの膜厚や不純物濃度による制限がない。その結果、不良素子の発生を低減でき、LSIの歩留まりを向上できる点で有利である。
【0048】
また、このシリコン層16/電歪層15/シリコン層11による支持基板の構成は、いわゆるSOI(Silicon On Insulater)構造において、絶縁膜層を電歪層15に置き換えたような構造である。そのため、SOI構造と同様の製造工程を必要に応じて用いることができる。
【0049】
[第2の実施形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る半導体装置について、図6を用いて説明する。図6は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0050】
図示するように、半導体層16の厚さD1は、上記第1の実施形態に係る層16の厚さよりも薄く設けられている。さらに、ソース/ドレイン領域22N、22Pの底が電歪層15の上面に位置している。換言すれば、ソース/ドレイン領域22N、22Pの深さはD1程度である。
【0051】
上記のように、ソース/ドレイン領域22N、22Pの底が電歪層15の上面に接している。そのため、電歪層15N、15Pの上面にはウェルを介してではなくソース/ドレイン領域22P、22Nから直接電圧が与えられる。
【0052】
即ち、電歪層15Pの上面には、トランジスタP1の動作時に発生するソース電圧またはドレイン電圧Vddが印加される。一方、電歪層15Pの下面には、基板電圧VGND (<Vdd)が印加される。そのため、チャネル領域24Pに所望の圧縮応力が加えられる。
【0053】
電歪層15Nの上面には、トランジスタN1の動作時に発生するソース電圧またはドレイン電圧Vss(ここでは、接地電圧VGND )が印加される。一方、電歪層15Nの下面には、電源電圧Vdd(>VGND )が印加される。そのため、チャネル領域24Nに所望の引っ張り応力が加えられる。
【0054】
この実施形態に係る構成によれば、上記第1の実施形態において示した(1)乃至(4)と同様の効果が得られる。
【0055】
さらに、上記のように、電歪層15P、15Nに印加する電圧はwellを介してではなくソース/ドレイン領域22N、22Pから直接与えられるため、well電位を供給する端子を形成する必要がない。そのため、素子構造を簡便にできる点で有利である。
【0056】
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0057】
まず、上記第1の実施形態と同様の工程を用いて、シリコン層11上に電歪層15を形成し、電歪層15上にシリコン層16を形成する。
【0058】
続いて、図7に示すように、例えば、CMP法またはスマートカット法等を用いて、シリコン層16の厚さを厚さD1程度に形成する。この工程の際には、時間等の反応条件を選択することによって、厚さD1を上記第1の実施形態のシリコン層16の厚さよりも薄くなるように形成する。
【0059】
続いて、周知の工程を用いてシリコン層16、電歪層15を貫通する絶縁層12を形成する。さらに、シリコン層16上に周知の工程を用いて、ゲート絶縁膜20、ゲート電極21を形成する(図示せず)。
【0060】
続いて、図8に示すように、全面上にフォトレジスト36を塗布し、このフォトレジスト36に露光および現像を行って、nMOSトランジスタとなる領域が露出する開口部37を形成する。さらに、上記開口パターンを有するフォトレジスト36をマスクとして、例えば、イオン打ち込み法を用いてリン(P)等のn型不純物をシリコン層16中に打ち込み、熱拡散させて、ソース/ドレイン領域22Nを形成する。
【0061】
また、このイオン打ち込み法の工程の際に、例えば、印加電圧を高く選択する等によりソース/ドレイン領域22Nの底が電歪層15の上面となるようにすることも可能である。この場合、厚さD1は、上記第1の実施形態のシリコン層16の厚さと同程度となる。
【0062】
続いて、フォトレジスト36を除去した後、上記ソース/ドレイン領域22Nを形成した工程と同様の工程を用いて、ソース/ドレイン領域22Pを形成する。
【0063】
以後、周知の工程を用いて、スペーサ23および絶縁層17を形成し、図6に示す半導体装置を製造する。
【0064】
この実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
[第3の実施形態(シリコン層16と電歪層15との間に絶縁層が設けられた例)]
次に、この発明の第3の実施形態に係る半導体装置について、図9を用いて説明する。図9は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。この説明において、上記第2の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0066】
図示するように、絶縁層41、コンタクト配線43、45が更に設けられている点で上記第2の実施形態に係る半導体装置と相違している。
【0067】
絶縁層41は、電歪層15とシリコン層16との間に設けられている。コンタクト配線43は、絶縁層17、ソース/ドレイン領域22N、および絶縁層41を貫通し、電歪層15の表面上に設けられている。コンタクト配線45は、絶縁層17を貫通し、ソース/ドレイン領域22Pの表面上に設けられている。また、素子分離として働く絶縁層12は、シリコン層16、絶縁層41、および電歪層15を貫通し、シリコン層11中に達する深さとなるように設けられている。
【0068】
コンタクト配線43には、電源電圧Vss(<電源電圧Vdd)が印加される。コンタクト配線45には電源電位Vdd(>基板電圧Vsub )が印加される。
【0069】
また、この絶縁層41の厚さD3は、シリコン層16の厚さD2に比べて、例えば、1/10以下程度である。
【0070】
動作については、上記第2の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0071】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、この実施形態に係る半導体装置は、電歪層15とシリコン層16との間に絶縁層41が設けられ、ソース/ドレイン領域22N、22Pがこの絶縁層41上に接している。
【0072】
そのため、ソース/ドレイン領域22N、22P中の不純物が拡散して、チャネル領域24N、24P間がショートすることを防止し、トランジスタP1、N1の誤作動を防止できる点で有利である。
【0073】
そして、コンタクト配線43は、絶縁層17、ソース/ドレイン領域22N、および絶縁層41を貫通し、電歪層15の表面上に設けられている。そのため、電歪層15Nの表面に所望の電源電圧Vssを印加することができる。
【0074】
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図9に示した半導体装置を例にあげて、図10乃至図13を用いて説明する。
【0075】
図10に示すように、上記第2の実施形態と同様の製造工程を用いて、シリコン層11中にNウェルn-wellを形成し、シリコン層11上に電歪層15を形成する。
【0076】
一方、図11に示すように、上記シリコン層11とは別に、p型のシリコン層16を用意する。このシリコン層16を、例えば、熱酸化してシリコン酸化膜(SiO2)を形成し、絶縁層41を形成する。
【0077】
続いて、図12に示すように、上記絶縁層41が形成されたシリコン層16の裏面側と表面側を反転させて、電歪層15上に絶縁層41を貼り付ける。
【0078】
続いて、図13に示すように、シリコン層16を、例えば、スマートカット法やCMP法等を用いて、シリコン層16の厚さがD2程度となるように削る。
【0079】
以後、周知の工程を用いて、シリコン層16上にトランジスタN1、P1、コンタクト配線43、45等を形成し、図9に示す半導体装置を製造する。
【0080】
上記のような製造方法によれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0081】
[第4の実施形態(ウェル電圧Vss、Vddと基板電圧Vsubを制御する例)]
次に、この発明の第4の実施形態に係る半導体装置について、図14を用いて説明する。図14は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0082】
図示するように、この実施形態に係る半導体装置は、シリコン層11中にNウェル35が設けられていない点で、上記第1の実施形態に係る半導体装置と相違している。
【0083】
そして、シリコン層11に基板電圧Vsubを印加する際に、Vss<Vsub<Vddなる条件を満たすように、基板電圧Vsubを印加する。
【0084】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、必要に応じてこのような構成をとることも可能である。
【0085】
製造方法に関しては、上記第1の実施形態と実質的に同様であるため、詳細な説明を省略するが、上記Nウェル35を形成する必要がないため、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる点で有利である。
【0086】
尚、上記第1乃至第4の実施形態では、シリコン層11、16を一例として示した。しかし、シリコン層11、16等の半導体層に限らず、例えば、ゲルマニウム(SiGe)等の化合物半導体やシリコン基板等を適用することも可能である。上記化合物半導体を含む半導体層を用いた場合には、さらに電子又はホールの移動度を向上できる点で有利である。また、半導体層に対してより高い温度を適用できるという熱的な製造上のメリットもある。
【0087】
また、上記第1乃至第4の実施形態においては、シリコン層16/電歪層15/シリコン層11なる支持基板を形成した後、トランジスタN1、P1を形成する製造方法を一例として示した。しかし、シリコン層16上にトランジスタN1、P1を形成した後、シリコン層16の裏面側に電歪層15/シリコン層11を上記同様の工程により貼り付けることも可能である。
【0088】
さらに、支持基板は、シリコン層16/電歪層15/シリコン層11なる三層構造をその一例として示した。しかし、シリコン層11を電歪層15の裏面上まで削って除去し、シリコン層16/電歪層15なる二層構造を備えた支持基板とすることも可能である。この場合は、シリコン層11の専有面積を省くことができるため、微細化に対して有利である。
【0089】
以上、第1乃至第4の実施形態を用いてこの発明の説明を行ったが、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図2】圧電材料の単位長さあたりの伸び/縮みする変異を示す図。
【図3】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図4】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図5】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図6】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図7】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図8】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図9】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図10】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図11】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図12】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図13】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図14】この発明の第4の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【符号の説明】
【0091】
11、16…半導体基板、15…電歪層、N1…nMOSトランジスタ、P1…pMOSトランジスタ、24N、24P…チャネル領域、25…圧縮応力、26…引っ張り応力。
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、半導体層に応力を加えることにより、電子又はホールの移動度を変化させたMOSトランジスタを備える半導体装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOSトランジスタ(MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が設けられた基板(または半導体層)に応力を加えると、電子又はホールの移動度が向上することが知られている。
【0003】
nMOSトランジスタの場合では、チャネル方向に引っ張り応力を加えることで、電子の移動度が向上する。例えば、シリコン基板上にライナーシリコン窒化膜(SiN)を堆積し、外部から基板に応力を加える半導体装置がある(例えば、非特許文献1参照)。しかし、かかる構成では、基板に引っ張り応力しか印加することができない。そのため、nMOSトランジスタにしか効果が得られない。
【0004】
一方、pMOSトランジスタの場合では、チャネル方向に圧縮応力を加えることで、ホールの移動度が向上する。例えば、トランジスタのソース/ドレイン領域をエッチングして溝を形成し、この溝内にシリコンゲルマ(SiGe)をエピタキシャル成長させて埋め込み、基板に応力を加える半導体装置がある(例えば、非特許文献2参照)。しかし、かかる構成では、基板に圧縮応力しか印加することができない。そのため、pMOSトランジスタにしか効果が得られない。
【0005】
さらに、nMOS、pMOSトランジスタにも応力を加えることができる一例として、いわゆる歪みシリコン(Si)基板を使用する半導体装置がある(例えば、非特許文献3参照)。この半導体装置では、シリコン基板上にエピタキシャル成長させたシリコンゲルマ(SiGe)層を形成する。そして、シリコンゲルマの格子定数がシリコンよりも大きいことを利用して、シリコン基板に応力を加えている。
【0006】
しかし、この半導体装置では、シリコンゲルマによって常にシリコン基板に応力が加えられその応力を開放させるために、シリコン基板に欠陥が生じている。この欠陥密度は、例えば、1E5ヶ/cm2以上である。このような欠陥が空乏層中に存在すると、この欠陥が生成電流の中心となって、接合リーク電流が発生するという問題がある。
【0007】
さらに、上記シリコンゲルマを形成する際に必要なゲルマ二ウム(Ge)の濃度は、20%程度が一般的であるが、この場合はnMOSにしか効果が得られない。pMOSでも同様な効果を期待する場合、ゲルマニウム(Ge)の濃度を30%以上にする必要がある。しかし、これでは、シリコンゲルマ(SiGe)層上に成長可能なシリコン(Si)層の膜厚が10nm以下になり、p型のMOSFETを形成することが困難である。そのため、応力が加えられたnMOS、pMOSトランジスタを同一基板上で製造しようとすると、不良素子が増加して、LSIの歩留まりが低下するという問題がある。
【0008】
上記のように、従来の半導体装置では、常に半導体基板に応力が加えられているため、基板に欠陥が生じて接合リーク電流が発生するという問題があった。
【非特許文献1】S. Thompson et al, “A 90 nm Logic Technology Featuring 50nm Strained Silicon Channel Transistors, 7 layers of Cu Interconnects, Low k ILD, and 1 um2 SRAM Cell,” IEDM Tech. Dig., 2002, pp.61-64
【非特許文献2】T. Ghani et al., “A 90nm High Volume Manufacturing Logic Technology Featuring Novel 45nm Gate Length Strained Silicon CMOS Transistors,” IEDM Tech. Dig., 2003, pp.978-980
【非特許文献3】J.L. Hoyt et al., “Strained Silicon MOSFET Technology,” IEDM Tech. Dig., 2002, pp.23-26
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は、電子又はホールの移動度を向上でき、接合リーク電流の発生を抑制できる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の一態様によれば、第1半導体層と、前記第1半導体層の主表面領域中に設けられた第1導電型の第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、前記第1半導体層の裏面に設けられ、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタの動作時に、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域に、チャネル長方向に沿った第1の応力を加える電歪層とを具備する半導体装置を提供できる。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、電子又はホールの移動度を向上でき、接合リーク電流の発生を抑制できる半導体装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。尚、この説明においては、全図にわたり共通の部分には共通の参照符号を付す。
【0013】
[第1の実施形態]
まず、この発明の第1の実施形態に係る半導体装置について、図1および図2を用いて説明する。図1は、第1の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す断面図である。
【0014】
図示するように、p型シリコン層11上に電歪層15が設けられ、電歪層15上にp型シリコン層16が設けられている。シリコン層16および電歪層15を貫通して絶縁層12が設けられ、素子分離領域を形成している。そして、シリコン層16上の素子領域に、nMOSトランジスタN1およびpMOSトランジスタP1が設けられ、このトランジスタN1上、P1上を覆うように絶縁層17が設けられている。
【0015】
nMOSトランジスタN1は、シリコン層16上に設けられたゲート絶縁膜20、ゲート絶縁膜20上に設けられたゲート電極21、シリコン層16中にゲート電極21を挟むように隔離して設けられたソース/ドレイン領域22N、ゲート電極22の側壁に設けられたスペーサ23を備えている。
【0016】
pMOSトランジスタP1は、シリコン層16上に設けられたゲート絶縁膜20、ゲート絶縁膜20上に設けられたゲート電極21、シリコン層16中にゲート電極21を挟むように隔離して設けられたソース/ドレイン領域22P、ゲート電極22の側壁に設けられたスペーサ23を備えている。
【0017】
ここで、電歪層15は、圧電材料により形成されている。この圧電材料は、外部から印加された電界に対して歪を起こす、いわゆる圧電効果を発生する。そのため、この圧電材料により形成された膜の膜面垂直方向に電界を印加すると、この電界方向と垂直な方向(チャネル長方向)に伸び/縮みするという性質を有する。よって、電歪層15は、トランジスタN1、P1が設けられる側の膜面と、この膜面と対向する裏面と間に印加された電圧により、チャネル長方向に沿って伸び/縮みする。圧電材料は、例えば、PZT(PbZrxTi1-xO3)、窒化アルミ二ウム(AlN)、酸化亜鉛(ZnO)等、強誘電体材料等であることが望ましい。
【0018】
図2を用いて、上記それぞれの材料の単位長さあたりの伸び/縮みする変異を説明する。図2中の実線31、32、33はそれぞれ、PZT、窒化アルミニウム、酸化亜鉛の変異を示している。
【0019】
図示するように、伸び/縮みの変異は、PZTが最も大きく効果的である。しかし、PZTは、一般的に熱に弱く、製造工程に熱的制限(例えば、600℃程度以下)が生じ得る。そこで、必要に応じて、熱的制限が少ないその他の窒化アルミ二ウム等を選択してもよい。
【0020】
<動作>
次に、動作について説明する。まず、pMOSトランジスタP1の動作について説明する。図示する構造では、電歪層15がトランジスタP1のソース/ドレイン22Pに接していない。そこで、ウェル領域16Pに電位を印加し、ウェル領域16Pは電源電圧Vdd保たれる。さらに、シリコン層11に基板電圧Vsub(この場合は接地電位VGND)が印加される。そのため、トランジスタP1側の電歪層15Pは、上部に電源電圧Vdd、下部に接地電圧VGND(VGND <Vdd)が印加され、電歪層15Pは、この電界方向と垂直なチャネル長方向に沿って圧縮する。結果、この電歪層15Pに引っ張られて、トランジスタP1のチャネル領域24Pには圧縮応力が加えられる。
【0021】
ドレイン領域22Pおよびゲート電極21に所望の電圧を印加することにより、このトランジスタP1はオンとなる。
【0022】
nMOSトランジスタN1についても同様に、シリコン層11に基板電圧VGNDを印加するが、電歪層15とシリコン層11との間には、シリコン層11と反対導電型(この場合はN型)のnウェル領域35(nwell)が形成されている。このnウェル領域35には、電源電圧Vddを印加する。一方、トランジスタN1のウェル領域16Nは、接地電圧VGNDに保たれる。よってトランジスタN1側の電歪層15Nの上部には接地電圧VGND、下部には電源電圧Vddが印加され、上記トランジスタP1とは逆向きの電界を印加する。結果、この電歪層15Nに引っ張られて、トランジスタN1のチャネル領域24Nには引っ張り応力が加えられる。
【0023】
ドレイン領域22Nおよびゲート電極21に所望の電圧を印加することにより、このトランジスタN1はオンとなる。
【0024】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置によれば、下記(1)乃至(4)に示す効果が得られる。
【0025】
(1)半導体基板の欠陥を防止でき、接合リーク電流を低減できる。
【0026】
上記のように、トランジスタP1、N1には、半導体層16にあらかじめ応力を加え、歪みを持たせる必要がなく、動作時に必要な応力を加えることができる。そのため、例えば、従来のSiGe仮想基板を用いて格子歪みを利用した基板等で発生する欠陥や、それに伴う接合リーク電流の増大を抑制することができる。
【0027】
(2)トランジスタP1、N1の電子又はホールの移動度を向上できる。
【0028】
半導体層11、16との間に、電歪層15が設けられ、シリコン層16上にpMOSトランジスタP1、nMOSトランジスタN1が設けられている。さらに、シリコン層11に接地電位VGNDを印加し、トランジスタP1のウェル領域16Pに電源電圧Vddを印加することによって、電歪層15Pに引っ張られたチャネル領域24Pには圧縮応力を加えることができる。
【0029】
そのため、トランジスタP1のホールの移動度を向上することができる。
【0030】
また、シリコン層11に接地電圧VGNDを印加し、シリコン層11内のトランジスタN1下に形成されたnwell領域35に電源電圧Vdd、トランジスタN1のwell領域16Nに接地電圧VGND(=Vss)を印加すると、トランジスタN1側の電歪層15Nはこの電界方向と垂直なチャネル長方向に沿って引っ張られる。この電歪層15Nに引っ張られて、トランジスタN1のチャネル領域24Nには引っ張り応力が加えられる。
【0031】
そのため、チャネル領域24Nのシリコンの原子間隔が増大し電子の有効質量が小さくなって、トランジスタN1の電子の移動度を向上することができる。
【0032】
(3)同一基板上のp型およびn型トランジスタにふさわしい方向の応力を加えることができる。
【0033】
上記のように、電歪層15に印加する電界の向きにより、pMOSトランジスタに圧縮応力を加え、nMOSトランジスタに引っ張り応力を加えることができる。
【0034】
そのため、同一半導体層16上のp型およびn型トランジスタそれぞれに対して、ふさわしい方向の応力を加えることができ、例えば、いわゆるCMOSインバータ回路等に容易に適用可能である。また、nMOSトランジスタとpMOSトランジスタをそれぞれ別々の構造にすることなく、電圧のかけ方によって反対の応力を加えることができるので製造工程を簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
【0035】
(4)微細化に対して有利である。
【0036】
p型およびn型トランジスタに対して一つの電歪層15により引っ張り応力または圧縮応力を加えることができる。そのため、例えば、p型、n型トランジスタに対応して絶縁膜の種類等を変える必要がない。また、電源電圧、well電圧等の動作電源を利用するため、電歪層15を伸び/縮みさせるための特別な電圧を用意する必要がない。
【0037】
そのため、微細化に対して有利である。
【0038】
<製造方法>
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0039】
まず、図3に示すように、p型シリコン基板(Si wafer)11中に、例えば、イオン打ち込み法によってリン(P)等のn型不純物を打ち込み、熱拡散させて、nウェル(n−well)領域35を形成する。
【0040】
続いて、上記シリコン層11上に、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて、PZT(PbZrxTi1-xO3)等を堆積形成して、電歪層15を形成する。
【0041】
続いて、図4に示すように、電歪層15上に、別に用意されたp型シリコン層16を貼り付ける。
【0042】
続いて、図5に示すように、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法、またはスマートカット(Smart-cut )法等を用いて、シリコン層16の厚さを薄くして所定の厚さに形成する。
【0043】
続いて、周知の工程を用いてシリコン層16、電歪層15を貫通する絶縁層12を形成する。さらに、シリコン層16上に周知の工程を用いて、ゲート絶縁膜20、ゲート電極21を形成する。
【0044】
その後、全面上にフォトレジスト36を塗布し、このフォトレジスト36に露光および現像を行って、nMOSトランジスタとなる領域が露出する開口部37を形成する。さらに、上記開口パターンを有するフォトレジスト36をマスクとして、例えば、イオン打ち込み法を用いてリン(P)等のn型不純物をシリコン層16中に打ち込み、熱拡散させて、ソース/ドレイン領域22Nを形成する。
【0045】
続いて、フォトレジスト36を除去した後、上記ソース/ドレイン領域22Nを形成した工程と同様の工程を用いて、ソース/ドレイン領域22Sを形成する。
【0046】
以後、周知の工程を用いて、スペーサ23および絶縁層17を形成し、図1に示す半導体装置を製造する。
【0047】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、nMOS、pMOSトランジスタN1、P1を同一半導体層16上で製造した場合であっても、応力を加えるための外部からの膜厚や不純物濃度による制限がない。その結果、不良素子の発生を低減でき、LSIの歩留まりを向上できる点で有利である。
【0048】
また、このシリコン層16/電歪層15/シリコン層11による支持基板の構成は、いわゆるSOI(Silicon On Insulater)構造において、絶縁膜層を電歪層15に置き換えたような構造である。そのため、SOI構造と同様の製造工程を必要に応じて用いることができる。
【0049】
[第2の実施形態]
次に、この発明の第2の実施形態に係る半導体装置について、図6を用いて説明する。図6は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0050】
図示するように、半導体層16の厚さD1は、上記第1の実施形態に係る層16の厚さよりも薄く設けられている。さらに、ソース/ドレイン領域22N、22Pの底が電歪層15の上面に位置している。換言すれば、ソース/ドレイン領域22N、22Pの深さはD1程度である。
【0051】
上記のように、ソース/ドレイン領域22N、22Pの底が電歪層15の上面に接している。そのため、電歪層15N、15Pの上面にはウェルを介してではなくソース/ドレイン領域22P、22Nから直接電圧が与えられる。
【0052】
即ち、電歪層15Pの上面には、トランジスタP1の動作時に発生するソース電圧またはドレイン電圧Vddが印加される。一方、電歪層15Pの下面には、基板電圧VGND (<Vdd)が印加される。そのため、チャネル領域24Pに所望の圧縮応力が加えられる。
【0053】
電歪層15Nの上面には、トランジスタN1の動作時に発生するソース電圧またはドレイン電圧Vss(ここでは、接地電圧VGND )が印加される。一方、電歪層15Nの下面には、電源電圧Vdd(>VGND )が印加される。そのため、チャネル領域24Nに所望の引っ張り応力が加えられる。
【0054】
この実施形態に係る構成によれば、上記第1の実施形態において示した(1)乃至(4)と同様の効果が得られる。
【0055】
さらに、上記のように、電歪層15P、15Nに印加する電圧はwellを介してではなくソース/ドレイン領域22N、22Pから直接与えられるため、well電位を供給する端子を形成する必要がない。そのため、素子構造を簡便にできる点で有利である。
【0056】
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について説明する。
【0057】
まず、上記第1の実施形態と同様の工程を用いて、シリコン層11上に電歪層15を形成し、電歪層15上にシリコン層16を形成する。
【0058】
続いて、図7に示すように、例えば、CMP法またはスマートカット法等を用いて、シリコン層16の厚さを厚さD1程度に形成する。この工程の際には、時間等の反応条件を選択することによって、厚さD1を上記第1の実施形態のシリコン層16の厚さよりも薄くなるように形成する。
【0059】
続いて、周知の工程を用いてシリコン層16、電歪層15を貫通する絶縁層12を形成する。さらに、シリコン層16上に周知の工程を用いて、ゲート絶縁膜20、ゲート電極21を形成する(図示せず)。
【0060】
続いて、図8に示すように、全面上にフォトレジスト36を塗布し、このフォトレジスト36に露光および現像を行って、nMOSトランジスタとなる領域が露出する開口部37を形成する。さらに、上記開口パターンを有するフォトレジスト36をマスクとして、例えば、イオン打ち込み法を用いてリン(P)等のn型不純物をシリコン層16中に打ち込み、熱拡散させて、ソース/ドレイン領域22Nを形成する。
【0061】
また、このイオン打ち込み法の工程の際に、例えば、印加電圧を高く選択する等によりソース/ドレイン領域22Nの底が電歪層15の上面となるようにすることも可能である。この場合、厚さD1は、上記第1の実施形態のシリコン層16の厚さと同程度となる。
【0062】
続いて、フォトレジスト36を除去した後、上記ソース/ドレイン領域22Nを形成した工程と同様の工程を用いて、ソース/ドレイン領域22Pを形成する。
【0063】
以後、周知の工程を用いて、スペーサ23および絶縁層17を形成し、図6に示す半導体装置を製造する。
【0064】
この実施形態に係る半導体装置の製造方法によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
[第3の実施形態(シリコン層16と電歪層15との間に絶縁層が設けられた例)]
次に、この発明の第3の実施形態に係る半導体装置について、図9を用いて説明する。図9は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。この説明において、上記第2の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0066】
図示するように、絶縁層41、コンタクト配線43、45が更に設けられている点で上記第2の実施形態に係る半導体装置と相違している。
【0067】
絶縁層41は、電歪層15とシリコン層16との間に設けられている。コンタクト配線43は、絶縁層17、ソース/ドレイン領域22N、および絶縁層41を貫通し、電歪層15の表面上に設けられている。コンタクト配線45は、絶縁層17を貫通し、ソース/ドレイン領域22Pの表面上に設けられている。また、素子分離として働く絶縁層12は、シリコン層16、絶縁層41、および電歪層15を貫通し、シリコン層11中に達する深さとなるように設けられている。
【0068】
コンタクト配線43には、電源電圧Vss(<電源電圧Vdd)が印加される。コンタクト配線45には電源電位Vdd(>基板電圧Vsub )が印加される。
【0069】
また、この絶縁層41の厚さD3は、シリコン層16の厚さD2に比べて、例えば、1/10以下程度である。
【0070】
動作については、上記第2の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0071】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、この実施形態に係る半導体装置は、電歪層15とシリコン層16との間に絶縁層41が設けられ、ソース/ドレイン領域22N、22Pがこの絶縁層41上に接している。
【0072】
そのため、ソース/ドレイン領域22N、22P中の不純物が拡散して、チャネル領域24N、24P間がショートすることを防止し、トランジスタP1、N1の誤作動を防止できる点で有利である。
【0073】
そして、コンタクト配線43は、絶縁層17、ソース/ドレイン領域22N、および絶縁層41を貫通し、電歪層15の表面上に設けられている。そのため、電歪層15Nの表面に所望の電源電圧Vssを印加することができる。
【0074】
次に、この実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図9に示した半導体装置を例にあげて、図10乃至図13を用いて説明する。
【0075】
図10に示すように、上記第2の実施形態と同様の製造工程を用いて、シリコン層11中にNウェルn-wellを形成し、シリコン層11上に電歪層15を形成する。
【0076】
一方、図11に示すように、上記シリコン層11とは別に、p型のシリコン層16を用意する。このシリコン層16を、例えば、熱酸化してシリコン酸化膜(SiO2)を形成し、絶縁層41を形成する。
【0077】
続いて、図12に示すように、上記絶縁層41が形成されたシリコン層16の裏面側と表面側を反転させて、電歪層15上に絶縁層41を貼り付ける。
【0078】
続いて、図13に示すように、シリコン層16を、例えば、スマートカット法やCMP法等を用いて、シリコン層16の厚さがD2程度となるように削る。
【0079】
以後、周知の工程を用いて、シリコン層16上にトランジスタN1、P1、コンタクト配線43、45等を形成し、図9に示す半導体装置を製造する。
【0080】
上記のような製造方法によれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0081】
[第4の実施形態(ウェル電圧Vss、Vddと基板電圧Vsubを制御する例)]
次に、この発明の第4の実施形態に係る半導体装置について、図14を用いて説明する。図14は、この実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。この説明において、上記第1の実施形態と重複する部分の説明を省略する。
【0082】
図示するように、この実施形態に係る半導体装置は、シリコン層11中にNウェル35が設けられていない点で、上記第1の実施形態に係る半導体装置と相違している。
【0083】
そして、シリコン層11に基板電圧Vsubを印加する際に、Vss<Vsub<Vddなる条件を満たすように、基板電圧Vsubを印加する。
【0084】
上記のように、この実施形態に係る半導体装置によれば、上記第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、必要に応じてこのような構成をとることも可能である。
【0085】
製造方法に関しては、上記第1の実施形態と実質的に同様であるため、詳細な説明を省略するが、上記Nウェル35を形成する必要がないため、製造工程を簡略化でき、製造コストを低減できる点で有利である。
【0086】
尚、上記第1乃至第4の実施形態では、シリコン層11、16を一例として示した。しかし、シリコン層11、16等の半導体層に限らず、例えば、ゲルマニウム(SiGe)等の化合物半導体やシリコン基板等を適用することも可能である。上記化合物半導体を含む半導体層を用いた場合には、さらに電子又はホールの移動度を向上できる点で有利である。また、半導体層に対してより高い温度を適用できるという熱的な製造上のメリットもある。
【0087】
また、上記第1乃至第4の実施形態においては、シリコン層16/電歪層15/シリコン層11なる支持基板を形成した後、トランジスタN1、P1を形成する製造方法を一例として示した。しかし、シリコン層16上にトランジスタN1、P1を形成した後、シリコン層16の裏面側に電歪層15/シリコン層11を上記同様の工程により貼り付けることも可能である。
【0088】
さらに、支持基板は、シリコン層16/電歪層15/シリコン層11なる三層構造をその一例として示した。しかし、シリコン層11を電歪層15の裏面上まで削って除去し、シリコン層16/電歪層15なる二層構造を備えた支持基板とすることも可能である。この場合は、シリコン層11の専有面積を省くことができるため、微細化に対して有利である。
【0089】
以上、第1乃至第4の実施形態を用いてこの発明の説明を行ったが、この発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記各実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図2】圧電材料の単位長さあたりの伸び/縮みする変異を示す図。
【図3】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図4】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図5】この発明の第1の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図6】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図7】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図8】この発明の第2の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図9】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【図10】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図11】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図12】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図13】この発明の第3の実施形態に係る半導体装置の一製造工程を示す断面図。
【図14】この発明の第4の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。
【符号の説明】
【0091】
11、16…半導体基板、15…電歪層、N1…nMOSトランジスタ、P1…pMOSトランジスタ、24N、24P…チャネル領域、25…圧縮応力、26…引っ張り応力。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体層と、
前記第1半導体層の主表面領域中に設けられた第1導電型の第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記第1半導体層の裏面に設けられ、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタの動作時に、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域に、チャネル長方向に沿った第1の応力を加える電歪層と
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1半導体層の主表面領域中に設けられ、動作時に前記電歪層からチャネル領域に、チャネル長方向に沿って前記第1の応力と逆方向の第2の応力が加えられる第2導電型の第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタを更に具備すること
を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記電歪層は、表面に垂直な方向にそれぞれ互いに逆方向の電界が印加されることにより前記第1、第2絶縁ゲート型電荷効果トランジスタのチャネル領域にチャネル長方向に沿って前記第1の応力または前記第2の応力を加えること
を特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1、第2絶縁ゲート型電荷効果トランジスタは、前記第1半導体層上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記ゲート電極を挟むように前記第1半導体層中に隔離して設けられ底部が前記電歪層と接するソースおよびドレインとを備え、
前記第1半導体層とともに前記電歪層を挟んで設けられる第2半導体層を更に具備し、
前記第2半導体層に印加される電圧と前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース電圧またはドレイン電圧との電圧差によって、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域にチャネル長方向に沿って前記第1の応力を加え、
前記第2半導体層中に設けられたウェル領域に印加される電圧と前記第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース電圧またはドレイン電圧との電圧差によって、前記第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域に第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタとは逆方向の、チャネル長方向に沿った第2の応力を加えること
を特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1、第2絶縁ゲート型電荷効果トランジスタは、前記第1半導体層上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記ゲート電極を挟むように前記第1半導体層中に隔離して設けられたソースおよびドレインとを備え、
前記第1半導体層とともに前記電歪層を挟んで設けられる第2半導体層を更に具備し、
第1半導体層に印加される電圧と前記第2半導体層に印加される電圧との電圧差によって、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域にチャネル長方向に沿って前記第1の応力を加え、
前記第1半導体層に印加される電圧と前記第2半導体層中に設けられたウェル領域に印加される電圧との電圧差によって、前記第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域に第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタとは逆方向の、チャネル長方向に沿った前記第2の応力を加えること
を特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
【請求項1】
第1半導体層と、
前記第1半導体層の主表面領域中に設けられた第1導電型の第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記第1半導体層の裏面に設けられ、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタの動作時に、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域に、チャネル長方向に沿った第1の応力を加える電歪層と
を具備することを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1半導体層の主表面領域中に設けられ、動作時に前記電歪層からチャネル領域に、チャネル長方向に沿って前記第1の応力と逆方向の第2の応力が加えられる第2導電型の第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタを更に具備すること
を特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記電歪層は、表面に垂直な方向にそれぞれ互いに逆方向の電界が印加されることにより前記第1、第2絶縁ゲート型電荷効果トランジスタのチャネル領域にチャネル長方向に沿って前記第1の応力または前記第2の応力を加えること
を特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1、第2絶縁ゲート型電荷効果トランジスタは、前記第1半導体層上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記ゲート電極を挟むように前記第1半導体層中に隔離して設けられ底部が前記電歪層と接するソースおよびドレインとを備え、
前記第1半導体層とともに前記電歪層を挟んで設けられる第2半導体層を更に具備し、
前記第2半導体層に印加される電圧と前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース電圧またはドレイン電圧との電圧差によって、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域にチャネル長方向に沿って前記第1の応力を加え、
前記第2半導体層中に設けられたウェル領域に印加される電圧と前記第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタのソース電圧またはドレイン電圧との電圧差によって、前記第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域に第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタとは逆方向の、チャネル長方向に沿った第2の応力を加えること
を特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1、第2絶縁ゲート型電荷効果トランジスタは、前記第1半導体層上にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、前記ゲート電極を挟むように前記第1半導体層中に隔離して設けられたソースおよびドレインとを備え、
前記第1半導体層とともに前記電歪層を挟んで設けられる第2半導体層を更に具備し、
第1半導体層に印加される電圧と前記第2半導体層に印加される電圧との電圧差によって、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域にチャネル長方向に沿って前記第1の応力を加え、
前記第1半導体層に印加される電圧と前記第2半導体層中に設けられたウェル領域に印加される電圧との電圧差によって、前記第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタのチャネル領域に第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタとは逆方向の、チャネル長方向に沿った前記第2の応力を加えること
を特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−339243(P2006−339243A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−159419(P2005−159419)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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